首页 / 专利库 / 资料储存系统 / 随机存取存储器 / 磁阻随机存取存储器 / 磁隧道结 / Magneto-resistance effect head, magneto-resistance detection system incorporating the same, and magnetic storage system incorporating the same

Magneto-resistance effect head, magneto-resistance detection system incorporating the same, and magnetic storage system incorporating the same

阅读:274发布:2021-09-16

专利汇可以提供Magneto-resistance effect head, magneto-resistance detection system incorporating the same, and magnetic storage system incorporating the same专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To allow a yield of a head to be improved by setting resistance values in end portions of a ferromagnetic tunneling junction film to be smaller than that in the center portion of the film. SOLUTION: As a lower electrode layer, a single element or a multi-layered film or a mixture made of Au, Ag, Cu, Mo, W, Y, Ti, Zr, Hf, V, Nb, Pt, and Ta. A single-layer film or a mixture film or a multi-layered film made of a metal, an oxide, and a nitride is made as an underlying film. As a free layer, an alloy or an amorphous magnetic material such as NiFe, CoFe, NiFeCo, FeCo, CoFeB or the like can be used. As a barrier layer, an oxide, a nitride, or a mixture of an oxide and a nitride, or a metal/oxide two-layered film, a metal/nitride two-layered film, or a metal/(a mixture of an oxide and a nitride) two-layered film is used. As a fixing film, an alloy or an amorphous magnetic material such as NiFe, CoFe, NiFeCo, FeCo, CoFeB or the like is used. As a layer to be fixed, FeMn, NiMn or the like is used.,下面是Magneto-resistance effect head, magneto-resistance detection system incorporating the same, and magnetic storage system incorporating the same专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 フリー層/バリア層/固定層を基本構成とする強磁性トンネル接合膜を用いた磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜端部の抵抗値が膜中央部よりも小さいことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項2】 請求項1記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜のABS面側端部もしくはABS
    面と反対側の端部のフリー層と固定層との間に抵抗値が膜中央部よりも小さいことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項3】 フリー層/バリア層/固定層を基本構成とする強磁性トンネル接合膜を用いた磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜端部のフリー層と固定層との間に膜中央部よりも抵抗の小さい電流経路を付加したことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項4】 請求項3記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜のABS面側端部もしくはABS
    面と反対側の端部のフリー層と固定層との間に膜中央部よりも抵抗の小さい電流経路を付加したことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項5】 フリー層/バリア層/固定層を基本構成とする強磁性トンネル接合膜を用いた磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜端部のフリー層と固定層との間の放電臨界電圧が膜中央部よりも低いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項6】 請求項5記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜のABS面側端部もしくはABS
    面と反対側の端部のフリー層と固定層との間の放電臨界電圧が膜中央部よりも低いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項7】 請求項1、2、5及び6のいずれかに記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜の端部のバリア層厚さが中央部のバリア層厚さよりも薄いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項8】 請求項1、2、5及び6のいずれかに記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜の端部においてフリー層と固定層との間隔が、膜中央部におけるフリー層と固定層との間隔と比較して小さいことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項9】 フリー層/バリア層/固定層を基本構成とする強磁性トンネル接合膜を用いた磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜端部のフリー層と固定層との間に膜中央部よりも放電臨界電圧の低い電流経路を付加したことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項10】 請求項9記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜のABS面側端部もしくはA
    BS面と反対側の端部のフリー層と固定層との間に膜中央部よりも放電臨界電圧の低い電流経路を付加したことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項11】 請求項9または10に記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜の端部のフリー層もしくは固定層もしくは両方にに付着物を設けることにより、フリー層と固定層に付着した付着物、フリー層に付着した付着物と固定層、もしくはフリー層に付着した付着物と固定層に付着した付着物との間隔が、膜中央部におけるフリー層と固定層との間隔と比較して小さいことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項12】 請求項9から11のいずれかに記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、フリー層/バリア層/固定層を基本構成とする強磁性トンネル接合膜をパターン化する際、バリア層より下部までパターン化し、それにより強磁性トンネル接合素子端部に再付着物を形成させたことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項13】 請求項9から12のいずれかに記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、フリー層/バリア層/固定層を基本構成とする強磁性トンネル接合膜をパターン化する際、バリア層より下部までパターン化し、それにより強磁性トンネル接合素子端部に再付着物を形成させ、さらにミリングにより再付着物の量の最適化を図ったことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  • 【請求項14】 請求項1から11のいずれかに記載の磁気抵抗効果センサと、磁気抵抗センサを通る電流を生じる手段と、検出される磁界の関数として前記記磁気抵抗センサの抵抗率変化を検出する手段とを備えた磁気抵抗検出システム。
  • 【請求項15】 データ記録のための複数個のトラックを有する磁気記憶媒体と、磁気記憶媒体上にデータを記憶させるための磁気記録システムと、請求項 14に記載の磁気抵抗検出システムと、磁気記録システムおよび磁気抵抗検出システムを前記磁気記憶媒体の選択されたトラックへ移動させるために、磁気記録システム及び磁気抵抗変換システムとに結合されたアクチュエータ手段
    を備えた磁気記憶システム。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、磁気媒体に記録した情報信号を読み取るための磁気センサに関し、特に磁気抵抗効果ヘッド及びそのヘッドを備えた磁気抵抗検出システム並びにそのヘッドを備えた磁気記憶システムに関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来技術では、磁気抵抗(MR)センサまたはヘッドと呼ばれる磁気読み取り変換器が開示されており、これは、大きな線形密度磁性表面からデータを読み取れることがわかっている。 MRセンサは、読み取り素子によって感知される磁束の強さと方向の関数としての抵抗変化を介して磁界信号を検出する。 こうした従来技術のMRセンサは、読み取り素子の抵抗の1成分が磁化方向と素子中を流れる感知電流の方向の間の度の余弦の2乗に比例して変化する、異方性磁気抵抗(A
    MR)効果に基づいて動作する。 AMR効果のより詳しい説明は、D.A.トムプソン(Thompson)等の論文"Memory, Storage, and Related Applications" IE
    EE Trans.on Mag. MAG-11, p.1039 (1975)に出ている。
    AMR効果を用いた磁気ヘッドではバルクハウゼンノイズを押えるために縦バイアスを印加することが多いが、
    この縦バイアス印加材料として、FeMn、NiMn、
    ニッケル酸化物などの反強磁性材料を用いる場合がある。

    【0003】さらに最近には、積層磁気センサの抵抗変化が、非磁性層を介する磁性層間での伝導電子のスピン依存性伝送、及びそれに付随する層界面でのスピン依存性散乱に帰される、より顕著な磁気抵抗効果が記載されている。 この磁気抵抗効果は、「巨大磁気抵抗効果」や「スピン・バルブ効果」など様々な名称で呼ばれている。 このような磁気抵抗センサは適当な材料で出来ており、AMR効果を利用するセンサで観察されるよりも、
    感度が改善され、抵抗変化が大きい。 この種のMRセンサでは、非磁性層で分離された1対の強磁性体層の間の平面内抵抗が、2つの層の磁化方向間の角度の余弦に比例して変化する。

    【0004】特開平2−61572号には,磁性層内の磁化の反平行整列によって生じる高いMR変化をもたらす積層磁性構造が記載されている。 積層構造で使用可能な材料として,上記明細書には強磁性の遷移金属及び合金が挙げられている。 また、中間層により分離している少なくとも2層の強磁性層の一方に固定させる層を付加した構造および固定させる層としてFeMnが適当であることが開示されている。

