タイヤ

申请号 JP2016550367 申请日 2015-09-24 公开(公告)号 JPWO2016047708A1 公开(公告)日 2017-07-06
申请人 株式会社ブリヂストン; 发明人 夕記 伊藤; 夕記 伊藤; 泰典 樽谷; 泰典 樽谷;
摘要 ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体を有し、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントと、ポリプロピレングリコールに由来する構成単位からなるソフトセグメントと、2つ以上のセグメントを結合し炭素数6以上20以下のジカルボン酸に由来する構成単位からなる結合部と、を有し、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が20,000以上250,000以下であるタイヤである。
权利要求

ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体を有し、 前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントと、ポリプロピレングリコールに由来する構成単位からなるソフトセグメントと、2つ以上のセグメントを結合し炭素数6以上20以下のジカルボン酸に由来する構成単位からなる結合部と、を有し、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が20,000以上250,000以下である、タイヤ。前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーにおける、前記ハードセグメントの質量(x)と前記ソフトセグメントの質量(y)との比(x/y)は、54/46〜90/10である、請求項1に記載のタイヤ。前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーにおける、前記ハードセグメントの質量(x)と前記ソフトセグメントの質量(y)との比(x/y)は、54/46〜88/12である、請求項1に記載のタイヤ。

说明书全文

本発明は、リムに装着されるタイヤにかかり、特に、タイヤケースの少なくとも一部が樹脂材料で形成されたタイヤに関する。

従来、乗用車等の車両には、ゴム、有機繊維材料、スチール部材などから構成された空気入りタイヤが用いられている。 近年では、軽量化や、成形の容易さ、リサイクルのしやすさから、樹脂材料、特に熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどをタイヤ材料として用いることが検討されている。これら熱可塑性の高分子材料(熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂材料等)は、射出成形が可能であるなど、生産性の向上の観点から有利な点が多い。例えば、前記熱可塑性の高分子材料としてポリアミド系熱可塑性エラストマーを用いて製造されたタイヤが提案されている(特開2012−45790号参照)。

熱可塑性の高分子材料を用いたタイヤは、ゴム製の従来タイヤと比べて製造が容易で且つ低コストであるが、さらに製造効率を高め低コストを実現しつつ従来のゴム製タイヤと比して遜色のない性能(タイヤの要求特性)を実現することが求められる。前記タイヤの要求特性としては、例えば、低転がり抵抗性(低ロス性)、耐熱性、優れたリム組み性(リム組みが可能であるとともに、リム組みをした際に内部の空気が漏れにくいこと)等が挙げられる。また、タイヤの製造効率を高めるために要求される特性としては、例えば、高分子材料を合成する際の反応速度(反応性)、高分子材料を射出成形する際の優れた射出成形性等が挙げられる。 このように、熱可塑性の高分子材料を用いたタイヤにおいては、高い製造効率、低ロス性、耐熱性、及び優れたリム組み性のバランスが求められている。

そこで、本発明の一実施形態は、前記事情を踏まえ、樹脂材料を用いて形成され、製造効率、低ロス性、耐熱性、及びリム組み性がバランスよく優れるタイヤを提供することを目的とする。

[1]ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体を有し、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントと、ポリプロピレングリコールに由来する構成単位からなるソフトセグメントと、2つ以上のセグメントを結合し炭素数6以上20以下のジカルボン酸に由来する構成単位からなる結合部と、を有し、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が20,000以上250,000以下である、タイヤ。

本発明の一実施形態によれば、樹脂材料を用いて形成され、製造効率、低ロス性、耐熱性、及びリム組み性がバランスよく優れるタイヤを提供することができる。

本発明の一実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図である。

リムに装着したビード部の断面図である。

第1実施形態のタイヤのタイヤケースのクラウン部に補強コードが埋設された状態を示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。

本発明の一実施形態に係るタイヤは、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体を有する。そして、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントと、ポリプロピレングリコールに由来する構成単位からなるソフトセグメントと、2つ以上のセグメントを結合し炭素数6以上20以下のジカルボン酸に由来する構成単位からなる結合部と、を有し、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が20,000以上250,000以下である。

本発明の一実施形態では、タイヤ骨格体が、ソフトセグメントの構成単位、結合部の構成単位、及び重量平均分子量のすべてについて上記条件を満たすポリアミド系熱可塑性エラストマーを含むため、製造効率、低ロス性、耐熱性、及びリム組み性がバランスよく優れる。 具体的には、例えば本発明の一実施形態では、ソフトセグメントがポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)に由来する構成単位を含む場合に比べ、製造効率、耐熱性、及びリム組み性を維持しつつ、特に低ロス性を向上させることができる。その理由は定かではないが、ソフトセグメントを形成するポリマーとして用いられるポリプロピレングリコールが非晶性であるため、結晶性を有するPTMGを含む場合に比べて、タイヤの低ロス性が優れると推測される。

また本発明の一実施形態では、結合部を形成するジカルボン酸の炭素数が前記範囲から外れた場合に比べ、低ロス性を維持しつつ製造効率が向上し、加えて耐熱性及びリム組み性も優れたバランスの良いタイヤを得ることができる。ジカルボン酸の炭素数が前記範囲であることにより製造効率が向上する理由は定かではないが、前記炭素数のジカルボン酸を用いることで、ポリアミド系熱可塑性エラストマー合成時の反応速度(反応性)が高く、その結果製造効率が向上すると推測される。

