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Phosphate additive of nonaqueous electrolyte for rechargeable electrochemical battery

阅读:462发布:2024-02-21

专利汇可以提供Phosphate additive of nonaqueous electrolyte for rechargeable electrochemical battery专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a lithium ion electrochemical battery having high capacity of charge and discharge, a long cycle service life, and reduced irreversible capacity for a first cycle.
SOLUTION: At least one kind of phosphate additives is added into an electrolyte containing alkaline metal salt melted in solvent mixture containing ethylene carbonate, dimethyl carbonate, ethyl methyl carbonate, and dimethyl carbonate. Preferred additive is alkyl phosphate compound.
COPYRIGHT: (C)2000,JPO,下面是Phosphate additive of nonaqueous electrolyte for rechargeable electrochemical battery专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 a)アルカリ金属がインターカレートされる負電極、 b)アルカリ金属がインターカレートされる電極活物質を含む正電極、 c)負電極及び正電極を活性化する非水性電解液、並びに d)電解液中に与えられたホスフェート添加剤 からなる電気化学電池。
  • 【請求項2】 ホスフェート添加剤が、一般式:(R 1
    O)P(=O)(OR 2 )(OR 3 )を有し、R 1 、R 2
    及びR 3が同種又は異種であり、そしてこれらは水素原子又は1〜13個の炭素原子を含有する飽和若しくは不飽和有機基であってよく、R 1 、R 2及びR 3が水素でない場合は、これらの少なくとも一つはCR 45
    6 (式中、少なくともR 4は芳香族置換基又は不飽和有機若しくは無機基である)である請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項3】 ホスフェート添加剤が、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、トリベンジルホスフェート、ジメチルベンジルホスフェート、ジエチルベンジルホスフェート、ジプロピルベンジルホスフェート、ジブチルベンジルホスフェート、ジエチル2‐プロペニルホスフェート、ジフェニルメチルジエチルホスフェート、
    ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ジベンジルホスフェート、ジアリルホスフェート、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノフェニルホスフェート及びモノベンジルホスフェート並びにこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項4】 ホスフェート添加剤が、電解液中に約0.001M〜約0.40Mの範囲内で存在する請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項5】 ホスフェート添加剤が、電解液中に約0.20M以下の濃度で存在するジベンジルホスフェートである請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項6】 電解液が四成分非水性カーボネート溶媒混合物を含有している請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項7】 電解液がジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート及びエチルプロピルカーボネート、並びにこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種の線状カーボネートからなる請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項8】 電解液が少なくとも3種の線状カーボネートからなる請求項7に記載の電気化学電池。
  • 【請求項9】 電解液がエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及びビニレンカーボネート並びにこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種の環状カーボネートからなる請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項10】 電解液がエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項11】 体積で、エチレンカーボネートが約1
    0%〜約50%の範囲内であり、ジメチルカーボネートが約5%〜約75%の範囲内であり、エチルメチルカーボネートが約5%〜約50%の範囲内であり、そしてジエチルカーボネートが約3%〜約45%の範囲内である請求項10に記載の電気化学電池。
  • 【請求項12】 電解液が、LiPF 6 、LiBF 4
    LiAsF 6 、LiSbF 6 、LiClO 4 、LiAl
    Cl 4 、LiGaCl 4 、LiNO 3 、LiC(SO 2
    CF 33 、LiN(SO 2 CF 32 、LiSCN、
    LiO 3 SCF 2 CF 3 、LiC 65 SO 3 、LiO 2
    CCF 3 、LiSO 3 F、LiB(C 654及びL
    iCF 3 SO 3並びにこれらの混合物からなる群から選択されたアルカリ金属塩を含む請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項13】 アルカリ金属がリチウムである請求項12に記載の電気化学電池。
  • 【請求項14】 負電極が、コークス、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、炭素繊維及びガラス状炭素並びにこれらの混合物からなる群から選択された負極活物質からなる請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項15】 負極活物質がフッ素樹脂バインダーと混合されている請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項16】 正電極が、バナジウム、チタン、クロム、銅、モリブデン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバルト及びマンガンから選択された金属のリチウム化酸化物、
    リチウム化硫化物、リチウム化セレン化物及びリチウム化テルル化物並びにこれらの混合物からなる群から選択された正極活物質からなる請求項1に記載の電気化学電池。
  • 【請求項17】 正極活物質がフッ素樹脂バインダーと混合されている請求項16に記載の電気化学電池。
  • 【請求項18】 正極活物質が、アセチレンブラック、
    カーボンブラック、グラファイト、ニッケル粉末、アルミニウム粉末、チタン粉末及びステンレススチール粉末並びにこれらの混合物からなる群から選択された導電性添加剤と混合されている請求項16に記載の電気化学電池。
  • 【請求項19】 a)リチウムがインターカレートされる負電極、 b)リチウムがインターカレートされる電極活物からなる正電極、 c)エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートの四成分非水性カーボネート溶媒混合物中に溶解されたアルカリ金属塩を含むアノード及びカソードを活性化する電解質溶液、並びに d)電解液中に与えられたホスフェート添加剤 からなる電気化学電池。
  • 【請求項20】 ホスフェート添加剤が、一般式:(R
    1 O)P(=O)(OR 2 )(OR 3 )を有し、R 1
