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Double coated cathode can and electrochemical battery manufactured by using it

阅读:397发布:2024-02-12

专利汇可以提供Double coated cathode can and electrochemical battery manufactured by using it专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a cathode can for an air-depolarizing type electrochemical battery having enhanced corrosion resistance in a highly humid environment. SOLUTION: This cathode can has a core layer 60 highly sensitive to corrosion and a protective metal layers (nickel, for example) 62, 64 placed above the core layer 60 and disposed between the core layer 60 and a double coated layer 72 such as nickel to which electroless plating is preferably applied. The double coated layer 72 is placed on the cut end part 70 of the core layer 60 and is typically placed on the protective metal layers 62, 64, too.,下面是Double coated cathode can and electrochemical battery manufactured by using it专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 空気減極型電気化学ボタン電池において用いるための二重被覆されたカソード缶であって、前記カソード缶は互いに反対側にある内側の主表面要素と外側の主表面要素を含む外表面を有し、また前記カソード缶は下記(a)および(b)の要素を含み: (a)金属のコア層と、このコア層の互いに反対側にある被覆としての保護金属めっき層とを有する基材:および(b)前記金属めっき層の外側に配置された二重被覆層、また、前記カソード缶の内側の主表面要素と外側の主表面要素の間で、前記カソード缶の底壁を貫通して空気孔が延びている。
  • 【請求項2】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層は、前記基材の外表面の、湿度の高い環境において腐食に対して感受性の高い部分を被覆している。
  • 【請求項3】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記コア層は、前記基材の外表面に延びていて前記保護金属めっき層によって被覆保護されていない露出した端部を有し、前記二重被覆層は前記露出した端部を被覆している。
  • 【請求項4】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層は前記カソード缶の外表面の大部分を被覆している。
  • 【請求項5】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層における主要な材料は前記保護金属めっき層における主要な材料と同じものである。
  • 【請求項6】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層の厚さは前記保護金属めっき層の厚さよりも小さい。
  • 【請求項7】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層の厚さは前記保護金属めっき層の厚さの75%以下である。
  • 【請求項8】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の合計した厚さは約75マイクロインチ(0.002m
    m)〜約200マイクロインチ(0.005mm)である。
  • 【請求項9】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層の厚さは約25マイクロインチ(0.0006mm)〜約100マイクロインチ(0.0025mm)である。
  • 【請求項10】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の合計した第一の厚さは、各々の前記保護金属めっき層の第二の厚さの平均の少なくとも1.25倍であり、
    かつ約2倍以下である。
  • 【請求項11】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層は無電解めっきプロセスによって形成されたものである。
  • 【請求項12】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護金属めっき層における主要な材料はニッケルである。
  • 【請求項13】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の両者における主要な材料はニッケルであり、また前記コア層は鋼である。
  • 【請求項14】 請求項13に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層は無電解めっきプロセスによって形成されたものである。
  • 【請求項15】 請求項12に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護めっき層はニッケルからなり、鋼のコア層に拡散結合されている。
  • 【請求項16】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層における主要な材料はニッケルである。
  • 【請求項17】 請求項13に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層における主要な材料はニッケルである。
  • 【請求項18】 請求項17に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護めっき層はニッケルからなり、鋼のコア層に拡散結合されている。
  • 【請求項19】 請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記コア層は前記基材の外表面に延びている露出した端部を有し、前記二重被覆層は前記露出した端部において前記コア層と互いの表面どうしで接触していて、またこのコア層を被覆している。
  • 【請求項20】 請求項16に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記コア層は前記基材の外表面に延びている露出した端部を有し、前記二重被覆層は前記露出した端部において前記コア層と互いの表面どうしで接触していて、またこのコア層を被覆している。
  • 【請求項21】 請求項2に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層は前記保護金属めっき層の実質的に全てを被覆していて、またさらに前記外表面の感受性の高い部分の全てを被覆している。
  • 【請求項22】 請求項21に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記カソード缶は、湿度の高い環境において通常の使用をする間、腐食感受性を有するが、
    この腐食感受性は、同様の缶であるがしかし前記二重被覆層を有していないものの腐食感受性よりも実質的に低い。
  • 【請求項23】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項1に記載の二重被覆されたカソード缶、およびこのカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、 また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項24】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項4に記載の二重被覆されたカソード缶、およびこのカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、 また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項25】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項9に記載の二重被覆されたカソード缶、およびこのカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、 また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項26】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項16に記載の二重被覆されたカソード缶、およびこのカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、 また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項27】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項21に記載の二重被覆されたカソード缶、およびこのカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、 また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項28】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項22に記載の二重被覆されたカソード缶、およびこのカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、 また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項29】 空気減極型電気化学ボタン電池において用いるための二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆されたカソード缶は下記(a)および(b)
    の要素を含む: (a)切断された端部と、コア層の上にある保護金属めっき層からなる予備めっきされた部分とを画定している金属シート材料であって、前記コア層は、前記シート材料の前記切断された端部において前記保護金属めっき層によって保護被覆されていない、(b)前記保護金属めっき層と二重被覆層とを含む二重被覆であって、前記二重被覆の第一の部分は前記二重被覆層を含むがしかし前記保護金属めっき層を含まず、また前記第一の部分は前記コア層の切断された端部を覆っていて、前記切断された端部において前記二重被覆層と前記コア層の間には前記保護金属めっき層が存在しておらず、前記二重被覆の第二の部分は、前記切断された端部から離れていて、そして前記二重被覆層と前記コア層の間に前記保護金属めっき層を有している。
  • 【請求項30】 請求項29に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆の平均の厚さは、前記切断された端部から離れた位置において、各々の前記保護金属めっき層の平均の厚さの少なくとも1.25倍であり、かつ2倍以下である。
  • 【請求項31】 請求項29に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層の平均の厚さは、下にある前記保護金属めっき層の平均の厚さの75%以下である。
  • 【請求項32】 請求項29に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層の厚さは約25マイクロインチ(0.0006mm)〜約100マイクロインチ(0.0025mm)である。
  • 【請求項33】 請求項29に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の両者における主要な材料はニッケルであり、また前記コア層は鋼である。
  • 【請求項34】 請求項29に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記カソード缶は、湿度の高い環境において通常の使用をする間、腐食感受性を有するが、
    この腐食感受性は、同様の缶であるがしかし前記二重被覆層を有していないものの腐食感受性よりも実質的に低い。
  • 【請求項35】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項29に記載の二重被覆されたカソード缶、およびこのカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、 また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項36】 空気減極型電気化学ボタン電池において用いるための二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆されたカソード缶は内側の主表面要素と外側の主表面要素を含む外表面を有し、また前記二重被覆されたカソード缶は下記(a)および(b)の要素を含み: (a)互いに反対側にある主表面を有する薄片の金属シートのコアと、前記金属シートのコアの切断された端部、および(b)前記金属シートのコアの実質的に全てを被覆していて腐食を抑制する二重被覆であって、前記二重被覆は保護金属めっき層と二重被覆層を含み、前記二重被覆層の一部は前記金属シートのコアの前記切断された端部において前記金属シートのコアと互いの表面どうしで接触していて、またこのコアを被覆している。
  • 【請求項37】 請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層の厚さは、各々の前記保護金属めっき層の厚さよりも小さい。
  • 【請求項38】 請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆の平均の厚さは、前記切断された端部から離れた位置において、各々の前記保護金属めっき層の平均の厚さの少なくとも1.25倍であり、かつ2倍以下である。
