エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、及びガスバリア性接着剤、並びにガスバリア性積層体

申请号 JP2014512428 申请日 2013-03-25 公开(公告)号 JPWO2013161481A1 公开(公告)日 2015-12-24
申请人 三菱瓦斯化学株式会社; ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンHenkel AG & Co.KGaA; ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンHenkel AG & Co. KGaA; 发明人 栄一 本多; 栄一 本多; 和起 河野; 和起 河野;
摘要 本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、少なくとも下記成分(I)と成分(II)とを、質量比[成分(I)/成分(II)]で50/50〜92/8の割合で含有するものである。成分(I):少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物成分(II):少なくとも前記(A)と(B2)下記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、 水 素 原子 、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基を表す。但し、R1及びR2の少なくとも一方は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基のいずれかである。)
权利要求

少なくとも下記成分(I)と成分(II)とを、質量比で50/50〜92/8の割合で含有する、 成分(I):少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物 成分(II):少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B2)下記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物 (式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基を表す。但し、R1及びR2の少なくとも一方は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基のいずれかである。) エポキシ樹脂硬化剤。前記成分(I)が、前記(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと、前記(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種と、下記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種との反応生成物である、 (C)R3−COOHで表される一価のカルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種 (R3は水素原子、水酸基を有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基又はアリール基を表す。) (D)環状カーボネート (E)炭素数2〜20のモノエポキシ化合物 請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤。前記成分(II)が、前記(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと、前記(B2)前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、下記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種との反応生成物である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 (C)R3−COOHで表される一価のカルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種 (R3は水素原子、水酸基を有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基又はアリール基を表す。) (D)環状カーボネート (E)炭素数2〜20のモノエポキシ化合物前記(A)が、メタキシリレンジアミンである、 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。前記(B1)のアクリル酸誘導体が、エステル、アミド、酸無水物又は酸塩化物のいずれかである、 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。前記(B2)の前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸の誘導体が、エステル、アミド、酸無水物又は酸塩化物のいずれかである、 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。前記(B1)が、アクリル酸及びアクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、 前記(B2)が、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、クロトン酸、及びクロトン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、 請求項1〜6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。前記(C)が、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、 請求項2〜7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。前記(D)が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びグリセリンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、 請求項2〜8のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。前記(E)が、下記一般式(2)で表される化合物である、 (式(2)中、R4は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、又はR4−O−CH3−を表し、R5はフェニル基又はベンジル基を表す。) 請求項2〜9のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。前記成分(I)における前記(A)に対する前記(B1)の反応モル比、及び前記成分(II)における前記(A)に対する前記(B2)の反応モル比が、それぞれ0.3〜1.0の範囲である、 請求項1〜10のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。エポキシ樹脂と、請求項1〜11のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤とを少なくとも含む、 エポキシ樹脂組成物。前記エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対する前記エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数の比が、0.2〜12.0の範囲である、 請求項12に記載のエポキシ樹脂組成物。硬化させて得られる硬化物の酸素透過係数が、23℃、60%RHにおいて2.0ml・mm/m2・day・MPa以下である、 請求項12又は13に記載のエポキシ樹脂組成物。前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導された、グリシジルアミノ基及び/又はグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、及び、レゾルシノールから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、 請求項12〜14のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、及び/又は、ビスフェノールFから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである、 請求項15に記載のエポキシ樹脂組成物。前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである、 請求項16に記載のエポキシ樹脂組成物。請求項12〜17のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を含む、 ガスバリア性接着剤。可撓性ポリマーフィルム層、紙層及び/又は金属箔層と、少なくとも1つのガスバリア層とを少なくとも有する積層体であって、前記ガスバリア層が、請求項12〜17のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成された層であることを特徴とする、 ガスバリア性積層体。前記ガスバリア層の酸素透過係数が、2.0ml・mm/m2・day・MPa(23℃60%RH)以下である、 請求項19に記載のガスバリア性積層体。少なくとも1層の可撓性ポリマー層と、少なくとも1層のガスバリア接着剤層とを少なくとも有するガスバリア性ラミネートシートを成形してなる容器であって、前記ガスバリア接着剤層が、請求項12〜17のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであることを特徴とする、 ガスバリア性容器。基材と、シリカ蒸着層、アルミナ蒸着層及びシリカ・アルミナ二元蒸着層よりなる群から選択される少なくとも1層の蒸着層と、ガスバリア性接着剤層と、シーラント層とが少なくとも積層された蒸着フィルムであって、前記ガスバリア接着剤層が、請求項12〜17のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであることを特徴とする、 蒸着フィルム。基材と、ガスバリア性接着剤層と、印刷層とが少なくとも積層されたガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア性接着剤層が、請求項12〜17のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであることを特徴とする、 ガスバリア性積層体。請求項12〜17のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたガスバリア性接着剤層を少なくとも1層有するガスバリア性積層体を用いた包装材料内に、内容物を密封して保存することを特徴とする、 保存方法。

说明书全文

本発明は、エポキシ樹脂硬化剤、該エポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物を含むガスバリア性接着剤、並びにガスバリア性積層体等に関する。

エポキシ樹脂は、各種基材に対する接着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性など、他の樹脂に比較して多くの優れた特性を有する。そのため、従来、防食或いは美粧を目的とする塗料や、土木用或いは建築用等の接着剤など、幅広い産業分野でエポキシ樹脂が利用されている。一般に、塗料又は接着剤分野で使用されるエポキシ樹脂組成物のガスバリア性は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを用いた組成物と比較すれば良好であるが、ガスバリア材料に分類されるポリ塩化ビニリデンやポリビニルアルコールなどを用いた組成物には及ばない。そのため、エポキシ樹脂を当該用途で用いる場合には、ガスバリア性の向上のために、塗膜の厚みを大きくする、他材料を重ねて被覆する、フィラーを併用するなど、様々な工夫がなされている。

一方、エポキシ樹脂を用いた塗料用組成物に関して、組成物中のアミン窒素含有率を高くすることにより酸素や二酸化炭素などに対するガスバリア性を向上させる方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。しかしながら、これらの塗料用組成物は、そのガスバリア性が著しく高いものではなく、また高湿度条件下でのガスバリア性が高いものではないことから、さらなる改良が望まれる。

また、ポリアミン中の活性アミン素とポリエポキシド中のエポキシ基との比が少なくとも1.5:1であって、該ポリアミンが開始ポリアミンであって炭素原子の少なくとも50%が芳香族であるポリアミンの変性物である塗料用組成物を用いることにより、上記組成物よりさらにガスバリア性を向上させ、また高湿度条件下でのガスバリア性を向上させる方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、上記の塗料用組成物は、塗布後の反応生成物中に未反応の活性アミン水素を有するアミノ基が多量に残存するため、防錆や防食の目的で金属やコンクリートなどへの塗布を考えた場合に、接着性、耐熱性、耐薬品性及び電気特性などの、エポキシ樹脂が本来有する優れた性能が発現しないという問題がある。また、ガスバリア性の向上を目的として包装フィルムの接着剤としての使用を考えた場合には、接着性及び耐薬品性などの、接着剤として使用するための必要な性能が発現しないという問題がある。

他方、これらの問題を解決するために、高いガスバリア性を有し、耐薬品性にも優れるガスバリア性塗料用組成物として、エポキシ樹脂と特定のアミン系硬化剤を塗料形成成分とするエポキシ樹脂組成物が提案されている(特許文献4参照)。

ところで近年、包装材料としては、強度、商品保護性、作業適性、印刷等による宣伝効果等の理由から、異種のポリマー材料を組み合わせた複合フレキシブルフィルムが主流になってきている。このような複合フィルムは、一般には、商品保護の役割を有する外層となる熱可塑性プラスチックフィルム層などと、シーラント層となる熱可塑性プラスチックフィルム層などとからなる。これらの層の貼り合わせには、一般には、積層フィルムに接着剤を塗布してシーラント層を接着させるドライラミネート法や、必要に応じて積層フィルムにアンカーコート剤を塗布し溶融したシーラント層となるプラスチックフィルムを圧着してフィルム状に積層させる押出しラミネート法が行なわれている。また、これらの方法で使用する接着剤は、接着性能が高い点から、一般には水酸基等の活性水素基を有する主剤とイソシアネート基を有する硬化剤からなる二液型ポリウレタン系接着剤が主流となっている(例えば特許文献5及び特許文献6等)。

しかしながら、これらの2液型ポリウレタン系接着剤は、一般にその硬化反応がそれほど速いものではないことから、十分な接着性を確保するために、フィルムの貼り合わせ後に1日〜5日間の長時間におよぶエージングによる硬化促進を行う必要があった。また、イソシアネート基を有する硬化剤を使用するため、硬化後に未反応のイソシアネート基が残存した場合には、この残存イソシアネート基が大気中の水分と反応して二酸化炭素を発生させ、その結果、積層フィルム内に気泡が発生する等の問題があった。一方、これらの問題を解決する方法として、特許文献7にはポリウレタン系接着剤が、また、特許文献8ではエポキシ系ラミネート用接着剤が提案されている。

しかし、上述の各ポリウレタン系接着剤や特許文献8で提案されたエポキシ系接着剤のガスバリア性は高いものではないことから、包装材料にガスバリア性が要求される場合にはPVDCコート層、ポリビニルアルコール(PVA)コート層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム層、メタキシリレンアジパミドフィルム層、アルミナ(Al2O3)やシリカ(SiO2)などを蒸着した無機蒸着フィルム層などの各種ガスバリア層を別途積層させる必要があり、積層フィルムの製造コストやラミネートにおける作業工程で不利を被るものであった。

特公平7−91367号公報

特公平7−91368号公報

特表平9−511537号公報

特開2002−256208号公報

特開平5−51574号公報

特開平9−316422号公報

特開2000−154365号公報

国際公開第99/60068号パンフレット

しかしながら、上記特許文献4に記載された塗料用組成物は、比較的に良好なガスバリア性を発現し得るものの、近年さらなる向上が求められている。その上さらに、上記特許文献4に記載されたガスバリア性塗料用組成物は、各種プラスチック、特にポリエステルに対する接着性が不十分であり、その改良が強く求められている。

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、高いカスバリア性、及び、各種プラスチック、特にポリエステルに対する良好な接着性を発現させ得る、エポキシ樹脂硬化剤を提供することにある。 また、本発明の他の目的は、エポキシ樹脂が有する優れた各種性能を有するのみならず、高いガスバリア性、及び、各種プラスチック、特にポリエステルに対する良好な接着性を有する、エポキシ樹脂組成物を提供することにある。 さらに、本発明の別の目的は、高いガスバリア性、及び、各種プラスチック、特にポリエステルに対する良好な接着性を有する、ガスバリア性接着剤を提供することにある。 またさらに、本発明の他の目的は、高いガスバリア性、及び、各種プラスチック、特にポリエステルに対する良好な接着性を有する、ガスバリア性積層体を提供することにある。 またさらに、本発明の他の目的は、高いガスバリア性、及び、各種プラスチック、特にポリエステルに対する良好な接着性を有する、ガスバリア性積層体を提供することである。

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のエポキシ樹脂硬化剤が、高いガスバリア性、及び、各種プラスチック、特にポリエステルに対する優れた接着性を発現させ得ること、このエポキシ樹脂硬化剤をエポキシ樹脂組成物の硬化剤として用いることにより、エポキシ樹脂が有する優れた各種性能のみならず、高いガスバリア性、及び、各種プラスチック、特にポリエステルに対する良好な接着性が同時に発現され得ること、並びに、そのエポキシ樹脂組成物から形成される硬化物をガスバリア層とする積層体が、高いガスバリア性を有し、かつ、各種プラスチック、特にポリエステルに対する接着性に優れていることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、以下1〜24及び<1>〜<15>を提供する。

1. 少なくとも下記成分(I)と成分(II)とを、質量比で50/50〜92/8の割合で含有する、エポキシ樹脂硬化剤。 成分(I):少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物 成分(II):少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B2)下記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物

(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基を表す。但し、R1及びR2の少なくとも一方は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基のいずれかである。)

2. 前記成分(I)が、前記(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと、前記(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種と、下記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種との反応生成物である、上記1.に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 (C)R3−COOHで表される一価のカルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種 (R3は水素原子、水酸基を有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基又はアリール基を表す。) (D)環状カーボネート (E)炭素数2〜20のモノエポキシ化合物

3. 前記成分(II)が、前記(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと、前記(B2)前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、前記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種との反応生成物である、上記1.又は2.に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 4. 前記(A)が、メタキシリレンジアミンである、上記1.〜3.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 5. 前記(B1)のアクリル酸誘導体が、エステル、アミド、酸無水物又は酸塩化物のいずれかである、上記1.〜4.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 6. 前記(B2)の前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸の誘導体が、エステル、アミド、酸無水物又は酸塩化物のいずれかである、上記1.〜5.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 7. 前記(B1)が、アクリル酸及びアクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記(B2)が、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、クロトン酸、及びクロトン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記1.〜6.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 8. 前記(C)が、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記2.〜7.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 9. 前記(D)が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びグリセリンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記2.〜8.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。

10. 前記(E)が、下記一般式(2)で表される化合物である、上記2.〜9.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。

(式(2)中、R4は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、又はR5−O−CH2−を表し、R5はフェニル基又はベンジル基を表す。)

11.前記成分(I)における前記(A)に対する前記(B1)の反応モル比、及び前記成分(II)における前記(A)に対する前記(B2)の反応モル比が、それぞれ0.3〜1.0の範囲である、上記1.〜10.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤。 12.エポキシ樹脂と、上記1.〜11.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化剤とを少なくとも含む、エポキシ樹脂組成物。 13.前記エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対する前記エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数の比が、0.2〜12.0の範囲である、上記12.に記載のエポキシ樹脂組成物。 14.硬化させて得られる硬化物の酸素透過係数が、23℃、60%RHにおいて2.0ml・mm/m2・day・MPa以下である、上記12.又は13.に記載のエポキシ樹脂組成物。 15.前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導された、グリシジルアミノ基及び/又はグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、及び、レゾルシノールから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記12.〜14.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。 16.前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、及び/又は、ビスフェノールFから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである、上記15.に記載のエポキシ樹脂組成物。 17.前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである、上記16.に記載のエポキシ樹脂組成物。 18.上記12.〜17.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を含む、ガスバリア性接着剤。 19.可撓性ポリマーフィルム層、紙層及び/又は金属箔層と、少なくとも1つのガスバリア層とを少なくとも有する積層体であって、前記ガスバリア層が、上記12.〜17.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成された層であることを特徴とする、ガスバリア性積層体。 20.前記ガスバリア層の酸素透過係数が、2.0ml・mm/m2・day・MPa(23℃60%RH)以下である、上記19.に記載のガスバリア性積層体。

