专利汇可以提供経口投与用のガリウム(III)錯体の組成物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、経口送達に適したガリウム錯体の剤形およびその調製方法に関する。そのような剤形は、癌を含むがそれに限定されない疾患の治療に有用である。 【選択図】図1,下面是経口投与用のガリウム(III)錯体の組成物专利的具体信息内容。
腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティングにより保護されたGaQ3またはその誘導体を含む経口剤形であって、該GaQ3が非晶質またはナノ粒子形態である、経口剤形。前記GaQ3が分散剤と混合されている、請求項1に記載の経口剤形。前記被包性GaQ3がカプセル、錠剤、微粒子またはミニ錠剤に含まれている、請求項1に記載の経口剤形。10mg/kgのGaQ3の用量でイヌに投与したとき、10mg/kgの結晶質GaQ3を投与されたイヌの血漿中Cmaxの少なくとも100倍の血漿中Cmaxをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。10mg/kgのGaQ3の用量でイヌに投与したとき、10mg/kgの結晶質GaQ3を投与されたイヌの血漿中Cmaxの少なくとも100倍の血漿中Cmaxをもたらす、請求項2に記載の経口剤形。10mg/kgのGaQ3の用量でイヌに投与したとき、10mg/kgの結晶質GaQ3を投与されたイヌの血漿中AUCの少なくとも200倍の血漿中AUCをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。10mg/kgのGaQ3の用量でイヌに投与したとき、10mg/kgの結晶質GaQ3を投与されたイヌの血漿中AUCの少なくとも200倍の血漿中AUCをもたらす、請求項2に記載の経口剤形。10mg/kgのGaQ3の用量でイヌに投与したとき、2336ng/mlに相当する血漿中Cmaxをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。10mg/kgのGaQ3の用量でイヌに投与したとき、2336ng/mlに相当する血漿中Cmaxをもたらす、請求項2に記載の経口剤形。10mg/kgのGaQ3の用量でイヌに投与したとき、60546ng*hr/mlに相当する血漿中AUCをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。10mg/kgのGaQ3の用量でイヌに投与したとき、60546ng*hr/mlに相当する血漿中AUCをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。1mg/kgのGaQ3の用量で絶食した雌イヌに投与したとき、4381ng*hr/mlに相当する血漿中AUCをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。1mg/kgのGaQ3の用量で絶食した雌イヌに投与したとき、4381ng*hr/mlに相当する血漿中AUCをもたらす、請求項2に記載の経口剤形。1mg/kgのGaQ3の用量で絶食した雄イヌに投与したとき、4227ng*hr/mlに相当する血漿中AUCをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。1mg/kgのGaQ3の用量で絶食した雄イヌに投与したとき、4227ng*hr/mlに相当する血漿中AUCをもたらす、請求項2に記載の経口剤形。1mg/kgのGaQ3の用量で絶食した雌イヌに投与したとき、330ng/mlに相当する血漿中Cmaxをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。1mg/kgのGaQ3の用量で絶食した雌イヌに投与したとき、330ng/mlに相当する血漿中Cmaxをもたらす、請求項2に記載の経口剤形。1mg/kgのGaQ3の用量で絶食した雄イヌに投与したとき、310ng/mlに相当する血漿中Cmaxをもたらす、請求項1に記載の経口剤形。1mg/kgのGaQ3の用量で絶食した雄イヌに投与したとき、310ng/mlに相当する血漿中Cmaxをもたらす、請求項2に記載の経口剤形。前記GaQ3が、水または75%相対湿度にさらされても非晶質またはナノ結晶状態を維持する、請求項2に記載の製剤。前記GaQ3が、Eudragit L-100との1:1(重量/重量)分散体中の非晶質またはナノ結晶質トリス(8-キノリノラト)ガリウム(III)であり、図1の曲線Aに示す粉末X線回折パターン(XRD)を有する、請求項2に記載の製剤。前記GaQ3が非晶質またはナノ結晶質であり、水性媒体と混合したとき溶解度の即時ピークを示す、請求項1に記載の製剤。前記GaQ3が非晶質またはナノ結晶質であり、水性媒体と混合したとき溶解度の即時バーストを示す、請求項2に記載の製剤。腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティングが、シェラック(アロイリット酸のエステル)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ポリ(メタクリル酸-コ-メタクリル酸メチル)、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、ポリ(ビニルアセテートフタレート)(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、植物繊維、プラスチック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸:メタクリル酸エステルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、酢酸セルロース、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ポリオール類、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールPEG、もしくは有機エステル類、例えばフタル酸エステル(ジエチル、ジブチル)、クエン酸エステル(トリエチル、アセチルトリエチル、アセチルトリブチル)、もしくは油/グリセリド類、アセチル化モノグリセリド、または分別ココナッツオイル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の製剤。腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティングが、シェラック(アロイリット酸のエステル)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ポリ(メタクリル酸-コ-メタクリル酸メチル)、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、ポリ(ビニルアセテートフタレート)(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸:メタクリル酸エステルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、酢酸セルロース、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ポリオール類、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールPEG、もしくは有機エステル類、例えばフタル酸エステル(ジエチル、ジブチル)、クエン酸エステル(トリエチル、アセチルトリエチル、アセチルトリブチル)、もしくは油/グリセリド類、アセチル化モノグリセリド、もしくは分別ココナッツオイル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の製剤。分散剤が、ゼラチン、カゼイン、レシチン、アカシアガム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、メタクリル酸:メタクリル酸エステルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール、もしくはポリビニルピロリドン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の製剤。腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティングがメタクリル酸:メタクリル酸エステルコポリマーを含む、請求項1に記載の製剤。腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティングがメタクリル酸:メタクリル酸エステルコポリマーを含む、請求項2に記載の製剤。分散剤がメタクリル酸:メタクリル酸エステルコポリマーを含む、請求項2に記載の製剤。ガリウム錯体を対象者に投与する方法であって、該対象者に請求項1に記載の製剤を提供することを含んでなる方法。ガリウム錯体を対象者に投与する方法であって、該対象者に請求項2に記載の製剤を提供することを含んでなる方法。前記対象者がヒトまたは実験動物モデルである、請求項31に記載の方法。前記対象者がヒトまたは実験動物モデルである、請求項32に記載の方法。前記対象者が癌の治療を必要としている、請求項31に記載の方法。前記対象者が癌の治療を必要としている、請求項32に記載の方法。前記GaQ3がトリス(8-キノリノラト)ガリウム(III)である、請求項31に記載の方法。前記GaQ3がトリス(8-キノリノラト)ガリウム(III)である、請求項32に記載の方法。
関連出願の相互参照 本出願は、2017年2月10日に出願された米国仮特許出願第62/457,712号に対する優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野 本発明は、経口投与用の製剤の分野、特にガリウム(III)錯体の製剤に関する。
ガリウム(III)錯体、特にトリス(8-キノリノラト)ガリウム(III)(GaQ3)は、癌治療のための抗腫瘍剤として有望視されてきた(Jakupec, M.A. and Keppler, B.H., Current Topics in Medicinal Chemistry (2004) 4, 1575-1583; Bernstein, L.R., etallotherapeutic Drugs and Metal-Based Diagnostic Agents (2005) Chapter 14: 259-277; およびJakupec, M.A. and Keppler, B.A., Metal Ions in Biological Systems (2004) 425-448を参照のこと)。これらの薬物の作用機序は、アポトーシスの誘導に基づくと考えられている。GaQ3は、硝酸ガリウムなどの単純なガリウム塩よりもはるかに強力な抗腫瘍剤である(約3倍のアポトーシス誘導)。NCI 60腫瘍パネル細胞株スクリーニングでは、硝酸ガリウムと比較して、GaQ3は非常に異なる抗腫瘍活性のパターンを示した。GaQ3は、硝酸ガリウムに耐性を示す腫瘍細胞株に対して活性である。
ガリウムは、抗炎症剤として、カルシウム・骨代謝に関連する疾患の治療に、腫瘍イメージングに、ならびに癌の治療に有用であることが見出されている。
硝酸ガリウムを用いた臨床試験では、最適な抗腫瘍活性を得るために5〜7日間の連続点滴が必要であった;このことは、特定レベルのガリウムへの連続的な全身曝露が効能にとって必要であることを示している(上記のBernstein, 2005を参照のこと)。この送達様式は不便で実用的ではない。この問題を解決するために、経口投与を利用したより便利な送達方法が理想的な投与経路として提案され、必要な連続曝露が行われている。さらに、連続IV投与は、遊離ガリウムイオン(Ga3+カチオン)の高い血清レベルに基づくと考えられる。これは、硝酸ガリウムなどのガリウム塩では避けられないが、GaQ3などのガリウムの錯化形態では、それが体内循環中に安定している限り、回避できると考えられる。
