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放射性廃棄物処分場用セメント系材料

阅读:2发布:2020-09-04

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放射性廃棄物処分場用セメント系材料において、 ポルトランドセメントと、多孔質かつ非晶質のシリカ粉末とを備え、 セメント系材料全体に対する前記シリカ粉末の量は、質量基準で、35%〜65%の範囲内にあり、 前記シリカ粉末の平均粒径が3μm〜7μmの範囲内にあり、 前記シリカ粉末の粒度分布において、前記シリカ粉末全体に対して、粒径が10μmを超える量が15%以下であり、粒径が1μm未満の量が6%以下である、放射性廃棄物処分場用セメント系材料。前記シリカ粉末は、アルカリ成分を含む酸化物を含有し、 前記シリカ粉末中のアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が、前記シリカ粉末全体に対して質量基準で、4.1%以下である、請求項1に記載の放射性廃棄物処分場用セメント系材料。前記シリカ粉末のシリカ純度が、質量基準で93%以上である、請求項1または2に記載の放射性廃棄物処分場用セメント系材料。前記シリカ粉末は、植物性素材の焼成灰を粉砕したものである、請求項1〜3のいずれかに記載の放射性廃棄物処分場用セメント系材料。前記植物性素材は籾殻である、請求項4に記載の放射性廃棄物処分場用セメント系材料。前記アルカリ成分を含む酸化物は、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれた1または2以上の酸化物である、請求項2に記載の放射性廃棄物処分場用セメント系材料。前記セメント系材料は、放射性廃棄物処分場用グラウト材料である、請求項1〜6のいずれかに記載の放射性廃棄物処分場用セメント系材料。前記ポルトランドセメントおよび前記シリカ粉末を混合したグラウト材料粉末の平均粒径が3μm〜7μmの範囲内にあり、 前記グラウト材料粉末の粒度分布において、前記グラウト材料全体に対して、粒径が10μmを超える量が15%以下であり、粒径が1μm未満の量が6%以下である、請求項7に記載の放射性廃棄物処分場用セメント系材料。

说明书全文

この発明は、放射性廃棄物処分場を構成する構造物の材料となるセメント系材料、および放射性廃棄物処分場の地盤改良のために地盤中に注入されるグラウト材料に関するものである。

高レベル放射性廃棄物は、地下350メートル以上の深地層に構築された放射性廃棄物処分場に埋設され、少なくとも数万年の安全性を担保する必要がある。また、低レベル放射性廃棄物は、地下50〜100mのコンクリートピット等に埋設され、数百年間に亘り管理される。

放射性廃棄物処分場を構築する場合、まず、地下350m以上の深地層の岩盤の亀裂にグラウト材を注入し、止と同時に岩盤を安定させる。次に、安定させた深地層に100kmを超える長さの坑道を掘削し、数メートル間隔で縦坑を掘って高レベル放射性廃棄物を封入したカプセルを縦坑内に埋設する。

坑道の周囲は支保コンクリート等で固められ、カプセルを埋設した縦坑はベントナイトによって封止される。こうして、高レベル放射性廃棄物を封入したカプセルをベントナイト(人工バリア)および岩盤(天然バリア)によって包囲し、地下水が汚染されることを防止している。

グラウトや支保コンクリート等の緻密化のために、原料セメントに混和材としてのシリカ粉末(二酸化ケイ素)を添加することが一般的に行われている。セメント中のシリカは、水和反応で生成される水酸化カルシウムと反応(ポゾラン反応)し、セメント硬化体を緻密化する。

放射性廃棄物処分場用のセメント系材料またはグラウト材料を開示している先行技術文献として、特開2000−65992号公報(特許文献1)、特開2003−290734号公報(特許文献2)、特開2011−59044号公報(特許文献3)、特開2011−196806号公報(特許文献4)および特開2012−224694号公報(特許文献5)がある。

