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担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法

阅读:823发布:2024-01-15

专利汇可以提供担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法に係り、従来の液クロマトグラフまたはフィルタを用いた処理に対して、その分離・精製をより効率的かつ迅速に行うことができることを目的としてなされたものであり、気体の吸引吐出に用いられるノズルまたはノズルに装着される部材に装着可能な装着用開口部、および前記気体の吸引吐出によって 流体 の流入および流出が可能な口部を有するチップ状容器と、前記チップ状容器内に封入され、前記流体中の生体物質を吸着させ、または該生体物質と反応もしくは結合することが可能な担体とを有する用に構成する。,下面是担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法专利的具体信息内容。

  • 気体の吸引吐出に用いられるノズルまたはノズルに装着される部材に装着可能な装着用開口部、および前記気体の吸引吐出によって流体の流入および流出が可能な口部を有するチップ状容器と、前記チップ状容器内に封入され、前記流体中の生体物質を吸着もしくは捕獲させ、または該生体物質と反応もしくは結合することが可能な担体とを有する担体封入チップ。
  • 前記チップ状容器は、前記担体が収容される担体収容管、前記担体収容管と連通し該担体収容管の下側に設けられ、前記担体収容管より細く形成された流管を有し、前記装着用開口部は前記担体収容管の上側に設けられ、前記口部は前記流管の先端に設けられた請求の範囲第1項に記載の担体封入チップ。
  • 前記チップ状容器内に流入した流体と接触可能となるように、前記担体を該チップ状容器内に封入する封入部を該チップ状容器に設けた請求の範囲第1項または請求の範囲第2項に記載の担体封入チップ。
  • 前記封入部は、流入した流体と接触可能となるように前記チップ状容器の前記口部と前記装着用開口部との間を仕切るようにチップ状容器とは別体に設けられた1または2以上の担体通過阻止部材を有する請求の範囲第3項に記載の担体封入チップ。
  • 前記封入部は、前記装着用開口部と前記口部との間で前記チップ状容器の内壁面を仕切るように、該内壁面に、内側方向に突出する突出部、口部に向かって先細りの傾斜面または口部に向かって内側方向に突設する段差を設けた請求の範囲第3項に記載の担体封入チップ。
  • 前記担体は、複数の粒子状担体からなる充填剤である請求の範囲第3項ないし請求の範囲第5項のいずれかに記載の担体封入チップ。
  • 前記担体は、貫通性多孔質のブロック状充填剤またはブロック状フィルタである請求の範囲第1項乃至請求の範囲第5項のいずれかに記載の担体封入チップ。
  • 前記突出部、傾斜面または段差は、前記担体または前記通過阻止部材を前記チップ状容器に係止して保持している請求の範囲第5項に記載の担体封入チップ。
  • 前記チップ状容器の壁の全体または一部は、所定電気抵抗をもつ導電性部材で形成された請求の範囲第1項乃至請求の範囲第8項のいずれかに記載の担体封入チップ。
  • 前記担体が封入されたチップ状容器の内、流体を収容可能な空間の容積は数マイクロリットルから数百マイクロリットル程度である請求の範囲第1項乃至請求の範囲第9項のいずれかに記載の担体封入チップ。
  • 前記チップ状容器は、太管、太管より細く形成された細管、および太管と細管との間の移行部からなり、前記装着用開口部は、前記太管に形成され、前記口部は前記細管の先端に形成され、前記封入部は、前記移行部の段差または傾斜面を利用して、前記担体または担体通過阻止部材を前記チップ状容器に設けた請求の範囲第3項に記載の担体封入チップ。
  • 前記封入部として、前記装着用開口部と前記口部との間で前記チップ状容器の内壁面を仕切るように、該内壁面に、内側方向に突出する突出部、口部に向かって先細りの傾斜面または口部に向かって内側方向に突設した段差を前記装着用開口部と前記口部を結ぶ方向に沿って相互に離間して少なくとも2箇所に設け、これらの突出部、傾斜面または段差の内の少なくとも1を用いて前記担体を前記チップ状容器に封入する請求の範囲第3項ないし請求の範囲第11項のいずれかに記載の担体封入チップ。
  • 気体の吸引吐出を行う1または複数連のノズルを有するノズルヘッドと、該ノズルを介して気体の吸引吐出を行う吸引吐出機構と、前記ノズルまたはノズルに装着される部材に装着されまたは装着可能であって、流体中の生体物質の吸着もしくは捕獲、または該生体物質との反応もしくは結合が可能な担体を封入した1または2以上の担体封入チップと、種々の液体を収容しまたは収容可能な液収容部群を設けたステージと、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に相対的に移動させる移動手段と、前記ノズルの吸引もしくは吐出の量、スピード、回数、時間または位置を、前記ノズル、ノズルに装着される部材もしくは担体封入チップの構造、流体中に存在する物質の種類、濃度、流体の量、流体もしくは担体の温度または該流体の収容位置� ��含む座標位置からなる物質条件、および、処理内容に基づいて制御する制御部とを有する担体処理装置。
  • 前記担体が封入されたチップ状容器の内、流体を収容可能な空間の容積が、数マイクロリットルから数百マイクロリットル程度である請求の範囲第13項に記載の担体処理装置。
  • 前記担体封入チップの前記チップ状容器の外側に、外部からの信号によって温度を昇降させる温度昇降体を接近させ、または接近可能に設けた請求の範囲第13項または請求の範囲第14項のいずれかに記載の担体処理装置。
  • 前記ノズルヘッドは、列方向に配列された複数連の一括ノズルおよび1の個別ノズルが列方向に沿って配列され、前記吸引吐出機構は、前記ノズルヘッドの一括ノズルおよび個別ノズルに対して一斉に気体の吸引吐出を行い、前記移動手段は、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に対して相対的に前記行方向に沿って移動させるノズルヘッド移動手段、ならびに、前記一括ノズルの移動経路上であって、前記列方向に沿う列搬送経路および、前記個別ノズルの移動経路上であって、前記行方向に沿う行搬送経路を含む搬送経路を有し、前記一括ノズルから脱着したチップ状容器または前記一括ノズルヘッドから吐出された液体を各々収容可能な搬送収容部を前記搬送経路に沿って搬送する行列経路搬送手段を有する請求の範囲第13項ないし� ��求の範囲第15項のいずれかに記載の担体処理装置。
  • 前記行列経路搬送手段の前記搬送経路に沿った所定位置に、脱着した前記チップ状容器又は前記チューブ内の光を受光する受光手段を設けた請求の範囲第16項に記載の担体処理装置。
  • 気体の吸引吐出を行う1または複数連のノズルまたは該ノズルに装着された部材に装着可能な装着用開口部および気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部を有するチップ状容器内に、流体中の生体物質の吸着もしくは捕獲、または該生体物質との反応もしくは結合が可能な担体を封入し、該容器の装着用開口部において前記吸引吐出機構に用いられる部材に装着する封入工程と、前記チップ状容器を装着したノズルを、所定の液収容部に移動し、前記吸引もしくは吐出の量、スピード、回数、時間または位置からなる吸引吐出の動作を、前記ノズル、該ノズルに装着された部材もしくは前記担体封入チップの構造、流体中に存在する生体物質の種類、濃度、液体の量、前記担体もしくは流体の温度または該液体の収容位置を含む座� ��位置からなる物質条件、および、処理内容に基づいて制御することによって前記担体と液収容部に収容されている液体とを接触させて反応させる反応工程と、を有する担体処理方法。
  • 前記反応工程は、前記担体封入チップ内からの光を受光する測定工程を有する請求の範囲第18項に記載の担体処理方法。
  • 前記反応工程は、前記担体封入チップの先端から液体を前記担体封入チップ内に吸引することによって行なう請求の範囲第18項に記載の担体処理方法。
  • 说明书全文

    本発明は、担体封入チップ、担体処理装置および担体処理方法に関するものである。

    従来、カラムと呼ばれる上下円板の中央部に液体の取り入れ、取り出し口のついた円筒状の容器に、ゲルと呼ばれる粒子径10〜数百ミクロンの粒子状充填剤を入れ、そこに上下の液体取出口、取入口のいずれかの方向から液体をポンプ等により流す時の溶質分子遂げるとの間の相互作用を利用して物質の分離・精製を行う液体クロマトグラフィーの原理を用いた液体クロマトグラフがあった。 現在、液体クロマトグラフィー用のゲルには、その表面構造に様々のものが市販されている。 ゲル表面にイオン交換基がつけられたものは、イオン交換ゲルとしての機能をもち、溶質分子のイオン荷との相互作用を利用したイオン交換クロマトグラフィーによる物質の分離が可能である。

    ところで、これらのクロマトグラフィー分離システムは、このカラムに液体を流すためのポンプと、それらの液体を入れるための容器、流路を適宜切り換えるためのバルブ、およびカラムから出てくる目的物などを検出するための吸光度、pH、電気伝導度などの測定機器とを組み合わせた複雑な構成のシステムとして運用されていた。

    通常、クロマトグラフィーでの物質分離は、何ステップかのカラムを組み合わせて必要な精製純度を達成する手法をとる。 イオン交換クロマトグラフィー⇒疎性クロマトグラフィー⇒ゲル濾過クロマトグラフィー等2、3のクロマトグラフィーを組み合わせる場合が多い。 しかし、実際に研究・開発用途で物質の探索研究等を行う場合は、1または2ステップのクロマトグラフィーで十分な場合も多い。 但し、クロマトグラフィーを1ステップだけ行う場合でも、液クロマトグラフィー・システムとしては、ポンプ、流路切換システム。 カラム、クロマトグラフィー展開用溶液の容器、検出システム等が組み入れられた大掛かりなシステムになってしまうおそれがあるという問題点があった。

    また、このような大掛かりなシステムであっても処理できる検体は、1つずつということになる。 このように従来の液体クロマトグラフィーでは、処理の効率が低いという問題点もあった。 また、流れの向きが一方通行に限られるという問題点を有していた。

    「液体クロマトグラフィQ&A」(技報堂出版 2000年6月、松下至著) 「液体クロマトグラフィーの実際」(三共出版 1976年、江頭暁著)

    そこで、本発明の第1の目的は、従来の液クロマトグラフ又はフィルタの分離性能をより高めることができる担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法を提供することを目的としてなされたものである。

    第2の目的は、従来の液クロマトグラフまたはフィルタを用いた処理に対して、その分離・精製をより効率的かつ迅速に行うことができる担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法を提供することを目的としてなされたものである。

    第3の目的は、従来の液クロマトグラフまたはフィルタの処理に比較して、より簡単な構造で、その分離性能を実現することができる担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法を提供することを目的としてなされたものである。

    第4の目的は、液クロマトグラフまたはフィルタを用いた一貫した処理について自動化を容易にする担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法を提供することを目的としてなされたものである。

    第1の発明は、気体の吸引吐出が行われるノズルまたはノズルに装着される部材に装着可能な装着用開口部、および前記気体の吸引吐出によって流体の流入および流出が可能な口部を有するチップ状容器と、前記チップ状容器内に封入され、前記流体中の生体物質を吸着もしくは捕獲させ、または該生体物質と反応もしくは結合することが可能な担体とを有する担体封入チップである。

    ここで、「担体」としては、流体中の生体物質を吸着、反応、結合、固定又は捕獲可能な不溶性の固体であって、その形状は、例えば、粒子状、ブロック状、薄膜状、薄板状、膜状、板状または不定形状であり、該担体は、必ずしも1の固体からなる場合に限られず、複数の固体からなる場合であっても良い。 さらに、担体のサイズは、各種のサイズをもち、前記口部を通過可能な場合と通過不能な場合がある。 担体の材料としては、ゴム、シリコーン、セルロース、ナイロン等の繊維物質や樹脂、非磁性粒子、磁性粒子等の金属等で形成された、ゲル、多孔質体、貫通性多孔質、含水性のものがある。 該担体には、生体物質の吸着、反応結合、固定又は捕獲のための官能基等の化学物質又は生体物質が設けられている。 該担体の表面に設けられているものとしては、例えば、抗原抗体、酵素、基質、レセプター、His‐tag等のアフィニティリガンドや、アフィニティタグ等の物質等がある。 そのような担体の例が、充填剤やフィルタである。 薄膜状担体としては、例えば、タンパク質の限外濾過を行う限外濾過膜等がある。

    「充填剤」とは、液クロマトグラフィーの原理に基づいて、いわゆる移動相としての所定流体に含有される対象生体物質の吸着を図るために選択される所定の容器内に充填される不溶性固定相である。 ここで、充填剤は、例えば、所定の担体の表面に前述した物質有しまたは結合したものである。
    「生体物質」、には、例えば、核酸等の遺伝物質、タンパク、糖、糖鎖、ペプチド、色素等の生体高分子または低分子を含む。 また、生体物質として、細胞、ウィルス、プラスミド等を含む。 該生体物質は、リガンドとして該生体物質に結合性を有する受容体としての生体物質の結合を検出し、捕獲し、分離し、抽出する検出用物質として用いることもできる。 受容体としては、前記核酸等の遺伝物質、タンパク、糖鎖、ペプチド等に各々結合性を有する核酸等の遺伝物質、タンパク、糖鎖、ペプチド等の生体物質が該当する。 また、「フィルタ」とは、所定のポア径を設定することによってまたは吸着することによって、物質の分離に用いるための部材である。

    ここで、「貫通性多孔質ブロック」とは、例えば、3次元ネットワーク状の骨格とその空隙(流路、マイクロポア、スルーポアともいう)が一体となった構造をもったものであり、骨格サイズと流路サイズを独立して決定可能であり、粒子状充填剤に比較して、大きな流路サイズとすることによって低圧での吸引吐出が可能となる。 但し、空隙率を増加させるとその吸着容量や表面積は小さくなる(BIO INDUSTRY,第21巻,No.11,2004).