    2及びR 3が同種又は異種であり、そしてこれらは水素原子又は1〜13個の炭素原子を含有する飽和若しくは不飽和有機基であってよく、R 1 、R 2及びR 3が水素でない場合は、これらの少なくとも一つはCR 45
    6 (式中、少なくともR 4は芳香族置換基又は不飽和有機若しくは無機基である)である請求項19に記載の電気化学電池。
  • 【請求項21】 ホスフェート添加剤が、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、トリベンジルホスフェート、ジメチルベンジルホスフェート、ジエチルベンジルホスフェート、ジプロピルベンジルホスフェート、ジブチルベンジルホスフェート、ジエチル2‐プロペニルホスフェート、ジフェニルメチルジエチルホスフェート、
    ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ジベンジルホスフェート、ジアリルホスフェート、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノフェニルホスフェート及びモノベンジルホスフェート並びにこれらの混合物からなる群から選択される請求項19に記載の電気化学電池。
  • 【請求項22】 体積で、エチレンカーボネートが約1
    0%〜約50%の範囲内であり、ジメチルカーボネートが約5%〜約75%の範囲内であり、エチルメチルカーボネートが約5%〜約50%の範囲内であり、そしてジエチルカーボネートが約3%〜約45%の範囲内である請求項19に記載の電気化学電池。
  • 【請求項23】 電解液が、LiPF 6 、LiBF 4
    LiAsF 6 、LiSbF 6 、LiClO 4 、LiAl
    Cl 4 、LiGaCl 4 、LiNO 3 、LiC(SO 2
    CF 33 、LiN(SO 2 CF 32 、LiSCN、
    LiO 3 SCF 2 CF 3 、LiC 65 SO 3 、LiO 2
    CCF 3 、LiSO 3 F、LiB(C 654及びL
    iCF 3 SO 3並びにこれらの混合物からなる群から選択されたアルカリ金属塩を含む請求項19に記載の電気化学電池。
  • 【請求項24】 a)アルカリ金属をインターカレートできる活物質からなるアノード、 b)導電性材料の固体カソード、並びに c)一般式(R 1 O)P(=O)(OR 2 )(OR 3
    (式中、R基の少なくとも一つ(しかし、三つの全てではない)は水素であるか、又は、R基の少なくとも一つはリン原子に結合した酸素原子に結合したsp 3ハイブリッド化炭素原子に結合したsp 2ハイブリッド化炭素原子を含む)を有するホスフェート添加剤を含有しているアノード及びカソードを活性化する非水性電解液 からなる電気化学電池。
  • 【請求項25】 a)リチウムをインターカレートできる炭素質材料のアノード、 b)酸化コバルトリチウムからなるカソード、並びに c)アノード及びカソードを活性化する非水性電解液(この非水性電解液は、電解液と接触するリチウムがインターカレートされたアノードの表面上でリチウムホスフェート又はホスフェート還元生成物のリチウム塩を与えるホスフェート添加剤を含有している) からなる電気化学電池。
  • 【請求項26】 a)アルカリ金属がインターカレートされる負電極を用意する工程、 b)アルカリ金属がインターカレートされる電極活物質からなる正電極を用意する工程、 c)負電極及び正電極を非水性電解液で活性化する工程、並びに d)電解液中にホスフェート添加剤を与える工程 とからなる電気化学電池の製造方法。
  • 【請求項27】 一般式:(R 1 O)P(=O)(OR
    2 )(OR 3 )(式中、R 1 、R 2及びR 3は同種又は異種であり、そしてこれらは水素原子又は1〜13個の炭素原子を含有する飽和若しくは不飽和有機基であってよく、R 1 、R 2及びR 3が水素でない場合は、これらの少なくとも一つはCR 456 (式中少なくともR
    4は芳香族置換基又は不飽和有機若しくは無機基である)である)を有するホスフェート添加剤を与えることを含む請求項26に記載の方法。
  • 【請求項28】 トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、トリベンジルホスフェート、ジメチルベンジルホスフェート、ジエチルベンジルホスフェート、ジプロピルベンジルホスフェート、ジブチルベンジルホスフェート、ジエチル2‐プロペニルホスフェート、ジフェニルメチルジエチルホスフェート、ジメチルホスフェート、
    ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ジベンジルホスフェート、ジアリルホスフェート、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノフェニルホスフェート及びモノベンジルホスフェート並びにこれらの混合物からなる群からホスフェート添加剤を選択することを含む請求項26に記載の方法。
  • 【請求項29】 ホスフェート添加剤が、電解液中に約0.001M〜約0.40Mの範囲内で存在する請求項26に記載の方法。
  • 【請求項30】 ホスフェート添加剤が、電解液中に約0.20M以下の濃度で存在するジベンジルホスフエートである請求項26に記載の方法。
  • 【請求項31】 四成分非水性カーボネート溶媒混合物を含有する電解液を与えることを含む請求項26に記載の方法。
  • 【請求項32】 電解液が、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート及びエチルプロピルカーボネート並びにこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種の線状カーボネートからなる請求項26に記載の方法。
  • 【請求項33】 電解液が、少なくとも3種の線状カーボネートからなる請求項32に記載の方法。
  • 【請求項34】 電解液が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及びビニレンカーボネート並びにこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種の環状カーボネートからなる請求項26に記載の方法。
  • 【請求項35】 電解液が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる請求項26に記載の方法。
  • 【請求項36】 体積で、エチレンカーボネートが約1
    0%〜約50%の範囲内であり、ジメチルカーボネートが約5%〜約75%の範囲内であり、エチルメチルカーボネートが約5%〜約50%の範囲内であり、そしてジエチルカーボネートが約3%〜約45%の範囲内である請求項35に記載の方法。
  • 【請求項37】 電解液が、LiPF 6 、LiBF 4
    LiAsF 6 、LiSbF 6 、LiClO 4 、LiAl
    Cl 4 、LiGaCl 4 、LiNO 2 、LiC(SO 2
    CF 33 、LiN(SO 2 CF 32 、LiSCN、
    LiO 3 SCF 2 CF 3 、LiC 65 SO 3 、LiO 2
    CCF 3 、LiSO 3 F、LiB(C 654及びL
    iCF 3 SO 3並びにこれらの混合物からなる群から選択されたアルカリ金属塩を含む請求項26に記載の方法。
  • 【請求項38】 アルカリ金属をリチウムとして与えることを含む請求項26に記載の方法。
  • 【請求項39】 バナジウム、チタン、クロム、銅、モリブデン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバルト及びマンガンから選択された金属のリチウム化酸化物、リチウム化硫化物、リチウム化セレン化物及びリチウム化テルル化物並びにこれらの混合物からなる群から選択された正極活物質からなる正電極を用意することを含む請求項26
    に記載の方法。
  • 【請求項40】 コークス、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、炭素繊維及びガラス状炭素、並びにこれらの混合物からなる群から選択された負極活物質からなる負電極を用意することを含む請求項2
    6に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は一般的に、アルカリ金属電気化学電池、更に特に、再充電可能なアルカリ金属電池に関する。 尚更に特に、本発明は、高い充電/放電容量、長いサイクル寿命を達成するために及び第一サイクル不可逆容量を最小にするために与えられた添加物を有する電解液で活性化された、リチウムイオン電気化学電池に関する。 本発明により、活性化電解液への好ましい添加剤は、ホスフェート化合物である。