    【0005】特開平4-103014号には、強磁性に他の中間層を挿入して多層膜とした強磁性トンネル接合素子において、少なくとも一層の強磁性層に反強磁性体からのバイアス磁界が印加されていることを特徴とする強磁性トンネル効果膜についての記載がある。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】強磁性トンネル接合膜
    (MTJ膜)を用いたシールド型磁気抵抗効果素子は、フリー層/バリア層/固定層を基本構成としているが、バリア層が絶縁層であり、フリー層及び固定層が金属層であるために、フリー層/バリア層/固定層部がちょうどコンデンサーのように働き電荷がフリー層及び固定層にたまりやすいという不都合があった。 このため、製造工程においてフリー層と固定層との間に電荷がたまりすぎると、バリア層の両端面に大きな電圧が印加されてしまい、放電によりバリア層が破壊されてしまうことが多かった。 MTJ素子が抵抗変化を起こすのは、絶縁層両端での強磁性体の分極によるものであるため、このような絶縁破壊が生じ、電流のバイパス経路が形成されると、素子にほとんど抵抗変化が生じなくなる。

    【0007】MTJを用いた記録再生ヘッドの作成手順の概略を以下に示す。 下シールド形成→下ギャップ形成→下電極形成→MTJ膜形成→縦バイアス形成→上電極形成→上ギャップ形成→
    共通ポール形成→ヨーク形成→コイル形成→絶縁体形成→上ポール形成→端子形成→ABS面ラッピング。 この際、下シールド、下ギャップ、下電極形成、MTJ
    膜、縦バイアス形成、上電極、上ギャップ、共通ポール、ヨーク、コイル、絶縁体、上ポール形成工程の多くの場合に、フォトレジスト(PR)形成工程が用いられる。 この際に、PRのプリベーク、ポジネガ反転ベーク、ポストベーク等のベーキングが行われるが、この作業は高温乾燥雰囲気中で行われるので、静電気が発生しやすかった。 MTJ膜形成以降での静電気の発生は即バリア層の静電破壊につながった。 また、上記工程のいくつかにおいてはPR形成後のミリングが行われるが、ミリング時のイオン発生によりMTJのフリー層及び固定層がチャージアップし、バリア層の静電破壊が生じることがあった。 このように、作成中に発生する電荷により、MT
    J膜のバリア層が破壊され、そのために上記作成手順をすべて終了したときには、ヘッドの歩留まりが大きく低下しているという問題があった。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】フリー層/バリア層/固定層を基本構成とする強磁性トンネル接合膜を用いた磁気抵抗効果ヘッドにおいて、強磁性トンネル接合膜端部の抵抗値が膜中央部よりも小さくする。 さらには、強磁性トンネル接合膜のABS面側端部もしくはABS面と反対側の端部のフリー層と固定層との間に抵抗値が膜中央部よりも小さくする。 さらには、強磁性トンネル接合膜端部のフリー層と固定層との間に膜中央部よりも抵抗の小さい電流経路を付加する。 さらには、強磁性トンネル接合膜のABS面側端部もしくはABS面と反対側の端部のフリー層と固定層との間に膜中央部よりも抵抗の小さい電流経路を付加する。 さらには、強磁性トンネル接合膜端部のフリー層と固定層との間の放電臨界電圧が膜中央部よりも低くする。 さらには、強磁性トンネル接合膜のABS面側端部もしくはABS面と反対側の端部のフリー層と固定層との間の放電臨界電圧が膜中央部よりも低くする。 さらには、強磁性トンネル接合膜の端部のバリア層厚さが中央部のバリア層厚さよりも薄くする。 さらには、強磁性トンネル接合膜の端部においてフリー層と固定層との間隔が、膜中央部におけるフリー層と固定層との間隔と比較して小さくする。 さらには、強磁性トンネル接合膜端部のフリー層と固定層との間に膜中央部よりも放電臨界電圧の低い電流経路を付加する。 さらには、強磁性トンネル接合膜のABS面側端部もしくはABS面と反対側の端部のフリー層と固定層との間に膜中央部よりも放電臨界電圧の低い電流経路を付加する。 さらには、強磁性トンネル接合膜の端部のフリー層もしくは固定層もしくは両方にに付着物を設けることにより、フリー層と固定層に付着した付着物、フリー層に付着した付着物と固定層、
    もしくはフリー層に付着した付着物と固定層に付着した付着物との間隔が、膜中央部におけるフリー層と固定層との間隔と比較して小さくする。

    【0009】以上の構造は、ヘッド出に影響しない部分に過電流のバイパス経路を形成させ、ヘッドにおいてバリア層を介してフリー層と固定層との間に過電圧がかかった場合に、過電流がそのバイパス経路を流れることにより、バリア層のうちフリー層の感磁部に接している部分が過電流の通過により破壊されるのを防ぐ。 ヘッド出力に影響しない部分の抵抗を他の領域より小さくするか、その領域の絶縁耐圧を他の領域より小さくしておけば、そこが過電流のバイパス経路となる。 強磁性トンネル接合膜の端部特にABS面のごく近傍や、ABS面と反対側の端部などはもともとヘッドの出力への寄与が小さいので、バリア層が多少破壊されても問題はない。 強磁性トンネル膜の端部外側に導電性の付着層を設けて、そこを過電流のバイパス経路にしても効果は同じである。

    【0010】

    【発明の実施の形態】図1は本発明を適用可能な代表的なヘッドの再生部をABS面に平行に切断した場合の断面図である。 この構成では、図では省略してあるが、まず基体上に下シールドが形成される。 下シールドは適当な形状にパターン化されている。 下シールド上には下ギャップ層が形成され、さらにその上に下電極層が形成される。 下電極層は適当な形状にパターン化されている。 その上にフリー層およびバリア層が積層される。 バリア層上の左右の縦バイアス層の間の部分に、固定層/固定する層/第1上電極が積層されこれらは図のようにパターン化される。 第1上電極は省略することも可能である。
    パターン化された固定層/固定する層/第1上電極の左右には絶縁層が配置される。 さらにその上に第2上電極および上ギャップ層が積層される。 第2上電極は適当な形状にパターン化されている。 図中には示してないがその上には上シールドが形成され、さらにその上部には記録ヘッド部が形成される。 フリー層/バリア層/固定層/固定する層の部分が強磁性トンネル接合膜である。
    この構造では、仮に図中の上電極から下電極へ電流を流したとすると、電流は第2上電極から第1上電極、固定させる層、固定層、バリア層、フリー層を通過し、下電極層へと流れる。 この際、縦バイアス層は電流の流れ方に関与することはない。 また、縦バイアス層はフリー層上に直接積層されているので、その縦バイアスはフリー層に十分印加されることになる。 したがって、この構造を用いることにより、強磁性トンネル接合部をセンス電流がきちんと流れることと、フリー層に縦バイアスをきちんと印加することとを両立することができる。

    【0011】下ギャップ及び上ギャップは省略し、下シールド上に少なくともその一部が接するように直接下電極を形成したり、上電極上に少なくともその一部が接するように、上シールドを形成することも可能である。 フリー層に接する下層部に下地層を、反強磁性層上に接するように上部層を設けることもできる。

