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Regeneration apparatus for electronic functional material and production apparatus for electronic functional material

阅读:523发布:2021-02-24

专利汇可以提供Regeneration apparatus for electronic functional material and production apparatus for electronic functional material专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To achieve the downsizing of and cost reduction for an apparatus wherewith a waste material generated in a production process for electronic parts or an electronic functional material recovered from waste electronic part items is regenerated by treating the waste or recovered material with a liquid treating agent and to achieve the increase in efficiency and reduction in cost of the regeneration treatment. SOLUTION: The regeneration apparatus for an electronic functional material has a regeneration treatment vessel 10 for regenerating the material by treating it with a liquid treating agent. The treatment vessel 10 has a vessel body 11 into which the material is charged, together with a liquid treating agent, and in which the material is treated with the treating agent and the resultant slurry of the material is separated from the treating agent; and a freely up-and-down movable upper-port-type liquid suction mechanism 14 which has an upper-port-type liquid flow-in section for allowing the treating agent floating on and separated from the material to flow in and which sucks and removes the treating agent flowing in form the liquid flow-in section. In the vicinity of the bottom of the vessel body, a filter for filtering the material is installed so that the treating agent contained in the slurry is sucked through the filter under a reduced pressure.,下面是Regeneration apparatus for electronic functional material and production apparatus for electronic functional material专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 電子部品の製造工程で生じた廃材または廃電子部品から回収した電子機能材料を、液状処理剤で処理して再生する再生処理槽を具備する電子機能材料の再生装置において、 前記再生処理槽は、 前記回収した電子機能材料と前記液状処理剤とが投入され、前記液状処理剤で前記電子機能材料を処理した後に、スラリー状の前記電子機能材料と前記液状処理剤とに分離させる槽本体と、 前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を流入させる液流入部と、前記液流入部から流入した前記浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する液吸引管とを有する上口式吸液機構と、 前記上口式吸液機構を前記液状処理剤の液面高さに応じて昇降させる機構とを有することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項2】 請求項1記載の電子機能材料の再生装置において、 前記上口式吸液機構は、分離された前記液状処理剤もしくは前記スラリー状の電子機能材料に対して洗浄水またはエアーを吹き付けるシャワー機構を有することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の電子機能材料の再生装置において、 前記液流入部は外縁上部に液流入用の切欠きが設けられた受け皿状の液回収容器を有し、かつ前記液吸引管は前記液回収容器内に前記切欠きを介してオーバーフロー状態で流入した前記浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去するように、前記液回収容器に取付けられていることを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項4】 電子部品の製造工程で生じた廃材または廃電子部品から回収した電子機能材料を、液状処理剤で処理して再生する再生処理槽を具備する電子機能材料の再生装置において、 前記再生処理槽は、 前記回収した電子機能材料と前記液状処理剤とが投入され、前記液状処理剤で前記電子機能材料を処理した後に、スラリー状の前記電子機能材料と前記液状処理剤とに分離させる槽本体と、 前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する吸液手段と、 前記槽本体の底部近傍に設けられ、前記電子機能材料をろ過するフィルタと、 前記フィルタを介して、前記スラリー状の電子機能材料中に含まれる前記液状処理剤を減圧吸引する液切り手段とを有することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項5】 請求項4記載の電子機能材料の再生装置において、 前記再生処理槽に薬液を投入する薬液供給手段と、前記薬液による処理後の前記電子機能材料をすすぎ洗浄する純水を供給するすすぎ用純水供給手段とを具備することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項6】 請求項5記載の電子機能材料の再生装置において、 前記吸液手段および前記液切り手段により回収した前記薬液を収容する薬液回収容器を有し、回収した前記薬液を繰り返し使用することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項7】 請求項5記載の電子機能材料の再生装置において、 前記すすぎ用純水供給手段は、前記吸液手段および前記液切り手段により回収したすすぎ洗浄排水を精製する純水精製手段と、前記精製した純水を前記再生処理槽に循環供給する手段とを有し、前記再生処理槽に供給した純水を減圧吸引しつつ前記電子機能材料をすすぎ洗浄することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項8】 請求項4記載の電子機能材料の再生装置において、 前記吸液手段は、前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を流入させる液流入部と、前記液流入部から流入した前記浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する液吸引管とを有する、昇降自在な上口式吸液機構を具備することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項9】 請求項8記載の電子機能材料の再生装置において、 前記上口式吸液機構は、分離された前記液状処理剤もしくは前記スラリー状の電子機能材料に対して洗浄水またはエアーを吹き付けるシャワー機構を有することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項記載の電子機能材料の再生装置において、 前記回収した電子機能材料は、蛍光膜の形成過程で生じた余剰の蛍光体スラリーであり、前記蛍光体スラリーを異種の前記液状処理剤で処理する複数の処理部を有することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項11】 請求項10記載の電子機能材料の再生装置において、 前記複数の処理部は、前記蛍光体スラリーを次亜塩素酸塩および過ヨウ素酸塩で洗浄する薬品洗浄部と、前記蛍光体スラリーにアンモニア水を投入して浮遊させたカーボンを除去するカーボン除去部と、前記蛍光体スラリーを酸で洗浄する酸洗浄部を含むことを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項12】 請求項10または請求項11記載の電子機能材料の再生装置において、 前記再生処理槽は、複数の前記処理部で共用されることを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項13】 請求項10記載の電子機能材料の再生装置において、 前記複数の処理部からの排ガスが順次切り替えて導入され、かつこれら複数の排ガスを順に処理する排ガス処理装置を具備することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項14】 電子部品の製造工程で生じた廃材または廃電子部品から回収した電子機能材料を、異種の液状処理剤で処理する複数の処理部を有する電子機能材料の再生装置において、 前記複数の処理部からの排ガスが順次切り替えて導入され、かつこれら複数の排ガスを順に処理する排ガス処理装置を具備することを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項15】 請求項14記載の電子機能材料の再生装置において、 前記排ガス処理装置は、室温以下の温度に冷却された洗浄水を常時循環させ、前記洗浄水に前記排ガスを接触させて処理する気液接触式の排ガス処理装置であることを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項16】 請求項14記載の電子機能材料の再生装置において、 前記回収した電子機能材料は、蛍光膜の形成過程で生じた余剰の蛍光体スラリーであることを特徴とする電子機能材料の再生装置。
  • 【請求項17】 電子機能材料を液状処理剤で処理する処理槽を具備する電子機能材料の製造装置において、 前記処理槽は、 前記電子機能材料と前記液状処理剤とが投入され、前記液状処理剤で前記電子機能材料を処理した後に、スラリー状の前記電子機能材料と前記液状処理剤とに分離させる槽本体と、 前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を流入させる液流入部と、前記液流入部から流入した前記浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する液吸引管とを有する上口式吸液機構と、 前記上口式吸液機構を前記液状処理剤の液面高さに応じて昇降させる機構とを有することを特徴とする電子機能材料の製造装置。
  • 【請求項18】 請求項17記載の電子機能材料の製造装置において、 前記上口式吸液機構は、分離された前記液状処理剤もしくは前記スラリー状の電子機能材料に対して洗浄水またはエアーを吹き付けるシャワー機構を有することを特徴とする電子機能材料の製造装置。
  • 【請求項19】 請求項17または請求項18記載の電子機能材料の製造装置において、 前記液流入部は外縁上部に液流入用の切欠きが設けられた受け皿状の液回収容器を有し、かつ前記液吸引管は前記液回収容器内に前記切欠きを介してオーバーフロー状態で流入した前記浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去するように、前記液回収容器に取付けられていることを特徴とする電子機能材料の製造装置。
  • 【請求項20】 電子機能材料を液状処理剤で処理する処理槽を具備する電子機能材料の製造装置において、 前記処理槽は、 前記電子機能材料と前記液状処理剤とが投入され、前記液状処理剤で前記電子機能材料を処理した後に、スラリー状の前記電子機能材料と前記液状処理剤とに分離させる槽本体と、 前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する吸液手段と、 前記槽本体の底部近傍に設けられ、前記電子機能材料をろ過するフィルタと、 前記フィルタを介して、前記スラリー状の電子機能材料中に含まれる前記液状処理剤を減圧吸引する液切り手段とを有することを特徴とする電子機能材料の製造装置。
  • 【請求項21】 請求項20記載の電子機能材料の製造装置において、 前記処理槽に薬液を投入する薬液供給手段と、前記薬液による処理後の前記電子機能材料をすすぎ洗浄する純水を供給するすすぎ用純水供給手段とを具備することを特徴とする電子機能材料の製造装置。
  • 【請求項22】 請求項21記載の電子機能材料の製造装置において、 前記すすぎ用純水供給手段は、前記吸液手段および前記液切り手段により回収したすすぎ洗浄排水を精製する純水精製手段と、前記精製した純水を前記処理槽に循環供給する手段とを有し、前記処理槽に供給した純水を減圧吸引しつつ前記電子機能材料をすすぎ洗浄することを特徴とする電子機能材料の製造装置。
  • 【請求項23】 電子機能材料を異種の液状処理剤で処理する複数の処理部を有する電子機能材料の製造装置において、 前記複数の処理部からの排ガスが順次切り替えて導入され、かつこれら複数の排ガスを順に処理する排ガス処理装置を具備することを特徴とする電子機能材料の製造装置。
  • 【請求項24】 請求項17ないし請求項23のいずれか1項記載の電子機能材料の製造装置において、 前記電子機能材料は蛍光体であることを特徴とする電子機能材料の製造装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、例えば蛍光膜の形成過程で生じた余剰の蛍光体スラリーなどを回収し、この回収した蛍光体スラリーのような電子機能材料を液状処理剤で処理して再生する電子機能材料の再生装置、および電子機能材料の製造装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】カラーブラウン管などの陰極線管に代表される電子管の蛍光膜は、光の三原色である赤、緑および青の各色に発光する蛍光体を含む蛍光体スラリーを用いて形成される。 この際、余剰の蛍光体スラリーが多量に発生するため、この余剰の蛍光体スラリーを回収し、
    蛍光体を再生して再利用することが行われている。

