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車両の動伝達装置

阅读:1发布:2020-10-15

专利汇可以提供車両の動伝達装置专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】分岐パイプの先端部に流通するオイル量を増加させるとともに、分岐パイプの耐久性の低下を抑制することができるオイルパイプを備える車両の動 力 伝達装置を提供する。 【解決手段】オイルパイプ50は、第1オイルポンプP1からオイルが供給される供給口52から車両上方側へ立ち上がる形状で固設されたオイルパイプ本体54と、オイルパイプ本体54の車両上方側端部54aから側方へ長手状に突出するとともにオイルパイプ本体54に連通する分岐パイプ56とを有している。分岐パイプ56は、第2オイルパイプ本体部54cに沿って幅方向に延び、オイルパイプ本体54に連結された基端部56aと、潤滑必要部位162に向かってオイルを吐出する吐出口66が形成された先端部56bと、を含み、分岐パイプ56の基端部56aにおける開口62の幅方向の長さLcは、先端部56bの幅方向の長さLbよりも長い。 【選択図】図3,下面是車両の動伝達装置专利的具体信息内容。

駆動源からの動力を駆動輪に伝達するための動力伝達部材と、前記動力伝達部材の回転によって回転駆動され、オイルパイプを介して潤滑必要部位へオイルを供給するオイルポンプと、を有する、車両の動力伝達装置であって、 前記潤滑必要部位は、前記オイルポンプよりも車両上方側に位置し、 前記オイルパイプは、前記オイルポンプからオイルが供給される供給口から車両上方側へ立ち上がる形状で固設されたオイルパイプ本体と、前記オイルパイプ本体の車両上方側端部から前記オイルパイプ本体の側方へ分岐するとともに前記オイルパイプ本体に連通する分岐パイプと、を有し、 前記分岐パイプは、前記オイルパイプ本体に沿って幅方向に延び、前記オイルパイプ本体に連結された基端部と、前記潤滑必要部位に向かってオイルを吐出する吐出口が形成された先端部と、を含み、 前記分岐パイプの前記基端部において前記オイルパイプ本体に連通させられた開口の前記幅方向の長さは、前記先端部における前記分岐パイプの前記幅方向の長さよりも長い ことを特徴とする車両の動力伝達装置。前記開口の面積は、前記分岐パイプが設けられた部分における前記オイルパイプ本体の流通断面積よりも大きい ことを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。前記吐出口と前記オイルパイプ本体とを連通させるように前記分岐パイプに設けられた分岐油路の前記基端部における前記幅方向の両側の内壁面のうち、前記オイルパイプ本体内をオイルが流れる主流通経路の上流側に位置する上流側内壁面は、前記主流通経路に対して直な方向から該主流通経路の下流側へ向かって傾斜する姿勢で前記オイルパイプ本体に連結されている ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の動力伝達装置。前記分岐油路の前記基端部における前記幅方向の両側の内壁面のうち、前記主流通経路の下流側に位置する下流側内壁面は、前記上流側内壁面よりも前記主流通経路に対して直角な方向からの傾斜角度が小さい姿勢で前記オイルパイプ本体に連結されている ことを特徴とする請求項3に記載の車両の動力伝達装置。前記オイルパイプ本体の長手方向の前記分岐パイプが設けられた部分には、該分岐パイプと異なる側方へ分岐しているとともに、オイルを吐出する第2の吐出口が先端部に設けられた第2の分岐パイプが設けられており、 前記第2の分岐パイプの前記オイルパイプ本体から前記第2の吐出口までの長さは、前記分岐パイプの前記オイルパイプ本体から前記吐出口までの長さよりも短く、 前記分岐パイプの前記吐出口と前記オイルパイプ本体とを連通させるように前記分岐パイプに設けられた分岐油路の、前記オイルパイプ本体内をオイルが流れる主流通経路の上流側の分岐点は、前記第2の分岐パイプの前記第2の吐出口と前記オイルパイプ本体とを連通させるように前記第2の分岐パイプに設けられた第2の分岐油路の、前記主流通経路の上流側の分岐点よりも、前記主流通経路の上流側に位置している ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の動力伝達装置。前記オイルパイプ本体の前記分岐パイプが設けられた部分よりも車両下方側には、前記オイルパイプ本体の側方へ分岐しているとともに、オイルを吐出する第3の吐出口が先端部に設けられた第3の分岐パイプが設けられており、 前記オイルパイプ本体の前記分岐パイプが設けられた部分よりも車両上方位置には、前記オイルパイプ本体の内部と外部とを連通する連通孔が設けられている ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の動力伝達装置。前記吐出口と前記オイルパイプ本体とを連通させるように前記分岐パイプに設けられた分岐油路は、前記幅方向および前記分岐パイプの突出方向を2軸とする二次元平面において、前記基端部から前記先端部側へ向かうに従って前記幅方向の寸法が滑らかに狭くなる先細形状部を備えている ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の動力伝達装置。

说明书全文

本発明は、車両の動伝達装置に関し、特に車両の動力伝達装置に設けられるオイルパイプに関するものである。

駆動力源からの動力を駆動輪に伝達するための動力伝達部材と、前記動力伝達部材の回転によって回転駆動され、オイルパイプを介して潤滑必要部位へオイルを供給するオイルポンプと、を有する、車両の動力伝達装置が知られている。特許文献1には、オイルパイプを用いてオイルを潤滑必要部位へ供給する技術が記載されている。特許文献1に記載の車両の動力伝達装置では、オイルを潤滑必要部位へ導くためのオイルパイプを備えていることにより、オイルを適切に潤滑必要部位に導くことができるので、例えば潤滑必要部位の部品の摩耗を抑制し耐久性を向上させることができる。特許文献2には、動力伝達部材に機械的に連結されて回転駆動されるオイルポンプが記載されている。

特開2015−094389号公報

特開2017−136964号公報

ところで、車両の動力伝達装置に設けられるオイルパイプは、例えばオイルを効率的に潤滑必要部位に導くために、オイルパイプ本体から分岐して長手状に突出する分岐パイプを有している。分岐パイプは、基端部がオイルパイプ本体に連結され、先端部に潤滑必要部位に向かってオイルを吐出する吐出口が形成されている。しかしながら、オイルポンプが動力伝達部材の回転によって回転駆動される場合、動力伝達部材の回転数の低下に伴いオイルポンプの回転数も低下する。オイルポンプの回転数が低下することにより、発生する油圧が低下してオイルパイプ内のオイル量が少ない状態となる可能性があった。すなわち、低車速時に、オイルパイプ内へ供給されるオイル量が少なくなりオイルが充満しない低流量状態になると、分岐パイプの先端部へ供給されるオイル量が減少し、潤滑必要部位に十分なオイル量が供給されない問題が生じる可能性があった。特に、オイルポンプから遠い車両上方側端部に設けられる分岐パイプに対するオイルの供給が問題になる。

上記問題を解決するために、分岐パイプの内径(オイルの流通断面積)を広げて分岐パイプの先端部に流通するオイル量を増加させることが考えられるが、この場合には、分岐パイプの質量が増加するので、例えば外部からの振動入力に対するモーメントが増加する。そのため、振動入力に対する分岐パイプの変形が大きくなり、分岐パイプの耐久性が低下する可能性があった。すなわち、分岐パイプの先端部に流通するオイル量を増加させるとともに、分岐パイプの耐久性の低下を抑制することは困難であった。

本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、分岐パイプの先端部に流通するオイル量を増加させるとともに、分岐パイプの耐久性の低下を抑制することができるオイルパイプを備える車両の動力伝達装置を提供することにある。

