Method of manufacturing a phthalocyanine crystal

申请号 JP9128989 申请日 1989-04-11 公开(公告)号 JP2701446B2 公开(公告)日 1998-01-21
申请人 三菱化学株式会社; 发明人 重徳 大塚; 均 小野; 政行 廣井;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】少なくともトリフルオロ酢酸を含む溶媒を用い、フタロシアニン類を処理することを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はフタロシアニン結晶の新規な製造方法に関する。 更に詳しくは新たなフタロシアニン類の結晶型の変換に適した方法に関するものである。

    (従来の技術) フタロシアニン類は塗料、印刷インキ、樹脂の着色、
    触媒あるいは電子材料等として有用な化合物である。 フタロシアニン類は化合物として同一であっても種々の結晶型が存在し、結晶型により顔料の色調が異なったり、
    また電子材料の特性が大きく変化する。 そのためフタロシアニン類にあってはその結晶型を制御することが重要である。

    このための方法として、従来アシッドペースティング法やアシッドスラリー法、有機溶媒処理、ボールミル等により機械的歪を加える方法等がとられている。

    アシッドペースティング法は95%以上の濃硫酸にフタロシアニン類を溶解し、多量のに注いで結晶を析出させる方法であり、アシッドスラリー法は60〜80%の硫酸を用いてフタロシアニン類の硫酸塩を生成させ、そのスラリーを多量の水に注いで結晶を析出させる方法である。 硫酸の他にも塩酸、硝酸等も用いることができるが、いずれも無機酸であり、注入する溶媒はほぼ水に限られる。 得られる結晶型は不安定型または準安定型である。 アシッドペースティング法においてはフタロシアニンを溶解した後再結晶し、アシッドスラリー法においては硫酸塩を形成したのち再結晶させるため、再結晶時に不純物が除去され純度が向上することが期待できるが、
    フタロシアニンが再結晶するのは水中であるため、水不溶性の不純物の除去は期待できない。

    有機溶媒処理は、フタロシアニンをベンゼン、トルエン、キシレン等の有機溶媒に浸せき、または有機溶媒中で加熱処理する方法で、フタロシアニンの安定型結晶が得られる。 フタロシアニンの不安定型結晶または準安定型結晶を有機溶媒処理すると安定型に結晶転移し、安定型を有機溶媒処理すると安定型のまま結晶が成長する。
    いずれの場合もフタロシアニンは、一部溶解していると思われるが、完全に容解しているわけではなく純度の向上はあまり期待できない。

    機械的歪力を加える方法は、ボールミルやサンドミル等にフタロシアニンを入れ、機械的歪力を加えて結晶型を変換させる方法であり、有機溶媒や、食塩、芒硝等の磨砕助剤を用いることもある。 このような方法で得られるフタロシアニンとしてはX型無金属フタロシアニン、
    タウ型無金属フタロシアニン等が知られている。 この方法には、処理量が少ない、結晶が変換するまで長時間必要である、常に一定の結晶型を得るのがむずかしいといった問題がある。

    またこの方法ではフタロシアニンは溶解しないので純度の向上は期待できない。

    (発明が解決しようとする課題) 上記の従来の技術では任意の結晶型のフタロシアニン結晶を容易には得られず、又、純度がよく、かつ望む結晶型を得るためには上記の方法をいくつか組合せ複雑な工程を経るしかなかった。

    本発明者等はフタロシアニン結晶の工業的有利な製造方法を鋭意検討した結果、少なくともトリフルオロ酢酸を含む溶媒でフタロシアニン類を処理すれば容易にフタロシアニン類の結晶型を変換せしめ得ることを見出し、
    本発明に到達した。

    即ち、本発明の目的はフタロシアニン結晶を工業的有利に製造することにある。 本発明の他の目的は、フタロシアニン類の結晶型を変換すると同時に該フタロシアニン類の純度の向上も期待できるフタロシアニン結晶の工業的有利な製造方法を提供することにある。

    (課題を解決するための手段) しかして、かかる本発明の目的は、少なくともトリフルオロ酢酸を含む溶媒を用いて、フタロシアニン類を処理することにより容易に達成される。

