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ズームレンズ鏡筒

阅读:1032发布:2020-08-13

专利汇可以提供ズームレンズ鏡筒专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】フレキシブル 基板 の適切な配置を実現した多段繰出式のズームレンズ鏡筒を提供する。 【解決手段】外側の固定筒から順に第1、第2、第3の繰出段部を有し、第3の繰出段部内に光軸方向に移動可能な内方移動部を支持したズームレンズ鏡筒で、収納状態からズーム撮影域まで動作するときには、第1、第2、第3の繰出段部がそれぞれ光軸方向の物体側に移動する。ズーム撮影域内で焦点距離を変化させるときには、第1繰出段部と第3繰出段部はそれぞれ固定筒と第2繰出段部に対して光軸方向に移動せず、第2繰出段部が第1繰出段部に対して光軸方向に移動する。内方移動部が支持する電気部品と制御部を接続するフレキシブル基板は、第2繰出段部を構成する第2段直進案内環に固定的に支持される第1支持部と、固定筒に固定的に支持される第2支持部と、電気部品から第1支持部までの第1中間部と、第1支持部から第2支持部までの第2中間部とを有し、第1中間部と第2中間部はそれぞれ第1繰出段部及び第3繰出段部に対しては固定されない。 【選択図】図9,下面是ズームレンズ鏡筒专利的具体信息内容。

固定筒; 上記固定筒の内側に位置し、上記固定筒に対して光軸方向に移動可能に支持される第1繰出段部; 上記第1繰出段部の内側に位置し、上記第1繰出段部に対して光軸方向に移動可能に支持される第2繰出段部; 上記第2繰出段部の内側に位置し、上記第2繰出段部に対して光軸方向に移動可能に支持される第3繰出段部; 電気部品を支持し、上記第3繰出段部に対して光軸方向に移動可能に支持される内方移動部; 上記電気部品と制御部を接続するフレキシブル基板;及び 光軸方向に相対移動して焦点距離を変化させる複数の変倍レンズ群を含む撮像光学系; を有し、 撮影を行わない収納状態から上記撮像光学系による撮影を可能にするズーム撮影域まで動作するときに、上記第1繰出段部、上記第2繰出段部及び上記第3繰出段部がそれぞれ光軸方向の物体側に移動すること; 上記ズーム撮影域内で焦点距離を変化させるとき、上記第1繰出段部は上記固定筒に対して光軸方向に移動せず、上記第3繰出段部は上記第2繰出段部に対して光軸方向に移動せず、上記第2繰出段部が上記第1繰出段部に対して光軸方向に移動すること; 上記第2繰出段部は、回転可能な第2段回転筒と、光軸方向に直進案内されて回転しない第2段直進案内環とを有すること;及び 上記フレキシブル基板は、上記第2段直進案内環に固定的に支持される第1支持部と、上記固定筒に固定的に支持される第2支持部と、上記電気部品から上記第1支持部までの第1中間部と、上記第1支持部から上記第2支持部までの第2中間部とを有し、上記第1中間部と上記第2中間部はそれぞれ上記第1繰出段部及び上記第3繰出段部に対して固定されないこと; を特徴とするズームレンズ鏡筒。請求項1記載のズームレンズ鏡筒において、上記フレキシブル基板の上記第1の中間部は上記第3の繰出段部の光軸方向の像面側位置を跨いで配設され、上記第2の中間部は上記第1の繰出段部の光軸方向の像面側位置を跨いで配設されるズームレンズ鏡筒。請求項1または2記載のズームレンズ鏡筒において、 上記第2段直進案内環は、上記光軸方向と光軸を中心とする周方向のいずれに対しても傾斜する傾斜溝部と、上記傾斜溝部の光軸方向の物体側の端部に接続して上記周方向に延びる周方向溝部とを含む3段用ガイド溝を有し、上記3段用ガイド溝によって上記第3の繰出段部の移動を案内し、 上記第2段直進案内環のうち、上記3段用ガイド溝の上記周方向溝部に対する光軸方向の像側位置に、上記フレキシブル基板の上記第1の支持部を固定的に支持するフレキシブル基板支持部と、径方向に貫通して上記フレキシブル基板を挿通させるフレキシブル基板導入穴とを有しているズームレンズ鏡筒。請求項3記載のズームレンズ鏡筒において、上記第3の繰出段部は、 上記3段用ガイド溝に対して摺動可能に挿入されるガイド突起と、上記第2段回転筒から回転方向のを伝達される回転伝達部と、上記複数の変倍レンズ群の光軸方向移動を案内する複数のカム溝とを有するカム筒;及び 上記第2段直進案内環を介して上記光軸方向に直進移動可能に案内されて、上記カム筒と共に光軸方向に移動する第3段直進案内環; を有し、 上記収納状態から上記ズーム撮影域になるときに、上記カム筒の上記ガイド突起が上記3段用ガイド溝の上記傾斜溝部を移動し、上記ズーム撮影域では上記カム筒の上記ガイド突起が上記3段用ガイド溝の上記周方向溝部を移動するズームレンズ鏡筒。請求項1ないし4のいずれか1項記載のズームレンズ鏡筒において、 上記固定筒は、上記光軸方向と光軸を中心とする周方向のいずれに対しても傾斜する傾斜溝部と、上記傾斜溝部の光軸方向の物体側の端部に接続して上記周方向に延びる周方向溝部とを含む1段用ガイド溝を有し、上記1段用ガイド溝によって上記第1の繰出段部の移動を案内し、 上記固定筒のうち上記1段用ガイド溝の上記周方向溝部に対する光軸方向の像側位置に、上記フレキシブル基板の上記第2の支持部を固定的に支持するフレキシブル基板支持部と、径方向に貫通して上記フレキシブル基板を挿通させるフレキシブル基板導入穴とを有しているズームレンズ鏡筒。請求項5記載のズームレンズ鏡筒において、上記第1の繰出段部は、 上記1段用ガイド溝に対して摺動可能に挿入されるガイド突起と、上記第2段回転筒に対して回転方向の力を伝達する回転伝達部を有する第1段回転筒;及び 上記固定筒を介して上記光軸方向に直進移動可能に案内されて、上記第1段回転筒と共に光軸方向に移動する第1段直進案内環; を有し、 上記収納状態から上記ズーム撮影域になるときに、上記第1段回転筒の上記ガイド突起が上記1段用ガイド溝の上記傾斜溝部を移動し、上記ズーム撮影域では上記第1段回転筒の上記ガイド突起が上記1段用ガイド溝の上記周方向溝部を移動するズームレンズ鏡筒。請求項6記載のズームレンズ鏡筒において、上記第1段直進案内環は、上記光軸方向と上記周方向のいずれに対しても傾斜する繰出用傾斜溝部と、上記繰出用傾斜溝部の光軸方向の物体側の端部に接続して上記周方向に延びる第1の周方向溝部と、上記光軸方向と上記周方向のいずれに対しても傾斜しながら上記第1の周方向溝部よりも光軸方向の物体側に向けて延びるズーム域用傾斜溝部と、上記ズーム域用傾斜溝部の光軸方向の物体側の端部に接続して上記周方向に延びる第2の周方向溝部と含む2段用ガイド溝を有し、上記2段用ガイド溝に対して、上記第2段回転筒に設けたガイド突起が摺動可能に挿入され、 上記収納状態から上記ズーム撮影域になるときに、上記第2段回転筒の上記ガイド突起が上記2段用ガイド溝の上記繰出用傾斜溝部を移動し、上記ズーム撮影域では上記第2段回転筒の上記ガイド突起が上記2段用ガイド溝の上記第1の周方向溝部と上記ズーム域用傾斜溝部と上記第2の周方向溝部を移動するズームレンズ鏡筒。請求項1ないし7のいずれか1項記載のズームレンズ鏡筒において、上記電気部品はシャッタを駆動するシャッタアクチュエータであるズームレンズ鏡筒。請求項1ないし8のいずれか1項記載のズームレンズ鏡筒において、上記内方移動部は、上記電気部品とは別に上記複数の変倍レンズ群の一つを支持しているズームレンズ鏡筒。

说明书全文

本発明はズームレンズ鏡筒に関し、特にズームレンズ鏡筒におけるフレキシブル基板の配設構造に関する。

撮像装置を構成するズームレンズ鏡筒では、電気的に動作を制御するシャッタなどの電気部品を制御回路に接続させる手段としてフレキシブル基板が多用されている。繰出式のズームレンズ鏡筒で光軸方向に移動可能な移動部に電気部品が支持されている場合には、移動部の移動時に過大な負荷や断線が生じることを防ぐために、フレキシブル基板の長さに余裕を持たせている。但し、フレキシブル基板が長すぎたり配置が不適切であったりすると、フレキシブル基板に不要な弛みが生じて、ズームレンズ鏡筒の構成部材に干渉したり、光路を遮ったりしてしまうおそれがある。よって、こうした不具合が生じない適切な長さと配置でフレキシブル基板を配設することが求められる。

特許文献1から特許文献4には、ズームレンズ鏡筒内に支持されたシャッタブロックに接続するフレキシブル基板の配設構造が記載されている。特許文献1や特許文献2には、多段繰出式のズームレンズ鏡筒で、最も外径側に位置する固定筒からシャッタブロックを支持する移動部に至るまでの各繰出段部にフレキシブル基板を支持させた構成が記載されている。各繰出段部は光軸方向に直進移動する筒状の直進移動部材を有しており、光軸方向に長手方向を向けた帯状のフレキシブル基板を途中で折り返して直進移動部材の周面に沿わせて支持させている。フレキシブル基板は、各繰出段部の間でU字状に湾曲しており、レンズ鏡筒の繰出量の変化に応じて湾曲部の光軸方向位置や突出量を変化させる。特許文献3のズームレンズ鏡筒では、最も外径側に位置する固定筒に支持させたフレキシブル基板をシャッタブロックまで直接的に導いている。特許文献4のズームレンズ鏡筒では、固定筒を基準として2段目の繰出段部を構成する直進案内環にフレキシブル基板を支持させ、この直進案内環により直進案内を受ける移動環(固定筒を基準として3段目の繰出段部)内に支持されたシャッタブロックにフレキシブル基板が接続している。

特開2002-277707号公報

特開平11-38305号公報

特開2006-53444号公報

特開2009-192815号公報

ズームレンズ鏡筒の繰出段部の多段化が進むと共に、電気部品を支持する移動部の移動量が大きくなるにつれて、従来の構成では、ズームレンズ鏡筒の動作を制約せずにフレキシブル基板を過不足のない長さで適切に配置することが難しくなるという課題が生じてきた。そこで本発明はフレキシブル基板の適切な配置を実現した多段繰出式のズームレンズ鏡筒を提供することを目的とする。