    【0012】図2は本発明が適用可能なもう1つの代表的なヘッドの再生部をABS面に平行に切ったときの断面図である。 この構成では、基体上に下シールドが形成され、適当な形状にパターン化される。 その上に下電極が形成され、適当な形状にパターン化される。 その上に、
    反強磁性層、固定層およびバリア層が順次積層される。
    その上に図のようにパターン化されたフリー層を積層する。 図中では示されていないが、反強磁性層、固定層及びバリア層は適当な形状にパターン化される。 フリー層の左右には絶縁層および縦バイアス層がその端部がフリー層に接するように配置されている。 さらにその上部には上電極層が形成され、適当な形状にパターン化される。

    【0013】その上部に上ギャップ及びパターン化された上シールド層が積層される。 固定する層/固定層/バリア層/フリー層の部分が強磁性トンネル接合膜である。 この構造では、仮に図中の上電極から下電極へ電流を流したとすると、電流は上電極からフリー層、バリア層、固定層、固定させる層を順次通過し、下電極層へと流れる。 この際、縦バイアス層は絶縁層およびバリア層により固定層以下の層と電気的に絶縁されているので、
    電流の流れ方に関与することはない。 また、縦バイアス層はフリー層に接しているので、その縦バイアスはフリー層に十分印加されることになる。 したがって、この構造を用いることにより、強磁性トンネル接合部をセンス電流がきちんと流れることと、フリー層に縦バイアスをきちんと印加することを両立することができる。

    【0014】下ギャップおよび上ギャップは省略し、下シールド上に少なくともその一部が接するように直接下電極を形成したり、上電極上に少なくともその一部が接するように、上シールドを形成することも可能である。
    フリー層に接する下層部に下地層を、反強磁性層上に接するように上部層を設けることもできる。 また、ここでは強磁性トンネル接合膜のうちフリー層のみをパターン化した場合について示したが、少なくともフリー層がパターン化されていればよく、それ以下の部分はどこまでパターン化するかは適宜選択することができる。 縦バイアスに酸化物材料を用いた場合は、それ自体が絶縁材料なので図中でその下部に位置している絶縁層を省略することもできる。

    【0015】次に、図1及び図2に示した2つの構成を
    ABS面に垂直に切断した場合の断面図を示す。 この際の切断面は図1及び図2中に示してある。 この場合の断面図は図1、図2ともにほぼ同じ構成になる。 基体上には下シールドが形成され、適当な形状にパターン化される。 その上に下ギャップ及びパターン化された下電極が形成される。 その上のABS面側にはMTJ素子及び上電極1
    が形成され、残りの部分には絶縁層が形成される。 上電極1は省略することもできる。 その上の、MTJ素子、上電極1からややABS面側と反対側には絶縁厚付け層が形成される。 上電極と下電極との間で十分な絶縁性が確保できる場合は厚付け層は省略することができる。 その上部のABS面側には上電極1と接するように上電極2が配置される。 図では上電極2の一部が厚付け層に乗り上げているが必ずしもその必要はない。 その上にはさらに上ギャップおよび上シールドが形成される。 上シールドは適当な形状にパターン化される。 また、ここでは強磁性トンネル接合膜のうちの全部をパターン化した場合について示したが、どこまでパターン化するかは適宜選択することができる。 パターン化を途中で止めた場合は絶縁層下部に強磁性トンネル接合膜の残りの部分が存在することになる。

    【0016】図3の図中に記述した拡大部分の例(従来例1)を図4に示す。 本図は図1に対応した図であり図2の場合は別の構造になる。 下電極層上に下地層、フリー層、バリア層、固定層、固定させる層、第1上電極層が順次積層されている。 ここではABS面と反対側において、下地層、フリー層、バリア層、固定層、固定させる層、第1上電極層のすべてがパターン化された場合について示したが、固定層、固定させる層、第1上電極層がパターン化されていれば良く、それ以下の層がどこまでパターン化されているかは適宜選択することができる。
    下地層及び第1上電極層は省略することができる。 固定させる層の上部には上部層を設けることもできる。

    【0017】図3の図中に記述した拡大部分のもう一つの例(従来例2)を図5に示す。 本図は図1に対応した図である。 下電極層上に下地層、フリー層、バリア層、固定層、固定させる層、第1上電極層が順次積層されている。 ここではABS面と反対側において、固定層、固定させる層、第1上電極層がパターン化された場合について示したが、固定層、固定させる層、第1上電極層がパターン化されていれば良く、それ以下の層がどこまでパターン化されているかは適宜選択することができる。 下地層及び第1上電極層は省略することができる。 固定させる層の上部には上部層を設けることもできる。

    【0018】以下、図6の構造をベースに本発明の適用例を示す。 図7は本発明の適用例を示すところの、素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 バリア層のうちABS面に近い部分の膜厚が薄くなっている。 これによりフリー層と固定層との間に印加される電圧がある一定値を越えると、バリア層の先端部分でフリー層と固定層との間の放電が生じる。 ここの部分はもともとラッピング工程によりダメージを受けていることの多い部分であり、微少放電によりさらにダメージを受けても特性劣化にはつながりにくい部分である。 バリア層はABS面近傍で必ずしも一様に膜厚が薄くなっている必要はなく、部分的に薄くてもかまわない。 薄い部分のフリー層と固定層との間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、フリー層と固定層とは直接接触していてもかまわない。

    【0019】図8は本発明の適用例を示すところの、素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 ABS面に近い部分のバリア層が欠損しており、その部分でフリー層と固定層との間隔が狭くなっている。 これによりフリー層と固定層との間に印加される電圧がある一定値を越えると、間隔が狭くなっている先端部分でフリー層と固定層との間の放電が生じる。 ここの部分はもともとバリア層が無かった部分であるので、微少放電によりバリア層がダメージを受けることはなく、したがって特性劣化にはつながりにくい。 フリー層と固定層との間隔はAB
    S面近傍で必ずしも一様に膜厚が薄くなっている必要はなく、部分的に薄くてもかまわない。 バリア層が欠損している部分のフリー層と固定層との間の電気伝導度が、
    バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、フリー層と固定層とは直接接触していてもかまわない。

    【0020】図9は本発明の適用例を示すところの、素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 この例では、ABS面の外側に固定層とは電気的に接触していて、フリー層には電気的に絶縁であり、フリー層と固定層との間隔よりはフリー層との間隔が狭くなるように、
    導電体が接続もしくは付着している例である。 これにより、フリー層と固定層との電位差がある一定値を越えると、フリー層と導電体先端部との間で放電が生じる。 この部分はバリア層が無い部分なので出力には関係なく、
    特性劣化にはつながりにくい。 フリー層と導電体先端部との間隔はABS面近傍で必ずしも一様になっている必要はなく、部分的に狭くてもかまわない。 導体先端部とフリー層との間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、導体先端部とフリー層とは直接接触していてもかまわない。

    【0021】図10は本発明の適用例を示すところの、
    素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 この例では、ABS面の外側にフリー層とは電気的に接触していて、固定層には電気的に絶縁であり、フリー層と固定層との間隔よりは固定層との間隔が狭くなるように、導電体が接続もしくは付着している例である。 これにより、フリー層と固定層との電位差がある一定値を越えると、固定層と導電体先端部との間で放電が生じる。 この部分はバリア層が無い部分なので出力には関係なく、特性劣化にはつながりにくい。 固定層と導電体先端部との間隔はABS面近傍で必ずしも一様になっている必要はなく、部分的に狭くてもかまわない。 導体先端部と固定層との間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、
    導体先端部と固定層とは直接接触していてもかまわない。