  • 【請求項39】 請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層における主要な材料は前記保護金属めっき層における主要な材料と同じものである。
  • 【請求項40】 請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層は無電解めっきプロセスによって形成されたものである。
  • 【請求項41】 請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の両者における主要な材料はニッケルであり、また前記コア層は鋼である。
  • 【請求項42】 請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記保護めっき層はニッケルからなり、鋼のコア層に拡散結合されている。
  • 【請求項43】 請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記二重被覆層における主要な材料はニッケルである。
  • 【請求項44】 請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶であって、前記カソード缶は、湿度の高い環境において通常の使用をする間、腐食感受性を有するが、
    この腐食感受性は、同様の缶であるがしかし前記二重被覆層を有していないものの腐食感受性よりも実質的に低い。
  • 【請求項45】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項36に記載の二重被覆されたカソード缶、およびこのカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項46】 空気減極型電気化学ボタン電池において用いるためのカソード缶の製造方法であって、下記の工程を含む方法: (a)保護金属めっき層の間に配置された鋼のコア層を有する予備めっきされた金属シートからカソード缶の本体を製造する工程であって、この工程は前記コア層のめっきされていない領域であって周囲の環境に露出している領域を形成する工程を含む、および(b)前記カソード缶の本体を製造した後、この製造されたカソード缶の本体の全体を、前記コア層が露出した被覆されていない領域を含めて、二重被覆層で後被覆し、それによって、
    缶の表面の大部分で前記二重被覆層の下にある前記保護金属被覆層と前記二重被覆層とを有する二重被覆されたカソード缶を製造する工程であって、この場合、前記保護金属被覆層のうちの一つは前記コア層が露出した被覆されていない領域の上には存在しない。
  • 【請求項47】 請求項46に記載の方法であって、前記コア層は前記予備めっきされた金属シートの外表面に延びている露出した端部を有し、前記露出した端部は前記保護金属めっき層によって保護被覆されておらず、前記二重被覆層は前記露出した端部を被覆している。
  • 【請求項48】 請求項46に記載の方法であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の各々を合せた第一の厚さは、前記各々の保護金属めっき層の平均の厚さの少なくとも1.25倍であり、かつ2倍以下である。
  • 【請求項49】 請求項46に記載の方法であって、前記二重被覆層の厚さは約25マイクロインチ(0.00
    06mm)〜約100マイクロインチ(0.0025mm)
    である。
  • 【請求項50】 請求項46に記載の方法であって、無電解溶液被覆プロセスで前記後被覆を行う工程を含む。
  • 【請求項51】 請求項46に記載の方法であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の両者における主要な材料はニッケルである。
  • 【請求項52】 請求項46に記載の方法であって、前記二重被覆層は前記露出した端部において前記コア層と互いの表面どうしで接触していて、またこのコア層を被覆している。
  • 【請求項53】 請求項46に記載の方法であって、前記二重被覆層は前記保護金属めっき層の実質的に全てを被覆していて、またさらに前記コア層のめっきされていない領域の全てを被覆している。
  • 【請求項54】 請求項46に記載の方法であって、前記缶は、湿度の高い環境において通常の使用をする間、
    腐食感受性を有するが、この腐食感受性は、同様の缶であるがしかし前記二重被覆層を有していないものの腐食感受性よりも実質的に低い。
  • 【請求項55】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項46に記載の方法によって製造された二重被覆されたカソード缶、およびこの二重被覆されたカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、 また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項56】 湿度の高い環境において腐食に対して感受性の高い金属の端部を有するカソード缶を含む空気減極型電気化学ボタン電池の第一のセットと、湿度の高い環境において腐食に対して感受性の高い金属の端部を有していない二重被覆されたカソード缶を含む電気化学電池の第二のセットとを、連続したセットの製品として電池組み立てライン上で製造する方法であって、下記の工程を含む方法: (a)保護金属めっき層で予備めっきされたコア層を有する金属シートから第一の個体群のカソード缶を製造する工程であって、そのようにして製造された缶は湿度の高い環境において腐食に対して感受性の高い金属の端部を有する、(b)前記第一の個体群のカソード缶のうちの一部のカソード缶に保護金属からなる二重被覆層を付加する工程であって、それによって第二の個体群の二重被覆された缶を製造し、前記二重被覆層は前記感受性の高い金属の端部における前記二重被覆されたカソード缶の耐腐食性のレベルを二重被覆されていない対応するカソード缶が有する耐腐食性よりも高いレベルに増大させるほどに十分に厚く、また前記二重被覆層は前記第二の個体群からなる二重被覆されたカソード缶を用いる電気化学電池の型どおりの組み立てに適応するほどに十分に薄く、前記第二の個体群の二重被覆されたカソード缶は前記第一の個体群のカソード缶を組み込んだ電池を製造するのに用いられる機械の設定と組み立てに従って製造される、および、(c)前記第二の個体群の二重被覆されたカソード缶を用いて、前記第一の個体群のカソード缶を組み込んだ電池を製造するのに用いられる機械の設定と組み立て工程と組み合わせて、電気化学電池を組み立てる工程。
  • 【請求項57】 請求項56に記載の方法であって、前記方法は次の工程を含む:前記二重被覆されたカソード缶を用いて製造された電気化学電池を試験し、それによって、湿度の高い環境において高いレベルの耐腐食性を有する受け入れ可能な電池からなる第一の個体群を形成し、そしてまた、比較的低いレベルの耐腐食性を有する電池からなる第二の個体群を形成する。
  • 【請求項58】 請求項56に記載の方法であって、前記二重被覆層は前記基材の外表面の大部分を被覆している。
  • 【請求項59】 請求項56に記載の方法であって、前記二重被覆層の厚さは前記保護金属めっき層の厚さよりも小さい。
  • 【請求項60】 請求項56に記載の方法であって、前記二重被覆層の厚さは前記保護金属めっき層の厚さの7
    5%以下である。
  • 【請求項61】 請求項56に記載の方法であって、前記予備めっきされた保護金属めっき層と前記二重被覆層を合せた平均の厚さは約75マイクロインチ(0.00
    2mm)〜約200マイクロインチ(0.005mm)である。
  • 【請求項62】 請求項56に記載の方法であって、前記二重被覆層の厚さは約25マイクロインチ(0.00
    06mm)〜約100マイクロインチ(0.0025mm)
    である。
  • 【請求項63】 請求項56に記載の方法であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層を合せた平均の厚さは、各々の前記保護金属めっき層の平均の厚さの少なくとも1.25倍であり、かつ2倍以下である。
  • 【請求項64】 請求項56に記載の方法であって、無電解めっきプロセスで前記二重被覆層を付着させる工程を含む。
  • 【請求項65】 請求項56に記載の方法であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の両者における主要な材料はニッケルであり、また前記コア層は鋼である。
  • 【請求項66】 請求項56に記載の方法であって、前記二重被覆層は前記保護金属めっき層の実質的に全てを被覆していて、またさらに腐食に対して感受性の高い前記金属の端部の全てを被覆している。
  • 【請求項67】 請求項66に記載の方法であって、前記第二の個体群のカソード缶は、湿度の高い環境において通常の使用をする間、腐食感受性を有するが、この腐食感受性は、第一の個体群のカソード缶であるがしかし前記二重被覆層を有していないものの腐食感受性よりも実質的に低い。
  • 【請求項68】 空気減極型電気化学ボタン電池であって、下記(i)および(ii)の要素を有し、(i)アノード缶、およびこのアノード缶の中の電気活性アノード材料とを含むアノード、(ii)請求項56に記載の前記第二の個体群の二重被覆されたカソード缶、およびこの二重被覆されたカソード缶の中のカソードアセンブリとを含むカソード、また、前記電気活性アノード材料と前記カソードアセンブリの間にはセパレータが配置されている、電気化学ボタン電池。
  • 【請求項69】 電気化学電池の組み立てラインを第一の連続する製品と第二の連続する製品の間で切り替える方法であって、前記第一の製品は湿度の高い条件下で腐食に対して感受性の高い露出した金属の端部を有する電池を含み、前記第二の製品は湿度の高い条件下で腐食に対して感受性の高い同様の露出した金属の端部を有していない電池を含み、前記方法は下記の工程を含む: (a)第一のセットの寸法仕様を有するカソード缶からなる第一の個体群を、第二のセットの金属シート仕様を有する予備めっきされた金属シートを含む基材を用いて金属の寸法形成工程を実施することによって製造する工程であって、前記予備めっきされた金属シートは第一の被覆層と第二の被覆層の間に金属コア層を有し、前記第一および第二の被覆層は前記金属シートの予備めっきされた表面を画定し、前記第一の個体群を製造する工程は前記コア層の一部分を露出させる工程を含み、それによって、湿度の高い条件下で腐食に対して感受性の高い露出した金属の端部を有する缶を製造する、(b)第三のセットの寸法仕様を有する二重被覆された缶からなる第二の個体群を、前記第一のセットの仕様を有するカソード缶の上に第二の比較的薄く保護性の二重後被覆層を後付着させることによって製造する工程であって、それによって、各々の缶の前記予備めっきされた表面と露出した金属の端部の両者に二重被覆層を後被覆し、このとき前記第一および第二の層は前記コア層と前記二重被覆層の間に配置されるがしかし前記露出した金属の端部においては配置されず、それによって前記二重被覆層は前記露出した金属の端部において前記コア層のための腐食保護を与え、前記第三のセットの缶の寸法仕様は前記第一のセットの缶の寸法仕様に十分に近似していて、それによって前記第一の缶の個体群と前記第二の缶の個体群の両者は共通の組み立てライン上で移動させることができる、および、(c)前記第一のセットの寸法仕様を有するカソード缶を用いて第一のセットの電池を製造する工程であって、これは第四のセットの非稼働時間率と不合格率を伴い、そして、前記第三のセットの寸法仕様を有する二重被覆されたカソード缶を用いて第二のセットの電池を製造する工程であって、これは前記組み立てライン上での組み立て装置の設定に実質的な変更を加えずに行われ、またこれは前記第四のセットの非稼働時間率と不合格率に近似する第五のセットの非稼働時間率と不合格率を伴う。
  • 【請求項70】 請求項69に記載の方法であって、前記方法は、前記二重被覆層をその下にある前記保護金属めっき層の厚さの75%以下の厚さで付着させることを含む。
  • 【請求項71】 請求項69に記載の方法であって、前記方法は、前記各々の保護金属めっき層と前記二重被覆層を合せた厚さが約75マイクロインチ(0.002m
    m)〜約200マイクロインチ(0.005mm)となるような厚さに、前記二重被覆層を付着させることを含む。
  • 【請求項72】 請求項69に記載の方法であって、前記方法は、前記二重被覆層を約25マイクロインチ(0.0006mm)〜約100マイクロインチ(0.00
    25mm)の厚さで付着させることを含む。
  • 【請求項73】 請求項69に記載の方法であって、前記方法は、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層を合せた第一の厚さが下にある前記保護金属めっき層の各々の第二の厚さの少なくとも1.25倍であり、かつ2倍以下であるように、前記二重被覆層を付着させることを含む。
  • 【請求項74】 請求項69に記載の方法であって、前記保護金属めっき層と前記二重被覆層の両者における主要な材料はニッケルであり、また前記コア層は鋼である。
  • 【請求項75】 請求項69に記載の方法であって、無電解めっきプロセスで前記二重被覆層を付着させる工程を含む。
  • 【請求項76】 請求項69に記載の方法であって、前記二重被覆層は前記保護金属めっき層の実質的に全てを被覆していて、またさらに前記コア層の全ての部分を被覆している。
  • 【請求項77】 請求項69に記載の方法であって、湿度の高い環境において通常の使用をする間、腐食感受性を有する前記個体群のその感受性は、前記第一の個体群の腐食感受性よりも実質的に低い。
  • 【請求項78】 請求項69に記載の二重被覆されたカソード缶からなる前記第二の個体群の二重被覆されたカソード缶を用いて製造された空気減極型電気化学ボタン電池。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は空気減極型アルカリ電気化学電池に関する。 典型的には、そのような電池は金属含有アノード材料と空気カソードを含んでいて、一般に金属−空気電池として知られている。 さらに特定すれば、本発明はそのような電池において用いられるカソード缶の組成と構造に関し、そして概してその電池に関する。 本発明は特に、空気減極型電池のカソード缶が高湿度の環境中で腐食する傾向を扱う。 本発明は特に、缶の製造の際にその端部が切断されて、缶を製造するための金属シート材料の腐食感受性の内部層が露出することによって、缶がその端部で腐食する感受性を減ずるための構造と方法を扱う。 本発明は特に、予備めっきされた缶であって後被覆保護が施されない缶からなる電池の組み立ての際の、および、缶が空気減極型電池において用いられるときの空気孔の形成を含めて、缶の寸法形成の際に切断された缶の端部において後被覆された保護被覆が施される缶からなる電池の組み立ての際の切り替えを容易にする缶製造技術の改良を扱う。

