Carbon electrode material assembly

阅读:17发布:2021-07-16

专利汇可以提供Carbon electrode material assembly专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a carbon electrode material assembly capable of suppressing electroconductivity drop through a long time service by improving both the characteristics of carbonaceous fibers and the physical properties of non-woven fablic, reducing the cell resistance of a redox flow battery, and enhancing the energy efficiency.
SOLUTION: The carbon electrode material assembly used in a redox flow battery using aqueous solution electrolytic solution consists of a non-woven fablic of carbonaceous fibers, wherein the fiber has a pseudo-graphite crystal structure in which the half-value, half width of the peak at 1360 cm-1 determined by the laser Raman spectrography ranges 30-60 cm-1 while the half-value half width of the peak at 1580 cm-1 ranges 30-45 cm-1 and also the ratio R of the peak intensity between the two (=Ia/Ig) ranges 0.7-1.0. Therein the amount of surface acid functional radicals determined through XPS surface analysis is 0.2-1.2% of the total number of surface carbon atoms, and the non-woven fablic has a compression ratio of 10-25% and a modulus of compression elasticity of 80% or more.
COPYRIGHT: (C)2001,JPO,下面是Carbon electrode material assembly专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 水溶液系電解液によるレドックスフロー電池に使用され、炭素質繊維の不織布よりなる炭素電極材集合体において、 前記炭素質繊維は、レーザーラマン分光法により求めた1360cm -1のピークの半値半幅が30〜60cm -1
    で、1580cm -1のピークの半値半幅が30〜45c
    -1で、1360cm -1のピーク強度Iaと1580c
    -1のピーク強度Igとの比R(=Ia/Ig)が0.
    7〜1.0である擬黒鉛結晶構造を有し、XPS表面分析より求めた表面酸性官能基量が全表面炭素原子数の0.2〜1.2%であると共に、 前記不織布は、JIS L1096(1990)に準ずる圧縮率が10〜25%、圧縮弾性率が80%以上であることを特徴とする炭素電極材集合体。
  • 【請求項2】 バナジウム系レドックスフロー電池に用いられる請求項1記載の炭素電極材集合体。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、溶液系電解液によるレドックスフロー電池に使用され、炭素質繊維の不織布よりなる炭素電極材集合体に関するものであり、特に、バナジウム系レドックスフロー電池に有用である。

    【0002】

    【従来の技術】従来より、電極は電池の性能を左右するものとして重点的に開発されている。 電極には、それ自体が活物質とならず、活物質の電気化学的反応を促進させる反応場として働くタイプのものがあり、このタイプには導電性や耐薬品性などから炭素材料がよく用いられる。 特に電貯蔵用に開発が盛んなレドックスフロー電池の電極には、耐薬品性があり、導電性を有し、かつ通液性のある炭素質繊維の不織布等が用いられている。

    【0003】レドックスフロー電池は、正極に鉄の塩酸水溶液、負極にクロムの塩酸水溶液を用いたタイプから、起電力の高いバナジウムの硫酸水溶液を両極に用いるタイプに替わり、高エネルギー密度化されたが、最近さらに活物質濃度を高める開発が進み、一段と高エネルギー密度化が進んでいる。

    【0004】レドックスフロー型電池の主な構成は、図1に示すように電解液を貯える外部タンク6,7と電解槽ECからなり、ポンプ8,9にて活物質を含む電解液を外部タンク6,7から電解槽ECに送りながら、電解槽ECに組み込まれた電極上で電気化学的なエネルギー変換、すなわち充放電が行われる。

    【0005】一般に、充放電の際には、電解液を外部タンクと電解槽との間で循環させるため、電解槽は図1に示すような液流通型構造をとる。 該液流通型電解槽を単セルと称し、これを最小単位として単独もしくは多段積層して用いられる。 液流通型電解槽における電気化学反応は、電極表面で起こる不均一相反応であるため、一般的には二次元的な電解反応場を伴うことになる。 電解反応場が二次元的であると、電解槽の単位体積当たりの反応量が小さいという難点がある。