    【0022】図11は本発明の適用例を示すところの、
    素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 この例では、ABS面の外側にフリー層とは電気的に接触していて、固定層には電気的に絶縁である第1の導電体と、
    固定層とは電気的に接触していて、フリー層には電気的に絶縁である第2の導電体とが接続もしくは付着していで、両者の間隔がフリー層と固定層との間隔よりも小さい例である。 これにより、フリー層と固定層との電位差がある一定値を越えると、2つの導電体先端部の間で放電が生じる。 この部分はバリア層が無い部分なので出力には関係なく、特性劣化にはつながりにくい。 2つの導電体先端部の間隔はABS面近傍で必ずしも一様になっている必要はなく、部分的に狭くてもかまわない。 2つの導体先端部の間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、2つの導体先端部は直接接触していてもかまわない。 している。

    【0023】図12は本発明の適用例を示すところの、
    素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 バリア層のうちABS面と反対側の端面に近い部分の膜厚が薄くなっている。 これによりフリー層と固定層との間に印加される電圧がある一定値を越えると、バリア層の先端部分でフリー層と固定層との間の放電が生じる。 ここの部分はもともと媒体からの漏れ磁界の入り込む量が少ない部分であり、微少放電によりさらにダメージを受けても特性劣化にはつながりにくい部分である。 バリア層は
    ABS面と反対側端面近傍で必ずしも一様に膜厚が薄くなっている必要はなく、部分的に薄くてもかまわない。 薄い部分のフリー層と固定層との間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、フリー層と固定層とは直接接触していてもかまわない。

    【0024】図13は本発明の適用例を示すところの、
    素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 ABS
    面と反対側の端面に近い部分のバリア層が欠損しており、その部分でフリー層と固定層との間隔が狭くなっている。 これによりフリー層と固定層との間に印加される電圧がある一定値を越えると、間隔が狭くなっている先端部分でフリー層と固定層との間の放電が生じる。 ここの部分はもともとバリア層が無かった部分であるので、
    微少放電によりバリア層がダメージを受けることはなく、したがって特性劣化にはつながりにくい。 フリー層と固定層との間隔はABS面と反対側端面近傍で必ずしも一様に膜厚が薄くなっている必要はなく、部分的に薄くてもかまわない。 バリア層が欠損している部分のフリー層と固定層との間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、フリー層と固定層とは直接接触していてもかまわない。

    【0025】図14は本発明の適用例を示すところの、
    素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 この例では、ABS面と反対側端面の外側に固定層とは電気的に接触していて、フリー層には電気的に絶縁であり、フリー層と固定層との間隔よりはフリー層との間隔が狭くなるように、導電体が接続もしくは付着している例である。 これにより、フリー層と固定層との電位差がある一定値を越えると、フリー層と導電体先端部との間で放電が生じる。 この部分はバリア層が無い部分なので出力には関係なく、特性劣化にはつながりにくい。 フリー層と導電体先端部との間隔はABS面と反対側端面近傍で必ずしも一様になっている必要はなく、部分的に狭くてもかまわない。 導体先端部とフリー層との間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、導体先端部とフリー層とは直接接触していてもかまわない。

    【0026】図15は本発明の適用例を示すところの、
    素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 この例では、ABS面と反対側端面の外側にフリー層とは電気的に接触していて、固定層には電気的に絶縁であり、フリー層と固定層との間隔よりは固定層との間隔が狭くなるように、導電体が接続もしくは付着している例である。 これにより、フリー層と固定層との電位差がある一定値を越えると、固定層と導電体先端部との間で放電が生じる。 この部分はバリア層が無い部分なので出力には関係なく、特性劣化にはつながりにくい。 固定層と導電体先端部との間隔はABS面と反対側端面近傍で必ずしも一様になっている必要はなく、部分的に狭くてもかまわない。 導体先端部と固定層との間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、導体先端部と固定層とは直接接触していてもかまわない。

    【0027】図16は本発明の適用例を示すところの、
    素子のABS面に垂直方向の断面構造概念図である。 この例では、ABS面と反対側端面の外側にフリー層とは電気的に接触していて、固定層には電気的に絶縁である第1
    の導電体と、固定層とは電気的に接触していて、フリー層には電気的に絶縁である第2の導電体とが接続もしくは付着していで、両者の間隔がフリー層と固定層との間隔よりも小さい例である。 これにより、フリー層と固定層との電位差がある一定値を越えると、2つの導電体先端部の間で放電が生じる。 この部分はバリア層が無い部分なので出力には関係なく、特性劣化にはつながりにくい。 2つの導電体先端部の間隔はABS面と反対側端面近傍で必ずしも一様になっている必要はなく、部分的に狭くてもかまわない。 2つの導体先端部の間の電気伝導度が、バリア層全体を通してのフリー層と固定層との電気伝導度と比較して十分小さければ、2つの導体先端部は直接接触していてもかまわない。

    【0028】図2の構造の場合は、図4から図16に相当する図は、層構成が下から下電極層/下地層/固定させる層/固定層/バリア層/フリー層/第1上電極層になるが、バリア層を介しての固定層とフリー層との関係は上下が逆転するだけで図4から図16の場合と同様であるので、本発明は全く同様に適用することができる。

    【0029】以下にそれぞれの構造の詳細、および作成手順の代表的な例について記述する。 また、記録再生ヘッドへの適用例についても記述する。 最初に構造を構成する要素の詳細について述べる。 各層を構成する要素としては以下の材料が有力な候補となる。

    【0030】基体としては、アルチック、SiC、アルミナ、アルチック/アルミナ、SiC/アルミナが有力な候補となる。

    【0031】下シールド層としては、NiFe、CoZ
    r、またはCoFeB、CoZrMo、CoZrNb、
    CoZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoT
    aHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、
    CoTaZrNb、CoZrMoNi合金、FeAlS
    i、窒化鉄系材料、MnZnフェライト、NiZnフェライト、MgZnフェライトからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0032】下電極としては、Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、
    Ti、Zr、Hf、V、Nb、Pt、Taからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0033】界面制御層としては、Al酸化物,Si酸化物,窒化アルミニウム,窒化シリコン,ダイヤモンドライクカーボン、Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、Ti、Zr、Hf、
    V、Pt、Nb、Taからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0034】上電極層としては、Au、Ag、Cu、Mo、W、
    Y、Pt、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taからなる単体、多層膜、
    および混合物が有力な候補となる。

    【0035】上シールド層としては、NiFe、CoZ
    r、またはCoFeB、CoZrMo、CoZrNb、
    CoZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoT
    aHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、
    CoTaZrNb、CoZrMoNi合金、FeAlS
    i、窒化鉄系材料、MnZnフェライト、NiZnフェライト、MgZnフェライトからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0036】絶縁層としては、Al酸化物、Si酸化物、
    窒化アルミニウム、窒化シリコン、ダイヤモンドライクカーボンからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0037】下ギャップ層としては、Al酸化物、Si酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコン、ダイヤモンドライクカーボンからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0038】上ギャップ層としては、Al酸化物、Si酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコン、ダイヤモンドライクカーボンからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0039】上部層としては、Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、
    Ti、Pt、Zr、Hf、V、Nb、Taからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0040】縦バイアスとしては、CoCrPt、Co
    Cr、CoPt、CoCrTa、FeMn、NiMn、
    Ni酸化物、NiCo酸化物、Fe酸化物、NiFe酸化物、
    IrMn、PtMn、PtPdMn、ReMn、Coフェライト、Baフェライトからなる単体、多層膜、および混合物が有力な候補となる。