GaQ3などの、ガリウムの錯化形態は親油性であり、ガリウムイオンよりも組織に取り込まれやすく、単純なガリウム塩と比較してバイオアベイラビリティが向上している。ヒト血清結合試験では、GaQ3はアルブミンに非常に弱く結合するが、トランスフェリン(Tf)には強く結合し、血清中pH7.4で非常に安定していることが示される(例えば、Groessel, M. and Hartinger, C.G., Electrophoresis (2009) 30, 2720-2727およびHummer, A.A. et al., J. Med. Chem. (2012) 55:5601-5613を参照のこと)。
GaQ3の2つの特性、すなわち、非常に低い水溶性と、胃内の酸性水性条件でのガリウム錯体の安定性の欠如は、経口剤形の医薬品開発を困難にするハードルとなっている。
GaQ3の水への溶解度は、約18〜22ppmであると報告されている(Timerbaev, A.R., Metallomics (2009) 1, 193-198を参照のこと)。溶解性は、イソプロパノール、アセトン、DMSO、その他の非水性溶媒中で改善されるが、こうした溶媒は経口剤形での使用にとっては実用的でない。
GaQ3の錯化構造は、8-ヒドロキシキノリンのpKa(8-HQ;pKa=5.01)以下のpH値では完全に破壊される。このpH値以下のpH値では、8-HQリガンドが再プロトン化されて、Ga3+カチオンを放出する。このことは、該リガンドによって提供される利点(高親油性、タンパク質結合親和性、および遊離Ga3+カチオンの回避)が失われ、それによってガリウムの経口送達の成功に必要とされる有利なGaQ3構造が排除されるため、望ましくない。
経口GaQ3臨床試験がヨーロッパで実施され、7人の患者に腸溶性コーティング錠剤が投与された(Hofheinz, R.-D., et al, Int. Journal of Clinical Pharmacology and Therapeutics (2005) 43:590-591およびCollery, P. et al, Metal Ions in Biology and Medicine (2006) 521-524を参照のこと)。この試験では、該錠剤のコアは、コーンスターチ、ラクトース、ポリビニルピロリドンおよびステアリン酸マグネシウムとブレンドされた結晶質GaQ3で構成される単純な従来型の製剤であった。有効成分含量(dose strength)10mg、20mg、および30mgの圧縮錠剤コアは、その後、Eudragit LおよびSポリマーと、アセトン、イソプロパノール、トリアセチンおよび有効成分含量の区別のための着色剤との組み合わせを使用してパンコーティングされた。該化合物の化学合成によりもたらされた範囲(平均粒子サイズ約10〜20μm)を超えた、GaQ3の粒子サイズまたは結晶性を低減させる試みは行われなかった。この試験の結果は、該薬物の忍容性が良好であることを示したが、線形薬物動態は確認できず、さらなる試験のための明確な推奨用量は特定されなかった(上記のTimerbaev, 2009を参照のこと)。腸溶性コーティングを用いてリガンド構造の減少を抑える試みがなされたが、かなりの量の薬物が吸収されず、そのためバイオアベイラビリティが劇的に制限されると仮定された。
GaQ3のこの最初の臨床評価の結果から、従来型製剤では通常適切と考えられる粒子サイズ範囲を有する結晶化合物の低い溶解度は、不十分なバイオアベイラビリティと非線形薬物動態をもたらすことが示唆された。そのデータは、GaQ3の一部が胃を通過した後も無傷で存在し続けたが、観察された吸収は腸全体で幾分一貫性がないことを示した。
したがって、臨床開発において経口GaQ3を進展させる上での課題は、胃を通過する間GaQ3を無傷に保つこと、そして腸管(そこでは該化合物が安定していて、そのまま吸収される)内でGaQ3のより可溶性の形態を放出することである。
この課題は、1)GaQ3の非結晶性固形物を形成させること、および2)胃酸の不安定化効果への曝露を防ぐために、最終剤形または最終剤形内のサブユニットの上に腸溶性コーティングを施すこと、によって満たされる。
発明の開示 かくして、一態様において、本発明は、腸溶性コーティングもしくは遅延放出コーティングにより保護されたGaQ3またはその誘導体の非晶質もしくはナノ結晶質の形態を含む、GaQ3またはその誘導体の経口投与用の剤形に関する。いくつかの実施形態では、GaQ3またはその誘導体は、その非晶質もしくはナノ結晶質の形態を維持するために分散剤と混合される。
本発明の製剤は望ましい薬物動態をもたらし、前記被包性GaQ3を10mg/kgの用量でイヌに投与した場合、血漿中Cmaxは、10mg/kgの結晶質GaQ3を投与されたイヌの血漿中Cmaxの少なくとも100倍であり、そして血漿中AUCは、同じ量の結晶質GaQ3を投与されたイヌの血漿中AUCの少なくとも200倍である。該製剤は望ましい溶解性をも有し、非晶質形態の場合には、ストレスまたは水分への曝露の下で変換されて結晶状態に戻ることへの耐性を有する。
本発明はまた、本発明の製剤を利用してGaQ3またはその誘導体を投与する方法を含む。前記製剤は、癌およびカルシウム・骨代謝に関連する疾患を治療するのに有用である。
図1は、結晶質GaQ3および非晶質GaQ3分散体についてのXRD曲線を示す。
図2は、水にさらしたときに、Eudragit L-100との1:1分散体中のGaQ3の非晶質状態が保持されることを示す。
図3は、結晶質GaQ3と比較したときのGaQ3のさまざまな分散体の溶解速度論を示す。
「GaQ3」は、式1に示されるトリス(8-キノリノラト)ガリウム(III)を指し、式2に記載される誘導体も含む。
トリス(8-キノリノラト)ガリウム(III)の誘導体には、式2のものが含まれる。