    【0002】

    【従来の技術】アルカリ金属再充電可能電池は、典型的に、炭素質アノード電極及びリチウム化された(lit
    hiated)カソード電極を備えている。 完全に充電したリチウムイオン電池に於いて、カソード材料の高い電位(Li 1-x CoO 2について、Li/Li +に対して4.3Vまで)及び炭素質アノード材料の低い電位(グラファイトについて、Li/Li +に対して0.0
    1V)のために、電解質溶媒系の選択が制限される。

    【0003】カーボネート溶媒は、典型的に使用されるリチウム化されたカソード材料に対する高い酸化安定性及び炭素質アノード材料に対する良好な動的安定性を有しているので、これらは一般的にリチウムイオン電池電解液中に使用されている。 最適電池性能(高いレート(rate)能及び長いサイクル寿命)を達成するために、環状カーボネート(高誘電定数溶媒)及び線状カーボネート(低粘度溶媒)の混合物を含有する溶媒系が、商業的二次電池で典型的に使用されている。 カーボネートをベースにする電解液を含む電池は、室温で10
    00以上の充電/放電サイクルをもたらすことが知られている。

    【0004】本発明の譲受人に譲渡されており、参照してここに組み込まれる、米国特許出願第09/133,
    799号は、良好なサイクル(cycling)特性を示しながら、−20℃以下で、そして−40℃のように低くまで低下する温度で放電することができる、リチウムイオン電池のための活性化電解液中の有機カーボネート溶媒の四成分混合物に関する。 この四成分溶媒系には、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)
    及びジエチルカーボネート(DEC)が含有されている。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン電池設計には、一般的に、目標の電池応用に応じて、一つの領域に於ける必要な改良のために他の領域に於ける交換条件を必要とする。 典型的に使用される二成分溶媒電解液(例えば、1.0M LiPF 6 /EC:DMC=3
    0:70、v/v、−11℃で凍結する)の代わりに、
    上記の四成分溶媒電解液を使用することによって、低温度サイクル性(cycleability)が可能なリチウムイオン電池は、初期充電の間の第一サイクル不可逆的容量の増加という犠牲によって得られる(1.0M
    LiPF 6 /EC:DMC=30:70の場合35m
    Ah/gグラファイトに対して、1.0M LiPF 6
    /EC:DMC:EMC:DEC=45:22:24.
    8:8.2の場合約65mAh/gグラファイト)。 この第一サイクル不可逆的容量が存在するために、リチウムイオン電池は一般的に、カソードが限定される。 充電と放電との間にアノードとカソードとの間を往復するリチウムイオンの全ては、元々リチウム化されたカソードから来るので、第一サイクル不可逆容量が大きくなるほど、後続のサイクルに於ける電池容量が低下し、電池効率が低下する。 従って、同時に、リチウムイオン電池の低温度サイクル性能を維持しながら、このような電池の第一サイクル不可逆容量を最小にするか又は除去することが望ましい。

    【0006】本発明に従って、これらの目的は、四成分溶媒電解液中に無機又は有機ホスフェートを与えることによって達成される。 これらの電解液で活性化されたリチウムイオン電池は、ホスフェート添加剤を含有していない同じ四成分溶媒電解液で活性化された電池に対して、より低い第一サイクル不可逆容量を示す。 その結果、ホスフェート添加剤を含有する電池は、対照の電池よりも高い後のサイクル性能を示す。 室温並びに低温、
    即ち約−40℃まで低下する温度での本発明の電池のサイクル性能は、ホスフェート添加剤を含有していない四成分電解液で活性化された電池のように良好である。

    【0007】放電状態の炭素アノードで構成されたリチウムイオン電池に、電位を最初に適用して、電池を充電するとき、アノード表面の不動態化フィルムの形成のために幾らかの永久的容量損失が生じることが一般的に知られている。 この永久的容量損失は、第一サイクル不可逆容量と呼ばれる。 しかしながら、このフィルム形成工程は、電池充電電位で電解液成分の反応性に非常に依存している。 不動態化フィルムの電気化学特性も、表面フィルムの化学組成に依存している。

    【0008】表面フィルムの形成は、有機電解質に対するリチウムの比較的低い電位及び高い反応性のために、
    アルカリ金属系、特にリチウム金属アノード及びリチウムがインターカレートされた(lithium int
    ercalated)炭素アノードについて避けることができない。 固体電解質インターフェース(solid
    −electrolyte interphase)
    (SEI)として知られている理想的な表面フィルムは、電気絶縁性とイオン伝導性を有しなくてはならない。 殆どのアルカリ金属、特に、リチウム電気化学システムは、第一の必要条件には適合するけれども、第二の必要条件は達成することが困難である。 これらのフィルムの抵抗は無視することができず、その結果、リチウムイオン電池の充放電の間に許容できない分極を誘導するこの表面層形成のために、電池の内部でインピーダンスが増す。 他方、SEIフィルムが導電性である場合、アノード表面での電解質分解反応は、リチウム化された炭素電極の低い電位のために停止しない。

