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Trace oxygen measuring device and measuring method

阅读:658发布:2020-07-10

专利汇可以提供Trace oxygen measuring device and measuring method专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a measuring device and a measuring method capable of measuring the trace oxygen concentration accurately by forming a calibration curve for oxygen concentration measurement in the ppb unit. SOLUTION: The accurate measurement is attained by setting the control voltage of a concentration detection cell in a comparatively high oxygen concentration range following surely the Nernst's equation in order to secure linearity of the relation between an output value of a limiting current type oxygen sensor and the oxygen concentration, installing a pump counter electrode in an exclusive air duct so that dipping is enabled from an electrode having a higher oxygen concentration when the oxygen concentration in measuring gas is below the control concentration, installing a concentration detection cell electrode and a pump cell electrode independently so as not to be influenced by a voltage drop or the like caused by a pump current, taking measures for removing the influence of interference gas such as coexisting combustible gas or the like, and integrating a means for enabling formation of the calibration curve for oxygen concentration measurement in the ppb unit into this measuring device.,下面是Trace oxygen measuring device and measuring method专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ブランクセンサおよびメジャーセンサとして使用可能な酸素イオン伝導性固体電解質と金属電極からなる酸素ポンプセルと濃度検出セルとを備えた限界電流形酸素センサを少なくとも1個備えてなる微量酸素測定装置であって、 当該限界電流形酸素センサがブランクセンサとして機能するときは、測定ガスを酸素除去装置を通じて得られる脱酸素測定ガスの酸素濃度を限界電流形センサのポンプ電流で測定し、 当該限界電流形酸素センサがメジャーセンサとして機能するときは、測定ガスの酸素濃度を限界電流形センサのポンプ電流で測定し、 メジャーセンサとブランクセンサのポンプ電流の差を、
    当該測定ガスに含まれる酸素濃度として算出する機構を有することを特徴とする微量酸素測定装置。
  • 【請求項2】 前記測定ガスを分岐させる分岐機構を有し、 一方の測定ガスは、前記分岐機構の動作により前記酸素除去装置を通過した後に前記ブランクセンサに供給され、 他方の測定ガスは、前記分岐機構の動作により前記メジャーセンサに直接供給される構成としたことを特徴とする請求項1記載の微量酸素測定装置。
  • 【請求項3】 分岐機構の動作を時間により切換えて、 一方の時間は、前記酸素除去装置を通過した後の脱酸素測定ガスを、 他方の時間は、前記測定ガスを、当該酸素センサにそれぞれ供給し、各々の時間毎にブランクセンサ及びメジャーセンサとしてのポンプ電流を測定するための切り替え機構を有することを特徴とする請求項1記載の微量酸素測定装置。
  • 【請求項4】 前記酸素イオン伝導性固体電解質と金属電極からなる酸素ポンプセルと濃度検出セルとを備えた限界電流形の酸素センサが2個備えられており、一方の限界電流形の酸素センサをブランクセンサとして用い、
    他方の限界電流形の酸素センサをメジャーセンサとして用いるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の微量酸素測定装置。
  • 【請求項5】 上記限界電流形酸素センサの酸素ポンプセル通電電流により酸素を給排気し、濃度検出セルの起電力を所定の設定電圧に制御するフィードバック制御器が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の微量酸素測定装置。
  • 【請求項6】 前記フィードバック制御器における濃度検出セルの起電力の設定電圧を、濃度検出セルの起電力−酸素濃度特性がネルンストの式に確実に追従する酸素濃度範囲の2ppm以上に相当する240mV以下の電圧にすることを特徴とする請求項5に記載の微量酸素測定装置。
  • 【請求項7】 前記フィードバック制御器によるフィードバック制御に必要な酸素補給源として大気と通じる専用の空気ダクトを備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の微量酸素測定装置。
  • 【請求項8】 前記酸素センサが、 複数の固体電解質層から形成され、 上記複数の固体電解質層により規定された第1空気ダクト、第2空気ダクト、及び測定ダクトを有し、 上記測定ダクトには、酸素排出極と濃度検知極とが備えられており、 上記第1空気ダクト内に形成された酸素供給極と、上記測定ダクトに形成された酸素排出極とから、上記第1空気ダクトと上記測定ダクトとの間に形成された固体電解質層を介して、形成された酸素ポンプセルと、 上記第2空気ダクト内に形成された空気基準極と当該測定ダクトに形成された濃度検知極とが、上記第2空気ダクトと上記測定ダクトとの間に形成された固体電解質層を介して、形成された濃度検出セルとを備え、 上記濃度検出セルの起電力を所定の設定電圧になるよう酸素ポンプを稼動させフィードバック制御しているときの酸素ポンプ電流を測定することで測定ガス中の酸素濃度を測定する機構を有することを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか一項に記載の微量酸素測定装置。
  • 【請求項9】 前記酸素センサにおいて、第1空気ダクト内に存在する電極が空気基準極で、その対極が濃度検知極で、第2空気ダクトに存在する電極が酸素供給極で、その対極が酸素排出極であることを特徴とする請求項8に記載の微量酸素測定装置。
  • 【請求項10】 微量酸素を含む測定ガスにおける微量酸素濃度を、酸素センサを使用して測定する方法であって、 上記酸素センサとして複数の固体電解質層から形成され、 上記複数の固体電解質層により規定された第1空気ダクト、第2空気ダクト、及び測定ダクトを有し、 上記測定ダクトには、酸素排出極と濃度検知極とが備えられており、 上記第1空気ダクト内に形成された酸素供給極と、上記測定ダクトに形成された酸素排出極とから、上記第1空気ダクトと上記測定ダクトとの間に形成された固体電解質層を介して、形成された酸素ポンプセルを備え、 上記第2空気ダクト内に形成された空気基準極と当該測定ダクトに形成された濃度検知極とが、上記第2空気ダクトと上記測定ダクトとの間に形成された固体電解質層を介して、濃度検出セルを形成し、 上記濃度検出セルの起電力を所定の設定電圧になるように酸素ポンプを稼動させ、フィードバック制御しているときの酸素ポンプ電流を測定することでガス中の酸素濃度を測定する機構を有する酸素センサを用い、 同酸素センサのフィードバック制御における濃度検出セルの起電力設定電圧を、濃度検出セル起電力−酸素濃度特性がネルンストの式に確実に追従する酸素濃度範囲の2ppm以上に相当する240mV以下の所定の電圧にし、 かつ、測定ダクト内を設定酸素濃度にするために必要な酸素を大気と通じている専用の酸素供給空気ダクトから供給することを特徴とする微量酸素の測定方法。
  • 【請求項11】 可燃ガスと微量酸素を含む測定ガスにおける微量酸素濃度を、酸素センサを使用して測定する方法であって、 上記酸素センサとして複数の固体電解質層から形成され、 上記複数の固体電解質層により規定された第1空気ダクト、第2空気ダクト、及び測定ダクトを有し、 上記測定ダクトには、酸素排出極と濃度検知極とが備えられており、 上記第1空気ダクト内に形成された酸素供給極と、上記測定ダクトに形成された酸素排出極とから、上記第1空気ダクトと上記測定ダクトとの間に形成された固体電解質層を介して、形成された酸素ポンプセルを備え、 上記第2空気ダクト内に形成された空気基準極と当該測定ダクトに形成された濃度検知極とが、上記第2空気ダクトと上記測定ダクトとの間に形成された固体電解質層を介して、濃度検出セルを形成し、 上記濃度検出セル起電力を所定の設定電圧になるよう酸素ポンプを稼動させフィードバック制御しているときの酸素ポンプ電流を測定することでガス中の酸素濃度を測定する機構を有する酸素センサを少なくとも一個用い、 最初に酸素除去装置を通して酸素分を除去した測定ガスの酸素濃度を酸素センサのポンプ電流値で測定し、 次に酸素除去装置を通してない、測定ガスの酸素濃度を酸素センサのポンプ電流で測定して、最初に測定した酸素ポンプ電流と次に測定した酸素ポンプ電流の差を測定ガス中の酸素濃度として算出することを特徴とする微量酸素の測定方法。
  • 【請求項12】 請求項11に記載の測定方法において、切り替え機構を動作させることにより、測定ガスを酸素除去装置を経由させ、あるいは経由させることなく上記の酸素センサに供給することを特徴とする微量酸素の測定方法。
  • 【請求項13】 請求項11に記載の測定方法において、酸素センサとして2個の酸素センサを使用し、 第一の酸素センサのポンプ電流で酸素除去装置を通して酸素分を除去した測定ガスの酸素濃度を測定し、 次いで、第二の酸素センサのポンプ電流で酸素除去装置を通してない、測定ガスの酸素濃度を測定して、第一の酸素センサのポンプ電流と第二の酸素センサのポンプ電流の差を測定ガス中の酸素濃度として算出することを特徴とする微量酸素の測定方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】 本発明は、微量可燃ガスと微量酸素とを含む各種産業用ガスの製造工程の管理、最終製品の品質管理に使用される微量酸素測定装置及び測定方法に関し、より詳しくは、微量酸素域の出直線性を向上させた限界電流形酸素センサを用い測定ガス中の酸素を除去したものと測定ガスそのものとのポンプ電流差を測定対象である酸素濃度とすることにより、多様なガス中の正確な微量酸素濃度の測定を可能ならしめる微量酸素測定装置及び測定方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】 ガス精製業はもとより、半導体製造プロセス、鉄鋼・金属等の熱処理(無酸化炉)、特殊金属溶接、食品包装といった多岐にわたる分野において、高純度ガスが使用されている。 このような高純度ガスのうち、酸素濃度の制御が必要とされるアルゴン(Ar)ガス、窒素(N 2 )ガス、ヘリウム(He)ガス等の高純度ガスの製造工程の管理、最終製品の品質管理においては、酸素濃度をppbのオーダーで、かつ、正確な測定することが求められるようになってきている。