式中: R1、R2、R3、R4、R5およびR6の各々は、独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SO3M(ここで、Mはアルカリ金属である);飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状のC1-12炭化水素鎖(ここで、0〜6個のメチレン単位は、独立して、-O-、-NH-、-S-、-OC(O)-、-C(O)O-、-C(O)-、-SO-、-SO2-、-NHSO2-、-SO2NH-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-OC(O)NH-、または-NHC(O)O-により置き換えられる)から選択される。
典型的には、各R1、R2、R3、R4、R5およびR6のうちの5つはHであり、各セットの残りのRは、ハロ、または飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状のC1-12炭化水素鎖(ここで、0〜6個のメチレン単位は、独立して、-O-、-NH-、-S-、-OC(O)-、-C(O)O-、-C(O)-、-SO-、-SO2-、-NHSO2-、-SO2NH-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-OC(O)NH-、または-NHC(O)O-により置き換えられる)である。
薬学的に許容される塩には、そのような塩の形成に適した本発明の化合物の塩が含まれる。例えば、R1〜R6の1つ以上が-NH-を含む場合、これは酸付加塩の形であり得、例えば薬学的に許容される無機酸および有機酸から誘導されるものを含む。
本明細書で使用する「GaQ3」には、式2に示される誘導体が含まれる。 GaQ3の溶解性は、結晶質GaQ3を非晶質またはナノ結晶質の形態に変換することにより向上する。非晶質形態には結晶格子がないため、該固体の溶解は結晶形態から改善される。非晶質状態は、短距離および長距離結晶秩序が完全に喪失しており、薬物の分子が胃腸管内で溶解するのに必要とされるエネルギーははるかに低い;その結果、より良好な吸収率および吸収量が得られる。非晶質形態またはその分散体は、噴霧乾燥、ホットメルト押出、回転蒸発、凍結乾燥、または超臨界流体処理によって調製することができる。
完全な非晶質状態に代わるものは、ナノ結晶質の形態であり、この形態では、同様に、結晶格子エネルギー状態が、この場合には劇的に増加した表面積によって、減少する。溶解度(または溶解)を高めるための結晶性薬物の微粉化(粒子サイズの縮小)は、さまざまな周知の機械的および化学的手段によって実行することができる。典型的な方法には、化学的粉砕、機械的粉砕(湿式ミリング)、マイクロフルイダイゼーション(microfluidization)、超臨界流体処理、噴霧乾燥および析出技術が含まれる。溶解度を高めるには、通常約400ナノメートル(nm)以下の平均粒子サイズが必要とされるが(米国特許第5,145,684号)、組成物中の粒子サイズ範囲は80nm〜500nm、または100nm〜300nm(中間値を含む)であり得る。サイズ分布は均一である必要はない。
したがって、GaQ3の溶解を増加させる代替方法は、500nm未満の平均粒子サイズを有する結晶粒子、すなわち前記ナノ結晶、を生成することである。これは、湿式ミリングを使用して、ミリング工程の間および後に離散粒子を維持するのに役立つ表面改質剤の助けを借りて、GaQ3結晶サイズをこのサイズ範囲に粉砕することで達成することができる。GaQ3のナノ粒子分散体は、DYNO-MILL(モデルKDL、Willy A. Bachoffen AG Maschinenfabrik製)を使用して調製され得る。
表面改質剤は、ミルを満たすのに十分な量の高純度水と混合され得る。乾燥粉末にしたGaQ3(好ましくは、エアージェット粉砕または微粉化したもの、平均粒子サイズ1〜10μm)を上記の溶液に加えて、ローラーミルで1週間回転させることができる。このステップは、表面改質剤の溶液中へのGaQ3の均一な分散を確実にし、それによって媒体ミル(media mill)において必要とされる処理時間が短縮される。
次に、このプレミックスを保持容器に入れて、媒体ミリング工程のための均質な混合物を維持するために、従来のプロペラミキサーを用いて低速で撹拌することができる。ミル粉砕チャンバーにシリカガラス球を部分的に満たし、その媒体ミルを通して該プレミックスを連続的に再循環させることができる。
一般に、結晶性薬物は、分散剤の存在下でそれを非晶質またはナノ結晶状態に変換するように有利に処理される。かくして、本発明の製剤は、貯蔵中にこの非晶質またはナノ粒子状態を剤形中で維持し、かつGaQ3の放出が良好な吸収のために制御された方法で起こることを確実にするための手段を提供する。混和性ポリマーなどの「分散助剤」(dispersing agent)または「分散剤」(dispersant)は、結晶化を抑制し、それによって長く持続する非結晶性の固体状態を生成するために使用され得る(Chiou, W.L. and Riegelman, S., J. Pharm. Sci. (1971) 60, 1281-1302およびYu, L., Adv. Drug Delivery Rev.,(2001) 48, 27-42を参照のこと)。
分散された、または単に非晶質もしくはナノ結晶質のGaQ3は、水性媒体と混合したとき溶解度の瞬間的な高まり(burst)を示し、したがって初期ピーク濃度を示す。
適切な分散剤としては、以下が挙げられる:ゼラチン、カゼイン、レシチン、アカシアガム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、メタクリル酸:メタクリル酸エステルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール、およびポリビニルピロリドン。