また本発明の一実施形態では、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が前記範囲から外れた場合に比べ、製造効率、低ロス性、耐熱性、及びリム組み性のすべてがバランスよく優れたタイヤが得られる。具体的には、本発明の一実施形態では、重量平均分子量が前記範囲より低い場合に比べ、製造効率の中でも特に射出成形性に優れるとともに低ロス性及びリム組み性に優れ、重量平均分子量が前記範囲より高い場合に比べ、射出成形性、リム組み性、及び耐熱性に優れる。 以上のように、上記ポリアミド系熱可塑性エラストマーを適用した前記タイヤは、樹脂材料を用いて形成され、製造効率、低ロス性、耐熱性、及びリム組み性がバランスよく優れることとなる。

《樹脂材料》 上述のように、前記タイヤは、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む樹脂材料を用いたタイヤ骨格体を有する。そして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、少なくとも、ハードセグメントと、ポリプロピレングリコールに由来する構成単位からなるソフトセグメントと、2つ以上のセグメントを結合し炭素数6以上20以下のジカルボン酸に由来する構成単位からなる結合部と、を有し、重量平均分子量が20,000以上250,000以下である。

本明細書において「結合部」とは、2つ以上のセグメントを結合する結合部である。結合部として具体的には、例えば、ハードセグメントとソフトセグメントとの結合部、ハードセグメント同士の結合部、及びソフトセグメント同士の結合部が挙げられる。結合部は、例えば、後述する鎖長延長剤により結合された部分が挙げられる。 なお、前記樹脂材料は、上記熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性エラストマーや、任意の成分を含んでいてもよい。また、本明細書において「樹脂」とは、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む概念であるが、天然ゴムは含まない。 また本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。 また本明細書において、組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が組成物中に複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。

<ポリアミド系熱可塑性エラストマー> 本明細書において、「ポリアミド系熱可塑性エラストマー」とは、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性エラストマーであって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものを意味する。

前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、少なくともポリアミドが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、ポリプロピレングリコールが非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成し、炭素数6以上20以下のジカルボン酸である鎖長延長剤が結合部を構成している材料が挙げられる。

−ハードセグメント− 前記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、例えば、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーを用いて合成されるポリアミドを挙げることができる。

一般式(1)中、R1は、炭素数2〜20の炭化素の分子鎖、又は、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。

一般式(2)中、R2は、炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖、又は、炭素数3〜20のアルキレン基を表す。

一般式(1)中、R1としては、炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素数3〜18のアルキレン基が好ましく、炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素数4〜15のアルキレン基が更に好ましく、炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素数10〜15のアルキレン基が特に好ましい。また、一般式(2)中、R2としては、炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素数3〜18のアルキレン基が好ましく、炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素数4〜15のアルキレン基が更に好ましく、炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素数10〜15のアルキレン基が特に好ましい。 前記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーとしては、ω−アミノカルボン酸やラクタムが挙げられる。また、前記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、これらω−アミノカルボン酸やラクタムの重縮合体や、ジアミンとジカルボン酸との共縮重合体等が挙げられる。

前記ω−アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などの炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸等を挙げることができる。また、ラクタムとしては、ラウリルラクタム、ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ω−エナントラクタム、2−ピロリドンなどの炭素数5〜20の脂肪族ラクタムなどを挙げることができる。 前記ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、メタキシレンジアミンなどの炭素数2〜20の脂肪族ジアミンなどのジアミン化合物を挙げることができる。また、ジカルボン酸は、HOOC−(R3)m−COOH(R3:炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖、m:0又は1)で表すことができ、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。

前記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、ε-カプロラクタムを開環重縮合したポリアミド(ポリアミド6)、ウンデカンラクタムを開環重縮合したポリアミド(ポリアミド11)、ラウリルラクタムを開環重縮合したポリアミド(ポリアミド12)、12−アミノドデカン酸を重縮合したポリアミド(ポリアミド12)、ジアミンと二塩基酸との重縮合ポリアミド(ポリアミド66)、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジカルボン酸とを重合したポリアミド(ポリアミド612)、又はメタキシレンジアミンを構成単位として有するポリアミド(アミドMX)等を挙げることができる。

前記ポリアミド6は、例えば、{CO−(CH2)5−NH}n(nは任意の繰り返し単位数を表す)で表すことができ、例えば、nとしては2〜100が好ましく、3〜50が更に好ましい。 前記ポリアミド11は、例えば、{CO−(CH2)10−NH}n(nは任意の繰り返し単位数を表す)で表すことができ、例えば、nとしては2〜100が好ましく、3〜50が更に好ましい。 前記ポリアミド12は、例えば、{CO−(CH2)11−NH}n(nは任意の繰り返し単位数を表す)で表すことができ、例えば、nとしては2〜100が好ましく、3〜50が更に好ましい。 前記ポリアミド66は、例えば、{CO(CH2)4CONH(CH2)6NH}n(nは任意の繰り返し単位数を表す)で表すことができ、例えば、nとしては2〜100が好ましく、3〜50が更に好ましい。 前記ポリアミド612は、例えば、{CO(CH2)12CONH(CH2)6NH}n(nは任意の繰り返し単位数を表す)で表すことができ、例えば、nとしては2〜100が好ましく、3〜50が更に好ましい。

また、メタキシレンジアミンを構成単位として有するアミドMXは、例えば、下記構成単位(A−1)〔(A−1)中、nは任意の繰り返し単位数を表す〕で表わすことができ、例えば、nとしては2〜100が好ましく、3〜50が更に好ましい。

前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとして、−[CO−(CH2)11−NH]−で表される単位構造を有するポリアミド(ポリアミド12)を有することが好ましい。上述のようにポリアミド12は、ラウリルラクタムを開環重縮合又は12−アミノドデカン酸を重縮合することで得ることができる。 また、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、低ロス性、耐熱性、及び優れたリム組み性のバランスの観点から、特に、ハードセグメントとして、−[CO−(CH2)11−NH]−で表される単位構造を有するポリアミド(ポリアミド12)、−[CO−(CH2)5−NH]−で表される単位構造を有するポリアミド(ポリアミド6)、及び−[CO(CH2)12CONH(CH2)6NH]−で表される単位構造を有するポリアミド(ポリアミド612)の少なくとも1つを有することが好ましい。

