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Magneto-optical recording medium

阅读:1035发布:2020-10-24

专利汇可以提供Magneto-optical recording medium专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To suppress the reduction of the quantity of signals (carrier level) due to the reduction of magneto-optical effect and the lowering of the sensitivity of a photodetector caused by shortening the wavelength of laser light in a magneto-optical recording and reproducing method using violaceous laser light and to consequently suppress the lowering of the carrier to noise ratio (C-N ratio) and the increase of jitter.
SOLUTION: In a magneto-optical recording medium which attains magnetic ultra-resolution reproduction, has at least a reproducing layer 1 and a recording layer 3 and uses violaceous laser light of about 350-450 nm wavelength in at least the reproduction, a 1st dielectric film situated on the laser light incident side of the reproducing layer 1 is formed by laminating a titanium oxide film and a silicon nitride film.
COPYRIGHT: (C)2001,JPO,下面是Magneto-optical recording medium专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 少なくとも再生層と記録層とを有し、青紫色レーザによって磁気超解像再生がなされる光磁気記録媒体であって、 上記再生層の、上記青紫色レーザの入射側に配置される誘電体膜が、上記再生層側に窒化シリコン膜が配置された、該窒化シリコン膜とチタンオキサイド膜との積層構造とされたことを特徴とする光磁気記録媒体。
  • 【請求項2】 上記チタンオキサイド膜の厚さ23nm
    に対して窒化シリコン膜の厚さを2nm以上7nm以下としたことを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、磁気光学効果を利用してレーザ光により情報の再生を行う光磁気記録媒体、特に再生層と記録層とを有して成り、レーザ光として特に青紫色レーザすなわち350nm〜450nmのレーザ光による磁気超解像再生がなされる光磁気記録媒体に係わる。

    【0002】

    【従来の技術】書き換え可能な高密度光記録方法として、レーザ光の熱エネルギーを用いて、光磁気記録媒体の磁性層を部分的にキュリー温度または補償温度を超えて昇温し、この部分の保磁を減少もしくは消滅させ、
    例えば外部から印加される記録磁界の方向に磁化の向きを反転させることによって情報磁区の形成、すなわち情報の記録を行うことを基本原理とするものがある。

    【0003】この光磁気記録媒体は、例えばポリカーボネート(PC)から成る透明基板の一主面に、例えば窒化シリコンあるいは窒化アルミニウムによる誘電体層と、例えば希土類−遷移金属合金非晶質膜より成り膜面と垂直方向に磁化容易軸を有し優れた磁気光学効果特性を有する記録磁性層と、例えば窒化シリコンあるいは窒化アルミニウムによる誘電体層と、例えばアルミニウム、金、銀より成る反射層と、例えば紫外線硬化型樹脂よりなる保護層とが順次積層された構成とされる。

    【0004】この光磁気記録媒体に対して、例えばその透明基板側から、上述したレーザの照射がなされ、磁性層に対する上述した情報磁区の形成、すなわち情報の記録がなされ、その再生に当たっては、同様に、透明基板側から再生レーザ光を照射して、上述した磁性層における情報磁区による磁気光学効果例えばカー効果による偏光面の回転を検出することによって記録情報の再生を行う。

    【0005】ところで、光磁気記録媒体に限らず、デジタルオーディオや、デジタルビデオディスクなどの光ディスクにおいても、線記録密度は主として再生時のS/
    Nによって決められており、また再生信号の信号量は、
    記録されている信号のビット列の周期と再生光学系のレーザ波長、対物レンズの開口数に依存する。 すなわち、
    再生光学系のレーザ波長λと、対物レンズの開口数N.
    A. によって決まる光学的な検出限界すなわち光の回折限界によってビット周期fが決まる。 すなわち、光学的な検出限界ビット周期fは、f=λ/(2N.A.)である。

