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Thin film magnetic head

阅读:435发布:2020-12-05

专利汇可以提供Thin film magnetic head专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To improve a withstand voltage between a magneto-resistance effect film and upper and lower shielding films and to improve reliability by making a length between a magneto-resistance effect film of a floating surface part and an upper shielding film smaller than a length between a magneto-resistance effect film on the side off the floating surface part and the upper shielding film.
SOLUTION: This is an end part of a GMR film 40 sequentially forming a lower shielding film 20, a lower gap film 30, and GMR(Giant Magneto- Resistance Effect) film 40 on a substrate 10, and an insulating film 50 is formed so as to cover an end part of the side off a floating surface. An upper gap film 60 and an upper shielding film 70 are sequentially formed on the GMR film 40 and the insulating film 60. Namely, a length I
21 between the GMR film 40 on the side of the floating surface and the upper shielding film 70 becomes smaller than that I
22 between the GMR film 40 at the position off the floating surface side and the upper shielding film 70. Thus, the length I
21 is determinative of a withstand voltage between the GMR film 40 and the upper shielding film 70, and it is possible to secure a necessary length G2.
COPYRIGHT: (C)1999,JPO,下面是Thin film magnetic head专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】下部シールド膜と、この下部シールド膜の上に下部ギャップ膜を介して形成された磁気抵抗効果膜と、この磁気抵抗効果膜の上に上部ギャップ膜を介して設けられた上部シールド膜とを有し、上記磁気抵抗効果膜が浮上面に露出している薄膜磁気ヘッドにおいて、 上記浮上面部分における上記磁気抵抗効果膜と上記上部シールド膜との距離を、上記浮上面部分から離れた側における上記磁気抵抗効果膜と上記上部シールド膜との距離よりも小さくしたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  • 【請求項2】下部シールド膜と、この下部シールド膜の上に下部ギャップ膜を介して形成された磁気抵抗効果膜と、この磁気抵抗効果膜の上に上部ギャップ膜を介して設けられた上部シールド膜とを有し、上記磁気抵抗効果膜が浮上面に露出している薄膜磁気ヘッドにおいて、 上記磁気抵抗効果膜の両端に接続されたバイアス膜と、 このバイアス膜に接続された電極膜とを備え、 上記バイアス膜を上記電極膜よりも小さく形成するとともに、 上記電極膜と上記下部ギャップ膜の間に絶縁膜を形成し、 この絶縁膜により、上記浮上面部分から離れた側の上記磁気抵抗効果膜及び上記バイアス膜の端部を覆ったことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  • 【請求項3】下部シールド膜と、この下部シールド膜の上に下部ギャップ膜を介して形成された磁気抵抗効果膜と、この磁気抵抗効果膜の上に上部ギャップ膜を介して設けられた上部シールド膜とを有し、上記磁気抵抗効果膜が浮上面に露出している薄膜磁気ヘッドにおいて、 上記磁気抵抗効果膜として、巨大磁気抵抗効果膜を用い、 上記浮上面部分から離れた側における上記巨大磁気抵抗効果膜の端部を覆うようにダメージ防止膜を形成したことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置等の磁気記録装置に使用される薄膜磁気ヘッドに係り、
    特に、強磁性体に特有の磁気抵抗効果を利用して磁気記録媒体から信号を検出するのに使用するに好適な薄膜磁気ヘッドに関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの中で、シールド型薄膜磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体に対する浮上面に、センサであるMR(磁気抵抗効果:Magnetoresistance)膜が露出している構造となっている。 MR膜の上下には、それぞれ上部ギャップ膜,
    下部ギャップ膜を挟んで、上部シールド膜,下部シールド膜が配置されている。

    【0003】なお、近年、従来のMR膜よりも大きな磁気抵抗効果を得られるGMR(巨大磁気抵抗効果:Gian
    t Magnetoresistance)膜も開発されている。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】ここで、上下シールド膜の間隔,即ち、磁気ギャップ長が、再生信号の分解能に影響する。 分解能を高めるためには、上下ギャップ膜を薄くして、上下シールド膜の間隔を小さくする必要がある。 しかしながら、上下シールド膜の間隔を小さくすると、MR膜と上下シールド膜との間の絶縁耐圧が低下して、薄膜磁気ヘッドの信頼性が低下するという問題があった。

    【0005】また、センサとして、GMR膜を用いる場合、薄膜磁気ヘッドの製造工程において、GMR膜の端部がレジスト剥離液や洗浄液によってエッチングされるという問題点もあった。

    【0006】本発明の第1の目的は、磁気抵抗効果膜と上下シールド膜との間の絶縁耐圧を向上させ、信頼性の向上した薄膜磁気ヘッドを提供することにある。

    【0007】本発明の第2の目的は、レジスト剥離液や洗浄液によってGMR膜端部がエッチングされることのないGMR膜を用いた薄膜磁気ヘッドを提供することにある。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、下部シールド膜と、この下部シールド膜の上に下部ギャップ膜を介して形成された磁気抵抗効果膜と、この磁気抵抗効果膜の上に上部ギャップ膜を介して設けられた上部シールド膜とを有し、上記磁気抵抗効果膜が浮上面に露出している薄膜磁気ヘッドにおいて、上記浮上面部分における上記磁気抵抗効果膜と上記上部シールド膜との距離を、上記浮上面部分から離れた側における上記磁気抵抗効果膜と上記上部シールド膜との距離よりも小さくするようにしたものである。 かかる構成により、分解能を高めるために、磁気抵抗効果膜と上下シールド膜との距離を小さくした場合にも、磁気抵抗効果膜と上下シールド膜との間の絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上し得るものとなる。

    【0009】(2)上記第1の目的を達成するために、
    本発明は、下部シールド膜と、この下部シールド膜の上に下部ギャップ膜を介して形成された磁気抵抗効果膜と、この磁気抵抗効果膜の上に上部ギャップ膜を介して設けられた上部シールド膜とを有し、上記磁気抵抗効果膜が浮上面に露出している薄膜磁気ヘッドにおいて、上記磁気抵抗効果膜の両端に接続されたバイアス膜と、このバイアス膜に接続された電極膜とを備え、上記バイアス膜を上記電極膜よりも小さく形成するとともに、上記電極膜と上記下部ギャップ膜の間に絶縁膜を形成し、この絶縁膜により、上記浮上面部分から離れた側の上記磁気抵抗効果膜及び上記バイアス膜の端部を覆うようにしたものである。 かかる構成により、バイアス膜を備える磁気ヘッドにおいて、分解能を高めるために、磁気抵抗効果膜と上下シールド膜との距離を小さくした場合にも、磁気抵抗効果膜と上下シールド膜との間の絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上し得るものとなる。

    【0010】(3)上記第2の目的を達成するために、
    本発明は、下部シールド膜と、この下部シールド膜の上に下部ギャップ膜を介して形成された磁気抵抗効果膜と、この磁気抵抗効果膜の上に上部ギャップ膜を介して設けられた上部シールド膜とを有し、上記磁気抵抗効果膜が浮上面に露出している薄膜磁気ヘッドにおいて、上記磁気抵抗効果膜として、巨大磁気抵抗効果膜を用い、
    上記浮上面部分から離れた側における上記巨大磁気抵抗効果膜の端部を覆うようにダメージ防止膜を形成したものである。 かかる構成により、レジスト剥離液や洗浄液によって巨大磁気抵抗効果膜端部がエッチングされることがなくなり、巨大磁気抵抗効果膜のダメージを防止し得るものとなる。

