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バインダー組成物及び/またはセメントは、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を更に含有していてもよい。 本明細書において使用される用語「高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料」は、シリカに対するアルミナの比率(またはA:S)が0.7より大きく、耐火れんがなどの耐火性材料由来である材料を意味する。 いくつかの実施形態では、シリカに対するアルミナの比率は1より大きくてもよく、ある実施形態では、少なくとも17ほどに高くてもよい。 つまり、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、シリカよりもアルミナを多く含んでいてもよく、いくつかの場合にはシリカよりも大幅に多くアルミナを含んでいてもよい。 高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の例としては、特には破砕耐火れんが、耐火れんがグロッグ、耐火モルタル、耐火粘土、ムライト、溶融ムライト、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、高アルミナセメントに対する低コスト補完物質として機能する。 いくつかの実例では、バインダー組成物中のアルミナ含量が高いほどより耐熱性が優れる場合があり、これは高温用途(例えば約93.3℃( 200°F )以上の温度などの坑井孔)に有利な場合がある。 破砕耐火れんが及び耐火れんがグロッグなどのいくつかの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、いくつかの他のアルミノシリケート材料のアモルファス構造とは対照的に、結晶構造を含んでいる場合がある。 更に、破砕耐火れんが及び耐火れんがグロッグなどのいくつかの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、異なる材料源から得られる材料間で、それらの特性に十分な均質性を示すことができる。 これは、他のバインダー組成物に添加されるフライアッシュのようなケイ素質フィラーなどの他のフィラーに対する複数の利点を与えうる。 例えば、異なるバッチの「フライアッシュ」(粉砕石炭または粉末状石炭の燃焼によって生じ、例えば発電所で発生した燃焼排ガスなどによって運ばれる、微粉末残渣のことをいう)は、フライアッシュの廃棄物という特性のため、大きく異なる性質を示す場合がある。 特に、フライアッシュは中でも石灰、セメント、石膏、CaO、及びSiO 2のうちの任意の1つ以上で汚染されている場合がある。 この不均質性及び他の不均質性のため、異なるバッチのフライアッシュを得てバインダー組成物に添加するたびに、セメント処方の試験及び修正を行うことが必要になることもあり得る。 それに対して、耐火グロッグなどの実質的に均質の材料を使用することで、異なるバッチ及び/または異なる材料源の耐火グロッグを使用しても、バインダー組成物の均質性を高めることができる(及びそれによって繰り返し試験及び/または再処方をする必要性が減る)。 この利点は、フライアッシュなどのフィラーを含有するセメント材料が予測できない結果を生じさせる場合のあるいくつかの低温用途(例えば約93.3℃( 200°F )未満)で特に際立つ。
また、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、いくつかの実施形態のバインダー組成物及び/またはセメントに、粉砕状、粉末状、または他の同様な粒子状の形態で含まれていてもよい。 いくつかの実施形態では、バインダー組成物及び/またはセメントは、 粒径が4.76mm以下( U.S.メッシュサイズ4及びそれ以下に対応)の高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子を含有していてもよい。 いくつかの実施形態では、高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子の粒子径は2.00mm以下( U.S.メッシュサイズ10及びそれ以下に対応)であってもよい。 様々な実施形態にかかる高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子の粒径の上限は、0.177、0.210、0.250、0.297、0.420、0.500、0.595、0.707、0.841、1.00、1.19、1.41、1.68、2.00、2.38、2.83、3.36、及び4.76mm(それぞれ 80、70、60、50、40、35、30、25、20、18、16、14、12、10、8、7、6、及び4U.S.メッシュサイズに対応)のうちのいずれか1つであってもよい。 高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子のサイズに下限がない実施形態もあるが、サイズの下限を有する実施形態がある場合もある。 例えば、様々な実施形態にかかる高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子の粒径の下限は、0.037、0.044、0.053、0.063、0.074、0.088、0.105、0.125、0.149、0.177、0.210、0.250、0.297、0.420、0.595、0.707、0.841、1.00、1.19、1.41、1.68、2.00、2.38、2.83、及び3.36mm(それぞれ 400、325、270、230、200、170、140、120、100、80、70、60、50、40、30、25、20、18、16、14、12、10、8、7及び6U.S.メッシュサイズに対応)のうちのいずれか1つであってもよい。 したがって、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物及び/またはセメントは、次の例示的な範囲: 約0.037〜0.177mmの粒径(約400〜80U.S.