    【0006】したがって、光磁気記録媒体において、高密度化を図るためには、再生光学系のレーザ波長λを短くし、対物レンズの開口数N. A. を大きくする必要がある。 しかしながら、現在の技術ではレーザ光の波長λ
    や、対物レンズの開口数N. A. の改善には限度がある。 レーザ波長として青紫色レーザ光、すなわち350
    nm〜450nmのレーザ光を得ることのできる半導体レーザ、例えばGaN半導体レーザによる波長400n
    m近傍のレーザが実現されており、一方、例えば樹脂モールドによる対物レンズにおいては、N. A. が0.7
    程度である。

    【0007】そこで、光磁気記録媒体構成や、記録、再生方法に関して多くの研究、開発、提案がなされている。 例えば記録方法については、情報マークを記録する際、記録するマークの有無で情報を記録するいわゆるマークポジション記録方式によるものではなく、記録するマークの長さを変化させることで、そのエッジ部分に情報を持たせ線記録密度を上げる記録方式いわゆるマーク長記録方式が提案されている。

    【0008】また、例えば記録方法において、磁界変調記録で記録する際、記録するレーザ光を連続的に照射せずに、その波形を記録外部磁界の位相に合わせて、パルス状に照射することにより、トラック方向の不要な拡大を防ぎ、隣接したトラックへの書き込み、消去においていわゆるクロスライト、クロスイレーズを改善し、トラック記録密度を上げる記録方式、すなわちレーザパルス照射磁界変調記録方式が提案されている。

    【0009】一方、再生方法として多くの磁気超解像再生方法が提案されている。 この磁気超解像再生方法においては、特に少なくとも再生層と記録層とを有する光磁気記録媒体が用いられ、高保磁力を有する記録層に記録された情報を再生層に転写する過程を有し、再生層に対するレーザ光の照射によって再生層における磁気光学効果によって偏光面の回転を得てこれを検出することによって記録情報の再生を行うものであり、この場合、その再生レーザ光のスポット内における再生層の温度分布を利用して、スポット内に位置する再生層において記録情報の一部を浮きだすとか、消滅させて、1つのスポット内で例えば1つの情報磁区を限定的に読み出すようにして、上述した光学的検出限界ビット周期以下で、その再生を可能にするものである。

    【0010】例えば特開平1−143041号公報、特開平1−143042号公報に開示されているものであり、これらの磁気超解像再生方法における光磁気記録媒体は、室温で互いに磁気的結合がなされた再生層、中間層、記録層を有し、再生時において再生レーザ光のスポット内で加熱された再生層の記録磁区を温度の高い部分で拡大、あるいは縮小、または反転させることにより、
    再生時の情報マーク間の干渉を減少させ、光の回折限界以下の周期の再生を可能にすることで線記録密度、トラック記録密度を高めるいわゆる磁気超解像再生方法が提案されている。

    【0011】また、磁気超解像再生として、例えば特許第2839783号の再生方法を基本とする、すなわち再生レーザ光のスポットの中央部の記録ビット(記録磁区)のみを読み出すようになされたいわゆる中央検出型磁気超解像再生(Center Aperture Detection-Magnetic
    Super Resolution:以下CAD−MSRと略称する)が提案されている。

    【0012】従来のこのCAD−MSR再生方法に用いられる光磁気記録媒体は、例えば図10にその概略断面図を示すように、例えばポリカーボネートなどよりなる透明基板10上に、順次第1の誘電体膜5、再生層1、
    再生補助層2、中間非磁性層4、記録層3、第2の誘電体層6、熱制御層7が形成され、表面を覆って保護層8
    が形成されて成る。

    【0013】その基本構成および動作は、図11にその模式的断面図を示すように、再生層1、再生補助層2、
    非磁性中間層(切断層)4、記録層3とを有して成るものであり、再生層1および再生補助層2は面内磁気異方性を有する磁性層によって構成され、記録層3は、垂直磁気異方性を有する磁性層によって構成され、中間非磁性層4は非磁性材層によって構成される。

    【0014】記録層3には、記録信号に応じて記録された記録マークM、すなわち情報磁区が形成(記録)される。 図11において、白抜き矢印は磁化の向きを模式的に示したものである。

