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Element cooler excellent in starting characteristics

阅读:735发布:2020-08-16

专利汇可以提供Element cooler excellent in starting characteristics专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an element cooler which can be used stably without damaging a semiconductor element by stabilizing temperature controllability at the time of starting when a substance of low global warming potential (e. g. HFC43-10mee) is used as HFC (Hydro Fluoro Carbon) refrigerant. SOLUTION: The element cooler excellent in starting characteristics is a boiling cooler comprising an evaporator where a plurality of passages are arranged in parallel, a condenser stacking a refrigerant passage and an air passage communicating with the evaporator, and refrigerant used for cooling an element by circulating through the refrigerant passage. As a bubbling acceleration treatment, inner surface of the passage in the evaporator is preferably roughened by etching using acid. HFC of low global warming potential (e. g. HFC43-10mee) is preferably employed as the element cooling refrigerant. COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT,下面是Element cooler excellent in starting characteristics专利的具体信息内容。

  • 複数の通路を並列に配置した構成の蒸発部と、この蒸発部と連通する冷媒通路と空気通路とを積層配置する凝縮部と、前記冷媒通路を循環流通して素子冷却に用いられる冷媒とからなる沸騰冷却器であって、
    前記蒸発部の通路内面に前記冷媒の沸騰段階で発生する気泡成長を促進させる処理(以下、「気泡促進処理」という)を施すことを特徴とする起動特性に優れる素子冷却器。
  • 前記気泡促進処理として、前記蒸発部の通路内面に酸を用いたエッチング処理による粗面化が施されることを特徴とする請求項1に記載の起動特性に優れる素子冷却器。
  • 前記の素子冷却用の冷媒が地球温暖化係数の低いハイドロフルオロカーボンであることを特徴とする請求項1に記載の起動特性に優れる素子冷却器。
  • 前記気泡促進処理として、前記蒸発部の通路内面に酸を用いたエッチング処理による粗面化が施されることを特徴とする請求項3に記載の起動特性に優れる素子冷却器。
  • 说明书全文

    本発明は、蒸発部と凝縮部を有する沸騰(サーモサイフォン式)冷却器に係り、さらに詳しくは、特性の異なる素子冷却用の冷媒を用いる場合でも、蒸発部の通路内面に前記冷媒の沸騰段階で発生する気泡成長を促進させる処理(以下、「気泡促進処理」という)を施すことにより、冷媒の特性に拘わらず、起動時における温度制御性に優れる素子冷却器に関するものである。

    一般産業分野での交流電源の制御技術または鉄道車両の動として、所謂インバーターモーターが採用され、インバーターによる電源の制御が行われている。 ダイオード、トランジスタ、サイリスタなどの半導体素子を使用して電力の変換、制御、開閉を行うパワーエレクトロニクス技術では、かかる半導体素子の冷却が不可欠である。

    そのため、従来から種々の素子冷却器が提案されており、例えば、特許文献1では電気絶縁型ヒートパイプとして、蒸発部と凝縮部が内径16mmの鋼管よりなり、この蒸発部と凝縮部がアルミナセラミックスよりなる円筒形の電気絶縁体を介して接続されており、作動用の冷媒としてパーフルオロカーボン(Perfluorocarbon;以下、単に「PFC」という)を封入した構成が提案されている。

    また、特許文献2では素子冷却器として、冷媒の凝縮を行うプレートフィン型熱交換器の凝縮部と、相互に連通する多数の中空通路を有する中空面板を用い、これに半導体素子を着設した蒸発部を、ヘッダータンクを介して接続し、該中空通路内に表面に微細な凹凸加工を施したフィンを設けた構成が提案されている。

    従来の素子冷却器には、冷媒液にフロンが使用されていたが、フロンガスが成層圏まで拡散してオゾン層を破壊し、紫外線量を増大させることが重大な環境問題となり、フロンは廃止となった。 フロンに替わる冷媒液として純などへの変更が行われているが、熱交換器の素材にアルミニウムが使用される場合は、水腐食による水素の発生が懸念される。 このため、作動安定性の観点から、水素も塩素も含まない安定したフッ化炭素化合物である、前記「PFC」に代表されるようなオゾン層を破壊しない代替フロンの使用が急増している。

