Short half-life-tetrazol containing rapamycin analog

申请号 JP2000512835 申请日 1998-09-24 公开(公告)号 JP3790424B2 公开(公告)日 2006-06-28
申请人 アボット・ラボラトリーズAbbott Laboratories; 发明人 モリソン,カール・ダブリユ;
摘要
权利要求
  • 下記の式:
    で表される化合物、あるいはその薬学上許容し得る塩 、又は、アセチル、エタノイル、ピバロイル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、フタリジル、メトキシメチル、インダニルから選ばれるエステル形成基を有するプロドラッグ、又は、天然もしくは非天然のアミノ酸が該化合物のC−31位ヒドロキシル基とカップリングしたプロドラッグ。
  • 下記の式:
    で表される請求項1に記載の化合物。
  • 下記の式:
    で表される請求項1に記載の化合物。
  • 再狭窄の阻害を必要としている哺乳動物において再狭窄を阻害するための 医薬組成物であって 、治療上有効な量の請求項1の化合物 、あるいはその塩またはプロドラッグを含む 医薬組成物
  • 免疫または自己免疫疾患の阻害を必要としている哺乳動物において当該疾患を阻害するための 医薬組成物であって 、治療上有効な量の請求項1の化合物 、あるいはその塩またはプロドラッグを含む 医薬組成物
  • 移植後組織移植拒絶の阻害を必要としている哺乳動物において移植後組織移植拒絶を阻害するための 医薬組成物であって 、治療上有効な量の請求項1の化合物 、あるいはその塩またはプロドラッグを含む 医薬組成物
  • 真菌増殖の阻害を必要としている哺乳動物において真菌増殖を阻害するための 医薬組成物であって 、治療上有効な量の請求項1の化合物 、あるいはその塩またはプロドラッグを含む 医薬組成物
  • 癌の阻害を必要としている哺乳動物において癌を阻害するための 医薬組成物であって 、治療上有効な量の請求項1の化合物 、あるいはその塩またはプロドラッグを含む 医薬組成物
  • 说明书全文

    【0001】
    (技術分野)
    本発明は、免疫調節活性を有する新規な化学的化合物および該化合物の製造に有用な合成中間体に関し、詳細にはマクロライド系免疫調節剤に関する。 より詳細には、本発明はラパマイシンの半合成類似体、それらの製造手段、そのような化合物を含む薬学的組成物、およびそれを用いる治療方法に関する。
    【0002】
    (発明の背景)
    化合物シクロスポリン(シクロスポリンA)は、臓器移植および免疫調節の分野において導入されて以来、幅広い用途が見いだされており、移植手技の成功率を著しく高めてきた。 近年、強な免疫調節活性を有するいくつかのクラスの大環状化合物が発見された。 オクハラ(Okuhara)らによる1986年6月11日公開の欧州特許出願第184,162号は、ストレプトマイセス・ツクバエンシス(S.tsukubaensis)から単離された23員の大環状ラクトン、即ち免疫抑制剤FK−506を含む、ストレプトマイセス種から単離された多数の大環状化合物を開示している。
    【0003】
    FK−506とはC21位におけるアルキル置換基が異なる、FR−900520およびFR−900523などの他の関連する天然産物が、ストレプトマイセス・ヒグロスコピクス、ヤクシムナエンシス(S.hygroscopicus yakushimnaensis)から単離されている。 ストレプトマイセス・ツクバエンシスによって生産される別の類似体FR−900525は、ピペコリン酸部分がプロリン基によって置換されているという点でFK−506とは異なっている。 シクロスポリンおよびFK−506に付随する副作用、たとえば腎毒性などがまだ十分に解決されていないため、局所的には有効でありながらも全身的に影響を及ぼさない免疫抑制剤を含めた、高い有効性および安全性を有する免疫抑制化合物に関する研究が続けられている(米国特許第5,457,111号)。
    【0004】
    ラパマイシンは、ストレプトマイセス・ヒグロスコピクスによって生産される大環状トリエン抗生物質であって、in vitro(試験管内)およびin vivo(生体内)のいずれにおいても、抗真菌活性、特にカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に抗する活性を有することが見いだされている[C. ベジナ(Vezina)ら、J. Antibiot. 1975,28,721;S. N. セーガル(Sehgal)ら、J. Antibiot. 1975,28,727;H. A. ベーカー(Baker)ら、J. Antibiot. 1978,31,539;米国特許第3,929,992号;および米国特許第3,993,749号]。
    【0005】
    【化4】