かかる目的を達成するために、第1発明は、(a)駆動力源からの動力を駆動輪に伝達するための動力伝達部材と、(b)前記動力伝達部材の回転によって回転駆動され、オイルパイプを介して潤滑必要部位へオイルを供給するオイルポンプと、を有する、車両の動力伝達装置であって、(c)前記潤滑必要部位は、前記オイルポンプよりも車両上方側に位置し、(d)前記オイルパイプは、(d-1)前記オイルポンプからオイルが供給される供給口から車両上方側へ立ち上がる形状で固設されたオイルパイプ本体と、(d-2)前記オイルパイプ本体の車両上方側端部から前記オイルパイプ本体の側方へ分岐するとともに前記オイルパイプ本体に連通する分岐パイプと、を有し、(e)前記分岐パイプは、前記オイルパイプ本体に沿って幅方向に延び、前記オイルパイプ本体に連結された基端部と、前記潤滑必要部位に向かってオイルを吐出する吐出口が形成された先端部と、を含み、(f)前記分岐パイプの基端部において前記オイルパイプ本体に連通させられた開口の前記幅方向の長さは、前記先端部における前記分岐パイプの前記幅方向の長さよりも長いことを特徴とする。 但し、上記分岐パイプの先端部の幅方向の長さが変化している場合、吐出口が形成された部分の幅方向の長さを用いて比較すれば良い。

第2発明は、第1発明の車両の動力伝達装置において、前記開口の面積は、前記分岐パイプが設けられた部分における前記オイルパイプ本体の流通断面積よりも大きいことを特徴とする。

第3発明は、第1発明または第2発明の車両の動力伝達装置において、前記吐出口と前記オイルパイプ本体とを連通させるように前記分岐パイプに設けられた分岐油路の前記基端部における前記幅方向の両側の内壁面のうち、前記オイルパイプ本体内をオイルが流れる主流通経路の上流側に位置する上流側内壁面は、前記主流通経路に対して直な方向からその主流通経路の下流側へ向かって傾斜する姿勢で前記オイルパイプ本体に連結されていることを特徴とする。

第4発明は、第3発明の車両の動力伝達装置において、前記分岐油路の前記基端部における前記幅方向の両側の内壁面のうち、前記主流通経路の下流側に位置する下流側内壁面は、前記上流側内壁面よりも前記主流通経路に対して直角な方向からの傾斜角度が小さい姿勢で前記オイルパイプ本体に連結されていることを特徴とする。

第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの車両の動力伝達装置において、(a)前記オイルパイプ本体の長手方向の前記分岐パイプが設けられた部分には、その分岐パイプと異なる側方へ分岐しているとともに、オイルを吐出する第2の吐出口が先端部に設けられた第2の分岐パイプが設けられており、(b)前記第2の分岐パイプの前記オイルパイプ本体から前記第2の吐出口までの長さは、前記分岐パイプの前記オイルパイプ本体から前記吐出口までの長さよりも短く、(c)前記分岐パイプの前記吐出口と前記オイルパイプ本体とを連通させるように前記分岐パイプに設けられた分岐油路の、前記オイルパイプ本体内をオイルが流れる主流通経路の上流側の分岐点は、前記第2の分岐パイプの前記第2の吐出口と前記オイルパイプ本体とを連通させるように前記第2の分岐パイプに設けられた第2の分岐油路の、前記主流通経路の上流側の分岐点よりも、前記主流通経路の上流側に位置していることを特徴とする。

第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかの車両の動力伝達装置において、(a)前記オイルパイプ本体の前記分岐パイプが設けられた部分よりも車両下方側には、前記オイルパイプ本体の側方へ分岐しているとともに、オイルを吐出する第3の吐出口が先端部に設けられた第3の分岐パイプが設けられており、(b)前記オイルパイプ本体の前記分岐パイプが設けられた部分よりも車両上方位置には、前記オイルパイプ本体の内部と外部とを連通する連通孔が設けられていることを特徴とする。

第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかの車両の動力伝達装置において、前記吐出口と前記オイルパイプ本体とを連通させるように前記分岐パイプに設けられた分岐油路は、前記幅方向および前記分岐パイプの突出方向を2軸とする二次元平面において、前記基端部から前記先端部側へ向かうに従って前記幅方向の寸法が滑らかに狭くなる先細形状部を備えていることを特徴とする。

本発明の車両の動力伝達装置によれば、オイルパイプは、オイルポンプからオイルが供給される供給口から車両上方側へ立ち上がる形状で固設されたオイルパイプ本体と、オイルパイプ本体の車両上方側端部からオイルパイプ本体の側方へ分岐するとともにオイルパイプ本体に連通する分岐パイプと、を有している。分岐パイプは、オイルパイプ本体に沿って幅方向に延び、オイルパイプ本体に連結された基端部と、潤滑必要部位に向かってオイルを吐出する吐出口が形成された先端部と、を含み、分岐パイプの基端部における開口の幅方向の長さは、先端部の幅方向の長さよりも長くなっている。これにより、分岐パイプは、基端部の開口の幅方向の長さが先端部の幅方向の長さよりも長くなっているため、例えば基端部の開口の幅方向の長さが先端部の幅方向の長さと同等以下である場合と比べて、低車速時等にオイルポンプから供給されるオイル量が少なくてオイルパイプ内にオイルが充満しない低流量時でも、分岐パイプの先端部に流通するオイル量を増加させることができる。また、分岐パイプは、例えば基端部の開口の幅方向の長さが先端部に十分なオイル量を流通可能な長さであるときに、基端部の開口の幅方向の長さが先端部の幅方向の長さよりも長くなっている、すなわち、先端部の幅方向の長さが基端部の幅方向の長さよりも短くなっているため、例えば先端部の幅方向の長さが基端部の幅方向の長さと同等である場合と比べて、分岐パイプの剛性が高められるので、振動入力に基づくモーメントによる分岐パイプの変形が小さくなる。したがって、基端部の開口の幅方向の長さを先端部の幅方向の長さよりも長くすることにより、分岐パイプの先端部に流通するオイル量を増加させるとともに、分岐パイプの耐久性の低下を抑制することができる。

第2発明では、分岐パイプがオイルパイプ本体に連通する開口の面積がオイルパイプ本体の流通断面積よりも大きいため、オイルパイプ本体内を流通するオイルが分岐パイプ内へ良好に流入させられるようになり、オイルパイプ内にオイルが充満しない低流量時に分岐パイプの先端部に流通するオイル量を好適に増加させることができる。

第3発明では、分岐パイプに設けられた分岐油路の基端部における幅方向の両側の内壁面のうち、主流通経路の上流側に位置する上流側内壁面は、主流通経路に対して直角な方向からその主流通経路の下流側へ向かって傾斜する姿勢でオイルパイプ本体に連結されている。これにより、オイルパイプ本体内を流通するオイルが分岐パイプ内へ良好に流入させられるようになり、オイルパイプ内にオイルが充満しない低流量時に分岐パイプの先端部に流通するオイル量を好適に増加させることができる。

第4発明では、第3発明に加えて、分岐油路の基端部における幅方向の両側の内壁面のうち、主流通経路の下流側に位置する下流側内壁面が、上流側内壁面よりも主流通経路に対して直角な方向からの傾斜角度が小さい姿勢、すなわち直角に近い姿勢でオイルパイプ本体に連結されている。このため、分岐油路に流入したオイルが下流側内壁面に沿ってオイルパイプ本体内へ逆流することが抑制され、分岐パイプの先端部に流通するオイル量を更に増加させることができる。

