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Manufacture of ferromagnetic tunnel junction element

阅读:360发布:2021-09-17

专利汇可以提供Manufacture of ferromagnetic tunnel junction element专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a ferromagnetic tunnel junction element for achieving a high MR ratio required for a magnetic head and a solid magnetic memory (MRAM) and at the same time freely adjusting junction resistance.
SOLUTION: Film formation and oxidation processes are repeated at least two times for creating a tunnel barrier layer 15, for example, by forming a first ferromagnetic body layer 11, then forming and oxidizing a conductive layer 12 with a thickness of 0.3 nm or larger and less than 1 nm to form a conductive oxide layer 13, and then forming and oxidizing a conductive layer 14 again, thus forming a high-quality tunnel barrier layer without any oxide of a ferromagnetic body and non-oxidized Al on a junction interface and obtaining a high MR ratio.
COPYRIGHT: (C)2000,JPO,下面是Manufacture of ferromagnetic tunnel junction element专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 第一の強磁性体層と第二の強磁性体層との間にトンネルバリア層を挟んだ構造を持つ強磁性トンネル接合素子の製造方法であって、トンネルバリア層を、金属または半導体からなる導電層を成膜した後に酸化するという工程を二度以上繰り返す、強磁性トンネル接合素子の製造方法において、 前記導電層を第一回目に成膜するときの膜厚を、0.3nm
    以上で1nm未満としたことを特徴とする、強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 【請求項2】 前記金属または半導体からなる導電層の酸化が、真空中に酸素を導入し前記導電層表面を自然酸化するものである、請求項1に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 【請求項3】 前記強磁性体層のうち一方の強磁性体層の外側に反強磁性体層を配置する工程を更に含むことを特徴とする、前記請求項1又は2に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 【請求項4】 前記導電層がAl又はAlを含む合金であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 【請求項5】 前記強磁性体層が、Fe、Co、Niのうちの何れか、又は、これらのうち少なくとも一種類を含む合金であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、高密度磁気ディスク装置における再生用磁気ヘッドや高密度固体磁気メモリ(MRAM)に適した磁気抵抗効果素子に関する。

    【0002】

    【従来の技術】再生用磁気ヘッドには、磁場を感知することで抵抗が変化する磁気抵抗効果素子が多く用いられている。 最近では、Cuなどの薄い導電層を二つの強磁性体層で挟んだ構造をもつGMR素子が磁気ヘッドとして実用化されている。 強磁性トンネル接合素子は、室温での磁気抵抗変化率(MR比)がGMR素子よりも大きいことから、GMR素子の次世代の磁気抵抗効果素子として期待されている。

    【0003】強磁性トンネル接合は、二つの強磁性体層の間に数オングストローム〜数nmという極薄のトンネルバリア層を挟んだ構造を持つ。 この素子は、下部(第一)強磁性体層と上部(第二)強磁性体層の磁化の相対が小さいときにはトンネル確率が高く、大きいときにはトンネル確率が低いことから磁気抵抗効果が現れる。
    最近では、20%以上のMR比も得られている。 (例えば、Gallagher他著、ジャーナル・オブ・アプライド・
    フィジックス、1997年、81巻、3741―374
    6ページ)

    【0004】トンネルバリアは、一般にAlを酸化することで得られている。 Alの酸化方法では、プラズマ酸化、
    大気中の酸素による酸化などが多く用いられている。 磁気ヘッドに応用する際には、実用素子寸法である程度低い抵抗が必要になるが、これらの方法では抵抗が高すぎるので、真空槽内への酸素の導入によるAl層酸化を含む真空槽内連続成膜法がTsugeらにより開発されている。
    (例えば、Tsuge他著、マテリアル・リサーチ・ソサイエティ・シンポジウム・プロシーディングズ、1998
    年、517巻、87―96ページ)

