Flame-retardant polyurethane compositions and methods for their production

申请号 JP2003587862 申请日 2002-04-25 公开(公告)号 JP4627990B2 公开(公告)日 2011-02-09
申请人 ワールド・プロパティーズ・インコーポレイテッド; 发明人 エイミー エル ギルマン; スコット エス シンプソン; ペトル スヴォボダ;
摘要
权利要求
  • 有機ポリイソシアネート成分と、
    該ポリイソシアネートに対し て反応性を有していてポリウレタンを形成し、室温における粘度が500センチポワズよりも低いか等しい活性水素含有成分と、
    界面活性剤と、
    混合物を硬化させる触媒活性を有している触媒と、
    任意成分の充填剤と、
    難燃化組成物と、を含む混合物を含有する組成物から形成される難燃性ポリウレタンフォームであって、
    前記難燃化組成物は、
    アンチモン系化合物と、
    ポリイソシアネート成分に対して反応性を有する 液状のハロゲン化、活性水素含有成分と、ハロゲン化難燃剤と、を含み、
    全ハロゲンのアンチモンに対するモル比は、2.0:1〜24.0:1であり、さらに前記難燃化組成物が少なくとも17.02質量パーセントのハロゲンを含むことを特徴とする難燃性ポリウレタンフォーム。
  • 請求項1に記載の難燃性ポリウレタンフォームであって、
    前記活性水素含有成分の室温における粘度が300センチポワズ未満である難燃性ポリウレタンフォーム。
  • 請求項1または請求項2に記載の難燃性ポリウレタンフォームであって、
    前記活性水素含有成分、界面活性剤、難燃化組成物、任意成分の充填剤、および触媒の混合物の室温における粘度が8,000センチポワズ未満である難燃性ポリウレタンフォーム。
  • 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の難燃性ポリウレタンフォームであって、
    前記アンチモン系化合物が三酸化アンチモンであり、前記ハロゲン化、活性水素含有成分が臭素化ポリオールである難燃性ポリウレタンフォーム。
  • 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の難燃性ポリウレタンフォームであって、
    前記フォームがUL94の等級のV−0、V−1、HF1またはHBFを有する難燃性ポリウレタンフォーム。
  • 請求項1に記載のフォームを含む製造物品。
  • 請求項1に記載のフォームを含むガスケット。
  • 難燃性ポリウレタンフォームの製造方法であって、
    該製造方法は、
    混合物全体に不活性ガス を均一に分散させる工程であって、
    該混合物は、有機ポリイソシアネート成分と、
    前記イソシアネートに対し て反応性を有していてポリウレタンを形成し、室温における粘度が500センチポワズよりも低いか等しい活性水素含有成分と、
    界面活性剤と、
    前記混合物を硬化させる触媒活性を有している触媒と、
    任意成分の充填剤と、
    難燃化組成物と、を含み、
    該難燃化組成物は、
    アンチモン系化合物と、
    前記ポリイソシアネート成分との反応性を有する 液状のハロゲン化、活性水素含有成分と、ハロゲン化難燃剤と、を含み、
    さらにここで全ハロゲンのアンチモンに対するモル比が、2.0:1〜24.0:1であって、さらに前記難燃化組成物が少なくとも17.02質量パーセントのハロゲンを含み 、構造的にも化学的にも安定であるが、外部からの加熱のない室温で加工することが可能な加熱硬化性フロスを形成させる工程と、
    前記フロスを硬化させて硬化フォームを形成させる工程と、を含む難燃性ポリウレタンフォームの製造方法。
  • 前記フォームがUL94の等級のV−0、V−1、HF1またはHBFを有する請求項 に記載の難燃性ポリウレタンフォームの製造方法。
  • 請求項 の製造方法により製造される物品。
  • 说明书全文

    本発明は、一般的には軟質ポリウレタンに関する。 さらに詳しくは、本発明は高度の充填された軟質ポリウレタンフォームに関する。

    密度ポリウレタンフォームおよびソリッドポリウレタンは、各種の用途、特に電子デバイスのためのシーリングガスケットなどにおいて、有用な材料である。 それらのフォームは、約10〜約65ポンド/立方フィート(pcf)の密度を有しているのが好ましい。 さらにそれらのフォームが、受容可能な圧縮永久歪み、圧縮荷重撓み、引張強さ、伸び、引き裂き強さ、低ガス放出性、および非腐蝕性を有していることも、重要である。

    コネチカット州ロジャーズ(Rogers,CT)のロジャーズ・コーポレーション(Rogers Corp.)から販売されているポロン(PORON、登録商標)のような、多くの従来技術のフォームが上記のような要件を満たしてはいるが、そのようなフォームに良好あるいは優秀な難燃性を付与することはこれまで困難であった。 たとえば、現在では多くの商品は、アンダーライターズ・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(Underwriters Laboratories,Inc.)(登録商標)ブリテン(Bulletin)UL−94、「テスト・フォア・フランマビリティ・オブ・プラスチック・マテリアルズ・フォア・パーツ・イン・デバイシズ・アンド・アプライアンシズ(Test for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances)」第5版(1996年10月29日)に記載されている試験手順により測定した、難燃性規格を満たしていなければならない(この文献は、そのすべてを、参考として引用し本明細書に組み入れる)。 特に問題となるのが、「20mm垂直燃焼試験(20mm Vertical Burning Test)、V−0、V−1またはV−2」および「平燃焼発泡材料試験(Horizontal Burning Foamed Material Test)、HBF、HF−1またはHF−2」である。 電源に近いところに位置する部品に使用されるフォームでは、UL94の等級のV−0またはHF−1が規定されることが多い。