    【0002】

    【発明の背景】本明細書において「後めっきされた(po
    st-plated)」缶および「後被覆された(post-coate
    d)」缶とは、缶の寸法形成が実質的に完了した後にめっきまたはその他の金属被覆処理が施されたあらゆる缶を意味する。

    【0003】「予備めっきされた(pre-plated)」缶とは、缶の寸法形成が実質的に完了する前に付与された金属被覆を有する缶を意味し、電気めっき、無電解めっき、およびクラッド(合せ板)のような層を付与するあらゆる方法によって製造されたものを意味する。

    【0004】「めっきされていない(unplated)」および「被覆されていない(uncoated)」金属シートまたは缶とは、缶の寸法形成が実質的に完了する前にニッケルまたは他の腐食抑制金属で被覆されないまたはめっきされない材料を意味し、次いでこの材料は缶の形成が実質的に完了した後に金属シート上に被覆される。

    【0005】「完全に被覆された(fully coated)」缶とは、被覆されていない腐食感受性層が存在しない缶を意味し、この場合、与えられた缶の上の異なる位置において被覆の厚さは異なっていてもよい。

    【0006】特に説明しない限り、金属シートまたはそれから製造されるカソード缶について「外表面」とは、
    各々のシートまたは缶の外部の環境にさらされるシートまたは缶の全ての表面を意味する。

    【0007】小型のおよび超小型の電気出デバイスの使用の増大は、それに応じて、小型のおよび超小型の金属−空気電気化学電池の需要の増大に火を注いだ。 そのような電池は、例えば、サイズの呼称によって「PR4
    1」、「PR44」、「PR48」および「PR70」
    あるいはサイズ「5」として知られている。 金属−空気電池は、電池内の電気活性化学物質として装填すべきものはアノード反応材料だけであるという理由から、かなりの人気を得ている。 対応するカソード反応材料は酸素であり、これは周囲の環境から取り出される。

    【0008】そのような小型のおよび超小型の電池は、
    外観が通常ディスク状またはペレット状であり、衣服のボタン程度のサイズを有する。 これらの電池は一般に6
    mm以下から約25mmの範囲の直径を有し、高さは約2.
    0mm以下から約15mmの範囲ではある。

    【0009】そのような金属−空気電池は大気中の酸素を取り込み、空気カソード内で性アルカリ電解質との相互作用によって酸素をヒドロキシルイオンに変化させる。 次いで、ヒドロキシルイオンはアノードへ移動し、
    そこでアノード中に収容されている金属を酸化させる。
    通常、そのような電池における活性アノード材料は亜鉛からなるが、様々なその他の作用可能なアノード材料が当業者に知られている。

    【0010】さらに詳細に言えば、金属−空気電池の空気カソード内での所望の反応には、酸素の還元、電子の消費、およびヒドロキシルイオンの生成が含まれる。 ヒドロキシルイオンは水性アルカリ電解質を通ってアノードへ移動し、そこで酸化が起き、酸化亜鉛が形成される。

    【0011】典型的な金属−空気電池において、空気はカソード缶の底にある1個または2個以上の空気孔を通って電池に入る。 (1個または2個以上の)空気孔はカソード缶の底壁を通って延びていて、カソードアセンブリに直接隣接して配置されているか、あるいは好ましくは空気溜めによってカソードアセンブリから離れている。 空気溜めは典型的には、少なくともその一部は空気拡散部材によって占められている。

    【0012】そのような配置において、空気孔は空気がカソード缶の底壁を通ってカソードアセンブリへ移動するのを促進する。 カソードアセンブリにおいて、空気中の酸素は、電池の電気化学反応における化学的に反応性の参与体として電解質中の水と反応し、それによってヒドロキシルイオンが形成される。

    【0013】空気減極型電池において用いられる典型的なカソード缶は、鋼のコア層と、この鋼のコア層の両側にあるニッケルの層とを有する金属シートから作られている。 缶の製作は、一連の打ち抜き、プレス、および/
    またはその他の寸法形成工程からなり、これには空気孔の打ち抜き、および金属シートからなる連続したストリップからの缶の切断が含まれる。 このプロセスにおいて、コアの鋼層はそのようにして形成された空気孔の切断された端部および金属シートからなる連続したストリップから缶が分離されるときに形成された切断された端部において露出している。

    【0014】本発明は改良されたカソード缶を提供するための装置、方法、および材料に焦点を当てていて、これには切断された端部を腐食から保護するための改良を含み、また一方で、切断された端部の保護を有しない予備めっきされた缶に関係する寸法上の缶の仕様を維持することをも含む。

    【0015】例えば予備めっきされたまたは後めっきされたカソード缶を製造するために、様々な公知の材料から選択することができる。 各々の異なる材料は、異なる寸法仕様、異なる化学組成、または異なる化学的または物理的特性、またはこれらのあらゆる組み合わせを有するかもしれない。

    【0016】材料の選択の変更は、缶を製作する能力またはカソード缶を製作する方法、およびそれに応じての電池の製作と使用を支持するための缶の能力に影響する。 すなわち、金属ストリップの仕様の与えられたセットから開始して、厚いか薄いかまたは硬いか軟らかいかの違い、および、異なる層構造を有する金属シートまたは金属ストリップがカソード缶を形成するために使用するものとして考慮され、そのような金属シートの寸法と構造から得られる缶の実際の構造と特性、および缶の製作プロセスが変更されないことは、缶を製作するための金属シートの仕様に一部は依存する、と予想される。

    【0017】従って、参考として公知の予備めっきされた缶を用いるとき、缶を製造するための材料の選択のあらゆる変更、またはそのような材料の物理的寸法の変更、または缶を製作するための機械またはその他の装置の構成が、そのような材料と関連する製作の特徴に対して比較考量されなければならず、また各々の缶を製作するための材料の構成、およびそのような缶を用いる電池の製作と使用に関連する特性が用いられる。

    【0018】材料のいかなる変更も、電池が作動する化学的環境に適合しなければならないことは当然である。
    典型的に、空気減極型電池はアルカリ性環境中で作動し、従ってそのような電池において用いられるいかなる材料も、そのような材料がアルカリ性環境にさらされるからには、そのような環境に適合しなければならない。
    同様に、電池が湿度の高い気候の中で用いられる場合、
    周囲の環境にさらされるいかなる材料も、缶および各々の電池の予期される使用寿命の間、水蒸気によって腐食されることに対して適度に高い抵抗性を有するべきである。

    【0019】空気減極型電池は人の住んでいる気候の全範囲の中で用いられる。 典型的な空気減極型電池のカソード缶は、鋼のコア層と、その両側を被覆したニッケルからなる第一および第二の層からなる金属シートを用いて製造される。

    【0020】空気減極型電池において用いられるカソード缶の製作は典型的には、ほぼエンドレスの金属シートのコイルから開始される。 金属シートは打ち抜きされ、
    プレスされ、そしてその他の寸法加工がなされて、所定のサイズと形状に形成される。 このプロセスにおいて、
    各々の缶について、缶の底壁、および対応する直立した側壁が製作される。 そのような加工と成形は、寸法の変化に加えて、二つの一般的な影響を金属シートに及ぼす。 第一に、金属シートはシートのそのような機械的加工によって硬化する。 第二に、パンチやダイのような工具による加工によって、金属シートの表面におけるいかなる凹凸も減少する傾向がある。

    【0021】カソード缶が製作されるとき、底壁に1個または2個以上の空気孔が形成され、缶は最後に側壁の上端部の近傍で金属シートを切断することによって金属ストリップから分離される。 (1個または2個以上の)
    空気孔の形成、および金属ストリップからの缶の切断を行う際、鋼のコア層を含む金属シートの全厚が切断される。 その結果、鋼のコア層はそのように切断されたおよび/またはそのように打ち抜きされた端部において露出する。 そのような端部はその他の方法によっても形成することができる。 しかし、典型的なその他の方法も、端部において露出した鋼の層を生じさせる。

    【0022】温暖な気候または大陸性の気候のような比較的低い湿度環境において、電池の通常の貯蔵と使用寿命の間、露出した鋼の端部は腐食せず、従って露出した鋼の端部は、典型的に例えば補聴器の電池が低い湿度環境において使用される市場の実質的な部分で許容される。

    【0023】熱帯性の気候のような比較的高い湿度環境において、電池の通常の貯蔵と使用寿命の間、露出した鋼の端部は腐食し、従って露出した鋼の端部は、湿度の高い気候において使用するのには望ましくない。

    【0024】めっきされていない鋼からカソード缶の寸法上の製作を行い、次いでその寸法上の製作が行われた缶の全体すなわち露出した表面の全体をニッケルでめっきすることによって、空気減極型電池において用いるためのカソード缶を製造することが知られている。 寸法上の製作を行った後に缶を後めっきすることによって缶の全ての表面が後めっき処理によって保護され、それによって、露出した鋼の端部はなくなる。

    【0025】しかし、後めっきされた缶は多くの技術的難問を提供する。 後めっきされた層は、その後に実質的に加工されないめっき層であり、厚さが均一ではないだろうし、また所望される分布の均一さも有していない。
    従って、そのような加工されていない後メッキされた層は腐食を抑制するための、すなわち鋼のガス放出を抑制するための唯一の手段であり、腐食を効果的に抑制するためには比較的厚くなければならず、すなわち同等に効果のある予備めっきされてそして機械加工された層よりも厚くなければならない。 従来の予備めっきされた層の厚さは例えば約75マイクロインチ(0.0019mm)
    であり、それはめっき層の表面の凹凸を減じるためにそのような層が機械加工されたためである。 一方、従来の後めっきされた層の典型的な厚さは約100マイクロインチ(0.0025mm)〜約500マイクロインチ(0.
    013mm)である。 そのような厚い層は望ましくないコストの増大を伴っている。 というのは、コストの高いニッケルを多量に用いているからである。 底壁および/または側壁のための最大の特定の全厚さの必要量が決められているとき、ニッケルの層をより厚くすれば、より強度の高い鋼の層の厚さは減少する可能性があり、それに応じてそのような缶は、予備めっきされた金属シートからなり加工された(一つまたは複数の)めっき層が薄くなっていてそれに対応して鋼の層が厚くなっているような同じ厚さの側壁または底壁を有する缶よりも弱い。