    【0041】磁気抵抗効果膜としては以下の構成のものを用いることができる。 基体/下地層/フリー層/第1MRエンハンス層/バリア層/第2MRエンハンス層/固定層/固定させる層/保護層。 基体/下地層/固定させる層/固定層/第1MRエンハンス層/バリア層/第2MRエンハンス層/フリー層/保護層。 基体/下地層/第1固定させる層/第1固定層/第1MR
    エンハンス層/バリア層/第2MRエンハンス層/フリー層/第3MRエンハンス層/バリア層/第4MRエンハンス層/第2固定層/第2固定させる層/保護層。 基体/下地層/固定層/第1MRエンハンス層/バリア層/第2MRエンハンス層/フリー層/保護層。 基体/下地層/フリー層/第1MRエンハンス層/バリア層/第2MRエンハンス層/固定層/保護層。

    【0042】下地層としては、金属、酸化物、窒化物からなる単層膜、混合物膜、または多層膜を用いる。 具体的には、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、P
    t、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、R
    h、Re、Au、Os、Pd、Nb、Vおよびこれらの材料の酸化物あるいは窒化物、からなる単層膜、混合物膜、または多層膜を用いる。 添加元素として、Ta、H
    f、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、
    Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、O
    s、Pd、Nb、Vを用いることもできる。 下地層は用いない場合もある。

    【0043】フリー層としては、NiFe、CoFe、
    NiFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrMo、
    CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoHf、C
    oTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、
    CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMoNi合金、またはアモルファス磁性材料を用いることができる。

    【0044】バリア層としては、酸化物、窒化物、酸化物と窒化物の混合物もしくは金属/酸化物2層膜、金属/窒化物2層膜、金属/(酸化物と窒化物との混合物)
    2層膜、を用いる。 Ti、V、Cr、Co、Cu、Z
    n、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、
    Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、A
    u、Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、Vの酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物、またはこれらとTi、V、Cr、Co、Cu、Zn、Y、Zr、N
    b、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、T
    a、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、Al、
    Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、Vの酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物との積層膜が有力な候補となる。

    【0045】第1および第2MRエンハンス層としてはC
    o、NiFeCo、FeCo等、またCoFeB、Co
    ZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZrTa、C
    oHf、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、Co
    ZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb、CoZr
    MoNi合金またはアモルファス磁性材料を用いる。 M
    Rエンハンス層を用いない場合は、用いた場合に比べて若干MR比が低下するが、用いない分だけ作製に要する工程数は低減する。

    【0046】固定層としては、NiFe、CoFe、N
    iFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrMo、C
    oZrNb、CoZr、CoZrTa、CoHf、Co
    Ta、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、C
    oHfPd、CoTaZrNb、CoZrMoNi合金またはアモルファス磁性材料を用いることができる。 または、これらと、Ti、V、Cr、Co、Cu、Zn、
    Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、A
    g、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
    Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、Vをベースとするグループからなる単体、合金、または積層膜とを、組み合わせた積層膜を用いることも可能である。
    Co/Ru/Co、CoFe/Ru/CoFe、CoFeNi/Ru/CoFeNi、Co/Cr/C
    o、CoFe/Cr/CoFe、CoFeNi/Cr/CoFeNiは有力な候補である。

    【0047】固定させる層としては、FeMn、NiM
    n、IrMn、RhMn、PtPdMn、ReMn、P
    tMn、PtCrMn、CrMn、CrAl、TbC
    o、Ni酸化物、Fe酸化物、Ni酸化物とCo酸化物の混合物、Ni酸化物とFe酸化物の混合物、Ni酸化物/Co酸化物2層膜、Ni酸化物/Fe酸化物2層膜、CoCr、CoCrPt、CoCrTa、PtCo
    などを用いることができる。 PtMnもしくはPtMnにT
    i、V、Cr、Co、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、M
    o、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、
    Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、Al、Ti、T
    aを添加した材料は有力な候補である。

    【0048】保護層としては、酸化物、窒化物、酸化物と窒化物の混合物もしくは金属/酸化物2層膜、金属/
    窒化物2層膜、金属/(酸化物と窒化物との混合物)2
    層膜、を用いる。 Ti、V、Cr、Co、Cu、Zn、
    Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、A
    g、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
    Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、Vの酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物、またはこれらとTi、V、Cr、Co、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、
    Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、
    W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、Al、T
    i、Ta、Pt、Ni、Co、Re、Vの酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物との席層膜が有力な候補となる。
    保護層は用いない場合もある。

    【0049】次に、図1及び図2に断面構造を示したヘッドの代表的な作成手順を示す。 まず最初にそれぞれの構成のヘッドの一般的な作成手順を示し、次に本発明を適用した部分の作成方法を示す。

    【0050】図17は図1に示した構造のヘッドの作成手順の例である。 基体上に下シールド、下電極を順次形成する。 その上にステンシルPRを形成し、縦バイアスを成膜した後にリフトオフする。 更に、強磁性トンネル接合(MTJ)膜、上電極を成膜した後に、PRを形成し、バリア層までミリングしたする。 絶縁層を成膜し、リフトオフした後に、下電極が露出するまで絶縁層部を穴あけし、上シールドを形成する。

    【0051】図18は図2に示した構造のヘッドの作成手順の例である。 基体上に下シールド、下電極、強磁性トンネル接合膜を順次形成する。 その上にステンシルPR
    を形成し、バリア層までミリングした後に、絶縁層および縦バイアス層を順次成膜し、リフトオフする。 更に、
    PRを形成し、絶縁層までミリングした後に、PRを除去する。 下電極が露出するまで絶縁層部を穴あけし、上シールドを形成する。

    【0052】次に、本発明の作成手順を、実際の試作に近い素子形状でより詳細に記述する(図19及び図2
    0)。 ここでは図1に相当する構造の場合を例に記述することにする。 工程1において、下シールドを成膜し、
    PR形成及びミリングまたはリフトオフにより図のような形状にパターン化する(図中太線で囲まれている範囲がこの工程でパターン化された範囲である。以下においても同じ。)。 その後、下ギャップおよび下電極を成膜する。 工程2において、PR形成及びミリングにより下電極を図のようにパターン化し、ハード膜をミリングする。 工程3において、リフトオフPRを形成し、下電極厚付け層を成膜し、リフトオフする。 工程4において、縦バイアス層パターン化のためのPRを形成し、図のような形状にミリングし、PRを除去した後にMTJ膜及び上電極層1を成膜する。 工程5において、MTJ膜パターン化のためのPRを形成し、MTJ膜をバリア層までミリングした後にPRを除去する。 工程6において、PRを形成し、バリア層、フリー層、下地層、絶縁層をミリングし、PRを除去する。 工程7において、上電極2リフトオフ用PRを形成し、上電極2を成膜した後に、リフトオフする。 工程8において、上電極厚付け層リフトオフ用PRを形成し、
    厚付け層を成膜した後にリフトオフする。 工程9において、絶縁厚付け層リフトオフ用用PRを形成し、厚付け層を成膜した後にリフトオフする。 工程10において、上ギャップ層を成膜し、電極穴開け用PRを形成し、電極が露出するまでミリングした後に、PRを除去する。 工程1
    1において、記録ヘッド部作成を作成する。 記録ヘッド部はどのような構成のものであってもかまわないので、
    図中では表示を省略してある。 次に、基体を適当な大きさに切断加工した後に、図に示したようにABS面が露出するまで基体ごと研磨をする。