第5発明は、オイルパイプ本体の長手方向の分岐パイプが設けられた部分に、その分岐パイプと異なる側方へ分岐している第2の分岐パイプが設けられているとともに、その第2の分岐パイプのオイルパイプ本体から第2の吐出口までの長さが分岐パイプのオイルパイプ本体から吐出口までの長さよりも短い場合で、分岐パイプに設けられた分岐油路の上流側の分岐点は、第2の分岐パイプに設けられた第2の分岐油路の上流側の分岐点よりも、主流通経路の上流側に位置している。すなわち、オイルパイプ本体から吐出口までの長さが長い分岐パイプの方が、オイルパイプ本体から第2の吐出口までの長さが短い第2の分岐パイプよりも、主流通経路の上流側でオイルパイプ本体から分岐させられているため、吐出口までの長さが長くて流通抵抗が大きい分岐パイプに対して優先的にオイルが流入させられる。これにより、オイルパイプ本体から吐出口までの長さの違いによる流通抵抗の相違に拘らず、オイルパイプ内にオイルが充満しない低流量時に、各分岐パイプの吐出口におけるオイルの吐出圧が均圧化され、吐出量のばらつきが抑制される。

第6発明は、分岐パイプよりも車両下方側に第3の分岐パイプが設けられているとともに、分岐パイプよりも車両上方位置に連通孔が設けられている場合で、オイルパイプ本体内の空気が連通孔から排出されるため、その連通孔よりも下方位置に設けられた分岐パイプおよび第3の分岐パイプに対して適切にオイルを供給することができる。すなわち、連通孔が無い場合には、オイルパイプ本体内の空気の一部は、分岐パイプおよび第3の分岐パイプから排出されるものの、残る空気は、オイルパイプ本体内の最上部に貯留されることになるため、その貯留された空気により分岐パイプに対するオイルの供給が阻害され、第3の分岐パイプに対するオイル供給量とのばらつきが大きくなる。

第7発明では、分岐パイプに設けられた分岐油路が、幅方向および分岐パイプの突出方向を2軸とする二次元平面において、基端部から先端部側へ向かうに従って幅方向の寸法が滑らかに狭くなる先細形状部を備えているため、オイルパイプ本体から分岐パイプの基端部に流入したオイルが先細形状部を介して円滑に先端部側へ流通するようになり、分岐パイプの先端部から潤滑必要部位へ供給されるオイル量を好適に増加させることができる。

本発明が適用される車両の動力伝達装置を展開して示した骨子図である。

図1の動力伝達装置に設けられた潤滑装置を説明する油圧回路図である。

図2の潤滑装置の第1供給油路が設けられたオイルパイプとその周辺の構造の要部の一部を拡大して示した概略斜視図である。

図3のオイルパイプの上端部付近を具体的に示した斜視図で、最上部の分岐パイプが設けられた部分で略平に切断した図である。

図4の切断面を上方から見た断面図である。

図5におけるVI−VI矢視部分の断面図である。

本発明の他の実施例を説明する図で、図5に対応する断面図である。

本発明の更に別の実施例を説明する図で、図5に対応する断面図である。

本発明が適用される車両の動力伝達装置の別の例を示した骨子図である。

本発明は、エンジン駆動車両や、走行用の駆動力源としてエンジンの他に走行用電動モータを有するハイブリッド型自動車、或いは駆動力源として電動モータのみを備えている電気自動車など、種々の車両の動力伝達装置に適用され得る。動力伝達装置は、例えば複数の軸が車両幅方向に沿って配置されるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)等の横置き型のトランスアクスルでも良いし、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型や4輪駆動型の動力伝達装置であっても良い。

オイルポンプは、例えば動力伝達部材のうち駆動輪と連動して回転する出力部に連結されて機械的に回転駆動されるように配設されるが、出力部以外の駆動力源等に連結して機械的に回転駆動されるようにすることもできる。駆動力源である電動モータがギヤ機構やディファレンシャル装置等を介して駆動輪に直結されている電気自動車の場合、動力伝達部材の全部が、駆動輪と連動して回転する出力部である。

オイルポンプおよびオイルパイプを備えて構成される潤滑装置は、単一のオイルポンプを備えているだけでも良いが、第2の機械式オイルポンプや電動式オイルポンプを追加して設けることもできる。潤滑必要部位は、例えば動力を伝達するギヤの噛合い部や伝動ベルト等の他、動力伝達機構の回転軸等を回転可能に支持しているベアリングなど、潤滑や冷却を必要とする摩擦部位、発熱部位などである。ハイブリッド型自動車や電気自動車等の電動車両の電動モータや発電機など、動力伝達機構以外の発熱部位などへオイルを供給することもできる。オイルポンプからオイルパイプを介して潤滑必要部位へ直接オイルを供給することもできるが、オイルポンプと潤滑必要部位との間にオイルクーラ等の熱交換器などが設けられても良い。

オイルパイプは、複数の分割部品にて構成される樹脂パイプが好適に用いられるが、金属製等のパイプを用いることもできる。オイルパイプ本体には、分岐パイプや第2の分岐パイプ、第3の分岐パイプが、それぞれ一体または別体に設けられる。第2の分岐パイプおよび第3の分岐パイプは必要に応じて設ければ良く、省略することも可能である。これ等の分岐パイプや第2の分岐パイプ、第3の分岐パイプは、例えばオイルパイプ本体から略水平方向へ突き出すように設けられるが、水平方向から上方または下方へ傾斜した方向へ突き出すように設けることもできるし、真上や真下へ突き出すように設けることもできるなど、オイルパイプ本体の形状等に応じて適宜定められる。分岐パイプや第2の分岐パイプ、第3の分岐パイプの吐出口は、例えば下向きにオイルを吐出するように設けられるが、水平方向などの他の方向へオイルを吐出するように設けることもできる。分岐パイプや第2の分岐パイプ、第3の分岐パイプの吐出口の断面積(穴径など)は互いに同じでも良いが、オイルパイプ本体から吐出口までの距離や高さ位置の相違等に応じて異なる断面積とすることもできる。

分岐パイプがオイルパイプ本体に連通させられる開口の面積は、分岐パイプが設けられた部分におけるオイルパイプ本体の流通断面積よりも大きいことが望ましいが、オイルパイプ本体の流通断面積と略同じか、それより小さくても良い。分岐パイプに設けられた分岐油路の基端部における上流側内壁面は、例えば主流通経路の下流側へ向かって傾斜する姿勢でオイルパイプ本体に連結され、下流側内壁面は、上流側内壁面よりも主流通経路に対して直角な方向からの傾斜角度が小さい姿勢でオイルパイプ本体に連結されるが、下流側内壁面を主流通経路の上流側へ向かって傾斜する姿勢でオイルパイプ本体に連結するとともに、上流側内壁面を下流側内壁面よりも主流通経路に対して直角な方向からの傾斜角度が小さい姿勢でオイルパイプ本体に連結することもできる。また、下流側内壁面が主流通経路に対して直角な方向から傾斜する方向は、上流側内壁面と同じ傾斜方向でも良いし逆方向でも良い。

オイルパイプ本体から第2の吐出口までの長さが短い第2の分岐パイプは、例えば基端部の幅方向の寸法を短くするなどして前記分岐パイプと同様に構成することができるが、基端部から先端部まで一定の断面形状で形成することもできるなど、種々の態様が可能である。第3の分岐パイプについても同様である。第2の分岐パイプは、第2の分岐油路の上流側の分岐点が、分岐パイプの分岐油路の上流側の分岐点よりも、主流通経路の下流側に位置するように設けることが望ましいが、第2の分岐油路と分岐油路との上流側の分岐点が互いに略等しくなる位置に設けることもできるし、第2の分岐油路の上流側の分岐点が、分岐油路の上流側の分岐点よりも主流通経路の上流側に位置するように設けることもできる。分岐パイプと第2の分岐パイプは、オイルパイプ本体に対して連通する開口の少なくとも一部が、オイルパイプ本体の主流通経路の経路方向において重複する位置関係で設けられるものである。