    【0026】さらに、めっきされていない鋼はニッケルめっきされたまたはニッケルをクラッドした金属シートと比較して寸法構成上の特性において劣っている。 というのは、露出したニッケル層は金属シートの寸法形成を行う間に金属シートを潤滑するのを助けるからである。
    ニッケルによって与えられる潤滑の好ましい結果は、缶の寸法形成を行う間に金属シートが局部的に薄くなることに対して缶の感受性が低くなることである。

    【0027】典型的に、めっきされていないシートから製造されたカソード缶(例えばめっきされていない鋼)
    は、予備めっきされた金属シートからカソード缶を製造するのにも用いられる製造ラインで製作される。 これら二つの製品のうち、低い湿度および中程度の湿度環境のための予備めっきされた缶は、後に後めっきされるめっきされていない缶よりも大きな容積をもって製造される。 めっきされていない金属シートは予備めっきされた金属シートよりも薄い。 というのは、カソード缶製造機械を備えた同じラインで予備めっきされた金属シートから製造されるカソード缶の底壁と側壁の各々の厚さに近いかまたは概ね等しい底壁と側壁の平均の全厚さを維持しながら、ニッケルまたはその他の腐食抑制金属からなる後被覆される被覆層が付加されるからである。

    【0028】そのようなカソード缶の寸法形成工程には、例えば、パンチとダイの組み合わせを金属シートに対して共働して作用させ、それによって缶のカップ状の輪郭と適当な空気孔を形成することを含む。 めっきされていない金属シートは予備めっきされた金属シートよりも薄いので、そしてまた、パンチとダイは典型的には予備めっきされた金属シートのために設定されているので、めっきされていない金属シートは、パンチとダイの組み合わせの回りで、予備めっきされた金属シートとは幾分異なる寸法に形成される。 そのように寸法形成されて、その後に後被覆される未被覆の缶は、同様にして製作された予備めっきされた缶とは十分に異なる寸法上の特性を有し、電池のアセンブリにおいて様々な困難を生じる。 そのような困難によって典型的に、設計コスト、
    組み立てラインの進行速度、および電池の不合格率での問題を招き、これらは全て、予備めっきされた缶を使用して電池を製造するのに伴う設計コスト、ラインの進行速度、および電池の不合格率よりも不利なものとなってしまう。 そのような困難には例えば、(これらに限定はされないが)電池からの電解質の漏れ、シールとカソードアセンブリにかかる閉鎖力の不均一、カソード缶の底壁の内側へのへこみ、カソード缶の側壁の高さの不均一さ、カソード缶の側壁が底壁に対して垂直でないこと、
    後被覆された層の厚さの不均一さ、後被覆された層の厚さの不正確さ、後被覆された層が腐食を適度に制御するのが不能になること、等がある。

    【0029】さらに、めっきされていない金属シートはニッケルを予備めっきした層のようには潤滑を受けることができないので、金属の引き伸ばし特性は異なったものになる。 例えば、めっきされていない金属シートのコーナーの形成によって、コーナー付近の材料はかなり薄くなるだろう。 さらに、ニッケルめっきの利点がなければ、被覆されていない金属缶は予備めっきされた金属シートよりも粗い表面特性を示し、下にある鋼の層が腐食から適当に保護されるためには、予備めっきされた被覆層に必要な厚さよりも厚いニッケルの後被覆層が必要になる。

    【0030】このように、後めっきされた缶を使用した製造と加工については明らかに多くの困難がある。 そして、予備めっきされた金属シートを使用した加工、ひいては予備めっきされた缶の製造については明らかに多くの利点があり、それには予備めっきされた缶に対する高い需要が含まれる。 従って、可能な限り予備めっきされた缶を製造し使用するのが望ましく、また切断されたまたは露出した端部において耐腐食性を与えるのに後めっきされた缶が必要とされる典型的に少ない需要の市場において使用するためにだけ後めっきされた缶を製造し使用するのが望ましい。

    【0031】ここで想定されているタイプの電池は、高度に自動化された製造機械において効率的に製造される。 予備めっきされた缶と後めっきされた缶の両者を製造し、そしてそのような両タイプの缶を使用して電池を組み立てるという決定の一つの結果は、製造者は、耐腐食性の低い缶(例えば予備めっきされた缶)と耐腐食性の高い缶(例えば後めっきされた缶)の両者を製造するための自動化機械とプロセスを開発し、さらには、予備めっきされた缶を使用した電池と後めっきされた缶を使用した電池の両者を組み立てるための自動化機械とプロセスを開発しなければならない、ということである。

    【0032】より高いレベルの耐腐食性が必要な空気減極型電池の市場は、より低いレベルの耐腐食性が許容される空気減極型電池の市場よりもずっと小さい。 タイミングに関しては、「新しい」電池だけが供給されることを要求する顧客が存在する。 従って、ある製造者は、例えば後めっきされた製品のようにゆっくり進行する長い操業時間を要する製品を製造し、次いでその製品を倉庫から数カ月にわたって取り出し、その間に大容積の製品を引き続き製造するという選択肢を持たない。 むしろ、
    市場は全ての製品が新しいものとして製造されることを要求する。 この新しさという要求を満すために、製品が出荷され使用される前に「古く」ならないように、容積の小さい製品であっても例えば30日以内の短い間隔で製造されなければならない。

    【0033】ゆっくり進行する製品の容積は従来知られている製品の速度と比較して小さいので、独立した製造ラインを設けるのは正しくない。 むしろ、大容積の予備めっきされた缶を製造するラインおよび大容積の予備めっきされた缶を使用して電池を組み立てる製造ラインが、小容積の後めっきされた缶を製造し、そしてこの後めっきされた缶を使用して小容積の電池を組み立てるために必然的に用いられる。

    【0034】典型的な従来の製造ラインはそれら二つの製品のうちの一つについてだけ稼働することができ、それら二つの製品は典型的なそのような製造ラインにおいては、ラインを停止しそしてそのラインの設定を次に製造する製品のために改変することなしには、連続的に製造することはできない。 望ましくは、製造ラインを予備めっきされた缶から後めっきされた缶に変更するか、または後めっきされた缶から予備めっきされた缶に変更するのに要する設定作業は、缶の製作であれ電池の組み立てであれ、最少にしなければならない。 さらに、製造ラインは、いずれの缶についても、製品を製造するのに等しく効率的に稼働するべきである。 缶の製造ラインおよび/または電池の組み立てラインは、缶であれ電池であれ、設定時間あるいは製品ユニットの製造の進行の中断をほとんどまたは全く伴わずに、一つの製品から他の製品に変更できることが望ましい。

    【0035】製造作業の効率は、1時間当り、1交替当り、1日当り、などについて生産されるユニット(例えば缶または電池)の数で計算することができる。 その他に、そして少なくとも同じ重要性をもって、製造効率の尺度には、製品の不合格率、非稼働時間の量、および生産上の問題を解決するための稼働のあらゆる中断がある。 稼働の中断とは、特定の製品(例えば後めっきされた製品)の製造を、この製品の所望の数のユニットが生産される前に、別の製品(例えば予備めっきされた製品)を優先させるために一時的に停止すること、そしてこれが(例えば後めっきされた製品の)生産稼働の中断を引き起こした問題が調査され解決される間のことであること、を意味する。

    【0036】

    【発明が解決しようとする課題】本発明の全体的な目的は、改良されたカソード缶を提供すること、およびそのようなカソード缶を使用して製造された空気減極型電気化学ボタン電池を提供することである。

    【0037】本発明のさらに特定的な目的は、湿度の高い環境中で向上した耐腐食性を有するカソード缶を提供すること、そしてこの場合、湿度の高い環境中で用いられる電池における缶を製作するために使用される金属シートが、湿度の低い環境中で用いられる電池における缶を製作するために使用される金属シートと同じものであるかあるいは極めて類似していることである。

    【0038】さらに別の目的は、二重被覆カソード缶であって、予備めっきされた金属被覆層の外側に比較的薄い後被覆層が付加されているカソード缶を提供することである。

    【0039】さらに特定的な目的は、カソード缶の寸法形成の後に、予備めっき層の外側に二重被覆層を付加することである。 さらなる目的は、二重被覆が付加されたカソード缶であって、(保護金属の予備めっき層ではない)二重被覆層が金属シートのコア層の切断された端部を被覆しているようなカソード缶を提供することである。

    【0040】さらなる目的は、二重被覆がカソード缶の外表面の実質的に全てを被覆しているようなカソード缶を提供することである。 さらに別の目的は、空気減極型電池において使用するためのカソード缶を製作する方法を提供することであって、この方法は、予備めっきされた金属シートの寸法形成を行ってカソード缶の本体を形成した後、露出した未被覆の領域を含めてこの寸法形成された缶本体の全体を後めっきし、そして予備めっき層の全体を後めっきする工程を含む。

    【0041】本発明の別の目的は、二重被覆された缶を使用して空気減極型電池を機械加工と組み合わせて組み立てることであって、これには、二重被覆されていない予備めっきされた缶を含む電池を製造するために用いられる機械の設定と組み立て工程が含まれる。

    【0042】さらに別の目的は、缶のコア層の切断された端部が露出している予備めっきされた缶を使用して製造ラインで電気化学電池を製造し、そして組み立てラインでの組み立て装置の設定を実質的に変更することなく、全体がめっきされた缶を使用する電池のために製造作業を変更し、そして同時に、予備めっきされた缶についてと実質的に同じかあるいは類似の非稼働時間を維持することである。

    【0043】

    【課題を解決するための手段】本発明は、概して言えば、空気減極型電気化学ボタン電池において用いるためのカソード缶を含む。 広い意味において、このカソード缶は、互いに反対側の内側の主表面要素と外側の主表面要素を含む外表面を有し、金属のコア層を有する基材を含み、また前記コア層の両側にある被覆としての保護金属めっき層と、この金属めっき層の外側に配置された二重被覆層を含む。 カソード缶の内側と外側の主表面要素の間には底壁を貫通して空気孔が延びている。

    【0044】好ましい態様において、二重被覆層は、基材の外表面の感受性の高い部分、すなわち湿度の高い環境において腐食に対する感受性の高い部分、例えば、金属シートの全体厚さを通して金属が切断されている表面を、被覆している。