    「該生体物質を吸着もしくは捕獲させ、または該生体物質と反応もしくは結合する」は、例えば、共有結合、化学吸着による場合の他、物理吸着または電気的相互作用もしくは所定ポア径による捕獲による場合、または、前記担体に、所定の化学物質が化学的、物理的吸着、該担体に固定して設けられている結合物質との特異的反応、その他の方法で反応もしくは結合する。 また、該担体を、多孔質性部材、凹凸性部材、繊維質性部材で形成することによって、生体物質を含む各種物質との反応能や結合能力を高めるようにしても良い。 生体物質との間の反応または結合のために、相補的な生体物質を担体に固定しておくためには、前記担体には、官能基を発現または生成するようにする。 そのためには、例えば、「ポリアミド系高分子」からなる、絹等、ナイロン(3−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、12−ナイロン等)、PPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)等の全芳香族ポリアミド、や、へテロ環含有芳香族ポリマー等が有するペプチド結合を加水分解することで、生体物質の固定に用いる官能基を発現または生成させる。 生体物質と結合可能な官能基には、例えば、カルボキシル基-COOH、アミノ基-NH 2 、またはその誘導基がある。 ここで、生体物質の固定に適した多孔の径は、例えば、数マイクロメートル以下である。

    「ノズルに装着される部材」には、例えば、チップまたはアダプタ等がある。 「チップ」とは、太径管及び該太径管と連通し前記太径管よりも細く形成された細径管を有し、太径管には、ノズルに装着され又は装着可能な装着用開口部を有し、細径管には、気体の吸引吐出によって流体の流入および流出が可能な口部を有するものである。

    「チップ状容器」とは、前記吸引吐出に用いられる部材に装着され又は装着可能な装着用開口部および口部を有し、担体を収容可能な容器である。 チップ状容器は、太管および細管を有するのが好ましいが、太径管および細径管のような典型的なチップ形状をもつ場合に限られない。 この場合、細管の先端に口部が、太管の上側に装着用開口部が設けられるのが好ましい。 例えば、太管は太径管の代わりに、四柱の形状をもつ物であっても良く、細管は細径管の代わりに角筒状の管であっても良い。 さらに、前記担体は、例えば、前記太管に相当する部分または太管と細管との間の移行部に相当する部分に収容される。 前記チップ状容器の容積は、例えば、数μリットルから数100μリットル程度以上の流体を扱うことが可能であるのが好ましい。 また、チップ状容器には、担体を封入して収容する部分とともに、前記口部から導入された流体を貯留する貯留管が設けられても良い。 該貯留管としては、前記細管よりもまたは前記太管よりもさらに太く形成されるのが好ましい。 細管は、前記前記太管または貯留管と一体に設ける場合と、着脱可能に設ける場合がある。 また、太管自体について、または太管と貯留管との間も一体に設ける場合と、着脱自在に設ける場合がある。

    チップ状容器の材料は、光学的観測を可能にするために透光性の素材が好ましい。 チップ状容器の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル等の樹脂、ガラス、金属、金属化合物等がある。 サイズは、例えば、細管において数μリットルから数100μリットルの液体を収容可能な大きさである。

    第2の発明は、前記チップ状容器は、前記担体が収容される担体収容管、前記担体収容管と連通し該担体収容管の下側に設けられ、前記担体収容管より細く形成された流管を有し、前記装着用開口部は前記担体収容管の上側に設けられ、前記口部は前記流管の先端に設けられた担体封入チップである。

    なお、前記担体収容管の上側には、該担体収容管と連通し前記口部から流入した流体を貯留可能な貯留管を設け、前記装着用開口部は該貯留管の上側に設けるようにしても良い。 これによって、流体を担体収容管よりも上側に導入することができるので、前記流路や担体収容管の容量以上の大量の流体を前記担体と接触させることができる。 その際、貯留部は、前記担体収容管よりも太く形成するのが好ましい。 すると、前記担体収容管と貯留管との間の段差や傾斜面、または/および、該担体収容管と流路との間の段差や傾斜面を利用して、前記担体通過阻止部材または担体を係止させて確実に保持することができる。

    第3の発明は、前記チップ状容器内に流入した流体と接触可能となるように、前記担体を該チップ状容器内に封入する封入部を該チップ状容器に設けた担体封入チップである。

    「封入部」の例としては、前記担体を通さないが流体を通す貫通性多孔質部材、メッシュ状部材等の貫通孔部材等を前記チップ状容器とは別体に設けたもの、前記チップ状容器そのもの、例えば該チップ状容器の壁を変形または加工して設けたもの、または、別体の部材とチップ状容器の壁等に加工を施したものとを組み合わせたものがある。 その他、チップ状容器と別体に設けたものであるが、可動なものとして、充填剤自体は前記口部を通過可能であるが、それ自身口部を通過不能なもので、前記担体と連結したものであっても良い。 なお、チップ状容器そのものを用いたものとしては、前記チップ状容器を絞るように細めるために、管の中央方向に突出する突起部等を設けたものがある。 さらには、チップ状容器と別体またはチップ状容器を加工して設けて、担体内における流体の円滑な通過を補助するためにチップ状容器との密着を避けるように担体を封入するためのスペーサ用部材がある。 「封入」とは、前記口部および前記装着用開口部から担体が流体の流れによって排出されない状態をいい、前記チップ状容器に担体を取り付ける場合、または、チップ状容器内の一部領域内に閉じ込める場合がある。

    前記封入部のうち、前記「貫通性多孔質部材」としては、何らかの物質を吸着等により捕獲するフィルタである必要はない。 しかし、該封入部材がフィルタ、メンブレン等の薄膜状フィルタである場合には、口部や装着用開口部からの前記担体の流出を防止するのみならず、所定の物質を捕獲することができる。 なお、封入部をチップ状容器とは別体に設けた場合には、流体の流れ方向が薄い薄板状もしくは薄膜状に形成した部材を用い、または充填剤が流出しない条件でポア径の大きい貫通性部材を用いる。 また、封入部としてチップ状容器を加工して設けた場合には、充填剤が流出しない条件で開口部分を大きくすることによって、吸引吐出に必要な圧力を低減することができる。

    第4の発明は、前記封入部は、流入した流体と接触可能となるように前記チップ状容器の前記口部と前記装着用開口部との間を仕切るようにチップ状容器とは別体に設けられた1または2以上の担体通過阻止部材を有する担体封入チップである。

    ここで、「担体通過阻止部材」としては、前記チップ状容器とは別体の部材によって形成したものである。 該チップ状容器の壁等、該チップ状容器の壁等を加工したものとの双方を組み合わせて用いたものであっても良い。 前記担体通過阻止部材は、例えば、貫通孔を有し、または、チップ状容器の内壁面との間に隙間を形成することによって流体が通過可能であるが、その貫通孔または隙間の大きさは担体が通過できない大きさまたは形をもつものである。 例えば、車輪状、十字状、一文字状、放射状、網状、もしくは環状に細管を仕切るように設けた部材、または貫通性多孔質部材である。

    チップ状容器そのものを用いたものとしては、前記チップ状容器を絞るように細めるために、管の中央方向に突出する突起部を設けたものがある。 また、封入部は、前記担体と連結しているものがある。

    前記担体通過阻止部材の個数は、前記担体が、前記口部からの流出および前記装着用開口部からの流出の双方を防止するためには、該担体を口部側と、前記装着用開口部側の双方から挟むようにして少なくとも2箇所に設けるのが好ましい。

    ここで、貫通性多孔質部材を用いることによって、ポア径よりも大きいサイズをもつ種々の担体について共通に確実に封入することができる。

    なお、別体に設けた前記担体通過阻止部材を着脱自在に設けることによって、前記担体の封入および抜出を容易に行うことができる。

    前述した貯留管を前記担体収容管よりも太く形成した場合には、前記担体通過阻止部材を、前記貯留管と前記担体収容管との間の傾斜面又は段差を用いて係止させて保持することによって、担体が貯留管に進入することを防止しかつ確実に該担体通過阻止部材を設けることができる。

    第5の発明は、前記封入部は、前記装着用開口部と前記口部との間でチップ状容器の内壁面を仕切るように、該内壁面に、内側方向に突出する突出部、口部に向かって先細りの傾斜面または口部に向かって内側方向に突設する段差を設けた担体封入チップである。

    これによって、前記チップ状容器を加工、変形することによって封入部を設けているので、担体を確実にチップ状容器に取り付けまたは封入することができる。 ここで、「突出部」、「段差」は、内壁から内側方向に一様な高さで、または前記口部に向かって一様な厚さで突出もしくは突設するように形成する場合のみならず、高さに高低差または厚さに差を設けて形成するようにしても良い。 前記「突出部」または「段差」の内側方向への突出もしくは突設の高さが一様で大きい場合には封入部としてスペーサ用部材を挟んで前記担体を支持させるのが好ましい。 これによって、担体全体に対する流体の通過を円滑に行うことができる。

    第6の発明は、前記担体は、複数の粒子状担体からなる充填剤である担体封入チップである。 ここで、該粒子状担体の大きさは、前記口部を通過可能な大きさであり、前記封入部によって、チップ状容器内に封入可能である。

    第7の発明は、前記担体は、貫通性多孔質のブロック状充填剤またはブロック状フィルタである担体封入チップである。 ここで、「ブロック状」には、円柱状、角柱状、球状等を含む。

    第8の発明は、前記突出部、傾斜面または段差は、前記担体または前記担体通過阻止部材を前記チップ状容器に係止して保持している担体封入チップである。

    第9の発明は、前記チップ状容器の壁の全体または一部は、所定電気抵抗をもつ導電性部材で形成された充填剤封入チップである。

    ここで、導電性部材を前記チップ状容器に設けることによって、該導電性部材に外部に設けた電源回路に接続された端子を接触させて、所定抵抗値をもつ該導電性部材に電流を流して発熱を行わしめることができる。 該電流値については、後述する制御部によって、処理内容に基づいて制御されることになる。

    ここで、「所定電気抵抗」としては、所定の電流を前記導電性部材内を流すことによって、該導電性部材が目的に応じた温度を達成するのに必要な発熱を行うことができる値である。 例えば、表面抵抗値でいうと、単位面積あたり例えば、数百Ωから数Ω程度、また、誘導加熱を可能とする抵抗値は、例えば、数Ωcm以上である。 導電性薄膜としては、例えば、所定電気抵抗をもつ1種類の物質からなる場合、または、異なる抵抗値をもつ2種類以上の物質が接合、溶着、蒸着、溶融、溶接、接着、付着、貼着しているような場合がある。 前者の場合には、電磁気的信号としての電流値の大きさに温度が依存し、後者の場合には電流値のみならず、ペルティエ効果により、電流の向きにも温度が依存し加熱のみならず冷却も可能となる。

