Oxazolidine curing agent for joining wood article with a resorcinol resin

申请号 JP2000509758 申请日 1998-08-14 公开(公告)号 JP2001515109A 公开(公告)日 2001-09-18
申请人 アンガス ケミカル カンパニー; 发明人 ゴーミング ウー,;
摘要 (57)【要約】 【課題】 木質物品の接合用接着剤としてレソルシノール樹脂又はタンニン樹脂と組合せて用いる改良されたオキサゾリン系硬化剤を提供する。 【解決手段】 好ましくはオキサゾリンを粒状シリカと合体し、樹脂をNaOH等の塩基と合体する。 この硬化剤に基づく接着剤は木質部品の接着に用いて室温で24時間硬化後に湿強度要件をパスする。 この硬化剤組成物は保存安定性があり使用前の適宜の時点でつくることができ、それ故接着剤の使用直前に硬化剤をつくる必要がない。 ホルムアルデヒドがないのでホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドを取扱う際の安全上の問題もない。 この硬化剤は適度のゲル時間又は作業時間をもたらす。 この樹脂は室温で硬化できるのでオーブン加熱を必要とせず、硬化時間を短縮できる。 放射線で樹脂を硬化する場合は暴露時間を短縮できる。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 a. 式 【化1】 ここでR 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4及びR 5は独立に水素、ヒドロキシル、分枝もしくは直鎖のアルキル、又は分枝もしくは直鎖のヒドロキシルアルキルである、 をもつオキサゾリジン化合物、 b. レソルシノール樹脂と(a)のオキサゾリジン化合物との反応を遅延させるに足る量の塩基、 c. 有効量の粒状シリカ、及び d. 有効量の水からなることを特徴とするレソルシノール樹脂の硬化用組成物。
  • 【請求項2】 該塩基がNaOH,KOH,LiOH,MgO,Ba(OH
    2 ,Ca(OH) 2 ,CaO,Mg(OH) 2 ,Al(OH) 3及びCsOH
    からなる群から選ばれる無機塩基である請求項1の組成物。
  • 【請求項3】 該粒状シリカが約0.001−20μmの範囲の平均粒径をもつ請求項1の組成物。
  • 【請求項4】 該粒状シリカが約20−1000m 2 /gの範囲の表面積をもつ請求項1の組成物。
  • 【請求項5】 該粒状シリカがシリカ粉末である請求項1の組成物。
  • 【請求項6】 該粒状シリカがコロイド状シリカである請求項1の組成物。
  • 【請求項7】 さらに増粘剤を含有する請求項1の組成物。
  • 【請求項8】 さらに増粘剤を含有する請求項5の組成物。
  • 【請求項9】 さらに増粘剤を含有する請求項6の組成物。
  • 【請求項10】 該粒状シリカがコロイド状シリカとシリカ粉末との混合物である請求項1の組成物。
  • 【請求項11】 さらに増粘剤を含有する請求項10の組成物。
  • 【請求項12】 無水基準で、オキサゾリジン10−80wt%、塩基0.
    5−30wt%及び粒状シリカ0.5−30wt%を含有する請求項11の組成物。
  • 【請求項13】 a. レソルシノール樹脂、 b. 式 【化2】 ここでR 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4及びR 5は独立に水素、ヒドロキシル、分枝もしくは直鎖のアルキル、又は分枝もしくは直鎖のヒドロキシルアルキルである、 をもつオキサゾリジン化合物、 c. (a)のレソルシノール樹脂と(b)(1)のオキサゾリジン化合物との反応を遅延させるに足る量の塩基、 d. 有効量の粒状シリカ、及び e. 有効量の水からなることを特徴とする硬化性組成物。
  • 【請求項14】 該レソルシノール樹脂がレソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−レソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、タンニン樹脂、
    タンニン−ホルムアルデヒド樹脂及びタンニン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項13の組成物。
  • 【請求項15】 該塩基がNaOH,KOH,LiOH,MgO,Ba(O
    H) 2 ,Ca(OH) 2 ,CaO,Mg(OH) 2 ,Al(OH) 3及びCsO
    Hからなる群から選ばれる無機塩基である請求項13の組成物。
  • 【請求項16】 該粒状シリカが約0.001−20μmの範囲の平均粒径をもつ請求項13の組成物。
  • 【請求項17】 該粒状シリカが約20−1000m 2 /gの範囲の表面積をもつ請求項13の組成物。
  • 【請求項18】 該粒状シリカがシリカ粉末である請求項13の組成物。
  • 【請求項19】 該粒状シリカがコロイド状シリカである請求項13の組成物。
  • 【請求項20】 さらに増粘剤を含有する請求項13の組成物。
  • 【請求項21】 さらに増粘剤を含有する請求項18の組成物。
  • 【請求項22】 さらに増粘剤を含有する請求項19の組成物。
  • 【請求項23】 該粒状シリカがコロイド状シリカとシリカ粉末との混合物である請求項13の組成物。
  • 【請求項24】 さらに増粘剤を含有する請求項23の組成物。
  • 【請求項25】 組成物中に樹脂が約40−90wt%存在し、硬化剤が約10−60wt%存在する請求項13の組成物。
  • 【請求項26】 a. 2個以上の木片、及びb. 請求項13の硬化した組成物からなることを特徴とする組成物。
  • 【請求項27】 木質物品を請求項13の組成物で貼りつけることを特徴とする木質物品の接合方法。
  • 【請求項28】 (a)の該レソルシノール樹脂をまず(c)の該塩基と混合し、その後に(b)の該オキサゾリジン化合物、(d)の該粒状シリカ及び(
    e)の該水を混合してなる請求項13の組成物。
  • 【請求項29】 (a)の該レソルシノール樹脂をまず(c)の該塩基と混合し、その後に(b)の該オキサゾリジン化合物及び(e)の該水と混合し、その後に(a),(b),(c)及び(e)の合体物を(d)の該シリカと混合してなる請求項28の組成物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】

