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Giant magnetoresistance effect element and magnetoresistive head formed by using the same

阅读:933发布:2021-01-06

专利汇可以提供Giant magnetoresistance effect element and magnetoresistive head formed by using the same专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain an element with which sufficient output is obtainable without the misalignment of a bias point even when this element is applied to a magnetoeresistive head of a vertical type by setting the direction of a sense current nearly perpendicular to the plane of a magnetic medium.
SOLUTION: The giant magnetoresistance effect element 10 is formed by successively laminating a soft magnetic layer 1a, a nonmagnetic conductive layer 2a, a hard magnetic layer 3, a nonmagnetic conductive layer 2b and a soft magnetic layer 1b. The element 10 is arranged in such a manner that the longitudinal direction of the element is nearly perpendicular to the plane of the magnetic medium and is parallel with the direction of an externally impressed magnetic field H
ext . The element is used by passing the sense current IS for sensing a giant magnetoresistance effect in the longitudinal direction of the element 10 which is nearly perpendicular to the plane of the magnetic medium.
COPYRIGHT: (C)1997,JPO,下面是Giant magnetoresistance effect element and magnetoresistive head formed by using the same专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 少なくとも一層の硬磁性層と、 該硬磁性層を挟んで隣接して配置された二層の非磁性導電層と、 該非磁性導電層に隣接して配置された二層の軟磁性層とからなり、 センス電流の方向が磁気媒体平面と略鉛直であることを特徴とする巨大磁気抵抗効果素子。
  • 【請求項2】 上記硬磁性層の磁化方向を、上記センス電流の向きと同一または反対の向きとし、上記軟磁性層の磁化容易方向を上記センス電流の向きと直交させたことを特徴とする請求項1に記載の巨大磁気抵抗効果素子。
  • 【請求項3】 上記硬磁性層が一層の反強磁性膜と該反強磁性膜を挟んで配置された二層の強磁性膜からなることを特徴とする請求項1に記載の巨大磁気抵抗効果素子。
  • 【請求項4】 少なくとも一層の硬磁性層と、 該硬磁性層を挟んで隣接して配置された二層の非磁性導電層と、 該非磁性導電層に隣接して配置された二層の軟磁性層とからなり、 センス電流の方向が磁気媒体平面と略鉛直である巨大磁気抵抗効果素子を磁気抵抗効果素子として用いたことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高密度の磁気記録装置に用いられる磁気抵抗効果を利用した磁気ヘッドに適用する巨大磁気抵抗効果素子およびこれを用いた磁気抵抗効果型ヘッドに係わる。

    【0002】

    【従来の技術】ハードディスクドライブなどの磁気記録装置において、面記録密度をより高めるために、磁界感度の高い磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド(磁気抵抗効果型ヘッド)が実用化されており、その有効性が確かめられている。

    【0003】磁気抵抗効果素子は、図5に磁気抵抗効果素子に印加される外部印加磁界と抵抗との関係を示すように、外部印加磁界H extの変化により抵抗Rが変化する特性を有し、外部印加磁界H extが0のとき抵抗Rが最大値r 0をとる。 そして、抵抗Rの最大値r 0と最小値との差をΔrとし、Δr/r 0を抵抗変化率として、
    これにより磁気抵抗効果素子の特性値の1つとしている。

    【0004】このような磁気抵抗効果素子を実際に用いる場合には、図5に示すように、バイアス磁界H bを印加して、抵抗が最大の点r 0からずらしたバイアス点B
    において動作させる。 そして、図5に示すように外部印加磁界H extをバイアス点Bに相当する磁界H bを中心とした入磁界信号波形により印加すれば、これに応じて抵抗Rも変化し、図中右に示す出力波形が得られる。

    【0005】通常バイアス点Bにおいて、入力磁界信号波形と出力波形とが線形の関係にあり、かつ同じ振幅の入力磁界信号波形に対して、より大きな振幅の出力波形が得られるように、バイアス磁界H bの大きさが選定される。

    【0006】現在実用化されている磁気抵抗効果素子は、異方性磁気抵抗効果と呼ばれる効果に基づいており、一般に2%程度の抵抗変化率を示す。 この異方性磁気抵抗効果を用いた素子では、抵抗の変化が磁性層の磁化Mの方向と、磁気抵抗効果を感知する電流、すなわちセンス電流Isの方向とのなす度をθとするとき、抵抗値Rは次の数1で表される。