    【0006】


    ラパマイシンは、単独(米国特許第4,885,171号)またはピシバニール(米国特許第4,401,653号)と組みあわせて、抗腫瘍活性を有することが示されている。 1977年、ラパマイシンは、多発性硬化症のモデルである実験的アレルギー性脳脊髄炎モデルにおいて、また慢性関節リウマチのモデルであるアジュバント関節炎モデルにおいて、免疫抑制剤として有効であることが示され、またIgE様の抗体の形成を効果的に阻害することも示された[R. マーテル(Martel)ら、Can. J. Physiol. Pharmacol. ,1977,55,48]。


    【0007】


    ラパマイシンの免疫抑制効果は、FASEB(1989,3,3411)の中にも開示されており、この文献において、ラパマイシンは組織不適合性げっ歯目動物における臓器移植片の生存時間を延長する能力を有すると開示されている[R. モーリス(Morris)、Med. Sci. Res. ,1989,17,877]。 ラパマイシンのT細胞活性抑制能については、M. ストラウヒ(Strauch)(FASEB,1989,3,3411)に開示されている。 ラパマイシンのこれらおよび他の生物学的効果は、「移植概説(Transplantation Reviews,1992,6,39−87)」にまとめられている。


    【0008】


    ラパマイシンのモノエステルおよびジエステル誘導体(31位および42位でエステル化)は、抗真菌剤として(米国特許第4,316,885号)、またラパマイシンの溶性プロドラック(米国特許第4,650,803号)として有用であることが示されている。


    【0009】


    ラパマイシンおよび30−デメトキシラパマイシンの発酵および精製については、文献に記載されている[C. ベジナ(Vezina)ら、J. Antibiot. (Tokyo)1975,28(10),721;S. N. セーガル(Sehgal)ら、J. Antibiot. 1975,28(10),727;1983,36(4),351;N. L. パヴィア(Pavia)ら、J. Natural Products,1991,54(1),167−177]。


    【0010】


    ラパマイシンの化学的修飾について多数の試みがなされてきた。 これらの試みには、ラパマイシンのモノおよびジエステル誘導体(WO92/05179)、ラパマイシンの27−オキシム(EPO 467606)、ラパマイシンの42−オキソ類似体(米国特許第5,023,262号)、二環ラパマイシン(米国特許第5,120,725号)、ラパマイシン二量体(米国特許第5,120,727号)、ラパマイシンのシリルエステル(米国特許第5,120,842号)並びにアリールスルホン酸塩およびアミド硫酸塩(米国特許第5,177,203号)の製造が含まれる。 最近になって、ラパマイシンは天然に存在する鏡像異性体の形で合成された[K. C. ニコラウ(Nicolaou)ら、J. Am. Chem. Soc. ,1993,115,4419−4420;S. L. シュライバー(Schreiber)、J. Am. Chem. Soc. ,1993,115,7906−7907;S. J. ダニシェフスキー、J. Am. Chem. Soc. ,1993,115,9345−9346]。


    【0011】


    ラパマイシンは、FK−506と同様に、FKBP−12に結合することが知られている[Siekierka,J. J. ;Hung,S. H. Y. ;Poe,M. ;Lin,C. S. ;Sigal,N. H. Nature,1989,341,755−757;Harding,M. W. ;Galat,A. ;Uehling,D. E. ;Schreiber,S. L. Nature 1989,341,758−760;Dumont,F. J. ;Melino,M. R. ;Staruch,M. J. ;Koprak,S. L. ;Fischer,P. A. ;Sigal,N. H. J. Immunol. 1990,144,1418−1424;Bierer,B. E. ;Schreiber,S. L. ;Burakoff,S. J. Eur. J. Immunol. 1991,21,439−445;Fretz,H. ;Albers,M. W. ;Galat,A. ;Standaert,R. F. ;Lane,W. S. ;Burakoff,S. J. ;Bierer,B. E. ;Schreiber,S. L. J. Am. Chem. Soc. 1991,113,1409−1411]。 最近になって、ラパマイシン/FKBP−12複合体が、FK−506/FKBP−12複合体が阻害するタンパク質であるカルシニューリンとは別のタンパク質に結合することが発見された[Brown,E. J. ;Albers,M. W. ;Shin,T. B. ;Ichikawa,K. ;Keith,C. T. ;Lane,W. S. ;Schreiber,S. L. Nature 1994,369,756−758;Sabatini,D. M. ;Erdjument−Bromage,H. ;Lui,M. ;Tempest,P. ;Snyder,S. H. Cell,1994,78,35−43]。


    【0012】


    これらの修飾化合物のいくつかは免疫抑制活性を示すものの、免疫抑制剤の半減期が長いことに部分的に起因する、免疫抑制治療に頻繁に伴う重大な副作用を引き起こさない大環状免疫抑制剤が必要とされている。 したがって、本発明の1つの目的は、望ましい免疫調節活性を持ちながらも、半減期が短縮されることにより不要な副作用を最小限に抑えると考えられる、新規な半合成マクロライドを提供することである。


