Carbon electrode material assembly

阅读:200发布:2021-07-18

专利汇可以提供Carbon electrode material assembly专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a carbon electrode material assembly capable of reducing the cell resistance of a redox flow battery and enhancing the energy efficiency by improving the characteristics of carbonaceous fibers and the physical proper ties of non-woven cloth and maintaining low the contacting resistance of the carbon electrode material for a long period of time.
SOLUTION: The carbon electrode material assembly used in a redox flow battery using aqueous solution electrolytic solution consists of a non-woven cloth of carbonaceous fibers, wherein the fibers simultaneously meet the requisite conditions (a) and (b) obtained through XPS surface analysis; (a) the amount of surface acid functional radicals is 0.2-2.0% of the total number of surface carbon atoms and (b) the number of surface carbon atoms in double bond with nitrogen is 0.3-3.0% of the total number of surface carbon atoms. The non-woven cloth has a compression ratio of 10-25% according to JIS L1096 (1990) and a modulus of compression elasticity of 80% or more.
COPYRIGHT: (C)2001,JPO,下面是Carbon electrode material assembly专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 水溶液系電解液によるレドックスフロー電池に使用され、炭素質繊維の不織布よりなる炭素電極材集合体において、 前記炭素質繊維は、XPS表面分析より求めた下記(a)、(b)の要件を同時に満たすと共に、 前記不織布は、JIS L1096(1990)に準ずる圧縮率が10〜25%、圧縮弾性率が80%以上であることを特徴とする炭素電極材集合体。 (a)表面酸性官能基量が全表面炭素原子数の0.2〜
    2.0%である。 (b)窒素と二重結合している表面炭素原子数が全表面炭素原子数の0.3〜3.0%である。
  • 【請求項2】 炭素質繊維の、XPS表面分析より求めた表面4級アンモニウム性窒素原子数が全表面炭素原子数の1.0%以下である請求項1記載の炭素電極材集合体。
  • 【請求項3】 バナジウム系レドックスフロー電池に使用される請求項1または2記載の炭素電極材集合体。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、溶液系電解液によるレドックスフロー電池に使用され、炭素質繊維の不織布よりなる炭素電極材集合体に関するものであり、特に、バナジウム系レドックスフロー電池に有用である。

    【0002】

    【従来の技術】従来より、電極は電池の性能を左右するものとして重点的に開発されている。 電極には、それ自体が活物質とならず、活物質の電気化学的反応を促進させる反応場として働くタイプのものがあり、このタイプには導電性や耐薬品性などから炭素材料がよく用いられる。 特に電貯蔵用に開発が盛んなレドックスフロー電池の電極には、耐薬品性があり、導電性を有し、かつ通液性のある炭素質繊維の不織布等が用いられている。

    【0003】レドックスフロー電池は、正極に鉄の塩酸水溶液、負極にクロムの塩酸水溶液を用いたタイプから、起電力の高いバナジウムの硫酸水溶液を両極に用いるタイプに替わり、高エネルギー密度化されたが、最近さらに活物質濃度を高める開発が進み、一段と高エネルギー密度化が進んでいる。

    【0004】レドックスフロー型電池の主な構成は、図1に示すように電解液を貯える外部タンク6,7と電解槽ECからなり、ポンプ8,9にて活物質を含む電解液を外部タンク6,7から電解槽ECに送りながら、電解槽ECに組み込まれた電極上で電気化学的なエネルギー変換、すなわち充放電が行われる。

    【0005】一般に、充放電の際には、電解液を外部タンクと電解槽との間で循環させるため、電解槽は図1に示すような液流通型構造をとる。 該液流通型電解槽を単セルと称し、これを最小単位として単独もしくは多段積層して用いられる。 液流通型電解槽における電気化学反応は、電極表面で起こる不均一相反応であるため、一般的には二次元的な電解反応場を伴うことになる。 電解反応場が二次元的であると、電解槽の単位体積当たりの反応量が小さいという難点がある。

    【0006】そこで、単位面積当りの反応量、すなわち電流密度を増すために電気化学反応場の三次元化が行われるようになった。 図2は、三次元電極を有する液流通型電解槽の分解斜視図である。 該電解槽では、相対する二枚の集電板1,1間にイオン交換膜3が配設され、イオン交換膜3の両側にスペーサ2によって集電板1,1
    の内面に沿った電解液の流路4a,4bが形成されている。 該流通路4a,4bの少なくとも一方には炭素質繊維の不織布等よりなる電極材5が配設されており、このようにして三次元電極が構成されている。 なお、集電板1には、電解液の液流入口10と液流出口11とが設けられている。