    【0045】ある態様において、コア層は、基材の外表面に延びている露出した端部を有する。 その露出した端部は保護金属、例えば予備めっきされた層によっては保護被覆されていないが、しかし二重被覆層によって被覆されている。

    【0046】ある態様において、二重被覆層はカソード缶の外表面の大部分を画定する被覆として提供される。
    好ましい態様において、二重被覆層における主要な材料は、概ね下にある保護金属めっき層における主要な材料と同じであり、それは好ましくはニッケルである。

    【0047】好ましくは、二重被覆層の厚さは、二重被覆層の上の該当する位置において併存している各々の保護金属めっき層の厚さの概ね75%以下である。 好ましい態様において、保護金属めっき層と各々の二重被覆層を合せた厚さは、約0.002mm(75マイクロインチ)〜約0.005mm(200マイクロインチ)、好ましくは約0.0006mm(約25マイクロインチ)〜約0.0025mm(約100マイクロインチ)である。

    【0048】本発明の好ましい態様において、カソード缶は底壁と、この底壁から上に延びている直立した側壁を有し、底壁と側壁のうちの少なくとも一つ、好ましくは両者の全体厚さは約0.002インチ(0.05mm)〜
    約0.010インチ(0.25mm)、好ましくは約0.0
    025インチ(0.06mm)〜約0.008インチ(0.
    2mm)、より好ましくは約0.003インチ(0.08m
    m)〜約0.0055インチ(0.140mm)である。

    【0049】好ましい態様において、保護金属めっき層と二重被覆層を合せた厚さは、各々の保護金属めっき層の平均の厚さの少なくとも1.25倍であり、あるいは少なくとも1.5倍であり、しかし2倍は超えない。

    【0050】好ましい態様にさらに言及すれば、二重被覆層は無電解めっきプロセスによって缶の上に形成され、そして付着される。 ある態様において、保護金属めっき層は、後続の被覆プロセスに対する保護金属めっき層のめっき受容性が向上するように機械的および/または化学的に成形され、それによって、上に形成される層、例えば二重被覆層の被覆付着の均一性が向上する。

    【0051】好ましい態様において、保護金属めっき層と二重被覆層の両者における主要な材料はニッケルであり、またコア層は鋼である。 好ましくは、保護めっき層は鋼のコア層に拡散結合されたニッケルであり、鋼のコア層は焼なましされていて、またロールの間での圧搾などによって機械的に加工硬化されている。

    【0052】好ましい態様にさらに言及すれば、鋼のコア層は基材の外表面に延びている露出した端部を有し、
    二重被覆層はその露出した端部において、好ましくは露出した端部の全体で、コア層と互いの表面どうしで接触していて、またこのコア層を被覆している。 二重被覆層は、缶の外表面において、二重被覆層と鋼の層の感受性の高い部分との間に金属めっき層を介在せずに、鋼の層の一つまたは二つ以上の感受性の高い部分の全体を被覆していてもよい。

    【0053】典型的な態様において、二重被覆層は露出した鋼の端部の全体と保護ニッケル予備めっき層の全表面を被覆していて、それによって、二重被覆層はそのように被覆されたカソード缶の外表面の全体を形成している。 同様に、二重被覆層は、好ましい範囲の厚さで付着されているとき、各々のそのようなカソード缶を用いて製造された電池の通常の使用寿命の間、腐食性の高い環境においてカソード缶の腐食を実質的に抑制する。 そのような缶は、湿度の高い環境において腐食感受性を有するが、この腐食感受性は、同様の缶であるがしかし二重被覆層を有していないものの腐食感受性よりも実質的に低い。

    【0054】第二の群の態様において、本発明は空気減極型電気化学ボタン電池において用いるためのカソード缶を含む。 カソード缶は、切断された端部を画定している金属シート材料と、コア層の上にある保護金属めっき層によって画定されている予備めっきされた部分とを含み、コア層は金属シートの切断された端部においては保護金属めっき層によって保護被覆されていない。 カソード缶はさらに、保護金属めっき層と二重被覆層とを含む二重被覆を有する。 二重被覆の第一の部分は、コア層の切断された端部を被覆している二重被覆層を含むが、保護金属めっき層は含まず、従って切断された端部において二重被覆層とコア層の間に保護金属めっき層は介在していない。 二重被覆の第二の部分、すなわち切断された端部から離れている部分は、二重被覆層とコア層の間にある保護金属めっき層を含む。

    【0055】第三の群の態様において、本発明は空気減極型電気化学ボタン電池において用いるための一群のカソード缶を含む。 各々のカソード缶は、互いに反対側の内側と外側の主表面要素を含む外表面を有する。 「内側」および「外側」とは、そのような缶を用いて製造された電池についての方向を意味する。 腐食を抑制する二重被覆は金属シートのコアの実質的に全体を被覆している。 二重被覆は概ね、コア層の上にある保護金属めっき層と、この保護金属めっき層の部分の上にあって外側に配置された二重被覆層とを含む。 二重被覆層の第一の部分は、金属シートのコアの一つまたは二つ以上の切断された端部と互いの表面どうしで接触していて、またこの端部を被覆している。

    【0056】本発明はさらに、空気減極型電気化学電池において用いるためのカソード缶の製造方法を含む。 その方法は、保護金属めっき層の間の鋼のコア層を含む予備めっきされた金属シートからカソード缶の本体を製造する工程と(この工程は周囲の環境に露出したコア層の被覆されていない領域を形成することを含む)、次いで、カソード缶の本体を製造した後に、カソード缶の本体の全体を、コア層の露出した被覆されていない領域を含めて、二重被覆材料で後被覆する工程とを含み、それによって、缶の表面の大部分において二重被覆層の下にある保護金属被覆層と、コア層の被覆されていない領域であって保護金属めっき層の一つが存在しない領域にある二重被覆層とを有する二重被覆されたカソード缶が製造される。

    【0057】本発明を別に表現すれば、湿度の高い環境において腐食に対して感受性の高い金属の端部を有するカソード缶を含む空気減極型電気化学ボタン電池の第一のセットと、湿度の高い環境において腐食に対して感受性の高い金属の端部を有していないカソード缶を含む電気化学ボタン電池の第二のセットとを、電池の組み立てライン上で連続したセットの製品として製造する方法である。 代表的な方法は下記の工程を含む:コア層を有していて保護金属めっき層で予備めっきされた金属シートからカソード缶の第一の個体群を製造する工程であって、そのようにして製造された缶は湿度の高い環境において腐食に対して感受性の高い露出した金属の端部を有している:および、第一の個体群のカソード缶の一部に保護金属の二重被覆層を付着させ、それによって二重被覆された缶の第二の個体群を製造する工程。 二重被覆層は感受性の高い金属の端部におけるカソード缶の耐腐食性のレベルをそのように二重被覆されてはいないカソード缶が有する耐腐食性よりも高いレベルに増大させるほどに十分に厚く、また二重被覆層は第二の個体群からなるカソード缶を用いる電気化学電池を第一の個体群の缶を用いて電池を組み立てるのに用いられるのと同じ機械において同じ設定を用いて型どおりの組み立てを行うのに適応するほどに十分に薄い。 第二の個体群の缶は第一の個体群の缶を組み込んだ電池を製造するのに用いられる機械の設定と組み立て工程に従って製造される。

    【0058】上記の方法はさらに下記の工程を含む:第二の個体群の二重被覆された缶を用いて、第一の個体群の缶を組み込んだ電池を製造するのに用いられる機械および機械の設定と組み立て工程と組み合わせて、電気化学電池を組み立てる工程:そして、二重被覆された缶を用いて製造された電気化学電池を試験し、それによって、湿度の高い環境において高いレベルの耐腐食性を有する受け入れ可能な電池からなる第一の個体群を形成し、そしてまた、低いレベルの耐腐食性を有していて湿度の低い環境において用いるのに受け入れ可能な電池からなる第二の個体群を形成する工程。

    【0059】本発明はさらに下記の方法によって表現される。 すなわち、電気化学電池の組み立てラインを第一の連続する製品と第二の連続する製品の間で切り替える方法であって、第一の製品は湿度の高い条件下で腐食に対して感受性の高い露出した金属の端部を有する電池を含み、第二の製品は湿度の高い条件下で腐食に対して感受性の高い同様の露出した金属の端部を有していない電池を含む。

    【0060】上記の方法は、第一のセットの寸法仕様を有するカソード缶からなる第一の個体群を、第二のセットの金属シート仕様を有する予備めっきされた金属シートを用いて金属の寸法形成工程を実施することによって製造する工程を含む。 予備めっきされた金属シートは第一の被覆層と第二の被覆層の間に金属コア層を有する。
    第一および第二の被覆層は金属シートの予備めっきされた外表面を画定している。 第一の個体群を製造する工程で行われる操作は、シートの一つまたは二つ以上の端部またはその他の部分においてコア層の一部分を物理的に露出させることを含み、それによって、湿度の高い条件下で腐食に対して感受性の高い露出した金属の端部を有する缶を製造する。

    【0061】上記の方法はさらに、第三のセットの寸法仕様を有する二重被覆されたカソード缶からなる第二の個体群を、第一のセットの仕様を有する缶の上に第二の比較的薄く保護性の後被覆層を後付着させることによって製造することを含み、それによって、予備めっきされた表面と露出した金属の端部の両者に後被覆を施す。 第一および第二の(予備めっき)層はコア層と後被覆層の間に配置されるが、しかし各々の切断された端部または露出した端部においては配置されない。 それによって後被覆層は切断された端部または露出した金属の端部においてコア層のための腐食保護を与える。

    【0062】第三のセットの缶の寸法仕様は第一のセットの缶の寸法仕様に十分に近似していて、それによって第一の缶の個体群と第二の缶の個体群の両者は共通の組み立てライン上で、好ましくは共通の設定を用いて、移動させることができる。

    【0063】上記の方法はさらに、第一のセットの寸法仕様を有する缶を用いて第一のセットの電池を製造することを含み、これは第四のセットの非稼働時間率と不合格率を伴い、そして、第三のセットの寸法仕様を有する缶を用いて第二のセットの電池を製造することを含み、
    これは組み立てライン上での組み立て装置の設定に実質的な変更を加えずに行われ、またこれは第四のセットの非稼働時間率と不合格率に近似する第五のセットの非稼働時間率と不合格率を伴う。