    【0013】


    発明の要約本発明の1つの態様において、下記の構造式で表される化合物、あるいはその薬学上許容し得る塩またはプロドラッグが開示される。


    【0014】


    【化5】


    【0015】


    本発明の他の目的は、発酵によって得られた出発物質から上記の化合物を製造する合成方法、ならびにそのような合成方法において有用な化学的中間体を提供することである。


    【0016】


    本発明のさらなる目的は、有効成分として、少なくとも1つの上記化合物を含む薬学的組成物を提供することにある。


    【0017】


    本発明のさらに他の目的は、再狭窄、移植後組織拒絶反応、免疫および自己免疫機能不全、真菌増殖およびガンを含む様々な疾患状態の治療方法を提供することにある。


    【0018】


    発明の詳細な説明


    用語の定義


    本明細書中で用いる「プロドラッグ」という用語は、in vivo(生体内)において、たとえば血液中における加水分解などによって、上記式の親化合物に迅速に変換される化合物のことをいう。 T. ヒグチ(Higuchi)およびV. ステラ(Stella)による「新規な送達システムとしてのプロドラッグ」(A.C.S.シンポジウムシリーズVol.14)、ならびに、エドワード(Edward)B. ロシェ(Roche)編「ドラッグデザインにおける生物可逆性担体」(American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987)において、より徹底した検討がなされている。 上記の文献はいずれもここで参照として含める。


    【0019】


    本明細書中で用いる「薬学上許容し得るプロドラッグ」という用語は、健全な医療的判断の範囲において、過度の毒性、刺激およびアレルギー反応を引き起こすことなく、ヒトおよび下等動物の組織に接触させて使用するのに適しており、適正な利益/危険比が見合っており、目的とする用途に対して有効であるような、本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに、可能な場合には本発明の化合物の両性イオンの形のことをいう。 特に好ましい本発明の薬学上許容し得るプロドラッグは、本発明の化合物のC−31ヒドロキシル基のプロドラッグエステルである。


    【0020】


    本明細書中で用いる「プロドラッグエステル」という用語は、生理的条件下において加水分解されるいくつかのエステル形成基のいずれかのことをいう。 プロドラッグエステル基の例としては、アセチル、エタノイル、ピバロイル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、フタリジル、メトキシメチル、インダニルなど、ならびに、天然または非天然のアミノ酸を本発明の化合物のC−31ヒドロキシル基にカップリングして得られるエステル基が含まれる。


    【0021】


    実施形態


    本発明の1つの実施形態は、下記の式の化合物である。


    【0022】


    【化6】


    【0023】


    本発明の他の実施形態は、下記の式の化合物である。


    【0024】


    【化7】


    【0025】


    本発明の化合物の製造


    本発明の化合物および製造方法は、本発明の化合物を製造するための方法を説明する以下の合成図式に関連して、より深く理解されるであろう。


    【0026】


    本発明の化合物は、様々な合成経路によって製造することができる。 代表的な方法を図式1に示す。


    【0027】


    【化8】


    【化9】


    【0028】


    図式1に示されるように、ラパマイシンのC−42ヒドロキシルをトリフルオロメタンスルホン酸塩またはフルオロスルホン酸塩脱離基に変換することにより、Aが得られた。 この脱離基を束縛非求核性塩基、たとえば2,6−ルチジンもしくは好ましくはジイソプロピルアミンの存在下において、テトラゾールで置換することにより、エピマーBおよびCが得られ、これらをフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離、精製した。


    【0029】


    合成方法


    上記のことは以下の実施例を参照してさらに理解が深められるが、これらの実施例は、本発明の化合物を製造するために用いることのできる方法を説明するものであって、添付の請求項において定義される発明の範囲を限定することを意図するものではない。


    【0030】


    実施例1


    42−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(極性の低い異性体)


    実施例1A


    ジクロロメタン(0.6mL)にラパマイシン(100mg、0.11ミリモル)を溶解した溶液を、−78℃、窒素雰囲気下において、2,6−ルチジン(53μL、0.46ミリモル、4.3当量)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(37μL、0.22ミリモル)で順に処理し、その後15分間撹拌し、室温まで加温し、シリカゲル(6mL)のパッドを通してジエチルエーテルで溶出した。 トリフラートを含む画分を回収して濃縮し、標題の化合物を黄褐色泡状物として得た。


    【0031】


    実施例1B


    42−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(極性の低い異性体)


    酢酸イソプロピル(0.3mL)に溶解した実施例1Aの溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(87μL、0.5ミリモル)および1H−テトラゾール(35mg、0.5ミリモル)で順に処理し、その後18時間撹拌した。 この混合物を水(10mL)とエーテル(10mL)の間で分配した。 有機相をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(Na