オイルパイプ本体の分岐パイプが設けられた部分よりも車両上方位置には、オイルパイプ本体の内部と外部とを連通する連通孔を設けることが望ましいが、例えば分岐パイプの吐出口から空気が排出されるようにして連通孔を省略することもできる。分岐パイプの上壁部等に連通孔を設けることも可能である。分岐パイプに設けられた分岐油路は、幅方向および分岐パイプの突出方向を2軸とする二次元平面において、例えば基端部から先端部側へ向かうに従って幅方向の寸法が滑らかに狭くなる先細形状部を備えるように、例えば幅方向の両側の2辺(内壁面)が直線にて構成されるが、その2辺を滑らかな曲線にて構成することもできる。また、幅方向の寸法が段階的に狭くなる分岐油路を設けることも可能である。分岐パイプの外形状についても、内部の分岐油路と同様に種々の態様が可能である。

以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。

図1は、本発明が適用される車両10のトランスアクスルすなわち動力伝達装置12を説明する骨子図で、その動力伝達装置12の動力伝達機構16を構成している複数の軸が共通の平面内に位置するように展開して示した展開図である。動力伝達装置12は、駆動力源であるエンジン20の出力を左右の駆動輪38に伝達するもので、歯車式の動力伝達機構16の複数の軸が車両幅方向に沿って配置されるFF車両等の横置き型であり、動力伝達機構16はケース14内に収容されている。エンジン20は、燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。ケース14は、必要に応じて複数の部材にて構成される。

動力伝達機構16は、駆動力源であるエンジン20に連結された入力軸22を備えているとともに、それと同心にシングルピニオン型の遊星歯車装置24および第1モータジェネレータMG1が配設されている。遊星歯車装置24および第1モータジェネレータMG1は電気式差動部26として機能するもので、差動機構である遊星歯車装置24のキャリア24cに入力軸22が連結され、サンギヤ24sに第1モータジェネレータMG1が連結され、リングギヤ24rにエンジン出力歯車Geが設けられている。キャリア24cは第1回転要素で、サンギヤ24sは第2回転要素で、リングギヤ24rは第3回転要素であり、第1モータジェネレータMG1は差動制御用回転機に相当する。第1モータジェネレータMG1は電動モータおよび発電機として択一的に用いられるもので、発電機として機能する回生制御などでサンギヤ24sの回転速度が連続的に制御されることにより、エンジン20の回転速度が連続的に変化させられてエンジン出力歯車Geから出力される。また、第1モータジェネレータMG1のトルクが0とされてサンギヤ24sが空転させられることにより、エンジン20と動力伝達機構16との間の動力伝達が遮断され、エンジン20の連れ廻りが防止される。

シャフト28の両端に減速大歯車Gr1および減速小歯車Gr2が設けられた減速歯車装置30が配設されており、減速大歯車Gr1は前記エンジン出力歯車Geと噛み合わされている。また、減速大歯車Gr1は、第2モータジェネレータMG2のモータ出力歯車Gmと噛み合わされている。第2モータジェネレータMG2は電動モータまたは発電機として択一的に用いられるもので、例えば電動モータとして機能するように力行制御されることにより、車両10の走行用駆動力源として用いられる。この第2モータジェネレータMG2は走行用回転機に相当する。

上記減速小歯車Gr2は、ディファレンシャル装置32のデフリングギヤGdと噛み合わされており、エンジン20および第2モータジェネレータMG2からの駆動力がディファレンシャル装置32を介して左右のドライブシャフト36に分配され、左右の駆動輪38に伝達される。エンジン出力歯車Ge、減速大歯車Gr1、減速小歯車Gr2、デフリングギヤGd等によってギヤ機構が構成されている。ディファレンシャル装置32の少なくとも一部が、ケース14の底部に設けられたオイル貯留部146(図2参照)内のオイル148に浸漬され、ディファレンシャル装置32の回転に伴ってオイル貯留部146内のオイル148が掻き上げられる。

このような車両10においては、EV(Electric Vehicle)走行モードおよびHV(Hybrid Vehicle)走行モードを実行可能であり、例えば要求駆動力(アクセル操作量など)および車速Vをパラメータとして定められたモード切換マップに従ってEV走行モードおよびHV走行モードに切り換えられる。EV走行モードは、エンジン20を回転停止させた状態で第2モータジェネレータMG2を力行制御することにより駆動力源として用いて走行するもので、例えば低要求駆動力すなわち低負荷の領域で選択される。エンジン20は、燃料供給等が停止させられるとともに、第1モータジェネレータMG1のトルクが0とされて遊星歯車装置24のサンギヤ24sがフリー回転可能とされることにより、走行中であっても略回転停止させられる。HV走行モードは、第1モータジェネレータMG1を回生制御することにより、エンジン20を駆動力源として用いて走行するもので、例えばEV走行モードよりも高要求駆動力(高負荷)の領域で選択される。このHV走行モードでは、第2モータジェネレータMG2は、加速時などにアシスト的に力行制御されて駆動力源として用いられ、或いは常時力行制御されて駆動力源として用いられる。

なお、上記HV走行モードの代わりに、或いはHV走行モードに加えて、常にエンジン20のみを駆動力源として用いて走行するエンジン走行モード等が設けられても良い。また、この車両10の動力伝達装置12はあくまでも一例であり、遊星歯車装置24としてダブルピニオン型の遊星歯車装置を採用したり、第2モータジェネレータMG2を第1モータジェネレータMG1と同心に配置したりすることもできるし、電気式差動部26の代わりに機械式の変速装置を採用することもできるなど、種々の態様が可能である。

一方、本実施例の車両10の動力伝達装置12は、図2に示す潤滑装置140を備えている。潤滑装置140は、吸入装置として第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2を備えており、それぞれ異なる独立の第1供給油路142、第2供給油路144に接続されて、動力伝達機構16の各部を分担して潤滑するようになっている。図1に示されるように、第1オイルポンプP1は、前記デフリングギヤGdと噛み合わされた被駆動ギヤGpを介して機械的に回転駆動される機械式オイルポンプであり、第2オイルポンプP2は、前記入力軸22に連結されてエンジン20により機械的に回転駆動される機械式オイルポンプである。第1オイルポンプP1は、デフリングギヤGdに連動して回転する減速大歯車Gr1や減速小歯車Gr2等に被駆動ギヤGpを噛み合わせて回転駆動されるようにすることも可能である。第2オイルポンプP2は、出力部とは異なる回転駆動源によって回転駆動されるオイルポンプで、本実施例ではエンジン20によって回転駆動されるオイルポンプであるが、ポンプ駆動用の電動モータによって回転駆動される電動式オイルポンプを採用することもできる。デフリングギヤGdは、エンジン20からの動力を駆動輪38に伝達する動力伝達部材で、本実施例では駆動輪38と連動して回転する出力部に相当し、第1オイルポンプP1は、動力伝達部材であるデフリングギヤGdの回転により機械的に回転駆動されるオイルポンプである。

上記第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2は、ケース14の底部に設けられたオイル貯留部146からオイル148を吸入して、供給油路142、144へ出力する。オイル貯留部146は、ケース14そのものによって構成されているが、ケース14とは別体のオイルパン等をオイル貯留部としてケース14の下部に取り付けるようにしても良い。オイル貯留部146は、第1隔壁150によって車両前後方向における後方側部分(図2の左側部分)が他の部分と区分けされた第1オイル貯留部152を備えている。この第1オイル貯留部152は、ディファレンシャル装置32の下方に位置する部分である。また、第1オイル貯留部152以外の部分は、第2隔壁153によって更に車両前後方向において2分割されており、上記第1オイル貯留部152に隣接する中央部分の第2オイル貯留部154、およびその第2オイル貯留部154に隣接する車両前側部分の第3オイル貯留部156が設けられている。そして、第1オイルポンプP1の吸入口158は第2オイル貯留部154内に配置されており、第2オイルポンプP2の吸入口160は第3オイル貯留部156内に配置されている。これ等の吸入口158、160は、それぞれ独立に設けられた別々の吸入油路を介してオイルポンプP1、P2に接続されている。

