Method of using zigzag bypass of reaction zone for treating capacity improvement

申请号 JP5887999 申请日 1999-03-05 公开(公告)号 JP2000256673A 公开(公告)日 2000-09-19
申请人 Uop Llc; ユーオーピー エルエルシー; 发明人 KENNETH D PETERS;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an effective hydrocarbon conversion method of high treating capacity with a very simple unit. SOLUTION: This method contains following processes: a) a process in which a first part of a charge stream contg. a hydrocarbon is sent to a first reaction zone 10 and the hydrocarbon is reacted and a first effluent stream contg. the hydrocarbon is taken out from the first reaction zone, b) a process in which a second part of the charge stream and a first part of the first effluent stream are sent to a second reaction zone 20 and the hydrocarbon is reacted in the second reaction zone and a second effluent stream is taken out from the second reaction zone, and c) a process in which a product stream contg. the second part of the first effluent stream and at least a part of the second effluent stream is recovered.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 次の工程を含む炭化水素転化法。 a)炭化水素を含有するチャージ・ストリームの第1の部分を第1の反応ゾーンに送り、その第1の反応ゾーン内で炭化水素を反応させ、前記第1の反応ゾーンから炭化水素を含んだ第1の流出ストリームを抜き出す工程と、 b)前記チャージ・ストリームの第2の部分と前記第1
    の流出ストリームの第1の部分を第2の反応ゾーンに送り、炭化水素を前記第2の反応ゾーンで反応させて、前記第2の反応ゾーンから炭化水素を含有する第2の流出ストリームを抜き出す工程と、そして c)前記第1の流出ストリームの第2の部分と前記第2
    の流出ストリームの少なくとも一部を含んだ製品ストリームを回収する工程。
  • 【請求項2】 工程(c)で回収された製品ストリームを第3の反応ゾーンに送り、前記第3の反応ゾーンで炭化水素を反応させ、その第3の反応ゾーンから炭化水素を含んだ第3の流出ストリームを抜き出すことを特徴とする請求項1の炭化水素転化法。
  • 【請求項3】 第2の流出ストリームの第2の部分と前記第3の流出ストリームの少なくとも一部が第4の反応ゾーンに送られ、炭化水素がその第4の反応ゾーンで反応させられ、炭化水素を含んだ第4の流出ストリームが前記第4の反応ゾーンから回収されることを特徴とする請求項2の炭化水素転化法。
  • 【請求項4】 第2の流出ストリームの第2の部分と第3の流出ストリームが前記工程から製品として回収される請求項3の方法。
  • 【請求項5】 チャージ・ストリームの第2の部分がチャージ・ストリームの少なくとも5〜30重量%を含んでいる請求項1,2又は3の方法。
  • 【請求項6】 第1の流出ストリームの第2の部分が第1の流出ストリームの少なくとも5〜30重量%を含んでいる請求項1,2又は3の方法。
  • 【請求項7】 炭化水素転化法が改質、アルキル化、脱アルキル化、水素化、ハイドロトリーティング、脱水素化処理、異性化、脱水素異性化、脱水素環化、分解、及び水素化分解で構成されるグループから選択される請求項1,2又は3の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は多重反応ゾーンにおける炭化素転化法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】炭化水素転化法は、炭化水素が直列的なフローで送られる複数の反応ゾーンを用いる場合が多い。 その直列の各反応ゾーンは多くの場合独自な一連の設計上の必要条件を有している。 直列に配置された各反応ゾーンの設計上の最低の必要条件はその直列構成を通過する望ましい処理量の炭化水素を通過させるための液容量を有していることである。 各反応ゾーンのさらなる設計必要条件は指定された程度の炭化水素転化を行う能を有することである。 しかしながら、特定の程度の水素転化のための反応ゾーンを設計することは、その反応ゾーンが水圧処理能力だけで考えた場合に必要な最低サイズより大きく設計されてしまうことになってしまう。
    その結果、炭化水素の直列的な流れを伴う炭化水素転化法においては、1つの反応ゾーンがその直列構成の他の反応ゾーンより大きな反応ゾーンを持っている場合が生じる。 例えば、炭化水素改質法においては、最後、あるいは2番目から最後までの改質反応ゾーンが多くの場合、第1あるいは第2の改質反応ゾーンと比較して過剰な液容量を有している。