    【0009】従って、この電解液の組成は、アルカリ金属系の放電効率、特に二次電池に於ける永久的容量損失への顕著な影響を有する。 例えば、二次電池を活性化するために、1.0M LiPF 6 /EC:DMC=3
    0:70を使用するとき、第一サイクル不可逆容量は約35mAh/gグラファイトである。 しかしながら、同じ循環条件下で、1.0M LiPF 6 /EC:DM
    C:EMC:DEC=45:22:24.8:8.2を電解液として使用するとき、第一サイクル不可逆容量は約65mAh/gグラファイトであることが見出されている。 更に、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートの二成分溶媒電解液で活性化したリチウムイオン電池は、約−11℃より低い温度ではサイクルできない。 リチウムイオン電池を更に低い温度でサイクルさせることができる前記特許出願の四成分溶媒電解液は、許容できるサイクル効率とより広い温度適用を与えることとの妥協である。 第一サイクル不可逆容量を最小にしながら、−40℃のように低い温度まで作動させることができるリチウムイオン電池の利点を保持することが非常に望ましいであろう。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】本発明に従って、この目的は、前記の四成分溶媒電解液にホスフェート添加剤を添加することによって達成される。 更に、本発明は、二成分溶媒系及び三成分溶媒系並びに線状又は環状カーボネートの混合物以外の溶媒を含有する他の非性有機電解液に一般的に適用することができる。 例えば、線状又は環状エーテル又はエステルを、電解液成分として含有させることもできる。 観察された改良についての正確な理由は明らかではないけれども、ホスフェート添加剤が、存在する電解質成分と競合して初期リチウム化の間に炭素アノード表面上で反応して、有利なSEIフィルムを形成するとの仮説が立てられる。 このようにして形成されたSEIフィルムは、ホスフェート添加剤無しに形成されたフィルムよりも電気的に一層絶縁性であり、
    結果として、リチウム化炭素電極は、他の電解質成分との反応から一層良く保護される。 それで、より低い第一サイクル不可逆容量が得られる。

    【0011】本発明のこれらの及びその他の目的は、下記の説明及び添付する図面を参照することによって、当業者にますます一層明らかになるであろう。

    【0012】

    【発明の実施の形態】本発明により構成された二次電気化学電池は、アルカリ金属リチウム、ナトリウム、カリウムなどを含む、元素の周期表の第IA族、第IIA族又は第IIIB族から選択されたアノード活物質を含んでいる。 好ましいアノード活物質はリチウムからなる。

    【0013】二次電気化学システムに於いて、アノード電極は、アルカリ金属、好ましくはリチウムをインターカレート(intercalate)及び脱インターカレート(deintercalate)することができる材料からなる。 リチウム種を可逆的に保持することができる種々の形態の炭素(例えば、コークス、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラック、ガラス状炭素など)からなる炭素質アノードが好ましい。 グラファイトが、その比較的高いリチウム保持容量のために特に好ましい。 炭素の形態に無関係に、炭素質材料の繊維が特に有利である。 それは、この繊維が、それを、繰り返される充電/放電サイクルの間の劣化に耐えることができる硬質電極の中に組み込まれることを可能にする優れた機械的特性を有するからである。 更に、炭素繊維の高い表面積によって、急速な充電/放電速度が可能になる。 二次電気化学電池のアノード用の好ましい炭素質材料は、米国特許第5,443,928号(この特許は、本発明の譲受人に譲渡されており、参照してここに組み込まれる)に記載されている。

    【0014】典型的な二次電池アノードは、約90〜9
    7重量パーセントのグラファイトと、約3〜10重量パーセントの、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)のようなフッ素樹脂粉末、ポリアミド及びポリイミド並びにこれらの混合物であるバインダー材料とを混合することによって製作される。 この電極活混合物は、ニッケル、ステンレススチール又は銅の箔又は網のような集電体の上に、キャスティング、圧縮、ロール掛け又は活混合物をそれに接触させる他の手段によって設けられる。

    【0015】このアノード部は、更に、例えば溶接によってアノード集電体と一体に形成された、又は、ケースが負極の構造で導電性金属の電池ケースに溶接によって接触された、アノード集電体と同じ材料、即ち、好ましくはニッケルの延長タブ又はリードを有する。 また、炭素質アノードは、低表面積電池設計を可能にするために、ボビン形状、円筒又はペレットのような幾つかの他の形状で形成することができる。

    【0016】二次電池のカソードは、好ましくは、空気中で安定であり、容易に取り扱われるリチウム化材料からなる。 このような空気安定性リチウム化カソード材料の例には、バナジウム、チタン、クロム、銅、モリブデン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバルト及びマンガンのような金属の酸化物、硫化物、セレン化物及びテルル化物がある。 一層好ましい酸化物としては、LiNiO 2
    LiMn 24 、LiCoO 2 、LiCo 0.92 Sn 0.08
    2及びLiCo 1-x Ni x2がある。

    【0017】電気化学電池の中に組み込むための電極を形成する前に、リチウム化活物質を好ましくは導電性添加材と混合させる。 適切な導電性添加材としては、アセチレンブラック、カーボンブラック及び/又はグラファイトがある。 ニッケル、アルミニウム、チタン及びステンレススチールのような金属も、粉末状で上記の活物質と混合するとき導電性希釈材として有用である。 この電極には更にバインダーとして、好ましくは粉末状の、P
    TFE、PVDF、ETFEのようなフッ素樹脂、ポリアミド及びポリイミド並びにこれらの混合物が含有されている。