    低密度軟質ポリウレタンの難燃性フォーム組成物の調製は一般に公知で、従来技術により実証されている。 米国特許第4,022,718号には、連鎖延長剤および難燃性成分として、2、3−ジブロモ−1,4−ブテンジオールを組み込んだ、高弾性コールドキュアポリウレタンフォームの調製が教示されている。 米国特許第4,147,847号には、通常の難燃化添加剤の所要量を減少させる特定のフォーム安定剤を使用することによる、軟質難燃性ポリウレタンフォームの調製方法が教示されている。 米国特許第4,162,353号には、ハロ置換したアルキルホスフェート、たとえばトリス(2−クロロエチル)−ホスフェートや、非置換のトリアルキルホスフェートたとえばトリエチルホスフェートなどのようなものを組み込んだ軟質ポリウレタンフォームの調製が教示されている。 米国特許第4,849,459号には、ポリエーテルポリオールとトルエンジイソシアネートの反応生成物を含み、メラミンやその他の難燃剤を組み込んだ難燃性軟質ポリウレタンフォームが記載されている。 上述に特許すべてを、参考として引用し本明細書に組み入れる。

    それらが意図している目的には適しているものの、上述の軟質ポリウレタンフォームは、低密度で、低い引張強さ、低い引き裂き強さ、低い圧縮荷重撓み、そして貧弱な耐圧縮永久歪み性を有している。 これらの欠陥があるために、これら低密度の従来技術によるフォームは、ガスケットとして使用するには適していない。 したがって、難燃性が高く、しかも必要とされるレベルの圧縮永久歪み、圧縮荷重撓み、引張伸び、引き裂き強さ、低ガス放出性および非腐蝕性を有する高密度ポリウレタンフォーム組成物が必要とされている。

    従来技術における上述およびその他の欠点や欠陥の克服あるいは軽減が、以下のものを含む難燃性ポリウレタンフォームを形成させるための組成物によって可能となる:有機ポリイソシアネート成分、ポリイソシアネート成分に対する反応性を有する活性水素含有成分(ここでその活性水素含有成分は5 00センチポワズ未満の総合粘度(overall viscosity)を有しているのが好ましい)、触媒成分、界面活性剤、および以下のものを含む難燃化組成物を含み、難燃化組成物は、アンチモン系化合物と、ポリイソシアネート成分との反応性を有するハロゲン化、活性水素含有成分、およびハロゲン化難燃剤を含み、ポリイソシアネート成分を除いたこの組成物の発泡前の粘度が、8 ,000センチポワズ未満であるのが望ましい。 好ましいアンチモン系化合物としては三酸化アンチモン、好ましいハロゲン化、活性水素含有成分としては液状臭素化ジオール、そして好ましいハロゲン化難燃剤としては、固体状の臭素含有有機化合物が挙げられる。

    これらの成分は、低フォギング性および低ガス放出性を与えるために、低VOCとすることもできる。 したがって、また別の実施態様においては、難燃性、低ガス放出性、低フォギング性ポリウレタンフォームを形成させるための組成物に含まれるのは、低VOC有機ポリイソシアネート成分、ポリイソシアネート成分との反応性を有する低VOC活性水素含有成分(ここでその活性水素含有成分は約500センチポワズ未満の総合粘度を有しているのが好ましい)、触媒成分、界面活性剤、およびポリイソシアネート成分との反応性を有するハロゲン化、活性水素含有成分を含む難燃化組成物を含み、ポリイソシアネート成分を除いたこの組成物の発泡前の粘度が、約8,000センチポワズ未満であるのが望ましい。

    そのようなフォームは、V−1および/またはHBFのUL−94等級を有している。 さらに詳しくは、厚みが約31〜約250ミルで密度が約15〜約30pcfのフォームは、UL94のV−0等級であり、また厚みが約28〜約40ミルで密度が約15〜約30pcfのフォームはUL94のV−0等級である。 これらのフォームは優れた物理的性質を有し、低ガス放出性(好ましくは1質量%未満)かつ非腐蝕性である。

    上記のような特徴と利点があるために、本明細書に記載する材料は、難燃性の緩衝材が望まれる、たとえば電気または自動車用のガスケットとして、特に適している。 上記の説明やその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明により、当業者には評価、理解されるであろう。

    難燃性組成物をその中に組み入れたポリウレタンフォームの形成に特に適した組成物であって、以下のものを含む。
    有機ポリイソシアネート成分、
    低官能性のイソシアネートと実質的に反応してポリウレタンを形成する活性水素含有成分(ここでその活性水素含有成分の粘度は約500センチポワズ未満である)、
    後に述べる手順に従って製造されるフロスを、前記フロスが液相で化学的に安定であり 前記フロスを硬化させるまでの間、構造的に安定化させる界面活性剤、
    前記混合物を硬化させるための実質的な触媒活性を有している触媒、および 前記ポリイソシアネート成分と反応性のあるハロゲン化、活性水素含有成分を含む、難燃化組成物。

    ポリイソシアネート成分を除外した組成物の粘度は、発泡させる前で約8,000センチポワズ未満であるのが好ましい。 フォームを形成させる工程に含まれるのは、上述の組成物を形成させる工程、前記混合物を機械的に泡立てることによって、前記混合物全体に不活性ガスを実質的に均一に分散させ、実質的に構造的にも化学的にも安定であるが、周囲条件での作業が可能な加熱硬化性フロスを形成させる工程、および前記フロスを硬化させて、硬化フォームを形成させる工程である。

    有機ポリイソシアネート成分としては、次の一般式を有するものが好ましい。
    Q(NCO)
    ここでiは2またはそれ以上の整数であり、そしてQは価数がiの有機ラジカルである。 1つの実施態様においては、iの平均値は低く、すなわち、2.0〜約2.6の範囲、好ましくは2.0〜約2.2の範囲である。 低官能性のポリイソシアネートを(下記のポリオール成分と組み合わせて)使用すると、硬化させたポリウレタンフォームの靱性が改良されるという、予想もしなかった結果が得られた。

    Qは置換または非置換の炭化水素基(すなわち、アルキレンまたはアリーレン基)であってもよい。 QはQ −Z−Q の基であってもよく、ここでQ はアルキレンまたはアリーレン基であり、そしてZは、−O−、−O−Q −、−CO−、−S−、−S−Q −S−、−SO−、または−SO −である。 そのような化合物の例を挙げれば、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−p−メタン、キシリルジイソシアネート、ジイソシアナトシクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、およびクルードトリレンジイソシアネートを含む)、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、クロロフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートまたはMDIとしても公知)およびそれらのアダクト、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4”−トリイソシアネート、およびイソプロピルベンゼン−アルファ−4−ジイソシアネートなどがある。