    【0005】強磁性トンネル素子で高いMR比を得るためには、まずAlが第一の強磁性体層上を十分に覆っている必要がある。 Alが覆っていないときは、第一および第二の強磁性体層の間にトンネルバリアを介さないで電流が流れる接合リークのため、MR比が減少する。 この接合リークを防ぐと同時に、低い接合抵抗を得るのを目的として、まずAlを1nm成膜し、酸化した後に、Alを0.1nmづつ三度成膜し、成膜するたびごとに酸化を繰り返すという手法が試されている。 (Wong他著、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、1998年、83巻、6
    697―6699ページ)その結果、室温で6.2%というMR比が得られている。

    【0006】また、高いMR比を得るためには、このAl
    を酸化するときに、Alを過不足無く酸化する必要がある。 酸化が強すぎて下部強磁性体層まで酸化すると、磁性体の酸化物が下部強磁性体層/トンネルバリアの界面に生じる。 この酸化物はトンネルする電子の磁気スピンを散乱するため、MR比を低下させる。 逆に酸化が弱すぎると、未酸化のAl層が下部強磁性体層/トンネルバリアの界面に生じる。 この未酸化のAl層も、強磁性体層のスピン偏極率を減少させるので、MR比を低下させる。
    Alのプラズマ酸化でトンネルバリアを得る場合に、もっとも適切なAl層厚を求める研究もなされている。 (Mood
    era他著、アプライド・フィジックス・レターズ、19
    97年、70巻、3050−3052ページ)。 その結果では、1.1−1.6nmで高MR比が得られていた。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】一般に、強磁性トンネル接合素子では、酸化方法に依存して、酸化されるAl膜厚の厚さが規定される。 プラズマ酸化などの強い酸化方法では、Alは厚く酸化され、自然酸化法のような弱い酸化方法では、Alは薄く酸化される。 その結果として、酸化方法により、トンネルバリアである酸化アルミニウムの厚さが決まってしまい、接合抵抗の大きさも決まる。
    このため、これまでは自由に強磁性トンネル素子の接合抵抗を調節することは困難であった。

    【0008】また、MR比を高くするためには、適切な
    Al膜厚を求めるばかりでなく、Al膜を成膜したときに、
    Al層の厚さが一定である必要がある。 Al層の厚さが一定でないと、Alの薄いところでは、強磁性体の酸化物が下部強磁性体層/トンネルバリア界面に生じ、また、Alの厚いところでは、未酸化のAl層が同界面に生じる。 これまでは、Alの厚さを一定にするのは困難であり、従って、Al層を過不足なく酸化することは困難であった。

    【0009】本発明の目的は、下部強磁性体層上に成膜したAl層を過不足なく酸化するとともに、強磁性トンネル素子の接合抵抗を自由に調節することが出来る、強磁性トンネル接合素子の製造方法を提供することにある。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】上記目的に従い、本発明の強磁性トンネル接合素子の製造方法は、第一の強磁性体層と第二の強磁性体層との間にトンネルバリア層を挟んだ構造を持つ強磁性トンネル接合素子の製造方法であって、トンネルバリア層を、金属または半導体からなる導電層を成膜した後に酸化するという工程を二度以上繰り返す、強磁性トンネル接合素子の方法において、前記導電層を第一回目に成膜するときの膜厚を、0.3nm以上で1nm未満としたことを特徴とする。

    【0011】本発明の強磁性トンネル接合素子の製造方法では、前記酸化工程は、金属または半導体からなる導電層を成膜した後に、真空中に酸素を導入し、導電層表面を自然酸化してトンネルバリア層を形成する工程を含むことが好ましい。 弱い酸化方法である自然酸化法を繰り返し行うことで、強磁性トンネル接合素子の接合抵抗を自由に調節することができる。