21.少なくとも1層の可撓性ポリマー層と、少なくとも1層のガスバリア接着剤層とを少なくとも有するガスバリア性ラミネートシートを成形してなる容器であって、前記ガスバリア接着剤層が、上記12.〜17.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであることを特徴とする、ガスバリア性容器。 22.基材と、シリカ蒸着層、アルミナ蒸着層及びシリカ・アルミナ二元蒸着層よりなる群から選択される少なくとも1層の蒸着層と、ガスバリア性接着剤層と、シーラント層とが少なくとも積層された蒸着フィルムであって、前記ガスバリア接着剤層が、上記12.〜17.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであることを特徴とする、蒸着フィルム。 23.基材と、ガスバリア性接着剤層と、印刷層とが少なくとも積層されたガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア性接着剤層が、上記12.〜17.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであることを特徴とする、ガスバリア性積層体。 24.上記12.〜17.のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたガスバリア性接着剤層を少なくとも1層有するガスバリア性積層体を用いた包装材料内に、内容物を密封して保存することを特徴とする、保存方法。

<1>可撓性ポリマーフィルム層、紙層及び/又は金属箔層と、少なくとも1つのガスバリア層とを少なくとも有する積層体であって、前記ガスバリア層がエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物の硬化により形成された層であり、前記エポキシ樹脂硬化剤が、少なくとも上記成分(I)と成分(II)とを、質量比[成分(I)/成分(II)]で50/50〜92/8の割合で含有することを特徴とする、ガスバリア性積層体。

<2>前記成分(I)が、前記(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと、前記(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種と、上記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種との反応生成物である、上記<1>に記載のガスバリア性積層体。

<3>前記成分(II)が、前記(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと、前記(B2)前記一般式(1)で示される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、上記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種との反応生成物である、上記<1>又は<2>に記載のガスバリア性積層体。 <4>前記(A)が、メタキシリレンジアミンである、上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <5>前記(B1)のアクリル酸誘導体が、エステル、アミド、酸無水物又は酸塩化物のいずれかである、上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <6>前記(B2)の前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸の誘導体が、エステル、アミド、酸無水物又は酸塩化物のいずれかである、上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <7>前記(B1)が、アクリル酸及びアクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記(B2)が、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、クロトン酸、及びクロトン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <8>前記(C)が、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸及びそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記<2>〜<7>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <9>前記(D)が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びグリセリンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記<2>〜<8>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。

<10>前記(E)が、上記式(2)で表される化合物である、上記<2>〜<9>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <11>前記成分(I)における前記(A)に対する前記(B1)の反応モル比[(B1)/(A)]、及び前記成分(II)における前記(A)に対する前記(B2)の反応モル比[(B2)/(A)]が、それぞれ0.3〜1.0の範囲である、上記<1>〜<10>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <12>前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導された、グリシジルアミノ基及び/又はグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、及び、レゾルシノールから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂である、上記<1>〜<11>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <13>前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、及び/又は、ビスフェノールFから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである、上記<1>〜<12>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <14>前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである、上記<1>〜<13>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。 <15>前記ガスバリア層の酸素透過係数が、2.0ml・mm/m2・day・MPa(23℃60%RH)以下である、上記<1>〜<14>のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。

本発明のエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物は、高いガスバリア性と、各種プラスチック、特にポリエステルへの良好な接着性とを同時に発現する。そのため、本発明のエポキシ樹脂組成物を含むガスバリア性接着剤は、各種ガス透過性基材、例えば食品や医薬品などの包装材料用途に使用されているポリオレフィンやポリエステル、ポリアミドなどの各種プラスチックフィルムの接着剤として好適に用いることができ、かつ、各種ガス透過性基材のガスバリア性を高めることができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂が本来有する優れた各種性能を発現させ得ることから、各種プラスチックフィルム、プラスチック容器、金属やコンクリートなど、従来のエポキシ樹脂接着剤が使用されている被塗材料に塗布することができる。

また、本発明のガスバリア性積層体は、ガスバリア層に特定のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物を用いており、高いガスバリア性と、各種プラスチック、特にポリエステルを含む各種材料に対する優れた接着性を同時に発現する。そのため、本発明のガスバリア性積層体は、食品や医薬品等の包装材料用途に好適に用いられる。

以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。

以下に、本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、及びガスバリア性接着剤、並びにガスバリア性積層体について順次説明する。

[エポキシ樹脂硬化剤] 本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤は、少なくとも下記成分(I)と成分(II)とを、質量比[成分(I)/成分(II)]で50/50〜92/8の割合で含有することを特徴とする。 成分(I):少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物 成分(II):少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B2)下記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物

(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基を表す。但し、R1及びR2の少なくとも一方は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基のいずれかである。)

本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤は、成分(I)と成分(II)とを上記の特定の割合で含有することにより、該エポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物を含む接着剤は、高いガスバリア性とポリエステルへの接着性を同時に発現する。 以下、上記成分(I)及び成分(II)について説明する。

(成分(I)) 本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤に含有される成分(I)は、少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物である。ここで、成分(I)は、前記(A)成分及び(B1)成分のみを反応させてなる反応生成物でもよく、前記(A)成分と、前記(B1)成分と、下記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種との反応生成物であってもよい。 (C)R3−COOHで表される一価のカルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種 (R3は水素原子、水酸基を有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基又はアリール基を表す。) (D)環状カーボネート (E)炭素数2〜20のモノエポキシ化合物

以下、上記(A)、(B1)、(C)、(D)及び(E)成分について説明する。 <(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミン> 成分(I)の一原料となる前記(A)成分であるメタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンは、ガスバリア性を高める観点から用いられている。成分(I)の(A)成分は、メタキシリレンジアミンが好ましい。(A)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

<(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体> 成分(I)の一原料となる前記(B1)成分であるアクリル酸及びアクリル酸誘導体は、各種プラスチック、特にポリエステルに対する良好な接着性を発現させる観点から用いられている。アクリル酸及びアクリル酸誘導体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリルアミド、ジアクリル酸無水物、及び塩化アクリル及びその誘導体(例えば、エステル、アミド、酸無水物又は酸塩化物など)が挙げられるが、これらに特に限定されない。(B1)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

ガスバリア性及びポリエステルへの接着性をより高める観点から、(B1)成分は、アクリル酸及びアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、アクリル酸エステルは、炭素数1〜3のアルキルエステルがより好ましい。より具体的には、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピルが好ましく、アクリル酸又はアクリル酸メチルがより好ましく、アクリル酸メチルがさらに好ましい。

<(C)一価のカルボン酸及び/又はその誘導体> 前記(C)成分のR3−COOHで表される一価のカルボン酸及び/又はその誘導体は、後述するエポキシ樹脂組成物を調製したときのエポキシ樹脂と成分(I)との反応性を低下させ、作業性を改善する観点から、必要に応じて用いられる。ここで、R3は水素原子、水酸基を有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基又はアリール基を表し、R3は、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基である。前記(C)成分としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などの一価のカルボン酸及びそれらの誘導体(例えば、エステル、アミド、酸無水物、酸塩化物など)が挙げられるが、これらに特に限定されない。前記(C)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

<(D)環状カーボネート> 前記(D)成分の環状カーボネートは、後述するエポキシ樹脂組成物を調製したときのエポキシ樹脂と成分(I)との反応性を低下させ、作業性を改善する観点から、必要に応じて用いられる。前記(D)成分の環状カーボネートは、前記(A)成分との反応性の観点から、六員環以下の環状カーボネートであることが好ましい。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オンなどが挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、ガスバリア性の観点から、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びグリセリンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エチレンカーボネートがより好ましい。前記(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

<(E)モノエポキシ化合物> 前記(E)成分のモノエポキシ化合物は、炭素数2〜20のモノエポキシ化合物であり、後述するエポキシ樹脂組成物を調製したときのエポキシ樹脂と成分(I)との反応性を低下させ、作業性を改善する観点から、必要に応じて用いられる。ガスバリア性の観点から、前記(E)成分のモノエポキシ化合物は、炭素数2〜15のモノエポキシ化合物であることが好ましく、下記式(2)で表される化合物であることがより好ましい。

(式(2)中、R4は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、又はR5−O−CH2−を表し、R5はフェニル基又はベンジル基を表す。)

前記式(2)で表されるモノエポキシ化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、及びベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、これらに特に限定されない。前記(E)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

成分(I)の反応性生物を得るにあたり、前記(C)、(D)及び(E)成分は、いずれか1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記(C)、(D)及び(E)成分の中でも、前記(A)成分との反応性の観点から、少なくとも(D)成分を用いることが好ましい。

なお、成分(I)は、前記(A)及び(B1)成分並びに必要に応じて用いられる前記(C)〜(E)成分のほか、所期の効果を過度に損なわない範囲で、他の成分をさらに加えて反応させた反応生成物であってもよい。但し、ここで用いる他の成分の使用量は、成分(I)を構成する反応成分の合計量の30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、前記(A)、(B1)、(C)、(D)及び(E)成分以外の成分を反応させないことがよりさらに好ましい。また、成分(I)を得るための他の成分として、後述する(B2)成分を使用しないことが好ましく、成分(I)を得るための他の成分として(B2)成分を使用する場合には、その使用量は、成分(I)を構成する反応成分の合計量の5質量%以下であることが好ましい。

(成分(II)) 本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤に含有される成分(II)は、少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B2)下記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物である。

(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基を表す。但し、R1及びR2の少なくとも一方は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又はアリール基のいずれかである。)

ここで、成分(II)は、前記(A)成分及び(B2)成分のみを反応させてなる反応生成物でもよく、前記(A)成分と、前記(B2)成分と、前記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種との反応生成物であってもよい。 成分(II)における(A)、(C)、(D)及び(E)成分については前記成分(I)の場合と同様である。以下、成分(II)に用いられる(B2)成分について説明する。

<(B2)不飽和カルボン酸及びその誘導体> 成分(II)の一原料となる前記(B2)成分である前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体は、各種プラスチック、特にポリエステルに対する良好な接着性を発現させる観点から用いられている。前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体としては、メタクリル酸、2−エチルアクリル酸、2−プロピルアクリル酸、α−イソプロピルアクリル酸、2−n−ブチルアクリル酸、2−t−ブチルアクリル酸、2−ペンチルアクリル酸、α−フェニルアクリル酸、α−ベンジルアクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、4−メチル−2−ペンテン酸、2−ヘプテン酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、5−メチル−2−ヘキセン酸、4,4−ジメチル−2−ペンテン酸、4−フェニル−2−ブテン酸、桂皮酸、o−メチル桂皮酸、m−メチル桂皮酸、p−メチル桂皮酸、2−オクテン酸、2−ノネン酸、2−デセン酸、2−ウンデセン酸などの不飽和カルボン酸、及びこれらの誘導体(例えば、エステル、アミド、酸無水物、酸塩化物など)が挙げられるが、これらに特に限定されない。成分(II)の前記(B2)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

ガスバリア性及びポリエステルへの接着性の観点から、(B2)成分は、上記式(1)におけるR1が炭素数1〜3の炭化水素基又はフェニル基である不飽和カルボン酸及びその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、クロトン酸、及びクロトン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。メタクリル酸エステル又はクロトン酸エステルとしては、炭素数1〜3のアルキルエステルがより好ましく、メタクリル酸メチル又はクロトン酸メチルがさらに好ましい。

成分(II)の反応性生物を得るにあたり、前記(C)、(D)及び(E)成分は、いずれか1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

なお、成分(II)は、前記(A)及び(B2)成分並びに必要に応じて用いられる前記(C)〜(E)成分のほか、所期の効果を過度に損なわない範囲で、他の成分をさらに加えて反応させた反応生成物であってもよい。但し、ここで用いる他の成分の使用量は、成分(II)を構成する反応成分の合計量の30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、前記(A)、(B2)、(C)、(D)及び(E)成分以外の成分を反応させないことがよりさらに好ましい。また、成分(II)を得るための他の成分として、前述した(B1)成分を使用しないことが好ましく、成分(II)を得るための他の成分として(B1)成分を使用する場合には、その使用量は、成分(II)を構成する反応成分の合計量の5質量%以下であることが好ましい。

次に、前記成分(I)及び成分(II)の製造方法について説明する。 (成分(I)の製造) 成分(I)は、少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B1)アクリル酸及びアクリル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させることにより得ることができる。

前記(A)成分と前記(B1)成分との反応は、前記(B1)成分としてカルボン酸、エステル又はアミドを使用する場合には、好ましくは0〜130℃、より好ましくは0〜110℃の条件下で(A)と(B1)とを混合し、好ましくは100〜300℃、より好ましくは130〜250℃の条件下で、脱水、脱アルコール又は脱アミン等によるアミド基形成反応を行うことにより実施される。この場合、アミド基形成反応の際に、反応を完結させるために、必要に応じて反応の最終段階において反応装置内を減圧処理することができる。また、必要に応じて非反応性の溶剤を使用して希釈することもできる。さらに脱水剤又は脱アルコール剤として、亜リン酸エステル類などの触媒を添加することもできる。

一方、前記(B1)成分として酸無水物又は酸塩化物を使用する場合には、前記(A)成分と前記(B)成分との反応は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜100℃の条件下で混合後、アミド基形成反応を行うことにより実施される。この場合、アミド基形成反応の際に、反応を完結させるために、必要に応じて反応の最終段階において反応装置内を減圧処理することもできる。また、必要に応じて非反応性の溶剤を使用して希釈することもできる。さらにピリジン、ピコリン、ルチジン、トリアルキルアミンなどの3級アミンを添加することもできる。

上記アミド基形成反応により導入されるアミド基部位は高い凝集を有しており、このアミド基部位がエポキシ樹脂硬化剤中に高い割合で存在することにより、より高い酸素バリア性と、金属やコンクリート、プラスチックなどの基材への良好な接着強度とが得られる。

ここで、成分(I)における前記(A)成分に対する前記(B1)成分の反応モル比[(B1)/(A)]は、特に限定されないが、0.3〜1.0の範囲であることが好ましい。上記反応モル比が0.3以上であれば、エポキシ樹脂硬化剤中に十分な量のアミド基が生成し、より高いレベルのガスバリア性及び接着性が発現する傾向にある。一方、上記反応モル比が1.0以下の範囲であれば、後述するエポキシ樹脂中のエポキシ基との反応に必要なアミノ基の量が十分であり、優れた耐熱性や耐衝撃性が発現する傾向にある。また、各種有機溶剤或いは水に対する溶解性も高くなる傾向にある。得られるエポキシ樹脂硬化物のガスバリア性及び塗膜性能をより高める観点から、前記(A)成分に対する前記(B1)成分の反応モル比[(B1)/(A)]は、0.5〜1.0の範囲であることがより好ましく、0.6〜1.0の範囲であることがさらに好ましい。

