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Cross-linked polymer degradable into oligomer, production of molded item therefrom, and method for recycling same

阅读:807发布:2020-08-08

专利汇可以提供Cross-linked polymer degradable into oligomer, production of molded item therefrom, and method for recycling same专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To obtain a cross-linked polymer degradable into an oligomer and capable of splitting and reforming linking parts when treated specifically by using an elastomer or rubber comprising specific oligomer parts, cross-linked oligomer parts, and linking parts for linking those oligomer parts to each other to form high-molecular chains.
CONSTITUTION: This polymer is an elastomer or rubber comprising parts derived from an oligomer having such a degree of polymn. or mol.wt. as to exhibit flowability, parts derived from a cross-linked oligomer formed by cross-linking the oligomer to such a degree of cross-linking as to exhibit flowability, and linking parts for linking those oligomer parts to form high-molecular chains. The linking part has chemical bonds which can repeatedly be split and reformed by specific treatments whereby chemical bonds between monomer units of the oligomer are not split.
COPYRIGHT: (C)1996,JPO,下面是Cross-linked polymer degradable into oligomer, production of molded item therefrom, and method for recycling same专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 流動状態を呈し得る程度のモノマー重合度あるいは分子量を備えた重合体であるオリゴマー部と、 前記オリゴマー部同士の間に架橋結合を形成することにより、流動状態を呈し得る程度の架橋オリゴマー部を形成させた架橋部と、 前記複数のオリゴマー部を連結することにより高分子の主鎖部を形成させた連結部と、 からなるエラストマー又はゴムであり、かつ、前記連結部は、前記オリゴマー部におけるモノマー相互間の結合が開裂しない所定の処理により開裂、再形成を繰り返し得る化学結合を含む、 ことを特徴とするオリゴマー分解性架橋型高分子。
  • 【請求項2】 以下のプロセスのうち材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行う、との前提の下に以下の(1)〜(3)のプロセスを実施して、請求項1に記載の高分子の成形体を得ることを特徴とするオリゴマー分解性架橋型高分子の成形体の製造方法。 (1)モノマーを重合させて請求項1に記載のオリゴマー部を形成させるオリゴマー部形成プロセス。 (2)オリゴマー部の端部あるいは端部を構成すべきモノマーと連結部とを結合させる連結部形成プロセス。 (3)オリゴマー部あるいは請求項1に記載の主鎖部間に架橋結合を形成させる架橋部形成プロセス。
  • 【請求項3】 以下のプロセスのうち材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行う、との前提の下に以下の(1)〜(4)のプロセスを実施して、請求項1に記載の高分子の成形体を得ることを特徴とするオリゴマー分解性架橋型高分子の成形体の製造方法。 (1)モノマーを重合させて請求項1に記載のオリゴマー部を形成させるオリゴマー部形成プロセス。 (2)オリゴマー部の端部あるいは端部を構成すべきモノマーと連結部の前駆体とを結合させる連結部準備プロセス。 (3)前記連結部の前駆体から連結部を形成させる連結部完成プロセス。 (4)オリゴマー部あるいは請求項1に記載の主鎖部間に架橋結合を形成させる架橋部形成プロセス。
  • 【請求項4】 請求項1に記載のオリゴマー分解性架橋型高分子の材料又は成形体、あるいはこれらが他種材料中に混在した対象物に対し、以下のプロセスのうち材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行う、との前提の下に、少なくとも以下の(a)〜(c)のプロセス、更に選択的に(d)のプロセスを実施することを特徴とするオリゴマー分解性架橋型高分子の再利用方法。 (a)前記オリゴマー分解性架橋型高分子における連結部の化学結合を開裂させるための請求項1に記載の所定の処理を施して、オリゴマー分解性架橋型高分子を流動可能状態の架橋オリゴマー部の集合体とするオリゴマー化プロセス。 (b)流動可能状態の前記架橋オリゴマー部の集合体を回収するオリゴマー部回収プロセス。 (c)前記の回収物に対して連結部の化学結合を再形成させるための請求項1に記載の所定の処理を施す連結部再生プロセス。 (d)前記(a)の処理により前記オリゴマー分解性架橋型高分子における架橋結合も影響を受けていた場合には、その架橋結合を回復させるための処理を施す架橋部再生プロセス。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、エラストマー又はゴムであるオリゴマー分解性架橋型高分子、オリゴマー分解性架橋型高分子の成形体の製造方法及びオリゴマー分解性架橋型高分子の再利用方法に関する。 本発明は、エラストマー又はゴムとして実用できる物性を維持しつつ、
    その成形品の廃品、成形不良品、成形端材等を液状化して任意の形状に再成形するという再利用を繰り返すことができる新規な架橋型高分子を提供しようとする。

    【0002】

    【従来の技術】

    (従来技術1)U. S. P. 4,882,399 号及びU. S.
    P. 5,260,411 号には、エポキシ樹脂又は付加型(熱硬化型)ポリイミドの主鎖中にS−S結合を導入し、その還元反応(−S−S−→−SH HS−)により樹脂を低分子化(液状化)したり、逆に酸化反応(−SH H
    S−→−S−S−)により樹脂を再硬化したりする技術が開示されている。