    【0012】また、前記強磁性体層のうち一方の強磁性体層の外側に反強磁性体層を配置することも本発明の好ましい態様である。

    【0013】更に、前記強磁性体層がFe、Co、Niのうちの何れか、又は、これらのうち少なくとも一種類を含む合金であることも好ましい。

    【0014】本発明の強磁性トンネル接合素子の製造方法では、前記構成において、第一回目に成膜する膜厚を
    1nm未満とすることにより、第一回目に成膜したAlすべてを酸化することができる。 また、一回目のAl成膜で第一強磁性体層全体を覆いきらず、一部に第一強磁性体層表面が露出し、第一回目の酸化後に覆いきらなかった第一強磁性体層表面が酸化されたとしても、第二回目以降に成膜されたAlに強磁性体層表面の酸素が移動し、二回目以降に成膜されたAlの酸化に使われるため、第一強磁性体層/トンネルバリア界面に強磁性体の酸化層は生じない。 その結果、下部強磁性体層上に成膜したAl層を過不足なく酸化することが可能になる。

    【発明の実施の形態】以下、本発明の強磁性トンネル接合素子の製造方法に関する実施形態例について、図面を参照して説明する。

    【0015】図1(a)〜(d)は、本発明の一実施形態例の強磁性トンネル接合素子の製造方法による工程を順次に示す接合素子の断面図である。 まず、第一の強磁性体層11の上に、膜厚が0.3nm以上で1nm未満の導電層12を真空中で連続成膜する(図1(a))。 その後、真空を破ることなく純度が高い酸素(以下、純酸素と呼ぶ)を導入し、導電層12を自然酸化する。 導電層12
    は、1nm未満と極薄なので、すべて酸化されて酸化導電層13になる(図1(b))。 膜厚が1nm未満の導電層12が第一の強磁性体層11の全体を覆うことができない場合には、第一の強磁性体層11が露出した部分で強磁性体層11の表面が酸化され、強磁性体の酸化物17
    が生じる。 この上に、更に、同じ材質の導電層14を成膜し(図1(c))、次いで酸化する。

    【0016】導電層12としてAlを選択し、また、第一の強磁性体層にFe、Co、Ni、又はそれらを含む合金などを選択した場合には、導電層12の酸素一原子あたりの生成自由エネルギーが強磁性体層11の一原子あたりよりも大きくなるため、その上にAlの導電層14を成膜すると、強磁性体層の酸化物17の酸素は、その上部に積層したAl中に移動する。 その結果、導電層14を成膜した後に、再度純酸素を導入して酸化すると、導電層14
    すべてが酸化されたトンネルバリア15を得ることが出来る。 また、これと同時に、強磁性体層/導電層界面に強磁性体の酸化物が生じるのを防ぐこともできる。 導電層を成膜するときの厚さと、成膜・酸化を繰り返す回数とを制御することで、トンネルバリアの厚さが調節でき、ひいては接合抵抗を調節することができる。 このトンネルバリア15の上に、第二の強磁性体層16を成膜すれば、強磁性トンネル接合素子が完成する(図1
    (d))。

    【0017】

    【実施例】以下、本発明の実施例について、更に図面を参照して詳細に説明する。 図2は、本発明の一実施例の強磁性トンネル接合素子の製造工程の詳細を順次に示す断面図である。 まず、図2(a)に示すように、表面を酸化した熱酸化Si基板201上に、1.5nm厚のTa膜からなる第一のバッファ層202、50nm厚のCu膜からなる下部電極層203、3nm厚のTa膜からなる第二のバッファ層204、2nm厚のNi 80 Fe 20膜からなる第三のバッファ層205、10nm厚のFe 50 Mn 50膜からなる反強磁性体層20
    6、2.5nm厚のCo 90 Fe 10からなる第一の強磁性体層20
    7、及び、0.5nm厚のAl層からなる導電層208を連続してスパッタ法により成膜した。