    【0015】この光磁気記録媒体に対するCAD−MS
    R再生方法による記録の読み出し、すなわち再生は、再生レーザ光Lを、光学レンズ系、すなわち対物レンズ1
    1を通じて光磁気記録媒体に照射することによってなされ、このレーザ光の照射によって生じた昇温部Iにおいて、再生補助層2の磁化を消失させ、此処に再生窓Wいわゆるアパーチャを形成し、この再生窓Wを通じて、再生層1が記録層3と磁気結合し、記録マークMが再生層1に転写され、この転写記録マークによって再生レーザ光にカー回転を生じさせ、その戻り光のカー回転角を検出することによって記録信号の読み出しを行うものである。

    【0016】

    【発明が解決しようとする課題】上述したような各種磁気超解像再生において、波長が350nm〜450nm
    程度の青紫色レーザ光を用いて、その光の回折限界を低めてその再生を行う場合、従来一般の波長が600nm
    〜800nm程度の赤色レーザ光を用いる磁気超解像再生の2倍以上の記録面密度を得ることができる。

    【0017】しかしながら、従来の光磁気記録媒体として用いられている希土類−遷移金属磁性膜は、例えばT
    bFeCoや、GdFeCo等の合金非晶質薄膜は、上述した350nm〜450nm程度の波長の青紫色光領域で、光磁気記録媒体の信号量(キャリアレベル)に比例する磁気光学効果であるカー回転角もしくはファラデー回転角が減少することが知られている。

    【0018】また、同時に従来用いられてきた例えば再生光の検出を行うSiフォトディテクタは、この350
    nm〜450nm程度の波長領域で、その量子効率が低下し、記録媒体に記録された磁化情報から得られた光学情報を電気信号に変換する際の信号量(キャリアレベル)も減少することが知られている。

    【0019】したがって、上述したように、波長が35
    0nm〜450nm程度の青紫色レーザ光を用いた光磁気記録再生方法による場合、レーザ光の短波長化による光学的検出限界の向上による利点がある反面、レーザ光の短波長化に伴う磁気光学効果の減少とフォトディテクタ感度の減少による信号量(キャリアレベル)の減少、
    したがって、キャリアとノイズの比(C/N)の低下、
    ジッタの増加という不利益が生じるという問題がある。

    【0020】本発明による光磁気記録媒体は、この問題を効果的に改善することができるものである。

    【0021】

    【課題を解決するための手段】すなわち、本発明においては、磁気超解像再生がなされる、すなわち、少なくとも再生層と記録層とを有し、更に少なくともこの再生において波長が350nm〜450nm程度の青紫色レーザ光を用いる光磁気記録媒体にあって、その再生層の、
    レーザ光の入射側に配置される誘電体膜(以下第1の誘電体膜という)が、チタンオキサイド膜と窒化シリコン膜との積層による構造とする。

    【0022】このように、本発明においては、その第1
    の誘電体膜を、チタンオキサイド(TiO)膜と窒化シリコン(SiN)膜との積層構造とするものであるが、
    磁性層側に窒化シリコン(SiN)膜が配置された構成とする。

    【0023】すなわち、本発明においては、第1の誘電体膜を、チタンオキサイド膜と窒化シリコン膜との積層構造とすることにより、上述の青紫色レーザを用いる場合においてもC/N、ジッタの改善が図られ、更に光磁気記録媒体の性能指数√R×θk(Rは反射率、θkはカー回転角)の改善が図られ、更に、光磁気記録媒体の特性の安定性を図ることができることを見い出したことによってなされたものである。

    【0024】

    【発明の実施の形態】本発明による光磁気記録媒体は、
    少なくとも再生層と記録層と第1の誘電体膜とを有する光磁気記録媒体であって、磁気超解像再生方法を基本原理とするものの、その再生もしくは記録再生が、特に青紫色レーザ(すなわち350nm〜450nm程度によってなされるという新しい方法に適用される光磁気記録媒体である。