    【0003】(従来技術2)通常のいわゆる加硫ゴムは、炭素主鎖からなる長い鎖状有機化合物の集合体である生ゴムに、硫黄又は硫黄化合物を混合し、炭素主鎖間に−S−結合,−S−S−結合,−S−S−S−結合等の多種のS架橋結合を形成させてエラストマー又はゴムの性状を示すようにしたものである。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術1及び従来技術2は、仮にその成形品を一旦液状化して再成形し、再度の利用に供しようとしたとき、それぞれに次のような問題点がある。

    【0005】(従来技術1の問題点)S−S結合の導入比ρ(高分子中のS−S結合の数:高分子中のモノマーの数)が、ρ=1:1〜1:2程度であり、主鎖におけるS−S結合の導入密度が非常に高い。

    【0006】なぜなら、エポキシ樹脂や熱硬化型ポリイミドは元々高い架橋密度を必要とするものであり、これを主鎖部におけるS−S結合の開裂だけで液状化するためには、S−S結合を高密度に導入する必要があるからであり、従って、S−S結合の導入比率が高い点は従来技術1に不可避のものである。

    【0007】その結果、S−S結合を短時間で開裂させ、液状化させることが困難となる。 なぜなら、高分子材料の高密度の架橋により、S−S結合開裂剤の高分子材料中への浸透が困難となり、反面、高密度のS−S結合を短時間で開裂させるためには多量のS−S結合開裂剤が高分子材料中へ浸透する必要があるからである。 従って、処理速度の面で実用性に欠ける技術である。

    【0008】(従来技術2の問題点)炭素主鎖間に−S
    −結合,−S−S−結合,−S−S−S−結合等の多種のS架橋結合が形成されているために、これらの架橋を同時に、有効に切断して液状化することが困難である。
    とりわけ、−S−結合は切断し難く、液状化処理が容易でない。 そして過酷な条件で−S−結合を切断しようとすると、炭素主鎖の結合まで切断されてしまい、再生材料の物性が変化してしまうという問題もある。

    【0009】(着眼点)本願発明者は、エラストマータイプやゴムタイプの架橋型高分子が、再成形のニーズが高いのに、これを可能にする材料が提供されていない点、一方、かかる高分子は再成形のニーズが高いのに、
    これを可能にする材料が提供されていない点に着眼した。

    【0010】(発明の目的)本願発明は、エラストマー又はゴムであって、その本来の物性を損なうことなく液状化と再成形を実用的に行うことができるオリゴマー分解性架橋型高分子、かかるオリゴマー分解性架橋型高分子の成形体の製造方法、及びオリゴマー分解性架橋型高分子の再利用方法を提供することを目的とする。

    【0011】

    【課題を解決するための手段】

    (第1発明の構成)上記課題を解決するための本願第1
    発明(請求項1に記載の発明)の構成は、流動状態を呈し得る程度のモノマー重合度あるいは分子量を備えた重合体であるオリゴマー部と、前記オリゴマー部同士の間に架橋結合を形成することにより、流動状態を呈し得る程度の架橋オリゴマー部を形成させた架橋部と、前記複数のオリゴマー部を連結することにより高分子の主鎖部を形成させた連結部と、からなるエラストマー又はゴムであり、かつ、前記連結部は、前記オリゴマー部におけるモノマー相互間の結合が開裂しない所定の処理により開裂、再形成を繰り返し得る化学結合を含む、オリゴマー分解性架橋型高分子である。

    【0012】(第2発明の構成)上記課題を解決するための本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
    以下のプロセスのうち材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行う、との前提の下に以下の(1)〜(3)のプロセスを実施して、前記第1発明の高分子の成形体を得るオリゴマー分解性架橋型高分子の成形体の製造方法である。 (1)モノマーを重合させて請求項1に記載のオリゴマー部を形成させるオリゴマー部形成プロセス。 (2)オリゴマー部の端部あるいは端部を構成すべきモノマーと連結部とを結合させる連結部形成プロセス。 (3)オリゴマー部あるいは請求項1に記載の主鎖部間に架橋結合を形成させる架橋部形成プロセス。

    【0013】(第3発明の構成)上記課題を解決するための本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
    以下のプロセスのうち材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行う、との前提の下に以下の(1)〜(4)のプロセスを実施して、前記第1発明の高分子の成形体を得るオリゴマー分解性架橋型高分子の成形体の製造方法である。 (1)モノマーを重合させて請求項1に記載のオリゴマー部を形成させるオリゴマー部形成プロセス。 (2)オリゴマー部の端部あるいは端部を構成すべきモノマーと連結部の前駆体とを結合させる連結部準備プロセス。 (3)前記連結部の前駆体から連結部を形成させる連結部完成プロセス。 (4)オリゴマー部あるいは請求項1に記載の主鎖部間に架橋結合を形成させる架橋部形成プロセス。

