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Foam medium for raising plant and method for producing the same

阅读:579发布:2020-06-24

专利汇可以提供Foam medium for raising plant and method for producing the same专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a foam medium for raising plants enabling effectively producing cut seedlings from scion seed trees of woody plants/herb having difficulty in taking root by a cutting method which is conventionally put to practical use, directly usable for a reforestation process to save labor and cost required for reforestation and reducing burden on the environment. SOLUTION: The foam medium for raising plants is obtained by dispersedly putting into existence at least one kind of an addition agent selected from the group consisting of a pH modifier, a germicidal agent or an antibacterial agent, a plant growth modifier and a nutrient preparation in a base material of foaming foam adjusted from an isocyanate end prepolymer containing 3-26 wt.% of NCO group rich in hydrophilicity, water and a porous material for producing in the foam pore space minute enough to cause a capillary phenomenon and pore space coarse enough not to cause the capillary phenomenon. COPYRIGHT: (C)2004,JPO,下面是Foam medium for raising plant and method for producing the same专利的具体信息内容。

  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 親水性に富むNCO基含有量が3〜26
    重量%であるイソシアネート末端プレポリマーと、水と、毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙及び毛管現象を生じない程度に粗い孔隙をフォーム中に生成する多孔質素材とから調整した発泡性フォームの基材に、pH調節剤、殺菌剤又は抗菌剤、植物成長調節剤及び栄養剤の群から選択される一種以上の添加剤を分散状態で存在させたことを特徴とする植物育成用フォーム培地。 【請求項2】 前記群中にHLB値が2〜16の範囲にある非イオン界面活性剤を存在させ、この群から前記非イオン界面活性剤が選択される請求項1記載の植物育成用フォーム培地。 【請求項3】 前記HLB値が2〜16の範囲にある非イオン界面活性剤は、脂肪族高級アルコールエチレンオキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、
    多価アルコール脂肪族エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、蔗糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテルから選択される請求項2記載の植物育成用フォーム培地。 【請求項4】 前記イソシアネート末端プレポリマーは、有機イソシアネート、ポリオール及び架橋剤から製造される請求項1〜3の何れかに記載の植物育成用フォーム培地。 【請求項5】 前記多孔質素材は、ピートモス、バーミキュライト、パーライト、鹿沼土、くん炭、バーク堆肥、木屑等の用土類の何れか、またはこれらの任意の混合物である請求項1〜4の何れかに記載の植物育成用フォーム培地。 【請求項6】 前記群を構成する添加剤としてのpH調節剤は、酒石酸、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、2−オキソグルタル酸、5−アミノレブリン酸等の有機酸類の何れか、またはこれらの任意の組合わせからなる請求項1〜5の何れかに記載の植物育成用フォーム培地。 【請求項7】 前記群を構成する添加剤としての殺菌剤または抗菌剤は、硫酸アルミニウムや乳酸アルミニウム等のアルミニウム塩化合物、低分子キトサン、またはヒドロキシイソキサゾール、メタラキシル、ベノミルの何れか、またはこれらの任意の組合わせからなる請求項1
    〜6の何れかに記載の植物育成用フォーム培地。 【請求項8】 前記群を構成する添加剤としての植物成長調節剤は、3−インドール酪酸、α―ナフチル酢酸、
    4−クロロインドール−3−酢酸等のオーキシン類、6
    −ベンジルアミノプリン、ゼアチン等のサイトカイニン類、アブシジン酸及びその誘導体、ブラシノステロイド類、パクロブトラゾール、プロヘキサジオンカルシウム等の植物成長抑制物質の何れか、またはこれらの任意の組合わせからなる請求項1〜7の何れかに記載の植物育成用フォーム培地。 【請求項9】 前記群を構成する添加剤としての栄養剤は、アラニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸類、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、
    硫酸アンモニウム、尿素等の窒素塩類、リン酸二水素ナトリウム、硫酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の無機塩類、ブドウ糖、蔗糖等の糖類の何れか、またはこれらの任意の組合わせからなる請求項1〜
    8の何れかに記載の植物育成用フォーム培地。 【請求項10】 100重量%の親水性に富むイソシアネート末端プレポリマーと、50〜1000重量%の水と、30〜400重量%の多孔質素材と、pH調節剤、
    殺菌剤または抗菌剤、植物成長調節剤、栄養剤からなる群より選択される一種以上の添加剤とを混合攪拌し、得られた混合液を発泡硬化させることで、該プレポリマーと水との反応によって得られるフォーム培地の基材中に前記多孔質素材及び添加剤を分散状態で存在させたことを特徴とする植物育成用フォーム培地の製造方法。 【請求項11】 前記基材中に多孔質素材及び添加剤を分散状態で存在させたフォーム培地は、次いで加熱により完全硬化させて水分の除去がなされる請求項10記載の植物育成用フォーム培地の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、植物育成用フォーム培地およびその製造方法に関し、更に詳細には、親性及び吸水性に優れ、広く挿し木や苗等の植物の育成に好適に使用し得るフォーム培地と、当該フォーム培地を製造する方法とに関するものである。 【0002】 【従来の技術】CO 2の過剰発生や緑地帯の減少等に起因する地球の温暖化傾向が、人類生存上の大きな問題となっている。 このため地球環境を修復する世界規模のプロジェクトの一環として、今後植林活動が盛んに行なわれるものと予測される。 すなわち植林を活発化することで、地球表面に占める緑地帯の面積が広がり、地表水分の早期蒸発を抑制して砂漠化が防止されると共に、炭酸同化作用の促進による大量の酸素供給が期待される。 例えば、ユーカリ属植物(Eucalyptus spp.)及びアカシア属植物(Acacia spp.)の多くは成長性及び環境適合性の何れについても優れている。 このため植林用の樹種としての重要性が認識されてきており、特に発展途上国を含む世界各地で盛んに植林に供されている。 これらの点については、1996年にCSIROPublishingが発行した「環境の統御:ユーカリ及び他の早期育成種の役割」(「Envir
    onmental Management: The Role of Eucalyptus and Ot
    herFast Growing Species」 KGEldridge, MPCrowe,
    KMOld 編 1995年10月にオーストラリアで開催されたオーストラリア/日本の合同研究集会の会報)に言及されている。 【0003】植物は、木質の茎(木幹)を有する木本(もくほん)植物と、地上部が柔軟・多漿で木質をなさない草本(そうほん)植物とに大別される。 これらを総称する植物の植林用苗木としては、一般に種子から芽を出して成長する実生苗及び挿し木や接ぎ木によるクローン苗が知られている。 殊に、挿し木は最も簡便かつ安価なクローン苗の生産技術であって、例えば、南米・欧州・東南アジア・南アフリカ等では前述したユーカリ属植物の挿し木苗が大量に生産されている。 【0004】例えば、ユーカリ属植物に汎用される挿し木の従来技術について、1993年にニューヨークで発行された刊行物「ユーカリの育成と繁殖」(「Eucalypt Do