    近年、地球環境問題への関心が急速に高まっており、オゾン層破壊だけでなく、地球温暖化に対する影響も評価の対象になっている。 地球温暖化に対する影響の評価には、地球温暖化係数(Gloval Warning Potential)が用いられている。 地球温暖化係数とは、個々の温室効果ガスの地球温暖化に対する効果を、その持続時間も加味した上で、CO 2の効果に対して相対的に表す指標である。

    前述の「PFC」は、水素も塩素も全く含まない非常に安定したフッ化炭化系化合物(例えば、CF 4 、C 26 、C 614等)であり、良好な代替フロンとしてオゾン層は破壊しない。 しかしながら、地球温暖化係数は相対的に高く、例えば、前記C 614 、いわゆるPFC51−14(以下、単に「PFC51−14」ということがある。)の場合は9000であり、CO 2の数千倍もの強力な温室効果を有している。 このため、素子冷却器に用いられる冷媒として、前記「PFC」に替えてオゾン層を破壊せず、なおかつ地球温暖化係数が小さい冷媒の使用が望まれている。

    特開平3−263592号公報

    特開平8−204075号公報

    本発明者らは、地球環境に対する負荷を低減するため、素子冷却用の冷媒について種々の検討を加えた結果、前記PFCに替えてハイドロフルオロカーボン(Hydrofluorocarbon;以下、これらを総称して「HFC」という)を選択できることを明らかにした。 HFCのうち、例えば、HFC43−10meeは、オゾン層を破壊せず(オゾン層破壊係数が0)、前記PFC51−14よりも地球温暖化係数が小さく、温室効果も小さいことから代替フロンとして有効である。

    通常、素子冷却器内を循環流通する冷媒は、蒸発部において半導体素子の熱により蒸発され、この蒸発ガスが凝縮部にて冷却され凝縮されて、再び冷媒の液成分は蒸発部へ還流するように構成される。 ところが、物質によっては素子冷却用の冷媒として使用すると、素子冷却器の起動時において温度上昇にともなう制御性が不安定になる現象が現れる場合がある。

    そこで、起動時の不安定な温度挙動を観察するため、従来の素子冷却用のPFC冷媒としてPFC51−14を使用した場合と、新たにHFC冷媒としてHFC43−10meeを使用した場合とに区分して、素子冷却器における素子取付面、冷媒および空気入口の温度を、起動時から定常状態に至るまで測定した。

    図1は、素子冷却用のPFC冷媒としてPFC51−14を使用した場合の素子冷却器の起動時における温度制御性を示す図である。 図2は、素子冷却用のHFC冷媒としてHFC43−10meeを使用した場合の素子冷却器の起動時における温度制御性を示す図である。 いずれの場合も、横軸に起動時からの経過時間を示し、縦軸に素子取付面、冷媒および空気入口の温度を示しており、図中のΔTは過熱度であり、ピーク時の素子取付面温度と冷媒温度との差を示している。

    PFC冷媒を使用した場合、HFC冷媒を使用した場合ともに起動時から定常状態に至る間に、素子取付面の温度が上昇した後急激な温度の低下(以下、単に「温度の急変」という)が発生するが、詳細に比較すると、PFC51−14を使用した場合には、この温度の急変前に素子取付面温度の最高値が許容温度を超えることがないのに対し、HFC43−10meeを使用した場合には、温度の急変前に素子取付面温度の最高値が許容温度を超えている。

    過熱度ΔTに関しても、HFC43−10meeを使用した場合には、PFC51−14を使用した場合に比べ大きな温度差となっており、温度の急変後も約6分間に亘り許容温度を超える状態が継続することが確認される。 図1、2に示す許容温度とは、半導体素子が正常に機能する温度の上限であり、許容温度を超えると、素子自体が損傷する可能性がある。

    図1、2に示すように、定常状態に至ってからは、PFC51−14を使用した場合、HFC43−10meeを使用した場合ともに素子取付面の温度が許容温度を超えることはないが、PFC51−14の方がHFC43−10meeに比べ、僅かに定常状態の素子取付面温度が低いことが確認される。