    (作 用) 以下、本発明を詳細に説明する。

    本発明製造方法で原料となるフタロシアニン類とは無金属もしくは金属フタロシアニンまたはこれらの誘導体を指すこととし、1種類の化合物を単独で原料として用いてもよく、二種類以上のフタロシアニン化合物の混合物を用いてもよい。 これらのフタロシアニン類の例としては、無金属フタロシアニン;ベリリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、シリコンフタロシアニン、チタンフタロシアニン、バナジウムフタロシアニン、クロムフタロシアニン、マンガンフタロシアニン、鉄フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、ガリウムフタロシアニン、ゲルマニウムフタロシアニン、ジルコニウムフタロシアニン、ニオブフタロシアニン、モリブデンフタロシアニン、パラジウムフタロシアニン、銀フタロシアニン、カドミウムフタロシアニン、インジウムフタロシアニン、、スズフタロシアニン、アンチモンフタロシアニン、タンタルフタロシアニン、タングステンフタロシアニン、白金フタロシアニン、金フタロシアニン、水銀フタロシアニン、タリウムフタロシアニンおよび鉛フタロシアニン等の金属フタロシアニン並びにこれらの無金属または金属フタロシアニンのベンゼン環が塩素、フッ素、ニトロ基、シアノ基またはスルホン基等の置換基で置換されたフタロシアニン誘導体等をあげることができる。 また、かかるフタロシアニンと他の化合物との混合物をトリフルオロ酢酸を含む溶媒による処理に供してもよい。 例えば、電子写真感光体用のフタロシアニン結晶を製造する場合に、感光体の他の成分である化合物とともに処理に供してもよい。

    かかる化合物としては、例えばアゾ顔料、キノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、インダンスロン顔料、ペリノン顔料およびアントラピラゾール顔料等の顔料、クロラニル、テトラシアノキノジメタン、2,4,7
    −トリニトロ−9−フルオレノンおよび2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等の電子吸引性物質並びにカルバゾール誘導体、ピラゾリン類、ヒドラゾン類、オキサゾール系化合物、スチルベン系化合物およびトリアリールメタン系化合物等の電子供与性物質等をあげることができる。

    本発明において、「少なくともトリフルオロ酢酸を含む溶媒」とは、トリフルオロ酢酸単独でもよく、一種類または二種類以上の他の溶媒との混合物であってもよい。 他の溶媒としてはベンゼン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロルベンゼンおよびクロルナフタレン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびシクロヘキサノール等のアルコール類;ジクロルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、1,4−ジオオキサン、テトラヒドロフランおよびメチラール等のエーテルまたはアセタール類;アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、プロピオン酸および酪酸等の脂肪酸類並びにフェノール、クレゾールおよびキシレノール等のフェノール類を用いることができる。 これら溶媒の種類および割合を変えると、得られるフタロシアニン結晶の結晶型を変えることができるが、トリフルオロ酢酸は処理に供すべきフタロシアニン類を全量溶解せしめ得る量以上用いることが好ましい。

    具体的な量は、フタロシアニンの種類により異なるご、一般的には処理に供するフタロシアニン類1重量部に対してトリフルオロ酢酸0.1重量部以上が溶媒中に含まれるていることが好ましく、さらに後述する様に処理すべきフタロシアニン類の全量を完全に溶解させる場合には、フタロシアニン類1重量部に対しトリフルオロ酢酸が2重量部以上含まれていることが好ましい。 また、
    トリフルオロ酢酸と、一種類または二種類以上の他の溶媒との混合物を用いて溶解もしくは一部溶解または懸濁させる場合において、トリフルオロ酢酸1重量部に対し、他の溶媒は100重量部以下であることが好ましく、
    さらに処理すべきフタロシアニン類を完全に溶解させる場合には他の溶媒は10重量部以下であることが好ましい。

    フタロシアニン類を少なくともトリフルオロ酢酸を含む溶媒に溶解するに際し、通常は室温で溶解させるが、
    フタロシアニン類の溶解性を上げるため溶媒を加熱してもよい。 加熱温度はトリフルオロ酢酸の沸点である72.5
    ℃以下および混合した他の溶媒の沸点以下であることが好ましい。

    フタロシアニン類はトリフルオロ酢酸を含む溶媒に一旦完全に溶解させて再結晶させるのが純度の向上という点では好ましいが、必ずしも原料のフタロシアニン類を全量溶解させる必要はなく、該溶媒に一部溶解させ或は懸濁させ、フタロシアニン類を該溶媒に充分接触させるだけでも結晶型を容易に変えることができる。

    フタロシアニン類を再結晶させる場合にはその方法としては、たとえば溶解度の温度変化によって析出させる方法、溶媒の揮発濃縮によって析出させる方法、貧溶媒と混合して析出させる方法等があげられる。 なこでもフタロシアニン類を少なくともトリフルオロ酢酸を含む溶媒に溶解した後貧溶媒と混合して再結晶させる方法が純度の点では好ましく、特にフタロシアニン類を溶解した少なくともトリフルオロ酢酸を含む溶液を、水、有機溶媒等の溶媒に注入して再結晶させると単一の結晶型のフタロシアニン類が高純度で得られ、最も好ましい。 再結晶時に用い得る貧溶媒としてはベンゼン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよび四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびシクロヘキサノール等のアルコール類;ジクロルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランおよびメチラール等のエーテルまたはアセタール類;アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、プロピオン酸および酪酸等の脂肪酸類並びに水等を挙げることができ、これらを2種以上混合して用いてもよい。