    mestication and Breeding」KGEldridge, J.Davidso
    n, C.Harwood, GvWyk 編 Oxford University Press I
    nc.,)の237〜246頁に詳細な記述がなされている。 すなわち、採穂母樹の枝から1〜4節、2〜8枚の葉を含む穂木を切り出し、葉の一部を切除して挿し穂を調製する。 この挿し穂は、ベンレートなどの殺菌剤溶液に浸漬してから、基部に発根促進剤として機能するインドール酪酸等のホルモン粉剤を塗付するか、或いはホルモン溶液に基部を浸した後、挿し木培地に開設した挿し付け穴に挿し付ける。 ここで挿し木培地としては、バーク、砂、木屑、ピートモス、バーミキュライト、パーライト、くん炭等や、これらの混合物が例示され、一般に育苗ポットやプラグトレー等の容器に充填した形で使用される。 前記挿し木培地は、適度な透水性と保水性を有する素材であれば何れの素材であってもよく、その通気性と保湿性のバランスが挿し穂における発根の成否を左右する。 なお、挿し穂の腐敗を避けるには、挿し木培地に有機物を含まない方がよく、殺菌処理した培地を用いることが好ましい。 施肥は通常行なわないが、緩効性の粒状肥料を培地に混ぜておくか、液肥として潅水時に与えるようにしてもよい。 【0005】しかし、前述した挿し木用の培地を構成する各種素材には、挿し木苗を生産する国や地域の実情によっては入手が困難なものも多い。 従って挿し木培地として理想的な素材から離れて、現地で入手し易い素材の単なる組み合わせで培地を作っているのが現状である。
    従って不適切な素材が培地の構成材料として取り込まれ、挿し穂の発根率を低下させたり、素材品質の不均一に起因して発根にばらつきを生じさせる等の不都合を招いている。 このように、大規模に植林される各種植物のクローン苗を大量かつ安定的に生産する現場では、挿し木培地を構成する素材の品質にばらつきがあるため、従来の挿し木培地をこのまま使用するのに不都合で、特に発根させるのが難しい挿し木苗の効率的な生産は極めて困難であった。 その結果、挿し木苗の生産を諦めざるを得ない場合も多いが、これは産業上の不利益に繋がるので、安定的に挿し穂を発根させ得る挿し木培地の供給が世界的に求められている。 特にポリウレタン発泡体の如きフォーム培地は、所要形状に成形可能であり、しかも軽量で作業性が良好なことから、均一な挿し木苗を大量かつ安定的に生産するクローン苗の分野に好適である。
    従って、このようなフォーム培地については、様々な技術的改良が図られてきている。 【0006】例えば、水耕栽培における育苗床等に用いられる培地として、天然の輝緑岩を溶融させて繊維状としたロックウールの成形加工品(Rockwool社の商標 “gr
    odan” 「グロダン」)や、フェノール樹脂を発泡させて成形したフォーム培地(Smithers-Oasis社の商標 “Oasi
    s” 「オアシス」)がよく知られている。 これらは水耕栽培向けだけでなく、挿し木のための育苗培地としても広く利用されている。 他方で、これら製品を改良した製品
    (例えば松村工芸株式会社の登録商標 “アクアフォーム”)や、従来より挿し木苗の生産に使用されてきた多孔質素材の圧縮成形品、更には全く異質の多孔質素材の開発及びこれら異質の素材と既存の素材との組合せから成る製品が数多く提案され、何れも挿し木等の育苗培地としての利用が期待されている。 【0007】例えば、特開平9−271278号公報には、上層と下層の密度を変えることで水分率及び気相率を調整したロックウール栽培床が開示されている。 また特開2001−37326号公報には、密度が調整されると共に、割裂部を有することで苗に好適な環境条件を与えるロックウール育苗用培地が開示されている。 特開平6−284816号公報には、ロックウールからなる無機繊維層とパーライトやバーミキュライト等の多孔質粒子からなる層とを交互に積層・成形することで、保水性を改善した植物育成用培地が開示されている。 特開平11−137075号公報には、粒状化させた吸水性フェノール樹脂発泡体を接着付与物質で固めてブロック化させた人工栽培用土が開示され、これは挿し木等の育苗に好都合である。 また特開2000−287536号公報には、フェノール樹脂発泡体等の多孔質体やロックウール等からなる繊維質成形体、パーライト等の多孔質粒子成形体、或いはこれらの積層体から選ばれる保水層及び親水層と透水性を有する不透根シート、更に通気性材料からなる表面材を積層した植物栽培用培地が開示されている。 【0008】更に特開平8−9772号公報には、ピートモス等の植物繊維材料、バーミキュライト及びゼオライトを含む植物栽培培地用圧縮成型体が開示されている。 特開平11−155362号公報には、ヤシガラの残滓であるコイアダストを含有する植物栽培用圧縮成型培地が開示されている。 特開2000−201530号公報には、ピートモス等の植物繊維とバーミキュライトを混合して圧縮成形された育苗培地が開示されている。
    特開2000−324946号公報には、籾殻及び芯鞘型繊維を混合し、加熱成形してなる園芸用培地が開示されている。 国際公開番号WO97/48271号公報には、バーミキュライトとセルロース繊維からなる混合物を成型した植物組織培養用培地が開示されている。 また特開2000−232821号公報には、セルロース繊維を原料として、吸水性、保水性及び通気性に優れた植物育苗・成育用成形培地が開示されている。 【0009】更に農園芸用の育苗床として、ポリウレタンフォームの使用も各種試みられている。 例えば、特開平6−25374号公報には、親水性及び吸水性に優れると共に連続気泡構造を有する硬質ウレタンフォームの製造方法が開示されており、その明細書には植物育成土壌に代替え利用し得る旨が記載されている。 特開平9−
    328531号公報には、適度な脆さを有すると共に、
    良好な吸水性及び保水性を有する硬質ポリウレタンフォームの製造方法が開示されており、明細書には各種の果菜類、花卉類等の育苗床に使用できる旨が記載されている。 特開平6−178615号公報には、粉砕プラスチックや砂等からなる約2〜6mmのコア粒子の表面に発泡ウレタン樹脂被覆層の形成された被覆粒子が、互いに接触して一体的に結合した植物栽培床が開示されている。 特開平9−23769号公報には、ポリウレタン等の軟質発泡体の成形時や裁断時に生ずる屑を集合的に加圧接着した植物栽培用成形培地が開示されている。 また特開2000−041480号公報には、親水性硬質ウレタンフォーム等の連続通気孔を有する多孔性水供給支持体と吸水性ポリマーとからなる植物の生育に有用な植物支持体が開示されている。 【0010】前掲した従来技術に係る特許公開公報は、
    挿し木された植物が効果的に生育するように、肥料、土壌改良材、殺菌剤、pH調整剤、植物成長調節物質等を挿し木培地に添加や塗布を行なって、当該培地における理化学性を改善する可能性についても述べている。 しかし前記公報には、本発明のように植物の挿し木苗育成に好適に使用されるフォーム培地に関する記載は全くなされていない。 他方で、挿し木の発根を促進するには、適度な培地の保水性・通気性だけでなく、植物成長調節剤等のように発根促進作用を有する物質や、病原菌の腐敗から保護する物質を、挿し穂に与える方法が広く知られている。 そこで、このような物質を以下に例示する。 【0011】先ず、植物の成長を調節する物質として、
    特開平6−98630号公報には、インドール酪酸が開示されている。 特許1930448号公報には、インドール酢酸誘導体が開示されている。 特開平6−1996
    11号公報には、アデニン誘導体が開示されている。 特許第1144074号公報には、アデノシン誘導体が開示されている。 特許第1286852号公報には、サイクリック−3',5'−アデニル酸及びその誘導体が開示されている。 特開平8−81310号公報には、アブシジン酸類塩化合物であるエポキシシクロヘキサン誘導体及びブラシノステロイド類が開示されている。 特開平8−81310号公報には、アブシジン酸類縁化合物及びブラシノステロイド類が開示されている。 特開昭62
    −4207号公報には、コリン類が開示されている。 特開平2−255603号公報及び特開平2−25560
    4号公報には、コリン塩化合物と糖類の併用及びコリン塩化合物とアミノ酸類の併用が開示されている。 【0012】また特許第1152100号公報には、ジアミノマレオニトリルが開示されている。 特開平6−2
    71405号公報には、レブリン酸又はその塩類が開示されている。 特開平8−143406号公報には、グリチルリチンとビタミン類の併用が開示されている。 特許第1372124号公報には、モラノリン誘導体が開示されている。 特許第1578371号公報には、シクロヘキサン誘導体が開示されている。 特許第140697
    4号公報には、β−カルボキシエチルシリコンセスキオキサイドが開示されている。 特許第1616338号公報には、新規ヒダントイン化合物が開示されている。 特許第1647694号公報には、ジケトピペラジン誘導体が開示されている。 特開平1−13006号公報には、L−フコース特異的レクチンが開示されている。 特開平5−339117号公報には、ポリフェノール類が開示されている。 【0013】殺菌或いは抗菌作用を有する物質或いは病原菌の腐敗から挿し穂を保護する作用を有する物質として、特許第1044747号公報には、ヒドロキシメチルイソオキサゾールが開示されている。 特許第1466