    【0007】正極電解液にオキシ硫酸バナジウム、負極電解液に硫酸バナジウムの各々硫酸酸性水溶液を用いたレドックスフロー型電池の場合、放電時には、V 2+を含む電解液が負極側の液流路4aに供給され、正極側の流路4bにはV 5+ (実際には酸素を含むイオン)を含む電解液が供給される。 負極側の流路4aでは、三次元電極5内でV 2+が電子を放出しV 3+酸化される。 放出された電子は外部回路を通って正極側の三次元電極内でV 5+
    をV 4+ (実際には酸素を含むイオン)に還元する。 この酸化還元反応に伴って負極電解液中のSO 4 2-が不足し、正極電解液ではSO 4 2-が過剰になるため、イオン交換膜3を通ってSO 4 2-が正極側から負極側に移動し電荷バランスが保たれる。 あるいは、H +がイオン交換膜を通って負極側から正極側へ移動することによっても電荷バランスを保つことができる。 充電時には放電と逆の反応が進行する。

    【0008】バナジウム系レドックスフロー電池用電極材の特性としては、特に以下に示す性能が要求される。

    【0009】1)目的とする反応以外の副反応を起こさないこと(反応選択性が高いこと)、具体的には電流効率(η I )が高いこと。 2)電極反応活性が高いこと、具体的にはセル抵抗(R)
    が小さいこと。 すなわち電圧効率(η V )が高いこと。 3)上記1)、2)に関連する電池エネルギー効率(η E )が高いこと。 η E =η I ×η V 4)くりかえし使用に対する劣化が小さいこと(高寿命)、具体的には電池エネルギー効率(η E )の低下量が小さいこと。

    【0010】そして、セル抵抗(R)に関しては、炭素質繊維集合体等の電極材と集電板との接触抵抗、及び電極材を構成する炭素質繊維間の接触抵抗が寄与する割合が大きく、これらの接触抵抗やその経時変化が、電池エネルギー効率やその経時変化に及ぼす影響は大きい。

    【0011】一方、特開昭60−232669号公報には、X線広解析より求めた<002>面間隔が、平均3.70Å以下であり、またc軸方向の結晶子の大きさが平均9.0Å以上の擬黒鉛微結晶を有し、かつ全酸性官能基量が少なくとも0.01meq/gである炭素質材料をレドックスフロー電池の電解槽用電極材として用いることが提案されている。

    【0012】また、特開平5−234612号公報には、ポリアクリロニトリル系繊維を原料とする炭素質繊維で、X線広角解析より求めた<002>面間隔が3.
    50〜3.60Åの擬黒鉛結晶構造を有し、炭素質材料表面の結合酸素原子数が炭素原子数の10〜25%となるような炭素質材料をレドックスフロー電池の電解槽用電極材として用いることが提案されている。

    【0013】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭60−232669号公報、特開平5−234612号公報では、炭素質材料表面と電解液との間に有効な濡れ性を発現させるために、全酸性官能基量が0.01me
    q/g以上か、あるいはX線広角解析より求めた<00
    2>面間隔が3.50以上、かつ炭素質材料表面の結合酸素原子数が炭素原子数の10%以上必要であったので、炭素電極材表面の官能基が多すぎて、上記の如き接触抵抗が高くなり、その結果、セル抵抗が高くなり高い電池エネルギー効率が得られないことが判明した。

    【0014】また、特開平5−234612号公報の電極材では、ポリアクリロニトリル系繊維を原料とするため、窒素原子が炭素質繊維表面に残存し易く、その量が適当に制御されていないために、レドックスフロー電池に使用すると経時的にアンモニウム塩含有基等が生成し、これが上記接触抵抗を高める原因となることが判明した。

    【0015】一方、炭素質材料表面と集電板との接触抵抗は、炭素質材料で構成される不織布(集合体)の物性によっても変化するため、炭素質材料の特性の改善だけでは、接触抵抗を十分小さくするのが容易ではなかった。 また、当該不織布の物性は炭素質材料の製法や物性、及び不織布の製法等により変化するため、炭素質材料の物性等に応じて不織布の製法を最適化する必要があった。