    【0011】

    【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を用いて、本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。 最初に、図1を用いて、本実施形態による薄膜磁気ヘッドの平面構成について説明する。 なお、図1においては、平面形状を理解し易くするために、上部ギャップ膜及び上部シールド膜及び本実施形態による絶縁膜が形成される前の状態を示している。

    【0012】下部シールド膜20は、基板の上に形成されている。 基板は、厚さ2mmのアルミニウム(Al)
    とチタン(Ti)と炭素(C)の合金(アルチック)を用いている。 基板の上に、厚さ10μmのアルミナ(A
    23 )膜をスパッタリングで形成した後、厚さ2μの下部シールド膜20がスパッタリング若しくはメッキにより形成される。 下部シールド膜20は、コバルト(C
    o)とニオブ(Nb)とジルコニウム(Zr)との合金から構成される。 下部シールド膜20としては、他に、
    鉄(Fe)とアルミニウム(Al)とシリコン(Si)
    の合金を用いることもできる。

    【0013】下部シールド膜20の上に、下部ギャップ膜30が形成される。 下部ギャップ膜30は、スパッタリングにより形成され、その厚さは、50nmである。
    下部ギャップ膜30は、アルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )からなる絶縁膜である。

    【0014】下部ギャップ膜30の上に、GMR膜40
    が形成される。 GMR膜40は、スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、50nmである。 GMR膜40は、タンタル(Ta)、パーマロイ(NiFe合金)、コバルト(Co)、銅(Cu)、コバルト(Co)、クロム(Cr)・マンガン(Mn)・
    プラチナ(Pt)が順次積層されて形成される。 この中で、コバルト(Co)、銅(Cu)が、エッチングによって腐食されやすい材料である。

    【0015】GMR膜40の両端部の上に、GMR膜4
    0に対する電極膜80が形成される。 電極膜80は、スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、50nm以上である。 電極膜80は、クロム(C
    r)、コバルト(Co)とクロム(Cr)とプラチナ(Pt)の合金、クロム(Cr)、タンタル(Ta)を順次積層して形成される。 ここで、第3層目(最上層側)のクロム(Cr)の代わりに、タンタル(Ta)とタングステン(W)の合金を用いることもできる。 また、最上層のタンタル(Ta)の代わりに、金(Au)
    を用いることもできる。

    【0016】さらに、電極膜80の上に、電極膜90が形成される。 電極膜90は、スパッタリングにより形成され、その厚さは、200nmである。 電極膜90は、
    金(Au)が用いられる。

    【0017】さらに、図1においては、図示していないが、電極膜90の上には、上部ギャップ膜と、上部シールド膜が順次形成される。 上部シールド膜が形成された後、B−B'において切断され、その端面が研磨される。 この切断研磨によって、GMR膜40は、磁気記録媒体に対する浮上面に露出して、シールド型薄膜磁気ヘッドが完成する。

    【0018】なお、図2を用いて後述するように、電極膜80の形成後であって、その上の電極膜90の形成前に、本実施形態による絶縁膜が形成される。 絶縁膜の形成される位置は、図1に矢印Xで示すように、GMR膜40の浮上面と反対側の端部である。 絶縁膜が形成された後、上側の電極膜90と、上部ギャップ膜と、上部シールド膜が順次形成される。

    【0019】次に、図2を用いて、本実施形態による薄膜磁気ヘッドの断面構造について説明する。 図2は、図1のB−B'において切断研磨した状態におけるA−
    A'断面を示している。

    【0020】基板10の上には、下部シールド膜20が形成され、さらに、下部ギャップ膜30及びGMR膜4
    0が順次形成される。

    【0021】GMR膜40の端部であって、薄膜磁気ヘッドの浮上面から離れた側の端部を覆うように、絶縁膜50が形成される。 絶縁膜50は、スパッタリングにより形成され、その厚さは、50nmである。 絶縁膜50
    は、アルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(Si
    2 )からなる。 絶縁膜50として、アルミナ(Al 2
    3 )と二酸化シリコン(SiO 2 )を用いることにより、
    アルカリ液によりエッチングする際にも、エッチングされることはない。 また、GMR膜40の端部も絶縁膜により覆われているため、エッチングされることはないものである。

    【0022】GMR膜40及び絶縁膜50の上に、上部ギャップ膜60が形成される。 上部ギャップ膜60は、
    スパッタリングにより形成され、その厚さは、50nm
    である。 上部ギャップ膜60は、アルミナ(Al 23
    と二酸化シリコン(SiO )からなる絶縁膜である。

    【0023】上部ギャップ膜60の上に、厚さ2〜3μ
    mの上部シールド膜70がスパッタリング若しくはメッキにより形成される。 上部シールド膜70は、パーマロイ(NiFe合金)から構成される。

    【0024】ここで、GMR膜40の下面と下部シールド膜20の間の距離G1は、下部ギャップ膜30の膜厚によって規定される。 また、下部シールド膜20の上に形成される下部ギャップ膜30の膜厚は均一であるため、GMR膜40の下面と下部シールド膜20の間の絶縁距離I11,I12は、いずれの場所でも等しく、50n
    mとなっている。

    【0025】一方、GMR膜40の上面と上部シールド膜70の間の距離G2は、上部ギャップ膜60の膜厚によって規定される。 上部シールド膜70と下部シールド膜20の間の距離G3が、磁気ギャップ長であり、これは、下部ギャップ膜30の膜厚G1と上部ギャップ膜6
    0の膜厚と、GMR膜40の膜厚によって規定される。

    【0026】また、下部シールド膜20の上に形成される下部ギャップ膜30の膜厚は均一であるため、GMR
    膜40の下面と下部シールド膜20の間の絶縁距離I1
    1,I12は、いずれの場所でも等しく、50nmとなっている。 従って、GMR膜40の下面と下部シールド膜20の間の絶縁耐圧は、絶縁距離I11,I12によって定まるものである。

    【0027】さらに、GMR膜40の上面と上部シールド膜70の間の絶縁距離は、GMR膜40の上に、直接上部ギャップ膜60が形成される部分(浮上面に近い側の部分)では、I21であり、これは、上部ギャップ膜6
    0の膜厚に等しい50nmである。 一方、GMR膜40
    の浮上面から離れた側の部分においては、I22であり、
    これは、絶縁膜50の膜厚に上部ギャップ膜60の膜厚を加えたものとなる。 GMR膜40の浮上面から離れた部分における絶縁膜50の膜厚は、50nmよりも薄くなっている。 これは、下部ギャップ膜30の平面に対して、GMR膜40が50nmの膜厚で形成されており、
    このGMR膜40の端部の上に、絶縁膜50を形成するため、その部分の膜厚が50nmより薄くなるためである。 また、この部分における上部ギャップ膜60の膜厚も50nmよりも薄くなる。 しかしながら、GMR膜4
    0の浮上面から離れた側の端部における絶縁距離I22
    は、絶縁膜50の膜厚に上部ギャップ膜60の膜厚を加えたものとなるため、50nm以上の厚さを確保することができる。 即ち、本実施形態においては、絶縁膜50
    を用いることにより、浮上面側におけるGMR膜40と上部シールド膜70の距離I21を、浮上面側から離れた位置におけるGMR膜40と上部シールド膜70の距離I22よりも小さくしている。