    【0007】

    【数1】 R=R 0 +ΔRcos 2 θ(θ=0°〜180°)

    【0008】従って、抵抗値Rは、θ=90°すなわち両者M,Isの向きが垂直のとき最小となり、θ=0°
    すなわち両者の向きが平行のとき最大となる。 そして、
    抵抗変化が最大となるのは、dR/dθの絶対値が最大のときで、dR/dθは次の数2により表される。

    【0009】

    【数2】dR/dθ=+ΔR・2cosθ(−sin
    θ)=−ΔRsin2θ

    【0010】dR/dθの絶対値が最大となるのは、s
    in2θが1または−1すなわちθ=45°またはθ=
    135°のときである。 従って、θ=45°となるように、前述のバイアス磁界H bを印加するのが好ましい。

    【0011】一方、巨大磁気抵抗効果と呼ばれる全く異なる原理に基づいて、5%以上の抵抗変化率を示す素子が種々の構成で提案されている。 この巨大磁気抵抗効果を有する素子を用いて、従来の異方性磁気抵抗効果による磁気抵抗効果素子よりさらに大きな磁界感度を有する薄膜磁気ヘッドを実現する研究も盛んに行われている。

    【0012】巨大磁気抵抗効果は、CuやAg等の非磁性導電層によって適当な距離だけ隔てられた二層の磁性層間のスピン(磁気モーメント)の角度が変化することによって発生し、この際の抵抗変化量は、二層の磁性層のスピンのなす角度をθとするとcosθに比例する。
    従って、巨大磁気抵抗効果を発現するためには、隣接する磁性層のスピン同士が、外部磁界に対して異なった動きをして角度変化を生じる必要がある。

    【0013】この場合には、抵抗値Rとθの関係が次の数3で表される。

    【0014】

    【数3】 R=R 0 −ΔRcosθ(θ=0°〜180°)

    【0015】このときdR/dθ=ΔRsinθより、
    sinθ=1すなわちθ=90°のときに絶対値が最大となる。 従って、抵抗変化が最大となるのはθ=90°
    のときであり、隣接する2層の磁性層のスピンが互いに直角をなす場合である。

    【0016】ところで、巨大磁気抵抗効果を用いた素子の膜の構成には、隣接する磁性層のスピンに角度変化を生じさせるメカニズムに対応して、大きく分類して次の3つの種類がある。 1)磁性層間の交換結合力を負とすることによって、磁性層が反強磁性的に配列(磁性層のスピンが交互に正反対の向きになる)するようにした結合型の多層膜 2)硬磁性層と軟磁性層とを交互に積層して、軟磁性層のみが外部磁界に応答するようにした誘導フェリ型の多層膜 3)非磁性導電層を挟んで磁性層を二層配置し、一方の磁性層に硬磁性層または反強磁性膜の交換バイアス磁界によりピンニングされた軟磁性膜を用いて、他方の磁性層のみが外部磁界に応答するようにした、いわゆるスピンバルブ型

    【0017】これらの巨大磁気抵抗効果素子のうち、多層膜の素子(結合型および誘導フェリ型)は、シート形状での抵抗変化率は〜10%と大きいが、素子の形状にして高電流密度の下で用いた場合には、抵抗変化を感知するセンス電流によって発生する磁界(センス電流磁界)により隣接するスピンの向きが揃ってしまうために、抵抗変化率が低下してしまうという問題がある。

    【0018】これに対して、スピンバルブ型の素子は、
    シート形状での抵抗変化率は〜4%と余り大きくはないが、外部磁界に応答する磁性層(自由層とされる)が1
    層のみであるために、磁化が固定された磁性層(固定層とされる)からの反磁界とセンス電流による電流磁界(self field)等を相殺させて、上述のバイアス点Bをより好ましい点、すなわち固定層のスピンと自由層のスピンとが直角となる点(θ=90°)に落ちつかせることができ、高電流密度下でも抵抗変化率が低下しない。
    また、自己バイアスをかけられるようにも設計ができる。

    【0019】このような理由により、実際に素子の試作研究が行われ、現状で実用になり得るとされているのはスピンバルブ型の素子のみである。 スピンバルブ型の素子の代表的なものは、自由層と固定層との間の交換結合を弱めた非結合型としたもので(Ching Tsang et al.,I
    EEE Trans.Magn.,30(6)p3801-3806(1994) 参照)、磁界に対する応答がよく〜1%/Oeもの磁界感度が得られている。