    【0016】そこで、本発明の目的は、かかる事情に鑑み、炭素質繊維の特性と不織布の物性を共に改善することで、レドックスフロー電池のセル抵抗を低減してエネルギー効率を高めることができ、かつ長期間にわたって炭素電極材の接触抵抗を低く維持できる炭素電極材集合体を提供することにある。

    【0017】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、表面酸性官能基量、
    及び窒素と二重結合している表面炭素原子数を所定の範囲に制御した炭素質繊維にて不織布を構成し、その圧縮率と圧縮弾性率とを特定の範囲とすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

    【0018】即ち、本発明の炭素電極材集合体は、水溶液系電解液によるレドックスフロー電池に使用され、炭素質繊維の不織布よりなる炭素電極材集合体において、
    前記炭素質繊維は、XPS表面分析より求めた下記(a)、(b)の要件を同時に満たすと共に、前記不織布は、JIS L1096(1990)に準ずる圧縮率が10〜25%、圧縮弾性率が80%以上であることを特徴とする。 (a)表面酸性官能基量が全表面炭素原子数の0.2〜2.0%である。 (b)窒素と二重結合している表面炭素原子数が全表面炭素原子数の0.3〜
    3.0%である。

    【0019】上記(a)の要件を満たすことにより、炭素電極材集合体を構成する炭素質繊維等の曲げ強度を良好にしてセル装着時の圧縮応力(換言すると集電板との圧接力)を長期間にわたり維持しつつ、酸性官能基等の存在による接触抵抗の増大を防止することができる。 また、上記(b)の要件を満たすことにより、炭素電極材集合体を構成する炭素質繊維等の曲げ強度を良好にしてセル装着時の圧縮応力を長期間にわたり維持しつつ、接触抵抗を増加させるアンモニウム塩含有基等の経時的な生成を防止することができる。 その結果、本発明の炭素電極材集合体によると、炭素電極材表面の接触抵抗を低減し、かつ長期間にわたって炭素電極材の接触抵抗を低く維持でき、これにより、電池等のエネルギー効率を長期間にわたり高く維持することができる。 更に、不織布の圧縮率と圧縮弾性率を上記範囲にすることで、集電板との接触性を良好にして、接触抵抗を小さくすることができる。 その結果、レドックスフロー電池のセル抵抗を低減してエネルギー効率を高めることができる。

    【0020】上記において、XPS表面分析より求めた表面4級アンモニウム性窒素原子数が全表面炭素原子数の1.0%以下であることが好ましい。 前述のように、
    本発明者らは、経時的なアンモニウム塩含有基等の生成が、接触抵抗を高める原因となることを見出したが、初期の炭素電極材についても、その指標となる表面4級アンモニウム性窒素原子数が1.0%以下であることが、
    初期の接触抵抗を好適にする上で好ましい。

    【0021】また、本発明の炭素電極材集合体は、バナジウム系レドックスフロー電池に用いられることが好ましい。 バナジウム系のレドックスフロー電池では、鉄−
    クロム系電解液に比べ活物質と電極材表面の反応速度が速く、電極材の接触抵抗は電極材との反応にともなう抵抗(反応抵抗)に比べて相対的に高くなる傾向にある。
    したがって電極材を構成する繊維間や集電板に対する電極材表面の接触抵抗が特に問題となりやすいので、上記作用効果を有する本発明の炭素電極材が特に有用なものとなる。

    【0022】

    【発明の実施の形態】本発明の炭素電極材集合体は炭素質繊維からなり、取扱いや加工性、製造性等の点から炭素質繊維の不織布が使用される。 当該不織布は、焼成(炭化)前の不融化あるいは耐炎化された短繊維を開繊し、カードにかけ、幾層かに重ねられたレイヤーからなるウェブをまず作成し、さらにニードルパンチ加工機にかけることで、好適に作製される。