    本発明はレソルシノール樹脂での本質物品の接合に関する。

    【0002】

    【従来の技術とその課題】

    木は最も一般的に用いられている天然物の1つであり、依然としてかなり豊富に供給されている。 しかし多くの物品が木でつくられるに従って大きな木や高品質の木材の供給量の減少が顕著になってきている。 そのため、森林及び製材分野では合成接着剤の使用によって木の最善の使用を達成しようと試みている。 接着剤を用いる物品の例としてはパーティクルボード、合板、配向より板(ストランドボード)、積層ビーム、1−ビームその他の加工木材がある。 接着剤系で木質製品をつくるさらなる利点は、接着剤が木よりも高い物理的及び化学的安定性と高い強度をもつことから、このようにつくった木は天然木材よりもしばしば強い点である。

    【0003】 木の接合工業で最も一般的に用いられている接着剤の1つはフェノール樹脂系のものである。 典型的なフェノール樹脂はNaOH等の触媒の存在下にフェノールとホルムアルデヒドを縮重合してつくられる。 現在では、多くのフェノール樹脂が異なるタイプの木に適合するようにまた異なるタイプの木質物品に応じて設計されている。 典型的なフェノール−ホルムアルデヒド樹脂は化学的に十分に反応性ではないので高温で硬化させるか又は用いる必要がある。 高温の使用は多くのエネルギーを消費するだけでなく安全性の問題も生ずる。 高温の使用は有機化合物の揮発(いわゆるVOC)をもたらしオーブン中での蒸発を生じうる。 これらの毒性蒸気は、主にエントツからの排出をとおして最終的には環境に放出される。 古くから用いられているフェノール樹脂のさらなる安全上の問題はそれらが発ガン性物質である幾分かのホルムアルデヒドを常に含有する点である。

    【0004】 接着剤を室温で硬化することができれば投資コスト及び操作コストを低減できる。 それ故フェノール樹脂製造業者及び木材製造業者は室温硬化性をもち従来のフェノール系添加剤よりも取扱い及び使用が安全な優れた添加剤の開発に注している。 現在用いられている最も有望な技術は2成分(2液)レソルシノール接着剤である。 その1液部はホルムアルデヒドの少ないレソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂であり他液部は単にホルムアルデヒドであるか又はホルムアルデヒドドナーである。 この接着剤は室温でのこの接着剤の硬化を可能にするからレソルシノールの反応性が高いという利点をもつ。

    【0005】 当初これらの応用にレソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂が用いられた。 レソルシノールの高コストの問題を少なくするためにその後フェノールを加えて樹脂中のレソルシノールの1部を置きかえた。 現在では、フェノール−レソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂が木質接着目的に広く用いられている。 この2液接着剤系では1液は当該分野で硬化剤といわれている通常のホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドである。 ホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドの使用は接着剤が機能するのに不可欠である。 しかしホルムアルデヒドとパラホルムアルデヒドは共に発ガン性物質でり多くの安全上の問題を伴っている。 これらの危険な化合物の輸送、保存、取扱い、放置及びエントツ排出はEPAその他の政府機関が監視している。 レソルシノール用硬化剤として現在最も一般的に用いられているのはパラホルムアルデヒドである。 パラホルムアルデヒドは粉末であり粉じんの制御が極めてむづかしいため取り扱いにくい。 これは毒性が強く、容易に分解して取り扱い困難なホルムアルデヒドを放出する。 それ故、パラホルムアルデヒドの取扱いは非常に安全とはいえず特別の注意を要する。 パラホルムアルデヒドのさらなる欠点は通常使用直前に分散液としてつくる必要があることである。 これはこの分散液が沈澱しやすく、分解してホルムアルデヒドを生じ、これが空気中に放出して、活性成分の濃度変化をもたらすからである。 それ故、当該分野では典型的には分散液をつくったら性能を維持し沈澱を防ぐために短時間のうちに使用しなければならない。 それ故、レソルシノール樹脂−パラホルムアルデヒド接着剤系は、室温での硬化は可能だが、粉じん化と毒性という安全上の問題を解決していない。

    【0006】 木材製造業者及び接着剤製造業者の最近の努力は、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドでみられる粉じん、毒性及び安全性の問題を避けるために、パラホルムアルデヒドにかわる硬化剤の開発に向けられている。 最も有望な技術はオキサゾリジン化学に基くものである。 オキサゾリジンはアミノアルコールとホルムアルデヒドからつくられる。 オキサゾリジンは非常に安定であり、遊離のホルムアルデヒドは検出されない。 それ故、その輸送には何らの問題もない。 オキサゾリジンは化学転移を介してレソルシノールと反応すると思われる。 これはレソルシノール分子と直接接触したときにホルムアルデヒドがアミノアルコール分子をもたらすだけであることを意味する。 この転移法はホルムアルデヒド形成を伴わず、それ故パラホルムアルデヒドの取扱いや作業場での露出や放出といった安全上のすべての問題を完全に解決しうる。 またこれはパラホルムアルデヒドにみられる沈澱の問題ももたず、従って製品濃度を高めまた時間の問題も減少させうる。 レソルシノール樹脂−オキサゾリジン型接着剤はレソルシノール樹脂−パラホルムアルデヒド系に比し顕著な改良を伴っておりそれ故人気を得ている。

    【0007】 しかし当該分野で工業的に用いられているオキサゾリジン硬化剤にはいくつかの制約がある。 オキサゾリジン系硬化剤の主な欠点は室温で24時間以内にレソルシノール樹脂を硬化することができずまた要求される湿潤強度(ASTM D
    −2559)をパスする強い接合力を達し得ないことである。 別の制約はオキサゾリジン系硬化剤は典型的には、パラホルムアルデヒド系硬化剤よりもゲル化時間は作用時間がずっと短いということである。

