专利汇可以提供Antibacterial and antifungal soft resin film and laminate thereof专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To provide an antibacterial and antifungal film comprising a soft resin containing a prescribed amount of an antimicrobial agent, etc., excellent in transparency, self-repairing property and scratch-resistance, and useful for automotive parts, etc.
CONSTITUTION: This antibacterial and antifungal film comprises a soft resin such as a non-yellowing polyurethane resin containing 0.01-10wt.% of an antibacterial agent or antifungal agent such as 10,10'-oxybisphenoxyarsine. The film has preferably a thickness of 0.05-2 mm, and the film is laminated to a substrate to provide a laminate.
COPYRIGHT: (C)1995,JPO,下面是Antibacterial and antifungal soft resin film and laminate thereof专利的具体信息内容。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌・防黴性軟質樹脂フィルム及びその積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質透明樹脂は、建築材料、家庭用製品材料、自動車用部材、電子・電気関係部品、各種窓・風防部材、スポーツ・レジャー関係資材、飛散防止材、各種フィルム・シート材等、その他多くの領域で幅広く利用されている。 特に、近年においては軟質透明樹脂からなるフィルムを様々な基材に積層することにより、耐擦傷性、飛散防止性等を付与する目的で、また本来基材には備わっていない軟質樹脂独特の風合いを付与する目的で、軟質透明樹脂をソフトコートとして使用する等、新たな分野で利用の試みがなされている。 しかし、軟質樹脂は、細菌類、黴類、酵母類、藻類の微生物が繁殖しやすいため、樹脂の変形、分解等の劣化や、美観状の汚損等が発生し、高湿な場所や水周り等の水分にさらされる場所での使用が困難であるという欠点を有していた。
【0003】一方、軟質樹脂に抗菌性、防黴性を付与したものはいくつか提案されているが、透明性、自己修復性、耐擦傷性、柔軟性を兼ね備えた抗菌・防黴性軟質樹脂は無く、その開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上の問題点を解消し、本質的に透明性で、自己修復性及び耐擦傷性を有し、かつ、抗菌性、防黴性を有する新規な軟質樹脂からなるフィルム及びその積層体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は抗菌剤あるいは防黴剤を樹脂全重量の0.01〜10重量%含有する、
本質的に透明で、自己修復性及び耐擦傷性を有する軟質樹脂からなる抗菌・防黴性フィルム、及び、該フィルムを、基材に積層してなる積層体を提供するものである。
【0006】本発明における抗菌剤あるいは防黴剤としては、一般に知られているものが使用できる。 例えば1
0,10'−オキシビスフェノキシアルシン、N・N−
ジメチルN'−フェニル−N'−(フルオロジクロロメチルチオ)−スルファミド、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾール、ベンズイミダゾリルカルバミン酸エチルエステル、ジオチルカルバメート製剤などを成分として含むものが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0007】抗菌剤あるいは防黴剤の含有量は、樹脂全重量の0.01〜10重量%である。
【0008】本発明における本質的に透明で自己修復性及び耐擦傷性を有する軟質樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、アクリル系透明ゴム状樹脂、シリコーン系ゴム状樹脂、オレフィン系やスチレン系のエラストマー、それら同志あるいは他の樹脂とのブレンド品、ポリマーアロイ等が使用可能であるが、透明性・自己修復性・耐擦傷性のバランスの観点からポリウレタン系樹脂が最も好ましい。
