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最適化された多機能性T細胞を含むキメラ受容体T細胞を使用する治療

阅读:88发布:2020-05-08

专利汇可以提供最適化された多機能性T細胞を含むキメラ受容体T細胞を使用する治療专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本開示は、有効用量のキメラ受容体(例えば、CAR又はTCR)で遺伝子改変されたT細胞化学療法を投与することを含む悪性腫瘍の治療方法を提供する。本開示の幾つかの態様は、患者に投与する前に、多機能性T細胞を含むT細胞免疫療法薬の有効用量を決定する方法に関する。 【選択図】図1A〜図1C,下面是最適化された多機能性T細胞を含むキメラ受容体T細胞を使用する治療专利的具体信息内容。

患者における悪性腫瘍を治療する方法であって、 (a)1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、 (b)予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量の前記T細胞を前記患者に投与することと、 を含む、方法。前記予め決められた量の多機能性T細胞は、15%超、20%超、20%超、25%超、30%超の多機能性T細胞である、請求項1に記載の方法。多機能性T細胞の前記予め決められた量は、多機能性強度インデックス(PSI)を使用して決定される、請求項1に記載の方法。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、前記多機能性細胞のパーセンテージに、該多機能性細胞により分泌されるタンパク質の平均蛍光強度の合計を掛けることによって計算される、請求項3に記載の方法。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、250超、350超、450超、又は550超である、請求項3又は4に記載の方法。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、(i)多機能性T細胞の所望のパーセンテージを決定することと、(ii)予め決められたサイトカインプロファイルを得ることとを含む方法によって得られる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。前記有効用量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、少なくとも3.5×1010又は少なくとも7.7×1010を含む、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。前記予め決められた量の多機能性T細胞は、少なくとも2.4×107個又は少なくとも4.2×107個の多機能性T細胞を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。前記有効用量は、腫瘍負荷と比例して調節される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。多機能性T細胞の前記予め決められた量は、コンポジットインデックスを使用して決定される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。前記コンポジットインデックスは、少なくとも2つの評価指標を含む、請求項10に記載の方法。前記評価指標は、各評価指標をそれらの各々の標準偏差によって割ることにより正規化される、請求項11に記載の方法。前記コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)及び/又はT細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。前記コンポジットインデックスは、前記多機能性強度インデックス(PSI)を決定することと、前記T細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを測定することとを含む方法によって得られる、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。前記コンポジットインデックスは、3超である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを測定することを含む、請求項6〜15のいずれか一項に記載の方法。前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを選択することを含む、請求項6〜16のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、腫瘍抗原を標的とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、腫瘍関連表面抗原、例えば5T4、アルファフェトプロテイン(AFP)、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、BCMA、B−ヒト絨毛膜性生殖腺刺激ホルモン、CA−125、癌胚抗原(CEA)、癌胚抗原(CEA)、CD123、CD133、CD138、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD34、CD4、CD40、CD44、CD56、CD8、CLL−1、c−Met、CMV特異抗原、CS−1、CSPG4、CTLA−4、DLL3、ジシアロガングリオシドGD2、膵管上皮ムチン、EBV特異抗原、EGFR変異体III(EGFRvIII)、ELF2M、エンドグリン、エフリンB2、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮性腫瘍抗原、ErbB2(HER2/neu)、線維芽細胞関連タンパク質(fap)、FLT3、葉酸結合タンパク質、GD2、GD3、細胞膠腫関連抗原、スフィンゴ糖脂質、gp36、HBV特異抗原、HCV特異抗原、HER1−HER2、HER2−HER3の組み合わせ、HERV−K、高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)、HIV−1型エンベロープ糖タンパク質gp41、HPV特異抗原、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、IGFI受容体、IGF−II、IL−11Rアルファ、IL−13R−a2、インフルエンザウイルス特異抗原、CD38、インスリン増殖因子(IGFI)−1、腸カルボキシルエステラーゼ、カッパー鎖、LAGA−1a、ラムダ鎖、ラッサ熱ウイルス特異抗原、レクチン反応性AFP、系譜特異又は組織特異抗原、例えばCD3、MAGE、MAGE−A1、主要組織適合性複合体(MHC)分子、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体(MHC)分子、M−CSF、黒色腫関連抗原、メソテリン、メソテリン、MN−CA IX、MUC−1、mut hsp70−2、変異p53、変異p53、変異ras、好中球エラスターゼ、NKG2D、Nkp30、NY−ESO−1、p53、PAP、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺癌腫瘍抗原−1(PCTA−1)、前立腺特異抗原タンパク質、STEAP1、STEAP2、PSMA、RAGE−1、ROR1、RU1、RU2(AS)、表面接着分子、サバイビング及びテロメラーゼ、TAG−72、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)及びエクストラドメインB(EDB)、並びにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、サイログロブリン、腫瘍間質抗原、血管内皮増殖因子受容体−2(VEGFR2)、ウイルス特異表面抗原、例えばHIV特異抗原(例えば、HIV gp120)、並びにこれらの表面マーカーの任意の誘導体又は変異体から選択される腫瘍抗原を標的とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、特異的にCD19を標的とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、T細胞受容体(TCR)である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。前記悪性腫瘍は、固形腫瘍、肉腫、癌腫、リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBC)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、慢性若しくは急性の白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(非T細胞ALLを含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)、T細胞リンパ腫、1つ以上のB細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、毛様細胞白血病、小細胞型若しくは大細胞型濾胞性リンパ腫、悪性リンパ増殖性状態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、骨髄異形成及び骨髄異形成症候群、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞腫瘍、ワルデンストレームマクログロブリン血症、形質細胞増殖性障害、例えば、無症候性骨髄腫(くすぶり型多発性骨髄腫又は無痛性骨髄腫)、意義不明の単クローン性γグロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(例えば、形質細胞異常増殖症、孤在性骨髄腫、孤在性形質細胞腫、髄外性形質細胞腫、及び多発性形質細胞腫)、全身性アミロイド軽鎖アミロイドーシス、POEMS症候群(Crow−Fukase症候群、高月病、及びPEP症候群としても知られる)、又はそれらの組み合わせである、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。前記悪性腫瘍は、非ホジキンリンパ腫である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。前記多機能性CAR T細胞は、少なくとも2種のタンパク質又はサイトカインを一度に同時分泌する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。前記タンパク質又はサイトカインは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の1つ以上を含む、請求項26に記載の方法。前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫の少なくとも1つから選択される、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。全体用量を調整することで、多機能性細胞の総数を調節することを更に含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。全体用量を調整することで、全体の多機能性強度インデックス(PSI)を調節することを更に含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。患者における悪性腫瘍を治療する方法であって、 (a)1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、 (b)前記T細胞の多機能性強度インデックス(PSI)を測定することと、 (c)予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量を準備することと、 (d)前記患者に、前記予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量を投与することと、 を含む、方法。多機能性T細胞の前記予め決められた量を最適化することで、治療に応答性である患者の可能性を高める、請求項31に記載の方法。患者がキメラ受容体治療に応答性であるかどうかを決定する方法であって、 (a)キメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、 (b)前記複数のT細胞中の多機能性T細胞の量を決定することと、 (c)患者がキメラ受容体治療に応答性であるかどうかを、前記多機能性T細胞の量に基づいて決定することと、 を含む、方法。患者における悪性腫瘍を治療する方法であって、 (a)1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、 (b)予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量を準備することと、 (c)前記患者に、前記予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量を投与することと、 を含む、方法。前記予め決められた量の多機能性T細胞は、15%超、20%超、20%超、25%超、30%超の多機能性T細胞である、請求項31〜34のいずれか一項に記載の方法。多機能性T細胞の前記予め決められた量は、多機能性強度インデックス(PSI)を使用して決定される、請求項31〜34のいずれか一項に記載の方法。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、前記多機能性細胞のパーセンテージに、該多機能性細胞により分泌されるタンパク質の平均蛍光強度の合計を掛けることによって計算される、請求項31〜36のいずれか一項に記載の方法。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、250超、350超、450超、又は550超である、請求項31〜37のいずれか一項に記載の方法。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、(i)多機能性T細胞の所望のパーセンテージを決定することと、(ii)予め決められたサイトカインプロファイルを得ることとを含む方法によって得られる、請求項31〜38のいずれか一項に記載の方法。前記有効用量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、少なくとも3.5×1010又は少なくとも7.7×1010を含む、請求項31〜39のいずれか一項に記載の方法。前記予め決められた量の多機能性T細胞は、少なくとも2.4×107個又は少なくとも4.2×107個の多機能性T細胞である、請求項31〜40のいずれか一項に記載の方法。前記有効用量は、腫瘍負荷と比例して調節される、請求項31〜41のいずれか一項に記載の方法。多機能性T細胞の前記予め決められた量は、コンポジットインデックスを使用して決定される、請求項31〜42のいずれか一項に記載の方法。前記コンポジットインデックスは、少なくとも2つの評価指標を含む、請求項43に記載の方法。前記評価指標は、各評価指標をそれらの各々の標準偏差によって割ることにより正規化される、請求項44に記載の方法。前記コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)及び/又はT細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを含む、請求項43〜45のいずれか一項に記載の方法。前記コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)を決定することと、T細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを測定することとを含む方法により得られる、請求項43〜46のいずれか一項に記載の方法。前記コンポジットインデックスは、3超である、請求項43〜47のいずれか一項に記載の方法。前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを測定することを含む、請求項39〜48のいずれか一項に記載の方法。前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを選択することを含む、請求項39〜49のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、腫瘍抗原を標的とする、請求項31〜50のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、腫瘍関連表面抗原、例えば5T4、アルファフェトプロテイン(AFP)、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、BCMA、B−ヒト絨毛膜性生殖腺刺激ホルモン、CA−125、癌胚抗原(CEA)、癌胚抗原(CEA)、CD123、CD133、CD138、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD34、CD4、CD40、CD44、CD56、CD8、CLL−1、c−Met、CMV特異抗原、CS−1、CSPG4、CTLA−4、DLL3、ジシアロガングリオシドGD2、膵管上皮ムチン、EBV特異抗原、EGFR変異体III(EGFRvIII)、ELF2M、エンドグリン、エフリンB2、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮性腫瘍抗原、ErbB2(HER2/neu)、線維芽細胞関連タンパク質(fap)、FLT3、葉酸結合タンパク質、GD2、GD3、細胞膠腫関連抗原、スフィンゴ糖脂質、gp36、HBV特異抗原、HCV特異抗原、HER1−HER2、HER2−HER3の組み合わせ、HERV−K、高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)、HIV−1型エンベロープ糖タンパク質gp41、HPV特異抗原、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、IGFI受容体、IGF−II、IL−11Rアルファ、IL−13R−a2、インフルエンザウイルス特異抗原、CD38、インスリン増殖因子(IGFI)−1、腸カルボキシルエステラーゼ、カッパー鎖、LAGA−1a、ラムダ鎖、ラッサ熱ウイルス特異抗原、レクチン反応性AFP、系譜特異又は組織特異抗原、例えばCD3、MAGE、MAGE−A1、主要組織適合性複合体(MHC)分子、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体(MHC)分子、M−CSF、黒色腫関連抗原、メソテリン、メソテリン、MN−CA IX、MUC−1、mut hsp70−2、変異p53、変異p53、変異ras、好中球エラスターゼ、NKG2D、Nkp30、NY−ESO−1、p53、PAP、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺癌腫瘍抗原−1(PCTA−1)、前立腺特異抗原タンパク質、STEAP1、STEAP2、PSMA、RAGE−1、ROR1、RU1、RU2(AS)、表面接着分子、サバイビング及びテロメラーゼ、TAG−72、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)及びエクストラドメインB(EDB)、並びにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、サイログロブリン、腫瘍間質抗原、血管内皮増殖因子受容体−2(VEGFR2)、ウイルス特異表面抗原、例えばHIV特異抗原(例えば、HIV gp120)、並びにこれらの表面マーカーの任意の誘導体又は変異体から選択される腫瘍抗原を標的とする、請求項31〜51のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、特異的にCD19を標的とする、請求項31〜52のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項31〜53のいずれか一項に記載の方法。前記キメラ受容体は、T細胞受容体(TCR)である、請求項31〜54のいずれか一項に記載の方法。前記悪性腫瘍は、固形腫瘍、肉腫、癌腫、リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBC)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、慢性若しくは急性の白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(非T細胞ALLを含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)、T細胞リンパ腫、1つ以上のB細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、毛様細胞白血病、小細胞型若しくは大細胞型濾胞性リンパ腫、悪性リンパ増殖性状態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、骨髄異形成及び骨髄異形成症候群、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞腫瘍、ワルデンストレームマクログロブリン血症、形質細胞増殖性障害、例えば、無症候性骨髄腫(くすぶり型多発性骨髄腫又は無痛性骨髄腫)、意義不明の単クローン性γグロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(例えば、形質細胞異常増殖症、孤在性骨髄腫、孤在性形質細胞腫、髄外性形質細胞腫、及び多発性形質細胞腫)、全身性アミロイド軽鎖アミロイドーシス、POEMS症候群(Crow−Fukase症候群、高月病、及びPEP症候群としても知られる)、又はそれらの組み合わせである、請求項31〜55のいずれか一項に記載の方法。前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫である、請求項31〜56のいずれか一項に記載の方法。前記悪性腫瘍は、非ホジキンリンパ腫である、請求項31〜57のいずれか一項に記載の方法。前記多機能性CAR T細胞は、少なくとも2種のタンパク質又はサイトカインを一度に同時分泌する、請求項31〜58のいずれか一項に記載の方法。前記タンパク質又はサイトカインは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の1つ以上を含む、請求項59に記載の方法。前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫の少なくとも1つから選択される、請求項31〜60のいずれか一項に記載の方法。全体用量を調整することで、多機能性細胞の総数を調節することを更に含む、請求項31〜61のいずれか一項に記載の方法。全体用量を調整することで、全体の多機能性強度インデックス(PSI)を調節することを更に含む、請求項31〜62のいずれか一項に記載の方法。キメラ受容体治療の効を高める方法であって、多機能性CAR T細胞のパーセンテージを調整することを含む、方法。前記多機能性T細胞を選択及び単離することを含む、請求項64に記載の方法。1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を含む医薬組成物であって、予め決められた量の多機能性T細胞を含む、医薬組成物。15%超の多機能性T細胞を含む、請求項66に記載の医薬組成物。20%超の多機能性T細胞を含む、請求項66に記載の医薬組成物。25%超の多機能性T細胞を含む、請求項66に記載の医薬組成物。

1つ以上のキメラ受容体を含む複数のT細胞を含む、患者における悪性腫瘍を治療するための医薬組成物であって、 予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量の前記T細胞を前記患者に投与することによって特徴付けられる、 医薬組成物。前記予め決められた量の多機能性T細胞は、15%超、20%超、25%超、30%超の多機能性T細胞である、請求項1に記載の医薬組成物。多機能性T細胞の前記予め決められた量は、多機能性強度インデックス(PSI)を使用して決定される、請求項1に記載の医薬組成物。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、前記多機能性細胞のパーセンテージに、該多機能性細胞により分泌されるタンパク質の平均蛍光強度の合計を掛けることによって計算される、請求項3に記載の医薬組成物。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、250超、350超、450超、又は550超である、請求項3又は4に記載の医薬組成物。前記多機能性強度インデックス(PSI)は、(i)多機能性T細胞の所望のパーセンテージを決定することと、(ii)予め決められたサイトカインプロファイルを得ることとを含む方法によって得られる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記有効用量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、少なくとも3.5×1010又は少なくとも7.7×1010を含む、請求項3〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記予め決められた量の多機能性T細胞は、少なくとも2.4×107個又は少なくとも4.2×107個の多機能性T細胞を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記有効用量は、腫瘍負荷と比例して調節される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。多機能性T細胞の前記予め決められた量は、コンポジットインデックスを使用して決定される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記コンポジットインデックスは、少なくとも2つの評価指標を含む、請求項10に記載の医薬組成物。前記評価指標は、各評価指標をそれらの各々の標準偏差によって割ることにより正規化される、請求項11に記載の医薬組成物。前記コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)及び/又はT細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記コンポジットインデックスは、前記多機能性強度インデックス(PSI)を決定することと、前記T細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを測定することとを含む方法によって得られる、請求項10〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記コンポジットインデックスは、3超である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを測定することを含む、請求項6〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを選択することを含む、請求項6〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記キメラ受容体は、腫瘍抗原を標的とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記キメラ受容体は、腫瘍関連表面抗原、例えば5T4、アルファフェトプロテイン(AFP)、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、BCMA、B−ヒト絨毛膜性生殖腺刺激ホルモン、CA−125、癌胚抗原(CEA)、CD123、CD133、CD138、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD34、CD4、CD40、CD44、CD56、CD8、CLL−1、c−Met、CMV特異抗原、CS−1、CSPG4、CTLA−4、DLL3、ジシアロガングリオシドGD2、膵管上皮ムチン、EBV特異抗原、EGFR変異体III(EGFRvIII)、ELF2M、エンドグリン、エフリンB2、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮性腫瘍抗原、ErbB2(HER2/neu)、線維芽細胞関連タンパク質(fap)、FLT3、葉酸結合タンパク質、GD2、GD3、細胞膠腫関連抗原、スフィンゴ糖脂質、gp36、HBV特異抗原、HCV特異抗原、HER1−HER2、HER2−HER3の組み合わせ、HERV−K、高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)、HIV−1型エンベロープ糖タンパク質gp41、HPV特異抗原、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、IGFI受容体、IGF−II、IL−11Rアルファ、IL−13R−a2、インフルエンザウイルス特異抗原、CD38、インスリン増殖因子(IGFI)−1、腸カルボキシルエステラーゼ、カッパー鎖、LAGA−1a、ラムダ鎖、ラッサ熱ウイルス特異抗原、レクチン反応性AFP、系譜特異又は組織特異抗原、例えばCD3、MAGE、MAGE−A1、主要組織適合性複合体(MHC)分子、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体(MHC)分子、M−CSF、黒色腫関連抗原、メソテリン、MN−CA IX、MUC−1、mut hsp70−2、変異p53、変異ras、好中球エラスターゼ、NKG2D、Nkp30、NY−ESO−1、p53、PAP、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺癌腫瘍抗原−1(PCTA−1)、前立腺特異抗原タンパク質、STEAP1、STEAP2、PSMA、RAGE−1、ROR1、RU1、RU2(AS)、表面接着分子、サバイビング及びテロメラーゼ、TAG−72、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)及びエクストラドメインB(EDB)、並びにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、サイログロブリン、腫瘍間質抗原、血管内皮増殖因子受容体−2(VEGFR2)、ウイルス特異表面抗原、例えばHIV特異抗原(例えば、HIV gp120)、並びにこれらの表面マーカーの任意の誘導体又は変異体から選択される腫瘍抗原を標的とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記キメラ受容体は、特異的にCD19を標的とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記キメラ受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記キメラ受容体は、T細胞受容体(TCR)である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記悪性腫瘍は、固形腫瘍、肉腫、癌腫、リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBC)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、慢性若しくは急性の白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(非T細胞ALLを含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)、T細胞リンパ腫、1つ以上のB細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、毛様細胞白血病、小細胞型若しくは大細胞型濾胞性リンパ腫、悪性リンパ増殖性状態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、骨髄異形成及び骨髄異形成症候群、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞腫瘍、ワルデンストレームマクログロブリン血症、形質細胞増殖性障害、例えば、無症候性骨髄腫(くすぶり型多発性骨髄腫又は無痛性骨髄腫)、意義不明の単クローン性γグロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(例えば、形質細胞異常増殖症、孤在性骨髄腫、孤在性形質細胞腫、髄外性形質細胞腫、及び多発性形質細胞腫)、全身性アミロイド軽鎖アミロイドーシス、POEMS症候群(Crow−Fukase症候群、高月病、及びPEP症候群としても知られる)、又はそれらの組み合わせである、請求項1〜22のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記悪性腫瘍は、非ホジキンリンパ腫である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記多機能性CAR T細胞は、少なくとも2種のタンパク質又はサイトカインを一度に同時分泌する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記タンパク質又はサイトカインは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の1つ以上を含む、請求項26に記載の医薬組成物。前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫の少なくとも1つから選択される、請求項1〜27のいずれか一項に記載の医薬組成物。多機能性細胞の総数を調節するように総用量が調整される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の医薬組成物。全体の多機能性強度インデックス(PSI)を調節するように総用量が調整される、請求項3〜29のいずれか一項に記載の医薬組成物。多機能性T細胞の前記予め決められた量を最適化することで、患者の治療に対する応答性の可能性を高める、請求項1〜30のいずれか一項に記載の医薬組成物。患者がキメラ受容体治療に応答性であるかどうかを決定する方法であって、 (a)キメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、 (b)前記複数のT細胞中の多機能性T細胞の量を決定することと、 (c)患者がキメラ受容体治療に応答性であるかどうかを、前記多機能性T細胞の量に基づいて決定することと、 を含む、方法。キメラ受容体治療の効力を高める方法であって、多機能性CAR T細胞のパーセンテージを調整することを含む、方法。前記多機能性T細胞を選択及び単離することを含む、請求項33に記載の方法。1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を含む医薬組成物であって、予め決められた量の多機能性T細胞を含む、医薬組成物。15%超の多機能性T細胞を含む、請求項35に記載の医薬組成物。20%超の多機能性T細胞を含む、請求項35に記載の医薬組成物。25%超の多機能性T細胞を含む、請求項35に記載の医薬組成物。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、2017年4月3日付で出願された米国仮特許出願第62/481,003号の利益を主張し、その開示全体が引用することにより本明細書の一部をなす。