    【0064】本発明は、その適用において、以下の記載または添付図面に示された要素の構成または配置の細部には限定されない。 本発明は他の態様または他の様々な方法で実施することができる。 また、ここで用いられている用語と表現は説明と例示のためのものであって、それらに限定されないことが理解されよう。 図面中での同様の参照符号は同様の要素を示すために用いられている。

    【0065】

    【発明の実施の形態】図面中の符号を参照して説明すれば、まず図1について、符号(10)は本発明の空気減極型ボタン電池を示す。 電池(10)は負電極(12)を含み、これはアノード(12)とも言われる。 アノード(1
    2)は、アノード缶(14)とこのアノード缶の中に概ね含まれている電気化学反応性アノード材料(16)を含む。 アノード缶(14)は、頂部壁(18)と円周で垂下している側壁(20)を有する。 頂部壁(18)と側壁(20)
    は、組合わさって、内表面(22)と外表面(24)を有する。 側壁(20)は図1で「HAS」として示されている高さを有し、これはアノード缶の全体高さに概ね相当し、また側壁(20)はアノード缶円周の最下部(26)を末端としている。

    【0066】正電極(30)(これはカソード(30)とも言う)は、空気カソードアセンブリ(32)を含み、これはカソード缶(34)の内部に収容されている。 カソード缶(34)は、底壁(36)とこの底壁から上に延びている円周の直立した側壁(37)を有する。 底壁(36)は、概ね平坦な内表面(38)と概ね平坦な外表面(40)とこの平坦な外表面(40)上に画定されている外周部(42)を有する。

    【0067】図1に示すように、1個または2個以上の空気孔(44)がカソード缶の底壁(36)を通って延びていて、カソードアセンブリ(32)に隣接する位置で電池内に酸素を輸送するための通路を提供している。 ある実施態様においては、空気溜め(45)が、底壁(36)およびこれに対応する空気孔(44)からカソードアセンブリ(32)を離隔している。 多孔質の拡散層(47)はカソードアセンブリ(32)の底の層として作用し、これは空気溜め(45)を埋めている場合もある。 カソード缶の円周の側壁(37)が底壁(36)から上に延びていて末端(4
    9)で切れていて、また側壁(37)は内表面(46)と外表面(48)を有する。

    【0068】図1に示すように、カソード缶の側壁(3
    7)は高さ「HCS1」を有し、これは図1におけるカソード缶の高さに概ね相当する。 図1でわかるように、
    アノード缶の側壁(20)の高さ「HAS」はカソード缶の側壁の高さ「HCS1」の半分よりもかなり大きい。
    底壁(36)の外表面(40)は、好ましくは、外周部(4
    2)へ向かって半径方向外方に、および、側壁(20)の内表面(46)の半径外方に延びている実質的に平坦な部分を有している。

    【0069】アノード(12)はシール(50)として示されているシール材料によってカソード(30)から電気的に絶縁されている。 シール(50)はスペース(53)の中に配置された円周の側壁(52)を含み、この側壁はカソード缶の直立した側壁(37)とアノード缶の垂下している側壁(20)の間の高さ「HAS」の実質的な部分にわたって延びている。 シールの最下部(54)は、アノード(12)とアノード缶の最下部(26)の間に概ね位置している。 シールの頂部(56)は、シール(50)の側壁(5
    2)が側壁(20)と(37)の間で電池の頂部付近で終わっている位置に位置している。 図1に示す態様において、アノードは、アノード缶(14)とアノード材料(1
    6)を含めて、カソード缶の中に収容されていて、それによってカソード缶の側壁(37)の全体がアノード缶の側壁(20)の対応する部分の半径方向外方に配置されている。 その他の側壁の関係は予期されよう。 例えば、
    「HCS1」の上部は「HAS」の上部よりも低い位置にある。

    【0070】電池(10)の外表面(58)は、アノード缶の頂部の外表面(24)、カソード缶の側壁(37)の外表面(48)、カソード缶の底壁(36)の外表面(40)、およびシール(50)の頂部(56)の部分によって画定されている。 アノード缶とカソード缶は、組合わさって、電池の頂部と底部を画定している。 電池の典型的な全体高さ「H2」は約15mm以下である。 電池の典型的な最大直径「W2」は約25mm以下である。 ある態様においては、高さ「H2」および/または最大直径「W2」は上記の寸法よりも大きいこともある。 最大高さ対最大直径の比率は約0.1/1〜約1/1の範囲である。 図1でわかるように、高さ「H2」と最大直径「W2」は直円筒形を画し、電池の全容積は約0.04cm 3 〜約0.60c
    m 3の範囲であり、この範囲の全てが典型的な補聴器用の電池のサイズの中に含まれるが、その他の用途においても良好に作用する。

    【0071】アノード缶(14)の内表面、カソードアセンブリ(32)、およびシールの最下部(54)は、アノード材料(16)を収容しているアノードの空所(28)を概ね画定している。

    【0072】概して本発明は、電池の効率の程度に影響する材料、構造、および製法を対象としていて、それらを採用した電池は、カソード缶の耐腐食性のレベルが比較的高いものや比較的低いものについて、所定の製造機械による一連のバッチの連続において製造することができる。 本発明はそのような二つのタイプのカソード缶を製作するための材料、構造、および方法、そしてさらには、そのような二つのタイプのカソード缶を有する電池を組み立てるための材料、構造、および方法を対象としている。 さらに、本発明は上記の材料、構造、および方法を用いて製造されたカソード缶と電池を対象としている。

    【0073】電池のアセンブリにおいて、組み立てられる電池の頂部と底部に封止力が加えられる。 底壁(36)
    は電池の封止力の一部を受ける。 封止力は底壁に上方にかかるので、底壁(36)は成形される電池の内部に向かって上方にへこむ傾向がある。 そのような上方へのへこみは、多くの理由から望ましくない。 そのような理由には、これらに限定はされないが、そのようなへこみによって電池内部の使用可能な容積が減少すること、それに対応して電池の全放電容量が低下すること、さらには電池が損傷したという印象を与えること、がある。

    【0074】従って、底壁(36)が平坦に維持されて、
    電池を封止するときに底壁が内側にへこまないことが望ましい。 底壁がそのような内側へのへこみに対して抵抗する能力は、特に、底壁の厚さ、カソード缶の底壁を製造するための材料、底壁に用いられる材料の特性、底壁における各々の層の相対的な厚さ、および底壁に対する側壁の度方位、に関係している。

    【0075】図面に示すような比較的浅いカソード缶は、金属シートの連続したストリップでカップ状のユニットを形成することによって製造される。 カップ状ユニットの第一の部分は、その製造プロセスの間にユニットの上端付近で金属シートから切断される。 カップ状ユニットの第二の部分はユニットが適当に形成されるまで金属シートにつながったまま残り、形成されたときにカップ状ユニットは金属シートから完全に切断される。

    【0076】図2および図3は、予備めっきされた金属シートから製造された先行技術のカソード缶を示す。 そこでわかるように、金属シートの切断された端部は側壁の上端付近で幾分外側に曲がっていて、この部分で側壁は金属シートから切断された。

    【0077】図2および図3について詳しく説明すれば、鋼からなるコア層(60)は、必須ではないが冷間圧延された鋼からなり、ニッケルからなる第一内層(62)
    とニッケルからなる第二外層(64)の間に配置されている。 内層(62)は側壁(37)の内表面(46)を画定し、
    外層(64)は側壁の外表面(48)を画定する。 カソード缶の上の末端(49)は、切断された端部(68)で終わっている外側に曲がった要素(66)を画定する。

    【0078】図2と図3でわかるように、鋼のコア層(60)はニッケル層(62、64)によって概ね覆われていて、上にあるニッケル層(62、64)によって周囲の環境と直接接触することから概ね保護されているけれども、
    鋼の層(60)の端部(70)は切断された端部(68)で周囲の環境に露出している。 同様の露出した鋼の端部は空気孔(44)の各々の切断された端部においても存在する。 切断された端部(68)と空気孔(44)におけるこのような小さな領域は、湿度が低いかまたは中程度の気候において用いられる電池において缶が用いられるときには許容される。 しかし、切断された端部(68)と空気孔(44)において露出した鋼は、湿度の高い環境において用いられる電池の通常の貯蔵と使用寿命の間に腐食するだろう。 従って、切断された端部(68)において鋼が露出している図2と図3に示す缶は、湿度の高い環境においては使用できないだろう。

    【0079】湿度の高い環境においてカソード缶が腐食しないためには、缶はいかなる露出した鋼の端部をも有するべきでない。 従って、缶が寸法形成された後に露出した鋼のいかなる部分も、保護層によって覆われるべきである。 そのような保護層は、(これらに限定はされないが例えば)電気めっきまたは無電解めっきのような公知の溶液被覆処理によって付加することができる。

    【0080】図4と図5に示す缶は典型的な従来の後めっきされたカソード缶の例である。 そこでわかるように、缶の表面全体がニッケルのようなめっき層(71)で被覆されている。

    【0081】一般に、図4と図5の缶は次のようにして製造することができる。 出発材料は所望の鋼組成を有する単層の金属シートのストリップであり、これは図2と図3の態様における層(60)に相当するコア層に適しているものである。 金属シートは多段工程のパンチとダイの操作で寸法形成されて、製造される缶に所望される三次元特性が概ね付与される。 このプロセスにおいて、空気孔(44)が電池の底部において金属ストリップを貫いて打ち抜きされる。

    【0082】三次元成形工程が完了したら、そのようにして製造された缶は金属ストリップから切断され、このとき図2と図3における末端(70)に相当する外側に曲がって切断された鋼の末端(74)が残る。 別の末端は空気孔(44)において表されている。 しかし、缶は単層の鋼のシートを用いて製造されるので、缶を製造するこの段階において、缶の端部のみならず缶の全ての表面が周囲の環境に露出している。