    【0006】そこで、単位面積当りの反応量、すなわち電流密度を増すために電気化学反応場の三次元化が行われるようになった。 図2は、三次元電極を有する液流通型電解槽の分解斜視図である。 該電解槽では、相対する二枚の集電板1,1間にイオン交換膜3が配設され、イオン交換膜3の両側にスペーサ2によって集電板1,1
    の内面に沿った電解液の流路4a,4bが形成されている。 該流通路4a,4bの少なくとも一方には炭素質繊維の不織布等よりなる電極材5が配設されており、このようにして三次元電極が構成されている。 なお、集電板1には、電解液の液流入口10と液流出口11とが設けられている。

    【0007】正極電解液にオキシ硫酸バナジウム、負極電解液に硫酸バナジウムの各々硫酸酸性水溶液を用いたレドックスフロー型電池の場合、放電時には、V 2+を含む電解液が負極側の液流路4aに供給され、正極側の流路4bにはV 5+ (実際には酸素を含むイオン)を含む電解液が供給される。 負極側の流路4aでは、三次元電極5内でV 2+が電子を放出しV 3+酸化される。 放出された電子は外部回路を通って正極側の三次元電極内でV 5+
    をV 4+ (実際には酸素を含むイオン)に還元する。 この酸化還元反応に伴って負極電解液中のSO 4 2-が不足し、正極電解液ではSO 4 2-が過剰になるため、イオン交換膜3を通ってSO 4 2-が正極側から負極側に移動し電荷バランスが保たれる。 あるいは、H +がイオン交換膜を通って負極側から正極側へ移動することによっても電荷バランスを保つことができる。 充電時には放電と逆の反応が進行する。

    【0008】バナジウム系レドックスフロー電池用電極材の特性としては、特に以下に示す性能が要求される。

    【0009】1)目的とする反応以外の副反応を起こさないこと(反応選択性が高いこと)、具体的には電流効率(η I )が高いこと。 2)電極反応活性が高いこと、具体的にはセル抵抗(R)
    が小さいこと。 すなわち電圧効率(η V )が高いこと。 3)上記1)、2)に関連する電池エネルギー効率(η E )が高いこと。 η E =η I ×η V 4)くりかえし使用に対する劣化が小さいこと(高寿命)、具体的には電池エネルギー効率(η E )の低下量が小さいこと。

    【0010】例えば、特開昭60−232669号公報には、X線広解析より求めた<002>面間隔が、平均3.70Å以下であり、またc軸方向の結晶子の大きさが平均9.0Å以上の擬黒鉛微結晶を有し、かつ全酸性官能基量が少なくとも0.01meq/gである炭素質材料をレドックスフロー電池の電解槽用電極材として用いることが提案されている。

    【0011】また、特開平5−234612号公報には、ポリアクリロニトリル系繊維を原料とする炭素質繊維で、X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.
    50〜3.60Åの擬黒鉛結晶構造を有し、炭素質材料表面の結合酸素原子数が炭素原子数の10〜25%となるような炭素質材料をレドックスフロー電池の電解槽用電極材として用いることが提案されている。

    【0012】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭60−232669号公報、特開平5−234612号公報では、炭素質材料表面と電解液との間に有効な濡れ性を発現させるために、全酸性官能基量が0.01me
    q/g以上か、あるいは炭素質材料表面の結合酸素原子数が炭素原子数の10%以上必要であったので、炭素質繊維の比抵抗が高く、その結果セル抵抗が高くなり、高いエネルギー効率を得られないことが問題であった。 また長期間電解槽の電極として使用すると炭素構造が変化し、炭素質繊維の比抵抗が徐々に増加し、その結果セル抵抗が増加し、エネルギー効率の変化(低下率)が大きくなることが判明した。

    【0013】一方、炭素質材料表面と集電板との接触抵抗は、炭素質材料で構成される不織布(集合体)の物性によっても変化するため、炭素質材料の特性の改善だけでは、接触抵抗を十分小さくするのが容易ではなかった。 また、当該不織布の物性は炭素質材料の製法や物性、及び不織布の製法等により変化するため、炭素質材料の物性等に応じて不織布の製法を最適化する必要があった。

    【0014】そこで、本発明の目的は、かかる事情に鑑み、炭素質繊維の特性と不織布の物性を共に改善することで、長期間使用による導電性の低下を抑制し、かつレドックスフロー電池のセル抵抗を低減してエネルギー効率を高く維持することができる炭素電極材集合体を提供することにある。