配列表 本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。2018年4月3日付けで作製された上記ASCIIコピーの名前はKPI−019WO_ST25.txtであり、564バイトのサイズである。

ヒト癌は、元は正常細胞で構成され、この正常細胞が遺伝的又はエピジェネティックな変換を受けて異常な癌細胞となる。そうすることで、癌細胞は、正常細胞によって発現されるものとは明確に異なるタンパク質及び他の抗原を発現し始める。これらの異常な腫瘍抗原は、身体の自然免疫系によって、癌細胞を特異的に標的とし死滅させるのに使用され得る。しかしながら、癌細胞は、Tリンパ球及びBリンパ球等の免疫細胞が癌細胞を標的とすることに成功しないように様々な機構を利用する。

ヒトT細胞療法は、患者において癌細胞を標的とし、死滅させるために富化又は改変されたヒトT細胞に頼っている。T細胞が特定の癌細胞を標的とし死滅させる能を増加するため、特定の標的癌細胞へとT細胞を方向づけるコンストラクトを発現するようT細胞を操作する方法が開発された。特定の腫瘍抗原と相互作用することができる結合ドメインを含む、キメラ抗原受容体(CAR)及び操作されたT細胞受容体(TCR)は、T細胞が特定の腫瘍抗原を発現する癌細胞を標的とし、死滅させることを可能とする。

多数の免疫プログラムを展開することが可能な個々のT細胞を含む注入前の産物中のCAR T細胞のサブセットは、CAR T細胞の効力を統制する。CD19+標的細胞で刺激されたCD4+T細胞及びCD8+T細胞の両方についての多機能性プロファイルは、選択エフェクター分子(グランザイムB)、刺激性/免疫制御性サイトカイン(IFN−γ、IL−5)、及びケモカイン(IL−8、MIP−1α)から構成される。CD8+T細胞とは異なり、CD4+T細胞のサブセットは、IL−17Aを分泌する多機能性細胞も含んでいた。CD4+T細胞及びCD8+T細胞の多様性並びに多機能性T細胞集団への共同関与は、CD28共刺激ドメインを有するCAR産物と一致している。

本明細書に記載されるように、CAR T細胞治療に起因する臨床応答及び毒性は、キメラ受容体T細胞又は規定のT細胞亜集団の多機能性強度インデックス(Polyfunctional Strength Index)(PSI)と関連性がある。

本明細書には、T細胞の多機能性と関連性があり、臨床転帰と相関するキメラ受容体T細胞(例えば、CAR T細胞又は外因性TCR細胞)についての新規の産物特質が記載される。多機能性インデックス(polyfunctionality index)と、コンディショニング駆動性IL−15(強力なT細胞増殖能を有するサイトカイン)又はin vivoでのCAR T細胞増殖との組み合わせは、CAR T細胞療法後の臨床転帰と関連している。

CAR T細胞の多機能性のモニタリングは、主要な産物特質として有用であり、T細胞増殖能等のその他の特性を補完する。幾つかの実施の形態においては、多機能性は、少なくとも製造前のT細胞の状態により決定される。幾つかの実施の形態において、多機能性及び臨床転帰は、T細胞の遺伝的プログラミング、製造方法、又は投与方略を最適化することにより操作することができる。

本開示は、患者に有効用量のキメラ受容体を投与することを含む上記患者における悪性腫瘍を治療する方法であって、1つ以上のキメラ抗原受容体を有する複数のT細胞を得ることと、有効量の多機能性CAR T細胞を含む用量の上記T細胞を投与することとを含む、方法に関する。多機能性T細胞は、例えばCD8+多機能性T細胞及びCD4+多機能性T細胞を含む。

本方法は、多機能性強度インデックスのパーセンテージを使用して多機能性CAR T細胞の有効パーセンテージを得ることで、所望の用量を決定することを更に含む。多機能性強度インデックスは、所望のパーセントの多機能性T細胞の決定を、予め決められたサイトカインプロファイルの計算と一緒に組み入れることを含む。予め決められたサイトカインプロファイルは、例えばグランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つの測定及び選択を含む。幾つかの実施の形態においては、CD19を発現する標的細胞で刺激すると、全ての産物細胞の20%〜25%は多機能性であった。

キメラ受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)及び/又はT細胞受容体(TCR)であり得る。

本開示はさらに、患者に、有効パーセンテージの多機能性CAR T細胞を含む有効用量のキメラ抗原受容体及びT細胞受容体からなる群から選択されるキメラ受容体を投与することを含む上記患者における悪性腫瘍を治療する方法に関する。本発明はさらに、多機能性CAR T細胞のパーセンテージを調節することを含むキメラ受容体治療における不所望な副作用を軽減する方法、及び多機能性CAR T細胞のパーセンテージを調節することを含むキメラ受容体治療の効力を増大させる方法に関する。

1つの態様においては、本開示は、患者における悪性腫瘍を治療する方法であって、(a)1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量の前記T細胞を前記患者に投与することとを含む、方法を提供する。

幾つかの実施の形態においては、前記予め決められた量の多機能性T細胞は、15%超、20%超、20%超、25%超、30%超の多機能性T細胞である。

幾つかの実施の形態においては、多機能性T細胞の前記予め決められた量は、多機能性強度インデックス(PSI)を使用して決定される。

幾つかの実施の形態においては、前記多機能性強度インデックス(PSI)は、前記多機能性細胞のパーセンテージに、該多機能性細胞により分泌されるタンパク質の平均強度の合計を掛けることによって計算される。

幾つかの実施の形態においては、前記多機能性強度インデックス(PSI)は、前記多機能性細胞のパーセンテージに、該多機能性細胞により分泌されるタンパク質の平均蛍光強度の合計を掛けることによって計算される。幾つかの実施の形態においては、前記多機能性強度インデックス(PSI)は、250超、350超、450超、又は550超である。

幾つかの実施の形態においては、前記多機能性強度インデックス(PSI)は、(i)多機能性T細胞の所望のパーセンテージを決定することと、(ii)予め決められたサイトカインプロファイルを得ることとを含む方法によって得られる。

幾つかの実施の形態においては、有効用量は、多機能性強度インデックスに、T細胞の総数を掛けることにより得られたPSIの用量を含む。幾つかの実施の形態においては、前記有効用量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、少なくとも3.5×1010又は少なくとも7.7×1010を含む。

幾つかの実施の形態においては、前記予め決められた量の多機能性T細胞は、少なくとも2.4×107個又は少なくとも4.2×107個の多機能性T細胞を含む。

幾つかの実施の形態においては、前記有効用量は、腫瘍負荷と比例して調節される。

幾つかの実施の形態においては、多機能性T細胞の前記予め決められた量は、コンポジットインデックスを使用して決定される。幾つかの実施の形態においては、前記コンポジットインデックスは、少なくとも2つの評価指標を含む。幾つかの実施の形態においては、前記評価指標は、各評価指標をそれらの各々の標準偏差によって割ることにより正規化される。

幾つかの実施の形態においては、前記コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)及び/又はT細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを含む。幾つかの実施の形態においては、前記コンポジットインデックスは、前記多機能性強度インデックス(PSI)を決定することと、前記T細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを測定することとを含む方法によって得られる。幾つかの実施の形態においては、前記コンポジットインデックスは、3超である。

幾つかの実施の形態においては、前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを測定することを含む。

幾つかの実施の形態においては、前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを選択することを含む。

幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、腫瘍抗原を標的とする。

幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、腫瘍関連表面抗原、例えば5T4、アルファフェトプロテイン(AFP)、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、BCMA、B−ヒト絨毛膜性生殖腺刺激ホルモン、CA−125、癌胚抗原(CEA)、癌胚抗原(CEA)、CD123、CD133、CD138、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD34、CD4、CD40、CD44、CD56、CD8、CLL−1、c−Met、CMV特異抗原、CS−1、CSPG4、CTLA−4、DLL3、ジシアロガングリオシドGD2、膵管上皮ムチン、EBV特異抗原、EGFR変異体III(EGFRvIII)、ELF2M、エンドグリン、エフリンB2、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮性腫瘍抗原、ErbB2(HER2/neu)、線維芽細胞関連タンパク質(fap)、FLT3、葉酸結合タンパク質、GD2、GD3、細胞膠腫関連抗原、スフィンゴ糖脂質、gp36、HBV特異抗原、HCV特異抗原、HER1−HER2、HER2−HER3の組み合わせ、HERV−K、高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)、HIV−1型エンベロープ糖タンパク質gp41、HPV特異抗原、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、IGFI受容体、IGF−II、IL−11Rアルファ、IL−13R−a2、インフルエンザウイルス特異抗原、CD38、インスリン増殖因子(IGFI)−1、腸カルボキシルエステラーゼ、カッパー鎖、LAGA−1a、ラムダ鎖、ラッサ熱ウイルス特異抗原、レクチン反応性AFP、系譜特異又は組織特異抗原、例えばCD3、MAGE、MAGE−A1、主要組織適合性複合体(MHC)分子、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体(MHC)分子、M−CSF、黒色腫関連抗原、メソテリン、メソテリン、MN−CA IX、MUC−1、mut hsp70−2、変異p53、変異p53、変異ras、好中球エラスターゼ、NKG2D、Nkp30、NY−ESO−1、p53、PAP、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺癌腫瘍抗原−1(PCTA−1)、前立腺特異抗原タンパク質、STEAP1、STEAP2、PSMA、RAGE−1、ROR1、RU1、RU2(AS)、表面接着分子、サバイビング(suviving)及びテロメラーゼ、TAG−72、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)及びエクストラドメインB(EDB)、並びにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、サイログロブリン、腫瘍間質抗原、血管内皮増殖因子受容体−2(VEGFR2)、ウイルス特異表面抗原、例えばHIV特異抗原(例えば、HIV gp120)、並びにこれらの表面マーカーの任意の誘導体又は変異体から選択される腫瘍抗原を標的とする。

幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、特異的にCD19を標的とする。

幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。

幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、T細胞受容体(TCR)である。

幾つかの実施の形態においては、前記悪性腫瘍は、固形腫瘍、肉腫、癌腫、リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBC)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、慢性若しくは急性の白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(非T細胞ALLを含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)、T細胞リンパ腫、1つ以上のB細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、毛様細胞白血病、小細胞型若しくは大細胞型濾胞性リンパ腫、悪性リンパ増殖性状態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、骨髄異形成及び骨髄異形成症候群、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞腫瘍、ワルデンストレームマクログロブリン血症、形質細胞増殖性障害、例えば、無症候性骨髄腫(くすぶり型多発性骨髄腫又は無痛性骨髄腫)、意義不明の単クローン性γグロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(例えば、形質細胞異常増殖症、孤在性骨髄腫、孤在性形質細胞腫、髄外性形質細胞腫、及び多発性形質細胞腫)、全身性アミロイド軽鎖アミロイドーシス、POEMS症候群(Crow−Fukase症候群、高月病、及びPEP症候群としても知られる)、又はそれらの組み合わせである。

幾つかの実施の形態においては、前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫である。

幾つかの実施の形態においては、前記悪性腫瘍は、非ホジキンリンパ腫である。

幾つかの実施の形態においては、前記多機能性CAR T細胞は、少なくとも2種のタンパク質又はサイトカインを一度に同時分泌する。

幾つかの実施の形態においては、前記タンパク質又はサイトカインは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の1つ以上を含む。

幾つかの実施の形態においては、前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫の少なくとも1つから選択される。

幾つかの実施の形態においては、前記方法は、全体用量を調整することで、多機能性細胞の総数を調節することを更に含む。幾つかの実施の形態においては、前記方法は、全体用量を調整することで、全体の多機能性強度インデックス(PSI)を調節することを更に含む。

1つの態様においては、本開示は、患者における悪性腫瘍を治療する方法であって、(a)1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、(b)前記T細胞の多機能性強度インデックス(PSI)を測定することと、(c)予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量を準備することと、(d)前記患者に、前記予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量を投与することとを含む、方法を提供する。

幾つかの実施の形態においては、多機能性T細胞の前記予め決められた量を最適化することで、治療に応答性である患者の可能性を高める。

1つの態様においては、本開示は、患者がキメラ受容体治療に応答性であるかどうかを決定する方法であって、(a)キメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、(b)前記複数のT細胞中の多機能性T細胞の量を決定することと、(c)患者がキメラ受容体治療に応答性であるかどうかを、前記多機能性T細胞の量に基づいて決定することとを含む、方法を提供する。

1つの態様においては、本開示は、患者における悪性腫瘍を治療する方法であって、(a)1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、(b)予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量を準備することと、(c)前記患者に、前記予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量を投与することとを含む、方法を提供する。

幾つかの実施の形態においては、前記予め決められた量の多機能性T細胞は、15%超、20%超、20%超、25%超、30%超の多機能性T細胞である。多機能性T細胞の前記予め決められた量は、多機能性強度インデックス(PSI)を使用して決定される。

幾つかの実施の形態においては、前記多機能性強度インデックス(PSI)は、前記多機能性細胞のパーセンテージに、該多機能性細胞により分泌されるタンパク質の平均蛍光強度の合計を掛けることによって計算される。幾つかの実施の形態においては、前記多機能性強度インデックス(PSI)は、250超、350超、450超、又は550超である。

幾つかの実施の形態においては、前記多機能性強度インデックス(PSI)は、(i)多機能性T細胞の所望のパーセンテージを決定することと、(ii)予め決められたサイトカインプロファイルを得ることとを含む方法によって得られる。

幾つかの実施の形態においては、有効用量は、多機能性強度インデックスに、T細胞の総数を掛けることにより得られたPSIの用量を含む。幾つかの実施の形態においては、前記有効用量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、少なくとも3.5×1010又は少なくとも7.7×1010を含む。

幾つかの実施の形態においては、前記予め決められた量の多機能性T細胞は、少なくとも2.4×107個又は少なくとも4.2×107個の多機能性T細胞である。

幾つかの実施の形態においては、前記有効用量は、腫瘍負荷と比例して調節される。

幾つかの実施の形態においては、多機能性T細胞の前記予め決められた量は、コンポジットインデックスを使用して決定される。幾つかの実施の形態においては、前記コンポジットインデックスは、少なくとも2つの評価指標を含む。幾つかの実施の形態においては、前記評価指標は、各評価指標をそれらの各々の標準偏差によって割ることにより正規化される。

幾つかの実施の形態においては、前記コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)及び/又はT細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを含む。幾つかの実施の形態においては、前記コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)を決定することと、T細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを測定することとを含む。

幾つかの実施の形態においては、前記コンポジットインデックスは、3超である。幾つかの実施の形態においては、前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを測定することを含む。

幾つかの実施の形態においては、前記予め決められたサイトカインプロファイルを得ることは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の少なくとも1つを選択することを含む。

幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、腫瘍抗原を標的とする。幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、腫瘍関連表面抗原、例えば5T4、アルファフェトプロテイン(AFP)、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、BCMA、B−ヒト絨毛膜性生殖腺刺激ホルモン、CA−125、癌胚抗原(CEA)、癌胚抗原(CEA)、CD123、CD133、CD138、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD34、CD4、CD40、CD44、CD56、CD8、CLL−1、c−Met、CMV特異抗原、CS−1、CSPG4、CTLA−4、DLL3、ジシアロガングリオシドGD2、膵管上皮ムチン、EBV特異抗原、EGFR変異体III(EGFRvIII)、ELF2M、エンドグリン、エフリンB2、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮性腫瘍抗原、ErbB2(HER2/neu)、線維芽細胞関連タンパク質(fap)、FLT3、葉酸結合タンパク質、GD2、GD3、細胞膠腫関連抗原、スフィンゴ糖脂質、gp36、HBV特異抗原、HCV特異抗原、HER1−HER2、HER2−HER3の組み合わせ、HERV−K、高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)、HIV−1型エンベロープ糖タンパク質gp41、HPV特異抗原、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、IGFI受容体、IGF−II、IL−11Rアルファ、IL−13R−a2、インフルエンザウイルス特異抗原、CD38、インスリン増殖因子(IGFI)−1、腸カルボキシルエステラーゼ、カッパー鎖、LAGA−1a、ラムダ鎖、ラッサ熱ウイルス特異抗原、レクチン反応性AFP、系譜特異又は組織特異抗原、例えばCD3、MAGE、MAGE−A1、主要組織適合性複合体(MHC)分子、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体(MHC)分子、M−CSF、黒色腫関連抗原、メソテリン、メソテリン、MN−CA IX、MUC−1、mut hsp70−2、変異p53、変異p53、変異ras、好中球エラスターゼ、NKG2D、Nkp30、NY−ESO−1、p53、PAP、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺癌腫瘍抗原−1(PCTA−1)、前立腺特異抗原タンパク質、STEAP1、STEAP2、PSMA、RAGE−1、ROR1、RU1、RU2(AS)、表面接着分子、サバイビング及びテロメラーゼ、TAG−72、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)及びエクストラドメインB(EDB)、並びにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、サイログロブリン、腫瘍間質抗原、血管内皮増殖因子受容体−2(VEGFR2)、ウイルス特異表面抗原、例えばHIV特異抗原(例えば、HIV gp120)、並びにこれらの表面マーカーの任意の誘導体又は変異体から選択される腫瘍抗原を標的とする。

幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、特異的にCD19を標的とする。幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。幾つかの実施の形態においては、前記キメラ受容体は、T細胞受容体(TCR)である。

幾つかの実施の形態においては、前記悪性腫瘍は、固形腫瘍、肉腫、癌腫、リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBC)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、慢性若しくは急性の白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(非T細胞ALLを含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)、T細胞リンパ腫、1つ以上のB細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、毛様細胞白血病、小細胞型若しくは大細胞型濾胞性リンパ腫、悪性リンパ増殖性状態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、骨髄異形成及び骨髄異形成症候群、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞腫瘍、ワルデンストレームマクログロブリン血症、形質細胞増殖性障害、例えば、無症候性骨髄腫(くすぶり型多発性骨髄腫又は無痛性骨髄腫)、意義不明の単クローン性γグロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(例えば、形質細胞異常増殖症、孤在性骨髄腫、孤在性形質細胞腫、髄外性形質細胞腫、及び多発性形質細胞腫)、全身性アミロイド軽鎖アミロイドーシス、POEMS症候群(Crow−Fukase症候群、高月病、及びPEP症候群としても知られる)、又はそれらの組み合わせである。

幾つかの実施の形態においては、前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫である。

幾つかの実施の形態においては、前記悪性腫瘍は、非ホジキンリンパ腫である。

幾つかの実施の形態においては、前記多機能性CAR T細胞は、少なくとも2種のタンパク質又はサイトカインを一度に同時分泌する。

幾つかの実施の形態においては、前記タンパク質又はサイトカインは、グランザイムB、IFN−γ、MIP1a、パーフォリン、TNFa、TNFb、GMCSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21、CCI−11、IP−10、MIP1b、RANTES、IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−b1、SCD137、SCD40L、IL−1b、IL−6、IL−17a、IL−17f、MCP−1、及びMCP−4の1つ以上を含む。

幾つかの実施の形態においては、前記悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、転移性黒色腫、形質転換濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫の少なくとも1つから選択される。

幾つかの実施の形態においては、前記方法は、全体用量を調整することで、多機能性細胞の総数を調節することを更に含む。

幾つかの実施の形態においては、前記方法は、全体用量を調整することで、全体の多機能性強度インデックス(PSI)を調節することを更に含む。

1つの態様においては、本開示は、キメラ受容体治療の効力を高める方法であって、多機能性CAR T細胞のパーセンテージを調整することを含む、方法を提供する。

幾つかの実施の形態においては、前記方法は、前記多機能性T細胞を選択及び単離する工程を更に含む。

1つの態様においては、本開示は、1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を含む医薬組成物であって、予め決められた量の多機能性T細胞を含む、医薬組成物を提供する。幾つかの実施の形態においては、前記組成物は、15%超の多機能性T細胞を含む。幾つかの実施の形態においては、前記組成物は、20%超の多機能性T細胞を含む。幾つかの実施の形態においては、前記組成物は、25%超の多機能性T細胞を含む。

1つの態様においては、本開示は、患者における悪性腫瘍を治療する方法であって、(a)前記患者に、予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量のキメラ受容体T細胞免疫療法薬を投与することと、(b)注入後の患者を有害反応の徴候及び症候についてモニタリングすることとを含む、方法を提供する。

1つの態様においては、本開示は、キメラ受容体治療における不所望な副作用を軽減する方法であって、多機能性キメラ受容体T細胞のパーセンテージを本明細書に記載されるように調節することを含む、方法を提供する。

幾つかの実施の形態においては、多機能性T細胞の予め決められた量は、重度の有害事象が軽減されるように最適化される。幾つかの実施の形態においては、重度の有害事象は、グレード3+以上のサイトカイン放出症候群(CRS)又はグレード3+以上の神経毒性(NT)である。幾つかの実施の形態においては、多機能性T細胞の予め決められた量は、コンポジットインデックスを使用して決定される。

幾つかの実施の形態においては、コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)を決定することと、T細胞注入前の患者のIL−15の血清レベルを測定することとを含む方法により得られる。幾つかの実施の形態においては、コンポジットインデックスは、多機能性強度インデックス(PSI)を決定することと、T細胞の増殖を測定することとを含む方法により得られるインデックスを含む。幾つかの実施の形態においては、該方法は、多機能性強度インデックス(PSI)を使用して、患者がグレード3+の毒性を生ずる可能性を決定することを含む。

幾つかの実施の形態においては、上記方法は、患者を治療の不所望な副作用の徴候及び症候についてモニタリングすることを含む。幾つかの実施の形態においては、不所望な副作用は、サイトカイン放出症候群(CRS)、神経毒性、過敏反応、重症感染、血球減少症、及び低ガンマグロブリン血症からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、不所望な副作用の徴候及び症候は、発熱、低血圧症、頻脈、低酸素症、及び悪寒からなる群から選択され、心不整脈(心房性細動及び心室頻拍を含む)、心停止、心不全、腎不全、毛細血管漏出症候群、低血圧症、低酸素症、臓器毒性、血球貪食性リンパ組織球症/マクロファージ活性化症候群(HLH/MAS)、発作、脳症、頭痛、振戦、眩暈、失語症、せん妄、不眠症、不安症、アナフィラキシー、発熱性好中球減少症、血小板減少症、好中球減少症、及び貧血症を含む。

図面は、説明を目的とするものにすぎず、限定するものではない。

図1A〜図1Fは、T細胞多機能性を評価するために使用される方法の概略図を示す。図1A及び図1Bは、CAR(キメラ抗原受容体)コンストラクトの構成及び治療プロトコルの概略図を示す。図1C及び図1Dは、T細胞刺激後に各単一細胞チャンバーからのタンパク質のELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)検出を使用することにより評価された産物のT細胞多機能性を示す。図1E及び図1Fは、主要カテゴリー:恒常性/増殖性、炎症性、走化性、制御性、及び免疫エフェクターにわたって32種の主要な免疫学的に関連する分子の事前に指定されたパネルにおよぶ、多機能性強度インデックス(PSI)を通じて測定された多機能性を示す。図1Fは、単一細胞のCAR−Tの多機能性(左のパネル)、各CAR−T細胞の分泌強度(中央のパネル)、及び単一細胞のCAR−Tの多機能性強度インデックス(右のパネル)を示す。

図2A〜図2Dは、PSIと、客観的応答(OR)及び治療関連の有害事象(AE)との関連性を示す図である。単一細胞産物のPSIを、20人の患者ドナーについて32種の分泌されたサイトカイン、ケモカイン、及び細胞傷害性分子のパネルのSCBCプロテオミクス分析を使用することにより決定した。産物を、CAR T細胞のPSIレベルに従って格付けした。PSIは、示されるようにOR(図2A、図2C)又はグレード3+のCRS(図2B、図2D)と関連性があった。結果は、患者−PSIレベル(図2A、図2B)及びPSIの平均±SE(図2C、図2D)として示される。全ての統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した。AE(有害事象)、CRS(サイトカイン放出症候群)、OR(客観的応答)、SCBC(単一細胞バーコードチップ)、SE(標準誤差)。

図3A〜図3Fは、CAR産物の多機能性とCD19認識及び臨床転帰との関連性を示す図である。図3Aは、CD19

+細胞でex vivo刺激されたCAR T細胞の単一細胞(左のパネル)及びCD4

+(中央のパネル)サブセット又はCD8

+(右のパネル)サブセットの(NGFRでトランスフェクションされた)CD19

細胞と比較したPSIを示す。図3B〜図3Eは、客観的応答と産物のPSI、産物とCD19

+細胞との共培養物において測定されたIFN−γ又はフローサイトメトリーにより画定されたT細胞サブセットの主要産物との間の関連性を示す。ナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞(cm)、エフェクターメモリーT細胞(em)、及びエフェクターT細胞(eff)を、CD45RA及びCCR7について染色することにより画定した。図3Fは、図3B〜図3Eからの個々のp値(マン・ホイットニーのU検定)が、主要な産物の特質と臨床応答との関連性の強さに対応していることを示す。

図4A〜図4Dは、療法に対するレスポンダー(R)とノンレスポンダー(NR)とを識別する、CD19刺激により多機能性産物のCD4

+T細胞及びCD8

+T細胞を駆動する主要なサイトカインを示す図である。図4A(CD4

+)及び図4B(CD8

+)は、32種の分泌されたサイトカイン、ケモカイン、及び細胞傷害性分子のパネルの単一細胞プロテオミクスを、CAR T細胞で治療された20人の患者からの産物のT細胞に対して行ったことを示している。分析は、全ての産物の細胞に対して、又はCD4

+T細胞及びCD8

+T細胞を選択して実施した。産物のT細胞を、分析の前にまずCD19を発現する標的細胞又はコントロールのNGFR細胞で刺激した。グラフは、全ての細胞、並びに別々のCD4

+サブセット及びCD8

+サブセットについてのCD19刺激の有無によるPSI(平均±SE)を示す。各産物のT細胞亜集団についての主要なサイトカイン駆動因子も示されている。図4C(IL−8、IL−5、IL−17a、IFN−γ、MIP−1α)及び図4D(MIP−1α、IFN−γ、IL−8、グランザイムB)は、応答性を有しない患者群とCAR T細胞療法に対するORを伴う患者群との間の、サイトカインによる産物のCD4

+(図4C)及びCD8

+(図4D)T細胞のPSIプロファイルを示す。モック刺激と比較して上方調節されたCD4サイトカイン及びCD8サイトカインが示される。各サイトカインのPSIレベルは、多機能性単一細胞におけるその平均分泌強度を反映している。図表は、CD8

+T細胞集団及びCD4

+T細胞集団における多機能性インデックスに寄与するサイトカインを示す。

図5A〜図5Eは、in vivoでのCAR T細胞増殖又はCAR T細胞注入前のコンディショニング駆動性IL−15と併せたPSIが、客観的応答(OR)と相関することを示す図である。qPCRにより測定された血液中のCAR T細胞レベルは、臨床転帰と相関があった。全体の注入前の産物のPSI単独(図5A)、血液中の注入後のピークCARレベル単独(図5B)、又は産物のPSIとピークCARレベルとの組み合わせ(図5C)が、ORと関連して示されている。CAR T細胞注入前(0日目)のIL−15血清レベル単独(図5D)又は産物のPSIとの組み合わせ(図5E)が、ORと関連して示されている。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した(P値は、多重性のために調節しなかった)。

図6A及び図6Bは、単一細胞分析により画定された多機能性CD4

+T細胞亜集団及びCD8

+T細胞亜集団を示す図である。機能的サブセットを、CD4

+(図6A)T細胞サブセット及びCD8

+(図6B)T細胞サブセット内での主成分分析により決定した。表示は、多次元空間における対象の2次元表示としての、個々の細胞により産生されたサイトカインのクラスター化に基づく。産生されたサイトカインの類似性により画定される主要な多機能性サブセットは、クラスターとして表され、個々のドットは細胞に対応している。ドットの濃淡は、サイトカイン産生レベルを反映している。各々の主要な集団である、それぞれCD4T細胞及びCD8T細胞内で最も一般的に表される主要なサイトカインは、この主成分分析(x軸及びy軸上に示される)を編成するために使用され、各クラスターを画定するサイトカインが示されている。全ての免疫学的に関連する細胞の約20%〜25%を含む多機能性細胞の度数も表されている。

図7A及び図7Bは、血液中のCAR T細胞レベルと併せたPSIと客観的応答(OR)との間の関連性(図7A)を示し、又は0日目の血清中のIL−15とORとの間の関連性(図7B)を示す図である。血液中のCAR T細胞レベルを、qPCRによって測定した。PSI及びin vivoでのCAR T細胞増殖を統合するコンポジットインデックスは、応答結果と関連性があった(R=応答あり、N=応答なし)。全産物のPSI、CD4

+のPSI、及びIL−17AのPSIインデックスを、全てCARのピークレベルと併せて評価した。共同のPSI及び0日目のIL−15レベルの評価指標を、同様に計算した。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した(P値は、多重性のために調節しなかった)。

PSIが、血液中のCAR T細胞レベルと関連していないことを示す図である。血液中のCAR T細胞レベルはqPCRにより測定され、PSI又は臨床転帰(OR、グレード3+のNE又はCRS)と相関があった。全産物のPSI、CD4

+のPSI、及びIL−17AのPSIが表示されている。統計分析を、スピアマンの相関及びマン・ホイットニーのU検定を使用して実施した。

図9A〜図9Fは、血液中のCAR T細胞レベルと併せたPSIと、グレード3+の神経毒性(NT)との間の関連性を示す図である。血液中のCAR T細胞レベルは、qPCRにより測定され、グレード3+の有害事象と相関があった。PSI及びin vivoでのCAR T細胞増殖を統合するコンポジットインデックスを作成し、NT又はCRSとそれぞれ関連付けた。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した。P値は、多重性のために調節しなかった。

図10A〜図10Fは、血液中のCAR T細胞レベルと併せたPSIと、グレード3+のサイトカイン放出症候群(CRS)との間の関連性を示す図である。血液中のCAR T細胞レベルは、qPCRにより測定され、グレード3+の有害事象と相関があった。PSI及びin vivoでのCAR T細胞増殖を統合するコンポジットインデックスを作成し、NE又はCRSとそれぞれ関連付けた。全産物のPSI、CD4

+のPSI、及びIL−17AのPSIのインデックスを、全てCARのピークレベルと併せて評価した。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した。P値は、多重性のために調節しなかった。

図11A〜図11Fは、血液中の治療前のIL−15レベルと併せたPSIと、グレード3+のNEとの間の関連性を示す図である。血液中のIL−15レベルは、ELISAにより測定され、グレード3+のAEと相関があった。PSI及びIL−15レベルを統合するコンポジットインデックスを作成し、グレード3+のNE又はCRSとそれぞれ関連付けた。全産物のPSI、CD4

+のPSI、及びIL−17AのPSIを、全てIL−15レベルと併せて評価した。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した。P値は、多重性のために調節しなかった。

図12A〜図12Fは、治療前の血液中のIL−15レベルと併せたPSIと、グレード3+のCRSとの間の関連性を示す図である。血液中のIL−15レベルは、ELISAにより測定され、グレード3+のAEと相関があった。PSI及びIL−15レベルを統合するコンポジットインデックスを作成し、グレード3+のNE又はCRSとそれぞれ関連付けた。全産物のPSI、CD4

+のPSI、及びIL−17AのPSIを、全てIL−15レベルと併せて評価した。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した。P値は、多重性のために調節しなかった。

PSIを計算する場合に考慮される要素の一般的な概略図を示す。

IsoPlexis Single−Cell,High Multiplexing ELISA Systemを使用した注入前のCAR T細胞の多機能性の分析の図を示す。

本開示は、キメラ受容体を有する多機能性の操作されたT細胞を有効用量、投与することにより患者における悪性腫瘍を治療する方法に関する。本明細書に記載されるように、操作されたT細胞の多機能性を使用することで、臨床応答及び毒性の可能性を決定することができる。幾つかの態様においては、操作された細胞の多機能性を使用することで、患者における悪性腫瘍の治療のための有効用量を調整又は最適化することができる。本明細書に記載されるように、注入前のキメラ受容体産物のT細胞の多機能性プロファイルを使用することで、キメラ受容体(例えば、CAR又はTCR)T細胞療法の臨床転帰に影響を与える有効用量を決定することができる。

キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法による治療後に、インターロイキン(IL)−15上昇及びCAR T細胞増殖は、非ホジキンリンパ腫(NHL)の転帰と関連していた。本明細書に記載されるように、NHLを伴う患者からの注入前のCAR産物の単一細胞分析により、CAR産物がIFNγ、IL−17A、IL−8、及びMIP1a等のサイトカイン及びケモカインにより表される多数の免疫プログラムを展開することが可能な多機能性T細胞サブセットを含むことが裏付けられた。臨床応答と有意に関連する注入前のCAR産物に適用される事前に指定されたT細胞の多機能性強度インデックス(PSI)、及びPSIとCAR T細胞増殖又は治療前の血清IL−15レベルとの組み合わせは追加の有意性を与えた。全産物の細胞集団内で、臨床転帰との関連性は、多機能性CD4+T細胞ではCD8+細胞と比較してより大きかった。グレード3+のサイトカイン放出症候群は、多機能性T細胞により影響され、グレード3+の神経毒性及び抗腫瘍効力の両方は、多機能性IL−17A産生T細胞により影響された。

キメラ受容体(例えば、CAR又はTCR)を発現するT細胞の遺伝的リプログラミングは、造血系悪性腫瘍の治療のための新規アプローチを提供する。CD28及びCD3ζシグナル伝達ドメインから構成される抗CD19 CARが形質導入されたT細胞は、CD19特異的にインターフェロン(IFN)−γを産生し、原発性白血病細胞を死滅させ、CD19標的依存性増殖を起こす。B細胞悪性腫瘍の抗CD19 CAR T細胞での治療は、かなりの数の患者において長期寛解をもたらす。この治療は、B細胞上での内因性CD19発現によるB細胞形成不全と関連性がある。さらに、抗CD19 CAR T細胞療法での治療は、サイトカイン放出症候群(CRS)及び神経学的事象(NE)を引き起こし得る。

本明細書に記載される方法は、CAR T細胞が、機能的観点から互いに補完する複数の免疫プログラムを展開することにより臨床活動を統制するという驚くべき発見に基づいている。CAR T細胞産物の機能性は、ハイコンテントな単一細胞のマルチプレックスサイトカイン分析を使用することにより決定される。多機能性評価により、CAR T細胞産物(in vitroにて抗原で刺激すると2種以上のサイトカインを産生することが可能な産物)中で多機能性T細胞のサブセットの特定が可能となった。さらに、CAR T細胞産物に適用される事前に指定された多機能強度インデックス(PSI)と、in vivoでのCAR T細胞の増殖、客観的応答、及び毒性とに関連性がある。CAR T細胞産物内の非常に多機能性のT細胞は、臨床転帰と有意に関連性があり、IL−17Aを産生する多機能性CD4+T細胞のサブセットは、グレード3以上のNEと関連性がある。

定義 本発明がより容易に理解されるように、まず特定の用語を以下に定義する。以下の用語及び他の用語に対する更なる定義は、本明細書を通して記載される。

本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される、数量を特定していないもの(the singular forms "a," "an" and "the")は、文脈より別段の明確な指示がない限り複数の指示対象を含む。

具体的に述べられない又は文脈より明らかでない限り、本明細書で使用される「又は」の用語は「又は」と「及び」の両方を含み、それらを包含すると理解される。

本明細書において使用される場合、「及び/又は」の用語は、2つの指定される特徴又は成分の各々ともう一方とを含む、又はもう一方を含まない具体的な開示として理解される。したがって、本明細書において「A及び/又はB」等の句で使用される「及び/又は」の用語は、A及びB;A又はB;A(単独);及びB(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B、及び/又はC」等の句において使用される「及び/又は」の用語は、A、B及びC;A、B又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);並びにC(単独)の態様の各々を包含することが意図される。

本明細書で使用される「例えば」及び「すなわち」の用語は、限定を意図せずに例として使用されるにすぎず、本明細書において明らかに列挙されるそれらの項目のみを指すものと解釈されるべきではない。

「以上」、「少なくとも」、「それよりも多く」等の用語、例えば「少なくとも1つ」は、限定されないが、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149又は150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、又は示される値よりも多い値を含むと理解される。また、任意のより大きな数、又はその間の分数も含まれる。

逆に、「以下」の用語は示される値よりも小さい各値を含む。例えば、「100ヌクレオチド以下」は、100個、99個、98個、97個、96個、95個、94個、93個、92個、91個、90個、89個、88個、87個、86個、85個、84個、83個、82個、81個、80個、79個、78個、77個、76個、75個、74個、73個、72個、71個、70個、69個、68個、67個、66個、65個、64個、63個、62個、61個、60個、59個、58個、57個、56個、55個、54個、53個、52個、51個、50個、49個、48個、47個、46個、45個、44個、43個、42個、41個、40個、39個、38個、37個、36個、35個、34個、33個、32個、31個、30個、29個、28個、27個、26個、25個、24個、23個、22個、21個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、1個及び0個のヌクレオチドを含む。また、任意のより小さな数、又はその間の分数も含まれる。

「複数」、「少なくとも2つ」、「2以上」、「少なくとも第2の」等の用語は、限定されないが、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149又は150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000以上を含むと理解される。また、任意のより大きな数、又はその間の分数も含まれる。

明細書を通して、「含んでいる、含む(comprising)」の文言、又は「含む(comprises)」若しくは「含んでいる(comprising)」等の変化形は、示される要素、整数若しくは工程、又は要素、整数若しくは工程の群を含むことを含意するが、任意の他の要素、整数若しくは工程、又は要素、整数若しくは工程の群を排除しないと理解される。本明細書において「含んでいる、含む」の言葉と共に態様が記載される場合はいつでも、「からなる」及び/又は「から本質的になる」の用語で記載される他の類似の態様も提供されると理解される。

具体的に述べられておらず又は文脈より明らかでない限り、本明細書で使用される「約」の用語は、当業者によって決定される特定の値又は組成に対する許容可能な誤差範囲に含まれる値又は組成を指し、その値又は組成がどのように測定され又は決定されるのか、すなわち測定システムの制限に部分的に依存する。例えば、「約」又は「およそ」は、当該技術分野における1回の実施当たりの1以上の標準偏差の範囲内を意味し得る。「約」又は「およそ」は、最大10%(すなわち±10%)の範囲を意味し得る。したがって、「約」は、示される値よりも10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%、又は0.001%大きい又は小さい範囲に含まれると理解され得る。例えば、約5mgは、4.5mg〜5.5mgの間の任意の量を含み得る。さらに、特に生物学的なシステム又はプロセスに関して、上記用語は、或る値の最大10倍又は最大5倍を意味する場合がある。特定の値又は組成が本開示で提供される場合、別段の指示がない限り、「約」又は「およそ」の意味は、その特定の値又は組成に対する許容可能な誤差の範囲に含まれるとされる。

本明細書に記載されるように、任意の濃度範囲、パーセンテージの範囲、比率範囲、又は整数の範囲は、別段の指示がない限り、述べられる範囲に含まれる任意の整数、また適切な場合には、その分数(或る整数の10分の1、及び100分の1等)の値を含むものと理解される。

本明細書で使用される単位、接頭辞及び記号は、それらの国際単位系(SI:Systeme International de Unites)の容認される形態で提示される。数値範囲は、その範囲を規定する数字を含む。

別段の規定がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この開示が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Juo, "The Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology", 2nd ed., (2001), CRC Press、"The Dictionary of Cell & Molecular Biology", 5th ed., (2013), Academic Press、及び"The Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology", Cammack et al. eds., 2nd ed, (2006), Oxford University Pressは、この開示で使用される多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。

「投与すること、投与する(Administering)」は、当業者に知られている様々な方法及び送達システムのいずれかを使用する、被験体に対する薬剤の物理的な導入を指す。本明細書に開示される製剤に対する例示的な投与経路として、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄又は他の非経口的な(parenteral:腸管外)投与経路、例えば注射又は点滴による投与経路が挙げられる。本明細書で使用される「非経口投与」の句は、経腸及び局所の投与以外の、通常は注射による投与様式を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ管内、病巣内、関節腔内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、関節腔下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外、及び胸骨内の注射及び点滴、また同様にin vivo電気穿孔を含む。幾つかの実施形態では、上記製剤は、非経口的ではない経路、例えば経口で投与される。他の非経口的ではない経路として、局所、表皮、又は粘膜の投与経路、例えば、鼻腔内、経膣的、直腸、舌下又は局所的なものが挙げられる。また、投与は、例えば1回、複数回、及び/又は1以上の延長された期間に亘って行われ得る。

抗体」(Ab)の用語は、限定されず、抗原に特異的に結合する糖タンパク質免疫グロブリンを含む。一般に、抗体は、ジスルフィド結合によって相互に連結された少なくとも2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖、又はそれらの抗原結合分子を含み得る。各H鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略記する)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つの定常ドメイン、すなわちCH1、CH2及びCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略記する)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つの定常ドメイン、すなわちCLを含む。VH領域及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存される領域が介在する、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域に更に細分され得る。VH及びVLはそれぞれ、アミノ末端からカルボキシ末端にFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4の順で並ぶ、3つのCDR及び4つのFRを含む。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。Abの定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えばエフェクター細胞)及び古典的補体系の第1成分(C1q)を含む、宿主の組織又は因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介し得る。

抗体として、例えば、モノクローナル抗体、組み換えにより生成された抗体、単一特異的抗体、多重特異的抗体(二重特異的抗体を含む)、ヒト抗体、操作された抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、免疫グロブリン、合成抗体、2本の重鎖分子及び2本の軽鎖分子を含む四量体抗体、抗体軽鎖単量体、抗体重鎖単量体、抗体軽鎖二量体、抗体重鎖二量体、抗体軽鎖−抗体重鎖対、イントラボディ(intrabodies)、抗体融合体(本明細書では「抗体コンジュゲート」と称されることがある)、ヘテロコンジュゲート抗体、単一ドメイン抗体、一価抗体、単鎖抗体又は単鎖Fv(scFv)、ラクダ化抗体、アフィボディ(affybodies)、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、ジスルフィド連結Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば抗−抗−Id抗体を含む)、ミニボディ(minibodies)、ドメイン抗体、合成抗体(本明細書では「抗体模倣物」と称されることがある)、及び上記のいずれかの抗原結合フラグメントが挙げられ得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される抗体は、ポリクローナル抗体集団を指す。

「抗原結合分子」、「抗原結合部分」又は「抗体フラグメント」は、抗体の抗原結合部(例えばCDR)を含む任意の分子を指し、この分子は該抗体に由来する。抗原結合分子は、抗原相補性決定領域(CDR)を含み得る。抗体フラグメントの例として、限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFvフラグメント、dAb、直鎖抗体、scFv抗体、並びに抗原結合分子から形成される多重特異性抗体が挙げられる。ペプチボディ(Peptibodies)(すなわち、ペプチド結合ドメインを含むFc融合分子)は、好適な抗原結合分子の別の例である。幾つかの実施形態では、抗原結合分子は腫瘍細胞上の抗原に結合する。幾つかの実施形態では、抗原結合分子は、過剰増殖性疾患(hyperproliferative disease)に関与する細胞上の抗原、又はウイルス若しくは細菌の抗原に結合する。幾つかの実施形態では、抗原結合分子はCD19に結合する。更なる実施形態では、抗原結合分子は、その1以上の相補性決定領域(CDR)を含む、抗原に特異的に結合する抗体フラグメントである。更なる実施形態では、抗原結合分子は単鎖可変フラグメント(scFv)である。幾つかの実施形態では、抗原結合分子は、アビマー(avimers)を含む、又はそれからなる。

「抗原」は、免疫応答を誘発する、又は抗体若しくは抗原結合分子によって結合されることが可能な任意の分子を指す。免疫応答は、抗体産生若しくは特定の免疫適格細胞(immunologically-competent cells)の活性化のいずれか、又はそれらの両方を含み得る。当業者は、実質的に全てのタンパク質又はペプチドを含む任意の高分子が抗原としての役割を果たし得ることを容易に理解する。抗原は内因性に発現され得て、すなわちゲノムDNAによって発現され得るか、又は組み換えによって発現され得る。抗原は、癌細胞等の特定の組織に特異的となり得るか、又は広く発現され得る。さらに、より大きな分子のフラグメントが抗原として作用し得る。幾つかの実施形態では、抗原は腫瘍抗原である。

「中和する、中和すること」の用語は、リガンドに結合し、そのリガンドの生物学的効果を妨げる又は減少させる抗原結合分子、scFv、抗体、又はそのフラグメントを指す。幾つかの実施形態では、抗原結合分子、scFv、抗体、又はそのフラグメントは、リガンド上の結合部位を直接遮断する、或いは間接的な手段(リガンドの構造の又はエネルギーの変更等)によってリガンドの結合能を変更する。幾つかの実施形態では、抗原結合分子、scFv、抗体、又はそのフラグメントは、結合されるタンパク質が生体機能を実施するのを妨げる。

「自己」の用語は、後に再導入されることになっているのと同じ個体に由来する任意の材料を指す。例えば、本明細書に記載される操作された自己細胞療法(eACT(商標))は、患者からのリンパ球の収集を含み、該リンパ球は、その後、例えばCARコンストラクトを発現するように操作した後、同じ患者に戻される(administered back)。

「同種異系」の用語は、一個体に由来する任意の材料を指し、該材料はその後、同種の別の個体に導入される(例えば同種異系T細胞移植)。

「形質導入」及び「形質導入された」の用語は、外来DNAがウイルスベクターによって細胞へと導入されるプロセスを指す(Jones et al., "Genetics: principles and analysis," Boston: Jones & Bartlett Publ. (1998)を参照されたい)。幾つかの実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクター、DNAベクター、RNAベクター、アデノウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、エプスタイン−バールウイルスベクター、パポバウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、アデノウイルス随伴ベクター、レンチウイルスベクター、又はそれらの任意の組み合わせである。

「癌」は、身体における異常な細胞の制御されていない成長を特徴とする、幅広い各種疾患のグループを指す。制御されていない細胞の分裂及び成長は、隣接する組織に侵入して、またリンパ系又は血流によって身体の離れた部分へと転移し得る、悪性腫瘍の形成をもたらす。「癌」又は「癌組織」は、腫瘍を含む場合がある。本明細書に開示される方法によって治療され得る癌の例として、限定されないが、リンパ腫、白血病、骨髄腫、及び他の白血球の悪性腫瘍(leukocyte malignancies)を含む免疫系の癌が挙げられる。幾つかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、例えば、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚又は眼内の悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、膣癌、外陰癌、多発性骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBC:primary mediastinal large B cell lymphoma)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B cell lymphoma)、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換後濾胞性リンパ腫(transformed follicular lymphoma)、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL:splenic marginal zone lymphoma)、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺の癌、副腎の癌、軟組織の肉腫、尿道癌、陰茎癌、慢性又は急性の白血病、急性骨髄白血病、慢性骨髄白血病(chronic myeloid leukemia)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(非T細胞ALLを含む)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、幼少期の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓又は尿管の癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、石綿によって誘導されるものを含む、環境によって誘導される癌、他のB細胞悪性腫瘍、及び上記癌の組み合わせに由来する腫瘍のサイズを減少するため使用され得る。幾つかの実施形態では、癌は多発性骨髄腫である。特定の癌は、化学療法又は放射線療法に反応性となり得るが、そうでなければその癌は難治性となり得る。難治性癌は、外科的処置に適用できない癌を指し、その癌は最初に化学療法若しくは放射線療法に無反応であるか、又はその癌は経時的に無反応となるいずれかである。

本明細書に使用される「抗腫瘍効果」は、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞数の減少、腫瘍細胞増殖の減少、転移の数の減少、全体生存期間又は無増悪生存期間の増加、平均余命の増加、又は腫瘍と関係する様々な生理学的症状の改善として提示され得る、生物学的効果を指す。また、抗腫瘍効果は、腫瘍の発生の予防、例えばワクチンを指す場合がある。

本明細書で使用される「サイトカイン」は、特異抗原との接触に反応して1つの細胞によって放出される非抗体タンパク質を指し、ここで、サイトカインは第2の細胞と相互作用して、第2の細胞における反応を媒介する。本明細書で使用される「サイトカイン」は、細胞間メディエーターとして別の細胞に対して作用する、1つの細胞集団によって放出されるタンパク質を指すことを意味する。サイトカインは、細胞によって内因性に発現され得るか、又は被験体に投与され得る。サイトカインは、マクロファージ、B細胞、T細胞、及び肥満細胞を含む免疫細胞によって放出されて、免疫応答を伝播し得る。サイトカインは、レシピエント細胞において様々な反応を誘導し得る。サイトカインは、ホメオスタシスサイトカイン(homeostatic cytokines)、ケモカイン、炎症誘発性サイトカイン、エフェクター及び急性期タンパク質を含み得る。例えば、インターロイキン(IL)7及びIL−15を含むホメオスタシスサイトカインは、免疫細胞の生存及び増殖を促進し、炎症誘発性サイトカインは炎症反応を促進し得る。ホメオスタシスサイトカインの例として、限定されないが、IL−2、IL−4、IL−5、IL−7、IL−10、IL−12p40、IL−12p70、IL−15及びインターフェロン(IFN)ガンマが挙げられる。炎症誘発性サイトカインの例として、限定されないが、IL−1a、IL−1b、IL−6、IL−13、IL−17a、腫瘍壊死因子(TNF)−アルファ、TNF−ベータ、線維芽細胞成長因子(FGF)2、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、可溶性細胞間接着分子1(sICAM−1)、可溶性血管接着分子1(sVCAM−1)、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGF−C、VEGF−D及び胎盤増殖因子(PLGF)が挙げられる。エフェクターの例として、限定されないが、グランザイムA、グランザイムB、可溶性Fasリガンド(sFasL)及びパーフォリンが挙げられる。急性期タンパク質の例として、限定されないが、C反応性タンパク質(CRP)及び血清アミロイドA(SAA)が挙げられる。

「ケモカイン」は細胞走化性又は指向性運動を媒介するサイトカインの一種である。ケモカインの例として、限定されないが、IL−8、IL−16、エオタキシン、エオタキシン−3、マクロファージ由来ケモカイン(MDC又はCCL22)、単球走化性タンパク質1(MCP−1又はCCL2)、MCP−4、マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP−1α、MIP−1a)、MIP−1β(MIP−1b)、ガンマ誘導性タンパク質10(IP−10)、並びに胸腺及び活性化制御ケモカイン(TARC又はCCL17)が挙げられる。