    【0083】次いで、缶を適当な例えば通常の溶液被覆浴に浸漬することによって缶を後めっきし、それによって缶をニッケルの後めっき層で被覆するが、この後めっき層は寸法形成された缶の全ての露出した表面を覆う。
    めっきする前に、缶は実際のめっき工程の前に行われる適当な洗浄工程およびその他の公知の予備工程によって処理される。

    【0084】後めっき工程が行われる前に缶は既に三次元構造に製作されているので、被覆された表面全体のさらなる一般的な機械加工は行われず、それによって、被覆された表面の性質および後めっきされた缶の寸法上の特性は概ね、めっき処理の調整の性質、正確さ、および制御、およびそれによって製造されためっき層の特性に依存する。

    【0085】すなわち、平坦な金属シートのめっき工程の間に生じた特定の異状な結果は、めっき工程後のシートの熱間圧延や冷間圧延のような機械加工によってしばしば緩和されるかあるいは解消され得る。 同様に、めっき層の物理的特性はそのような後続の処理によって向上し得る。 しかし、そのような機械加工は一般に平坦な金属シートに限定される。 ここでの場合のように、めっき工程の前に金属が三次元の製作品に製造された場合、後続のそのような一般的な機械加工は選択されず、それによって、被覆工程あるいはそれから得られた被覆された製品におけるいかなる異状な結果も保持され、従って最終製品に存在するであろう。 同様に、めっき層の物理的特性が向上する機会もない。

    【0086】図2と図3に少し戻れば、金属シートが三次元の部品に打ち抜き成形された時点において、ニッケル層(62、64)は金属シートの一部として存在する。 そのような打ち抜き成形において、ニッケルは金属シートの打ち抜き成形にある程度の潤滑を与え、それによって金属の流動性は向上し、大きく流動した領域での金属の薄肉化は減少し、また、望ましい表面特性を含めて、打ち抜き成形工程後の全体的により望ましい三次元構造が得られる。

    【0087】図4と図5に示す缶を製作するのに典型的に用いられる後めっきされた缶の製作プロセスで製作された缶は、上述のニッケルの潤滑の利点を有していない。 その結果、上述したようなニッケルの潤滑に起因する様々な利点は、図4と図5の缶の製造のような鋼の缶によっては達成されない。

    【0088】当業者に良く知られている様々な理由から、従来、図4と図5に示すような方法で缶の寸法形成が完了した後に缶の上に後めっきされたニッケル層は、
    図2と図3に示すようにして予備めっきされた層よりも厚い。 通常の予備被覆された層(62、64)の厚さは典型的には約75マイクロインチ(0.0019mm)のオーダーであるが、典型的な通常の後めっきされた層の厚さは約100マイクロインチ(0.0025mm)〜約50
    0マイクロインチ(0.013mm)である。 従って、典型的な後めっきされた缶においては、典型的な通常の予備被覆された缶よりも、高価なニッケルを約60%〜約500%あるいはそれよりも多く、用いている。 同様に、コア層と被覆層を足した全体厚さが一定であると仮定すれば、図4と図5に示すような後めっきされたニッケル層の厚さが大きくなるほど、図2と図3に比較される鋼の層の厚さを小さくする必要があり、それに対応して、鋼の層の厚さに由来するカソード缶の物理的強度は低下する。

    【0089】これも当分野で良く知られている理由からであるが、特定の環境下においては、低湿度用と高湿度用の電池の市場のために、予備めっきと後めっきの両者が施された缶を製造するのが、非常に望ましい。 しかし、そのような販売の速度が遅い電池の容積は非常に小さいので、そしてまた、知られている製造速度の費用対効果比の観点から、そのような販売の速度が遅い製品のためにもっぱら、あるいは主としてそのような製品のために、製造ラインを設定するのは経済的に実施可能ではない。 従って、ゆっくり流れる製品は、早く流れる予備めっきされた製品を製造するのと同じ機械で製造するのが望ましい。

    【0090】ゆっくり流れる製品を早く流れる製品と同じ製造ラインで製造するために、ゆっくり流れる製品で用いられる缶の仕様は早く流れる製品で用いられる缶の仕様に可能な限り近くなければならない。 例えば、それら二つのタイプのカソード缶の最終寸法は、互いに可能な限り同じにするべきである。 それら二つのタイプのカソード缶の曲げおよびその他の成形特性は、互いに可能な限り近いものにするべきである。 それら二つのタイプのカソード缶の強度特性は、互いに可能な限り近いものにするべきである。 二つのタイプのカソード缶における底壁と側壁の間の角度は、互いに可能な限り同じにするべきである。

    【0091】後めっきされた缶の最終寸法は予備めっきされた缶の最終寸法に可能な限り近くするべきであるから、また、後めっきされた缶は寸法成形された時点では単一層の材料であるから、寸法成形された時点で単一層のその材料は、予備めっきされた材料が寸法成形された時点でのその予備めっきされた材料よりも薄い。 理想的には、パンチとダイの組み合わせの設定は金属シートの厚さの変化に対処するために変更されるべきである。 しかし、金属シートの両表面の操作位置は、めっきされていない缶を製造する場合は、予備めっきされた金属シートを用いる場合とでは異なる位置になるので、また、許容誤差は1000分の1インチ(100分の1ミリメートル以下)で測定されるので、被覆されていない金属シートについて操作する機械を準備するのに実質的な設定が必要であろう。 しかし、図4と図5の缶のようなもののための典型的な運転は、わずか1日から数日である。
    被覆されていない缶を製造するためにパンチとダイの機械を完全に設定するのに相当な時間を費やすのは、経済的に実施可能なことではなく、それは特に、通常の被覆されていない缶のための短い期間の運転の後に、予備めっきされた缶のための運転のために機械が再設定されるという理由から、そうである。

    【0092】後めっきされた缶を製造するための機械を設定する合理的な努力にもかかわらず、ある場合には、
    通常の後めっきプロセスに従って製造された缶を有する電池のための全体の製造運転を1日あるいはそれよりも長い期間費やしても、湿度の高い環境において使用するための必要な腐食試験に合格しない場合がある。 そのような場合、その不合格になった電池は湿度の低い環境において使用するための腐食試験には合格するかもしれず、従って、適当なそのような市場には出荷できるかもしれない。 しかし、そのようなことになった場合、次には、湿度の高い市場の需要を満すために、後めっきされた缶のさらなる製造運転が再び必要となり、予備めっきされた缶を用いる電池の典型的に進行している製造を再び中断することとなる。

    【0093】さらに、パンチとダイの機械の設定は、熟練した技術者によって行われたとしてもしばしばやっかいでエラーを伴うものであり、また、被覆されていない金属シートの短い製造運転時間を考慮すると、被覆されていない缶が所望の数だけ生産される前に、パンチとダイの機械が完全に設定されて、安定し、そしてほぼ理想的な状態になるのに十分なほどには実際の製品製造時間は長くないかもしれない。 このようなことから、被覆されていない缶を製造するとき、装置の故障が取り除かれて適当に作動するのに十分な長い時間がない場合には、
    製造操作条件が設定されるのには一定の苦心を伴う。

    【0094】さらに、そのような設定は熟練を要するものであって精密科学ではないので、予備めっきされた缶に代わって既に設定されたものの中断は、予備めっきされた缶のための操業を再び行うときに、そのための再設定を行う際にやっかいなことやエラーを伴う困難を引き起こすかもしれない。

    【0095】従って、予備めっきされた缶と被覆されていない缶の両者を製造する組合わさった生産ラインは、
    そのラインが予備めっきされた缶から被覆されていない缶へ、そして被覆されていない缶から予備めっきされた缶へ切り替えられるたびに、中断と混乱を引き起こすと予想される。 従って、製造運転はそのような各々の切り替えにおいて頻繁に中断され、混乱を引き起こす。 低いレベルおよび中程度のレベルの製品は、被覆されておらず後にめっきされる缶から製造されるものだけが利益を得るかもしれないが、高いレベルの製品を考えるとき、
    予備めっきされる缶に伴う多くの利点は、それが可能な限りいつでも使用されることを示唆する。

    【0096】図6を参照すれば、そこに示された本発明の二重にめっきされた缶は、予備めっきされた缶から後めっきされた缶への切り替えに伴う非効率さを含めて、
    従来の予備めっきされた缶と従来の後めっきされた缶の使用に伴う幾つかの欠点を実質的に解決する。 さらに図6を参照すれば、そこには図2と図3に示された通常の予備めっきされた缶構造がある。 すなわち、鋼のコア層(60)は各々の缶のサイズに伴う通常の厚さを有する。
    ニッケルの予備めっき層(62、64)は、各々の缶のサイズのための各々の予備めっき層に伴う通常の厚さを有する。

    【0097】例えば、図6に示すように、鋼の層(60)
    の厚さは0.00455インチ(0.116mm)である。
    ニッケルの層(62、64)の各々の厚さは75マイクロインチ(0.002mm)である。 従って、この点までは、
    缶の寸法は所望のサイズの対応する予備めっきされた缶のものと同じである。

    【0098】従来のそして公知の層(60)(62)および(64)に加えて、本発明においては缶の寸法成形が完了した後に、好ましくは缶の全体がニッケルまたはその他の腐食抑制材料からなる二重被覆層(72)で被覆されている。

    【0099】図示されているように、好ましい二重被覆層は層(62)と(64)の全体を覆っている。 さらに、二重被覆層(72)は、そうでなければ鋼が切断された端部(68)で露出している鋼の端部(70)において、さらには空気孔(44)において鋼の層(60)の露出した端部において、鋼の層(60)の上にあってこれに直接接触している。

    【0100】一般に、二重被覆層(72)として付加されたいかなる量のニッケルも、これがなければ露出している鋼の端部の腐食を抑制する利点を与える手段を提供する。 ある程度までは、二重被覆層(72)の厚さが大きいほど、腐食抑制効果は大きい。 得られる効果は小さくなるけれども、20マイクロインチ(0.0005mm)未満の厚さの被覆であっても、ある環境における腐食の抑制にある程度の改善を与える。 層(72)の厚さは20マイクロインチ(0.0005mm)〜約100マイクロインチ(0.0025mm)であるのが好ましい。 この範囲において、二重被覆層は鋼の端部(70)と空気孔における鋼の端部において腐食を抑制するのに概ね効果的である。 20マイクロインチ(0.0005mm)未満では腐食の保護は限られていて、従って、何らかの有効な利点があるのでなければ、この範囲は好ましくない。 100
    マイクロインチ(0.0025mm)よりも大きな厚さにおいては、組み立て機械の設定をかなり変更することなしには、そのような缶を用いて電池を組み立てる際に製造上の困難に遭遇するだろう。