    【0023】不織布の目付量は、隔膜と集電板に挟まれた充填状態の厚みを2〜3mmで使用する場合、100
    〜1000g/m 2が好ましく、特に200〜600g
    /m 2が望ましい。 また片面に凹溝加工が施された不織布が通液性の点から好んで用いられる。 その場合の溝幅、溝深さは少なくとも0.3mm、特に0.5mm以上が望ましい。 該炭素質繊維不織布の厚みは、上記充填状態の厚みより少なくとも大きいこと、好ましくは充填状態の厚みの1.5倍程度である。 しかしながら、厚みが厚すぎると圧縮応力で膜を突き破ってしまうので、圧縮応力を1kgf/cm 2以下に設計するのが好ましい。

    【0024】なお、上記の炭素質繊維の平均繊維径は5
    〜20μm程度が好ましく、平均長さは30〜100m
    m程度が好ましい。

    【0025】炭素質繊維不織布は、電池の中に圧接されて組み込まれ、その薄い隙間を粘度の高い電解液が流れるため、脱落を防止して形態保持するためには引張強度を0.1kg/cm以上にすることが望ましい。 また集電板との接触抵抗を良くするために、隔膜、集電板に挟まれた充填層の密度を0.05g/cm 3以上に、電極面に対する反発力を0.1kgf/cm 2以上にすることが好ましい。

    【0026】さらに本発明の炭素質繊維は、表面酸性官能基量が全表面炭素原子数の0.2〜2.0%であるが、好ましくは表面酸性官能基量が0.2〜1.2%、
    より好ましくは0.3〜1.0%である。 表面酸性官能基量が0.2%未満の場合には、電極材を構成する短繊維等の曲げ強度が低くなり、セル装着により繊維等が破壊され必要な圧縮応力を維持しきれず、短繊維等の接触の圧接力が低下して、接触抵抗が経時的に上昇する。 一方、2.0%より大きい場合、官能基の存在が大きく影響し、電極材を構成する繊維間接触および繊維−集電板間の導電性が阻害され好ましくない。 なお、上記の表面酸性官能基量とは、含酸素官能基のうち硝酸銀処理によって銀イオン置換されうる水酸基やカルボキシル基の量を意味し、XPS表面分析によって検出される表面銀イオン量の表面炭素原子数に対する割合として表すものである。

    【0027】また、本発明の炭素質繊維は、窒素と二重結合している表面炭素原子数が全表面炭素原子数の0.
    3〜3.0%であり、好ましくは窒素と二重結合している表面炭素原子数が0.5〜2.8%、より好ましくは0.8〜2.5%である。 窒素と二重結合している表面炭素原子数が0.3%未満の場合、炭素中の窒素脱落により炭素質繊維の結晶配向性が増加し、繊維自体の導電性は向上するものの、反面繊維の曲げ強度が低くなり、
    セル装着により繊維が破壊されて必要な圧縮応力を維持しきれず、短繊維等の接触の圧接力が低下して、接触抵抗が経時的に上昇する。 一方、3.0%を越える場合、
    二重結合した窒素が通電時経時的に系内の不純物と結合し、アンモニウム塩を含む基を形成し、こうした基が電極材の維維間接触および繊維−集電板間の導電性を阻害するので好ましくない。 なお、窒素と二重結合している表面炭素原子数の割合は、XPS表面分析より測定されるC1sピーク分離により求められる。

    【0028】さらに炭素質繊維の表面処理方法によっては、炭素表面に4級窒素が形成されることがある。 これは酸等の存在下で炭素中の窒素原子が酸と結合して4アンモニウム塩を形成するためと考えられ、こうした基が電極材の繊維間接触および繊維−集電板間の導電性を阻害する。 従って、こうした4級窒素の存在は多くとも全表面炭素原子数の1.0%以下、さらには0.8%以下である事が望ましい。 なお、4級窒素の全表面炭素原子数に対する割合は、XPS表面分析より測定されるC1
    sピークとN1sピークのピーク分離により求められる。