特許文献1(特開2000−65992号公報)に開示されたセメント系材料は、フライアッシュやシリカヒュームなどのシリカ質混和材を含む。特許文献2(特開2003−290734号公報)は、ベントナイト系材料層とセメント系材料層とが接する境界部にシリカ系材料からなる緩衝層を介在させることを教示している。シリカ系材料からなる緩衝層は、シリカヒューム、フライアッシュ、鉄精錬スラグ、非鉄精錬スラグ等から選ばれる粉末を用いて構成されている。

特許文献3(特開2011−59044号公報)は、球状シリカ微粉と消石灰微粉を含有する注入材を開示している。球状シリカは、高温気流中でシリカ質材料を溶融することで得られるシリカの球状体である。特許文献4(特開2011−196806号公報)に開示された注入材も、高温気流中でシリカ質材料を溶融することで得られるシリカの球状体を含む。特許文献5(特開2012−224694号公報)は、Na型ベントナイトを主体とした止水性充填材であって、ベントナイトにポゾラン物質を内割りで30重量%以下混和してなる。ポゾラン物質は、フライアッシュまたはシリカヒュームである。

上記の特許文献に見られるように、従来、放射性廃棄物処分場を構築するセメント系材料やグラウト材に含有するシリカ粉末の原料は、典型的には、フライアッシュ、シリカヒューム等である。フライアッシュは、火発電所で石炭燃焼ガスと共に吹き上げられる球状微粒子であり、シリカヒュームは、電気炉において、金属シリコンやフェロシリコンを精錬する際の排ガスに含まれる球状の微粒子である。

放射性廃棄物処分場とは関連性の無い分野ではあるが、籾殻等の植物性素材の焼成灰をセメント混和材として利用することが試みられている。特許第4524721号公報(特許文献6)は、産業廃棄物である籾殻灰を多量に含有しながら圧縮強度の大きいセメント組成物を開示している。特開平5−194007号公報(特許文献7)は、籾殻を原料とする非晶質シリカ微粉末を混入したコンクリート製品を開示している。

特開2000−65992号公報

特開2003−290734号公報

特開2011−59044号公報

特開2011−196806号公報

特開2012−224694号公報

特許第4524721号公報

特開平5−194007号公報

高レベル放射性廃棄物の地層処分場において、セメントのようなアルカリ材料はベントナイトバリアの機能損失や、岩盤の変質を起こすことが懸念されている。そのため、放射性廃棄物処分場の構成材料の要求特性として、pH11未満の低アルカリ性が求められている。

低アルカリ性の確保は活性の高いシリカ質材料と、セメントの水和で生成する水酸化カルシウムとを反応させることが有効であり、従来の放射性廃棄物処分場用のセメント系材料やグラウト材料には、ポゾラン物質であるシリカヒュームやフライアッシュなどが利用されている。しかしながら、シリカヒュームやフライアッシュを含む材料は、pHが低下するまでに時間を要し、初期強度発現性に劣ることが課題である。

籾殻等の植物性素材の焼成灰から特定のプロセスを経て抽出したシリカ粉末は、多孔質で、かつ非晶質(アモルファス)構造であるため、水酸化カルシウムとの反応性も良く、高い反応活性を有する。ゆえに、ポゾラン反応の進行には、非晶質で多孔質構造を有する植物性素材由来のシリカ粉末がより適していると考えられる。

本願発明者らは、放射性廃棄物処分場のセメント系材料やグラウト材料に含まれるシリカとして、植物性素材由来のシリカ粉末が適するものかどうかについて、検討を行った。

本願発明の目的は、硬化後早期にpHが低下し、初期強度特性に優れた放射性廃棄物処分場用セメント系材料を提供することである。

本願発明の他の目的は、硬化後早期にpHが低下し、初期強度特性に優れ、なおかつ微小な地盤の粒子間隙、岩盤の亀裂に浸透注入することができる放射性廃棄物処分場用グラウト材料を提供することである。