    【0003】 微量酸素を含むこれらの高純度ガスには、微量酸素に加え、少量の可燃ガスが不純物として含まれることが一般的である。 例えば、高純度Arガス中の可燃性ガスとしては、CO≦0.1ppm、CH 4
    0.1ppm、H 2 ≦0.2ppmが含まれることが知られている。 微量酸素を含むこれらの不純物の混入は、
    多くの工業用高純度ガスの製造に用いられている深冷空気分離装置で精製したガスにおいては、避けることが困難であり、また、これら不純物の混入量は工業的に除去できる最低量のレベルにまで達している。

    【0004】 このような高純度ガス中の微量酸素を定量するための酸素センサとしては、黄燐発光式や特殊なガルバニ式のものが挙げられる。 また、可燃ガスを含んだガスの場合には、磁気式のものが多く用いられている。 しかしながら、これらの酸素センサは、価格が高価である反面、その寿命は短く、加えて、きめ細かな維持管理が必要といった種々の問題を抱えている。 従って、
    小型で操作・保守が簡単で低コストであり、しかも寿命の長い酸素センサの出現が望まれている。

    【0005】 このような要求に応えられる酸素センサの1つの候補として、高温で良好な酸素イオン伝導性を示すジルコニア(ZrO 2 )を用いた酸素センサを挙げることができる。 しかしながら、ZrO 2酸素センサは、ZrO 2磁器を金属電極で挟んだ構造を有し、測定ガスが直接金属電極に接するために、測定ガス中に酸素と可燃ガスが共存すると、金属電極上で可燃ガスの燃焼が起こって酸素濃度が減少するという問題を生じる。 つまり、実際に測定ガスに含まれる酸素濃度よりも低い濃度を測定ガス中の酸素濃度として検出してしまうという問題があった。

    【0006】 このため、従来は、金属電極上で酸素が消費された後の残留酸素濃度を測定した後、別途分析した可燃ガスの組成分析濃度を基に、可燃ガスの燃焼に必要な酸素量を後から計算で補正して、測定ガス中に当初から存在する酸素濃度を決定する手段がとられていた。
    しかし、この方法では、迅速な測定が不可能であるばかりでなく、測定手段の異なる測定結果を合わせることから、測定精度の低下は否めない。

    【0007】 そこで本発明者等は、酸素イオン伝導性固体電解質と金属電極を備えた酸素センサを、バイアスセンサ及びメジャーセンサとして別々に用いてなる可燃ガス対応微量酸素測定装置であって、当該バイアスセンサにおいては、測定ガスを脱酸素カラムに通して得られる脱酸素測定ガス中の可燃ガスを、酸素ポンプセルを用いて供給される酸素によって燃焼させることにより、当該測定ガス中の可燃ガス量を測定し、当該メジャーセンサにおいては、当該バイアスセンサによって測定された可燃ガス量相当の酸素を当該測定ガスに酸素ポンプセルを用いて別途汲み入れることにより、当該測定ガス中の可燃ガスを燃焼させて、当該測定ガスに最初から含まれる酸素濃度を起電力で測定することを特徴とする可燃ガス対応微量酸素測定装置について、平成11年10月1
    4日出願に係る特願平11−292068号の明細書で提案しているが、ppbの単位まで測定は可能なものの、必ずしも測定センサの出力値と酸素濃度との関係において高い直線性の関係が得られないということが判明している。

    【0008】 一方、市販の分析用標準ガス、通常、窒素ガスの場合には、0.5ppm以下の酸素が含まれており、ppb単位での測定用の検量線作成には不都合が生じる。 従って、ppb単位での酸素濃度をより正確に測定するには、この点も解決しなければならない問題である。

    【0009】

    【発明が解決しようとする課題】 本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、測定センサの出力値と酸素濃度とが高い直線性を示すこと、共存する可燃ガスの燃焼等の干渉ガスによる測定酸素濃度への影響を排除すること、およびppb単位での酸素濃度測定のための検量線の作成を可能とすることにより、迅速かつ正確に、微量酸素濃度の測定が可能な微量酸素測定装置及び測定方法を提供することにある。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】 測定センサとして、ジルコニアセンサを使用し、測定センサの出力値と酸素濃度との関係において微量酸素域まで直線性を確保するために、ジルコニアセルの起電力−酸素濃度特性がネルンストの式に確実に追従する範囲が2ppm以上であることを突き止め、限界電流形酸素センサのフィードバックしきい値である濃度検出セル起電力を2ppm以上の酸素濃度に相当する240mV以下に設定することにより、濃度検知極が存在する空間の酸素濃度制御が正確になり、それに伴い、測定ガス酸素濃度と設定酸素濃度の差に比例した酸素量が正確に給排気される。 なお、微量酸素濃度域では、測定ガス酸素濃度≦設定酸素濃度のため給気となる。 そして、酸素供給極を酸素濃度が高い空気ダクト内に設けて高いイオン交換率を維持することでポンプ電流と給排気酸素量の高い相関が維持される。 また、ポンプ電流による電圧降下等の影響を受けないよう濃度検出セル電極と酸素ポンプ電極とは独立して設けること、共存する可燃性ガス等の干渉ガスの影響を排除するために、酸素除去装置41を設け、同酸素除去装置4
    1を経由したものと、経由してないものとの間の測定値の差から測定ガス中に含まれる酸素濃度を算出させること、およびppb単位での酸素濃度測定のための検量線の作成が可能な機構を測定装置に組み込むことにより上記の目的を達成することができることを見出して本発明を完成させたものである。

    【0011】 即ち、本発明によれば、第一に、ブランクセンサおよびメジャーセンサとして使用可能な酸素イオン伝導性固体電解質と金属電極からなる酸素ポンプセル14と濃度検出セル13とを備えた限界電流形の酸素センサ10を少なくとも1個備えてなる微量酸素測定装置であって、当該限界電流形酸素センサ10がブランクセンサとして機能するときは、測定ガスを酸素除去装置41を通じて得られる脱酸素測定ガスの酸素濃度を限界電流形センサのポンプ電流で測定し、当該限界電流形酸素センサがメジャーセンサとして機能するときは、測定ガスの酸素濃度を限界電流形センサのポンプ電流で測定し、メジャーセンサとブランクセンサのポンプ電流の差を、当該測定ガスに含まれる酸素濃度として算出する機構80を有することを特徴とする微量酸素測定装置が提供される。