前記(A)及び(B1)と、さらに前記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物との反応生成物は、前記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を、前記(B1)成分とともに、ポリアミンである前記(A)成分と反応させて得ることができる。該反応においては、前記(B1)、(C)、(D)及び(E)成分を任意の順序で添加して前記(A)成分と反応させてもよく、また、前記(B1)、(C)、(D)及び(E)成分を混合して、これら前記(B)〜(E)成分を一括して前記(A)成分と反応させてもよい。

前記(A)成分と前記(C)成分との反応は、前記(A)成分と(B1)成分との反応と同様の条件で行うことができる。前記(C)成分を用いる場合には、前記(B1)及び(C)成分を混合して、これら(B)及び(C)成分を一括して前記(A)成分と反応させてもよく、また、初めに前記(A)成分と(B1)成分とを反応させてから、前記(C)成分を反応させてもよい。

一方、前記(D)及び/又は(E)成分を用いる場合には、初めに前記(A)成分と(B)成分とを反応させてから、前記(D)及び/又は(E)成分を反応させることが好ましい。

前記(A)成分と前記(D)及び/又は(E)成分との反応は、好ましくは25〜200℃の条件下で(A)と(D)及び/又は(E)とを混合し、好ましくは30〜180℃、より好ましくは40〜170℃の条件下で、付加反応によるウレタン結合形成反応を行うことにより実施される。このとき、必要に応じてナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの触媒を使用することができる。また、ウレタン結合形成反応の際には、反応を促進するために、必要に応じて(D)及び/又は(E)を溶融させるか、もしくは非反応性の溶剤で希釈することもできる。

成分(I)が、前記(A)と前記(B1)と、さらに前記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物との反応生成物である場合にも、前記(A)成分に対する前記(B1)成分の反応モル比[(B1)/(A)]は、前記と同様の理由で0.3〜1.0の範囲であることが好ましく、0.5〜1.0の範囲であることがより好ましく、0.6〜1.0の範囲であることがさらにより好ましい。一方、前記(A)成分に対する、前記(C)、(D)及び(E)成分の反応モル比[{(C)+(D)+(E)}/(A)]は、特に限定されないが、0.05〜3.1の範囲であることが好ましく、0.07〜2.5の範囲であることがより好ましく、0.1〜2.0の範囲であることがさらに好ましい。ここで、ガスバリア性及び塗工性の観点から、前記(A)成分に対する、前記(B1)、(C)、(D)及び(E)成分の反応モル比[{(B1)+(C)+(D)+(E)}/(A)]は、0.35〜2.5の範囲であることが好ましく、0.35〜2.0の範囲であることがより好ましく、0.35〜1.5の範囲であることがさらに好ましい。

(成分(II)の製造) 成分(II)は、少なくとも(A)メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンと(B2)前記一般式(1)で表される不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる反応生成物であり、前記「成分(I)の製造」における(B1)を(B2)に置き換えて、同様に製造することができる。

ここで、成分(II)における前記(A)成分に対する前記(B2)成分の反応モル比[(B2)/(A)]は、特に限定されないが、0.3〜1.0の範囲であることが好ましい。上記反応モル比が0.3以上であれば、エポキシ樹脂硬化剤中に十分な量のアミド基が生成し、より高いレベルのガスバリア性及び接着性が発現する傾向にある。一方、上記反応モル比が1.0以下の範囲であれば、後述するエポキシ樹脂中のエポキシ基との反応に必要なアミノ基の量が十分であり、優れた耐熱性や耐衝撃性が発現する傾向にある。また、各種有機溶剤或いは水に対する溶解性も高くなる傾向にある。得られるエポキシ樹脂硬化物のガスバリア性及び塗膜性能をより高める観点から、前記(A)成分に対する前記(B2)成分の反応モル比[(B2)/(A)]は、0.5〜1.0の範囲であることがより好ましく、0.6〜1.0の範囲であることがさらに好ましい。

また、成分(II)が、前記(A)及び前記(B2)と、さらに前記(C)、(D)及び(E)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物との反応生成物である場合にも、前記(A)成分に対する(B2)成分の反応モル比[(B2)/(A)]は、前記と同様の理由で、0.3〜1.0の範囲であることが好ましく、0.5〜1.0の範囲であることがより好ましく、0.6〜1.0の範囲であることがさらに好ましい。

(成分(I)及び成分(II)の含有量) 本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤は、成分(I)及び成分(II)を主成分とするものである。より具体的には、エポキシ樹脂硬化剤中における成分(I)及び成分(II)の合計含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。

また、本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤は、前記成分(I)と成分(II)とを、質量比[成分(I)/成分(II)]で50/50〜92/8の割合で含有する。成分(I)と成分(II)との含有割合は、好ましくは質量比で53/47〜91/9であり、より好ましくは55/45〜90/10である。本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤に含有される成分(I)と成分(II)の合計量(質量)を100とした場合に、成分(I)の割合が50以上であると、高いレベルのガスバリア性が発現する。一方、成分(I)と成分(II)の合計量(質量)を100とした場合に、成分(II)の割合が8以上であると、ポリエステルに対する良好な接着性が発現する。

[エポキシ樹脂組成物] 次に、本実施形態のエポキシ樹脂組成物について説明する。 本実施形態のガスバリア性を有するエポキシ樹脂組成物(以下、単に「エポキシ樹脂組成物」とも称する。)は、エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂硬化剤とを少なくとも含有するものである。

前記エポキシ樹脂としては、飽和又は不飽和部位を有する、脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物、複素環式化合物のいずれであってよいが、高いガスバリア性を発現させる観点から、芳香環又は脂環式構造を分子内に含むエポキシ樹脂が好ましい。

ここで用いるエポキシ樹脂の具体例としては、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂;パラアミノフェノールから誘導された、グリシジルアミノ基及び/又はグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂;ビスフェノールAから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂;ビスフェノールFから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂;フェノールノボラックから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂;及び、レゾルシノールから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに特に限定されない。エポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。柔軟性や耐衝撃性、耐湿熱性などの諸性能を向上させる観点から、上記の種々のエポキシ樹脂を適切な割合で混合して使用することもできる。

これらの中でも、ガスバリア性の観点から、ここで用いるエポキシ樹脂は、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、及び/又は、ビスフェノールFから誘導された、グリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものがより好ましく、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものがさらに好ましい。なお、本明細書において、「主成分」とは、エポキシ樹脂の総量に対して、好ましくは全体の50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%含まれる成分を意味する。すなわち、ここで用いるエポキシ樹脂は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、主成分以外の他の成分を含んでいてもよい。

前述した各種のエポキシ樹脂は、常法にしたがい得ることができ、その合成方法は特に限定されない。一例を挙げると、アルコール類、フェノール類又はアミン類とエピハロヒドリンとの反応により、前述した各種のエポキシ樹脂を得ることができる。例えば、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂は、メタキシリレンジアミンにエピクロルヒドリンを付加させることで得ることができる。このとき、メタキシリレンジアミンは4つのアミノ水素を有するので、モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−グリシジル化合物が生成し得る。グリシジル基の置換数は、メタキシリレンジアミンとエピクロルヒドリンとの反応比率を変えることで調整することができる。例えば、メタキシリレンジアミンに約4倍モルのエピクロルヒドリンを付加反応させることにより、主として4つのグリシジル基を有するエポキシ樹脂が得られる。

より具体的には、前述した各種のエポキシ樹脂は、アルコール類、フェノール類又はアミン類に対し過剰のエピハロヒドリンを、水酸化ナトリウムなどのアルカリ存在下、好ましくは20〜140℃の温度条件で反応させ、生成するアルカリハロゲン化物を分離することにより合成することができる。ここで、アルコール類及びフェノール類の場合は、反応温度は50〜120℃がより好ましくは、アミン類の場合は、反応温度は20〜70℃がより好ましい。

本実施形態のエポキシ樹脂組成物において用いるエポキシ樹脂は、数平均分子量が100〜4,000であることが好ましく、200〜1,000であることがより好ましく、200〜500であることがさらに好ましい。エポキシ樹脂の数平均分子量は、例えば上記の合成方法においては、アルコール類、フェノール類及びアミン類に対するエピハロヒドリンのモル比を変えることによって調整することができる。

本実施形態のエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の配合割合は、一般にエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応によりエポキシ樹脂反応物(硬化物)を作製する場合の標準的な配合範囲であればよく、特に限定されない。得られる硬化物のガスバリア性などの観点から、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するエポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数の比(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数)が0.2〜12.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.4〜10.0の範囲、さらに好ましくは0.6〜8.0の範囲である。

なお、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレア系樹脂などの熱硬化性樹脂を含有していてもよい。

本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、金属、コンクリート、プラスチックなど一般的な基材に塗布する場合に各種基材の表面の湿潤を助ける等の観点から、必要に応じて、シリコーン系化合物やアクリル系化合物等の湿潤剤を含有していてもよい。湿潤剤の具体例としては、ビックケミー社から入手し得る、BYK331、BYK333、BYK340、BYK347、BYK348、BYK378、BYK380、BYK381などが挙げられるが、これらに特に限定されない。ここで、湿潤剤の使用量は、要求性能に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物の全質量を基準として0.01〜2.0質量%の範囲が好ましい。

また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、各種材料に対する粘着性を向上させる等の観点から、必要に応じて、キシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を含有していてもよい。なお、粘着付与剤の使用量は、要求性能に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物の全質量を基準として、0.01〜2.0質量%の範囲が好ましい。

さらに、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、各種材料に対する接着性を向上させる等の観点から、必要に応じて、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を含有していてもよい。ここで、カップリング剤の使用量は、要求性能に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物の全質量を基準として0.01〜5.0質量%の範囲が好ましい。

また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、耐衝撃性などの諸性能を向上させる等の観点から、必要に応じて、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機フィラーを含有していてもよい。ここで、無機フィラーの使用量は、要求性能に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物の全質量を基準として、0.01〜10.0質量%の範囲が好ましい。

さらに、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、撹拌混合や塗布時に発生する泡の消失を助ける等の観点から、必要に応じて、シリコーン系化合物やアクリル系化合物等の消泡剤を含有していてもよい。消泡剤の具体例としては、ビックケミー社から入手し得る、BYK019、BYK052、BYK065、BYK066N、BYK067N、BYK070、BYK080、などが挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、BYK065がより好ましい。ここで、消泡剤の使用量は、要求性能に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物の全質量を基準として、0.01〜3.0質量%の範囲が好ましい。

またさらに、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、酸素捕捉機能を付与させる等の観点から、必要に応じて、酸素捕捉機能を有する化合物を含有していてもよい。酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロールなどの酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅などの遷移金属化合物などが挙げられるが、これらに特に限定されない。

またさらに、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、低温硬化性を増大させる、防錆機能を付与する、又は着色する等の観点から等の観点から、必要に応じて、当業界で公知の各種添加剤を含有していてもよい。当業界で公知の添加剤としては、三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体などの三フッ化ホウ素のアミン錯体、三フッ化ホウ素ジメチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテル錯体などの三フッ化ホウ素のエーテル錯体、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、安息香酸、サリチル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、コハク酸、N−エチルモルホリン、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸コバルト、塩化第一錫などの硬化促進触媒、ベンジルアルコールなどの有機溶剤、リン酸亜鉛、リン酸鉄、モリブデン酸カルシウム、酸化バナジウム、水分散シリカ、ヒュームドシリカなどの防錆添加剤、フタロシアニン系有機顔料、縮合多環系有機顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、カーボンブラックなどの無機顔料などが挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの使用量は、要求性能に応じて必要割合量とすればよい。

本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化反応は、その硬化反応物を得るのに十分な、樹脂組成物の濃度及び温度で実施される。ここで、樹脂組成物濃度及び硬化反応温度は、選択する材料の種類や適用用途の選択により変化し得る。すなわち、硬化反応温度は、一般に、室温から約140℃までの範囲で選択できる。また、樹脂組成物の濃度は、選択した材料の種類及びモル比などにより、溶剤を用いない場合、ある種の適切な有機溶剤及び/又は水を用いて約5質量%程度の組成物濃度にする場合など、様々な状態をとり得る。適切な有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶剤、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの非水溶性溶剤などが挙げられる。これらの中でも、グリコールエーテル類、アルコール類などの水溶性溶剤がより好ましい。

本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、該組成物を硬化させて得られる硬化物の酸素透過係数が、23℃、60%RHにおいて2.0ml・mm/m2・day・MPa以下であることが好ましく、より好ましくは1.7ml・mm/m2・day・MPa(23℃60%RH)以下、さらに好ましくは1.4ml・mm/m2・day・MPa(23℃60%RH)以下である。

なお、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、プラスチック容器、金属、コンクリートなど、従来のエポキシ樹脂塗料が使用されている被塗材料に対する塗料としても使用できる。

[ガスバリア性接着剤] 本実施形態のガスバリア性接着剤は、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物を含むものである。すなわち、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、そのまま、又は必要に応じて上記以外の溶剤や着色顔料或いは体質顔料などの各種顔料をさらに混合して、ガスバリア性接着剤として使用することができる。

本実施形態のガスバリア性接着剤は、従来から使用されているエポキシ樹脂接着剤と同様に、金属やコンクリートなどに使用することができる。さらに、従来のエポキシ樹脂接着剤ではそのガスバリア性の低さから適用し得なかった、高ガスバリア性が要求される医薬品などの包装材料用途においても、ガスバリア性を有する接着剤として使用することができる。その上さらに、本実施形態のガスバリア性接着剤は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどのプラスチックフィルムへの接着性に優れるので、医薬品などの包装材料用途で使用されているこれらのプラスチックフィルムの接着剤として好適に使用することができる。

[積層体] 本実施形態のガスバリア性積層体は、可撓性ポリマーフィルム層(F)、紙層(P)及び/又は金属箔層(M)と、少なくとも1つのガスバリア層(G)とを少なくとも有するガスバリア性積層体であり、少なくとも1つのガスバリア層(G)は、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物を硬化させることにより形成されたものである。可撓性ポリマーフィルム層(F)、紙層(P)、金属箔層(M)の少なくとも一面は、ガスバリア層(G)と直接に接している。また、本実施形態のガスバリア性積層体は、そのまま、或いはさらに他の層を積層してガスバリア性フィルムとすることができる。