    【0003】一般的に、処理量を増大させるためのこうした過剰液容量は大き過ぎる反応ゾーンやその直列構成の他の反応ゾーンにとって悪影響は及ぼさない。 理論的には、直列構成のひとつ、あるいは複数の反応ゾーンに過剰液容量を有する工程装置は長年にわたって特に問題も起こさずに稼働できるであろう。 それにもかかわらず、おそらく、何年か後に、その装置を処理量を増大するために改造しようとすると、問題解決上の興味あるディレンマが発生する。 つまり、その直列構成の2つ、あるいはそれ以上の小さな反応ゾーンが小さな液容量しかない、あるいは過剰の液容量を有していないという事実に照らして、過剰な、大きな反応ゾーンのこれまで使われなかった液容量を有効に使うことができるか、とう問題である。

    【0004】この問題に対する1つの回答として、先行技術(米国特許出願No.4,325,806及び米国特許出願No.
    4,325,807)はその直列構成の2つの小さな、連続した反応ゾーンを避けて炭化水素の流れのルートの変更を伴う2つの問題解決方法を提供している。 先行技術による1つの解決方法は、ずべて(100%)の炭化水素の一部(B%)を上の2つの反応ゾーンを完全に避けてバイパス・ラインを通じて送り、その直列フローの炭化水素の総量の残り(100%−B%)をその直列構成の2つの小さな反応ゾーンを通じて送り、バイパスを通じて送られた部分と2つの小さな反応ゾーンによる第2の流出部分とを組み合わせて、炭化水素の総量をより大きな反応ゾーンに送る方式である。 その場合、直列構成を通じての炭化水素の流れは、最小反応ゾーンとバイパス・ラインの結合液容量とその直列構成の他の大きな反応ゾーンのうちの最小液容量の小さな方に増大することができる。
    この方式の主な欠点は、もちろん、より小さな方の反応ゾーンのひとつを通過する炭化水素のすべても他の小さめの反応ゾーンをバイパスすることである。 この方式の他の欠点は、この直列構成を通過する炭化水素の総量のうち、(100−B)%だけが2つの小さな反応ゾーンを通過することである。 従って、平均すると、炭化水素はより少ない反応ゾーンを通過するだけで、触媒との接触も少なく、あるいは炭化水素転化状態を通過する時間が少なくなり、従って、炭化水素転化量が少なくなることである。 炭化水素の総量の一部が2つ以上の反応ゾーンを回避して送られる場合、こうした欠陥が重複してしまう。

    【0005】もう1つの先行技術に基づく解決方法は、
    2つの連続した小さな反応ゾーンを直列ではなく並列に配置して、炭化水素のすべてではなくその一部だけを各並列反応ゾーンを通過させる方式である。 この方式では、小さめの並列フロー反応ゾーンを他の大きな反応ゾーンと直列の他の大きな反応ゾーンに有効に組み合わせる。 この場合、この直列構成を通じての炭化水素の流れは、並列フロー反応ゾーンの組み合わせ液容量かその直列構成の他のより大きな反応ゾーンのうちで一番小さな液容量のうちの小さな方に合わせて増大することができることである。 この第2の方式は、並列フロー反応ゾーンの1つを炭化水素のいずれも他の並列フロー反応ゾーンを通過しないという利点を持っているが、この第2の方式の欠点は直列構成を通じての総炭化水素フローのいずれも2つの小さな反応ゾーンの両方を通過しないことである。 小さな反応ゾーンを並列に配置すると、この第2の方式の欠陥はより大きくなる。

    【0006】その結果、総反応物フローの一部は2つあるいはそれ以上の連続反応ゾーンをバイパスしなければならないが、それにも拘らわず、炭化水素転化に対する悪影響が最小限になる多重反応ゾーンを通じて炭化水素を送る方式が求められている。 この方式では、反応ゾーンの1つをバイパスする炭化水素がその直列構成の次の反応ゾーンもバイパスしてしまうことを防がなければならない。 さらに、この方法では、バイパスされる反応ゾーンのすべてを通過する炭化水素の総量をできるだけ多くしなければならない。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題を解決し、炭化水素転化能力の増大を図ることを目的とする。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】本発明は、次の工程を含む炭化水素転化法である。 a)炭化水素を含有するチャージ・ストリームの第1の部分を第1の反応ゾーンに送り、その第1の反応ゾーン内で炭化水素を反応させ、前記第1の反応ゾーンから炭化水素を含んだ第1の流出ストリームを抜き出す工程と、 b)前記チャージ・ストリームの第2の部分と前記第1
    の流出ストリームの第1の部分を第2の反応ゾーンに送り、炭化水素を前記第2の反応ゾーンで反応させて、前記第2の反応ゾーンから炭化水素を含有する第2の流出ストリームを抜き出す工程と、そして c)前記第1の流出ストリームの第2の部分と前記第2
    の流出ストリームの少なくとも一部を含んだ製品ストリームを回収する工程。