    【0012】 さらにまた、前記微量酸素測定装置において、前記測定ガスを分岐させる分岐機構を有し、一方の測定ガスは、前記分岐機構の動作により前記酸素除去装置41を通過した後に前記ブランクセンサ52に供給され、他方の測定ガスは、前記分岐機構の動作により前記メジャーセンサ51に直接供給される構成としたことを特徴とする微量酸素測定装置が提供される。 その場合において、分岐機構の動作を時間により切換えることにより、一方の時間では、前記酸素除去装置41を通過した後の脱酸素測定ガスを、他方の時間では、前記測定ガスを、前記少なくとも1本設けられた酸素センサの内の特定の酸素センサに供給し、各々の時間毎にブランクセンサ及びメジャーセンサとしてポンプ電流を測定するための切り替え機構を設けてもよい。

    【0013】 さらにまた、本発明によれば、酸素イオン伝導性固体電解質と金属電極からなる酸素ポンプセル14と濃度検出セル13とを備えた限界電流形酸素センサが2個備えられており、一方の限界電流形酸素センサをブランクセンサ52として、また、他方の限界電流形酸素センサをメジャーセンサ51として用いるように構成されたことを特徴とする微量酸素測定装置が提供される。

    【0014】 上記の何れの微量酸素測定装置においても、さらに、上記限界電流形酸素センサの酸素ポンプ電流により酸素を給排気し、濃度検出セル13の起電力を所定の設定電圧に制御するフィードバック制御器71が配置されていることがこのましい。 なお、前記フィードバック制御器71における濃度検出セル13の起電力の設定電圧を、濃度検出セルの起電力−酸素濃度特性がネルンストの式に確実に追従する酸素濃度範囲の2ppm
    以上に相当する240mV以下の電圧に制御する機構として、測定ガス酸素濃度≦制御設定酸素濃度となるように制御する機構を有していてもよい。 さらに、前記フィードバック制御器によるフィードバック制御に必要な酸素補給源として大気と通じる専用の空気ダクトを微量酸素測定装置に備えることにより、高いイオン交換率を維持させ、より測定精度を向上させることも好ましい。

    【0015】 さらに、本発明によれば、前記酸素センサが、複数の固体電解質層から形成され、上記複数の固体電解質層により規定された第1空気ダクト12A、第2空気ダクト12B、及び測定ダクト19を有し、上記測定ダクト19には、酸素排出極16と濃度検知極17
    とが備えられており、上記第1空気ダクト12A内に形成された酸素供給極15と、上記測定ダクトに形成された酸素排出極16とから、上記第1空気ダクトと上記測定ダクトとの間に形成された固体電解質層を介して、形成された酸素ポンプセルと、上記第2空気ダクト内に形成された空気基準極18と当該測定ダクト19に形成された濃度検知極17とから、上記第2空気ダクト12B
    と上記測定ダクト19との間に形成された固体電解質層を介して、形成された濃度検出セル13とを備え、上記濃度検出セル13の起電力を所定の設定電圧になるよう酸素ポンプを稼動させ酸素を給排気し、フィードバック制御しているときの酸素ポンプ電流を測定することで測定ガス中の酸素濃度を測定する機構を有することを特徴とする微量酸素測定装置が提供される。

    【0016】 なお、この微量酸素測定装置において、
    酸素ポンプセル14と濃度検出セル13は構成が同じであることから、同セルを入れ替え、前記酸素センサにおける、第1空気ダクト内に存在する電極を基準極とし、
    その対極を検知極とし、第2空気ダクトに存在する電極を酸素供給極15とし、その対極を酸素排出極16とすることもできる。

    【0017】 さらに、微量酸素を含む測定ガスにおける微量酸素濃度を、酸素センサを使用して測定する方法であって、上記酸素センサとして複数の固体電解質層から形成され、上記複数の固体電解質層により規定された第1空気ダクト12A、第2空気ダクト12B、及び測定ダクト19を有し、上記測定ダクト19には、酸素排出極16と濃度検知極17とが備えられており、上記第1空気ダクト内に形成された酸素供給極15と、上記測定ダクト19に形成された酸素排出極16とから、上記第1空気ダクト12Aと上記測定ダクト19との間に形成された固体電解質層を介して、形成された酸素ポンプセル14を備え、上記第2空気ダクト12B内に形成された空気基準極18と当該測定ダクト19に形成された濃度検知極17とから、上記第2空気ダクト12Bと上記測定ダクト19との間に形成された固体電解質層を介して、形成された濃度検出セル13を備え、酸素ポンプセル14のポンプ電流値に応じた酸素量を第1空気ダクト12Aから測定ダクト19に汲み込む機能を用い同濃度検出セル13の起電力を所定の設定電圧にフィードバック制御させ、上記ポンプセルのポンプ電流により測定ガス中の酸素濃度を測定する構造を有する酸素センサを用い、同酸素センサのフィードバック制御設定電圧を、
    ネルンストの式に確実に追従する酸素濃度2ppm以上に相当する240mV以下の電圧にすることにより、酸素濃度の検出精度が向上し、微量酸素域での出力直線性が得られ、非常に正確な測定が可能となる。 なお、この測定方法においては、微量酸素域では測定ガス酸素濃度≦設定酸素濃度となり、測定ダクトへの酸素汲み込み方向のポンプ電流となる。 また、酸素供給源は測定ダクト19や第2空気ダクト12Bからでは酸素濃度低下によるイオン交換率の低下があるため、専用の大気と通じている酸素供給空気ダクトとしての第1空気ダクト12A
    を設け、ここから酸素を供給することで良好なポンプ電流出力−酸素濃度特性の直線性が得られ、ppbオーダーの酸素濃度が正確に測定できることを特徴とする限界電流方式の微量酸素の測定方法が提供される。

    【0018】

    【発明の実施の形態】 本発明の微量酸素測定装置(以下、「測定装置」と略称することもある。)は、複数の酸素イオン伝導性固体電解質層から構成され、固体電解質層により規定される複数の空所内に設けられた金属電極よりなる酸素センサを用いる。 即ち、酸素イオン伝導性固体電解質と金属電極からなり、かつ、濃度検出セル13を備えた酸素ポンプセルである限界電流形の酸素センサを用いる。 図1は、本発明の測定装置に好適に用いられる酸素センサ10の構造を示す断面図である。 酸素センサ10には、複数の固体電解質層で規定される第1
    空気ダクト12A、第2空気ダクト12B及び測定ダクト19が形成されており、通常は、センサの基本骨格を形作る複数の固体電解質層は、例えば、図1に示すようにジルコニア(ZrO 2 )磁器11から形成される。 測定ダクト19には、濃度検知極17と酸素排出極16が設けられている。 第1・第2空気ダクト12A・12B
    には空気が供給され、測定ダクト19には測定ガスが供給される。

    【0019】 ZrO 2磁器11は固体電解質としての役割を果たすことは当然として、第1・第2空気ダクト12A・12Bおよび測定ダクト19を隔離し規定する隔壁の役割を果たす。 固体電解質としては、酸素イオン伝導率が高いことが好ましく、ZrO 2の場合には、固溶させる元素の種類や量によってイオン伝導率を変化させることができることから、適宜、目的に適した組成のものを用いることができる。

    【0020】 具体的には、ZrO 2磁器11としては、イットリア(Y 23 )、マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)、セリア(CeO 2 )等の種々の安定化材を固溶させてなる安定化ZrO 2或いは部分安定化ZrO 2が好適に用いられる。 なお、各電極間のZrO 2
    磁器の厚みを薄くすると、電極間の抵抗の低減が図られる。

