Article perfluoropolyether-modified aminosilane and surface treatment agent as well as the coating of the aminosilane has been formed

申请号 JP13959699 申请日 1999-05-20 公开(公告)号 JP3601580B2 公开(公告)日 2004-12-15
申请人 信越化学工業株式会社; 发明人 博正 山口; 浩一 山口; 博文 木下;
摘要 A novel perfluoropolyether-modified aminosilane cures into a film having improved water and oil repellency, parting and anti-staining properties. A surface treating agent comprising the aminosilane, and an article with a coating of the aminosilane are also provided.
权利要求
  • 下記一般式(1)
    (式中、X ,X は加水分解性基、R ,R は炭素数1〜6の1価炭化水素基、Q ,Q は2価の有機基、mは6〜50の整数、nは2又は3、x及びyはそれぞれ1〜3の整数を示す。)
    で表されるパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン。
  • F(C 2x O) 2yが、下記式(2)
    (mは前記と同様。)
    で示されることを特徴とする請求項1記載のパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン。
  • 加水分解性基Xがアルコキシ基であることを特徴とする請求項1又は2記載のパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン。
  • ,Q がCH CH CH 又はCH CH NHCH CH CH である請求項1,2又は3記載のパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン。
  • 請求項1乃至4のいずれか1項記載のパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする表面処理剤。
  • 請求項1乃至4のいずれか1項記載のパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする硬化被膜を表面に有する物品。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、撥撥油性、離型性、防汚性等に優れた硬化被膜を与える新規なパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン、このアミノシランを主成分とする表面処理剤、及びこのアミノシランを主成分とする硬化被膜を有する物品に関する。
    【0002】
    【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
    一般にパーフルオロポリエーテル基含有化合物は、その表面エネルギーが非常に小さいために、撥水撥油性・耐薬品性・潤滑性・離型性・防汚性などの性状を有する。 その性質を利用して、工業的には紙・繊維などの撥水撥油防汚剤、磁気記録媒体の滑剤、精密機器の防油剤、離型剤、化粧料、保護膜など幅広く利用されている。
    【0003】
    しかし、その性質は、同時に他の基材に対する非粘着性、非密着性があることを示しており、基材表面に塗布することはできても、被膜を形成し、密着させることはできなかった。
    【0004】
    一方、ガラスや布などの基材表面と有機化合物とを結合させるものとしては、シランカップリング剤がよく知られている。 シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と反応性シリル基(一般にはアルコキシシリル基)を有する。 アルコキシシリル基は、空気中の水分などによって自己縮合反応を起こしてシロキサンとなり、被膜を形成する。 それと同時に、ガラスや金属などの表面と化学的・物理的に結合することによって、耐久性を有する強固な被膜となる。 シランカップリング剤はこの性質を利用して各種基材表面のコーティング剤として幅広く利用されている。
    【0005】
    これらの特徴を生かしたものとして、特開昭58−167597号公報には、下記式(3)で示されるようなフルオロアミノシラン化合物が開示されている。
    【0006】
    【化3】

    (式中、R

    ,R

    は炭素数1〜4のアルキル基、QはCH

    CH

    CH

    又はCH

    CH

    NHCH

    CH

    CH

    、mは1〜4の整数、nは2又は3である。)


    【0007】


    しかしながら、この化合物は、パーフルオロポリエーテル基の部分がヘキサフルオロプロピレンオキサイド(HFPO)の2〜5量体と短いため、パーフルオロポリエーテル基の持つ特徴を十分に出すことができなかった。


    【0008】


    また、特開昭58−122979号公報には、ガラス表面の撥水撥油剤として、下記式(4)で示される化合物が提示されている。


    【0009】


    【化4】


    (式中、Rfは炭素数1〜20個のポリフルオロアルキル基であって、エーテル結合を1個以上含んでもよい。R

    は水素原子又は低級アルキル基、Aはアルキレン基、xは−CON(R

    )−Q−又は−SO

    N(R

    )−Q−(ただし、R

    は低級アルキル基、Qは2価の有機基を示す)、zは低級アルキル基、Yはハロゲン、アルコキシ基又はR

    COO−(ただし、R

    は水素原子又は低級アルキル基を示す)、nは0又は1の整数、aは1〜3の整数、bは0,1又は2の整数である。)