    【0009】

    【発明の実施の形態】本発明は、炭化水素フローの総量の一部が2つあるいはそれ以上の反応ゾーンによって構成される直列構成の複数の反応ゾーンがバイパスされる炭化水素転化法である。 本発明の1つの実施の形態においては、1つの反応ゾーンの流出液をその反応ゾーンをバイパスしたすべての炭化水素と組み合わせる前に、その反応ゾーンからの流出液が2つの部分に分割される。
    その流出液の1つの部分はその反応ゾーンをバイパスした炭化水素と組み合わせられ、この組み合わせられたストリームがその直列構成の次の反応ゾーンに送られ、従って、その反応ゾーンをバイパスした炭化水素のいずれもその直列構成の次の反応ゾーンをバイパスしないようになっている。 その流出液の他の部分はその直列構成のその次の反応ゾーンをバイパスして、その直列構成の次の次の反応ゾーンに送られる。 次の反応ゾーンをバイパスする流出液のその部分はその流出液をその流出液を生み出した反応ゾーンをバイパスした炭化水素と組み合わせられる前にその流出液から分割されるので、本発明による方法は『ジグザク・バイパシング』と呼ばれる。

    【0010】本発明の主な利点の1つは、それらの反応ゾーンの1つをバイパスする炭化水素のいずれも、あるいは0%も、その直列構成の次の反応ゾーンを通過しないことである。 この点で、本発明は1つの反応ゾーンをバイパスする炭化水素のいずれも、あるいは0%もその直列構成の次の反応ゾーンをバイパスしない先行技術による並列方式と同様の効果を有しており、1つの反応ゾーンをバイパスする炭化水素のすべて、あるいは100%
    がその直列構成の次の反応ゾーンもバイパスする先行技術のバイパス方式よりはるかに優れている。

    【0011】本発明のもう1つの利点は、この発明がバイパスされる反応ゾーンのすべてを通過する炭化水素原料の総量を最大化することである。 本発明においては、
    1 %が第1の反応ゾーンをバイパスされる第1の反応ゾーンに対する炭化水素含有原料の主要部分であり、B
    2 %が第2の反応ゾーンをバイパスされる上記第1の反応ゾーンの炭化水素含有流出液の主要部分である場合、
    両方の反応ゾーンを通過する炭化水素原料の総量はパーセンテージで表現すると(100−B 1 )%×(100−B 2
    %の積である。 例えば、その装置に対する炭化水素原料の10%が第1及び第2の反応ゾーンをバイパスされる場合、B 1 %は10%であり、B 2 %は11.1%であり、(100
    −B 1 )%×(100−B 2 )%の積は80%である。 そうすると、この例では、炭化水素原料の80%が両方の反応ゾーンを通過し、これに対して先行技術のバイパス方法の場合は(100−10)%、あるいは90%とやや高く、先行技術による並列フロー方法の場合は0%とずっと低い。

    【0012】これらの利点を要約すると、本発明では両方の反応ゾーンを通過する炭化水素の量はやや少なくなるが、両方の反応ゾーンをバイパスする炭化水素は全くないので、先行技術に基づくバイパス方法よりは優れている。 本発明は、また、両方のゾーンをバイパスする炭化水素はないが、両方の反応ゾーンを通過する炭化水素の量がずっと増大するので、先行技術による並列フロー方法より優れている。 両方の反応ゾーンをバイパスする炭化水素をできるだけ少なくすると同時に両方の反応ゾーンを通化する炭化水素をできるだけ多くすることによって、本発明では、先行技術の方法と比較して、炭化水素転化能力の増大がもたらされる。

    【0013】本発明は、直列結合の反応ゾーンを用いているだけでなく、それらの反応は吸熱性あるいは発熱性であるので、反応ゾーン間に中間的な加熱あるいは冷却ゾーンも用いている炭化水素転化法に対しても特に有効である。 本発明を用いることにより、その直列構成の最初の、あるいは上流の反応ゾーン間の中間加熱又は冷却ゾーンに対する負荷をその直列構成の後の方の、あるいは下流の反応ゾーンに移すことができる。 これは、それら反応ゾーンばかりでなく、中間加熱又は冷却ゾーンのボトルネックを解決することを必要とするプロセスに対しても有効であり得る。

    【0014】本発明は主として、その一部が他のものと比較してより大きな液容量を持つような一連の反応ゾーンを用いている既存の工程の処理能力の増大に適用できるが、この発明は、本発明がなければ、一連の反応ゾーンを通じて炭化水素が厳密に直列的に流れるように設計されるであろう新しい処理装置にも適用できる。