本発明のズームレンズ鏡筒は、固定筒;固定筒の内側に位置し、固定筒に対して光軸方向に移動可能に支持される第1繰出段部;第1繰出段部の内側に位置し、第1繰出段部に対して光軸方向に移動可能に支持される第2繰出段部;第2繰出段部の内側に位置し、第2繰出段部に対して光軸方向に移動可能に支持される第3繰出段部;電気部品を支持し、第3繰出段部に対して光軸方向に移動可能に支持される内方移動部;電気部品と制御部を接続するフレキシブル基板;光軸方向に相対移動して焦点距離を変化させる複数の変倍レンズ群を含む撮像光学系;を有しており、以下の構成を有することを特徴とする。撮影を行わない収納状態から撮像光学系による撮影を可能にするズーム撮影域まで動作するときに、第1繰出段部、第2繰出段部及び第3繰出段部がそれぞれ光軸方向の物体側に移動する。ズーム撮影域内で焦点距離を変化させるとき、第1繰出段部は固定筒に対して光軸方向に移動せず、第3繰出段部は第2繰出段部に対して光軸方向に移動せず、第2繰出段部が第1繰出段部に対して光軸方向に移動する。第2繰出段部は、回転可能な第2段回転筒と、光軸方向に直進案内されて回転しない第2段直進案内環を有する。フレキシブル基板は、第2段直進案内環に固定的に支持される第1支持部と、固定筒に固定的に支持される第2支持部と、電気部品から第1支持部までの第1中間部と、第1支持部から第2支持部までの第2中間部とを有し、第1中間部と第2中間部はそれぞれ第1繰出段部及び第3繰出段部に対しては固定されない。

フレキシブル基板の第1の中間部は第3の繰出段部の光軸方向の像面側位置を跨いで配設され、第2の中間部は第1の繰出段部の光軸方向の像面側位置を跨いで配設されるとよい。

第2段直進案内環は、光軸方向と光軸を中心とする周方向のいずれに対しても傾斜する傾斜溝部と、この傾斜溝部の光軸方向の物体側の端部に接続して周方向に延びる周方向溝部とを含む3段用ガイド溝を有し、3段用ガイド溝によって第3の繰出段部の移動を案内し、第2段直進案内環のうち、3段用ガイド溝の周方向溝部に対する光軸方向の像側位置に、フレキシブル基板の第1の支持部を固定的に支持するフレキシブル基板支持部と、径方向に貫通してフレキシブル基板を挿通させるフレキシブル基板導入穴とを形成するとよい。

第3の繰出段部は、3段用ガイド溝に対して摺動可能に挿入されるガイド突起と、第2段回転筒から回転方向のを伝達される回転伝達部と、複数の変倍レンズ群の光軸方向移動を案内する複数のカム溝とを有するカム筒;第2段直進案内環を介して光軸方向に直進移動可能に案内されて、カム筒と共に光軸方向に移動する第3段直進案内環;を有し、収納状態からズーム撮影域になるときに、カム筒のガイド突起が3段用ガイド溝の傾斜溝部を移動し、ズーム撮影域ではカム筒のガイド突起が3段用ガイド溝の周方向溝部を移動する。

固定筒は、光軸方向と光軸を中心とする周方向のいずれに対しても傾斜する傾斜溝部と、傾斜溝部の光軸方向の物体側の端部に接続して周方向に延びる周方向溝部とを含む1段用ガイド溝を有し、1段用ガイド溝によって第1の繰出段部の移動を案内する。固定筒のうち1段用ガイド溝の周方向溝部に対する光軸方向の像側位置に、フレキシブル基板の第2の支持部を固定的に支持するフレキシブル基板支持部と、径方向に貫通してフレキシブル基板を挿通させるフレキシブル基板導入穴とを形成するとよい。

第1の繰出段部は、1段用ガイド溝に対して摺動可能に挿入されるガイド突起と、第2段回転筒に対して回転方向の力を伝達する回転伝達部を有する第1段回転筒;固定筒を介して光軸方向に直進移動可能に案内されて、第1段回転筒と共に光軸方向に移動する第1段直進案内環;を有し、収納状態からズーム撮影域になるときに、第1段回転筒のガイド突起が1段用ガイド溝の傾斜溝部を移動し、ズーム撮影域では第1段回転筒のガイド突起が1段用ガイド溝の周方向溝部を移動する。

第1段直進案内環は、光軸方向と周方向のいずれに対しても傾斜する繰出用傾斜溝部と、繰出用傾斜溝部の光軸方向の物体側の端部に接続して周方向に延びる第1の周方向溝部と、光軸方向と周方向のいずれに対しても傾斜しながら第1の周方向溝部よりも光軸方向の物体側に向けて延びるズーム域用傾斜溝部と、ズーム域用傾斜溝部の光軸方向の物体側の端部に接続して周方向に延びる第2の周方向溝部と含む2段用ガイド溝を有し、2段用ガイド溝に対して、第2段回転筒に設けたガイド突起が摺動可能に挿入される。収納状態からズーム撮影域になるときに、第2段回転筒のガイド突起が2段用ガイド溝の繰出用傾斜溝部を移動し、ズーム撮影域では第2段回転筒のガイド突起が2段用ガイド溝の第1の周方向溝部とズーム域用傾斜溝部と第2の周方向溝部を移動する。

フレキシブル基板が接続する電気部品は、例えばシャッタを駆動するシャッタアクチュエータである。

内方移動部は、電気部品とは別に複数の変倍レンズ群の一つを支持してもよい。

以上の本発明によれば、多段繰出式のズームレンズ鏡筒においてフレキシブル基板の長さに過不足が生じにくく適切な配置を実現することができる。

本発明を適用したズームレンズ鏡筒の収納状態の断面図である。

ズームレンズ鏡筒の一部の構成要素の分解斜視図である。

ズームレンズ鏡筒の一部の構成要素の分解斜視図である。

ズームレンズ鏡筒の一部の構成要素の分解斜視図である。

ズームレンズ鏡筒の一部の構成要素の分解斜視図である。

ズームレンズ鏡筒の一部の構成要素の分解斜視図である。

ズームレンズ鏡筒の収納状態の上半断面図である。

ズームレンズ鏡筒のワイド端での上半断面図である。

ズームレンズ鏡筒のテレ端での上半断面図である。

固定筒の展開平面図である。

第1直進案内環の展開平面図である。

第2直進案内環の展開平面図である。

第1直進案内環と第1繰出筒の関係を示す展開平面図であり、(A)は収納状態、(B)は繰出開始状態、(C)はワイド端、(D)はテレ端での関係である。

第2直進案内環と第2繰出筒の関係を示す展開平面図であり、(A)は収納状態、(B)は繰出開始状態、(C)はワイド端、(D)はテレ端での関係である。

収納状態におけるカム筒と第2レンズ群枠を示す斜視図である。

収納状態におけるカム筒と第2レンズ群枠を光軸方向後方から見た図である。

ズームレンズ鏡筒の繰出または収納動作の途中におけるカム筒と第2レンズ群枠を示す斜視図である。

ズームレンズ鏡筒の繰出または収納動作の途中におけるカム筒と第2レンズ群枠を光軸方向後方から見た図である。

撮影状態におけるカム筒と第2レンズ群枠を示す斜視図である。

撮影状態におけるカム筒と第2レンズ群枠を光軸方向後方から見た図である。

収納状態における背面板の一部と第2レンズ群枠と退避レバーを示す斜視図である。

ズームレンズ鏡筒の電装系の一部を概念的に示すブロック図である。

ズームレンズ鏡筒の動作に伴うシャッタ用フレキシブル基板の形状変化を示した側面図であり、(A)は収納状態、(B)はワイド端、(C)はテレ端での形状である。

以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。本実施形態のズームレンズ鏡筒1は図示を省略したカメラボディに装着するものであり、図8と図9に示す撮影状態では、物体(被写体)側から順に、第1レンズ群LG1、シャッタS、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、光学フィルタ21(例えば赤外線カットフィルタ)及び撮像素子20の各光学要素によって撮像光学系が構成される。第1レンズ群LG1の前部には保護ガラス4が設けられる。以下の説明では、撮像光学系の光軸Oに沿う方向における物体側を前方、像側を後方と呼ぶ。また、光軸方向とは光軸Oと平行な方向(光軸Oに沿う方向)を意味する。

ズームレンズ鏡筒1は固定部材として固定筒9と背面板23を有し、固定筒9の後部に背面版23が固定される。光学フィルタ21と撮像素子20はパッキン22を挟んでユニット化された状態で背面版23に固定される(図2参照)。

第3レンズ群LG3は第3レンズ群枠6に支持されている。図2に示すように、第3レンズ群枠6は、第3レンズ群LG3を内部に挿入固定したレンズ支持筒6aから外径方向に突出する一対の支持腕部6b、6cを有する。光軸方向に軸線を向けた3群ガイド軸50(図3)の前後端が固定筒9と背面板23に固定されており、第3レンズ群枠6は、一方の支持腕部6bの先端付近に形成したガイド穴に対してガイド軸50を挿入させ、ガイド軸50を介して光軸方向に直進移動可能に支持されている。第3レンズ群枠6の他方の支持腕部6cの先端に形成した突起を、固定筒9の内側に形成され光軸方向に延びる回転規制溝(図には表れていない)に挿入させることで、第3レンズ群枠6の回転が規制される。図3に示すように、固定筒9には3群付勢バネ51とフォーカスモータユニット25が支持されている。フォーカスモータユニット25は、フォーカスモータ25aと、フォーカスモータ25aの駆動力によって光軸方向に移動されるナット25bを有している。第3レンズ群枠6は、3群付勢バネ51によって光軸方向前方に向けて付勢されてナット25bに当接している。フォーカスモータ25aを駆動させてナット25bを光軸方向に移動させると、ナット25bの位置変化に応じて第3レンズ群枠6が光軸方向に移動する。

固定筒9の内側には、フォーカスモータユニット25によって駆動される第3レンズ群枠6とは別に、ズームモータユニット26(図2)を用いて固定筒9に対して光軸方向に動作する多段の繰出段部が支持される。図2に示すように、ズームモータユニット26は、ズームモータ26aとズームギヤ26bとギヤボックス26cを有しており、ズームモータ26aの出力軸の回転をギヤボックス26c内のギヤ列を介してズームギヤ26bに伝達する。ズームギヤ26bは光軸方向に軸線を向けた長ギヤであり、固定筒9と背面板23によって軸支されている。ズームモータ26aとギヤボックス26cは固定筒9に対して固定されている。

フォーカスモータ25aとズームモータ26aにはモータ用フレキシブル基板52(図3)が接続している。モータ用フレキシブル基板52はズームレンズ鏡筒1を制御する制御部60(図22)に接続し、制御部60によってフォーカスモータ25aとズームモータ26aの駆動が制御される。

固定筒9の内周面には、周方向に位置を異ならせて複数のガイド溝(1段用ガイド溝)9aと複数の直進案内溝9bが形成されている。ガイド溝9aは3つ設けられており、図3と図10にはそのうち1つが表れている。図10から分かるように、ガイド溝9aは、光軸方向後方から順に、第1平部9a-1と、リード部(傾斜溝部)9a-2、第2水平部(周方向溝部)9a-3を有している。第1水平部9a-1と第2水平部9a-3は光軸Oを中心とする周方向に延びる溝部であり、リード部9a-2は光軸方向と周方向の両方に対して傾斜する螺旋状の溝部である。直進案内溝9bは光軸方向に延びる直線溝である。第1水平部9a-1の後端部には、ガイド溝9aを固定筒9の後端面に開口させる開口部9a-4が形成されている。

固定筒9にはさらにフレキシブル基板導入穴9cが形成されている。図10に示すように、フレキシブル基板導入穴9cは、周方向において2つの直進案内溝9bの間に位置し、かつ光軸方向においてガイド溝9aの第2水平部9a-3の後方に位置している。フレキシブル基板導入穴9cの光軸方向後方には、平板状のフレキシブル基板支持部9dが形成されている。