本明細書で使用される場合に、「キメラ受容体」は、特定の分子を認識することが可能な操作された表面発現される分子を指す。特定の腫瘍抗原と相互作用することができる結合ドメインを含む、キメラ抗原受容体(CAR)及び操作されたT細胞受容体(TCR)は、T細胞が特定の腫瘍抗原を発現する癌細胞を標的とし、死滅させることを可能とする。

「治療的有効量」、「有効用量」、「有効量」又は「治療的に有効な投薬量」の治療剤、例えば操作されたCAR T細胞は、単独で又は別の治療剤と組み合わせて使用された場合に、疾患の発症から被験体を保護する、又は疾患症状の重症度の減少、疾患症状のない期間の頻度及び持続期間の増加、若しくは疾患の罹患に起因する機能障害若しくは身体障害の予防によって明示される疾患の退縮を促進する、任意の量である。治療剤の疾患の退縮を促進する能力は、熟練した医師に知られている様々な方法を使用して、例えば、臨床試験中のヒト被験体において、ヒトにおける効能を予測する動物モデル系において、又はin vitroアッセイにおいて薬剤の活性をアッセイすることによって評価され得る。

本明細書で使用される「リンパ球」の用語は、ナチュラルキラー(NK:natural killer)細胞、T細胞、又はB細胞を含む。NK細胞は、生得免疫系の主な成分を占める細胞傷害性(細胞毒性)リンパ球の一種である。NK細胞は腫瘍及びウイルスによって感染された細胞を拒絶する。NK細胞は、アポトーシス又はプログラム細胞死のプロセスによって作用する。NK細胞は、細胞を死滅させるために活性化を必要としないことから、「ナチュラルキラー」と名付けられた。T細胞は、細胞媒介免疫(抗体が関与しない)において主な役割を果たす。そのT細胞受容体(TCR)は、他の種類のリンパ球からそれら自体を分化させる。免疫系の特殊化された器官である胸腺は、主としてT細胞の成熟を担う。6種類のT細胞、すなわち、ヘルパーT細胞(例えばCD4+細胞)、細胞傷害性T細胞(TC、細胞傷害性Tリンパ球、CTL、Tキラー細胞、細胞溶解性T細胞、CD8+T細胞又はキラーT細胞としても知られる)、メモリーT細胞((i)ナイーブ細胞のようなステムメモリーTSCM細胞は、CD45RO、CCR7+、CD45RA+、CD62L+(L−セレクチン)、CD27+、CD28+及びIL−7Rα+であるが、それらは、大量のCD95、IL−2Rβ、CXCR3及びLFA−1を発現し、メモリー細胞に特有の多数の機能的な属性を示す;(ii)セントラルメモリーTCM細胞は、L−セレクチン及びCCR7を発現し、IFNγ又はIL−4ではなくIL−2を分泌する;並びに(iii)エフェクターメモリーTEM細胞はLセレクチンもCCR7も発現しないものの、IFNγ及びIL−4のようなエフェクターサイトカインを産生する)、制御性T細胞(Treg、サプレッサーT細胞又はCD4+CD25+制御性T細胞)、ナチュラルキラーT細胞(NKT)及びガンマデルタT細胞が存在する。一方、B細胞は、液性免疫(抗体が関与する)で最も重要な役割を果たす。B細胞は抗体及び抗原を作製し、抗原提示細胞(APC)の役割を行い、抗原の相互作用による活性化の後、メモリーB細胞となる。哺乳動物では、未成熟B細胞は、その名前が由来する骨髄で形成される。

「遺伝子操作された」又は「操作された」の用語は、限定されないが、コーディング領域若しくは非コーディング領域、又はそれらの一部分の欠失、又はコーディング領域若しくはその一部分の挿入を含む、細胞のゲノムを修飾する方法を指す。幾つかの実施形態では、修飾される細胞はリンパ球、例えば、患者又はドナーのいずれかから得ることができるT細胞である。T細胞は、例えば、細胞のゲノムに組み込まれる、キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)等の外来コンストラクトを発現するように修飾され得る。

「免疫応答」は、侵入病原体、病原体に感染した細胞若しくは組織、癌性若しくは他の異常な細胞、又は自己免疫若しくは病理学的炎症の場合、正常なヒトの細胞若しくは組織の選択的な標的化、それらへの結合、それらに対する損傷、それらの破壊、及び/又は脊椎動物の身体からのそれらの排除をもたらす、免疫系の細胞(例えばTリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、肥満細胞、樹状細胞、及び好中球)及びこれらの細胞のいずれか又は肝臓によって産生される可溶性高分子(Ab、サイトカイン、及び補体を含む)の作用を指す。

「免疫療法」の用語は、免疫応答を誘導する、増強する、抑制する、或いは緩和することを含む方法による、疾患に冒された、又は疾患にかかる若しくは疾患の再発を患うリスクがある被験体の治療を指す。免疫療法の例として、限定されないが、T細胞療法が挙げられる。T細胞療法は、養子T細胞療法(adoptive T cell therapy)、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)免疫療法、自己細胞治療、操作された自己細胞療法(eACT(商標))、及び同種異系T細胞移植を含み得る。しかしながら、当業者は、本明細書に開示されるコンディショニング法(conditioning methods)が任意の移植T細胞療法の有効性を増強し得ることを認識するであろう。T細胞療法の例は、米国特許出願公開第2014/0154228号及び同第2002/0006409号、米国特許第7,741,465号、米国特許第6,319,494号、米国特許第5,728,388号及び国際公開第2008/081035号に記載される。

免疫療法のT細胞は、当該技術分野において知られている任意の供給源に由来し得る。例えば、T細胞は、造血幹細胞集団からin vitroで分化されてもよく、又はT細胞は被験体から得られてもよい。T細胞を、例えば末梢血単核細胞(PBMC)、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位に由来する組織、腹、胸水、脾臓組織及び腫瘍から得ることができる。さらに、T細胞は、当該技術分野において利用可能な1以上のT細胞株に由来してもよい。また、T細胞は、FICOLL(商標)分離及び/又はアフェレーシス(apheresis)等の当業者に知られている任意の多くの技術を使用して被験体から収集された血液単位から得ることもできる。T細胞療法用のT細胞を単離する更なる方法は、米国特許出願公開第2013/0287748号に開示され、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。

「eACT(商標)」と略記することができ、養子細胞移植としても知られる「操作された自己細胞療法」の用語は、患者自身のT細胞を収集し、その後、1以上の特定の腫瘍細胞又は悪性腫瘍の細胞表面上に発現される1以上の抗原を認識し、標的とするように遺伝的に変更するプロセスである。T細胞は、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作され得る。CAR陽性(+)T細胞は、少なくとも1つの共刺激ドメイン及び少なくとも1つの活性化ドメインを含む細胞内シグナル伝達部に連結された特定の腫瘍抗原に対する特異性を有する細胞外単鎖可変フラグメント(scFv)を発現するように操作される。CAR scFvは、例えば、全ての正常なB細胞と、限定されるものではないが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、特段の記載がない限り、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、及び濾胞性リンパ腫から生ずるDLBCL、NHL、CLL、及び非T細胞ALLを含むB細胞悪性腫瘍とを含むB細胞系譜における細胞により発現される膜貫通タンパク質であるCD19を標的とするように設計することができる。CAR T細胞療法及びコンストラクトの例は、米国特許出願公開第2013/0287748号、同第2014/0227237号、同第2014/0099309号、及び同第2014/0050708号に記載され、これらの引用文献はそれらの全体が引用することにより本明細書の一部をなす。

本明細書で使用される「患者」は、癌(例えばリンパ腫又は白血病)に冒された任意のヒトを含む。「被験体」及び「患者」の用語は、本明細書では区別なく使用される。

本明細書で使用される「in vitro細胞」の用語は、ex vivoで培養される任意の細胞を指す。特に、in vitro細胞はT細胞を含み得る。

「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」の用語は区別なく使用され、ペプチド結合によって共有結合的に連結されたアミノ酸残基で構成される化合物を指す。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2個のアミノ酸を含み、タンパク質又はペプチドの配列を含み得るアミノ酸の最大数に制限はない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いにつながれた2個以上のアミノ酸を含む任意のペプチド又はタンパク質を含む。本明細書で使用されるように、上記用語はまた、当該技術分野において、例えばペプチド、オリゴペプチド及びオリゴマーと一般的に称される短い鎖と、当該技術分野において一般的にはタンパク質と称され、多くの種類が存在する、より長い鎖の両方を指す。「ポリペプチド」として、例えば、特に、生物学的に活性なフラグメント、実質的に相同性のポリペプチド、オリゴペプチド、ホモダイマー、ヘテロダイマー、ポリペプチドの変異体、改変ポリペプチド、誘導体、類縁体、融合タンパク質が挙げられる。ポリペプチドは、天然ペプチド、組み換えペプチド、合成ペプチド、又はそれらの組み合わせを含む。

本明細書で使用される「刺激」は、その同族のリガンドと刺激分子を結合することによって誘導される一次応答を指し、ここで、その結合はシグナル伝達事象を媒介する。「刺激分子」は、T細胞上の分子、例えば、抗原提示細胞上に存在する同族の刺激リガンドと特異的に結合するT細胞受容体(TCR)/CD3複合体を指す。「刺激リガンド」は、抗原提示細胞(例えば、APC、樹状細胞、B細胞等)上に存在する場合、T細胞上の刺激分子と特異的に結合することができ、それによって、限定されないがT細胞の活性化、免疫応答の開始、増殖等を含むT細胞による一次応答を媒介するリガンドである。刺激リガンドとして、限定されないが、抗CD3抗体、ペプチドで充填されたMHCクラスI分子、スーパーアゴニスト抗CD2抗体、及びスーパーアゴニスト抗CD28抗体が挙げられる。

本明細書で使用される「共刺激シグナル」は、TCR/CD3ライゲーション等の一次シグナルと組み合わせて、限定されないがT細胞の増殖及び/又は主要な分子の上方制御若しくは下方制御等のT細胞の応答をもたらすシグナルを指す。

本明細書で使用される「共刺激リガンド」は、T細胞上の同族の共同刺激分子を特異的に結合する抗原提示細胞上の分子を含む。共刺激リガンドの結合は、限定されないが、T細胞の増殖、活性化、分化等を含むT細胞応答を媒介するシグナルを提供する。共刺激リガンドは、一次シグナルに加えて、刺激分子によって、例えば、ペプチドがロードされた主要組織適合複合体(MHC)分子とのT細胞受容体(TCR)/CD3複合体の結合によって提供されるシグナルを誘導する。共刺激リガンドとして、限定されないが、3/TR6、4−1BBリガンド、Tollリガンド受容体に結合するアゴニスト又は抗体、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、CD30リガンド、CD40、CD7、CD70、CD83、ヘルペスウイルスエントリーメディエーター(HVEM:herpes virus entry mediator)、ヒト白血球抗原G(HLA−G)、ILT4、免疫グロブリン様転写物(ILT:immunoglobulin-like transcript)3、誘導性共刺激リガンド(ICOS−L)、細胞間接着分子(ICAM)、B7−H3と特異的に結合するリガンド、リンフォトキシンベータ受容体、MHCクラスI鎖関連タンパク質A(MICA)、MHCクラスI鎖関連タンパク質B(MICB)、OX40リガンド、PD−L2、又はプログラム細胞死(PD)L1が挙げられ得る。共刺激リガンドとして、限定されず、4−1BB、B7−H3、CD2、CD27、CD28、CD30、CD40、CD7、ICOS、CD83と特異的に結合するリガンド、リンパ球機能関連抗原−1(LFA−1)、ナチュラルキラー細胞受容体C(NKG2C)、OX40、PD−1、又は腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14(TNFSF14又はLIGHT)等のT細胞上に存在する共刺激分子と特異的に結合する抗体が挙げられるが、これらに限定されない。

「共刺激分子」は、共刺激リガンドと特異的に結合することにより、限定されないが増殖等のT細胞による共刺激応答を媒介する、T細胞上の同族の結合パートナーである。共刺激分子として、限定されないが、「共刺激分子」は、共刺激リガンドと特異的に結合することにより、限定されないが増殖等のT細胞による共刺激応答を媒介する、T細胞上の同族の結合パートナーである。共刺激分子として、限定されないが、4−1BB/CD137、B7−H3、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、BTLA、CD33、CD45、CD100(SEMA4D)、CD103、CD134、CD137、CD154、CD16、CD160(BY55)、CD18、CD19、CD19a、CD2、CD22、CD247、CD27、CD276(B7−H3)、CD28、CD29、CD3(アルファ;ベータ;デルタ;イプシロン;ガンマ;ゼータ)、CD30、CD37、CD4、CD4、CD40、CD49a、CD49D、CD49f、CD5、CD64、CD69、CD7、CD80、CD83リガンド、CD84、CD86、CD8アルファ、CD8ベータ、CD9、CD96(Tactile)、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDS、CEACAM1、CRT AM、DAP−10、DNAM1(CD226)、Fcガンマ受容体、GADS、GITR、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM−1、ICAM−1、ICOS、Igアルファ(CD79a)、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、インテグリン、ITGA4、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB2、ITGB7、ITGB1、KIRDS2、LAT、LFA−1、LFA−1、LIGHT、LIGHT(腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14;TNFSF14)、LTBR、Ly9(CD229)、リンパ球機能関連抗原−1(LFA−1(CD11a/CD18))、MHCクラスI分子、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX40、PAG/Cbp、PD−1、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子、SLAM(SLAMF1;CD150;IPO−3)、SLAMF4(CD244;2B4)、SLAMF6(NTB−A;Ly108)、SLAMF7、SLP−76、TNF、TNFr、TNFR2、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、VLA1若しくはVLA−6、又はそれらのフラグメント、短縮形(truncations)、若しくは組み合わせが挙げられる。

「減少する、減少させる(reducing)」及び「減じる(decreasing)」の用語は、本明細書において区別なく使用され、本来よりも少ない、あらゆる変化を示す。「減少する、減少させる」及び「減じる」は測定前と測定後の比較を必要とする、相対的な用語である。「減少する、減少させる」及び「減じる」は完全な枯渇を含む。

被験体の「治療(Treatment)」又は被験体を「治療する、治療すること(treating)」は、症状、合併症若しくは病状の発症、進行、発現、重症度若しくは再発、又は疾患と関連する生化学的指標の転換、緩和、改善、阻害、遅延又は予防の目的で、被験体に対して行われる任意の種類の処置若しくはプロセス、又は被験体に対する有効成分の投与を指す。幾つかの実施形態では、「治療」又は「治療する、治療すること」は部分寛解を含む。別の実施形態では、「治療」又は「治療する、治療すること」は完全寛解を含む。

本明細書で使用される場合に、「多機能性T細胞」は、産生される各タンパク質の量(すなわち、分泌されたタンパク質の数と強さの程度との組み合わせ)と一緒に、事前に特定されたパネルから1つの細胞当たり少なくとも2種のタンパク質を同時分泌する細胞を指す。幾つかの実施形態においては、単一細胞の機能的プロファイルは、各々の評価可能な産物について決定される。プロファイルは、エフェクター(グランザイムB、IFN−γ、MIP−1α、パーフォリン、TNF−α、TNF−β)群、刺激性(GM−CSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21)群、制御性(IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−β1、sCD137、sCD40L)群、化学誘引性(CCL−11、IP−10、MIP−1β、RANTES)群、及び炎症性(IL−1b、IL−6、IL−17A、IL−17F、MCP−1、MCP−4)群に分類され得る。幾つかの実施形態においては、各細胞の機能的プロファイルは、細胞の多機能性による各試料の内訳(すなわち、非分泌細胞又は単機能性細胞に対して、何パーセントの細胞が多数のサイトカインを分泌しているか)、及び機能性群による試料の内訳(すなわち、どの単機能性群及び多機能性群が、試料中で細胞により分泌されているか、及びそれらの度数)を含むその他の評価指標の計算を可能にする。

本開示の様々な態様は、以下のサブセクションに更に詳細に記載される。

多機能性及び多機能性強度インデックス(PSI) 多機能性強度インデックス(PSI)は、サイトカイン強度及び多機能性細胞のパーセンテージを盛り込むことによる多機能性の尺度である(図13)。幾つかの実施形態においては、多機能性強度インデックス(PSI)は、主要カテゴリー:恒常性/増殖性、炎症性、走化性、制御性、及び免疫エフェクターにわたる32種の主要な免疫学的に関連する分子の事前に指定されたパネルにおよぶ多機能性の尺度である。幾つかの実施形態においては、サイトカイン強度は、ELISAによって測定され得る(図14)。

以下で示されるように、PSIは、多機能性細胞のパーセンテージに、それらの細胞により分泌されるタンパク質の平均蛍光強度(MFI)を掛けたものとして定義することができる:

全産物のPSI、CD4+のPSI、及びIL−17AのPSIのインデックスを、CARのピークレベルと併せて評価することもできる。PSI及びin vivoでのCAR T細胞増殖を統合するコンポジットインデックスを作成し、客観的応答(OR)と関連付けた。コンポジットインデックスを生成するために、単位分散を有するようにそれぞれの評価指標をまず正規化した後にそれらの評価指標を互いに足し合わせた。この正規化は、その評価指標をそれぞれの標準偏差で割って共通の規模/尺度にすることによって達成された。

幾つかの実施形態においては、客観的応答(OR)は、改定された悪性リンパ腫のためのIWG応答基準(Cheson, 2007)に従って決定されると共に、悪性リンパ腫のためのIWG応答基準(Cheson et al. Journal of Clinical Oncology 32, no. 27 (September 2014) 3059-3067)によって決定される。応答の期間が評価される。Luganoの応答分類基準に従う研究者評価による無憎悪生存率(PFS)が評価される。

幾つかの実施形態においては、多機能性細胞の量(例えば、PSI、試料中の多機能性細胞のパーセンテージ、インデックスの組み合わせによって決定される)を使用することで、有効用量が決定される。

幾つかの実施形態においては、試料中の多機能性細胞のパーセンテージは、およそ10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、又は50%より大きい。