    【0015】1つの幅の広い実施の形態において、本発明は炭化水素含有チャージ・ストリームの第1の部分が第1の反応ゾーンに送られる炭化水素転化法である。 炭化水素は上記第1の反応ゾーンで反応して、そして、炭化水素を含んだ第1の流出ストリームがこの第1の反応ゾーンから抜き出される。 チャージ・ストリームの第2
    の部分と上記第1の流出ストリームは第2の反応ゾーンに送られる。 炭化水素は上記第2の反応ゾーン内部で反応し、そして炭化水素を含んだ第2の流出ストリームが上記第2の反応ゾーンから抜き出される。 上記第1の流出ストリームの第2の部分と第2の流出ストリームはその工程から回収される。

    【0016】本発明の別の実施の形態で、本発明は炭化水素含有チャージ・ストリームが第1の反応ゾーンに送られる炭化水素転化法である。 炭化水素は上記第1の反応ゾーンで反応し、そして炭化水素を含んだ第1の流出ストリームが上記第1の反応ゾーンから抜き出される。
    チャージ・ストリームの第2の部分と上記第1の流出ストリームの第1の部分は第2の反応ゾーンに送られる。
    炭化水素は上記第2の反応ゾーンで反応し、そして炭化水素を含む第2の流出ストリームは第2の反応ゾーンから抜き出される。 上記第1の流出ストリームの第2の部分と、上記第2の流出ストリームの少なくとも第1の部分は第3の反応ゾーンに送られる。 炭化水素はその第3
    の反応ゾーンで反応し、炭化水素を含有する第3の流出ストリームは上記第3の反応ゾーンから抜き出される。

    【0017】さらに別の実施の形態で、本発明は炭化水素を含むチャージ・ストリームを炭化水素を含んだリサイクル・ストリームが組み合わされて第1の混合ストリームが形成される改質法である。 上記第1の混合ストリームの第1の部分は加熱されて第1の改質ゾーンに送られ、そこで炭化水素は改質される。 炭化水素を含む第1
    の流出ストリームは上記第1の改質ゾーンから引き出される。 上記第1の結合ストリームの第2の部分と上記第1の流出ストリームの第1の部分は組み合わされて第2
    の混合ストリームを形成する。 上記第2の混合ストリームは加熱されて、第2の改質ゾーンに送られる。 炭化水素はその第2の改質ゾーン内で改質され、そして炭化水素を含んだ第2の流出ストリームは第2の改質ゾーンから引き出される。 上記第1の流出ストリームの第2の部分と上記第2の流出ストリームの第1の部分は結合されて第3の結合ストリームを形成する。 上記第3の混合ストリームは加熱されて第3の改質ゾーンに送られる。 この第3の改質ゾーンで、炭化水素が改質され、そして炭化水素を含んだ第3の流出ストリームが上記第3の改質ゾーンから引き出される。 上記第2の流出ストリームの第2の部分と上記第3の流出ストリームは組み合わされて第4の混合ストリームを形成する。 この第4の混合ストリームは加熱されて第4の改質ゾーンに送られ、底で、炭化水素が改質されて、そこから炭化水素を含む製品ストリームが回収される。

    【0018】本発明は少なくとも2つの反応ゾーンを有し、反応ストリームが上記反応ゾーンを直列的に流れていく反応システムにおける炭化水素含有反応ストリームの接触転化に適用される。 複数の反応ゾーンを有する反応システムは一般的には横方向に並べた形状か、積み重ねられた形状のいずれかをとる。 横並び方式では、それぞれひとつの反応ゾーンによて構成された複数かつ別個の反応容器がそれぞれに沿って配置される。 積み重ね方式では、ひとつの共通な反応ゾーンが相互に積み重ねられる複数かつ別個の反応ゾーンを含んでいる。 両方の反応システムで、反応が吸熱性か発熱性かによって、それら反応ゾーンの間に中間加熱又は冷却ゾーンが配置される場合がある。