固定筒9の内側に第1繰出筒(第1繰出段部、第1段回転筒)10が位置する。第1繰出筒10の後端付近の外周面にはズームギヤ26bに噛合する周面ギヤ10a(図1、図7から図9を参照)が形成され、外径方向に向けて複数(3つ)のガイド突起10bが周方向に位置を異ならせて突設されている。各ガイド突起10bは、固定筒9のガイド溝9aに対して摺動可能に挿入される。より詳しくは、図10に示すように、ガイド突起10bは、光軸Oを中心とする周方向に延びる一対の周方向面10b-1を前後に有し、ガイド溝9aのリード部9a-2と略平行に傾斜する一対のリード面10b-2を周方向の両側に有している。ガイド突起10bがガイド溝9aの第1水平部9a-1と第2水平部9a-3に位置するときには、一対の周方向面10b-1が第1水平部9a-1と第2水平部9a-3を構成する一対の対向面による案内を受けて、ガイド突起10bが周方向に移動可能に案内される。すなわち第1繰出筒10が固定筒9に対する光軸方向位置を変化させない定位置回転を行う。ガイド突起10bがガイド溝9aのリード部9a-2に位置するときには、一対のリード面10b-2がリード部9a-2を構成する一対の対向面による案内を受けて、ガイド突起10bがリード部9a-2に沿って移動可能に案内される。すなわち第1繰出筒10が固定筒9に対する光軸方向位置を変化させる進退回転を行う。各ガイド突起10bは、ズームレンズ鏡筒1の組立工程において開口部9a-4を通して対応するガイド溝9aに挿入される。

第1繰出筒10の内周面には複数の結合溝10cと複数の連係溝(回転伝達部)10dが形成されている。図7から図9に示すように、結合溝10cは光軸方向に位置を異ならせて2箇所に形成されており、それぞれの結合溝10cは周方向に延びる溝部である。連係溝10dは周方向に位置を異ならせて3つ設けられており、図3と図13にはそのうち1つが表れている。図13に示すように、連係溝10dは光軸方向後方から順に、導入部10d-1、水平部10d-2、回転伝達部10d-3を有する屈曲形状をなしている。導入部10d-1と回転伝達部10d-3は光軸方向に延びる溝部であり、水平部10d-2は光軸Oを中心とする周方向に延びる溝部である。導入部10d-1は第1繰出筒10の後端面に開口している。

第1繰出筒10の内側に第1直進案内環(第1繰出段部、第1段直進案内環)11が位置する。図4に示すように、第1直進案内環11の後端付近には、外径方向に突出する複数の直進案内突起11aが周方向に位置を異ならせて設けられている。各直進案内突起11aは固定筒9の直進案内溝9bに対して摺動可能に挿入される。第1直進案内環11には直進案内突起11aよりも前方の外周面上に複数の結合突起11bが突設されており、各結合突起11bが第1繰出筒10の結合溝10cに対して摺動可能に挿入される。第1直進案内環11は、直進案内突起11aと直進案内溝9bの関係によって光軸方向に直進移動可能に案内される。第1直進案内環11はまた、結合突起11bと結合溝10cの関係によって、第1繰出筒10に対して相対回転可能かつ光軸方向に共に移動するように結合される。

第1直進案内環11の内周面には、光軸方向に延びる複数の直進案内溝11cが周方向に位置を異ならせて形成されている。また、第1直進案内環11には径方向に貫通する複数のガイド溝(2段用ガイド溝)11dが形成されている。図4に示すように、ガイド溝11dは周方向に位置を異ならせて3つ設けられている。図11と図13に示すように、ガイド溝11dは、光軸方向後方から順に、第1リード部(繰出用傾斜溝部)11d-1、第2リード部(繰出用傾斜溝部)11d-2、第1水平部(第1の周方向溝部)11d-3、第3リード部(ズーム域用傾斜溝部)11d-4、第2水平部(第2の周方向溝部)11d-5を有している。第1リード部11d-1の後端部には、ガイド溝11dを第1直進案内環11の後端面に開口させる開口部11d-6が形成されている。第1水平部11d-3と第2水平部11d-5は光軸Oを中心とする周方向に延びる溝部であり、第1リード部11d-1と第2リード部11d-2と第3リード部11d-4は光軸方向と周方向の両方に対して傾斜する螺旋状の溝部である。第2リード部11d-2と第3リード部11d-4は傾斜が略共通であり、第1リード部11d-1のみ傾斜角が異なる。具体的には、第2リード部11d-2と第3リード部11d-4よりも第1リード部11d-1の方が、光軸方向に対する傾斜角が小さく、周方向に対する傾斜角が大きい。

第1直進案内環11の内側に第2繰出筒(第2繰出段部、第2段回転筒)12が位置する。第2繰出筒12の後端付近には、外径方向に突出する複数のガイド突起12aが周方向に位置を異ならせて設けられている。ガイド突起12aは3つ設けられており、図4にはそのうち2つが表れている。各ガイド突起12aは、第1直進案内環11のガイド溝11dに対して摺動可能に挿入される。より詳しくは、図11と図13に示すように、ガイド突起12aは、光軸Oを中心とする周方向に延びる一対の周方向面12a-1を前後に有し、ガイド溝11dの第1リード部11d-1と略平行に傾斜する一対のリード面12a-2と、ガイド溝11dの第2リード部11d-2及び第3リード部11d-4と略平行に傾斜する一対のリード面12a-3とを周方向の両側に有している。図13(C)や図13(D)のようにガイド突起12aがガイド溝11dの第1水平部11d-3と第2水平部11d-5に位置するときには、一対の周方向面12a-1が第1水平部11d-3と第2水平部11d-5を構成する一対の対向面による案内を受けて、ガイド突起12aが周方向に移動可能に案内される。すなわち第2繰出筒12が第1直進案内環11に対する光軸方向位置を変化させない定位置回転を行う。図13(A)や図13(B)のようにガイド突起12aがガイド溝11dの第1リード部11d-1に位置するときには、一対のリード面12a-2が第1リード部11d-1を構成する一対の対向面による案内を受けて、ガイド突起12aが第1リード部11d-1に沿って移動可能に案内される。すなわち第2繰出筒12が第1直進案内環11に対する光軸方向位置を変化させる進退回転を行う。また、ガイド突起12aがガイド溝11dの第2リード部11d-2と第3リード部11d-4に位置するときには、一対のリード面12a-3が第2リード部11d-2と第3リード部11d-4を構成する一対の対向面による案内を受けて、ガイド突起12aが第2リード部11d-2と第3リード部11d-4に沿って移動可能に案内される。すなわち第2繰出筒12が第1直進案内環11に対する光軸方向位置を変化させる進退回転を行う。なお、第2繰出筒12の回転方向に対するガイド溝11dの傾斜角(リード角)の変化によって、ガイド突起12aが第2リード部11d-2と第3リード部11d-4により案内されるときよりも、ガイド突起12aが第1リード部11d-1に案内されるときの方が、第2繰出筒12の単位回転角あたりの光軸方向移動量が大きくなる。各ガイド突起12aは、ズームレンズ鏡筒1の組立工程において開口部11d-6を通して対応するガイド溝11dに挿入される。

第2繰出筒12の各ガイド突起12aから外径方向に向けて回転伝達突起12bが突出している。回転伝達突起12bはガイド突起12aと同数の3つ(図4には2つが表れている)が周方向に位置を異ならせて設けられており、各回転伝達突起12bは第1繰出筒10の連係溝10d内に摺動可能に位置している。各回転伝達突起12bは、ズームレンズ鏡筒1の組立工程において導入部10d-1を通して連係溝10dに挿入される。図13(A)のように回転伝達突起12bが連係溝10dの水平部10d-2に位置するときは、第1繰出筒10の回転が第2繰出筒12に伝達されず、図13(C)や図13(D)のように回転伝達突起12bが連係溝10dの回転伝達部10d-3に位置するときは、第1繰出筒10の回転が第2繰出筒12に伝達されて第1繰出筒10と第2繰出筒12が共に回転する。

第2繰出筒12の内周面には、複数の結合溝12cと複数の連係溝12dが形成されている。結合溝12cは光軸方向に位置を異ならせて2箇所に形成されており、それぞれの結合溝12cは周方向に延びる溝部である。連係溝12dは周方向に位置を異ならせて3つ設けられており、図4と図14にはそのうち1つが表れている。図14に示すように、連係溝12dは光軸方向後方から順に、導入部12d-1、水平部12d-2、回転伝達部12d-3を有している。導入部12d-1と回転伝達部12d-3は光軸方向に延びる溝部であり、水平部12d-2は光軸Oを中心とする周方向に延びる溝部である。導入部12d-1は第2繰出筒12の後端面に開口している。

第2繰出筒12の内側に第2直進案内環(第2繰出段部、第2段直進案内環)13が位置する。図4に示すように、第2直進案内環13の後端付近には、外径方向に突出する複数の直進案内突起13aが周方向に位置を異ならせて設けられている。各直進案内突起13aは第1直進案内環11の直進案内溝11cに対して摺動可能に挿入される。第2直進案内環13には直進案内突起13aよりも前方の外周面上に複数の結合突起13bが突設されており、各結合突起13bが第2繰出筒12の結合溝12cに対して摺動可能に挿入される。第2直進案内環13は、直進案内突起13aと直進案内溝11cの関係によって光軸方向に直進移動可能に案内される。第2直進案内環13はまた、結合突起13bと結合溝12cの関係によって、第2繰出筒12に対して相対回転可能かつ光軸方向に共に移動するように結合される。

第2直進案内環13の内周面には、光軸方向に延びる複数の直進案内溝13cが周方向に位置を異ならせて形成されている。また、第2直進案内環13には径方向に貫通する複数のガイド溝(3段用ガイド溝)13dが形成されている。図4に示すように、ガイド溝13dは周方向に位置を異ならせて3つ設けられている。図12と図14に示すように、ガイド溝13dは、光軸方向後方から順にリード部(傾斜溝部)13d-1と水平部(周方向溝部)13d-2を有している。リード部13d-1の後端部には、ガイド溝13dを第2直進案内環13の後端面に開口させる開口部13d-3が形成されている。リード部13d-1は光軸方向と周方向の両方に対して傾斜する螺旋状の溝部であり、水平部13d-2は光軸Oを中心とする周方向に延びる溝部である。

第2直進案内環13にはさらにフレキシブル基板導入穴13eが形成されている。図12に示すように、フレキシブル基板導入穴13eは、周方向において2つの直進案内溝13cの間に位置し、かつ光軸方向においてガイド溝13dの水平部13d-2の後方に位置している。フレキシブル基板導入穴13eの後部には平板状のフレキシブル基板支持部13fが形成されている。複数の結合突起13bは、フレキシブル基板導入穴13eやフレキシブル基板支持部13fと重ならない位置に形成されている。