    【0003】ところで、このような蛍光膜の形成工程で生ずる余剰の蛍光体スラリーには、蛍光体の他にポリビニルアルコール、クロム化合物、カーボンなどの添加物質が含まれている。 また回収の際に、他の色の蛍光体が混入することもある。 従って、余剰の蛍光体スラリーから蛍光体を再生・再利用するためには、これらの添加物質や他の色の蛍光体を除去する必要がある。 そこで、回収された蛍光体スラリーには、次亜塩素酸塩や過ヨウ素酸塩による洗浄処理、アンモニアによるカーボン除去処理、酸による洗浄処理、温水による洗浄処理など、各種の液状処理剤による処理が施される(例えば特開平 1
    0-261364号公報参照)。

    【0004】従来の一連の薬液処理工程を含む蛍光体の再生装置は、特定品種の蛍光体をより多く再生するという要求を満たすために、各薬液処理の段階毎に専用の処理槽を設置し、再生する材料を各処理槽に順次移しながら再生する装置が一般的であった。 一方、近年、蛍光体の需要が拡大するにつれて品種が多様化し、少量多品種の蛍光体を再生する装置に対する要求も高まってきている。

    【0005】しかしながら、従来の再生装置は薬液処理工程数とほぼ同数の処理槽を有しているため、必然的に広い設置場所を必要とし、また設置コストも高額になる傾向があった。 少量多品種の蛍光体を再生する場合においても、他品種の材料混入を防止するために、それぞれの品種に応じた再生装置を設置する必要があり、設置コストや設置場所などに対する負担が大きくなってしまう。

    【0006】また、従来の蛍光体再生装置をコンパクト化しにくい理由の一つとして、薬液処理槽を共用化しにくいことが挙げられる。 すなわち、カーボン粒子などの浮遊する不純物を除去する場合、例えば傾斜して液切りする特別な処理槽が必要であり、薬液処理槽を共用化することが難しい。 蛍光体スラリーから分離させた浮遊物を含む薬液や洗浄液(上澄み液)中に吸引管を入れ、上澄み液を吸引除去することも試みられているが、この方法では浮遊する不純物の除去効率が低いことに加えて、
    沈降している蛍光体スラリーの一部も同時に吸い込み、
    蛍光体の収率を悪化させるという欠点がある。

    【0007】さらに、蛍光体再生装置の設置コストや設置場所、さらには処理コストなどを増大させる要因として、排水処理設備や排ガス処理設備の大型化が挙げられる。

    【0008】すなわち、薬液処理工程で使用する薬液は、通常投入処理毎に排出され、その使用量は蛍光体の再生量に比例する。 また、薬液のすすぎ洗浄に使用する水の量は、薬液の濃度と処理後の蛍光体スラリー中に残存する薬液含有量に左右される。 一般に、一連の薬液処理工程で使用する薬液量、蛍光体スラリー中に残存する薬液量、薬液の希釈洗浄に使用する水量が多いと、排水処理設備は大型化する。

    【0009】従来の蛍光体再生装置は、上述したような点に対する配慮が不十分であったことから、必然的に排水処理設備が大型化し、蛍光体再生装置の設置コスト、
    設置場所、処理コストなどを増大させていた。 特に、次亜塩素酸塩、過ヨウ素酸塩、アンモニア水、酸などを使用する、複数の薬液処理工程を含む蛍光体再生装置を設置する場合、自然環境の保全上、高度でかつ高価な排水処理設備が必要とされ、蛍光体再生装置の設置コストや設置場所などを増大させる要因となっている。

    【0010】また、一連の薬液処理工程を含む蛍光体再生装置では、例えば70〜80℃程度の液温とした酸やアルカリが使用されており、これら各工程から発生する複数種類の排ガスを個別に処理するための排ガス処理装置が併設されている。 蛍光体再生装置では、その再生量が少なくても排出される排ガスの種類に応じた排ガス処理装置、すなわち次亜塩素酸塩、過ヨウ素酸塩、アンモニア水、酸などの各薬液の加温液からの薬液ミストを含む排ガスを個別に処理する複数の排ガス処理装置が必要とされ、これら排ガス処理装置が蛍光体再生装置の設置コスト、設置場所、処理コストなどを増大させる要因となっている。