【0009】フィルムはこの特定の軟質樹脂のみからなるか、その材質からなる層を一方の表面層として有することが必要である。 本発明のフィルムは他に1層以上の合成樹脂層等を有していてもよく、特に接着剤や粘着剤層を有していてもよい。 また、他の層は部分的に(たとえば周辺部のみ)に存在していてもよい。 好ましくは、
本発明のフィルムは特定の軟質合成樹脂のみからなり、
基材に積層する際、接着剤、粘着剤、両面接着(ないし粘着)テープ等を使用して積層される。 また、本発明のフィルムの表面自体がある程度の粘着性や密着性を有している場合、フィルムのみで積層を行うことができる。
【0010】本発明におけるフィルムの厚さは、充分な自己修復性が得られるように0.05mm以上であることが必要である。 また、あまり厚くなることはコスト上好ましくないので2mm以下であることが好ましい。
【0011】特定の軟質合成樹脂層の表面は、いわゆるエンボスと呼ばれる微細な凹凸を有していてもよい。 このエンボスは反射防止に有効である。 さらに本質的に透明である限り、本発明のフィルムは着色されていてもよく、印刷等で模様付されていてもよい。 また、薄い着色フィルムや模様付フィルムが積層されていてもよい。 本発明のフィルムは帯電性を有していてもよい。
【0012】以下、本発明フィルムが特定の軟質合成樹脂(以下、単に軟質合成樹脂という)のみからなる場合について、本発明を説明するが本発明はこれに限られるものではない。
【0013】軟質合成樹脂は本質的に透明であり、そのフィルムの全光線透過率は50%以上、特に80%以上であることが好ましい。 表面に微細な凹凸を有する場合あるいは着色されている場合は、それを有するフィルムとしての透過率は50%未満であってもよい。
【0014】自己修復性は、一度生じた傷が経時的に消失する性質を意味し、一部の軟質合成樹脂はこの性質を有していることが知られている。 その性質の程度は測定することができ、標準的な測定方法としてヘイドン(H
EIDON)スクラッチテスターを用いた方法が知られている。 軟質合成樹脂の自己修復性は、20℃、50%
相対湿度雰囲気下で、先端径15ミクロンのダイアモンドチップを加傷体としてヘイドンスクラッチテスターで測定した自己修復性が10g以上であることが好ましく、特に30g以上が好ましい。
【0015】軟質合成樹脂の耐擦傷性は、上記と同じ雰囲気下で摩耗輪としてCS−10Fを用い500g荷重でのデーバー摩耗試験において100回転後のヘイズ値の増加が10%未満であることが好ましい。
【0016】ポリウレタン系樹脂としては、耐久黄変性の観点から無黄変性ポリウレタン系樹脂が好ましい。 無黄変性ポリウレタン系樹脂とは芳香核に直接結合したイソシアネート基を有しない非芳香族のあるいは芳香族のポリイソシアネートを原料として得られたポリウレタン系樹脂をいう。
【0017】また成形法としては、押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、注型法、カレンダー成形法、等が可能であるが、特にフィルムの光学的品質の観点、また架橋型樹脂も成形可能であるとの観点から反応性キャスティング法で得られるものが最も好ましい。
【0018】反応型キャスティング法とは、反応して軟質合成樹脂となる流動性の反応性原料混合物を平坦な剥離性担体上に流延し、反応を行って軟質合成樹脂の薄層を形成し、その後担体から剥離することによりフィルムないしシートを得る方法である。 反応型キャスティング方法を行う場合、反応性原料に溶剤が含まれていてもよいが、ポリウレタン系樹脂の場合は実質的に溶剤を含まない反応性原料を用いる方法、即ち反応型バルクキャスティング方法がより好ましい。
【0019】反応型キャスティング法で得られる透明で自己修復性、及び耐擦傷性を有する無黄変性ポリウレタン系樹脂としては、線状樹脂(熱可塑性樹脂)、架橋型樹脂(熱硬化性樹脂)の何れも可能であるが、耐薬品性、耐汚染性、耐久性等の観点から架橋型樹脂がより好ましい。
【0020】架橋型ポリウレタン系樹脂は、多官能性活性水素化合物(ポリオール等)とポリイソシアネートからなる反応性の主原料の内、少なくとも一方原料のかつ少くともその一部が3官能性以上の化合物を使用することによって得られるポリウレタン系樹脂である。 これに対し熱可塑性ポリウレタン系樹脂はすべて2官能性の原料を用いて得られるポリウレタン系樹脂である。