    さらにQは、原子価がiのポリウレタンラジカルを表していてもよく、その場合Q(NCO) は通常、プレポリマーと呼ばれている組成物である。 そのようなプレポリマーは、上で述べたおよび以下に述べるポリイソシアネートの化学量論的に過剰な量を、以下に述べる活性水素含有成分、特にポリヒドロキシル含有原料または下記のポリオールと反応させることによって、形成される。 通常、たとえば、ポリイソシアネートを化学量論から約30パーセント〜約200パーセント過剰に使用するが、ここで化学量論量は、ポリオール中のヒドロキシルの当量あたりの、イソシアネート基の当量を基準にしている。

    さらに、有用なポリイソシアネートに含まれるものとしては、イソシアネート、ジイソシアネートおよびポリメリックジイソシアネートのダイマーおよびトリマーがあり、それらは次式のような一般式を有している。
    [Q (NCO)
    ここでiは1またはそれ以上の整数であり、jは2またはそれ以上の整数であり、そして、Q は多官能有機ラジカルである。 その1例は、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである。 Q は、次式の化合物であってもよい。
    L(NCO)
    ここで、iは1またはそれ以上であり、Lは単官能または多官能の原子またはラジカルである。 このタイプの例としては、エチルホスホニックジイソシアネート、C P(O)(NCO) 、フェニルホスホニックジイソシアネート、C P(O)(NCO) 、3価のケイ素シアネート基を含む化合物、スルホンアミドから誘導されたイソシアネート(QSO NCO)、シアン酸、チオシアン酸などが挙げられる。 以上述べたものすべてを組み合わせたものもまた、使用することができる。 一般に芳香族ポリイソシアネートが好ましいが、その理由はそれらの反応性が高いからである。

    もちろん、前述のイソシアネートの各種ブレンド物も、その合計のモル平均イソシアネート官能基数が所望の範囲に入っているならば、使用できる。 使用するポリイソシアネートの量は、調製する目的のポリウレタンの性質に応じて、多少の変更をすることができる。 一般に、全−NCO当量対全活性水素当量は、その比が0.8〜1.2NCO当量/活性水素(たとえば活性水素反応剤のヒドロキシル水素)当量となるようにすべきであり、好ましくは約1.0〜1.05NCO当量/活性水素の比とするべきである。

    活性水素含有成分には通常ポリヒドロキシル含有化合物の混合物であるが、そのような化合物としてはたとえば、ヒドロキシル末端ポリ炭化水素(米国特許第2,877,212号)、ヒドロキシル末端ポリホルマール(米国特許第2,870,097号)、脂肪酸トリグリセリド(米国特許第2,878,601号)、ヒドロキシル末端ポリエステル(米国特許第2,698,838号、同第2,921,915号、同第2,866,762号、同第2,602,783号、同第2,811,493号、および同第2,621,166号)、ヒドロキシメチル末端ペルフルオロメチレン(米国特許第2,911,390号および同第2,902,473号)、ポリアルキレンエーテルグリコール(米国特許第2,808,391号、英国特許第733,624号)、ポリアルキレンエーテルグリコール(米国特許第2,808,391号、英国特許第733,624号)、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール(米国特許第2,808,391号)、およびポリアルキレンエーテルトリオール(米国特許第2,866,774号)などがある。

    特に好ましいポリヒドロキシル含有原料としては、ポリエーテルポリオールがあるが、それらはアルキレンオキシド、たとえばエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびそれらの混合物を、水または多価アルコール有機化合物に対して化学的に付加させることにより得られるが、そのような多価アルコール有機化合物としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、1,10−デカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、4−メチル−3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、3−メチレン−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、(2−ヒドロキシエトキシ)−1−プロパノール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−l−ブタノール、5−(2−ヒドロキシプロポキシ)−l−ペンタノール、1−(2−ヒドロキシメトキシ)−2−ヘキサノール、1−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−オクタノール、3−アリルオキシ−1,5−ペンタンジオール、2−アリルオキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、[4,4−ペンチルオキシ)−メチル]−1,3−プロパンジオール、3−(o−プロペニルフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、2,2'−ジイソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)ジエタノール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(2−ヒドロキシプロポキシ)−1,2−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−メチルペンタンジオール−1,5、1,1,1−トリス[2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−エタン、1,1,1−トリス[2−ヒドロキシプロポキシ)−メチル]プロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、ラクトース、アルファ−メチルグルコシド、アルファ−ヒドロキシアルキルグルコシド、ノボラック樹脂、などが挙げられる。 ポリオキシアルキレンポリオールを調製するのに使用されるアルキレンオキシドは通常、2〜4個の炭素原子を有するものである。 プロピレンオキシド、およびプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物が好ましい。 上に列記したポリオール自体も、活性水素化合物として使用することができる。

    好ましいタイプのポリエーテルポリオールは一般に、次式で表される。
    R[(OC 2n OH]
    ここでRは水素または多価の炭化水素ラジカルであり、aはRの価数と等しい整数(すなわち、1または2から6から8まで)であり、nはそれぞれの場合で、2〜4の整数で両端を含み(好ましくは3)、そして、zはそれぞれの場合で、2〜約200、好ましくは15〜約100の値を持つ整数である。

    別の活性水素含有化合物としては、環状エステルのポリマーがある。 少なくとも1種の環状エステルモノマーから環状エステルポリマーを調製する方法については、たとえば米国特許第3,021,309号から同第3,021,317号まで、同第3,169,945号、および同第2,962,524号に代表されるような特許文献に詳細に記載されている。 好適な環状エステルモノマーの例を挙げれば、これらに限定される訳ではないが、デルタ−バレロラクトン、イプシロン−カプロラクトン、ゼータ−エナントラクトン、モノアルキル−バレロラクトン、たとえば、モノメチル−、モノエチル−、およびモノヘキシル−バレロラクトンなどがある。