    【0011】

    【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来の蛍光体の再生装置では、薬液処理工程数とほぼ同数が必要とされる薬液処理槽、高度でかつ大型な排水処理装置、排ガスの種類に応じて設置される排ガス処理装置などが、その設置コスト、設置場所、処理コストなどを増大させる要因となっている。 このような従来の蛍光体再生装置は、少量多品種化された蛍光体の再生には不向きであり、蛍光体再生装置の小型・低コスト化、高効率化、低処理コスト化などを達成することが強く望まれている。

    【0012】また、上記したような問題は蛍光体の再生装置に限らず、二次電池の廃電極から回収された正極材料、磁性粉体、半導体や液晶関係の薄膜形成に用いられる高純度金属、トナー粉末などの再生装置のように、薬液で処理して電子機能材料を再生する各種の再生装置に共通するものであり、これら電子機能材料の再生装置においても小型・低コスト化、高処理効率化、低処理コスト化などが強く望まれている。 さらに、蛍光体の製造装置などにおいても薬液処理が実施されるため、これらの製造装置の小型・低コスト化、高処理効率化、低処理コスト化なども求められている。

    【0013】本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、回収した電子機能材料を効率よくかつ安価に再生処理することができ、その上で小型・低コスト化などを図った電子機能材料の再生装置、および電子機能材料の製造装置を提供することを目的としている。

    【0014】より具体的には、薬液処理槽の共用化を図ることによって、小型・低コスト化、高効率化、低処理コスト化などを実現した電子機能材料の再生装置、および電子機能材料の製造装置を提供することを目的としている。 また、薬液使用量、被処理物中に残存する薬液量、薬液の希釈洗浄に使用する水量などを低減することによって、排水処理装置を含めて小型・低コスト化、高効率化、低処理コスト化などを実現した電子機能材料の再生装置、および電子機能材料の製造装置を提供することを目的としている。 さらに、排ガス処理装置の共用化を図ることによって、小型・低コスト化などを実現した電子機能材料の再生装置、および電子機能材料の製造装置を提供することを目的としている。

    【0015】

    【課題を解決するための手段】本発明の第1の電子機能材料の再生装置は、請求項1に記載したように、電子部品の製造工程で生じた廃材または廃電子部品から回収した電子機能材料を、液状処理剤で処理して再生する再生処理槽を具備する電子機能材料の再生装置において、前記再生処理槽は、前記回収した電子機能材料と前記液状処理剤とが投入され、前記液状処理剤で前記電子機能材料を処理した後に、スラリー状の前記電子機能材料と前記液状処理剤とに分離させる槽本体と、前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を流入させる液流入部と、前記液流入部から流入した前記浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する液吸引管とを有する上口式吸液機構と、前記上口式吸液機構を前記液状処理剤の液面高さに応じて昇降させる機構とを有することを特徴としている。

    【0016】本発明の第1の電子機能材料の再生装置は、さらに請求項2に記載したように、前記上口式吸液機構は分離された前記液状処理剤もしくは前記スラリー状の電子機能材料に対して洗浄水またはエアーを吹き付けるシャワー機構を有することを特徴としている。

    【0017】本発明の第2の電子機能材料の再生装置は、請求項4に記載したように、電子部品の製造工程で生じた廃材または廃電子部品から回収した電子機能材料を、液状処理剤で処理して再生する再生処理槽を具備する電子機能材料の再生装置において、前記再生処理槽は、前記回収した電子機能材料と前記液状処理剤とが投入され、前記液状処理剤で前記電子機能材料を処理した後に、スラリー状の前記電子機能材料と前記液状処理剤とに分離させる槽本体と、前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する吸液手段と、前記槽本体の底部近傍に設けられ、前記電子機能材料をろ過するフィルタと、前記フィルタを介して、前記スラリー状の電子機能材料中に含まれる前記液状処理剤を減圧吸引する液切り手段とを有することを特徴としている。

    【0018】本発明の第2の電子機能材料の再生装置は、請求項5に記載したように、再生処理槽に薬液を投入する薬液供給手段と、薬液による処理後の電子機能材料をすすぎ洗浄する純水を供給するすすぎ用純水供給手段とを具備している。 その上で、請求項6に記載したように、吸液手段および液切り手段により回収した薬液を収容する薬液回収容器を有し、回収した薬液を繰り返し使用することを特徴としている。 さらに、請求項7に記載したように、すすぎ用純水供給手段は吸液手段および液切り手段により回収したすすぎ洗浄排水を精製する純水精製手段と、精製した純水を再生処理槽に循環供給する手段とを有し、再生処理槽に供給した純水を減圧吸引しつつ電子機能材料をすすぎ洗浄することを特徴としている。

    【0019】上述した第1および第2の電子機能材料の再生装置は、請求項10に記載したように、例えば蛍光膜の形成過程で生じた余剰の蛍光体スラリーの再生に用いられる。 このような再生装置は、蛍光体スラリーを異種の液状処理剤で処理する複数の処理部、具体的には請求項11に記載したように、蛍光体スラリーを次亜塩素酸塩および過ヨウ素酸塩で洗浄する薬品洗浄部と、蛍光体スラリーにアンモニア水を投入して浮遊させたカーボンを除去するカーボン除去部と、蛍光体スラリーを酸で洗浄する酸洗浄部を有する。 本発明の再生装置における再生処理槽は、上記したような複数の処理部のうち、少なくとも 2つ以上の処理部で共用することができる。

    【0020】本発明の第3の電子機能材料の再生装置は、請求項14に記載したように、電子部品の製造工程で生じた廃材または廃電子部品から回収した電子機能材料を、異種の液状処理剤で処理する複数の処理部を有する電子機能材料の再生装置において、前記複数の処理部からの排ガスが順次切り替えて導入され、かつこれら複数の排ガスを順に処理する排ガス処理装置を具備することを特徴としている。

    【0021】第3の電子機能材料の再生装置において、
    排ガス処理装置は請求項15に記載したように、室温以下の温度に冷却された洗浄水を常時循環させ、前記洗浄水に前記排ガスを接触させて処理する気液接触式の排ガス処理装置である。

    【0022】本発明の第1の電子機能材料の再生装置では、回収した電子機能材料を液状処理剤で処理し、これらを分離させた後に上澄み液としての液状処理剤を抜き出す際に、浮遊物を含む液状処理剤を流入させる液流入部と流入した浮遊物および液状処理剤を吸引除去する液吸引管とを有する昇降自在な上口式吸液機構を使用している。 すなわち、液流入部にオーバーフロー状態で流入した浮遊物および液状処理剤を吸引除去しているため、
    カーボンのような不純物が液面に浮上している場合であっても、例えば処理槽を傾斜させて液切りする機構などを用いることなく、浮遊する不純物を液状処理剤と共に良好に除去することができる。 これによって、再生処理槽を複数の処理部で共用することができ、電子機能材料の再生装置の小型・低コスト化を実現することが可能となる。

    【0023】また、上述した上口式吸液機構によれば、
    スラリー状の電子機能材料を液状処理剤と共に吸い込んで除去してしまうことを防ぐことができる。 これによって、再生電子機能材料の収率低下を防ぐことが可能となる。 さらに、上口式吸液機構に液状処理剤や電子機能材料に純水やエアーを吹き付けるシャワー機構を併設することによって、浮遊不純物の除去効率を高めることができると共に、電子機能材料中に残存する不純物量を低減することが可能となる。 これらは再生処理の高効率化、
    低処理コスト化、再生品質の向上などに大きく寄与する。