    【0015】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、炭素電極材の表面酸性官能基量を従来より低く抑えつつ、レーザーラマン分光法による3次元結合と2次元結合(黒鉛相)とに由来するピークの強度比や、各ピークの半値半幅の大きさを特定の範囲に制御した炭素質繊維にて不織布を構成し、
    その圧縮率と圧縮弾性率とを特定の範囲とすることで、
    上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

    【0016】即ち、本発明の炭素電極材集合体は、水溶液系電解液によるレドックスフロー電池に使用され、炭素質繊維の不織布よりなる炭素電極材集合体において、
    前記炭素質繊維は、レーザーラマン分光法により求めた1360cm -1のピークの半値半幅が30〜60cm -1
    で、1580cm -1のピークの半値半幅が30〜45c
    -1で、1360cm -1のピーク強度Iaと1580c
    -1のピーク強度Igとの比R(=Ia/Ig)が0.
    7〜1.0である擬黒鉛結晶構造を有し、XPS表面分析より求めた表面酸性官能基量が全表面炭素原子数の0.2〜1.2%であると共に、前記不織布は、JIS
    L1096(1990)に準ずる圧縮率が10〜25
    %、圧縮弾性率が80%以上であることを特徴とする。

    【0017】本発明における炭素質繊維によると、実施例の結果が示すように、炭素電極材自体の導電性を高め、かつ長期間使用による導電性の低下を抑制して、電池のエネルギー効率を高く維持することができる。 レーザーラマン分光法による上記パラメータ値によって、炭素電極材の導電性の経時安定性が変化する理由の詳細は明らかでないが、上記パラメータ値に黒鉛化の程度、及び結晶表面に結晶面の端(エッジ)が出ている確率が反映されており、それらが適当な場合に、導電性の低下を抑制できるためと推定される。 なお、表面酸性官能基量が上記の要件を満たすことにより、電極材表面の接触抵抗を低く抑えながら、水溶液系電解液との濡れ性を適度に付与することができる。 更に、不織布の圧縮率と圧縮弾性率を上記範囲にすることで、集電板との接触性を良好にして、接触抵抗を小さくすることができる。 その結果、レドックスフロー電池のセル抵抗を低減してエネルギー効率を高めることができる。

    【0018】また、本発明の炭素電極材集合体は、バナジウム系レドックスフロー電池に用いられることが好ましい。 バナジウム系のレドックスフロー電池では、上記の電解液との濡れ性が比較的良好になるため、上記の如き作用効果がより顕著になる。 また、当該電池では電極材を構成する繊維間や集電板に対する電極材表面の接触抵抗が特に問題になり易いため、上記作用効果を有する本発明の炭素電極材集合体が特に有用なものとなる。

    【0019】

    【発明の実施の形態】本発明の炭素電極材集合体は炭素質繊維からなり、取扱いや加工性、製造性等の点から炭素質繊維の不織布が使用される。 当該不織布は、焼成(炭化)前の不融化あるいは耐炎化された短繊維を開繊し、カードにかけ、幾層かに重ねられたレイヤーからなるウェブをまず作成し、さらにニードルパンチ加工機にかけることで、好適に作製される。

    【0020】不織布の目付量は、隔膜と集電板に挟まれた充填状態の厚みを2〜3mmで使用する場合、100
    〜1000g/m 2が好ましく、特に200〜600g
    /m 2が望ましい。 また片面に凹溝加工が施された不織布が通液性の点から好んで用いられる。 その場合の溝幅、溝深さは少なくとも0.3mm、特に0.5mm以上が望ましい。 該炭素質繊維不織布の厚みは、上記充填状態の厚みより少なくとも大きいこと、好ましくは充填状態の厚みの1.5倍程度である。 しかしながら、厚みが厚すぎると圧縮応力で膜を突き破ってしまうので、圧縮応力を1kgf/cm 2以下に設計するのが好ましい。

    【0021】なお、上記の炭素質繊維の平均繊維径は5
    〜20μm程度が好ましく、平均長さは30〜100m
    m程度が好ましい。

    【0022】炭素質繊維不織布は、電池の中に圧接されて組み込まれ、その薄い隙間を粘度の高い電解液が流れるため、脱落を防止して形態保持するためには引張強度を0.1kg/cm以上にすることが望ましい。 また集電板との接触抵抗を良くするために、隔膜、集電板に挟まれた充填層の密度を0.05g/cm 3以上に、電極面に対する反発力を0.1kgf/cm 2以上にすることが好ましい。