    SO

    )させた。 有機相の濃縮により、粘着性の黄色固体が得られたが、これをシリカゲル上のクロマトグラフィーで、ヘキサン(10mL)、ヘキサン:エーテル(4:1(10mL)、3:1(10mL)、2:1(10mL)、1:1(10mL))、エーテル(30mL)、ヘキサン:アセトン(1:1(30mL))を用いて溶出することにより精製した。 エーテル画分中に一方の異性体が回収された。 MS(ESI) m/e 966(M)


    【0032】


    実施例2


    42−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(極性の高い異性体)


    実施例2A


    42−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(極性の高い異性体)


    実施例1Bにおけるヘキサン:アセトン(1:1)移動相を用いて、クロマトグラフィーカラムから移動度の遅いバンドを回収したところ、標題化合物が得られた。 MS(ESI) m/e 966(M)


    【0033】


    生物学的活性のin vitro検定


    本発明の化合物の免疫抑制活性は、キノ(Kino),T. らによって「移植手順(Transplantation Proceedings,XIX(5):36−39,Suppl.6 (1987))」の中に記載されているヒト混合リンパ球反応(MLR)検定を用いて決定した。 この検定の結果から、本発明の化合物は表1に示すように、ナノモル濃度において有効な免疫調節剤であることが実証された。


    【0034】


    【表1】


    【0035】


    実施例1および2の薬物速度論的動態は、カニクイザル(1群当たりn=3)に1回の2.5mg/kgの静脈内投与を行った後に特性付けした。 各化合物は、水ビヒクルの20%エタノール:30%プロピレングリコール:2%クレモファ(cremophor)EL:48%デキストロース5%中に2.5mg/mLの溶液として調製した。 1mL/kgの静脈内用量をゆっくりとしたボーラス(1〜2分)でサルの伏在静脈内に投与した。 血液試料は各個体の大腿動脈または静脈から、投与前、ならびに投与後0.1時間(IVのみ)、0.25時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、4時間、6時間、9時間、12時間、24時間および30時間後に採取した。 EDTA保存された試料をよく混合し、次の分析のために抽出した。


    【0036】


    血液のアリコート(1.0mL)を、内部標準を含む水(0.5mL)中20%メタノールで溶血させた。 溶血試料を酢酸エチルとヘキサンの混合物(1:1(v/v)、6.0mL)で抽出した。 有機層を室温にて窒素流により蒸発させて乾燥させた。 試料をメタノール:水(1:1、150μL)中に再構成した。 標題化合物(50μL注射)を逆相HPLCを用いて紫外線検出により不純物から分離した。 操作中、試料は低温(4℃)に保った。 各研究の全ての試料について、それぞれ個別にHPLCによる分析を行った。


    【0037】


    実施例1および2ならびに内部標準の曲線下面積(AUC)の測定値は、Sciex MacQuan

    TMソフトウェアを用いて決定した。 検量線は、対象となる血液標準液のピーク面積比(親薬物/内部標準)から、最小二乗線形回帰を用いて理論濃度に対して導出した。 この方法ではいずれの化合物に対しても標準曲線(相関>0.99)の範囲にわたって直線性が見られ、推定される定量限界は0.1ng/mLであった。 最高血中濃度(C

    MAX )および該最高血中濃度に達するまでの時間(T

    MAX )は、観測された血中濃度−時間のデータより直接的に読み取った。 血中濃度データは、CSTRIPを用いて多指数曲線に当てはめ、薬物速度論的パラメータの推定値を得た。 推定パラメータは、NONLIN84を用いてさらに定義した。 投与後0からt時間(最終の測定可能な濃度時点)までの血中濃度−時間曲線下の面積(AUC