    【0018】このような二次電池を放電するために、外部発生電位を適用して電池を再充電することによって、
    カソードを構成するリチウムイオンが、炭素質アノードの中にインターカレートされる。 適用される再充電電位は、カソード材料からアルカリ金属イオンを取り出して、電解質を通して炭素質アノードの中に挿入し、アノードを構成する炭素を飽和させる機能を果たす。 得られたLi x6電極は、0.1〜1.0の範囲内のxを有し得る。 そこで、この電池には電位が与えられ、通常の方式で放電される。

    【0019】別の二次電池構成は、アノードを電池の中に組み込む前に、炭素質材料に活性アルカリ物質をインターカレートすることを含む。 この場合に、カソード本体は固体であってよく、これらに限定されないが、二酸化マンガン、酸化バナジウム銀、酸化バナジウム銀銅、
    二硫化チタン、酸化銅、硫化銅、硫化鉄、二硫化鉄及びフッ化炭素のような材料からなる。 しかしながら、このアプローチは、電池の外側でリチウム化された炭素を取り扱うことに伴う弱点がある。 リチウム化された炭素は空気によって接触されたとき反応する傾向がある。

    【0020】本発明の二次電池には、アノード活性電極とカソード活性電極との間の物理的隔離を与えるためのセパレータが含まれている。 このセパレータは、電極間の内部電気的短絡回路を防止するための電気絶縁性材料のものであり、このセパレータ材料はまた、アノード活物質及びカソード活物質と化学的に非反応性であり、電解液と化学的に非反応性であり且つ電解液に不溶性である。 更に、このセパレータ材料は、電池の電気化学反応の間に電解液が貫通して流れることを可能にするために十分な多孔度を有する。 セパレータの形態は典型的に、
    アノード電極とカソード電極との間に配設されるシートである。 この場合、アノードは蛇状に折り重ねられ、複数のカソードが、アノードの折り重ね層の中間に配置され、電池ケースの中に収容されるか、又は、電極組合せ体がロール状に巻かれるか、若しくは他の方法で円筒形「ゼリーロール」に形成される。

    【0021】セパレータ材料の例としては、単独で又はフッ素ポリマー微孔質フィルムと共に積層されて使用される、ポリエチレンテトラフルオロエチレン及びポリエチレンクロロトリフルオロエチレンのフッ素ポリマー繊維から織られた布がある。 他の適切なセパレータ材料としては、不織ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、
    ガラス繊維材料、セラミックス、商品名ジテックス(Z
    ITEX)で市販されているポリテトラフルオロエチレン膜(ケムプラスト社(Chemplast In
    c. ))、商品名セルガード(CELGARD)で市販されているポリプロピレン膜(セラニーズ・プラスチック社(Celanese Plastic Compa
    ny,Inc. ))及び商品名デクシグラス(DEXI
    GLAS)で市販されている膜(デクスター社、C.
    H. デクスター・ディビジョン(C.H.Dexte
    r,Div. ,Dexter Corp))がある。

    【0022】アルカリ金属電気化学電池、特に完全充電リチウムイオン電池を活性化するための電解液溶媒系の選択は、カソード材料の高い電位(Li 1-x CoO 2の場合、Li/Li +に対して4.3Vまで)及びアノード材料の低い電位(グラファイトの場合、Li/Li +
    に対して0.01V)のために非常に制限される。 本発明に従って、適切な非水性電解質は、非水性溶媒中に溶解された無機塩からなり、更に好ましくは、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DE
    C)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)及びエチルプロピルカーボネート(EP
    C)並びにこれらの混合物から選択されたジアルキル(非環状)カーボネートと、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)及びビニレンカーボネート(VC)
    並びにこれらの混合物から選択された少なくとも1種の環状カーボネートとからなる有機カーボネート溶媒の四成分混合物中に溶解されたアルカリ金属塩からなる。 有機カーボネートは一般的に、それらがカソード材料に対して高い酸化安定性及びアノード材料に対して良好な動的安定性を示すので、このような化学電池のための電解液溶媒系に使用される。

    【0023】本発明による好ましい電解液は、EC:D
    MC:EMC:DECの溶媒混合物からなる。 種々のカーボネート溶媒についての最も好ましい体積パーセント範囲は、約10%〜約50%の範囲内のEC、約5%〜
    約75%の範囲内のDMC、約5%〜約50%の範囲内のEMC及び約3%〜約45%の範囲内のDECである。 この四成分カーボネート混合物を含む電解液は、−
    50℃以下の凍結点を示し、このような混合物で活性化されたリチウムイオン電池は、室温で非常に良好なサイクル挙動並びに−20℃以下の温度で非常に良好な放電及び充電/放電サイクル挙動を有する。

    【0024】アルカリ金属イオンを、アノードからカソードへ、そして再び逆に輸送するためのビヒクルとして有用である公知のリチウム塩には、LiPF 6 、LiB
    4 、LiAsF 6 、LiSbF 6 、LiClO 4 、L
    iAlCl 4 、LiGaCl 4 、LiC(SO 2 CF
    33 、LiNO 3 、LiN(SO 2 CF 32 、Li
    SCN、LiO 3 SCF 2 CF 3 、LiC 65 SO
    3 、LiO 2 CCF 3 、LiSO 3 F、LiB(C 6
    54及びLiCF 3 SO 3並びにこれらの混合物が含まれる。 適切な塩濃度は典型的に、約0.8〜1.5M
    の範囲である。