    【0021】 第1空気ダクト12Aに形成された酸素供給極15と測定ダクト19に形成された酸素排出極1
    6は、一対となって酸素ポンプセル14を構成する。 この際に重要なことは、第1空気ダクト12Aには、充分な酸素が存在するように構成されていることである。 そして、測定ガス中の酸素濃度が、ネルンストの式に従って予め設定された起電力よりも高い起電力が与えられた場合には、上記の酸素ポンプセル14を用いて酸素を測定ダクト19に供給して、濃度検知極17と空気基準極18で検知される電圧が所定の起電力となるように酸素を補給すると共に、酸素供給極15と測定ダクト19に形成された酸素排出極16との両極間に流れる電流がポンプ電流となる。 かくして、得られたポンプ電流値から、測定ガス中に含まれる酸素濃度を算出することにより、後述する様に、例えば2ppm未満の領域でも高い直線性が得られることとなる。 一方、測定ダクト19内に形成された濃度検知極17と第2空気ダクト12Bに形成された空気基準極18は、一対となって濃度検出セル13を形成し、測定ダクト19における酸素濃度の検知に使用される。

    【0022】 これらの各電極には、良好な電子伝導性を有することが必要とされるが、高い酸素イオン触媒性を有することも重要な特性である。 例えば、酸素供給極15における酸素イオン触媒性とは、空気中の酸素分子をイオン化して固体電解質へ取り込む性質をいい、一方、酸素排出極16における酸素イオン触媒性は、逆に、酸素供給極15から固体電解質を移動してきた酸素イオンから電子を奪い、酸素分子として測定ダクト19
    へ放出する性質をいう。

    【0023】 このような特性に優れる電極材として、
    白金(Pt)が好適に用いられる。 なお、これらの電極は性状を多孔質として、気相と電極と固体電解質の3相が接する三重点(三相界面)を多く形成することが好ましい。 従って、PtとZrO 2とからなるサーメット電極も、好適に用いることができる。

    【0024】 ZrO 2磁器11には、図2には示してないが、図3に示すように、所定の温度の保持可能となるように構成された加熱装置により、加熱されるヒータ9が配設されており、このヒータ9によって酸素センサ11の温度を上げて所定の温度に保持することにより、
    各電極間にあるZrO 2磁器のイオン伝導率が高められ、電極間の抵抗が低減され、測定精度の向上が図られる。

    【0025】 次に、図2に、本発明に係る測定装置4
    0の一構成の概要を説明するための模式図を示す。 この態様は、限界電流形の酸素センサが一個のみ設けられている態様であり、従って、酸素センサ10がブランクセンサとメジャーセンサを兼ねている。 これを具体的に説明すると、当該限界電流形の酸素センサがブランクセンサとして機能するときは、測定ガスを酸素除去装置41
    を通じて得られる脱酸素測定ガスの酸素濃度を限界電流形センサのポンプ電流で測定し、当該限界電流形の酸素センサがメジャーセンサとして機能するときは、測定ガスの酸素濃度を限界電流形センサのポンプ電流で測定することとなる。 酸素濃度算出にあっては、後述するように、メジャーセンサとブランクセンサのポンプ電流の差を、当該測定ガスに含まれる酸素濃度として算出する機構を利用することにより行うこととなる。 なお、図3
    は、図2に示した測定装置40の主要部をブロック図として示したものである。

    【0026】 この態様においては、図2に示したように、、ブランクセンサとメジャーセンサを兼ねる酸素センサ10に加えて、通常は、測定ガスを分岐させる分岐機構としての役割を有する測定ガス供給口とマスフローコントローラ43、バルブSVa、SVb、SVc、およびバルブV1〜V6が設けられている。 また、ブランクセンサとしての酸素センサに測定ガス中の酸素を実質的に零とした酸素除去測定ガスを供給するために酸素除去装置41が設けられている。 さらに、センサ校正ガス兼パージガス供給口、センサ校正用のガスを供給する際の校正用ガス中の酸素濃度を所定の値に調整するための酸素発生素子42が設けられている。 図3に示したように、酸素センサ10には、絶えず濃度検出セル13の起電力が所定の電圧になるように、FB制御器71が備えられており、また、温度変動による測定誤差を排除するためにセンサを所定温度に制御するためのヒータ制御器72が備えられていてもよい。 更に、それぞれメジャーセンサ51とブランクセンサ52としての働きに応じた形のポンプ電流が検知できるように、第一と第二のFB
    制御器71、71aからポンプ電流に相当する電圧が出力されている。 これらの出力電圧はデジタル信号に変換され、コンピュータ装置80に送られメジャーセンサ5
    1とブランクセンサ52のポンプ電流の差を、当該測定ガスに含まれる酸素濃度として計算処理される。 即ち、
    上記FB制御器71が濃度検出セル13の起電力を所定の設定電圧になるよう酸素ポンプを稼動させフィードバック制御し、そのときの酸素ポンプ電流をデジタル信号に変え、その信号をコンピューター装置80に送り、所定のプログラムに基づいて、測定ガス中の酸素濃度を算出することにより測定ガス中の酸素濃度を測定する機構を構成することとなる。 なお、検出手順については、後述する。

    【0027】 校正用に使用する標準ガスに所定濃度の酸素を添加するための装置である酸素発生素子42の基本的構造の断面図を図6に示す。 図6から明らかなように、酸素発生素子42は、固体電解質と1対の電極からなり、固体電解質によって規定された空所である空気ダクトと、同空気ダクト内に形成された酸素供給極と、固体電解質の測定ガスに曝される表面に設けられた酸素排出極とからなる酸素ポンプセルとを備え、そして、酸素排出極と酸素供給極との間には所望の定電流が流れるように定電流源/制御器が配置されている。 この様な構成を有する酸素発生素子42としては、本発明と同日付けで出願された特願2000−236844の明細書に開示されている酸素発生装置が好適に使用できる。 酸素発生素子42には、酸素発生量を所望量に制御するためのコンピュータ装置80からの指示により動作する定電流源/制御器75が、また、酸素発生素子の温度を所定の温度に制御するためのヒータ電源/制御器76が備えられている。

    【0028】 なお、測定条件を一定にするために、測定ガス、センサ校正ガス兼パージガスの流量を一定の準に制御するためのマスフローコントローラ43、43
    aおよびMFC制御器78が備えられている。 また、装置の安全装置として、装置内の異常温度発生の有無をモニターする温度検出器77を設けてもよい。 コンピュータ装置80は、命令セットを実現するための演算等を行うCPU、各測定結果を一時保存等をするワークメモリのRAM、測定装置の各部品、素子等をその機能に応じて制御する各種のプログラム、補正参照情報等が組み込まれているROM等から構成される。

    【0029】 測定装置40においては、測定ガス供給口とセンサ校正ガス兼パージガスである窒素ガス供給口とは、二つに先端部が分岐した配管の先端部に設けられており、それぞれの流路に取り付けられているバルブを経由して、1つの流路となり、測定ガスの場合には、M
    FC制御器78の支配の下、マスフローコントローラ4
    3を経由してバルブV1〜V6とSVa、SVb、およびSVcよりなる一連のバルブの所定の切り替えにより、直接センサに導かれる流路62、または、酸素除去装置41を経由してセンサに導かれるいわゆる酸素除去装置経由流路61を経てセンサ10に到達するように構成されている。 センサ校正に使用される標準ガス、通常はパージガス兼用の窒素ガスが、所望とする濃度の酸素を含むように、マスフローコントローラ43を経由した後は、バルブSVa、SVb、およびSVcの切り替えにより、先ず、酸素除去装置41に導かれ、ここで酸素が1ppb未満の濃度となるように、酸素が除去され、
    次いで、バルブV4を経由して酸素センサへ送り込まれるゼロガス流路64と、酸素発生素子42の前後に設けられている2個のバルブを開けバイパスバルブV4を閉じることにより、酸素発生素子42を経由して、ここで2ppm以下の所望濃度の酸素を含むように調整され、
    流路63を経由して最後に酸素センサ10へと送り込まれるように構成されている。