    0〜t )は、血液−時間曲線に対する線形台形公式を用いて計算した。 最終測定血中濃度(C

    )として決定される無限大に外挿される残余面積を最終消失速度定数(β)で除算し、AUC

    0〜tに加算すると、全曲線下面積(AUC

    0〜 )が得られた。


    【0038】


    図1および表2に示されるように、実施例1および2のいずれも驚くべきことに、ラパマイシンと比較して、実質的に短い最終消失半減期(t

    1/2 )を有していた。


    【0039】


    【表2】


    【0040】


    治療方法


    本発明の化合物は、実施例において明記したものを含めて、またそれらに限定されることはないが、哺乳動物(特にヒト)における免疫調節活性を有している。 免疫抑制剤としては、本発明の化合物は免疫媒介性の病気、たとえば、心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚、膜、、膵臓、小腸、四肢、筋肉、神経、十二指腸、小腸、ランゲルハンス島細胞などの器官や組織の移植による抵抗、骨髄移植によって引き起こされる対宿主性移植片病、自己免疫疾患、たとえば慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎などの治療および予防に有用である。 さらなる用途としては、炎症性および高増殖性の皮膚病、ならびに免疫学的媒介疾患の発現の治療および予防、たとえば、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎や湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天然痘、水胞性類天然痘、表皮水疱症、じんま疹、血管性水腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、エリテマトーデス、ざ瘡、円形脱毛症、様々な(自己免疫性またはそれ以外の)眼病、たとえば、角結膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病に伴うブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜炎、角膜上皮性ジストロフィー、角膜白斑、および眼の天然痘などの治療および予防が含まれる。 さらに、喘息(たとえば、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、および塵埃喘息など)、特に慢性または難治性の喘息(たとえば、後発性の喘息および気道過敏反応など)、気管支炎、アレルギー性鼻炎などの状態を含む、可逆閉塞性気道疾病が本発明の化合物によるターゲットとなる。 胃潰瘍や脈管障害などの粘膜および血管の炎症は、虚血性疾患や血栓症によって引き起こされたものである。 さらに、高増殖性の脈管疾患、たとえば内膜平滑筋細胞増殖、再狭窄、および脈管閉塞などの、特に生物学的もしくは機械的にもたらされた脈管の損傷も本発明の化合物によって治療または予防することができるであろう。 他の治療可能な状態には、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、腸の炎症/アレルギー、たとえばコエリアック(Coeliac)病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病および潰瘍性大腸炎など;多発性筋炎やギラン−バレー症候群、メニエール病、多発神経炎、多発性神経炎、単発性神経炎および神経根障害などの神経疾患;甲状腺機能亢進症やバセドー病などの内分泌疾患;赤芽球ろう、再生不良性貧血、形成不全性貧血、血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、顆粒球減少症、悪性貧血、巨赤血球性貧血および赤血球形成不全などの血液疾患;骨粗鬆症などの骨疾患;サルコイドーシス、肺線維症、特発性間質性肺炎などの呼吸疾患;皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー感受性、皮膚T細胞リンパ腫などの皮膚疾患;動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈症候群、結節性多発性動脈炎、心筋症などの循環疾患;強皮症、ウェグナー肉芽腫、ショーグレン症候群などのコラーゲン疾患;脂肪症;好酸球性筋膜炎;歯肉、歯周組織、歯槽突起およびセメント質の病変などの歯周疾患;糸球体腎炎などのネフローゼ症候群;脱毛を予防するか若しくは毛髪の発芽を提供および/または発毛および育毛を促進することにより、男性型脱毛症または老人性脱毛症;膿皮症およびセザリー症候群;アジソン病;活性酸素媒介性疾患、たとえば、保蔵、移植または虚血性疾患(たとえば血栓症や心筋梗塞など)の際に発生する器官(心臓、肝臓、腎臓および消化管など)の虚血性再灌流障害などの器官障害;内毒素性ショック、偽膜性腸炎、薬物または照射に起因する腸炎などの腸管内疾患;虚血性急性腎不全や慢性腎不全などの腎臓疾患;肺酸素または薬物(たとえばパラコートやブレオマイシン)によって引き起こされる中毒、肺癌および肺気腫などの肺疾患;白内障、シデローシス、網膜炎、色素沈着、老人性黄斑変性、硝子体瘢痕、角膜アルカリ熱傷などの眼疾患、多形紅斑、直線IgAボール状皮膚炎(linear IgA ballous dermatitis)、セメント皮膚炎などの皮膚炎;およびその他の疾患、たとえば、環境汚染(たとえば空気汚染)、老化、発癌、癌の転移および低圧病に起因する疾患;ヒスタミンまたはロイコトリエンC

    放出に起因する疾患;腸管、血管または神経ベーチェット病、ならびに口腔、皮膚、目、外陰、関節、精巣上体、肺、腎臓などに影響を及ぼすようなベーチェット病などのベーチェット病などが含まれるが、これらに限定されることはない。 さらに、本発明の化合物は、肝疾患、たとえば、免疫原性疾患(たとえば、自己免疫肝炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎などの慢性自己免疫性肝疾患)、部分肝臓切除、急性肝臓壊死(たとえば毒素、ウィルス性肝炎、ショックまたは酸素欠乏に起因する壊死)、B型ウィルス性肝炎、非A・非B型肝炎、肝硬変(アルコール性肝硬変など)、ならびに、激症肝不全、遅発性肝不全、「慢性上急性(“acute on chronic”)」肝不全(慢性肝疾患上の急性肝不全)などの治療および予防に有用である。 また、化学的治療効果の増大、サイトメガロウィルス感染、特にHCMV感染に対する活性、抗炎症活性などの有用な活性を有することから、硬化性および線維性の疾患、たとえばネフローゼ、強皮症、肺線維症、動脈硬化症、うっ血性心不全、心室肥大、外科手術後付着および瘢痕、発作、心筋梗塞、ならびに虚血および再灌流に伴う損傷などの様々な疾患に対して有用である。