GaQ3が結晶状態に戻るのを防止することに加えて、胃の中の酸性状態がGaQ3錯体を解離させるのを防止すること、すなわち経口投与後のGaQ3錯体の化学分解を防止することも必要である。腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティングを使用すると、胃の低pH環境を安全に通過して、小腸のより高いpHに達するまで溶解を遅らせることができる。それゆえに、本発明の製剤では、非晶質またはナノ粒子GaQ3のための保護コーティングが使用される。
所望の経口製剤が、シミュレートされた胃内環境でその完全性を保持し(ステージ1)、その後、シミュレートされた腸内環境でGaQ3を完全に放出する(ステージ2)ことを確認するために、溶解コントロール試験が確立された。
腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティングを提供するために、当技術分野ではさまざまな材料が利用可能である。これらには、シェラック(アロイリット酸のエステル)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ポリ(メタクリル酸-コ-メタクリル酸メチル)、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、ポリ(ビニルアセテートフタレート)(PVAP)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ならびに植物繊維およびプラスチックが含まれる(例えば、Hussan, S.D. et al., 105 IOSRJ Pharm (2012) 2:5-11を参照のこと)。また、そのようなコーティングは、以下を含むこともできる:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(Eudragit E30D)、メタクリル酸:メタクリル酸エステルコポリマー、Eudragit L-100、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ポリオール類、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールPEG(一般的に200〜6000グレード)、または有機エステル類、例えばフタル酸エステル(ジエチル、ジブチル)、クエン酸エステル(トリエチル、アセチルトリエチル、アセチルトリブチル)、ならびに油/グリセリド類、例えばヒマシ油、アセチル化モノグリセリド、および分別ココナッツオイル。
「薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル」という用語は、製剤化される化合物の薬理活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。これらも製剤中に含めることができる。
組成物中で使用できる薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルには、限定するものではないが、以下が含まれる:ラクトース、噴霧乾燥ラクトース、微結晶性セルロース、ソルビトール、無水リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム二水和物、ゼラチン、グルコース、セルロース誘導体−メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン(Povidone)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、アカシア、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、パラフィン、ラウリル硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、PEG 400、600、8000、コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil)、およびコーンスターチ。
本発明の組成物は、対象者への経口投与用に製剤化される。さまざまな方法で該組成物を剤形へと構築することができる。組成物の物理的形態は異なっていてよく、単一コーティング錠剤、コーティング微粒子の懸濁液剤、多数のコーティングミニ錠剤または微粒子を含むカプセル剤などであり得る。一実施形態では、GaQ3を含有する腸溶性コーティング錠剤またはカプセル剤が提供され、その場合、GaQ3は一般的に使用される薬学的賦形剤と共に非晶質(非結晶質)状態にある。別の実施形態では、GaQ3を含有する腸溶性コーティングカプセル剤が提供され、この場合、GaQ3は粉末製剤中で非晶質状態にある。別の実施形態では、GaQ3を含有する腸溶性コーティング単位剤形(錠剤またはカプセル剤)が提供され、この場合、GaQ3は非晶質またはナノ結晶状態にある。本発明の別の実施形態では、非晶質またはナノ結晶質GaQ3を含むコーティング微粒子を充填したカプセル剤が提供される。球状の不活性微粒子(セルロースまたは糖)に、結合剤溶液を用いて、粉末状の非晶質またはナノ結晶質GaQ3をコーティングし、続いて腸溶性または遅延放出性ポリマーコーティングを上塗りすることができる。別の実施形態では、コーティングされたミニ錠剤を充填したカプセル剤が提供される。このミニ錠剤は、非晶質またはナノ結晶質GaQ3と他の賦形剤とを含有し、それらは小さな錠剤に圧縮され、続いてカプセルに充填する前に該錠剤に腸溶性または遅延放出性ポリマーコーティングが施される。
より詳細には、ナノ結晶または非結晶懸濁液は、その後、経口投与用の固体剤形に変換され得るが、それは、Glatt GPCG-2などの流動層コーターを用いて、ナノ結晶懸濁液をセルロース球または糖球(sugar spheres)に噴霧することによって行われる。この装置は、ナノ結晶または非結晶懸濁液のビヒクルを蒸発させ、それによって、ナノ結晶質または非晶質粉末を該球体の表面に堆積させることができる。次に、これらの球体にサブコートおよび遅延または腸溶性ポリマーコーティングを上塗りし、続いて、その最終粒子をカプセルに充填することができる。このアプローチの1つの変形は、ナノ結晶または粉末懸濁液を噴霧する前に、該懸濁液に他の材料(例えば、ポリマー、界面活性剤および/または結合剤)を追加することである。