    【0019】これらの反応ゾーンは降流、昇流、あるいは交差流などの炭化水素フロー用のいずれの数の構成を含んでいてもよいが、本発明が適用される最も普通の反応ゾーンは放射流である。 放射流反応ゾーンは一般的には変化する垂直断面積を有し、垂直方向及び同軸方向に配置されて反応ゾーンを形成する複数の円筒型部分で構成されている。 放射流反応ゾーンは一般的には共にその反応容器と同軸関係に配置された円筒型の外側触媒保持スクリーンと円筒型の内側触媒保持スクリーンを含む円筒型反応容器で構成されている。 内側のスクリーンは外側のスクリーンより小さな定格内側断面積を有しており、外側スクリーンは反応容器のそれより小さな定格内側断面積を有している。 反応物ストリームは反応容器の内壁と外側スクリーンの外壁との間の環状スペース内に導入される。 反応物ストリームは外側スクリーンを通過して、外側スクリーンと内側スクリーンの間の環状スペースを通じて放射状に流れ、そして内側スクリーンを通過する。 内側スクリーンより内側の円筒型スペース内に集められたストリームは反応容器から引き出される。 反応容器、外側スクリーン、及び内側スクリーンは円筒型であってもよいが、それらは三形、四角形、楕円形、
    あるいはダイアモンド型など、設計、製造、及び技術上の多くの要件に応じて他の適切な形であってもよい。 例えば、外側スクリーンが継続的な円筒型スクリーンでなく、反応容器の内壁の周囲に沿って配置された個別、楕円形、筒状スクリーンであることが普通である。 内側スクリーンは通常その周囲をスクリーンで覆われた多桁性センターパイプである。

    【0020】本発明は、好ましくは、触媒が反応ゾーンを通じて移動することができる粒子で構成される触媒性転化プロセスに適用される。 この触媒粒子はコンベアや輸送液を含む種々の移動装置のいずれかによって反応ゾーンを通じて移動することができるが、最も一般的には、この触媒粒子は重力によって反応ゾーン内を移動する。 通常、放射状の反応ゾーンにおいては、触媒粒子は内側スクリーンと外側スクリーンとの間の触媒床と呼ばれる環状スペースを満たしている。 触媒粒子は反応ゾーンの底部から引き出され、そして触媒粒子は反応ゾーンの上部部分に導かれる。 反応ゾーンから引き出された触媒粒子はその後そのプロセスから回収され、その工程の再生ゾーンで再生されるか、あるいは他の反応ゾーンにおくられる。 同様に、反応ゾーンに加えられる触媒粒子はその工程に新たに加えられる触媒である場合もあり、
    その工程内の再生ゾーン内で再生された触媒、あるいは別の反応ゾーンから送られた触媒である場合もある。

    【0021】積み重ね反応ゾーンを有し、本発明の実施にも用いることができる典型的な反応容器は米国特許出願No.3,706,536及び米国特許出願No.5,130,106に示されている。 ひとつの反応ゾーンから別の反応ゾーンへの重力で流れる触媒粒子の移動、新鮮な触媒粒子の導入、及び使用済みの触媒粒子の引き出しは触媒移送導管を通じて行われる。 こうした積み重ねシステム、あるいは横並びシステムの使用経験は、反応物が触媒粒子の移動床を通じて流れる反応ゾーンの液容量に制約があることを示している。 この制約は通常触媒ハング・アップ、あるいは触媒ピンニングと呼ばれる現象である。 簡単に言うと、ピンニングは放射状反応ゾーンにおいては、触媒粒子に作用するプロセス蒸気の水平方向の力がセンターパイプか他の触媒粒子に対して重力より大きな摩擦力をつくりだすことである。 その結果、触媒粒子はセンターパイプに対して『ピン』され、反応ゾーンを通じて下方に自由に流れなくなる。 ピンニングについては米国特許出願No.5,130,106の欄2、行4〜40により詳細に述べられている。

    【0022】本発明が適用可能な多重反応ゾーンを有する工程には、水素化、水素処理、脱水素化、異性化、脱水素異性化、脱水素環化、分解、水素化分解など広範な種々の炭化水素転化法があるが、本発明が適用可能で最も広く実践されている炭化水素転化法は接触改質法である。 従って、ここでの本発明の検討は、分かりやすくするために、接触改質反応システムへの適用を想定して行う。 簡単に言えば、接触改質においては、原料が水素を含むリサイクル・ストリームと混合され、反応ゾーンで触媒と接触させられる。 接触改質に有用な原料はナフサと呼ばれ、開始沸点が82℃(180°F)で終端沸点が203
    ℃(400°F)程度である石油留分である。 触媒性改質プロセスは比較的濃度の高いナフサ性及び基本的には直鎖のパラフィン系炭化水素で構成されており、脱水素化及び/又は環化反応を通じて芳香化される直留ナフサ類の処理に適用される。