    【0024】本発明の第2の電子機能材料の再生装置では、回収した電子機能材料を液状処理剤で処理し、これらを分離させた後に液状処理剤を抜き出す際に、上澄み液としての液状処理剤を吸引除去することに加えて、電子機能材料をろ過し得るフィルタを介して液状処理剤を減圧吸引している。 ここで、薬液のすすぎ洗浄に使用する洗浄水量(純水量)は、薬液の濃度と処理後の電子機能材料中に残存する薬液含有量に左右される。 従って、
    減圧吸引により電子機能材料中の薬液含有量を低減することによって、薬液の希釈洗浄に使用する純水量を大幅に減少させることができる。 これによって、排水処理への負荷の低減、装置全体の小型・低コスト化、再生処理の高効率化、低処理コスト化、再生品質の向上などが実現可能となる。

    【0025】本発明の第3の電子機能材料の再生装置では、複数の処理部からの排ガスを順次切り替えて排ガス処理装置に導入し、これら複数の排ガスを 1つの排ガス処理装置で順に処理している。 このような排ガス処理システムによれば、従来の個々の排ガスに応じて排ガス処理装置を設置していた再生装置に比べて、排ガス処理装置に要する設置コストや設置場所などを大幅に低減することができる。 すなわち、電子機能材料の再生装置の小型・低コスト化などが実現可能となる。

    【0026】また、本発明の第1の電子機能材料の製造装置は、請求項17に記載したように、電子機能材料を液状処理剤で処理する処理槽を具備する電子機能材料の製造装置において、前記処理槽は、前記電子機能材料と前記液状処理剤とが投入され、前記液状処理剤で前記電子機能材料を処理した後に、スラリー状の前記電子機能材料と前記液状処理剤とに分離させる槽本体と、前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を流入させる液流入部と、前記液流入部から流入した前記浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する液吸引管とを有する上口式吸液機構と、前記上口式吸液機構を前記液状処理剤の液面高さに応じて昇降させる機構とを有することを特徴としている。

    【0027】第2の電子機能材料の製造装置は、請求項20に記載したように、電子機能材料を液状処理剤で処理する処理槽を具備する電子機能材料の製造装置において、前記処理槽は、前記電子機能材料と前記液状処理剤とが投入され、前記液状処理剤で前記電子機能材料を処理した後に、スラリー状の前記電子機能材料と前記液状処理剤とに分離させる槽本体と、前記液状処理剤の上方に浮遊する浮遊物および前記液状処理剤を吸引除去する吸液手段と、前記槽本体の底部近傍に設けられ、前記電子機能材料をろ過するフィルタと、前記フィルタを介して、前記スラリー状の電子機能材料中に含まれる前記液状処理剤を減圧吸引する液切り手段とを有することを特徴としている。

    【0028】第3の電子機能材料の製造装置は、請求項23に記載したように、電子機能材料を異種の液状処理剤で処理する複数の処理部を有する電子機能材料の製造装置において、複数の処理部からの排ガスが順次切り替えて導入され、かつこれら複数の排ガスを順に処理する排ガス処理装置を具備することを特徴としている。

    【0029】本発明の電子機能材料の製造装置によれば、電子機能材料の再生装置と同様に、装置の小型・低コスト化、処理の高効率化、低処理コスト化、製造品質の向上、排水処理への負荷の低減などが実現可能となる。 なお、本発明の電子機能材料の製造装置は、再生装置と同様な種々の形態を採り得るものである。

    【0030】

    【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形態について説明する。

    【0031】図1は本発明の電子機能材料の再生装置を適用した蛍光体再生装置の概略構成を示す図である。 同図において、1は第1の再生処理槽であり、この第1の再生処理槽1に回収した蛍光体、具体的には蛍光体スラリーが投入されると共に、液状処理剤供給管2から薬液や洗浄水が投入され、後述するように薬品洗浄処理(酸化分解処理)やカーボン除去処理などが実施される。

    【0032】これらの処理が施された蛍光体スラリーは、スラリーポンプ3を介して第2の再生処理槽4に送られる。 蛍光体スラリーが投入された第2の再生処理槽4には、さらに液状処理剤供給管5から薬液や洗浄水が投入され、後述するように酸洗浄処理などが実施される。

    【0033】酸洗浄処理などが施された蛍光体スラリーは、第2の再生処理槽4から取り出される。 この際、蛍光体スラリーは必要に応じて、純水に分散させた後に一旦沈降槽(図示せず)に送られ、ここで沈降分離された後に取り出される。 取り出された蛍光体スラリーはろ過され、蛍光体固形分として分離された後、乾燥・焼成炉6に送られる。 乾燥・焼成炉6で有機物などを除去するための熱処理が施された蛍光体は、次いで第3の再生処理槽7に投入される。

    【0034】熱処理後の蛍光体は、第3の再生処理槽7
    で純水中に分散され、この状態で後述するように顔料付着処理、分散処理などが施される。 第3の再生処理槽7
    には、液状処理剤供給管8から処理に応じた薬液などが投入される。 これらの処理が施された蛍光体スラリーは、第3の再生処理槽7から取り出される。 この際、蛍光体スラリーは必要に応じて、純水に分散させた後に一旦沈降槽(図示せず)に送られ、ここで沈降分離された後に取り出される。

    【0035】取り出された蛍光体スラリーはろ過され、
    蛍光体固形分として分離された後、乾燥・焼成炉6に再度送られる。 乾燥・焼成炉6で水分が完全に除去された蛍光体は、振動篩などの篩分け装置9に送られ、ここで所望の粒径に篩分けされる。 このような最終的な精製を適宜に実施することによって、粉末状の再生蛍光体が得られる。

    【0036】上述した蛍光体再生装置の再生処理槽1、
    4、7について、図2および図3を参照して説明する。
    なお、後述するように、図2および図3に示す処理槽などは再生装置に限らず、電子機能材料の製造装置の処理槽などとしても使用可能なものである。 図4に示す処理槽などについても同様である。

    【0037】図2に示すように、再生処理槽10(1、
    4、7)は、回収した蛍光体(蛍光体スラリー)と酸化分解薬液、アルカリ液、酸液、洗浄水などの液状処理剤とが投入され、これら液状処理剤で蛍光体スラリーを処理する槽本体11を有している。 回収された蛍光体スラリーは、槽本体11内で液状処理剤と共に撹拌処理される。 撹拌後静置することによって、蛍光体スラリー12
    は沈降分離される。

    【0038】処理後の蛍光体スラリー12上に浮上分離させた液状処理剤13は、上口式吸液機構14により吸引除去される。 上口式吸液機構14は、例えば図3に示すように、例えば浮遊物などを含む液状処理剤13を流入させる液流入部15と、この液流入部15から流入した液状処理剤13を吸引除去する液吸引管16とを有している。 液流入部15は、外縁上部に液流入用の切欠き17が複数設けられた受け皿状の液回収容器18を有している。 液吸引管16は、液回収容器18内に切欠き1
    7を介してオーバーフロー状態で流入した浮遊物および液状処理剤13を吸引除去するように、液回収容器18
    の中心付近に取り付けられている。