    環状エステル/アルキレンオキシドコポリマーも、環状エステルとアルキレンオキシドモノマーと、固体状で比較的高分子量のポリ(ステアリン酸ビニル)またはメタクリル酸ラウリル/塩化ビニルコポリマー(シクロヘキサノン中30℃における還元粘度が約0.3〜約1.0)のような界面剤(interfacial agent)とを含む混合物を、不活性で通常液状の飽和脂肪族炭化水素ビヒクルたとえばヘプタンと、反応触媒としての五フッ化リンの存在下で、昇温下、たとえば約80℃で反応させることによって調製することができる。

    使用可能なその他のタイプの活性水素含有物質としては、ポリマーポリオール組成物があるが、これは、米国特許第3,383,351号に記載されているように、ポリオール中でエチレン性不飽和モノマーを重合させることによって得られる(該特許の開示を、参考として引用し本明細書に組み入れるものとする)。 そのような組成物を製造するために好適なモノマーとしては、上述の米国特許に記載され特定されているような、アクリロニトリル、塩化ビニル、スチレン、ブタジエン、塩化ビニリデン、およびその他のエチレン性不飽和モノマーが挙げられる。 好適なポリオールとしては、上に列挙したものや米国特許中のものが挙げられる。 ポリマーポリオール組成物には、1〜約70質量パーセント(質量%)、好ましくは約5〜約50質量%、最も好ましくは約10〜約40質量%の、ポリオール中で重合されたモノマーを含むことができる。 そのような組成物は、選択したポリオール中で、温度40℃〜150℃、フリーラジカル重合触媒たとえば、過酸化物、過硫酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩、およびアゾ化合物などの存在下でモノマーを重合させることによって、都合よく調製することができる。

    好ましい活性水素含有成分は、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリオールの混合物、およびポリエーテルとポリエステルポリオールの混合物である。 好ましいポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレンジオールおよびトリオール、ならびにポリマー鎖上にグラフトされたポリスチレンおよび/またはポリアクリロニトリルを有するポリオキシアルキレンジオールおよびトリオール、およびそれらの混合物が挙げられる。 好ましいポリエステルポリオールはカプロラクトン系のものである。 具体的には、ポリオール成分は広い範囲の弾性率が得られるように再配合する。 連鎖延長剤や架橋剤をさらに加えることもできるが、ただしそのような連鎖延長剤や架橋剤が低VOCであるという範囲内においてである。 連鎖延長剤および架橋剤の例を挙げれば、低分子量のジオール、たとえばアルカンジオールおよびジアルキレングリコール、および/または多価アルコール、好ましくはトリオールおよびテトロールの、分子量約200〜400のものがある。

    1つの好ましい実施態様においては、ポリオール成分には、分子量範囲約500〜約1500のポリエーテルポリオールの単独物または混合物、分子量範囲約1000〜約3000のポリエーテルオキシドジオールの単独物または混合物、およびポリスチレンおよびポリアクリロニトリルのグラフトを有し分子量範囲が約1500〜約4000のポリエーテルジオールの単独物または混合物が含まれる。 この成分は、低CFD(圧縮荷重撓み)フォームを製造する際に使用することができる。

    また別な好ましい実施態様においては、ポリオール成分には、分子量範囲約250〜約750の低分子量ポリエーテルオキシドジオールの単独物または混合物、分子量範囲約1000〜約3000のポリエーテルオキシドジオールの単独物または混合物、およびポリスチレンおよびポリアクリロニトリルのグラフトを有し、分子量範囲約2000〜約3000のポリプロピレンオキシドジオールの単独物または混合物が含まれる。 このポリオール成分は、高CFDフォームを製造する際に使用することができる。

    フロスの良好な加工特性を維持しながら、以下において述べる所望の難燃化組成物を効果的に取り込むためには、活性水素含有成分(他の成分は含まず)の粘度は、室温で好ましくは約500センチポワズ(cP)未満、より好ましくは約300cP未満、最も好ましくは約250cP未満であることが見いだされた。 具体的には、低粘度ポリオール組成物では、得られるポリウレタンフォームの加工性や良好な物理的性質を維持しながら、所望の性能が得られるように大量の難燃性添加剤を使用することができる。

    ポリオールまたはポリオール混合物のヒドロキシル価は、広い範囲で変化させることが可能である。 一般に、ポリオールまたはその混合物のヒドロキシル価は、もし使用するならばその他の架橋性添加物も含めて、約28〜約1000以上、好ましくは約100〜約800とすることができる。 このヒドロキシル価は、ポリオールまたはポリオールの混合物(本発明において使用されるその他の架橋性添加剤の有無を問わない)の1グラムから調製される完全にアセチル化させた誘導体の加水分解生成物を、完全に中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数と定義される。 ヒドロキシル価はさらに、次式で定義することもできる。
    OH=(56.1×1000×f)/M. W.
    ここでOHはポリオールのヒドロキシル価であり、fは平均の官能基数、すなわちポリオール1モルあたりのヒドロキシル基の数の平均であり、そしてM. W. はそのポリオールの平均分子量である。

    使用する実際の単一または複数のポリオールは、そのポリウレタンフォームの最終用途によって決まってくる。 具体的には、ポリオール成分を変えることにより、弾性と靱性を広い範囲で変化させることができる。 軟質フォームを得るには、分子量とヒドロキシル価を適切に選択する。 軟質フォーム配合で採用する場合には、場合によっては架橋性添加剤も含めた、単一または複数のポリオールが、約45〜約70のヒドロキシル価を有しているのが好ましい。 そのような限度は、限定を加えるのが目的ではなく、使用することが可能なポリオールの多くの可能な組合せを例示しているに過ぎない。