    961号公報には、1,1−ジフェニルエテン誘導体が開示されている。 特許第1751658号公報には、プロピコナゾールとフエンプロピモルフとを含有する殺菌剤組成物が開示されている。 特開平6−183918号公報には、オキサジアジン誘導体が開示されている。 特許第1833555号公報には、ファイトアレキシン誘導物質が開示されている。 更に本発明者等は、特に発根させるのが難しい樹種・系統や、高い発根能を本来有してはいるが、樹齢を経て発根困難となった樹種・系統の採穂母樹から得た挿し穂の基部をアルミニウム塩化合物の水溶液に浸漬することで、該挿し穂を延命させて発根に至らせる方法を特開2002−010710号公報中で開示している。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】しかし植物の挿し木苗を育成する場合、挿し穂が発根するに至るには、草花類のそれに比べて長期間を要するのが通常である。 そこで挿し穂に前述した発根促進物質及び挿し穂の保護物質を長期かつ継続的に与え得る何等かの工夫をしない限り、
    当該物質を挿し穂に与えたからといって必ずしも効果が得られる訳ではなかった。 すなわち挿し穂における発根を促進したり、挿し穂を侵入する病原菌を殺したり抗菌性を高めたりするには、これに対し有効に作用する発根促進物質や殺菌剤、抗菌剤等が多数開発されているが、
    挿し木用の培地に長期間に亘り植設状態となる挿し穂に対し、前記の各種物質の効能作用を同じく長期間に亘り持続させ得る挿し木培地は提案されておらず、市場においてもそのような培地は全く見掛けなかった。 【0015】更に前述したように、農園芸用の育苗床や植物育成土壌として(特開平6−25374号公報)、各種の果菜類等の育苗床として(特開平9−328531
    号公報)、植物栽培床として(特開平6−178615号公報)、植物栽培用成形培地として(特開平9−2376
    9号公報)、各種のポリウレタンフォームを使用することの提案がなされている。 ところで前記夫々の発明に係る植物育成用フォーム培地に挿し穂され、該フォーム培地で或る程度まで生育した植物を、その培地のまま土壌に植林することができれば手間が省けて便利であるが、
    実際には培地ごと植林することは全く行なわれていない。 その理由は、従来のフォーム培地の水分特性に問題があったからである。 すなわち従来のフォーム培地では、これに充分な灌水を施すと含水率が極めて高くなって、植林を行なうに際し運搬その他ハンドリングの妨げとなる欠点がある。 またフォーム培地のまま土に埋めて植林した後は、周囲の土壌とのpF値の差が大きくなり過ぎ、挿し木の生育に適さなくなる欠点が指摘される。
    ここにpF値は、水が素材に引き付けられている強さの程度を示す数値であって、水柱の高さ(cm)の常用対数で表わされる。 換言すれば水分保持力(主に毛管力と吸着力とからなる)を示す指数であって、フォーム培地のp
    F値が周囲土壌のpF値より遥かに小さいために、挿し木の発根部から急激に水が周囲の土壌に奪われる状態となり好ましくない、ということである。 【0016】また従来公知のフォーム培地の多くは自然分解せず、従って土中に未分解成分が長年に亘り残留して環境を悪化させる、という問題も生じている。 更に、
    フォーム培地は植林に一般に用いられるポットの形状に馴染み難いので、該フォーム培地で発根した後の挿し木苗を該ポットに移植する作業が必要で、植林全体における手間とコストを増大させる一因になっている。 すなわち挿し木等の苗をフォーム培地からポット等に移植することなく、そのまま植林することができれば、植林に要する手間やコストの節減に寄与して経済的に大きなメリットを享受し得るものであるが、そのような提案は未だ全くなされていないのが現状である。 【0017】 【発明の目的】本発明は、前述した従来技術に係る各種フォーム培地に内在する諸種の欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、従来より実用化されている挿し木方法によっては発根させるのが困難な木本・草本植物における採穂母樹からの挿し木苗を効率的に生産でき、しかもそのまま植林工程に利用できて植林に要する手間やコストの節減が図られ、併せて環境への負荷も低減させ得る植物育成用フォーム培地と、該フォーム培地の製造方法とを提供することを目的とする。 【0018】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決して所期の目的を達成するために、本発明に係る植物育成用フォーム培地は、親水性に富むNCO基含有量が3〜26重量%であるイソシアネート末端プレポリマーと、水と、
    毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙及び毛管現象を生じない程度に粗い孔隙をフォーム中に生成する多孔質素材とから調整した発泡性フォームの基材に、pH調節剤、殺菌剤又は抗菌剤、植物成長調節剤及び栄養剤の群から選択される一種以上の添加剤を分散状態で存在させたことを特徴とする。 この場合に、前記群中にHLB値が2〜16の範囲にある非イオン界面活性剤を存在させ、この群中から前記非イオン界面活性剤を選択し得る。 このHLB値が2〜16の範囲にある非イオン界面活性剤は、例えば、脂肪族高級アルコールエチレンオキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪族エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、蔗糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテルから選択される。 【0019】前記イソシアネート末端プレポリマーは、
    有機イソシアネート及びポリオールから製造するのが好適である。 多孔質素材は、ピートモス、バーミキュライト、パーライト、鹿沼土、くん炭、バーク堆肥、木屑等の用土類の何れか、またはこれらの任意の混合物とするのが好ましい。 前記群を構成する添加剤としてのpH調節剤は、酒石酸、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、2−オキソグルタル酸、5−アミノレブリン酸等の有機酸類の何れか、またはこれらの任意の組合わせとするのが好適である。 前記群を構成する添加剤としての殺菌剤や抗菌剤は、硫酸アルミニウムや乳酸アルミニウム等のアルミニウム塩化合物、低分子キトサン、またはヒドロキシイソキサゾール、メタラキシル、ベノミルの何れか、またはこれらの任意の組合わせとするのが好ましい。 更に前記群を構成する添加剤としての植物成長調節剤は、3−インドール酪酸、α―ナフチル酢酸、4−クロロインドール−3−酢酸等のオーキシン類、6−ベンジルアミノプリン、ゼアチン等のサイトカイニン類、アブシジン酸及びその誘導体、ブラシノステロイド類、パクロブトラゾール、プロヘキサジオンカルシウム等の植物成長抑制物質の何れか、またはこれらの任意の組合わせとするのが好適である。 また、前記群を構成する添加剤としての栄養剤は、アラニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸類、
    硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、
    尿素等の窒素塩類、リン酸二水素ナトリウム、硫酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の無機塩類、ブドウ糖、蔗糖等の糖類の何れか、またはこれらの任意の組合わせとするのが好ましい。 【0020】同じく前記課題を解決し、所期の目的を達成するために本発明に係る植物育成用フォーム培地の製造方法は、100重量%の親水性に富むイソシアネート末端プレポリマーと、50〜1000重量%の水と、3
    0〜400重量%の多孔質素材と、pH調節剤、殺菌剤または抗菌剤、植物成長調節剤、栄養剤からなる群より選択される一種以上の添加剤とを混合攪拌し、得られた混合液を発泡硬化させることで、該プレポリマーと水との反応によって得られるフォーム培地の基材中に前記多孔質素材及び添加剤を分散状態で存在させたことを特徴とする。 得られたフォーム培地は、次いでこれを加熱することで完全硬化させ、水分を除去するのが好ましい。 【0021】 【発明の実施の形態】次に、本発明に係る植物育成用フォーム培地およびその製造方法について、好適な実施例を挙げて以下説明する。 実施例に係る植物育成用フォーム培地は、親水性に富むNCO基含有量が3〜26重量%であるイソシアネート末端プレポリマーと、水と、毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙及び毛管現象を生じない程度に粗い孔隙をフォーム中に生成する多孔質素材とから調整した発泡性フォームの基材からなり、この発泡性フォームの基材にpH調節剤、殺菌剤又は抗菌剤、