    【0039】液吸引管16は、例えば自吸式カスケードポンプのような吸引装置19に接続されており、この吸引装置19を稼動させることによって、液回収容器18
    内に流入した液状処理剤13が吸引除去される。 再生処理槽10から抜き出された液状処理剤13は、その種類に応じた回収容器に送られる。

    【0040】すなわち、各再生処理槽10は処理内容に応じた薬液の回収容器20と、すすぎ洗浄用の純水を回収する容器21とを有している。 薬液回収容器20は処理に使用する薬液数に応じて設置される。 これら薬液回収容器20に回収された薬液はそれぞれ繰り返し使用される。 また、回収容器21に回収されたすすぎ洗浄排水(洗浄後の純水)は純水精製装置22に送られ、例えば凝集・沈澱処理、逆浸透膜処理、イオン交換処理などが施されて、例えば導電率 1μS/cm以下の水質純度に精製された後に循環使用される。

    【0041】上口式吸液機構14は、さらに分離された液状処理剤13もしくは蛍光体スラリー12に対して純水や低圧エアーを吹き付けるシャワー機構23を有している。 具体的には、液回収容器18の底部に例えば孔径
    0.1〜 0.5mm程度のシャワーノズル板24が取付けられている。 シャワーノズル板24は緩衝用の空隙25が形成されるように、液回収容器18の底部にシリコーン接着剤26などにより接着されている。 純水や低圧エアーは供給管27から供給され、空隙25を介してシャワーノズル板24から放出される。

    【0042】純水や低圧エアーの供給管27は液吸引管16と二重管構造となっており、この状態で液回収容器18の中心付近に取り付けられている。 液吸引管16は液回収容器18の内部に向けて開口されており、純水や低圧エアーの供給管27は液回収容器18の底部とシャワーノズル板20との間の空隙21に向けて開口されている。

    【0043】上述した上口式吸液機構14は、図示を省略した昇降機構によって、液状処理剤13の液面高さに応じて昇降自在とされている。 液状処理剤13を吸引除去する際には、まずシャワー機構23から液状処理剤1
    3の液面に純水や低圧エアーを吹き付け、液状処理剤1
    3の液面に浮上する不純物、例えばカーボンのような不純物を払い広げた後、上口式吸液機構14を下降させて、液状処理剤13中に液回収容器18を徐々に入れる。

    【0044】液回収容器18内には、浮遊物および液状処理剤13が切欠き17を介して、徐々にオーバーフロー状態で流入する。 液状処理剤13の液面にカーボンのような不純物が浮上している場合、そのような不純物は液回収容器18内に液状処理剤13と共に流入し、液吸引管16を介して吸引除去される。 従って、例えば処理槽を傾斜させて液切りする機構などを用いることなく、
    液状処理剤13上に浮遊する不純物を良好に除去することができる。 これは再生処理槽10を複数の処理部で共用する上で重要である。

    【0045】この後、沈降分離した蛍光体スラリー12
    と液状処理剤13との界面近傍まで上口式吸液機構14
    を徐々に下降させることによって、液状処理剤13を吸引除去する。 上口式吸液機構14の底部が蛍光体スラリー12に近づいたら、シャワー機構23から純水や低圧エアーを吹き付けて、蛍光体スラリー12の上面の不純物を払い広げながら押し当て、残りの液状処理剤13を吸引して抜き出す。 このようにすることによって、蛍光体スラリー12中に残存する不純物量を減少させることができる。

    【0046】また、上記したように浮遊物と液状処理剤13を切欠き17からオーバーフロー状態で徐々に液回収容器18内に流入させ、この液回収容器18内に流入した浮遊物と液状処理剤13を液吸引管16を介して抜き出すことによって、沈降している蛍光体スラリー12
    を液状処理剤13と共に吸い込んで除去してしまうことを防ぐことができる。 これによって、再生蛍光体の収率の低下を防ぐことが可能となる。

    【0047】なお、上口式吸液機構としては、上述したような液回収容器18を有する上口式液流入部15、液吸引管16およびシャワー機構23を具備するものに限らず、例えばJ字形の液吸引管を利用するなど、本発明では種々の構成の上口式吸液機構を適用することができる。 J字形の液吸引管は、上口式の液流入部と液吸引管とを一体化したものである。

    【0048】上述した再生処理槽10の槽本体11は、
    処理薬液に応じた材質により構成される。 例えば、次亜塩素酸塩や過ヨウ素酸塩を用いた薬品洗浄処理(酸化分解処理)やアンモニア水を用いたカーボン除去処理に使用される槽本体11には、テフロンコーティングされたステンレス(SUS 304) 槽などが適用され、また塩酸や硝酸などの酸を用いた酸洗浄処理に使用される槽本体11
    には、ガラス繊維などで強化されたプラスチック槽などが適用される。

    【0049】図1には、薬品洗浄処理槽およびカーボン除去処理槽として第1の再生処理槽1を共用(複数の処理部で共用)し、酸洗浄処理槽として第2の再生処理槽3を使用した蛍光体再生装置を示したが、これら各処理槽を 1つの再生処理槽で共用することもできる。 この場合、耐熱性および耐薬品性を兼ね備えた材質、例えばF
    RP(ガラス繊維強化ポリエステル樹脂など)からなる槽本体11を使用すればよい。 さらに、顔料付着処理、
    分散処理などを実施する処理槽を含めて、 1つの再生処理槽で共用することもできる。 再生処理槽の処理共用数は、再生する蛍光体の量や処理効率を考慮して設定することができる。

    【0050】図4は他の実施形態による再生処理槽30
    を示している。 図4に示す再生処理槽30は、槽本体3
    1の底部近傍に蛍光体をろ過するフィルタ32、例えばガラスフィルタ、セラミックスフィルタ、テフロンフィルタなどが設けられている。 このフィルタ32は蛍光体をろ過し得る孔径を有していればよく、例えば孔径 1μ
    m 程度のフィルタ32が用いられる。

    【0051】さらに、フィルタ32に接続された排出管33aには、蛍光体スラリー12中に含まれる液状処理剤13を減圧吸引する吸引装置34、例えばギア式ポンプが接続されている。 すなわち、この再生処理槽30はフィルタ32を介して蛍光体スラリー12中に含まれる液状処理剤(すすぎ洗浄用純水を含む)13を減圧吸引する液切り手段を有している。 吸引装置34は槽本体3
    1の底部に設けられたスラリー排出管33にも接続されている。

    【0052】処理後の蛍光体スラリー12上に浮上分離させた液状処理剤(場合によっては浮遊物を含む)13
    の大部分は、図3に示した上口式吸液機構14により抜き出し、残余の部分は上述した減圧吸引による液切り手段で除去する。 この際、減圧吸引後の蛍光体固形分の含液率(薬液もしくはすすぎ用純水(一部薬液を含む)の含有率)は 60%以下とすることが好ましい。

