【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は，顧客に対してネットワーク経由で情報を配信するコンピュータを用いた情報配信方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年，パーソナルコンピュータの高性能化，低価格化等を背景として，一般家庭レベルでも急速にインターネット接続環境が整いつつあり，多くの人が家庭でＷｅｂページの閲覧（いわゆるネットサーフィン）や電子メール等を楽しむようになってきている。 また，最近では，携帯電話を使ってインターネットにアクセスしたり，電子メールの送受信を行うことができるようになってきており，これがネット人口の増加に拍車をかけている。 このようなことから，インターネットは，
今やラジオ，テレビ，新聞などと並ぶ有力な情報配信手段ということができ，企業等は自分のＷｅｂページや電子メールによって様々な情報を顧客に発信したり，有力なＷｅｂサイトやメールマガジン等に広告を出すなどの活動を積極的に行っている。 しかしながら，広告などの情報を，不特定多数の顧客に対してただ闇雲に発信するだけでは十分な効果は望めず，また効率も悪い。 そこで，従来より，顧客の性別や年齢，嗜好などの情報に基づいて，それぞれの顧客に合った情報を発信（配信）することが行われている。 例えば，メールマガジンなどでは，予めコンピュータ関係に興味があると答えた顧客には，配信するメールマガジンにコンピュータ関係の企業からの広告を載せて配信するなどの方法がとられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら，上記のような顧客の性別や年齢，嗜好などの情報のみに基づいた情報配信が，必ずしも十分に効果的であるとは言えない。 もちろん，例えば顧客の嗜好に合った広告等を配信することは有効であるが，それだけではそれ以上の広がりは期待できない。 更に顧客の潜在的な欲求に答えるような情報を配信することができれば，その効果は更に大きなものとなることが期待される。 ところで，顧客の潜在的な欲求を判断する材料としては，既に広く知られているバイオリズムを利用することが考えられる。 本発明は，このバイオリズムを用いて，従来よりも更に効果的な情報配信方法を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は，顧客に対してネットワーク経由で情報を配信するコンピュータを用いた情報配信方法であって，予め，顧客の生年月日の情報を取得する生年月日情報取得工程と，上記生年月日情報取得工程で得られた顧客の生年月日に基づいて該顧客のバイオリズムを計算するバイオリズム計算工程と，上記バイオリズム計算工程で得られた計算結果に基づいて，予め定められた情報配信日における上記身体，感情，知性のリズムに応じた情報を選択する情報選択工程と，上記情報配信日に，上記情報選択工程で選択された情報を上記顧客に対して配信する情報配信工程とを具備してなることを特徴とするコンピュータを用いた情報配信方法として構成されている。 これにより，顧客の潜在的な欲求に合った情報を直接顧客に伝えることができ，従来よりも更に効果的な情報配信が可能となる。 また，このような情報配信を広告の配信に用いれば，従来のテレビコマーシャルのような不特定多数への垂れ流し広告等に比べてその効果は極めて高いものとなる。 尚，上記情報配信日は，上記顧客が任意に指定するようにしてもよいし，上記バイオリズム計算工程の計算結果として得られる身体，感情，知性のリズムに基づいて自動的に設定するようにしてもよい。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して，本発明の実施の形態及び実施例につき説明し，本発明の理解に供する。 尚，以下の実施の形態及び実施例は，本発明を具体化した一例であって，本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。 ここに，図１は本発明の実施の形態に係る情報配信方法による手順を示すフローチャート，図２は本発明の実施の形態に係る情報配信方法を実施可能なシステム構成例を示す図，図３はＷｅｂページによる顧客情報の設定フォームの一例を示す図，図４は電子メールデータによる配信情報の一例，図５はＷｅｂ
ページによる情報表示例，図６はＷｅｂページへの情報のアップロードを知らせる電子メールデータの一例である。

【０００６】本実施の形態に係る情報配信方法は，バイオリズムに基づいて選択した広告等の情報を顧客に対して電子メールで配信するものであり，図２に示すようなシステム上で実施可能である。 図２に示すように，顧客の端末１，１，…（例えばパーソナルコンピュータや情報端末機能を有した携帯電話など）とサーバ２とは，互いにインターネット３等のネットワークを介して接続される。 また，上記サーバ２は，顧客情報取得部２１，バイオリズム計算部２２，広告選択部２３，広告データベース２４，及び情報配信部２５を具備して構成されている。