    【0008】 それ故、本発明の課題は室温で24時間以内に硬化して木質物品を接着でき改良された湿潤強度をもつ強い接合部を形成しうるレソルシノール樹脂に用いる液状硬化剤を提供することにある。 また新規の液状硬化剤はホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドの安全性の欠点を解消したものであって且つ木質物品の接着のためのゲル時間の増加したものであるべきである。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】

    本発明は木質物品を接合するために室温でレソルシノール樹脂と組合せて用いる改良された硬化剤組成物を提供するものである。 この改良された硬化剤は、他のものも存在しうるなかで、次の3成分を含有する:ホルムアルデヒドドナーとして下記式をもつオキサゾリドン;レソルシノール樹脂とオキサゾリジン化合物との反応を遅延させるに足る量の塩基、及び有機量の効果的吸着剤。 「吸着剤」なる語は、及び/又はオキサゾリジンを保持しうる添加剤であって、塩基との組合せにおいてレソルシノール樹脂で積層された木の湿潤強度を改良しうる添加剤を意味する。 水も必要であるが、一般的には水はレソルシノール樹脂の硬化のために硬化剤に必要とされるよりも多量に用いる。

    【0010】 本発明に適する効果的な吸着剤の例としてはヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、コーンミール粉、米粉、大豆粉及び小麦粉等の植物から誘導されるものがある。 有用であることが判明した別のタイプの吸着剤として微細シリカ粉末又はコロイド状シリカがある。 吸着剤は好ましくはオキサゾリジンと混合されるが、レソルシノール樹脂とも混合されうる。 または吸着剤を樹脂との混合の前に硬化剤と混合してもなく、また他の成分を上記樹脂と混合した後に接着剤を用いる直前に混合してもよい。

    【0011】 塩基は有機でも無機でもよい。 無機塩基が好ましく具体例としてはNaOH,
    KOH,LiOH,MgO,Ba(OH) 2 ,Ca(OH) 2 ,CaO,Mg(
    OH) 2 ,Al(OH) 3及びCsOHがある。 塩基はレソルシノール樹脂と混合することが好ましいが、オキサゾリジン硬化剤の他の成分中に混合してもよい。

    【0012】 この改良された硬化剤と共に用いうるレソルシノール樹脂の例としてはレソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−レソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、タンニン樹脂、タンニン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂及びタンニン−ホルムアルデヒド樹脂がある。

    【0013】 この改良された硬化剤をレソルシノール樹脂と共に用いると室温で24時間以内に硬化した後に接着剤と木の間に強力な接合を生ずる。 この接合した木質物品は耐水性であり、これはASTM D 2559による真空−加圧処理の3回の繰返しによって裏付けられる。 この硬化剤は安定であり、使用前のいつつくってもよい。 従来のパラホルムアルデヒド硬化剤のように使用直前につくる必要はない。 毒性のあるパラホルムアルデヒド粉末で処理する必要もなくまた粉じん化の問題もない。 この硬化剤の高い安定性と保存及び使用中に硬化剤の底に固体パラホルムアルデヒドが沈澱することがないことから操作濃度を高めうる。 別の態様において、本発明は接着剤の付与の間により操作性のある可撓性が得られるようにゲル時間に影響を与える硬化剤を提供する。 このレソルシノール樹脂用の改良された硬化剤は高い生産性、高い湿潤強度及び強い接着力を達成するため放射線照射(radio frequency)硬化又はオーブン硬化と組合せて用いることもできる。 所望の硬化度を達成しながらより低温と短時間が可能となる。

    【0014】 本発明の別の態様は改良された2液型接着剤系を提供することにあり、その1
    液はレソルシノール樹脂であり他方は硬化剤である。 この改良された接着剤組成物は積層ビーム、1−ビーム、加工木材、パーティクルボード、配向したストランドボード及び合板等の木質物品の接着に用いうる。 この接着剤系は室温で硬化しうる。 但し所望によっては放射線硬化やオーブン硬化も用いうる。 これはホルムアルデヒドがなくまた高い湿潤強度での接合をもたらす。

    【0015】

    【発明の実施の形態】

    フェノール系樹脂及びレソルシノール樹脂: フェノール系樹脂とレソルシノール樹脂は木質物品の接着剤として広く用いられている。 レソルシノール樹脂はホルムアルデヒド又は他のアルデヒドとレソルシノール又はタンニン等のレソルシノール誘導体の縮合生成物である。 これらの樹脂にフェノール類を含有させうる。 例としてはレソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−レソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、タンニン樹脂、タンニン−ホルムアルデヒド樹脂及びタンニン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂がある。 レソルシノール樹脂は少量の塩基の存在下に製造され、樹脂の最終pHは約5−8である。 典型的にはこれらの樹脂は溶媒の混合物の溶液の形である。 つくられたレソルシノール樹脂はホルムアルデヒドを欠く。 これはこの樹脂が室温でさえ反応を受け、もしより多くのホルムアルデヒドが存在しても早期ゲル化をもたらす。 それ故レソルシノール樹脂は接着剤として有用とするには硬化剤と称される他の成分と共に用いる必要がある。

    【0016】 硬化剤組成物: 現在工業的には硬化剤の活性成分としてはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はオキサゾリジンが用いられている。 ホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドを用いる欠点は前記したとおりである。 オキサゾリジンはレソルシノール樹脂を硬化するためにホルムアルデヒドをもたらしうることから用いられてきた。 本発明の改良された硬化剤は共存しうる他の成分のなかで次の3成分を有する。

    【0017】 I. ホルムアルデヒドドナーとして次の一般分子構造式をもつオキサゾリジン:

    【0018】

    【化3】

    【0019】 式中R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4及びR 5は独立に水素、ヒドロキシル、分枝した又は直鎖のアルキル、又は分枝した又は直鎖のヒドロキシルアルキルである。 つまりオキサゾリジンは単環又は2環化合物である。 R 1 −R 5の好ましいアルキル基はメチル、エチル又はヒドロキシルメチルである。 好ましい2環式オキサゾリジンはR 3位においてだけ置換している。 好ましい単環式オキサゾリジンはR 1とR 2位でだけ置換している。 特に好ましいオキサゾリジンは5−ヒドロキシメチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ〔3,3,0〕オクタン(Z
    oldine (R) ZT−55、Zordine (R) ZT−65及びZordin
    (R) ZT−40、ANGUSケミカルカンパニー)。 この硬化剤は2以上のオキサゾリジンを含有しうる。 たとえばゲル時間の可変性を高めるために2以上のオキサゾリジンの混合物を同時に用いうる。