前記ハードセグメントを形成するポリマー(ポリアミド)の数平均分子量としては、溶融成形性の観点から、300以上15000以下が好ましい。

−ソフトセグメント− 前記の通りソフトセグメントは、ポリプロピレングリコールに由来する構成単位からなる。すなわち前記ソフトセグメントは、ポリプロピレングリコールのみで形成される。 前記ソフトセグメントを形成するポリマー(ポリプロピレングリコール)としては、両末端が水酸基であるポリプロピレングリコールのほか、末端に官能基を導入したポリプロピレングリコール誘導体が挙げられる。

前記ポリプロピレングリコール誘導体の末端における官能基は、鎖長延長剤であるジカルボン酸のカルボキシ基と反応してポリプロピレングリコールとジカルボン酸とが結合するものであればよく、例えばアミノ基等が挙げられる。 すなわちポリプロピレングリコール誘導体としては、例えば、両末端が水酸基であるポリプロピレングリコールの末端にアンモニア等を反応させることによって得られるポリオキシプロピレンジアミン等が挙げられる。 以下、両末端が水酸基であるポリプロピレングリコールと前記ポリプロピレングリコール誘導体とを総称して「ポリプロピレングリコール」と称する場合がある。

ソフトセグメントを形成するポリプロピレングリコールの数平均分子量としては、強靱性及び低温柔軟性の観点から、200以上6000以下が好ましく、400以上4000以下がより好ましく、650以上2000以下が特に好ましい。

ポリプロピレングリコールは、公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、プロピレンオキシドをアニオン開環重合反応させることでポリプロピレングリコールが得られる。また、市販のポリプロピレングリコールを用いてソフトセグメントを形成してもよい。

前記ハードセグメントと前記ソフトセグメントとの組合せとしては、上述で挙げたハードセグメントとソフトセグメントとのそれぞれの組合せを挙げることができる。この中でも、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリプロピレングリコールの組合せ、アミノドデカン酸の重縮合体/ポリプロピレングリコールの組合せ、が好ましい。

−結合部− 前記の通り結合部は、炭素数6以上20以下のジカルボン酸に由来する構成単位からなる。すなわち結合部は、炭素数6以上20以下のジカルボン酸である鎖長延長剤のみで形成される。 前記結合部を形成する鎖長延長剤は、炭素数6以上20以下のジカルボン酸であればよく、具体的には、例えば、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、これらを1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらの中でも鎖長延長剤としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、直鎖脂肪族ジカルボン酸がより好ましく、炭素数8以上20以下の直鎖脂肪族ジカルボン酸がさらに好ましく、炭素数10以上18以下の直鎖脂肪族ジカルボン酸が特に好ましく、炭素数12以上18以下の直鎖脂肪族ジカルボン酸がさらに好ましい。

前記ジカルボン酸の具体例としては、アジピン酸(ヘキサン二酸)、1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、ピメリン酸(ヘプタン二酸)、スベリン酸(オクタン二酸)、アゼライン酸(ノナン二酸)、セバシン酸(デカン二酸)、エイコサン二酸等の炭素数6以上20以下の直鎖脂肪族ジカルボン酸;トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数14以上20以下の二量化脂肪族ジカルボン酸及びこれらの水素添加物等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素数6以上20以下の脂環式ジカルボン酸;並びにテレフタル酸、イソフタル酸などの炭素数6以上20以下の芳香族ジカルボン酸;等を挙げることができる。これらの中でも、アジピン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸が好ましい。

−分子量− 樹脂材料に含まれるポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は、20,000以上250,000以下である。前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が20,000未満であると、リム組み性が低下してしまう。また、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が250,000を超えると、溶融粘度が高くなり、タイヤ骨格体を形成する際に充填不足が発生するおそれがあるため、成形温度、金型温度を高くする必要がある場合がある。そして、充填不足を防ぐために成形温度及び金型温度を高くした場合、サイクルタイムが長くなり、生産性(製造効率)が劣る。

前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量としては、50,000以上200,000以下が好ましく、60,000以上200,000以下がより好ましく、80,000以上160,000以下がさらに好ましく、100,000以上150,000以下が特に好ましい。また、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は、特に耐熱性及びリム組み性の観点から、100,000以上180,000以下であってもよく、150,000以上180,000以下であってもよく、170,000以上180,000以下であってもよい。 前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができ、例えば、東ソー株式会社製の「HLC−8320GPC EcoSEC」等のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いることができる。

前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーにおいて、前記ハードセグメントの質量(x)とソフトセグメントの質量(y)との比(x/y)は、例えば40/60〜90/10が挙げられ、低ロス性、耐熱性、及びリム組み性のバランスを両立できる観点から、54/46〜90/10が好ましく、54/46〜88/12がより好ましく、55/45〜85/15がさらに好ましく、60/40〜75/25が特に好ましい。 なお、本明細書を通じて、「x」は、ポリアミド系熱可塑性エラストマーに含まれるハードセグメントの質量を示し、「y」は、ポリアミド系熱可塑性エラストマーに含まれるソフトセグメントの質量を示す。また「x/y」は、「前記ハードセグメントの質量(x)/前記ソフトセグメントの質量(y)」を示す。

前記ポリアミド系熱可塑性エラストマー中のハードセグメントの含有量は、ポリアミド系熱可塑性エラストマー全量に対して、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%が更に好ましく、15〜90質量%が特に好ましい。 前記ポリアミド系熱可塑性エラストマー中のソフトセグメントの含有量は、ポリアミド系熱可塑性エラストマー全量に対して、10〜95質量%が好ましく、10〜90質量%が更に好ましい。 前記鎖長延長剤の含有量は前記ソフトセグメントを構成するポリプロピレングリコールの末端の官能基(例えば水酸基又はアミノ基)と、鎖長延長剤のカルボキシル基とが、ほぼ等モルになるように設定されることが好ましい。