水性懸濁液剤などの液体剤形は、上記の最終コーティング粒子を、水性懸濁液剤に使用される粉末形態の典型的な賦形剤と混合し、その混合物をボトルに入れ、あとで規定量の精製水を用いて再構成することによって可能である。
別のアプローチは、多数のミニ錠剤を調製し、その後、カプセルシェルに充填する前に該ミニ錠剤に腸溶性または遅延コーティングを施すことである。あるいは、コーティングされた粒子を、舌上での急速溶解のために、「速溶」(fast melt)口腔内溶解錠剤に組み込むことが可能である。
別のアプローチは、非晶質またはナノ結晶質GaQ3の固体粒子を、植物油やポリエチレングリコールなどの非水性ビヒクル中にブレンドし、次にそのブレンドをカプセルシェルに充填し、その後該カプセルシェルに腸溶性または遅延コーティングを施すことである。
形成された非晶質粉末またはナノ粒子は、錠剤、カプセル剤または水性懸濁液剤の調製のために、非晶質薬物形態について上述した製剤と同様の方法で、典型的な薬学的アジュバントまたは微粒子に噴霧するか、錠剤に組み込むことができる。
本発明の範囲内の特定の例示的な実施形態では、結晶化を防止するために、以下を含めて、数種類のポリマーが評価された:酢酸フタル酸セルロース(CAP)、コポビドンまたはポリビニルピロリドン(Plasdone S-360)、およびEudragit L-100(メタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー、すなわちポリ(メタクリル酸-コ-メタクリル酸メチル1:1))。さまざまな実験で、非晶質特性の誘導および維持は、熱および高相対湿度のストレス条件に持続的に曝露してチャレンジした後で(初期および長期)溶解性を高めることが観察された。これらの実験の結果から、Eudragit L-100の良好な結果が示された。
したがって、特定の実施形態では、本発明は、ポリマーマトリックス中のGaQ3の非晶質分散体を提供し、ここで、該ポリマーマトリックスはEudragit L-100である。他の実施形態では、ポリマーマトリックスは、CAP、コポビドン、Eudragit変種、または他のポリマーもしくは材料から選択される。
特定の実施形態では、本発明は、ポリマーマトリックス中のGaQ3の非晶質分散体を提供し、ここで、GaQ3:ポリマーの重量比は1:9と9:1の間である。他の実施形態では、該重量比は7:3、3:2、5:5、2:3または3:7である。他の実施形態では、非晶質分散体は40%のGaQ3と60%のEudragit L-100(重量/重量)で構成される。さらに他の実施形態では、非晶質分散体は30〜60%のGaQ3と40〜70%のEudragit L-100(全て重量/重量)を含む。
腸溶性コーティング錠剤は、40:60(重量/重量)のGaQ3:Eudragit L-100分散比を使用して、さらなる評価のためのプロトタイプ製品として調製した。
微結晶性セルロースは、不溶性であるが、水中で膨潤し、圧縮錠剤に形状と物理的安定性を付与するのに役立ち、かつ高い圧縮性と固有の潤滑性を有するため、充填剤および増量剤として該製剤中に含められた。ポリビニルピロリドンは、結合剤および溶解促進剤として該製剤中に含められた。クロスカルメロースナトリウム(内部架橋されたカルボキシメチルセルロースナトリウム)は、崩壊剤として該製剤中に含められた。二酸化ケイ素は、ローラー圧縮後の粉末製剤の処理を改善し、かつ打錠中のホッパー内の粉末流動性を改善するために、流動助剤として該製剤中に含められた。ステアリン酸マグネシウムは滑沢剤として該製剤中に含められ、打錠成型中に打錠機の接触面への該製剤の粘着を防止する。Advantia PrimeおよびAdvantia Performanceは、ISP Corporationが製造する独占的な医薬品コーティング剤であり、これらの材料を使用して、完成した錠剤にそれぞれ一次サブコーティングと二次腸溶性コーティングを施した。
あるいは、所定の薬物/ポリマー比の噴霧乾燥した非晶質粉末またはナノ粒子は、流動層コーティング機器(例えば、Glatt GPCG-2またはそれ以上)を使用して、セルロース製の小球(Cellets TM)または糖球に噴霧される。他の実施形態では、液状のGaQ3/Eudragit L-100分散体が小球に直接噴霧され、該分散体の非晶質層を形成する。
次に、薬物層を備えた球体は、サブコートと腸溶性コーティングもしくは腸溶性コーティング(Eudragit L-100)だけを、または遅延放出コーティングを上塗りされる。その後、コーティングされたビーズをカプセルシェルに充填することができる。
本明細書で使用する「対象者」という用語は、動物、例えば哺乳動物、具体的にはヒトを意味する。動物は、治療される疾患の実験室モデル、例えばラット、マウスなどであり得る。
本発明の薬学的に許容される組成物は、任意の経口的に許容される剤形で対象者に経口投与され、そうした剤形には、カプセル剤、錠剤、カプセル化されたコーティングミニ錠剤、カプセル化されたコーティング微粒子、コーティング微粒子の懸濁液、およびGaQ3の非水性懸濁液を満たしたコーティング液体カプセルが含まれるが、これらに限定されない。経口用の錠剤またはミニ錠剤の場合、一般的に使用される担体には、ラクトースおよび他の充填剤、例えば微結晶性セルロース、コーンスターチなど、が含まれる。通常、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も添加される。カプセル形態での経口投与の場合、有用な希釈剤には、ラクトースおよび他の充填剤、例えば微結晶性セルロース、乾燥コーンスターチなど、滑沢剤および流動剤、例えばステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素など、が含まれる。カプセル内の微粒子の場合は、糖球またはセルロース球と、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤によって、該製剤が提供される。