    【0020】 II. オキサゾリジンとレソルシノール樹脂の反応を遅延しうる塩基、有機塩基も用いうるが無機塩基が好ましい。 好ましい無機塩基には、NaOH,KO
    H,LiOH,MgO,Ba(OH) 2 ,Ca(OH) 2 ,CaO,Mg(OH
    2 ,Al(OH) 3及びCsOHがある。 塩基は硬化剤と混合してもまたレソルシノール樹脂と予備混合してもよい。 後者が好ましい。

    【0021】 III. 効果的な吸着剤:本発明において吸着剤は水及び/又はオキサゾリジンを保持できて、塩基との組合せにおいてレソルシノール樹脂で積層した木の湿潤強度を増加させうる物質である。 1の態様において、吸着剤は適度に可撓性をもちうる。 即ち乾燥及び湿潤の両状態で堅くなく圧縮可能で、またオキサゾリジン水溶液に適度に膨潤しうる。 これらの吸着剤の例としてはヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、コーンミール粉、米粉、大豆粉及び小麦粉等の植物から誘導されるものがある。 別の態様において異なるタイプの固体吸着剤、特にシリカが用いられる。 これは多孔質ではなく又は圧縮可能でもないとしてもシリカ粒子の表面上に水及び/又はオキサゾリジンを保持しうることから、植物から誘導される多孔質吸着剤として分類されうる。 しかしシリカは下記する実施例から明らかなように積層した木の湿潤強度を改善する。

    【0022】 吸着剤は可溶性(たとえばセルロース誘導体)であるか、不溶性(たとえばシリカ)であるか又は部分的に可溶(たとえば小麦粉)である。 吸着剤が可溶性の場合は接着剤の使用直前にそれを加えることが好ましい。 吸着剤が水性オキサゾリジンに不溶であるか不溶に近い場合は使用前のいかなる時点でもオキサゾリジンと混合しうる。 それ故硬化剤の予備混合の便利さをもたらす点で、粒状シリカ又は小麦粉、コーン粉、大豆粉、米粉及び関連する穀物粉末が好ましい。 硬化剤は硬化反応に必要な有効量の水も含有する。 しかし典型的には水は十分な量に用いられる。

    【0023】 この硬化剤は湿潤強度を実質上改善しながら室温でのレソルシノール樹脂の硬化を可能にすることが見出された。 この硬化剤の作用機構は詳らかではないが、
    この改良された性能は、たとえば木への接着剤の浸透性の向上、室温でのフェノール系樹脂の反応性の向上及びオキサゾリジンと水の硬化中のグルーラインへのゆるやかな放出といったいくつかの因子に関連するものと思われる。

    【0024】 本発明の改良された硬化剤に導入される1の変型はレソルシノール樹脂にNa
    OH等の有機又は無機塩基の適量を加えることである。 高い塩基性をもつ接着剤混合物は3つの効果をもちうる。 第1に高いpHはオキサゾリジン分子からレソルシノール分子へのホルムアルデヒド分子の化学的移動を遅延させる。 これは実施例に示すように、無機塩基を用いると接着のためのゲル時間が長くなることによって裏付けられる。 ゲル時間が長いと接着剤が木の内部孔に浸透する時間を長くすることができる。 これは現在用いられているオキサゾリジン系接着剤の場合のように接着剤のゲル時間が非常に短いときには特に重要である。 更なる利点としては塩基性が高くなるとフェノール−レソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂(PRF)のフェノール部分の反応性が増加することがある。 FRF樹脂のホルムアルデヒドとフェノール部分の速かな反応を室温でうることはしばしば極めて困難である。 高いpHがフェノール樹脂とホルムアルデヒドの間の反応に有利であることはよく知られている。 第2の利点は塩基の存在が木と接着剤の界面における木の高い結晶構造の破壊を促進しうるということである。 このように木の構造をゆるめることは木と接着剤の間のより強い接着を促進する。

    【0025】 吸着剤を用いると接着剤に次のような積極的な寄与をもたらしうる。 第1に水のゆるやかな放出のための環境をもたらして硬化中の接着剤中のオキサゾリジンとレソルシノール樹脂の間の反応を促進する。 これは次の反応に基いて理解しうる。 レソルシノール樹脂+オキサゾリジン+水 −−−→ 架橋樹脂

    【0026】 近くに水が存在しないと、オキサゾリジン環は開環せずレソルシノール樹脂との反応は不可能である。 オキサゾリジン化学に基き現在の市販の接着剤中に高い濃度の水が存在するが、これらの系での水の使用効率は近い。 これは有効な水吸着剤が存在しないこと、接着剤と周辺の木をプレスするのに用いた長いプレス時間(24時間まで)と高い圧力からもいえる。 それ故圧力下及び長い硬化時間中に水の多くがグルーラインからしぼり出される。 従って水の多くはグルーラインで接着剤と直接接触しない。 これは濾過プロセスに似ている。 多くの水は付与した圧力下でグルーラインから濾過で外に出されるといえる。 当該分野の専門家が証明するところによるとオキサゾリジン系硬化剤は放射線硬化にはあまり有効とはいえない。 放射線は十分な水が存在するときにのみ十分に機能する。 この吸着剤も同様にオキサゾリジンを吸収し放出する。 オキサゾリジン分子は水よりも大きいが圧力下にグルーラインから木にしぼり出される。