    【0010】


    しかし、この場合も、含フッ素基の部分の炭素数が1〜20個と少なく、十分な効果が得られていない。


    【0011】


    また、本発明者らは、これらの問題を解決するために、以前に下記式(5)で表されるパーフルオロポリエーテルを提案した(特開平11−29585号公報)。


    【0012】


    【化5】


    (式中、Xは加水分解性基、R

    は低級アルキル基、R

    は水素原子又は低級アルキル基、QはCH

    CH

    CH

    又はCH

    CH

    NHCH

    CH

    CH

    、mは6〜50の整数、nは2又は3、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)


    【0013】


    このパーフルオロポリエーテル変性アミノシランは、撥水撥油性、防汚性、耐薬品性、潤滑性、離型性等に優れており、各種基材表面にコーティングすることにより表面処理剤として利用することができる。 しかし、1分子中の加水分解性基の割合(重量%)が少ないため、硬化までに時間を要するなど、処理被膜を形成する上で十分な性能を有しているとはいえなかった。 特に最近において、建築物の高層化に伴い、窓ガラスをメインテナンスフリー化することなど「汚れにくくする」、「汚れを落としやすくする」技術に対する要求は年々高まってきており、これらの要求に応えることのできる材料の開発が望まれていた。


    【0014】


    【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】


    本発明者らは、上記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、後述する方法で得られる下記一般式(1)で示される新規なパーフルオロポリエーテル変性アミノシランが、撥水撥油性、防汚性、耐薬品性、潤滑性、離型性等に優れており、各種基材表面にコーティングすることにより表面処理剤として利用することができ、また、その処理被膜は基材に強固に密着しているため、その効果を長期間持続させることができることを知見し、本発明をなすに至った。


    【0015】


    【化6】


    (式中、X

    ,X

    は加水分解性基、R

    ,R

    は炭素数1〜6の1価炭化水素基、Q

    ,Q

    は2価の有機基、mは6〜50の整数、nは2又は3、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)


    【0016】


    この表面処理剤の主成分である式(1)のパーフルオロポリエーテル変性アミノシランにはアミド結合が含まれているが、基材表面にフッ素変性基を効率よく配向させるにはアミド結合が有効であることが知られており、この点からも本発明に示す表面処理剤はこれまでのものよりも優れているといえる。


    【0017】


    また、分子中に加水分解性シリル基を2個有しており、従来の上記式(4)のアミノシランよりも反応性が向上したため、硬化性、被膜形成性に優れているといえる。


    【0018】


    従って、本発明は、上記一般式(1)で表されるパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン、このアミノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする表面処理剤、及びこのアミノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする硬化被膜を表面に有する物品を提供する。


    【0019】


    以下、本発明につき更に詳しく説明する。


    本発明に係るパーフルオロポリエーテル変性アミノシランは、下記式(1)で表されるものである。


    【0020】


    【化7】


    (式中、X

    ,X

    は加水分解性基、R

    ,R

    は炭素数1〜6の1価炭化水素基、Q

    ,Q

    は2価の有機基、mは6〜50の整数、nは2又は3、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)


    【0021】


    式中、X

    ,X

    は加水分解性基を表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。 その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC

    〜C

    のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基などのC

    〜C

    のオキシアルコキシ基、アセトキシ基などのアシロキシ基、イソプロペノキシ基などのC

    〜C

    のアルケニルオキシ基、クロル基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基などが挙げられる。 中でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、クロル基が好適である。


    【0022】


    ,R

    はC

    〜C

    の1価炭化水素基で、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基などであり、中でもメチル基が好適である。


    【0023】


    ,Q

    は2価の有機基であり、それぞれ同じでも異なっていてもよい。 2価の有機基としては、炭素数3〜10、特に3〜6のNH基、酸素原子等が介在してもよいアルキレン基が好ましく、より好ましくはCH

    CH

    CH

    又はCH

    CH

    NHCH

    CH

    CH

    であり、またこれらが混在していてもよい。


    【0024】


    mは6〜50の整数である。 この範囲より小さいと、パーフルオロポリエーテル基としての特徴が十分に発揮されず、また、この範囲より大きいと、分子全体に占めるアルコキシシリル基の割合が極端に小さくなるため、アルコキシシリル基の縮合反応が進み難く、被膜を形成する上で好ましくない。 mの値としては15〜35の範囲が機能の発現と反応性とのバランスの上で特に望ましい。


    【0025】


    nは2又は3のいずれかで、それぞれ同じでも異なっていてもよく、また、n=2のものとn=3のものとを併用してもよい。


    x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。


    【0026】


    上記アミノシランとしては、特にF(C

    2x O)

    2yで示されるパーフルオロポリエーテル部分が下記式(2)であることが好ましく、また加水分解性基Xがアルコキシ基であることが好ましい。


    【0027】


    【化8】


    (mは上記の通り。)