    【0041】


    さらに、本発明の化合物はFK−506拮抗性を有する。 したがって本発明の化合物は、免疫低下または免疫低下を伴う障害の治療にも用いることができる。 免疫低下を伴う障害の例には、AIDS、癌、真菌感染、老年痴呆、外傷(創傷治療、外科手術、およびショックを含む)、慢性細菌感染およびある種の中枢神経系損傷が含まれる。 治療すべき免疫低下は、免疫抑制大環状化合物、たとえばFK−506やラパマイシンなどの、12−(2−シクロヘキシル−1−メチルビニル)−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.0

    4,9 ]オクタコス−18−エンの誘導体の過剰投与に起因することもある。 患者によるそのような薬剤の過剰投与は、処方された時間に薬を飲み忘れてしまったとの認識から、かなりよく起こることであり、これにより重大な副作用が生じることもある。


    【0042】


    本発明の化合物が増殖性疾患の治療に有効であることは、バンチマン(Bunchman)ETおよびCAブルックシャイヤ(Brookshire)のTransplantation Proceed.

    23 967−968 (1991);ヤマギシ(Yamagishi)らのBiochem. Biophys. Res. Comm.

    191 840−846 (1993);およびシチリ(Shichiri)らのJ. Clin. Invest.

    87 1867−1871 (1991)に記載された方法に従って実証した。 増殖性疾患には、平滑筋増殖、全身性硬化症、肝硬変、成人呼吸促進症候群、突発性心筋症、エリテマトーデス、糖尿病網膜症あるいはその他の網膜症、乾癬、強皮症、前立腺肥大、心肥大、動脈損傷後の再狭窄、または血管の他の病理学的狭窄が含まれる。 さらにこれらの化合物は、いくつかの増殖因子に対する細胞応答に拮抗し、すなわち抗脈管形成特性を有し、この性質が該化合物を、肺、肝臓および腎臓の線維性疾患だけでなく、ある種の腫瘍の増殖を制御または逆転に有用な物質としている。


    【0043】


    本発明の水性液体組成物は、自己免疫疾患(たとえば、円錐角膜、角膜炎、ダイソフィア(dysophia)上皮角膜、白斑、モーレン潰瘍、硬化症(sclevitis)およびグレーブス眼症を含む)および角膜移植の拒絶の治療および予防に特に有用である。


    【0044】


    上記および他の治療に用いられる場合、治療上有効な量の本発明の化合物の1つを純粋な形態で使用することができるが、そのような形態は薬学上許容し得る塩、エステルまたはプロドラッグの形で存在する。 あるいは化合物は、当該化合物と1つまたはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤とを組みあわせて含む薬学的組成物として投与することもできる。 本発明の化合物の「治療上有効な量」という表現は、あらゆる医療的治療に適用できる適切な利益/危険比において、疾患を治療するのに十分な量の化合物を意味する。 しかしながら、本発明の化合物および組成物の全日用量は、担当医師の健全な医療的判断の範囲内で決定されるものであることが理解されよう。 ある患者に対する特別の治療上有効な投与量は、治療中の障害やその障害の重さ、使用する特定の化合物の活性、使用する特定の組成物、患者の年齢、体重、全健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、および使用する特定の化合物の排出、治療の持続期間、使用する特定の化合物と組みあわせてあるいは同時に用いられる薬物、および医療分野において周知の要素を含むあらゆる要素によって決まる。 たとえば、化合物の投与を所望の治療効果を達成するために必要な容量よりも低いレベルからスタートし、所望の効果が達成されるまで徐々にその投与量を増加させていくことは、当業者にとって周知である。


    【0045】


    ヒトまたは他の低級動物に対して投与される、本発明の化合物の全日用量は、約0.01mg〜10mg/kg/日とすることができる。 経口投与の目的のための、より好ましい用量は約0.001mg〜約3mg/kg/日とすることができる。 所望により、投与目的のために有効日用量は複数回の投与に分割し、一回投与量組成物が日用量を構成する量もしくはその約量を含むようにしてもよい。 局所投与は、その投与部位に応じて約0.001%〜約3%(mg/kg/日)の範囲の用量を含んでいてもよい。