    【0027】 どれだけの量の水を吸着するべきかは求めていない。 その結晶構造と水素結合(H結合)の存在が木粉が優れた吸着剤でない理由を示している。 実施例に示すように、別の堅い吸着剤であるセルロース微結晶を含有する硬化剤は優れた湿潤強度をもつ接合を生じない。 ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体は軟質で優れた吸着剤である。 しかしこれらセルロース誘導体のほとんどは可溶性である。 少量を用いた場合でさえ、直ちに極めて高い粘度が生ずる。 この水にとける性質が可溶性吸着剤の実用を極めて困難にしている。 別のタイプの吸着剤はデンプン又は穀類系のものである。 全穀粒又は白小麦粉のいずれかの小麦粉はほとんど不溶であり、乾燥時及び湿潤時に適度に圧縮性である。 水及びオキサゾリジンと水の混合物に膨潤するが容易にはとけない。 この性能は安定な硬化剤をつくるのに用いられる点で理想的な添加剤としての性質である。 それ故穀物粉吸着剤である小麦粉、コーン粉、大豆粉、米粉等は本発明で好ましく用いられる。

    【0028】 堅い吸着剤はあまり有効でないと考えられてきたが、特にシリカは、セルロース誘導体や穀物粉の場合のように、多孔性でなくまた植物由来のものでないにもかかわらず有効な吸着剤として作用することが判明した。 シリカ粒子、特に好ましくは約0.001−20μmのサイズと約20−1000m 2 /gの表面積をもつシリカ粒子はその表面上に水及び/又はオキサゾリジンを保持し本発明において好ましい吸着剤である。 好ましく用いられる1つの形のシリカはコロイド状シリカであり、これは水の存在下の吸着剤シリカと考えられる。

    【0029】 粒状シリカも固体粒子が沈澱する傾向を制限し接着剤性能を高めるために増粘剤と共に用いることができる。 かかる増粘剤の1つはメチルセルロースであり、
    これは上記したように可溶性吸着剤として分類できるが、シリカ粒子を含有する硬化剤と共に増粘剤として極く少量用いられる。

    【0030】 つまりシリカ粒子は単独で又はコロイド状シリカ及び/又はメチルセルロース等の増粘剤との組合せで用いうる。 またはコロイド状シリカは単独で又は粒状シリカ及び/又はメチルセルロース等の増粘剤との組合せで用いうる。 コロイド状シリカはレソルシノール樹脂に混合する前でさえ既に実質量の水の存在下にあるので、コロイド状シリカが有効な吸着剤であるという事実は重要なことと思われる。 つまり水及び/又はオキサゾリジンを保持するという吸着剤の能力はその由来源よりも重要であることがわかる。 調合したレソルシノール樹脂接着剤に、水がいくつかの成分と共に導入される。

    【0031】 吸着剤を入れるさらなる極めて重要な利点は硬化中にグルーライン中でそれが水に沿ってオキサゾリジンのゆるやかな放出の環境を形成するということである。 すみやかな放出の使用又は1反応試薬の添加は周知であり有機合成でしばしば用いられる。 2つの反応試薬が反応に関与するとき1の反応試薬を他に滴加すると化学構造が変化し、その結果キネティックスと反応機構のちがいにより生成物の性質もかわりうる。 接着剤の場合は、これがより均一に分布した架橋の形成と恐らくより高い架橋密度の形成に機能する。 これが改良された物性と優れた湿潤強度をもたらす。 このオキサゾリジンのゆるやかな放出(徐放)はまたレソルシノール樹脂との反応をゆるやかにしてゲル時間を増加させる。

    【0032】 接着剤にとって極めて重要な性能パラメータはゲル時間又は作業時間である。
    用途やそれぞれプラントでの特定の装置条件によって接着剤のゲル時間はしばしばある範囲に特定される。 たとえば、2液レソルシノール系接着剤のゲル時間は通常30分から数時間に制御される。 ゲル時間が短すぎると、接着剤を拡げるに十分な時間を作業者や機械に与えることができず接着した木をしめつけたりプレスする十分な時間もなくなる。 他方、ゲル時間が長すぎることも望ましくない。
    ゲル時間が長すぎると木をしめつけたりプレスした後も長期間接着剤が硬化しない。 また接着した木の硬化時間を長くする。

    【0033】 実施例では、それぞれの場合のゲル時間を室温にて、硬化剤をレソルシノール樹脂に添加したとき(混合直後)から接着剤を舌圧子で引き上げたときに連続した糸状物を形成できなくなるときまでの時間差を単純に計時して求めた。

    【0034】 接着剤の調製: 本発明の接着剤組成物は2液型、即ちレソルシノール樹脂と硬化剤からなるものである。 両部分の組成は大きくかえうる。 そしてそれらは硬化に用いる時間と温度及び樹脂と硬化剤の反応性によって求めうる。 一般には硬化剤は接着剤の約10−60wt存在し樹脂は約90−40wt%存在する。 好ましい接着剤は樹脂約60−80wt%を含有する。

    【0035】 樹脂の反応性は、レソルシノールとフェノールとアルデヒドの間の予備重合をどの程度進めるか、用いるアルデヒドの種類、レソルシノールとフェノールの相対比率及び触媒の量によって異なる。 フェノール誘導体又はタンニン等の関連化合物を含有させると、反応性は同様に影響をうける。

    【0036】 硬化剤組成物の反応性は用いたオキサゾリジンの種類と量、塩基の量と種類、
    用いた吸着剤の量と種類に影響される。 混合したとき、硬化剤は(無水基準で)
    約10−80wt%のオキサゾリジン、0.5−30wt%の塩基及び0.5−
    30wt%の吸着剤を含有する。 1の好ましい態様において、硬化剤は約35−
    45wt%のオキサゾリジン、4−8%の減速剤(decelerator)(
    NaOHなど)、及び10−20wt%の吸着剤(小麦粉又はシリカ等)を含有する。 成分類を硬化性複合体に組合せる方法には少なくとも3つの好ましい方法がある。 第1の方法は硬化剤の全成分を予備混合し、後でレソルシノール樹脂と混合する方法である。 第2の方法では塩基をレソルシノール樹脂と予備混合してから硬化剤の残りの成分と合体する。 第3の方法では吸着剤を最後に加える。 即ち他の硬化剤成分をレソルシノール樹脂と混合した後に吸着剤を加える。