    植物成長調節剤及び栄養剤の群から選択される一種以上の添加剤を分散状態で存在させたものである。 その形態、すなわち外的な輪郭形状や寸法については、植林に使用するフォーム培地としての取扱いに支障を来さない限り自由な成形が可能である。 【0022】(多孔質素材について)前述した植物育成用フォーム培地の主たる構成要素たる多孔質素材は、毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙と、毛管現象を生じない程度に粗い孔隙とを所要の割合で兼ね備えていることが要求される。 これは、フォーム中に毛管現象を生じない程度に粗い孔隙を生成させることで、発泡したフォーム生地に良好な水捌け機能を具有せしめると共に、
    前記毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙中に水及びp
    H調節剤等の添加剤を分散状態で存在させることで、挿し木培地に要求される保水性及び挿し穂の発根促進や抗菌等の機能を長期に亘って持続せしめるものである。 なお添加剤としては、後述の如く、pH調節剤、殺菌剤又は抗菌剤、植物成長調節剤及び栄養剤の群から一種以上が選択されるが、前記群中に整泡剤及び気泡安定剤として機能する非イオン界面活性剤を、そのHLB値が2〜
    16となる範囲で存在させ、この群から該非イオン界面活性剤を添加剤として選択するようにしてもよい。 【0023】実施例に係る植物育成用フォーム培地に関して、その主たる要素となる多孔質素材は、ピートモス、バーミキュライト、パーライト、鹿沼土、くん炭、
    バーク堆肥、木屑等の用土類の何れかが推奨される。 またピートモス等の各単体でなく、ピートモス、バーミキュライト、パーライト、鹿沼土、くん炭、バーク堆肥、
    木屑等の用土類の任意の混合物としてもよい。 ここにピートモス(peat moss)は「草炭」ともい、草本類を主とする泥炭の一種である。 またバーミキュライト(vermicu
    lite)は、多量の水を含んだ黒雲母の変成物で「蛭石」とも称される。 パーライト(pearliteまたはperlite)は「真珠石」とも称し、黒曜石に類似した一種の天然発泡ガラスで建築用骨材に使用される。 鹿沼土は、黄色で粒状をなす軽石層の一種で、多孔性に富んでいる。 くん炭(cha
    rcoal)は、籾がらやヤシがらを蒸し焼きにして炭化させたものをいう。 更にバーク堆肥(bark compost)は、広葉樹や針葉樹の樹皮に鶏ふんや尿素などの窒素源を添加して長期間堆積発酵させたものである。 【0024】これらの多孔質素材は、一般に塊状・板状・粒状等をなす物質の多数の集合からなり、夫々の物質の大きさは数mm程度以下の微小体である。 そして夫々の微小物質は毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙を有しているが、これら微小物質が集合すると毛管現象を生じない程度に粗い孔隙を作ることになる。 ここで毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙と、毛管現象を生じない程度に粗い孔隙とを分かつ境界は、使用される多孔質素材の性状にもよるが、一般に30〜100ミクロン程度の孔径が目安とされる。 また微細な孔隙と粗い孔隙との存在割合は、一般に1対1程度とされる。 これら多孔質素材を添加する部数は、特に限定的なものではないが、最終製品たる植物育成用フォーム培地の乾燥時の重量を100%とした場合に、その30〜75重量%の範囲で添加するのが好ましい。 何れにしても、先に具体的に挙げた多孔質素材以外に、毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙及び毛管現象を生じない程度に粗い孔隙をフォーム中に生成し得る素材があれば、本実施例に云う多孔質素材として好適に使用可能である。 【0025】(イソシアネート末端プレポリマーについて)次に、発泡性フォームの基材となる前記親水性に富むイソシアネート末端プレポリマーとしては、有機イソシアネートとポリオールと架橋剤とを公知のプレポリマー製造方法に従い反応させて得られるもの(重合体)であって、或る程度の流動状態を有しているものが使用される。 ここに「或る程度の流動状態」とは、前記イソシアネート末端プレポリマーを、水、多孔質素材及び各種の添加剤と共に混合攪拌することで、均一な混合物が得られる程度をいう。 また有機イソシアネートとしては、イソシアネート末端プレポリマーに対する含有量が3〜26
    重量%のイソシアネート基(NCO基)を備えるものであるならば特に制限はない。 具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート或いは2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
    (MDI)、更には、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)及び異性体、多核体が含まれるクルードMDI、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロメタンジイソシアネート(HM
    DI)、3,3'−ジメチルジフェニル 4,4'−ジイソシアネート(TODI)、m−キシレンジイソシアネート
    (XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(T
    MXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、
    1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、或いはこれらのウレタン、アロファネート、ビゥレット各変性体の外、2核体等が挙げられる。 【0026】またポリオールとしては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカプロラクトン系、ポリカーボネート系等の公知のものを使用可能である。 また、約2〜8のヒドロキシル官能基と約200〜20000の重量平均分子量を有するものが使用し得る。 ここで好ましくは、2官能の開始剤にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの双方、或いは何れか一方を付加して得られる分子量800〜4000のポリオールである。 更に、3次元網目構造の発泡体を構成するために、前記イソシアネート末端プレポリマーの製造に際しては、架橋剤として多官能で且つイソシアネート基と反応性を有するものの使用が好ましい。 その架橋剤として、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリレン−2,4,6−
    トリアミン、エチレンジアミン、アミノエタノール、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ヒドラジントリエタノールアミン、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、
    ニトリロトリ酢酸、クエン酸、4,4'−メチレンビス
    (o−クロロアニリン)等が挙げられる。 これらの中でも、グリセリンやトリメチロールプロパンが広く使用されていることから好ましい。 【0027】更に、前記イソシアネート末端プレポリマー100重量%に対し水50〜1000重量%とされる。 【0028】(添加剤一般について)前記親水性に富むN
    CO基含有量が3〜26重量%であるイソシアネート末端プレポリマーと、水と、毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙及び毛管現象を生じない程度に粗い孔隙をフォーム中に生成する多孔質素材とから調整した発泡性フォームの基材に分散状態で存在させられる添加剤は、pH
    調節剤、殺菌剤又は抗菌剤、植物成長調節剤及び栄養剤の群から一種以上が選択されるが、これに限定されるものではない。 HLB値が2〜16の範囲にある非イオン界面活性剤を、添加剤として使用してもよい。 また必要に応じて、例えば窒素質肥料、りん酸質肥料、カリ質肥料、石灰質肥料、けい酸質肥料、苦土質肥料、マンガン質肥料、ほう素質肥料、有機質肥料等から選ばれる少なくとも1種の肥料成分や、アルギニン、グルタミン酸、
    グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、アラニン、グリシン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン等から選ばれる少なくとも1種のアミノ酸や、チアミン、ビオチン、リボフラビン、ニコチン酸、ピリドキシン、アスコルビン酸、トコフェロール等から選ばれる少なくとも1種のビタミン類や、単糖類、オリゴ糖類、低分子量の水溶性多糖類から選ばれる少なくとも1種の糖類の1種以上を含有させてもよい。 【0029】(pH調節剤について)前記の群を構成する添加剤としてのpH調節剤は、例えば、酒石酸、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、2−
    オキソグルタル酸、5−アミノレブリン酸等の有機酸類の何れか、またはこれらの任意の組合わせが好適に使用される。 その添加部数としては、特に限定されるものではないが、最終製品たる植物育成用フォーム培地のpH