本発明に従った放射性廃棄物処分場用セメント系材料は、ベースセメントと、多孔質かつ非晶質のシリカ粉末とを備える。セメント系材料全体に対するシリカ粉末の量は、質量基準で、35%〜65%の範囲内にある。

好ましくは、シリカ粉末は、アルカリ成分を含む酸化物を含有し、このアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は、シリカ粉末全体に対して質量基準で、4.1%以下である。好ましくは、この合計含有量は3.0%以下、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.6%以下である。

好ましくは、シリカ粉末のシリカ純度は、質量基準で93%以上である。

シリカ粉末中のアルカリ成分の合計含有量をより少なくするために、シリカ粉末は、好ましくは、植物性素材を酸溶液中または温水中に浸漬してアルカリ成分の量を減少させ、その後に焼成して得られる灰である。植物性素材は、籾殻、稲わら、米ぬか、麦わら、樹皮、バガス、トウモロコシ、サトウキビ、サツマイモ、大豆、落花生、キャッサバ、ユーカリ、シダ、パイナップル等から選ばれるが、好ましくは籾殻である。

アルカリ成分を含む酸化物は、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれた1または2以上の酸化物である。

好ましくは、シリカ粉末の平均粒径が3μm〜7μmの範囲内にある。また、シリカ粉末の粒度分布において、シリカ粉末全体に対して、粒径が10μmを超える量が15%以下であり、粒径が1μm未満の量が6%以下である。このようなシリカ粉末の平均粒径及び粒度分布となっているセメント系材料は、放射性廃棄物処分場のグラウト材料に適している。

グラウト材料の場合、ベースセメントの粉末についても同様に、好ましくは、その平均粒径が3μm〜7μmの範囲内にあり、その粒度分布において、ベースセメント全体に対して、粒径が10μmを超える量が15%以下であり、粒径が1μm未満の量が6%以下である。

本発明に従った放射性廃棄物処分場用セメント系材料によれば、硬化後早期にpHが低下し、初期強度発現性に優れたものとなる。

本発明に従った放射性廃棄物処分場用グラウト材料によれば、硬化後早期にpHが低下し、初期強度発現性に優れると共に、地盤の微小粒子間隙や岩盤の亀裂への浸透注入性に優れたものとなる。

籾殻焼成灰からなるシリカ粉末中のアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量と、このシリカ粉末を含むセメント系材料の硬化体の材齢14日後のpHとの関係を示す図である。

**[本発明のセメント系材料の特徴]** 本発明の放射性廃棄物処分場用セメント系材料は、以下の特徴を有する。

a)ベースセメントと、多孔質かつ非晶質のシリカ粉末とを備えること。

b)セメント系材料全体に対するシリカ粉末の量は、質量基準で、35%〜65%の範囲内にあること。

上記の特徴を備えることにより、セメント系材料の硬化後に早期にpHが低下し、初期強度発現性に優れるという効果が奏される。この点については、後に、各種実験結果を通して詳述する。

**[本発明のグラウト材料の特徴]** 本発明の放射性廃棄物処分場用グラウト材料は、上記のa)及びb)の特徴に加えて、下記のc)およびd)の特徴を有し、より好ましくは、さらに下記のe)およびf)の特徴を有する。

c)シリカ粉末の平均粒径が3μm〜7μmの範囲内にあること。

d)シリカ粉末の粒度分布において、シリカ粉末全体に対して、粒径が10μmを超える量が15%以下であり、粒径が1μm未満の量が6%以下であること。

e)ベースセメントおよびシリカ粉末を混合したグラウト材料粉末の平均粒径が3μm〜7μmの範囲内にあること。

f)グラウト材料粉末の粒度分布において、グラウト材料全体に対して、粒径が10μmを超える量が15%以下であり、粒径が1μm未満の量が6%以下であること。

上記の特徴を備えることにより、グラウト材料の硬化後に早期にpHが低下し、初期強度発現性に優れるという効果が奏されると共に、地盤の微小粒子間隙や岩盤の亀裂への浸透注入性に優れるという効果も奏される。この点については、後に、各種実験結果を通して詳述する。