    【0037】 ある場合には硬化剤の粘度又は調合した樹脂の粘度の制御に増粘剤を添加することが好ましいことが判った。 実施例ではメチルセルロースをこの目的で用いた。 不溶性又は部分的に可溶な吸着剤が好ましいがメチルセルロースが従来は吸着剤として作用するとされていた。 増粘剤としてメチルセルロースを用いる場合、
    それはせいぜい用いた他の吸着剤を補助するものであるため極めて少量用いられる。 メチルセルロースは用いうる増粘剤の1例にすぎず、その非制限的な例としてはヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースがある。 他の添加剤も硬化剤のある種の性能の改善のために用いうる。 それらの非制限的な例としては木粉、鉱物粘土、ポリ酢酸ビニルがある。

    【0038】 木の接合への接着剤の塗布: 欠陥のある木や小片の木を接着剤で合体して建築や家具産業用のより有用な材料とすることができる。 これらの用途例としては積層ビーム、ノービーム、加工木、粒子ボード、配向ストランドボード、合板がある。 木片類の接着には接着剤を塗布し硬化が完了するまで圧力を付与する工程が含まれる。 パラホルムアルデヒドを用いる硬化剤は室温で硬化できるが、オキサゾリジンを含むような他の硬化剤は十分な硬化には加熱を必要とした。 本発明の接着剤はASTM D 25
    59で定義される湿潤強度を改良しつつ室温で硬化できる。

    【0039】 接着剤を木の接合に用いるとき、接合した木は高い湿分、雨及び高温の気候に耐える必要がある。 建築に接合した木を用いる場合には長年に亘り安定である必要があるので、これは極めて重要である。 接着剤の湿潤強度の測定には、標準的テスト法が異なる種類の接着剤と用途毎に確立されている。 ASTM D 25
    59「屋外(湿使用)暴露条件下での使用用の構造積層木製品用の接着剤の標準細目」の試験法を本発明の性能改良を示すために選んだ。 この方法を選択した主な理由は現在市販されているオキサゾリジン系レソルシノール樹脂は通常湿潤強度が不十分で、通常オーブン硬化を必要とすることにある。

    【0040】 以下の実施例で湿潤強度の測定用に選択した木の種類は厚さ1インチ、幅6インチ、長さ13インチ(24.5×152.4×330.2mm)の寸法をもつダグラスファー(Douglas Fir)である。 この木をまず23℃、相対湿度65%の湿分室で少なくとも1週間コンディショニングしてからASTMD
    2559記載の方法で湿潤強度をテストした。 接合前(常に接合の24時間以内)に木板の表面を新しくした。 各実験ではこの木の6片を用いて1板の積層木板サンプルをつくった。 必要に応じて別途に、テストされるべきそれぞれの硬化剤をつくった。 次いでこれをレソルシノール樹脂及び必要な場合は他の添加剤と混合した。 混合した接着剤を接合すべき木板の各表面に木の面積1平方インチ当り約0.23g塗布した。 この方法に通常5−15分要した。

    【0041】 6片の木を組立てて室温で5−10分放置してから約500−1000ポンド(227−454kg)の圧力にプレスした。 5−10分後(ゲル時間)後に圧力を約8000ポンド(3636kg)に下げてから12000ポンド(545
    5kg)に調節した。 この木のサンプルを室温で約7−15時間プレスした後に正しいサイズ(3×5インチ)(76.2×127mm)に切断して湿潤強度テスト用に湿潤に保存した。

    【0042】 実施例で用いた湿潤強度のテスト法はASTM D 2559に記載されている方法と同じである。 要約すると、3日間真空、加圧、蒸気処理及び乾燥処理を3回繰返した。 すべての実施例で、硬化時間、即ち接着から湿潤強度のテストの開始までの時間、は15−24時間であった。 3回の繰返し処理の最後に、各グルーライン用と5つのグルーライン全体用に剥離で示される湿潤強度を計算した。

    【0043】 ASTM D 2559のテスト法及び工業基準に従い、積層木製品は屋外での使用用に合格するには次の2つの要件を満たす必要がある。 A. 5つのグルーラインの合計剥離が5%以下であること。 B. 各グルーラインの剥離が1%以下であること。 剥離の程度は各サンプルの2つの例に沿って測定される。

    【0044】

    【実施例】

    例1(比較): 現在の技術状態を示す市販の接着剤について湿潤強度とゲル時間をテストした。 市販のフェノール−レソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂85gに市販のオキサゾリン系硬化剤35.8gを加えた。 次いで室温で約3分間混合した。 この接着剤を用いて厚さ1インチ、幅6インチ、長さ13インチ(25.4×152
    . 4×330.2mm)のダグラスファーなる木の6枚を積層し、室温で24時間硬化し、最後に前記したASTM D 2559法に従って湿潤強度をテストした。 各グルーライン用及びすべてのグルーライン用の剥離%で示した湿潤強度の結果を表IIに示す。 これらの結果は、PRF樹脂とオキサゾリジン硬化剤に基く現在の市販のレソルシノール接着剤は接着剤を室温で24時間硬化させたとき湿潤強度要件を満たさないことを明らかにしている。 67%の合計剥離は5%
    未満というテスト要件を満たしていない。 またグルーラインの30%は剥離されないがそのグルーラインは極めて弱くゆるやかに接合しているにすぎない。 また接着剤のゲル時間をチェックし表IIに示す。 24分のゲル時間は工業基準では短い。 しばしばこれより長いゲル時間がより長い作業時間と操作のフレキシビリディを大きくする点で好ましい。