    【0030】 センサ校正ガス兼パージガスとして使用する市販の窒素ガスには、通常、0.5ppm以下の酸素が含まれている。 なお、測定ガスが2ppm以上の酸素を含むことが予め予想される場合には、酸素除去装置41の早期消耗保護のため、バルブSVaおよびSVb
    は、閉じておく。 なお、酸素除去装置41は、脱酸素剤を充填したカラム等で構成すればよい。 脱酸素剤としては商品名ガスクリーン等が例示される。

    【0031】 分岐機構の動作を時間により切換えて、
    一方の時間は、前記酸素除去装置41を通過した後の脱酸素測定ガスを、他方の時間は、前記測定ガスを、当該酸素センサにそれぞれ供給し、各々の時間毎にブランクセンサ及びメジャーセンサとしてのポンプ電流を測定するための切り替え機構としては、図2に示した一連のバルブを、図3に示したブロック図に示したコンピュータ装置80に予め所定時間毎に自動的に切り替わるように予め組み込まれたプログラムにより動作する切り替えバルブを利用すればよく、又、予め所定時間毎に、ガスの流れの応じて、自動的に切り替わるように構成されたタイマー機構を利用してもよい。 勿論、時間以外のファクターにより、切り替えることも可能であり、その場合には、例えば、所定のガスの種類に応じて開閉するように構成されていてもよい。

    【0032】 さらに、微量酸素濃度を正確に測定するためには、濃度検出セル13の起電力を所定の設定電圧にするために、限界電流形酸素ポンプセルの電流によるフィードバック制御器71が配置されていることが好ましい。 この場合において、前記フィードバック制御器7
    1における濃度検出セル13の起電力の設定電圧を、濃度検出セル13の起電力−酸素濃度特性がネルンストの式に確実に追従する酸素濃度範囲の2ppm以上に相当する240mV以下の電圧に設定し、制御できるように予めコンピュータ装置80に必要なプログラムを組み込んでおくことが好ましい。 さらにまた、測定ガス中の濃度が大きく変動しても、その変動に左右されないようにするための制御機構として、好ましくは酸素センサ10
    内に設けられた大気と通じる専用の空気ダクト12A
    と、このダクトから酸素を汲み出す働きを有する酸素供給極15と酸素排出極16とから構成される酸素ポンプセル14とを設け、この酸素ポンプの動作させ、測定ガスダクト内の酸素濃度を測定ガス酸素濃度≦制御設定酸素濃度となるように制御することが好ましい。

    【0033】 図2に示したような酸素センサ10がブランクセンサとメジャーセンサを兼ねている測定装置を使用する場合には、流路61を通して脱酸素測定ガスを酸素センサ10へ供給し、酸素センサ10をブランクセンサとして用いて、濃度検出セル13の起電力を所定の電圧に制御する機構であるFB制御器71で、コンピュータ装置80から指示に基づき所定の電圧、例えば、2
    10mVに濃度検出セル13の起電力がなるようなポンプセル電流I PBを流して制御する。 なお、所定の電圧としては、測定ダクト内の酸素濃度を測定ガスより高い状態に保持できる酸素濃度、通常2ppm以上に対応する電圧、240mVまたはそれ以下とするのが好ましい。
    何故ならば、通常ジルコニア固体電解質セルの酸素分圧起電力はネルンストの式に準ずる起電力を発生するが、
    電極のガス吸着等で酸素濃度2ppmがおよそ限界となる。 1ppm以下の酸素濃度の起電力は一般的に低く外れる。 フィードバック制御の設定値をネルンストの式に確実に追従する範囲内の起電力に限定することで、測定ダクト内の酸素濃度を正確制御することが可能になり、
    測定ガスの酸素濃度とポンプ電流の直線関係が厳密に確保され、限界電流形の酸素センサにおいて微量酸素濃度域の出力直線性の高い特性が得られるからである。

    【0034】 次に、流路を切り替えて、直接酸素センサに送り込まれる流路62を通して測定ガスを酸素センサ10へ供給し、酸素センサ10をメジャーセンサとして、FB制御器71ではコンピュータ装置80から指示された所定の電圧、例えば、210mVに濃度検出セル13の起電力がなるためのポンプ電流I PMを求める。 測定ガス中の酸素濃度の算出に当たっては、予めセンサ校正ガス兼パージガスである窒素ガスを流路63に流して、脱酸素化した窒素ガス中の酸素濃度を様々に変えて、それぞれの酸素濃度のポンプ電流を測定し、この値から作成した検量線(関係式)に基づいて求める。

    【0035】 なお、測定ガスが流路61、流路62を経由したときおよびセンサ校正ガス兼パージガスの窒素ガスが流路63、流路64を経由したときの測定ポンプ電流は、図3に示したFB制御器71よりポンプ電流に相当する電圧信号が出力され、電圧信号をデジタル変換し、コンピュータ装置80に送られブランクセンサ、メジャーセンサ及びセンサ校正値として記録、計算処理し、保存する。 測定ガス中に含まれる酸素濃度は、ブランクセンサ測定値とメジャーセンサ測定値の差として得られる。

    【0036】 従って、測定装置40においては、1台の酸素センサ10をメジャーセンサとブランクセンサとして用いるためにセンサ間の個体差に起因するバラツキが生じなく、構成も簡単であるといった利点がある。 酸素除去装置41を経由することにより生じる圧損は、マスフローコントローラ43によって自動調整される。

    【0037】 図2に示した微量酸素測定装置は、1つの被測定ガス供給口、1つのセンサ校正ガス兼パージガス供給口、マスフローコントローラを一個と、1つの酸素除去装置41、1つの酸素発生素子42、および酸素センサ10を一個備えた微量酸素測定装置であって、被測定ガスと、センサ校正ガスと、ブランクガスの流路を切り替えられるように前記第一のマスフローコントローラ43と一連の切り替えバルブが構成されていることを特徴とする微量酸素測定装置であるといえる。

    【0038】 さらに、前記酸素センサをブランクセンサとメジャーセンサとして兼用するために、前記被測定ガスは、前記酸素除去装置41も前記酸素発生素子42
    も経由せず直接、前記ブランクガスは酸素除去装置41
    のみを、そして、前記センサ校正ガスは酸素除去装置4
    1と酸素発生素子42とを経由して、それぞれ前記第一の酸素センサ10に送り込めるように前記第一のマスフローコントローラ43と一連の切り替えバルブが構成されていてもよい。 なお、前記酸素センサに設けられた検出セル起電力を所定の電圧に制御するためのフィードバック制御器71が設けられていることが好ましい。

    【0039】 また、微量酸素測定装置は、前記酸素発生素子42が固体電解質と1対の金属電極からなり、固体電解質によって規定された空所である空気ダクトと、
    同空気ダクト内の固体電解質表面に形成された酸素供給極15とからなる酸素供給ダクト12Aと、ガスに曝される固体電解質の表面に設けられた酸素排出極16と上記空気ダクト12A内に形成された酸素供給極15とからなる酸素ポンプセル14とを備え、そして、酸素排出極16と酸素供給極15との間には所定の電流が流れるように定電流源/制御器71が配置されたものであってもよい。

    【0040】 さらに、微量酸素測定装置は、前記酸素センサが、複数の固体電解質層から形成され、上記複数の固体電解質層により規定された第1空気ダクト12
    A、第2空気ダクト12B、及び測定ガスに通じる測定ダクト19を有し、上記測定ダクトには、酸素排出極1
    6と濃度検知極17とが備えられており、上記第1空気ダクト12A内に形成された酸素供給極15と、上記測定ダクト19に形成された酸素排出極16とから、上記第1空気ダクト12Aと上記測定ダクト19との間に形成された固体電解質層を介して、形成された酸素ポンプセル14を備え、上記第2空気ダクト12B内に形成された空気基準極18と当該測定ダクト19に形成された濃度検知極17とが、上記第2空気ダクト12Bと上記測定ダクト19との間に形成された固体電解質層を介して、形成された濃度検出セル13とを備えたものであって、上記濃度検出セル13の起電力を所定の設定電圧になるよう酸素ポンプを稼動させ、フィードバック制御し、その際の酸素ポンプセルの電流を測定することで測定ガス中の酸素濃度を測定する機構を有するものであってもよい。