    【0101】本発明の利点は、予備めっきされた缶を製造するために、パンチとダイの操作によって予備めっきされた金属シートだけを製造することである。 得られる予備めっきされた缶は、湿度の低い環境において用いる電池を製造するために普通に用いられる。 湿度の高い環境における使用が想定される場合、予備めっきされた缶は、電池を組み立てるのに缶が用いられる前に、ここで教示されるようにして二重めっきされる。 従って、本発明の二重めっきされた缶は、めっきされていないシート材料をパンチとダイの操作によって何ら扱うことなく、
    製造することができる。

    【0102】

    【実施例】本発明の予備めっきされ、そして二重被覆された缶は次のようにして製造される。 Ni/鋼/Niの層を有する典型的な予備めっきされた金属シートが、通常の予備めっきされた缶を製造するための寸法成形機械(例えばパンチとダイ)によって処理される。 そのようにして製造された予備めっきされた缶は、低い湿度および/または中程度の湿度の環境において用いるための予備めっきされた電池を製造するために、所望に応じて用いられる。 必要に応じて、適当な二重被覆層(72)が、
    溶液めっきプロセスを用いて、予備めっきされた缶の部分の表面全体の上に付加される。 二重被覆の厚さは、缶がめっき溶液中にある時間を制御することによって、概ね制御することができる。

    【0103】缶の底壁と側壁の厚さが、与えられたサイズの電池のために用いられる缶の対応する予備めっきされた底壁と側壁の厚さよりも大きい限りにおいて、二重被覆層(72)の厚さは缶の電池への組み立てに影響する。 すなわち、電池の組み立てプロセスにおいては、二重被覆層のいかなる厚さであっても異状のものである。
    二重被覆層(72)の厚さが適当に小さく維持され得る限りにおいて、あるいは層(72)の厚さが相殺され得る場合、電池の組み立てプロセスに対する異状はそれぞれ減じられる。 従って、層(72)の厚さは、非常に苛酷な腐食環境においてある程度の腐食感受性を許容するかもしれない腐食保護の所望のレベルを達成するのに必要な程度にするべきである。

    【0104】あるいは、異状なものは、後に二重被覆プロセスに供される缶を製造するために用いられる金属シートにおけるニッケル層(62、64)の厚さを幾分減少させることによって幾分緩和することができる。

    【0105】すなわち、二重被覆層をかなり厚く、例えば500マイクロインチ(0.013mm)以上にすることができるけれども、そして、そのような層は優れた耐腐食性を与えるであろうけれども、効率的な電池の組み立てと組み合わせて、腐食保護の適当なレベルのバランスは、後めっきによる層(72)がかなり薄い場合に達成される。 すなわち、20マイクロインチ(0.0005m
    m)程度の薄い層が、いくつかの用途に許容される一定量の耐腐食性を与える。 約30マイクロインチ(0.0
    008mm)が厚さの好ましい下限値である。 約40マイクロインチ(0.001mm)〜約100マイクロインチ(0.0025mm)が層(72)の厚さの好ましい範囲であり、特に層(72)が無電解めっきによって付着される場合にそうである。

    【0106】上述の範囲の厚さ、特に、例えば35マイクロインチ(0.0009mm)、45マイクロインチ(0.0011mm)、および50マイクロインチ(0.0
    013mm)のような低い値は全て許容できる厚さであるが、これらの厚さの間の値も同様である。 もっと大きな厚さ、例えば60マイクロインチ(0.0015mm)、
    70マイクロインチ(0.0018mm)、76マイクロインチ(0.0019mm)、80マイクロインチ(0.0
    020mm)、または90マイクロインチ(0.0023m
    m)、およびこれらの間の全ての厚さも、ある組み立てプロセスにおいては許容される。

    【0107】ここで用いられる、寸法成形された予備めっき缶の適当な二重無電解ニッケルめっきは、Technica
    l Plating Inc.(Brooklyn Park、ミネソタ州)から入手できる。

    【0108】すなわち、二重被覆に由来する(予備めっきの上の)正味の厚さの追加がある場合、また、高いレベルの耐腐食性を有する電池の短い運転による製造のための電池組み立て製造ラインの設定を変更しないという要望に鑑みて、使用環境の耐腐食性の要求を満足しつつ、二重被覆層(72)は現実的な薄さであるべきである。 従って、層(72)のために選択される厚さは、適当な耐腐食性を与えることと、その一方で、電池の組み立てにおける効率を維持し、そのためには層(72)としては上述の好ましい範囲においてより小さい厚さが推奨される、という競合する要求をバランスさせるものである。 すなわち、より大きな厚さはより良好な腐食保護を与え、より小さな厚さは電池の効率的な組み立てを維持するのに望ましい。

    【0109】層(72)はあらゆる公知の溶液被覆プロセスによって付加することができ、それには、全ての種類の電気めっきプロセスと全ての種類の無電解めっきプロセスがある。 公知の電気めっきプロセスと無電解めっきプロセスの特性がわかっているとき、二重被覆層(72)
    を与えるための好ましいプロセスは無電解めっきプロセスであり、これは、鋼の層(60)の切断された端部において、例えば空気孔(44)と側壁(37)の頂部において、付着材料の特に好ましい厚さを与える。

    【0110】本発明の可能な開示、および本発明の製法と用法を説明してきたが、以下の説明は本発明に典型的に由来するさらなる利点を例証する。 表1は、従来の予備めっきされた缶、従来の後めっきされた缶、および本発明の二重めっきされた缶を用いて製造された電池の代表的な比較特性を示す。 そこでわかるように、本発明の二重めっきされた缶で製造された電池によれば試験された全てのカテゴリーにおいて望ましい特性が得られ、一方、予備めっきされた缶と後めっきされた缶の各々で製造された電池においては少なくとも一つの望ましくない特性が得られている。

    【0111】

    【表1】

    【0112】本発明の二重めっきされた缶のさらなる利点を以下で説明する。 8時間の電池組み立て時間当りの非稼働時間は、後めっきされた缶についてよりも二重めっきされた缶についての方が短い。 電池のアセンブリでのインピーダンス上の不合格率の代表的な比較は、後めっきされた缶についてよりも二重めっきされた缶についての方が小さい。

    【0113】本発明の缶に寸法成形するための金属ストリップとして用いるのに適した材料には、ニッケルめっきした鋼がある。 鋼の層は、例えば、冷間圧延した鋼、
    冷間圧延した軟鋼、またはステンレス鋼である。 その他の鋼も、適当な成形可能性と組合わさって適当な強度を示す限りにおいて、所望により用いることができる。 ニッケル層(62、64)は、鋼のコア層の上にクラッドすることができ、あるいは好ましくはめっきすることができる。 めっきした層は、任意に、鋼の層に拡散結合される。 金属ストリップを製造するプロセスには、金属シートを焼なましする工程も含めることができる。 金属ストリップはまた、圧縮圧延されるのが好ましい。 圧縮圧延加工によって金属シートは硬化する。 圧縮圧延はまた、
    金属シートに圧縮圧延による表面特性をも付与する。 すなわち、得られる予備めっきされた金属シートに改善された表面特性を付与するために、めっきされた層の表面に特有の滑らかさ、均一さ、その他の類似の物理特性が、予備めっきされた金属シートにおいて適当に変性される。 後めっきされた被覆としてコア層の全体の上に腐食保護を与えることはできるが、表面特性において上述の機械的特性を付与する機会は、一般に、缶を寸法成形した後の後めっき環境においては得られない。

    【0114】それに対して、本発明の二重めっき環境においては、缶の表面領域の主要部、実際には缶の表面領域の大部分は、予備めっきされた保護金属めっき層(6
    2、64)によって良好に保護され、切断された端部(6
    8)だけは腐食に対して感受性があるが、この切断された端部(68)は、少なくとも部分的には、二重被覆層(72)によって良好に保護される。

    【0115】ニッケル層(62、64)は好ましくは概ね純粋なニッケルである。 しかし、ニッケルを含有する組み合わせ材料組成も予備めっき層(62、64)として許容され、そのような材料には、INCONEL(ニッケルのINCO合金で非磁性合金)、および、少量の合金元素を含有する純ニッケル(NICKEL200、およびNICKEL200の関連の群(例えばNICKEL201))があり、これらは全て Huntingt
    on Alloys(INCOの支社、Huntington、米国ウェストバージニア州)から入手できる。 幾つかの貴金属も、二重被覆層(72)としてめっきやクラッドによって用いることができ、例えば金、銀、白金、パラジウム、などがある。

    【0116】当業者であれば、本発明の範囲内で、上述の実施態様に関連して開示された装置と方法に特定の修正を加えることができることが理解されよう。 また、本発明を好ましい実施態様に関連させて説明したが、本発明には多くの変更と代替を加えることができることが理解され、そのような変更と代替の全ては特許請求の範囲内のものである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の二重めっきされたカソード缶を用いて製造された典型的なボタン電池を示す断面図である。

    【図2】先行技術の予備めっきされたカソード缶の断面図である。

    【図3】図2における破線の円で示す部分の拡大断面図である。

    【図4】先行技術の後めっきされたカソード缶の断面図である。

    【図5】図4における破線の円で示す部分の拡大断面図である。

    【図6】本発明の二重めっきされたカソード缶の断面図である。

    ─────────────────────────────────────────────────────

    【手続補正書】

    【提出日】平成12年4月27日(2000.4.2
    7)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】全図

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図3】

    【図5】

    【図1】

    【図2】

    【図4】

    【図6】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596061557 601 Rayovac Drive, M adison, Wisconsin 53711, United States of America (72)発明者 ジョン・クロード・スプリングステッド アメリカ合衆国ウィスコンシン州53560, マゾマニー,ウィンドフラワー・リッジ 18 (72)発明者 デーヴィッド・マシュー・アーマー アメリカ合衆国ウィスコンシン州53711, フィッチバーグ,ペンブローク・ドライブ 5754

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