    【0045】 例2: Zoldine (R) ZT−65(アンガスケミカルカンパニー)137.1g
    と水15gに小麦粉36gを室温で徐々に加え次いで1時間室温で混合して硬化剤をつくった。 別途、例1のフェノール−レソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂120gを85%KOH 4.6gと約10−30分混合しその間この樹脂を5−25℃の水浴中で冷却した。 この樹脂に上記でつくった硬化剤44.3gを加え、これらを約3−5分間混合した。 この接着剤を用いて1インチ×6インチ×13インチ(25.4×152.4×330.2mm)のダグラスファーの木を6枚積層し、次いで室温で24時間硬化し、最後に例1におけると同様に湿潤強度をテストした。 表IIに示した結果は各グルーラインと合計グルーラインの剥離を示している。 本発明に従ってKOHと小麦呼粉を加えると、合計剥離が70%から1%
    以下となり顕著な湿潤強度の向上をもたらすことがわかる。 本発明の改良された硬化剤はASTM D 2559の両方の要件を満たしている。 即ち各個々のグルーラインの剥離は1%以下であり、5つのグルーラインすべての全剥離は5%
    以下である。 それ故本発明は工業的使用に大いに有効なのである。 上記接着剤について前記と同様にゲル時間をテストした。 結果を表IIに例2
    として示す。 ゲル時間はこの修正なしの接着剤(例1)の24分ちょうどから7
    5分に増加した。 この例ではKOHをPRF樹脂に加えたが、実際上は硬化剤の使用前の適宜の時点に硬化剤にも加えうる。 同様に小麦粉もPRF樹脂に加えうる。

    【0046】 例3: 表Iに示すように、NaOHをKOHの代りに用い、NaOH、Zoldin
    (R) ZT−65、水及び小麦粉の量をわずかに変えた以外は例2を繰返した。
    この例では同様に全剥離が1%以下に改善され、ゲル時間が77分にのびた。 N
    aOHは塩基性が弱いが湿潤強度の改善に同様に有効であることが判った。

    【0047】 例4: 表Iに示すように、Ca(OH) 2をKOHの代りに用い、Ca(OH) 2
    Zoldine (R) ZT−65、水及び小麦粉の量をわずかにかえた以外は例2
    を繰返した。 この例では、ゲル時間が60分に増加し、全剥離が約30%に改善された。 Ca(OH) 2はNaOH及びKOHほど効果的ではないので、弱い塩基度をもつ塩基ほど湿潤強度の改善効果が小さいことが示唆される。

    【0048】 例5: 小麦粉の代りに粉砕コーンミールを用いた以外は例2を繰返した。 表IIに示すようにこの例の結果はコーンミールが湿潤強度とゲル時間の改善に小麦粉と同様の効果をもつことを示している。

    【0049】 例6: 例1のレソルシノール樹脂120gに水3.5g及び85%KOH 4.6g
    を加えた。 この混合物を20−25℃の水浴中で冷却しながら、機械的攪拌機でこの樹脂を約20分間攪拌した。 次いでZoldine (R) ZT−65を32.
    3g加えて上記接着剤と約3分間混合した。 最後にヒドロキシエチルセルロース(HEC)8.5gを加え約3分間混合した。 この接着剤を用いて1インチ×6
    インチ×13インチ(25.4×152.4×330.2mm)のダグラスファー木の6枚を積層して、室温で24時間硬化させ、最後に例1におけると同様に湿潤強度をテストした。 剥離結果を表IIに示す。 これはこの接着剤がASTM
    D 2559の両方の湿強度要件を満たすことを示している。 この接着剤のゲル時間も50分に増加した。 HECはセルロース結晶構造をもたずほとんどが無定形構造をもつセルロース誘導体である。 強い水素結合を持っていないためHECは水に易溶である。 HE
    Cが水溶性であるという事実はこの硬化剤系において小麦粉よりも使用しずらいことを示している。 小麦粉は室温ではほとんど不溶であり、それ故硬化剤の使用前の適宜の時点で安定な硬化剤をつくるために用いうる。 HECを用いた場合には接着剤の使用より何日も前に安定な硬化剤をつくることはできない。 HECが硬化剤にとけると硬化剤の粘度が増加してHECを0.5−1%加えてすら実用的なものとはならない。 HECの水への溶解は幾分の時間を要するので使用直前に混合すべきである。

    【0050】 例7: メチルセルロース(MC)(平均分子量86000)をHECの代りに用いた以外は例6を繰返した。 この例でも剥離が改善され、ASTM D 2559の両要件を満足した。 メチルセルロースも水溶性なので使用直前に接着剤と適正量のメチルセルロースを混合すべきである。

    【0051】 例8: メチルセルロースとKOHの量を例7よりも少なくした以外は例7を繰返した。 この例はより少ない量のKOHとメチルセルロースでも許容しうる剥離を達成しうることを示している。

    【0052】 例9: 硬化剤の製造用に小麦粉の代りに微結晶セルロースを用いた以外は例2を繰返した。 小麦粉を微結晶セルロースで置きかえると湿潤強度が小さくなる。 微結晶セルロースは構造的に堅くしまっている。 この堅い構造のため吸着剤としての効果は小さい。 このことは湿潤強度の改善に十分な効果を示すには吸着剤が十分量の水及び/又はオキサゾリジンを吸収することができることを要することを示している。 吸着剤が適度に軟かく又は可撓性であると水が吸着剤から容易に出てオキサゾリジンと反応し、その後にホルムアルデヒドを放出して最終的にレソルシノール樹脂を架橋する。 水の吸着剤との結合が強すぎると水が吸着剤から容易に出ることができない。 微結晶セルロースは水中で幾分膨潤して幾分の水を吸収するが、非常に堅く水を容易に放出するに足るほど軟かくはない。 これが微結晶セルロースが湿潤強度の改善効果にずっと乏しい理由である。

    【0053】 例10: NaOHを用いないことを除き例3を繰返した。 表IIに示す結果は小麦粉だけを用いた場合には湿潤強度の改善は制限されることを示している。 効果ならしめるには小麦粉を無機塩基と共に用いるべきである。