本実施形態のガスバリア性積層体において、可撓性ポリマーフィルム層(F)、紙層(P)及び金属箔層(M)は、用途に応じて任意に選択でき、また、これらを適宜組み合わせることもできる。本実施形態のガスバリア性積層体の具体的態様としては、例えば、(F)/(G)/(F)、(F)/(G)/(F)/(G)/(F)、(F)/(G)/(P)/(G)/(F)、(F)/(G)/(P)、(F)/(G)/(M)/(G)/(P)、(P)/(G)/(M)、(P)/(G)/(F)/(G)/(M)、(G)/(F)/(G)/(P)、(G)/(F)/(G)/(F)/(G)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。本実施形態のガスバリア性積層体は、さらに、酸素吸収層、接着剤層、アンカーコート層等を有していてもよい。

可撓性ポリマーフィルム層(F)は、求められる役割で分類すると、ガスバリア層を保持する基材フィルム層(F1)、包装材料を形成する際にヒートシール部位となるシーラント層(F2)などとして機能する。これらの層としての役割に応じて、強度や融点などの要求性能が異なる。

基材フィルム層(F1)となる可撓性ポリマーフィルムとしては、ガスバリア層を保持し得るものであれば、いずれのものでも使用することができる。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム;ナイロン6、ナイロン6,6、メタキシレンアジパミド(N−MXD6)などのポリアミド系フィルム;ポリ乳酸などの生分解性フィルム;ポリアクリロニトリル系フィルム;ポリ(メタ)アクリル系フィルム;ポリスチレン系フィルム;ポリカーボネート系フィルム;エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)系フィルム;ポリビニルアルコール系フィルム等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、ポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリアミド系フィルムが好ましい。また、これらのフィルムにポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂やポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物系樹脂、アクリル系樹脂などの各種ポリマーによるコーティングを施したフィルム;これらのフィルムにシリカ、アルミナ、アルミなどの各種無機化合物或いは金属を蒸着させたフィルム;これらのフィルムに無機フィラーなどを分散させたフィルム;これらのフィルムに酸素捕捉機能を付与したフィルムなども使用できる。さらに、コーティングする各種ポリマーに無機フィラーを分散させることができる。無機フィラーとしては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどが挙げられるが、モンモリロナイトなどの層状珪酸塩が好ましい。無機フィラーの分散方法としては、例えば、押出混錬法や樹脂溶液への混合分散法など従来公知の方法が使用できる。また、酸素捕捉機能を付与する方法としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等を含む組成物を、少なくとも一部に使用する方法等が挙げられる。

基材フィルム層(F1)となる可撓性ポリマーフィルムの厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは10μm〜300μm、より好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは10μm〜50μmである。また、上記フィルムは、一軸ないし二軸方向に延伸されているものでもよい。

なお、膜切れやはじきなどの欠陥のないガスバリア層を形成する観点から、フィルム材料の表面には、必要に応じて、火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていることが望ましい。このような表面処理は、フィルム材料に対するガスバリア層の良好な接着を促進する。また、フィルム材料の表面に適切な表面処理がなされた後、必要に応じて、印刷層をさらに設けることもできる。印刷層を設ける際には、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の、従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備が同様に適用され得る。また、印刷層を形成するインキについても、アゾ系、フタロシアニン系などの顔料、ロジン、ポリアミド樹脂、ポリウレタンなどの樹脂、及び、メタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの溶剤等を含有する、従来のポリマーフィルムへの印刷層に用いられてきたインキが同様に適用され得る。

シーラント層(F2)となる可撓性ポリマーフィルムについては、基材フィルム層(F1)において例示したフィルム材料を同様に選択し得るが、良好なヒートシール性の発現の観点から、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム、イオノマー樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、EMA樹脂、EMMA樹脂、生分解樹脂のフィルムなどが好ましい。シーラント層(F2)となる可撓性ポリマーフィルムの厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは10μm〜300μm、より好ましくは12μm〜250μm、さらに好ましくは15μm〜200μmである。また、フィルムの表面には火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていてもよい。

紙層(P)としては、各種公知の紙基材を使用できる。紙容器を構成する場合、紙基材は基本素材となることから、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものが好ましい。具体的には、晒又は未晒の紙基材;純白ロ−ル紙;クラフト紙;板紙;加工紙;これらのリサイクル紙;炭酸カルシウム紙;水酸化アルミ紙等が挙げられるが、これらに特に限定されない。上記の紙基材としては、好ましくは坪量約40〜600g/m2程度のもの、より好ましくは坪量約50〜500g/m2程度のものを好適に使用することができる。なお、上記の紙基材には、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他等の所望の印刷絵柄が各種印刷方式にて形成されていてもよい。

金属箔層(M)としては、特に限定されないが、金、銀、銅、亜鉛、鉄、鉛、錫及びこれらの合金、スチール、ステンレス、アルミニウム等の、展延性に優れた金属の箔を使用できる。工業的な観点から、アルミニウム箔が好ましい。金属箔の厚みは、特に限定されず、適宜設定することができるが、一般的には4〜50μmであることが好ましい。

可撓性ポリマーフィルム層(F)、紙層(P)又は金属箔層(M)の表面、すなわちガスバリア層(G)を形成するためのエポキシ樹脂組成物(接着剤)の塗布面には、プライマー(メジウム)層が形成されていてもよい。この場合、基材との密着性を有している限り、1液系或いは2液系の様々な化学構造のプライマーが使用可能である。実用的には、接着剤の主溶剤として好適に用いられている、メタノールなどのアルコールの浸透性が低いポリエステル系プライマーが好ましい。また、プライマー層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.01μm〜20μm、より好ましくは0.05μm〜5μm、さらに好ましくは0.1μm〜3.0μmである。厚みが0.01μm〜20μmであれば、十分な密着性が発揮され易く、かつ均一な厚みのプライマー層を形成することが容易となる傾向にある。

本実施形態のガスバリア性積層体(以下、「ラミネートフィルム」とも称する。)は、熱可塑性樹脂からなる外層や、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層などが積層されていてもよい。本実施形態のガスバリア性積層体は、少なくとも1層の接着層が、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を主成分とする、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたガスバリア層であればよい。したがって、接着層が複数存在する場合、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成される接着層以外の接着層については、ポリウレタン系接着剤等の従来公知の他の接着剤が使用されていてもよい。また、樹脂同士が溶着させていてもよい。

このように、本実施形態のラミネートフィルムは、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物からなるガスバリア層を少なくとも1層含むものであればよく、他の層については、前述したとおり任意に選択することができる。例えば、ポリエステル/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア層)、ポリオレフィン/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア層)、ポリアミド/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア層)などの2層構成;ポリオレフィン/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア層)/ポリオレフィンや、ポリアミド/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア層)/ポリオレフィンからなる3層構成などが例示されるが、これらに特に限定されない。

本実施形態のガスバリア性積層体におけるガスバリア層(G)は、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を主成分とする、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成される。

[エポキシ硬化物] エポキシ硬化物(ガスバリア層(G))は、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物を硬化させることによって形成される。この硬化物の酸素透過係数は、特に限定されないが、好ましくは2.0ml・mm/m2・day・MPa(23℃60%RH)以下、より好ましくは1.7ml・mm/m2・day・MPa(23℃60%RH)以下、さらに好ましくは1.4ml・mm/m2・day・MPa(23℃60%RH)以下である。

ガスバリア層(G)を形成するためのエポキシ樹脂組成物の硬化反応は、その硬化反応物を得るのに十分な、樹脂組成物の濃度及び温度で実施される。ここで、樹脂組成物濃度及び硬化反応温度は、選択する材料の種類や適用用途の選択により変化し得る。すなわち、硬化反応温度は、一般に、室温から約140℃までの範囲で選択できる。また、樹脂組成物の濃度は、選択した材料の種類及びモル比などにより、溶剤を用いない場合、ある種の適切な有機溶剤及び/又は水を用いて約5質量%程度の組成物濃度にする場合など、様々な状態をとり得る。適切な有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶剤、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトンなどの非水溶性溶剤などが挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、グリコールエーテル類、アルコール類などの水溶性溶剤がより好ましい。

[積層体の製造] 上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物を使用して各種フィルム材料をラミネートする場合には、ドライラミネート、ノンソルベントラミネート、押出しラミネート等、公知のラミネート法を用いることが可能であり、そのラミネート方法は特に限定されない。これらの中でも、ドライラミネートもしくは押出しラミネートが好ましい。

上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物を各種材料に塗布し、ラミネートする場合には、ガスバリア層(G)となるエポキシ硬化物を得るのに十分なエポキシ樹脂組成物の濃度及び温度で実施される。ここで、樹脂組成物濃度及び硬化反応温度は、選択する材料の種類やラミネート方法の選択により変化し得る。すなわち、エポキシ樹脂組成物の塗布液(以下、単に「塗布液」とも称する。)の濃度は、選択した材料の種類及びモル比やラミネート方法などにより、溶剤を用いない場合、ある種の適切な有機溶剤及び/又は水を用いて約5重量%程度の組成物濃度に希釈する場合など、様々な状態をとり得る。ここで使用する有機溶剤としては、エポキシ樹脂組成物との溶解性を有するあらゆる溶剤が使用でき、例えば、上記したものと同様の、グリコールエーテル類、アルコール類、非プロトン性極性溶剤、非水溶性系溶剤などが挙げられる。

上記溶剤で希釈した塗布液(エポキシ樹脂組成物)は、必要に応じて、ザーンカップ(No.3)粘度が5秒〜30秒(25℃)の範囲となるような濃度で希釈され得る。塗布液の濃度は、使用するラミネート法に応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。例えば、ドライラミネートの場合には、ザーンカップ(No.3)粘度は、その使用中に10秒〜45秒(25℃)であることが好ましく、10〜30秒であることがさらに好ましい。

また、溶剤を使用する場合には、塗布後の溶剤乾燥温度は、特に限定されないが、一般に、20℃から140℃程度であればよく、溶剤の沸点に近く、被塗物への影響が及ばない温度が望ましい。例えば、延伸ポリプロピレンフィルムに塗布する際は、接着性や作業性の観点から、また、良好な外観のラミネートフィルムを得る観点から、40℃〜120℃が望ましい。

塗布液の塗布法は、ロール塗布、スプレー塗布、エアナイフ塗布、浸漬、はけ塗りなどの公知の塗装形式が使用され得る。これらの中でも、ロール塗布又はスプレー塗布が好ましい。このとき、例えばポリウレタン系接着剤成分をポリマーフィルムに塗布し、ラミネートする場合と同様の、ロールコート或いはスプレー技術及び設備が適用され得る。

また、例えば印刷機のプライマーとして使用する場合には、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備や、ロール塗布、スプレー塗布、エアナイフ塗布、浸漬、はけ塗り、ダイコーティングなどの公知の塗装形式がいずれも使用され得る。これらの中でも、印刷機又はロール塗布が好ましい。このとき、例えばグラビアインキをポリマーフィルムに塗布する場合と同様の、グラビア印刷機或いはロールコート及び設備が適用され得る。

続いて、各ラミネート方法における具体的な操作について説明する。 ドライラミネート法の場合には、基材を含むフィルム材料に前記塗布液をグラビアロールなどのロールにより塗布後、溶剤を乾燥させ直ちにその表面に新たなフィルム材料をニップロールにより貼り合わせることにより、ラミネートフィルムを得ることができる。塗布液を調製する際の溶剤としては、溶解性が良く、比較的沸点が低い、炭素数3以下のアルコールを含む溶剤であることが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びn−プロパノールからなる群より選ばれる1種以上を主成分とする溶剤が例示される。さらに、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応を遅延し塗布液の増粘を抑え作業時間を長くする効果がある、エステル基、ケトン基、アルデヒド基のいずれかの官能基を有する溶剤を混合した混合液であることが好ましい。エステル基、ケトン基、アルデヒド基のいずれかの官能基を有する溶剤を混合した混合液としては、比較的沸点が低い、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドからなる群より選ばれる1種以上を、前記主成分とする溶剤に混合した混合液が例示される。残留溶剤量が少ないラミネートフィルムを得るために、エステル基、ケトン基、アルデヒド基のいずれかの官能基を有する溶剤の含有量は、全溶剤中の20重量%以下が好ましい。ここで、ラミネートフィルム中の残留溶剤が多い場合、悪臭の原因となる。そのため、ラミネートフィルム中の残留溶剤量は、7mg/m2以下が実用的である。フィルムの臭気を厳密に管理する場合には、5mg/m2以下がより好ましく、3mg/m2以下がさらに好ましい。

ドライラミネート法において、塗布液(エポキシ樹脂組成物)はシーラント層に塗布することも可能である。例えば、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム上に塗布液を塗布し、乾燥後、延伸ポリプロピレン、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの基材を貼り合わせることにより、ラミネートフィルムを製造することができる。

ニップロールによりフィルムを貼り合せる場合、ニップロールは20℃〜120℃に保った状態でフィルムを貼り合せることができる。ロール温度は、40〜100℃が好ましい。この場合、ラミネート後に、必要に応じて20℃〜60℃で一定時間のエージングを行う等して、硬化反応を完了することが望ましい。一定時間のエージングを行うことにより、十分な反応率でエポキシ硬化物が形成され、より高いガスバリア性お呼び接着力が発現する。

また、ノンソルベントラミネート法の場合には、基材を含むフィルム材料に、予め40℃〜100℃程度に加熱しておいた塗布液を、40℃〜120℃に加熱したグラビアロールなどのロールにより塗布した後、直ちにその表面に新たなフィルム材料を貼り合わせることにより、ラミネートフィルムを得ることができる。この場合も、ドライラミネート法の場合と同様に、ラミネート後に必要に応じて一定時間のエージングを行うことが望ましい。

押出しラミネート法の場合には、基材を含むフィルム材料に、接着補助剤(アンカーコート剤)として前記塗布液の主成分であるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の有機溶剤及び/又は水による希釈溶液を、グラビアロールなどのロールにより塗布し、20℃〜140℃で溶剤の乾燥及び硬化反応を行なった後に、押出し機により溶融させたポリマー材料をラミネートすることにより、ラミネートフィルムを得ることができる。溶融させるポリマー材料としては、低密度ポリエチレン樹脂、直線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂等が好ましい。

これらのラミネート法及びその他の一般的に使用されているラミネート法は、必要に応じて組み合わせることも可能であり、用途や形態に応じてラミネートフィルムの層構成は変化し得る。