第1隔壁150および第2隔壁153は、第1オイル貯留部152、第2オイル貯留部154、および第3オイル貯留部156の相互間で潤滑油が流通することを許容しつつ油面高さの均衡を制限する流通制限部として機能する。すなわち、停車時にオイルポンプP1、P2の作動が何れも停止し、油面高さの変動が停止する静的状態における静止時油面高さLstは、動力伝達装置12の各部に供給されたオイル148がオイル貯留部146へ流下して戻ることにより、図2に一点鎖線で示すように隔壁150、153を越え、オイル貯留部152、154、156における油面高さが同じになるが、車両走行時やオイルポンプP1、P2の作動時には、動力伝達装置12の各部へオイル148が供給されてオイル貯留部146内のオイル量が減少することにより油面高さが隔壁150、153の上端よりも低くなり、それ等の隔壁150、153による流通制限によってオイル貯留部152、154、156の油面高さが実線で示すように個別に変化する。なお、第1隔壁150および第2隔壁153の高さ寸法は同じであっても良いし、それ等の第1隔壁150および第2隔壁153を省略することもできる。

上記第1オイルポンプP1は、出力部であるデフリングギヤGdに連結されて回転駆動されるオイルポンプで、その第1オイルポンプP1の吐出側に接続された第1供給油路142は、動力伝達機構16の各部の潤滑必要部位162にオイル148を供給する。潤滑必要部位162は、例えば動力伝達機構16の各部のベアリングやギヤGe、Gr1、Gr2、Gd、Gm、或いはGpなどである。ディファレンシャル装置32を潤滑必要部位162に含めることもできる。第1オイルポンプP1はディファレンシャル装置32のデフリングギヤGdに連結されて回転駆動されるため、エンジン20が回転停止させられるEV走行モード時にも回転駆動され、車速Vに応じた吸入量でオイル148を吸入して各部にオイル148を供給することができる。すなわち、車速Vは、第1オイルポンプP1のポンプ回転速度に対応し、第1オイルポンプP1からのオイル吐出量に対応する。

第2オイルポンプP2の吐出側に接続された第2供給油路144は、第2オイル貯留部154および第3オイル貯留部156の上方に位置する入力軸22や遊星歯車装置24、第1モータジェネレータMG1等の潤滑必要部位にオイル148を供給して潤滑、冷却する。また、この第2供給油路144には熱交換器166が設けられており、オイル148を冷却して第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に供給することにより、それ等を冷却して過熱を防止する。熱交換器166は、例えば空冷や水冷による熱交換でオイル148を冷却するオイルクーラである。第2オイルポンプP2を回転駆動するエンジン20は、停車時においても駆動することができるため、停車時を含めて車速Vに依存しない吸入量でオイル148を吸入して潤滑必要部位へ供給することができる。なお、第2オイルポンプP2を省略し、第2供給油路144を第1供給油路142に連結するなどして、第1オイルポンプP1から第1供給油路142および第2供給油路144の両方にオイル148が供給されるようにすることもできる。

図3は、前記第1供給油路142が設けられたオイルパイプ50の要部の一部、すなわち最上端の分岐パイプ56等を拡大して示した概略斜視図である。オイルパイプ50は、第1オイルポンプP1の駆動によりケース14内のオイル貯留部146から吸い上げられたオイル148を潤滑必要部位162へ案内するためのオイル供給路で、ケース14とは別体に構成されてケース14の内部に配設されている。潤滑必要部位162は、第1オイルポンプP1よりも車両上方側に位置している。

オイルパイプ50は、図3に示すように、車両10の車両下方側から車両上方側、すなわちオイルパイプ50が動力伝達装置12に搭載された状態における車両10の鉛直上方方向へ向かって長手状に形成されている。オイルパイプ50は、例えば樹脂製の中空管である。オイルパイプ50は、例えば円形状、楕円状または多角形状の流通断面で形成される。オイルパイプ50は、第1オイルポンプP1からオイルが供給される供給口52から車両上方側へ立ち上がるオイルパイプ本体54と、オイルパイプ本体54の車両上方側端部54aから側方へ長手状に突出する分岐パイプ56と、を含んで構成されている。

オイルパイプ本体54は、車両下方側から車両上方側へ向かって延びる第1オイルパイプ本体部54bおよび第2オイルパイプ本体部54cを有し、且つ第1オイルパイプ本体部54bの上端と第2オイルパイプ本体部54cの下端とを連通させる第3オイルパイプ本体部54dを有している。

第1オイルパイプ本体部54bは、凹溝をそれぞれ有する2枚の射出成形された樹脂製板材がそれら凹溝の凹み側が内側となるように組み合わされた状態で例えば高周波溶着によって相互に固定されたものであり、厚み寸法より幅寸法が大きい平板形状を有し、厚み方向よりも幅方向が高い剛性を備えている。第1オイルパイプ本体部54bは、図3に示すように、車両前方側から車両後方側へ向かうとともに、湾曲しながら車両下方側から車両上方側へ向かって延びるように形成されている。第1オイルパイプ本体部54bの車両下方側端部54eには、供給口52が形成されており、第1オイルポンプP1に連通させられている。

第2オイルパイプ本体部54cは、第1オイルパイプ本体部54bと同様に、凹溝をそれぞれ有する2枚の射出成形された樹脂製板材がそれら凹溝の凹み側が内側となるように組み合わされた状態で例えば高周波溶着によって相互に固定されたものであり、厚み寸法より幅寸法が大きい平板形状を有し、厚み方向よりも幅方向が高い剛性を備えている。第2オイルパイプ本体部54cは、第1オイルパイプ本体部54bよりも車両上方側に位置するように形成されている。第2オイルパイプ本体部54cは、図3に示すように、車両後方側から車両前方側へ向かうとともに、円弧状に曲成されて車両下方側から車両上方側へ向かって延びるように形成されている。第2オイルパイプ本体部54cの上端側すなわちオイルパイプ本体54の車両上方側端部54aには、分岐パイプ56が連結されている。第2オイルパイプ本体部54cには、第2オイルパイプ本体部54cの外周縁から外周外側へ向かって突出する複数の板状の取付部60が一体に形成されている。取付部60には、締結ボルト58が挿通可能な挿通穴が形成されており、第2オイルパイプ本体部54cは、締結ボルト58によって図示しないパイプ支持部材に沿って固定されている。図示しないパイプ支持部材は、例えば車両幅方向に肉厚を有するケース14の壁面である。

オイルパイプ本体54の第3オイルパイプ本体部54dは、樹脂製の円筒状部品であって、図3に示すように、第1オイルパイプ本体部54bの車両上方側端部54fと第2オイルパイプ本体部54cの車両下方側端部54gとを連通するように接続されている。第3オイルパイプ本体部54dは、例えば車両幅方向に向かって水平に延びるように長手状に形成されている。

分岐パイプ56は、オイルパイプ本体54の車両上方側端部54aからオイルパイプ本体54の側方へ分岐するように、車両幅方向へ略水平に長手状に突出する平板状の中空部材で、例えば第2オイルパイプ本体部54cと一体に成形される。図4は、オイルパイプ50の上端部付近を具体的に示した斜視図で、分岐パイプ56が設けられた部分で略水平に切断した図であり、図5は図4の切断面を上方から見た平面視の断面図である。また、図6は、図5におけるVI−VI矢視部分の断面図、すなわち略上下方向に切断した断面図である。これ等の図から明らかなように、第2オイルパイプ本体部54cは、長手方向に沿う分割面55によって車両幅方向に2分割された一対の樹脂製板材54cx、54cyにて構成されている。また、分岐パイプ56は、第2オイルパイプ本体部54cが車両前方側へ略水平に延びる上端部分に、車両幅方向(右方向)へ略水平に突き出すように、第2オイルパイプ本体部54cの一方の樹脂製板材54cxに射出成形により一体に設けられている。なお、分岐パイプ56を、例えば凹溝をそれぞれ有する2枚の射出成形された樹脂製板材がそれら凹溝の凹み側が内側となるように組み合わされた状態で、高周波溶着等によって相互に固定して中空構造とし、第2オイルパイプ本体部54cと別体に構成して一体的に固定しても良い。