    を4.2〜5.8の範囲で調節すると良好な結果が得られる。 【0030】(殺菌剤または抗菌剤について)前記群を構成する添加剤としての殺菌剤または抗菌剤は、一例として、硫酸アルミニウムや乳酸アルミニウム等のアルミニウム塩化合物、低分子キトサン、またはヒドロキシイソキサゾール、メタラキシル、ベノミルの何れか、またはこれらの任意の組合わせが好適に使用される。 その添加部数としては、薬剤の種類や作用、メカニズムにより、
    特に限定されないが、植物育成用フォーム培地の乾燥時の重量を100%とした場合に、0.01〜0.1重量%
    の範囲で添加すると良好な結果が得られる。 【0031】(植物成長調節剤について)前記群を構成する添加剤としての植物成長調節剤は、例えば、3−インドール酪酸、α―ナフチル酢酸、4−クロロインドール−3−酢酸等のオーキシン類、6−ベンジルアミノプリン、ゼアチン等のサイトカイニン類、アブシジン酸及びその誘導体、ブラシノステロイド類、パクロブトラゾール、プロヘキサジオンカルシウム等の植物成長抑制物質の何れか、またはこれらの任意の組合わせが好適に使用される。 その添加部数としては、特に限定されないが、
    植物育成用フォーム培地の乾燥時の重量を100%とした場合に、0.000001〜0.0001重量%の範囲で添加すると良好な結果が得られる。 【0032】(栄養剤について)前記群を構成する添加剤としての栄養剤は、一例として、アラニン、グリシン、
    アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸類、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素等の窒素塩類、リン酸二水素ナトリウム、硫酸カリウム、
    塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の無機塩類、ブドウ糖、蔗糖等の糖類の何れか、またはこれらの任意の組合わせが好適に使用される。 その添加部数は、特に限定されないが、植物育成用フォーム培地の乾燥時の重量を100%とした場合に、0.001〜1.0重量%の範囲で添加すると良好な結果が得られる。 【0033】(非イオン界面活性剤について)発泡させたフォームに対する気泡安定剤及び整泡剤として、前記群中にHLB値が2〜16の範囲にある非イオン界面活性剤を存在させ、この群から該非イオン界面活性剤を選択するようにしてもよい。 このHLB値が2〜16の範囲にある非イオン界面活性剤としては、例えば脂肪族高級アルコールエチレンオキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪族エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、蔗糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテルから選択するのが好適である。
    その添加部数は、特に限定されないが、水100重量%
    に対して0.1〜3.0重量%の範囲で添加すると良好な結果が得られる。 【0034】(アルミニウム塩化合物について)特許請求範囲には記載してないが、前記群を構成する添加剤としてアルミニウム塩化合物を選択してもよい。 このアルミニウム塩化合物としては、例えば硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウムが挙げられる。 その添加部数としては、植物育成用フォーム培地の乾燥時の重量を100
    %とした場合に、0.1〜0.5重量%の範囲で添加すると良好な結果が得られる。 【0035】(実施例のフォーム培地を適用し得る植物について)実施例に係るフォーム培地に挿し木し得る植物は限定的なものではないが、殊に前述したように、地球環境の修復のため植林活動が今後盛んになると予測されるユーカリ属植物及びアカシア属植物が挙げられる。
    ユーカリ属植物としては、ユーカリ・カマルドレンシス
    (Eucalyptus camaldulensis)、ユーカリ・グランディス
    (E. grandis)、ユーカリ・グロブラス(E. globulus)、
    ユーカリ・ナイテンス(E. nitens)、ユーカリ・テルティコルニス(E. tereticornis)、ユーカリ・ユーロフィラ(E. urophylla)等、及びこれらを片親とする交雑種や、これらの亜種・変種が例示される。 またアカシア属植物としては、製紙原料用樹種に好適なアカシア・アウリカリフォルミス(Acacia auriculiformis)、アカシア・マンギウム(A. mangium)、アカシア・メアランシー
    (A. mearnsii)、アカシア・クラシカルパ(A. crassicar
    pa)、アカシア・アウラコカルパ(A. aulacocarpa)等、
    及びこれらを片親とする交雑種や、これらの亜種・変種等が例示される。 【0036】なお、ユーカリ属植物の挿し木に関しては、[0004]の項で言及した刊行物「ユーカリの育成と繁殖」に詳述してある。 しかし前記刊行物に述べられた方法に従い挿し木を行なっても、発根させるのが特に難しい樹種・系統や、高い発根能力を有する樹種・系統であるが高樹齢のため発根困難となる採穂母樹が依然として存在する。 このような場合であっても、実施例に係る植物育成用フォーム培地を使用すると共に、その環境条件として適度の温度(10〜30℃)、高い相対湿度
    (70〜100%)及び良好な空気循環を確保することで、該フォーム培地に挿し付けられた挿し穂は良好な発根性を示すことが確認された(後述)。 【0037】(製造方法について)実施例に係る植物育成用フォーム培地を製造する方法としては、次の工程を経ることで行なった。 (1) ポリエチレングリコール(分子量1000)1モル、
    グリセリン1モル、及び市販の2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)の80/20混合物5
    モルからイソシアネート末端プレポリマーを製造した。
    得られたイソシアネート末端プレポリマーは淡黄色で、
    比重1.10、25℃で粘度13400cps(ブルックスフィールド粘度計、ロータ4)、イソシアネート基
    (NCO基)含有量が11.2重量%であった。 (2) 前記(1)記載の親水性に富むイソシアネート末端プレポリマー100重量%を準備した。 このイソシアネート末端プレポリマーは、先に[0025]で述べた如く、
    有機イソシアネート及びポリオールの重合体であって、
    或る程度の流動状態を有していた。 (3) 100重量%のイソシアネート末端プレポリマーに対し、900重量%の水を準備した。 (4) 100重量%のイソシアネート末端プレポリマーに対し、300重量%の多孔質素材を準備した。 ここで使用した多孔質素材は、毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙及び毛管現象を生じない程度に粗い孔隙をフォーム中に生成し得るものであって、バーミキュライトとパーライトとを85対15の割合で混合した混合物であった。 (5) 添加剤としてpH調節剤、殺菌剤、植物成長調節剤、栄養剤を準備した。 【0038】前記(1)〜(5)に述べたイソシアネート末端プレポリマーと、水と、多孔質素材と、添加剤とを混合攪拌して混合液を作成し、該混合液を容器に注いで発泡させた。 これにより前記イソシアネート末端プレポリマーは、水と反応して発泡硬化し、該プレポリマーからなるフォーム培地の基材が作成された。 前記添加剤は、前記多孔質素材における毛管現象を生じ得る程度に微細な孔隙にトラップされて分散状態で存在するに至った。 次いで前記フォーム培地を加熱硬化させ、最終製品としての植物育成用フォーム培地を製造した。 この場合に、前記混合液を育苗ポットやプラグトレー等の容器に充填して所要の形態を付与するようにしてもよい。 【0039】 【実験例と比較例】次に、植物育成用フォーム培地及びその製造方法につき、諸種の仕様を変更した実験例と比較例を対比的に挙げて検討した。 なお、実験例及び比較例における部及び重量%は、基本的に植物育成用フォーム培地の乾燥時の重量を100%とした場合の重量部数及び重量%を示す。 【0040】(フォーム培地の製造について) (実験例1)多孔質素材としてのバーミキュライトを必要重量部(50%〜90%)だけ専用容器に移し、このバーミキュライトに水及び殺菌剤としての硫酸アルミニウムを必要重量部入れて攪拌した。 次いで、これにイソシアネート末端プレポリマーを必要重量部入れて攪拌し、攪拌した原料をポット状の専用容器に流し込んで反応(発泡)が終わるまで放置した。 反応の終了により得られたフォーム培地を前記専用容器から取り出し、70℃のオーブン中で加温して硬化させた後、該フォーム培地の密度を測定した。 乾燥したフォーム培地を約150cm 3
    の多数の小片にカットし、このカット片を500ml容器に入れた後、300mlのイオン交換水を注いで30
    分間浸漬放置した。 前記イオン交換水からフォーム培地を取り出し、該フォーム培地を絞って50〜80mlの水を採取し、そのpH測定を行なった。 【0041】その結果を表1に示す。 実験例1に係るフォーム培地では、これに含有させるバーミキュライトの量を30%(実験例1a),50%(実験例1b),60%
    (実験例1c),65%(実験例1d),70%(実験例1e)
    の各範囲で変化させた。 比較例1では、バーミキュライトの含有量を80及び90%の範囲で変化させた。 【0042】 【表1】