第2直進案内環13の内側にカム筒(第3繰出段部)17が位置する。カム筒17の後端付近には外径方向に突出する複数のガイド突起17aが周方向に位置を異ならせて設けられている。ガイド突起17aは3つ設けられており、図5にはそのうち2つが表れている。各ガイド突起17aは、第2直進案内環13のガイド溝13dに対して摺動可能に挿入される。より詳しくは、図12に示すように、ガイド突起17aは、光軸Oを中心とする周方向に延びる一対の周方向面17a-1を前後に有し、ガイド溝13dのリード部13d-1と略平行に傾斜する一対のリード面17a-2を周方向の両側に有している。ガイド突起17aがガイド溝13dの水平部13d-2に位置するときには、一対の周方向面17a-1が水平部13d-2を構成する一対の対向面による案内を受けて、ガイド突起17aが周方向に移動可能に案内される。すなわちカム筒17が第2直進案内環13に対する光軸方向位置を変化させない定位置回転を行う。図14(A)や図14(B)のようにガイド突起17aがガイド溝13dのリード部13d-1に位置するときには、一対のリード面17a-2がリード部13d-1を構成する一対の対向面による案内を受けて、ガイド突起17aがリード部13d-1に沿って移動可能に案内される。すなわちカム筒17が第2直進案内環13に対する光軸方向位置を変化させる進退回転を行う。各ガイド突起17aは、ズームレンズ鏡筒1の組立工程において開口部13d-3を通して対応するガイド溝13dに挿入される。

カム筒17の各ガイド突起17aからさらに外径方向に回転伝達突起(回転伝達部)17bが突出している。回転伝達突起17bはガイド突起17aと同数の3つ(図4には2つが表れている)が周方向に位置を異ならせて設けられており、各回転伝達突起17bは第2繰出筒12の連係溝12d内に摺動可能に位置している。各回転伝達突起17bは、ズームレンズ鏡筒1の組立工程において導入部12d-1を通して連係溝12dに挿入される。図14(A)のように回転伝達突起17bが連係溝12dの水平部12d-2に位置するときは、第2繰出筒12の回転がカム筒17に伝達されず、図14(C)と図14(D)のように回転伝達突起17bが連係溝12dの回転伝達部12d-3に位置するときは、第2繰出筒12の回転がカム筒17に伝達されて第2繰出筒12とカム筒17が共に回転する。

カム筒17の内側には周方向に延びる結合溝17cが形成され、カム筒17の外側には周方向に延びる結合溝17dが形成されている。また、カム筒17の外周面には複数の1群用カム溝CG1が形成され、カム筒17の内周面には複数の2群用カム溝CG2が形成されている。1群用カム溝CG1は周方向に位置を異ならせて4つ形成されている。2群用カム溝CG2は周方向に位置を異ならせて3組形成されており、各組は2群用カム溝CG2の軌跡のうち互いに異なる領域を構成する部分的な3つのカム溝によって構成されている。結合溝17cと結合溝17dは、カム筒17において1群用カム溝CG1や2群用カム溝CG2と干渉しない光軸方向後方の領域に形成されている。

カム筒17の内側に第3直進案内環(第3繰出段部、第3段直進案内環)15が位置する。図5に示すように、第3直進案内環15の後端付近には、外径方向に突出する複数の直進案内突起15aが周方向に位置を異ならせて設けられている。各直進案内突起15aは第2直進案内環13の直進案内溝13cに対して摺動可能に挿入される。第3直進案内環15には直進案内突起15aよりも前方の外周面上に複数の結合突起15bが突設されており、各結合突起15bがカム筒17の結合溝17cに対して摺動可能に挿入される。第3直進案内環15は、直進案内突起15aと直進案内溝13cの関係によって光軸方向に直進移動可能に案内される。第3直進案内環15はまた、結合突起15bと結合溝17cの関係によって、カム筒17に対して相対回転可能かつ光軸方向に共に移動するように結合される。第3直進案内環15には光軸方向前方に向けて突出する一対のキー突起15cが形成されている。各キー突起15cの内側には光軸方向に延びる直進案内溝15dが形成されている(図5)。

カム筒17の内側にはさらに2群支持環18が位置する。2群支持環18は光軸方向に延びる一対のキー溝18aを有し、各キー溝18a内には直進案内突起18bが形成されている(図5)。各キー溝18aに対して第3直進案内環15のキー突起15cが挿入され、キー溝18a内の直進案内突起18bがキー突起15cの直進案内溝15dに対して摺動可能に挿入される。2群支持環18の外周面上には、カム筒17の2群用カム溝CG2に対して摺動可能に挿入される複数のカムフォロアCF2が設けられている。カムフォロアCF2は周方向に位置を異ならせて3組設けられ、図5に示すように各組のカムフォロアCF2は光軸方向の位置が異なる3つの突起部によって構成されている。2群支持環18は直進案内突起18bと直進案内溝15dを介して光軸方向に直進移動可能に案内されており、カム筒17の回転により2群用カム溝CG2内でのカムフォロアCF2の位置が変化することによって、2群支持環18がカム筒17に対する光軸方向への相対移動を行う。

第2直進案内環13とカム筒17の間の径方向位置に第3繰出筒(第3繰出段部、第3段直進案内環)14が位置する。図4に示すように、第3繰出筒14の後端付近には、外径方向に突出する複数の直進案内突起14aが周方向に位置を異ならせて設けられている。各直進案内突起14aは第2直進案内環13の直進案内溝13cに対して摺動可能に挿入される。第3繰出筒14の後端付近に内径方向へ突出する複数の結合突起14bが設けられており、各結合突起14bがカム筒17の結合溝17dに対して摺動可能に挿入される。第3繰出筒14は、直進案内突起14aと直進案内溝13cの関係によって光軸方向に直進移動可能に案内される。第3繰出筒14はまた、結合突起14bと結合溝17dの関係によって、カム筒17に対して相対回転可能かつ光軸方向に共に移動するように結合される。第3繰出筒14の内周面には、光軸方向に延びる複数の直進案内溝14cが周方向に位置を異ならせて形成されている。

第3繰出筒14とカム筒17の間の径方向位置に第4繰出筒16が位置する。図6に示すように、第4繰出筒16の後端付近には、外径方向に突出する複数の直進案内突起16aが周方向に位置を異ならせて設けられている。各直進案内突起16aは第3繰出筒14の直進案内溝14cに対して摺動可能に挿入される。第4繰出筒16には、カム筒17の1群用カム溝CG1に対して摺動可能に挿入される複数のカムフォロアCF1が内径方向に向けて突設されている。図6に示すように、カムフォロアCF1は周方向に位置を異ならせて4つ設けられている。第4繰出筒16は直進案内溝14cと直進案内突起16aを介して光軸方向に直進移動可能に案内されており、カム筒17の回転により1群用カム溝CG1内でのカムフォロアCF1の位置が変化することによって、第4繰出筒16がカム筒17に対する光軸方向への相対移動を行う。

以上の構成から分かるように、ズームレンズ鏡筒1は、固定筒9に対して段階的に繰出動作を行う4つの外観筒(第1繰出筒10、第2繰出筒12、第3繰出筒14、第4繰出筒16)を有する4段繰出鏡筒である。固定筒9に対して光軸方向に一体的に移動する第1繰出筒10と第1直進案内環11が第1の繰出段部を構成し、第1の繰出段部に対して光軸方向に一体的に移動する第2繰出筒12と第2直進案内環13が第2の繰出段部を構成し、第2の繰出段部に対して光軸方向に一体的に移動する第3繰出筒14と第3直進案内環15とカム筒17が第3の繰出段部を構成し、第3の繰出段部に対して光軸方向に相対移動する第4繰出筒16が第4の繰出段部を構成する。2群支持環18は、第3の繰出段部の内方で第4繰出筒16(第4の繰出段部)とは異なる軌跡で光軸方向に移動する内方移動部を構成する。

第4繰出筒16の内部に形成したレンズ支持筒16b内に第1レンズ群LG1が固定的に支持される。第4繰出筒16の前端部に保護ガラス4が固定的に支持され、保護ガラス4が第1レンズ群LG1の前方を覆って保護する。

2群支持環18の内部には、シャッタSを有するシャッタブロック(電気部品)7が固定的に支持されていると共に、第2レンズ群LG2が可動に支持されている。シャッタブロック7は、シャッタSを開閉駆動するシャッタアクチュエータ(電気部品)7a(図22)を内蔵している。シャッタブロック7から延出されるシャッタ用フレキシブル基板8が制御部60(図22)に接続し、シャッタ用フレキシブル基板8を介してシャッタブロック7への制御信号が送られる。

2群支持環18内での第2レンズ群LG2の支持構造を説明する。2群支持環18の内部には、シャッタブロック7よりも光軸方向後方に支持枠30(図6)が固定されており、シャッタブロック7と支持枠30の間の光軸方向位置に防振枠31(図6)が支持される。防振枠31は支持枠30との間に複数のガイドボール32(図6)を転動可能に挟んでおり、防振枠31は支持枠30に対して光軸Oと直交する平面に沿って移動自在に支持される。防振枠31は複数の引張バネ33(図6)によって支持枠30に接近する方向に付勢されており、引張バネ33の付勢力によってガイドボール32の挟持状態を維持する。防振枠31には一対の永久磁石34(図6)が固定され、シャッタブロック7には一対の永久磁石34に対向する位置に一対のコイル35(図22)が設けられる。各コイル35は、シャッタ用フレキシブル基板8を介して制御部60(図22)によって通電制御される。各永久磁石34と各コイル35がボイスコイルモータを構成しており、各コイル35に通電したときに生じる推力によって防振枠31を光軸Oと直交する平面に沿って移動させることができる。

防振枠31には光軸方向に軸線を向けた支持軸36(図6)が固定され、支持軸36を中心として揺動(往復回動)可能に第2レンズ群枠5が支持されている。図6、図15から図21に示すように、第2レンズ群枠5は、支持腕部5aの一端に支持軸36を挿入させる軸穴5bを有し、支持腕部5aの他端に第2レンズ群枠5を挿入するレンズ支持筒5cを有している。レンズ支持筒5bには支持腕部5aと異なる方向に突出する位置決め片5dが設けられている。支持腕部5aには光軸方向後方に突出する被押圧突起5eが設けられている。

第2レンズ群枠5は、第2レンズ群LG2を光軸O上に挿入する挿入位置(図8、図9、図19、図20)と、第2レンズ群LG2を光軸O上から離脱させる退避位置(図1、図15、図16)との間で揺動可能であり、位置決め片5dを防振枠31上に設けたストッパ(図には表れていない)に当接させることで挿入位置が決まる。第2レンズ群枠5は付勢バネ37(図6)によって挿入位置へ向けて(図16、図18、図20の反時計方向に)付勢されている。

図5に示すように、2群支持環18には径方向へ貫通する貫通部18cが形成されており、カム筒17の内側には収納凹部17eが形成されている。2群支持環18は光軸方向に直進案内されているため、貫通部18cは常に一定した周方向位置にある。一方、カム筒17が回転すると、貫通部18cに対する収納凹部17eの周方向の位置関係(回転方向位置)が変化する。また、カム筒17に対する2群支持環18の光軸方向の相対移動によって、貫通部18cに対する収納凹部17eの光軸方向の位置関係が変化する。図1や図7に示すズームレンズ鏡筒1の収納(沈胴)状態では、収納凹部17eと貫通部18cの相互位置が周方向と光軸方向のいずれにも一致し、収納凹部17eと貫通部18cがズームレンズ鏡筒1の径方向に連通した関係になる。この状態で第2レンズ群枠5が退避位置まで移動すると、レンズ支持筒5cの一部が貫通部18cを通じて収納凹部17eに入り込む(図15、図16参照)。