経口使用のために水性懸濁液が必要とされる場合、非晶質またはナノ結晶質の活性成分を含む微粒子は、該微粒子内または微粒子上に組み込まれ、投与前に精製水でその後再構成するために、粉末形状の乳化剤および懸濁化剤と組み合わされる。必要に応じて、特定の甘味剤、香味剤または着色剤を添加することもできる。特定の実施形態では、本発明の薬学的に許容される組成物は、腸溶性コーティングを施され、かつ/または胃腸管内での放出を遅らせるポリマーでコーティングされる。
経口液体製品の場合、本発明の組成物中で使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルには、限定するものではないが、以下が含まれる:イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清タンパク質など、緩衝物質、例えばリン酸塩など、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩もしくは電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩など、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂。
組成物を剤形として製造するために担体材料と組み合わせることができる本発明の活性化合物の量は、治療される宿主および特定の投与方法に応じて変化する。好ましくは、該組成物は、0.01〜100mg/kg体重/日の薬物投与量が対象者に投与され得るように製剤化されるべきである。
また、特定の対象者に対する具体的な投与量および治療計画は、さまざまな要因に依存し、例えば、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、治療を行う医師の判断、治療される特定の疾患の重症度などによって決まることを理解されたい。該組成物中の本発明の活性化合物の量は、該組成物中の特定の活性化合物にも左右されるであろう。
上述したように、該製剤が投与される対象者は、癌、炎症などの疾患、または望ましくないカルシウム・骨代謝の疾患にかかりやすい者である。しかしながら、本発明は、胃の酸性環境におけるガリウムの錯体、すなわちGaQ3またはその誘導体、の早期の溶解もしくは分解を防ぐ腸溶性または遅延放出コーティングを組み合わせることによってバイオアベイラビリティが確保されるように該錯体の製剤化に成功しており、また、適切な分散剤を供給することにより保存することができる非晶質またはナノ粒子形態を提供することによって活性化合物の溶解性の向上に成功している。
本発明の組成物はまた、好ましい薬物動態をもたらすその能力によって特徴付けられる。イヌのモデルで試験されて、血漿中の最高濃度(Cmax)と曲線下面積(AUC)の好ましい結果を提供するクレームされた製剤の能力が確立された。具体的には、本発明の組成物は、結晶質GaQ3を経口投与したときの血漿中Cmaxの少なくとも100倍である血漿中Cmaxをもたらすことが示された。Cmaxに対する該組成物の優れた効果は、それらが結晶質GaQ3のCmaxの少なくとも50倍、結晶質GaQ3のCmaxの少なくとも20倍、または結晶質GaQ3のCmaxの10倍のCmaxを示すようなものでもあり得る。
同様に、本発明の組成物は、同じ量の結晶質GaQ3を投与された対象者の血漿中AUCの少なくとも200倍の血漿中AUCをもたらすか、または同様の量の結晶質GaQ3によりもたらされた血漿中AUCと比較して、少なくとも100倍、少なくとも50倍、少なくとも20倍、もしくは少なくとも10倍の血漿中AUCをもたらすであろう。
以下の実施例に示すように、CmaxとAUCの値は、雄と雌のイヌで確立されたものである。本発明の製剤は、記載された値と「同等」の、すなわちこれらの値の80%〜125%以内の、CmaxおよびAUCをイヌにおいて示す。本明細書で使用する「同等」とは、指示対象の80%〜125%以内として定義される。
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであって、限定するものではない。
実施例1 分散した非晶質GaQ3の形成 回転蒸発および噴霧乾燥(SDD)の種々の分散剤が使用され、以下を用いた: ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(グレードHG); ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(グレード55); ポリビニルピロリドン(グレードK-12、K-29/32およびK-90);および Eudragit L-100
これらをGaQ3:ポリマー重量比1:1として供給した。Eudragit L-100は、重量比約1:2および約1:3でさらに評価された。
より詳細には、これらの噴霧乾燥分散体は、2流体アプローチにより調製された;その際、GaQ3をジクロロメタンに事前溶解し、Eudragit L-100をメタノールに事前溶解した。GaQ3とポリマー分散剤の重量比が1:1になるように噴霧速度を調整し、得られた生成物を真空下で乾燥させた。これは、最初に1.7グラムのパイロットスケールで実施され、その後約4.2および5.2グラムのスケールで実施された。これらの結果は、SDDのさらなるスケールアップと、これに続く最終的な製剤処方の開発を行うのに十分であった。GEA-Niro SD Micro(商標)噴霧乾燥機を使用して、GaQ3:分散剤30:70(wt/wt)の比で噴霧乾燥分散体を調製した。乾燥後、全てのサンプルを人工腸液(simulated intestinal fluid)の溶液中での非シンク動力学的溶解度(non-sink kinetic solubility)についてトリプリケート(triplicate:三つ組)で試験した。