    【0053】図には描かれていないが、この後装置として組みあがった状態でヘッド動作時に最適な飛行姿勢をとるようにABS面を適当な形状に加工し、サスペンションに組み込み、配線をした後に出荷する。 ここでは図1
    の構造の場合のみについて記述したが、図2の構造の場合もほぼ同様の工程で作成する事ができる。

    【0054】次に、図6から図16に示した本発明の適用例の実現の方法について説明する。 図6及び図7の構造は、MTJ膜成膜において、バリア層まで成膜した段階で成膜をいったんやめ、取り出した後にバリア層のABS
    端部を除いてPRでカバーし、先端部をミリングした後に、PRを除去する。 次にバリア層の上部にくる層を順次成膜する。

    【0055】図7の構造を実現するもう一つの方法には再生ヘッド部及び記録ヘッド部が一通り作成され、ABS
    面を決める研磨の段階で、研磨条件の最適化を図るという方法がある。 具体的には、MTJ膜面に平行に研磨すると、硬度は高いがもろいバリア層の部分はちょうど刃が欠けるようにして砕け、これによりフリー層及び固定層のみが残っている状態が実現する。 これは図7に示した構造と同じ構造である。 ただ、図7の構造を実現するためには、研磨方向以外にも研磨条件を図る必要がある。
    たとえば、ラッピングに用いる、研磨剤の種類、加重、
    ヘッドと研磨剤との相対スピード、温度が重要なパラメータとなる。

    【0056】図8から図10の構造は、たとえばミリング時の再付着を積極的に活用することにより実現することができる。 MTJ膜のパターニング工程において、バリア層より下部に位置する層までミリングすると、ミリングの際に放出された原子が端部に成膜される。 これを再付着層というがこの層の形状を図8から図10に示された構造にすることができる。 多くの場合は、図8から図1
    0の構造が混在していることが多いが効果は同じである。 再付着層の最適化は、パターンニングに用いるミリング装置の種類、ミリング角度、ミリングレート、ガス圧力、およびバリア層より下のどの層までミリングするかで行う。

    【0057】図12及び図13の構造は、MTJ膜成膜において、バリア層まで成膜した段階で成膜をいったんやめ、取り出した後にバリア層のABS面他反対側端部を除いてPRでカバーし、端部をミリングした後に、PRを除去する。 次に、バリア層の上部にくる層を順次成膜する。

    【0058】図14から図16の構造は、たとえばミリング時の再付着を積極的に活用することにより実現することができる。 MTJ膜のパターニング工程において、バリア層より下部に位置する層までミリングすると、ミリングの際に放出された原子が端部に成膜される。 これを再付着層というがこの層の形状を図14から図16に示された構造にすることができる。 多くの場合は、図14
    から図16の構造が混在していることが多いが効果は同じである。 再付着層の最適化は、パターンニングに用いるミリング装置の種類、ミリング角度、ミリングレート、ガス圧力、およびバリア層より下のどの層までミリングするかで行う。

    【0059】次に、本発明の記録再生ヘッド及び記録再生システムへの適用例を示す。 図21は本発明を適用した記録再生ヘッドの概念図である。 ヘッドは,基体42
    上に再生ヘッド45と、磁極43、コイル41、上磁極44からなる記録ヘッドとから形成されている。 この際上部シールド膜と下部磁性膜とを共通にしても、別に設けてもかまわない。 このヘッドにより,記録媒体上に信号を書き込み,また,記録媒体から信号を読み取るのである。 再生ヘッドの感知部分と,記録ヘッドの磁気ギャップはこのように同一スライダ上に重ねた位置に形成することで,同一トラックに同時に位置決めができる。 このヘッドをスライダに加工し,磁気記録再生装置に搭載した。

    【0060】図22は本発明の磁気抵抗効果素子を用いた磁気記録再生装置の概念図である。 ヘッドスライダーを兼ねる基板52上に、再生ヘッド51および記録ヘッド50を形成し,これを記録媒体53上に位置ぎめして再生を行う。 記録媒体53は回転し,ヘッドスライダーは記録媒体53の上を,0.2μm以下の高さ,あるいは接触状態で対抗して相対運動する。 この機構により,
    再生ヘッド51は記録媒体53に記録された磁気的信号を。 その漏れ磁界54から読み取ることのできる位置に設定されるのである。

    【0061】

    【実施例】(実施例1)図3の構造のヘッドを作成した。
    この際MTJ膜としては、/Ta(3nm)/Pt46Mn54(15nm)/Co90
    Fe10(2nm)/Ru(0.8nm)/Co90Fe10(2nm)/Al酸化物(0.7nm)/
    Co90Fe10(0.5nm) /Ni82Fe18(4nm)/Ta(3nm)を用いた。 膜形成後には250℃、5時間の熱処理を成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁界を印加しつつ行った。 ヘッド試作の際のMTJ部のパターニングでは、MTJ膜は最下層のTaまですべてパターニングした。 パターンニングはMTJ膜を通常のミリング装置により0。3Paの純Ar
    ガス雰囲気中でミリングすることにより行った。 ミリングは膜面に対し垂直な方向から行った。 この結果、最終的に完成したヘッドにおいてMTJ膜端面に再付着物が形成された。 分析の結果再付着物はバリア層より下部に位置する/Co90Fe10(0.5nm) /Ni82Fe18(4nm)/Ta(3nm)がミリングの際飛散再付着したものであることがわかった。
    しかし、再付着物は量が多すぎてバリア層を介してフリー層と固定層が完全に短絡してしまっていた。 そこで、
    バリア層の量を最適化する目的で再付着層に対するミリング(調整ミリング)を行った。 MTJ素子には4つの端面があるが 、そのうちABS面側の端面は後のラッピング工程で除去するので調整ミリングは行わなかった。 MTJ素子端面の内でABS面に垂直な2つの端面(あるいは側端面)は、膜面に垂直な方向から各端面に45度傾けた方向から10分の調整ミリングを、各端面に対して個別に行った。 これにより各端面に形成された再付着物はほぼ完全に除去された。 本発明の適用の上で重要なのは、MTJ素子端面の内でABS面と反対側の端面に形成された再付着層の制御である。 このための調整ミリングは、膜面に対し垂直な方向からABS面と反対方向に45度傾けて行い、
    ミリング時間を変えて行った。 これらの調整ミリングは通常のミリング装置により0。3Paの純Arガス雰囲気中でミリングすることにより行った。