メッシュサイズに対応) 、 約0.037〜0.074mmの粒径(約400〜200U.S.メッシュサイズに対応) 、 約0.149〜0.595mmの粒径(約100〜30U.S.メッシュサイズに対応) 、 約0.177〜0.250mmの粒径(約80〜60U.S.メッシュサイズに対応) 、 約0.177〜1.00mmの粒径(約80〜約18U.S.メッシュサイズに対応)等、のうちの、任意の1つ以上のサイズの高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、水と高アルミナセメントと高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料とリン含有材料とを含有するバインダー組成物は、比較的低温で、すなわち約93.3℃( 200°F ) 、 87.8℃( 190°F ) 、 82.2℃( 180°F ) 、 76.7℃( 170°F ) 、 71.1℃( 160°F ) 、 65.6℃( 150°F ) 、 60.0℃( 140°F ) 、 54.4℃( 130°F ) 、 48.9℃( 120°F ) 、 43.3℃( 110°F ) 、 37.8℃( 100°F )未満、またはそれ以下の温度で凝結及び/または硬化することができる。 他の実施形態では、バインダー組成物は約93.3℃( 200°F )の温度で凝結及び/または硬化することができる。 ある実施形態では、凝結と硬化のいずれも極端な温度で、例えば148.9℃( 300°F )以上で、あるいはいくつかの実施形態では176.7℃( 350°F )以上で生じる場合がある。 いくつかの実施形態では、凝結及び/または硬化は約204.4℃( 400°F ) 、 232.2℃( 450°F ) 、 260.0℃( 500°F ) 、 287.8℃( 550°F ) 、及び315.6℃( 600°F )のうちの任意の1つ以上で生じる場合がある。 前述した任意の1つ以上の温度での圧力は2,000psi〜35,000psiの範囲であってもよい。 圧力の下限にはこの範囲内の任意の整数値または非整数値が含まれていてもよい。 同様に、圧力の上限にはこの範囲内の任意の整数値または非整数値が含まれていてもよい。 したがって、いくつかの実施形態にかかる圧力設定範囲には、例えば2,000〜3,000psi、2,500〜2,750psi、3,050psi〜5,075psi、7,500psi〜10,000psi、9,000psi〜15,000psi、9,000psi〜25,000psi、10,000psi〜30,000psi、25,000〜30,000psiのいずれかなどが含まれていてもよい。 本明細書において使用される「凝結する」または「凝結」は、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物などの材料がスラリー状態から固化した状態に硬化するプロセスのことをいう。 例えば、「凝結」は、少なくとも部分的に水の存在下での水和反応によって硬化する材料のことをいう場合がある。 いくつかの実施形態では、凝結は特に適切な条件下(例えば適切な温度及び/または圧力)におけるバインダー組成物などの材料の打設であってもよい。 この打設は、いくつかの実施形態に従い、坑底であってもよい。 本明細書において使用される「硬化」は、継続的に及び/またはより大きい、温度条件下及び/または圧力条件下におかれた場合に、凝結した材料が受けうる現象のことをいう。 したがって、「硬化」には、後に続く処理、及び/または、凝結した材料を特定の条件下(これは材料が最初に凝結する時と同様の条件であってもよく、あるいは、より高い温度及び/または圧力条件の場合などの異なる条件であってもよい)におくことが含まれる。
以上から、本発明は、言及した目的及び利点を実現するためのみならず、これらに内在するものを実現するためにもよく適している。 本開示は、本明細書の教示の利益を有する当業者にとって明白な、異なるが均等な方法に修正または実施でき、上に開示した具体的な実施形態は例示的なものに過ぎない。 更に、以下の請求項で記載されているもの以外に、本明細書で示した構造または設計の詳細に限定することは意図されていない。 したがって、上に開示した具体的な例示実施形態は変更または修正可能であり、全てのそのようなバリエーションが本開示の範囲及び趣旨に含まれると考えられることは明白である。 特に、本明細書で開示される値の全ての範囲(「約aから約b」、または等価的な「おおよそaからb」、または等価的な「おおよそa〜b」の形態)は、値のそれぞれの範囲のべき集合(全ての部分集合の集合)のことをいい、また値のより広い範囲に包含される全ての範囲を意味すると理解されるべきである。 また、請求項の中の用語は、特許権者によって明示的に及び明確に定義される場合を除いては、単純な、通常の意味を有する。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕水、及び、
セメント
を含むバインダー組成物であって、前記セメントが、
高アルミナセメントと、
約0.7より大きいアルミナ対シリカの比率でアルミナ及びシリカを含む高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、
リン含有材料と
を含むことを特徴とする、バインダー組成物。
〔2〕前記高アルミナセメントが、アルミン酸カルシウムを含む、前記〔1〕に記載のバインダー組成物。
〔3〕前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の50質量%より多い量でムライトを含む、前記〔1〕に記載のバインダー組成物。
〔4〕前記高アルミナアルミノシリケートが、実質的にアモルファス材料を含まない、前記〔3〕に記載のバインダー組成物。
〔5〕前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、破砕耐火れんが、耐火れんがグロッグ、耐火モルタル、耐火粘土、ムライト、溶融ムライト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む、前記〔1〕に記載のバインダー組成物。