評価に使用した分析手法には、ホットステージ顕微鏡(HSM)および偏光顕微鏡(PLM)、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)および変調DSC、ならびに赤外線熱重量分析(TGA-IR)が含まれる。XRPD(特定の2θ値での鋭い明確な反射に対して幅広い非晶質ハロー効果の観察)およびPLM(非晶質の特性と一致する粒子複屈折の欠如)は、調製されかつ試験された全ての混合物の非晶質状態の達成と保持を確認するための最も有用な方法であった。GaQ3と分散剤のさまざまな混合物のXRPDを図1に示す。
示されるように、ほとんどの分散剤はGaQ3を非晶質状態に維持する。図1は、特に非晶質状態の明確な保持を示すEudragit L-100を含む分散体を示している。さらに、水、USP人工胃液(SGF)およびUSP人工腸液(SIF)にさらされたGaQ3/Eudragit L-100の1:1分散体のサンプル(24時間スラリー化した)は、結晶化の明らかな証拠を示さなかった。この耐性は図2でより詳しく示される。
薬物負荷最適化試験もまた、GaQ3とEudragitのストック溶液の液体供給速度を調整することによって、35:65、40:60、50:50、および60:40(wt/wt)のGaQ3:Eudragit L-100比で調製した噴霧乾燥分散体において実施した。サンプルを45℃〜55℃で5日間真空乾燥した後、外観、HPLCによる同定、アッセイおよび純度、カールフィッシャー水分測定、XRPDならびにPLMによって分析した。安定性試験は、25℃/60%相対湿度で1ヶ月、40℃/75%相対湿度で1週間および1ヶ月間実施した。PLMは60:40のGaQ3/Eudragit L-100分散体について若干の複屈折を明らかにしたが、全てのXRPDの結果は主に非晶質の特性を示していた。この知見は、60:40比のEudragit L-100が結晶形態の復元を阻止したことを示している。PLMを使用したより詳細な調査では、「非晶質」としての特性評価が示された。
実施例2 腸溶性コーティング錠剤の調製 4mg錠剤と20mg錠剤の処理用バッチを調製した。15インチのコーティングパンを備えたO'Hara Labcoat Iシステムを使用して、4mgと20mgの両方の錠剤コアに腸溶性コーティングを施した。初期の錠剤試験には、外観、含水量、溶解、HPLCアッセイおよび純度が含まれていた。これらの試験例では、両方の有効成分含量(dosing strength)に対する腸溶性保護が得られるように、Advantia(商標)Preferred HSまたはAdvantia(商標)Prime成分のいずれかをベースコート(3%w/w水性懸濁液として塗布した)として使用し、続いてAdvantia(商標)Performance Coating(10%w/w水性懸濁液)による最終コーティングを施して、比較した。25℃/60%相対湿度および40℃/75%相対湿度の条件で1ヶ月および3ヶ月間、4つ全ての錠剤ロットに安定性試験を実施した。Advantia(商標)Primeサブコートは感覚・知覚的な利点を提供し、Advantia(商標)Preferred HSよりもAdvantia(商標)Primeの方を選択することにした。錠剤の組成を表1に示す。
実施例3 イヌにおける薬物動態 経口薬物動態をイヌで研究し、未改変の結晶質GaQ3と、腸溶性コーティングカプセル内のGaQ3の非晶質ポリマー分散体とのバイオアベイラビリティを比較した。ゼラチンカプセル内の未改変結晶質GaQ3を、Eudragit L-100ポリマーで腸溶コーティングしたゼラチンカプセル内のGaQ3非晶質分散体(30%のGaQ3と70%のEudragit L-100の噴霧乾燥分散体)と比較した。10mg/kgのGaQ3の用量でカプセルをイヌに投与し、投与前、0.5、1、3、5、8、24、48、および72時間に血漿を採取した。血漿中のGaQ3濃度をICP-MSで定量した。
未改変結晶質薬物の場合、血漿中のGaQ3のCmax(最高濃度)は3時間で16.1ng/mLであった。非晶質分散体の場合、血漿中のGaQ3のCmaxは3時間で2,335.6ng/mLであった。これは、未改変結晶質薬物と比較したとき、非晶質分散体のCmaxが145倍増加したことを表している。未改変結晶質薬物の場合、血漿中のGaQ3のAUC(曲線下面積)は213.8ng*h/mLであり、非晶質分散体の場合、血漿中のGaQ3のAUCは60,546ng*h/mLであった。これは、未改変結晶質薬物と比較したとき、非晶質分散体のAUCが283倍増加したことを表している。
実施例4 28日間のイヌの試験 40:60 GaQ3:Eudragit L-100粉末の用量を、Eudragit L-100ポリマーとクエン酸トリエチル(可塑剤)の溶液中に浸漬コーティングしたゼラチンカプセルに充填した。コーティングしたカプセルを絶食状態の雄と雌のイヌのグループに投与した。
血液サンプルを、投与前、1日目と28日目の投与後30分、および投与後1、3、5、8、24時間に全ての動物から採取した。 毒物動態/薬物動態パラメータの概要を表2に示す。
実施例5 溶解速度論 結晶質GaQ3の溶液の動態と、さまざまな分散剤中に分散させた非晶質GaQ3の溶液の動態とを、非晶質GaQ3:分散剤の30:70分散体について、水中のGaQ3の濃度を時間の関数として測定することによって、比較した。結果を図3に示す。示されるように、より即時の溶解ピークが分散剤の性質に依存する初期速度で得られたが、結晶質GaQ3は初期の溶解ピークなしでゆっくりとしか溶解しない。
動力学的溶解度曲線もまた、各GaQ3:ポリマー比でのストレスありおよびストレスなしのサンプルについて決定された。最高の曲線下面積(mg-hr/mLとして表される溶解度)は、40:60 GaQ3/Eudragit L-100分散体の場合に見られた。
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