    【0062】ヘッドを構成する各要素としては以下のものを用いた。 基体としては、厚さ2mmアルチック上にアルミナを10μm積層したものを用いた。 再生ヘッド部において、下シールド層にはCo89Zr4Ta4Cr3(1μm)(組成はat%、以下同じ)を、下ギャップ層にはアルミナ(20n
    m)を、下ギャップ厚付け層にはアルミナ(40nm)を。 下電極層にはTa(1。5nm)/Pt(80nm)/Ta(3nm)を、下電極厚付け層にはTa(1。5nm)/Au(40nm)/Ta(3nm)を、絶縁層にはアルミナ(40nm)を、縦バイアス層にはCr(10nm)/Co7
    4。5Cr10。5Pt15(36nm)を、第1上電極層にはTa(20
    nm)を、第2上電極層にはTa(1。5nm)/Au(40nm)/Ta(3nm)
    を、上電極厚付け層にはTa(1.5nm)/Au(40nm)/Ta(3nm)
    を、上ギャップ層にはアルミナ(40nm)を、上ギャップ厚付け層にはアルミナ(40nm)を、上シールド層には記録ヘッド下ポールと共通(共通ポール)を用い、界面制御層および上部層は用いない。

    【0063】記録ヘッド部において、共通ポール下地にはNi82Fe18(90nm)を、共通ポールにはNi82Fe18(2.5μm)
    / Co65Ni12Fe23(0.5μm)を、記録ギャップにはアルミナ
    (0.3μm)を、ギャップ厚付けにはアルミナ(0.7μm)を、
    コイル下地にはCr(30nm)/Cu(150nm)を、コイルにはCu
    (4。5μm)を、上ポール下地にはTi(10nm)/ Co65Ni12Fe2
    3(0.1μm)を、上ポールにはCo65Ni12Fe23(0。5μm)/ Ni
    82Fe18(3。5μm)を、端子下地にはCr(30nm)/Cu(150nm)
    を、端子にはCu(50μm)を、オーバーコートにはアルミナ(52μm)を、金端子下地にはTi(10nm)/ Ni82Fe18(0.1
    μm)を、金端子にはAu(3μm)を用いた。

    【0064】ヘッドの作成手順は以下の通りとした。 1)再生ヘッド部作製は以下の手順で行った。 基板洗浄→下シールド成膜及びアニール→アライメントマーク形成(PR形成→パターンニング→レジスト除去)
    →下シールドパターンニング(PR形成→テーパー加工→レジスト除去)→下ギャップ形成(PR形成→成膜→リフトオフ)→下ギッャプ厚付け(PR形成→成膜→リフトオフ)→下電極形成(PR形成→成膜→リフトオフ)→下電極厚付け形成(PR形成→成膜→リフトオフ)→縦バイアス膜形成(PR形成→成膜→リフトオフ)→MTJ素子及び第1上電極形成(MTJ膜成膜→第1上電極成膜→PR形成→MTJの下地層までミリング、同時にMTJ素子側面に再付着物形成)→MTJ素子側端面の再付着物に対する調整ミリング→MTJ素子のABS面と反対側端面の再付着物に対する調整ミリング→絶縁層形成(成膜→リフトオフ)→絶縁層およびバリア層穴あけ(PR形成→ミリング→PR除去)→第2上電極形成(PR形成→成膜→リフトオフ)→
    ポールハイトモニター形成(PR形成→成膜→リフトオフ)→上電極厚付け(PR形成→成膜→リフトオフ)→上ギャップ形成(PR形成→成膜→リフトオフ)→上ギャップ厚付け形成(PR形成→成膜→リフトオフ)。 この際、再付着物に対する調整ミリングは、行わなかったもの、2分行ったもの、5分行ったもの、及び10分行ったものの4種類を作成した。 再付着物の量は調整ミリングを行わなかった場合が一番多く、ミリング時間の増加にともない減少し、10分行ったものでは再付着物はほとんど残っていなかった。 2)記録ヘッド部作製は以下の手順で行った。 共通ポール形成(第2下地成膜→フレームPR形成→共通ポールめっき→カバーPR形成→ケミカルエッチング→下地除去)→ポールハイト穴埋めレジスト→ギャップ成膜→ギャップ厚付け形成(PR形成→成膜→リフトオフ)→PW(上ポールと共通ポールを磁気的に接続するためのポール)形成(PR形成→ミリング→PR除去)→コイル形成SC1レジスト(コイルの絶縁性を確保するためのレジストその1)形成→コイル形成(下地成膜→PR形成→コイルメッキ→ケミカルエッチング→下地除去)→SC
    2レジスト(コイルの絶縁性を確保するためのレジストその2)形成→ギャップ調整ミリング→上ポール形成(下地成膜→フレームレジスト形成→上ポールメッキ→メッキアニール→下地除去→カバーPR形成→ケミカルエッチング→下地除去)→端子形成(下地成膜→PR形成→端子メッキ→ケミカルエッチング→下地除去)→オーバーコート成膜→端子ラップ→金端子メッキ(下地成膜→P
    R形成→金端子メッキ→下地除去)。 3)後工程は以下の手順で行った。 row切断→ABS面加工ラップ→ABS面へのDLC成膜→スライダ加工→サスペンションへの取り付け。

    【0065】このヘッドを用いてCoCrTa系媒体上にデータを記録再生した。 この際、書き込みトラック幅は3μm、書き込みギャップは0.2μm、読み込みトラック幅は2μmとした。 書き込みヘッド部のコイル部作成時のフォトレジスト硬化工程は250℃、2時間とした。 この工程により本来は素子高さ方向を向いていなければならない固定層および固定させる層の磁化方向が回転し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しなくなったので、再生ヘッド部および記録ヘッド部作成終了後に、200℃、500Oe磁界中、1時間の着磁熱処理を行った。 この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測されなかった。 まったく同じ作成手順において、再付着物に対する調整ミリングは、行わなかったもの、2分行ったもの、5分行ったもの、及び10分行ったものの4種類を各10個ずつ作成した。

    【0066】媒体の保磁力は5。0kOe、MrTは0.35mem
    u/cm 2とした。 試作したヘッドを用いて、再生出力を測定した。 10個のヘッドの再生出力測定結果を以下に示す。 調整ミリングなしの場合は、出力が3mV以上と高かったのは10個中3個だけであった。 これは、MTJ素子のABS面と反対側端面において、再付着物の量が多すぎるため、再付着物によりフリー層と固定層が完全に短絡する確率が高いためである。 これに対し、調整ミリング時間が2分及び5分の場合は、10個中8個までが3mVの出力を示した。 これは、調整ミリングにより再付着物の量が最適化され、図14、図15、図16のような付着物形状が実現した結果、フリー層と固定層とが短絡していることもなく、しかもプロセスの途中においてフリー層と固定層との間に過剰な電圧が印加された場合に、再付着物形成部を通して速やかに電荷の移動がなされヘッドを保護する機能が働いたためである。 ところが、10分間調整ミリングをした場合は、3mV以上の出力が得られたのは10個中3個と歩留まりが悪かった。 これは、10分間の調整ミリングによりほぼ完全に再付着物を除去した場合には、フリー層と固定層とが完全に短絡する確率はほとんどなくなるものの、フリー層と固定層との間に過剰な電圧が印加されたときに再付着物部による保護機能が働かないので、プロセスの途中でフリー層と固定層との間で放電が生じ、バリア層が破壊されてしまう確率が増大するためである。

    【0067】調整ミリングなしの場合、サンプルNo.1,
    2、3、4、5、6、7、8、9、10のそれぞれに対して、再生出力(mV) は0.2、0.4、0.5、3.2、3.2、3.1、0.8、0.
    3、0.4、0.3であった。