    【0025】上述した本発明光磁気記録媒体が適用される磁気超解像再生の基本原理としては、前述したCAD
    −MSRを始めとして、そのほか、例えば特開平9−1
    71643号公報等に記載された前方検出型磁気超解像再生(Front Aperture Detection-Magnetic Super Reso
    lution: 以下FAD−MSRと略称する)や、例えば特開平3−93058号公報等に記載された後方検出型磁気超解像再生(Rear Aperture Detection-Magnetic Sup
    er Resolution:以下RAD−MSRと略称する)や、例えば特開平6−290496号公報等に記載された磁壁移動検出光磁気記録再生(Domain Wall Displacement D
    etection: 以下DWDDと略称する)や、例えば特開平8−7350号公報に記載された磁壁拡大検出光磁気記録再生(MAMMOS)等が挙げられる。 これら磁気超解像再生方法においては、少なくとも再生層と記録層とを有する光磁気記録媒体が用いられるものであり、その記録層の記録ビットを再生層に転写する過程を有する。

    【0026】本発明による光磁気記録媒体は、第1の誘電体膜を、チタンオキサイド(TiO)膜と窒化シリコン(SiN)膜とが積層された構成とし、磁性層側、すなわち再生層側に窒化シリコン(SiN)膜が配置された構成とする。

    【0027】この光磁気記録媒体に対する情報の記録は、従来の光磁気記録媒体に対する通常の記録方法および光磁気記録装置によって行うことができる。 例えば光変調記録あるいは磁界変調記録によって行うことができる。

    【0028】本発明による一実施形態は、CAD−MS
    Rにおいて、特にその波長が350nm〜450nmの青紫色レーザによる再生がなされる光磁気記録媒体である。 このCAD−MSRによる再生方法については、図11で説明した通りであるが、本発明による光磁気記録媒体が用いられるCAD−MSRは、レーザ光Lが、上述したように、特にその波長が350nm〜450nm
    の青紫色レーザ光による。

    【0029】図1は、本発明による光磁気記録媒体の一例の概略断面図を示す。 この光磁気記録媒体は、例えばCAD−MSRによる再生方法に用いられるものであるが、言うまでもなく本発明はこれらの構造に限られるものではない。 図1に示す例においては、例えばポリカーボネートよりなる透明基板10上に、順次第1の誘電体膜5、再生層1、再生補助層2、中間非磁性層4、記録層3、第2の誘電体層6、熱制御層7が形成され、表面を覆って保護層8が形成されて成る。

    【0030】 そして、第1の誘電体膜5は、基板10
    上にチタンオキサイド膜51が被着形成され、その上に窒化シリコン膜52が形成されて成る。 このように、本発明における光磁気記録媒体においては、その第1の誘電体膜5をチタンオキサイド膜51と窒化シリコン膜5
    2との積層構造とするものであるが、その特性について説明する。

    【0031】まず、チタンオキサイド膜に関しては、その屈折率nと、消光係数κの波長依存性は、図2に示す通りで、このチタンオキサイド膜の消光係数κは、波長が800nm〜350nm付近まで殆どゼロであることから、透明性にすぐれた材料であることが分かる。 したがって、本発明で対象とする350nm〜450nm程度の青紫色レーザでの光磁気記録媒体における透明で屈折率の高い誘電体膜としては、使用可能と考えられる。
    例えば波長400nmでの屈折率nは2.65であり、
    消光係数κは0である。

    【0032】一方、窒化シリコン膜に関しての、屈折率nと、消光係数κの波長依存性は、図3に示す通りで、
    これについても800nm〜350nm付近でその消光係数κは殆どゼロであることから、透明性を有する誘電体膜として用いることが可能で、本発明で対象とする3
    50nm〜450nm程度の青紫色レーザでの光磁気記録媒体における誘電体膜として使用可能と考えられる。
    例えば波長400nmでの屈折率nは2.08であり、
    消光係数κは0である。