2群支持環18には、光軸方向に軸線を向けた支持軸(図には表れていない)を中心として揺動可能に退避レバー27が支持されている。図5、図15から図21に示すように、退避レバー27は、支持軸を挿入させる軸穴27aと、軸穴27aの近傍に位置する被押圧部27bと、軸穴27aから離れた先端付近に位置する押圧部27cとを有している。退避レバー27を回動させたときの押圧部27cの軌跡上に第2レンズ群枠5の被押圧突起5eがあり、退避レバー27は付勢バネ39(図5)によって被押圧突起5eから押圧部27cを離間させる方向(図16、図18、図20の反時計方向)へ向けて付勢されている。図示を省略しているが、2群支持環18には、付勢バネ39による付勢方向への退避レバー27の移動端を決めるストッパが設けられており、図20に示す位置よりも反時計方向への退避レバー27の回動がストッパによって規制される。このストッパにより規制される退避レバー27の位置を挿入許容位置と呼ぶ。挿入許容位置では、挿入位置にある第2レンズ群枠5の被押圧突起5eから押圧部27cが離れた状態になる(図20参照)。

図2と図21に示すように、背面板23には撮像素子20や光学フィルタ21を支持する部分の側方から光軸方向前方に向けてカム突起38が突出形成されている。カム突起38の先端にはカム面38aが形成されており、退避レバー27が挿入許容位置にある状態で2群支持環18が光軸方向後方の所定位置まで移動すると、カム突起38のカム面38aが退避レバー27の被押圧部27bに当接する。この所定位置からさらに2群支持環18が光軸方向後方に移動すると、カム面38aの傾斜によって退避レバー27を付勢バネ39の付勢力に抗する方向(図16、図18、図20の時計方向)に押圧する分力が生じる。この分力によって退避レバー27が挿入許容位置から回動し、押圧部27cを被押圧突起5eに当接させて第2レンズ群枠5を挿入位置から退避位置に向けて押圧する(図17、図18)。

2群支持環18が光軸方向後方に所定以上移動すると、図21のようにカム突起38の側面38bに被押圧部27bが乗り上げて、付勢バネ39による付勢方向への退避レバー27の回動が規制される。このときの退避レバー27の位置を退避保持位置と呼ぶ。退避レバー27が退避保持位置にある状態では第2レンズ群枠5が退避位置に保持される。

以上の構造のズームレンズ鏡筒1では、図1及び図7に示す収納(沈胴)状態において制御部60(図22)からの繰出信号が入力されると、ズームモータ26aが駆動されて先に説明した4つの繰出段部が固定筒9から光軸方向前方に繰り出されて撮影状態になる。収納状態からズームレンズ鏡筒1を繰り出して撮影状態にしたときには、まず図8に示すワイド端の状態になる。撮影状態では、ズームモータ26aを駆動して第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2を光軸方向に所定の軌跡で移動させて、図8に示すワイド端と図9に示すテレ端の間で撮影光学系の焦点距離を変化させることができる。

ズームレンズ鏡筒1の動作についてより詳しく説明する。なお図10から図12に示すR、W、Tはそれぞれ、ズームレンズ鏡筒1の収納状態、ワイド端、テレ端における各ガイド突起10b、12a、17aの位置(周方向位置)を示したものである。

図1と図7に示す収納状態では、カム突起38によって退避レバー27が退避保持位置に保持され、退避レバー27によって第2レンズ群枠5が退避位置に保持される(図15、図16、図21)。図1と図7に示すように、収納状態では、第2レンズ群枠5が退避位置に移動したことによって得られる2群支持環18内の光軸O上のスペースに第3レンズ群LG3や撮像素子20が進入しており、ズームレンズ鏡筒1の光軸方向における薄型化が実現されている。退避位置に保持される第2レンズ群枠5は、レンズ支持筒5cを2群支持環18の貫通部18cに進入させ、さらに貫通部18cの外側に位置するカム筒17の収納凹部17eにレンズ支持筒5cの一部が進入している(図15、図16)。これにより、2群支持環18やカム筒17を大径化させずに第2レンズ群枠5の退避スペースを得ることができ、ズームレンズ鏡筒1の径方向における大型化を防いでいる。

収納状態からズームレンズ鏡筒1を繰り出すときは、ズームモータ26aを駆動してズームギヤ26bから第1繰出筒10の周面ギヤ10aに回転力を伝える。図10に示すように、収納状態では、第1繰出筒10のガイド突起10bは固定筒9のガイド溝9aの第1水平部9a-1に位置しており(図10のR位置)、ガイド突起10bの周方向面10b-1が第1水平部9a-1の案内を受けることで、第1繰出筒10は光軸方向の位置を変化させずに定位置回転を行う。第1繰出筒10が所定量の定位置回転を行うと、ガイド突起10bがガイド溝9aの第1水平部9a-1から出てリード部9a-2に入り、ガイド突起10bのリード面10b-2がリード部9a-2の案内を受けることによって、第1繰出筒10が固定筒9に対して回転しながら光軸方向前方に移動する(光軸方向前方への繰出回転を行う)。第1直進案内環11は回転せずに第1繰出筒10と共に光軸方向位置を変化させる。第1繰出筒10が所定量繰出回転されると、ガイド突起10bがガイド溝9aのリード部9a-2から出て第2水平部9a-3に入り、ガイド突起10bの周方向面10b-1が第2水平部9a-3の案内を受けることによって、第1繰出筒10が定位置回転を行うようになる。ズームレンズ鏡筒1がワイド端まで繰り出されたときには、ガイド突起10bはガイド溝9aの第2水平部9a-3に位置する(図10のW位置)。

図13(A)に示すように、ズームレンズ鏡筒1が収納状態にあるとき、第2繰出筒12の回転伝達突起12bは、第1繰出筒10の連係溝10dのうち水平部10d-2に位置している。収納状態から第1繰出筒10が鏡筒繰出方向に回転すると(第1繰出筒10の鏡筒繰出方向の回転を図13(B)から図13(D)に矢印F1で概念的に示した)、回転伝達突起12bが連係溝10dの水平部10d-2内に位置する間は、第1繰出筒10から第2繰出筒12への回転力の伝達が行われずに第1繰出筒10が単独で回転する。第1繰出筒10が所定量単独で回転すると、図13(B)のように回転伝達突起12bが水平部10d-2と回転伝達部10d-3の境界部に達し、回転伝達部10d-3から回転伝達突起12bに対して矢印F1方向の回転力が伝達されるようになる。つまり第2繰出筒12が第1繰出筒10と共に回転するようになる。

図11と図13(A)に示すように、ズームレンズ鏡筒1が収納状態にあるとき、第2繰出筒12のガイド突起12aは、第1直進案内環11のガイド溝11dのうち第1リード部11d-1に位置している(図11のR位置)。前述のように、収納状態では回転伝達突起12bが連係溝10dの水平部10d-2に位置するので、第2繰出筒12は第1繰出筒10による回転方向の位置規制を受けないが、ガイド突起12aがガイド溝11dの第1リード部11d-1内に位置することによって、第2繰出筒12の回転方向の位置ずれが第1直進案内環11によって規制される。

収納状態からの繰出動作において、前述した第1繰出筒10の単独回転の後で第2繰出筒12が第1繰出筒10と共に回転するようになると、ガイド突起12aのリード面12a-2がガイド溝11dの第1リード部11d-1の案内を受けることによって、第2繰出筒12が第1繰出筒10及び第1直進案内環11(すなわち第1の繰出段部)に対して回転しながら光軸方向前方に移動する(光軸方向前方への繰出回転を行う)。続いてガイド突起12aが第1リード部11d-1から第2リード部11d-2に入り、リード面12a-3が第2リード部11d-2の案内を受けることによって、第2繰出筒12が引き続き繰出回転される。第2繰出筒12が第1繰出筒10及び第1直進案内環11(第1の繰出段部)に対して繰出回転を行った結果、図13(C)に示すように、回転伝達突起12bが第1繰出筒10の連係溝10dの回転伝達部10d-3内を光軸方向前方に移動して水平部10d-2から離れる。つまり、第2繰出筒12が第1繰出筒10と共に回転する状態が維持される。ズームレンズ鏡筒1がワイド端まで繰り出されたときには、ガイド突起12aはガイド溝11dの第1水平部11d-3に位置する(図11のW位置、図13(C))。第2直進案内環13は回転せずに第2繰出筒12と共に光軸方向位置を変化させる。

図14(A)に示すように、ズームレンズ鏡筒1が収納状態にあるとき、カム筒17の回転伝達突起17bは、第2繰出筒12の連係溝12dのうち水平部12d-2に位置している。収納状態から前述した第1繰出筒10の単独回転の後で第2繰出筒12が鏡筒繰出方向に回転すると(第2繰出筒12の鏡筒繰出方向の回転を図14(B)から図14(D)に矢印F2で概念的に示した)、回転伝達突起17bが連係溝12dの水平部12d-2内に位置する間は、第2繰出筒12からカム筒17への回転力の伝達が行われずに第2繰出筒12が第1繰出筒10と共に回転する。第2繰出筒12が所定量回転すると、図14(B)のように回転伝達突起17bが水平部12d-2と回転伝達部12d-3の境界部に達し、回転伝達部12d-3から回転伝達突起17bに対して矢印F2方向の回転力が伝達されるようになる。つまりカム筒17が第1繰出筒10及び第2繰出筒12と共に回転するようになる。

図12と図14(A)に示すように、ズームレンズ鏡筒1が収納状態にあるとき、カム筒17のガイド突起17aは、第2直進案内環13のガイド溝13dのうちリード部13d-1に位置している(図12のR位置)。前述のように、収納状態では回転伝達突起17bが連係溝12dの水平部12d-2に位置するので、カム筒17は第1繰出筒10や第2繰出筒12による回転方向の位置規制を受けないが、ガイド突起17aがガイド溝13d内に位置することによって、カム筒17の回転方向の位置ずれが第2直進案内環13によって規制される。

収納状態からの繰出動作において、前述した第1繰出筒10の単独回転と、これに続く第1繰出筒10及び第2繰出筒12の連動回転とに続いて、カム筒17が第1繰出筒10及び第2繰出筒12と共に回転するようになると、ガイド突起17aのリード面17a-2がガイド溝13dのリード部13d-1の案内を受けることによって、カム筒17が第2繰出筒12及び第2直進案内環13(すなわち第2の繰出段部)に対して回転しながら光軸方向前方に移動する(光軸方向前方への繰出回転を行う)。すると、図14(C)に示すように、回転伝達突起17bが第2繰出筒12の連係溝12dの回転伝達部12d-3内を光軸方向前方に移動して水平部12d-2から離れる。つまり、カム筒17が第1繰出筒10及び第2繰出筒12と共に回転する状態が維持される。カム筒17が所定量繰出回転されると、ガイド突起17aがガイド溝13dのリード部13d-1から出て水平部13d-2に入り、ガイド突起17aの周方向面17a-1が水平部13d-2の案内を受けることによって、カム筒17が定位置回転を行うようになる。ズームレンズ鏡筒1がワイド端まで繰り出されたときには、ガイド突起17aはガイド溝13dの水平部13d-2に位置する(図12のW位置、図14(C))。第3繰出筒14と第3直進案内環15はそれぞれ回転せずにカム筒17と共に光軸方向位置を変化させる。

カム筒17が繰出方向に回転すると、カム筒17の1群用カム溝CG1にカムフォロアCF1を挿入させた第4繰出筒16と、カム筒17の2群用カム溝CG2にカムフォロアCF2を挿入させた2群支持環18がそれぞれ、各カム溝CG1、CG2の軌跡に沿ってカム筒17に対して光軸方向に相対移動する。