    【0053】前述したように、薬液のすすぎ洗浄に使用する純水量は、薬液の濃度と処理後の蛍光体スラリー中に残存する薬液量に左右される。 従って、減圧吸引により蛍光体スラリー中の薬液含有量を低減することによって、薬液の希釈洗浄に使用する純水量を大幅に減少させることができる。 これによって、排水処理への負荷の低減および装置全体の小型化などが実現可能となる。 この実施形態ではすすぎ洗浄に使用する純水を循環使用しているが、蛍光体スラリー中の薬液含有量を低減することで純水精製装置22への負荷も低減することができる。

    【0054】さらに、蛍光体スラリーを液状処理剤と共に撹拌処理した後に静置して、蛍光体スラリー12と液状処理剤(上澄み液)13とに分離する際に、減圧吸引装置34を稼動させて、フィルタ32を介して液状処理剤の一部を吸引除去することによって、蛍光体スラリー12の沈降分離に要する時間を短縮することができる。
    これによって、蛍光体の再生に要するコストを削減することが可能となると共に、再生処理効率を高めることができる。

    【0055】再生処理槽30から上口式吸液機構14および減圧吸引装置34により吸引された液状処理剤13
    は、図2に示した再生処理槽10と同様に、その種類に応じた回収容器、すなわち薬液の回収容器20もしくはすすぎ洗浄排水の回収容器21に送られ、回収された薬液は繰り返し使用される。 また、回収されたすすぎ洗浄排水(洗浄後の純水)は純水精製装置22に送られ、例えば導電率 1μS/cm以下の水質純度に精製された後に循環使用される。 このように、薬液およびすすぎ洗浄用純水を循環使用して、液状処理剤に関するシステムをクローズドシステムとすることで、場合によっては排水処理装置自体を省くことが可能となる。

    【0056】純水によるすすぎ洗浄処理は、蛍光体スラリー12を純水と共に撹拌することにより実施してもよいが、再生処理槽30では純水精製装置22で精製した純水を上口式吸液機構14のシャワー機構23から蛍光体スラリー12に降り注ぎ、蛍光体スラリー12を通過した純水(すすぎ洗浄排水)を減圧吸引装置34で吸引した後、すすぎ洗浄排水を純水精製装置22で精製するというように、純水を循環させつつすすぎ洗浄処理を実施することができる。 このような処理によればすすぎ洗浄の処理効率の向上、処理コストの低減などが実現できる。

    【0057】図1に示した蛍光体再生装置において、各再生処理槽1、4、7からの排ガスおよび振動篩などの篩分け装置9で生じた粉塵類は、それぞれ排ガス処理装置40に順次導かれる。 ここで、各排気管にはそれぞれダンパー41(41a、41b、41c、41d)が介挿されており、これらダンパー41により導入経路を順次切り替えることによって、各再生処理槽1、4、7および篩分け装置9からの排ガスの処理が 1つの排ガス処理装置40で順に実施される。

    【0058】例えば、第1の再生処理槽1からは70〜80
    ℃程度に加温された次亜塩素酸塩や過ヨウ素酸塩のミストを含む排ガス、さらに同程度の温度に加温されたアンモニア水のミストを含む排ガスが排出される。 第2の再生処理槽4からは70℃程度に加温された塩酸や硝酸のミストを含む排ガスが排出される。 第3の再生処理槽7からも同様に、処理薬液のミストを含む排ガスが排出される。 また、乾燥・焼成炉6からは硫黄などを含む熱排ガスが排出される。 篩分け装置9からは粉塵類が排出される。 これらは排ガス処理装置40で順に処理される。

    【0059】上述したように、複数種類の排ガスの導入経路を順次切り替えて、 1つの排ガス処理装置40で順に処理することによって、個々の排ガスに応じて排ガス処理装置を設置していた従来の再生装置に比べて、排ガス処理装置に要する設置コストや設置場所などを大幅に低減することができる。 さらに、複数種類の排ガスを一括して処理することも可能であるが、導入経路を順次切り替えて順に処理することによって、排ガス処理装置4
    0のより一層の小型化が実現可能となる。

    【0060】排ガス処理装置40においては、複数種類の排ガスの処理効率を高める上で、洗浄水42の温度を室温以下の温度、具体的には室温より 5〜10℃程度低い温度に保っている。 このような洗浄水42の温度は、洗浄水42を常時循環させると共に、たえずいずれかの排ガスもしくは室内空気を吸引し、排ガス自体で洗浄水4
    2を冷却させることで実現している。 このように洗浄水42を冷却することによって、洗浄水42による排ガスの吸収効率を高めることができる。

    【0061】冷却された洗浄水42は充填層43の上部に供給され、充填層43内で排ガスと接触して洗浄処理する。 充填層43の上部にはミストフィルタ44が配置されており、このミストフィルタ44で液状成分が除去された後に、処理された排ガスは大気中に放出される。
    このような高効率の排ガス処理装置40によれば、作業場内の雰囲気や温度を保つことができ、また排ガス処理装置40の屋内設置も可能となる。

    【0062】また、蛍光体再生装置には、必要に応じて排水処理装置50が併設される。 前述したように、この実施形態では薬液のすすぎ洗浄に使用する純水量を減少しているため、排水処理装置50を小型化することができる。 さらに、液状処理剤に関するシステムをクローズドシステムとすることで、場合によっては排水処理装置50自体を省くことも可能となる。

    【0063】上述したように、この実施形態の蛍光体再生装置においては、再生処理槽の共用化、また薬液使用量、蛍光体スラリー中に残存する薬液量、薬液の希釈洗浄に使用する純水量の低減などを図っているため、小型・低コスト化の再生装置を実現することができる。 装置の小型・低コスト化には、排ガス処理装置の共用化および高効率化なども寄与している。 さらに、薬液やすすぎ用純水の除去率を改善しているため、再生処理の高効率化、低処理コスト化などが実現可能となる。

    【0064】次に、図5の蛍光体の再生処理工程図を参照して、図1に示した蛍光体再生装置を使用した蛍光体スラリーの具体的な再生方法について説明する。 まず、
    22 S:Euに代表される赤色発光蛍光体の再生方法について詳述する。

    【0065】カラーブラウン管などの陰極線管の蛍光膜の形成工程で生じた余剰の赤色蛍光体スラリーは、例えば50メッシュのナイロン布などで大きな異物が除去された後に、第1の再生処理槽1に投入される。 第1の再生処理槽1においては、薬品洗浄工程101およびカーボン除去工程102が実施される。

    【0066】薬品洗浄工程101は、通常 2段階に分けて行われる。 まず、第1段階においては、蛍光体スラリーに約70℃に加温した次亜塩素酸塩溶液を添加し、 2時間程度撹拌処理する。 この次亜塩素酸塩によって、蛍光体スラリー中に存在する重クロム酸アンモニウムのようなクロム化合物は分解されて水溶性物質となる。

    【0067】ここで用いる次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウムなどが例示され、なかでも次亜塩素酸ナトリウムが蛍光体の特性への影響が少ないことから好ましい。
    次亜塩素酸塩は 10%程度の希釈液として使用する。