    これら溶媒の種類、量、割合および温度等を適当に選ぶことによって、各種の結晶型を得ることができる。 また、これら溶媒中には先に詳述した原料のフタロシアニン類に混合されていてもよい化合物が溶解または分散していてもかまわない。

    (発明の効果) 以上のように本発明によれば、処理条件を選ぶことで簡便に各種結晶型のフタロシアニン結晶を選択的に製造することができ、特に、再結晶を経る方法を採った場合には純度の向上が期待でき、加えて再結晶させる溶媒が水でも各種有機溶媒でもよいため、処理を二度行なえば水溶性の不純物も水不溶性で有機溶媒可溶性の不純物も除去でき純度の著しい向上が期待でき、多大な工業的利益を提供するものである。

    (実施例) 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、
    本発明はその要旨を超えないかぎり、以下の実施例によって限定されるものではない。

    実施例1 図−1のような粉末X線回折スペクトル(A型に若干のB型が混合している結晶)を示すオキシチタニウムフタロシアニン(以下TiOPcの略す)5.0gをトリフルオロ酢酸15mlとクロロホルム30mlの混合溶媒に溶解した。

    この溶液を、シクロヘキサノン1中に撹拌しながら注入し、再結晶させた。 濾過した後メタノール500ml中で懸濁洗浄した。 更に、この濾過およびメタノール洗浄からなる操作を2回繰返した後、濾過し、60℃で減圧乾燥したところ、3.45gの青色の粉末を得た。 この粉末の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図−2のようにブラッグ(2θ±0.2゜)7.0゜、15.6゜、23.6゜および25.7゜に強い回折ピークを持つ回折スペクトルを示し、C型のTiOPc結晶であることがわかった。

    このようにA型TiOPcとB型TiOPcの混合物から、C型のTiOPc結晶を製造することができた。

    実施例2 実施例1で出発原料として使用したTiOPc5.0gをトリフルオロ酢酸15ml、フェノール15ml、クロロホルム30ml
    の混合溶媒に溶解した。 この溶液をクロロホルム1中に撹拌しながら注入し再結晶させた。 濾過後、クロロホルム500ml中で懸濁洗浄した。 再度濾過した後メタノール500mlで懸濁洗浄した。 更に、この濾過およびメタノール洗浄からなる操作を2回繰返した。 濾過後60℃で減圧乾燥し3.71gの粉末を得た。

    この粉末の粉末X線回折スペクトルを測定したところ図−3のようにブラッグ角(2θ±0.2゜)7.6゜、22.6
    ゜、25.5゜および28.7゜に強い回折ピークをもつ回折スペクトルが得られた。 これはB型のTiOPc結晶の粉末X
    線回折スペクトルである。

    このようにA型TiOPcとB型TiOPcの混合物からB型の
    TiOPc結晶を製造することができた。

    実施例3 実施例1で出発原料として用いたTiOPc5.0gをトリフルオロ酢酸15mlとクロロホルム30mlの混合溶解し、この溶液を50℃のクロロホルム1中に撹拌しながら注入し再結晶させた。 濾過後、50℃のクロロホルム500mlで懸濁洗浄し、これを再度濾過して60℃のメタノール500ml
    中で懸濁洗浄した。 再度濾過し、60℃のメタノール500m
    l中で懸濁洗浄した。 濾過したのち60℃で減圧乾燥し4.4
    8gの粉末を得た。

    この粉末の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図−4のように9.4゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、1
    5.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜および27.1゜に強い回折ピークを持つ回折スペクトルが得られた。 これはA型のTiOPcの粉末X線回折パターンである。

    このようにA型TiOPcとB型TiOPcの混合物からA型の
    TiOPc結晶を製造することができた。

    実施例4 実施例1で出発原料として用いたTiOPc5.0gをトリフルオロ酢酸2mlとクロロホルム48mlの混合溶媒に入れ十分撹拌した。 しばらく放置したところTiOPcは沈殿し、
    溶解しなかった。 これを45日間放置した後沈殿を取り出し、60℃のメタノール500mlで3時間懸濁洗浄した。 濾過後60℃で減圧乾燥し粉末3.86gを得た。

    この粉末の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図−5のようにブラッグ角(2θ±0.2゜)6.9゜、
    15.5゜、23.5゜および25.5゜に強い回折ピークを持つ回折スペクトルが得られた。 このパターンはC型TiOPcの粉末X線回折スペクトルに一致した。

    このようにTiOPcはトリフルオロ酢酸を含む混合溶媒に完全に溶解しなかったが、A型TiOPcとB型TiOPcの混合物からC型TiOPc結晶を製造することができた。