    【0033】図4は、第1の誘電体膜を、窒化シリコン膜の単層構造とした場合の、光磁気記録媒体のカー回転角θkと反射率Rの膜厚依存性を示したものである。 この場合の、光磁気記録媒体構成は、図5にその概略断面図に示すように、上述の透明基板10上に、窒化シリコン膜による単層の第1の誘電体膜5を形成し、この上に順次厚さ40nmのGdFeCoによる再生層1、厚さ5nmのAlによる中間非磁性層4、厚さ60nmのT
    bFeCoによる記録層3、厚さ20nmの窒化シリコン膜による第2の誘電体膜6、厚さ30nmのAlによる熱制御層7を形成した場合である。 そして、この場合、消光係数κは0とし、再生レーザ光の波長は400
    nm、透明基板10の屈折率は1.58とした。 また、
    このときの光磁気記録媒体の性能指数√R×θk(Rは反射率、θkはカー回転角)は、SiNの膜厚が35n
    mでピークとなり、その値は、R=14%、θk=0.
    65°で、性能指数√R×θkは0.243である。

    【0034】また、図6は、図5で示したと同様の構成によるものの、その第1の誘電体膜5をチタンオキサイド膜TiO 2の単層構造とした場合の光磁気記録媒体のカー回転角θkと反射率Rの、TiO 2の膜厚との関係を示すものである。 この場合は、性能指数√R×θk
    は、TiO 2の膜厚が23nmでピークとなり、その値は、R=4%、θk=1.3°で、性能指数√R×θk
    は0.260である。

    【0035】上述した結果によれば、波長が400nm
    の青紫色レーザによる光磁気記録再生における光磁気記録媒体の構成は、第1の誘電体膜をチタンオキサイド膜によって構成すれば、高い性能指数√R×θkが得られることになる。 ところが、第1の誘電体膜をチタンオキサイド膜によって構成する場合、磁性層、図5においては、再生層1が、酸化物のチタンオキサイドに接触することによって磁性層を構成する例えばTbFeCo膜や、GdFeCo膜による希土類−遷移金属非晶質が酸化され、本来有する磁気カー効果を減少、もしくは消滅させ、性能低下を来すことを見出した。

    【0036】そこで、本発明構成においては、上述したように、磁性層側においては、これに対して反応することがない化学的に安定な窒化シリコン膜を配置し、この窒化シリコン膜と、チタンオキサイド膜との積層によって例えば図1で示した第1の誘電体膜5を構成する。

    【0037】このようにして、本発明においては、チタンオキサイド膜が直接磁性層に接触することがない構成とし、かつ、窒化シリコン膜のみを使用した場合に比しては、性能指数√R×θkが高い性能指数を実現できる構成とすることができる。

    【0038】図7は、本発明構成の一例の概略断面図を示すもので、この例においては、第1の誘電体膜5の構成以外は、図5と同様の構成とした場合で、図7において、図5と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。 そして、この例では、その第1の誘電体膜5をレーザ光の入射側とされる透明基板10側にチタンオキサイドTiO 2膜51を厚さ37nmで形成し、その上に、すなわち再生層1と接触する側に、窒化シリコンSiN膜52を形成した場合である。 この場合の、上述したと同様に、波長400nmの青紫色レーザ光を用い、透明基板10の屈折率を1.58、消光係数κが0
    の場合の、SiNの膜厚によるカー回転角θkと反射率Rの変化、すなわちTiO 2膜とSiN膜との干渉効果は、図8に示すようになり、この場合、TiO 2膜が厚さ37nmにおいて、SiN膜の厚さが83nmで、R
    =2%、カー回転角θk=1.85°となり、その性能指数√R×θkは最も高い0.262となり、前述したTiO 2膜、あるいはSiN膜の各単層による誘電体膜5を構成する場合に比し、性能指数√R×θkの改善が図られている。