    実験例1a〜1eのフォーム培地は、バーミキュライトの含有量を前記範囲内で変化させても、良好な発泡状態となっていることが判明した(評価○)。 【0043】しかるに比較例1aのバーミキュライトを90%含有したフォーム培地は、フォーム発泡時及び乾燥時に樹脂分が少なくボロボロになり不適合であった


    (評価×)。 また比較例1bのバーミキュライトを80%


    含有したフォーム培地は、フォームが乾燥している時は良いが、発泡時(湿潤時)には樹脂分が少なくボロボロになる傾向にあった(評価△)。 以上の結果から、フォーム発泡時(湿潤時)及び乾燥時にフォーム培地に或る程度の製品強度を保有させるには、バーミキュライトの如き多孔質素材の含有量を30−70%(実験例1)に設定するのが適当であり、かつ最大添加量は75%の付近に限界のあることが判った。 【0044】(フォーム培地の評価試験について) (実験例2・・・発根率の評価)実験例1で述べた製造方法に従って、親水性に富むイソシアネート末端プレポリマーと、水、多孔質素材としてバーミキュライト75%


    と、各種添加物として硫酸アルミニウム0.5%(pH調整剤及び殺菌剤を兼ねるものとして使用)と、殺菌剤として三共株式会社の登録商標「タチガレエース」0.1%


    とを混合し、これにより実験例2に係る植物育成用フォーム培地を製造した。 このフォーム培地は、アスコルビン酸を添加してpHを4.2〜5.8になるように調節した。 【0045】実験用の温室でポットに入れた状態で養成されているユーカリ・カマルドレンシス(E. camaldulen


    sis)のクローン苗の採穂母樹から当年度に伸長した枝を選び出し、成長が緩慢になる12月の時期に当該枝を切り出した。 この枝の穂先に対となる2枚の葉が残るように調整して、長さ7.0cmの挿し穂を得た。 この挿し穂を、予めプラグトレーに詰めて湿らせた前記実験例2に係るフォーム培地へ挿し付けた。 また、前記と同様に調整した挿し穂を、予めプラグトレーに詰めて湿らせた比較例2aに係るバーミキュライトと、比較例2bに係る挿し木用培地として市販されているオアシス−P培地と、比較例2cに係るグロダン培地(ロックウール)とに挿し付けた。 なお挿し木試験は、室温15〜25℃で相対湿度80%以上に制御された温室内で行なった。 【0046】挿し穂を挿し付けた後、5ヵ月経過した時点での発根率(%)を表2に示す。 ここに発根率(%)は、


    (挿し付け5ヵ月後までに発根した挿し穂数)÷(挿し穂の供試数)×100に依拠した。 【0047】 【表2】 表2から判明するように、実験例2に係るフォーム培地に前記ユーカリ・カマルドレンシスから採取した挿し穂を挿し付けた場合、その発根率は44%で良好であった。 【0048】しかるに、実験例2と同じ採穂母樹から同時期に採取した挿し穂を、比較例2aのバーミキュライト、比較例2bのオアシス−P培地及び比較例2cのグロダン培地(ロックウール)に挿し付けた場合、各対応の発根率は15%、27%及び33%であった。 以上によれば、バーミキュライト等の多孔質素材を単独で挿し木培地とする場合や、市販の挿し木培地を使用する場合に比較して、実験例2に係るフォーム培地は同等以上の性能を有することが判った。 【0049】(実験例3・・・生存率及び発根率の評価)実験例1で述べた製造方法に従って、親水性に富むイソシアネート末端プレポリマー及び多孔質素材としてのバーミキュライト30%を基材とし、これに殺菌剤として機能する硫酸アルミニウムを0.1重量%、0.5重量%、


    1.0重量%と変化させて添加することにより、実験例3aに係る植物育成用フォーム培地を製造した。 また実験例3aにおける多孔質素材としてのバーミキュライトを50%とした植物育成用フォーム培地を実験例3bとし、更に実験例3aにおけバーミキュライトを70%とした植物育成用フォーム培地を実験例3cとして用意した。 【0050】実験圃場に植栽されているユーカリ・カマルドレンシス(E. camaldulensis)のクローン採穂園において、採穂母樹から当年度に伸長した枝を選び出し、成長が緩慢になる1月の時期に当該枝を切り出して荒穂を採取した。 この荒穂を水道水中で穂先に対をなす2枚の葉が残るように調整し、長さ7.0cmの挿し穂を得た。 この挿し穂の基部はナイフで切り返した。 次に、前記挿し穂を実験例3a〜3cに係るフォーム培地に挿し付けた。 なお比較例3として、前記と同様に調整した挿し穂を、予めプラグトレーに詰めて湿らせたバーミキュライトへ挿し付けた。 このプラグトレーを、室温15〜


    25℃に制御されている温室内のベンチに載置し、アクリル箱を被せて高い湿度を保ちつつ挿し木試験を行なった。 【0051】挿し穂を挿し付けた後、9週間経過した時点における生存と発根の状況を観察した。 その結果を表3に示す。 表3中の数字は生存率(%)及び発根率(%)である。 ここで生存率(%)は、以下の如く表わされる。 生存率(%)=(挿し付け9週間後に生存している挿し穂数)


    ÷(挿し付けた全挿し穂数)×100、発根率(%)=(挿し付け9週間後に発根している挿し穂数)÷(挿し付けた全挿し穂数)×100 【0052】 【表3】 表3から判明する如く、比較例3に係るバーミキュライトに前記ユーカリ・カマルドレンシスから採取した挿し穂を挿し付けた場合、その生存率は67%で、発根率は22%であった。 【0053】しかるに比較例3と同じ採穂母樹から同時期に採取した挿し穂を、実験例3a〜3cに係るフォーム培地に同一条件下で挿し付けた場合は、バーミキュライト70%含有でかつ硫酸アルミニウム含有量が0.1


    %及び0.5%処理区において発根率は夫々44%であった。 【0054】(実験例4・・・生存率及び発根率の評価)実験例1で述べた製造方法に従って、親水性に富むイソシアネート末端プレポリマー及び多孔質素材としてバーミキュライトとピートモスの混合物(1対1)50重量%を基材とし、これに殺菌剤としての硫酸アルミニウム0.