ズームレンズ鏡筒1における収納状態(図1、図7)からワイド端(図8)までの繰出動作をまとめると、第1繰出筒10は固定筒9に対して回転しながら光軸方向前方へ移動し、第1直進案内環11は第1繰出筒10と共に光軸方向前方へ直進移動する。第2繰出筒12は、第1繰出筒10の回転開始から所定の時間差(遅れ)をもって回転力が伝達され、回転を開始すると第1繰出筒10と第1直進案内環11(第1の繰出段部)に対して光軸方向前方へ移動する。第2直進案内環13は第2繰出筒12と共に光軸方向前方へ直進移動する。カム筒17は、第2繰出筒12の回転開始から所定の時間差(遅れ)をもって回転力が伝達され、回転を開始すると第2繰出筒12と第2直進案内環13(第2の繰出段部)に対して光軸方向前方へ移動する。第3繰出筒14と第3直進案内環15はカム筒17と共に光軸方向前方へ直進移動する。カム筒17が回転すると、第4繰出筒16は第3繰出筒14による直進案内を受けながらカム筒17に対して光軸方向に相対移動し、2群支持環18は第3直進案内環15による直進案内を受けながらカム筒17に対して光軸方向に相対移動する。第4繰出筒16は収納状態よりもワイド端の方がカム筒17に対して光軸方向前方に繰り出された状態となる。

2群支持環18は、図1と図7に示す収納状態よりも図8に示すワイド端の方が、カム筒17に対して光軸方向後方に位置している。しかし、収納状態からワイド端になるまでの固定筒9に対する第1繰出筒10、第2繰出筒12及びカム筒17を合わせた前方への繰出量が、カム筒17に対する2群支持環18の後方への移動量を上回るため、収納状態からワイド端になるときに固定筒9に対する2群支持環18の位置は光軸方向前方に変化する。この2群支持環18の前方への移動によって、2群支持環18内に支持された退避レバー27がカム突起38から離れ、退避レバー27が付勢バネ39の付勢力によって退避保持位置から挿入許容位置へ回動する。退避レバー27による押圧が解除された第2レンズ群枠5が付勢バネ37の付勢力によって退避位置から挿入位置へ回動し、第2レンズ群LG2が第1レンズ群LG1と第3レンズ群LG3の間(シャッタSの後方)の光軸O上に挿入される。

撮影状態では、ズームモータ26aを駆動して図8に示すワイド端から図9に示すテレ端までのズーム域(ズーム撮影域)で変倍動作を行うことができる。ズーム域では、第1繰出筒10と第2繰出筒12とカム筒17は相対回転せずに常に連れ回りする。図10に示すように、ワイド端(W)からテレ端(T)までのズーム域全体でガイド突起10bがガイド溝9aの第2水平部9a-3に位置するため、第1繰出筒10は固定筒9に対して光軸方向へ相対移動せずに定位置回転を行う。図12に示すように、ワイド端(W)からテレ端(T)までのズーム域全体でガイド突起17aがガイド溝13dの水平部13d-2に位置するため、カム筒17は第2繰出筒12と第2直進案内環13に対して光軸方向へ相対移動せずに定位置回転を行う。図11に示すように、第2繰出筒12については、ワイド端(W)でガイド突起12aがガイド溝11dの第1水平部11d-3に位置し、テレ端(T)でガイド突起12aがガイド溝11dの第2水平部11d-5に位置する。ワイド端とテレ端の間のズーム域では、ガイド突起12aのリード面12a-3がガイド溝11dの第3リード部11d-4を構成する一対の対向面の案内を受けて移動し、第2繰出筒12は回転しながら光軸方向にも移動する。具体的には、ワイド端からテレ端に向かうにつれて第2繰出筒12は光軸方向前方へ繰り出しされながら回転する。この第2繰出筒12の光軸方向への位置変化と、カム筒17の各カム溝CG1、CG2の軌跡に従う第4繰出筒16と2群支持環18の光軸方向への位置変化とによって、ズーム域における第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の光軸方向位置が変化する。図8と図9の比較から分かるように、ワイド端では第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の光軸方向間隔が大きく、テレ端では第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2がいずれも光軸方向前方に移動すると共に第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の光軸方向間隔が小さくなる。

撮影状態では、フォーカスモータ25aを駆動して第3レンズ群LG3を光軸方向に移動させてフォーカシングを行うことができる。撮影状態ではさらに、像振れ補正モードが選択されているときに、ジャイロセンサ53(図22)がズームレンズ鏡筒1に加わる振れの角速度を検出し、この角速度情報に基づいて像振れを抑制させるための第2レンズ群LG2の駆動量を制御部60(図22)で演算してコイル35に電流を流す。すると、防振枠31が光軸Oと直交する平面に沿って駆動されて像振れが抑制される。

ズームレンズ鏡筒1が撮影状態から収納状態になるときは、ズームモータ26aの収納方向への駆動(繰出動作時と逆方向への回転駆動)によって、先に説明した収納状態からの繰出動作とは逆の動作が行われる。第1繰出筒10は、ガイド突起10bがガイド溝9aのリード部9a-2の案内を受けることによって(図10参照)、固定筒9に対して回転しながら光軸方向後方へ移動する。第1直進案内環11は第1繰出筒10と共に光軸方向後方へ直進移動する。第2繰出筒12は、ガイド突起12aがガイド溝11dの第1リード部11d-1と第2リード部11d-2の案内を受けることによって(図11参照)、第1繰出筒10と共に回転しながら第1繰出筒10と第1直進案内環11(第1の繰出段部)に対して光軸方向後方へ移動する。カム筒17は、ガイド突起17aがガイド溝13dのリード部13d-1の案内を受けることによって(図12参照)、第2繰出筒12と共に回転しながら第2繰出筒12と第2直進案内環13(第2の繰出段部)に対して光軸方向後方へ移動する。ズームレンズ鏡筒1の収納時のカム環17の回転方向を図20に矢印で示している。

カム筒17が光軸方向後方に所定量移動すると、図14(B)に示すように、回転伝達突起17bが連係溝12dの回転伝達部12d-3と水平部12d-2の境界部に達する。この状態から第2繰出筒12が収納方向(図14(B)の矢印F2と反対方向)に回転すると、回転伝達突起17bが回転伝達部12d-3から出て水平部12d-2に入り込み、第2繰出筒12からカム筒17への回転伝達が行われなくなる。また、第2繰出筒12が光軸方向後方に所定量移動すると、図13(B)に示すように、回転伝達突起12bが連係溝10dの回転伝達部10d-3と水平部10d-2の境界部に達する。この状態から第1繰出筒10が収納方向(図13(B)の矢印F1と反対方向)に回転すると、回転伝達突起12bが回転伝達部10d-3から出て水平部10d-2に入り込み、第1繰出筒10から第2繰出筒12への回転伝達が行われなくなる。収納動作時の順序としては、まず第2繰出筒12からカム筒17への回転伝達が行われなくなり(カム筒17の回転が停止し)、この状態から第2繰出筒12が所定量収納方向への回転を行った段階で第1繰出筒10から第2繰出筒12への回転伝達が行われなくなる(第2繰出筒12の回転が停止する)。

カム筒17が収納方向に回転している間は、第4繰出筒16と2群支持環18がそれぞれ1群用カム溝CG1と2群用カム溝CG2の軌跡に沿ってカム筒17に対して光軸方向に相対移動する。ワイド端からの収納動作では、第4繰出筒16は、カム筒17に対して光軸方向後方に移動してカム筒17との重畳量を大きくし、2群支持環18は、カム筒17に対して光軸方向前方に移動してカム筒17との重畳量を大きくする。但し、カム筒17に対する2群支持環18の前方への移動量よりも、カム筒17の光軸方向後方への移動量の方が大きいため2群支持環18は徐々に後方の背面板23に接近する。

カム筒17が光軸方向後方に移動して、カム筒17に支持される2群支持環18が背面板23に近づくと、2群支持環18内に支持された退避レバー27の被押圧部27bがカム突起38のカム面38aに当接し、カム面38aを介して退避レバー27を付勢バネ39の付勢力に抗する方向へ押圧する分力が働く。すると、退避レバー27が挿入許容位置から退避保持位置に向けて回動し、退避レバー27の押圧部27cが第2レンズ群枠5の被押圧突起5eを押圧して、付勢バネ37の付勢力に抗して第2レンズ群枠5を挿入位置から退避位置へ回動させる。

第2レンズ群枠5が退避位置に達するよりも前のタイミングで、前述したカム筒17の回転停止が行われる。このとき収納凹部17eが2群支持環18の貫通部18cと径方向に重なる位置関係にあり、第2レンズ群枠5が退避位置へ回動すると、レンズ支持筒5cの一部が貫通部18cを通って収納凹部17eに進入する(図15、図16)。

以上の収納動作の結果、ズームレンズ鏡筒1の各繰出段部を構成する筒状(環状)の各部材の光軸方向の重畳量が大きくなり、図1や図7に示す収納状態ではズームレンズ鏡筒1の光軸方向の厚さが最小になる。

ズームレンズ鏡筒1の収納状態からの繰出時には、第2レンズ群枠5と他の部材との干渉を防ぐために、第2レンズ群LG2が第3レンズ群LG3よりも光軸方向前方に進出するまでは第2レンズ群枠5を退避位置に保持させておき、第2レンズ群LG2が第3レンズ群LG3よりも前方まで移動した後で、第2レンズ群枠5を退避位置から挿入位置へ回動させる。前述のように、カム筒17が繰出方向に回転したときに、2群支持環18は最初にカム筒17に対して光軸方向後方に移動するため、ズームレンズ鏡筒1の繰出動作において最初からカム筒17を繰出方向に回転させると、2群支持環18の後方移動の分だけ第2レンズ群LG2が第3レンズ群LG3を超える光軸方向前方位置まで達するタイミングが遅れてしまう。別言すれば、カム筒17をより大きく光軸方向前方に移動させる必要が生じて、ズームレンズ鏡筒1のコンパクト化や起動の迅速化が阻害されてしまう。また、第2レンズ群枠5の退避位置ではカム筒17の収納凹部17eへレンズ支持筒5cが進入するので、ズームレンズ鏡筒1が撮影状態からの収納動作を行うときに、第2レンズ群枠5の退避動作を行った後でカム筒17が収納方向へ回転を継続した場合、レンズ支持筒5cとカム筒17の干渉が生じてしまう可能性にも留意する必要がある。

そこで、こうした不具合を伴わない適切な動作を実現するべく、前述のように、ズームレンズ鏡筒1の繰出動作の初期段階と収納動作の途中以降の段階に、第1繰出筒10が回転してもカム筒17が回転しない回転非伝達状態(カム筒17の回転停止状態)を設定している。カム筒17は、ズームレンズ鏡筒1を構成する4つの繰出段部のうち、固定筒9を基準として3番目の繰出段部を構成する回転筒であり、1番目の繰出段部の回転筒である第1繰出筒10と2番目の繰出段部の回転筒である第2繰出筒12を経由して回転が伝えられる。本実施形態のズームレンズ鏡筒1では、カム筒17の回転停止状態を実現するための構成として、第1繰出筒10から第2繰出筒12への回転伝達に関与する第1の回転伝達制御部と、第2繰出筒12からカム筒17への回転伝達に関与する第2の回転伝達制御部の両方に、前段の回転筒から後段の回転筒への回転を伝達しない空転区間を含ませている。この空転区間は、第1の回転伝達制御部では連係溝10dの水平部10d-2により設定され、第2の回転伝達制御部では連係溝12dの水平部12d-2により設定されている。