【0021】反応型キャスティング法により得られるウレタン系樹脂は、ポリオール、鎖延長剤等の活性水素化合物とポリイソシアネートを混合した反応性原料混合物を、基材上に流延し硬化することによりフィルムを得るものである。 ポリオールとしては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、等が使用可能であるが、耐久性、価格、強度と耐擦傷性、自己修復性のバランスからポリエステル系のポリオールが好ましい。 その官能基数としては、平均値として1より大きいことが必要であるが、強度、伸度、自己修復性、耐擦傷性のバランスの観点から、2から3であることが好ましい。 また必要に応じて鎖延長剤を使用することが可能でありが、鎖延長剤としては、短鎖ポリオール、短鎖ポリアミン等が使用可能である。 透明性、柔軟性の観点から短鎖ジオールが好ましい。
【0022】ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が使用可能であるが、耐久黄変性の観点から脂肪族あるいは脂環族のジイソシアネートあるいはポリイソシアネートが好ましい。
【0023】これら原料は単独あるいは混合して用いることが可能である。 また、必要に応じて紫外線吸収剤・
酸化防止剤・光安定剤等の安定剤、ウレタン化触媒、伸展剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を添加することも可能である。
【0024】また、これらの原料を溶剤にて希釈、あるいは希釈溶解して用いることも可能であり、場合によっては硬化剤を添加してもよい。 好ましい架橋型ポリウレタン系樹脂は、平均水酸基価100〜500、特に15
0〜400の少くとも一部が3官能以上のポリオールと平均官能基数が2以上の無黄変性ポリイソシアネートを反応させて得られる架橋型ポリウレタン系樹脂である。
ポリオールはトリオールのみ(2以上のトリオール混合物であってもよい)あるいはトリオールとジオールの混合物が好ましく、各々のポリオールの水酸基価は特に限定されないが全ポリオールの平均水酸基価は200〜4
00がより好ましい。 このポリオールは、前記した短鎖ポリオールである鎖延長剤を含んでいてもよく、平均水酸基価はこれを含めて計算した平均水酸基価である。
【0025】無黄変性ポリイソシアネートとしては、脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアネートが好ましく、特に3官能以上のポリイソシアネートあるいはそれとジイソシアネートの混合物が好ましい。 3官能以上のポリイソシアネートとしてはジイソシアネートのヌレート変性体、ビューレット変性体、トリメチロールプロパンなどの3価アルコールで変性したウレタン変性体が好ましい。
【0026】本発明において、軟質樹脂からなるフィルムを基材に積層してなる積層体を得る場合、基材としてはガラス板、石英板等の無機材料、アクリル板、硬質透明ポリ塩化ビニル樹脂板、ポリカーボネートシート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム等の有機材料等、様々な基材を用いることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。 以下、
「部」はすべて「重量部」のことを示す。
【0028】[実施例1] 水酸基価196.4のポリカプロラクトントリオール 49.06部 水酸基価540.3のポリカプロラクトントリオール 39.25部 水酸基価37.6のポリカプロラクトンジオール 9.81部 N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド(バイエル社製プリベントールA3)0.95部 有機変性ポリシロキサン(Byk-chemie社製BYK−30
0)0.58部 光安定剤(MARK LA−7H) 0.38部 紫外線吸収剤(TINUVIN328)0.58部 酸化防止剤(IRGANOX1010)0.38部 を80℃で3時間加熱溶融下に撹拌混合し、真空脱泡して均一なポリオールシステム液を製造した。
【0029】NCO含量21.4%のヌレート変性ヘキサメチレンイソシアネート90.00部 イソホロンジイソシアネート 5.00部 水添MDI 5.00部 ジブチル錫ジラウレート 0.006部 を80℃で3時間加熱下に撹拌混合して均一なイソシアネートシステム液を製造した。 この両システム液を、ポリオール/イソシアネート=100/90.41の重量比で連続的に吐出・撹拌混合しながらダイスを用い、連続的に供給される離型処理及び平滑ポリエチレンテレフタレートフィルム(0.1mm厚)の上に均一に膜厚0.3mmで塗工し流延した。 この液膜は連続重合オーブン中で120℃にて20分加熱され重合を本質的に完結させた後、基材フィルムと共に巻取った。 得られたロール状2層フィルムを繰り出しながら、基材フィルムと製品フィルムを分離し、透明で自己修復性及び耐擦傷性を有する軟質樹脂フィルムを得た。 フィルムの抗菌・防黴性を表1に示す。