    【0028】従来、絶縁膜50を用いない場合には、上部ギャップ膜60の膜厚を50nmで形成した場合でも、GMR膜40の浮上面から離れた側の端部における上部ギャップ膜60の膜厚は、40nm以下であった。
    従って、GMR膜40と上部シールド膜70の間の絶縁耐圧は、GMR膜40の浮上面から離れた側の端部における上部ギャップ膜60の膜厚によって制限されていた。 このときの絶縁耐圧は、40V以下であった。

    【0029】それに対して、本実施形態では、GMR膜40と上部シールド膜70の間の絶縁耐圧は、GMR膜40の浮上面側と上部シールド膜70の距離I21によって決まるため、50nmを確保することができる。 このときの絶縁耐圧は、50Vとすることができる。 従って、本実施形態では、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0030】また、浮上面側から離れた位置におけるG
    MR膜40と上部シールド膜70の距離I22を大きくできることにより、磁気記録媒体からGMR膜40に入った磁界が、上部シールド膜70に入り難くなるため、G
    MR膜40中での抵抗変化が大きくなり、出が向上する。

    【0031】次に、図3を用いて、本実施形態による薄膜磁気ヘッドを他の方向から見た場合の断面構造について説明する。 図3は、図1のB−B'断面を示している。

    【0032】基板10の上には、下部シールド膜20が形成され、さらに、下部ギャップ膜30及びGMR膜4
    0が順次形成される。

    【0033】GMR膜40の両端部には、GMR膜40
    と導通するように、電極膜80が形成される。 GMR膜40と電極膜80を同時に所定の形状に形成できるマスクを使用し、リフトオフ法のレジストパターンが形成される。 このレジストパターンを用いて、GMR膜40と電極膜80を同時に所定の形状に形成できる。

    【0034】その後、図2において説明したように、G
    MR膜40の端部を覆うように絶縁膜50が形成され、
    電極膜80の上には、図1に示したように、電極膜90
    が形成される。

    【0035】さらに、GMR膜40,絶縁膜50,電極膜80,90の全体の上に、上部ギャップ膜60と、上部シールド膜70が順次形成される。

    【0036】ここで、図4及び図5を用いて、絶縁膜と2層の電極膜との関係について説明する。 図4及び図5
    は、図1のC−C'断面を示している。

    【0037】図4に示すように、基板10の上には、下部シールド膜20が形成され、さらに、下部ギャップ膜30が順次形成される。

    【0038】下部ギャップ膜30の上に、GMR膜と、
    電極膜80が形成される。

    【0039】その後、電極膜80の端部及びGMR膜の端部を覆うように絶縁膜50が形成され、電極膜80の上には、電極膜90が形成される。

    【0040】さらに、図5に示すように、GMR膜,絶縁膜50,電極膜80,90の全体の上に、上部ギャップ膜60と、上部シールド膜70が順次形成される。

    【0041】図5において、矢印(a),(b),
    (c),(d)で示す部分においては、電極膜80の端部に絶縁膜50が形成され、さらに、その上に、上部ギャップ膜60及び上部シールド膜70が形成されている。 従って、電極膜80の上部から上部シールド膜70
    の下面までの距離が、絶縁膜50が無い場合に比べて大きくできるため、電極と上部シールド膜間の絶縁耐圧を向上することができる。

    【0042】次に、図6を用いて、本実施形態による薄膜磁気ヘッドの全体の製造プロセスについて説明する。
    なお、図6の(B−1)〜(B−3)は、図1のA−
    A'断面を示し、図6の(A−1)〜(A−3)は、図1のB−B'断面を示している。 また、図6の(A−
    1)〜(A−3)は、図2とは異なり、B−B'の面において切断される前の状態,即ち、図1におけるA−
    A'断面そのものを示している。

    【0043】図6(B−1),(A−1)に示すように、厚さ2mmのアルミニウム(Al)とチタン(T
    i)と炭素(C)の合金(アルチック)からなる基板1
    0の上には、厚さ10μmのアルミナ(Al 23 )膜をスパッタリングで形成した後、厚さ2μのコバルト(C
    o)とニオブ(Nb)とジルコニウム(Zr)とからなる下部シールド膜20が、スパッタリング若しくはメッキにより形成される。

    【0044】下部シールド膜20の上に、厚さが50n
    mのアルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(Si
    2 )からなる下部ギャップ膜30が、スパッタリングにより形成される。

    【0045】下部ギャップ膜30の上に、タンタル(T
    a)、パーマロイ(NiFe合金)、コバルト(C
    o)、銅(Cu)、コバルト(Co)、クロム(Cr)
    ・マンガン(Mn)・プラチナ(Pt)が順次積層されて厚さが50nmのGMR膜40が、スパッタリング若しくはCVDにより形成される。

    【0046】さらに、(B−1)に示すように、GMR
    膜40の両端部の上に、クロム(Cr)、コバルト(C
    o)とクロム(Cr)とプラチナ(Pt)の合金、クロム(Cr)、タンタル(Ta)を順次積層して厚さが5
    0nmの電極膜80が、スパッタリング若しくはCVD
    により形成される。 電極膜80は、レジストの下側にアンダーカットを入れたリフトオフ法のレジストパターンを用いて形成される。 次に、GMR膜40の不要部分が、イオンミリングによって除去される。

    【0047】次に、(A−2)に示すように、GMR膜40の端部であって、電極膜80が形成される側に対して直交する側の端部を覆うように、厚さが50nmのアルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )からなる絶縁膜50が、スパッタリングにより形成される。

    【0048】絶縁膜50の形成後、GMR膜40と電極膜80の形成に用いたリフトオフ法のレジストが、レジスト剥離液を用いて除去され、さらに、基板は、レジスト剥離後、洗浄液により洗浄される。 ここで、GMR膜40の端部は、絶縁膜50により覆われているため、アルカリ性のレジスト剥離液によりレジストの除去が行われても、GMR膜40中のコバルト(Co)や銅(C
    u)が腐食されることがなくなり、GMR膜40のダメージを防止できるものである。

    【0049】次に、図1に示したように、電極膜80の上に、厚さが200nmの金(Au)からなる電極膜9
    0が、スパッタリングにより形成される。

    【0050】さらに、(B−3),(A−3)に示すように、GMR膜40,絶縁膜50,電極膜80,90を覆うように、厚さが50nmのアルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )からなる上部ギャップ膜6
    0が、スパッタリングにより形成される。

    【0051】上部ギャップ膜60の上に、厚さ2〜3μ
    mのパーマロイ(NiFe合金)からなる上部シールド膜70が、スパッタリング若しくはメッキにより形成される。

    【0052】上部シールド膜70の形成後、図1におけるB−B'において切断され、その切断面を研磨することによって、センサであるGMR膜40が、浮上面に露出した構造のシールド型薄膜磁気ヘッドを構成することができる。