    【0039】しかしながら、この例では、第1の誘電体膜5の全体の厚さが、TiO 2膜51の厚さ37nm
    と、SiN膜52の厚さ83nmとの和の、120nm
    にもなることから、余り好ましくない。 例えば第1の誘電体膜5の厚さが余り厚くなると基板10に形成したトラック溝等の形状をなだらかにしてしまうような形状変化を来し、再生特性を劣化させるなどの不都合が生じる。 そこで、図7の構成において、TiO 2膜の厚さを図6で説明した高い性能指数√R×θkを示す厚さ23
    nmとする。 そして、この構成において、同様の干渉効果をみると、図9に示すようになり、この場合、SiN
    の膜厚が、9nmのとき、R=14.0%で、θk=
    0.59°で、性能指数√R×θkは0.221となり、SiNの膜厚が、6nmのとき、R=9.5%で、
    θk=0.77°で、性能指数√R×θkは0.237
    となり、SiNの膜厚が、3nmのとき、R=6.1%
    で、θk=1.04°で、性能指数√R×θkは0.2
    57となり、SiNの膜厚が、0nmのとき、R=4.
    3%で、θk=1.29°で、性能指数√R×θkは0.268となる。 そして、図9からSiNの膜厚は、
    TiO 2の膜厚を23nmに設定するとき、2nm〜7
    nmが高い性能指数√R×θkを示すことが分かる。

    【0040】次に、本発明による光磁気記録媒体の実施例を挙げて説明するが、この実施例についても、これらに限られるものではない。 〔実施例1〕この実施例においては、直径120mm、
    厚さ0.6mmを有し、トラック溝が形成されトラックピッチが0.35μmとされたポリカーボネートより成る透明基板10を用い、これに図1で説明したように、
    順次第1の誘電体膜5、再生層1、再生補助層2、中間非磁性層4、記録層3、第2の誘電体層6、熱制御層7
    が形成され、表面を覆って保護層8を形成した。 そして、この場合、図示しないが、記録層3を第1、第2および第3の3層の磁性膜によって構成した。

    【0041】先ず、スパッタリング装置の真空チャンバ内に、チタンオキサイドターゲットを取付け、基板ホルダーに透明基板10を装着し、1×10 -5 [Pa] 以下の高真空になるまで真空チャンバ内をクライオポンプで真空排気した。 真空チャンバ内に、真空排気しながらAr
    ガスと酸素ガスとをそれぞれ50 [sccm] と30 [scc
    m] をもって導入し、チャンバ内の圧力が0.24 [Pa]
    となるまでメインバルブを調整した後、チタンオキサイドターゲットから、高周波(RF)反応性スパッタリングにより基板10上に、第1の誘電体膜5を構成するチタンオキサイド膜51を厚さ23nmに成膜した。

    【0042】次に、別途用意した2つの真空チャンバを有するマグネトロンスパッタリング装置の第1の真空チャンバ内に、Si,Tb,Gd,FeCo,Fe,Al
    の各ターゲットを取付け、上述した透明基板10を基板ホルダーに装着し、1×10 -5 [Pa] 以下の高真空になるまで真空チャンバ内をクライオポンプで真空排気した。

    【0043】第1の真空チャンバ内に、真空排気しながらArガスとN 2ガスとをそれぞれ50 [sccm] と30
    [sccm] とをもって導入し、チャンバ内の圧力が0.2
    4 [Pa] となるまでメインバルブを調整した後、Siターゲットの高周波(RF)反応性スパッタリングにより、チタンオキサイド膜51上に、厚さ3nmに窒化シリコン膜52を成膜して第1の誘電体膜5を形成した。

    【0044】次いで、ArガスとN 2ガスの導入バルブを閉じ、基板ホルダーを第1の真空チャンバから、第2
    の真空チャンバに移動させた。 その後、この第2の真空チャンバ内を1×10 -5 [Pa] 以下の高真空になるまでクライオポンプで真空排気した。 第2の真空チャンバ内に、真空排気しながらArガスを100 [sccm] をもって導入し、チャンバ内の圧力が0.12 [Pa] となるまでメインバルブを調整した後、更に第1の誘電体膜5上に、順次連続直流スパッタリングにより、それぞれ厚さ30nmのGdFeCoによる再生層1、厚さ8nmのGdFeによる再生補助膜2、厚さ4nmのAlによる中間非磁性層4、続いて記録層3を構成する厚さ10n
    mのGdFeCoによる第1の磁性膜、厚さ30nmのTbFeCoによる第2の磁性膜、厚さ30nmのTb
    FeCoによる第3の磁性膜を成膜した。