    「導電性部材」としては、例えば、金属、金属酸化物等の金属化合物、合金、半導体、半金属、導電性樹脂等の導電性物質、これらの導電性物質と非導電性物質、例えばセラミックス、ガラス、合成樹脂等とを組み合わせたもの、または、導電性物質同士を組み合わせたものであっても良い。 例えば、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化スズ、鉄、鉄合金、ニクロム合金、2種類の異なる導電性物質で形成した部材を接着、溶接、接合することによって結合した場合がある。 これらの部材に電流を流すことによって、または鉄、鉄合金の場合には、時間的に変動する磁場を印加することによって、これらの部材を誘導加熱することができる。 2種類の導電性物質を接合した場合には、電流の方向によって加熱および冷却を行うことができる。

    導電性部材の形状としては、線状、薄膜状、箔状、膜状、薄板状、板状、細長形状、層状等がある。 導電性部材の補強のために該導電性部材を非導電性部材に接着、溶着、蒸着した物であっても良い。 該導電性部材は、「電磁気的信号」(電気的信号または磁気的信号)によって所定温度に制御される。 該電磁気的信号には、熱や冷気を加えることによる熱力学的信号は除かれる。

    なお、前記壁は、その内壁面が前記チップ状容器内に面し、その外壁面が該チップ状容器外にあって、その内外壁面間が一体的に形成されたチップ状容器である。 すなわち、チップ状容器の内壁面と外壁面とで挟まれた壁の部分は、例えば、金属、樹脂等またはこれらを結合した固体の状態で分割自在ではないように壁として形成されている。 したがって、壁全体または壁の一部として形成された導電性部材としては、壁から分離自在な導電性部材を有する場合、例えば、単に壁に接触しているだけに過ぎない導電性部材や、壁に螺子等によって着脱自在に取り付けられた導電性部材、壁に溶接等で取り付けた別部材に対して着脱自在に取付けた導電性部材、壁から完全に離れている導電性部材は分割可能であるので除外される。 そのために、チップ状容器の壁が、チップ状容器の壁として要求される厚さ程度になるように導電性部材を設けるようにすれば、チップ状容器のサイズや装置全体の規模を抑制し、加熱手段の存在を意識することなく取り扱うことができる。

    第10の発明は、前記担体が封入されたチップ状容器の内、流体を収容可能な空間の容積は数マイクロリットルから数百マイクロリットル程度である担体封入チップである。

    ここで、「流体を収容可能な空間」とは、概ね、チップ状容器のうち流体が収容される部分の内壁と、封入された担体の表面との間にできる空間をいう。

    該容積をこのように限定することによって、微小量の液体、すなわち、数マイクロリットルから数百マイクロリットルの体積の液体をチップ状容器に吸引したとしても、該液体を前記担体の表面に一様に、または均一に接触させることができる。 この微小量は、通常生体化学、特にDNAの分野において、生体から容易に抽出されて取り扱われる物質の量である。

    第11の発明は、前記チップ状容器は、太管、太管より細く形成された細管、および太管と細管との間の移行部からなり、前記装着用開口部は、前記太管に形成され、前記口部は前記細管の先端に形成され、前記封入部は、前記移行部の段差または傾斜面を利用して、前記担体または担体通過阻止部材を前記チップ状容器に設けた担体封入チップである。

    ここで、前記太管または移行部は、前記担体収容管に相当し、前記細管は前記流路に相当する。 さらに、貯留管として、前記太管よりもさらに太い最太管を設けるようにして、該太管と最太管との間の段差または傾斜面を利用して、そこに前記担体通過阻止部材を係止させて保持させるようにしても良い。

    第12の発明は、前記封入部として、前記装着用開口部と前記口部との間で前記チップ状容器の内壁面を仕切るように、該内壁面に、内側方向に突出する突出部、口部に向かって先細りの傾斜面または口部に向かって内側方向に突設する段差を前記装着用開口部と前記口部を結ぶ方向に沿って相互に離間して少なくとも2箇所に設け、これらの突出部、傾斜面または段差の内の少なくとも1を用いて前記担体を前記チップ状容器に封入する担体封入チップである。

    ここで、担体としては、例えば、膜状もしくは薄板状フィルタ、粒子状フィルタ、またはブロック状フィルタである。 例えば、担体が膜状もしくは薄板状フィルタの場合には、前記突出部等を用いた上、さらに、他の別体に設けた封入部を用いれば、一層確実に封入しまたは、流体との接触を確実にすることができる。 例えば、第1の他の封入部として、前記フィルタの封入に用いるチップ状容器の段差等の上側に、例えば、前記チップ状容器の内壁面に接するようにして前記チップ状容器の中央を囲むように設けられた周縁部および該周縁部から中央に向かって突出する部材を有する全体として薄板状に形成したスペーサ用部材を設けた上に前記膜状フィルタを載置し(必要に応じて網状部材を下側に置いて補助する)、第2の封入部として、前記膜状フィルタの上側に、前記チップ状容器の内壁にその側面が接し、かつ前記チップ状容器の軸線を囲むように嵌合して取り付けた筒状のスリーブを用いて上下から前記薄膜状フィルタを挟むようにして前記突出部等の上側に取り付けることによって行う。 なお、前記膜状フィルタまたは薄板状フィルタは、例えば、タンパク質を吸着可能な限外濾過膜である。 また、例えば、多数の粒子状担体を、前記突出部等を利用して封入するには、相互に離間した前記突出部等を2つ利用して、各々に粒子状担体を阻止するような封入部またはフィルタ(例えば、精密ろ過膜)を取り付け、その2つの突出部等の間に前記粒子状担体を封入して保持する。 担体を確実に封入することによって、流体の吐出のみならず吸引によって流体と担体とを接触させることができる。

    第13の発明は、気体の吸引吐出を行う1または複数連のノズルを有するノズルヘッドと、該ノズルを介して気体の吸引吐出を行う吸引吐出機構と、前記ノズルまたはノズルに装着される部材に装着されまたは装着可能であって、流体中の生体物質の吸着もしくは捕獲、または該生体物質との反応もしくは結合が可能な担体を封入した1または2以上の担体封入チップと、種々の液体を収容しまたは収容可能な液収容部群を設けたステージと、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に相対的に移動させる移動手段と、前記ノズルの吸引吐出の量、スピード、回数、時間または位置を、前記ノズル、ノズルに装着される部材もしくは担体封入チップの構造、流体中に存在する生体物質の種類、濃度、流体の量、該流体の収容位置を含む座標位置か� ��なる物質条件、および、処理内容に基づいて制御する制御部とを有する液体クロマトグラフィー分離装置である。

    ここで、「処理内容」とは、例えば、反応、洗浄、移送、分注、分離、抽出、加熱、冷却、清澄、測定、混合、乖離、溶出、攪拌等、またはこれらの一連の処理を、処理目的に応じて、所定順序または所定時間スケジュールに従って、重複を含みながら組み合わせたものである。 「時間」には、吸引吐出の持続時間またはタイミングを含む。 持続時間またはタイミングを設定することによって、間欠的、連続的または断続的な吸引吐出の設定を可能にする。

    「反応」処理の場合には、例えば、前記物質条件に応じて、該当する試薬が収容されている容器位置において、前記条件で定まる前記吸引吐出を所定のスピードで、前記細管の担体封入領域の容積の例えば、80パーセントの液量で吸引吐出を繰り返す制御がされる。 その吸引吐出の回数についても前記物質条件に応じて定めた制御を行う。 「洗浄」処理の場合には、例えば、前記物質条件に応じて、洗浄液が収容されている容器位置において、前記吸引吐出を該処理に応じて定まる所定のスピードで、吸引吐出を所定回数繰り返すという制御がされる。 同様にして、前記処理に応じた吸引吐出の制御がなされる。 「スピード」としては、例えば、扱う物質がDNAの場合にはそのサイズが、タンパク質に比べて小さいので、DNA同士の遭遇性を高めるためには、スピードを上げる必要がある。 また、スピードは、処理の内容によって相違し、洗浄や攪拌の場合は、反応処理を行う場合に比べればその吸引吐出のスピードは小さいことになる。 また、例えば、担体が吸着型分離膜に対しては、毎時10〜50cm程度の線流速(体積流速を断面積で割った値)で吸引するのが適当である。 また、担体が限外濾過膜の場合には、一方通行であるので、吐出によってまたは加圧によって流体を通過させる制御が必要である。 一方、担体が充填剤の場合には、チップにより試料液の吸引をおこなうことで、充填剤を浮き上がらせて、試料中に含まれる対象物質と分離剤の適度な接触条件を生み出すことができる。 また、従来のクロマトグラフィーでの分離の場合には、吸着容量、いわゆるダイナミックキャパシティは、流速に反比例し、吸着速度は低下するが、吸引吐出速度を制御することによって、バッチ吸着に近い吸着容量を実現できる。

    「チップの構造」には、チップの形状を含み、「担体封入チップの構造」には、該チップ状容器の形状、封入された担体の位置、収容された担体の形状、種類、性質、または封入部の形状等も含む。 「生体物質の種類」に応じて吸引吐出の動作を定めるとは、例えば、DNA等の遺伝物質のように、タンパク質のサイズよりも一般に小さい場合には、扱う液量は小さく、また、スピードは速い方が扱いやすいことになる。 これは、サイズが小さければ小さいほど、一般に遭遇性が低くなるからである。

    第14の発明は、前記担体が封入されたチップ状容器の内、流体を収容可能な空間の容積が、数マイクロリットルから数百マイクロリットル程度である担体処理装置である。

    したがって、前記担体封入チップ外に設けた前記液収容部は、前記数マイクロリットルから数百マイクロリットルの液体を、前記細管の口部を通して前記細管内に吸引可能となるように収容可能でなければならない。

    第15の発明は、前記担体封入チップの前記チップ状容器の外側に、外部からの信号によって温度を昇降させる温度昇降体を接近し、または接近可能に設けた担体処理装置である。

    ここで、「温度昇降体」とは、外部からの信号に応じてその温度を上昇させまたは下降することが可能な部材をいう。 「信号」とは、前記温度昇降体が導電性部材の場合には、電磁気的信号、すなわち電気または磁気による信号である。 温度昇降体による温度を検知して、該温度に基づいて信号を発生することも可能である。

    なお、前記温度昇降体は、前記担体封入チップに対して相対的に移動可能に設けるのが好ましい。 また、この場合には、前記制御部は、吸引吐出の制御の他、温度の制御をも処理内容に基づいて制御することになる。

    第16の発明は、前記ノズルヘッドは、列方向に配列された複数連の一括ノズルおよび1の個別ノズルが列方向に沿って配列され、前記吸引吐出機構は、前記ノズルヘッドの一括ノズルおよび個別ノズルに対して一斉に気体の吸引吐出を行い、前記移動手段は、前記ノズルヘッドを前記液収容部群に対して相対的に前記行方向に沿って移動させるノズルヘッド移動手段、ならびに、前記一括ノズルの移動経路上であって、前記列方向に沿う列搬送経路および、前記個別ノズルの移動経路上であって、前記行方向に沿う行搬送経路を含む搬送経路を有し、前記一括ノズルから脱着したチップ状容器または前記一括ノズルヘッドから吐出された液体を各々収容可能な搬送収容部を前記搬送経路に沿って搬送する行列経路搬送手段を有する担体処理� ��置である。

    ここで、前記「列方向」と「行方向」とは必ずしもX方向(横方向)およびY方向(縦方向)のような直交する必要はなく、斜交する場合であっても良い。 前記一括ノズルヘッドと個別ノズルヘッドとは、独立に移動可能であっても良い。 また、前記行列経路搬送手段は、前記ノズルヘッドの移動経路上にある行搬送経路および列搬送経路を有すれば、例えば、四角形状または多角形状等の閉じた搬送経路を有する場合であっても、開いた搬送経路を有する場合であっても良い。

    ここで、「搬送収容部」は、前記搬送手段においてチップまたは液体を収容する部分であって、少なくとも一括ノズルヘッドのノズル数と同一数の搬送収容部を有することが好ましい。

    第17の発明は、前記行列経路搬送手段の前記搬送経路に沿った所定位置に、脱着した前記チップ状容器又は前記チューブ内の光を受光する受光手段を設けた担体処理装置である。