    【0053】本実施形態においては、GMR膜40の上面と上部シールド膜70の間の絶縁距離は、GMR膜4
    0の浮上面から離れた側の部分においては、絶縁膜50
    の膜厚に上部ギャップ膜60の膜厚を加えたものとなり、50nm以上の厚さを確保することができる。 即ち、本実施形態においては、絶縁膜50を用いることにより、浮上面側におけるGMR膜40と上部シールド膜70の距離を、浮上面側から離れた位置におけるGMR
    膜40と上部シールド膜70の距離よりも小さくしている。 これによって、本実施形態では、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0054】また、GMR膜40の端部であって、浮上面側から離れた側の端部を絶縁膜50で覆うようにしているため、レジストの除去の際にも、GMR膜40中のコバルト(Co)や銅(Cu)が腐食されることがなくなるものである。

    【0055】なお、以上の説明では、磁気抵抗効果膜として、GMR膜40を用いるものとして説明したが、G
    MR膜に代えて、MR膜を用いても同様に構成することができる。 MR膜を用いる場合には、図6(B−1),
    (A−1)に示す工程において、下部ギャップ膜30の上に、NiFeを含む合金、タンタル(Ta)、パーマロイ(NiFe合金)、タンタル(Ta)が順次積層されて厚さが50nmのMR膜が、スパッタリング若しくはCVDにより形成される。

    【0056】MR膜を用いる場合にも、MR膜の浮上面側から離れた端部には、(A−2)に示すように絶縁膜が形成されるため、MR膜の上面と上部シールド膜70
    の間の絶縁距離は、MR膜の浮上面から離れた側の部分においては、絶縁膜50の膜厚に上部ギャップ膜60の膜厚を加えたものとなり、50nm以上の厚さを確保することができる。 即ち、絶縁膜50を用いることにより、浮上面側におけるMR膜と上部シールド膜70の距離を、浮上面側から離れた位置におけるMR膜と上部シールド膜70の距離よりも小さくしている。 これによって、本実施形態では、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0057】なお、MR膜においては、アルカリ性のレジスト剥離液によってエッチングされるようなコバルト(Co)や銅(Cu)は含まれていないため、耐エッチング性が高まることはないものである。

    【0058】次に、図7を用いて、本発明の第2の実施形態のよる薄膜磁気ヘッドについて説明する。 なお、図7は、第1の実施形態における図2に対応する図であり、図2と同一符号は、同一部分を示している。 また、
    本実施形態による薄膜磁気ヘッドの平面構成は、図1に示したものと同様であり、図7は、図1のB−B'において切断研磨した状態におけるA−A'断面を示している。

    【0059】基板10の上には、下部シールド膜20が形成され、さらに、下部ギャップ膜30及びGMR膜4
    0が順次形成される。 基板10,下部シールド膜20,
    下部ギャップ膜30及びGMR膜40の材質,厚さ,及び成膜方法は、第1の実施形態と同様である。

    【0060】図7には示されていないが、図3に示したように、GMR膜40の両端部には、GMR膜40と導通するように、電極膜80が形成され、電極膜80の上には、図1に示したように、電極膜90が形成される。
    電極膜80,90の材質,厚さ,及び成膜方法は、第1
    の実施形態と同様である。

    【0061】GMR膜40,下部ギャップ膜30及び電極膜80,90の上に、上部ギャップ膜60Aが形成される。 上部ギャップ膜60Aは、スパッタリングにより形成され、その厚さは、50nmである。 上部ギャップ膜60Aは、アルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )からなる絶縁膜である。

    【0062】上部ギャップ膜60Aは、GMR膜40の上の部分において、凸部を形成しているため、この凸部の端部を覆うようにして、絶縁膜50Aを形成する。 絶縁膜50Aは、スパッタリングにより形成され、その厚さは、50nmである。 絶縁膜50Aは、アルミナ(A
    23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )からなる。

    【0063】上部ギャップ膜60A及び絶縁膜50Aの上に、厚さ2〜3μmの上部シールド膜70がスパッタリング若しくはメッキにより形成される。

    【0064】以上のようにして、上部ギャップ膜の上に、絶縁膜を形成するようにしても、GMR膜40の上面と上部シールド膜70の間の絶縁距離は、GMR膜4
    0の上に、直接上部ギャップ膜60が形成される部分(浮上面に近い側の部分)では、上部ギャップ膜60の膜厚に等しい50nmとなり、GMR膜40の浮上面から離れた側の部分においては、上部ギャップ膜60Aの膜厚に絶縁膜50Aの膜厚を加えたものとなる。 従って、GMR膜40の浮上面から離れた側の端部における絶縁距離は、上部ギャップ膜60Aの膜厚に絶縁膜50
    Aの膜厚を加えたものとなるため、50nm以上の厚さを確保することができる。 即ち、本実施形態においては、絶縁膜50Aを用いることにより、浮上面側におけるGMR膜40と上部シールド膜70の距離を、浮上面側から離れた位置におけるGMR膜40と上部シールド膜70の距離よりも小さくしている。 これによって、本実施形態では、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0065】次に、図8〜図12を用いて、本発明の第3の実施形態のよる薄膜磁気ヘッドについて説明する。
    なお、図8は、第1の実施形態における図3に対応する図であり、図3と同一符号は、同一部分を示している。
    また、本実施形態による薄膜磁気ヘッドの平面構成は、
    図1に示したものと同様であり、図8は、図1のB−
    B'において切断研磨した状態におけるA−A'断面を示している。

    【0066】本実施形態においては、図3に示した構成に加えて、バイアス膜85を備えている。 バイアス膜8
    5は、導電性であり、GMR膜40の両端に接続されて、GMR膜40にバイアス磁界を与える。 バイアス膜85は、電極膜80に接続される。

    【0067】バイアス膜85の大きさは、従来のバイアス膜に比べて小さくしている。 即ち、従来のバイアス膜は、例えば、図1に示した電極膜80とほぼ同じ大きさとなっている。 それに対して、本実施形態におけるバイアス膜85は、図10,図11を用いて後述するように、浮上面に直交する方向(図1のA−A'方向)における幅を、GMR膜40とほぼ同じものとしている。

    【0068】バイアス膜85の大きさが、電極膜80とほぼ同じ大きさの場合、バイアス膜85と下部シールド膜20の間は、下部ギャップ膜30で絶縁されているが、磁気ヘッドの分解能を高めるために、ギャップ長G
    Lを小さくし、上下ギャップ膜,特に、下部ギャップ膜30を薄くすると、下部シールド膜20の上に付着して下部ギャップ膜30と下部シールド膜20の間に残存した異物や下部ギャップ膜30に形成されるピンホールの影響によって、絶縁耐圧が低下することになる。

    【0069】そこで、バイアス膜85の大きさを小さくすることにより、異物やピンホールによる絶縁耐圧の低下の確率を低下させるようにしている。 また、バイアス膜85の大きさを小さくするだけでは、電極膜80が下部ギャップ膜30と接触することになるので、電極膜8
    0と下部ギャップ膜30の間には、図11を用いて後述するように、絶縁膜50を形成するようにしている。 この絶縁膜50は、浮上面部分から離れた側におけるバイアス膜85の端部を覆うように形成される。

    【0070】図8に示すように、基板10の上には、下部シールド膜20が形成されている。 基板10は、厚さ2mmのアルミニウム(Al)とチタン(Ti)と炭素(C)の合金(アルチック)を用いている。 基板10の上に、厚さ10μmのアルミナ(Al 23 )膜をスパッタリングで形成した後、厚さ2μmの下部シールド膜2
    0がスパッタリング若しくはメッキにより形成される。
    下部シールド膜20は、コバルト(Co)と、ニオブ(Nb)と、ジルコニウム(Zr)の合金から構成される。 下部シールド膜20としては、他に、鉄(Fe),
    アルミニウム(Al),シリコン(Si)の合金(センダスト)や、パーマロイ(Ni−Fe)を用いることもできる。