−製造方法− 前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、前記ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。 例えば、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを構成するモノマー(例えば、12−アミノドデカン酸などのω−アミノカルボン酸や、ラウリルラクタムなどのラクタム)と鎖長延長剤(例えば、アジピン酸又はデカンジカルボン酸)とを容器内で重合させた後、ソフトセグメントを構成するポリマー(ポリプロピレングリコール)を添加し、さらに重合させることで得ることができる。

特に、ハードセグメントを構成するモノマーとしてω−アミノカルボン酸を使用する場合、常圧溶融重合又は常圧溶融重合に、更に減圧溶融重合を行って合成することができる。ハードセグメントを構成するモノマーとしてラクタムを用いる場合には、適量の水を共存させることができ、0.1〜5MPaの加圧下での溶融重合とそれに続く常圧溶融重合及び/又は減圧溶融重合からなる方法で製造することができる。また、これら合成反応は、回分式及び連続式のいずれでも実施することができる。また、上述の合成反応には、バッチ式反応釜、一槽式若しくは多槽式の連続反応装置、又は管状連続反応装置などを単独で又は適宜組み合わせて用いてもよい。

前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの製造において、重合温度は、150〜300℃が好ましく、160〜280℃が更に好ましい。また、重合時間は、合成するポリアミド系熱可塑性エラストマーの重合平均分子量及び重合温度との関係で適宜決定できるが、例えば、0.5〜30時間が好ましく、0.5〜20時間が更に好ましい。

前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの製造においては、必要に応じて分子量の調整や成形加工時の溶融粘度安定化を目的として、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのモノアミン又はジアミン;酢酸、安息香酸、ステアリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などのモノカルボン酸又はジカルボン酸;などの添加剤を添加してもよい。これら添加剤は、本発明の効果に悪い影響を与えない範囲で、得られるポリアミド系熱可塑性エラストマーの分子量や粘度等の関係で適宜選定することができる。

また、前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーの製造においては、必要に応じて触媒を用いることができる。前記触媒としては、P、Ti、Ge、Zn、Fe、Sn、Mn、Co、Zr、V、Ir、La、Ce、Li、Ca、及び、Hfからなる群より選択される少なくとも1種を含む化合物が挙げられる。 例えば、無機系リン化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機スズ化合物等が挙げられる。 具体的には、無機系リン化合物としては、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、次亜リン酸等のリン含有酸、リン含有酸のアルカリ金属塩、リン含有酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。 有機チタン化合物としては、チタンアルコキシド〔チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド等〕等が挙げられる。 有機ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムアルコキシド〔ジルコニウムテトラブトキシド(「Zr(OBu)4」または「Zr(OC4H8)4」とも称される)等〕等が挙げられる。 有機スズ化合物としては、ジスタノキサン化合物〔1−ヒドロキシ−3−イソチオシアネート−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン等〕、酢酸スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ブチルチンヒドロキシドオキシドヒドレート等が挙げられる。 触媒添加量及び触媒添加時期は、目的物を速やかに得られる条件であれば特に制限されない。

前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリプロピレングリコール/アジピン酸の組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリプロピレングリコール/デカンジカルボン酸の組合せ、アミノドデカン酸の重縮合体/ポリプロピレングリコール/アジピン酸の組合せ、アミノドデカン酸の重縮合体/ポリプロピレングリコール/デカンジカルボン酸の組合せ、が好ましい。前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、構成単位の組み合わせ、その構成比、分子量等について上述した好ましい態様同士を組み合わせたものを用いることができる。

前記樹脂材料には、所望に応じて、ゴム、各種充填剤(例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ)、老化防止剤、オイル、可塑剤、着色剤、耐候剤、補強材等の各種添加剤を含有させてもよい。前記添加剤の樹脂材料(タイヤ骨格体)中の含有量は特に限定はなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜用いることができる。前記樹脂材料に添加剤など樹脂以外の成分を加える場合、前記樹脂材料中の樹脂成分の含有量は、樹脂材料の総量に対して、50質量%以上が好ましく、90質量%以上が更に好ましい。尚、樹脂材料中の樹脂成分の含有量は、前記樹脂成分の総量から各種添加剤の総含有量を差し引いた残部となる。

<樹脂材料の物性> 次に、タイヤ骨格体を構成する樹脂材料の好ましい物性について説明する。前記タイヤ骨格体は、上述の樹脂材料を用いるものである。

前記樹脂材料(タイヤ骨格体)自体の融点(又は軟化点)としては、通常100℃〜350℃、好ましくは100℃〜250℃程度であるが、タイヤの生産性の観点から120℃〜250℃程度が好ましく、140℃〜230℃が更に好ましい。 このように、融点が120℃〜250℃の樹脂材料を用いることで、例えばタイヤの骨格体を、その分割体(骨格片)を融着して形成する場合に、120℃〜250℃の周辺温度範囲で融着された骨格体であってもタイヤ骨格片同士の接着強度が十分である。このため、前記タイヤは耐パンク性や耐摩耗性など走行時における耐久性に優れる。尚、前記加熱温度は、タイヤ骨格片を形成する樹脂材料の融点(又は軟化点)よりも10℃〜150℃高い温度が好ましく、10℃〜100℃高い温度が更に好ましい。

前記樹脂材料は、必要に応じて各種添加剤を添加して、公知の方法(例えば、溶融混合)で適宜混合することにより得ることができる。 溶融混合して得られた樹脂材料は、必要に応じてペレット状にして用いることができる。