    第18の発明は、気体の吸引吐出を行う1または複数連のノズルまたは該ノズルに装着された部材に装着可能な装着用開口部および気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部を有するチップ状容器内に、流体中の生体物質の吸着もしくは捕獲、または該生体物質との反応もしくは結合が可能な担体を封入し、該容器の装着用開口部において前記吸引吐出機構に用いられる部材に装着する封入工程と、前記チップ状容器を装着し吸引吐出機構に用いられる部材を、所定の液収容部に移動し、前記吸引吐出の量、スピード、回数、時間および位置からなる吸引吐出の動作を、前記ノズル、該ノズルに装着された部材もしくは担体封入チップの構造、流体中に存在する生体物質の種類、濃度、液体の量、該液体の収容位置を含む座標位置か� ��なる物質条件、および、処理内容に基づいて制御することによって前記充填剤と液収容部に収容されている液体とを接触させて反応させる反応工程と、を有する担体処理方法である。

    第19の発明は、前記反応工程は、前記チップからの光を受光する測定工程を有する担体処理方法である。

    第20の発明は、前記反応工程は、前記担体封入チップの先端から液体を前記担体封入チップ内に吸引することによって行なう担体処理方法である。

    第1の発明によると、担体を、詳細な制御ができる気体の吸引吐出が行われるノズルまたはノズルに装着される部材、例えば、チップへの装着用開口部および口部を有するチップ状容器内に封入し、処理目的、該チップ状容器および担体に対する吸引吐出に関する最適な条件を設定することができる。 また、流体の流れが一方通孔ではなく、双方向を可能としている。 したがって、担体に関して、分離、抽出、精製性能、処理効率を高めることができる。

    さらに、担体をチップ状容器に封入した状態で、外部にある任意の流体を選択して吸引することで前記担体と流体との接触を可能としている。 したがって、担体の処理を該担体封入チップと外部にある容器との間の相対移動と吸引吐出との制御に置き換えるによって、処理を自動化、汎用化、多様化することができる。

    担体を封入した担体封入チップと、ノズルを有する吸引吐出機構とを用いることで、装置の規模を抑制することができる。

    また、本発明によれば、充填剤等の担体をチップ状容器内に封入したまま、流体を吸引吐出することと、該チップ状容器を移動することだけで、液クロマトグラフィーの処理、例えば、反応、洗浄、温度制御、分離、攪拌、分注、清澄、単離、溶出、抽出を行うことができるので、処理を効率的、迅速かつ容易に行うことができる。

    また、本発明によれば、処理目的に応じた流体のスピード、扱うべき流体の量に適したチップ状容器を選択することによって、種々の処理に対応させることができるので、汎用性、多様性がある。

    さらに、本発明によれば、ノズルまたはノズルに装着したチップ等に装着したチップ状容器に担体が封入された担体封入チップを用いることによって、ノズル等に対して、担体封入チップまたは他の分注チップを脱着装着することによって、同一のノズルを用いて、担体処理を行うことができる。 したがって、種々の処理を効率的かつ迅速に行うことができる。

    第2の発明によると、前記チップ状容器を、前記担体収容管と該担体収容管よりも細く形成した流路とを有するように設けている。 したがって、種々の容器または種々の液量に対応することができるので汎用性がある。 また、該担体収容管と流路との間の移行部を利用して、担体や担体通過阻止部材を係止して確実に保持することができる。

    第3の発明によると、前記封入部によって担体をチップ状容器に封入することにしているので、種々の担体に応じた封入部を用いることで種々の担体を用いることができ、汎用性、多様性がある。

    第4の発明によれば、担体通過阻止部材を前記チップ状容器と別体に設けている。 したがって、該担体通過阻止部材をチップ状容器に取り付けることによって、前記担体を容易に封入することができる。 また、該担体通過阻止部材を着脱自在に取り付けるようにすれば、チップ状部材を再使用し、または担体に吸着した物質を直接に抽出または回収することが可能となる。

    第5の発明によれば、前記封入部として、前記チップ状容器の壁面を突出させた突出部、傾斜面または段差を設けている。 したがって、部品点数を減らして製造費用を削減するとともに、確実に前記担体を封入することができる。

    第6の発明によれば、担体として複数の粒子状担体からなる充填剤を用いている。 したがって、前記口部を通して該担体を担体封入チップに導入することができるので、扱いやすい。

    第7の発明によれば、担体として、貫通性多孔質性のブロック状充填剤またはブロック状フィルタを用いている。 したがって、該ブロック状充填剤またはブロック状フィルタのサイズを適当に定めることによって、前記チップ状容器の口部からの流出を防ぐことができるので、流出を防止するための封入部を必要とせず、チップ状容器またはその内部の構造を簡単化することができる。

    また、ブロック状充填剤は、粒子状充填剤と異なり、流体の吸引吐出によって、液中に分散されまたは液中を動き回ることはなく、構造が不変である。 そのために、再現性の良い分離を達成することができる。

    ブロック状充填剤またはブロック状フィルタのポア径と吸引吐出の速度等を変更することによって、多様な処理を可能とする。

    第8の発明によれば、担体又は担体通過阻止材が、前記突出部、傾斜面または段差によって保持されている。 したがって、担体がチップ状容器によって保持されることになり、封入を確実に行うことができる。

    第9の発明によれば、前記チップ状容器の壁の全体または一部に形成した導電性部材に電流を流すことによって、該導電性部材を発熱させて、前記チップ状容器に収容された担体および液体を加熱または冷却させることによって、反応の温度制御を行うことができる。

    したがって、チップ状容器の壁の外側にヒータ等の加熱手段を設ける場合に比較して、チップ状容器内と直接接触しているので、壁による熱の反射を防ぎ、チップ状容器内に対して熱をより一層効率的に伝達することができ、熱効率が高く、正確な温度制御を行うことができる。

    さらに、チップ状容器の壁を導電性部材で形成しているので、熱効率が高く、金属ブロック等の必要以上に大きな加熱手段をチップ状容器の外側に設ける必要がなく、外部には、その駆動装置を設けるだけで足りている。 したがって、外部の構造が単純化され、全体の装置規模を縮小することができる。

    予め各チップ状容器に最適な温度昇降体を設けることができるので、外部に、種々の条件を満足する加熱手段を設ける必要がなく、汎用性、多様性がある。

    直接導電性部材がチップ状容器内と接触しているので、高い精度かつ忠実な応答性をもって、該液体の温度制御を行うことができる。

    該チップ状容器および導電性部材に対して前記液体に対する加熱または冷却の信号を与えてから液温が均等な温度分布になるまでの時間を短縮化して、迅速にかつ効率的に処理を行うことができる。

    第10の発明または第14の発明によれば、前記チップ状容器の内、封入された担体の表面と該容器の内壁面との間にできる空間の容積を、処理に用いる液体の量(微小量)に押えることにより、該細管内に吸引された液体と前記担体の表面全体との間の接触を可能にして、微小量の液体に対して、信頼性の高い取り扱いを可能にする。

    第11の発明によれば、チップ状容器の細管から太管への移行部の段差、傾斜面を利用して、前記担体又は担体通過阻止部材を前記チップ状容器に保持するようにしている。 したがって、チップ状容器を特に加工することなく、容易にかつ確実に担体を係止して保持することができる。

    第12の発明によれば、前記装着用開口部と口部とを結ぶ流体の移動経路に沿って少なくとも2つの離間した所定の突出部等を設けることによって、種々の形状の担体を容易に封入することができるので、取り扱いやすく、かつ多様性、汎用性がある。 特に、膜状フィルタもしくは薄板状フィルタであっても確実に封入かつ取り付けて円滑に流体を通過させることができるので、限外濾過膜のような、ポア径の小さいフィルタであっても、気体の吸引吐出によって容易に流体を通過させることができる。

    第13の発明または第18の発明によれば、前記チップ状容器内に担体が封入された担体封入チップをノズル又はノズルに装着したチップ等の吸引吐出機構に用いられる部材に装着し、該ノズルに対する吸引吐出の量、スピード、回数または位置を、そのチップ状容器の構造等に基づいて制御する。

    したがって、本発明によれば、所定の構造をもった担体封入チップを用いるとともに、吸引吐出についてきめ細かな制御を行うことによって、該チップ内に封入した担体と、所定の生体物質を含有する溶液との間の反応、攪拌、洗浄等の処理を容易に、一貫して、かつ高い信頼性をもって、迅速かつ効率的に行うことができる。 また、本発明によれば、制御の内容を変えることによって、種々の処理に対応することができるので、汎用性、多様性がある。

    第15の発明または第19の発明によれば、前記担体封入チップの前記チップ状容器の外側から温度昇抗体を接近させることで温度制御を行っている。 したがって、該チップ内に担体を封入した状態で、温度制御を行うことを可能にするので、封入、反応、分離までの種々の処理を一貫して行うことができる。 また、前記担体を封入した状態で温度制御を行うので、処理が効率的、かつ迅速である。

    第16の発明によれば、複数連のノズルが設けられたノズルヘッドであって、一斉に吸引吐出および移動が行われる装置を用いながら、その複数連のノズルの内の一部を一括ノズルとし、その一部を個別ノズルとして交互に排他的に用いる。 すなわち、使用中のノズルには、チップまたはチップ状容器が装着され、使用していないノズルには、チップまたはチップ状容器を装着しないで用いる。 したがって、使用中のノズルも、使用していないノズルも双方とも一斉に気体の吸引吐出が行われるが、それによって、使用していないノズルによる対応する容器への働きかけはない。 したがって、一括して吸引吐出を行う複数連のノズルを有する装置を用いながら、各ノズルの移動経路上にある容器に対し個別に吸引吐出を行うことができる。 多様な処理が行われる。

    また、本発明によれば、前記一括ノズルおよび個別ノズルの移動経路上に、前記列搬送経路および行搬送経路を設けた搬送経路をもつ行列経路搬送手段を設けている。 したがって、該搬送手段によって、一括ノズルおよび個別ノズルのいずれによっても処理可能なので、多数のノズルや吸引吐出機構を行列状に配置することなく、少数のノズルを用いた簡単でコンパクトな構造で、多様で複雑な処理を可能とする。

    また、多数の処理対象について吸引吐出処理を行う際に、共通する処理事項については、一括ノズルを用いて一括して処理を行い、個別に処理を行う必要がある処理事項については、個別ノズルを用いて個別に処理することによって、効率的で迅速に、多様な処理を行うことができる。

    特に、個別に測定を行う場合にその測定の直前に必要な試薬を加える場合や、個別に行われる処理の直前に、所定温度に保持する必要のある試薬を加えるような場合に適する。

    第17の発明または第19の発明によれば、前記行列経路搬送手段の前記搬送経路上の少なくとも1箇所において、受光手段を設けることによって、複数連のノズル等で処理した各ノズル等に対応する処理を、光を受光することで、その反応の様子を観測することで、反応結果を確実に知ることができることになる。 また、少数の受光手段を用いて順次測定を行うことができる。 したがって、装置を簡単化することができる。 特に、前記受光手段による受光の直前でのみ必要となる試薬を、個別ノズルヘッドによって、受光の直前に順次投入することができるので、効率的で信頼性の高い受光を行うことができる。 第20の発明によれば、担体封入チップをノズルから脱着することなく、ノズルに装着したままで液体をチップ内に吸引し、同時に担体と接触させることができるので効率的な処理ができる。

    本発明の第1の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第2の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第3の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第4の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第5の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第6の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第7の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第8の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第9の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第10の実施の形態に係る担体封入チップを示す図である。

    本発明の第11の実施の形態に係る担体処理装置を示す図である。

    本発明の第11の実施の形態に係る担体封入チップ処理装置を示す図である。

    本発明の第12の実施の形態に係る担体処理流れ図である。

    本発明の第13の実施の形態に係る担体処理流れ図である。

    本発明は、充填剤等の担体をチップ状容器内に封入することによって、吸引吐出機能を用いて、いわゆる移動相として所定の流体等を該チップ状容器に対して、所定の量、速度、時間、回数等を設定した条件の下で高い精度での吸引または吐出を行うことによって、より一層効率的、迅速かつ信頼性のある分離、精製を可能にするものである。