    【0071】下部シールド膜20の上に、下部ギャップ膜30が形成される。 下部ギャップ膜30は、スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、7
    0〜80nmである。 下部ギャップ膜30は、アルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )からなる絶縁膜である。 下部ギャップ膜30としては、AlN,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)のような熱伝導率の良い絶縁材料を用いることもできる。

    【0072】下部ギャップ膜30の上に、GMR膜40
    が形成される。 GMR膜40は、スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、50nmである。 GMR膜40は、タンタル(Ta)、パーマロイ(NiFe合金)、コバルト(Co)、銅(Cu)、コバルト(Co)、クロム(Cr)・マンガン(Mn)・
    プラチナ(Pt)が順次積層されて形成される。 この中で、コバルト(Co)、銅(Cu)が、エッチングによって腐食されやすい材料である。

    【0073】GMR膜40の両端部の上に、GMR膜4
    0に対するバイアス膜85が形成される。 バイアス膜8
    5は、スパッタリングにより形成され、その厚さは、5
    0nmである。 バイアス膜85は、Co−Cr−Ptのような硬磁性材料を用いている。 バイアス膜85としては、Fe−Mnのような反強磁性材料を用いることもできる。 バイアス膜85は、GMR膜40にバイアス磁界を与える。

    【0074】バイアス膜85の上に、電極膜80が形成される。 電極膜80は、スパッタリング若しくはCVD
    により形成され、その厚さは、70nmである。 電極膜80は、タンタル(Ta),タングステン(W),モリブデン(Mo),金(Au),アルミニウム(Al),
    銅(Cu)のような抵抗率の低い材料を用いる。

    【0075】GMR膜40及び電極膜80の上に、上部ギャップ膜60が形成される。 上部ギャップ膜60は、
    スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、70〜80nmである。 上部ギャップ膜60は、
    アルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )からなる絶縁膜である。 上部ギャップ膜80としては、A
    lN,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)のような熱伝導率の良い絶縁材料を用いることもできる。

    【0076】上部ギャップ膜60の上に、厚さ2μmの上部シールド膜70がスパッタリング若しくはメッキにより形成される。 上部シールド膜70は、パーマロイ(NiFe合金)から構成される。

    【0077】上部シールド膜70が形成された後、図1
    に示したB−B'(浮上面)において切断され、その端面が研磨される。 この切断研磨によって、GMR膜40
    は、磁気記録媒体に対する浮上面に露出して、シールド型薄膜磁気ヘッドが完成する。

    【0078】なお、図9〜図11を用いて後述するように、電極膜80の形成後であって、上部ギャップ膜60
    の形成前に、本実施形態による絶縁膜が形成される。 絶縁膜の形成される位置は、GMR膜40及びバイアス膜85の浮上面と反対側の端部である。 絶縁膜が形成された後、上部ギャップ膜60と、上部シールド膜70が順次形成される。

    【0079】次に、図9〜図11を用いて、本発明の第3の実施形態のよる薄膜磁気ヘッドに用いた絶縁膜について説明する。 なお、図9は、図8のA−A'断面を示し、図10は、図8のD−D'断面を示し、図11は、
    図8のE−E'断面を示している。

    【0080】図9〜図11に示すように、基板10の上には、下部シールド膜20が形成され、さらに、下部ギャップ膜30が順次形成される。 さらに、図9に示すように、下部ギャップ膜30の上には、GMR膜40が形成され、次に、図10及び図11に示すように、GMR
    膜40の両側にバイアス膜85が形成される。

    【0081】次に、図9に示すように、GMR膜40の端部であって、薄膜磁気ヘッドの浮上面から離れた側の端部を覆うように、また、図10及び図11に示すように、バイアス膜85の端部であって、薄膜磁気ヘッドの浮上面から離れた側の端部を覆うように、絶縁膜50が形成される。 絶縁膜50は、スパッタリングにより形成され、その厚さは、50〜100nmである。 即ち、G
    MR膜40と同じ膜厚からGMR膜40の2倍の膜厚の範囲としている。 絶縁膜50の膜厚は、絶縁材料の絶縁性能や、段差端部でのつきまわりを考慮して決められるものであり、下部ギャップ膜30や上部ギャップ膜60
    のように磁気抵抗効果型ヘッドを設計する上で、膜厚を厳しく制限しなければならない膜ではなく、絶縁性能を保てる膜厚があればよいものである。

    【0082】絶縁膜50は、アルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )から構成されている。 絶縁膜50として、アルミナ(Al 23 )と二酸化シリコン(SiO 2 )を用いることにより、アルカリ液によりエッチングする際にも、エッチングされることはないものである。 また、GMR膜40の端部も絶縁膜50により覆われているため、エッチングされることはないものである。 なお、絶縁膜50としては、窒化アルミニウム(AlN)や、窒化シリコン(Si 34 )や、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)のような熱伝導率の良い絶縁材料を用いることもできる。

    【0083】次に、図10及び図11に示すように、バイアス膜85の上に、電極膜80が形成される。 さらに、図9〜図11に示すように、GMR膜40,絶縁膜50及び電極膜80の上に、上部ギャップ膜60が形成される。

    【0084】また、図9〜図11に示すように、上部ギャップ膜60の浮上面から離れた位置には、厚さ0.5
    〜1μmの上部絶縁膜55がスパッタリングにより形成される。 上部絶縁膜55は、図11に示すように、電極膜80と上部シールド膜70の間の距離を大きくして、
    絶縁耐圧を向上されるために備えられている。

    【0085】図9〜図11に示すように、上部ギャップ膜60及び上部絶縁膜55の上に、厚さ2μmの上部シールド膜70がスパッタリング若しくはメッキにより形成される。 上部シールド膜70は、パーマロイ(NiF
    e合金)から構成される。

    【0086】ここで、図11に示すように、本実施形態においては、電極膜80と下部シールド膜20の間の距離G4は、絶縁性を有する下部ギャップ膜30及び絶縁膜50の膜厚によって規定される。 従来の磁気ヘッドにおいては、絶縁膜50が用いられておらず、電極膜80
    の下には、電極膜80とほぼ同じ面積のバイアス膜が設けられていたため、バイアス膜と下部シールド膜20
    は、下部ギャップ膜30によって絶縁されているだけである。 従って、磁気ヘッドの分解能を高めるために、ギャップ長GLを小さくし、下部ギャップ膜30を薄くすると、下部シールド膜20の上に付着して下部ギャップ膜30と下部シールド膜20の間に残存した異物や下部ギャップ膜30に形成されるピンホールの影響によって、絶縁耐圧が低下することになる。

    【0087】そこで、本実施形態においては、バイアス膜85の面積を小さくすることにより、異物やピンホールによる絶縁耐圧の低下の確率を低下させるようにしている。 また、バイアス膜85の大きさを小さくするだけでは、電極膜80が下部ギャップ膜30と接触することになるので、電極膜80と下部ギャップ膜30の間には、図11に示したように、絶縁膜50を形成している。 従って、電極膜80と下部シールド膜20の間の距離は、G4となり、絶縁耐圧を向上することができる。