なお、上記の特徴c)、d)e)およびf)は、特にグラウト材料に適したものであるが、セメント系材料が上記の特徴を備えるものであってもよい。

**[準備したベースセメントの種類]** 本願発明者らは、各種の実験をするにあたり、表1に示す4種のベースセメントを準備した。種別記号C1のベースセメントは、ポルトランドセメントクリンカーと石膏とを含むものである。種別記号C2,C3,C4のベースセメントは、ポルトランドセメントクリンカーと、高炉スラグと、石膏とを含むものである。4種のベースセメントの粒径分布は、若干異なっている。ポルトランドセメントクリンカーは、日鉄住金セメント社製の中庸熱クリンカーである。高炉スラグは、日鉄住金セメント社製の高炉スラグ微粉末である。石膏は、タイ無水石膏である。

**[準備したシリカ粉末の種類]** 本願発明者らは、表2に示すシリカ粉末を準備した。準備したシリカ粉末の種類は、大きく分けて、植物性廃棄物の代表としての籾殻を焼成した灰(種別記号:HS1,HS2,HS3,LS1,LS2,SS)と、フライアッシュ(種別記号:FA)と、シリカヒューム(種別記号:SiF)と、砂(種別記号:QS)である。

種別記号HS1,HS2,HS3は、いずれも、籾殻を5%濃度のクエン酸中に浸漬してアルカリ成分等の不純物を減少させた後に、大気中で300℃以上1100℃以下の温度で焼成したクエン酸処理籾殻焼成灰である。酸溶液としては、クエン酸に限定されず、籾殻等の植物性素材中のアルカリ成分を減少させるものであれば使用可能である。酸濃度を変えたり、浸漬時間を変えたり、酸溶液の温度を変えたりすることにより、アルカリ成分除去量を制御することができる。種別記号HS1,HS2,HS3で表したクエン酸処理籾殻焼成灰は、いずれも、多孔質かつ非晶質であり、SiO2純度が95.4%であり、アルカリ成分を含む酸化物(酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム)の合計含有量(Na2O+K2O+CaO+MgO)が0.8%である。

3種類のクエン酸処理籾殻焼成灰HS1,HS2,HS3は、それぞれ、焼成後に粉砕して分級し、所定の粒度分布になるようにした。測定した粒径は、平均粒径、並びに粒度分布において粒径が10μmを超える量、および粒径が1μm未満の量である。粒度分布は、レーザ回折式粒度分布測定機(日機装製MT−3000II)により測定した。

種別記号LS1、LS2は、籾殻を、酸溶液中に浸漬することなく、大気中で300℃以上1100℃以下の温度で焼成した酸処理なし籾殻焼成灰であり、多孔質かつ非晶質である。酸処理をしていないため、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が2.4%及び4.1%とやや高めになっている。また、SiO2純度は93.8%及び93.7%であり、クエン酸処理したものと比較すると、純度が低くなっている。焼成後に粉砕して分級し、所定の粒度分布になるようにしている。

種別記号SSは、籾殻焼成灰を粉砕後に、1700℃以上の温度の火炎中で溶融球状化処理した火炎球状化処理籾殻焼成灰である、火炎球状化処理をしているため、シリカ粉末は、非晶質であるが、非多孔質である。アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は1.6%である。球状化処理後に分級して、所定の粒度分布になるようにしている。

種別記号FAはフライアッシュ(JIS II種灰、北電興業社製)であり、非多孔質で非晶質である。シリカ純度は64.1%と低く、また、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は4.1%であり、籾殻焼成灰に比べて高い値となっている。また、平均粒径が8.5μmであり、籾殻焼成灰に比べて高い値となっている。