    【0046】


    薬学的組成物


    本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物と、経口、直腸、非経口、槽内、腟内、腹腔内、局所(粉剤、軟膏剤、またはドロップ剤などによって)、口腔(頬)、あるいは経口または経鼻スプレー剤として投与可能な薬学上許容し得る担体または賦形剤とを含んで構成される。 「薬学上許容し得る担体」という表現は、あらゆる種類の、無毒で不活性な固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル材料、または調剤補助剤を意味する。 本明細書中で用いる「非経口」という用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内注射および注入を含む投与様式のことをいう。


    【0047】


    非経口投与のための本発明の薬学的組成物は、薬学上許容し得る無菌の水性または非水性溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、ならびに使用直前に無菌の注射用溶液または分散液内において再構成される無菌の粉剤とを含んで構成される。 適切な水性または非水性の担体、希釈剤、溶剤、またはビヒクルには、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの適当な混合物、植物油(オリーブ油など)、および注射用有機エステル、たとえばオレイン酸エチルなどが含まれる。 適当な流動性は、たとえば、レシチンなどのコーティング剤の使用により、分散液の場合には要求される粒子サイズを維持することにより、また界面活性剤の使用により維持することができる。


    【0048】


    上記の組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤などの補助剤を含んでいてもよい。 微生物の作用は、様々な抗細菌および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含有することで阻止することができる。 糖類、塩化ナトリウムなどの等張化剤を含有することが望ましい場合もある。 注射用剤形の遅延吸収は、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンなどの吸収を遅らせる物質を含有することによって実現できる。


    【0049】


    場合によっては、薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望まれることもある。 これは、溶解度の低い結晶または非晶質の物質の液体サスペンションを用いることによって達成することができる。 この場合、薬物の吸収速度はその溶解度、ひいてはその結晶の大きさおよび結晶形状に依存する。 あるいは、非経口投与される剤形の遅延吸収は、薬物を油状ビヒクルに溶解または懸濁するこ

    によって達成することができる。


    【0050】


    注射用デポー製剤は、ポリラクチド−ポリグリコライドなどの生分解性ポリマーに薬物のミクロカプセル化マトリックスを形成することによって製造される。 ポリマーに対する薬物の比率ならびに使用した粒子状ポリマーの性質に応じて、薬物の放出速度を制御することができる。 生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。 デポー注射用製剤は、薬剤を体組織に適合するリポソームまたはミクロエマルション内に捕捉させることによっても製造することができる。


    【0051】


    注射用製剤は、たとえば細菌保持フィルタに通すろ過によって、あるいは、使用前に無菌水または他の無菌の注射用溶媒に溶解または分散させることのできる無菌固体組成物の形の滅菌剤を組み込むことによっても滅菌することができる。


    【0052】


    経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤および顆粒剤を含む。 そのような固体剤形においては、活性化合物は少なくとも1つの不活性で薬学上許容し得る賦形剤または担体、たとえばクエン酸ナトリウムやリン酸二カルシウムなど、および/または、a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤、b)たとえばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、アカシアゴムなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカデンプン、アルギン酸、ケイ酸塩類、炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶液徐放化剤、f)第四アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)セチルアルコールやモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤化剤、h)カオリンやベントナイト粘土などの吸収剤、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、およびそれらの混合物と混合される。 カプセル剤、錠剤、丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含み得る。


    【0053】


    類似のタイプの固体組成物は、高分子量のポリエチレングリコールだけでなく、ラクトースあるいは乳糖などの賦形剤を用いる、ゼラチンで充填されたソフトまたはハードカプセル剤、または液体充填カプセル剤の充填剤として使用することもできる。


    【0054】


    錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤といった固体剤形には、腸溶コーティングや薬学的製剤の技術において周知の他のコーティングなどのコーティングおよび保護を施すことができる。 それらは任意に遮光剤を含んでいてもよく、また有効成分を腸管路のある部分に排他的もしくは優先的に、そして任意で徐放的に放出するような組成物からなるものであってもよい。 使用され得る包埋組成物には、高分子物質およびワックスが含まれる。


    【0055】


    活性化合物は、適時、1つまたはそれ以上の上記賦形剤とともにマイクロカプセル化された剤形をとることもできる。


    【0056】


    経口投与のための液体剤形には、薬学上許容し得るエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが含まれる。 活性化合物に加えて、液体剤形には、技術上一般的に用いられている不活性希釈剤、たとえば水や他の溶剤、可溶化剤および乳化剤、たとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に綿実油、グランドナッツ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含んでいてもよい。


    【0057】


    不活性希釈剤に加えて、経口用組成物は、湿潤化剤、乳化および懸濁化剤、甘味剤、着香剤、および芳香剤などの補助剤を含んでいてもよい。


    【0058】


    サスペンションは、活性化合物に加えて、懸濁化剤、たとえばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、ならびにそれらの混合物を含んでいてもよい。