    上述するように、素子冷却用のHFC冷媒として、例えば、HFC43−10meeを使用する場合には、起動時における温度制御性が安定せず、その起動時の温度挙動により、半導体素子に損傷を与える畏れがあることが明らかとなった。

    この発明は、地球温暖化係数の小さい物質(例えば、HFC43−10mee)を素子冷却用のHFC冷媒として使用した場合でも、素子冷却器の起動時における温度制御性の不安定さを解消し、半導体素子を損傷させることがなく安定して使用できる、起動特性に優れる素子冷却器を提供することを目的としている。

    前記図2に示すHFC43−10meeを使用した場合における起動時の温度挙動パターンでは、素子取付面の最高温度と定常状態温度との差が、例えば6.5℃となった。

    まず、本発明者らは、HFC43−10meeが混合物質であることに注目し、その混合比または沸点差が、このような現象の原因ではないかという観点に立って、混合物質の成分比が沸点に及ぼす影響の検討を行った。 しかし、シミュレーション結果では、混合物質の成分比が沸点に及ぼす影響は僅かであり、成分比による影響では、前記図1、2に示す結果を説明できないことが判明した。

    そこで本発明者らは、素子取付面温度の時間経過の中で、起動時から定常状態に達する間に現れる温度の急変、すなわち、前記の6.5℃の温度降下は、加熱面に発生した気泡が十分に成長し、最終的に加熱面を離脱した際に、周囲の冷媒がこの加熱面に流れ込み、熱伝達が急激に促進されることにより生じることに着目した。

    本発明者らは検討を重ね、起動時における許容温度を超えるような素子取付面の温度上昇は、冷媒の熱力学特性に起因するとともに、冷媒の沸騰段階で発生する気泡の成長と密接に関連すること、そして、この気泡成長の促進は、素子冷却器の蒸発部に施される気泡促進処理により可能となることを知見し、この発明を完成した。

    したがって、本発明の素子冷却器では、複数の通路を並列に配置した構成の蒸発部と、この蒸発部と連通する冷媒通路と空気通路とを積層配置する凝縮部と、前記冷媒通路を循環流通して素子冷却に用いられる冷媒とからなる沸騰冷却器であって、前記蒸発部の通路内面に気泡促進処理を施すことを特徴としている。

    さらに、本発明の素子冷却器では、前記気泡促進処理として、前記蒸発部の通路内面に酸を用いたエッチング処理による粗面化を施すことが望ましい。 蒸発部の通路内面をエッチング処理で粗面化することにより、通路面に発生した気泡を消滅させることなく、安定して成長させることができるので、有効に起動時における温度制御性を向上させることができる。

    また、本発明の素子冷却器では、素子冷却用の冷媒として地球温暖化係数が低いHFCを用いるのが望ましい。 前述の通り、地球温暖化係数は個々の温室効果ガスの地球温暖化に対する効果を、CO 2の効果に対して相対的に評価した指標であり、本発明が対象とするHFCは、地球温暖化係数がPFC(例えば、PFC51−14(9000))よりも小さいものを適用できる。

    具体的には、本発明に適用できるHFCとして、HFC43−10mee(1300)を選択することができる。 なお、HFC名称の後に括弧内に示す数値は地球温暖化係数を示している。

    以下では、素子冷却器に基づいて説明するが、本発明の適用は素子冷却器にのみに限定されず、ヒートパイプにも適用することができ、蒸発部を構成する鋼管内面に気泡促進処理を施すことにより、起動時における温度制御性を安定させることができる。

    本発明の素子冷却器によれば、素子冷却用のHFC冷媒として地球温暖化係数の小さい物質(例えば、HFC43−10mee)を使用する場合にも、起動時における素子取付面の温度上昇に対する制御特性に優れ、半導体素子を損傷させることがない。 さらに、地球温暖化係数の小さい物質を素子冷却用として安定使用を実現することができるので、地球環境に対する負荷を低減できる。