    広範囲の各種界面活性剤をフロスを安定化させる目的で使用できるが、オルガノシリコーン界面活性剤が好ましい。 好ましいオルガノシリコーン界面活性剤は、実質的にSiO (シリケート)単位と(CH SiO 0.5 (トリメチルシロキシ)単位とからなり、シリケート単位のトリメチルシロキシ単位に対するモル比が、約0.8:1〜約2.2:1、好ましくは約1:1〜約2.0:1である、コポリマーである。 他の好ましいオルガノシリコーン界面活性剤安定剤は、部分的に架橋させたシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマーおよびそれらの混合物であって、ここでそのシロキサブロックとポリオキシアルキレンブロックとは、ケイ素−炭素、またはケイ素−酸素−炭素結合によって結合されている。 このシロキサンブロックは、炭化水素−シロキサン基を含み、前記結合で結合されたブロック1つあたり、平均して少なくとも2つ原子価のケイ素を有している。 ポリオキシアルキレンブロックの少なくとも一部には、オキシアルキレン基を含み、多価である、すなわち、前記結合で結合されたブロック1つあたり、少なくとも2つの原子価の炭素および/または炭素に結合した酸素を有している。 各種の残りのポリオキシアルキレンブロックは、オキシアルキレン基を含み、前記結合で結合されたブロック1つあたり、1価の、すなわち1つだけの原子価の炭素または炭素に結合した酸素を有している。 さらに、たとえば、米国特許第2,834,748号、同第2,846,458号、同第2,868,824号、同第2,917,480号および同第3,057,901号に記載されているような、常用されるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマーを使用することもできる。 本発明においてフォーム安定剤として使用されるオルガノシリコーンポリマーの量は、広い限度で変化させることが可能であって、たとえば、活性水素成分100質量部あたり、約0.5質量部〜10質量部またはそれ以上である。 フォーム配合中に存在させるオルガノシリコーンコポリマーの量は、同じ基準で約1.0質量部〜約6.0質量部の範囲で変化させるのが好ましい。

    触媒としては、各種の無機金属化合物、およびある種の有機基を含む金属化合物を挙げることができる。 金属アセチルアセトネートも好ましいが、そのための金属としては、たとえば、アルミニウム、バリウム、カドミウム、カルシウム、セリウム(III)、クロム(III)、コバルト(II)、コバルト(III)、銅(II)、インジウム、鉄(II)、ランタン、鉛(II)、マンガン(II)、マンガン(III)、ネオジム、ニッケル(II)、パラジウム(II)、カリウム、サマリウム、ナトリウム、テルビウム、チタン、バナジウム、イットリウム、亜鉛およびジルコニウムなどがある。 一般的な触媒としては、ビス(2,4−ペンタンジオネート)ニッケル(II)(ニッケルアセチルアセトネートまたはジアセチルアセトネートニッケルとも呼ばれる)およびそれらの誘導体、たとえば、ジアセトニトリルジアセチルアセトナトニッケル、ジフェニルニトリルジアセチルアセトナトニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)ジアセチルアセチルアセトナトニッケルなどがある。 第二鉄アセチルアセトネートは、比較的安定で、触媒活性が高く、毒性がないので、特に好ましい。 金属アセチルアセトネートは、適当な溶媒たとえばジプロピレングリコールやその他のヒドロキシル含有化合物(これらは後ほど反応にもあずかって、最終製品の一部となる)の中に予備溶解させておいてから、添加するのが最も都合がよい。

    金属アセチルアセトネートに加えて、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,733、945号(シンプソン(Simpson))に開示されているような、アセチルアセトン(2,4−ペンタンジオン)がある(該特許を、参考として引用し本明細書に組み入れる)。 適切な混合とキャスティングを実施するために必要な低温において、通常ならばすぐに反応する金属アセチルアセトネートの反応を遅らせたり禁止したりするのに、アセチルアセトンを使用できることが見いだされた。 別の言い方をすれば、アセチルアセトンは熱的な待ち時間を与えるもので、必要とされる混合、キャスティングおよび他の操作をするための時間を稼ぎ、低温加工の間に望ましくない早過ぎる硬化が起きないようにする。 しかしながら、材料は数段階の加熱ゾーンで硬化され、そのウレタン混合物の温度が上昇するので、アセチルアセトンは追い出される。 アセチルアセトンが除去されると共に、それに付随していた遅延化機能も無くなるので、金属アセチルアセトネートはその通常の高い反応性を取り戻し、ポリウレタン反応の最後段階で、極めて高いレベルの触媒機能を提供する。 このように、加工サイクルの最後の段階で高い反応性があることは有利で、たとえば圧縮永久歪みのような物理的性質が改良される。 一般に金属アセチルアセトネートのアセチルアセトンに対する比は、質量基準で約2:1である。 液相中に存在する触媒の量は、活性水素化合物100質量部あたり、0.03〜3.0質量部の範囲とするのが好ましい。

    このポリウレタンは、低フォギング性および低ガス放出性が得られるように配合する。 したがって、当業界で一般に使用されているが、フォギングやガス放出の原因となりうる、ハロゲン化難燃性添加剤および/またはリン系難燃性添加剤に代わるものとして、この難燃化組成物には、アンチモン系化合物、ポリイソシアネート成分と反応性のあるハロゲン化活性水素含有成分、およびハロゲン化難燃剤が含まれ、ここで、ハロゲンのアンチモンに対するモル比は、約2.0:1〜約18.0:1である。 先に説明した関連技術を参照すれば判るように、高いレベルの難燃性をポリウレタンフォームに付与するには、ハロゲン化難燃剤およびリン系難燃剤を使用するのが唯一の手段だと考えられていた。 それらの難燃剤は、フォギングやガス放出の問題の原因となる。 本願発明者らは、予想もしなかったことであるが、アンチモンと臭素の比を特定した上述の難燃化組成物を使用することによって、フォギング性またはガス放出性が全く無いか最小限に抑えられた、強靱で高度に難燃性のポリウレタンフォームを得ることが可能となることを見いだした。 特に有利な側面としては、活性水素含有成分の粘度を選択することにより、改良された難燃化組成物が取り込めるようにし、しかも同時に、硬化後のウレタンにおける優れた物理的性質を維持しうることである。 粘度を適切に選択することによってさらに、他の充填剤類や、反応性また非反応性添加剤を取り込むことも可能となる。 それらに加えて、難燃化組成物の成分として固体状や反応性のものを選択することにより、低VOCとすることができる。