分岐パイプ56は、オイルパイプ本体54の車両上方側端部54a、すなわち第2オイルパイプ本体部54cの上端側の一部、の形状に沿うように形成された基端部56aが、第2オイルパイプ本体部54cに連結されている。本実施例では、分岐パイプ56の基端部56aは、車両後方側から車両前方側へ向かう方向、すなわち分岐パイプ56における幅方向に延びている。また、分岐パイプ56は、基端部56aから基端部56aとは反対側の端部の先端部56bに向かって幅方向の長さ寸法が連続的に小さくなるように形成されている。すなわち、基端部56aの幅方向の長さLaは、先端部56bの幅方向の長さLbよりも大きい。

分岐パイプ56の基端部56aには、基端部56aにおける幅方向に延びる長円形状の開口62が形成され、分岐パイプ56内の中空部である分岐油路64は、その開口62を通して第2オイルパイプ本体部54c内の主流通経路Aと連通させられている。開口62の幅方向の長さLcは、基端部56aの幅方向の長さLaと同様に、先端部56bの幅方向の長さLbよりも大きい。すなわち、分岐パイプ56は、先端部56bの幅方向の長さLbに対して、主流通経路Aに連通する間口側が広くなるように基端部56aの幅方向の長さLaが大きく形成されている。分岐パイプ56の基端部56aが第2オイルパイプ本体部54cに連結されてオイルパイプ本体54に連通するように設けられているため、第1オイルポンプP1の駆動によってオイルパイプ本体54内を流通させられるオイル148は、開口62を経て分岐パイプ56の先端部56bへ案内される。分岐パイプ56の先端部56bには、潤滑必要部位162に向かってオイル148を吐出するための吐出口66が形成されており、先端部56bの幅方向の長さLbは、その吐出口66が形成された部分の幅方向の長さである。上記開口62の面積は、分岐パイプ56が設けられた部分におけるオイルパイプ本体54の流通断面積、すなわち第2オイルパイプ本体部54cの流通断面積よりも大きく、その第2オイルパイプ本体部54cの主流通経路Aのオイル148の一部が分岐パイプ56の分岐油路64内に好適に流入させられる。なお、オイルパイプ本体54の流通断面積は、第2オイルパイプ本体部54cを含めてオイルパイプ本体54の全長に亘って略同じ大きさである。

分岐パイプ56は、潤滑必要部位162の車両上方に位置するように配設されており、第1オイルポンプP1によって吸い上げられたオイル148の一部は、第2オイルパイプ本体部54cから分岐パイプ56の分岐油路64に流入させられ、先端部56bに設けられた吐出口66から車両下方側の潤滑必要部位162に向かって吐出される。吐出口66から潤滑必要部位162へ供給されるオイル148は、例えば吐出口66から噴射により吐出され、あるいは、吐出口66から自重による滴下によって吐出される。吐出口66は、下方に向かって開口させられている。

上記分岐パイプ56に設けられた分岐油路64は、第2オイルパイプ本体部54cに沿う幅方向(車両前後方向)および分岐パイプ56の突出方向(車両幅方向)を2軸とする二次元平面、すなわち図5に示す平面視の形状において、基端部56aから先端部56b側へ向かうに従って幅方向の寸法が滑らかに狭くなる先細形状を成している。本実施例では、平面視において分岐油路64の幅方向の両側の内壁面64a、64bがそれぞれ基端部56aから先端部56bに至るまで一直線形状を成しており、分岐油路64の全体が、幅方向の寸法が直線的に狭くなる先細形状とされている。すなわち、本実施例では分岐油路64の全体が先細形状部に相当する。分岐油路64の幅方向の両側の内壁面64a、64bは、車両上下方向において何れも円弧形状を成しており、それ等の内壁面64a、64bは、上下方向の両側に設けられた三角形の平坦面64cを介して互いに連結されている。分岐パイプ56は、上下方向の両面が平坦面64cに対応する平坦面とされており、全体として上下方向の寸法が小さい扁平形状を成している。

上記一対の内壁面64a、64bのうち、オイルパイプ本体54内をオイル148が流れる主流通経路Aの上流側に位置する上流側内壁面64aは、主流通経路Aに対して直角な方向から主流通経路Aの下流側へ向かって傾斜角度θ1で傾斜する姿勢で第2オイルパイプ本体部54cに連結されている。傾斜角度θ1は、例えば5°〜20°程度の範囲内で定められ、本実施例ではθ1≒10°である。一方、主流通経路Aの下流側に位置する下流側内壁面64bは、主流通経路Aに対して直角な方向からの傾斜角度が、上流側内壁面64aの傾斜角度θ1よりも小さくなる姿勢で、第2オイルパイプ本体部54cに連結されている。本実施例では、主流通経路Aに対して略直角になる姿勢で、下流側内壁面64bが第2オイルパイプ本体部54cに連結されている。

このように、本実施例の分岐パイプ56は、基端部56aにおける開口62の幅方向の長さLcが先端部56bの幅方向の長さLbよりも大きく形成されているので、例えば開口62の幅方向の長さLcが先端部56bの幅方向の長さLbに対して同じあるいは小さく形成されている場合と比べて、主流通経路Aから分岐パイプ56の分岐油路64内に流入するオイル量が多くなり、基端部56aから先端部56bへ流通するオイル量が多くなる。また、本実施例の分岐パイプ56は、先端部56bの幅方向の長さLbが、基端部56aの幅方向の長さLaよりも小さくなるように形成されているので、例えば先端部56bの幅方向の長さLbが基端部56aの幅方向の長さLaに対して同じ長さ寸法で形成されている場合と比べて、分岐パイプ56の剛性が高められている。

オイルパイプ50にはまた、上記分岐パイプ56によってオイル148が供給される潤滑必要部位162とは別の潤滑必要部位162に対してオイル148を供給するために、第2オイルパイプ本体部54cから車両幅方向へ突出する分岐パイプ70が設けられている。分岐パイプ70は、第2オイルパイプ本体部54cの長手方向において、前記分岐パイプ56が設けられた部分に、その分岐パイプ56と異なる側方へ分岐するように一体に設けられている。本実施例では、分岐パイプ56と反対の車両左方向へ略水平に突き出すように、第2オイルパイプ本体部54cの樹脂製板材54cyに一体に設けられており、分岐パイプ70の先端部には下方へ向かってオイル148を吐出する吐出口72が設けられている。この分岐パイプ70も中空で、吐出口72と第2オイルパイプ本体部54cの主流通経路Aとを連通する分岐油路74を備えている。分岐パイプ70は、前記分岐パイプ56と同様に、基端部の幅寸法が先端部の幅寸法よりも大きくされており、分岐油路74は長円形状の開口76を介して第2オイルパイプ本体部54cに連通させられているとともに、図5に示す平面視において先細形状を成している。すなわち、図5の平面視において、分岐油路74の幅方向の上流側内壁面74aは、主流通経路Aに対して直角な方向から主流通経路Aの下流側へ向かって傾斜する姿勢で第2オイルパイプ本体部54cに連結されている。この傾斜角度は、前記傾斜角度θ1と略同じである。また、下流側内壁面74bは、主流通経路Aに対して直角な方向からの傾斜角度が、上流側内壁面74aの傾斜角度よりも小さく、本実施例では主流通経路Aに対して略直角になる姿勢で第2オイルパイプ本体部54cに連結されている。