    本発明者らは、素子取付面温度の時間経過の中で、起動時から定常状態に達する間に現れる温度の急変に関して、種々の検討を行った。

    従来、素子冷却用のPFC冷媒としてPFC51−14を使用した場合には、この温度の急変は起動時より比較的短時間で発生したのに対し、HFC冷媒としてHFC43−10meeを使用した場合には、温度の急変の発生タイミングが遅れ、温度の急変発生前の素子取付面の最高温度が許容温度を超えるような事態が発生することになる。 そこで、本発明者らは、このような事態を熱力学の理論に基づいて説明することを試みた。

    図3は、加熱面に発生した気泡が冷媒中で安定して成長する状態を示した模式図である。 本発明者らは、素子取付面温度が急変する時点が、沸騰の開始する時点と対応していることを実験により確認した。 上記図3に示すように、沸騰は加熱面上に発生した気泡が消滅することなく安定生長を続け、最終的に加熱面を離脱した時点がその開始時点とみなすことができ、気泡が離脱した瞬間、気泡のあった加熱面が周辺の液により急激に冷却されるため、先述の加熱面温度の急変が生じると考えられる。

    このような気泡の安定生長が生じるためには、加熱面の温度が周辺の液相温度よりΔT(過熱度)だけ高くなることが必要である。 このΔTは熱力学の理論により、次の(式1)で与えられる。

    上記(式1)において、ΔTは過熱度、Tは加熱面(すなわち、素子取付面)温度、T eqは冷媒温度、σは冷媒の表面張力、Rは気泡半径、Lは潜熱およびV Vは気泡の比容積を表す。

    上記(式1)から、半径Rの気泡が消滅することなく安定して成長するために必要な過熱度ΔTは、冷媒の熱力学特性(表面張力、比容積、潜熱の組み合わせた量)により理論的に決まることが分かる。 この冷媒の熱力学特性をC値として、冷媒の表面張力σ、潜熱L、気泡の比容積V Vおよび冷媒の温度T eqから定義することにより、次の(式2)を得ることができる。

    上記(式2)を前記(式1)に代入すると、下記の(式3)に示す関係式を得ることができる。

    (式3)に示す関係式から、同じ半径Rの気泡を安定して成長させるためには、C値が大きい冷媒ほど、より大きな過熱度ΔTを必要とすることが分かる。 すなわち、半径Rの気泡が消滅することなく安定して成長するために必要な過熱度ΔTは、冷媒の熱力学特性に依存する。

    図4は、前記(式2)で得られるC値と冷媒温度との関係をHFC43−10meeおよびPFC51−14の冷媒をパラメータとして示した図である。 同図では、各冷媒温度におけるPFC51−14のC値を「1」として、これに対するHFC43−10meeのC値を比で示している。

    図4の結果から、熱力学の理論による(式1)〜(式3)による解析が冷媒の特性実験と良い整合を示していることが分かる。 HFC43−10meeのC値は、実際の冷媒使用範囲50〜60℃において、PFC51−14のC値の約1.08倍であり、半径Rの気泡が消滅することなく安定して成長するための過熱度ΔTはHFC43−10meeの方が大きくなり、HFC43−10meeを使用した場合に温度の急変の発生タイミングが遅れることと符合する。

    繰り返しになるが、PFC51−14を使用した場合には、温度の急変は起動時より比較的短時間で発生するのに対し、HFC43−10meeを使用した場合には、発生タイミングが遅れ、温度の急変発生前に素子取付面の温度が許容温度を超えるようになる。

    これは、半径Rの気泡が消滅することなく安定して成長するために必要な過熱度ΔTが、冷媒の熱力学特性であるC値に依存し、前記図4の結果から、HFC43−10meeのC値がPFC51−14の約1.08倍となり、過熱度ΔTの低下が図れず、起動時から安定沸騰状態への移行が遅れることによる。

    本発明の素子冷却器において、前記(式3)における過熱度ΔTを低下させるには、C値は冷媒固有の熱力学特性値であることから、可能な手段として気泡半径Rを大きくする必要がある。 このため、本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、加熱面に気泡促進処理を施すことにより、加熱面の性状を変化させ、気泡発生の核を増やし、気泡の発生や合体を活性化することで、前記(式3)において気泡半径を大きくすることと同等の効果が得られることに着目した。