    続いて、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。 各実施の形態の説明は、特に指定のない限り、本発明を制限するものと解釈してはならない。

    図1は、本発明の第1の実施の形態に係る担体封入チップ11の断面図を示すものである。 該担体封入チップ11は、担体として粒子状充填剤18がチップ状容器12内に封入されている。 該チップ状容器12は、該粒子状充填剤18を収容する担体収容管としての略円筒状の太径管13と、該太径管13と連通し該太径管13および装着されるべきノズル(図示せず)または前記太径管13よりも細く形成された略円筒状の細径管15と、前記太径管13と前記細径管15との間に形成された略漏斗状の移行部17とを有するものである。

    前記太径管13の上側は、気体の吸引吐出が行われる図示しないノズル又はノズルに装着されたチップに装着されるべき円筒状の装着用開口部14が設けられている。 前記細径管15の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部16が設けられている。 該担体収容管である太径管13には、前記粒子状充填剤18が収容されている。 該粒子状充填剤18の各粒子径は、例えば、数μm程度、約5μmまたは約2μm、3μmである。 該粒子状充填剤18が収容されている部分の下側および上側には、前記封入部の担体通過阻止部材として、前記粒子径よりも小さい網目をもつ網状薄板19,21が該粒子状充填剤18を挟むようにして設けられている。 下側に設けた前記網状薄板19は前記移行部17に嵌合する略円錐台状の薄板保持部20によって該チップ状容器12に取り付けられている。 該薄板保持部20は、前記移行部17に嵌合する略漏斗状の嵌合管20bと、該嵌合管20bの中心軸方向に沿って該嵌合管20bから下側に突出して形成され、吐出する流体を中心軸に沿って導くための心棒24と、該心棒24に向かって放射状に伸びる複数の板状のリブ20aを有する。

    さらに、前記粒子状充填剤20の上側に設けられた前記網状薄板21は、その上側には、半径方向に弾性的に付勢されたC状のスペーサ23を設け、その上側に設けたエアフィルタ22との間の間隔を一定に保つようにしている。

    図2は、本発明の第2の実施の形態に係る担体封入チップ25を示すものである。 該担体封入チップ25は、担体としての粒子状充填剤32がチップ状容器26に封入したものである。 該チップ状容器26は、該粒子状充填剤32を収容する担体収容管としての略円筒状に形成された太径管27と、該太径管27と連通し該太径管27および装着されるべきノズル(図示せず)よりも細く形成された略円筒状の細径管29と、前記太径管27と細径管29との間に設けられた略漏斗状の移行部31とを有するものである。

    前記太径管27の上側は、気体の吸引吐出が行われる図示しないノズルまたはノズルに装着されたチップに装着されるべき円筒状の装着用開口部28が設けられている。 前記細径管29の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部30が設けられている。 該担体収容管に相当する太径管27には、前記粒子状充填剤32が収容されている。 該粒子状充填剤32の各粒子径は、第1の実施の形態に係る粒子状充填剤18と同様に、各粒子径は、例えば、数μm程度、約5μmまたは約2μm、3μmである。 該粒子状充填剤32が収容されている部分の下側には、前記封入部の担体通過阻止部材として、前記粒子径よりも小さい網目をもつ網状薄板35が設けられている。 該網状薄板35は、前記移行部31に支持されるように、かつ前記装着用開口部28および口部30の間を仕切るようにして設けられている。 前記網状薄板35の下側には、複数枚の板状のリブ33が、前記移行部31の内壁と接触するように設けられている。 また、前記太径管27の上部には、気体の通過可能なエアフィルタ34が前記装着用開口部28および口部30の間を仕切るようにして設けられている。

    図3は、本発明の第3の実施の形態に係る担体封入チップ36を示すものである。 該担体封入チップ36は、担体としての粒子状充填剤44をチップ状容器37内に封入したものである。 該チップ状容器37は、該粒子状充填剤44が収容される担体収容管としての略円筒状の太径管40と、該太径管40の上側で連通する最太径管38と、前記太径管40の下側で連通する細径管41と、前記太径管40と前記最太径管38との間に形成された段差38aと、前記太径管40と前記細径管41との間に形成された略漏斗状の移行部43とを有するものである。 ここで、前記最太径管38は、前記貯留管に相当するもので、導入した流体を一時貯留させるために用いられる。

    前記最太径管38の上側は、図示しないノズルまたはノズルに装着されたチップに装着可能な円筒状の装着用開口部39が設けられている。 前記細径管41の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部42が設けられている。 該担体収容管である前記太径管40には、前記粒子状充填剤44が収容されている。 該粒子状充填剤44の各粒子径は、第1の実施の形態または第2の実施の形態に係る粒子状充填剤18、32と同様である。

    該粒子状充填剤44が収容されている部分の下側には、前記封入部の担体通過阻止部材として、前記粒子径よりも小さい網目をもつ網状薄板45が設けられている。 該網状薄板45は、前記移行部43に支持されるように、かつ前記装着用開口部39および口部42の間を仕切るようにして設けられている。 前記網状薄板45の下側には、複数枚の板状のリブ48が、前記移行部43の内壁と接触するように設けられている。 また、該太径管40と前記最太径管38との間の前記段差38aには、前記封入部の担体通過阻止部材として、前記粒子径よりも小さい網目をもつ網状薄板46が、前記装着用開口部39と前記口部42との間を仕切るように前記最太径管38に設けられている。 また、該最太径管38の上部には、気体の通過可能なエアフィルタ47が前記装着用開口部39と前記口部42との間を仕切るように最太径管38に設けられている。 本実施の形態によれば、前記最太径管38を設けることによって、前記粒子状充填剤44と、前記太径管40または前記細径管41の容量を越える大容量の流体とを接触させることができる。

    また、図3(b)に示すように、前記チップ状容器37の太径管40の外側壁には、導電性薄膜40aで被覆されている。 該導電性薄膜40aに電極を接触させて電流を流す個によって温度制御を行うことができる。

    図4は、本発明の第4の実施の形態に係る担体封入チップ51を示すものである。 該担体封入チップ51は、担体としての粒子状充填剤58をチップ状容器52内に封入したものである。 該チップ状容器52は、該粒子状充填剤58が収容される担体収容管としての太径管55と、該太径管55の上側で連通する最太径管53と、前記太径管55の下側で連通する細径管56と、前記太径管55と前記最太径管53との間に形成された段差53aと、前記太径管55と前記細径管56との間に形成された略漏斗状の移行部55aとを有するものである。 なお、該最太径管53は、後述する口部57から導入した流体を一時貯留させるために用いられる。

    前記最太径管53の上側は、気体の吸引吐出が行われる吸引吐出機構に用いられる部材、例えば、図示しないノズルまたはノズルに装着されたチップに装着可能な円筒状の装着用開口部54が設けられている。 前記細径管56の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部57が設けられている。 該担体収容管である前記太径管55には、前記粒子状充填剤58が収容されている。 該粒子状充填剤58の各粒子径は、第1、第2または第3の実施の形態に係る粒子状充填剤18、32、44と同様である。 該粒子状充填剤58がほぼ該太径管55内を満たすように収容されている部分の下側には、前記封入部の担体通過阻止部材として、前記粒子径よりも小さい孔をもつ貫通性多孔質薄板59が設けられている。

    該貫通性多孔質薄板59は、前記移行部55aに支持されるように、且つ前記装着用開口部54および口部57との間を仕切るようにして設けられている。 前記貫通性多孔質薄板59の下側には、複数枚の板状のリブ60が、前記移行部55aの内壁と接触するように設けられている。 また、前記太径管55と前記最太径管53との間の前記段差53aには、前記封入部の担体通過阻止部材として、前記粒子径よりも小さい孔をもつ貫通性多孔質薄板61が、前記装着用開口部54と前記口部57とを仕切るように最太径管53に設けられている。 また、最太径管53の上部には、気体の通過可能なエアフィルタ62が、前記装着用開口部54と前記口部57との間を仕切るように前記最太径管53に設けられている。 これによって、前記粒子状充填剤58と、前記太径管55または前記細径管56の容量を越える大容量の流体を接触させることができる。

    図5は、本発明の第5の実施の形態に係る担体封入チップ63を示すものである。 該担体封入チップ63は、担体としての略円筒状の貫通性多孔質のブロック状充填剤69が、チップ状容器64内に封入されたものである。 該チップ状容器64は、該ブロック状充填剤69を収容する担体収容管としての略円筒状の太径管66と、該太径管66と連通し該太径管66および装着されるべきノズル(図示せず)または該太径管66よりも細く形成された略円筒状の細径管67と、前記太径管66と細径管67との間に設けられた略漏斗状の移行部66aとを有するものである。

    前記太径管66の上側は、図示しないノズルまたはノズルに装着されたチップに装着可能な円筒状の装着用開口部65が設けられている。 前記細径管67の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部68が設けられている。 該担体収容管である前記太径管66には、前記ブロック状充填剤69が収容されている。 該ブロック状充填剤69の大きさは、前記細径管67を通過しない大きさに形成される。

    ここで、貫通性多孔質のブロック状充填剤69は、3次元ネットワーク状の骨格とその空隙が一体となった構造をもつものであって、骨格サイズと流路サイズを独立して決定可能なものである。 粒子充填剤に比較して、大きな流路サイズとすることによって低圧での吸引吐出が可能となる。

    さらに、前記太径管66の上部には、気体の通過可能なエアフィルタ70が、前記装着用開口部65および前記口部68との間を仕切るようにして設けられている。 なお、本例では、封入部を設けなかったが、例えば、前記ブロック状充填剤69を上下から挟むようにして前記太径管66内に取り付けるための2枚の網状薄板を設けるようにしても良い。

    図6には、第6の実施の形態に係る担体封入チップ71を示す。 該担体封入チップ71は、担体としての略円錐台状の貫通性多孔質のブロック状フィルタ82をチップ状容器92内に封入したものである。 該チップ状容器72は、前記貯留管に相当する略円筒状の太径管76と、該太径管76と連通し該太径管76および装着されるべきノズル(図示せず)よりも細く形成された略円筒状の細径管77と、前記ブロック状フィルタ82を収容する担体収容管としての、前記太径管76と該細径管77との間に設けられた略漏斗状の移行部79とを有するものである。

    前記太径管76の上側は、図示しないノズルまたはノズルに装着されたチップに装着可能な円筒状の装着用開口部73が設けられている。 前記細径管77の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部78が設けられている。 前記貯留管に相当する前記太径管76の上部には、気体の通過可能な前記エアフィルタ80が設けられている。

    前記担体収容管としての移行部79には、前記ブロック状フィルタ82が嵌合するように設けられている。 該ブロック状フィルタ82は、太径管76と嵌合する円柱状の太径嵌合部82aと、移行部79に嵌合する円錐台状の移行部嵌合部82bと、細径管77と嵌合する円柱状の細径嵌合部82cとからなっている。 該ブロック状フィルタ82の上側には、半径方向に弾性的に付勢されたC状のリング81によって押えられている。

    ここで、封入部は、略漏斗状の移行部79および担体通過阻止部材としてのリング81が相当する。

    図7に基づいて、第7の実施の形態に係る担体封入チップ83を示す。 該担体封入チップ83は、担体としての薄膜状フィルタ84を前述した第1の実施の形態に係るチップ状容器12に封入したものである。 図1と同一の符号は、図1で説明したものと同一のものを表す。 該チップ状容器12は、前記貯留管に相当する略円筒状の太径管13と、該太径管13と連通し該太径管13および装着されるべきノズル(図示せず)よりも細く形成された略円筒状の細径管15と、前記薄膜状フィルタ84を収容する担体収容管としての、前記太径管13と該細径管15との間に設けられた略漏斗状の移行部17とを有するものである。

    前記太径管13の上側は、図示しないノズルまたはノズルに装着されたチップに装着可能な円筒状の装着用開口部14が設けられている。 前記細径管15の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部16が設けられている。 前記貯留管に相当する前記太径管13の上部には、気体の通過可能なエアフィルタ22が設けられている。

    前記担体収容管としての移行部17には、前記薄膜状フィルタ84が前記装着用開口部14と前記口部16との間を仕切るように設けられ、該薄膜状フィルタ84の下側には、前記移行部17に嵌合する略円錐台状の薄板保持部20によって該チップ状容器12に取り付けられている。 該薄板保持部20は、前述した通りなので説明を省略する。