種別記号SiFはシリカヒューム(SF−AN、巴工業社製)であり、非多孔質で非晶質である。アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は0.1%であり、籾殻焼成灰に比べて、非常に小さい値となっている。平均粒径が1.8μmであり、籾殻焼成灰HS1,HS2に比べて小さい値となっている。

種別記号QSは硅砂(東北硅砂9号)を粉砕・分級した粉体であり、非多孔質かつ結晶質である。また、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は3.7%であり、籾殻焼成灰に比べて高い値となっている。

表2において、薄墨を施した部分の数値は好ましい範囲又は条件から外れるものである。同様に、以下に記載する表3〜表11においても、好ましい範囲又は条件から外れる数値等に薄墨を施している。

**[クエン酸処理籾殻焼成灰の含有量の変化と特性との関係]** 種別HS1のクエン酸処理籾殻焼成灰に関して、セメント系材料全体に対するシリカ粉末の含有量(シリカ置換率)を0%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%に変えて、セメント系材料またはグラウト材料の硬化状況、pHおよび浸透性を調べた。その結果を表3に示す。

pHの測定は、以下のようにして行った。水セメント比100%、分散剤(日鉄住金セメント社製ML−3000)添加量1%の懸濁液を作製し、懸濁液が分離しないよう振とうさせながら20℃の試験室で24時間養生した後、50℃水中で14日間養生した。次に、養生後の硬化体を粉砕し、固液比1:5のイオン交換水内で72時間振とう後、pHを測定した。

浸透性の試験は、以下のようにして行った。セメントおよびシリカ質材料からなる混合セメントの質量に対して2%の分散剤(日鉄住金セメント社製ML−3000)を含む水溶液に混合セメントを投入し、6000rpmで3分間撹拌混合し、水セメント比400%の懸濁液を作製した。次に、直径55mmのアクリルパイプを加工して作成した試験装置に間隙率が45%になるように豊浦硅砂(山口県豊浦産)を計量し、アクリルパイプに投入して15cmの飽和砂層を作成した。上部より、作製した懸濁液を500ml投入し、同時に下部コックを開放して懸濁液を浸透させ、懸濁液が浸透した砂層の長さを測定した。

使用したクエン酸処理籾殻焼成灰HS1のアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は0.8%であり、平均粒径が4.3μm、粒度分布において粒径が10μmを超える量が1.3%、粒径が1μm未満の量が0.2%である。

表3の結果から、以下の点を読み取ることができる。

a)シリカ置換率(シリカの含有量)が70%以上になるとセメント系材料またはグラウト材料は硬化しないこと。

b)シリカ置換率が30%以下になると、pHの値が11を超えること。

c)シリカ置換率が40%〜60%であれば、pHの値が10.3〜10.5になっていること。

d)シリカ置換率が60%以上になると浸透性が劣るようになること。

上記の点から、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が0.8%である籾殻焼成灰を用いて低アルカリ(pH11未満)のセメント系材料を得るには、シリカ置換率を35%〜65%にすることが必要と思われる。

また、適正な粒度分布となるように調整したクエン酸処理籾殻焼成灰HS1であっても、シリカ置換率が60%以上になると浸透性が劣るようになるので、低アルカリ性(pH11未満)で浸透性の良いグラウト材料を得るには、シリカ置換率を35%〜55%にすることが好ましい。

**[酸処理なし籾殻焼成灰の含有量の変化と特性との関係]** 種別LS1の酸処理なし籾殻焼成灰に関して、セメント系材料全体に対するシリカ粉末の含有量(シリカ置換率)を0%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%に変えて、セメント系材料またはグラウト材料の硬化状況、pHおよび浸透性を調べた。その結果を表4に示す。

使用した酸処理なし籾殻焼成灰LS1のアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は2.4%であり、平均粒径が4.3μm、粒度分布において粒径が10μmを超える量が1.8%、粒径が1μm未満の量が0.2%である。