    【0059】


    局所投与は、肺および目の表面を含む皮膚または粘膜への投与を含む。 吸入用の組成物を含む局所投与のための組成物は、加圧または非加圧のいずれであってもよい乾燥粉剤として製造することができる。 非加圧粉末組成物において、微細に粉砕された状態にある有効成分は、直径がたとえば100μmまでの大きさの粒子から成るより大きい薬学上許容し得る不活性担体と混合して使用することができる。 好ましくは、有効成分の少なくとも95重量%の粒子が、0.01〜10μmの範囲の有効粒子径を有する。 皮膚上の局所使用のための組成物は、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、およびゲル剤を含んでいてもよい。


    【0060】


    あるいは、組成物は加圧されて、窒素などの圧縮ガスや液化ガス推進薬を含んでいてもよい。 液化推進薬媒体ならびに実際には全組成物は、好ましくは、有効成分が実質的に全くこの媒体内に溶解していないものとする。 加圧された組成物は界面活性剤を含んでいてもよい。 界面活性剤は、液体または固体の非イオン性の界面活性剤であってもよいし、あるいは、固体のアニオン性界面活性剤であってもよい。 ナトリウム塩の形の固体アニオン性界面活性剤が好適に用いられる。


    【0061】


    局所投与の別の形態としては、自己免疫疾患、アレルギー性または炎症性状態、および角膜移植などの目の免疫媒介性状態の治療に関する目への投与がある。 本発明の化合物は、化合物を眼の角膜および内部領域、たとえば、前眼房、後眼房、硝子体、房水、硝子体液、角膜、虹彩/毛様体、水晶体、脈絡膜/網膜、および胸膜まで浸透させるのに十分な時間、該化合物を目の表面に接触させておくことができるように、薬学上許容し得る眼用ビヒクルに保持させて送達される。 薬学上許容し得る眼用ビヒクルは、たとえば軟膏剤、植物油またはカプセル化材料などであってもよい。


    【0062】


    直腸または腟内投与のための組成物は、好ましくは坐剤であって、該坐剤は、本発明の化合物を適切な非刺激性賦形剤または担体、たとえば、周囲温度においては固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣腔内で溶解して活性化合物を放出するような、カカオ脂、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックスなどと混合することによって製造することができる。


    【0063】


    本発明の化合物はリポソームの形でも投与することができる。 技術上周知のように、リポソームは一般にリン脂質または他の脂質から得られる。 リポソームは、水性溶媒に分散された単層または多層ラメラ構造の水和液晶により構成される。 リポソームを形成できる無毒の生理学的に許容し得る代謝可能な脂質であれば、あらゆるものが使用できる。 リポソームの形態をとる本発明の組成物は、本発明の化合物の他に、安定剤、保存剤、賦形剤などを含んでいてもよい。 好ましい脂質は、天然および合成の、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。 リポソームを形成するための方法は技術上周知である。 たとえば、プレスコット(Presott)編、「細胞生物学における方法(Methods in Cell Biology)」第14巻(Academic Press,New York,N.Y.(1976),p.33−)を参照のこと。


    【0064】


    本発明の化合物は、1つまたはそれ以上の免疫抑制剤と同時に投与してもよい。 本発明の範囲に含まれる免疫抑制剤には、IMURAN

    (R)アザチオプリンナトリウム、ブレキナ(brequinar)ナトリウム、SPANIJIN

    (R)ガスペリマストリヒドロクロライド(デオキシスペルグアリンとしても知られている)、ミゾリビン(ブレジニンとしても知られている)、CELLCEPT

    (R)マイコフェノレートモフェチル、NEORAL

    (R)シクロスポリンA(SANDIMMUNE

    (R)の商標をもつ別のシクロスポリンA製剤としても示される)、PROGRAF

    (R)タクロリマス(FK−506としても知られている)、シロリムスおよびRAPAMUNE

    (R) 、レフルノマイド(HWA−486としても知られている)、プレドニソロンおよびその誘導体などのグルココルチコイド、オルトクローン(OKT3)およびZenapax

    (R)などの抗体治療薬、および胸腺グロブリンなどの抗胸腺細胞グロブリンが含まれるが、それらに限定されることはない。


    【0065】


    上記詳細な説明およびそれに関連する実施例は、説明のためだけのものであって、添付の請求項ならびにその同等物によってのみ定義される本発明の範囲を限定するものではないことが理解される。 開示された実施形態に対する様々な変更および変形は、当業者にとって明らかであろう。 化学的構造、置換基、誘導体、中間体、合成、調剤および/または本発明の使用方法に関連し、限定を含まないそのような変更および変形は、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りで行うことができる。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】 図1は、サルに投与されたテトラゾール含有ラパマイシン類似体の血中濃度±SEM(n=3)を示した図である。

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