    【0018】上記成膜には、ターゲット6基を備えた高周波マグネトロンスパッタ装置を用いた。 スパッタ条件は、すべてバックグラウンド圧1×10 -7 Torr以下、Ar
    圧力1-5mTorr、高周波電力は100Wとした。 次に、スパッタ装置内に純酸素を導入し、酸素圧力を200Torrで20分間保持して、Al導電層208を酸化し酸化アルミニウム層209を形成した。 酸素を排気してバックグラウンド圧力に到達した後に、再び0.5nm厚のAl層からなる第二の導電層217を成膜した(図2(b))。

    【0019】次に、スパッタ装置内に再度純酸素を導入し、酸素圧力を200Torrで20分間保持して、Al導電層を酸化しAl 2 O 3層からなるトンネルバリア210を形成した(図2(c))。 次に、酸素を排気してバックグラウンド圧力に到達した後に、10nm厚のNi 80 Fe 20からなる第二の強磁性体層211を成膜し、最後に5nm厚のTaからなる保護層212を成膜し、強磁性トンネル接合素子を構成する接合構成層を完成した(図2(d))。

    【0020】次に、通常のフォトリソグラフ技術とイオンミリング技術とを用いて、接合構成層の全層を下部配線形状に加工した(図2(e))。 保護層212上に、接合寸法を規定するためのレジストパターン213を形成し、第一の強磁性体層207までイオンミリングした(図2(f))。 このレジストを残したまま、300nm厚のAl
    2 O 3膜からなる絶縁層214を電子ビーム蒸着した後に、レジストのリフトオフを行った(図2(g))。

    【0021】次に上部配線を形成するためのレジストパターンを形成し、次いで、保護層212と上部電極層2
    15との間の電気的な接触を得るために、露出した試料表面の逆スパッタクリーニングを行った。 引き続き、20
    0nm厚のAl膜からなる上部電極層215を蒸着し、最後にレジストをリフトオフすることによって、上部配線を形成し、強磁性トンネル接合素子を完成した(図2
    (h))。

    【0022】図3の実線に、上記のようにして作製した強磁性トンネル接合素子の代表的な磁気抵抗曲線31を示す。 この素子の接合面積は4×4μm 2である。 印可磁界を-500 Oe(エルステッド)から500 Oeに、さらに500
    Oeから-500 Oeに変化させることにより、抵抗値はA→
    B→C→D→E→F→G→H→I→J→Kの曲線上を移動する。 Bの立ち上がり、及び、Iの立ち下がりは、Ni
    Feの保磁力に対応している。 Dの立ち下がり、及び、G
    の立ち上がりは、反強磁性体層FeMnによって交換結合されているCoFeの磁化に対応している。 A、K、FでNiF
    e、CoFeの磁化の向きが平行状態、C−D、H−I間では反平行状態が実現している。 この磁気抵抗変化から読みとったMR比は23%であり、接合面積(2×2μm 2
    10×10μm 2 )に関係なくほぼ同一の値が得られた。
    一方、接合面積で規格化した接合抵抗は、接合面積に関係なく3×10 -6 μcm 2でほぼ一定であった。

    【0023】図3の破線32は、Alの成膜および酸化方法以外はすべて同様にして作製した比較例の素子の磁気抵抗曲線である。 この素子は、第一の強磁性体層までを同様に成膜した後に、Alを1nm成膜し、純酸素を導入し、酸素圧力を200Torrで20分間保持して、Al導電層を酸化してトンネルバリアを形成し、その後、第二の強磁性体層等を実線に示した素子と同様に成膜したものである。 同図の通り、磁化の向きは実線の素子と同様に変化しているが、MR比が全体に低く、10%程度しかない。

    【0024】次に、図3に示した二種類の素子について、X線光電子分光法(XPS)により組成分析を行って調べた結果について説明する。 XPS分析室は、搬送室を介して成膜室とつながっており、試料を大気に取り出すことなくin-situで移動して膜表面を分析することができる。 XPS分析時のバックグラウンド真空度は1×
    10 -9 Torr以下、線源には1253.6 eV のMgKα線を用いた。