    また別な実施態様においては、低VOC成分と少なくとも低VOCのハロゲン化、活性水素含有成分を含む低VOC難燃化組成物を組み合わせて使用することによって、硬化組成物に、難燃性と低フォギング性と低ガス放出性を付与する。 したがってこの硬化性組成物には、低VOCイソシアネート、低VOC活性水素含有成分、低VOC界面活性剤、低VOC触媒、および低VOC難燃化組成物が含まれる。 この低VOC難燃性組成物には少なくとも1種の低VOC、ハロゲン化、活性水素含有成分と、場合によってはその他の低VOC成分をさらに含んでいてもよい。 この場合も、活性水素含有成分の粘度を選択して、難燃化組成物が取り込めるようにする。 本明細書で使用するとき、「低VOC」という用語は、揮発性有機化合物のレベルが低い(2質量%以下)化合物のことを指す。 本明細書で使用するとき、「揮発性有機化合物」という用語は、室温またはやや高温、たとえば、約125℃までの温度で、蒸気として揮散することが可能な化合物を指す。

    この難燃化組成物において使用するのに好適なアンチモン系化合物としては、三酸化アンチモンが挙げられるが、このものは固体状である。

    反応性のハロゲン化、活性水素含有成分として好ましいのは、先にポリウレタンの形成のところで述べたものと同様であるが、ただし、ハロゲン、好ましくは臭素を存在させる。 特に好ましい反応性成分としては、反応温度たとえば25℃で液状の臭素化ジオール、たとえばテトラブロモフタレートジオールを挙げることができる。 参考例として、反応性組成物の中に溶解する固体状の臭素化ジオールもまた適していて、そのようなものとしてはたとえば、ジブロモネオペンチルアルコールおよび/またはトリブロモネオペンチルアルコールなどが挙げられる。 液状のハロゲン化成分を使用することによって、他の固体状難燃剤を取り込むことが可能となり、しかも総合粘度を受容可能な限度に維持し、そして良好な物理的性質たとえば引張強さ、耐圧縮永久歪み性などを有する硬化ポリウレタンを与えることができる。

    反応性ではないハロゲン化難燃剤として好ましいのは一般に、ポリウレタンにおいて使用することが公知の、固体状の臭素含有有機化合物である。 そのような難燃剤の例を挙げれば、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化インダン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、トリス(トリブロモフェニル)シアヌレート、デカブロモジフェニルオキシド、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、エタン−1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)、および臭素化ポリスチレンなどがあるが、これらに限定される訳ではない。

    その他の難燃化充填剤としては、たとえば三水和アルミニウムおよびメラミンシアヌレートなどが使用できる。 特に好適な難燃性充填剤は、高表面積を有するたとえばカーボンブラックやナノクレーである。 ナノクレーにはさらに、アスペクト比が高いという利点も有るが、所望の高表面積を得るためにはナノ層を分離させるための特別な処理を必要とする(剥離)。 代表的なナノクレーは、各種の有機変性剤を使用して処理した天然モンモリロナイトで、たとえば、サザン・クレー(Southern Clay)から商品名クロイサイト(CLOISITE)1OA、15A、20A、25A、30Bおよび93Aとして販売されているようなものである。 層の剥離を得るためには、クロイサイト(CLOISITE)30Bが好ましい。 クロイサイト(CLOISITE)20Aの剥離は、昇温下(100℃)PHT4−ジオール中で実施された。

    難燃化組成物は有効量で存在させるが、その量は、難燃性の程度、配合の加工性および所望のポリウレタンの性質から、当業者ならば容易に求めることができる。 有効量は一般に、イソシアネートを含めない混合物の約20〜約60質量パーセントである。 アンチモン(存在させた場合)と全臭素との相対量は、全臭素のアンチモンに対するモル比が、約2.0:1より大きいか等しい、好ましくは約2.5:1より大きいか等しい、より好ましくは約3.0:1より大きいか等しい、最も好ましくは約4.0:1より大きいか等しくなるように調節する。 アンチモン(存在させた場合)と全臭素との相対量を、全臭素のアンチモンに対するモル比が、約24.0:1より小さいか等しい、約18.0:1より小さいか等しい、約16.0:1より小さいか等しい、または約14.0:1より小さいか等しくなるように調節するのが一般に好ましい。 予想外のことであるが、モル比を約10.0:1およびそれ以上にして使用すると、所望の物性が得られると共に優れた難燃性が得られることが見いだされた。 全臭素のアンチモンに対するモル比2.0:1は、質量比1.25:1にほぼ相当し、それに対してモル比18.0:1は質量比約9.3:1にほぼ相当する。

    さらに、(全組成物を基準にした)臭素の質量パーセントを選択して、所望のレベルの難燃性、UL−94に従って測定して好ましくは少なくともHBF、より好ましくは少なくともV−1が得られるようにする。 一般には臭素を、全組成物の少なくとも約12質量パーセント、好ましくは少なくとも約14質量パーセント含むようにする。 他の難燃性添加剤、たとえばメラミンシアヌレートなどが存在する場合には、臭素の濃度をより低くして使用することもできる。 もちろんのことであるが、より高いレベルの臭素およびアンチモン含有成分や、他の添加剤や、それらの組合せを使用して、難燃性を改良することも可能ではあるが、ただし、全体の粘度が加工可能な限度の範囲内になければならない。

    製造工程において、ポリウレタンのフロス混合物に他の任意の添加剤を加えることもできる。 たとえば、慣用されている添加剤、たとえばその他の充填剤(シリカ、タルク、炭酸カルシウム、クレーなど)、染料、顔料(たとえば二酸化チタンや酸化鉄)などを使用することが可能である。