    【0029】こうした表面特性を有する本発明の炭素質繊維は、緊張下200〜300℃の初期空気酸化を経たポリアクリロニトリル、窒素原子を付加した等方性ピッチ、メソフェーズピッチ、セルロースやフェノールなど窒素原子を持たない材料に窒素を付加したもの、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)などを原料にして、不活性雰囲気下1000〜1800℃で焼成(炭化)した擬黒鉛結晶構造を有する炭素材料を所定の酸素濃度で乾式酸化処理し、さらに水蒸気や酸性ガスの存在下で活性化するすることによって得られる。 特に表面の窒素量を本発明の範囲に調整するためには、アルゴンやネオンガスのような不活性ガス下で1400〜1
    800℃で焼成することが望ましい。 また、公知の空気酸化だけでは、本来電極の濡れ性に寄与できる酸性基のほかに、電極反応を抑制する非酸性官能基もかなりの割合で構成されるので好ましくない。 このため、制御された酸素濃度下で酸化処理を行うことで、余分な非酸性官能基の生成を最小限に押さえ、さらに水蒸気や酸性ガスの存在下で酸化することによって、不要な官能基を有効な酸性基に変換することが好ましい。 但し酸性ガスを多用すると表面の窒素原子と反応して4級アンモニウム性窒素原子を形成するので注意が必要である。 使用する酸性ガスとしては、塩化水素ガス、亜硫酸ガス、炭酸ガス、青酸ガスなどがあるが特に限定されない。

    【0030】上記の如き製造方法において、上記原料は所定の炭化温度の範囲内で焼成されることにより、適切な導電性を満足する擬黒鉛結晶構造を有するものとなり、炭化後の表面処理において、低濃度の酸素下での表面処理によって酸性官能基と非酸性官能基を形成し、さらに一部に酸を含む水蒸気による活性化によって、非酸性官能基の酸性化が進行しかつ適度の炭素と二重結合している窒素が形成される。 これによって炭素質繊維の適度な接触性を保持しつつ安定した接触性を維持できる。
    またこの方法では接触性の低下をもたらす4級アンモニウム性窒素を極力抑えることが可能となる。 これにより繊維間接触や繊維−集電板間の導電性が良くかつ安定した接触性が保たれる。

    【0031】本発明における炭素質繊維不織布は、圧縮率が10〜25%で、圧縮弾性率が80%以上であるが、好ましくは、圧縮率10〜20%で、圧縮弾性率8
    2%以上である。 圧縮率が10%未満の場合、繊維間の絡みが得られず、炭素質繊維不織布としての形態を保持することができない。 一方、圧縮率が25%を越えるか、圧縮弾性率か80%未満の場合は、電池の中に圧接させて組み込まれた際の集電板との接触抵抗が高くなり、その結果、セル抵抗が増加し(電圧効率が低下し)、エネルギー効率が低下する。

    【0032】このような炭素質繊維不織布の圧縮特性は、上述した炭素の結晶構造と表面酸性官能基を持つことが前提となるが、前段階のニードルパンチの条件を制御することによって得られる。 すなわち、柔軟性があり、繊維の脱落のない不織布形態を保ちつつ、なおかつ圧接した際の集電板との接触性(接触面と接触力)が向上するように、ニードルパンチの密度を150〜300
    本/cm 2 、好ましくは、200〜300本/cm 2にし、ニードルパンチの針を不融化繊維あるいは耐炎化繊維が交互に絡みやすいもの、例えばSB#36やSB#
    40(FosterNeedle社)にすることが好ましい。

    【0033】また、不織布の圧縮率と圧縮弾性率とを上記範囲に制御する上で、活性化処理を、0.01kgf
    /cm幅以上のテンション下で行うのが好ましい。

    【0034】次に、本発明において採用されるXPS表面分析、不織布の圧縮率及び圧縮弾性率、集電板との初期接触抵抗、100サイクル後の接触抵抗の各測定法について説明する。

    【0035】1. XPS表面分析 ESCAあるいはXPSと略称されているX線光電子分光法の測定に用いた装置は島津ESCA750で、解析にはESCAPAC760を用いる。 各試料を硝酸銀のアセトン溶液に浸漬し、酸性官能基のプロトンを完全に銀置換し、アセトン及び水でそれぞれ洗浄後、6mm径に打ち抜き、導電性ぺーストにより加熱式試料台に貼り付け、分析に供する。 予め、測定前に試料を120℃に加熱し、3時間以上真空脱気する。 線源にはMgKα線(1253.6eV)を用い、装置内真空度は10 -7
    orrとする。

    【0036】測定はC1s、N1s、Ag3dのピークに対して行い、各ピークをESCAPAC760(J,
    H. Scofieldによる補正法に基づく)を用いて補正解析し、各ピーク面積を求める。 得られた面積にC
    1sについては1.00、N1sについては1.77、
    Ag3dについては10.68の相対強度を乗じたものの比が原子数比であり、全表面炭素原子数に対する表面酸性官能基量は(表面銀原子数/表面炭素原子数)比を百分率(%)で算出する。