    1重量%を添加することで、実験例4に係る植物育成用フォーム培地を製造した。 温室で栽培されているユーカリ・カマルドレンシス(E. camaldulensis)のクローン苗から当年度に伸長した枝を選び出し、成長が緩慢になる2月の時期に当該枝を切り出して荒穂を採取した。 この荒穂を水道水中で穂先に対をなす2枚の葉が残るように調整し、長さ7.0cmの挿し穂を得た。 この挿し穂の基部はナイフで切り返し、実験例4のフォーム培地に挿し付けた。 なお比較例4として、前記と同様に調整した挿し穂を、予めプラグトレーに詰めて湿らせたバーミキュライトへ挿し付けた。 このプラグトレーを、室温15


    〜25℃に制御されている温室内のベンチに載置し、アクリル箱を被せて高い湿度を保ちつつ挿し木試験を行なった。 【0055】挿し穂を挿し付けた後、9週間経過した時点における生存と発根の状況を観察した。 その結果を表4に示す。 表4中の数字は生存率(%)及び発根率(%)である。 ここで生存率(%)は、以下の如く表わされる。 生存率(%)=(挿し付け9週間後に生存している挿し穂数)÷(挿し付けた全挿し穂数)×100、発根率(%)=


    (挿し付け9週間後に発根している挿し穂数)÷(挿し付けた全挿し穂数)×100 【0056】 【表4】 表4から判明する如く、比較例4に係るバーミキュライトに前記ユーカリ・カマルドレンシスから採取した挿し穂を挿し付けた場合、その生存率は55%で、発根率は22%であった。 【0057】しかるに比較例4と同じ採穂母樹から同時期に採取した挿し穂を、実験例4に係るフォーム培地に同一条件下で挿し付けた場合は、その生存率は78%


    で、発根率は55%であった。 このように、実験例3及び実験例4の結果から、バーミキュライト等の多孔質素材を単独で挿し木培地とする場合と比較して、実施例に係るフォーム培地は優れた性能を有し、特に硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩化合物を0.1〜0.5%添加した場合により植物の生育に好適であることが判明した。 【0058】(実験例5・・・生存率及び発根率の評価)実験例1で述べた製造方法に従って、親水性に富むイソシアネート末端プレポリマー及び多孔質素材としてのバーミキュライト50%を基材とし、これに硫酸アルミニウムを0.1重量%及び殺菌剤として登録商標「タチガレエース」0.1%を添加することにより、実験例5aに係る植物育成用フォーム培地を製造した。 また実験例5aにおけるバーミキュライトを70%とした植物育成用フォーム培地を、実験例5bとして用意した。 更に比較例5


    a及び比較例5bとして、前記登録商標「タチガレエース」を含まないものも同様に製造した。 なお、フォーム培地のpHは酒石酸で調節した。 前述したユーカリ・カマルドレンシス(E. camaldulensis)の採穂母樹から調製した挿し穂を、実験例5a及び実験例5bに係るフォーム培地に挿し付けた。 なお前記と同様に調整した挿し穂を、予めプラグトレーに詰めて湿らせた比較例5a及び比較例5bに係るバーミキュライトへ挿し付けた。 これらのプラグトレーは、室温15〜25℃に制御されている温室内のベンチに載置し、アクリル箱を被せて高い湿度を保ちつつ挿し木試験を行なった。 【0059】挿し穂を挿し付けた後、9週間経過した時点における生存と発根の状況を観察した。 その結果を表5に示す。 表5中の数字は生存率(%)及び発根率(%)である。 ここで生存率(%)は、以下の如く表わされる。 生存率(%)=(挿し付け9週間後に生存している挿し穂数)÷(挿し付けた全挿し穂数)×100、発根率(%)=


    (挿し付け9週間後に発根している挿し穂数)÷(挿し付けた全挿し穂数)×100 【0060】 【表5】 表5から判明するように、比較例5aのバーミキュライトに前記ユーカリ・カマルドレンシスからの挿し穂を挿し付けた場合、その生存率は67%で、発根率は22%


    であった。 また比較例5bのバーミキュライトに前記挿し穂を挿し付けた場合、その生存率は22%で、発根率は0%であった。 【0061】しかるに比較例5a及び比較例5bと同じ採穂母樹から同時期に採取した挿し穂を、実験例5aのフォーム培地に同一条件下で挿し付けた場合、バーミキュライト含有量50%で、かつ硫酸アルミニウム含有量0.5%、登録商標「タチガレエース」含有量0.1%の処理区において、生存率が100%、発根率は33%であった。 また実験例5bのフォーム培地に同一条件下で挿し付けた場合、バーミキュライト含有量70%で、かつ硫酸アルミニウム含有量0.5%、登録商標「タチガレエース」含有量0.1%の処理区において、生存率が89


    %、発根率は22%であった。 すなわち実験例5a及び実験例5bの生存率及び発根率は、バーミキュライト含有量70%及び硫酸アルミニウム含有量0.5%で、かつ殺菌剤である登録商標「タチガレエース」を含有しない比較例5aの生存率67%及び発根率22%を上回っていた。 以上の結果から、バーミキュライト等の多孔質素材を単独で挿し木培地とする場合と比較して、実施例に係るフォーム培地は優れた性能を有し、特に硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩化合物と殺菌剤とを併用した場合に、植物の挿し穂の生存率が高くなる、という優れた効果が奏されることが判明した。 【0062】(実験例6・・・2ケ月,3ケ月後の発根率)実験例1で述べた製造方法に従って、親水性に富むイソシアネート末端プレポリマー及び多孔質素材としてのバーミキュライト75%を基材とし、これに硫酸アルミニウム0.5重量%及び殺菌剤としての登録商標「タチガレエース」0.1%を添加することで、実験例6に係る植物育成用フォーム培地を製造した。 なお、実験例6の植物育成用フォーム培地において、発根促進作用を有する植物成長調節物質を添加しないフォーム培地を実験例6aとし、植物成長調節物質としてα−ナフチル酢酸(NAA)


    を0.00001%添加したフォーム培地を実験例6b


    とし、植物成長調節物質として3−インドール酪酸(I


    BA)を0.00001%添加したフォーム培地を実験例6cとした。 これら実験例6a〜実験例6cに係るフォーム培地は、何れもアスコルビン酸を添加してpHが4.2〜5.8になるよう調節した。 【0063】実験温室でポットに入れた状態で養成されているアカシア・アウリカリフォルミス(A. auriculifo


    rmis)のクローン苗の採穂母樹から当年度に伸長した枝を選び出し、成長が緩慢になる2月の時期に当該枝を切り出した。 その穂先に対をなす2枚の葉が残るよう調整し、長さ7.0cmの挿し穂を得た。 この挿し穂を、予めプラグトレーに詰めて湿らせた実験例6a〜実験例6c