    さらに予想外であった特徴として、抗酸化剤を適切に選択すると、低フォギング性および低ガス放出性に加えて、耐高温性が改良されるという結果もさらに得られた。 たとえばBHTは一般的に使用されている抗酸化剤であって、このものは室温では固体状であるが、やや高温で昇華する。 たとえば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から商品名イルガノックス(IRGANOX)1135(CAS番号125643−61−0)、およびイルガノックス(IRGANOX)5057(CAS番号68411−46−1)として入手可能なフェノール系抗酸化剤およびアミン系抗酸化剤と置きかえることによって、フォギング性およびガス放出性を抑制しながら、耐高温性が改良される。 有効量は、イルガノックス(IRGANOX)1135抗酸化剤の約0.05〜約0.25質量パーセントおよびイルガノックス(IRGANOX)5057の約0.005〜約0.07質量パーセント、好ましくはイルガノックス(IRGANOX)1135の約0.07〜約0.10質量パーセントおよび好ましくはポリオール成分の約0.015〜約0.03質量パーセントである。 ヒンダードアミン光安定剤を使用すれば、耐UV性がさらに付与される。

    少量の補助的な発泡剤を使用することもできる。 たとえば、高沸点のフルオロカーボン、たとえば沸点が約40℃より高いものを使用することができる。 具体的なフルオロカーボンとしては、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンおよびテトラクロロジフルオロエタンの異性体、テトラクロロモノフルオロエタンなどが挙げられる。 その他の補助的な発泡剤は、必須ではないが、少量の水を使用して、さらなる膨張を望むときに、加熱硬化の間にさらなる膨張を得ることができる。

    この新規なフロスのガス相は、安価で容易に使用できることから、空気であるのが最も好ましい。 しかしながら、場合によっては、その他のガスを使用することもできるが、そのようなガスは、環境条件下ではガス状であり、液相の中の全ての成分に対して実質的に不活性、すなわち反応しないものである。 そのような、その他のガスの例としては、たとえば、窒素、二酸化炭素、およびさらには、環境温度では通常ガス状であるフルオロカーボンが挙げられる。 不活性ガスは、高剪断装置、たとえばホバート(Hobart)ミキサーまたはオークス(Oakes)ミキサーの中で、液相を機械的に泡立てることによって、液相の中に取り込ませる。 オークス(Oakes)ミキサーの通常の操作状態では、ガスは加圧下に導入することができるし、ホバート(Hobart)ミキサーの中のように、泡立て、かき混ぜ操作によって、その上の雰囲気から取り込むこともできる。 その機械的な泡立て操作は、100〜200psig以下の圧で実施するのが好ましい。 しかしながら、従来からの容易に入手できる混合装置が使用でき、特別な装置を必要としないということは、注目に値する。 機械的な泡立て操作は、オークス(Oakes)ミキサーでは数秒から1分、あるいはホバート(Hobart)ミキサーでは3〜30分かけて実施するが、使用する混合装置で所望のフロス密度が得られるような時間とすればよい。

    機械的な泡立て操作で得られるフロスは、実質的に、化学的に安定で構造的にも安定であるが、環境温度、たとえば約10℃〜約40℃で容易に加工することができる。 フロス粘度は、フロス化させていない組成物の初期粘度によって決まってくる。 容易に加工できる組成物は、数百センチポワズから、高い方では8,000センチポワズもの範囲にあるものである。 難燃剤またはその他の充填剤もしくは添加剤組成物と組み合わせて使用する低粘度ポリオール組成物は、この加工可能な粘度になるようにする。

    これらのフロスは、シートまたはロールに連続的にキャスティングしたり、複雑な形状に成形したりすることができる。 硬化させたフォームの密度は一般に、約10〜約65pcf、好ましくは約15〜約40pcf、最も好ましくは約15〜約30pcfである。

    好ましい態様においては、上述の組成物から形成させたフォームは、UL−94の等級でV−2および/またはHBF、および/またはMVSS No. 302に合格する難燃性を有している。 さらにより好ましくは、厚みが約10〜約500ミル、より好ましくは約31ミル〜約250ミルで、密度が約15〜約30pcfのフォームが、UL94の等級でV−1および/またはHF−2、最も好ましくはV−0および/またはHF−1である。 これらのフォームは、SAE J1756に従って測定したときに低フォギング性であり、またASTM E595に従って測定したときに低ガス放出性である。 さらにこれらのフォームでは、125℃で24時間保持したときの質量損失が1%未満である。

    1つの実施態様において、フォームが低モジュラス、すなわち、フォーム密度が約10〜約50、より好ましくは約15〜約30pcfのときのCFDが約3〜約30であり、引き裂き強さの高さ、引張強さの高さ、モジュラスに対する伸びの高さなどから判るように、強靱である。 それらのフォームは、好ましくは約20%未満の圧縮永久歪み、より好ましくは約10%未満の圧縮永久歪みを有している(22時間、70℃で50%圧縮後)。 それらのフォームは、好ましくは約85psi未満の圧縮荷重撓み、より好ましくは約30psi未満の圧縮荷重撓み、好ましくは約100より大きい伸び、好ましくは約50psiより大きい引張強さ、より好ましくは約80psiより大きい引張強さ、好ましくは約5より大きい引き裂き強さ、より好ましくは約8pliより大きい引き裂き強さを有している。

    また別の実施態様においては、それらのフォームは、高いモジュラスを有し、すなわち、密度約30〜約65pcfのときに、CFDが約30より大、好ましくは約50より大、より好ましくは約100より大で、最高約200までのCFDを有している。 それらのフォームは、約200〜約500の引張強さ、約80より大きな伸び、約30より大きな引き裂き強さ、約10%未満の圧縮永久歪み(22時間、70℃で25%圧縮後)を有している。

    低フォギング性および低ガス放出性を維持させながら、さらなる難燃性を組成物に付与するために、硬化させた製品にUV硬化性アクリル組成物を重ね塗りすることもできる。 そのような組成物は典型的には、製造時に材料自体同士が粘着しないように使用することができる。 好適なアクリル組成物としては、たとえば、サン・ケミカル(Sun Chemical)から市販されている、RCE01496Rが挙げられる。