    【0020】このほかにもスピンバルブ型の素子とこれを用いた磁気抵抗効果型ヘッドが多数試作され発表されているが、いずれもセンス電流を磁気記録媒体面と平行に流して用いられている。

    【0021】

    【発明が解決しようとする課題】これに対して、異方性磁気抵抗効果を用いた磁気抵抗効果型ヘッドにおいては、センス電流を磁気記録媒体面に対して略鉛直に流す構成の素子、いわゆる縦型の磁気抵抗効果型ヘッドが提案されている(Takuji Shibata et al.,IEEE Trans.Mag
    n.,30(6)p3843-3845(1994)参照)。

    【0022】この縦型の磁気抵抗効果型ヘッドは、前述のセンス電流を磁気記録媒体面と平行に流す場合の、いわゆる横型の磁気抵抗効果型ヘッドと異なり、一定の電流密度の下ではトラック幅を減少させても出力が一定である。

    【0023】このため、狭トラック化により横型よりも相対的に高出力となること、ABS(Air Bearing Surf
    ace )面に配置されている全ての導電材を同一電位とすることができるため、静電破壊に対して強いこと、センス電流磁界によって磁気抵抗効果を生じる磁性層が磁化容易軸方向に安定化されるため磁区安定化膜が不要であること等の長所がある。

    【0024】前述のように、現在実用となりうる巨大磁気抵抗効果素子は、スピンバルブ型であり、一方で磁気抵抗効果型ヘッド(以下MRヘッドとする)の配置として前述の縦型のMRヘッドの配置が優れている点が多い。 従って、スピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子を縦型のMRヘッドの配置に用いれば、両者の長所を組み合わせることができると考えられる。

    【0025】図6に通常の横型に用いたスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子の概略構成図を示す。 この巨大磁気抵抗効果素子20は、軟磁性層21、非磁性導電層22、硬磁性層23、反強磁性層24が順次積層形成されてなる。 そして、軟磁性層21は外部磁界に磁化が応答する自由層、硬磁性層23は磁化が固定された固定層としてそれぞれ機能するものである。

    【0026】さらに図示しないが、この巨大磁気抵抗効果素子20の両端部に、磁気抵抗効果を感知するためのセンス電流Isを流すための電極が形成される。 これにより巨大磁気抵抗効果素子20の長手方向にセンス電流Isが流れるようにされる。 そして、外部印加磁界H
    extは、このセンス電流Isに垂直に作用する。

    【0027】この場合、隣接する反強磁性層24からの交換結合磁界によって、固定層23のスピン(固定層2
    3の磁化方向に一致する)M 3は、磁気記録媒体面に鉛直な方向、すなわち素子の長手方向に垂直な方向に固定されており、自由層21に対しては、異方性磁界H kにより固定層のスピンM 3と直交する方向、すなわち素子の長手方向に異方性が付与される。

    【0028】自由層21に対しては、異方性磁界H kの他に主として固定層23の反磁界H dとセンス電流Is
    による磁界(センス電流磁界)H iが働くが、これらH
    d ,H iは、大きさが同じで向きを反対にして、互いに相殺されるように設計されているために、結果として自由層21には異方性磁界H kのみが働き、自由層21のスピンM 1は固定層23のスピンM 3と直交する。

    【0029】すなわち、固定層23のスピンM 3は外部印加磁界H extに対して平行で、自由層21のスピンM
    1は外部印加磁界H extに対して垂直で、外部印加磁界H ex tの変化に応答してスピンM 1に角度変化φを生じることができる。

    【0030】そのため、外部印加磁界H extに対する抵抗変化の応答は、自由層21のスピンM 1の角度変化をφとするとき、cos(φ−π/2)=sinφに比例し、自由層21の角度変化φに対して線形動作が得られ、バイアスがなされたことになる。

    【0031】尚、センス電流Isが固定層23に対して、その反磁界H dを強めるように働くが、交換バイアス磁界に比較して充分に小さいために、固定層23の磁化M 3が反転することはない。

    【0032】次に、先に図6に示した横型のスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子20をそのまま前述の縦型に適用した場合について説明する。 この場合、図7に概略構成図を示すように、センス電流Isの方向が、先に示した横型の場合におけるセンス電流の方向と直交した方向となるために、センス電流磁界H iの方向もまた横型MRヘッドの場合のセンス電流磁界の方向と直交した方向となり、固定層の反磁界H dと打ち消し合うことがない。