前記樹脂材料(タイヤ骨格体)自体のJIS K7113:1995に規定される引張降伏強さは、5MPa以上が好ましく、5MPa〜20MPaがより好ましく、5MPa〜17MPaがさらに好ましい。樹脂材料の引張降伏強さが、5MPa以上であると、走行時などにタイヤにかかる荷重に対する変形に耐えることができる。

前記樹脂材料(タイヤ骨格体)自体のJIS K7113:1995に規定される引張降伏伸びは、10%以上が好ましく、10%〜70%が好ましく、15%〜60%がさらに好ましい。樹脂材料の引張降伏伸びが、10%以上であると、弾性領域が大きく、エアシール性をよくすることができる。

前記樹脂材料(タイヤ骨格体)自体のJIS K7113:1995に規定される引張破断伸びとしては、50%以上が好ましく、100%以上が好ましく、150%以上がさらに好ましく、200%以上が特に好ましい。樹脂材料の引張破断伸びが、50%以上であると、リム組み性がよく、衝突に対して破壊しにくくすることができる。

前記樹脂材料(タイヤ骨格体)自体のISO75−2又はASTM D648に規定される荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)としては、50℃以上が好ましく、50℃〜150℃が好ましく、50℃〜130℃がさらに好ましい。樹脂材料の荷重たわみ温度が、50℃以上であると、タイヤの製造において加硫を行う場合であってもタイヤ骨格体の変形を抑制することができる。

[第1の実施形態] 以下に、図面に従って本発明の第1の実施形態に係るタイヤを説明する。 本実施形態のタイヤ10について説明する。図1Aは、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図である。図1Bは、リムに装着したビード部の断面図である。図1Aに示すように、本実施形態のタイヤ10は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。

図1Aに示すように、タイヤ10は、図1Bに示すリム20のビードシート21及びリムフランジ22に接触する1対のビード部12と、ビード部12からタイヤ径方向外側に延びるサイド部14と、一方のサイド部14のタイヤ径方向外側端と他方のサイド部14のタイヤ径方向外側端とを連結するクラウン部16(外周部)と、からなるタイヤケース17(タイヤ骨格体)を備えている。

ここで、本実施形態のタイヤケース17は、樹脂材料として、例えば、ハードセグメントと、ポリプロピレングリコールに由来する構成単位からなるソフトセグメントと、2つ以上のセグメントを結合し炭素数6以上20以下のジカルボン酸に由来する構成単位からなる結合部と、を有し、重量平均分子量が20,000以上250,000以下であるポリアミド系熱可塑性エラストマーに各添加剤を含めたものを用いることができる。

本実施形態においてタイヤケース17は、単一の樹脂材料で形成されているが、本発明はこの構成に限定されず、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと同様に、タイヤケース17の各部位毎(サイド部14、クラウン部16、ビード部12など)に異なる特徴を有する熱可塑性樹脂材料を用いてもよい。また、タイヤケース17(例えば、ビード部12、サイド部14、クラウン部16等)に、補強材(高分子材料や金属製の繊維、コード、不織布、織布等)を埋設配置し、補強材でタイヤケース17を補強してもよい。

本実施形態のタイヤケース17は、樹脂材料で形成された一対のタイヤケース半体(タイヤ骨格片)17A同士を接合させたものである。タイヤケース半体17Aは、一つのビード部12と一つのサイド部14と半幅のクラウン部16とを一体として射出成形等で成形された同一形状の円環状のタイヤケース半体17Aを互いに向かい合わせてタイヤ赤道面部分で接合することで形成されている。なお、タイヤケース17は、2つの部材を接合して形成するものに限らず、3以上の部材を接合して形成してもよい。

前記樹脂材料で形成されるタイヤケース半体17Aは、例えば、真空成形、圧空成形、インジェクション成形、メルトキャスティング等で成形することができる。このため、従来のようにゴムでタイヤケースを成形する場合に比較して、加硫を行う必要がなく、製造工程を大幅に簡略化でき、成形時間を省略することができる。 また、本実施形態では、タイヤケース半体17Aは左右対称形状、即ち、一方のタイヤケース半体17Aと他方のタイヤケース半体17Aとが同一形状とされているので、タイヤケース半体17Aを成形する金型が1種類で済むメリットもある。

本実施形態において、図1Bに示すようにビード部12には、従来一般の空気入りタイヤと同様の、スチールコードからなる円環状のビードコア18が埋設されている。しかし、本発明はこの構成に限定されず、ビード部12の剛性が確保され、リム20との嵌合に問題なければ、ビードコア18を省略することもできる。なお、スチールコード以外に、有機繊維コード、樹脂被覆した有機繊維コード、又は硬質樹脂などで形成されていてもよい。

本実施形態では、ビード部12のリム20と接触する部分や、少なくともリム20のリムフランジ22と接触する部分に、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりもシール性に優れた材料、例えば、ゴムからなる円環状のシール層24が形成されている。このシール層24はタイヤケース17(ビード部12)とビードシート21とが接触する部分にも形成されていてもよい。タイヤケース17を構成する樹脂材料よりもシール性に優れた材料としては、タイヤケース17を構成する樹脂材料に比して軟質な材料を用いることができる。シール層24に用いることのできるゴムとしては、従来一般のゴム製の空気入りタイヤのビード部外面に用いられているゴムと同種のゴムを用いることが好ましい。また、前記樹脂材料よりもシール性に優れる他の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー)を用いてもよい。このような他の熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂やこれら樹脂とゴム若しくはエラストマーとのブレンド物等が挙げられる。また、熱可塑性エラストマーを用いることもでき、例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、或いは、これらエラストマー同士の組み合わせや、ゴムとのブレンド物等が挙げられる。