    【0023】改質とは芳香族化合物をシクロヘキサン類の脱水素化とアルキルシクロペンタン類の脱水素アイソマー化、オレフィン類をつくりだすためのパラフィン類の脱水素化、芳香族化合物をつくりだすためのパラフィン類及びオレフィン類の脱水素環化、n−パラフィン類の異性化、シクロヘキサン類をつくりだすためのアルキルシクロパラフィン類の異性化、置換芳香族の異性化、
    そしてパラフイン類の水素化分解によってつくりだされる総合的な作用と定義することが可能である。 改質法に対するさらに詳しい情報は、例えば、米国特許出願No.
    4,119,526、米国特許出願No.4,409,095及び米国特許出願No.4,440,626に開示されている。

    【0024】接触改質反応は、通常、1つ又は複数の第
    VIII族(IUPAC8−10)貴金属(例えば白金、イリジウム、ロジウム、パラジウム)と耐火性無機酸化物などの多孔性基材と結合したハロゲンの存在下で行われる。 触媒は第VIII族金属を0.05〜2.0重量%程度含んでいてよい。 好ましい貴金属は白金である。 ハロゲンは通常塩素である。 アルミナが最も普通に用いられる基材である。 好ましいアルミナ材料はガンマ、エータ、及びテータ・アルミナとして知られており、ガンマ及びテータ・アルミナが最もよい結果をもたらす。 触媒の性能に関係する最も重要な性質はその基材の表面積である。 好ましくは、基材は100〜500m 2 /gの表面積を有している。
    粒子は通常球状で、直径は1.5〜3.1mm(1/16〜1/8インチ)の範囲であるが、6.35mm(1/14インチ)程度の大きさであってもよい。 しかしながら、特定の再生装置では、比較的狭いサイズ範囲の触媒粒子を用いるのが望ましい。 好ましい触媒粒子の直径は3.1mm(1/16インチ)である。

    【0025】改質法の過程で、触媒粒子がコークスに沈着するなどのメカニズムの結果として非活性化される。
    つまり、一定期間使用されると、改質反応を促進する触媒粒子の能力が、その触媒がもはや使えない程度にまで低下してしまう。 この触媒は改質工程で再使用する前に再調整、あるいは再生する必要がある。 好ましい形態では、改質法は移動床反応容器と移動床再生容器を用い、
    本発明はこうした改質法に適用できる。 再生された触媒粒子は通常いくつかの反応ゾーンによって構成される反応容器に送られ、粒子は重力によってそれら反応ゾーンを通じて流れる。 触媒は反応容器の底部から抜き出されて、再生容器に送られる。 再生容器では、通常、改質反応を促進するその最大限の能力まで回復させるためにその触媒を再生するために多段階再生法が用いられる。 米国特許出願No.3,652,231、米国特許出願No.3,647,680及び米国特許出願No.3,692,496は改質法での使用に適した触媒再生容器について述べている。 触媒は重力によって種々の再生ステップを通じて流れ、その後、再生容器から抜き出されて、反応容器に送られる。 使用済みの触媒を補うために新しい触媒を加えると同時に、それを工程から抜き出すための構成が取られる。 反応ゾーン及び再生容器を通じての触媒の動きはしばしば連続的と表現されるが、実際には半連続的である。 半連続的動きという表現は比較的少量の触媒が短い時間間隔で繰り返し送られることを意味している。 例えば、20分毎に1バッチが反応容器の底部から抜き出されたり、抜き出しに5分間かかり、つまり、触媒が5分間かかったりするなどの構成である。 容器内の触媒在庫量がこのバッチ・サイズと比較して比較的大きな場合は、この容器内の触媒床は連続的に稼働していると考えてよい。 移動床システムは触媒が移動されたり取り替えられたりしている間でも生産を維持できるという利点を有している。

    【0026】図は接触改質法に適用された本発明の1つの実施態様を示している。 この図は本発明を理解するために必要な機器とラインを示しているだけである。 この図は4個の積層反応ゾーン:上部の第1の反応ゾーン1
    0、中間の第2の反応ゾーン20、中間の第3の反応ゾーン30、及び基部の第4の反応ゾーン40を含む通常の反応容器100を示す。 これら4つの反応ゾーンは総触媒体積の分布が反応ゾーン10で10%、反応ゾーン20で15%、反応ゾーン30で25%、そして反応ゾーン40で50%となるように触媒床の長さと環状断面積に合わせてサイズが決められる。 通常の運転では、新鮮な、あるいは再生された触媒粒子がライン46と取入ノズル44から第1の反応ゾーン10内に導入される。 触媒粒子は重力で第1の反応ゾーン10から第2の反応ゾーン20へ、第2の反応ゾーン20から第3の反応ゾーン30へ、そして第3の反応ゾーン30から第4の反応ゾーン40へと流れる。 触媒粒子は最終的には取出口104とライン106を通じて共通反応容器100から抜き出される。 ライン106を通じて抜き出された触媒粒子は図面には示されていない従来の連続再生ゾーンに輸送することができる。 共通反応容器100を通じての触媒の流量は反応ゾーン10,20,30及び40内での望ましい程度の触媒性能(例えば、触媒の活性、望ましい製品の収量、そして望ましい製品の望ましくない副産物との選択性)を達成するために触媒粒子の抜き出し量を調節することで制御することができる。