    【0037】次に、C1sピークに対して、ピーク形状が各構造におけるケミカルシフト値に一致するように分離し、窒素と二重結合している炭素(−C=N−)のピークの面積を決定し、全表面炭素に対する面積比を百分率(%)で算出する。

    【0038】さらにN1sピークは400.1eV、4
    02.5eVのピークに分離し、402.5eVに現れるピークを4級窒素としてピーク面積を決定し、全表面炭素に対する面積比を百分率(%)で算出する。

    【0039】なお、各構造における炭素ピークのケミカルシフト値は文献(A.Ishitani,Carbo
    n,19,269(1981))を参考にした。 図3には、測定されるC1sピークをその結合構造別に分離した例を、図4には、測定されるN1sピークをその結合構造別に分離した例を示す。

    【0040】2. 不織布の圧縮率及び圧縮弾性率 JIS L1096(1990)に記載の「6.18圧縮率及び圧縮弾性率」に準じ、約5×約5cmの試験片を5枚採取し、1枚の試験片を初荷重0.49kPaの下で、厚さ(mm)を測り、次に荷重を24.5kPa
    の下で1分間放置して厚さ(mm)を計る。 次に荷重を除き1分間放置した後、再び初荷重の下で厚さ(mm)
    を測り、それぞれの厚さより圧縮率及び圧縮弾性率を求め、5回の平均値で表す(整数位まで)。

    【0041】3. 初期接触抵抗 サンプルを1cm×10cmの大きさにカットし、厚さ2.5mmのテフロン製スペーサーを用いて厚み方向から2枚の導電板でサンプルを所定のスペーサー厚みになるまで圧縮し、導電板の両端の抵抗をデジタルマルチメータ(アドバンテスト製TR6846)を用いて測定する。

    【0042】4.100サイクル後の接触抵抗 上下方向(通液方向)に10cm、幅方向に1cmの電極面積10cm 2を有する小型のセルを作り、定電流密度で100サイクルの充放電を繰り返し、終了後正極に用いていたサンプルをよく水洗し、乾燥した後、初期接触抵抗を測定する要領で接触抵抗を測定する。

    【0043】なお、充放電試験には正極電解液に2mo
    l/lのオキシ硫酸バナジウムの2mol/l硫酸水溶液を用い、負極電解液には2mol/lの硫酸バナジウムの2mol/l硫酸水溶液を用いる。 電解液量はセル、配管に対して大過剰とし、液流量は毎分62mlとし、30℃で行う。

    【0044】本発明の炭素電極材集合体は、水溶液系電解液を使用するレドックスフロー電池に用いられるものである。 当該レドックスフロー電池は、前述のように、
    例えば間隙を介した状態で対向して配設された一対の集電板間に隔膜が配設され、該集電板と隔膜との間に少なくとも一方に電極材が圧接挟持され、電極材は活物質を含んだ水溶液からなる電解液を含んだ構造を有する電解槽を備える。

    【0045】水溶液系電解液としては、前述の如きバナジウム系電解液の他、鉄−クロム系、チタン−マンガン系、マンガン−クロム系、クロム−クロム系、鉄−チタン系などが挙げられるが、バナジウム系電解液が好ましい。 本発明の炭素電極材集合体は、特に、粘度が25℃
    にて0.005Pa・s以上であるバナジウム系電解液、あるいは1.5mol/l以上のバナジウムイオンを含むバナジウム系電解液を使用するレドックスフロー電池に用いるのが有用である。

    【0046】

    【実施例】以下、本発明の構成及び効果を具体的に示す、実施例等について説明する。

    【0047】(実施例1)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で100℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素気流下で700℃にて重量収率93%になるまで処理した。 さらに20vol%の水蒸気を含む窒素気流下、
    0.1kgf/cm幅のテンションで引っ張った状態で500℃10分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0048】(実施例2)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で100℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素気流下で700℃にて重量収率93%になるまで処理した。 さらに5vol%の塩化水素ガスと20vol%
    の水蒸気を含む窒素気流下、0.05kgf/cm幅のテンションで引っ張った状態で200℃5分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0049】(比較例1)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布を窒素ガス中で10℃/分の昇温速度で1200℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度7vol%の窒素気流下で700℃にて重量収率93%になるまで処理し炭素質繊維不織布を得た。