    実施例5 実施例1で出発原料として用いたTiOPc5.0gをトリフルオロ酢酸15ml、フェノール15ml、クロロホルム30mlの混合溶媒に溶解した。 この溶液にメタノール1を滴下し、溶解したTiOPcを再結晶させた。 濾過した後に60℃
    のメタノール500mlで懸濁洗浄し、更に、この濾過、メタノール洗浄を2回繰返した。 再び濾過した後60℃で減圧乾燥し4.59gの粉末を得た。

    この粉末の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図−6のようなものであった。 この粉末X線回折スペクトルは図−1と異なっており、出発原料とは異なった結晶型のTiOPc結晶が得られたことを示している。

    実施例6 クロロインジウムフタロシアニン(粉末X線回折スペクトルを図−7に示す)5.0gをトリフルオロ酢酸15ml、
    フェノール15ml、クロロホルム30mlの混合溶媒に入れ十分撹拌した。 しばらく放置したところ、ほとんど沈殿し一部しか溶解しないことが分った。 これを濾過して沈澱を取り出し、メタノール500mlで懸濁洗浄した後濾過した。 更にこの洗浄操作を2回行なった。 100℃で減圧乾燥し、粉末4.45gを得た。

    この粉末の粉末X線回折スペクトルを測定したところ図−8のようなパターであった。 このパターンは図7と異なっており、出発原料とは異なる結晶型のクロロインジウムフタロシアニン結晶が得られたことを示している。

    実施例7 実施例6で出発原料として用いたクロロインジウムフタロシアニン1.0g、トリフルオロ酢酸30mlに入れ、50℃
    に加熱して溶解した。 これをメタノール1に注入してクロロインジウムフタロシアニンを再結晶させた。 これを濾過したのち50℃で減圧乾燥し、0.57gの粉末を得た。

    この粉末の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図−9のようなパターンであった。 このパターンは図−7と異なっており、出発原料とは異なった結晶型のクロロインジウムフタロシアニン結晶が得られたことを示している。

    実施例8 マグネシウムフタロシアニン(東京化成試薬)1.03g
    をトリフルオロ酢酸30mlに入れ、 50℃に加熱して溶解し、これをメタノール1に注入し再結晶させた。 濾過後メタノールでふりかけ洗浄したのち60℃で減圧乾燥し、0.77gの粉末を得た。

    原料として用いたマグネシウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを図−10に、本実施例で得たマグネシウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトルを図−11に示す。 原料マグネシウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルは7.2゜および25.8゜に強い回折ピークを持つのにたいし、本実施例で得たマグネシウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトルは6.8゜、1
    4.9゜および26.2゜に強い回折ピークを持っていた。

    このようにして、原料とは異なる結晶型マグネシウムフタロシアニン結晶を製造することができる。

    実施例9 コバルトフタロシアニン(東京化成試薬)1.0gをトリフルオロ酢酸30mlに溶解し、これをメタノール1に注入し再結晶させた。 濾過後メタノールでふりかけ洗浄したのち50℃で減圧乾燥し、0.95gの粉末を得た。

    原料として用いたコバルトフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを図−12に、本実施例で得たコバルトフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトルを図−13に示す。 原料コバルトフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルは7.1゜、9.3゜、23.9で、26.4゜および30.6゜に強い回折ピークを持つのにたいし、本実施例で得たコバルトフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトルは9.
    0゜、20.6゜、21.8゜、23.3゜および29.8゜に強い回折ピークを持っていた。

    このようにして、原料とは異なる結晶型のマグネシウムフタロシアニン結晶を製造することができた。

    実施例10 実施例9で原料として用いたコバルトフタロシアニン
    1.0gをトリフルオロ酢酸30mlに溶解し、これをクロロホルム1に注入し再結晶させた。 これを濾過したのち50
    ℃で減圧乾燥し、0.47gのコバルトフタロシアニンを得た。

    このコバルトフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図−14のように7.2゜、15.8
    ゜および27.4゜に強い回折ピークを持つスペクトルが得られ、原料のコバルトフタロシアニンとは異なる結晶型のコバルトフタロシアニン結晶が製造できたことがわかった。

    【図面の簡単な説明】 図−1は実施例1〜5で原料として用いたオキシチタニウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル、図−2
    〜図−6はそれぞれ実施例1〜5で得られたオキシチタニウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル、図−
    7は実施例6および実施例7で原料として用いたクロロインジウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル、
    図−8および図−9はそれぞれ実施例6および実施例7
    で得られたクロロインジウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトル、図−10は実施例8で原料として用いたマグネシウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル、図−11は実施例8で得られたマグネシウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトル、図−12は実施例9および実施例10で原料として用いたコバルトフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル、図−13および図−
    14はそれぞれ実施例9および実施例10で得られたコバルトフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトルである。

    QQ群二维码
    意见反馈