    【0041】 次に、図2に示した測定装置40において、測定手順の一例を以下に説明する。 パ−ジガス供給口バルブV2を開き、装置に電源を入れスタートさせ各流路を窒素ガスでパージさせ、次いで、酸素発生装置4
    2をヒートラン動作させると共に、酸素センサ10及び駆動用FB制御器71をヒートラン動作させる。 次に、
    バルブV1、SVc、V4を閉じ、バルブV2、SV
    a、SVb、V3、V5およびV6を開き、流路63を経由して、脱酸素窒素ガスを供給する。 脱酸素窒素ガスに酸素を所定量添加する場合には、定電流源/制御器7
    5により所望とする酸素量に相当する電流を計算で求め供給する。 流路63に所定の酸素を含む標準ガスが流れ出したことを、例えば、経過時間や酸素センサ10に流れる電流が定常状態となったことなどにより確認後、酸素センサ10の出力信号であるポンプ電流をコンピュータ装置80で記録し、計算処理後保存し、酸素濃度と酸素センサ10のポンプ電流の関係を校正する。

    【0042】 次いで、バルブV2、SVc、V3、およびV5を閉じ、バルブV1、SVa、SVb、およびV4、V6を開き、流路61を経由させて測定ガスの供給を開始する。 流路61を流れるガスが脱酸素測定ガスで完全に置換されたことを確認後、酸素濃度を酸素センサ10により検知後、検知結果をブランクセンサ測定値としてRAMに保存する。 次いで、バルブSVcを開き、バルブSVa、SVbを閉じる。 測定ガスを流路6
    2経由で、酸素センサ10に送り込む。 その際、流路6
    2を流れるガスが測定ガスで完全に置換されたことを確認後、酸素センサ10により、酸素濃度を検知、検知結果をメジャーセンサ測定値としてRAMに保存する。 コンピュータ装置80にて、メジャーセンサ測定値とRA
    Mに保存されているブランクセンサ測定値の差を演算し、測定ガス中の酸素濃度を求める。 必要に応じて、ブランクセンサ測定値から酸素等価換算の燃焼性ガス還元濃度も算出させることも可能である。 最後に、電源を切り終了させればよい。

    【0043】 勿論、連続して測定ガス中の酸素を測定する必要がある場合には、バルブV2、SVa、SV
    b、V3、およびV5を閉じ、バルブV1、SVc、およびV4、V6を開く操作からコンピュータ装置80の指令による演算までの操作のみを繰り返させてもよい。
    補正が必要な場合には、ROMの補正プログラムにより補正する。 なお、操作は、通常は、コンピュータ装置8
    0に予め組み込まれたプログラムにより行う。 なお、上記の操作手順はあくまでも、一例に過ぎず、測定する測定ガスの種類や測定環境、測定目的等に応じて、適宜修正、変更を加えることは可能である。 そのような変更についても、予め、コンピュータ装置に所定のプログラムを組み込んでおくことにより、効率的に対応することは可能であることはいうまでもない。 勿論、測定条件に変動がないことが明らかな場合には、窒素ガスを使用したセンサ校正用の操作を省略するように、予め、コンピュータに所定のプログラムを組み込んでおいてもよいことは勿論である。

    【0044】 なお、上記の手順に従って、窒素及び可燃ガスに酸素を添加して1.13ppb、12.2pp
    b、115ppb、570ppb、1140ppbとしたガスを測定ガスとした測定結果を図7(a)〜(f)
    に示す。 図7(a)〜(c)はセンサを9Wで加熱した時、図7(d)〜(f)はセンサを8Wで加熱した時の特性である。

    【0045】 図7(b)および(e)は微量酸素添加窒素ガスの酸素除去装置41を経由させた場合とさせない場合のブランクセンサとメジャーセンサのポンプ電流−酸素濃度特性を示し、(c)および(f)は微量酸素添加可燃ガス(CO:10ppm、H 2 :10ppm、
    CH 4 :5ppm、N 2 :バランス)の酸素除去装置41
    を経由させた場合とさせない場合のブランクセンサとメジャーセンサのポンプ電流−酸素濃度特性を示す。
    (a)及び(d)は、(b)(c)及び(e)(f)の場合と同一測定ガスを酸素除去装置41を経由させたときのブランクセンサのポンプ電流から酸素除去装置41
    を経由させなかった場合のメジャーセンサのポンプ電流を減算し、その差をΔIpとして酸素濃度との関係を示した測定値である。 結果は、窒素ガスと可燃ガスの各ポンプ電流値には大差があるが、酸素除去装置41経由の有無によるポンプ電流差ΔIpは、窒素ガスと可燃ガスとの間に殆ど差が無い。 同様にセンサ加熱電力8Wと9
    Wとでは、センサ温度において740℃と800℃との差があるが、ポンプ電流には温度による差が認められるものの、ΔIpでは8Wと9Wと間の差は殆どない。 これは、ΔIpは酸素除去装置41で除去された酸素量を表わしており、その酸素除去量はガス種類や温度に依存されないためである。 この結果から明らかなように、本願発明に係る測定装置を使用することにより、ppbレベルの酸素量を迅速かつ正確に測定することができることが判る。

    【0046】 次に、図4に、本発明に係る測定装置の別態様についての構成の概要を説明するための模式図を示す。 この態様においては、2個の酸素センサが用いられ、それぞれ、ブランクセンサとメジャーセンサとして独立して使用される。 なお、図5は、図4に示した測定装置50の主要部をブロック図として示したものである。 この態様においては、酸素センサが2個使用されていることから、マスフローコントローラもそれぞれの酸素センサに対応して設けられている。 勿論、流すガスの種類に応じて、流路を切り替えられるように一連のバルブも設けられている。 この態様においては、分岐機構は以下に記述するように流すガスの種類に応じて流路を変更するために、動作させることとなる。 当然のことながら、時間で、流路を切り替えられるようにプログラムされていてもよい。 なお、その他の機構については、原則として、上述した測定装置40と同一であるので説明は省略することとする。

    【0047】 この測定装置50においても、測定ガス供給口とセンサ校正ガス兼パージガスである窒素ガス供給口とは、二つに先端部が分岐した配管の先端部に設けられており、それぞれの流路に取り付けられているバルブを経由して、1つの流路となる。 そして再び、2つの流路に分岐し、1つは、第二のマスフローコントローラ43aを経由してバルブSVa、SVb、およびV6、
    V8、V9を含む一連のバルブを開に所定通り切り替えることにより、測定ガスが酸素除去装置41のみを経由してブランクセンサ52に導かれる流路61、測定ガスが第一のマスフローコントローラ43を経由し、バルブV4、V10およびV11のバルブを開に所定どおり切り替えにより、直接メジャーセンサ51に導かれる流路62、センサ校正ガスの窒素ガスが第二のマスフローコントローラ43aを経由してバルブSVa、SVb、V
    5、V6、およびV7を含む一連のバルブを所定通り切り替えることにより、三つの流路、即ち、酸素除去装置41と酸素発生素子42を経由してブランクセンサ52
    に導かれる第一の標準ガス流路である流路63と、酸素除去装置41と酸素発生素子42とを経由してメジャーセンサ51に導かれる第二の標準ガス流路である流路6
    4と、および酸素除去装置41を経由し、ブランクセンサまたはメジャーセンサに導かれるゼロガス流路である流路65とを、状況に応じて切り替えられるように構成されている。