    【0025】図4(a)は、Feの2p軌道のスペクトル曲線、同図(b)は、Alの2p軌道のスペクトル曲線である。 a-1、b-1は、図2に示した接合素子を作製するときと同様にCoFeまで成膜し、このCoFe上にAlを0.5nm成膜し、酸化した後のXPS分析結果を示している。 図4
    (a-1)から、Fe 2 O 3を示すピークが観測されており、Fe
    の酸化が認められる。 図4(b-1)からは、Al 2 O 3のみが見られ、Alがすべて酸化されている。 (a-2)、(b-2)
    は、この膜にさらにAlを0.5nm成膜し、酸化した後のX
    PS分析結果である。 (a-2)からは、Fe 2 O 3のピークが消えFeのみのピークが観測される。 (b-2)では、Al 2 O 3
    のみが観測される。 これはすなわち、0.5nmづつ二回Al
    を成膜し、それぞれの膜の成膜後に酸化を二度繰り返すという手法を用いることで、界面に第一の強磁性体の酸化物もなく、未酸化のAlもないトンネルバリアが形成されたことを示している。

    【0026】一方、(a-3)、(b-3)は、Alを1nm成膜した後に酸化した後のXPS分析結果である。 図4(a-
    3)からは、Feのピークのみが見られ、図4(b-3)からは、Al 2 O 3とAlのピークが見られている。 図3で、Alを1
    nm成膜した後に酸化をした素子のMR比が低かったのは、
    未酸化のAlが第一の強磁性体層/トンネルバリア層界面に存在するためであったことがわかる。

    【0027】XPS分析を行った3種類の膜について、
    AFMにより膜表面のラフネスを観察した。 Alを0.5nm成膜した後に酸化した膜表面のラフネスは0.4nmであり、
    この膜にさらにAlを0.5nm成膜・酸化した後の膜表面のラフネスは0.3nmであった。 一方、Alを1nm成膜し酸化した膜表面のRaは0.6nmである。 0.5nmごとに成膜・酸化を繰り返した膜については、成膜・酸化を繰り返したときにラフネスが若干小さくなるのに対し、Alを1nm成膜した後に酸化したものは、Alを0.5nm成膜・酸化したものよりも、凹凸が大きくなっている。

    【0028】図5は、上記実験結果から推測した界面の断面模式図がある。 図5(a)は、Alを0.5nm成膜・酸化した後を示すものである(図4(a-1)(b-1)に対応する)。
    AlはCoFe表面すべてを覆わず、Alはすべて酸化され、Al
    が覆わなかったCoFe表面が酸化されている。 図5(b)
    は、この上に、Alを0.5nmさらに積層し酸化したものである(図4(a-2)(b-2)に対応する)。 CoFe表面の酸素をAlが奪い、強磁性体層の酸化もなく未酸化のAlもない良好な接合界面が形成されている。 一方、Alを1nm積層した後に酸化した場合には、Al膜の厚さが一定でなく、
    CoFe全体をAlが覆って酸化強磁性体層は生じていないものの、未酸化のAlが生じている。 この未酸化のAlによる影響で、図3のようなMR比の差が生じる。

    【0029】次に、二度目のAl成膜は0.5nmと厚さを固定し、一度目のAl成膜時の厚さを0.1-2nmと変化させてM
    R比を比較した。 酸化時の酸素圧力及び酸化時間は、二度とも夫々200Torr及び20分で一定である。 結果を図6
    に示す。 同図から、0.3nm以上1nm未満で約20%以上と高いMR比が得られているのがわかる。 なお、この一回目の
    Al膜厚が0.3nm以上1nm未満では、0.5nmのAlの成膜・酸化を二度・三度と繰り返しても高いMR比が得られるのに対し、一回目のAl膜厚が0.3nm未満もしくは1nm以上では
    MR比は低いままである。 なお、一度目のAl膜厚が0.2nm
    で、二度目のAl膜厚が0.5nmの膜についてXPS分析をしたところ、図4(a-1) と同様に、Fe 2 O 3を示すピークが観測された。 一回目に成膜したAl膜厚が0.3nm未満では、
    二度目以降の酸化を行っても強磁性体の酸化物を除くことができない。