    【0025】本発明に従って、少なくとも1種の有機ホスフェート添加剤、好ましくはモノエステル、ジエステル又はトリエステル化合物が、前記のアルカリ金属イオン又は再充電可能電気化学電池の電解質溶液中に共同溶媒として与えられる。 このホスフェート添加剤は、好ましくは、一般式(R 1 O)P(=O)(OR 2 )(OR
    3 )を有するアルキルホスフェート化合物である。 式中、R 1 、R 2及びR 3は同種又は異種であり、そしてこれらは水素原子又は1〜13個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の有機基であってよい。 R 1 、R 2及びR 3が水素でない場合は、これらの少なくとも1つはC
    456である。 式中、少なくともR 4は芳香族置換基又は、不飽和の有機若しくは無機の基である。 電解液中の添加剤として、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、トリベンジルホスフェート、ジメチルベンジルホスフェート、ジエチルベンジルホスフェート、ジプロピルベンジルホスフェート、ジブチルベンジルホスフェート、ジエチル2‐プロペニルホスフェート、ジフェニルメチルジエチルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、
    ジブチルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ジベンジルホスフェート、ジアリルホスフェート、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノフェニルホスフェート及びモノベンジルホスフェート並びにこれらの混合物が使用されるとき、最大の効果が見出される。

    【0026】上記の化合物は、本発明で有用であるものの例示であることのみを意図しており、限定として解釈されるべきではない。 当業者は、前記の一般式の範囲に入り、本発明に従って高い充電/放電容量、長いサイクル寿命を達成し、第一サイクル不可逆容量を最小にするための電解質添加剤として有用であるホスフェート化合物を容易に認識するであろう。

    【0027】如何なる特別の機構によっても束縛されることを意図しないけれども、−OP(=O)O 2 −官能基中のP=O結合の存在のために、酸素とR 1 、R 2及びR 3基の少なくとも1つとの間の結合が切断され、ホスフェート中間体が、他の電解液溶媒又は溶質と有効に競争しリチウムと反応して炭素質アノードの表面上で、
    ホスフェート塩、即ちリチウムホスフェート又はホスフェート還元生成物のリチウム塩を形成できると信じられる。 得られるSEI層は、有機ホスフェート添加剤の不存在下で形成することができるSEI層よりも一層イオン伝導性である。 その結果、炭素質アノード表面保護層の化学的組成及び多分その形態は、電池のサイクル特性に対する付随する利点と共に変化すると信じられる。

    【0028】本明細書に記載した電池の組立構成は好ましくは、巻回エレメント電池(wound eleme
    nt cell)の形態である。 即ち、組み合わされたカソード、アノード及びセパレータは、アノードがロールの最も外側にあって、ケースが負極の電池ケースと電気的に接触するように、「ゼリーロール」形状又は「巻回エレメント電池スタック」として巻回される。 適切なトップ及びボトム絶縁物を使用して、この巻回スタックを適切なサイズ寸法の金属ケースの中に挿入する。 この金属ケースは、ステンレススチール、軟鋼、ニッケルメッキ軟鋼、チタン又はアルミニウムのような材料からなっていてよいが、金属材料が電池のコンポーネントと共に使用するために適合している限り、これらに限定されない。

    【0029】電池ヘッダは、ガラス対金属シール/ターミナルピンフィードスルーを収容するための第1の穴及び電解液充填のための第2の穴を有する金属製円板形状本体から構成される。 使用するガラスは、キャバル(C
    ABAL)12、TA23又はヒューサイト(FUSI
    TE)425若しくはヒューサイト435のような、約50重量%までのケイ素を含有する耐腐食型のものである。 正極ターミナルピンフィードスルーは好ましくはチタンからなるけれども、モリブデン、アルミニウム、ニッケル合金又はステンレススチールを使用することもできる。 この電池ヘッダは、電気化学電池の他のコンポーネントとの適合性を有する要素からなり、耐腐食性である。 カソードリードは、ガラス‐金属シール内の正極ターミナルピンに溶接され、ヘッダは電極スタックを含むケースに溶接される。 その後、電池に、前記のホスフェート添加剤の少なくとも1種を含有する電解質溶液を充填し、例えば、これに限定されないが、充填穴の上にステンレススチールボールを密着溶接することによって、
    密閉するようにシールする。

    【0030】上記のアセンブリは、本発明の代表的電池の好ましい構成であるケースが負極の電池を示す。 当業者に周知であるように、本発明の代表的電気化学システムは、ケースが正極の形状で構成することもできる。

    【0031】下記の実施例は、本発明による電気化学電池の構成及び工程を説明し、本発明者によって意図される本発明を実施するための最良の形態を記載するが、これに限定されない。

    【0032】

    【実施例】実施例I 8個のリチウムイオン電池を、試験媒体として構成した。 この電池を4個の電池の2グループに分割した。 一つのグループの電池は、ホスフェート添加剤を含有しない四成分カーボネート溶媒系電解液で活性化させ、他方、残りの電池では同じ電解液にホスフェート添加剤を含有させた。 電解液以外は、これらの電池は同じであった。 特に、カソードは、LiCoO 2カソード混合物をアルミニウム箔の上にキャストすることによって製造した。 このカソード混合物には、重量で、91%のLiC
    oO 2 、6%のグラファイト添加剤及び3%のPVDF
    バインダーが含有されていた。 アノードは、重量で9
    1.7%のグラファイト及び8.3%のPVDFバインダーを含有するアノード混合物を、銅箔の上にキャストすることによって製造した。 電極アセンブリは、カソードとアノードとの間に1層のポリエチレンセパレータを置き、電極を巻回して、AAサイズの円筒形ステンレススチール缶の中にはめ込むことによって構成した。 この電池を、1.0M LiPF 6を溶解させたEC:DM
    C:EMC:DEC=45:22:24.8:8.2の電解液で活性化させた(グループ1)。 本発明に従って組み立てたグループ2の電池では、電解液に更に0.0
    5Mのジベンジルホスフェート(DBP)を溶解させた。 最後に、これらの電池を密閉するようにシールした。