    【0048】 パージガス兼センサ校正用ガスである窒素ガスの場合には、酸素除去装置41のみを経由して、
    窒素ガス中に含まれる酸素を実質的に完全に除去した標準ガス(酸素濃度:1ppb未満)を得、その際のポンプ電流を測定するためにブランクセンサに送りこまれるものと、酸素除去装置41および酸素発生素子42を経由して、酸素除去装置41で、酸素を実質的に完全に除去した窒素ガス(酸素濃度:1ppb未満。以下同じ。)を得、次いで、酸素発生素子42に所望の酸素濃度となる所定の酸素ポンプ電流を流し、ここで窒素ガスは所定濃度の酸素を含むように調製され、最後にブランクセンサへと送り込まれ、それぞれのポンプ電流値が測定され、この結果を基に、酸素濃度−ポンプ電流の検量線(関係式)が作成され、その結果に基づきセンサは校正される。

    【0049】 なお、勿論、測定ガスが2ppm以上の酸素を含むことが予め予想される場合には、上述の如く、酸素除去装置41の消耗が激しいため、バルブSV
    aおよびSVbは、閉じておく。 図4に示した測定装置50の場合には、測定ガスが送り込まれた場合には、メジャーセンサ51には直接測定ガスが、ブランクセンサ52には酸素除去装置41を経由し酸素が除去された測定ガスが流れる。 メジャーセンサとブランクセンサは同時進行でポンプ電流を測定し、センサ個体差を補正した2つのポンプ電流値の差が測定ガスの酸素濃度として連続的に測定される。 この方式の特徴は、差動信号処理のため干渉ガス濃度、温度等の変動に強いことである。 メジャーセンサ51及びブランクセンサ52によって測定された可燃ガス量相当の酸素(可燃ガスを完全に燃焼させるに過不足ない量の酸素を示す。)と測定ダクト内の酸素濃度設定起電力を維持するための酸素を、酸素ポンプセルを用いて測定ダクト内に汲み入れ、測定ガス中の可燃ガスを燃焼させ、測定ダクト内の起電力を設定値に保つ動作をする。

    【0050】 ブランクセンサ52では酸素除去装置4
    1で測定ガス中の酸素をほぼ完全に除去しており、メジャーセンサ51では測定ガスに最初から含まれる酸素があり、ブランクセンサ52に比べ最初から含まれている酸素分だけポンプ電流が減少する。 従って、図4に示す態様においては、酸素センサが2個使用されているので、各センサ51、52に流れるポンプ電流を測定ダクト19内へのガス拡散量等のセンサ個体差を考慮して、
    補正し、補正後の両者の差が酸素除去装置41で除去された酸素量となり、測定ガスに最初から含まれる酸素濃度を、正確に連続測定することが可能となる。

    【0051】 図4に示した微量酸素測定装置においては、1つの被測定ガス供給口、1つのセンサ校正ガス兼パージガス供給口、第一および第二のマスフローコントローラと、1つの酸素除去装置41、1つの酸素発生素子42、および第一および第二の酸素センサ51、52
    が備えられており、かつ、第一のマスフローコントローラ43に並列して第二のマスフローコントローラ43a
    が、第一の酸素センサ51に並列して第二の酸素センサ52が備えられており、前記第一の酸素センサ51はブランクセンサであって、前記第二の酸素センサ52はメジャーセンサであり、前記ブランクセンサ52側の流路が、ブランクセンサ校正ガスとメジャーセンサ校正ガスを、前記第一のマスフローコントローラ43と切り替えバルブにより酸素除去装置41および/または酸素発生素子42を経由して上記ブランクセンサ52に送り込まれるように構成されている。 また、前記酸素センサに設けられたポンプセルの酸素供給により検出セル起電力を所定の設定電圧にするためのフィードバック制御器71
    が設けられていてもよい。

    【0052】 さらにまた、この態様における微量酸素測定装置は、前記第一および第二の酸素センサ51、5
    2は共に、複数の固体電解質層から形成され、上記複数の固体電解質層により規定された第1空気ダクト12
    A、第2空気ダクト12B、及び測定ダクト19を有し、上記測定ダクト19には、酸素排出極16と濃度検知極17とが備えられており、上記第1空気ダクト12
    A内に形成された酸素供給極15と、上記測定ダクト1
    9に形成された酸素排出極16とから、上記第1空気ダクト12Aと上記測定ダクト19との間に形成された固体電解質層を介して、形成された酸素ポンプセル10を備え、かつ、上記第1空気ダクト12A内に形成された酸素供給極15と、上記測定ダクト19に形成された酸素排出極16とは、濃度検出セル起電力を所定の設定値に制御するため、両電極間にポンプ電流を流し、ポンプ電流値に応じた酸素量が第1空気ダクト12Aから汲み込まれるポンプセルを形成し、上記第2空気ダクト内に形成された空気基準極18と当該測定ダクト19に形成された濃度検知極17とが、上記第2空気ダクト12B
    と上記測定ダクト19との間に形成された固体電解質層を介して、濃度検出セル13を形成しフィードバック動作を形成し、上記ポンプセルのポンプ電流により測定ガス中の酸素濃度を測定する構造を有するものであってもよい。

    【0053】 上述した測定装置50を用いた測定ガス中の酸素濃度の測定手順を、更に詳細に説明する。 図4
    に示した測定装置50における測定手順の一例を説明する。 先ず、センサ校正ガス兼パージガス供給口のバルブV2を開き、装置に電源を入れスタートさせ、各流路を窒素ガスでパージさせ、次いで、酸素発生装置42をヒートラン動作させると共に、酸素センサ51と駆動用F
    B制御器71及び酸素センサ52と駆動用FB制御器7
    1aをヒートラン動作させる。 FB制御器71及び71
    aにはコンピュータ指示によりFBしきい値電圧、例えば、210mVが与えられ、各々の酸素センサ51、5
    2の濃度検出セル13の起電力が210mVを上回る場合には、FB制御器71及び71aから酸素センサ51
    及び52に必要な電流を供給して酸素ポンプを作動させて、酸素供給用空気ダクト側から測定ダクト側の濃度検出セル起電力が210mVとなるように酸素を汲み込む。 次に、バルブV1、V3、V4、V5、V7、V1
    0、V11を閉じ、バルブV2、SVa、SVb、V
    6、V8、およびV9を開く。

    【0054】 センサ校正ガス兼パージガスの窒素ガス供給口から、第二のマスフローコントローラ43aを経て、第三の標準ガス流路65を経由して、脱酸素窒素ガスをブランクセンサ52へと供給する。 酸素除去装置4
    1により酸素を含まなくなった窒素ガスは、ブランクセンサ52で、酸素ポンプにより汲み込まれた必要酸素量に応じたポンプ電流が測定される。 この場合に測定されるポンプ電流は、酸素量が実質的に零(酸素量:1pp
    b未満)のときのポンプ電流である。 なお、ガス流量は、マスフローコントローラ43、43aおよびMFC
    制御器78により所定の流量に制御され、ガス流量の計測信号はコンピュータ装置80へ送られる。 次に、バルブV6を閉じ、バルブV5、V7を開く。 かくして、定電流源/制御器75により、所望する酸素濃度とする酸素量に相当するポンプ電流を酸素発生素子42に供給し、所定量の酸素を添加する。 第一の標準ガス流路63
    に所望の酸素濃度の標準ガスが流れ出したことを、例えば、経過時間やブランクセンサ52に流れるポンプ電流が定常状態となったこと等により確認後、同センサ52
    のポンプ電流−酸素濃度の結果をコンピュータ装置80
    に保存し、ブランクセンサの校正をする。

    【0055】 次に、バルブV5、V7、V8およびV
    9を閉じ、バルブV6、V10、およびV11を開く。
    センサ校正ガス兼パージガスの窒素ガス供給口から第三の標準ガス流路65を経由して、脱酸素窒素ガスをメジャーセンサ51に供給する。 酸素除去装置41により酸素を含まなくなった窒素ガスは、メジャーセンサ51
    で、酸素ポンプにより汲み込まれた必要酸素量に応じたポンプ電流が測定される。 この場合に測定されるポンプ電流は、酸素量が実質的に零(酸素量:1ppb未満)
    のときのポンプ電流である。 次に、バルブV6を閉じ、
    バルブV5、V7を開く。 かくして、定電流源/制御器75により所望する酸素濃度にする酸素量に相当するポンプ電流を酸素発生素子42に供給し、窒素ガスに所定量の酸素が添加される。 第二の標準ガス流路64に所望の酸素濃度ガスが流れ出したことを、例えば、経過時間やメジャーセンサ51に流れる電流が定常状態となったこと等により確認後、同センサ51のポンプ電流−酸素濃度についての測定結果をコンピュータ装置80に保存し、メジャーセンサの校正をする。