    【0014】(第4発明の構成)上記課題を解決するための本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
    前記第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子の材料又は成形体、あるいはこれらが他種材料中に混在した対象物に対し、以下のプロセスのうち材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行う、
    との前提の下に、少なくとも以下の(a)〜(c)のプロセス、更に選択的に(d)のプロセスを実施することを特徴とするオリゴマー分解性架橋型高分子の再利用方法。 (a)前記オリゴマー分解性架橋型高分子における連結部の化学結合を開裂させるための前記第1発明に記載の所定の処理を施して、オリゴマー分解性架橋型高分子を流動可能状態の架橋オリゴマー部の集合体とするオリゴマー化プロセス。 (b)流動可能状態の前記架橋オリゴマー部の集合体を回収するオリゴマー部回収プロセス。 (c)前記の回収物に対して連結部の化学結合を再形成させるための前記第1発明に記載の所定の処理を施す連結部再生プロセス。 (d)前記(a)の処理により前記オリゴマー分解性架橋型高分子における架橋結合も影響を受けていた場合には、その架橋結合を回復させるための処理を施す架橋部再生プロセス。

    【0015】

    【作用】

    (第1発明の作用)第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子は、その連結部の化学結合を開裂させることによって液状化することができる。 かかる液状化の際、前記従来技術におけるような液状化の困難を伴わず、かつオリゴマー部を損傷させることがない。 また、本発明のオリゴマー分解性架橋型高分子はエラストマー又はゴムであり、高い耐熱性や剛性を要求されない関係から、元来、架橋部の密度が低い。 従って、連結部結合の開裂剤の浸透が高密度架橋によって阻害されることもない。

    【0016】(第2発明の作用)第2発明においては、
    オリゴマー部、架橋部及び連結部をそれぞれ形成するプロセスを行うことにより、第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子が構成される。 そしてこれらの各プロセスのうち、材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行うため、前記オリゴマー分解性架橋型高分子の成形体が構成される。

    【0017】(第3発明の作用)第3発明においては、
    連結部が、その前駆体の状態でオリゴマー部あるいはそれを構成するモノマーと結合した後に、連結部として完成される、という場合において、オリゴマー部形成プロセス、架橋部形成プロセス、連結部準備プロセス及び連結部完成プロセスをそれぞれ行うことにより、第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子が構成される。 そしてこれらの各プロセスのうち、材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行うため、
    前記オリゴマー分解性架橋型高分子の成形体が構成される。

    【0018】また、第3発明は、連結部の化学結合が−
    S−S−結合であり、架橋部が加硫架橋である場合におけるオリゴマー分解性架橋型高分子の有効な製造方法を提供する。 即ち、オリゴマー部形成プロセスの後、オリゴマー部の端部に連結部の前駆体である−SH基を結合させる連結部準備プロセスを行い、ついでオリゴマー部に対して架橋部形成プロセスである加硫処理を行い、最後に酸化反応により連結部の−S−S−結合を完成させる、という順序で高分子の合成を行えば、加硫処理の際に連結部を形成すべき部位が−SHでブロックされているために、ここに各種の加硫結合(−S−、−S−S
    −、−S−S−S−等)がランダムに形成されることを防止することができ、かつ連結部完成プロセスによって連結部には−S−S−結合のみが確実に形成されるのである。

    【0019】(第4発明の作用)第4発明において、オリゴマー化プロセスにより、オリゴマー分解性架橋型高分子の材料又は成形体が流動可能状態の架橋オリゴマー部の集合体とされ、他種材料中に混在していた場合にも容易に回収される。 そして、連結部再生プロセス、更に必要な場合には架橋部再生プロセスを施すことによりオリゴマー分解性架橋型高分子の成形体が再度構成される。 また、材料の不融化を伴うプロセスを賦形手段による形状限定を与えた状態で行うため、前記オリゴマー分解性架橋型高分子の成形体が構成される。

    【0020】このような成形体の再生に当たり、前記従来技術2におけるような再生材料の物性の変化を起こさない。

    【0021】

    【発明の効果】

    (第1発明の効果)第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子は、連結部を導入することによっても、エラストマー又はゴムとしての物性を損なうことがない。 そして、その物性を損なうことなく、かつ実用的な処理速度で、その液状化及び再成形を行うことができる。

    【0022】(第2発明の効果)第2発明の製造方法は、第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子についての有効な製造手段を提供する。

    【0023】(第3発明の効果)第3発明の製造方法は、第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子の連結部が、その前駆体の状態でオリゴマー部あるいはそれを構成するモノマーと結合した後に、連結部として完成される、という場合において、第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子についての有効な製造手段を提供する。

    【0024】(第4発明の効果)第4発明の再利用方法は、第1発明のオリゴマー分解性架橋型高分子の廃棄材料や成形体等からオリゴマー部の集合体を有効に回収して、オリゴマー分解性架橋型高分子の成形体を再生させる有効な手段を提供する。

    【0025】

    【実施態様】次に本願第1発明〜第4発明の実施態様について説明する。

    【0026】〔第1発明の実施態様〕 (オリゴマー分解性架橋型高分子の実施態様)本願発明のオリゴマー分解性架橋型高分子は、エラストマー又はゴムである。 エラストマー又はゴムの種類には限定がなく、例えば化学構造上でエラストマー又はゴムに分類されるものや、いわゆるエラストマー様又はゴム様の物性を示すものがいずれも含まれる。

    【0027】特に以下の〜に列挙するものは、実使用条件において良好なゴム弾性を示すので好ましい。 なお、一般的に、高分子の架橋密度が10%を超えるとゴム弾性を示さなくなる。 ガラス転移点が0°C以下であるもの 架橋密度(高分子全体に対する架橋部の重量%)が0.1〜10%のもの とりわけ、架橋密度が0.1〜5%のもの