幾つかの実施形態においては、試料中の多機能性細胞のパーセンテージは、およそ70%、60%、50%、40%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、又は15%より小さい。幾つかの実施形態においては、試料中の多機能性細胞のパーセンテージは、およそ10%〜50%、15%〜45%、20%〜40%、25%〜35%、15%〜30%、15%〜25%、20%〜30%、又は20%〜25%の範囲内である。

幾つかの実施形態においては、PSIは、250より大きい、260より大きい、270より大きい、280より大きい、290より大きい、300より大きい、310より大きい、320より大きい、330より大きい、340より大きい、350より大きい、360より大きい、370より大きい、380より大きい、390より大きい、400より大きい、410より大きい、420より大きい、430より大きい、440より大きい、450より大きい、460より大きい、470より大きい、480より大きい、490より大きい、500より大きい、510より大きい、520より大きい、530より大きい、540より大きい、550より大きい、560より大きい、570より大きい、580より大きい、590より大きい、又は600より大きい。

幾つかの実施形態においては、最大PSIは、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、又は600である。

幾つかの実施形態においては、PSIは、およそ250〜600、250〜590、250〜580、250〜570、250〜260、250〜550、250〜540、250〜530、250〜520、250〜510、250〜500、250〜490、250〜480、250〜470、250〜460、250〜450、250〜440、250〜430、250〜420、250〜410、250〜400、250〜390、250〜380、250〜370、250〜360、250〜350、250〜340、250〜330、250〜320、250〜310、250〜300、300〜600、300〜590、300〜580、300〜570、300〜560、300〜550、300〜540、300〜530、300〜520、300〜510、300〜500、300〜490、300〜480、300〜470、300〜460、300〜450、300〜400、350〜450、450〜600、又は550〜600の範囲内である。

幾つかの実施形態においては、多機能性T細胞の予め決められた量は、少なくとも2つの評価指標(例えば、多機能性強度インデックス(PSI)、及びT細胞注入前の患者のIL−15の血清レベル)を含むコンポジットインデックスを使用して決定される。幾つかの実施形態においては、コンポジットインデックスは、3より大きい、4より大きい、5より大きい、又は6より大きい。幾つかの実施形態においては、コンポジットインデックスは、少なくとも2である。幾つかの実施形態においては、コンポジットインデックスは、およそ2〜6、3〜6、4〜6、又は5〜6の範囲である。

キメラ抗原受容体及びT細胞受容体 キメラ抗原受容体(CAR又はCAR−T)は、遺伝子操作された受容体である。これらの操作された受容体は、当該技術分野で知られている技術によりT細胞を含む免疫細胞に容易に挿入され得て、その細胞によって発現され得る。CARにより、単一の受容体は、特異抗原を認識するとともに、その抗原に結合した場合に免疫細胞を活性化させてその抗原を持っている細胞を攻撃して破壊するよう、プログラム化され得る。これらの抗原が腫瘍細胞上に存在する場合、CARを発現する免疫細胞は、腫瘍細胞を標的とし、死滅させることができる。キメラ抗原受容体は、共刺激(シグナル伝達)ドメインを含むことで、それらの効力が高められる。米国特許第7,741,465号及び同第6,319,494号、並びにKrause et al.及びFinney et al.(上記参照)、Song et al., Blood 119:696-706 (2012)、Kalos et al., Sci. Transl. Med. 3:95 (2011)、Porter et al., N. Engl. J. Med. 365:725-33 (2011)、及びGross et al., Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 56:59-83 (2016)を参照のこと。

幾つかの実施形態においては、短縮ヒンジドメイン(「THD」)を含む共刺激ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgD、IgE、IgM、又はそれらのフラグメント等の免疫グロブリンファミリーのメンバーの幾つか又は全てを更に含む。

幾つかの実施形態においては、THDは、ヒト完全ヒンジドメイン(「CHD」)に由来する。その他の実施形態においては、THDは、共刺激タンパク質の齧歯類、マウス、又は霊長類(例えば、非ヒト霊長類)CHDに由来する。幾つかの実施形態においては、THDは、共刺激タンパク質のキメラCHDに由来する。

本発明のCAR又はTCRのための共刺激ドメインは、膜貫通ドメイン及び/又は細胞内シグナル伝達ドメインを更に含み得る。膜貫通ドメインは、CARの細胞外ドメインに融合されるように設計され得る。膜貫通ドメインは、同様にCARの細胞内ドメインに融合され得る。幾つかの実施形態においては、CAR中のドメインの1つと本来関連性がある膜貫通ドメインが使用される。幾つかの場合においては、膜貫通ドメインは、そのようなドメインが同じ又は異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインに結合することを避けることで、受容体複合体のその他のメンバーとの相互作用を最小限にするように、選択され得るか、又はアミノ酸置換により修飾され得る。膜貫通ドメインは、天然源又は合成源のいずれかに由来し得る。その起源が天然である場合に、上記ドメインは、任意の膜結合タンパク質又は膜貫通タンパク質に由来し得る。本発明の特定の使用の膜貫通領域は、4−1BB/CD137、活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、B7−H3、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、BTLA、CD100(SEMA4D)、CD103、CD160(BY55)、CD18、CD19、CD19a、CD2、CD247、CD27、CD276(B7−H3)、CD28、CD29、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD3ゼータ、CD30、CD4、CD40、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD7、CD84、CD8、CD8アルファ、CD8ベータ、CD96(Tactile)、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDS、CEACAM1、CRT AM、サイトカイン受容体、DAP−10、DNAM1(CD226)、Fcガンマ受容体、GADS、GITR、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM−1、ICAM−1、Igアルファ(CD79a)、IL−2Rベータ、IL−2Rガンマ、IL−7Rアルファ、誘導性T細胞共刺激分子(ICOS)、インテグリン、ITGA4、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB2、ITGB7、ITGBl、KIRDS2、LAT、LFA−1、LFA−1、CD83と特異的に結合するリガンド、LIGHT、LTBR、Ly9(CD229)、リンパ球機能関連抗原−1(LFA−1;CD11a/CD18)、MHCクラス1分子、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX−40、PAG/Cbp、プログラム細胞死−1(PD−1)、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、SLAM(SLAMF1;CD150;IPO−3)、SLAMF4(CD244;2B4)、SLAMF6(NTB−A;Ly108)、SLAMF7、SLP−76、TNF受容体タンパク質、TNFR2、TNFSF14、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、VLA1、若しくはVLA−6、又はそれらのフラグメント、短縮形、若しくはそれらの組み合わせに由来し(すなわち含み)得る。

任意に、短いリンカーは、CARの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内ドメインのいずれか又は幾つかの間で結合を形成し得る。幾つかの実施形態においては、リンカーは、グリシン−グリシン−グリシン−グリシン−セリンの繰り返し(G4S)n又はGSTSGSGKPGSGEGSTKG(配列番号1)に由来し得る。幾つかの実施形態においては、リンカーは、3個〜20個のアミノ酸、及びGSTSGSGKPGSGEGSTKG(配列番号1)と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する。

本明細書に記載されるリンカーは、ペプチドタグとしても使用され得る。リンカーペプチド配列は、対象となる1つ以上のタンパク質を結合するための任意の適切な長さの配列であり得て、好ましくは、連結するペプチドの一方又は両方の適切な折り畳み及び/又は機能及び/又は活性を可能にするように十分に柔軟となるように設計される。したがって、リンカーペプチドは、10個以下、11個以下、12個以下、13個以下、14個以下、15個以下、16個以下、17個以下、18個以下、19個以下、又は20個以下のアミノ酸の長さを有し得る。幾つかの実施形態においては、リンカーペプチドは、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、又は少なくとも20個のアミノ酸の長さを有し得る。幾つかの実施形態においては、リンカーは、少なくとも7個かつ20個以下のアミノ酸、少なくとも7個かつ19個以下のアミノ酸、少なくとも7個かつ18個以下のアミノ酸、少なくとも7個かつ17個以下のアミノ酸、少なくとも7個かつ16個以下のアミノ酸、少なくとも7個かつ15個以下のアミノ酸、少なくとも7個かつ14個以下のアミノ酸、少なくとも7個かつ13個以下のアミノ酸、少なくとも7個かつ12個以下のアミノ酸、又は少なくとも7個かつ11個以下のアミノ酸を有する。或る特定の実施形態においては、リンカーは、15個〜17個のアミノ酸を有し、特定の実施形態においては、16個のアミノ酸を有する。幾つかの実施形態においては、リンカーは、10個〜20個のアミノ酸を有する。幾つかの実施形態においては、リンカーは、14個〜19個のアミノ酸を有する。幾つかの実施形態においては、リンカーは、15個〜17個のアミノ酸を有する。幾つかの実施形態においては、リンカーは、15個又は16個のアミノ酸を有する。幾つかの実施形態においては、リンカーは、16個のアミノ酸を有する。幾つかの実施形態においては、リンカーは、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個のアミノ酸を有する。

幾つかの実施形態においては、スペーサードメインが使用される。幾つかの実施形態においては、スペーサードメインは、CD4、CD8a、CD8b、CD28、CD28T、4−1BB、又は本明細書に記載されるその他の分子に由来する。幾つかの実施形態においては、スペーサードメインは、小分子の添加に際して発現を制御するために、化学的に誘導されたダイマライザーを含み得る。幾つかの実施形態においては、スペーサーは使用されない。

本発明の操作されたT細胞の細胞内(シグナル伝達)ドメインは、活性化ドメインへのシグナル伝達をもたらし、次いでそれは免疫細胞の正常なエフェクター機能の少なくとも1つを活性化する。T細胞のエフェクター機能は、例えば、サイトカインの分泌を含む細胞溶解活性又はヘルパー活性であり得る。

或る特定の実施形態においては、好適な細胞内シグナル伝達ドメインは、4−1BB/CD137、活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、B7−H3、BAFFR、BLAME(SLAMF8)、BTLA、CD100(SEMA4D)、CD103、CD160(BY55)、CD18、CD19、CD19a、CD2、CD247、CD27、CD276(B7−H3)、CD28、CD29、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ガンマ、CD30、CD4、CD40、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD7、CD84、CD8、CD8アルファ、CD8ベータ、CD96(Tactile)、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDS、CEACAM1、CRT AM、サイトカイン受容体、DAP−10、DNAM1(CD226)、Fcガンマ受容体、GADS、GITR、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM−1、ICAM−1、Igアルファ(CD79a)、IL−2Rベータ、IL−2Rガンマ、IL−7Rアルファ、誘導性T細胞共刺激分子(ICOS)、インテグリン、ITGA4、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB2、ITGB7、ITGBl、KIRDS2、LAT、LFA−1、LFA−1、CD83と特異的に結合するリガンド、LIGHT、LTBR、Ly9(CD229)、Ly108)、リンパ球機能関連抗原−1(LFA−1;CD11a/CD18)、MHCクラス1分子、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、OX−40、PAG/Cbp、プログラム細胞死−1(PD−1)、PSGL1、SELPLG(CD162)、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、SLAM(SLAMF1;CD150;IPO−3)、SLAMF4(CD244;2B4)、SLAMF6(NTB−A、SLAMF7、SLP−76、TNF受容体タンパク質、TNFR2、TNFSF14、Tollリガンド受容体、TRANCE/RANKL、VLA1、若しくはVLA−6、又はそれらのフラグメント、短縮形、若しくはそれらの組み合わせを包含する(すなわち含む)が、それらに限定されない。

TCRは、抗原反応性を伝えるために導入され得る。幾つかの実施形態においては、抗原反応性は、ペプチドのMHC提示により限定される。TCRは、α/βTCR、γ/δTCR等であり得る。幾つかの実施形態においては、TCRは、マウス定常鎖(2A結合)を有するHPV−16E7 TCRである。幾つかの実施形態においては、それらの鎖は、IRES又は任意の2Aファミリーのメンバーの配列(例えば、P2A、T2A、E2A、F2A等)によって連結され得る。幾つかの実施形態においては、TCRは、HPV認識TCR、又はその他のウイルス性反応性TCR(例えば、EBV、インフルエンザ等)である。幾つかの実施形態においては、癌反応性TCR又は癌関連抗原反応性TCRが使用され得る(例えば、NYESO、MART1、gp100等)。

幾つかの実施形態においては、TCRは、正常/健康なペプチド反応性又はその他の抗原反応性/拘束性のTCRである。幾つかの実施形態においては、TCRは、マウスMHC又はその他の非ヒトMHCに対して反応性である。幾つかの実施形態においては、TCRは、クラスI拘束性TCR又はクラスII拘束性TCRである。

抗原結合分子 適切なCARは、抗原(例えば、細胞表面抗原)に結合するように、その標的となる抗原と相互作用する抗原結合分子を導入することによって操作され得る。幾つかの実施形態においては、抗原結合分子は、その抗体フラグメント、例えば1種以上の単鎖抗体フラグメント(「scFv」)である。scFvは、互いに連結された抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域を有する単鎖抗体フラグメントである。米国特許第7,741,465号及び同第6,319,494号、並びにEshhar et al., Cancer Immunol Immunotherapy (1997) 45: 131-136を参照のこと。scFvは、親抗体の標的抗原と特異的に相互作用する能力を維持している。scFvは、キメラ抗原受容体において有用である。それというのも、scFvは、その他のCAR成分と一緒に単鎖の一部として発現されるように操作され得るからである。同上。Krause et al., J. Exp. Med., Volume 188, No. 4, 1998 (619-626)、Finney et al., Journal of Immunology, 1998, 161: 2791-2797も参照のこと。抗原結合分子は、典型的には、対象となる抗原を認識して結合することができるようにCARの細胞外部分の範囲内に含まれることを理解されたい。対象となる2つ以上の標的に特異性を有する二重特異性及び多重特異性のCARが、本発明の範囲内で考慮される。

幾つかの実施形態においては、ポリヌクレオチドは、本発明のTHDと、標的抗原に特異的に結合する抗原結合分子とを含むCAR又はTCRをコードする。幾つかの実施形態においては、標的抗原は、腫瘍抗原である。幾つかの実施の形態においては、前記抗原は、腫瘍関連表面抗原、例えば5T4、アルファフェトプロテイン(AFP)、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、BCMA、B−ヒト絨毛膜性生殖腺刺激ホルモン、CA−125、癌胚抗原(CEA)、癌胚抗原(CEA)、CD123、CD133、CD138、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD30、CD33、CD34、CD4、CD40、CD44、CD56、CD8、CLL−1、c−Met、CMV特異抗原、CS−1、CSPG4、CTLA−4、DLL3、ジシアロガングリオシドGD2、膵管上皮ムチン、EBV特異抗原、EGFR変異体III(EGFRvIII)、ELF2M、エンドグリン、エフリンB2、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮性腫瘍抗原、ErbB2(HER2/neu)、線維芽細胞関連タンパク質(fap)、FLT3、葉酸結合タンパク質、GD2、GD3、細胞膠腫関連抗原、スフィンゴ糖脂質、gp36、HBV特異抗原、HCV特異抗原、HER1−HER2、HER2−HER3の組み合わせ、HERV−K、高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)、HIV−1型エンベロープ糖タンパク質gp41、HPV特異抗原、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、IGFI受容体、IGF−II、IL−11Rアルファ、IL−13R−a2、インフルエンザウイルス特異抗原、CD38、インスリン増殖因子(IGFI)−1、腸カルボキシルエステラーゼ、カッパー鎖、LAGA−1a、ラムダ鎖、ラッサ熱ウイルス特異抗原、レクチン反応性AFP、系譜特異又は組織特異抗原、例えばCD3、MAGE、MAGE−A1、主要組織適合性複合体(MHC)分子、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体(MHC)分子、M−CSF、黒色腫関連抗原、メソテリン、MN−CA IX、MUC−1、mut hsp70−2、変異p53、変異p53、変異ras、好中球エラスターゼ、NKG2D、Nkp30、NY−ESO−1、p53、PAP、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺癌腫瘍抗原−1(PCTA−1)、前立腺特異抗原タンパク質、STEAP1、STEAP2、PSMA、RAGE−1、ROR1、RU1、RU2(AS)、表面接着分子、サバイビング及びテロメラーゼ、TAG−72、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)及びエクストラドメインB(EDB)、並びにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、サイログロブリン、腫瘍間質抗原、血管内皮増殖因子受容体−2(VEGFR2)、ウイルス特異表面抗原、例えばHIV特異抗原(例えば、HIV gp120)、並びにこれらの表面マーカーの任意の誘導体又は変異体から選択される。

操作されたT細胞及び使用 本開示の細胞は、被験体から得られるT細胞を通じて得ることができる。T細胞は、例えば末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位に由来する組織、腹水、胸水、脾臓組織、及び腫瘍から得られてもよい。さらに、T細胞は、当該技術分野において利用可能な1以上のT細胞株に由来し得る。また、T細胞は、FICOLL(商標)分離及び/又はアフェレーシス等の当業者に知られている数多くの技術を使用して被験体から収集された血液単位から得られてもよい。幾つかの実施形態では、アフェレーシスによって収集された細胞を洗浄して血漿画分を除去し、後の処理に適切なバッファー又は培地に入れる。幾つかの実施形態では、細胞をPBSで洗浄する。理解されるように、洗浄工程は、例えばCobe(商標)2991細胞処理装置、Baxter CytoMate(商標)等の半自動フロースルー遠心分離機等を使用することによって使用され得る。幾つかの実施形態では、洗浄された細胞を1以上の生体適合性のバッファー、又はバッファーを含む若しくは含まない他の生理食塩水溶液に再懸濁する。幾つかの実施形態では、アフェレーシス試料の望ましくない成分が除去される。T細胞療法用にT細胞を単離する追加の方法は、米国特許出願公開第2013/0287748号に開示され、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。

幾つかの実施形態では、T細胞は、例えば赤血球の溶解及びPERCOLL(商標)勾配による遠心分離を使用することによる単球の枯渇によってPBMCから単離される。幾つかの実施形態では、CD4+、CD8+、CD28+、CD45RA+及びCD45RO+のT細胞等のT細胞の特定の亜集団は、当該技術分野において知られている正又は負の選択技術によって更に単離される。例えば、負の選択によるT細胞集団の富化は、負に選択される細胞に特有の表面マーカーに対する抗体の組み合わせによって遂行され得る。幾つかの実施形態では、負に選択される細胞に存在する細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体のカクテルを使用する負の磁気免疫付着(negative magnetic immunoadherence)又はフローサイトメトリーによる細胞の選別及び/又は選択を使用することができる。例えば、負の選択によってCD4+細胞を富化するため、モノクローナル抗体カクテルは、典型的には、CD8、CD11b、CD14、CD16、CD20及びHLA−DRに対する抗体を含む。幾つかの実施形態では、フローサイトメトリー及び細胞選別は、本開示における使用に対する目的の細胞集団を単離するために使用される。