    【0088】また、絶縁膜50は、図10に示すように、浮上面部分から離れた側におけるバイアス膜85の端部を覆うように形成しているので、バイアス膜85の端部から上部シールド膜70までの絶縁距離I32を大きくすることができ、バイアス膜85と上部シールド膜7
    0の間の絶縁耐圧を大きくすることができる。

    【0089】さらに、図2に示した実施形態において説明し、また、図9に示したように、絶縁膜50を用いることにより、浮上面側におけるGMR膜40と上部シールド膜70の絶縁距離I21を、浮上面側から離れた位置におけるGMR膜40と上部シールド膜70の距離絶縁I22よりも小さくすることにより、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0090】次に、図12を用いて、本実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造プロセスについて説明する。 なお、図12において、左側の図(a),(c),
    (d),(e),(g),(h),(j)は、磁気媒体対向面に相当する位置から見た時のプロセス図であり、
    右側の図(b),(f),(i),(k)は、左側のプロセス図(a),(e),(h),(j)を上から見た図である。

    【0091】図12(a)に示すように、図示しない基板の上に、下部シールド膜20を形成する。 その上に下部ギャップ膜30を形成し、さらに、その上にGMR膜40を形成する。 さらに、ハードバイアス構造の場合、
    バイアス膜を形成するためにステンシル状のレジストパターンRP1を形成する。 レジストパターンRP1は、
    図12(b)に示すように、バイアス膜を形成する領域が、開口しているパターンである。

    【0092】次に、図12(c)に示すように、レジストパターンRP1をマスクとして、イオンミリングIM
    等により、バイアス膜を形成する領域のGMR膜40を取り除く。 GMR膜40Bは、最終的に磁気ヘッドのセンサとして用いる部分であり、GMR膜40A,40C
    は、以降の工程で取り除かれる。

    【0093】次に、図12(d)に示すように、レジストパターンRP1をマスクとして、バイアス膜85をスパッタリングにより形成する。 バイアス膜85A,85
    Bが、以降の工程で最終的にバイアス膜として用いられる。 バイアス膜の形成後、レジスト剥離液を用いて、レジストパターンRP1と、このレジストパターンRP1
    の上面に形成されたバイアス膜85を除去する。

    【0094】次に、図12(e)及び(f)に示すように、GMR膜40Bを所定のセンサ形状に成形するために、ステンシル状のレジストパターンRP2を形成する。 レジストパターンRP2は、図12(f)に示すように、残すべきGMR膜40Bとバイアス膜85A,8
    5Bを覆う形状としている。

    【0095】そして、図12(g)に示すように、レジストパターンRP2をマスクとして、イオンミリングI
    M等を用いて、最終的な形状を有するGMR膜40とバイアス膜85の部分を残して、余分な部分を除去する。

    【0096】その後、図12(h),(i)に示すように、このレジストパターンRP2を再度用いて、絶縁膜50を形成する。 絶縁膜50は、GMR膜40及びバイアス膜85の外周,即ち、図9及び図10において説明したように、GMR膜40及びバイアス膜85の浮上面から離れた側の端部を覆うように形成される。 従って、
    磁気抵抗効果型ヘッドを形成するプロセス中の溶液によって腐食され易いCu,Coなどの材料が露出するGM
    R膜40の端部は、GMR膜40をイオンミリングによって成形した後すぐに絶縁膜50が形成されるため、プロセス中の溶液に触れることがなく、従って、GMR膜40が腐食することなしに磁気抵抗効果型ヘッドを作製することができる。

    【0097】絶縁膜50の形成後、レジスト剥離液を用いて、レジストパターンRP2とレジストパターンRP
    2の上に形成された余分な絶縁膜50Aを除去することにより、図12(i)に示すように、GMR膜40の両側にバイアス膜85が形成され、それらの周囲の表面が絶縁膜50に覆われた構成とすることができる。

    【0098】次に、図12(j),(k)に示すように、GMR膜40を端子と接続するための、電極膜80
    がバイアス膜85の上に形成される。 電極膜80は、その一端においてバイアス膜85と導通しているが、その大部分は、絶縁膜50の上に形成される。 従って、電極膜80の大部分は、その下に、絶縁膜50と下部ギャップ膜30が形成されており、下部シールド膜20との間の絶縁耐圧を向上することができる。

    【0099】その後、図9〜図11において説明したように、上部ギャップ膜60,上部絶縁膜55及び上部シールド膜70が順次形成される。 そして、図12(k)
    に示すB−B'に沿って切断され、その切断面を研磨して、磁気ヘッドが形成される。 図12(k)のA−A'
    の断面構造は、図9に示したとおりであり、図12
    (k)のD−D'の断面構造は、図10に示したとおりであり、図12(k)のE−E'の断面構造は、図11
    に示したとおりである。

    【0100】以上説明したように、本実施形態によれば、バイアス膜85を電極膜80よりも小さくするとともに、電極膜80と下部ギャップ膜30の間に絶縁膜5
    0を備えるようにしているため、電極膜80と下部シールド膜20との間の絶縁耐圧を向上することができる。

    【0101】また、バイアス膜85の浮上面から離れた側の端部を絶縁膜50で覆うようにしているため、バイアス膜85と上部シールド膜70の間の絶縁耐圧を向上することができる。

    【0102】さらに、絶縁膜50を用いることにより、
    浮上面側におけるGMR膜40と上部シールド膜70の距離を、浮上面側から離れた位置におけるGMR膜40
    と上部シールド膜70の距離よりも小さくしているので、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0103】また、GMR膜40の端部であって、浮上面側から離れた側の端部を絶縁膜50で覆うようにしているため、レジストの除去の際にも、GMR膜40中のコバルト(Co)や銅(Cu)が腐食されることがなくなるものである。

    【0104】なお、以上の説明では、磁気抵抗効果膜として、GMR膜40を用いるものとして説明したが、G
    MR膜に代えて、MR膜を用いても同様に構成することができる。 MR膜を用いる場合には、下部ギャップ膜3
    0の上に、NiFeを含む合金、タンタル(Ta)、パーマロイ(NiFe合金)、タンタル(Ta)が順次積層されて厚さが50nmのMR膜が、スパッタリング若しくはCVDにより形成される。

    【0105】MR膜を用いる場合にも、MR膜の浮上面側から離れた端部には、絶縁膜が形成されるため、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0106】次に、図13〜図16を用いて、本発明の第4の実施形態のよる薄膜磁気ヘッドについて説明する。

    【0107】なお、図13は、第3の実施形態における図9に対応する図であり、図9と同一符号は、同一部分を示しており、図14は、図10に対応する図であり、
    図10と同一符号は、同一部分を示しており、図15
    は、図11に対応する図であり、図11と同一符号は、
    同一部分を示している。

    【0108】図13〜図15に示すように、厚さ2mm
    のアルミニウム(Al)とチタン(Ti)と炭素(C)
    の合金(アルチック)からなる基板10の上には、下部シールド膜20が形成される。 下部シールド膜20は、
    厚さ2μmであり、スパッタリング若しくはメッキにより形成される。 下部シールド膜20は、コバルト(C
    o)と、ニオブ(Nb)と、ジルコニウム(Zr)の合金から構成される。 下部シールド膜20としては、他に、鉄(Fe),アルミニウム(Al),シリコン(S
    i)の合金(センダスト)や、パーマロイ(Ni−F
    e)を用いることもできる。