本実施形態のズームレンズ鏡筒1とは異なる構成として、第1繰出筒10と第2繰出筒20の間にだけ空転区間を設定して、第2繰出筒20とカム筒17を常に一体的に回転させるようにした第1の比較例と、第2繰出筒20とカム筒17の間にだけ空転区間を設定して、第1繰出筒10と第2繰出筒20を常に一体的に回転させるようにした第2の比較例を想定する。

第1の比較例では、鏡筒繰出時に第2レンズ群枠5と他の部材の干渉を防ぐために、第2レンズ群LG2を第3レンズ群LG3よりも光軸方向前方に進出させる動作を、第2繰出筒20が回転を開始するまでの間に完了する必要がある。第2繰出筒20が回転しない状態での第2レンズ群LG2(2群支持環18)の光軸方向前方への移動は、固定筒9に対する第1の繰出段部(第1繰出筒10と第1直進案内環11)の繰出動作のみが担うため、第1繰出筒10の単位回転角あたりの光軸方向移動量を大きくしなければならない。つまり、第1繰出筒10を繰り出すための繰出案内部(図示実施形態のガイド溝9aのリード部9a-2に相当する部位)のリード角(図示実施形態で第1繰出筒10の回転方向に対するリード部9a-2の傾斜角)を大きくする必要がある。繰出案内部のリード角を大きくすると、第1繰出筒10の回転繰出時にかかる負荷が大きくなり、ズームモータ26aを駆動源とする動力の伝達効率が悪くなってしまう。また、第2レンズ群LG2を第3レンズ群LG3よりも前方に進出させた後で、回転停止状態にある第2繰出筒20を回転開始させるときに、第2の繰出段部を構成する第2繰出筒20だけでなく第3の繰出段部を構成するカム筒17も同時に回転開始させるため、負荷変動が大きくなり、高い動作精度を得ることが難しくなる。

第2の比較例では、カム筒17が回転しない状態での第2レンズ群LG2の光軸方向前方への移動を、固定筒9に対する第1の繰出段部(第1繰出筒10と第1直進案内環11)の繰出動作と、第1の繰出段部に対する第2の繰出段部(第2繰出筒12と第2直進案内環13)の繰出動作に分散させて担わせることができるため、各繰出段部における繰出案内部のリード角は第1の比較例に比して小さく抑えられる。一方、カム筒17の回転開始までに要する第2繰出筒12の回転角度が非常に大きくなるため、第2繰出筒12の回転案内を行う案内部(図示実施形態の第1直進案内環11におけるガイド溝11dに相当する部位)を長く形成する必要があり、第1直進案内環11の強度確保が難しくなる。また、第1直進案内環11の周面上に占める案内部の長さが増大すると、第1直進案内環11の周面積が広くなり鏡筒全体が大型化してしまうおそれもある。

これに対して本実施形態のズームレンズ鏡筒1では、第1繰出筒10から第2繰出筒12を経てカム筒17に至るまでの各繰出段部間にそれぞれ空転区間を振り分けて設定することにより、第1と第2の比較例のような不具合を伴わない。すなわち、動力の伝達効率に優れると共に負荷変動が小さく、しかも部品の強度確保と小型化を実現しつつ、繰出時と収納時に適切なカム筒17の回転制限を行うことができる。

なお、第1繰出筒10から第2繰出筒12への回転非伝達状態や、第2繰出筒12からカム筒17への回転非伝達状態では、単に回転伝達を遮断するのみならず、第2繰出筒12やカム筒17の回転方向位置を安定させる必要がある。特に本実施形態の連係溝10dと連係溝12dではそれぞれ水平部10d-2と水平部12d-2に続けて導入部10d-1と導入部12d-1が形成されているので、回転非伝達状態にある第2繰出筒12やカム筒17の回転方向位置が意図せずにずれて、回転伝達突起12bや回転伝達突起17bが導入部10d-1と導入部12d-1まで移動して連係溝10dと連係溝12dから脱落してしまう可能性を考慮しなければならない。第2繰出筒12やカム筒17に対して光軸方向への付勢力が作用するような構成であれば、水平部10d-2と水平部12d-2の壁面に対して回転伝達突起12bと回転伝達突起17bを押し付ける力が働くため、第2繰出筒12やカム筒17の回転方向位置を安定させることができる。例えば、レンズバリヤを先端に有するレンズ鏡筒では、レンズバリヤの開閉動作機構を構成するバネによってそのような光軸方向の付勢力を付与するものが知られている。しかし、本実施形態のズームレンズ鏡筒1はレンズバリヤを備えない(代わりに保護ガラス4が設けられている)タイプであり、第2繰出筒12やカム筒17を光軸方向に積極的に付勢する構造にはなっていない。しかし、図13(A)と図13(B)から分かるように、水平部10d-2に回転伝達突起12bが位置する回転非伝達状態では、回転伝達突起12bの基部に位置するガイド突起12aがガイド溝11dの第1リード部11d-1に嵌ることで、第1直進案内環11を介して第2繰出筒12の回転方向の位置ずれを防いでいる。また、図14(A)と図14(B)から分かるように、水平部12d-2に回転伝達突起17bが位置する回転非伝達状態では、回転伝達突起17bの基部に位置するガイド突起17aがガイド溝13dのリード部13d-1に嵌ることで、第2直進案内環13を介してカム筒17の回転方向の位置ずれを防いでいる。これらの回転方向の位置ずれを防止する保持部は、第2繰出筒12やカム筒17に回転繰出を行わせる繰出機構のリード面を利用したものであるため、部材の追加や機構の複雑化を伴わない簡単な構成で得ることができる。

ズームレンズ鏡筒1におけるシャッタ用フレキシブル基板8の配置について説明する。図1、図7から図9に示すように、シャッタ用フレキシブル基板8は、シャッタブロック7への接続箇所から2群支持環18の内周面に沿って光軸方向後方に向けて延設されており、2群支持環18の後端部まで達すると外径方向に向かい、第2直進案内環13のフレキシブル基板支持部13fの前方でフレキシブル基板導入穴13eに通される。フレキシブル基板導入穴13eを通ったシャッタ用フレキシブル基板8は、フレキシブル基板支持部13fに支持され、フレキシブル基板支持部13fの後方で再びフレキシブル基板導入穴13eを通って第2直進案内環13の内側に導かれる。続いてシャッタ用フレキシブル基板8は、第2直進案内環13の内周面に沿って光軸方向後方へ延び、第2直進案内環13の後端部に達すると外径方向に向かい、固定筒9のフレキシブル基板導入穴9cを通って固定筒9の外側に出て、フレキシブル基板支持部9dに支持される。シャッタ用フレキシブル基板8は、フレキシブル基板支持部13fの外径側の面(第2繰出筒12の内周面に対向する側の面)と、フレキシブル基板支持部9dの外径側の面に対して、両面テープや接着などの手段を用いて固定される。つまり、ズームレンズ鏡筒1におけるシャッタ用フレキシブル基板8の支持(固定)箇所は、外径側から順に固定筒9、第2直進案内環13、シャッタブロック7に設定されている。前述のように、ズームレンズ鏡筒1において第2直進案内環13は第2の繰出段部を構成し、シャッタブロック7を支持する2群支持環18は第3の繰出段部に対して光軸方向に移動する内方移動部(固定筒9を基準として4段目の移動部)を構成している。そしてシャッタ用フレキシブル基板8は、第1の繰出段部と第3の繰出段部に対しては支持を受けずに、その光軸方向後方の位置を跨ぐように配置されている。

シャッタ用フレキシブル基板8のうち、シャッタブロック7への接続箇所を第1接続部8a、フレキシブル基板支持部13fに支持される部分を第1支持部8b、フレキシブル基板支持部9dに支持される部分を第2支持部8cとし、第1接続部8aと第1支持部8bの間の部分を第1中間部8d、第1支持部8bと第2支持部8cの間の部分を第2中間部8eとする。図6に示すように、シャッタ用フレキシブル基板8における第1接続部8aと反対側の端部には第2接続部8fが設けられ、第2接続部8fが制御部60(図22)に接続する。シャッタ用フレキシブル基板8は、第1接続部8aから第2支持部8cまでの範囲では、光軸方向に長手方向を向けて延設されて第1支持部8bと第2支持部8cで折り返された形態をなしており、第2支持部8cから第2接続部8fまでは光軸と略垂直な方向に曲げて延設されている(図6参照)。

ズームレンズ鏡筒1の繰出状態の変化に応じて、シャッタ用フレキシブル基板8は、第1接続部8aと第1支持部8bと第2支持部8cの光軸方向の位置関係と、第1中間部8dと第2中間部8eの形状を変化させる。図23は、ズームレンズ鏡筒1の収納状態(図1、図7)、ワイド端(図8)、テレ端(図9)におけるシャッタ用フレキシブル基板8の形状変化を分かりやすくするために、シャッタブロック7とシャッタ用フレキシブル基板8のみを示したものである。

図1、図7、図23(A)に示す収納状態では、シャッタ用フレキシブル基板8は、第1接続部8aと第1支持部8bと第2支持部8cが概ね同じ光軸方向位置にあり、第1中間部8dと第2中間部8eはそれぞれ、光軸方向後方に向けて突出するコ字状の形状になっている。第1支持部8bの前方には、フレキシブル基板導入穴13eに挿通された折り返し部が形成され、第2支持部8cの前方には、フレキシブル基板導入穴9cに挿通された折り返し部が形成される。第1中間部8dは、第1接続部8aから2群支持環18に沿って光軸方向後方に延びる領域と、フレキシブル基板導入穴13e内の折り返し部から第2直進案内環13に沿って光軸方向後方に延びる領域が概ね同じ光軸方向位置にあり、これら2つの光軸方向の延設領域を接続する領域が、第3の繰出段部(第3繰出筒14、カム筒17、第3直進案内環15)の後方を跨ぐ形で第3直進案内環15と背面板23の間のスペースに収まっている。第2中間部8eは、フレキシブル基板導入穴13e内の折り返し部から第2直進案内環13に沿って光軸方向後方に延びる領域と、フレキシブル基板導入穴9c内の折り返し部から固定筒9に沿って光軸方向後方に延びる領域が概ね同じ光軸方向位置にあり、これら2つの光軸方向の延設領域を接続する領域が、第1の繰出段部(第1繰出筒10、第1直進案内環11)の後方を跨ぐ形で第1直進案内環11と背面板23の間のスペースに収まっている。

図8と図23(B)に示すワイド端では、固定筒9に対して第1の繰出段部と第2の繰出段部がそれぞれ光軸方向前方に繰り出された結果、シャッタ用フレキシブル基板8のうち、第2の繰出段部を構成する第2直進案内環13に支持される第1支持部8bが、固定筒9に支持される第2支持部8cに対して光軸方向前方に移動する。この第1支持部8bの移動に伴って、第2中間部8eは後端部分の位置を光軸方向前方に変化させる。収納状態からワイド端になるときには、第2の繰出段部に対する第3の繰出段部の光軸方向前方への繰出動作も行われるが、前述のように第3の繰出段部を構成するカム筒17に対して2群支持環18は光軸方向後方に相対移動する。そのため、シャッタ用フレキシブル基板8のうち第1接続部8aと第1支持部8bは、光軸方向における互いの前後関係がほとんど変化しない。厳密には、図23(A)と図23(B)の比較から分かるように、ワイド端の方がわずかに第1支持部8bを基準とした第1接続部8aの相対的な位置が光軸方向後方に変化する。ワイド端では、第1中間部8dと第2中間部8eにはそれぞれ長さに余裕が確保されており、その長さの余裕分が光軸方向後方に向けて凸状に湾曲した形状になっている。