    さらに、前記薄膜状フィルタ84の上側には、該薄膜状フィルタ84を押えるための、半径方向に弾性的に付勢されたC状のリング85が設けられている。

    図8には、第8の実施の形態に係る担体封入チップ86を示す。 図8(a)およびそのAA線の断面図を示す図8(b)に示すように、該担体封入チップ86は、担体としての円筒状の貫通性多孔質のブロック状フィルタ95をチップ状容器87内に封入したものである。 該チップ状容器87は、前記貯留管に相当する略円筒状の最太径管88と、該最太径管88と連通し該最太径管88よりも細く形成され、前記ブロック状フィルタ95と略同じ大きさおよび形状をもって略ぴったりと収容する前記担体収容管に相当する太径管90と、該太径管90よりさらに細く形成された略円筒状の細径管91と、前記最太径管88と前記太径管90との間に設けられた段差と、前記細径管91と前記太径管90との間に設けられた移行部としての段差93とを有するものである。

    前記最太径管88の上側には、気体の吸引吐出が行われる図示しないノズルまたはノズルに装着されたチップに装着可能な円筒状の装着用開口部89が設けられている。 前記細径管91の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部92が設けられている。

    図8(b)のB部分を拡大して図8(c)に示すように、前記ブロック状フィルタ95の下側には、前記ブロック状フィルタ95を封入して固定するための部材としての貫通性多孔薄板96が設けられている。 該薄板96の下側には、薄板状のリブ96aが設けられ、該薄板96の孔の目詰まりを防止するとともに、前記段差93に係止して保持されている。 さらに、該ブロック状フィルタ95の上側には、前記最太径管88と前記太径管90との間の段差94に係止されて貫通性多孔薄板97が設けられて、前記ブロック状フィルタ95を前記太径管90に固定かつ封入している。 また、該太径管90の外側壁には、導電性薄膜90aで被覆されている。 該導電性薄膜90aに電極を接触させて電流を流すことによって温度制御を行うことができる。

    図9には、第9の実施の形態に係る担体封入チップ98を示す。 該担体封入チップ98は、担体としての薄膜状フィルタ106をチップ状容器99内に封入したものである。 該チップ状容器99は、前記貯留管に相当し相互に着脱自在に設けられた下側太径管100および上側太径管102と、該太径管100、102よりも細く形成されるとともに、前記下側太径管100に対して着脱自在に設けられた細径管103と、前記下側太径管100に設けた移行部としての段差105とを有するものである。

    また、前記上側太径管102には、図9(c)(d)に示すように、気体の吸引吐出が行われるノズル107または該ノズル107に装着されたクロスコンタミネーション防止用のキャップ状のアダプタ108に装着可能な装着用開口部101が設けられている。 また、前記細径管103の先端には、前記ノズル107による気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部104が軸方向に対して傾斜する傾斜面をもつように形成されている。

    図9(b)には、前記担体封入チップ98の分解斜視図を示すものである。 該担体封入チップ98の前記上側太径管102には、上側太径管102の本体やや細く形成されて、前記下側太径管100内に嵌合して装着される嵌合管102aを有する。 該嵌合管102aの先端と前記太径管100に設けられた段差105の内底部分との間には隙間があり、その隙間には、次の部材が挟み込まれる。 すなわち、前担体としてのメンブラン、薄膜状フィルタ106を上側から弾性的に付勢するゴム製のOリング106a、前記担体としての所定サイズ網目をもつ薄膜状フィルタ106、該網目よりもやや大きいサイズの網目をもつ網状薄板106bであって、主として該薄膜状フィルタ106を弛みなく支えるために用いるものと、該網状薄板106bの下側に設けられ、該網状薄板106bよりもさらに大きなサイズの網目を有し前記薄膜状フィルタ106の目詰まりを防止するための網状薄板106cとを有する。 これらの薄膜状フィルタ106、網状薄板106b、106cは、前記装着用開口部101と前記口部104の間を仕切るように設けられている。 ここで、前記薄膜状フィルタ106は、例えば、限外濾過膜であり、前記網状薄板106bは例えば、ステンレス製で、網目の径が50μm程度のものであり、前記網状薄板106cは、例えば、ステンレス製で、網目の密度が40m/sである。

    図9(c)(d)には、前記装着用開口部101に、管状の前記アダプタ108を介してノズル107を装着した斜視図およびその断面図を示す。 前記ノズル107は前記アダプタ108内に嵌合して装着される。 該アダプタ108内には、気体が通過可能なエアフィルタ108aが設けられ、前記ノズル107の先端は、該エアフィルタ108aの上端または該エアフィルタ108aを取り付ける網状薄板に接近または接触した状態で装着される。 前記ノズル107の先端近傍には、Oリング107aが設けられ、気体の漏れを防止している。

    前記アダプタ108は前記装着用開口部101の上部の開口近傍に設けたゴム製Oリング102bによって弾性的に付勢されて前記装着用開口部101に嵌合装着される。

    図10には、第10の実施の形態に係る担体封入チップ110を示す。 図10(a)に示すように、該担体封入チップ110は、担体としての膜状フィルタ、薄板状フィルタまたは薄膜状フィルタ118(例えば、限外濾過膜)をチップ状容器112内に封入したものである。 該チップ状容器112は、太径管113と、該太径管113の上側で連通する最太径管117と、前記太径管113の下側で連通する細径管115とを有する。

    前記太径管113には、前記細径管115との間に形成された段差113aと、前記薄膜状フィルタ118が前記段差113aに支持されて収容される下側の円筒領域113bと、粒子状担体が収容可能な(この例では収容していない)上側に設けた下方にやや先細りに形成された傾斜円筒領域113cとを有する。

    前記最太径管117には、前記太径管113との間に形成された段差117aと、薄膜状フィルタが前記段差117aに支持されて収容可能な(この例では収容していない)下側の円筒領域117bと、上側に設けた下方向にやや先細りの傾斜円筒領域117cとを有する。 該傾斜円筒領域117cの上側は、図示しないノズルに装着可能な装着用開口部114が設けられている。

    図10(c)は、図10(a)のAA線視断面図を示すものである。 図10(c)に示すように、前記傾斜円筒領域117cの中央あたりには、前記突出部としての環状突起117eがその内壁面に沿って軸方向に垂直な方向に沿って設けられている(図10(d)参照)。 その環状突起117eのすぐ上には円筒領域117dがあり、空気を通過可能なエアフィルタ117fが前記環状突起117eに支持されて設けられている。 なお、符号114aは、前記最太径管117の上側の外側面にその軸方向に沿って設けられている複数の突条である。

    前記細径管115の先端には、前記ノズルによる気体の吸引吐出によって流体の流出入が可能な口部116が設けられている。 したがって、第10の実施の形態に係る担体封入チップ111のチップ状容器には、該装着用開口部114と前記口部116との間で内壁面を仕切るように設けられ、口部に向かって内側方向に突設する段差113a,117aおよび内側方向に突出する前記突出部としての環状突起117eの3つが前記装着用開口部114と前記口部116を結ぶ方向に相互に離間して設けられていることになる。

    さらに、図10(b)に示すように、本実施の形態にあっては、前記段差113aにおいては、その内底面側部分119において、前記円筒領域113bの内壁面に接しかつ該円筒領域113bの軸線を囲むように設けられた周縁部119b、および、該周縁部119bから軸線に向かって半径方向に突出する3本の突起119aが設けられており、段差の厚さが一様ではない。 なお、前記内底面側部分119は、薄板状のスペーサ用部材として前記チップ状容器と別体に設けるようにしても良い。 これによって、前記薄膜状フィルタ118の利用有効面積を増大させることができる。

    該内底面側部分119の上側に接して前記担体としての薄膜状フィルタ118が前記装着用開口部114および口部116の間を仕切るようにして設けられている。 なお、該薄膜状フィルタ118の剛性が小さい場合には、前記内底面側部分119の上に支持用の網状部材(第1の他の封入部)を載置した上で前記薄膜状フィルタ118を設けるようにする。

    さらに、その上側には、前記第2の他の封入部としての担体通過阻止部材としての円筒状のスリーブ129が、前記薄膜状フィルタ118の周縁部分、従って前記周縁部119bを押圧するようにして設けられている。 なお、該薄膜状フィルタ118の周縁部分にOリングを置いた上で該スリーブ129を設けるようにしても良い。 前記最太径部117の下端にある前記段差117aを利用しても、膜状フィルタを前述したような封止部を用いて挟むようにして支持可能である。

    該最太径管117の内、前記環状突起117eの下側および前記円筒領域117bおよび傾斜円筒領域113cは貯留管に相当し、前記円筒領域113bは担体収容管に相当する。 しかし、傾斜円筒領域113cに担体を収容した場合には、該傾斜円筒領域113cは担体収容管に相当する。

    続いて、本発明の第11の実施の形態に係る担体処理装置10の全体を表す平面模式図である。

    該担体処理装置10は、気体の吸引吐出機構を有し、例えば、前記担体封入チップ36をノズルに装着して、該チップ36に対して吸引吐出処理を行う複数連のノズルを有する担体封入チップ処理装置180と、種々の検体や試薬等を含有する溶液を前記担体封入チップ36内に吸引しまたは吐出することによって、封入された前記担体に対する予め準備された溶液の吸引、吐出、外部容器への分注、攪拌、洗浄、抽出、移送、反応等を行うための担体処理領域181と、前記担体封入チップ処理装置180が有する1の個別用ノズルを用いて前記担体封入チップ36内に主として測定用等の処理直前に必要となる試薬を分注するための試薬分注領域182と、前記担体封入チップ36内に封入された担体を含む物質について測定を実行する� ��めに光情報を得る測定領域183とを有する。

    図11、図12に示す前記担体封入チップ処理装置180は、列方向(図面内の縦方向)に配列された複数(この例では9連)のノズル107を有するノズルヘッド184を有し、該ノズルヘッド184に対しては、一斉に吸引吐出が行われる。 なお、9連のノズル107の内、端の1のノズル107は、個別ノズルであって、その位置(図11の符号212bの位置)に示すように、8連のノズル107、すなわち、一括ノズルの位置(符号212aの位置)からやや離れて設けられている。

    図12に示すように、前記吸引吐出機構においては、前記各ノズル107のやや上部に設けた太径部216と、該各ノズル107と連結したシリンダ215内でプランジャ215aを摺動するためのロッド212とを有する。 さらに、9本の前記ロッド212は、一斉に上下運動可能な駆動板223の縁に設けた各々9個の各切欠き部に該ロッド212の径よりも大きな径をもって半径方向に突出している8連の端部212aおよび1の端部212bを掛けるようにして取り付けられている。 なお、前記ノズルヘッド184は、行方向(図面上横方向または左右方向)に移動することになる。

    また、図12に示すように、該駆動板223は、ボール螺子214と螺合するナット部213と連結している。 前記各ロッド212は、前記シリンダ215に設けられたばねによって常時下方向に付勢されている。 そのため、前記各ロッド212は、上方向に動く場合には前記各ナット部213によって上げられるが、下方向に下がる場合には、該各ナット部213によるのではなく、前記ばね力によって下がる。 該各ボール螺子214は、断面コの字状の支持部材211に設けられたモータ210によって回転駆動され、これによって、前記駆動板223および9本の前記ロッド212が一斉に上下動する。

    なお、9連のノズル107のうち、前記個別ノズルは、前記ノズルヘッド184に設けられているので、他の8連の一括ノズルとともに一斉に吸引吐出が行われ、また、昇降機構についても、行方向の水平移動(図11の左右方向)についても一斉に行われる。 しかし、該個別ノズルは、前記試薬分注領域182において、前記担体封入チップ36内に測定用の試薬を分注するために用いられる。 該個別ノズルを用いる場合には、他の一括ノズルからは担体封入チップが除去された状態になっている。 また、一括ノズルを用いる場合には、該個別ノズルにはチップ等は装着されていない状態にある。

    図12において、筐体187内にはボール螺子219、該ボール螺子219に螺合するナット部220および該ナット部220に取り付けられた前記支持部材211を一端に有する支持体221を有する。 また、該筐体187上には、前記ボール螺子219を回転駆動するモータ188が設けられている。 これらの部品によって構成された上下動機構によって、前記ノズル107が一斉に上下動可能である。