図1Aに示すように、クラウン部16には、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりも剛性が高い補強コード26がタイヤケース17の周方向に巻回されている。補強コード26は、タイヤケース17の軸方向に沿った断面視で、少なくとも一部がクラウン部16に埋設された状態で螺旋状に巻回されており、補強コード層28を形成している。補強コード層28のタイヤ径方向外周側には、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりも耐摩耗性に優れた材料、例えばゴムからなるトレッド30が配置されている。

図2を用いて補強コード26によって形成される補強コード層28について説明する。図2は、第1実施形態のタイヤのタイヤケースのクラウン部に補強コードが埋設された状態を示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。図2に示されるように、補強コード26は、タイヤケース17の軸方向に沿った断面視で、少なくとも一部がクラウン部16に埋設された状態で螺旋状に巻回されており、タイヤケース17の外周部の一部と共に図2において破線部で示される補強コード層28を形成している。補強コード26のクラウン部16に埋設された部分は、クラウン部16(タイヤケース17)を構成する樹脂材料と密着した状態となっている。補強コード26としては、金属繊維や有機繊維等のモノフィラメント(単線)、又は、スチール繊維を撚ったスチールコードなどこれら繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)などを用いることができる。なお、本実施形態において補強コード26としては、スチールコードが用いられている。

また、図2において埋設量Lは、タイヤケース17(クラウン部16)に対する補強コード26のタイヤ回転軸方向への埋設量を示す。補強コード26のクラウン部16に対する埋設量Lは、補強コード26の直径Dの1/5以上であれば好ましく、1/2を超えることがさらに好ましい。そして、補強コード26全体がクラウン部16に埋設されることが最も好ましい。補強コード26の埋設量Lが、補強コード26の直径Dの1/2を超えると、補強コード26の寸法上、埋設部から飛び出し難くなる。また、補強コード26全体がクラウン部16に埋設されると、表面(外周面)がフラットになり、補強コード26が埋設されたクラウン部16上に部材が載置されても補強コード周辺部に空気が入るのを抑制することができる。なお、補強コード層28は、従来のゴム製の空気入りタイヤのカーカスの外周面に配置されるベルトに相当するものである。

上述のように補強コード層28のタイヤ径方向外周側にはトレッド30が配置されている。このトレッド30に用いるゴムは、従来のゴム製の空気入りタイヤに用いられているゴムと同種のゴムを用いることが好ましい。なお、トレッド30の代わりに、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる他の種類の樹脂材料で形成したトレッドを用いてもよい。また、トレッド30には、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、路面との接地面に複数の溝からなるトレッドパターンが形成されている。 以下、本実施形態のタイヤの製造方法について説明する。

(タイヤケース成形工程) まず、上述のように前記ポリアミド系熱可塑性樹脂エラストマーを含む樹脂組成物を含む樹脂材料を用いて、タイヤケース半体を形成する。これらタイヤケースの形成は、射出成形で行うことが好ましい。次に、薄い金属の支持リングに支持されたタイヤケース半体同士を互いに向かい合わせる。次いで、タイヤケース半体の突き当て部分の外周面と接するように図を省略する接合金型を設置する。ここで、前記接合金型はタイヤケース半体17Aの接合部(突き当て部分)周辺を所定の圧で押圧するように構成されている。次いで、タイヤケース半体の接合部周辺を、タイヤケースを構成する樹脂材料の融点(又は軟化点)以上で押圧する。タイヤケース半体の接合部が接合金型によって加熱や加圧されると、前記接合部が溶融しタイヤケース半体同士が融着しこれら部材が一体となってタイヤケース17が形成される。尚、本実施形態においては接合金型を用いてタイヤケース半体の接合部を加熱したが、本発明はこれに限定されず、例えば、別に設けた高周波加熱機等によって前記接合部を加熱してもよく、予め熱風、赤外線の照射等によって軟化又は溶融させ、接合金型によって加圧し、タイヤケース半体を接合させてもよい。

(補強コード部材巻回工程) 次に、図を省略するが、補強コード26を巻き付けたリール、コード加熱装置、各種ローラ等を備えたコード供給装置を用い、加熱した補強コード26をクラウン部16の外周面に埋設しながら巻き付けることで、タイヤケース17のクラウン部16の外周側に補強コード層28を形成することができる。

このようにして、加熱した補強コード26をクラウン部16の外周面に埋設しながら巻き付けることで、タイヤケース17のクラウン部16の外周側に補強コード層28が形成される。

次に、タイヤケース17の外周面に加硫済みの帯状のトレッド30を1周分巻き付けてタイヤケース17の外周面にトレッド30を、接着剤などを用いて接着する。なお、トレッド30は、例えば、従来知られている更生タイヤに用いられるプレキュアトレッドを用いることができる。本工程は、更生タイヤの台タイヤの外周面にプレキュアトレッドを接着する工程と同様の工程である。

そして、タイヤケース17のビード部12に、加硫済みのゴムからなるシール層24を、接着剤等を用いて接着すれば、タイヤ10の完成となる。

(作用) 本実施形態のタイヤ10は、タイヤケース17が、ハードセグメントと、ポリプロピレングリコールに由来する構成単位からなるソフトセグメントと、2つ以上のセグメントを結合し炭素数6以上20以下のジカルボン酸に由来する構成単位からなる結合部と、を有し、重量平均分子量が20,000以上250,000以下であるポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む樹脂材料によって形成される。このため、本実施形態のタイヤ10は、製造効率、低ロス性、耐熱性、及びリム組み性がバランスよく優れる。

また、本実施形態のタイヤ10では、樹脂材料で形成されたタイヤケース17のクラウン部16の外周面に前記樹脂材料よりも剛性が高い補強コード26が周方向へ螺旋状に巻回されていることから耐パンク性、耐カット性、及びタイヤ10の周方向剛性が向上する。なお、タイヤ10の周方向剛性が向上することで、樹脂材料で形成されたタイヤケース17のクリープが防止される。