    【0033】図8および図9に、この図7の磁気抵抗効果素子20の動作の概略図を示す。 図8に示すように、
    センス電流磁界H iは自由層21および固定層23の周囲を巻くような向きに作用する。 さらに詳しくは、図9
    に示すように、図中紙面に垂直に流れるセンス電流Is
    を軸としてその回りを回転するように作用する。 この場合、センス電流Isが紙面の向こう側向きのため、図中時計回りに作用する。 このように作用するセンス電流磁界H iは、図8に示すように異方性磁界H kと同方向のために、自由層21に対しては異方性磁界H kを強めるように作用し、一方固定層23に対してはそのスピンM
    3を磁気記録媒体面と平行な方向に回転させるように作用することになる。

    【0034】自由層21に対して加わるセンス電流磁界H iは自由層21の磁区を安定化、あるいは単磁区化することになるため、適当な強度の磁界であれば必ずしも不必要なものではない。 しかしながら、固定層23に作用するセンス電流磁界H iは、固定層23のスピンM 3
    を回転させてしまうために、自由層21と固定層23の両者のスピンM 1 ,M 3のなす角度θが直角より小さくなって、両者のスピンM 1 ,M 3は平行に近づくことになる。

    【0035】このことは、一つには前述のバイアス点B
    がずれることを意味し、もう一つには外部磁界H extに対して二つのスピンM 1 ,M 3が応答する角度や向きが同じになることにより、出力の減少を来すことを意味する。

    【0036】このように、横型のスピンバルブ型の素子の膜構成をそのまま縦型の配置に適用することには問題がある。

    【0037】上述した問題の解決のために、本発明においては、縦型の磁気抵抗効果型ヘッドに適用してもバイアス点がずれず、充分な出力が得られるスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子とこれを用いた磁気抵抗効果型ヘッドを提供するものである。

    【0038】

    【課題を解決するための手段】本発明の巨大磁気抵抗効果素子は、少なくとも一層の硬磁性層と、硬磁性層を挟んで隣接して配置された二層の非磁性導電層と、非磁性導電層に隣接して配置された二層の軟磁性層とからなり、センス電流の方向が磁気媒体平面と略鉛直であるものである。

    【0039】また本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、少なくとも一層の硬磁性層と、硬磁性層を挟んで隣接して配置された二層の非磁性導電層と、非磁性導電層に隣接して配置された二層の軟磁性層とからなりセンス電流の方向が磁気媒体平面と略鉛直である巨大磁気抵抗効果素子を磁気抵抗効果素子として用いて構成するものである。

    【0040】上述の本発明の構成によれば、硬磁性層を中心として両側にそれぞれ非磁性導電層を介して軟磁性層が配置形成されてなることにより、硬磁性層すなわち固定層を膜厚方向において中心近傍に配置できるので、
    固定層においては、センス電流磁界が打ち消されて作用しない。 従って、固定層のスピンの向き、すなわち固定層の磁化方向が当初の磁化方向である素子長方向から変化しない。

    【0041】一方、上方および下方の2層の軟磁性層すなわち自由層に対して、センス電流磁界が素子幅方向に印加されるため、異方性磁界を強めるように作用する。
    さらにこれら自由層には固定層からの反磁界が素子長方向に加わるが、素子長方向が素子の長手方向となっているために、この反磁界は小さくセンス電流磁界に比して影響が少ない。 従って固定層と自由層のスピンの直交関係がセンス電流を強めるほど強固となりバイアス点がずれない。

    【0042】上述の構成の巨大磁気抵抗効果素子を磁気抵抗効果素子として用いて磁気抵抗効果型ヘッドを構成することにより、縦型の磁気抵抗効果型ヘッドの長所、
    すなわち狭トラック化しても高出力が得られること、静電破壊に強いこと、磁区安定化膜を必要としないなどの長所を有し、これらとスピンバルブ型素子の長所である高磁界感度とを両立させることができる。

    【0043】

    【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の巨大磁気抵抗効果素子の実施例を説明する。 図1は、本発明の巨大磁気抵抗効果素子の一例の斜視図である。 この巨大磁気抵抗効果素子10は、第1の軟磁性層1a、第1の非磁性導電層2a、硬磁性層3、第2の非磁性導電層2
    b、第2の軟磁性層1bが順次積層形成されてなる。