    【0033】次いで、全ての8個の電池を、4.1Vと2.75Vとの間でサイクルさせた。 充電サイクルは、
    100mAの定電流の下で電池が4.1Vに達するまで実施した。 次いで、充電サイクルを、4.1Vで、電流が20mAに低下するまで続けた。 5分間休止させた後、電池を100mAの定電流の下で2.75Vまで放電させた。 次のサイクルの前に、電池を更に5分間休止させた。

    【0034】両グループの電池の初期平均充電及び放電容量を、表1に要約する。 第一サイクル不可逆容量は、
    第一充電容量と第一放電容量との間の差として計算した。

    【0035】 表1 第一サイクル容量及び不可逆容量 ・ 第一充電 第一放電 不可逆 グループ (mAh) (mAh) (mAh) 1 627.0±16.1 516.0±18.7 111.0±5.1 2 621.9±7.3 562.8±10.0 59.1±4.4

    【0036】表1のデータは、両グループの電池が、類似の第一サイクル充電容量を有していたことを明瞭に示している。 しかしながら、第一サイクル放電容量は全く異なっている。 ジベンジルホスフェートを含有する電解液で活性化したグループ2の電池は、グループ1の電池のものよりも顕著に高い第一サイクル放電容量を有していた(約9.1%高い)。 その結果、グループ2の電池はまた、グループ1の電池のものよりも約47%低い第一サイクル不可逆容量を有していた。

    【0037】実施例II 初期サイクルの後、8個の電池のサイクルを、実施例I
    に記載したものと同じサイクル条件下で合計10回続けた。 各サイクルの放電容量及び容量保持(力)を、表2
    に要約する。 容量保持は、第一サイクル放電容量に対する各放電サイクルの容量のパーセントとして定義される。

    【0038】 表2 サイクル放電容量及び容量保持 ・ グループ1 グループ2 ・ 容量 保持 容量 保持 サイクル (mAh) (%) (mAh) (%) 1 516.0 100.0 562.8 100.0 2 508.4 98.5 555.7 98.7 3 503.5 97.6 550.4 97.8 4 498.4 96.6 544.7 96.8 5 494.6 95.9 539.5 95.9 6 491.4 95.2 534.9 95.0 7 488.7 94.7 530.2 94.2 8 486.7 94.3 528.2 93.8 9 484.0 93.8 527.9 93.8 10 483.3 93.7 524.8 93.3

    【0039】表2のデータは、ジベンジルホスフェート添加剤を含有するグループ2の電池が、一貫して、全てのサイクルに於いてより高い放電容量を有したことを示している。 更に、このより高い容量は、より短いサイクル寿命という犠牲を払って実現されたのではなかった。
    グループ1の電池とグループ2の電池とは、種々のサイクルを通して本質的に同じサイクル容量保持率を有していた。

    【0040】実施例III 実施例IIに記載した上記のサイクル試験の後で、実施例Iに記載した手順に従って電池を充電した。 次いで、
    これらの電池を、2.75Vまで1000mAの定電流の下で放電させ、次いで5分間開回路で休止させ、続いて2.75Vまで500mAの定電流放電、次いで5分間の開回路休止、続いて2.75Vまで250mAの定電流放電、次いで5分間の開回路休止、そして最後に、
    2.75Vまで100mAの定電流放電をさせ、次いで5分間の開回路休止させた。 各放電速度下での平均合計容量を表3に要約し、種々の定電流下での平均放電効率(これは100mAの定電流放電の容量%として定義される)の比較を、表4に要約する。 表3に於いて、放電容量は、一つの放電電流から次の放電電流へ累加している。

    【0041】 表3 種々の電流下での放電容量(mAh) グループ 1000mA 500mA 250mA 100mA 1 350.9 468.0 479.0 483.5 2 271.3 497.9 517.0 522.5

    【0042】 表4 種々の電流下での放電効率(%) グループ 1000mA 500mA 250mA 100mA 1 72.6 96.8 99.1 100.0 2 51.9 95.3 98.9 100.0

    【0043】表3のデータは、ホスフェート添加剤を含有するグループ2の電池が、500mA以下の放電速度(discharge rate)(約1C速度)下で、グループ1の対照電池に比較して増加した放電容量を有したことを示している。 しかしながら、より高い放電速度(1000mA、約2C速度)下では、グループ1の対照電池は、グループ2の電池のものよりも高い容量を有した。 同じ傾向は表4にも示されている。 500
    mA以下の放電電流下では、グループ2の電池は、グループ1の電池のものと同様の放電効率を示した。 より高い放電電流(即ち、1000mA)下では、グループ1
    の対照電池は、グループ2の電池のものよりも高い放電効率を与えた。

    【0044】実施例IV 上記の放電速度能力試験の後で、全ての電池を実施例I
    に記載した手順に従って完全に充電させた。 次いで8個の試験電池を、37℃で2週間、開回路電圧(OCV)
    で貯蔵した。 最後に、これらの電池を放電させ、更に8
    回サイクルさせた。 自己放電及び容量保持の%を計算し、表5に示す。

    【0045】 表5 自己放電率及び貯蔵後容量保持率 グループ 自己放電(%) 容量保持(%) 1 13.6 92.3 2 12.4 93.6

    【0046】表5のデータは、両グループの電池が、同様の自己放電率及び同様の貯蔵後容量保持率を有したことを示している。 しかしながら、グループ2の電池はグループ1の電池のものよりも高い放電容量を有していたので、それらが同様の自己放電率及び容量保持率を示したとしても、グループ2の電池の容量はグループ1の電池のものよりも尚高かった。 全20サイクルの結果を図1に要約する。 曲線10は、ホスフェート添加剤を含有しないグループ1の電池の平均サイクルデータから構成され、他方、曲線12は、ジベンジルホスフェート添加剤を有するグループ2の電池の平均データから構成された。 20サイクルを通して増加した放電容量は明白である。