    【0028】また、分子構造としては、ガラス転移温度以上の温度において、応のかからない状態で無定形(結晶状態をとらない)であるものも好ましい。

    【0029】更に、特性としては、張力が加えられると迅速に、かつエネルギーの散逸なく伸長(例えば数十%
    〜数百%伸長)し、張力を除くと素早く収縮して元の長さに回復するものも好ましい。

    【0030】オリゴマー分解性架橋型高分子の、高分子としてのタイプ別で言えば、単独重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト重合体のいずれのタイプのものに連結部と架橋部が導入されたものであっても良い。

    【0031】具体的な例としては、それぞれ架橋された、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
    クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、
    塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のいずれのタイプのものに連結部が導入されたものであっても良い。

    【0032】(オリゴマー部の実施態様)オリゴマー部のモノマー重合度あるいは分子量については、流動状態を呈し得る程度であれば良い。 ここに「流動状態」とは、添加物を混入したり、賦形したりすることができる可塑化状態を言う。 温度も含めて実使用状態において現に流動状態を示すものが特に好ましい。 具体的な重合度あるいは分子量については、発明の目的に適う限りにおいてオリゴマー分解性架橋型高分子の種類に応じて個々に定まるものであり、一律に規定することは困難である。 一例として、2量体あるいは分子量が500に満たないオリゴマー部や、数十量体あるいは分子量が10,
    000程度以上のオリゴマー部を有効に使用できる場合がある。

    【0033】オリゴマー部は、必ずしもモノマーが鎖状に結合されている必要はなく、いわゆる分枝状(ブランチ状)に結合されていても良い。

    【0034】(架橋オリゴマー部の実施態様)架橋オリゴマー部のモノマー重合度、架橋度あるいは分子量については、流動状態を呈し得る程度であれば良い。 ここに「流動状態」とは、添加物を混入したり、賦形したりすることができる可塑化状態を言う。 温度も含めて実使用状態において現に流動状態を示すものが特に好ましい。
    具体的な重合度、架橋度あるいは分子量については、発明の目的に適う限りにおいてオリゴマー分解性架橋型高分子の種類に応じて個々に定まるものであり、一律に規定することは困難である。

    【0035】(添加剤の実施態様)オリゴマー分解性架橋型高分子は、通常のエラストマー又はゴムに対してブレンドされることがある他種の高分子や、添加されることがある各種の添加物を含むことができる。 このような添加物の2,3の例として、加硫剤、加硫促進剤、カーボンブラック等の補強剤、増量のための充填剤、老化防止剤、軟化剤等を挙げることができる。

    【0036】(架橋部の実施態様)オリゴマー分解性架橋型高分子の架橋部は、いわゆる「加硫」、即ち、−S
    −、−S−S−、−S−S−S−等の硫黄架橋をもって構成される場合が多い。 但し、非硫黄架橋として、例えばラジカルを発生させて主鎖部の炭素−炭素間に架橋を形成する過酸化物架橋を以て構成されても良い。

    【0037】(連結部の実施態様)連結部は、オリゴマー部におけるモノマー相互間の結合が開裂しない所定の処理をもって開裂、再結合を繰り返し得る化学結合をもってオリゴマー部を連結するものでなければならない。
    但し、オリゴマー部の化学結合の開裂処理により架橋部の架橋結合が一部開裂することとなる場合を排除するものではない。 例えば連結部の化学結合がジスルフィド結合(−S−S−)であり、架橋部が硫黄架橋(−S−、
    −S−S−、−S−S−S−等)をもって構成されている場合等がこれに含まれる。

    【0038】連結部の一例として、−Si−Si−結合がある。 この連結部は、モノクロルシリル基(−Si−
    Cl)を有する化合物等を連結部構成用の化合物として用いることにより導入することができる。 この−Si−
    Si−結合は、遠紫外光(254nm)の照射により開裂させることができ、カップリング反応により再結合させることができる。

    【0039】連結部の他の一例として、エステル結合(−C(=O)−O−)がある。 この連結部は、例えばカルボキシル基を有する化合物と酸基を有する化合物とを連結部構成用の化合物として用いることにより導入することができる。 このエステル結合は、加水分解反応により開裂させることができ、脱水縮合反応により再結合させることができる。 なお、モノマー相互間が加水分解され易い結合を有しているポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル等については、連結部をこの構成とすることは避けた方が良い。

    【0040】連結部の他の一例として、前記したジスルフィド結合(−S−S−)がある。 この連結部はメルカプト基を有する化合物等を連結部構成用の化合物として用いることにより導入することができる。 ジスルフィド結合は還元反応により開裂させることができ、酸化反応により再結合させることができる。

    【0041】連結部の他の一例として、フラン環とマレイミド環とを前駆体とする連結部がある。 この連結部は、一方のモノマーあるいはオリゴマーにはフリル基を結合させておき、他方のモノマーあるいはオリゴマーにはマレイミド基を結合させておくことによって、次の「化1」に示すような Diels-Alder反応により開裂させたり再結合させたりすることができる。 「化1」中でS
    字状に表示した結合手はオリゴマーとの結合手を示し、
    アルキレン基を介してオリゴマーと結合していても良い。