    【0044】そして本発明においては、この巨大磁気抵抗効果素子10を、素子の長手方向が磁気媒体平面に略鉛直、すなわち外部印加磁界H extの方向に平行になるように配置し、この磁気媒体平面と略鉛直である素子1
    0の長手方向に巨大磁気抵抗効果を感知するセンス電流Isを流して用いるものである。 また、巨大磁気抵抗効果素子10の素子幅が磁気媒体への記録や再生を行うトラック幅Twとされる。

    【0045】第1の軟磁性層1aおよび第2の軟磁性層1bは、例えばNiFe,NiCoFe等の軟磁性材料により構成され、ともにその磁化容易方向がセンス電流Isの向きと直交させた素子幅方向(素子10の長手方向に垂直な方向)とされ、この方向に誘導磁気異方性を有するように形成される。 このとき、第1の軟磁性層1
    aのスピンM 1aの向きと第2の軟磁性層1bのスピンM
    1bの向きが、互いに反平行すなわち正反対の向きとされている(図2参照)。

    【0046】第1の非磁性導電層2aおよび第2の非磁性導電層2bは、例えばCu,Ag等により構成される。

    【0047】また、硬磁性層3は、例えばCo,CoP
    t等の硬磁性材料により構成され、その磁化方向がセンス電流Isの向きと同一または反対の向き、すなわち平行または反平行である素子長方向(素子10の長手方向)とされる。

    【0048】これら各層の形成方法としては、スパッタリング、イオンビームスパッタリング(IBS)、分子線エピタキシー法等を用いることができる。 また、各層の膜厚は抵抗変化率、硬磁性層3の保持力、軟磁性層1
    a,1bの磁界感度等を考慮して決定される。

    【0049】この構成の巨大磁気抵抗効果素子10を、
    磁気抵抗効果型ヘッドに適用する場合には、図示しないがシールド磁性体を形成し、そのギャップ部に巨大磁気抵抗効果素子10全体が配置される。 そして線密度方向の分解能が得られるようにされる。

    【0050】次に図1の巨大磁気抵抗効果素子10の動作を説明する。 図2および図3に図1の巨大磁気抵抗効果素子の動作を説明する概略図を示す。

    【0051】図3に示すように、上述の巨大磁気抵抗効果素子10によれば、硬磁性層3の上下が共に非磁性導電層2a,2bと軟磁性層1a,1bであるので、硬磁性層(固定層)3の上下が対称になり、硬磁性層(固定層)が積層膜の膜厚方向のほぼ中心に配置される。 従って、センス電流Isの中心は固定層3にあり、センス電流磁界H iはこの中心を軸として回転するように作用する。

    【0052】このように固定層3を積層膜の膜厚方向の中心近傍に配置できるので、固定層3にはセンス電流磁界H iが打ち消されて作用しない。 従って、図2に示すように、固定層3の磁化方向すなわち固定層3のスピンM 3の向きが、当初の磁化方向である素子長方向から変化しない。

    【0053】一方、上方および下方の2層の軟磁性層すなわち自由層1a,1bに対して、センス電流磁界H i
    が素子幅方向、すなわち2層のそれぞれのスピンM 1a
    1bと同じ向きに印加されるため、自由層にかかる異方性磁界H kを強めるように作用する。

    【0054】さらに、これら自由層1a,1bには、固定層3からの反磁界H dが素子長方向に加わるが、素子長方向が素子の長手方向となっているために、この反磁界H dは小さくセンス電流磁界H iに比して影響が少ない。

    【0055】従って、センス電流Isを強めるほど、固定層のスピンM 3と自由層のスピンM 1a ,M 1bの直交関係がより強固となり、バイアス点Bがずれない。

    【0056】そして、外部印加磁界H extの変化に対して、自由層1a,1bのスピンM 1a ,M 1bに角度変化φ
    を生じて、巨大磁気抵抗効果による抵抗変化を発生させることができる。

    【0057】本発明によれば、このようにスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子を縦型配置の磁気抵抗効果型ヘッドに用いることができるので、縦型の磁気抵抗効果型ヘッドの長所、すなわち狭トラック化しても高出力が得られること、静電破壊に強いこと、磁区安定化膜を必要としないなどの長所を有し、これらとスピンバルブ型素子の長所である高磁界感度とを両立させることができる。

    【0058】上述の実施例では、非磁性導電層2a,2
    bと、軟磁性層1a,1bおよび硬磁性層3とを隣接させて形成したが、巨大磁気抵抗効果素子10の抵抗変化率を増大させる目的で、これらの界面において例えばC
    oの薄い層を0.5〜2nm程度配置形成してもよい。