    【0028】


    本発明に示すパーフルオロポリエーテル変性アミノシランの製造方法の例としては、相当するヘキサフルオロプロピレンオキサイド(HFPO)オリゴマーのジアリルアミド誘導体と相当するヒドロキシシランとのヒドロシリル化反応によって製造する方法が挙げられる。


    【0029】


    本発明の表面処理剤は、上記式(1)のアミノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする。 この場合、この表面処理剤には、必要に応じて、アルコキシシラン加水分解縮合触媒を添加してもよい。 かかる触媒としては、例えば、有機錫化合物(ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫など)、有機チタン化合物(テトラn−ブチルチタネートなど)、有機酸(酢酸、メタンスルホン酸など)、無機酸(塩酸、硫酸など)が挙げられ、これらの中では特に酢酸、テトラn−ブチルチタネート、ジラウリン酸ジブチル錫などが望ましい。 上記触媒の添加量は触媒量であり、通常、上記式(1)のアミノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対して0.01〜5重量部、特に0.1〜1重量部である。


    【0030】


    また、本発明の表面処理剤は、適当な溶剤で希釈して用いることができる。 かかる溶剤としては、例えば、フッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤(パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタンなど)、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤(m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライドなど)、フッ素変性エーテル系溶剤(メチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)など)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、ミネラルスピリッツ、トルエン、キシレンなど)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)が挙げられ、中でも溶解性、濡れ性などの点で、フッ素変性された溶剤が望ましく、特にm−キシレンヘキサフロライド、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)などが好適に用いられる。 なお、これらの溶剤は、単独で用いても2種以上を混合使用してもよく、上記成分を均一に溶解することが望ましい。


    【0031】


    上記表面処理剤を用いて各種基材表面を処理する方法としては、公知の方法が採用でき、例えば刷毛塗り、ディッピング、スプレー、蒸着処理などの方法が採用し得る。 処理条件は適宜選定され、処理温度は処理方法によって最適な温度が異なるが、例えば刷毛塗りやディッピングの場合は、室温〜120℃の範囲が望ましい。 また、処理湿度としては、加湿下で行うことが反応を促進する上で好ましい。


    【0032】


    なお、基材としては、紙、布、金属、ガラス、プラスチック、セラミックなど、各種材質のものを用いることができる。


    【0033】


    本発明の式(1)のアミノシランは、撥水撥油性、離型性、防汚性等に優れた硬化被膜を形成することができ、上記表面処理剤は、この機能を利用した応用例として、次のようなものが挙げられる。


    撥水撥油剤…紙,布,金属,ガラス,プラスチック,セラミックなど。


    離 型 剤…粘着テープ用,樹脂成形用金型、ロール用など。


    防汚加工剤…紙,布,金属,ガラス,プラスチック,セラミックなど。


    【0034】


    より具体的な応用例として下記のものが挙げられる。


    ・反射防止フィルム等の表面に防汚性に優れた被膜を形成する防汚コーティング・眼鏡レンズ、反射防止フィルターなど光学部材の指紋、皮脂付着防止コーティング・浴槽、洗面台のようなサニタリー製品の撥水、防汚コーティング・一般産業用ガラス、自動車、電車、航空機等の輸送機などの窓ガラス、ヘッドランプカバー等の防汚コーティング・外壁用建材の撥水、防汚コーティング・台所用建材の油汚れ防止用コーティング・電話ボックスの撥水、防汚及び貼り紙防止コーティング・美術品などの撥水、撥油性、及び指紋付着防止付与のコーティング【0035】


    なお、上記各種基材乃至物品表面に形成される硬化被膜の膜厚は、基材の種類により適宜選定されるが、通常0.1〜5μm、特に0.1〜1μmである。


    【0036】


    また、本発明の式(1)のアミノシランは、上記用途以外に、塗料添加剤、樹脂改質剤、無機質充填材の流動性・分散性の改質、テープ・フィルムなどの潤滑性の向上などに使用される。


    【0037】


    【発明の効果】


    本発明のパーフルオロポリエーテル変性アミノシランは、撥水撥油性、離型性、防汚性等に優れた硬化被膜を形成することができる。


    【0038】


    【実施例】


    以下、合成例、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。


    【0039】


    〔合成例1〕


    温度計、還流冷却器、撹拌機を取り付けた200mlの3つ口フラスコに、下記式(6)に示されるパーフルオロポリエーテル変性ジアリルアミド87.1g、m−キシレンヘキサフロライド40.5g、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液(以下、触媒PTと記す)0.094g(Pt単位として2.40×10