    【0050】(比較例2)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で10℃/分の昇温速度で2000℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度7vol%の窒素気流下で700℃にて重量収率93%になるまで処理した。
    さらに20vol%の水蒸気を含む窒素気流下、0.0
    5kgf/cm幅のテンションで引っ張った状態で50
    0℃10分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0051】(比較例3)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で10℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素気流下で700℃にて重量収率93%になるまで処理し炭素質繊維不織布を得た。

    【0052】(比較例4)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で10℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素ガス雰囲気下で700℃にて重量収率93%になるまで処理した。 さらに5vol%の塩化水素ガスと20vo
    l%の水蒸気を含む窒素気流下、0.05kgf/cm
    幅のテンションで引っ張った状態で200℃5分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0053】(比較例5)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で100℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素ガス雰囲気下で700℃にて重量収率93%になるまで処理した。 さらに20vol%の水蒸気を含む窒素気流下、0.1kgf/cm幅のテンションで引っ張った状態で500℃60分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0054】(参考例1)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で10℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素ガス雰囲気下で700℃にて重量収率98%になるまで処理した。 さらに5vol%の塩化水素ガスと20vo
    l%の水蒸気を含む窒素気流下、0.1kgf/cm幅のテンションで引っ張った状態で200℃5分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0055】(比較例6)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度150本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.2mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で100℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素ガス雰囲気下で700℃にて重量収率93%になるまで処理した。 さらに20vol%の水蒸気を含む窒素気流下、0.1kgf/cm幅のテンションで引っ張った状態で500℃60分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0056】(比較例7)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度350本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み4.7mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で100℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素ガス雰囲気下で700℃にて重量収率93%になるまで処理した。 さらに20vol%の水蒸気を含む窒素気流下、0.1kgf/cm幅のテンションで引っ張った状態で500℃60分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0057】(比較例8)平均繊維径16μmのポリアクリロニトリル繊維を空気中200〜300℃で耐炎化した後、該耐炎化繊維の短繊維(長さ約80mm)を用いてフェルト針SB#36(Foster Needl
    e社)、パンチング密度250本/cm 2でフェルト化して目付量600g/m 2 、厚み5.0mmの不織布を作成した。 該不織布にアルゴンガスを絶えず600cc
    /min/m 2吹き付けた状態で100℃/分の昇温速度で1600℃まで昇温し、この温度で1時間保持し炭化を行つて冷却し、続いて酸素濃度0.5vol%の窒素ガス雰囲気下で700℃にて重量収率93%になるまで処理した。 さらに20vol%の水蒸気を含む窒素気流下、テンションをかけずに500℃60分活性化し炭素質繊維不織布を得た。

    【0058】以上の実施例、比較例で得られた炭素質繊維不織布のXPS表面分析、不織布の圧縮率及び圧縮弾性率、集電板との初期接触抵抗、100サイクル後の接触抵抗を、製造条件と共に表1に示す。

    【0059】

    【表1】

    表1の結果から明らかなように、実施例1〜2の炭素質繊維不織布は、集電板との接触抵抗が小さく、電圧効率が高く、エネルギー効率に優れている。 さらに充放電サイクルの経時変化による電極材の接触性の低下を低減することができ、電圧効率の長期安定化に寄与することが出来る。 このことは特にバナジウム系レドックスフロー電池にとって効果的である。

    【0060】これに対し、炭素質繊維の特性が適当でない比較例1〜5、不織布の物性が適当でない比較例6〜
    8では、集電板との接触抵抗が大きく、電圧効率とエネルギー効率のうえで好ましくない。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】バナジウム系レドックスフロー電池の概略図

    【図2】三次元電極を有するバナジウム系レドックスフロー電池の電解槽の分解斜図

    【図3】XPS表面分析で測定されるC1sピークの結合構造別分離図の一例

    【図4】XPS表面分析で測定されるN1sピークの結合構造別分離図の一例

    【符号の説明】

    1 集電板 2 スペーサ 3 イオン交換膜 4a,4b 通液路 5 電極材 6 外部液タンク(正極側) 7 外部液タンク(負極側) 8,9 ポンプ 10 液流入口 11 液流出口

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