〔6〕前記リン含有材料が、リン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、トリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ポリリン酸塩、前述のいずれか1つのものの塩、及びこれらの組み合わせ、からなる群から選択される化合物を含む、前記〔1〕に記載のバインダー組成物。
〔7〕前記高アルミナセメントが、前記セメントの質量基準で約20%〜約70%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在し、
前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、前記セメントの質量基準で約20%〜約70%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在し、そして
前記リン含有材料が、前記セメントの質量基準で約1%〜約30%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在する、前記〔1〕に記載のバインダー組成物。
〔8〕前記水が、前記バインダー組成物を含有するポンプ移送可能なスラリーを形成するのに十分な量で前記バインダー組成物中に存在する、前記〔1〕に記載のバインダー組成物。
〔9〕凝結遅延剤を更に含有する、前記〔8〕に記載のバインダー組成物。
〔10〕第一の凝結遅延剤及び第二の凝結遅延剤を更に含有する、前記〔8〕に記載のバインダー組成物。
〔11〕凝結遅延剤、ミクロスフェア、粉砕ゴム粒子、炭素繊維、促進剤、界面活性剤、流体損失抑制剤、加重材、分散剤、気体発生剤、逸泥用材、濾過調整剤、消泡剤、油膨潤性粒子、水膨潤性粒子、チキソトロピー付与剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を更に含有する、前記〔1〕に記載のバインダー組成物。
〔12〕前記バインダー組成物を発泡させるのに十分な量の膨張剤と、
発泡剤、泡安定剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物と、
を更に含有する、前記〔1〕に記載のバインダー組成物。
〔13〕バインダー組成物を地下層に導入する工程、及び、
前記バインダー組成物を凝結させる工程
を含むセメンチング方法であって、前記バインダー組成物が、
水と、
高アルミナセメントと、
約0.7より大きいアルミナ対シリカの比率でアルミナ及びシリカを含む高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、
リン含有材料と
を含むスラリーを含むことを特徴とする、方法。
〔14〕前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、破砕耐火れんが、耐火れんがグロッグ、耐火モルタル、耐火粘土、ムライト、溶融ムライト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む、前記〔13〕に記載の方法。
〔15〕前記高アルミナセメントが、前記高アルミナセメントと前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と前記リン含有材料との合計質量基準で約20%〜約70%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在し、
前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、前記高アルミナセメントと前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と前記リン含有材料との合計質量基準で約20%〜約70%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在し、
前記リン含有材料が、前記高アルミナセメントと前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と前記リン含有材料との合計質量基準で約1%〜約30%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在する、前記〔13〕に記載の方法。
〔16〕前記バインダー組成物が、30U. S. メッシュのサイズまたはそれより小さい高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子を含む、前記〔13〕に記載の方法。
〔17〕前記バインダー組成物を凝結させる工程が、前記バインダー組成物を約200°F以下の温度で凝結させる工程を含む、前記〔13〕に記載の方法。
〔18〕前記バインダー組成物を凝結させる工程に続けて、約400°F以上の温度で前記バインダー組成物を硬化させる工程を更に含む、前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕前記バインダー組成物を硬化させる工程が、前記バインダー組成物を地下層から産出される1種以上の化合物に曝露させる工程を含む、前記〔18〕に記載の方法。
〔20〕前記バインダー組成物を硬化させる工程が、増進石油回収技術及び廃棄作業のうちの少なくとも1つを行う工程を含む、前記〔18〕に記載の方法。
〔21〕前記高アルミナセメントと、前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、前記リン含有材料とのうちの1つ以上を、混合装置を用いて水と混合する工程を更に含む、前記〔13〕に記載の方法。
〔22〕前記バインダー組成物が、1つ以上のポンプを用いて地下層の中に導入される、前記〔13〕に記載の方法。
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