【０００７】上記顧客情報取得部２１は，例えば図３に示すようなＷｅｂページを介して，顧客端末１から入力された顧客情報（氏名，生年月日，性別，メールアドレス，その他の情報）を取得する。 上記バイオリズム計算部２２は，上記顧客情報取得部２１で取得した顧客情報のうち，生年月日の情報に基づいてその顧客のバイオリズムを計算する。 ここで，上記バイオリズムとは，人間が本来持っている「生物時計」の一つであり，生誕日時を起点とする身体，感情，知性の周期的なリズムである。 上記身体，感情，知性のリズムは生誕日時を起点としてそれぞれ２３，２８，３３日周期の正弦波曲線をなし，水平軸（時間軸）よりもプラス側にある時を高調期，マイナス側にある時を低調期，ゼロとなる日及びその近辺を要注意日と呼ぶ。 このように，生年月日さえ分かればその人のバイオリズムを計算することができ，任意の日におけるその人の身体，感情，知性の状態が判定できる。

【０００８】また，上記広告選択部２３は，上記バイオリズム計算部２２によるバイオリズムの計算結果に基づいて，所定の情報配信日におけるその顧客の身体，感情，知性の状態に応じた広告を広告データベース２４より選択する。 またその際，必要に応じてその顧客の性別や年齢等も考慮する。 尚，上記広告データベース２４には，身体，感情，知性のそれぞれのリズムの高調期，低調期，要注意日毎に分類された広告が蓄積，管理されている。 またそれらの各広告は，必要に応じて更に性別や年齢毎に分類されている。 また，それら各広告のデータ形式は，例えばテキスト，音声，画像，或いはそれらを複合した形など様々なものが考えられる。 ここでは，各広告はテキスト，音声，画像，音声＋画像の４つの形で格納されているものとする。 また，上記情報配信部２５
は，上記バイオリズム計算部２２によるバイオリズム計算結果と，上記広告選択部２３で選択された広告とを用いて顧客毎の電子メールデータを作成し，上記情報配信日にその顧客宛に送信する。

【０００９】続いて，図１に示すフローチャート及びその他の図面を参照しつつ，本実施の形態に係る情報配信方法の手順を更に具体的に説明する。 まず，サーバ２
は，Ｗｅｂページ上に図３に示すような顧客情報の入力フォームを公開する。 情報配信を希望する顧客は，自分の端末１から上記Ｗｅｂページにアクセスし，顧客情報を入力する。 上記顧客情報としては，必須項目として，
氏名，生年月日，性別，メールアドレス等を入力する。
また，オプション項目として，必要なバイオリズム情報，情報配信指定日，配信情報のデータタイプ等を指定できるようにしてもよい。 ここで，必要なバイオリズム情報とは，身体，感情，知性の各リズムのうち，特定のリズムに基づく情報配信を希望する場合に設定するもので，この設定がない場合は例えば身体，感情，知性の全てに関する情報配信を行うようにすればよい。 また，情報配信指定日は，情報配信を希望する日であり，例えば「毎週日曜日」，「毎月１日」，「５月２１日」などのように設定できる。 また，この設定が無い場合には，例えばバイオリズムの計算結果に基づく所定の情報配信日（例えば高調日，低調日，要注意日等）に自動的に配信するようにすればよい。 また，配信情報のデータタイプは，例えばテキスト，音声，画像，音声＋画像などの形で指定できる。 指定がない場合には予め定められたタイプ（例えばテキスト）を選択するようにすればよい。

【００１０】Ｗｅｂページ上で上記顧客情報が入力されると，顧客情報取得部２１によってそれら顧客情報が取得される（Ｓ１；生年月日情報取得工程に相当）。 続いて，上記顧客情報取得部２１によって取得された顧客情報のうち，生年月日の情報がバイオリズム計算部２２に送られ，ここでその顧客のバイオリズムが計算される（Ｓ２；バイオリズム計算工程に相当）。 ここで，上記顧客情報で，必要なバイオリズム情報として身体，感情，知性のいずれかが指定されている場合には，それら指定されたバイオリズムのみが計算される。 上記バイオリズム計算部２２においてバイオリズムが計算されると，広告選択部２３は，上記顧客情報で情報配信指定日が設定されている場合（例えば毎週日曜日など）には，
その情報配信指定日のバイオリズムに合った広告を広告データベース２４から選択する。 その際，必要に応じてその顧客の性別や年齢も考慮する。 また，上記顧客情報で配信情報のデータタイプが設定されている場合には，
そのデータタイプの広告が選択される（Ｓ３→Ｓ５；情報選択工程の一例）。