    【0023】さらに本発明の炭素質繊維は、レーザーラマン分光法により求めた1360cm -1のピークの半値半幅が30〜60cm -1で、1580cm -1のピークの半値半幅が30〜45cm -1で、1360cm -1のピーク強度Iaと1580cm -1のピーク強度Igとの比R
    (=Ia/Ig)が0.7〜1.0であるが、好ましくは、1360cm -1のピークの半値半幅が30〜50c
    -1で、1580cm -1のピークの半値半幅が33〜4
    3cm -1で、R(=Ia/Ig)が0.7〜0.8である。

    【0024】上記各パラメーター値がそれぞれの上限値より大きい場合、その比抵抗は10 -2 Ω・cmを越え、
    電池内部抵抗(セル抵抗)の内の電極材導電抵抗成分が無視できないようになり、その結果、セル抵抗が増加し(電圧効率が低下し)、エネルギー効率が低下する。 また、長期間使用による比抵抗の劣化も生じ易い。

    【0025】一方、上記各パラメーター値がそれぞれの下限値より小さい場合、長期間の使用により、比抵抗は増加していき、その結果セル抵抗は増加していき、エネルギー効率は低下してしまう。 これは、上述のような炭素質繊維では結晶構造内に歪みを持つか、黒鉛に近い構造をとるため、例えばバナジウム系レドックスフロー電池の電解液に用いられる硫酸により、分解を引き起こしやすいためと考えられる。

    【0026】また本発明の炭素質繊維の表面酸性官能基量は、全表面炭素原子数の0.2%以上であることが必要であり、好ましくは0.3%以上である。 0.2%未満の場合には、電解液の濡れ性が悪く、セル抵抗が著しく増加する。 これは、炭素原子そのものは疎水性であるため、親水基の酸性官能基が少ない場合には水をはじきやすいためと考えられる。 また表面酸性官能基量は、全表面炭素原子数の1.2%以下であることが必要であり、好ましくは0.8%以下である。 1.2%より大きい場合には、官能基により表面の導電性が阻害され、集電板との接触抵抗または繊維間の接触抵抗が悪くなり、
    セル抵抗が著しく増加する。

    【0027】なお、上記の表面酸性官能基量とは、含酸素官能基のうち硝酸銀処理によって銀イオン置換されうる水酸基やカルボキシル基の量を意味し、XPS表面分析によって検出される表面銀イオン量の表面炭素原子数に対する割合として表す。

    【0028】上記のような優れた内部構造と濡れ性を持った炭素質繊維は、緊張下200〜300℃の初期空気酸化を経たポリアクリロニトリル、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ、セルロースなど、あるいはフェノール、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PB
    O)などを原料にして、Al、Si、Biなどの3価以上のイオンとなる金属塩を金属イオン換算で10〜10
    0ppm均一に添着した後、不活性雰囲気下1000〜
    2200℃で焼成(炭化)し、得られた擬黒鉛結晶構造を有する炭素材料を乾式酸化処理することによって得られる。

    【0029】金属塩の添着が有効なのは、Al、Si、
    Biなどの3価以上のイオンとなる金属塩を微量添着することによって、当該イオンが炭素の結晶子の間を架橋し、構造欠陥等を生じにくくするためと考えられる。 この微量添着により、焼成条件の影響をさほど受けずに、
    レーザーラマン分光法による前記パラメータを好適に制御することができる。 勿論、焼成条件によって前記パラメータを制御することも可能である。

    【0030】乾式酸化処理は、上述の炭素材料を酸素濃度1〜25%のガス雰囲気下で重量収率にして90〜9
    9%、好ましくは93〜99%の範囲になるように実施される。 処理温度は500〜900℃、さらに好ましくは650〜750℃がよい。 しかし処理法はこれに限定されるものではなく、例えばこの乾式酸化処理の代わりに電解酸化をおこなっても同様な効果が得られる。 なお、表面酸性官能基量は、黒鉛化の程度にもよるが、乾式酸化処理の酸素濃度等を調製することで制御できる。