    【0030】次に、一回目のAl膜厚を0.5nmとし、二度目以降のAl膜厚を0.1-2.0nmと変化させた場合の実験を行った。 結果を図7に示す。 二度目以降のAl膜厚がX
    軸、MR比がY軸である。 同図から、MR比が20%以上と大きい値が得られたのは、0.1-1.5nmの範囲内である。
    これは、二度目以降の成膜でも、Al膜厚が1.5nmを越えると未酸化のAlが生じるためである。

    【0031】次に、最初にAlを0.3nm成膜・酸化した後に、二度目のAlの膜厚を変化させて成膜・酸化した素子と、Alを0.5nmづつ3度成膜・酸化を繰り返した素子の双方について、MR比と接合抵抗を測定した。 MR比はいずれも20%以上を示した。 Alの成膜時の膜厚のトータルを横軸に、接合抵抗の大きさを縦軸にプロットした結果を図8に示す。 トータル膜厚に応じて、接合抵抗が対数的に大きくなっていくのがわかる。 このようにAlの成膜・
    酸化の回数とそのときのAl膜厚を調整することで、接合抵抗の大きさを自由に調節できることが可能である。

    【0032】本実施例では、高周波スパッタ法による成膜のみを示したが、これをDCスパッタ法や蒸着法に代えても、同様の結果が得られた。 また、強磁性体層としてはNiFe、FeCoのみ示したが、他のFe、Co、Niおよびそれらを含む合金でも同様の効果が得られている。 また、
    トンネルバリアを形成する導電層としてはAlのみ示したが、Mg、又は、ランタノイド系金属でも、ほぼ同様な結果が得られた。 また、本実施例では、純酸素導入による酸化方法のみを述べたが、ラジカル・イオンといった活性酸素による酸化でも同様の効果が得られる。 ただし、活性酸素による酸化は、純酸素による酸化よりも強い酸化方法であるから、成膜時のAl膜厚は実施例よりも厚いのが望ましい。 また、本発明方法は、磁気ヘッドや
    MRAMにも応用可能である。

    【0033】以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の強磁性トンネル接合素子の製造方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。

    【0034】

    【発明の効果】以上、説明したように、本発明方法によると、実質的に酸化物強磁性体層や未酸化のAlを含まないトンネルバリアを接合界面に形成することができるので、良好なMR特性を持つ強磁性トンネル接合素子を製造することができる。 また、自然酸化法を利用すると、その繰り返し回数と、そのときのAlの厚さとを変えることによって、接合素子の接合抵抗を自由に調節することができる効果もある。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の一実施形態例の製造方法による工程を順次に示す断面図。

    【図2】本発明の一実施例の製造方法による工程を順次に示す断面図。

    【図3】実施例方法で作製した素子のMR曲線図。

    【図4】実施例方法で作成した素子のXPS分析結果を示すグラフ。

    【図5】実施例方法で作製した素子の膜構造の断面模式図。

    【図6】第一回目に成膜するAlの膜厚を変えた場合のMR
    比の変化を示すグラフ。

    【図7】一回目のAl膜厚を0.5nmとし、二度目以降のAl
    膜厚を0.1-2.0nmと変化させた場合のMR比の変化を示すグラフ。

    【図8】二度目のAlの成膜時の厚さを変化させたものと、Alの成膜・酸化を複数回繰り返したときのそれぞれの接合抵抗の変化を示すグラフ。

    【符号の説明】

    11 第一の強磁性体層 12 一度目に成膜した導電層 13 一度目に成膜した導電層の酸化層 14 二度目に成膜した導電層 15 トンネルバリア 16 第二の強磁性体層 17 強磁性体酸化物

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上條 敦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 柘植 久尚 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

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