    −6モルを含有)を入れて、80℃に加熱撹拌した。 トリメトキシシラン7.3gを滴下して85℃で3時間熟成し、

    H−NMRで原料のアリル基が消失したのを確認した後、溶剤や過剰のトリメトキシシランを減圧留去して無色透明の液体84.0gを得た。 得られた化合物の

    H−NMR及びIRスペクトルのデータを次に示す。


    【0040】


    【化9】


    H−NMR(TMS基準,ppm)


    −CH

    Si≡ 0.6−0.7


    −CH

    CH

    − 1.7−1.9


    −CONC

    CH

    − 3.3−3.5


    −Si(OC

    3.5−3.6


    IR(KBr板,液膜法,cm

    −1 ,図1参照)


    2950−2820(C−H)


    1680(CON)


    1315−1090(C−F)


    【0041】


    以上の結果から、得られた化合物の構造式は下記式(7)であることがわかった。


    【0042】


    【化10】


    【0043】


    〔合成例2〕


    合成例1で用いた化合物のうち、トリメトキシシランの代わりにメチルジメトキシシランを用いた他は、合成例1と同様の方法で下記式(8)に示す化合物を得た。


    【0044】


    【化11】


    【0045】


    〔合成例3〕


    合成例1で用いた化合物のうち、式(6)に示すパーフルオロポリエーテル変性ジアリルアミドの代わりに下記式(9)で示される化合物を用いた他は、合成例1と同様の方法で下記式(10)に示す化合物を得た。


    【0046】


    【化12】


    【0047】


    〔合成例4〕(比較例)


    合成例1で用いた化合物のうち、式(6)に示すパーフルオロポリエーテル変性ジアリルアミドの代わりに下記式(11)で示される化合物を用いた他は、合成例1と同様の方法で下記式(12)に示す化合物を得た。


    【0048】


    【化13】


    【0049】


    〔実施例1−1〜1−3〕


    合成例1〜3で合成されたパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン3.0gをパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)97.0gに溶解させ、ガラス板(2.5×10×0.5cm)に刷毛塗りで塗布した。 25℃,湿度70%の雰囲気下で1時間放置し、硬化被膜を形成させた。 この試料片を用いて、以下のような評価を行った。


    【0050】


    (1)撥水撥油性の評価接触計(協和界面科学社製A3型)を用いて、硬化被膜の水及びn−ヘキサデカンに対する接触角を測定し、撥水撥油性の評価とした。


    (2)離型性の評価硬化被膜表面にセロハン粘着テープ(幅25mm)を貼り、その剥離を測定して離型性の評価とした。 測定は引張試験機を用いて180°の角度で剥離速度300mm/分で行った。


    (3)被膜の耐久性の評価セルロース製不織布によって硬化被膜表面を一定の荷重で30往復拭いた後、評価(1)で示した方法で水に対する接触角を測定して耐久性の評価とした。


    (4)加水分解性(被膜形成性)の評価合成例1〜3で合成されたパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン3.0gをパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)97.0gに溶解させ、ガラス板(2.5×10×0.5cm)に刷毛塗りで塗布した。 25℃,湿度70%の雰囲気下で10分間放置した後、表面の未硬化分をセルロース製不織布で拭き取ってから、ガラス表面の水に対する接触角を測定して加水分解性(被膜形成性)の評価とした。


    これら(1)〜(4)の評価結果を表1に示す。


    【0051】


    〔比較例1−1〕


    実施例1−1〜1−3で用いたフルオロアミノシランの代わりに合成例4で合成されたフルオロアミノシランを用いた他は、実施例と同様の方法で評価した。 評価結果を表1に示す。


    【0052】


    〔比較例1−2〕


    実施例1−1〜1−3で用いたフルオロアミノシランの代わりに下記式(13)に示す化合物を用いた他は、実施例と同様の方法で評価した。 評価結果を表1に示す。


    【0053】


    【化14】


    【0054】


    【表1】


    【0055】


    実施例は、いずれも従来品(比較例1−2)と同等もしくはそれ以上の撥水撥油性、離型性を示し、且つ耐久性、加水分解性(被膜形成性)に優れている。 また、比較例1−1は実施例と比べて撥水撥油性、離型性に劣っており、実用に供し得ない。


    【0056】


    以上の点から、本発明に示すパーフルオロポリエーテル変性アミノシランは、基材表面に強固な被膜を形成し、撥水撥油性、離型性等に優れた表面処理剤としての応用が可能である。