    【0056】 次いで、バルブV2、V3、V5、V7
    を閉じ、バルブV1、SVa、SVb、V4、V6、V
    8、V9、V10およびV11を開きブランクセンサ5
    2及びメジャーセンサ51の両方に測定ガスを供給する。 ブランクセンサ52への供給は測定ガス供給口から測定ガスを第二のマスフローコントローラ43aを経て、酸素除去装置経由流路61を経由してブランクセンサ52に供給する。 酸素除去装置41を経由した測定ガスにより酸素除去装置経由流路61が置換されたことを確認後、ブランクセンサ51のポンプ電流を計測しコンピュータ80に保存する。 もう一方のメジャーセンサ5
    1への供給は測定ガス供給口から第一のマスフローコントローラ43を経て、直接流路62を経由させて直接メジャーセンサ51に供給する。 直接流路62が測定ガスで置換されたことを確認後、メジャーセンサ51のポンプ電流を計測しコンピュータ80に保存する。 コンピュータ80ではブランクセンサ52及びメジャーセンサ5
    1の個体差補正を行いポンプ電流差から測定ガス中の酸素濃度を連続的に求める。 必要に応じて、ブランクセンサ52のポンプ電流から燃焼性ガスによる酸素の消費量をも算出させることも可能である。 最後に、電源を切り終了させればよい。

    【0057】 勿論、連続して測定ガス中の酸素を測定する場合には、標準ガスによる校正を省略してもよく、
    その場合には、バルブV2、V3、V5、V7およびV
    12を閉じ、バルブV1、SVa、SVb、V4、V
    6、V8、V9、V10およびV11を開く操作からコンピュータ80の指令による演算までの操作を繰り返させてもよい。 酸素濃度測定結果の補正が必要な場合には、コンピュータにより補正する。 なお、操作は、通常は、コンピュータ装置に予め組み込まれたプログラムにより行う。 勿論、測定対象、測定条件に応じて、各種の変更が可能であり、予めこれらの変更プログラムをコンピュータに組み込んでおくことにより、所望とする測定ができることはいうまでもない。

    【0058】 図8は、図1における酸素センサ(メジャーセンサ51およびブランクセンサ52)の動作の形態を示した説明図である。 まず、濃度検知極17と空気基準極18間の起電力V Mについて目標値V Tを設定する。 この目標値V Tとしては、例えば、酸素濃度2pp
    mで生ずる約240mVまたはそれ以下、例えば210
    mVを目標値V Tとすることができる。

    【0059】 起電力V Mが目標値V T以上である場合には、FB制御器71,71aから酸素ポンプセル(酸素供給極15と酸素排出極16間)に、ポンプ電流I Pを流して、酸素供給極15から酸素排出極16へ酸素を供給し、測定ダクト14内の起電力V Mを可燃ガスがあれば燃焼させて、所定の起電力V Tとなるようにフィートバック制御を行う。 逆に、起電力V Mが目標値V T以下の場合には、測定ダクト内の酸素を第一空気ダクトに汲出すように酸素排出極16から酸素供給極15に酸素を移動させるようにポンプ電流I Bを流すこととする。 こうして、目標値V Tを境にしポンプ電流I Pの極性が反転することとなり、ポンプ電流の極性及び大きさから、可燃ガスの燃焼分を含めた測定ダクト内の酸素濃度を目標値V Tにするに必要な酸素過不足量が求められる。 1個のセンサで測定ガス中の酸素を除去した状態と、除去されない状態のポンプ電流の差から酸素除去装置41で除去された酸素量が求められ、これが測定ガス中の酸素濃度となる。

    【0060】 ブランクセンサ52によって測定されたポンプ電流I PBと、メジャーセンサ51によって測定されたポンプ電流I PMとのポンプ電流をセンサ個体差を考慮して補正し、ポンプ電流差を求める。

    【0061】 得られるポンプ電流I Pは、可燃ガスの燃焼に要した酸素分I P1 、測定ガス中に存在する酸素分I P2 、測定ダクト内を設定酸素濃度にするために必要な酸素分I P3とすると、メジャーセンサのポンプ電流はI
    PM =I P1 −I P2 +I P3となり、ブランクセンサでは測定ガス中の酸素が除去されるためI PB =I P1 +I P3となる。 従ってI PB −I PM =I P2となり、ブランクセンサとメジャーセンサのポンプ電流の差が、最初から測定ガス中に含まれていた酸素濃度に相当する酸素分に基づくものであるから、上述した測定方法を用いることにより、
    可燃ガス等の干渉ガスの影響を排除しつつ、測定ガス中の酸素濃度をより正確に知ることができるようになる。

    【0062】 なお、測定装置50では、メジャーセンサ51とブランクセンサ52にほぼ同じタイミングで供給された測定ガスについて酸素濃度の測定を行うために、短時間に測定ガスの組成が変化するような場合であっても使用が可能である。 一方、測定装置40では、酸素センサ10をメジャーセンサとブランクセンサとして時分割して共用しているので、ブランクセンサとメジャーセンサの測定タイミングがずれるために、短時間にガス組成が変化するような測定ガスは、測定対象としては不向きであり、比較的ガス組成が安定している測定ガスについて好適に用いることができる。

    【0063】

    【発明の効果】 上述した通り、本発明の微量酸素測定装置及び測定方法によれば、コンパクト化が容易であり、メンテナンス性や寿命特性に優れたZrO 2酸素センサを用いた簡単な構成の装置を用いていることから、
    操作性がよく、しかも可燃ガス等の干渉ガスの影響を排除した正確な微量酸素濃度の測定を迅速に行うことができるようになる等の優れた効果を奏する。 また、ZrO
    2酸素センサの構造を種々に変えることも可能であり、
    多レンジ化、高精度化を図ることが容易であり、また、
    酸素センサの校正も容易であることから、適用用途が広いといった利点を有する。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明の微量酸素測定装置に好適に用いられるZrO 2酸素センサの一実施形態を示す断面図である。

    【図2】 本発明に係る微量酸素測定装置の構成の一実施形態を示す説明図である。

    【図3】 図2に示した本発明に係る微量酸素測定装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。

    【図4】 本発明に係る微量酸素測定装置の別の実施形態の構成を示す説明図である。

    【図5】 図4に示した本発明の微量酸素測定装置の構成を示すブロック図である。

    【図6】 本発明の微量酸素測定装置に使用する酸素発生素子の一構成例を示す説明図である。

    【図7】 本発明の酸素測定装置により測定したブランクセンサとメジャーセンサのポンプ電流出力およびその出力電流の差と酸素濃度の関係を示す測定例である。

    【図8】 図1における酸素センサの動作の形態を示した説明図である。

    【符号の説明】

    9…ヒータ、10…ZrO 2酸素センサ、11…ZrO 2
    磁器、12A…第1空気ダクト、12B…第2空気ダクト、13…濃度検出セル、14…酸素ポンプセル、15
    …酸素供給極、16…酸素排出極、17…濃度検知極、
    18…空気基準極、19…測定ダクト、40…測定装置、41…酸素除去装置、42…酸素発生素子、43…
    第一のマスフローコントローラ、43a…第二のマスフローコントローラ、50…測定装置、51…メジャーセンサ、52…ブランクセンサ、61…酸素除去装置経由流路、62…直接流路、63…第一の標準ガス流路、6
    4…第二の標準ガス流路、65…第三の標準ガス流路、
    71…第一のFB制御器、71a…第二のFB制御器、
    72…ヒータ制御器、72a…ヒータ制御器、75…定電流源/制御器、76…ヒータ電源/制御器、77…温度検出器、78…MFC制御器、80…コンピュータ装置。

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