    【0068】次亜塩素酸塩を投入して撹拌処理した後に約 1時間静置して、蛍光体スラリーを沈降させる。 上澄み液としての次亜塩素酸塩溶液(処理薬液) は、図3に示したような上口式吸液機構14を用いて除去される。
    具体的な除去操作は前述した通りである。 次いで、約60
    ℃に加温した純水を投入し、蛍光体スラリーを十分に洗浄する。 洗浄用純水の除去についても、同様に上口式吸液機構14を用いて実施する。 これら次亜塩素酸塩溶液やすすぎ洗浄用純水は繰り返し使用される。 水溶性物質となったクロム化合物は、上澄み液(次亜塩素酸塩溶液)の除去およびすすぎ洗浄により系外に除去される。

    【0069】また、図4に示した再生処理槽30を使用した場合には、上澄み液としての次亜塩素酸塩溶液(処理薬液) の大部分を上口式吸液機構14により除去した後、残りの次亜塩素酸塩溶液をフィルタ32を介して減圧吸引装置34により吸引除去する。 この際、減圧吸引後の蛍光体固形分の含液率は 60%以下とすることが好ましい。 上口式吸液機構14および減圧吸引装置34で抜き取った次亜塩素酸塩溶液は回収して繰り返し使用する。 次いで、蛍光体固形分の上側から約60℃に加温した純水を通過させながら減圧吸引してすすぎ洗浄を行う。
    このすすぎ洗浄排水は純水精製装置22で連続再生して循環使用する。

    【0070】次いで、薬品洗浄工程101の第2段階として、水洗してクロム化合物の分解物を除去した蛍光体スラリーに約80℃に加温した過ヨウ素酸塩溶液を添加し、約1時間撹拌して、スラリー中に含まれるポリビニルアルコールのような有機化合物を分解する。 撹拌後、
    1時間静置してスラリーを沈降させ、上澄み液を再生処理槽1から除去する。 この後、純水ですすぎ洗浄を行う。 上澄み液の除去およびすすぎ洗浄については、前述した工程と同様にして実施する。

    【0071】ここで用いる過ヨウ素酸塩としては、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸リチウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウムなどが例示され、なかでも過ヨウ素酸カリウムが分解効果が高いことから好ましい。 過ヨウ素酸塩は1%程度の溶液として使用する。

    【0072】次に、第1の再生処理槽1でカーボン除去工程102を実施する。 すなわち、薬品洗浄工程を経た蛍光体スラリーに1%程度のアンモニア水を加えて撹拌する。 アンモニア水による処理によって、蛍光体スラリー中に存在するカーボンが除去される。 すなわち、約 1時間の撹拌後に 1時間静置して蛍光体を沈降させると、カーボンは上澄み液中に浮上する。

    【0073】カーボンは上澄み液と共に上口式吸液機構14を用いて除去する。 この際、上口式吸液機構14を用いて上澄み液を除去することによって、上澄み液中に浮遊するカーボンを良好にかつ確実に除去することができる。 さらに、上口式吸液機構14が有するシャワー機構23によって、蛍光体スラリーに付着しているカーボンも有効に除去することができる。 この後、純水ですすぎ洗浄を行う。 上澄み液の除去およびすすぎ洗浄については、前述した工程と同様にして実施する。

    【0074】カーボン除去工程102を経た蛍光体スラリーは、スラリーポンプ3を介して第2の再生処理槽4
    に送られる。 この第2の再生処理槽4で酸洗浄工程10
    3を実施し、赤色蛍光体スラリー中に混入している緑色蛍光体や青色蛍光体を除去する。 酸としては塩酸や硝酸が用いられ、第1段階で塩酸、第2段階で硝酸を用いる2段階法によることが望ましい。

    【0075】すなわち、まず第1段階として第2の再生処理槽4に約70℃の 30%塩酸を投入し、約 1時間撹拌処理した後、 1時間静置して蛍光体を沈降させる。 前述した工程と同様に、上澄み液を上口式吸液機構14を用いて除去した後、同様に純水ですすぎ洗浄する。 次に、第2段階として約70℃の 10%硝酸を投入し、約 1時間撹拌処理した後、 1時間静置して蛍光体を沈降させる。 前述した工程と同様に、上澄み液を上口式吸液機構14を用いて除去した後、同様に純水ですすぎ洗浄する。 すすぎ洗浄はスラリーのpHが 5.5以上になるまで繰り返し行う。

    【0076】なお、薬品洗浄工程101から酸洗浄工程103までを 1つの再生処理槽で実施することも可能である。

    【0077】酸洗浄工程103が施された蛍光体スラリーは、水分を十分に除去した後に第2の再生処理槽4から取り出される。 図4に示した再生処理槽30は蛍光体スラリーのろ過、すなわち蛍光体固形分の取り出しに対しても効果を発揮する。 取り出された蛍光体固形分は乾燥・焼成炉6に送られて、乾燥・焼成工程104が実施される。 具体的には、蛍光体固形分を約 140℃の温度で
    10時間乾燥させ、水分を十分に除去した後、さらに 500
    ℃の温度で 8時間熱処理する。

    【0078】熱処理が施された蛍光体は、次いで第3の再生処理槽7に投入され、顔料処理・分散処理工程10
    5が実施される。 具体的には、第3の再生処理槽7で蛍光体を純水中に分散させ、この分散液に顔料(ベンガラを含むアクリルエマルジョン液など)、帯電防止剤(例えばコロイダルシリカを含むもの)、表面処理剤(例えば有機ポリマー)などを順に添加し、それぞれ撹拌処理する。

    【0079】これらの処理が施された蛍光体スラリーは純水ですすぎ洗浄された後、第3の再生処理槽7から取り出され、蛍光体固形分は乾燥・焼成炉6に再度送られて乾燥工程106が実施される。 具体的には、蛍光体固形分を約 140℃の温度で10時間乾燥させて水分を十分に除去する。 この後、振動篩などからなる篩分け装置9に送り、ここで所望の粒径に篩分けすることによって、目的とする粉末状の再生赤色蛍光体が得られる。

    【0080】上述した蛍光体の再生工程は赤色発光蛍光体のみならず、緑色発光蛍光体や青色発光蛍光体に対しても適用可能である。 ただし、ZnS:Cu,AlやZ
    nS:Cu,Au,Alに代表される緑色蛍光体やZn
    S:AgやZnS:Ag,Clに代表される青色蛍光体は、温水洗浄のみでも再生することができる。

    【0081】この場合には、30〜80℃程度の温水の存在下で、緑色または青色蛍光体スラリーをそれぞれ撹拌することにより、各スラリー中に含まれるポリビニルアルコールやクロム化合物などの水溶性物質を除去し、ろ過して蛍光体固形分を取り出す。 これを乾燥させた後、篩分けすることによって、目的とする粉末状の再生緑色蛍光体または再生青色蛍光体を得ることができる。

    【0082】このような緑色蛍光体や青色蛍光体の再生工程においても、再生処理槽の共用化、また薬液使用量、蛍光体スラリー中に残存する薬液量、薬液の希釈洗浄に使用する純水量の低減などは効果を発揮する。 さらに、温水やすすぎ用純水の除去手段を改善することによって、再生処理の高効率化、低処理コスト化などが実現可能となる。

    【0083】上述した実施形態では本発明の再生装置を蛍光体再生装置に適用した例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば二次電池の廃電極から回収された正極材料、磁性粉体、半導体や液晶関係の薄膜形成に用いられる高純度金属粉末、トナー粉末、セラミックス材料粉末、粉末成形用金属粉末など、
    薬液処理を含む各種の電子機能材料の再生装置に適用可能である。