    具体的に、蒸発部の通路内面に気泡促進処理を施す手段として、蒸発部の通路内面を粗面化することが有効である。 すなわち、素子冷却用のHFC冷媒として、例えば、HFC43−10meeを使用する場合であっても、蒸発部の通路内面を粗面化することによって、気泡の発生や合体を促進し、気泡半径を大きくすることと同等の効果を得られ、これにより過熱度ΔTを低下させ、素子取付面の温度を許容温度以下に制御することが可能となる。

    蒸発部の粗面化は、ブラスト処理、グラインダー等で行っても良いが、これらの処理の場合は、押し出し型材のような中空の形材内部までは処理することは困難であり、また、コストの上昇を招くという問題点がある。

    上記の問題を解決する手段として、発明者らは、中空状の押し出し型材を用いて蒸発部を形成する際に、酸エッチングにて沸騰面となる内部面を粗面化することで、細長い通路構成であっても所定の粗面が得られ、蒸発部の気泡促進が可能となることを知見した。 しかも、酸エッチングによる粗面化の効果は、その外観に拘わらず顕著であり、効果の意外性も明らかにした。 エッチングによる粗面化方法には、蒸発通路部材に用いた材料に応じて酸エッチング液を適宜選定し、要求される面粗度や表面性状に応じて処理時間、液温度などを適宜選定すると良い。

    通常、蒸発通路部材としてはアルミニウム材が用いられるが、アルミニウム材に対するエッチング液組成や処理条件としては、慣用されるいずれのものも採用できる。

    (本発明の素子冷却器の構成例)
    本発明が対象とする素子冷却器は、複数の通路を並列に配置した構成の蒸発部と、この蒸発部と連通する冷媒通路と空気通路とを積層配置する凝縮部と、前記冷媒通路を循環流通して素子冷却に用いられる冷媒とから構成される。 本発明の素子冷却器の構成例を図面に基づいて詳述する。

    図5は、本発明の沸騰冷却器の構成例を示す分解斜視説明図である。 図5に示すように、冷却器1は、水平配置される蒸発部2の上面に、プレートフィン型熱交換器の凝縮部3を逆T字型に接合した基本構造を有する。 蒸発部2は、3枚の蒸発通路部材4、5、6が2か所の接合部で接合一体化した構成である。 すなわち、中央に位置する蒸発通路部材5の両側端面にそれぞれ蒸発通路部材4、6を当接させて、摩擦撹拌の接合方法によって強固に、かつ均質に接合されている。

    各蒸発通路部材4、5、6は、奥行き方向に隔壁7を形成して複数の通路8が設けられた押し出し型材からなる。 各通路内の上下面には小さな凹凸からなるフィン面を設けて表面積を拡大させている。

    接合一体化された蒸発通路部材4、5、6の通路開口端には、閉塞板材9をろう付けすることで閉塞して蒸発部2を形成している。 また、蒸発部上面の凝縮部3の接合予定部には、各通路の並列方向に所定幅の開口部10を設けてあり、この開口部を各通路方向に所定間隔で複数配置することで、多数の通路に連通する穴部を所定パターンで配置した連通穴部11を形成した。

    凝縮部3は、蒸発部2の通路と連通穴部を介して連通する冷媒通路12と、連通穴部をスペーサーバー13で閉塞する空気通路14とを交互に水平方向に積層配置したプレートフィン型熱交換器の構成からなる。

    冷媒通路12は、プレート15間に流体の分散性に優れたセレートフィン16を挟み上面および両側をスペーサーバー17にて閉塞する構成であり、同通路内を冷媒が上昇かつ下降可能となり、空気通路は、同プレート間にコルゲートフィン18を挟み上面および下面をスペーサーバー17で接合して、コルゲートフィン18の水平方向隙間に空気が通過可能になる。

    凝縮部3は、プレート間にセレートフィンまたはコルゲートフィンを挟み、所要位置にスペーサーバーを配置してろう付け一体化することでプレートフィン型熱交換器の構成を形成でき、ここではさらに、凝縮部上部に冷媒通路にのみ連通する上部ヘッダータンク19を配置して、各冷媒通路間の冷媒量の偏りを防止する構成を採用している。