    【0054】 例11: 3.2%のKOH(レソルシノール樹脂の重量基準)を用いた以外は例1を繰返した。 表IIに示すようにゲル時間と湿潤強度は共に改善されるが、この接着剤の湿潤強度はASTM D 2559の2つの要件をはるかにはずれるものである。 このことはKOHは効果的な吸収剤と組合せて用いたときだけ許容しうる接着強度を達成することを示している。

    【0055】 例12: 0.5%のメチルセルロースを硬化剤溶液に予め溶解させた以外は例1を繰返した。 表IIに示すように、ゲル時間と湿潤強度は例1に比し本質的に改善されていない。 0.5%のメチルセルロースを用いたときには接着剤の粘度が非常に高く工業的に実用し得ない点も指摘できる。 この例は湿潤強度の改善に有効であるには吸着剤が不溶であるか部分的に不溶であることが必要であることを示している。 吸着剤は一旦溶けると水機構の吸収、保持及び徐放の能力を失い、適正な湿潤強度達成というその硬化剤の有用性をかくしてしまう。 セルロース誘導体が適正な粘度を達成するためにしばしば接着剤に混合され溶解されるが、本発明では不溶性又は部分的に可溶性の吸着剤の使用を要するか又はレソルシノール樹脂との混合直後で溶解前に可溶性吸着剤を速かに用いることを要する。

    【0056】 例13(比較): 第2の市販フェノール−レソルシノール−ホルムアルデヒド樹脂を会合した市販のオキサゾリジン系硬化剤及びKOHと混合し、例1に従って6枚の木板の積層に用いた。 その組成を表IIIにまた湿潤強度の結果を表IVに示す。 その性能は例1の性能と同様であり、実質的な剥離が起こった。

    【0057】 例13A: 市販の硬化剤をZT (R) −65オキサゾリジンで置きかえた以外は例13を繰返した。 ゲル時間は塩基を含有する硬化剤よりずっと短く、本発明の実用には塩基の使用が重要であることを示している。

    【0058】 例14: 例13の市販のレソルシノール樹脂をZoldine (R) ZT−65(アンガスケミカルカンパニー)からなる硬化剤及びKOH、次いで水と混合し、吸着剤としてのSilprec (R) U−23(PPGインダストリーズ)(これは36
    0m 2 /gの平均表面積をもつ微細シリカ粉)と混合した。 再度この樹脂と硬化剤を混合してから例13と同様木の積層に用いた。 組成を表IIIに、湿潤強度結果を表IVに示す。 湿潤強度は例13の市販の硬化剤に比し大幅に改善された。

    【0059】 例15: Cab−O−Sil EH−5(カボットコーポレーション)をSilpre
    (R) U−23の代りに用いた以外例14を繰返した。 このシリカ粉は同様の平均表面積380m 2 /gと0.25μmの粒径をもっていた。 表IVに示すように結果は例14と同様のものだった。

    【0060】 例16: Acematt (R) HK400(デグッサコーポレーション)をシリカ粒子源として用いた以外は例14を繰返した。 このシリカ粉の平均表面積は190m 2 /gで平均粒径は6μmだった。 表IVに示した結果はこの大きなシリカ粉は例14と15のものほどは剥離を防ぐのに有効ではないことを示している。

    【0061】 例17: シリカ粉をコロイド状シリカのSyton (R) HT−50(デュポン)で置きかえ、オキサゾリンの1の濃度ではなく2つの濃度(65%と100%)を用いた以外は例14−16を繰返した(表III参照)。 このコロイド状シリカは7
    0m 2 /gの平均表面積と0.05μmの平均粒径をもっていた。 少量のメチルセルロースを増粘剤として加えた。 表IVに示す結果は例14及び15と同等の顕著な剥離低下効果を示している。

    【0062】 例18: 1のオキサゾリンだけを用い、コロイド状シリカの量を減らし、メチルセルロースの量を増加した以外は例17を繰返した(表III参照)。 結果(表IV)
    は例17と実質上同じであった。

    【0063】 例19: Ludox (R) TM−50(デュポン)をSyton (R) HT−50の代りに用いて例17を繰返した。 このコロイド状シリカは140m 2 /gの平均表面積と0.02μmの平均粒径をもっていた。 結果(表IV)は例17と同様だがそれよりわずかに改善されたものである。

    【0064】 例20: EH−5シリカ粉の量を減らしSyton (R) HT−50コロイド状シリカを加えた以外は例15を繰返した。 結果は例15と同様であった。

    【0065】 例21: シリカ粉とコロイド状シリカの比率をかえ、増粘剤として少量のメチルセルロースを用いた以外は例20を繰返した。 結果(表IV)は例20よりさらに改善されていた。

    【0066】 例22(比較): KOH、水及び粉末粘土のMin−U−Gel 400(フロリジン)を含有する組成物中にて市販のPRFレソルシノール樹脂をZoldine ZT−6
    5で硬化させた。 組成を表IIIに示す。 この組成物の湿潤強度を前記同様にテストして結果を表IVに示す。 この結果は例1の市販の硬化剤よりは優れているが、粉末シリカ及び/又はコロイド状シリカを吸着剤として用いた例14、15
    、17−21に比し剥離は明らかに劣っていた。

    【0067】

    【表1】

    【0068】

    【表2】

    【0069】

    【表3】

    【0070】

    【表4】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 161/12 C09J 161/12 161/34 161/34 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW Fターム(参考) 2B260 AA12 AA20 BA02 BA18 BA20 CB01 CD01 CD22 CD30 DA04 DB02 DB03 DB04 DB15 DC15 DD03 4J002 AB032 CC061 CC071 DE029 DE057 DE077 DE087 DE097 DE147 DJ018 EU216 FD146 FD159 FD207 FD332 GJ01 4J033 CA02 CA11 CA13 CA28 CA29 CA37 HB09 4J040 BA232 BA241 EB001 EB061 HA126 HA136 HA146 HA156 HA306 HC26 KA03 KA17 KA25 KA42 MA08 NA12

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