上記分岐パイプ70の吐出口72は、分岐パイプ56の吐出口66と同じ大きさであるが、第2オイルパイプ本体部54cから吐出口72までの長さは、第2オイルパイプ本体部54cから吐出口66までの長さよりも短く、1/4程度である。このように吐出口72までの距離が短いことから、分岐パイプ70の基端部における幅方向の長さ、すなわち開口76の幅方向の長さは、分岐パイプ56の開口62の幅方向の長さLcよりも短い。また、分岐パイプ70の分岐油路74の主流通経路Aに対する上流側の分岐点74pは、前記分岐パイプ56の分岐油路64の主流通経路Aに対する上流側の分岐点64pよりも、主流通経路Aの下流側に位置している。本実施例では、第2オイルパイプ本体部54cの長手方向において、分岐パイプ70の連結部分の全部が、分岐パイプ56の連結部分に含まれるように、それ等の分岐パイプ56、70が第2オイルパイプ本体部54cに設けられている。分岐パイプ70は第2の分岐パイプに相当し、吐出口72は第2の吐出口に相当し、分岐油路74は第2の分岐油路に相当する。

オイルパイプ50には更に、上記分岐パイプ56、70によってオイル148が供給される潤滑必要部位162とは別の潤滑必要部位162に対してオイル148を供給するために、それ等の分岐パイプ56、70が設けられた部分よりも車両下方側に複数の分岐パイプ90が設けられている。分岐パイプ90は、第2オイルパイプ本体部54cの長手方向において、主流通経路Aの上流側および下流側の両方に設けられているとともに、何れも車両幅方向へ略水平に突き出すように、第2オイルパイプ本体部54cに一体に設けられている。分岐パイプ90は、本実施例では、基端部の幅方向の長さ寸法と先端部の幅方向の長さ寸法とが略同じ、すなわち直径が略同じ寸法の円筒状に形成されているが、例えば、前記分岐パイプ56と同様に基端部の幅方向の長さ寸法が先端部の幅方向の長さ寸法よりも大きくなるように形成されていてもよい。分岐パイプ90の先端部には、オイル148を潤滑必要部位162に向かって吐出するための吐出口92が、例えば下向きに開口するように形成されている。吐出口92は、前記分岐パイプ56、70の吐出口66、72と略同じ大きさである。この分岐パイプ90は第3の分岐パイプに相当し、吐出口92は第3の吐出口に相当する。

第2オイルパイプ本体部54cの先端部、すなわち前記分岐パイプ56、70が設けられた部分よりも主流通経路Aの下流側には、図6に示されるように斜め下方へ向かって傾斜する下側傾斜部100、および斜め上方へ向かって傾斜する上側傾斜部102が設けられており、下側傾斜部100の先端部には車両幅方向(左右両方向)へ突き出すように前記分岐パイプ90が一対設けられている。上側傾斜部102の先端部は、前記分岐パイプ56、70よりも車両上方側に達しているとともに、その先端部には車両幅方向へ突き出すように連通部110が設けられ、その連通部110を貫通するように連通孔112が形成されている。この連通孔112は、オイルパイプ本体54の内部を外部に連通させるためのもので、第1オイルポンプP1によってオイルパイプ50内にオイル148が供給されるのに伴い、そのオイルパイプ50内の空気が連通孔112から外部に排出される。すなわち、図6に示すように最上部の分岐パイプ56、70の分岐油路64、74内までオイル148が充満し、それ等の吐出口66、72がオイル148で塞がれても、オイルパイプ50内の残りの空気が適切に排出され、分岐パイプ56、70、90の吐出口66、72、92から適切にオイル148を吐出することができる。

上記連通孔112は、高車速時に第1オイルポンプP1から多量のオイル148がオイルパイプ50に供給された場合に、余分なオイル148を外部へ排出する機能も備えている。すなわち、第1オイルポンプP1は駆動輪38の回転に連動して回転駆動されるため、高車速時にはオイル148の供給量が多くなるが、各部のギヤやベアリング、ディファレンシャル装置32等の潤滑必要部位162に過剰なオイル148が供給されると、オイル148の連れ廻り抵抗や攪拌抵抗などで動力伝達損失が増大するため、余分なオイル148を連通孔112から外部へ排出するのである。連通孔112から吐出されたオイル148は、例えばキャッチタンク114(図2参照)に受け入れられて一時的に貯留され、底部に設けられた流出孔114aから徐々に流出させられて、直接または潤滑必要部位162を経てオイル貯留部146へ戻される。キャッチタンク114は、例えば別体に構成されてケース14に一体的に固設される。キャッチタンク114はオイル受け部に相当する。

このような本実施例の車両10の動力伝達装置12によれば、オイルパイプ50は、第1オイルポンプP1からオイル148が供給される供給口52から車両上方側へ立ち上がる形状で固設されたオイルパイプ本体54と、オイルパイプ本体54の車両上方側端部54aからオイルパイプ本体54の側方へ分岐するとともにオイルパイプ本体54に連通する分岐パイプ56と、を有している。分岐パイプ56は、第2オイルパイプ本体部54cに沿って幅方向に延び、オイルパイプ本体54に連結された基端部56aと、潤滑必要部位162に向かってオイル148を吐出する吐出口66が形成された先端部56bと、を含み、分岐パイプ56の基端部56aにおける幅方向の長さLaおよび開口62の幅方向の長さLcは、先端部56bの幅方向の長さLbよりも長くなっている。このように、分岐パイプ56は、基端部56aの開口62の幅方向の長さLcが先端部56bの幅方向の長さLbよりも長くなっているため、例えば開口62の幅方向の長さLcが先端部56bの幅方向の長さLbと同等以下である場合と比べて、分岐パイプ56の先端部56bに流通するオイル量を増加させることができる。また、分岐パイプ56は、例えば開口62の幅方向の長さLcが分岐パイプ56の先端部56bに十分なオイル量を流通可能な長さであるときに、基端部56aの開口62の幅方向の長さLcが先端部56bの幅方向の長さLbよりも長くなっている、すなわち、先端部56bの幅方向の長さLbが基端部56aの幅方向Laの長さよりも短くなっているため、先端部56bの幅方向の長さLbが基端部56aの幅方向の長さLaと同等である場合と比べて、剛性を高めることができる。分岐パイプ56は、剛性が高くなることにより固有振動数が高くされて、外部からの振動入力、例えば駆動力源であるエンジン20などの駆動に伴う振動入力、に基づくモーメントによる変形が小さくなる。したがって、開口62の幅方向の長さLcを先端部56bの幅方向の長さLbよりも長くすることにより、分岐パイプ56の先端部56bに流通するオイル量を増加させるとともに、分岐パイプ56の耐久性の低下を抑制することができる。

また、分岐パイプ56がオイルパイプ本体54に連通する開口62の面積がオイルパイプ本体54の流通断面積よりも大きいため、オイルパイプ本体54内を流通するオイル148が分岐パイプ56内へ良好に流入させられるようになり、オイルパイプ50内にオイルが充満しない低流量時に分岐パイプ56の先端部56bに流通するオイル量を好適に増加させることができる。

また、分岐パイプ56に設けられた分岐油路64の基端部56aにおける幅方向の両側の内壁面64a、64bのうち、主流通経路Aの上流側に位置する上流側内壁面64aは、主流通経路Aに対して直角な方向からその主流通経路Aの下流側へ向かって傾斜角度θ1で傾斜する姿勢でオイルパイプ本体54に連結されている。これにより、オイルパイプ本体54内を流通するオイル148が分岐パイプ56内へ良好に流入させられるようになり、オイルパイプ50内にオイル148が充満しない低流量時に分岐パイプ56の先端部56bに流通するオイル量を好適に増加させることができる。

また、分岐油路64の基端部56aにおける幅方向の両側の内壁面64a、64bのうち、主流通経路Aの下流側に位置する下流側内壁面64bが、上流側内壁面64aよりも主流通経路Aに対して直角な方向からの傾斜角度が小さい姿勢、すなわち本実施例では略直角な姿勢でオイルパイプ本体54に連結されている。このため、分岐油路64に流入したオイル148が下流側内壁面64bに沿ってオイルパイプ本体54内へ逆流することが抑制され、分岐パイプ56の先端部56bに流通するオイル量を更に増加させることができる。なお、オイル148の戻りを防止するため、下流側内壁面64bを上流側内壁面64aの傾斜角度θ1よりも小さな傾斜角度で下流側へ傾斜させても良い。