    蒸発通路部材4、5、6は、組み立て性や気密性から、アルミニウム材による押し出し型材として製造するが、いずれの製法にて形成されたものも採用できる。 また、受熱して冷媒の蒸発部2として機能するため、被冷却用素子を着設するが直接載置可能なように着設用のねじ孔を設けた構成の他、半導体素子の載置用プレート等を着設する構成など、冷却器として要求される仕様に応じて、種々構成の蒸発通路部材4、5、6を採用できる。
    (起動時の温度制御性)
    前記図5に示す素子冷却器を用い、各蒸発通路部材に対して、濃度の薄い硝酸の酸エッチング槽に浸漬して、0.3〜0.7μm程度粗面となるよう通路内面を粗面化した。 素子冷却用の冷媒としてHFC43−10meeを封入し、素子冷却器を得た。 得られた冷却器に半導体素子を着設して、素子取付面、冷媒および空気入口の温度を、起動時から定常状態に至るまで測定した。

    図6は、酸エッチングによる粗面化処理を行い、HFC冷媒としてHFC43−10meeを使用した場合の素子冷却器の起動時における温度制御性を示す図である。 図7に示すように、起動時から定常状態に至る間に温度の急変が現れるが、酸エッチングによる粗面化処理を行った効果によって、前記図2に現れる温度の急変に比べ、明らかに小さくなっていることが分かる。 そして、素子取付面の温度が許容温度を超えることはなかった。

    また、蒸発通路面の粗面化に伴う熱伝達促進効果によって、定常状態における素子取付面および冷媒の温度も、酸エッチングによる粗面化処理を行わない場合より低下した。 さらに、図1の場合(PFC冷媒としてPFC51−14を使用した場合)と比較しても、定常状態では、同等の機能性を有することが確認される。

    以上の結果から、起動時におけるHFC冷媒(例えば、HFC43−10mee)の過熱度を低下させるには、蒸発部の加熱面を粗面化し、気泡発生を活性化することが有効であることが確認された。 加熱面の粗面化に伴う熱伝達促進効果による定常状態の温度低下も併せると、酸エッチングによる粗面化処理を行えば、HFC冷媒(例えば、HFC43−10mee)は、従来のPFC冷媒(例えば、PFC51−14)と同様に、素子冷却用の溶媒として使用可能である。

    本発明の素子冷却器によれば、素子冷却用のHFC冷媒として地球温暖化係数の小さい物質(例えば、HFC43−10mee)を使用する場合にも、起動時における素子取付面の温度上昇に対する制御特性に優れ、半導体素子を損傷させることがない。 さらに、地球温暖化係数の小さい物質を素子冷却用として安定使用を実現することができるので、地球環境に対する負荷を低減できるので、エレクトロニクス技術分野等の産業技術分野において、半導体素子の冷却用として広く利用することができる。

    素子冷却用のPFC冷媒としてPFC51−14を使用した場合の素子冷却器の起動時における温度制御性を示す図である。

    素子冷却用のHFC冷媒としてHFC43−10meeを使用した場合の素子冷却器の起動時における温度制御性を示す図である。

    加熱面に発生した気泡が冷媒中で安定して成長する状態を示した模式図である。

    (式2)で得られるC値と冷媒温度との関係をHFC43−10meeおよびPFC51−14の冷媒をパラメータとして示した図である。

    本発明の沸騰冷却器の構成例を示す分解斜視説明図である。

    酸エッチングによる粗面化処理を行い、HFC冷媒としてHFC43−10meeを使用した場合の素子冷却器の起動時における温度制御性を示す図である。

    符号の説明

    1. 冷却器 2. 蒸発部 3. 凝縮部 4. 蒸発通路部材(端部)
    5. 蒸発通路部材(中央部) 6. 蒸発通路部材(端部)
    7. 隔壁 8. 通路 9. 閉塞板材 10. 開口部11. 連通穴部 12. 冷媒通路13. スペーサーバー 14. 空気通路15. プレート 16. セレートフィン17. スペーサーバー 18. コルゲートフィン19. 上部ヘッダータンク 20. 加熱面21. 発生した気泡 22. 成長した気泡23. 気泡半径R 24. 消滅した気泡

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