幾つかの実施形態では、PBMCは、本明細書に記載される方法を使用して、免疫細胞(CAR等)により遺伝子修飾に直接使用される。幾つかの実施形態では、PBMCを単離した後、Tリンパ球を更に単離し、遺伝子修飾及び/又は拡大の前又は後のいずれかに、細胞傷害性Tリンパ球とヘルパーTリンパ球の両方を、ナイーブ、メモリー、及びエフェクターのT細胞亜集団へと選別する。

幾つかの実施形態では、CD8+細胞は、これら各種のCD8+細胞と関連する細胞表面抗原を同定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、及びエフェクター細胞へと更に選別される。幾つかの実施形態では、セントラルメモリーT細胞の表現型マーカーの発現は、CCR7、CD3、CD28、CD45RO、CD62L、及びCD127の発現を含み、グランザイムBに対して陰性である。幾つかの実施形態では、セントラルメモリーT細胞は、CD8+、CD45RO+及びCD62L+のT細胞である。幾つかの実施形態では、エフェクターT細胞は、CCR7、CD28、CD62L及びCD127に対して陰性であり、グランザイムB及びパーフォリンに対して陽性である。幾つかの実施形態では、CD4+T細胞は亜集団へと更に選別される。例えば、CD4+ヘルパーT細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞及びエフェクター細胞へと選別され得る。

幾つかの実施形態では、免疫細胞、例えばT細胞は、単離に続いて、既知の方法を使用して遺伝子修飾されるか、又は遺伝子修飾に先だってin vitroで免疫細胞が活性化され、拡大される(又は、前駆細胞の場合、分化される)。別の実施形態では、免疫細胞、例えばT細胞は、本明細書に記載されるキメラ抗原受容体によって遺伝子修飾され(例えば、CAR又はTCRをコードする1以上のヌクレオチド配列を含むウイルスベクターによって形質導入される)、次いでin vitroで活性化及び/又は拡大される。T細胞を活性化及び拡大する方法は当該技術分野において知られており、例えば米国特許第6,905,874号、同第6,867,041号、及び同第6,797,514号、並びにPCT公報国際公開第2012/079000号に記載され、それらの内容は、それらの全体が引用することにより本明細書の一部をなす。一般的には、かかる方法は、PBMC又は単離されたT細胞と、一般的にはビーズ又は他の表面に付着された抗CD3抗体及び抗CD28抗体等の刺激物質及び共刺激物質とを、IL−2等の適切なサイトカインを含む培養培地中で接触させることを含む。同じビーズに付着された抗CD3抗体及び抗CD28抗体は、「代理」抗原提示細胞(APC)としての役割を果たす。一例は、ヒトT細胞の生理学的な活性化に対するCD3/CD28活性化因子/刺激因子システムである、Dynabeads(商標)システムである。他の実施形態では、米国特許第6,040,177号及び同第5,827,642号、並びにPCT公報国際公開第2012/129514号(それらの内容は、それらの全体が引用することにより本明細書の一部をなす)に記載されるような方法を使用して、フィーダー細胞、並びに適切な抗体及びサイトカインによって、T細胞は活性化され、刺激されて増殖する。

幾つかの実施形態では、T細胞はドナー被験体から得られる。幾つかの実施形態では、ドナー被験体は、癌又は腫瘍に冒されたヒト患者である。幾つかの実施形態では、ドナー被験体は癌又は腫瘍に冒されていないヒト患者である。

幾つかの実施形態では、上記組成物は、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、可溶化剤、乳化剤、防腐剤、及び/又はアジュバントを含む。幾つかの実施形態では、上記組成物は賦形剤を含む。

幾つかの実施形態では、上記組成物は、非経口的な送達に対し、吸入に対し、又は経口等の消化管による送達に対して選択される。かかる薬学的に許容可能な組成物の作製は、当業者の能力の範囲に含まれる。幾つかの実施形態では、バッファーを使用して上記組成物を生理学的pH又はわずかに低いpH、典型的には約5〜約8の範囲のpHに維持する。幾つかの実施形態では、非経口投与が検討される場合、上記組成物は、薬学的に許容可能なビヒクル中、追加の治療剤と共に又はそれを伴わずに、本明細書に記載される組成物を含む、パイロジェンフリー(pyrogen-free)の非経口的に許容可能な水溶液の形態である。幾つかの実施形態では、非経口注射用のビヒクルは滅菌蒸留水であり、該蒸留水中において、少なくとも1つの追加の治療剤と共に又はそれを伴わずに、本明細書に記載される組成物が適切に保存される無菌の等張液として製剤化される。幾つかの実施形態では、上記作製は、所望の分子と、製品の制御放出又は持続放出を提供する、高分子化合物(ポリ乳酸又はポリグリコール酸等)、ビーズ、又はリポソームとの製剤化を含み、その後、デポー注射によって送達される。幾つかの実施形態では、所望の分子を導入するために、埋め込み可能な薬物送達デバイスが使用される。

幾つかの実施形態では、癌の治療を、それを必要とする被験体において行う方法は、T細胞療法を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるT細胞療法は操作された自己細胞療法(eACT(商標))である。この実施形態によれば、上記方法は、患者から血液細胞を収集することを含み得る。単離された血液細胞(例えばT細胞)は、その後、本明細書に開示されるCAR又はTCRを発現するように操作され得る。特定の実施形態では、CAR T細胞又はTCR T細胞は患者に投与される。幾つかの実施形態では、CAR T細胞又はTCR T細胞は、患者において腫瘍又は癌を治療する。幾つかの実施形態では、CAR T細胞又はTCR T細胞は、腫瘍又は癌のサイズを減少する。

幾つかの実施形態では、T細胞療法における使用に対するドナーT細胞は、(例えば自己T細胞療法に対しては)患者から得られる。他の実施形態では、T細胞療法における使用に対するドナーT細胞は、患者でない被験体から得られる。

幾つかの実施形態では、T細胞は治療的有効量で投与され得る。例えば、T細胞の治療的有効量は、少なくとも約104個の細胞、少なくとも約105個の細胞、少なくとも約106個の細胞、少なくとも約107個の細胞、少なくとも約108個の細胞、少なくとも約109個の細胞、又は少なくとも約1010個の細胞となり得る。別の実施形態では、T細胞の治療的有効量は、約104個の細胞、約105個の細胞、約106個の細胞、約107個の細胞、又は約108個の細胞である。幾つかの実施形態では、CAR T細胞の治療的有効量は、約2×106細胞/kg、約3×106細胞/kg、約4×106細胞/kg、約5×106細胞/kg、約6×106細胞/kg、約7×106細胞/kg、約8×106細胞/kg、約9×106細胞/kg、約1×107細胞/kg、約2×107細胞/kg、約3×107細胞/kg、約4×107細胞/kg、約5×107細胞/kg、約6×107細胞/kg、約7×107細胞/kg、約8×107細胞/kg、又は約9×107細胞/kgである。

幾つかの実施形態においては、治療的有効量のCAR陽性生存T細胞は、最大用量約1×108個のCAR陽性生存T細胞までの、体重1kg当たり約1×106個から約2×106個の間のCAR陽性生存T細胞である。

治療方法 本明細書に開示される方法は、被験体において癌を治療するため、腫瘍のサイズを減少させるため、腫瘍細胞を死滅させるため、腫瘍細胞増殖を予防するため、腫瘍の成長を予防するため、患者から腫瘍を排除するため、腫瘍の再燃を予防するため、腫瘍転移を予防するため、患者において寛解を誘導するため、又はそれらの任意の組み合わせに使用され得る。幾つかの実施形態では、上記方法は完全奏功を誘導する。他の実施形態では、上記方法は部分奏功を誘導する。

治療され得る癌は、血管新生化されていない、まだ実質的に血管新生化されていない、又は血管新生化された腫瘍を含む。また、癌は固形腫瘍又は非固形腫瘍を含み得る。幾つかの実施形態では、癌は血液の癌である。幾つかの実施形態では、癌は白血球の癌である。他の実施形態では、癌は形質細胞の癌である。幾つかの実施形態では、癌は白血病、リンパ腫又は骨髄腫である。幾つかの実施形態では、上記癌は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(非T細胞ALLを含む)、急性リンパ性白血病(ALL)、及び血球貪食リンパ組織球増多症(HLH))、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、芽球性形質細胞様樹状細胞新生物、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄白血病(CML)、慢性若しくは急性の肉芽腫性疾患、慢性若しくは急性の白血病、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、毛様細胞性白血病、血球貪食症候群(マクロファージ活性化症候群(MAS))、ホジキン病、大細胞肉芽腫(large cell granuloma)、白血球接着不全症、悪性リンパ増殖性状態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、意義不明の単クローン性γグロブリン血症(MGUS)、多発性骨髄腫、脊髄形成異常及び骨髄異形成症候群(MDS)、限定されないが急性骨髄白血病(AML)を含む骨髄疾患、非ホジキンリンパ腫(NHL)、形質細胞増殖性障害(例えば、無症候性骨髄腫(くすぶり型多発性骨髄腫又は無痛性骨髄腫))、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞新生物、形質細胞腫(例えば、形質細胞異常増殖症;孤立性骨髄腫;孤立性形質細胞腫;髄外性形質細胞腫;及び多発性形質細胞腫)、POEMS症候群(Crow−Fukase症候群、高月病、及びPEP症候群)、縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBC)、小細胞若しくは大細胞濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、全身性アミロイド軽鎖アミロイドーシス、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、T細胞リンパ腫、形質転換後濾胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、又はそれらの組み合わせである。

幾つかの実施形態では、癌は骨髄腫である。特定の一実施形態では、癌は多発性骨髄腫である。幾つかの実施形態では、癌は白血病である。幾つかの実施形態では、癌は急性骨髄白血病である。

幾つかの実施形態では、上記方法は化学療法剤を投与することを更に含む。幾つかの実施形態では、選択される化学療法剤は、リンパ枯渇(lymphodepleting)(プレコンディショニング)化学療法剤である。有益なプレコンディショニング治療のレジメンは、相関的な有益なバイオマーカーと共に、米国仮特許出願第62/262,143号及び同第62/167,750号に記載され、それらの全体が引用することにより本明細書の一部をなす。これらは、例えば、指定される有益な用量のシクロホスファミド(200mg/m2/日〜2000mg/m2/日)及び指定される用量のフルダラビン(20mg/m2/日〜900mg/m2/日)を患者に投与することを含むT細胞療法を必要とする患者をコンディショニングする方法を記載する。或る一つのかかる投薬レジメンは、治療的有効量の操作されたT細胞の患者への投与の3日前に、約500mg/m2/日のシクロホスファミド及び約60mg/m2/日のフルダラビンを毎日患者に投与することを含む、患者を治療することを含む。

幾つかの実施形態では、抗原結合分子、形質導入された(或いは操作された)細胞(CAR又はTCR等)、及び化学療法剤は、各々、被験体における疾患又は状態を治療するのに有効な量で投与される。

幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるCARを発現する免疫エフェクター細胞を含む組成物は、任意の数の化学療法剤と併せて投与され得る。化学療法剤の例として、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(商標))等のアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン等のアルキルスルホン酸塩;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa)等のアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphaoramide)、及びトリメチロロメラミン(trimethylolomelamine)のレジメ(resume)を含む、エチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamines);クロラムブチル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベムビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン(prednimustine)、トロホスファミド(trofosfamide)、ウラシルマスタード等のナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン及びラニムスチン(ranimustine)等のニトロソウレア;アクラシノマイシン(aclacinomysins)、アクチノマイシン、アントラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチアマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジオリピン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン(zorubicin)等の抗生物質;メトトレキセート及び5−フルオロウラシル(5−FU)等の代謝拮抗薬;デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセート等の葉酸類縁体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン等のプリン類縁体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5−FU等のピリミジン類縁体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン等のアンドロゲン;アミノグルテチミド、マイトテイン、トリロスタン等の抗副腎剤;フロリン酸(frolinic acid)等の葉酸補液;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビスアントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジコン;エルフォルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキウレア;レンティナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン(nitracrine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(商標);ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2、2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシッド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(商標)、Bristol−Myers Squibb)及びドセタキセル(TAXOTERE(商標)、Rhone−Poulenc Rorer);クロラムブチル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;シスプラチン及びカルボプラチン等の白金類縁体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロン酸;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオミチン(DMFO);Targretin(商標)(ベキサロテン)、Panretin(商標)(アリトレチノイン)等のレチノイン酸誘導体;ONTAK(商標)(デニロイキンジフチトクス);エスペラミシン;カペシタビン;並びに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸又は誘導体が挙げられる。幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるCAR及び/又はTCRを発現する免疫エフェクター細胞を含む組成物は、腫瘍に対するホルモンの作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストン、及びトレミフェン(フェアストン)を含む抗エストロゲン薬;並びにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド及びゴセレリン等の抗アンドロゲン薬;並びに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸又は誘導体と併せて投与され得る。また適切な場合には、限定されないが、CHOP、すなわち、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、ドキソルビシン(ヒドロキシドキソルビシン)、ビンクリスチン(Oncovin(商標))及びプレドニゾンを含む化学療法剤の組み合わせが投与される。

幾つかの実施形態では、化学療法剤は、操作された細胞又は核酸の投与と同時に又は投与の1週以内に投与される。他の実施形態では、化学療法剤は、操作された細胞又は核酸の投与の後、1週間〜4週間、すなわち1週間〜1ヶ月、1週間〜2ヶ月、1週間〜3ヶ月、1週間〜6ヶ月、1週間〜9ヶ月、又は1週間〜12ヶ月投与される。幾つかの実施形態では、化学療法剤は、細胞又は核酸を投与する少なくとも1ヶ月前に投与される。幾つかの実施形態では、上記方法は、2以上の化学療法剤を投与することを更に含む。

様々な追加の治療剤が、本明細書に記載される組成物と併せて使用され得る。例えば、有用な可能性がある追加の治療剤として、ニボルマブ(OPDIVO(商標))、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(商標))、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ(CureTech)、及びアテゾリズマブ(Roche)等のPD−1阻害剤が挙げられる。

本明細書に開示される組成物及び方法との併用に適している追加の治療剤として、限定されないが、イブルチニブ(IMBRUVICA(商標))、オファツムマブ(ARZERRA(商標))、リツキシマブ(RITUXAN(商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(商標))、トラスツズマブ(HERCEPTIN(商標))、トラスツズマブエムタンシン(KADCYLA(商標))、イマチニブ(GLEEVEC(商標))、セツキシマブ(ERBITUX(商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(商標))、カツマキソマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ、アレムツズマブ、ゲムツズマブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、アキシチニブ、マシチニブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、トセラニブ、レスタウルチニブ、アキシチニブ、セジラニブ、レンバチニブ、ニンテダニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、セマクサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、チボザニブ、トセラニブ、バンデタニブ、エントレクチニブ、カボザンチニブ、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ポナチニブ、ラドチニブ(radotinib)、ボスチニブ、レスタウルチニブ、ルキソリチニブ、パクリチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ、アレクチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、アフリベルセプト、アジポチド、デニロイキンジフチトクス、エベロリムス及びテムシロリムス等のmTOR阻害剤、ソニデギブ及びビスモデギブ等のヘッジホッグ阻害剤、CDK阻害剤(パルボシクリブ)等のCDK阻害剤が挙げられる。

幾つかの実施形態では、CAR免疫細胞を有する組成物は、抗炎症剤と共に投与される。抗炎症剤又は抗炎症薬として、限定されないが、ステロイド及びグルココルチコイド(ベタメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンを含む)、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、メトトレキセート、スルファサラジン、レフルノミド、抗TNF薬、シクロホスファミド、及びミコフェノール酸(mycophenolate)を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が挙げられ得る。例示的なNSAIDとして、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、Cox−2阻害剤、及びシアリレート(sialylates)が挙げられる。例示的な鎮痛剤として、アセトアミノフェン、オキシコドン、塩酸プロポキシフェンのトラマドールが挙げられる。例示的なグルココルチコイドとして、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、又はプレドニゾンが挙げられる。例示的な生物学的応答修飾物質として、細胞表面マーカー(例えばCD4、CD5等)に対する分子、サイトカイン阻害剤(例えば、TNFアンタゴニスト(例えば、エタネルセプト(ENBREL(商標))、アダリムマブ(HUMIRA(商標))及びインフリキシマブ(REMICADE(商標)))、ケモカイン阻害剤、及び接着分子阻害剤が挙げられる。生物学的応答修飾物質は、分子の組み換え形態と並んで、モノクローナル抗体も含む。例示的なDMARDとして、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、メトトレキセート、ペニシラミン、レフルノミド、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、金(経口(オーラノフィン)及び筋肉内)、及びミノサイクリンが挙げられる。

幾つかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、サイトカインと併せて投与される。サイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン及び従来のポリペプチドホルモンである。サイトカインの中でも、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン及びウシ成長ホルモン等の成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)及び黄体形成ホルモン(LH)等の糖タンパク質ホルモン;肝臓増殖因子(HGF);線維芽細胞成長因子(FGF);プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;ミューラー阻害物質;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞増殖因子;インテグリン;トロンボポイエチン(TPO);NGF−ベータ等の神経成長因子(NGF);血小板増殖因子;TGF−アルファ及びTGF−ベータ等のトランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様増殖因子I及びII;エリスロポエチン(EPO、Epogen(商標)、Procrit(商標));骨誘導因子;インターフェロン−アルファ、ベータ及びガンマ等のインターフェロン;マクロファージ−CSF(M−CSF);顆粒球マクロファージ−CSF(GM−CSF);及び顆粒球−CSF(G−CSF)等のコロニー刺激因子(CSF);IL−1、IL−1アルファ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12;IL−15等のインターロイキン(IL)、TNF−アルファ又はTNF−ベータ等の腫瘍壊死因子;並びにLIF及びkitリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が挙げられる。本明細書で使用されるサイトカインの用語は、天然起源の又は組み換え細胞培養物由来のタンパク質、及び本来の配列のサイトカインの生物学的に活性な等価物を含む。