また、オイルパイプ本体54の長手方向の分岐パイプ56が設けられた部分には、その分岐パイプ56と反対方向へ分岐している分岐パイプ70が設けられており、その分岐パイプ70のオイルパイプ本体54から吐出口72までの長さは、分岐パイプ56のオイルパイプ本体54から吐出口66までの長さよりも短い一方、分岐パイプ70に設けられた分岐油路74の上流側分岐点74pは、分岐パイプ56に設けられた分岐油路64の上流側分岐点64pよりも、主流通経路Aの下流側に位置している。すなわち、オイルパイプ本体54から吐出口66までの長さが長い分岐パイプ56の方が、オイルパイプ本体54から吐出口72までの長さが短い分岐パイプ70よりも、主流通経路Aの上流側でオイルパイプ本体54から分岐させられているため、吐出口66までの長さが長くて流通抵抗が大きい分岐パイプ56に対して優先的にオイル148が流入させられる。これにより、オイルパイプ本体54から吐出口66、72までの長さの違いによる流通抵抗の相違に拘らず、オイルパイプ50内にオイル148が充満しない低流量時に、各分岐パイプ56、70の吐出口66、72におけるオイル148の吐出圧が均圧化され、吐出量のばらつきが抑制される。

上記分岐パイプ70の分岐油路74の開口76の幅方向の長さは、分岐パイプ56の分岐油路64の開口62の幅方向の長さLcよりも短いため、長い開口62を有する分岐パイプ56におけるオイル148の流入が阻害されることが抑制される。

また、オイルパイプ50には、分岐パイプ56、70よりも車両下方側に複数の分岐パイプ90が設けられているとともに、分岐パイプ56よりも車両上方位置に連通孔112が設けられており、オイルパイプ本体54内の空気が連通孔112から排出されるため、その連通孔112よりも下方位置に設けられた分岐パイプ56、70、90に対して適切にオイル148を供給することができる。すなわち、連通孔112が無い場合には、オイルパイプ本体54内の空気の一部は、分岐パイプ56、70、90から排出されるものの、残る空気は、オイルパイプ本体54内の最上部に貯留されることになるため、その貯留された空気により分岐パイプ56、70に対するオイル148の供給が阻害され、下方側の分岐パイプ90に対するオイル供給量とのばらつきが大きくなる。

また、分岐パイプ56に設けられた分岐油路64は、幅方向および分岐パイプ56の突出方向を2軸とする二次元平面、すなわち図5に示す平面視の形状において、基端部56aから先端部56b側へ向かうに従って幅方向の寸法が滑らかに狭くなる先細形状を成しているため、オイルパイプ本体54から分岐パイプ56の基端部56aに流入したオイル148が円滑に先端部56b側へ流動するようになり、分岐パイプ56の先端部56bから潤滑必要部位162へ供給されるオイル量を好適に増加させることができる。

次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。

図7は、図5に対応する断面図で、前記実施例に比較して分岐パイプ120の形状が相違している。この分岐パイプ120は、基端部120aにおいて第2オイルパイプ本体部54cに一体に連結されているとともに、前記開口62を介して第2オイルパイプ本体部54cに連通させられている分岐油路122を備えており、開口62の幅方向長さLcと先端部120bの幅方向長さLbとの関係はは前記実施例と同じである。分岐油路122は、図7に示す平面視の形状において、基端部120aから先端部120b側へ向かうに従って幅方向の寸法が滑らかに狭くなる先細形状部122aを基端部120a側に備えており、その先細形状部122aよりも先端部120b側は幅方向の寸法が略一定の長方形状を成している。先細形状部122aの上流側内壁面122bは、主流通経路Aに対して直角な方向から主流通経路Aの下流側へ向かって傾斜角度θ2で傾斜する姿勢で第2オイルパイプ本体部54cに連結されている。傾斜角度θ2は、前記実施例の傾斜角度θ1よりも大きく、例えば20°程度である。一方、先細形状部122aの下流側内壁面122cは、主流通経路Aに対して直角な方向からの傾斜角度が、上流側内壁面122bの傾斜角度θ2よりも小さく、本実施例では主流通経路Aに対して略直角になる姿勢で第2オイルパイプ本体部54cに連結されている。本実施例でも、先細形状部122aが設けられることにより、実質的に前記実施例と同様の作用効果が得られる。

図8は、図5に対応する断面図で、前記実施例に比較して、分岐パイプ56と反対側の分岐パイプ70が無い場合である。すなわち、分岐パイプ70は必要に応じて設けられれば良い。前記複数の分岐パイプ90についても、その一部または全部を省略することが可能である。

図9は、本発明が適用される車両の動力伝達装置の別の例を示した骨子図である。この車両130は、駆動力源として単一のモータジェネレータMGを備えている電気自動車で、モータジェネレータMGの出力を減速歯車装置30からディファレンシャル装置32に伝達し、左右のドライブシャフト36を介して左右の駆動輪38に分配する動力伝達装置132を備えている。このような動力伝達装置132においても、ディファレンシャル装置32のデフリングギヤGdによって回転駆動されるオイルポンプPからオイル148が供給されるオイルパイプ50を用いて動力伝達装置132の各部を潤滑することが可能で、前記実施例と同様の作用効果が得られる。

以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

例えば、前述の実施例においては、分岐パイプ56は、基端部56aから先端部56bに向かって幅方向の長さ寸法が連続的に小さくなるように形成されているが、必ずしもこれに限らず、分岐パイプ56は、基端部56aから先端部56bに向かって幅方向の長さ寸法が段階的に小さくなっていてもよい。すなわち、分岐パイプ56は、開口62の幅方向の長さLcが先端部56bの幅方向の長さLbよりも長くなるように形成されて、分岐パイプ56の先端部56bに流通するオイル量を増加させるとともに、分岐パイプ56の耐久性の低下を抑制することができる形状であればよい。

また、前述の実施例においては、分岐パイプ56の基端部56aは、第2オイルパイプ本体部54cの上端側の長手形状に沿うように、車両後方側から車両前方側へ向かう方向である幅方向に延びるように形成されているが、必ずしもこれに限らない。すなわち、第2オイルパイプ本体部54cに連結される基端部56aは、第2オイルパイプ本体部54cの上端部の形状に基づいて、車両下方側から車両上方側へ向かう方向に延びるように形成されていてもよいし、車両幅方向、例えば車両左方向から車両右方向へ向かう方向、に延びるように形成されていてもよい。

その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。

10、130:車両 12、132:動力伝達装置 20:エンジン(駆動力源) 38:駆動輪 50:オイルパイプ 52:供給口 54:オイルパイプ本体 54c:車両上方側端部 56、120:分岐パイプ 56a、120a:基端部 56b、120b:先端部 62:開口 64:分岐油路(先細形状部) 64a、122b:上流側内壁面 64b、122c:下流側内壁面 64p:上流側分岐点 66:吐出口 70:分岐パイプ(第2の分岐パイプ) 72:吐出口(第2の吐出口) 74:分岐油路(第2の分岐油路) 74p:上流側分岐点 90:分岐パイプ(第3の分岐パイプ) 92:吐出口(第3の吐出口) 112:連通孔 122:分岐油路 122a:先細形状部 148:オイル 162:潤滑必要部位 Gd:デフリングギヤ(動力伝達部材) MG:モータジェネレータ(駆動力源) MG2:第2モータジェネレータ(駆動力源) P:オイルポンプ P1:第1オイルポンプ(オイルポンプ) Lb:先端部の幅方向長さ Lc:開口の幅方向長さ A:主流通経路

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