【0030】この軟質樹脂フィルムの表面に2〜5ミクロン厚のウレタン系ホットメルト接着剤を形成し、成形品を得た。 この成形品を30cm角の3mm厚フロートガラス上にウレタン系ホットメルト接着剤層側がシート面側となるように載せ、140℃で加熱圧着し、積層して積層体を作成し、透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 各性能を表1に示す。
【0031】[実施例2]実施例1と同様の方法によって、以下の組成となるようにポリオールシステム液、イソシアネートシステム液を製造し、連続的に供給される表面をエンボス加工した後に離型剤処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(0.05mm厚)上で同様な方法で透明で自己修復性及び耐擦傷性を有する反射防止性の軟質樹脂フィルムを得た。 抗菌・防黴性を表1に示す。
【0032】なお、実施例2〜5及び比較例1〜2においては全樹脂に対して0.3重量%の伸展剤(BYK−
300)、0.2重量%の光安定剤(MARKLA−7
H)、0.2重量%の酸化防止剤(IRGANOX10
10)、0.3重量%の紫外線吸収剤(TINUVIN
328)をポリオールシステム液に、また両システム液の合計に対して30ppmのウレタン化触媒(ジブチル錫ジラウレート)をイソシアネートシステム液に配合した。
【0033】水酸基価196.4のポリカプロラクトントリオール 40.66部 水酸基価540.3のポリカプロラクトントリオール 11.62部 水酸基価37.6のポリカプロラクトンジオール 5.81部 90% N,N−ジメチル−N'−フェニル−N'−
(フルオロジクロロメチルチオ)−スルファミド+4%
無機不活性成分(バイエル社製プリベントールA4−
S) 2.21部 NCO含量21.4%のヌレート変性ヘキサメチレンイソシアネート37.73部 イソホロンジイソシアネート 2.10部 水添MDI 2.10部
【0034】この軟質樹脂フィルムの平滑な面にアクリル系粘着剤を溶液状で塗工後乾燥後し成形品を得た。 これを30cm角の5mm厚のポリカーボネートシート上に、粘着剤側がシート面側となるように常温下で圧着し、積層体を作成し、透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 各性能を表1に示す。
【0035】[実施例3]実施例1と同様の方法によって、以下の組成となるようにポリオールシステム液、イソシアネートシステム液を製造し、この両システム液を、連続的に吐出・撹拌混合しながらダイスを用い、連続的に供給されるコロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(0.1mm厚)上に均一に膜厚0.3mmで塗工し流延した。 これを連続重合オーブン中で120℃にて20分加熱され重合を本質的に完結させて透明で自己修復性及び耐擦傷性を有する積層体を得た。 この積層体の透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 また、基材から軟質樹脂フィルムを剥し、抗菌・防黴性を評価した。 各性能を表1に示す。
【0036】水酸基価196.4のポリカプロラクトントリオール 14.14部 水酸基価540.3のポリカプロラクトントリオール 28.28部 水酸基価37.6のポリカプロラクトンジオール 4.71部 N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドとベンズイミダゾリルカルバミン酸エチルエステルの混合物(バイエル社製プリベントールOC3014)2.2
1部 NCO含量21.4%のヌレート変性ヘキサメチレンイソシアネート47.58部 イソホロンジイソシアネート 2.64部 水添MDI 2.64部
【0037】[実施例4]実施例1と同様の方法によって、以下の組成となるようにポリオールシステム液、イソシアネートシステム液を製造し、コロナ放電処理を施した30cm角の5mm厚の硬質ポリ塩化ビニル透明シートを用いて、実施例3と同様な方法で透明で自己修復性及び耐擦傷性を有する積層体を得た。 この積層体の透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 また、基材から軟質樹脂フィルムを剥し、抗菌・防黴性を評価した。
各性能を表1に示す。
【0038】水酸基価196.4のポリカプロラクトントリオール45.14部 1,4−ブタンジオール 9.03部 プリベントールA4−S 2.06部 ベンズイミダゾリルカルバミン酸エチルエステル(バイエル社製プリベントールBCM)0.30部 NCO含量21.4%のヌレート変性ヘキサメチレンイソシアネート25.20部 イソホロンジイソシアネート 20 62部