    筐体187の下方には、温度昇降手段171が設けられている。 該温度昇降手段171は、9連のノズルに装着された9本の前記チップに接近しまたは接触可能となるような高さおよび幅を持つように列方向に沿って形成され、内部にヒータを有する加熱板173と、該加熱板173に取り付けられ、前記各チップを両側から各々挟むように突出して設けられた内部にヒータを有する10枚の加熱壁172とを有し、これらの加熱板173は、温度制御の対象となるチップの形状に合わせた形状をもつように形成するのが好ましい。 ここで、前記加熱板173および加熱壁172は前記温度昇降体に相当する。

    該温度昇降手段171は、前記ノズルヘッド184の前記ノズル107に装着された前記チップに接近または接触して、該チップを加熱することを可能にするためのモータ174、該モータ174によって回転駆動されるボール螺子176a、および該ボール螺子176aに羅合するナット部175、該ナット部175に連結して図上左右方向に移動可能であって、前記加熱壁172および加熱板173とも連結する移動用ロッド176bを有する。

    前記温度昇降手段171の下側には、櫛歯状の爪222aおよび9個の磁石222bと、図上左右方向に移動させて、前記ノズル107に装着された前記チップ36を除去し、または磁場を及ぼすことを可能にするためのモータ189、該モータ189によって左右方向に移動可能な移動用支持板190および該移動用支持板190に取付けられた移動用ロッド191a,191bを有する。

    なお、該担体封入チップ処理装置180は、上側から吊り下げられるように設けられ、前記処理装置10の全域および他の必要領域を覆うように、図示しない直動機構を利用したX軸(行方向)移動機構によって移動可能に設けられている。

    また、図11に戻り、前記担体処理領域181においては、対象物質を含有する溶液を収容する8連の対象物質収容ウェル192aを有するカートリッジ容器192と、ウェル列196、197を収容するとともに、生成物を収容するウェル列199を有する5列×8行のウェルを有するマトリクス状容器195と、該処理を実行するために必要な各種試薬や物質または処理結果物を収容するためのプレパック可能なウェル200aを有する8個のカートリッジ容器200とを有する。 該カートリッジ容器200のうち、符号200bは、ヒートブロックが設けられたインキュベータ用ウェルである。

    さらに、前記対象物質収容ウェル192aには各々その対象物質に関する情報を示すバーコード192bが付されている。 該バーコード192bは、バーコード192bを読み取るバーコード読取部193が走査するように移動して読み取る。 符号193aは該バーコード読取部193を駆動する移動機構である。

    8連の前記カートリッジ容器200の周囲を囲むようにして、前記担体封入チップ処理装置180の前記8連の一括ノズル107の移動経路上において8連のノズルの配列方向に平行な列方向(図面上の縦方向、Y方向)に沿った列搬送経路203a,203cおよび、前記個別ノズル107の移動経路上の行方向(横方向、X方向)に沿った行搬送経路203bをもつ四角形状の搬送経路に沿って移動可能なコンベイヤー203が設けられている。 該コンベイヤー203は、前記行列経路搬送手段に相当し、該コンベイヤー203は、前記ノズル間の間隔に一致するように全部で32個のチップ収容部またはチューブ202が、該コンベイヤー203とともに移動可能に連結されている。 したがって、図11に示すような位置において、前記担体封入チップ処理装置180の8連のノズルによって、列搬送経路203a,203cに配列された2列のチューブ202群に対して液体の吸引吐出が可能である。 また、前記処理装置10の前記一括ノズル107の前記8連のノズル群とは離れて設けた前記個別ノズル107によって、前記行列経路搬送手段として四角形状に配列された搬送経路の内、下辺の行搬送経路203b、すなわち前記試薬分注領域182内にある選択したチップ収容部またはチューブ202に対して、目的に応じた試薬、例えば化学発光における基質液等を分注することができる。

    さらに、前記測定領域183内であって、前記行列経路搬送手段の四角形状の搬送経路の内に測定ポイント204を設け、該測定ポイント204において、トリガー光源205より、励起光を前記担体封入チップ内に励起光を照射して、発生した光を受光部206において受光して測定を行うようにする。 これによって、各チップごとに処理目的に応じた処理を行うことができる。

    なお、図示していないが、これらの担体処理装置10を制御するために、使用者からの指示やデータを入力するための入力装置、各種演算等の処理を行うCPU、表示装置、各種メモリ、伝達手段等を有する情報処理装置が、前記担体封入チップ処理装置180の吸引吐出機構や、移動機構、行列経路搬送手段、測定領域183内の装置等に指示を行いまたこれらの装置からの信号を受ける。 該情報処理装置には、前記ノズルの吸引もしくは吐出の量、スピード、回数、時間または位置を、前記ノズル、ノズルに装着される部材もしくは担体封入チップの構造、流体中に存在する物質の種類、濃度、流体の量、流体もしくは担体の温度または該流体の収容位置を含む座標位置からなる物質条件、および、処理内容に基づいて制御する制御部が設けられている。

    続いて、図13に基づいて、第12の実施の形態に係る前記担体封入チップ36を用いた処理について説明する。 ここでは、プロテインAを用いてマウスIgG(抗体)の分離精製を例にとって説明する。

    ステップS1において、前記担体封入チップ36内に、前記担体として、粒子状充填剤44、具体的には、アフィニティリガンド(抗体、抗原、色素、酵素等)ここでは、黄色ブドウ球菌の細胞壁に存在するタンパク質で、各種動物宿主由来のIgGに対して特性を示す物を用いる。 該プロテインAを架橋アガロース基材のクロマトゲルに固定したものを用いる。 該プロテインAが表面に固定されたクロマトゲルを封入し、前記ノズルヘッド184のノズル107に装着する。

    該担体封入チップ36を該ノズルヘッド184と共に、行方向に移動させ、精製対象物120、例えば、マウスIgGが含まれる培養上清の試料溶液を含有する容器にまで移動させる。 ステップS2からステップS4において、前記容器に収容された該試料溶液を前記ノズル107を介して吸引吐出を繰り返すことによって該試料と前記クロマトゲルとを混合攪拌する。 この場合、プロテインAリガンドはIgGに対する結合定数が小さいので、例えば、スピードは、毎時1000cmの高速で流れた場合でも高い吸着能力を有する。 分注チップで稼動させる場合、毎時300cmから500cmの線流速での運用が可能である。 これによって、前記精製対象物120であるマウスIgGをクロマトゲルの粒子状充填剤44の表面のアフィニティリガンドと結合または吸着させる。 この工程には約5分かける。

    次に、ステップS5において、前記ノズルヘッド184を移動させて、洗浄液として適当な溶媒を収容する容器にまで移動させる。 洗浄液該当する担体として、吸引吐出を行うことで洗浄する。 洗浄液は、試料希釈液としても用いるバッファ液、20mMのリン酸ナトリウムpH7.0を用いて行う。 少なくとも、該洗浄液を2回換えて洗浄を繰り返す。 是によって前記チップ内に残っていた試料溶液である培養上清を除去する。 ここで、前記担体封入チップ36内に導入されるバッファ液の量は、前記担体封入チップ36内に封入されている担体の量の3倍になるように制御する。 この際、前記チップ内の吸光度を前記測定領域183においてモニターしながら、吸光度がある値以下になるまで、洗浄液の吸引吐出を繰り返すようにしても良い。 その場合には、図11に示すように、該チップ36を前記行列経路搬送手段としてのコンベイヤー203に載置して搬送しながら、測定ポイント204において測定を繰り返しながら吸引吐出を行う。

    ステップS6において、前記クロマトゲルの表面に吸着している目的対象物を選択的にゲルから溶出させる溶媒を収容している容器にまで、前記担体封入チップ36を移動させ、吸引吐出を繰り返す。 該溶出液としては、例えば、0.1Mクエン酸−NaOH,pH3.0を用いる。 なお、その他、グリシンバッファ、酢酸バッファを用いても良い。 その際、pH早く2.5から4の範囲である。 該工程は約5分間かかる。

    ステップS7において、目的対象物であるマウスIgGを溶液中に溶出させて、所定の容器内に吐出する。 溶出は、吸光度(A280)のピークとして観測される。 このIgGの溶出ピーク部分が目的の精製抗体(IgG)であるので、A280の立ち上がりに注意してこのピーク部分を分画回収する。 溶出操作終了後、酸性バッファ液で溶出されたIgG溶液のpHを中性に戻すために、1M Tris−HCl(pH8)を適量添加する。

    さらに、溶出されたIgGを含む溶液には、まだ溶出液成分や高濃度のTrisが含まれているので、適当なバッファ、例えば、PBSを用いて限外濾過を行って溶液を置換する必要がある。 そのために、例えば、図9に示した担体封入チップ98に薄膜状担体として限外濾過膜を用いたものを用意して、例えば図11のチップ収容列179に配列させておく。

    そして、前記ノズルヘッド184に前記担体封入チップ36を除去し、新たに分注チップを装着し、前記溶出されたIgGを含む溶液を適当な分注チップに吸引させ、例えば、前記チップ収容列179にまで前記ノズルヘッド184によって移動して、該担体封入チップ98の装着用開口部101から前記溶液を吐出して収容する。 次に、該ノズル107から前記分注チップを除去し、前記アダプタ108を介して前記担体封入チップ98の装着用開口部101において、装着し、前記吸引吐出機構を用いて前記溶液を加圧して前記限外濾過膜を通過させる処理を行う。

    以上の処理は、1のノズルを担体封入チップ36を用いた場合について説明したが、複数連のノズルを用いることで複数の処理を同時に行うことができる。 したがって、本実施の形態に係る処理によれば、従来の液クロマトグラフ等に比較して、小規模の装置で、同時に多数の検体を扱うことができるので効率が高い。

    続いて、図14に基づいて、第13の実施の形態に係る目的とするタンパク質を合成して生成する処理について説明する。 ステップS11において、反応溶液を混合して生成する。 そのために、前記担体処理装置10の前記担体封入チップ処理装置180のノズルヘッド184に、8本の分注チップ121を装着し、該ノズルヘッド184を移動することによって、前記担体処理領域181内に設けたウェル192内に、8連のカートリッジ容器200のウェルに収容された各試薬等、すなわち、目的とするタンパク質として、DNFR(ジヒドロ養蚕還元酵素)を合成するためのテンプレートDNAを含有するポジティブコントロール(DHFR)用液を0.5μg含有する2.5μリットルと、Puresystem Sol. A(登録商標)を25μリットルと、Puresystem Sol. B(登録商標)を10μリットルと無核酸分解酵素水(Nuclease Free water)を12.5μリットルを吸引して、所定の混合して計50μリットルとするように制御しながら分注する。

    ここで、Puresystemの各溶液には、転写、翻訳およびエネルギー再生に必要なタンパク質因子を全て別々に調製、生成後、再構成したものが含まれている。 すなわち、開始因子、伸長因子、終結因子、リボソームリサイクリング因子、20種類のアミノ酸に対応するアミノアシルtRNA合成酵素等である。 また、リボソームタンパク質以外の構成タンパク質はすべてHis−tagをN末端もしくはC末端に付加した状態で調整されている。

    その場合、前記ウェル192は、冷却した状態、例えば、氷を近接させた状態で行う。 これによって、前記ウェル192内には、図14に示すように、テンプレートDNA122、リボソーム123、およびHis‐tag付因子等124を含有する反応溶液が得られる。 該反応溶液を、吸引して前記ノズルヘッド184を37℃の恒温状態にあるウェル196にまで移動して、前記反応溶液を吐出して該ウェル196内に収容し、1時間、目的とするタンパク質の合成反応を起こさせる。

    ステップS12において、前記ウェル196から前記反応溶液を吸引して、前記ノズルヘッド184を移動させて、再び前記ウェル192内に吐出し、再び氷に接近させた状態で冷却させる。 その状態で、金属アフィニティ樹脂によって被覆された磁性粒子125を収容するウェル200から該磁性粒子125を懸濁する溶液10μリットルを吸引して、前記ウェル192内に吐出し、混合攪拌させる。 そのために、所定のスピード(例えば、数10μリットル/sec)で吸引吐出を約10分間繰り返す。