    に係るフォーム培地へ挿し付けた。 同様に調整した前記挿し穂を、市販されている挿し木培地である比較例6a


    のオアシス−H培地、比較例6bのオアシス−P培地及び比較例6cのグロダン培地(ロックウール)に挿し付けた。 これらを室温15〜25℃、相対湿度80%以上に制御した温室内に入れ、挿し木試験を行なった。 【0064】前記挿し穂を挿し付けた後、2ヵ月及び3


    ヵ月が経過した時点での発根率(%)を表6に示す。 ここで発根率(%)=(挿し付けnヵ月後までに発根した挿し穂数)÷(供試数)×100である。 【0065】 【表6】 表6から判明するように、前記アカシア・アウリカリフォルミスから採取した挿し穂を、比較例6に係る既製の挿し木培地に挿し付けて2ヶ月後の発根率は、比較例6


    aのオアシス−H培地で12%、比較例6bのオアシス−P培地で20%、比較例6cのグロダン培地(ロックウール)で16%であった。 また挿し付け3ヶ月後の発根率は、比較例6aで76%、比較例6bで76%、比較例6cで84%であった。 【0066】しかるに比較例6と同じ採穂母樹から同時期に採取した挿し穂を、実験例6のフォーム培地に同一条件下に挿し付けた場合、発根促進作用を有する植物成長調節物質を添加しない実験例6aの培地では、2ヶ月後における発根率は28%であった。 また植物成長調節物質としてα−ナフチル酢酸(NAA)を0.00001


    %添加した実験例6bの培地では、2ヶ月後の発根率は68%であった。 植物成長調節物質として3−インドール酪酸(IBA)を0.00001%添加した実験例6c


    の培地では、2ヶ月後の発根率は68%であった。 更に、挿し穂を挿し付けてから3ヶ月後の発根率は、実験例6a(発根促進剤なし)で52%、実験例6b(NAA


    添加)で92%、実験例6c(IBA添加)で84%であった。 以上の結果から、市販されている既製の挿し木培地に比較して、実施例に係るフォーム培地は同等以上の性能を有し、特に発根促進作用を有する植物成長調節物質として3−インドール酪酸(IBA)、α−ナフチル酢酸(NAA)等を添加した場合に速やかに発根する、という優れた効果が奏されることが判明した。 【0067】(実験例7・・・活着生存率の評価)アカシア・アウリカリフォルミス(A. auriculiformis)及びユーカリ・カマルドレンシス(E. camaldulensis)の挿し穂を、実験例7に係る植物育成用フォーム培地に挿し付け、発根した挿し木苗を育成した。 また、前記と同じ挿し穂を、既製の挿し木培地である比較例7aのオアシス培地及び比較例7bのグロダン培地(ロックウール)に挿し付け、発根した挿し木苗を育成した。 これら発根後の挿し木苗を同一条件下で実験圃場に5月に植栽し、1ヶ月後の6月に活着生存率を調査した。 【0068】挿し木苗を植付けた後に、1ヵ月を経過した時点での活着生存率(%)を表7に示す。 ここに活着生存率(%)=(植付1ヵ月後に活着している挿し木苗数)÷


    (供試数)×100である。 【0069】 【表7】 表7に示すように、アカシア・アウリカリフォルミス及びユーカリ・カマルドレンシスの挿し木苗に関して、比較例7aのオアシス培地での活着生存率は共に30%であった。 また比較例7bのグロダン培地(ロックウール)


    での活着生存率は、アカシア・アウリカリフォルミスの挿し木苗は40%、ユーカリ・カマルドレンシスの挿し木苗は33%であった。 これらの数値は、植林事業を行なうのには著しく低くて不適である。 【0070】しかるに、比較例7と同じ採穂母樹から同時期に、実験例7のフォーム培地に同一条件下で挿し付けて発根させた挿し木苗を同一条件下で植栽した場合、


    アカシア・アウリカリフォルミスの活着生存率は86


    %、ユーカリ・カマルドレンシスの活着生存率は85%


    であった。 これらは植林事業向けとして充分満足できる数値であり、実施例7に係る植物育成用フォーム培地で発根した挿し木苗は、移植することなくそのまま植林できることを示している。 【0071】 【発明の効果】本発明に係る植物育成用フォーム培地およびその製造方法によれば、パルプ材や緑化用の樹木として使われる木本植物等の苗木生産、殊に挿し木苗を生産するに際して、従来から使用されてきたフォーム培地では発根させるのが困難な採穂母樹からの挿し穂であっても、高い確率で発根に至らせて生産効率を著しく改善し、挿し木苗の大量生産が可能になった。 しかも、植林事業に即したポット形状その他任意の形状に成形できるため、発根後の挿し木苗を移植することなく、そのまま植林に供することが可能である。

    ─────────────────────────────────────────────────────
    【手続補正書】 【提出日】平成14年6月11日(2002.6.1
    1) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書【補正対象項目名】0025 【補正方法】変更【補正内容】 【0025】(イソシアネート末端プレポリマーについて)次に、発泡性フォームの基材となる前記親水性に富むイソシアネート末端プレポリマーとしては、有機イソシアネートとポリオールと架橋剤とを公知のプレポリマー製造方法に従い反応させて得られるもの(重合体)であって、或る程度の流動状態を有しているものが使用される。 ここに「或る程度の流動状態」とは、前記イソシアネート末端プレポリマーを、水、多孔質素材及び各種の添加剤と共に混合攪拌することで、均一な混合物が得られる程度をいう。 また有機イソシアネートとしては、イソシアネート末端プレポリマーに対する含有量が3〜26
    重量%のイソシアネート基(NCO基)を備えるものであるならば特に制限はない。 具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート或いは2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
    (MDI)、更には、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(M DI)及び異性体、多核体が含まれるクルードMDI、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
    (HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ<br>シアネート、 p−フェニレンジイソシアネート、4,
    4'−ジシクロメタンジイソシアネート、 3,3'−ジメチルジフェニル4,4'−ジイソシアネート(TOD
    I)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、或いはこれらのウレタン、
    アロファネート、ビゥレット各変性体の外、2核体等が挙げられる。 【手続補正2】 【補正対象書類名】明細書【補正対象項目名】0052 【補正方法】変更【補正内容】 【0052】 【表3】

    表3から判明する如く、比較例3に係るバーミキュライトに前記ユーカリ・カマルドレンシスから採取した挿し穂を挿し付けた場合、その生存率は67%で、発根率は22%であった。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 101:00 C09K 101:00 (72)発明者 浅田 隆之 三重県亀山市能褒野町24−9 王子製紙株 式会社森林資源研究所内(72)発明者 立道 良泰 三重県亀山市能褒野町24−9 王子製紙株 式会社森林資源研究所内(72)発明者 村松 享 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内(72)発明者 平山 真二 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内Fターム(参考) 2B022 BA02 BA04 BA07 BA14 BA15 BA16 BA22 BB02 EA01 4H026 AA07 AB04 4J034 BA08 CA02 CA04 CA05 CA13 CA14 CA15 CA16 CA24 CA25 CB03 CB04 CB05 CB07 CB08 CC03 CC12 CC61 CC65 CC67 CD13 CE01 DA01 DB03 DF01 DF02 DF12 DG00 HA01 HA07 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC65 HC67 HC71 HC73 JA42 MA01 NA03 QC01 RA01

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