    【0042】

    【化1】

    【0043】連結部の他の一例として、クマリン、アントラセン等を前駆体とする連結部がある。 この連結部は、対のモノマーあるいはオリゴマーに、前駆体としてのクマリンあるいはアントラセンを結合させておき、次の「化2」に示すような近紫外光を照射したもとでの光二量化反応によって連結部を完成させるものである。
    「化2」中でS字状に表示した結合手は、「化1」における場合と同じ意味である。

    【0044】

    【化2】

    【0045】クマリン、アントラセン等を前駆体とする連結部を用いたオリゴマー分解性高分子につき、これをオリゴマー化する際には、照射光の波長を変えることにより、前記光二量化反応の逆の反応を起こさせれば良い。

    【0046】〔第2、第3発明の実施態様〕 (第2、第3発明における各プロセスの順序)第2発明における前記(1)〜(3)のプロセス、及び第3発明における前記(1)〜(4)のプロセスについては、発明の目的を達成し得る限りにおいて、その実行順序の先後を問わない。 可能な場合には、複数のプロセスを同時並行的に実行することもできる。

    【0047】各プロセスの実行順序の1,2の例として、オリゴマー部形成プロセス→連結部形成プロセス→
    賦形手段による形状限定→架橋部形成プロセスという順序、あるいは、オリゴマー部形成プロセス→架橋部形成プロセス→連結部準備プロセス→賦形手段による形状限定→連結部完成プロセスという順序が考えられる。 これらの例において、賦形手段による形状限定の後のプロセスは、例えば温度制御(加熱等)、マイクロ波等の外部刺激の印加等により実行可能である。

    【0048】連結部形成プロセス(あるいは連結部準備プロセス及び連結部完成プロセス)と架橋部形成プロセスとの実行の先後関係は、実質的に可能な限りにおいて任意に設定することができる。 通常、この両プロセスが完了した時点では既に材料が不融化しているので、そうなる前の必要又は適切なステップにおいて、材料に賦形手段による形状限定を与えておく必要がある。

    【0049】(オリゴマー部形成プロセスの実施態様)
    オリゴマー部形成プロセスは、オリゴマー分解性架橋型高分子を構成すべき所定の重合度のオリゴマー部を、モノマーの重合によって形成するプロセスである。 このオリゴマー部は、その一端部あるいは両端部に、連結部との結合を形成するための官能基を備えていた方が良い場合が多い。

    【0050】オリゴマー部形成プロセスの有利な実施態様の一つとして、リビング重合法がある。 リビング重合法は、周知のように、ある特定の重合開始剤及び重合条件を用いることにより、単純な重合法では得られない以下のような特徴ある重合体を得る方法である。 1)分子量分布の狭い、即ち重合度の揃った重合体が得られる。 2)重合体の分子量を、数百以下の低分子量のオリゴマーから、分子量が数十万以上の高分子量体に至る広い範囲で任意にコントロールできる。 3)重合体の一方あるいは両方の端部に、連結部との結合を形成させるための官能基を容易に導入することができる。

    【0051】このリビング重合法には、周知のようにカチオン重合法、アニオン重合法、ラジカル重合法、配位重合法(ツィーグラーナッタ重合法又はメタセシス重合法)があるが、そのいずれの方法を用いても良い。

    【0052】オリゴマー部形成プロセスの他の実施態様として、ラジカル重合開始剤を用いる方法がある。 この方法は、連結部との結合を形成し得る官能基を備えたラジカル重合開始剤を用いてモノマーのラジカル重合を行わせ、こうして成長したラジカル同士を反応させて、両端に前記の官能基を備えたオリゴマー部を形成する方法である。

    【0053】オリゴマー部形成プロセスの他の実施態様として、連鎖移動剤を利用したテロメリゼーション法がある。 この方法は、例えば次の「化3」で示すように、
    テローゲンX−Yとn個のモノマー(nM)を用いて重合反応を起こさせ、テレケリオックオリゴマー(X−M
    n −Y)を形成する方法である。

    【0054】

    【化3】

    【0055】上記のラジカル重合開始剤を用いる方法と連鎖移動剤を利用したテロメリゼーション法とを併用すると、より収率良く目的のオリゴマーを得ることができる。 例えば、次の「化4」で示す4,4−アゾビス−4
    −シアノ吉草酸をラジカル重合開始剤に用い、「化5」
    で示すジチオグリコール酸を連鎖移動剤に用いて、スチレン等のモノマーのラジカル重合を行うと、両端にカルボキシル基を有するオリゴスチレンを形成することができる。

    【0056】

    【化4】

    【0057】

    【化5】

    【0058】オリゴマー部形成プロセスの他の実施態様として、重縮合反応あるいは重付加反応を利用する方法がある。 この方法では、2種類のモノマーのうち一方のモノマーの量を過剰にすることにより、オリゴマー部の末端に連結部との結合が可能な特定の官能基を備えさせることができる。 例えば、次の「化6」で示すように、
    ジアミンモノマーと酸無水物モノマーとの重縮合によりポリイミドタイプのオリゴマー部を形成する場合、ジアミンモノマー成分を過剰に加えることにより、オリゴマー部の両端をアミノ基とすることが可能である。