ガスバリア層(G)の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、より高いガスバリア性及び接着性を発現させ、均一な厚みの層を形成する観点から、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3μm〜20μmの範囲、さらに好ましくは0.5μm〜10μmの範囲である。

[各種用途] 本実施形態のガスバリア性積層体(ラミネートフィルム)は、食品や医薬品などの保護を目的とする包装材料又は包装袋或いは包装容器等として使用することができる。この場合、包装材料等の少なくとも一部に、ラミネートフィルムを含む構成とすればよい。包装用途で使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じて、その層構成は変化し得る。すなわち、本実施形態のラミネートフィルム(ガスバリア性積層体)をそのまま包装材料として使用することもできるし、必要に応じて、酸素吸収層、ヒートシール性樹脂等の熱可塑性樹脂層、紙層及び/又は金属箔層などの任意の層を、さらに積層させることもできる。この際、上記塗布液を用いて積層させてもよいし、他の接着剤やアンカーコート剤を用いて積層させてもよい。本実施形態のガスバリア性積層体は、任意の形状に加工することで、包装袋或いは包装容器として使用することができる。

[ガスバリア性袋] 以下、本実施形態のガスバリア性積層体を用いて得られる、軟包装用袋等のガスバリア性袋について説明する。かかるガスバリア性袋は、前記ガスバリア性積層体を使用し、そのヒートシール性樹脂層の面を対向して重ね合わせるか、或いはヒートシール性樹脂層を重ね合わせ、しかる後、その外周周辺端部又は重ね合わせ部をヒートシールしてシール部を形成することにより製造することができる。シール形状としては、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、底シール型、ガゼット型などが挙げられるが、これらに特に限定されない。

ガスバリア性袋は、内容物、使用環境、使用形態に応じて、種々の形態をとり得る。その他、例えば、自立性ガスバリア性袋(スタンディングパウチ)等も可能である。また、上記のガスバリア性積層体を使用して、例えばチューブ状の容器等を製造することもできる。ここで、ヒートシール方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。なお、上記の袋や容器には、例えば、ワンピースタイプ、ツウーピースタイプ、その他の注出口、或いは開閉用ジッパー等を任意に取り付けることができる。

前記包装用袋にその開口部から内容物を充填し、しかる後、その開口部をヒートシールすることで、前記包装用袋を使用した包装製品を製造することができる。

(被包装物) 被包装物となる内容物は、特に限定されない。例えば、米菓、豆菓子、ナッツ類、ビスケット・クッキー、ウェハース菓子、マシュマロ、パイ、半生ケーキ、キャンディ、スナック菓子などの菓子類;パン、スナックめん、即席めん、乾めん、パスタ、無菌包装米飯、ぞうすい、おかゆ、包装もち、シリアルフーズなどのステープル類;漬物、煮豆、納豆、味噌、凍豆腐、豆腐、なめ茸、こんにゃく、山菜加工品、ジャム類、ピーナッツクリーム、サラダ類、冷凍野菜、ポテト加工品などの農産加工品;ハム類、ベーコン、ソーセージ類、チキン加工品、コンビーフ類などの畜産加工品;魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、かまぼこ、のり、佃煮、かつおぶし、塩辛、スモークサーモン、辛子明太子などの水産加工品;桃、みかん、パイナップル、りんご、洋ナシ、さくらんぼなどの果肉類;コーン、アスパラガス、マッシュルーム、玉ねぎ、人参、大根、じゃがいもなどの野菜類;ハンバーグ、ミートボール、水産フライ、ギョーザ、コロッケなどを代表とする冷凍惣菜;チルド惣菜などの調理済食品;バター、マーガリン、チーズ、クリーム、インスタントクリーミーパウダー、育児用調整粉乳などの乳製品;液体調味料、レトルトカレー、ペットフードなどの食品類;タバコ;使い捨てカイロ;医薬品;化粧品;香気成分等が挙げられるが、これらに特に限定されない。

以下、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたガスバリア性接着剤層を有する、種々の好適態様について説明する。

[ガスバリア性容器] 本実施形態のガスバリア性容器は、少なくとも1層の可撓性ポリマー層と、少なくとも1層のガスバリア接着剤層とを少なくとも有するガスバリア性ラミネートシートを成形してなる容器であって、前記ガスバリア接着剤層が、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものである。

ここで用いる可撓性ポリマー層は、公知のフィルム材料或いはシート材料を使用することができ、特に限定されない。その具体例としては、上記(F)、(F1)及び(F2)で述べたものが挙げられ、ここでの重複した説明は省略する。

なお、可撓性ポリマー層は、無延伸のものでも、一軸乃至二軸方向に延伸されているものでもよく、或いはポリマーの発泡体などでもよい。可撓性ポリマー層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、0.01〜5mmが好ましい。また、膜切れやはじきなどの欠陥のない可撓性ポリマー層を形成する観点から、可撓性ポリマー層の表面には、必要に応じて、火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていることが望ましい。このような処理は、基材となる可撓性ポリマー層に対するガスバリア接着剤層の良好な接着を促進する。また、基材となる可撓性ポリマー層の表面に適切な表面処理がなされた後で、必要に応じて、印刷層をさらに設けることもできる。印刷層を設ける際には、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の、従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備が同様に適用され得る。また、印刷層を形成するインキについても、アゾ系、フタロシアニン系などの顔料、ロジン、ポリアミド樹脂、ポリウレタンなどの樹脂、及び、メタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの溶剤等を含有する、従来のポリマーフィルムへの印刷層に用いられてきたインキが同様に適用され得る。

また、可撓性ポリマー層の表面、すなわちガスバリア接着剤層を形成するためのエポキシ樹脂組成物(接着剤)の塗布面には、プライマー(メジウム)層が形成されていてもよい。この場合、基材となる可撓性ポリマー層との密着性を有している限り、1液系或いは2液系の様々な化学構造のプライマーが使用可能である。実用的には、接着剤の主溶剤として好適に用いられる、メタノールなどのアルコールの浸透性が低いポリエステル系プライマーが好ましい。また、プライマー層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.05μm〜5μm、さらに好ましくは0.1μm〜3.0μmである。厚みが0.01μm〜20μmであれば、十分な密着性が発揮され易く、かつ均一な厚みのプライマー層を形成することが容易となる傾向にある。

本実施形態のガスバリア性容器におけるガスバリア接着剤層は、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであり、ここでの重複した説明は省略する。

本実施形態のガスバリア性容器におけるガスバリア接着剤層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜10μmである。厚みが0.01μm〜100μmであれば、十分な密着性が発揮され易く、かつ均一な厚みのプライマー層を形成することが容易となる傾向にある。

本実施形態のガスバリア性容器を成形するためのガスバリア性ラミネートシートは、熱可塑性樹脂からなる外層や、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層などが積層されていてもよい。ここで使用するガスバリア性ラミネートシートは、少なくとも1層のガスバリア接着剤層が、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであればよい。したがって、接着層が複数存在する場合、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたガスバリア接着剤層以外の接着層については、ポリウレタン系接着剤等の従来公知の他の接着剤が使用されていてもよい。また、樹脂同士が溶着されていてもよい。

このように、本実施形態のガスバリア性容器を成形するためのガスバリア性ラミネートシートは、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物からなるガスバリア接着剤層を少なくとも1層含むものであればよく、他の層については、前述したとおり各種材料から任意に選択することができる。例えば、ポリエステル/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア接着剤層)、ポリオレフィン/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア接着剤層)、ポリアミド/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア接着剤層)などの2層構成;ポリエステル/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア接着剤層)/ポリエステル、ポリエステル/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア接着剤層)/ポリオレフィン、ポリオレフィン/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア接着剤層)/ポリオレフィンや、ポリアミド/本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(ガスバリア接着剤層)/ポリオレフィンなどの3層構成などが例示されるが、これらに特に限定されない。

本実施形態のガスバリア性容器の成形方法は、公知の手法で行うことができ、特に限定されない。例えば、前述のガスバリア性ラミネートシートを、例えばプレス成形、真空成形、圧空成形、熱板成形或いはプラグアシスト成形などの成形方法により、所定の形状に加圧及び成形加工することにより、本実施形態のガスバリア性容器を得ることができる。また、前述のガスバリア性ラミネートシートを別の可撓性フィルム又はシートにラミネートし、例えばプレス成形、真空成形、圧空成形、熱板成形或いはプラグアシスト成形などの成形方法により、これを所定の形状に加圧及び成形することにより、本実施形態のガスバリア性容器を得ることもできる。

本実施形態のガスバリア性容器の形状は、特に限定されず、例えば、箱型、トレイ状、カップ状、ボトル状、チューブ状等、要求性能や用途に応じて適宜設定することができる。好適な形状の一例としては、容器深さ(d)と容器上面開口部直径(l)の比(d/l)が、0.01〜10.0の範囲、好ましくは0.02〜7.0の範囲、より好ましくは0.03〜5.0の範囲にあるものが挙げられる。ここで、容器上面開口部直径は、開口部形状が楕円形の場合はその長径であり、正方形、長方形もしくは多角形の場合はその最長対角線とする。本実施形態のガスバリア性容器によれば、容器深さ(d)と容器上面開口部直径(l)の比(d/l)が1.0以上の深絞り容器や、底部の角の曲線の半径(R)が2〜5mmのような延伸倍率が大きい部分を含む容器(箱型容器)を実現可能である。

本実施形態のガスバリア性容器に格納する内容物は、特に限定されない。内容物の具体例としては、上述したガスバリア性袋において説明したとおりであり、ここでの重複した説明は省略する。

本実施形態のガスバリア性容器において、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成された前記ガスバリア接着剤層は、各種フィルム材料及び/又はシート材料に対する好適な接着性能に加えて高いガスバリア性を有し、低湿度条件から高湿度条件に至る広い範囲において高いガスバリア性を示す。そのため、本実施形態のガスバリア性容器は、PVDCコート層、ポリビニルアルコール(PVA)コート層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム層、ポリメタキシリレンアジパミドフィルム層、アルミナやシリカなどを蒸着した無機蒸着フィルム層などの、一般に使用されているガスバリア性材料を使用していなくても、非常に高いレベルのガスバリア性が発現される。さらに、上述した本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は靭性や耐湿熱性等に優れることから、耐衝撃性、耐煮沸処理性、耐レトルト処理性などに優れたカスバリア性容器を実現することもできる。

[蒸着フィルム] 本実施形態の蒸着フィルムは、基材と、シリカ蒸着層、アルミナ蒸着層及びシリカ・アルミナ二元蒸着層よりなる群から選択される少なくとも1層の蒸着層と、ガスバリア性接着剤層と、シーラント層とが少なくとも積層された蒸着フィルムであって、前記ガスバリア接着剤層が、前記ガスバリア接着剤層が、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものである。

ここで用いる基材としては、公知のフィルム材料或いはシート材料を使用することができ、特に限定されない。その具体例としては、上記(F)、(F1)及び(F2)で述べたものが挙げられ、ここでの重複した説明は省略する。また、ここで用いる基材として、これらの樹脂材料以外のものも使用できる。具体的には、例えば、カートンなどの紙類やアルミや銅などの金属箔などに、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂やポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物系樹脂、アクリル系樹脂などの各種ポリマーによるコーティングを施したフィルムなどを使用することができる。さらに、ここでコーティングする各種ポリマーは、上記(F)、(F1)及び(F2)にて述べたものと同様に、無機フィラーを分散させたものであってもよい。

なお、基材としての樹脂フィルムは、無延伸のものでも、一軸乃至二軸方向に延伸されているものでもよく、或いはポリマーの発泡体などでもよい。基材の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、10〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmである。また、膜切れやはじきなどの欠陥のない可撓性ポリマー層を形成する観点から、基材の表面には、必要に応じて、火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていることが望ましい。このような処理は、基材に対するガスバリア接着剤層の良好な接着を促進する。また、基材の表面に適切な表面処理がなされた後で、必要に応じて、印刷層をさらに設けることもできる。印刷層を設ける際には、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の、従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備が同様に適用され得る。また、印刷層を形成するインキについても、アゾ系、フタロシアニン系などの顔料、ロジン、ポリアミド樹脂、ポリウレタンなどの樹脂、及び、メタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの溶剤等を含有する、従来のポリマーフィルムへの印刷層に用いられてきたインキが同様に適用され得る。

また、基材の表面、すなわちガスバリア接着剤層を形成するためのエポキシ樹脂組成物(接着剤)の塗布面には、プライマー(メジウム)層が形成されていてもよい。この場合、基材との密着性を有している限り、1液系或いは2液系の様々な化学構造のプライマーが使用可能である。実用的には、接着剤の主溶剤として好適に用いられる、メタノールなどのアルコールの浸透性が低いポリエステル系プライマーが好ましい。また、プライマー層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.05μm〜5μm、さらに好ましくは0.1μm〜3.0μmである。厚みが0.01μm〜20μmであれば、十分な密着性が発揮され易く、かつ均一な厚みのプライマー層を形成することが容易となる傾向にある。

本実施形態の蒸着フィルムにおける蒸着層は、透明性を有し、かつ、酸素及び水蒸気に対するバリア性を有する層であることが好ましい。蒸着層は、例えば、上記基材にシリカ及び/又はアルミナを蒸着させることにより形成することができる。この蒸着層は、シリカ蒸着層であっても、アルミナ蒸着層であっても、シリカとアルミナが二元蒸着されたシリカ・アルミナ二元蒸着層であってもよい。また、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル又はこれらの混合物などの、金属又は金属箔或いは無機酸化物等を基材上に薄膜形成することで、蒸着層を形成することもできる。これらの中でも、各種殺菌耐性などの観点から、シリカ蒸着層、アルミナ蒸着層、及びシリカ・アルミナ二元蒸着層が好ましい。これらの蒸着方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、物理蒸着法や化学蒸着法、より具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)などの各種公知の薄膜形成プロセスにより、各種蒸着層を形成することができる。

なお、上記の基材及び蒸着層の積層体として、各種の蒸着フィルムを用いることもできる。蒸着フィルムとしては、シリカ蒸着ポリエステル系フィルム、シリカ蒸着ポリアミド系フィルム、アルミナ蒸着ポリエステル系フィルム、アルミナ蒸着ポリアミド系フィルム、シリカ・アルミナ二元蒸着ポリエステル系フィルム、シリカ・アルミナ二元蒸着ポリアミド系フィルムなどが例示できる。

また、本実施形態の蒸着フィルムにおける蒸着層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.1〜500nm、より好ましくは0.3〜100nm、さらに好ましくは0.5〜50nmである。厚みが0.1〜500nmであれば、蒸着フィルムの耐屈曲性が高められる傾向にある。