また、タイヤケース17の軸方向に沿った断面視(図1Aに示される断面)で、樹脂材料で形成されたタイヤケース17のクラウン部16の外周面に補強コード26の少なくとも一部が埋設され且つ樹脂材料に密着していることから、製造時のエア入りが抑制されており、走行時の入力などによって補強コード26が動くのが抑制される。これにより、補強コード26、タイヤケース17、及びトレッド30に剥離などが生じるのが抑制され、タイヤ10の耐久性が向上する。

そして、図2に示すように、補強コード26の埋設量Lが直径Dの1/5以上となっていることから、製造時のエア入りが効果的に抑制されており、走行時の入力などによって補強コード26が動くのがさらに抑制される。

さらに、ビード部12には、金属材料からなる環状のビードコア18が埋設されていることから、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、リム20に対してタイヤケース17、すなわちタイヤ10が強固に保持される。

またさらに、ビード部12のリム20と接触する部分に、タイヤケース17を構成する樹脂材料よりもシール性のあるゴム材からなるシール層24が設けられていることから、タイヤ10とリム20との間のシール性が向上する。このため、リム20とタイヤケース17を構成する樹脂材料のみとでシールする場合と比較して、タイヤ内の空気漏れがより一層抑制される。また、シール層24を設けることでリムフィット性も向上する。

また、第1実施形態では、補強コード26を加熱する構成としたが、例えば、補強コード26の外周をタイヤケース17と同じ樹脂材料で被覆する構成としてもよく、この場合には、被覆補強コードをタイヤケース17のクラウン部16に巻き付ける際に、補強コード26と共に被覆した樹脂材料も加熱することで、クラウン部16への埋設時におけるエア入りを効果的に抑制することができる。

また、補強コード26は螺旋巻きするのが製造上は容易だが、幅方向で補強コード26を不連続とする方法等も考えられる。

第1実施形態のタイヤ10は、ビード部12をリム20に装着することで、タイヤ10とリム20との間で空気室を形成する、所謂チューブレスタイヤであるが、本発明はこの構成に限定されず、完全なチューブ形状であってもよい。

以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。

以下、本発明について実施例を用いてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。

[実施例1] 攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積2リットルの反応容器に、1,2−アミノドデカン酸(アルドリッチ製)36.4g、アミノドデカノラクタム500g、ドデカン二酸(結合部となる鎖長延長剤)17.7gを入れ、容器内を十分窒素置換した後、280℃まで昇温し、0.4MPaの加圧下で4時間反応させた。圧力を解放したあと、窒素気流下でさらに1時間反応させ、分子量3700のナイロン12重合物である白色固体を得た(重合反応A)。 なお、得られたナイロン12重合物は、ハードセグメントである分子量3200のポリアミド(ナイロン12)の末端に鎖長延長剤であるドデカン二酸が結合したものである。

得られたナイロン12重合物200gに、ソフトセグメントとしてポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製 エラスタミン RP−2009、数平均分子量:2000)143.7gを加え、250℃で4時間撹拌を行った(重合反応B)。さらにIrganox1010を1g加え、白色のポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例2] 重合反応Bにおけるポリオキシプロピレンジアミンの添加量を131.3g、反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び4時間に以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例3] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を175gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び5時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例4] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を127.3gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び5時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例5] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を107.7gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び5時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例6] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を82.4gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び5時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例7] 用いる鎖長延長剤の種類及び添加量をアジピン酸14.0gとし、重合反応Aにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ280℃及び4時間にし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び6.5時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例8] 用いる鎖長延長剤の種類及び添加量をエイコサン二酸29.0gとし、重合反応Aにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ280℃及び4時間にし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び5.5時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例9] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を107.7gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び6時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例10] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を107.7gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び7時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例11] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を107.7gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び8.5時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例12] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を127.3gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び6時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例13] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を93.3gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び6時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例14] ポリオキシプロピレンジアミンの代わりにポリプロピレングリコール(和光純薬工業(株)社製、品番:164-05895、数平均分子量:2000)を131.3g用い、重合触媒としてジルコニウムテトラブトキシド(東京化成工業(株)、品番:Z0016)を0.04g用い、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ260℃及び6時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例15] 攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積2リットルの反応容器に、アルドリッチ製カプロラクタム500g、ドデカン二酸124g、アミノヘキサン酸77gを入れ、容器内を十分窒素置換した後、250℃まで昇温し、0.6MPaの加圧下で4時間反応させた。圧力を解放したあと、窒素気流下でさらに1時間反応させ、水洗工程を経て、数平均分子量3000のナイロン6(ポリアミド6)重合物である白色固体を得た。

得られたナイロン6(ポリアミド6)重合物200gに、ソフトセグメントとしてポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製 エラスタミン RP−2009、数平均分子量:2000)133.3gを加え、230℃で5時間撹拌を行った。さらにIrganox1010を1g加え、白色のポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[実施例16] 攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積2リットルの反応容器に、ドデカン二酸207g、ヘキサメチレンジアミン93g、精製水100gを入れ、容器内を十分窒素置換した後、280℃まで昇温し、0.6MPaの加圧下で4時間反応させた。圧力を解放したあと、窒素気流下でさらに1時間反応させ、容器から取り出し、エタノールにて24時間ソックスレー抽出することで、数平均分子量3000のナイロン612(ポリアミド612)重合物である白色固体を得た。