    【0031】本発明における炭素質繊維不織布は、圧縮率が10〜25%で、圧縮弾性率が80%以上であるが、好ましくは、圧縮率10〜20%で、圧縮弾性率8
    2%以上である。 圧縮率が10%未満の場合、繊維間の絡みが得られず、炭素質繊維不織布としての形態を保持することができない。 一方、圧縮率が25%を越えるか、圧縮弾性率か80%未満の場合は、電池の中に圧接させて組み込まれた際の集電板との接触抵抗が高くなり、その結果、セル抵抗が増加し(電圧効率が低下し)、エネルギー効率が低下する。

    【0032】このような炭素質繊維不織布の圧縮特性は、上述した炭素の結晶構造と表面酸性官能基を持つことが前提となるが、前段階のニードルパンチの条件を制御することによって得られる。 すなわち、柔軟性があり、繊維の脱落のない不織布形態を保ちつつ、なおかつ圧接した際の集電板との接触性(接触面と接触力)が向上するように、ニードルパンチの密度を150〜300
    本/cm 2 、好ましくは、200〜300本/cm 2にし、ニードルパンチの針を不融化繊維あるいは耐炎化繊維が交互に絡みやすいもの、例えばSB#36やSB#
    40(FosterNeedle社)にすることが好ましい。

    【0033】また、不織布の圧縮率と圧縮弾性率とを上記範囲に制御する上で、乾式酸化処理を、短時間、具体的には10分以内に行うのが好ましい。

    【0034】次に、本発明において採用されるレーザーラマン分光法、XPS表面分析、不織布の圧縮率及び圧縮弾性率、集電板との接触抵抗とその経時変化、電流効率、電圧効率(セル抵抗R)、エネルギー効率および充放電サイクルの経時変化の各測定法について説明する。

    【0035】(1)レーザーラマン分光法 顕微ラマン分光装置(ジョバンイボンヌ−愛宕物産(株)製)を用いて、Arイオンレーザーの488nm
    線で1800から1000cm -1まで走査し、1360
    ±20cm -1のピークIaと1580±20cm -1のピークIgを解析する。 各ピーク強度は、ベースライン補正を行った後、測定された波形をローレンツ関数で近似し、その最高点により求め、ピークの半値半幅は、ピーク強度の半分の強度におけるピーク幅の半分の値により求める。

    【0036】(2)XPS表面分析 ESCAあるいはXPSと略称されているX線光電子分光法の測定に用いる装置は島津ESCA750で、解析にはESCAPAC760を用いる。

    【0037】各試料を硝酸銀のアセトン溶液に浸漬し、
    酸性官能基のプロトンを完全に銀置換し、アセトン及び水でそれぞれ洗浄後、6mm径に打ち抜き、導電性ペーストにより加熱式試料台に貼り付け、分析に供する。 予め、測定前に試料を12O℃に加熱し、3時間以上真空脱気する。 線源にはMgKα線(1253.6eV)を用い、装置内真空度は10 -7 torrとする。

    【0038】測定はCls,Ag3dピークに対して行い、各ピークをESCAPAC760(J.H.Sco
    fieldによる補正法に基づく)を用いて補正解析し、各ピーク面積を求める。 得られた面積にClsについては1.00、Ag3dについては10.68の相対強度を乗じたものの比が原子数比であり、全表面炭素原子数に対する表面酸性官能基量は(表面銀原子数/表面炭素原子数)比を百分率(%)で算出する。

    【0039】(3)不織布の圧縮率及び圧縮弾性率 JIS L1096(1990)に記載の「6.18圧縮率及び圧縮弾性率」に準じ、約5×約5cmの試験片を5枚採取し、1枚の試験片を初荷重0.49kPaの下で、厚さ(mm)を測り、次に荷重を24.5kPa
    の下で1分間放置して厚さ(mm)を計る。 次に荷重を除き1分間放置した後、再び初荷重の下で厚さ(mm)
    を測り、それぞれの厚さより圧縮率及び圧縮弾性率を求め、5回の平均値で表す(整数位まで)。

