【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は,落雪によって各種機器が破壊等が起こらないように保護する保護器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】積雪の多い寒冷地においてはその積雪が屋根など上方から落下した際、その落下地点に各種機器が設置されている場合その機器が破壊され破損してしまう事故が発生する。 たとえば寒冷地に設置された石油プラントや石油貯蔵タンクなどにおいて、その石油等を送るパイプラインにはバルブ機器などが設置されているが、バルブ機器が高所建築物に近接して設置される場合が多々ある。 このような場合、積雪で凍結した氷塊や大きな固まりとなった雪塊が高所からバルブ機器の地点に落下し、バルブ機器が破壊される事故が発生していた。 このような事故を防止するために、従来においてはバルブ機器を覆う屋根のある建物とか筐体を設置していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら,落雪の規模によって建物や筐体自体が破壊することもあり、返って危険が発生する場合が起こる。 そのためにはかなりの強度を有する建物や筐体とする必要があり、かなり経費が高価となるなどの問題を有している。 この発明はこのような問題点を解決する落雪用保護器を提供せんとするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明が提供する落雪用保護器は、地面等への据付面を形成する据付用枠体と、この据付用枠体から上方に伸びて角錐を形成する複数本の角錐用枠体とからなり、これら各枠体により内方に位置する機器を包囲する空間が形成されるよう構成されているものである。 【0005】 【作用】この発明の落雪用保護器は、上方に伸びた角錐が形成されているので、凍結した氷塊や大きな固まりとなった雪塊が落下したとき、角錐の頂部にて団塊などは粉砕、破壊される。 したがって枠の下内方に位置する機器などには落下による衝撃はない。 また周囲の複数本の角錐用枠体によって落雪により機器への衝撃は軽減される。 【0006】 【実施例】以下、この発明の落雪用保護器を図面に示す実施例にしたがって説明する。 図1はこの発明の落雪用保護器を傾斜視的に示す図で、B1、B2、B3は地面等に据え付けるための一定の面積を形成する据付用枠体である。 そしてK1、K2、K3はその一端が据付用枠体B1、B2、B3の各頂点の位置にて接続され他端が上方に伸びて頂点部Tにて結合され角錐を形成する角錐用枠体である。 図示例の場合落雪用保護器は三角錐形であり、いわゆる四面体である。 また、角錐用枠体K1、 K2、K3は据付用枠体B1、B2、B3より長く、この形は内方にて保護される機器の大きさ、形などにより定められる。 ただ、落雪を有効に粉砕することを考慮すると、角錐用枠体K1、K2、K3の水平からの傾斜角度は45度以上好ましくは60〜70度がよい。 各枠体K1、K2、K3、B1、B2、B3は例えば鉄材や強化プラスチック材で形成される。 【0007】この発明の落雪用保護器は以上のような形をなしているから、例えば図2に示すように、石油精製プラント工場に施設されたパイプラインPに設置される流量制御弁Vを駆動する弁駆動機器Aを落雪から保護するのに有益である。 もちろんこの弁駆動機器Aが石油タンク(図示せず)の近傍で落雪が起こり得る地点である。 パイプラインPは通常地面Zから一定の高さ位置にて配設されているが、弁駆動機器Aを設置する場合は据付台Dを形成し、その上にこの発明の落雪用保護器を取り付ける。 この場合、図示のように弁駆動機器Aの操作部例えば手動用ハンドルHなどが操作しやすいように角錐用枠体K1、K2、K3の位置を考慮してかつ、機器の高さに合うような大きさのものを設置する。 【0008】この発明が提供する落雪用保護器の特徴は上記のとおりであるが、三角錐形に限定されるものではなく、例えば図3に示すような四角錐形とすることもでき、あるいは図4に示すような円錐形とすることも可能である。 四角錐形の場合は、据付用枠体はS1、S2、 S3、S4と4本になり、角錐用枠体もK1、K2、K 3、K4の4本となる。 円錐形の場合、据付用枠体Lは円形または楕円形となり、角錐用枠体は3〜5本(図示例は4本K1、K2、K3、4K)とする。 【0009】図示していないが五角錐形とすることも可能で角錐用枠体の本数には限定はない。 ただ、余りに本数が多いと内方の機器の操作が外からできなくなり、これらの点を考慮して設定する必要がある。 また、頂点部Tが据付用枠体B1、B2、B3で囲まれる据付面の中心位置に位置するのが機械的強度の点から好ましいが、 内方の機器の形状等により中心から偏寄した形とすることも可能である。 地面に直接に据付る構成とすることもできる。 この場合、移動止め用の凸部を据付用枠体の中間または両端部に形成するのが望ましい。 内方に設置する機器としては図示例の弁駆動機器には限定されない。 【0010】この発明が提供する落雪用保護器の内容をまとめるとつぎのとおりである。 【0011】付記1 地面等への据付面を形成する据付用枠体と、この据付用枠体から上方に伸びて角錐を形成する複数本の角錐用枠体とからなり、これら各枠体により内方に位置する機器を包囲する空間が形成されるよう構成されていることを特徴とする落雪用保護器。 【0012】付記2 地面等への三角形の据付面を形成する据付用枠体と、この据付用枠体から上方に伸びて角錐を形成する複数本の角錐用枠体とからなり、これら各枠体により内方に位置する機器を包囲する空間が形成されるよう構成されていることを特徴とする落雪用保護器。 【0013】付記3 地面等への四角形の据付面を形成する据付用枠体と、この据付用枠体から上方に伸びて角錐を形成する複数本の角錐用枠体とからなり、これら各枠体により内方に位置する機器を包囲する空間が形成されるよう構成されていることを特徴とする落雪用保護器。 【0014】付記4 地面等への多角形の据付面を形成する据付用枠体と、この据付用枠体から上方に伸びて角錐を形成する複数本の角錐用枠体とからなり、これら各枠体により内方に位置する機器を包囲する空間が形成されるよう構成されていることを特徴とする落雪用保護器。 【0015】付記5 地面等への円形の据付面を形成する据付用枠体と、この据付用枠体から上方に伸びて角錐を形成する複数本の角錐用枠体とからなり、これら各枠体により内方に位置する機器を包囲する空間が形成されるよう構成されていることを特徴とする落雪用保護器。 【0016】 【発明の効果】この発明が提供する落雪用保護器は以上説明したとおりであるから、極めて簡略な構成、形状によって各種機器への対置が可能で、かつ機器への落雪においてはその頂点部が、落下した凍結した氷塊や大きな固まりとなった雪塊を粉砕、破壊する。 したがって枠の下内方に位置する機器などには落下による衝撃はない。 また周囲の複数本の角錐用枠体によって落雪により機器への衝撃は軽減される。 しかも、複数本の角錐用枠体の間から内方機器の操作は可能であるという利点も有している。 【図面の簡単な説明】 【図1】この発明による落雪用保護器の外観を示す図である。 【図2】この発明による落雪用保護器の使用例を示す図である。 【図3】従来の落雪用保護器の変形例を示す図である。 【図4】従来の落雪用保護器の変形例を示す図である。 【符号の説明】 B1、B2、B3、S1、S2、S3、S4、L…据付用枠体 K1、K2、K3、K4…角錐用枠体 T…頂点部 V…流量制御弁 P…パイプライン A…弁駆動機器 |