    【0084】例えば、リチウムイオン電池などの二次電池の製造工程においては、例えば正極活物質(LiCo
    2など)を導電材や結合剤と共にAl箔などに塗布して正極を作製している。 この際、条件だしや規定サイズへの裁断などによって、正極活物質が付着した廃電極が大量に発生する。 LiCoO 2を主体とする正極材料は非常に高価であることから、廃電極や廃二次電池から正極活物質を回収して再生・再利用することが行われている。

    【0085】上記した正極活物質を再生するにあたって、正極材料が塗布されたAl箔(廃電極)を、Alが溶解せずにかつLiCoO 2が分解しない温度で熱処理してAl箔から正極材料を剥離させ、さらに導電材や結合剤などの成分を液状処理剤で分解除去する場合がある。 また、廃電極や廃電池を液状処理剤で溶かして例えばCoを回収および精製し、一旦原料のCo 34とした後、再度LiCoO 2などを合成している。 このような正極活物質の再生に本発明の再生装置は有効である。
    他の電子機能材料についても同様である。

    【0086】さらに、本発明の装置は電子機能材料の再生だけでなく、上述したような各種電子機能材料の製造工程あるいは製造工程の一部に適用することができる。
    以下、本発明の電子機能材料の製造装置を蛍光体の製造装置に適用した実施形態について述べる。

    【0087】例えば、赤色の顔料付き蛍光体を製造する場合、蛍光体材料の焼成工程以降の後工程において、焼成物(例えば焼成されたユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体)の薬液処理や洗浄処理などが実施される。 これらの液状処理剤を使用した処理工程において、
    本発明の装置が適用される。 適用できる具体的な工程としては、純水への分散処理、硝酸洗浄液での薬液洗浄、
    顔料の付着処理、シリカ分散液による表面処理などがあり、乾燥工程や篩分け工程にも活用することができる。
    また、青色蛍光体を製造する際には、蛍光体材料の焼成工程以降の後工程において、焼成物(例えば焼成された銀付活酸硫化亜鉛蛍光体)の純水への分散工程、洗浄工程、シリカ分散液による表面処工程などに適用可能である。

    【0088】処理装置(処理槽)の具体的な構成は、図1ないし図4に示した通りである。 槽本体、上口式吸液機構、シャワー機構、フィルタ機構、減圧吸引による液切り手段、薬液供給手段(薬液回収を含む)、すすぎ用純水供給手段(純水精製装置や循環供給手段を含む)などについては、再生装置(再生処理槽)と同様な構成とすることができ、同様な効果を得ることができる。 また、排ガス処理装置についても同様である。

    【0089】赤色の顔料付き蛍光体の製造工程について詳述すると、まず焼成したユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体などを純水に分散させて約 1時間撹拌する。 この際、図2や図4に示した処理槽が使用される。
    なお、図2や図4では再生処理槽として示したが、同様な構成を有する槽を製造工程における処理槽として使用することができる。

    【0090】次いで、振動篩(20メッシュ)で凝集物を分散させた後、60℃の温水に分散させて45分間撹拌して洗浄し、その後静置して上澄み液を除去する。 この操作を 3回繰返し行う。 さらに、硝酸洗浄、純水洗浄、温硝酸洗浄および純水洗浄を同様にして行う。 この際の洗浄槽としても、図2や図4に示した処理槽を使用することができる。

    【0091】次に、蛍光体スラリーを純水に分散させた後、ベンガラなどの顔料とアクリルエマルジョンなどの接着剤を投入して30分間撹拌した後、例えば硫酸を加えてpH=2.0に調整する。 約 1時間撹拌後、硫酸アルミを加えて約 1時間撹拌する。 その後、温水を加えて約 2時間撹拌し、最後にアンモニウム水を加えてpH=7〜8に調整し、さらに 1時間撹拌した後に静置して上澄み液を除去する。 この際の処理槽としても、図2や図4に示した処理槽を使用することができる。

    【0092】さらに、温水洗浄、分散処理、シリカ分散液を用いた表面処理などを行い、ろ過、乾燥した後に篩分けすることによって、目的とする赤色蛍光体粉末が得られる。 上記した温水洗浄やシリカ分散液を用いた表面処理などにおいても、図2や図4に示した処理槽を使用することができる。

    【0093】また、青色蛍光体を製造するにあたっては、まず焼成した銀付活酸硫化亜鉛蛍光体などを純水に分散させて約 1時間撹拌する。 この際、図2や図4に示した処理槽が使用される。 次いで、振動篩(20メッシュ)で凝集物を分散させた後、60℃の温水に分散させて
    45分間撹拌して洗浄し、その後静置して上澄み液を除去する。 この操作を 3回繰返し行う。 この際の洗浄槽としても、図2や図4に示した処理槽を使用することができる。

    【0094】次いで、分散処理、シリカ分散液を用いた表面処理などを行い、ろ過、乾燥した後に篩分けすることによって、目的とする青色蛍光体粉末が得られる。 上記したシリカ分散液を用いた表面処理などにおいても、
    図2や図4に示した処理槽を使用することができる。

    【0095】上述したように、蛍光体を製造するにあたって、蛍光体を液状処理剤(薬液や洗浄水)で処理する処理槽に本発明の処理槽を適用した製造装置を使用することにより、装置の小型・低コスト化、処理の高効率化、低処理コスト化、製造品質の向上、排水処理への負荷の低減などが実現可能となる。 なお、他の電子機能材料を製造する際の装置としても使用することができ、その場合にも同様な効果を得ることができる。

    【0096】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子機能材料の再生装置によれば、装置の小型・低コスト化などを図った上で、回収した電子機能材料を効率よくかつ低処理コストで再生することができる。 また、本発明の電子機能材料の製造装置によれば、装置の小型・低コスト化、処理効率の向上、処理コストの低減などを図ることができる。 このように、本発明は電子機能材料の再生装置および製造装置の小型・低コスト化、高処理効率化、
    低処理コスト化などに大きく寄与する。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明の電子機能材料の再生装置を適用した蛍光体再生装置の概略構成を示す図である。

    【図2】 図1に示す蛍光体再生装置の再生処理槽の一実施形態の構成を示す図である。

    【図3】 図2に示す再生処理槽の上口式吸液機構の一構成例を一部断面で示す図である。

    【図4】 図1に示す蛍光体再生装置の再生処理槽の他の実施形態の構成を示す図である。

    【図5】 図1に示す蛍光体再生装置を用いた蛍光体の再生工程の一例を示す図である。

    【符号の説明】

    1、4、7、10、30……再生処理槽 11、31……槽本体 14……上口式吸液機構 32……フィルタ 34……減圧吸引装置 40……排ガス処理装置

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D051 AA00 AA06 AB01 DD01 DD23 DD30 4H001 CF01 XA16 XA39 YA63 4K001 AA01 AA02 AA04 AA07 AA08 AA09 AA10 AA30 AA42 BA22 CA02 CA06 CA09 DA06 DB02 DB04 DB05 DB09 EA02 EA06 5C028 HH06 HH14

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