    【0109】下部シールド膜20の上には、下部ギャップ膜30が形成される。 下部ギャップ膜30は、スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、
    70〜80nmである。 下部ギャップ膜30は、アルミナ(Al2O3)と二酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁膜である。 下部ギャップ膜30としては、AlN,
    ダイヤモンドライクカーボン(DLC)のような熱伝導率の良い絶縁材料を用いることもできる。

    【0110】さらに、図13に示すように、下部ギャップ膜30の上には、GMR膜40が形成される。 GMR
    膜40は、スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、50nmである。 GMR膜40は、タンタル(Ta)、パーマロイ(NiFe合金)、コバルト(Co)、銅(Cu)、コバルト(Co)、クロム(Cr)・マンガン(Mn)・プラチナ(Pt)が順次積層されて形成される。

    【0111】次に、図14及び図15に示すように、G
    MR膜40の両端部にバイアス膜85が形成される。 バイアス膜85は、スパッタリングにより形成され、その厚さは、50nmである。 バイアス膜85は、Co−C
    r−Ptのような硬磁性材料を用いている。 バイアス膜85としては、Fe−Mnのような反強磁性材料を用いることもできる。 バイアス膜85は、GMR膜40にバイアス磁界を与える。

    【0112】さらに、図14及び図15に示すように、
    バイアス膜85の上に、第1の電極膜80が形成される。 第1の電極膜80は、スパッタリング若しくはCV
    Dにより形成され、その厚さは、70nmである。 第1
    の電極膜80は、エレクトロンマイグレーションの観点からタンタル(Ta),タングステン(W),モリブデン(Mo)などの高融点金属を用いる。 また、これらの金属の合金を用いたり、これらの金属を順次積層してもよいものである。 また、金(Au),アルミニウム(A
    l)のような抵抗率の低い材料を用いることもできる。

    【0113】次に、図13に示すように、GMR膜40
    の端部であって、薄膜磁気ヘッドの浮上面から離れた側の端部を覆うように、また、図14及び図15に示すように、バイアス膜85及び第1の電極膜80の端部であって、薄膜磁気ヘッドの浮上面から離れた側の端部を覆うように、絶縁膜50が形成される。 絶縁膜50は、スパッタリングにより形成され、その厚さは、50〜10
    0nmである。 即ち、GMR膜40と同じ膜厚からGM
    R膜40の2倍の膜厚の範囲としている。 絶縁膜50の膜厚は、絶縁材料の絶縁性能や、段差端部でのつきまわりを考慮して決められるものであり、下部ギャップ膜3
    0や上部ギャップ膜60のように磁気抵抗効果型ヘッドを設計する上で、膜厚を厳しく制限しなければならない膜ではなく、絶縁性能を保てる膜厚があればよいものである。

    【0114】絶縁膜50は、アルミナ(Al2O3)と二酸化シリコン(SiO2)から構成されている。 絶縁膜50として、アルミナ(Al2O3)と二酸化シリコン(SiO2)を用いることにより、アルカリ液によりエッチングする際にも、エッチングされることはないものである。 また、GMR膜40の端部も絶縁膜50により覆われているため、エッチングされることはないものである。 なお、絶縁膜50としては、窒化アルミニウム(AlN)や、窒化シリコン(Si3N4)や、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)のような熱伝導率の良い絶縁材料を用いることもできる。

    【0115】次に、図14に示すように、第1の電極膜80の上に、第2の電極膜90が形成される。 第2の電極膜90は、スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、200nmである。 第2の電極膜8
    0は、金(Au),アルミニウム(Al),銅(Cu)
    のような抵抗率の低い材料を用いており、素子全体の抵抗率を低くしている。

    【0116】図13〜図15に示すように、GMR膜4
    0及び第2の電極膜90の上に、上部ギャップ膜60が形成される。 上部ギャップ膜60は、スパッタリング若しくはCVDにより形成され、その厚さは、70〜80
    nmである。 上部ギャップ膜60は、アルミナ(Al2
    O3)と二酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁膜である。 上部ギャップ膜80としては、AlN,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)のような熱伝導率の良い絶縁材料を用いることもできる。

    【0117】また、図13〜図15に示すように、上部ギャップ膜60の浮上面から離れた位置には、厚さ0.
    5〜1μmの上部絶縁膜55がスパッタリングにより形成される。 上部絶縁膜55を備えることにより、第2の電極膜90と上部シールド膜70の間の距離を大きくして、絶縁耐圧を向上している。

    【0118】さらに、図13〜図15に示すように、上部ギャップ膜60及び上部絶縁膜55の上に、厚さ2μ
    mの上部シールド膜70がスパッタリング若しくはメッキにより形成される。 上部シールド膜70は、パーマロイ(NiFe合金)から構成される。

    【0119】次に、図16を用いて、本実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造プロセスについて説明する。 なお、図16において、左側の図(a),(c),
    (d),(e),(g),(h),(j)は、磁気媒体対向面に相当する位置から見た時のプロセス図であり、
    右側の図(b),(f),(i),(k)は、左側のプロセス図(a),(e),(h),(j)を上から見た図である。

    【0120】図16(a)に示すように、図示しない基板の上に、下部シールド膜20を形成する。 その上に下部ギャップ膜30を形成し、さらに、その上にGMR膜40を形成する。 さらに、ハードバイアス構造の場合、
    バイアス膜を形成するためにステンシル状のレジストパターンRP1を形成する。 レジストパターンRP1は、
    図16(b)に示すように、バイアス膜を形成する領域が、開口しているパターンである。

    【0121】次に、図16(c)に示すように、レジストパターンRP1をマスクとして、イオンミリングIM
    等により、バイアス膜を形成する領域のGMR膜40を取り除く。 GMR膜40Bは、最終的に磁気ヘッドのセンサとして用いる部分であり、GMR膜40A,40C
    は、以降の工程で取り除かれる。

    【0122】次に、図16(d)に示すように、レジストパターンRP1をマスクとして、バイアス膜85をスパッタリングにより形成し、次に、第1の電極膜80を形成する。 バイアス膜85A,85Bが、以降の工程で最終的にバイアス膜として用いられ、また、電極膜80
    A,80Bが、以降の工程で最終的に第1の電極膜として用いられる。 第1の電極膜の形成後、レジスト剥離液を用いて、レジストパターンRP1と、このレジストパターンRP1の上面に形成されたバイアス膜85及び第1の電極膜80を除去する。

    【0123】次に、図16(e)及び(f)に示すように、GMR膜40Bを所定のセンサ形状に成形するために、ステンシル状のレジストパターンRP3を形成する。 レジストパターンRP3は、図16(f)に示すように、残すべきGMR膜40Bと第1の電極膜80A,
    80Bを覆う形状としている。

    【0124】そして、図16(g)に示すように、レジストパターンRP3をマスクとして、イオンミリングI
    M等を用いて、最終的な形状を有するGMR膜40とバイアス膜85と第1の電極膜80の部分を残して、余分な部分を除去する。