    【0059】

    【化6】

    【0060】(連結部の形成、準備、完成プロセスの実施態様)連結部形成プロセスは、オリゴマー部の端部と連結部とを結合させるプロセスである。 ここにおいて、
    オリゴマー部は必ずしも完成している必要はなく、オリゴマー部の端部を構成すべきモノマーが連結部と結合した後に、そのモノマーからオリゴマー部の重合が開始されても良い。 また、第2発明のように連結部が既に完成されていても良いが、第3発明のように連結部準備プロセスとして連結部の前駆体がオリゴマー部と結合した後に、連結部完成プロセスとしてその前駆体から連結部が完成されても良い。

    【0061】連結部形成プロセスの実施態様の一つとして、例えば、リビングアニオン重合法で合成したオリゴマー部と、連結部を構成するテトラメチルジクロロジシランCl−Si(CH 32 −Si(CH 32 −Cl
    とを反応させる方法がある。 この場合、次の「化7」で示すオリゴマー分解性高分子が得られる。 「化7」中、
    波線は一定の重合度のスチレンオリゴマー部を示す。

    【0062】

    【化7】

    【0063】こうして形成されたオリゴマー分解性架橋型高分子の主鎖部は、連結部のSi−Si結合の開裂、
    再結合によりオリゴマー部への分解と、主鎖部の再生とを繰り返すことができる。

    【0064】連結部準備プロセスに引き続いて連結部完成プロセスが行われる場合の実施態様の一つとして、例えば「化8」に示すように、リビングアニオン重合法で合成したオリゴマー部の両端部に連結部の前駆体であるブロモアントラセンを結合させて重合を停止させ、対で光二量化反応によってブロモアントラセンを二量化させて連結部を完成させる方法がある。 「化8」中、波線は一定の重合度のオリゴマー部を示す。

    【0065】

    【化8】

    【0066】連結部準備プロセスに引き続いて連結部完成プロセスが行われる場合の他の実施態様として、例えば、互いに結合可能な官能基A,Bをそれぞれ有する、
    対のリビングカチオン重合剤とリビングアニオン重合剤とからそれぞれオリゴマー重合を行わせ、一方の重合末端の炭素カチオンと、他方の重合末端の炭素アニオンとを結合させてオリゴマー部を形成させる方法がある。 これらのオリゴマーをその末端の官能基A,B間の結合により多数連結させると、オリゴマー分解性架橋型高分子の主鎖部が形成される。

    【0067】連結部準備プロセスに引き続いて連結部完成プロセスが行われる場合の更に他の実施態様として、
    オリゴマーの両端部に互いに異なる連結部前駆体が結合される場合がある。 例えば次の「化9」に示すように、
    アセトキシビニルエーテルのHI付加体を重合開始剤としてリビングカチオン重合でオリゴマーを合成した後、
    ナトリウムマロン酸エチルNa−CH(COOC
    252によって重合を停止し、その後に加水分解を行うと、一端に水酸基、他端にカルボキシル基を有するオリゴマーが合成される。 そして、連結部完成プロセスとして、これらのオリゴマーを相互にエステル結合により連結させれば、オリゴマー分解性架橋型高分子の主鎖部を得る。 この主鎖部は、上記エステル結合の加水分解によりオリゴマー部に分解することができる。

    【0068】

    【化9】

    【0069】連結部準備プロセスに引き続いて連結部完成プロセスが行われる場合の更に他の実施態様として、
    両端に同一の官能基Aを備えたオリゴマーと、両端に同一の官能基B(官能基Aと官能基Bとは互いに結合したり開裂したりできる)を備えたオリゴマーとの2種類のオリゴマーを調製し、これらのオリゴマーを、その官能基Aと官能基Bとの反応により連結させてオリゴマー分解性架橋型高分子の主鎖部を得る場合がある。 例えば、
    連結部準備プロセスとして、両端に水酸基を有するオリゴマーと両端にカルボキシル基を有するオリゴマーとを調製し、連結部完成プロセスとしてこれらのオリゴマーを相互にエステル結合により連結させれば、オリゴマー分解性架橋型高分子の主鎖部を得る。 この主鎖部は、上記エステル結合の加水分解によりオリゴマー部に分解することができる。

    【0070】(上記各プロセスにおける主鎖部の実施態様)以上に述べたオリゴマー部形成プロセス、連結部形成プロセス、連結部準備プロセス、連結部完成プロセスの各実施態様のいずれにおいても、オリゴマー部が直鎖状であっても、分枝状(ブランチ状)であっても良い。

    【0071】(架橋部形成プロセスの実施態様)架橋部形成プロセスは、前記した「架橋オリゴマー部の実施態様」や「架橋部の実施態様」に従って行われる。

    【0072】〔第4発明の実施態様〕 (オリゴマー化プロセスの実施態様)オリゴマー化プロセスは、オリゴマー分解性架橋型高分子における連結部の化学結合を開裂させる処理を施して、オリゴマー分解性架橋型高分子を流動可能状態の架橋オリゴマー部の集合体とするプロセスである。 このプロセスにおいて、架橋部の架橋結合も影響を受け、その一部が開裂することもあり得る。

    【0073】連結部の化学結合を開裂させる処理は、既に述べたように連結部の化学結合の種類に応じて様々であるが、一般的には、熱分解、遠紫外光〜可視光による光分解、加水分解、メタノールやグリコール等による加溶媒分解、酸化−還元系や照射光波長の変換による可逆反応の利用、等のうちから好適なものを選択すれば良い。