【0039】[実施例5]実施例1と同様の方法によって、以下の組成となるようにポリオールシステム液、イソシアネートシステム液を製造し、コロナ放電処理を施した30cm角の5mm厚のポリメタクリル酸メチルシートを用いて、実施例3と同様な方法で透明で自己修復性及び耐擦傷性を有する軟質樹脂層を有する外観の良好な積層体を得た。 この積層体の透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 また、基材から軟質樹脂フィルムを剥し、抗菌・防黴性を評価した。 各性能を表1に示す。
【0040】水酸基価196.4のポリカプロラクトントリオール49.91部 1,4−ブタンジオール 5.00部 プリベントールA3 0.52部 プリベントールBCM 0.21部 NCO含量21.4%のヌレート変性ヘキサメチレンイソシアネート40.59部 イソホロンジイソシアネート 4.51部
【0041】[合成例1]水酸基価216のポリカプロラクトンジオール1840.68gを、ジムロート冷却管、窒素導入官、撹拌機を備えた5リットルセパラブルフラスコ中に導入し、80℃で窒素をフローしながら加熱溶融下に撹拌混合した。 ここに349.14gの1,
4−ブタンジオールを添加し撹拌を継続し、系が均一になった後、642.06gのイソホロンジイソシアネートを一度に添加して、激しく撹拌する。 反応の開始に伴い発熱が認められ約30分で120℃まで系内が昇温する。 その後120℃で1時間反応を継続し、100℃まで冷却する。 ここに368.12gのネオペンチルグリコール、533.32gのメチルイソブチルケトン、2
66.68gのキシレンを添加し、系が均一になるまで約15分間撹拌する。 その後室温まで冷却し、無色透明なOH末端プレポリマー溶液を得た。
【0042】[実施例6]合成例1で得られたOH末端プレポリマー溶液と硬化剤(ヒュルス社製IPDI T
−1890L)を、NCO基/OH基=1.05の比率で配合し、これに固形分濃度が65%になる様にシンナー(キシレン/酢酸n−ブチル/酢酸セロソルブ=1/
1/1(wt/wt/wt))を加え、撹拌混合する。
この溶液に対して0.3重量%の伸展剤(BYK−30
0)、0.5重量%のプリベントールA3及び固形分に対して20ppmのウレタン化触媒(ジブチル錫ジウラレート)を添加し、総量が5kgになるようにした。
【0043】これを室温で15分間撹拌し、その後10
分間静置して脱泡した。 これをオーバーフロー型フローコーターへ導入し、30cm角の3mm厚フロートガラス上へ、乾燥膜厚300ミクロンとなるように塗工した。 これを80℃の防爆型熱風循環オーブン中へ収容し、指触乾燥後140℃熱風循環オーブン中にて硬化を完了させ、外観の良好な積層体を得た。 この積層体の透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 また、基材から軟質樹脂フィルムを剥し、抗菌・防黴性を評価した。
各性能を表1に示す。
【0044】[実施例7]分子量約873.3のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール10000gを3
mmHgの減圧下110℃で撹拌し、脱気及び脱水をした。 これに、800gの1,4−ブタンジオール、55
70gの水添MDI及び0.49gのウレタン化触媒(ジブチル錫ジウラレート)を加え、80℃で5分間撹拌混合した。 反応の開始とともに発熱がみられ、均一な液体反応混合物が得られた。 これをフッ素樹脂被覆された乾燥容器に仕込み、反応が本質的に完了するまで15
時間120℃の窒素雰囲気炉中に静置した。 生成した樹脂を粉砕機により粉砕して粒状化した。
【0045】これに固形分濃度が10%になる様にシンナー(キシレン/酢酸n−ブチル/酢酸セロソルブ=1
/1/1(wt/wt/wt))を加え、撹拌混合して溶液を得た。 この溶液に対して0.3重量%の伸展剤(BYK−300)、O. 6%のプリベントールOC3
014及び固形分に対して10重量%の硬化剤(ヌレート変性HDI)を添加した。 これをリバースロールコーターにて100ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルム上へ乾燥膜厚20ミクロンとなるように塗工し、80℃の防爆型熱風循環オーブン中にて硬化を完了させ、外観の良好な積層体を得た。 この積層体の透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 また、基材から軟質樹脂フィルムを剥し、抗菌・防黴性を評価した。 各性能を表1に示す。
【0046】[比較例1]実施例1と同様の方法によって、以下の組成となるようにポリオールシステム液、イソシアネートシステム液を製造し、この両システム液を、ポリオール/イソシアネート=100/90.41