本実施形態の蒸着フィルムにおけるガスバリア接着剤層は、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであり、ここでの重複した説明は省略する。

本実施形態の蒸着フィルムにおけるガスバリア接着剤層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜10μmが実用的である。厚みが0.01μm〜100μmであれば、十分な密着性が発揮され易く、かつ均一な厚みのプライマー層を形成することが容易となる傾向にある。

ここで、本実施形態の蒸着フィルムは、上述した蒸着層とガスバリア性接着剤層との間に、樹脂コート層を有していてもよい。また、各層を積層するに際して、ポリウレタン系接着剤等の従来公知の他の接着剤やアンカーコート剤を使用してもよく、また、樹脂同士が溶着されていてもよい。接着剤層を設ける場合は、少なくとも1箇所が上述したガスバリア性接着剤層であればよい。

樹脂コート層として用いる樹脂としては、特に限定されないが、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、アクリル変性ウレタンウレア樹脂等のポリウレタン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂;ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;塩素化ポリプロピレン樹脂等の塩素化オレフィン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、有機チタン系樹脂等が挙げられる。樹脂コート層の形成方法は、特に限定されない。例えば、これらの樹脂を水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させた溶液を、グラビア法、ロールコート法などで蒸着層或いはガスバリア性接着剤層に塗布し乾燥することによって、樹脂コート層を形成することができる。このとき、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の、従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備が同様に適用され得る。

樹脂コート層を形成する場合、その厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.005〜5μm、より好ましくは0.01〜3μmである。厚みが0.005〜5μmであれば、十分な密着性が発揮され易く、かつ均一な厚みの樹脂コート層を形成することが容易となる傾向にある。

なお、樹脂コート層として硬化性樹脂を使用する場合は、1液系或いは2液系のいずれも使用できるが、耐水性や耐熱性を高める観点から、2液系が好ましい。また、樹脂コート層に他の機能性を付与するために、上記樹脂類に各種公知の添加剤を含ませてもよい。添加剤は、必要に応じて、公知のものを適宜選定して使用できる。例えば、耐摩擦性の向上、ブロッキング防止、スリップ性、耐熱性向上、帯電防止などのために、ワックス、分散剤、静電防止剤、表面改質剤などを使用することができる。

一方、本実施形態の蒸着フィルムにおけるシーラント層としては、公知のフィルム材料或いはシート材料を使用することができ、特に限定されない。その具体例としては、上記(F)、(F1)及び(F2)で述べたものが挙げられ、ここでの重複した説明は省略する。良好なヒートシール性の発現の観点から、シーラント層は、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルムが好ましい。シーラント層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは10〜300μm、より好ましくは10〜100μmである。また、フィルムの表面には火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が施されていてもよい。

本実施形態の蒸着フィルムは、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたガスバリア性接着剤層を有することにより、優れたラミネート強度を有する。本実施形態の蒸着フィルムのラミネート強度は、基材やシーラント層の材質により異なるが、例えば、基材が延伸ポリプロピレンの場合は、剥離速度が300mm/minのT型剥離試験で80g/15mm以上が好ましく、100g/15mm以上がより好ましく、さらに好ましくは120g/15mm以上である。一方、基材が延伸ナイロンやポリエチレンテレフタレートであり、シーラント層が低密度ポリエチレンである場合には、剥離速度が300mm/minのT型剥離試験で600g/15mm以上が好ましく、700g/15mm以上がより好ましく、さらに好ましくは800g/15mm以上である。他方、基材が延伸ナイロンやポリエチレンテレフタレートであり、シーラント層が無延伸ポリプロピレンである場合には、剥離速度が300mm/minのT型剥離試験で300g/15mm以上が好ましく、400g/15mm以上がより好ましく、さらに好ましくは500g/15mm以上である。

本実施形態の蒸着フィルムは、必要に応じて、酸素吸収層、熱可塑性樹脂からなる外層、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層、紙層、金属箔層などが積層されていてもよい。本実施形態の蒸着フィルムは、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたガスバリア接着剤層を有するものであればよい。

本実施形態の蒸着フィルムは、包装材料又は包装袋或いは包装容器として使用することができる。包装袋及び包装容器についての説明は、上記において述べたとおりであり、ここでの重複する説明は省略する。また、被包装物(内容物)についても、上記において述べたとおりであり、ここでの重複した説明は省略する。

本実施形態の蒸着フィルムにおいて、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成された前記ガスバリア接着剤層は、各種フィルム材料及び/又はシート材料に対する好適な接着性能に加えて高いガスバリア性を有し、低湿度条件から高湿度条件に至る広い範囲において高いガスバリア性を示す。そのため、本実施形態の蒸着フィルムは、PVDCコート層、ポリビニルアルコール(PVA)コート層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム層、ポリメタキシリレンアジパミドフィルム層、アルミナやシリカなどを蒸着した無機蒸着フィルム層などの、一般に使用されているガスバリア性材料を使用していなくても、非常に高いレベルのガスバリア性が発現される。さらに、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成された前記ガスバリア接着剤層は、機械特性に優れることから、優れた耐屈曲性を有する蒸着フィルムを実現することもできる。

[ガスバリア性積層体] 本実施形態のガスバリア性積層体は、基材と、ガスバリア性接着剤層と、印刷層とが少なくとも積層されたガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア性接着剤層が、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものである。

ここで用いる基材は、公知のフィルム材料或いはシート材料を使用することができ、特に限定されない。その具体例としては、上記(F)、(F1)及び(F2)で述べたものが挙げられ、ここでの重複した説明は省略する。

本実施形態のガスバリア性積層体においては、上記基材とガスバリア性接着剤層との間に、蒸着層を有していてもよい。この蒸着層は、上記の蒸着フィルムにおいて説明したものと同義であり、ここでの重複した説明は省略する。

また、本実施形態のガスバリア性積層体における蒸着層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.1〜500nm、より好ましくは0.3〜100nm、さらに好ましくは0.5〜50nmである。蒸着層の厚さが0.1〜500nmであれば、高いガスバリア性と均一な薄膜形成が両立し易い傾向にある。なお、基材と蒸着層との密着性を向上させるために、これらの層間にアンカーコート層を設けてもよい。

本実施形態のガスバリア性積層体におけるガスバリア接着剤層は、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたものであり、ここでの重複した説明は省略する。

本実施形態のガスバリア性積層体におけるガスバリア接着剤層の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができるが、実用的観点から、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmである。ガスバリア接着剤層の厚さが0.05〜10μmであれば、高いガスバリア性と均一な薄膜形成が両立し易い傾向にある。

本実施形態のガスバリア性積層体における印刷層は、各種インキバインダー樹脂と、溶剤と、アゾ系、フタロシアニン系などの各種顔料、体質顔料、安定剤等とを含有するインキにより形成される塗膜である。印刷層は、各種印刷方式により、例えば文字、図形、絵柄、記号、その他等の所望の印刷絵柄がパターン形成されたものであってもよい。ここで用いるインキバインダー樹脂としては、従来公知のものを適宜用いることできる。具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、アクリル変性ウレタンウレア樹脂等のポリウレタン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂;ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩素化ポリプロピレン樹脂等の塩素化オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、比較的柔軟で接着力があることから、インキバインダー樹脂は、ポリウレタン系樹脂及び/又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂が好ましい。インキバインダー樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。印刷層は、これらのインキバインダー樹脂を、各種顔料、体質顔料又は安定剤等とともに、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて、グラビア法、フレキソ法、オフセット法、ロールコート法により、例えば基材等の被印刷物上に塗布することで形成することができる。印刷層を形成する際には、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の、従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備が同様に適用され得る。また、印刷層の厚さは、特に限定されないが、インキの乾燥性を考慮すると、一般には5μm以下が好ましい。

なお、印刷層を形成するためのインキは、1液硬化タイプでも2液硬化タイプでもよい。2液硬化タイプのインキを用いる場合、硬化剤としてポリイソシアネートを使用することが好ましい。その具体例としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)などの脂肪族ポリイソシアネートが挙げられるが、これらに特に限定されない。

印刷層を形成するためのインキは、必要に応じて、ザーンカップ(No.3)粘度が5〜30秒(25℃)の範囲となるような濃度で希釈され得る。インキの濃度は、使用するラミネート法に応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。例えば、グラビア印刷機を用いる場合には、ロール汚染を抑制するとともに均一な印刷層の形成を促進する観点から、ザーンカップ(No.3)粘度は、その使用中に10〜20秒(25℃)であることが好ましい。

ここで、インキ塗布後の溶剤乾燥温度は、特に限定されないが、一般に、20〜140℃程度であればよく、溶剤の沸点に近く、被塗物への影響が及ばない温度が望ましい。例えば、延伸ポリプロピレンフィルムにインキを塗布する際は、接着性や作業性の観点から40℃〜120℃が好ましい。

本実施形態のガスバリア性積層体を得るためには、基材上に(蒸着層が基材上に形成されている場合には、基材上或いは蒸着層上に)、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物を塗布し乾燥させてガスバリア接着剤層を形成し、次いで、このガスバリア接着剤層上に印刷層を形成する。かくして得られるガスバリア性積層体の原反は、常法にしたがい、ロールに巻き取ることができる。このとき、印刷層を形成させた後に原反をロールに巻き取ることが望ましい。印刷層を形成する前にロールに巻き取ると、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の乾燥が不十分である場合にはブロッキングが生じ得る。

なお、本実施形態のガスバリア性積層体の表面に、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理等の各種表面処理(前処理)を施すことができる。また、本実施形態のガスバリア性積層体の表面に、必要に応じて、酸素吸収層、熱可塑性樹脂からなる基材フィルム層や、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層、紙層、金属箔層などが積層されていてもよい。これらの層を積層する際には、上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物;ポリエステル系、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤;ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等を使用することができる。また、樹脂同士を溶着させてもよい。これらの層をラミネートする場合には、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、共押し出しインフレーション法等の公知のラミネート法を用いることが可能であり、そのラミネート方法は特に限定されない。これらの中でも、ドライラミネートもしくは押出しラミネートが好ましい。

熱可塑性樹脂からなる基材フィルム層及びヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層の具体例は、上記(F)、(F1)及び(F2)で述べたものが挙げられ、ここでの重複した説明は省略する。

本実施形態のガスバリア性積層体は、上述した包装材料又は包装袋或いは包装容器として使用することもできる。これらの説明は、既に述べたとおりであり、ここでの重複した説明は省略する。

また、ガスバリア性容器として、紙基材を含む液体充填用紙容器を製造する場合、例えば、積層体として、本実施形態のガスバリア性積層体に紙基材を積層したラミネートシートを製造し、このラミネートシートから所望の紙容器を製造するブランク板を製造し、その後、このブランク板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、液体用紙容器等を製造することができる。このとき、紙容器の製函方法は、特に限定されない。例えば、ブリックタイプ、フラットタイプ或いはゲーベルトップタイプなどの公知の製函形状とすることができる。また、その容器の形状も特に限定されず、例えば、角形状の容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれであってもよい。

本実施形態のガスバリア性積層体、並びにこれを用いて製造される包装袋或いは包装容器等は、酸素ガス等に対するガスバリア性、耐衝撃性等に優れ、さらに、ラミネート加工、印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性に優れる。そのため、これらは、上述した各種物品の包装適性及び保存適性等に優れる。

[内容物の保存方法] 上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されたガスバリア性接着剤層を少なくとも1層有するガスバリア性積層体、並びに、これを用いて得られる各種の積層体、蒸着フィルム、包装袋及び包装容器等は、各種の香気成分のバリア性にも優れる。したがって、これらは、各種香気成分を保存するための包装用途において好適に使用することができる。

被包装物となる内容物としては、例えば、各種食品、医薬品、殺虫剤等のトイレタリー製品等のいずれであっても適用可能であり、その種類は特に限定されない。また、内容物は、天然物であっても合成物であってもよい。その具体例としては、米菓、豆菓子、ナッツ類、ビスケット、クッキー、ウェハース菓子、マシュマロ、パイ、半生ケーキ、キャンディなどのスナック菓子などの菓子類;パン、スナックめん、即席めん、乾めん、パスタ、無菌包装米飯、ぞうすい、おかゆ、包装もち、シリアルフーズなどのステープル類;漬物、煮豆、納豆、味噌、凍豆腐、豆腐、なめ茸、こんにゃく、山菜加工品、ジャム類、ピーナッツクリーム、サラダ類、冷凍野菜、ポテト加工品などの農産加工品;ハム類、ベーコン、ソーセージ類、チキン加工品、コンビーフ類などの畜産加工品;魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、かまぼこ、のり、佃煮、かつおぶし、塩辛、スモークサーモン、辛子明太子などの水産加工品;桃、みかん、パイナップル、りんご、洋ナシ、さくらんぼ、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、柚子などの果肉/柑橘類;コーン、アスパラガス、マッシュルーム、玉ねぎ、人参、大根、じゃがいもなどの野菜類;ハンバーグ、ミートボール、水産フライ、ギョーザ、コロッケ、レトルトカレーなどを代表とする冷凍惣菜又はチルド惣菜などの調理済食品;バター、マーガリン、チーズ、クリーム、インスタントクリーミーパウダー、育児用調整粉乳などの乳製品;液体スープ、煮物等の液状食品;麺つゆ、天つゆ、丼物のつゆ、すき焼き用のつゆ等のつゆ類;米酢、穀物酢、麦芽酢、オリゴ酢、果実酢、りんご酢、ブドウ酢、食酢入り清涼飲料水、酢豚等の液状食品、寿司、酢飯、酢漬け、酢の物、ドレッシングやマヨネーズ等の液体調味料;カレー、コーヒー、わさび、日本茶、バニラエッセンス、ガーリック、ペットフード、クリーム等の食品;ミント、サボリー、バジル、シソ、マジョラム、オレガノ、セージ、タイム、ローズマリーなどのシソ科植物類、トウガラシ、パプリカ、などのナス科植物類;ゴマなどのゴマ科植物類;タラゴンなどのキク科植物類、コショーなどのコショー科植物類、ナツメグ、メースなどのニクズク科植物類、ローレル、シナモン、カシアなどのクスノキ科植物類、スターアニスなどのモクレン科植物類、マスタード、ワサビ、ホースラディッシュなどのアブラナ科植物類、フェネグリークなどのマメ科植物類、サンショーなどのミカン科植物類、クローブ(チョウジ)、オールスパイスなどのフトモモ科植物類、ディル、セロリー、キャラウェイ、コリアンダー、クミン、フェンネル、パセリ、アニスなどのセリ科植物類、ガーリック、オニオンなどのユリ科植物類、サフランなどのアヤメ科植物類、ジンジャー、ターメリック、カルダモンなどのショウガ科植物類、或いは、バニラビーンズなどのラン科植物類等を含有する、香辛料;サリチル酸メチル、インドメタシン、フルフェナム酸等を含有する消炎鎮痛剤等の医薬品;詰め替えシャンプー、リンス、ボディーソープなどの液体洗剤;防虫剤、殺虫剤、消毒剤、殺菌剤、染毛剤、消臭剤、芳香族、化粧品等のトイレタリー製品等が挙げられるが、これらに特に限定されない。