表4の結果から、以下の点を読み取ることができる。

a)ベースセメントがC4の場合、シリカ置換率(シリカの含有量)がどの範囲であっても、pHの値が11以上になること。

b)しかしながら、ベースセメントがC4の場合、シリカ置換率が40%以上であれば、pHの値を11.3以下にできること。

c)ベースセメントがC1の場合、シリカ置換率が50%以上であれば、pHの値を11以下にできること。

d)シリカ置換率が60%以上になると浸透性が劣るようになること。

上記の点から、ベースセメントがC4の場合、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が2.4%である酸処理なし籾殻焼成灰を用いたセメント系材料では、シリカ置換率が30%以下であれば低アルカリ性にすることは困難であるが、シリカ置換率が40%以上であればpH11.3以下の低アルカリ性にすることが可能と思われる。ベースセメントがC1の場合、シリカ置換率が50%以上であれば、pH11以下の低アルカリ性にすることが可能と思われる。

**[火炎球状化処理籾殻焼成灰の含有量の変化と特性との関係]** 種別SSの火炎球状化処理籾殻焼成灰に関して、セメント系材料全体に対するシリカ粉末の含有量(シリカ置換率)を0%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%に変えて、セメント系材料またはグラウト材料の硬化状況、pHおよび浸透性を調べた。その結果を表5に示す。

使用した火炎球状化処理籾殻焼成灰SSのアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は1.6%であり、平均粒径が4.1μm、粒度分布において粒径が10μmを超える量が1.0%、粒径が1μm未満の量が0%である。

表5の結果から、以下の点を読み取ることができる。

a)シリカ置換率(シリカの含有量)がどの範囲であっても、pHの値が11を超えること。

b)酸処理なし籾殻焼成灰LS(アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が2.4%)よりも、pHの値が大きくなっていること。

c)粒度分布において粒径10μmを超える量が1%、粒径1μm未満量が0%であり、シリカ粒子の形状が球形であれば、シリカ置換率が60%でも良好な浸透性を呈すること。

上記の点から、pHの低下に寄与するファクターとして、シリカ粉末中のアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量に加えて、多孔質であることも必要と思われる。

**[シリカヒュームの含有量の変化と特性との関係]** 種別SiFのシリカヒュームに関して、セメント系材料全体に対するシリカ粉末の含有量(シリカ置換率)を0%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%に変えて、セメント系材料またはグラウト材料の硬化状況、pHおよび浸透性を調べた。その結果を表6に示す。

使用したシリカヒュームSiFのアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は0.1%であり、平均粒径が1.8μm、粒度分布において粒径が10μmを超える量が0%、粒径が1μm未満の量が12.3%である。

表6の結果から、以下の点を読み取ることができる。

a)シリカ置換率(シリカの含有量)がどの範囲であっても、pHの値が11を超えること。

b)シリカ置換率が20%以上になると、浸透性が劣るようになること。

上記の点から、シリカヒュームを用いた場合には、pHの低下が困難と思われる。その原因は、シリカヒュームはSiO2純度が高く、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が非常に少ないにも拘わらず、多孔質ではないため、水酸化カルシウムとの反応性があまり良くないためと思われる。係る観点から見ても、多孔質のシリカ粉末を用いることが、セメント系材料またはグラウト材料の硬化後の早期のpH低下に必要と思われる。

また、シリカヒュームを用いた場合に浸透性が劣るようになるのは、1μm未満の粒子量が12.3%と多すぎるために、分散が不十分で懸濁液の移動途中に超微細粒子の凝集が生じるためと思われる。

**[フライアッシュの含有量の変化と特性との関係]** 種別FAのフライアッシュに関して、セメント系材料全体に対するシリカ粉末の含有量(シリカ置換率)を0%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%に変えて、セメント系材料またはグラウト材料の硬化状況、pHおよび浸透性を調べた。その結果を表7に示す。