図9と図23(C)に示すテレ端では、第1の繰出段部はワイド端の状態から光軸方向の位置を変化させず、第2の繰出段部が光軸方向前方に繰り出されている。その結果、シャッタ用フレキシブル基板8のうち、第2の繰出段部を構成する第2直進案内環13に支持される第1支持部8bが、固定筒9に支持される第2支持部8cに対して、ワイド端よりもさらに光軸方向前方に移動する。この第1支持部8bの移動に伴って、第2中間部8eは後端部分の位置を光軸方向前方に変化させ、第2中間部8eにおける湾曲部分の光軸方向後方への突出量が小さくなる。また、ワイド端からテレ端になるときには、第3の繰出段部は第2の繰出段部に対する光軸方向の位置を変化させないが、第3の繰出段部を構成するカム筒17の回転に応じて、2群支持環18が光軸方向前方に繰り出される。その結果、シャッタ用フレキシブル基板8のうち、2群支持環18内のシャッタブロック7に接続する第1接続部8aが、第1支持部8bに対して光軸方向前方に移動する。この第1接続部8aの移動に伴って、第1中間部8dは後端部分の位置を光軸方向前方に変化させ、第1中間部8dにおける湾曲部分の光軸方向後方への突出量が小さくなる。

図9と図23(C)から分かるように、ズームレンズ鏡筒1では、テレ端においてシャッタブロック7が最も光軸方向前方に繰り出された状態となり、このシャッタブロック7の最大繰出状態に対応できる長さがシャッタ用フレキシブル基板8に与えられている。テレ端におけるシャッタ用フレキシブル基板8は、ズームレンズ鏡筒1の動作に負荷を与えない最小限の余裕を持った長さに設定されており、ほとんど弛みがなくズームレンズ鏡筒1内に配置されている。図8と図23(B)に示すように、シャッタ用フレキシブル基板8の長さの余裕が大きくなるワイド端でも、第1中間部8dと第2中間部8eの後端の湾曲部分は、ズームレンズ鏡筒1の内径方向に向けて垂れ下がるほど弛むことはない。また、図1、図7及び図23(A)に示すように、ズームレンズ鏡筒1の収納状態での第1中間部8dと第2中間部8eは、固定筒9、第2直進案内環13、2群支持環18に沿って光軸方向に延設される領域と、背面板23の前面に沿ってズームレンズ鏡筒1の径方向に延設される領域からなる形状となり、ズームレンズ鏡筒1の構成部材の間に収納される。

より詳しくは、シャッタ用フレキシブル基板8において、第1接続部8aや第1支持部8bが光軸方向に移動するとき、第1中間部8dや第2中間部8eの光軸方向後端の湾曲部は、第1接続部8aや第1支持部8bの略半分の移動量で光軸方向位置を変化させる。ここで、第1中間部8dについては、第3の繰出段部(第3繰出筒14、第3直進案内環15、カム筒17)を挟んで位置する第2直進案内環13と2群支持環18(シャッタブロック7)の支持を受けるようにしているため、第1中間部8dの移動量に影響する第1接続部8aは、その一つ前の支持箇所である第1支持部8bに対して、第3の繰出段部の移動と、第3の繰出段部に対する2群支持環18の移動を合わせた2段分の光軸方向移動を行う。また、第2中間部8eについては、第1の繰出段部(第1繰出筒10、第1直進案内環11)を挟んで位置する固定筒9と第2直進案内環13の支持を受けるようにしているため、第2中間部8eの移動量に影響する第1支持部8bは、その一つ前の支持箇所である第2支持部8eに対して、第1の繰出段部の移動と、第1の繰出段部に対する第2の繰出段部(第2繰出筒12、第2直進案内環13)の移動を合わせた2段分の光軸方向移動を行う。そのため、ズームレンズ鏡筒1が繰り出されていない収納状態(図1、図7、図23(A))からワイド端(図8、図23(B))を経てテレ端(図9、図23(C))に至るまでの段階で、第1中間部8dと第2中間部8eのいずれも光軸方向後端の湾曲部の弛みが大きく残らない形状にすることができる。特に第1接続部8aと第1支持部8bが光軸方向前方へ最も移動したテレ端で、第1中間部8dと第2中間部8eの長さがほとんど余らない構成が実現されている。

ズームレンズ鏡筒1の撮像光学系では、ワイド端では第1レンズ群LG1に対する第2レンズ群LG2及びシャッタブロック7の光軸方向間隔が大きく、ワイド端からテレ端にかけて第2レンズ群LG2及びシャッタブロック7が光軸方向前方に大きく移動して第1レンズ群LG1に近づく。この移動量が大きいため、光軸方向長さを短く抑えたカム筒17の2群用カム溝CG2の軌跡のみで2群支持環18のズーム域の移動範囲全体をカバーすることが難しく、2群支持環18に至るまでの第1から第3の繰出段部のいずれかにおいてもズーム域での光軸方向の繰出動作を担わせる必要がある。第1繰出筒10と第1直進案内環11が構成する第1の繰出段部をズーム域で光軸方向に移動させると、フォーカスレンズ群である第3レンズ群LG3の動作範囲を制限してしまうおそれがある。第3繰出筒14と第3直進案内環15とカム筒17が構成する第3の繰出段部をズーム域で光軸方向に移動させると、その移動を案内する第2直進案内環13のガイド溝13dを、第1直進案内環11のガイド溝11dの第3リード部11d-4のように、ズーム域で光軸方向の傾き成分を含む形状にする必要が生じる。すると、第2直進案内環13におけるフレキシブル基板導入穴13eやフレキシブル基板支持部13fの形成位置が制約を受けて、図12に示す位置よりも光軸方向後方に形成する必要が生じてしまい、シャッタ用フレキシブル基板8を望ましい位置(第2直進案内環13における光軸方向の前方位置)で支持することが難しくなる。よって、第2の繰出段部を構成する第2直進案内環13をシャッタ用フレキシブル基板8に対する中間の支持箇所として設定する場合には、ズーム域において第2の繰出段部を光軸方向に移動させる本実施形態の構成が最適となる。

以上、図示実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は図示実施形態に限定されるものではない。例えば、図示実施形態は、フレキシブル基板が接続する電気部品としてシャッタブロック7のシャッタアクチュエータ7aを対象としているが、シャッタアクチュエータ以外の電気部品をフレキシブル基板の接続対象としてもよい。

また、図示実施形態のズームレンズ鏡筒1は、収納状態と撮影状態の移行時に第2レンズ群LG2を光軸O上に挿脱させているが、このような挿脱される光学要素を有さないズームレンズ鏡筒にも適用が可能である。従って、図示実施形態のズームレンズ鏡筒1とは異なり、繰出時や収納時において回転筒に回転を伝達しない空転区間を設定していないタイプのズームレンズ鏡筒も適用対象となる。

また、図示実施形態のズームレンズ鏡筒1は、光軸上に挿脱される第2レンズ群LG2に像振れ補正動作も行わせるタイプであるが、本発明は像振れ補正機能を備えないレンズ鏡筒にも適用が可能である。

1 ズームレンズ鏡筒 5 第2レンズ群枠 5a 支持腕部 5b 軸穴 5c レンズ支持筒 5d 位置決め片 5e 被押圧突起 6 第3レンズ群枠 6a レンズ支持筒 6b 支持腕部 6c 支持腕部 7 シャッタブロック(電気部品) 7a シャッタアクチュエータ(電気部品) 8 シャッタ用フレキシブル基板 8a 第1接続部 8b 第1支持部 8c 第2支持部 8d 第1中間部 8e 第2中間部 8f 第2接続部 9 固定筒 9a ガイド溝(1段用ガイド溝) 9a-1 第1水平部 9a-2 リード部(傾斜溝部) 9a-3 第2水平部(周方向溝部) 9a-4 開口部 9b 直進案内溝 9c フレキシブル基板導入穴 9d フレキシブル基板支持部 10 第1繰出筒(第1繰出段部、第1段回転筒) 10a 周面ギヤ 10b ガイド突起 10b-1 周方向面 10b-2 リード面 10c 結合溝 10d 連係溝(回転伝達部) 10d-1 導入部 10d-2 水平部 10d-3 回転伝達部 11 第1直進案内環(第1繰出段部、第1段直進案内環) 11a 直進案内突起 11b 結合突起 11c 直進案内溝 11d ガイド溝(2段用ガイド溝) 11d-1 第1リード部(繰出用傾斜溝部) 11d-2 第2リード部(繰出用傾斜溝部) 11d-3 第1水平部(第1の周方向溝部) 11d-4 第3リード部(ズーム域用傾斜溝部) 11d-5 第2水平部(第2の周方向溝部) 11d-6 開口部 12 第2繰出筒(第2繰出段部、第2段回転筒) 12a ガイド突起 12a-1 周方向面 12a-2 リード面 12a-3 リード面 12b 回転伝達突起 12c 結合溝 12d 連係溝 12d-1 導入部 12d-2 水平部 12d-3 回転伝達部 13 第2直進案内環(第2繰出段部、第2段直進案内環) 13a 直進案内突起 13b 結合突起 13c 直進案内溝 13d ガイド溝(3段用ガイド溝) 13d-1 リード部(傾斜溝部) 13d-2 水平部(周方向溝部) 13d-3 開口部 13e フレキシブル基板導入穴 13f フレキシブル基板支持部 14 第3繰出筒(第3繰出段部、第3段直進案内環) 14a 直進案内突起 14b 結合突起 14c 直進案内溝 15 第3直進案内環(第3繰出段部、第3段直進案内環) 15a 直進案内突起 15b 結合突起 15c キー突起 15d 直進案内溝 16 第4繰出筒 16a 直進案内突起 16b レンズ支持筒 17 カム筒(第3繰出段部) 17a ガイド突起 17a-1 周方向面 17a-2 リード面 17b 回転伝達突起(回転伝達部) 17c 結合溝 17d 結合溝 17e 収納凹部 18 2群支持環(内方移動部) 18a キー溝 18b 直進案内突起 18c 貫通部 20 撮像素子 21 光学フィルタ 22 パッキン 23 背面版 25 フォーカスモータユニット 25a フォーカスモータ2 25b ナット 26 ズームモータユニット 26a ズームモータ 26b ズームギヤ 26c ギヤボックス 27 退避レバー 27a 軸穴 27b 被押圧部 27c 押圧部 30 支持枠 31 防振枠 32 ガイドボール 33 引張バネ 34 永久磁石 35 コイル 36 支持軸 37 付勢バネ 38 カム突起 38a カム面 38b 側面 39 付勢バネ 50 3群ガイド軸 51 3群付勢バネ 52 モータ用フレキシブル基板 53 ジャイロセンサ 60 制御部 CF1 CF2 カムフォロア CG1 1群用カム溝 CG2 2群用カム溝 LG1 第1レンズ群(変倍レンズ群) LG2 第2レンズ群(変倍レンズ群) LG3 第3レンズ群 O 光軸 S シャッタ

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