    【0068】調整ミリング時間2分の場合、サンプルN
    o.1,2、3、4、5、6、7、8、9、10のそれぞれに対して、再生出力(mV)は3.2、3.0、0.8、3.2、3.2、3.1、3.
    2、3.2、0、3.1であった。

    【0069】調整ミリング時間5分の場合、サンプルN
    o.1,2、3、4、5、6、7、8、9、10のそれぞれに対して、再生出力(mV)は3.1、0、3.1、3.2、3.0、3.1、3.
    2、1.2、3.1、0であった。

    【0070】調整ミリング時間10分の場合、サンプルN
    o.1,2、3、4、5、6、7、8、9、10のそれぞれに対して、再生出力(mV) 3.2、0、0、3.2、0.2、3.0、0.1、0.
    3、0、0.2であった。

    【0071】(実施例2)次に、実施例1の場合とほぼ同様の方法で1部作成プロセスを変更してヘッドを試作した。 実施例1と異なる点は、MTJ素子端面のうちABS面と反対側の端面に形成された付着物量のコントロールに酸素プラズマによる酸化を用いた点である。 側端面は実施例1の場合と同様に調整ミリングにより再付着層を除去した。 ABS面と反対側の端面に対しては調整ミリングは行わなかった。 プラズマ酸化条件は0.3PaのAr、0.1Paの
    O2雰囲気中に200WのRFパワーを印加して発生したプラズマにMTJ膜端部を接触させることにより行った。 酸化時間は0、5、10、20分とした。

    【0072】ここの部分付近のプロセスフローは以下の通りとなる。 MTJ素子及び第1上電極形成(MTJ膜成膜→
    第1上電極成膜→PR形成→MTJの下地層までミリング、同時にMTJ素子側面に再付着物形成)→MTJ素子側端面の再付着物に対する調整ミリング→MTJ素子のABS面と反対側端面の再付着物量コントロールのためのプラズマ酸化→絶縁層形成(成膜→リフトオフ)。

    【0073】それぞれの場合の再生信号測定結果を下表に示す。 プラズマ酸化なしの場合は、出力が3V以上と高かったヘッドは10個中3個のみであった。 これは、MTJ素子のABS面と反対側端面において、再付着物の量が多すぎるため、再付着物によりフリー層と固定層が完全に短絡する確率が高いためである。 これに対し、プラズマ酸化時間が5分及び10分の場合は、10個中8個までが3mVの出力を示した。 これは、プラズマ酸化により再付着物が適度に酸化され、酸化されなかった残りの再付着物の量が最適化されることにより、実質的に図14、図15、
    図16のような付着物形状(ここでは酸化されずに残った再付着物の形状を意味する)が実現した結果、フリー層と固定層とが短絡していることもなく、しかもプロセスの途中においてフリー層と固定層との間に過剰な電圧が印加された場合に、再付着物形成部を通して速やかに電荷の移動がなされヘッドを保護する機能が働いたためである。 ところが、20分間プラズマ酸化をした場合は、
    3mV以上の出力が得られたのは10個中4個と歩留まりが悪かった。 これは、20分間の調整ミリングによりほぼ完全に再付着物を除去した場合には、フリー層と固定層とが完全に短絡する確率はほとんどなくなるものの、フリー層と固定層との間に過剰な電圧が印加されたときに再付着物部による保護機能が働かないので、プロセスの途中でフリー層と固定層との間で放電が生じ、バリア層が破壊されてしまう確率が増大するためである。

    【0074】プラズマ酸化なしの場合、サンプルNo.1,
    2、3、4、5、6、7、8、9、10のそれぞれに対して、再生出力(mV)は1.4、0.2、1.1、1.3、3.1、3.2、0.4、0.7、
    3.1、0.7であった。

    【0075】プラズマ酸化時間2分の場合、サンプルN
    o.1,2、3、4、5、6、7、8、9、10のそれぞれに対して、再生出力(mV)は3.2、0.7、3.1、3.1、3.2、3.2、3.
    2、0.1、3.2、3.1であった。

    【0076】プラズマ酸化時間5分の場合、サンプルN
    o.1,2、3、4、5、6、7、8、9、10のそれぞれに対して、再生出力(mV)は3.2、3.1、0、3.1、3.1、3.2、3.
    2、3.1、0.1、0であった。

    【0077】プラズマ酸化時間10分の場合、サンプルN
    o.1,2、3、4、5、6、7、8、9、10のそれぞれに対して、再生出力(mV)は3.1、0.7、0.4、3.1、3.2、3.1、0.
    7、0.6、0.8、0.2であった。

    【0078】次に本発明を適用して試作された磁気ディスク装置の説明をする。 磁気ディスク装置はベース上に3枚の磁気ディスクを備え,ベース裏面にヘッド駆動回路および信号処理回路と入出力インターフェイスとを収めている。 外部とは32ビットのバスラインで接続される。 磁気ディスクの両面には6個のヘッドが配置されている。 ヘッドを駆動するためのロータリーアクチュエータとその駆動及び制御回路,ディスク回転用スピンドル直結モータが搭載されている。 ディスクの直径は46m
    mであり,データ面は直径10mmから40mmまでを使用する。 埋め込みサーボ方式を用い,サーボ面を有しないため高密度化が可能である。 本装置は,小型コンピューターの外部記憶装置として直接接続が可能になっている。 入出力インターフェイスには,キャッシュメモリを搭載し,転送速度が毎秒5から20メガバイトの範囲であるバスラインに対応する。 また,外部コントローラを置き,本装置を複数台接続することにより,大容量の磁気ディスク装置を構成することも可能である。

    【0079】

    【発明の効果】本発明の適用により, 再生出力の高い磁気抵抗効果センサを歩留まり良く作成することが可能になった。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド概念図(ABS面に平行な方向の断面図)である。

    【図2】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド概念図(ABS面に平行な方向の断面図)である。

    【図3】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図4】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図5】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図6】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図7】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図8】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図9】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図10】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図11】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図12】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図13】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図14】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図15】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図16】 本発明の磁気抵抗効果ヘッド磁気抵抗効果素子部周辺概念図(ABS面に垂直な方向の断面図)である。

    【図17】 本発明の磁気抵抗効果ヘッドの作成手順を示す概念図である。

    【図18】 本発明の磁気抵抗効果ヘッドの作成手順を示す概念図である。

    【図19】 本発明の磁気抵抗効果ヘッドのより詳細な作成手順を示す概念図である。

    【図20】 図19で示した作成手順に続く作成手順を示す概念図である。

    【図21】 本発明を適用した記録再生ヘッドの概念図である。

    【図22】 本発明の磁気抵抗効果素子を用いた磁気記録再生装置の概念図である。

    【符号の説明】

    41 コイル 42 基体 43 磁極 44 上磁極 45 再生ヘッド 46 ABS面 50 記録ヘッド 51 再生ヘッド 52 ヘッドスライダーを兼ねる基板 53 記録媒体 54 媒体からの漏れ磁界

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深見 栄三 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 永原 聖万 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 本庄 弘明 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 石原 邦彦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 鳥羽 環 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 柘植 久尚 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 上條 敦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2G017 AD04 AD05 AD54 AD63 AD65 5D033 AA02 BB43 5D034 BA04 BA09 BA15 BB14 DA07 5E049 AA01 AA04 AA07 BA12 BA16 BA30 CB01

    高效检索全球专利

    专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

    我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

    申请试用

    分析报告

    专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

    申请试用

    QQ群二维码
    意见反馈