    【0074】(オリゴマー部回収プロセスの実施態様)
    オリゴマー部回収プロセスは、前記オリゴマー化プロセスで得られた架橋オリゴマー部の、流動性あるいは溶媒に対する溶解性における他種材料との差異を利用して、
    当該架橋オリゴマー部を分別するプロセスである。

    【0075】例えば、各種の高分子材料が混在する廃棄物に対してオリゴマー化プロセスを行うと、通常はオリゴマー分解性架橋型高分子のみが架橋オリゴマー化され、低分子量化する。 その結果、第1に、当該架橋オリゴマーは廃棄物中の他種の高分子材料に比較して顕著に流動性が向上するので、メッシュ板を用いた濾過、あるいはデカンテーション等の方法により架橋オリゴマーを分別することができる。 第2に、当該架橋オリゴマーは廃棄物中の他種の高分子材料に比較して種々の溶媒に対する溶解性が向上するので、特定の溶媒を用いて当該架橋オリゴマーのみを抽出することにより分別することができる。

    【0076】第4発明における再生プロセス、及び架橋結合を回復させるための処理は、前記した連結部形成プロセス、連結部準備プロセス、連結部完成プロセス、架橋部形成プロセスに準じて必要な操作を行えば良い。

    【0077】

    【実施例】次に、本願第1発明〜第4発明の実施例について説明する。

    【0078】(実施例1)2つのフラスコ中にそれぞれ、ナトリウム(460mg、20mmol)とナフタレン(2.56g、20mmol)とのTHF(テトラヒドロフラン)溶液を仕込み、両者を室温で2時間攪拌することにより、ナトリウム−ナフタレン錯体を調製した。 この溶液にイソプレン(68g、1mol)のTH
    F溶液を加え、1時間反応を行って、両末端が炭素のアニオンである両末端アニオンポリイソプレンオリゴマーを合成した。

    【0079】上記の両末端アニオンポリイソプレンオリゴマー溶液を2分し、一方の溶液には25mmolの「化10」の化合物を加えた後、1時間攪拌して、分子量が約3,600の、両末端に連結部の前駆体としてのフラン環が導入された「化11」に示すポリイソプレンオリゴマー(オリゴマーA)を得た。

    【0080】

    【化10】

    【0081】

    【化11】

    【0082】上記の他一方の溶液には25mmolの「化12」の化合物を加えた後、1時間攪拌して、分子量が約3,500の、両末端に連結部の前駆体としてのマレイミド環が導入された「化13」に示すポリイソプレンオリゴマー(オリゴマーB)を得た。

    【0083】

    【化12】

    【0084】

    【化13】

    【0085】オリゴマーAとオリゴマーBとの溶液を混合し、50°Cで20時間反応させたところ、オリゴマーAとオリゴマーBとが、その末端のフラン環とマレイミド環との Diels-Alder反応により形成された連結部をもって連結された、分子量約25万の鎖状ポリマーを得た。

    【0086】上記の鎖状ポリマー100重量部に、硫黄2重量部、加硫促進剤としてノクセラー NS−P(大内新興化学製、物質名はN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)を1重量部、酸化亜鉛3
    重量部、ステアリン酸2重量部を加え、混練によりいわゆる加硫を行い、図1にその高分子構造の一部を示すオリゴマー分解性架橋型高分子(架橋ポリイソプレン型)
    を調製した。 図1において、波線で示す部分は上記のポリイソプレンオリゴマーを、白抜きの四形は上記の連結部を、−S−や−S−S−は加硫による架橋部を、それぞれ示す。

    【0087】上記の混練物より、プレス成形により厚さ5mmの30cm×30cmのシートを作製し、このシートからJIS−K6301に準じてダンベル型試験片を切り出し、引張試験を行った。 その結果を表1に「初期品」として示す。

    【0088】

    【表1】

    【0089】本例に対応する比較例1として、連結部を含まない市販の加硫ポリイソプレン(数平均分子量約2
    5万)の引張試験に係る物性値を、表1に併せて示した。 本例のオリゴマー分解性架橋型高分子は、引張強度においても、引張伸びにおいても、市販の加硫ポリイソプレンと同程度の物性値を示している。

    【0090】次に、本例のオリゴマー分解性架橋型高分子につき、オリゴマー化プロセスとして、130°Cで1時間加熱して、逆 Diels-Alder反応による分解を行ったところ、粘度が著しく低下した。 その理由は、オリゴマー分解性架橋型高分子の連結部が分解され、オリゴマーA、オリゴマーBの架橋体の集合物になったためであると考えられる。 このような粘度低下の結果、例えば他種の塵芥等の混在廃棄物中からこのオリゴマー架橋体を分別することは容易であると思われる。

    【0091】上記逆 Diels-Alder反応による分解物につき、再生プロセスとして、これを一定形状のキャビティを有する金型に流し込み、40°Cで1時間加熱して D
    iels-Alder反応を起こさせた。 すると、連結部が再度形成され、成形体が得られた。 この成形体の引張試験の結果を表1に「再生品」として示すが、初期品と同等の物性を示した。