の重量比で連続的に吐出・撹拌混合しながらダイスを用い、連続的に供給される離型処理及び平滑ポリエチレンテレフタレートフィルム(0.1mm厚)上で同様な方法で透明で自己修復性及び耐擦傷性を有する反射防止性の軟質樹脂フィルムを得た。 抗菌・防黴性を表1に示す。
【0047】水酸基価196.4のポリカプロラクトントリオール 49.06部 水酸基価540.3のポリカプロラクトントリオール 39.25部 水酸基価37.6のポリカプロラクトンジオール 9.81部 有機変性ポリシロキサン(Byk-chemie社製BYK−30
0)0.58部 光安定剤(MARK LA−7H) 0.38部 紫外線吸収剤(TINUVIN328)0.58部 酸化防止剤(IRGANOX1010)0.38部
【0048】この軟質樹脂フィルムの表面に2〜5ミクロン厚のウレタン系ホットメルト接着剤を形成し、成形品を得た。 この成形品を30cm角の3mm厚フロートガラス上にウレタン系ホットメルト接着剤層側がシート面側となるように載せ、140℃で加熱圧着し、積層して積層体を作成し、透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 各性能を表1に示す。
【0049】[比較例2]実施例1と同様の方法によって、以下の組成となるようにポリオールシステム液、イソシアネートシステム液を製造し、コロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(0.1mm
厚)を用いて、実施例3と同様な方法で透明で自己修復性及び耐擦傷性を有する軟質樹脂層を有する外観の良好な積層体を得た。 この積層体の透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 また、基材から軟質樹脂フィルムを剥し、抗菌・防黴性を評価した。 各性能を表1に示す。
【0050】水酸基価196.4のポリカプロラクトントリオール 14.14部 水酸基価540.3のポリカプロラクトントリオール 28.28部 水酸基価37.6のポリカプロラクトンジオール 4.71部 NCO含量21.4%のヌレート変性ヘキサメチレンイソシアネート47.58部 イソホロンジイソシアネート 2.64部 水添MDI 2.64部
【0051】[比較例3]合成例1で得られたOH末端プレポリマー溶液と硬化剤(ヒュルス社製IPDI T
−1890L)を、NCO基/OH基=1.05の比率で配合し、これに固形分濃度が65%になるようにシンナー(キシレン/酢酸n−ブチル/酢酸セロソルブ=1
/1/1(wt/wt/wt))を加え、撹拌混合する。 この溶液に対して0.3重量%の伸展剤(BYK−
300)及び固形分に対して20ppmのウレタン化触媒(ジブチル錫ジウラレート)を添加し、総量が5kg
になるようにした。 これを室温で15分間撹拌し、その後10分間静置して脱泡した。
【0052】これをオーバーフロー型フローコーターへ導入し、30cm角の3mm厚フロートガラス上へ、乾燥膜厚300ミクロンとなるように塗工した。 これを8
0℃の防爆型熱風循環オーブン中へ収容し、指触乾燥後140℃熱風循環オーブン中にて硬化を完了させ外観の良好な積層体を得た。 この積層体の透明性、自己修復性、耐擦傷性を評価した。 また、基材から軟質樹脂フィルムを剥し、抗菌・防黴性を評価した。 各性能を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】各性能は次の測定方法によった。 全光線透過率:JIS標準。 自己修復性:HEIDONスクラッチテスターを用い、
23℃、50%相対湿度雰囲気下で、先端径15ミクロンのダイアモンドチップで加傷し、生じた傷が消失しうる最大荷重を測定した。 傷の消失は目視で行った。
【0055】テーバー摩耗:23℃、50%相対湿度雰囲気下で摩耗輪としてCS−10Fを用い500g荷重でのテーバー摩耗試験において100回転前後の軟質樹脂層のヘイズ値の差を測定。 抗菌・防黴性:JIS Z2911に準ずる(供試菌
Aspergillus niger 、Aspergillus terreus 、Penicill
ium citrinum、Chaetomium globosum )。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば本質的に透明性で、自己修復性及び耐擦傷性を有し、かつ、抗菌性、防黴性を有する軟質樹脂からなるフィルムを得ることができる。 また、該フィルムを基材に貼付することにより積層体を得ることができる。 本発明のフィルム、積層体は、高湿な場所や水周り等の水分にさらされる場所で使用することが可能である。
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