使用したフライアッシュFAのアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は4.1%であり、平均粒径が8.5μm、粒度分布において粒径が10μmを超える量が44.1%、粒径が1μm未満の量が2.1%である。

表7の結果から、以下の点を読み取ることができる。

a)シリカ置換率(シリカの含有量)がどの範囲であっても、pHの値が12を超えること。

b)シリカ置換率が20%以上になると、浸透性が劣るようになること。

上記の点から、フライアッシュの場合、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が4.1%と高く、SiO2純度が低く、それに加えて多孔質ではないことが原因で、pHの値が高くなっていると思われる。

また、フライアッシュを用いた場合に浸透性が劣るようになるのは、平均粒径が8.5μmと大きく、また粒度分布において粒径が10μmを超える量が44.1%と多いためと思われる。

**[ベースセメントの種別を変えた場合の特性の変化]** クエン酸処理籾殻焼成灰HS1(アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が0.8%、平均粒径が4.3μm、粒度分布において10μmを超える量が1.3%、1μm未満の量が0.2%)を用い、ベースセメントの種別を変えて、硬化状況、pH、浸透性を調べた。シリカ置換率は、いずれも、50%とした。その結果を表8に示す

表8の結果からわかるように、ベースセメントの種別を変えても、硬化状況、pH、浸透性はほとんど変化しなかった。

**[シリカ粉末の粒径と特性との関係]** クエン酸処理籾殻焼成灰HS1,HS2,HS3(アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量は0.8%)を用い、粒径分布の相違によって、硬化状況、pH、浸透性がどのように変化するのかを調査した。

HS1の平均粒径は4.3μm、粒度分布において10μmを超える量は1.3%、1μm未満の量は0.2%である。

HS2の平均粒径は6.3μm、10μmを超える量は19.7%、1μm未満の量は0%である。

HS3の平均粒径は2.2μm、10μmを超える量は0%、1μm未満の量は8.6%である。

結果を表9に示す。

表9の結果から、以下の点を読み取ることができる。

a)平均粒径が最も大きく、かつ粒度分布において10μmを超える量が最も多いHS2のみが、pHの値が11を超えていること。

b)浸透性が良好なのは、HS1のみであり、HS2およびHS3の浸透性は劣ること。

上記の点から、平均粒径が大きすぎたり、大きな粒径のものが多く含まれていると、比表面積が小さくなり、その結果、反応性が劣って、pHの低下促進機能が劣るようになると思われる。

また、平均粒径が大きすぎたり、大きな粒径のものが多く含まれていると、浸透性が劣り、また、平均粒径が小さすぎたりすると、超微細粒子の凝集が起こり、浸透性が劣るようになると思われる。

表9の結果および既述の表の結果から、良好な浸透性を得るための好ましい平均粒径、粒度分布を検討する。

まず、シリカ粉末の平均粒径に注目すると、浸透性が劣るのは、平均粒径8.5μmのフライアッシュ、平均粒径2.2μmのクエン酸処理籾殻焼成灰HS3、平均粒径1.8μmのシリカヒュームである。クエン酸処理籾殻焼成灰HS2の平均粒径が6.3μmであるが、浸透性が劣る原因は、粒度分布において10μmを超える量が19.7%であったためと思われる。このような観点から、好ましい平均粒径の範囲は3μm〜7μmであり、より好ましくは3.5μm〜6.5μmである。

粒度分布において粒径10μmを超える量が19.7%のクエン酸処理籾殻焼成灰HS2の浸透性が劣る。したがって、粒径10μmを超える量を15%以下にすることが必要と思われる。より好ましくは、10%以下である。

粒度分布において粒径1μm未満の量が8.6%であるクエン酸処理籾殻焼成灰HS3の浸透性が劣る。したがって、粒径1μm未満の量を6%以下にすることが必要と思われる。より好ましくは、2%以下である。