    【0045】次いで、Arガスの導入バルブを閉じ、基板ホルダーを第2真空チャンバから第1の真空チャンバに移動させた。 その後、この第1の真空チャンバ内で、
    1×10 -5 [Pa] 以下の高真空になるまでクライオポンプで真空排気した。

    【0046】そして、第1のチャンバ内に、真空排気しながらArガスとN 2ガスとをそれぞれ50 [sccm] と30 [sccm] とをもって導入し、チャンバ内の圧力が0.24 [Pa] となるまでメインバルブを調整した後、
    SiターゲットのRF反応性スパッタリングにより、透明基板10上に窒化シリコン膜を厚さ20nmに成膜して第2の誘電体膜6を形成した。

    【0047】次いで、ArガスとN 2ガスの導入バルブを閉じ、第1の真空チャンバ内を1×10 -5 [Pa] 以下の高真空になるまでクライオポンプで真空排気した。

    【0048】そして、第1の真空チャンバ内に、真空排気しながらArガスを100 [sccm] で導入し、チャンバ内の圧力が0.23 [Pa] となるまでメインバルブを調整した後、第2の誘電体膜6上に、厚さ40nmのA
    lによる熱制御層7をスパッタリングにより成膜した。
    尚、各層の組成は、各ターゲットに印加するパワーを選定することに選定した

    【0049】その後、これら成膜がなされた透明基板1
    0を、真空チャンバから取出し、Alによる熱制御層7
    を保護する保護膜8を、紫外線硬化樹脂の塗布および紫外線照射による硬化を行って20μmの厚さに形成した。

    【0050】このようにして、光磁気記録媒体を作製した。 この場合、再生層1のGdFeCo膜の組成は、室温で面内磁化を示し、150℃以上で垂直磁化を示す光磁気記録膜で、そのキュリー温度が350℃となるように調整した。 再生補助層2のGdFe膜の組成は、室温からキュリー温度まで遷移金属優勢組成の面内磁化膜で、そのキュリー温度が150℃となるように調整した。 記録層3の第1の磁性膜のGdFeCo膜の組成は、室温からキュリー温度まで遷移金属優勢組成の垂直磁化膜で、そのキュリー温度が300℃となるように調整した。 記録層3の第2の磁性膜のTbFeCo膜の組成は、室温からキュリー温度まで遷移金属優勢組成の垂直磁化膜で、そのキュリー温度が280℃となるように調整した。 記録層3の第3の磁性膜のTbFeCo膜の組成は、室温からキュリー温度まで遷移金属優勢組成の垂直磁化膜で、そのキュリー温度が300℃となるように調整した。 この構成による光磁気記録媒体を光ディスク番号1とする。

    【0051】〔実施例2〕実施例1と同様の方法および構成によるものの、その第1の誘電体膜5の窒化シリコン膜の厚さを6nmとした。 この光磁気記録媒体を光ディスク番号2とする。

    【0052】〔比較例1〕実施例1と同様の方法および構成によるものの、その第1の誘電体膜5の窒化シリコン膜の厚さを9nmとした。 この光磁気記録媒体を光ディスク番号3とする。

    【0053】〔比較例2〕実施例1と同様の方法および構成によるものの、その第1の誘電体膜5の窒化シリコン膜の厚さを0nm、すなわちこの窒化シリコン膜の形成を行わなかった。 この光磁気記録媒体を光ディスク番号4とする。

    【0054】〔比較例3〕実施例1と同様の方法および構成によるものの、その第1の誘電体膜5を、厚さ35
    nmの窒化シリコン膜のみによって形成した。 この光磁気記録媒体を光ディスク番号5とする。