    【0125】その後、図16(h),(i)に示すように、このレジストパターンRP3を再度用いて、絶縁膜50を形成する。 絶縁膜50は、GMR膜40及びバイアス膜85及び第1の電極膜80の外周,即ち、図14
    及び図15において説明したように、GMR膜40及びバイアス膜85及び第1の電極膜80の浮上面から離れた側の端部を覆うように形成される。 従って、磁気抵抗効果型ヘッドを形成するプロセス中の溶液によって腐食され易いCu,Coなどの材料が露出するGMR膜40
    の端部は、GMR膜40をイオンミリングによって成形した後すぐに絶縁膜50が形成されるため、プロセス中の溶液に触れることがなく、従って、GMR膜40が腐食することなしに磁気抵抗効果型ヘッドを作製することができる。

    【0126】絶縁膜50の形成後、レジスト剥離液を用いて、レジストパターンRP3とレジストパターンRP
    3の上に形成された余分な絶縁膜50Aを除去することにより、図16(i)に示すように、GMR膜40の両側にバイアス膜85を覆う第1の電極膜80が形成され、それらの周囲の表面が絶縁膜50に覆われた構成とすることができる。

    【0127】次に、図16(j),(k)に示すように、GMR膜40を端子と接続するための、第2の電極膜90が第1の電極膜80の上に形成される。 第2の電極膜90は、その一端において第1の電極膜80と導通しているが、その大部分は、絶縁膜50の上に形成される。 従って、第2の電極膜90の大部分は、その下に、
    絶縁膜50と下部ギャップ膜30が形成されており、下部シールド膜20との間の絶縁耐圧を向上することができる。

    【0128】その後、図13〜図15において説明したように、上部ギャップ膜60,上部絶縁膜55及び上部シールド膜70が順次形成される。 そして、図16
    (k)に示すB−B'に沿って切断され、その切断面を研磨して、磁気ヘッドが形成される。 図16(k)のA
    −A'の断面構造は、図13に示したとおりであり、図16(k)のD−D'の断面構造は、図14に示したとおりであり、図16(k)のE−E'の断面構造は、図15に示したとおりである。

    【0129】以上説明したように、本実施形態によれば、バイアス膜85を第2の電極膜90よりも小さくするとともに、第2の電極膜90と下部ギャップ膜30の間に絶縁膜50を備えるようにしているため、第2の電極膜90と下部シールド膜20との間の絶縁耐圧を向上することができる。

    【0130】また、バイアス膜85の浮上面から離れた側の端部及び第1の電極膜80の浮上面から離れた側の端部を絶縁膜50で覆うようにしているため、バイアス膜85と上部シールド膜70及び第1の電極80と上部シールド膜70の間の絶縁耐圧を向上することができる。

    【0131】さらに、絶縁膜50を用いることにより、
    浮上面側におけるGMR膜40と上部シールド膜70の距離を、浮上面側から離れた位置におけるGMR膜40
    と上部シールド膜70の距離よりも小さくしているので、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0132】また、GMR膜40の端部であって、浮上面側から離れた側の端部を絶縁膜50で覆うようにしているため、レジストの除去の際にも、GMR膜40中のコバルト(Co)や銅(Cu)が腐食されることがなくなるものである。

    【0133】なお、以上の説明では、磁気抵抗効果膜として、GMR膜40を用いるものとして説明したが、G
    MR膜に代えて、MR膜を用いても同様に構成することができる。 MR膜を用いる場合には、下部ギャップ膜3
    0の上に、NiFeを含む合金、タンタル(Ta)、パーマロイ(NiFe合金)、タンタル(Ta)が順次積層されて厚さが50nmのMR膜が、スパッタリング若しくはCVDにより形成される。

    【0134】MR膜を用いる場合にも、MR膜の浮上面側から離れた端部には、絶縁膜が形成されるため、絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上することができる。

    【0135】次に、図17を用いて、上述した各実施形態による磁気ヘッドを用いた磁気記憶装置の構成について説明する。

    【0136】図17に示す磁気記憶装置は、上述した各実施形態による磁気抵抗効果型磁気ヘッド特性確認に用いられるとともに、磁気記憶装置としての特性確認等も用いられるものである。

    【0137】磁気記憶装置200の薄膜磁気記録媒体2
    10は、媒体ノイズの少なく、かつ、高保磁力の電磁変換特性に優れた極めて高い面記録密度が記録可能なものである。 薄膜磁気記録媒体210は、スピンドルモータ220によって、記録方向に駆動される。

    【0138】磁気抵抗効果型ヘッド230は、記録部と、上述した各実施形態に示した磁気抵抗効果型の再生部とを備えており、ガイドアーム240によって、磁気記録媒体210に対して相対運動をされる。 記録再生信号処理回路250は、磁気抵抗効果型ヘッド210への信号入力と磁気抵抗効果型ヘッド210からの出力信号再生を行うものである。

    【0139】以上のように構成されている磁気記憶装置200を用いて、磁気抵抗効果型ヘッド230の特性を確認した。 なお、磁気記憶装置200としては、複数の磁気記録媒体210を有し、ガイドアーム240に複数の磁気抵抗効果型ヘッド230を有した構成としてもよりものである。

    【0140】また、本発明による磁気記憶装置を構成する磁気抵抗効果型ヘッド230は、巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したスピンバルブ型MRヘッドだけでなく、異方性磁気抵抗効果(AMR)を用いたMRヘッドにも適用できるものである。

    【0141】

    【発明の効果】本発明によれば、薄膜磁気ヘッドにおける磁気抵抗効果膜と上下シールド膜との間の絶縁耐圧を向上させ、信頼性を向上できる。

    【0142】また、薄膜磁気ヘッドの磁気抵抗効果膜として、GMR膜を用いる際に、レジスト剥離液や洗浄液によってGMR膜端部がダメージを受けることを防止できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの部分平面図である。

    【図2】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの断面構造を示す図であり、図1のA−A'断面図である。

    【図3】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの断面構造を示す図であり、図1のB−B'断面図である。

    【図4】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの断面構造を示す図であり、図1のC−C'断面図である。

    【図5】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの断面構造を示す図であり、図1のC−C'断面図である。

    【図6】本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造プロセスを示す工程図である。

    【図7】本発明の第2の実施形態による薄膜磁気ヘッドの断面構造を示す図である。

    【図8】本発明の第3の実施形態による薄膜磁気ヘッドの断面構造を示す図である。

    【図9】図8のA−A'断面図である。

    【図10】図8のD−D'断面図である。

    【図11】図8のE−E'断面図である。

    【図12】本発明の第3の実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造プロセスを示す工程図である。

    【図13】本発明の第4の実施形態による薄膜磁気ヘッドの第1の切断面における断面構造を示す図である。

    【図14】本発明の第4の実施形態による薄膜磁気ヘッドの第2の切断面における断面構造を示す図である。

    【図15】本発明の第4の実施形態による薄膜磁気ヘッドの第3の切断面における断面構造を示す図である。

    【図16】本発明の第4の実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造プロセスを示す工程図である。

    【図17】本発明の各実施形態による磁気ヘッドを用いた磁気記憶装置の構成を示す斜視図である。

    【符号の説明】

    10…基板 20…下部シールド膜 30…下部ギャップ膜 40…GMR膜 50,50A,55…絶縁膜 60,60A…上部ギャップ膜 70…上部シールド膜 80,90…電極膜 85…バイアス膜

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾臺 城康 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 今中 律 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

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