**[グラウト材料粉末の好ましい粒径および粒度分布]** 表1に示すように、各種実験をするに際して使用したベースセメントの粒径および粒度分布は、以下の通りであった。

平均粒径:4.2μm〜4.3μm 粒度分布において粒径が10μmを超える量:1.5%〜3.5% 粒度分布において粒径が1μm未満の量:0.2%〜0.6% ベースセメントが上記の粒径および粒度分布を有しているのであれば、浸透性の点で全く問題がないと思われる。グラウト材料として使用される場合を意図するのであれば、ベースセメントおよびシリカ粉末を混合したグラウト材料粉末の粒径および粒度分布は、シリカ粉末と同様に以下の条件を満たすようにするのが望ましい。

平均粒径:3μm〜7μm 粒度分布において粒径が10μmを超える量:15%以下 粒度分布において粒径が1μm未満の量:6%以下 **[クエン酸処理籾殻焼成灰と硅砂との比較]** クエン酸処理籾殻焼成灰HS1を用いたセメント系材料と硅砂QSを用いたセメント系材料とを、硬化状況、pH、浸透性において比較した。シリカ置換率は50%とした。その結果を表10に示す。

クエン酸処理籾殻焼成灰HS1は、硬化状況、pH、浸透性の全ての項目において良好な結果を示した。硅砂QSは、硬化状況、浸透性の項目では良好な結果を示したが、pHの値が12を超えている。この理由は、硅砂が非多孔質かつ結晶質であること、およびアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が3.7%と高いことが原因と考えられる。

硅砂QSの浸透性が良好なのは、平均粒径が4.1μm、粒度分布において10μmを超える量が1.7%、1μm未満の量が0%と、適正な粒度分布をしているからと思われる。

**[シリカ粉末の種別と圧縮強度との関係]** シリカ粉末の種別を変えて、材齢3日、7日、14日の圧縮強度を調査した。使用したシリカ粉末はクエン酸処理籾殻焼成灰HS1、シリカヒュームSiF、フライアッシュである。シリカ置換率は50%とした。

圧縮強度の測定は、以下のようにして行った。水セメント比65%、セメント:砂比が1:2のモルタルを4×4×16cmの型枠に成形し、20℃、90%相対湿度の条件で24時間養生した後、脱型し、所定の材齢まで20℃水中で養生し、JIS R 5201に準じて圧縮強度を測定した。

結果を表11に示す。

材齢3日の初期強度は、シリカヒュームSiFおよびフライアッシュFAに比べて、クエン酸処理籾殻焼成灰HS1を用いたものが際立って大きい。その差は、材齢7日になるとやや狭まるが、依然として、クエン酸処理籾殻焼成灰HS1を用いたものの方が高強度となっている。材齢14日以降になると、それらの差はほとんどなくなる。

この結果から、シリカヒュームやフライアッシュを含む材料は初期強度特性に劣ることが認められる。クエン酸処理籾殻焼成灰を用いた材料は、初期強度特性に優れることも認められる。

**[シリカ粉末中のアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量の適正値]** 籾殻焼成灰中のアルカリ成分を含む酸化物の合計含有量と材齢14日のpH値との関係を調査した。その結果を図1に示す。

ベースセメントがC4の場合、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が0.77%、2.35%、3.40%、4.14%のとき、それぞれ、pHの値は10.5、11.2、11.4、11.7となっている。ベースセメントがC1の場合、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量が0.77%、2.35%、4.14%のとき、それぞれ、pHの値は10.7、10.8、11.0となっている。この図から、材齢14日のpHの値を11未満にするには、アルカリ成分を含む酸化物の合計含有量を4.1%以下にするのが望ましいと認められる。より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.6%以下である。

以上、この発明を実施形態に基づいて説明したが、この発明は実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の発明と同一の範囲または均等の範囲内で種々の修正や変更が可能である。

この発明は、放射性廃棄物処分場用のセメント系材料およびグラウト材料として、有利に利用され得る。

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