    【0040】(4)集電板との接触抵抗 2枚の集電板を用い、その間に幅10cm、長さ1cm
    の炭素質繊維不織布の試料を挟んで2mm厚みに圧接した時の抵抗をデジタルマルチメータで簡易的に測定し、
    単位面積あたりの抵抗を求める。 集電板には固有抵抗0.05Ω・cmの樹脂結合質黒鉛板(厚み3mm)を用い、集電板同士をそのまま圧接した時の抵抗は不織布との接触抵抗に対して無視できるものである。

    【0041】(5)電極性能 上下方向(通液方向)に10cm、幅方向に1cmの電極面積10cm 2を有する小型のセルを作り、定電流密度で充放電を繰り返し、電極性能のテストを行う。 正極電解液には2mol/lのオキシ硫酸バナジウムの3m
    ol/l硫酸水溶液を用い、負極電解液には2mol/
    lの硫酸バナジウムの3mol/l硫酸溶液を用いる。
    電解液量はセル、配管に対して大過剰とした. 液流量は毎分6.2mlとし、30℃で測定を行う。

    【0042】(a)電流効率:η I充電に始まり、放電で終わる1サイクルのテストにおいて、電流密度を電極幾何面積当たり40mA/cm 2
    (400mA)として、1.7Vまでの充電に要した電気量をQ 1クーロン、1.0Vまでの定電流放電、およびこれに続く1.2Vでの定電圧放電で取りだした電気量をそれぞれQ 2 、Q 3クーロンとし、数式1で電流効率η Iを求める。

    【0043】

    【数1】

    (b)セル抵抗:R 負極液中のV

    3+をV

    2+に完全に還元するのに必要な理論電気量Q

    thに対して、放電により取りだした電気量の比を充電率とし、数式2で充電率を求める。

    【0044】

    【数2】

    充電率が50%のときの電気量に対応する充電電圧V


    C50 、放電電圧V

    D50を電気量−電圧曲線からそれぞれ求め、数式3より電極幾何面積に対するセル抵抗R(Ω


    ・cm

    2 )を求める。

    【0045】

    【数3】

    ここで、Iは定電流充放電における電流値0.4Aである。

    【0046】(c)電圧効率:η V上記の方法で求めたセル抵抗Rを用いて数式4の簡便法により電圧効率η Vを求める。

    【0047】

    【数4】

    ここで、Eは充電率50%のときのセル開回路電圧1.


    432V(実測値)、Iは定電流充放電における電流値0.4Aである。

    【0048】(d)エネルギー効率:η E前述の電流効率η Iと電圧効率η Vを用いて、数式5によりエネルギー効率η Eを求める。

    【0049】

    【数5】

    (e)充放電サイクルの経時変化 (a)、(b)、(c)、(d)の測定後、続いて同セルを用い、40mA/cm

    2の定電流密度でセル電圧1.0〜1.7V間で充放電を繰り返し実施する。 規定サイクル経過後、再び(a)、(b)、(c)、(d)


    の測定を行い、η

    E及びその初期からの変化量△η

    Eを求める。

    【0050】レドックスフロー電池等の電解槽用電極の特性は、主に上記のような電流効率η I 、電圧効率η V
    (セル抵抗R)およびエネルギー効率η E (η Iとη V
    との積)とこれらの効率の充放電サイクル安定性(寿命)で表される。

    【0051】本発明の炭素電極材集合体は、水溶液系電解液を使用するレドックスフロー電池に用いられるものである。 当該レドックスフロー電池は、前述のように、
    例えば間隙を介した状態で対向して配設された一対の集電板間に隔膜が配設され、該集電板と隔膜との間に少なくとも一方に電極材が配設され、電極材は活物質を含んだ水溶液からなる電解液を含んだ構造を有する電解槽を備える。

    【0052】水溶液系電解液としては、前述の如きバナジウム系電解液の他、鉄−クロム系、チタン−マンガン系、マンガン−クロム系、クロム−クロム系、鉄−チタン系などが挙げられるが、バナジウム系電解液が好ましい。 本発明の炭素電極材集合体は、特に、粘度が25℃
    にて0.005Pa・s以上であるバナジウム系電解液、あるいは1.5mol/l以上のバナジウムイオンを含むバナジウム系電解液を使用するレドックスフロー電池に用いるのが有用である。