【００１１】例えば，情報配信指定日の身体バイオリズムが低調期にある場合には，それに合わせて例えば栄養補助食品などの広告が選択される。 この時，顧客の性別や年齢に応じて例えばその栄養補助食品の種類を選択することもできる。 また，配信情報のデータタイプが「画像＋音声」に指定されていれば，例えば音声付きの動画（例えばテレビコマーシャルのようなデータ）による栄養補助食品の広告が選択される。 その他，例えば身体バイオリズムが高調期にあればスポーツクラブや各種イベント，知性バイオリズムが高調期にあれば各種セミナー，知性や感情のバイオリズムが低調期にあればアロマテラピーなどの広告を選択することが考えられる。 また，上記顧客情報で情報配信指定日が設定されていない場合には，上記広告選択部２３において例えば身体，感情，知性の各バイオリズムの高調日，低調日，要注意日等が情報配信日として自動設定され（Ｓ３→Ｓ４），その情報配信指定日のバイオリズムに合った広告が広告データベース２４から選択される（Ｓ５）。 例えば，情報配信指定日が身体バイオリズムの低調日であれば，上記のような栄養補助食品などの広告が選択される。

【００１２】上記広告選択部２３によって広告が選択されると，情報配信部２５において，その顧客の情報配信日におけるバイオリズム計算結果と広告とを用いて電子メールデータが作成される（Ｓ６）。 電子メールデータの一例を図４に示す。 広告は，テキスト形式であれば図４に示すようにメール本文中に挿入し，音声，画像，或いは音声＋画像の場合には添付ファイルとすればよい。
顧客毎，情報配信日毎の電子メールデータは保存され，
情報配信日になると上記情報配信部２５から各顧客宛に送信される（Ｓ７；情報配信工程の一例）。

【００１３】以上説明したように，本実施の形態に係る情報配信方法では，顧客のバイオリズムを計算し，その計算結果に応じてその顧客の現在の状態に応じた広告を送信するため，顧客の潜在的な欲求に合った広告を直接顧客に伝えることができ，従来よりも更に効果的な情報配信が可能となる。

【００１４】（変形例）上記の例では，バイオリズム計算結果と広告とを電子メールで顧客に送信するようにしたが，Ｗｅｂページ上にアップロードするようにしてもよい（例えば図５）。 この場合，各顧客毎のページにパスワードを設定するなど，他の顧客にその内容を知られないような手段をとることが望ましい。 また，図６に示すような電子メールを顧客に送信し，情報が所定のページにアップロードされていることを顧客に伝えることが必要である。 この場合，顧客の電子メールクライアントにクリッカブルＵＲＬの機能があれば，本文中のＵＲＬ
を例えばダブルクリックするだけで自動的に所定のブラウザが立ち上がり，そのＷｅｂページを表示することが可能である。 また，顧客情報は，上記のようにＷｅｂページから入力する以外に，例えば電子メールで受け付けるようにしてもよい。 また，上記の例では広告を配信する場合を例に挙げて説明したが，バイオリズム計算結果に応じて広告以外の情報（例えば音楽，ニュース等）を送信するようにしてもよいことは言うまでもない。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように，本発明は，顧客に対してネットワーク経由で情報を配信するコンピュータを用いた情報配信方法であって，予め，顧客の生年月日の情報を取得する生年月日情報取得工程と，上記生年月日情報取得工程で得られた顧客の生年月日に基づいて該顧客のバイオリズムを計算するバイオリズム計算工程と，上記バイオリズム計算工程で得られた計算結果に基づいて，予め定められた情報配信日における上記身体，
感情，知性のリズムに応じた情報を選択する情報選択工程と，上記情報配信日に，上記情報選択工程で選択された情報を上記顧客に対して配信する情報配信工程とを具備してなることを特徴とするコンピュータを用いた情報配信方法として構成されているため，顧客の潜在的な欲求に合った情報を直接顧客に伝えることができ，従来よりも更に効果的な情報配信が可能となる。 また，このような情報配信を広告の配信に用いれば，従来のテレビコマーシャルのような不特定多数への垂れ流し広告等に比べてその効果は極めて高いものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態に係る情報配信方法による手順を示すフローチャート。

【図２】 本発明の実施の形態に係る情報配信方法を実施可能なシステム構成例を示す図。

【図３】 Ｗｅｂページによる顧客情報の設定フォームの一例を示す図。

【図４】 電子メールデータによる配信情報の一例。

【図５】 Ｗｅｂページによる情報表示例。

【図６】 Ｗｅｂページへの情報のアップロードを知らせる電子メールデータの一例。

【符号の説明】

１…顧客端末 ２…サーバ ３…インターネット ２１…顧客情報取得部 ２２…バイオリズム計算部 ２３…広告選択部 ２４…広告データベース ２５…情報配信部