    【0092】なお、比較例2として、比較例1の加硫ポリイソプレンを本例の上記オリゴマー化プロセスと同じ条件(130°Cで1時間加熱)で処理したが、粘度の低下や流動化が全く起こらず、従って再成形することもできなかった。

    【0093】(実施例2)実施例1と同じ両末端アニオンポリイソプレンオリゴマーのTHF溶液に「化14」
    の化合物を10mmolとなるように加えて1時間攪拌し、「化14」の化合物の両端の臭素をオリゴマーで置換する反応により、両末端アニオンポリイソプレンオリゴマーが、「化14」の化合物を連結部として(−S−
    S−結合が連結部結合となる)多数連結された、数平均分子量が約25万の鎖状ポリマーを得た。

    【0094】

    【化14】

    【0095】そして、上記の鎖状ポリマーに実施例1と同じ加硫処理を行い、オリゴマー分解性架橋型高分子(架橋ポリイソプレン型)を調製した。 次に、加硫混練物から実施例1と同じシートを成形し、かつ同じ試験片を作製して(実施例2の初期品)、実施例1と同じ試験を行った。 その結果は、引張強度が240kg/cm 2 、引張伸びが640%であり、市販品である前記比較例1と同等の物性を示した。

    【0096】続いて、上記の加硫混練物を微粉砕し、ジオキサン中で、トリブチルフォスフィンで1時間加熱還流(〜100度C)処理した。 この処理により連結部結合である−S−S−結合が切断されてオリゴマーの架橋体の集合物を生成すると共に、加硫処理による架橋結合のうち−S−S−結合タイプのものも切断されたと推定されるが、微粉砕物は流動体化し、有機溶媒に可溶となった。

    【0097】上記の流動体を金型に流し込み、150度Cで10分間加熱したところ、再度硬化し、再生品の成形体が得られた(実施例2の再生品)。 そしてこの成形体の物性を実施例1と同じ条件で試験したところ、引張強度が270kg/cm 2 、引張伸びが580%であり、実施例2の初期品とほぼ同等であった。 従って、再生処理により、連結部結合が再度形成されると共に、一旦切断された−S−S−結合タイプの架橋結合も再形成されたものと推定される。

    【0098】実施例2に対応する比較例3として、連結部を含まない市販の加硫ポリイソプレン(数平均分子量約25万)を実施例2と同じ条件で加熱還流処理したところ、架橋結合の一部が切断したものと推定され、低分子量化した。 しかし、粘性の低下度合いが不十分であり、再成形することはできなかった。

    【0099】次に比較例4として、前記市販の加硫ポリイソプレンを微粉砕し、ジフェニルジスルフィドを加え、オートクレーブ中、160°Cで5時間加熱処理したところ、再成形可能な程度に低粘度化した。 その理由は、処理条件が厳しかったために架橋結合が−S−S−
    結合のみでなく、−S−結合や−S−S−S−結合も切断されたためと考えられる。

    【0100】しかし、上記の低粘度化物に硫黄を加えて再加硫した材料の物性は、実施例1と同じ条件の試験で、引張強度が120kg/cm 2 、引張伸びが275%という低い値に止まった。 その理由は、前記の低粘度化処理の際に、処理条件が厳しいためにイソプレン主鎖の切断も起こってしまい、この主鎖の切断は再加硫によって回復しないためである、と考えられる。

    【0101】(実施例3)実施例1と同じ両末端アニオンポリイソプレンオリゴマーのTHF溶液に「化15」
    の化合物を50mmolとなるように加えて1時間攪拌し、両末端にシクロペンタジエニル環を有するポリイソプレンオリゴマーを得た。 このオリゴマー同士を50°
    Cで15時間反応させ、数平均分子量が約27万の鎖状ポリマーを得た。

    【0102】

    【化15】

    【0103】そして、上記の鎖状ポリマーに実施例1と同じ加硫処理を行い、オリゴマー分解性架橋型高分子(架橋ポリイソプレン型)を調製した。 次に、加硫混練物から実施例1と同じシートを成形し、かつ同じ試験片を作製して(実施例3の初期品)、実施例1と同じ試験を行った。 その結果は、引張強度が250kg/cm 2 、引張伸びが620%であり、市販品である前記比較例1と同等の物性を示した。

    【0104】続いて、上記の加硫混練物を微粉砕し、1
    50°Cで1時間加熱という連結部結合の切断処理を行って低粘度化させた後、これを金型に流し込み、50°
    Cで1時間加熱という連結部の再形成処理を行って再度硬化し、再生品の成形体を得た(実施例3の再生品)。
    そしてこの成形体の物性を実施例1と同じ条件で試験したところ、引張強度が230kg/cm 2 、引張伸びが600
    %であり、実施例3の初期品とほぼ同等であった。

    【0105】(実施例4)モノマーをイソプレンからブタジエンに変えた点以外は実施例1と全く同様に行った。 本例において、初期品の物性値において、引張強度が200kg/cm 2 、引張伸びが500%であり、再生品の物性値において、引張強度が175kg/cm 2 、引張伸びが400%であった。

    【0106】なお、比較例5として、市販の連結部を含まない加硫ポリブタジエンの物性値は、引張強度が17
    5kg/cm 2 、引張伸びが400%であった。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】実施例1のオリゴマー分解性架橋型高分子の構造を模式的に示す図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 茜 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

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