得られたナイロン612(ポリアミド612)重合物200gに、ソフトセグメントとしてポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製 エラスタミン RP−2009、数平均分子量:2000)133.3gを加え、230℃で5時間撹拌を行った。さらにIrganox1010を1g加え、白色のポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[比較例1] ポリオキシプロピレンジアミンの代わりにABA型トリブロックポリエーテルジアミン(PPG−PTMG−PPGトリブロック重合体、HUNTSMAN社製、品番:XTJ-542、数平均分子量:1000)を113.8g用い、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び6時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。 なお「PPG」はポリプロピレングリコールに由来する構成単位を意味し、「PTMG」はポリテトラエチレンエーテルグリコールに由来する構成単位を意味する。

[比較例2] 用いる鎖長延長剤の種類及び添加量を水添ダイマー酸(ユニケマ社製プリポール1009)45.2gとし、重合反応Aにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ280℃及び4時間にし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び8時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[比較例3] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を269.2gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ250℃及び1時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[比較例4] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を233.3gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ250℃及び1時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[比較例5] 添加するポリオキシプロピレンジアミンの量を107.7gとし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び9時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[比較例6] 用いる鎖長延長剤の種類及び添加量をドコサン二酸29.2gとし、重合反応Aにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ280℃及び4時間にし、重合反応Bにおける反応温度及び反応時間をそれぞれ230℃及び6時間にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを得た。

[評価] 実施例及び比較例から得た熱可塑性エラストマーを用いて、以下の項目について評価した。具体的には、得られたポリアミド系熱可塑性エラストマーをペレット化し、200〜240℃で射出成形し、サンプル片を得た。各種測定は、このサンプル片から試験片を打ち抜いたサンプルを用いて実施した。結果を表1〜表4に示す。

(低ロス性) 粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、φ8mm、厚さ2mmのサンプルを用いて温度30℃、歪み1%、周波数20Hzで損失正接(tanδ)を測定し、以下の基準で評価した。なお、tanδが小さい程、低ロス性に優れている。 A:tanδが0.08以下 B:tanδが0.08より大きく0.12以下 C:tanδが0.12より大きい

また、上記測定方法で得られた低ロス性の実測値に対して、最も低ロス材料であった実施例3の実測値(tanδ3)が100となるように、下記式に従って計算を行い、換算値を求めた。併せて表1〜表4に示す。なお、この換算値が大きいほど低ロス性に優れている。 式:換算値=(tanδ3/tanδ)×100

(耐熱性) 示差走査型熱量分析(DSC)装置〔ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、DSC Q2000〕を用い、各実施例及び比較例で得られた熱可塑性エラストマーを、0℃から200℃まで10℃/分で昇温した。評価基準は以下の通りである。 A:融解開始温度が155℃以上 B:融解開始温度が130℃以上155℃未満 C:融解開始温度が130℃未満

(射出成形性) 射出成形機として住友重機械工業(株)製「SE30D」を用い、成形温度200℃〜235℃、金型温度50℃〜70℃、荷重15tの条件での射出成形を行い、射出開始から射出終了までの時間を測定した(計量時間)。得られた結果から、以下の基準で評価した。 A:荷重15tにおいて平板の成形が可能であり、かつ、ハンドリング性が良好である(計量時間が30秒未満) B:荷重15tにおいて平板の成形が可能であるが、ハンドリング性が劣る(計量時間が30秒以上) C:荷重15tにおいて充填不良が見られる。

(リム組み性) 各実施例及び比較例で得られた熱可塑性エラストマーを用いて、それぞれ上述の第1の実施形態を参照し、タイヤを形成した。次いで、タイヤをリムに装着し、以下の基準で評価した。 A:エアシール性が確保でき、かつ、ハンドリング性が良好 B:エアシール性の確保はできたが、リム組みの際に硬くてハンドリング性に劣る C:エアシール性が確保できなかった

(反応性) 各実施例及び比較例で熱可塑性エラストマーを得る過程において、前記重合反応Bにおける重合時間に対するトルク変化の割合から、反応性を評価した。 具体的には、撹拌モーターのトルクが0.07N・mに達するまで要する時間を計測し、以下の基準で反応性を評価した。 A:1.5時間以内に到達する B:2.0時間以内に到達する C:3.0時間以上要する

(総合評価) 各実施例及び比較例で得られた熱可塑性エラストマーについて前記評価(低ロス性、耐熱性、射出成形性、リム組み性、及び反応性)を行い、各評価において「A」のものを「+2点」、「B」のものを「+1点」、「C」のものを「0点」として合計10満点で総合評価を行った。総合評価が7点以上であれば、製造効率、低ロス性、耐熱性、及びリム組み性がバランスよく優れたタイヤが得られる。

(重量平均分子量及び分子量分布) 各実施例及び比較例で得られた熱可塑性エラストマーについて、東ソー株式会社製の「HLC−8320GPC EcoSEC」を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。結果を表1〜表4に示す。

表1〜表4中、「HS」はハードセグメント、「SS」はソフトセグメントを意味する。 また、表1〜表4中、「PA12」はナイロン12(ポリアミド12)に由来することを意味し、「PA6」はナイロン6(ポリアミド6)に由来することを意味し、「PA612」はナイロン612(ポリアミド612)に由来することを意味する。また「PPG」はポリプロピレングリコールに由来することを意味する。さらに、「PPG−PTMG−PPG」は、PTMG由来の構成単位とPPG由来の構成単位を有する三元共重合体を意味する。

表1〜表4からわかるように、本実施例では、ソフトセグメントがPTMGを含むトリブロック共重合体である比較例1、結合部を形成するジカルボン酸の炭素数が前記範囲から外れる比較例2及び比較例6、並びにポリアミド系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量が前記範囲から外れる比較例3〜比較例5に比べて総合評価が高く、製造効率(すなわち射出成形性及び反応性)、低ロス性、耐熱性、並びにリム組み性がバランスよく優れることが分かった。

2014年9月24日に出願された日本国特許出願2014−193427号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。 本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

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