    【0027】次に炭化水素のフローであるが、82〜204
    ℃(180〜400°F)沸点の直留ナフサ・ガソリン留分はライン12を通じて工程に入れられ、ライン16を通じて流れている水素を多く含んだガス流と混合されて混合フィード・ストリームを形成する。 この混合フィード・ストリームはライン14を通じて熱交換器110に流れ、この熱交換器が混合フィード・ストリームをライン108内を流れる第4の反応ゾーン40の流出ストリームとの熱交換によって加熱する。 加熱された混合フィード・ストリームはライン22を通じて送られ、2つの部分に分割される。
    混合フィード・ストリームの約90重量%は第1の反応ゾーン10へのフィード・ストリームとなる。 混合フィード・ストリームのこの部分はライン38を通じてチャージ・
    ヒーター50に送られ、このチャージ・ヒーター50がそのストリームを第1の反応ゾーン10の取入口の望ましい温度に加熱し、その後、ライン42を通じて第1の反応ゾーン10に送られる。 通常の反応ゾーン入口温度は圧力が3.
    5〜14kg/cm 2 (g)(50〜200psig)の場合に454〜549℃
    (850〜1020°F)の範囲である。 残りの約10重量%の混合フィード・ストリームはチャージ・ヒーター50と第1の反応ゾーン10の両方を迂回して、第2の反応ゾーン
    20に送られる。 この迂回された混合フィード・ストリームの部分はライン24、流量測定計器28、ライン26、調節バルブ34、及びライン36を通じて流れ、その後、ライン
    72、ヒーター60、及びライン74を介して第2の反応ゾーン20に入る。 この混合フィード・ストリームのこの部分の制御はフロー制御で作動される調節バルブ34によって行われる。 ライン24を通じての望ましい流量に対応する設定点がその計器28に示されている。 この計器28は実際の流量とライン24を通じての望ましい流量との間の差に対応した信号32を提供する。

    【0028】流出ストリームはライン48を通じて第1の反応ゾーン10から回収される。 第1の反応ゾーン10からの流出液は2つの部分に分割される。 その流出ストリームの約90重量%の部分はライン68を通じて送られ、ライン36を通じて流れている混合フィード・ストリームの迂回部分を混合して第2の反応ゾーン20に対するフィード・ストリームを形成する。 改質反応は通常吸熱性であるので、第2の反応ゾーンのフィード・ストリームはライン72と、そしてそのストリームを第2の反応ゾーン20の望ましい入口温度に加熱するヒーター60を通じて流れる。 加熱後、第2の反応ゾーンのフィード・ストリームはライン74を通じて送られ、第2の反応ゾーン20に入る。 第1の反応ゾーンからの流出ストリームの残りの約
    10重量%の部分はヒーター60及び第2の反応ゾーン20を迂回されて、第3の反応ゾーン30に送られる。 第1の反応ゾーンの流出ストリームのこの迂回された部分はライン52を通過し、測定計器54、ライン62、調節バルブ64を通じて流れ、ライン88、ヒーター70、及びライン90を通じて第3の反応ゾーンに入る。 第1の反応ゾーンの流出ストリームのこの部分の制御はライン52での実際の流量と望ましい流量の間の差に対応する信号56によるフロー制御によって作動する調節バルブ58によって行われる。
    流出ストリームはライン76を通じて第2の反応ゾーンから回収される。