次に、合成例及び実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。

[性能評価] 実施例及び比較例における、エポキシ樹脂組成物(又は接着剤)及び積層体の性能評価の方法は以下の通りである。 (1)酸素透過率(ml/m2・day・MPa) 酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN2/21)を使用して、ラミネートフィルムの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下で測定した。 (2)酸素透過係数(ml・mm/m2・day・MPa)の測定 実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物(接着剤)を、基材である厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製;P2161)上に、バーコーターNo.8を使用して塗布した(塗布量:3.5g/m2(固形分))。85℃で10秒乾燥させた後、シーラントフィルムである厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ(株)製;TUX−MCS)をニップロールにより貼り合わせ、40℃で2日間エージングすることによりエポキシ樹脂組成物を硬化させて、ラミネートフィルムを得た。 酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製;OX−TRAN2/21)を使用して、上記ラミネートフィルム、基材、及びシーラントフィルムそのものの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下でそれぞれ測定した。そして、以下の式に基づいて、エポキシ樹脂組成物(又は接着剤)の硬化物の酸素透過係数を計算した。 1/R1=(1/R2)+(DFT/P)+(1/R3) 式中のR1,R2,R3,DFT及びPは、それぞれ以下のとおりである。 R1 = 積層体(ラミネートフィルム)の酸素透過率 (ml/m2・day・MPa) R2 = 基材の酸素透過率(ml/m2・day・MPa) R3 = シーラントフィルムの酸素透過率(ml/m2・day・MPa) DFT = エポキシ樹脂組成物(接着剤)の硬化物の厚み(mm) (但し、比較例6ではウレタン系接着剤の厚み(mm)) P = エポキシ樹脂組成物(接着剤)の硬化物の酸素透過係数 (ml/m2・day・MPa) (但し、比較例6ではウレタン系接着剤硬化物の酸素透過係数

(3)ラミネート強度(g/15mm)の測定 実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物(接着剤)を用いて、下記(3−1)の方法でそれぞれラミネートフィルムを作製した。ここでは、JIS K−6854に指定されている方法にしたがい、T型剥離試験により300mm/minの剥離速度でラミネート強度を測定した。

(3−1)ポリエステルフィルムに対するラミネート強度の測定 厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:N1102)上に、ポリウレタン系接着剤として、ポリエーテル成分(東洋モートン(株)製、商品名:TM−319)を50質量部、ポリイソシアネート成分(東洋モートン(株)製、商品名:CAT−19B)を50質量部含む酢酸エチル溶液(固形分濃度;30質量%)を塗布し、85℃で10秒乾燥させた後、厚み12μmの延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:E5200)をニップロールにより貼り合わせ、40℃で2日間エージングすることにより、基材となる積層フィルムを得た。 得られた積層フィルムのポリエステルフィルム上に、実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物(接着剤)を、バーコーターNo.8を使用して塗布し(塗布量:3.5g/m2(固形分))、85℃で10秒乾燥させた後、厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ(株)製、商品名:TUX−MCS)をニップロールにより貼り合わせ、40℃で2日間エージングすることによりラミネートフィルムを得た。 該ラミネートフィルムのラミネート強度を上述した方法を用いて測定し、この測定値をポリエステルフィルムに対するラミネート強度とした。

(4)容器の酸素透過率(ml/package・day・2.1MPa) 酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN2/21)を使用して、23℃、相対湿度60%の条件下、容器の酸素透過率(ml/package・day・2.1MPa)を求めた。

(5)成形品の外観 成形品について目視にて、皺、伸び不足がないかを観察した。

[エポキシ樹脂硬化剤の調製] 実施例及び比較例で用いるエポキシ樹脂硬化剤A〜Hは、以下の方法で調製した。

(エポキシ樹脂硬化剤A) 反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。次いで、窒素気流下60℃に昇温し、0.9molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃まで昇温し、165℃で2.5時間保持した。次に、100℃まで冷却し、固形分濃度が65重量%になるように、所定量のエタノールを加え、65℃に冷却した。その後、溶融したエチレンカーボネート0.2molを30分かけて滴下し、65℃で5時間保持し、エポキシ樹脂硬化剤Aを得た。

(エポキシ樹脂硬化剤B) 反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。次いで、窒素気流下60℃に昇温し、0.88molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃まで昇温し、165℃で2.5時間保持した。次に、100℃まで冷却し、固形分濃度が65重量%になるように所定量のエタノールを加え、65℃に冷却した。その後、溶融したエチレンカーボネート0.27molを30分かけて滴下し、65℃で5時間保持し、エポキシ樹脂硬化剤Bを得た。

(エポキシ樹脂硬化剤C) 反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。次いで、窒素気流下60℃に昇温し、0.93molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、165℃で2.5時間保持した。次に、固形分濃度が65%になるように、相当量のエタノールを1.5時間かけて滴下し、エポキシ樹脂硬化剤Cを得た。

(エポキシ樹脂硬化剤D) 反応容器に1molのメタキシリレンジアミン、0.93molのメタクリル酸メチル、1.3molの水を仕込んだ。次いで、窒素気流下100℃に昇温し、4時間保持した。生成するメタノール及び水を留去しながら165℃に昇温し、165℃で2.5時間保持した。次に、固形分濃度が65%になるように、相当量のエタノールを1.5時間かけて滴下し、エポキシ樹脂硬化剤Dを得た。

(エポキシ樹脂硬化剤E) 反応容器に1molのメタキシリレンジアミンと0.93molのクロトン酸メチルを仕込んだ。次いで、窒素気流下100℃で4時間攪拌した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、165℃で2.5時間保持した。次に、固形分濃度が65%になるように、相当量のエタノールを1.5時間かけて滴下し、エポキシ樹脂硬化剤Eを得た。

(エポキシ樹脂硬化剤F) 反応容器に0.93molのクロトン酸と4.4molの水を仕込んだ。次いで、窒素気流下30℃に昇温し、1molのメタキシリレンジアミンを1時間かけて滴下した。生成する水を留去しながら165℃に昇温し、165℃で2.5時間保持した。次に、固形分濃度が65%になるように、相当量のエタノールを1.5時間かけて滴下し、エポキシ樹脂硬化剤Fを得た。

(エポキシ樹脂硬化剤G) 反応容器に1molのメタキシリレンジアミンと0.33molのクロトン酸メチルを仕込んだ。次いで、窒素気流下100℃で4時間攪拌した後、60℃へ冷却し、0.6molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、165℃で2.5時間保持した。次に、固形分濃度が65%になるように、相当量のエタノールを1.5時間かけて滴下し、エポキシ樹脂硬化剤Gを得た。

(エポキシ樹脂硬化剤H) 反応容器に1molのメタキシリレンジアミンと0.47molのクロトン酸メチルを仕込んだ。次いで、窒素気流下100℃で4時間攪拌した後、60℃へ冷却し、0.46molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、165℃で2.5時間保持した。次に、固形分濃度が65%になるように、相当量のエタノールを1.5時間かけて滴下し、エポキシ樹脂硬化剤Hを得た。

エポキシ樹脂硬化剤A〜Hの各成分の配合比を、表1に示す。

[実施例1〜10及び比較例1〜5] 実施例1 エポキシ樹脂硬化剤Aを56.7質量部、エポキシ樹脂硬化剤Dを30.5質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を13.3質量部、エタノールを86.5質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=2.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例2 エポキシ樹脂硬化剤Aを47.8質量部、エポキシ樹脂硬化剤Dを39.1質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を13.5質量部、エタノールを86.6質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=2.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例3 エポキシ樹脂硬化剤Aを70.2質量部、エポキシ樹脂硬化剤Dを17.5質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を13.0質量部、エタノールを86.3質量部、及び酢酸エチルを13質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=2.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例4 エポキシ樹脂硬化剤Bを57.3質量部、エポキシ樹脂硬化剤Dを30.9質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を12.7質量部、エタノールを86.1質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=2.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例5 エポキシ樹脂硬化剤Cを59.1質量部、エポキシ樹脂硬化剤Dを31.8質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を10.9質量部、エタノールを85.2質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例6 エポキシ樹脂硬化剤Bを61.0質量部、エポキシ樹脂硬化剤Eを32.9質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を9.0質量部、エタノールを84.2質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例7 エポキシ樹脂硬化剤Bを61質量部、エポキシ樹脂硬化剤Fを32.9質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を9.0質量部、エタノールを84.2質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例8 エポキシ樹脂硬化剤Cを59.1質量部、エポキシ樹脂硬化剤Eを31.8質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を10.9質量部、エタノールを85.2質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例9 エポキシ樹脂硬化剤Cを59.1質量部、エポキシ樹脂硬化剤Fを31.8質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を10.9質量部、エタノールを85.2質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

実施例10 エポキシ樹脂硬化剤Cを50質量部、エポキシ樹脂硬化剤Fを40.9質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を10.9質量部、エタノールを85.1質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

比較例1 エポキシ樹脂硬化剤Cを90.6質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を11.2質量部、エタノールを85.3質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

比較例2 エポキシ樹脂硬化剤Gを90.9質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を10.9質量部、エタノールを85.2質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

比較例3 エポキシ樹脂硬化剤Hを91質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を10.8質量部、エタノールを85.1質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

比較例4 エポキシ樹脂硬化剤Cを86.1質量部、エポキシ樹脂硬化剤Fを4.5質量部、メタキシリレンジアミンから誘導された、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−X)を11.1質量部、エタノールを85.3質量部、及び酢酸エチルを13.0質量部含む溶液を調製し、そこにシリコーン系消泡剤(ビック・ケミー社製、商品名:BYK065)を0.07質量部加え、よく攪拌することにより、エポキシ樹脂組成物を得た(エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数=3.1)。 前述の方法を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

比較例5 ポリウレタン系接着剤として、ポリエーテル成分(東洋モートン(株)製、商品名:TM−319)を50質量部、ポリイソシアネート成分(東洋モートン(株)製、商品名:CAT−19B)を50質量部含む酢酸エチル溶液(固形分濃度:30質量%)を調製した。 前述の方法を用いて、ポリウレタン系接着剤の硬化物の酸素透過係数、及びラミネート強度を測定した。結果を表2に示す。

表2に示すように、本発明のエポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物(ガスバリア性接着剤)の硬化物は、高いガスバリア性を有し、かつ、該接着剤を用いて作製されたラミネートフィルムは、いずれも高いラミネート強度を示した。 これに対し、エポキシ樹脂硬化剤として成分(I)のみを用いた比較例1、エポキシ樹脂硬化剤として成分(I)と(II)をブレンドせずに、(A)、(B1)及び(B2)成分の反応生成物(すなわち(A)、(B1)及び(B2)成分の共重合体)のみを用いた比較例2及び3、エポキシ樹脂硬化剤において成分(I)及び成分(II)の合計量(質量)を100とした場合の成分(II)の割合が8未満である比較例4のエポキシ樹脂組成物は、いずれもガスバリア性には優れるものの、ラミネート強度が大幅に劣る結果となった。また、本発明のエポキシ樹脂組成物からなるガスバリア性接着剤の代わりに従来公知のポリウレタン系接着剤を用いた比較例5では、ラミネート強度は良好である一方、十分なガスバリア性が得られなかった。

実施例11 基材である厚み250μmの無延伸の非晶性ポリエステルシート(三菱化学(株)製、商品名:ノバクリアーSG007)上に、上記のエポキシ樹脂組成物A及びD(A:Dの質量比=65:35)を100線/cm深さ100μmのグラビアロールを使用して塗布し、60℃(入り口付近)〜90℃(出口付近)の乾燥オーブンで乾燥させた後、貼り合わせ材料として厚み250μmの無延伸の非晶性ポリエステルシート(三菱化学(株)製、商品名:ノバクリアーSG007)を50℃に加熱したニップロールにより貼り合わせ、巻取り速度40m/minで巻取り、ロールを40℃で2日間エージングすることによりラミネートシートXを得た。

<酸素透過係数の測定> 実施例11のラミネートシートX、基材、及び貼り合わせ材料の酸素透過率を上述した条件下でそれぞれ測定し、上述した算出式に基づいてエポキシ樹脂組成物A及びDの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数を求めた。結果を表3に示す。

<ラミネート強度の測定> 実施例11のラミネートシートXと同条件で、実施例11のラミネートシートYを作製し、このラミネートシートYのラミネート強度を、上述した方法を用いて測定した。結果を表3に示す。

<成形品の外観及び酸素透過率(ml/package・day・2.1MPa)> 実施例11のラミネートシートXを用い、真空成形により、容器深さが2.5cm、開口部形状が開口長径7.9cm、底部6.3cmの正方形である実施例11の箱型容器を作製した。得られた容器の外観評価を行なうとともに、容器の酸素透過率の測定を行なった。結果を表3に示す。

実施例12 エポキシ樹脂組成物A及びDの質量比をA:D=80:20に変更すること以外は、実施例11と同様に行って、実施例12のラミネートシートX及びY並びに箱型容器を作製した。 エポキシ樹脂組成物A及びDの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数、ラミネートシートYのラミネート強度、容器の外観評価、及び容器の酸素透過率を、実施例11と同様に測定した。結果を表3に示す。

実施例13 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びD(C:Dの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例11と同様に行って、実施例13のラミネートシートX及びY並びに箱型容器を作製した。 エポキシ樹脂組成物C及びDの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数、ラミネートシートYのラミネート強度、容器の外観評価、及び容器の酸素透過率を、実施例11と同様に測定した。結果を表3に示す。

実施例14 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例11と同様に行って、実施例14のラミネートシートX及びY並びに箱型容器を作製した。 エポキシ樹脂組成物C及びDの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数、ラミネートシートYのラミネート強度、容器の外観評価、及び容器の酸素透過率を、実施例11と同様に測定した。結果を表3に示す。

実施例15 貼り合わせ材料として厚み250μmの無延伸の非晶性ポリエステルシート(三菱化学(株)製、商品名:ノバクリアーSG007)に代えて厚み40μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:パイレンフィルムP1128)を用いること以外は、実施例11と同様に行って、実施例15のラミネートシートX及びY並びに箱型容器を作製した。 エポキシ樹脂組成物A及びDの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数、ラミネートシートYのラミネート強度、容器の外観評価、及び容器の酸素透過率を、実施例11と同様に測定した。結果を表3に示す。