    【0059】また、固定層を単層のCo,CoPt等の硬磁性層3により形成する代わりに、図4に概略構成図を示すように、FeMn,NiO,MiMn等からなる反強磁性層4と、これを挟んで両面に配置された例えばNiFe,Co等からなる二層の強磁性層5とによって、複合膜を形成して硬磁性層3を構成してもよい。

    【0060】続いて、この巨大磁気抵抗効果素子10の製造方法について説明する。 基板上に第1のシールド磁性体、第1のギャップ材等が順次形成された後、必要に応じて素子の磁気特性を良好にするための例えばTa等からなるバッファ層を被着形成する。

    【0061】これの上に軟磁性層1aを、素子幅方向に誘導磁気異方性を有するように、素子幅方向の磁場H k
    を印加しながら1〜5nmの厚さに形成する。

    【0062】次に、非磁性導電層2aを2〜4nmの厚さに形成し、これの上に硬磁性層3を1〜15nmの厚さに被着形成させる。 さらに、その上に非磁性導電層2
    bを2〜4nmの厚さに被着形成し、これの上に軟磁性層1bを、素子幅方向に誘導磁気異方性を有するように、素子幅方向の磁場H kを印加しながら1〜5nmの厚さに形成する。

    【0063】この後、軟磁性層1aから軟磁性層1bまでの積層膜に、フォトリソグラフィとイオンエッチングを行うことにより、所定の形状に加工して図1に示した巨大磁気抵抗効果素子10を形成する。 さらに図示しないが、巨大磁気抵抗効果素子10上の素子長方向の両端に、センス電流Isを流すための電極を形成する。

    【0064】この巨大磁気抵抗効果素子10を磁気抵抗効果型ヘッドとして用いる場合には、この後、素子10
    の上に例えば第2のギャップ材、第2のシールド磁性体が順次形成され、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)
    が構成される。

    【0065】本発明の巨大磁気抵抗効果素子は、上述の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。

    【0066】

    【発明の効果】上述の本発明による巨大磁気抵抗効果素子によれば、硬磁性層すなわち固定層を積層膜の膜厚方向の中心近傍に配置できるので、固定層にはセンス電流磁界が打ち消されて作用しない。 従って、硬磁性層の磁化方向が当初の磁化方向である素子長方向から変化しない。

    【0067】一方、上方および下方の2層の軟磁性層すなわち自由層に対して、センス電流磁界が素子幅方向に印加されるため、異方性磁界を強めるように作用する。
    さらにこれら軟磁性層には硬磁性層からの反磁界が素子長方向に加わるが、素子長方向が素子の長手方向となっているために、この反磁界は小さくセンス電流磁界に比して影響が少ない。 従って硬磁性層と軟磁性層、すなわち固定層と自由層のスピンの直交関係が、センス電流を強めるほど強固となりバイアス点がずれない。

    【0068】本発明によれば、このようにスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子を縦型配置の磁気抵抗効果型ヘッドに用いることができるので、縦型の磁気抵抗効果型ヘッドの長所、すなわち狭トラック化しても高出力が得られること、静電破壊に強いこと、磁区安定化膜を必要としないなどの長所を有し、これらとスピンバルブ型素子の長所である高磁界感度とを両立させることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の巨大磁気抵抗効果素子の一例の概略構成図である。

    【図2】図1の巨大磁気抵抗効果素子の動作を説明する概略図である。

    【図3】図1の巨大磁気抵抗効果素子の動作を説明する側面図である。

    【図4】本発明の巨大磁気抵抗効果素子の他の例の概略構成図である。

    【図5】磁気抵抗効果素子における外部印加磁界と抵抗変化率との関係を示す図である。

    【図6】従来の横型配置のスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子の構成図である。

    【図7】従来のスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子を縦型配置に適用した場合の構成図である。

    【図8】図7の巨大磁気抵抗効果素子の動作を説明する概略図である。

    【図9】図7の巨大磁気抵抗効果素子の動作を説明する側面図である。

    【符号の説明】

    1、1a、1b、21 軟磁性層(自由層) 2、2a、2b、22 非磁性導電層 3、23 硬磁性層(固定層) 4、24 反強磁性層 5 強磁性層 10、20 巨大磁気抵抗効果素子 Tw トラック幅 Is センス電流 H iセンス電流磁界 H k異方性磁界 H ext外部印加磁界 H d反磁界 M 1 、M 1a 、M 1b自由層の磁化方向 M 3固定層の磁化方向

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