    【0029】第2の反応ゾーン20からの流出ストリームは2つの部分に分割される。 流出ストリームの約90重量%はライン66を通じて送られライン64を通じて流れる第1の反応ゾーンからの流出ストリームの迂回部分と結合されて第3の反応ゾーン30に対するフィード・ストリームを形成する。 第3の反応ゾーンのフィード・ストリームはライン88と、そのストリームを第3の反応ゾーンの望ましい入口温度に加熱するヒーター70と、そしてライン92を通じて送られ、第3の反応ゾーンに入る。 第2の反応ゾーンからの流出ストリームの残りの10重量%の部分はヒーター70と第3の反応ゾーンの両方を迂回されて、第4の反応ゾーン40に送られる。 この第2の反応ゾーンの流出ストリームの迂回部分はライン78、フロー測定計器82、ライン88、調節バルブ86、及びライン94を通じて流れ、ライン96、ヒーター80、及びライン102を介して第4の反応ゾーン40に入る。 第2の反応ゾーンの流出ストリームのこの部分の制御は信号84によるフロー制御で作動する調節バルブ86によって行われる。 流出液はライン98を介して第3の反応ゾーン30から回収される。

    【0030】第3の反応ゾーン30からの流出ストリームはライン94を通じての第2の反応ゾーンからの流出ストリームと混合して、第4の反応ゾーン40へのフィード・
    ストリームを形成する。 第4の反応ゾーンのフィード・
    ストリームはライン96と、そのストリームを第4の反応ゾーン40の望ましい取入温度に加熱するヒーター80、そしてライン92を通じて送られ、第3の反応ゾーンに入る。 流出液はライン108を通じて第4の反応ゾーンから回収される。

    【0031】第4の反応ゾーン40からの流出液は熱交換器110に送られ、この熱交換器110がそのライン14を流れる混合フィード・ストリームとの熱交換を通じてその流出ストリームを冷却する。 その後、第4の反応ゾーンの流出ストリームはライン112を通じて、その流出ストリームをセパレータ90の望ましい入口温度に冷却する冷却器120に送られ、その後ライン114を通じてセパレ−タ90
    に送られる。 セパレータ90で、その流出ストリームはライン18を通じて抜き出される水素を含有したガス流と、
    ライン116を通じて抜き出される製品改質物を含む液体ストリームに分離される。 水素を多量に含んだガス流の一部はライン16を通じて流れ、そのプロセスに入れられた直留ナフサと混合されて、上に述べたように、共通反応容器100に循環される。 そのガス流の別の部分はライン118を通じて図示されていない通常の製品分離施設に送られ、水素を多量に含んだガス流が回収される。 『水素を多量に含む』とは水素含有量が少なくとも50mol%
    であるガス流を意味している。 製品改質物ストリームはライン116を通じてこれも図示されていない通常の製品分離施設に送られ、高オクタン価製品、例えば、リサーチ・クリア・オクタン価が95程度の改質物が回収される。

    【0032】なお、図の各反応ゾーンは1つの触媒床、
    外側スクリーン、内側スクリーンで構成されているが、
    本発明の範囲内の反応ゾーンはそれぞれひとつの触媒床、外側スクリーン及び内側スクリーンを有する2つそれ以上の反応容器も含んでいる。 従って、反応ゾーンは複数の反応容器を含むことができる。 その結果、1つの反応ゾーンをバイパスするストリームは複数の反応容器をバイパスすることができる。 例えば、2つの反応ゾーンを有し、第1の反応ゾーンが直列構成の2つの反応容器を有しており、第2の反応ゾーンが1つの反応容器を有するようなプロセスは本発明の範囲内である。 例えば、第1の反応ゾーンに送られるチャージ・ストリームの部分は第1の反応ゾーンの2つの反応容器を連続して通過する。 第1の反応ゾーンの第2の反応容器の流出液は、従って、第1の反応ゾーンの流出液となる。 その場合、本発明によれば、上記第1の反応ゾーンの一部は第2の反応ゾーンを迂回し、第1の反応ゾーンの流出液の残りは第1の反応ゾーンをバイパスしたチャージ・ストリームの部分と結合される。 この例は、ひとつの反応ゾーンを構成する反応容器の数に関して本発明を限定するものではない。

    【0033】図で総炭化水素フローのうちで各反応ゾーンを迂回、あるいはバイパスするフローの量は10重量%
    であるが、本発明の利点は、そのバイパス量が通常総炭化水素フローの0.1重量%〜99.9重量%の範囲である場合に、達成される。 しかしながら、プロセスの経済性と不可避的な転化ロスとから、バイパス量は好ましくは1
    重量%〜50重量%、そしてより好ましくは5重量%〜30
    重量%の範囲である。

    【0034】

    【発明の効果】本発明は、極めて簡潔な装置で、処理能力の高い効果的な炭化水素転化法を提供するものである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の炭化水素転化法の工程を示す説明図である。

    【符号の説明】

    10 第1の反応ゾーン 20 第2の反応ゾーン 30 第3の反応ゾーン 40 第4の反応ゾーン 50 チャージヒーター 100 反応容器

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