    【0047】本発明によるホスフェート添加剤の還元生成物を含有する導電性SEI層を生成するために、ホスフェート添加剤の還元反応は、アノード表面に於いて他の電解液成分の反応と有効に競合しなくてはならない。
    これに関して、一般式(R 1 O)P(=O)(OR 2
    (OR 3 )を有するホスフェート添加剤中のR−O結合の少なくとも一つは、弱いか又は反応性であらねばならない。 Rの一つがHである場合、この化合物は酸性であり、これはリチウム金属又はリチウム化された炭素と反応して、リチウム塩を容易に形成するであろう。 しかしながら、三つのR基の全てが有機基である場合、C−O
    結合の反応性はR基の結合強度及び構造に依存する。

    【0048】この点は、本発明の譲受人に譲渡されており、参照してここに組み込まれる、米国特許出願第08
    /974,305号に示されている。 この特許出願に於いて、ホスフェート添加剤が、トリベンジルホスフェート(ホスフェート基の酸素原子に直接結合している炭素上のフェニル置換基のために、活性化されたC−O結合)及びジベンジルホスフェート(反応性O−H結合及び活性化されたC−O結合を有する)のように、比較的弱いC−O結合を有するときは、電圧遅延低下及び減少したRdc成長の点で一次リチウム/酸化バナジウム銀電池について、有利な効果が観察されることが記載されている。 反対に、ホスフェート添加剤が、トリメチルホスフェート(非活性化C−O結合、CはHによって又はsp 3ハイブリッド化飽和炭素(saturaed c
    arbon‐sp 3 hybridized)によってのみ置換される)及びトリフェニルホスフェート(強いC−O結合、ホスフェート基の酸素原子に直接結合したsp 2ハイブリッド化炭素原子)でのように、3個のC
    −O結合の全てで比較的強い結合を有するときは、有利な効果は存在せず、SVO電池性能への有害な影響すら存在する。 それで、これらの種類のホスフェート化合物は、リチウム電池への適用では望ましくない添加剤と考えられる。

    【0049】同様の理由に基づいて、一次リチウム電気化学電池の放電性能に利益を与える同じ種類のホスフェート添加剤は、また、炭素アノード表面上の良好なSE
    Iフィルムの形成のために、リチウムイオン電池の第一サイクル不可逆容量及びサイクル効率に利益を与えるであろう。 それで、リチウムイオン電池について、一般式(R 1 O)P(=O)(OR 2 )(OR 3 )を有するホスフェート添加剤中のR基の少なくとも一つ(しかし、
    三つの全てではない)は、水素(酸性プロトン)又は1
    〜13個の炭素原子を含有する飽和若しくは不飽和有機基でなくてはならない。 但し、R 1 、R 2 、R 3の何れもが水素でない場合は、これらの少なくとも一つはCR
    456 (式中、少なくともR 4は芳香族置換基又は不飽和有機若しくは無機基である)である。 更に、この一般式に於いて、R基の少なくとも一つ(しかし、三つの全てではない)は水素であるか、又は、R基の少なくとも一つは、リン原子に結合した酸素原子に結合したs
    3ハイブリッド化炭素原子に結合したsp 2ハイブリッド化炭素原子を含有している。

    【0050】どのような特定理論によっても束縛されることを意図しないけれども、アノード表面上に沈着したO=P−(O−Li) n (OR) m (n=1〜3、m=
    0〜2)の生成は、リチウムイオン電池の改良された性能の原因である。 強いO−R結合(R=例えばメチル又はフェニル)の場合に、リチウムアノードによるホスフェート添加剤の還元は、O−R結合が開裂して、O−L
    i塩生成物を生成することにならない。 反対に、ホスフェート添加剤中のR基の少なくとも一つ(しかし、三つの全てではない)が水素(酸性プロトン)である場合、
    これはリチウム金属又はリチウム化された炭素と反応して、直接O−Li結合を生成するであろう。 更に、R基が活性化された場合(例えば、ベンジル)、O−R結合は比較的弱い。 還元の間に、O−R結合は破断して、P
    −O−Li塩基を含有する生成物を生成する。 これは、
    DBP添加剤を有するものによって例示されるように、
    リチウムイオン電池に於ける観察された改良の理由であると信じられる。

    【0051】ホスフェート添加剤についての濃度範囲は、好ましくは約0.001M〜約0.40Mである。
    添加剤濃度が約0.001Mより低い場合には、ホスフェート添加剤の有利な効果は表われないであろう。 他方、添加剤濃度が約0.40Mより高い場合には、この添加剤の有利な効果は、より厚いアノード表面フィルムの形成及びより低い電解液導電度のために、より高い電池内部抵抗の有害な影響によって相殺されるであろう。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】リチウムイオン電池の2グループ、即ち、ホスフェート添加剤を含有しない四成分カーボネート溶媒混合物で活性化した一つのグループと、ホスフェート電解液添加剤を有する同様に構成された電池グループとを比較した20サイクルに亘る平均放電容量を示すグラフである。

    【符号の説明】

    10 ホスフェート添加剤を含有しないグループ1の電池の平均サイクルデータから構成された曲線 12 ジベンジルホスフェート添加剤を有するグループ2の電池の平均データから構成された曲線

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/62 H01M 4/62 Z (72)発明者 エスター エス、タケウチ アメリカ合衆国、ニューヨーク州 14051、 イースト アムハースト、サン ラファエ ル コート 38

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