    【0057】


    〔実施例2−1〜2−3〕


    合成例1〜3で合成されたパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン5.0gをパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)495.0gに溶解させてコーティング液を調製した。 この処理液にトリフルオロメタンスルホン酸0.05gを加えてよく撹拌し、アクリル樹脂板(10×10×0.8cm)にディッピング法で塗工した。 40℃,湿度85%の雰囲気下で2時間放置し、乾いた布で表面を拭き取って硬化被膜を形成させた。 この試料片を用いて、以下のような評価を行った。


    【0058】


    (1)撥水性の評価接触角計(協和界面科学社製A3型)を用いて、硬化被膜の水に対する接触角を測定し、撥水性の評価とした。 評価結果を表2に示す。


    (2)防汚性に対する評価表2に示す汚染試料約30gを硬化被膜が形成されたアクリル樹脂板上にかけ流したときの汚れのつきやすさ、及びそれを室温で15分間風乾させた後に乾いた布で拭き取ったときの汚れの拭き取りやすさについて、以下の評価基準で評価を行った。 評価結果を表2に示す。


    汚れのつきやすさ


    ○:汚れが殆どつかない△:やや汚れがつく×:かなり汚れがつく


    汚れの拭き取りやすさ


    ○:汚れを軽く拭き取れる△:汚れが拭き取りにくいが跡は残らない×:汚れが拭き取りにくく跡も残る【0059】


    〔比較例2−1〕


    実施例2−1〜2−3で用いたコーティング液の代わりに、合成例4で合成されたフルオロアミノシランを用いた他は実施例と同様の方法でコーティング液を調製して評価した。 評価結果を表2に示す。


    【0060】


    〔比較例2−2〕


    実施例2−1〜2−3で用いたコーティング液の代わりに、C

    17 CH

    CH

    Si(OCH

    を用いた他は実施例と同様の方法でコーティング液を調製して評価した。 評価結果を表2に示す。


    【0061】


    〔比較例2−3〕


    実施例2−1〜2−3で用いたコーティング液を塗工せずにそのままアクリル樹脂板を用いた他は実施例と同様の方法で評価を行った。 評価結果を表2に示す。


    【0062】


    【表2】


    【0063】


    〔実施例3−1〜3−3〕


    合成例1〜3で合成されたパーフルオロポリエーテル変性アミノシラン5.0gをパーフルオロヘキサン495.0gに溶解させ、この溶液にトリフルオロメタンスルホン酸0.05gを加えてよく撹拌し、コーティング液を調製した。 この処理液をガラス製レンズにスピンコート法で塗工した。 40℃,湿度85%の雰囲気下で2時間放置し、乾いた布で表面を拭き取って硬化被膜を形成させた。 この試料片を用いて、以下のような評価を行った。


    【0064】


    (1)撥水性の評価接触角計(協和界面科学社製A3型)を用いて、レンズ表面の水に対する接触角を測定し、撥水性の評価とした。 評価結果を表3に示す。


    (2)防汚性に対する評価レンズ表面に人差し指を5秒間押し当てて指紋を付着させ、そのつきやすさを目視で評価した。 また、その指紋を乾いた布で拭き取ったときの汚れの拭き取りやすさについても評価した。 評価基準は以下の通りであり、被験者5人の平均の評価をその表面の評価とした。 評価結果を表3に示す。


    指紋のつきやすさ


    ○:指紋が殆どつかない×:はっきりと指紋がつく


    指紋の拭き取りやすさ


    ○:指紋を軽く拭き取ることができる△:指紋は拭き取りにくいが跡は残らない×:指紋が拭き取りにくく跡も残る【0065】


    〔比較例3−1〕


    実施例3−1〜3−3で用いたコーティング液の代わりに、合成例4で合成されたフルオロアミノシランを用いた他は実施例と同様の方法でコーティング液を調製して評価した。 評価結果を表3に示す。


    【0066】


    〔比較例3−2〕


    実施例3−1〜3−3で用いたコーティング液の代わりに、C

    17 CH

    CH

    Si(OCH

    を用いた他は実施例と同様の方法でコーティング液を調製して評価した。 評価結果を表3に示す。


    【0067】


    〔比較例3−3〕


    実施例3−1〜3−3で用いたコーティング液を塗工せずにそのままガラスレンズを用いた他は実施例と同様の方法で評価を行った。 評価結果を表3に示す。


    【0068】


    【表3】


    【0069】


    以上のことから、本発明に示すコーティング剤組成物は、撥水撥油性、防汚性に優れたコーティング剤としてあらゆる用途へ応用することができるものである。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】合成例1で得られた本発明のアミノシランの一例のIRスペクトルである。

    QQ群二维码
    意见反馈