    【0055】これら光ディスク番号1〜5について、再生特性としてC/N、ジッタ、再生パワーマージンの測定結果を表1に示す。 この測定は、CAD−MSRによる再生方法によった。 そして対物レンズの開口数N.
    A. は0.6、再生レーザ光の波長は、406nmとした。 また、その記録は、発光レーザ波形をパルス状にしたパルス照射磁界変調記録による記録を行い、このときのパルス波形のデューティはシステムクロック周期時間の35%とした。 また、光ディスクの線速度は、3.7
    m/s、外部記録磁界は350〔Oe〕とした。 また、再生時の外部磁界は印加せずに測定した。 そして、このような条件の下で、0.25μmと1.0μmのマーク長の記録を行った場合のキャリアレベルとノイズレベルの比(C/N)と、ビット長0.19μmの(1.7)R
    LLで変調されたランダムパターンを記録した際のジッタを測定した。

    【0056】

    【表1】

    【0057】表1によっても、前述した誘電体膜としてSiN膜52の厚さを、2nm〜7nmの範囲内の実施例1および2による光ディスク番号1および2において、C/Nおよびジッタの改善が図られている。

    【0058】尚、本発明による光磁気記録媒体は、上述した例に限られるものではなく、例えば再生層1、再生補助層2、記録層3等において種々の構成を採るなど、
    種々の変形変更を行うことができる。

    【0059】また、上述した形態では、CAD−MSR
    による磁気超解像再生を行う場合であるが、記録層の記録マークを再生層に転写する過程を有する磁気超解像再生、例えばFAD−MSR、RAD−MSR、DWD
    D、MAMMOS等に適用される光磁気記録媒体に適用して同様の効果を奏することができるものであり、この場合において、少なくとも再生層と記録層とを有する構成とするものの、各層の構成は種々の変更がなされ得る。

    【0060】

    【発明の効果】上述したように、本発明によれば、波長が350nm〜450nm程度の青紫色レーザによる磁気超解像再生を行う光磁気記録媒体において、その誘電体膜、特に光入射側の第1の誘電体膜をチタンオキサイド膜と窒化シリコン膜との積層構造とし、磁性層側に、
    磁性層と反応しない窒化シリコン膜を配置した構成としたことにより、安定した特性を有し、性能指数√R×θ
    kにすぐれ、C/N、ジッタの改善を効果的に図ることができた。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明による光磁気記録媒体の一例の概略断面図である。

    【図2】本発明の説明に供するTiO 2の屈折率nおよび消光係数κの波長依存性特性図である。

    【図3】本発明の説明に供するSi 34の屈折率nおよび消光係数κの波長依存性特性図である。

    【図4】本発明の説明に供するSi 34による第1の誘電体膜を用いた光磁気記録媒体の干渉効果を示すSi
    34の膜厚に対するカー回転角θkと、反射率Rを示す図である。

    【図5】図4の特性を示す光磁気記録媒体の構成図である。

    【図6】本発明の説明に供するTiO 2による第1の誘電体膜を用いた光磁気記録媒体の干渉効果を示すTiO
    2の膜厚に対するカー回転角θkと、反射率Rを示す図である。

    【図7】本発明による光磁気記録媒体の他の例の概略断面図である。

    【図8】本発明による光磁気記録媒体の一例の干渉効果を示すSi 34の膜厚に対するカー回転角θkと、反射率Rを示す図である。

    【図9】本発明による光磁気記録媒体の他の例の干渉効果を示すSi 34の膜厚に対するカー回転角θkと、
    反射率Rを示す図である。

    【図10】光磁気記録媒体の比較例の概略断面図である。

    【図11】磁気超解像再生方法の一例の説明図である。

    【符号の説明】

    1・・・再生層、2・・・再生補助層、3・・・記録層、4・・・非磁性中間層、5・・・第1の誘電体層、
    6・・・第2の誘電体層、7・・・熱制御層、8・・・
    保護層、10・・・透明基板、11・・・対物レンズ、
    51・・・チタンオキサイド膜、52・・・窒化シリコン膜

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 真達 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D075 EE03 FF13 FG03 FG04

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