実施例16 エポキシ樹脂組成物A及びDの質量比をA:D=80:20に変更すること以外は、実施例15と同様に行って、実施例16のラミネートシートX及びY並びに箱型容器を作製した。 エポキシ樹脂組成物A及びDの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数、ラミネートシートYのラミネート強度、容器の外観評価、及び容器の酸素透過率を、実施例11と同様に測定した。結果を表3に示す。

実施例17 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びD(C:Dの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例15と同様に行って、実施例17のラミネートシートX及びY並びに箱型容器を作製した。 エポキシ樹脂組成物C及びDの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数、ラミネートシートYのラミネート強度、容器の外観評価、及び容器の酸素透過率を、実施例11と同様に測定した。結果を表3に示す。

実施例18 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例15と同様に行って、実施例18のラミネートシートX及びY並びに箱型容器を作製した。 エポキシ樹脂組成物C及びFの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数、ラミネートシートYのラミネート強度、容器の外観評価、及び容器の酸素透過率を、実施例11と同様に測定した。結果を表3に示す。

実施例19 厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリカ蒸着が施された蒸着フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアL)のシリカ蒸着層側の面に、100線/inch深さ100μmグラビアロールを使用して上記のエポキシ樹脂組成物A及びD(A:Dの質量比=65:35)を塗布し、次いで60℃(入り口付近)〜90℃(出口付近)の乾燥オーブンで乾燥させた後、厚み12μmの延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:E5200)を70℃に加熱したニップロールにより貼り合わせ、巻取り速度130m/minで巻取り、ロールを40℃で2日間エージングすることにより基材/蒸着層/ガスバリア性接着剤層/ポリエステル層からなるラミネートフィルムを得た。 次いで、得られたラミネートフィルムのポリエステル層の面に、100線/inch深さ100μmグラビアロールを使用して上記のエポキシ樹脂組成物A及びD(A:Dの質量比=65:35)を塗布し、次いで60℃(入り口付近)〜90℃(出口付近)の乾燥オーブンで乾燥させた後、厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、商品名:TUX−MCS)を70℃に加熱したニップロールにより貼り合わせ、巻取り速度130m/minで巻取り、ロールを40℃で2日間エージングすることにより、基材/蒸着層/ガスバリア性接着剤層/ポリエステル層/ガスバリア性接着剤層/シーラント層からなる、実施例19のラミネートフィルムXを得た。

<酸素透過係数の測定> 得られた実施例19のラミネートフィルムXの酸素透過率を、上述した方法を用いて測定した。結果を表4に示す。

<ラミネート強度の測定> 実施例19のラミネートフィルムXと同条件で、実施例19のラミネートフィルムYを作製し、このラミネートフィルムYのラミネート強度を、上述した方法を用いて測定した。結果を表4に示す。

<屈曲処理後のラミネートフィルムの酸素透過率(ml/m2・day・MPa)> ゲルボーフレックステスター(理学工業社製)を用い、実施例19のラミネートフィルムYに360度のひねりを50回加えた。この屈曲処理後のラミネートフィルムYのラミネート強度を、上述した方法を用いて測定した。結果を表4に示す。

実施例20 エポキシ樹脂組成物A及びDの質量比をA:D=80:20に変更すること以外は、実施例19と同様に行って、実施例20のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例20のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例21 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びD(C:Dの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例19と同様に行って、実施例21のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例21のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例22 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例19と同様に行って、実施例22のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例22のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例23 厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリカ蒸着が施された蒸着フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアL)に代えて、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミナ蒸着が施された蒸着フィルム(東レフィルム加工(株)製、商品名:バリアロックス1011HG)を用いること以外は、実施例19と同様に行って、実施例23のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例23のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例24 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例23と同様に行って、実施例24のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例24のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例25 厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリカ蒸着が施された蒸着フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアL)に代えて、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリカ・アルミナ二元蒸着が施された蒸着フィルム(東洋紡(株)製、商品名:エコシアールVE100)を用いること以外は、実施例19と同様に行って、実施例25のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例25のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例26 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例25と同様に行って、実施例26のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例26のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例27 厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリカ蒸着が施された蒸着フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアL)に代えて、厚み15μmの延伸6−ナイロンフィルムにシリカ蒸着が施された蒸着フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアNY)を用いること以外は、実施例19と同様に行って、実施例27のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例27のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例28 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例27と同様に行って、実施例28のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例28のラミネートフィルムXの酸素透過率、ラミネートフィルムYのラミネート強度、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例19と同様に測定した。結果を表4に示す。

実施例29 基材として厚み12μmのシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアL)を用い、版深26μmのロールを使用してシリカ蒸着ポリエステルフィルムの蒸着層上にエポキシ樹脂組成物A及びD(A:Dの質量比=65:35)を塗布し(塗布量:1.0g/m2(固形分))、70℃の乾燥オーブンで乾燥させた。次いで、グラビアインキ(大日精化工業(株)製、商品名:NT−ハイラミック−701R白、大日精化工業(株)製のNT−ハイラミックハードナー5%含有。)に酢酸エチル/MEK/IPA=4/4/2の混合溶剤を加えることで、ザーンカップ(No.3)粘度が16秒(25℃)の塗工液Aを調製した。その後、エポキシ樹脂組成物Aの塗布面に、版深26μmのロールを使用して塗工液Aを塗布し、70℃の乾燥オーブンで乾燥後、巻き取り速度100m/minで巻取ることで、基材/蒸着層/ガスバリア性接着剤層/印刷層からなる、ガスバリアフィルムX(ガスバリア性積層体)を得た。 次に、140線/inchの深さ75μmグラビアロールを使用して、印刷層上にエポキシ樹脂組成物A及びD(A:Dの質量比=65:35)を塗布し(塗布量:2.5g/m2(固形分))、次いで60℃(入り口付近)〜90℃(出口付近)の乾燥オーブンで乾燥させた後、厚み12μmの延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:E5200)を70℃に加熱したニップロールにより貼り合わせ、巻取り速度130m/minで巻取り、ロールを40℃で2日間エージングすることにより、基材/蒸着層/ガスバリア性接着剤層/印刷層/ガスバリア性接着剤層/PET基材からなる、ガスバリアフィルム(ガスバリア性積層体)を得た。 その後、140線/inchの深さ75μmグラビアロールを使用して、PET基材上にエポキシ樹脂組成物A及びD(A:Dの質量比=65:35)を塗布し(塗布量:2.5g/m2(固形分))、次いで60℃(入り口付近)〜90℃(出口付近)の乾燥オーブンで乾燥させた後、厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、商品名:TUX−MCS)を70℃に加熱したニップロールにより貼り合わせ、巻取り速度120m/minで巻取り、40℃で2日間エージングすることにより、基材/蒸着層/ガスバリア性接着剤層/印刷層/ガスバリア性接着剤層/PET基材/ガスバリア性接着剤層/シーラント層からなる、ラミネートフィルムYを作製した。 実施例29のラミネートフィルムX、蒸着フィルム、及び印刷層の酸素透過率を上述した条件下でそれぞれ測定し、上述した算出式に基づいて(上記式においてR1をラミネートフィルムXの酸素透過率、R2を蒸着フィルムの酸素透過率、R3を印刷層の酸素透過率とした。)、エポキシ樹脂組成物A及びDの硬化物であるガスバリア接着剤層の酸素透過係数を求めた。結果を表5に示す。 また、実施例29のラミネートフィルムYのラミネート強度及び酸素透過率、を、上述した方法を用いて測定した。結果を表5に示す。 さらに、ゲルボーフレックステスター(理学工業社製)を用い、実施例29のラミネートフィルムYに360度のひねりを50回加えた。この屈曲処理後のラミネートフィルムYのラミネート強度を、上述した方法を用いて測定した。結果を表5に示す。

実施例30 エポキシ樹脂組成物A及びDの質量比をA:D=80:20に変更すること以外は、実施例29と同様に行って、実施例30のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例30のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例30のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例31 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びD(C:Dの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例29と同様に行って、実施例31のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例31のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例31のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例32 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例29と同様に行って、実施例32のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例32のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例32のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例33 厚み12μmのシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアL)に代えて、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミナ蒸着が施された蒸着フィルム(東レフィルム加工(株)製、商品名:バリアロックス1011HG)を用いること以外は、実施例29と同様に行って、実施例33のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例33のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例33のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例34 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例33と同様に行って、実施例34のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例34のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例34のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例35 厚み12μmのシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアL)に代えて、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにシリカ・アルミナ二元蒸着が施された蒸着フィルム(東洋紡(株)製、商品名:エコシアールVE100)を用いること以外は、実施例29と同様に行って、実施例35のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例35のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例35のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例36 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例35と同様に行って、実施例36のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例36のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例36のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例37 厚み12μmのシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアL)に代えて、厚み15μmのシリカ蒸着ナイロンフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアNR)を用いること以外は、実施例29と同様に行って、実施例37のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例37のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例37のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例38 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例37と同様に行って、実施例38のラミネートフィルムX及びYを作製した。 実施例38のラミネートフィルムXの酸素透過係数、実施例38のラミネートフィルムYのラミネート強度、酸素透過率、及びラミネートフィルムYの屈曲処理後の酸素透過率を、実施例29と同様に測定した。結果を表5に示す。

実施例39 厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:N1102)上に、ポリウレタン系接着剤として、ポリエーテル成分(東洋モートン(株)製、商品名:TM−319)を50質量部、ポリイソシアネート成分(東洋モートン(株)製、商品名:CAT−19B)を50質量部含む酢酸エチル溶液(固形分濃度;30質量%)をバーコーターNo.6を使用して塗布し(塗布量:3.5g/m2(固形分))、85℃で10秒乾燥させた後、厚み12μmの延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:E5200)をニップロールにより貼り合わせ、40℃で2日間エージングすることにより、積層体を得た。 得られた積層体のポリエステルフィルム上に、バーコーターNo.8を使用して、エポキシ樹脂組成物Aを塗布し(塗布量:3.5g/m2(固形分))、85℃で10秒乾燥させた後、厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ(株)製、商品名:TUX−MCS)をニップロールにより貼り合わせ、40℃で2日間エージングすることにより実施例39のラミネートフィルムを得た。 次に、実施例39のラミネートフィルム2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、その外周周辺の端部を三方ヒートシールしてシール部を形成させ、上方に開口部を有する三辺シール型の包装用袋を作製した。このようにして作製された包装用袋内に、その開口部からリモネンを2g入れて密封した後、ガラス容器内にその包装用袋を密封した。 そして、実施例39のラミネートフィルムの酸素透過率及びラミネート強度を、上述した方法を用いて測定した。また、ラミネート強度の測定及び保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

なお、ラミネート強度及び保香性試験の測定及び評価方法は以下のとおりである。 <ラミネート強度(g/15mm)> JIS K−6854に指定されている方法にしたがい、ラミネートフィルムのラミネート強度を、T型剥離試験により300mm/minの剥離速度で測定した。ここでは、内容物保存前(初期)と14日間保存後のラミネート強度を測定した。 <保香性試験> 積層フィルムを5cm×5cmの寸法の袋を作製し、この袋に内容物を2g密封し、この密封袋をガラス容器に密封して、温度23℃、相対湿度60%で1〜14日保存した。各経時毎に官能試験により臭気漏れの有無を確認した。内容物の保香性が保たれているものを○、若干の臭気漏れが確認されるものを△、明らかな臭気漏れが確認されるものを×とした。

実施例40 エポキシ樹脂組成物A及びDの質量比をA:D=80:20に変更すること以外は、実施例39と同様の方法で、実施例40のラミネートフィルム及び包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、実施例40のラミネートフィルムの酸素透過率及びラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例41 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びD(C:Dの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例39と同様の方法で、実施例41のラミネートフィルム及び包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、実施例41のラミネートフィルムの酸素透過率及びラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例42 エポキシ樹脂組成物A及びDに代えて、エポキシ樹脂組成物C及びF(C:Fの質量比=65:35)を用いること以外は、実施例39と同様の方法で、実施例42のラミネートフィルム及び包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、実施例42のラミネートフィルムの酸素透過率及びラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例43 リモネン2gに代えてサリチル酸メチル2gを用いること以外は、実施例39と同様の方法で、実施例43の、サリチル酸メチルを密封した包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、ラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例44 リモネン2gに代えてサリチル酸メチル2gを用いること以外は、実施例42と同様の方法で、実施例44の、サリチル酸メチルを密封した包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、ラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例45 リモネン2gに代えてp−ジクロロベンゼン2gを用いること以外は、実施例39と同様の方法で、実施例45の、p−ジクロロベンゼンを密封した包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、ラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例46 リモネン2gに代えてp−ジクロロベンゼン2gを用いること以外は、実施例42と同様の方法で、実施例46の、p−ジクロロベンゼンを密封した包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、ラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例47 リモネン2gに代えてカレー粉2gを用いること以外は、実施例39と同様の方法で、実施例47の、カレー粉を密封した包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、ラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例48 リモネン2gに代えてカレー粉2gを用いること以外は、実施例42と同様の方法で、実施例48の、カレー粉を密封した包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、ラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例49 リモネン2gに代えてチョウジ2gを用いること以外は、実施例39と同様の方法で、実施例49の、チョウジを密封した包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、ラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

実施例50 リモネン2gに代えてチョウジ2gを用いること以外は、実施例42と同様の方法で、実施例50の、チョウジを密封した包装用袋を作製した。 そして、実施例39と同様に、ラミネート強度を測定し、保香性試験を実施した。結果を表6に示す。

なお、本出願は、2012年4月27日に日本国特許庁に出願された日本特許出願(特願2012−103919号)及び2012年12月17日に日本国特許庁に出願された日本特許出願(特願2012−274974号)に基づく優先権を主張しており、その内容はここに参照として取り込まれる。

以上説明した通り、本発明のエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物並びにガスバリア性積層体は、高いガスバリア性と、各種プラスチック、特にポリエステルに対する優れた接着性を同時に発現することが可能であるため、ガスバリア性が要求される食品や医薬品などの包装材料、防食やガスバリア性が要求される塗料などの分野において広く且つ有効に利用可能であり、とりわけ、食品や医薬品などの包装材料用途に使用されているポリオレフィンやポリエステル、ポリアミドなどのプラスチックフィルムのガスバリア性接着剤又はガスバリア性積層体として殊に有効に利用可能である。

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