    ステップS13において、前記ウェルを冷却した状態で、前記ノズルヘッド184に装着した分注チップ121に対して、前記担体封入チップ処理装置180の磁石222bを分注チップ121の外側から接近させて、磁場を及ぼした状態で、所定スピード(例えば、数10μリットル/sec)で、吸引吐出を行うことで前記磁性粒子125を前記分注チップの内壁に吸着させて分離する(B/F分離)。

    すると、該磁性粒子125には、前記His−tag因子が結合されているので、該磁性粒子を除去することによって、目的の合成タンパク質以外のタンパク質を除去することができる。

    ステップS14で、前記ウェル192から前記分注チップ121によって、上清を1.5mリットル吸引し、ノズルヘッド184をウェル列199にまで移動させて吐出させ、該ウェル列199に無核酸分解酵素水50μリットルを加えて計100μリットルとする。

    ステップS15において、該溶液を前記分注チップ121に吸引して、前記チップ収容列179に収容されている前記担体封入チップ98の前記装着用開口部101に吐出する。 これによって、該反応溶液は、該担体封入チップ98の太径管内に収容される。 なお、該担体封入チップ98の担体としては限外濾過膜が封入されている。

    ステップS16において、該ノズルヘッド184の各ノズル107から前記分注チップ121を櫛歯状の前記爪222aを用いてこそぎ落とした後、所定アダプタ108を介して各ノズル107に前記担体封入チップ98の前記装着用開口部101に挿入して該担体封入チップ98を前記ノズル107に装着させる。 次に、該担体封入チップ98を装着した状態で、前記ノズルヘッド184を図11上右側のウェル列199にまで移動し、該担体封入チップ98の細径管103を該ウェル列199に挿入した状態で、該担体封入チップ処理装置180の吸引吐出機構によって、気体を吐出させることで前記太径管100内に収容された反応溶液の上側から加圧して前記限外濾過膜である薄膜状フィルタ106を通過させる。 これによって、前記ウェル列199内には、リボソームが除去された目的とする合成タンパク質126を含有する溶液を得ることができる。 本実施の形態に係る処理によれば、従来の液クロマトグラフ等に比較して、小規模の装置で、同時に多数の検体を扱うことができるので、効率が高い。

    なお、以上の手順は、一例を示した物であり、例えば、ステップS12およびステップS13による磁性粒子125を用いてHis‐tag因子の除去の手順は、ステップS14からステップS16までのリボソーム除去の手順の後に行うようにしても良い。

    以上説明した各実施の形態は、本発明をより良く理解させる為に具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。 したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。 例えば、前記実施の形態では、主としてタンパク質の場合のみについて説明したが、DNA物質、RNA、糖鎖等であっても良い。 また、粒子状担体としては、球形の粒子状担体の場合のみについて説明したが、この場合に限られず、円柱状、直方体状であっても良い。 また、不定形担体にも適用できる。 また、以上の説明で用いた数値、回数、形状、個数、量等についてもこれらの場合に限定されるものではない。

    また、以上の各構成要素、各担体封入チップ、担体、チップ状容器、封入部、ノズル等、加熱手段等または各装置は、適当に変形しながら任意に組み合わせることができる。 さらに、リガンドとしてもDNAに限られず、オリゴヌクレオチド、RNA等の遺伝物質、免疫物質、タンパク質、糖鎖、さらにフェロモン、アロモン、ミトコンドリア、ウィルス、プラスミド等をも含む。

    また、前述した試薬や物質は例を示すものであって、他の試薬や物質を使用することも可能である。 また、DNA等を捕獲した担体を前記細管等から取り出して、保存、他の処理の対象とすることができる。 さらに、前記突出部、傾斜面および段差は、チップ状容器内に1、2、または3箇所設ける場合について説明したが、これらの場合に限られることなく、4箇所以上設けるようにしても良い。

    本発明は、担体封入チップ、担体処理装置、担体処理方法に関する。 本発明は、遺伝子、免疫系、アミノ酸、蛋白質、糖等の生体高分子、生体低分子の扱いが要求される分野、例えば、工業分野、食品、農産、水産加工等の農業分野、製薬分野、衛生、保健、免疫、疾病、遺伝等の医療分野、化学もしくは生物学等の理学の分野等、あらゆる分野に関係するものである。 本発明は、特に、多数の試薬や物質を用いた一連の処理を所定の順序に連続的に実行する場合に有効な方法である。

    符号の説明

    10 担体処理装置11、25、36、51、63、71、83、86、98、111 担体封入チップ18、32、44、58 粒子状充填剤(担体)
    69 ブロック状充填剤(担体)
    82、95 ブロック状フィルタ(担体)
    84、106、118 薄膜状フィルタ(担体)

    【発明の名称】担体封入チップ、担体処理装置、および担体処理方法

    【0001】
    【技術分野】
    [0001]
    本発明は、担体封入チップ、担体処理装置および担体処理方法に関するものである。
    【背景技術】
    [0002]
    従来、カラムと呼ばれる上下円板の中央部に液体の取り入れ、取り出し口のついた円筒状の容器に、ゲルと呼ばれる粒子径10〜数百ミクロンの粒子状充填剤を入れ、そこに上下の液体取出口、取入口のいずれかの方向から液体をポンプ等により流す時の溶質分子とゲルとの間の相互作用を利用して物質の分離・精製を行う液体クロマトグラフィーの原理を用いた液体クロマトグラフがあった。 現在、液体クロマトグラフィー用のゲルには、その表面構造に様々のものが市販されている。 ゲル表面にイオン交換基がつけられたものは、イオン交換ゲルとしての機能をもち、溶質分子のイオン荷との相互作用を利用したイオン交換クロマトグラフィーによる物質の分離が可能である。
    [0003]
    ところで、これらのクロマトグラフィー分離システムは、このカラムに液体を流すためのポンプと、それらの液体を入れるための容器、流路を適宜切り換えるためのバルブ、およびカラムから出てくる目的物などを検出するための吸光度、pH、電気伝導度などの測定機器とを組み合わせた複雑な構成のシステムとして運用されていた。
    [0004]
    通常、クロマトグラフィーでの物質分離は、何ステップかのカラムを組み合わせて必要な精製純度を達成する手法をとる。 イオン交換クロマトグラフィー⇒疎水性クロマトグラフィー⇒ゲル濾過クロマトグラフィー等2、3のクロマトグラフィーを組み合わせる場合が多い。 しかし、実際に研究・開発用途で物質の探索研究等を行う場合は、1または2ステップのクロマトグラフィーで十分な場合も多い。 但し、クロマトグラフィーを1ステップだけ行う場合でも、液クロマトグラフィー・システムとしては、ポンプ、流路切換システム。 カラム、クロマトグラフィー展開用溶液の容器、検出システム等が組み入れられた大掛かりなシステムになってしまうおそれがあるという問題点があった。

    「チップ状容器」とは、前記吸引吐出に用いられる部材に装着され又は装着可能な装着用開口部および口部を有し、担体を収容可能な容器である。 チップ状容器は、太管および細管を有するのが好ましいが、太径管および細径管のような典型的なチップ形状をもつ場合に限られない。 この場合、細管の先端に口部が、太管の上側に装着用開口部が設けられるのが好ましい。 例えば、太管は太径管の代わりに、四角柱の形状をもつ物であっても良く、細管は細径管の代わりに角筒状の管であっても良い。 さらに、前記担体は、例えば、前記太管に相当する部分または太管と細管との間の移行部に相当する部分に収容される。 前記チップ状容器の容積は、例えば、数μリットルから数100μリットル程度以上の流体を扱うことが可能であるのが好ましい。 また、チップ状容器には、担体を封入して収容する部分とともに、前記口部から導入された流体を貯留する貯留管が設けられても良い。 該貯留管としては、前記細管よりもまたは前記太管よりもさらに太く形成されるのが好ましい。 細管は、前記太管または貯留管と一体に設ける場合と、着脱可能に設ける場合がある。 また、太管自体について、または太管と貯留管との間も一体に設ける場合と、着脱自在に設ける場合がある。

    なお、前記担体収容管の上側には、該担体収容管と連通し前記口部から流入した流体を貯留可能な貯留管を設け、前記装着用開口部は該貯留管の上側に設けるようにしても良い。 これによって、流体を担体収容管よりも上側に導入することができるので、前記流路や担体収容管の容量以上の大量の流体を前記担体と接触させることができる。 その際、貯留管は、前記担体収容管よりも太く形成するのが好ましい。 すると、前記担体収容管と貯留管との間の段差や傾斜面、または/および、該担体収容管と流路との間の段差や傾斜面を利用して、前記担体通過阻止部材または担体を係止させて確実に保持することができる。

    第9の発明は、前記チップ状容器の壁の全体または一部は、所定電気抵抗をもつ導電性部材で形成された担体封入チップである。

    図1は、本発明の第1の実施の形態に係る担体封入チップ11の断面図を示すものである。 該担体封入チップ11は、担体として粒子状充填剤18がチップ状容器12内に封入されている。 該チップ状容器12は、該粒子状充填剤18を収容する担体収容管としての略円筒状の太径管13と、該太径管13と連通し該太径管13および装着されるべきノズル(図示せず)よりも細く形成された略円筒状の細径管15と、前記太径管13と前記細径管15との間に形成された略漏斗状の移行部17とを有するものである。

    図6には、第6の実施の形態に係る担体封入チップ71を示す。 該担体封入チップ71は、担体としての略円錐台状の貫通性多孔質のブロック状フィルタ82をチップ状容器72内に封入したものである。 該チップ状容器72は、前記貯留管に相当する略円筒状の太径管76と、該太径管76と連通し該太径管76および装着されるべきノズル(図示せず)よりも細く形成された略円筒状の細径管77と、前記ブロック状フィルタ82を収容する担体収容管としての、前記太径管76と該細径管77との間に設けられた略漏斗状の移行部79とを有するものである。

    図8には、第8の実施の形態に係る担体封入チップ86を示す。 図8(a)およびそのAA線の断面図を示す図8(b)に示すように、該担体封入チップ86は、担体としての円筒状の貫通性多孔質のブロック状フィルタ95をチップ状容器87内に封入したものである。 該チップ状容器87は、前記貯留管に相当する略円筒状の最太径管88と、該最太径管88と連通し該最太径管88よりも細く形成され、前記ブロック状フィルタ95と略同じ大きさおよび形状をもって略ぴったりと収容する前記担体収容管に相当する太径管90と、該太径管90よりさらに細く形成された略円筒状の細径管91と、前記最太径管88と前記太径管90との間に設けられた段差94と、前記細径管91と前記太径管90との間に設けられた移行部としての段差93とを有するものである。

    続いて、図11は、本発明の第11の実施の形態に係る担体処理装置10の全体を表す平面模式図である。

    また、図12に示すように、該駆動板223は、ボール螺子214と螺合するナット部213と連結している。 前記各ロッド212は、前記シリンダ215に設けられたばねによって常時下方向に付勢されている。 そのため、前記各ロッド212は、上方向に動く場合には前記ナット部213によって上げられるが、下方向に下がる場合には、該各ナット部213によるのではなく、前記ばね力によって下がる。 該ボール螺子214は、断面コの字状の支持部材211に設けられたモータ210によって回転駆動され、これによって、前記駆動板223および9本の前記ロッド212が一斉に上下動する。

    なお、9連のノズル107のうち、前記個別ノズルは、前記ノズルヘッド184に設けられているので、他の8連の一括ノズルとともに一斉に吸引吐出が行われ、また、昇降移動についても、行方向の水平移動(図11の左右方向)についても一斉に行われる。 しかし、該個別ノズルは、前記試薬分注領域182において、前記担体封入チップ36内に測定用の試薬を分注するために用いられる。 該個別ノズルを用いる場合には、他の一括ノズルからは担体封入チップが除去された状態になっている。 また、一括ノズルを用いる場合には、該個別ノズルにはチップ等は装着されていない状態にある。

    前記温度昇降手段171の下側には、櫛歯状の爪222aおよび9個の磁石222b、図上左右方向に移動させて、前記ノズル107に装着された前記チップ36を除去し、または磁場を及ぼすことを可能にするためのモータ189、該モータ189によって左右方向に移動可能な移動用支持板190、および該移動用支持板190に取付けられた移動用ロッド191a,191bを有する。

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