    【0053】

    【実施例】以下、本発明の構成及び効果を具体的に示す、実施例等について説明する。

    【0054】(実施例1)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布を0.01wt%の水酸化アルミニウム水溶液に浸漬、脱水し(アルミニウムイオン換算として0.006wt%添着)、窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で1300℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行って冷却し、続いて空気中680℃で5
    分間処理し、炭素質繊維不織布を得た。

    【0055】(実施例2)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布を0.01wt%の水酸化ビスマス水溶液に浸漬、脱水し(ビスマスイオン換算として0.
    008wt%添着)、窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で2000℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行って冷却し、続いて空気中750℃で10分間処理し、炭素質繊維不織布を得た。

    【0056】(実施例3)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布を0.01wt%の水酸化アルミニウム水溶液に浸漬、脱水し(アルミニウムイオン換算として0.06wt%添着)、窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行って冷却し、続いて空気中700℃で8分間処理し、炭素質繊維不織布を得た。

    【0057】(比較例1)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布を窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で1300℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行って冷却し、続いて空気中680℃で5分間処理し、炭素質繊維不織布を得た。

    【0058】(比較例2)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布を窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で2000℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行って冷却し、続いて空気中750℃で10分間処理し、炭素質繊維不織布を得た。

    【0059】(比較例3)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度150本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.2mmの不織布を作成した。 該不織布を0.01wt%の水酸化アルミニウム水溶液に浸漬、脱水し(アルミニウムイオン換算として0.006wt%添着)、窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で1300℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行って冷却し、続いて空気中680℃で5
    分間処理し、炭素質繊維不織布を得た。

    【0060】(比較例4)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度400本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み4.5mmの不織布を作成した。 該不織布を0.01wt%の水酸化アルミニウム水溶液に浸漬、脱水し(アルミニウムイオン換算として0.006wt%添着)、窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で1300℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行って冷却し、続いて空気中680℃で5
    分間処理し、炭素質繊維不織布を得た。

    【0061】(比較例5)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5. 0mmの不織布を作成した。 該不織布を0.01wt%の水酸化アルミニウム水溶液に浸漬、脱水し(アルミニウムイオン換算として0.006wt%添着)、窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で1300℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行って冷却し、続いて空気中680℃で1
    5分間処理し、炭素質繊維不織布を得た。

    【0062】以上で実施例、比較例で得られた炭素質繊維不織布のレーザーラマン分光法、XPS表面分析、不織布の圧縮率及び圧縮弾性率、集電板との接触抵抗を、
    製造条件と共に表1に示す。

    【0063】上記の全ての処理物をスペーサ厚2.0m
    mで電極性能(充放電サイクルの2サイクル目と100
    サイクル目)の測定を行った結果、表1のようになった。

    【0064】

    【表1】

    表1の結果から明らかなように、実施例1〜3の炭素質繊維不織布は、集電板との接触抵抗が小さく、電圧効率が高く、エネルギー効率に優れていた。 しかも充放電サイクルの長期間の繰り返しによる炭素の消耗に依存する接触抵抗の増加、即ち導電性の低下を抑制することができる。 また、長期間使用時の導電性の低下、すなわち、


    セル抵抗の増加を抑制でき、長期間の充放電サイクル時のエネルギ−効率の経時変化も殆どない。

    【0065】これに対し、炭素質繊維の特性が適当でない比較例1〜2では、電圧効率とエネルギー効率が共に不十分となり、また、不織布の物性が適当でない比較例3〜5では、集電板との接触抵抗が大きくなり、電圧効率とエネルギー効率が共に更に劣化していた。 また充放電サイクルの長期間の繰り返しによる接触抵抗の増加、
    エネルギ−効率の経時変化が見られる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】バナジウム系レドックスフロー電池の概略図

    【図2】三次元電極を有するバナジウム系レドックスフロー電池の電解槽の分解斜図

    【符号の説明】

    1 集電板 2 スペーサ 3 イオン交換膜 4a,4b 通液路 5 電極材 6 外部液タンク(正極側) 7 外部液タンク(負極側) 8,9 ポンプ 10 液流入口 11 液流出口

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA08 AS07 CC06 DD06 EE05 HH02 HH03 HH05 HH09 5H026 AA10 CC01 CX03 EE05 HH02 HH03 HH05 HH09 RR01

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