    これらの組成物から製造されるフォームの有用な用途としては、たとえば自動車、航空機、および造船産業などの乗り物産業、および冷凍および建設産業における、たとえばボードやコントロールパネルなどのキャビティへのフォーム充填やフォームバッキングのためや、サンドイッチ構造の内部層のため、フォーム充填冷蔵庫や冷凍庫ケーシングのため、などがある。 このポリウレタンフォームはまた、制振用および絶縁材料用のシールやガスケットとしても適していて、たとえば、電子デバイスにおけるLEDディスプレイのためのガスケットおよびシールや、さらには壁の内張、ハウジング部材、クッション材料、アームレスト、ヘッドレスト、機器の安全カバー、セントラルコンソールなどに使用できる。

    このポリウレタンフォームについて、以下に非限定的な例を挙げて、さらに説明する。
    化学製品、供給元、およびその内容は次の表1に示す。

    以下の表2および表3に示した組成を有するポリウレタンフォームは、以下のようにして配合した。 非イソシアネート成分(すなわち、活性水素成分、触媒、難燃化組成物、および各種充填剤または添加剤を含むポリオールミックス)を混合し、撹拌下、乾燥窒素下で貯蔵タンクに入れた。 次いでこの混合物を、高剪断オークス(Oakes)タイプ混合ヘッドに、流速を調節しながらポンプ供給した。 イソシアネートは別途に、この混合ヘッドにポンプ供給した。 マテソン(Matheson)ガス流量調節器を使用して、この混合ヘッドに乾燥空気を導入し、硬化させた材料で所望の密度が得られるように、流量を調整した。 混合および発泡させてから、その組成物を剥離コーティングした紙の上にキャストし、それを275−300゜Fにした加熱した高速空気流通炉の中を通過させることで乾燥させ、フォームが立ち上がる直前の状態にまで持って行った。 次いでこのキャストフォームをナイフ・オーバー・プレート(knife over plate、KOP)の下を通して、フォームを広げて所望の厚みとした。 次いでこのキャストフォームを、熱盤(上側400゜F、下側250〜375゜F)の中を通して硬化させ、その後冷却する。 次いでそのフォームに、UV硬化性アクリル組成物を重ね塗りする。 このようにして製造したフォームを以下のようにして試験した。 結果は表2および表3に示す。

    圧縮荷重撓み(CFD)に反映されるモジュラスは、最低0.250インチ、通常は約0.375インチの厚みに積み重ねた2インチ×2インチのダイカットサンプルを使用してインストロン(Instron)により測定したが、ロットまたは試験あたり2組のスタックを使用し、インストロン(Instron)の底部に20,000ポンドのセルを取り付けた。 CFDは、サンプルを元の厚みの25%圧縮するのに必要な力(ポンド/平方インチ(psi))を計算することによって測定した。

    引張強さおよび伸びは、50ポンドのロードセルを取り付け、厚みおよび密度に応じて、10〜20ポンドのレンジを使用して、インストロン(Instron)を用いて測定した。 引張強さは、破断時の力の大きさ(psi)をサンプルの厚みで割り、それに2を掛けて計算する。 伸びは、伸長パーセントで表す。

    引き裂き強さは、50ポンドのロードセルを取り付け、厚みおよび密度に応じて、2、5または10ポンドの荷重レンジを使用して、インストロン(Instron)を用いて測定した。 引き裂き強さは、引き裂きに加えた力をサンプルの厚みで割って計算する。

    ガス放出性はASTM E595により測定するか、または125℃で24時間保持したサンプルの質量減パーセントから求めた。 これらの配合および類似の配合でのガス放出性は一般に、1質量パーセント未満である。

    フォギング性は、SAE J1756に従って測定した。 これらの配合および類似の配合は、この標準に合格した。

    圧縮永久歪みは、フォームの標準試験片に50%または25%の圧縮をかけて、70℃で22時間保ってから、その元の厚みにまで戻りきれなかった量(パーセント)を測定して求めた。

    サンプル1、2、5、6、7、8および9は低モジュラスであり、サンプル3a、4a、4b、10および11は高モジュラスである。 上記のデータから判るように、本発明のポリウレタンフォームは、UL94の燃焼試験の基準を満たしている(V0、V1、HF1、HBF)。 この難燃性は、液状の臭素化反応性ジオール、固体状の臭素化有機充填剤、および三酸化アンチモンを組み入れることにより、達成された。 臭素とアンチモン成分の相乗作用は、そのモル比が約2.0:1〜約24.0:1のところで達成された。 ポリオールバッチが低粘度であるために、添加剤による粘度の増加に対しても対応できる。

    上述の難燃性組成物は、ソリッドポリウレタン、たとえば、ポリウレタンエラストマーを製造する場合においても、やはり有用である。 エラストマー性ポリウレタンポリマーの好適な組成とそれを調製するための方法については、たとえば、米国特許第4,297,444号、同第4,218,543号、同第4,444,910号、同第4,530,941号および同第4,269,945号に記載されている。 そのようなエラストマーは典型的には、室温または少し昇温下で短時間の内に反応成分を緊密に混合し、次いで、その混合物をキャストするか、または得られた混合物を開放型の中に注入するか、または、得られた混合物を密閉型の中に射出するかにより調製するが、いずれの場合も型は加熱しておく。 反応が完了すると、その混合物は型の形をとって、予め定めた構造のポリウレタンエラストマーが製造されるが、次いでそれを充分に硬化させ、目的とする最終用途で許容されるよりも大きな変形が起きるリスクを最小限に抑えながら、型から抜き出す。 エラストマーの硬化を進めるために適した条件としては、型の温度を典型的には約20〜約150℃、好ましくは約35〜約75℃、より好ましくは約45〜約55℃とする。 そのような温度にすれば一般に、充分に硬化したエラストマーを型から、反応物質を緊密に混合させてから約1〜10分、より典型的には約1〜5分で、取り出すことが可能となる。 最適の硬化条件は、エラストマーを調製するのに用いた触媒を含む具体的な成分と量、さらにはその物品の大きさや形状によって決まってくる。

    好ましい実施態様について示し、説明してきたが、本発明の精神と範囲から外れることなく、それらに各種の修正や置きかえをすることが可能である。 したがって、本発明は説明のために記載されたものであった、限定するために記載されている訳ではないということは理解すべきである。

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