投与 幾つかの実施形態においては、本明細書に記載される操作されたT細胞を使用することで、患者における悪性腫瘍が治療され、それには(a)1つ以上のキメラ受容体を有する複数のT細胞を得ることと、(b)予め決められた量の多機能性T細胞を含む有効用量の上記T細胞を上記患者に投与することとが含まれる。

幾つかの実施形態においては、T細胞は治療的有効量で投与され得る。例えば、治療的有効量のT細胞は、少なくとも約104個の細胞、少なくとも約105個の細胞、少なくとも約106個の細胞、少なくとも約107個の細胞、少なくとも約108個の細胞、少なくとも約109個の細胞、又は少なくとも約1010個の細胞であり得る。別の実施形態では、治療的有効量のT細胞は、約104個の細胞、約105個の細胞、約106個の細胞、約107個の細胞、又は約108個の細胞である。幾つかの実施形態では、CAR T細胞の治療的有効量は、約2×106細胞/kg、約3×106細胞/kg、約4×106細胞/kg、約5×106細胞/kg、約6×106細胞/kg、約7×106細胞/kg、約8×106細胞/kg、約9×106細胞/kg、約1×107細胞/kg、約2×107細胞/kg、約3×107細胞/kg、約4×107細胞/kg、約5×107細胞/kg、約6×107細胞/kg、約7×107細胞/kg、約8×107細胞/kg、又は約9×107細胞/kgである。

幾つかの実施形態においては、治療的有効量のCAR陽性生存T細胞は、最大用量約1×108個のCAR陽性生存T細胞までの、体重1kg当たり約1×106個から約2×106個の間のCAR陽性生存T細胞である。

幾つかの実施形態においては、治療的有効量又は有効用量は、多機能性T細胞の量によって決定される。多機能性T細胞の量は、少なくとも約104個の多機能性細胞、少なくとも約105個の多機能性細胞、少なくとも約106個の多機能性細胞、少なくとも約107個の多機能性細胞、少なくとも約108個の多機能性細胞、少なくとも約109個の多機能性細胞、又は少なくとも約1010個の多機能性細胞であり得る。

幾つかの実施形態においては、有効用量は、多機能性強度インデックスに、T細胞の総数を掛けることにより得られたPSIの用量を含む。幾つかの実施形態においては、有効用量は、少なくとも3.5×1010又は少なくとも7.7×1010を含む。幾つかの実施形態においては、多機能性T細胞の予め決められた量は、多機能性強度インデックスに、細胞の総数(例えば、最大用量約1×108個の生存T細胞までの、体重1kg当たり約2×106個の生存T細胞)を掛けることによって得られる。幾つかの実施形態においては、有効用量は、およそ3.5×1010個から7.7×1010個までの多機能性T細胞の範囲である。幾つかの実施形態においては、PSIの有効用量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、およそ3.5×1010〜4.5×1010、3.5×1010〜5.5×1010、3.5×1010〜6.5×1010、3.5×1010〜7.5×1010、3.5×1010〜7.8×1010、3.5×1010〜8.0×1010、3.5×1010〜9.0×1010、3.5×1010〜10.0×1010、4.5×1010〜5.5×1010、4.5×1010〜6.5×1010、4.5×1010〜7.5×1010、4.5×1010〜7.8×1010、4.5×1010〜8.0×1010、4.5×1010〜9.0×1010、4.5×1010〜10.0×1010、5.5×1010〜6.5×1010、5.5×1010〜7.5×1010、5.5×1010〜7.8×1010、5.5×1010〜8.0×1010、5.5×1010〜9.0×1010、5.5×1010〜10.0×1010、6.5×1010〜7.5×1010、6.5×1010〜7.8×1010、6.5×1010〜8.0×1010、6.5×1010〜9.0×1010、6.5×1010〜10.0×1010、7.5×1010〜8.0×1010、7.5×1010〜9.0×1010、7.5×1010〜10.0×1010の範囲である。

幾つかの実施形態においては、有効量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、少なくともおよそ3.0×1010、3.1×1010、3.2×1010、3.3×1010、3.4×1010、3.5×1010、3.6×1010、3.7×1010、3.8×1010、3.9×1010、4.0×1010、4.1×1010、4.2×1010、4.3×1010、4.4×1010、4.5×1010、4.6×1010、4.7×1010、4.8×1010、4.9×1010、5.0×1010、5.1×1010、5.2×1010、5.3×1010、5.4×1010、5.5×1010、5.6×1010、5.7×1010、5.8×1010、5.9×1010、6.0×1010、6.1×1010、6.2×1010、6.3×1010、6.4×1010、6.5×1010、6.6×1010、6.7×1010、6.8×1010、6.9×1010、又は7.0×1010、7.1×1010、7.2×1010、7.3×1010、7.4×1010、7.5×1010、7.6×1010、7.7×1010、7.8×1010、7.9×1010、8.0×1010を含む。幾つかの実施形態においては、有効用量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、少なくともおよそ3.5×1010を含む。幾つかの実施形態においては、有効用量は、PSI×注入されたT細胞の単位において、少なくともおよそ7.7×1010を含む。

幾つかの実施形態においては、多機能性T細胞の予め決められた量は、多機能性T細胞のパーセンテージに、細胞の総数(例えば、最大用量約1×108個の生存T細胞までの、体重1kg当たり約2×106個の生存T細胞)を掛けることによって得られる。幾つかの実施形態においては、予め決められた量の多機能性T細胞は、少なくともおよそ1.0×107、1.1×107、1.2×107、1.3×107、1.4×107、1.5×107、1.6×107、1.7×107、1.8×107、1.9×107、2.0×107、2.1×107、2.2×107、2.3×107、2.4×107、2.5×107、2.6×107、2.7×107、2.8×107、2.9×107、3.0×107、3.1×107、3.2×107、3.3×107、3.4×107、3.5×107、3.6×107、3.7×107、3.8×107、3.9×107、4.0×107、4.1×107、4.2×107、4.3×107、4.4×107、4.5×107、4.6×107、4.7×107、4.8×107、4.9×107、又は5.0×107の多機能性T細胞である。幾つかの実施形態においては、予め決められた量の多機能性T細胞は、およそ2.4×107〜4.2×107である。幾つかの実施形態においては、予め決められた量の多機能性T細胞は、およそ2.0×107〜5.0×107、2.0×107〜4.5×107、2.0×107〜4.0×107、及び1.0×107〜3.5×107の多機能性T細胞の範囲である。

モニタリング 幾つかの実施形態においては、キメラ受容体T細胞免疫療法薬の投与は、認可された医療機関で行われる。

幾つかの実施形態においては、本明細書に開示される方法は、患者を注入後に少なくとも毎日7日間にわたり認可された医療機関で、CRS及び神経毒性の徴候及び症候についてモニタリングすることを含む。

幾つかの実施形態においては、患者は、認可された医療機関の近接範囲内で注入後に少なくとも4週間にわたって留まるよう指示される。

重度の有害反応の管理 幾つかの実施形態においては、上記方法は、有害反応の管理を含む。幾つかの実施の形態においては、有害反応は、サイトカイン放出症候群(CRS)、神経毒性、過敏反応、重症感染、血球減少症、及び低ガンマグロブリン血症からなる群から選択される。

幾つかの実施形態では、有害反応の徴候及び症候は、発熱、低血圧症、頻脈、低酸素症、及び悪寒からなる群から選択され、心不整脈(心房性細動及び心室頻拍を含む)、心停止、心不全、腎不全、毛細血管漏出症候群、低血圧症、低酸素症、臓器毒性、血球貪食性リンパ組織球症/マクロファージ活性化症候群(HLH/MAS)、発作、脳症、頭痛、振戦、眩暈、失語症、せん妄、不眠症、不安症、アナフィラキシー、発熱性好中球減少症、血小板減少症、好中球減少症、及び貧血症を含む。

サイトカイン放出症候群 幾つかの実施形態においては、上記方法は、多機能性CAR T細胞のパーセンテージを調整することによって、キメラ受容体治療においてCRSを予防又はその重症度を軽減することを含む。幾つかの実施形態においては、多機能性T細胞は、患者に投与した後に不活性化される。

幾つかの実施形態においては、上記方法は、CRSを臨床症状に基づき特定することを含む。幾つかの実施形態においては、上記方法は、発熱、低酸素症、及び低血圧症のその他の原因を評価し、治療することを含む。グレード2以上のCRS(例えば、輸液反応性でない低血圧症又は酸素補給を必要とする低酸素症)を経験している患者は、連続的な心電図遠隔測定法及びパルスオキシメトリーを用いてモニタリングされるべきである。幾つかの実施形態においては、重度のCRSを経験している患者については、心機能の評価のために心エコー図を実施することが検討される。重度又は生命を脅かすCRSについては、集中治療の支持療法が検討される場合がある。

幾つかの実施形態においては、上記方法は、患者を注入後に少なくとも毎日7日間にわたり認可された医療機関で、CRSの徴候及び症候についてモニタリングすることを含む。幾つかの実施形態においては、上記方法は、患者を注入後4週間にわたりCRSの徴候又は症候についてモニタリングすることを含む。幾つかの実施形態においては、上記方法は、CRSの徴候又は症候が万一起こったらいつでも、直ちに医師の診察を受けるように患者に助言することを含む。幾つかの実施形態においては、上記方法は、CRSの最初の徴候が見られた時点で、示されたように支持療法、トシリズマブ又はトシリズマブ及びコルチコステロイドによる治療を開始することを含む。

神経毒性 幾つかの実施形態においては、上記方法は、患者を神経毒性の徴候及び症候についてモニタリングすることを含む。幾つかの実施形態においては、上記方法は、神経症状のその他の原因を除外することを含む。グレード2以上の神経毒性を経験している患者は、連続的な心電図遠隔測定法及びパルスオキシメトリーを用いてモニタリングされるべきである。重度又は生命を脅かす神経毒性の場合には集中治療の支援療法が提供される。

幾つかの実施形態においては、上記方法は、患者を注入後に少なくとも毎日7日間にわたり認可された医療機関で、神経毒性の徴候及び症候についてモニタリングすることを含む。幾つかの実施形態においては、上記方法は、患者を注入後4週間にわたり神経毒性の徴候又は症候についてモニタリングすることを含む。

二次性悪性腫瘍 幾つかの実施形態においては、CD19指向性遺伝子改変自己T細胞免疫療法で治療された患者は、二次性悪性腫瘍を発症する場合がある。幾つかの実施形態においては、上記方法は、二次性悪性腫瘍について生涯にわたりモニタリングすることを含む。

本明細書で挙げられる全ての出版物、特許、及び特許出願は、それぞれの個々の出版物、特許、又は特許出願が、引用することにより本明細書の一部をなすと具体的に個別に示されるのと同じ程度で、引用することにより本明細書の一部をなす。しかしながら、本明細書における参考文献の引用は、そのような参考文献が本発明の先行技術であることの承認として解釈されるべきではない。引用することにより本明細書の一部をなす参考文献に示される定義又は用語のいずれかが、本明細書に示される用語及び考察と異なる限りにおいては、本明細書の用語及び定義が優先される。

本発明を、以下の実施例によって更に説明するが、実施例は、更なる限定として解釈されるべきではない。本明細書全体を通して引用される全ての参考文献の内容は、引用することにより明確に本明細書の一部をなす。

実施例1:患者の背景情報及び産物の特性評価 注入前のCAR T細胞産物の多機能性プロファイルは、臨床応答及び毒性と関連性がある 本研究(NCT00924326)のコホートは、最近記載された臨床転帰を有する22人の患者を含んでいた。22人の治療される患者のうち、19人は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有し、2人は濾胞性リンパ腫を有し、そして1人は、マントル細胞リンパ腫を有していた(表1)。DLBCLを有する19人の患者のうち、11人は、化学療法不応性のリンパ腫を有していた。DLBCLを有するその他の5人の患者は、プロトコル登録前の最後の治療としての自家幹細胞移植(ASCT)後10ヶ月以内に再発したリンパ腫を有していた。DLBCLを有する11人の患者は、セカンドラインの年齢調整国際予後指数(Hamlin, P.A. et al. Age-adjusted International Prognostic Index predicts autologous stem cell transplantation outcome for patients with relapsed or primary refractory diffuse large B-cell lymphoma. Blood 102, 1989-1996.)によれば高リスクであった。プロトコル登録前に受けた特有のリンパ腫療法の数の中央値は4であった(範囲は1〜7)。客観的応答(OR)は、Cheson 2014の基準(Cheson et al. Journal of Clinical Oncology 32, no. 27 (September 2014) 3059-3067)により定義される部分的(PR)又は完全(CR)な応答として定義される。安定(SD)及び進行(PD)は、客観的応答の欠如に相当する(ノンレスポンダー)。このコホートにおける20人の患者からの産物を、単一細胞マルチプレックスサイトカインプロファイリングによって評価することができた。NE及びサイトカイン放出症候群(CRS)を、以前に報告されたように格付けした(Kochenderfer, J.N. et al. Lymphoma remissions caused by anti-CD19 chimeric antigen receptor T cells are associated with high serum interleukin-15 levels. J Clin Oncol 35, 1803-1813 (2017). Epub 2017 Mar 14.)。表1に示されるように、評価可能な患者の主要な背景情報的特性は、年齢、性別、及び腫瘍組織学(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、形質転換濾胞性リンパ腫(TFL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL))、Chesonの基準による最良の応答(BRESP)、及び被験体がグレード3+の神経毒性(表1においてNTが付けられる)又はグレード3+のサイトカイン放出症候群(表1においてCRSが付けられる)を有したかどうかである。

臨床応答及び毒性は、in vivoでCAR T細胞増殖の増大、並びにIL−15、IL−10、及びグランザイムBの血清レベルの増加と関連性があった。ex vivoでのCD19+標的細胞との共培養に応答して、産物のT細胞は多岐にわたるサイトカイン、ケモカイン、及び免疫エフェクター分子を急速に分泌する。これらのサイトカイン及びケモカイン、並びにT細胞の異種集団で一般的に利用される表現型マーカーによって定義されるT細胞特性は、臨床転帰と有意に関連性がなかった(データは示していない)。抗CD19 CAR T細胞療法における臨床転帰に関連するパラメーターを決定するために、産物のT細胞を、恒常性/増殖性分子、炎症性分子、走化性分子、制御性分子、及び免疫エフェクター分子の度数及び産生レベルに基づく多機能性強度インデックス(PSI)を使用することによって単一細胞レベルで特性評価した。この分析を実行するために、単一細胞のバーコードチップ(SCBC)プラットフォーム及び事前に指定された式を利用した(図14)。簡潔には、産物のPSIを、多機能性細胞のパーセンテージに、それらの細胞により分泌されるサイトカインの平均蛍光強度(MFI)を掛けたものとして定義した(図1A〜図1F)。

単一細胞のサイトカインプロファイリング及びPSIの計算によるT細胞多機能性評価 フローサイトメトリーによるscFvの表面発現により測定される、約40%〜60%のCAR陽性T細胞を含む凍結保存されたCAR T細胞産物を解凍し、IL−2(10ng/mL、Biolegend社)を有する細胞療法システム(Cell Therapy Systems)(CTS)完全培地中で1×106/mLの密度で37℃の5%のCO2インキュベーター中で培養した。一晩回復させた後に、Ficoll−Paque Plus培地(Fisher Scientific社)を使用して、生存T細胞を富化した。CD4+/CD8+T細胞サブセットを、抗CD4又は抗CD8のマイクロビーズ(Miltenyi Biotec社、ドイツ、ベルギッシュ・グラートバハ)を使用して分離し、次いでCD19又は神経増殖因子受容体(NGFR)のいずれかが1:2の比率で形質導入されたK562細胞で20時間にわたり37℃の5%のCO2で刺激した。共培養されたCD4+又はCD8+T細胞を、抗CD19又は抗NGFR結合磁気ビーズを使用することによるCD19−K562又はNGFR−K562細胞の除去によって更に富化した。CD4+又はCD8+CAR T細胞の存在を確認するために、Alexa Fluor 647結合抗CD4又は抗CD8抗体を用いて室温で10分間にわたり試料を染色し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回すすぎ、そしてCTS完全培地中で1×106/mLの密度で再懸濁させた。およそ30μLの細胞懸濁液を、単細胞セクレトミクス評価用の単一細胞のバーコードチップ(SCBC)マイクロチップにロードした。

各試料について、32プレックスアッセイは、約2000個のT細胞から分泌されたタンパク質を測定した(図1A〜図1F)。(SCBC上にロードされた)細胞試料の顕微鏡及びマイクロアレイスキャン及びタンパク質分泌の生データを、独自開発した画像処理ソフトウェアを使用して分析することで、単一細胞を含むチャンバーの位置を決定し、引き続きそれらの分泌の読み取り値を抽出した。空の細胞チャンバーからのデータを使用して、それぞれの分析されたタンパク質についてのバックグラウンド強度レベルを測定した。次いで単一細胞の読み取り値をバックグラウンドの読み取り値を使用して正規化することで、有意の分泌を決定し、アッセイをまたいでプロファイルを比較する。独自開発したソフトウェア及びR統計パッケージを、統計データ解析及び可視化のために使用した。

機能的プロファイルを、各々の評価可能な産物について決定した。プロファイルは、エフェクター(グランザイムB、IFN−γ、MIP−1α、パーフォリン、TNF−α、TNF−β)群、刺激性(GM−CSF、IL−2、IL−5、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−15、IL−21)群、制御性(IL−4、IL−10、IL−13、IL−22、TGF−β1、sCD137、sCD40L)群、化学誘引性(CCL−11、IP−10、MIP−1β、RANTES)群、及び炎症性(IL−1b、IL−6、IL−17A、IL−17F、MCP−1、MCP−4)群に分類された。多機能性CAR産物T細胞は、産生される各タンパク質の量(すなわち、分泌されたタンパク質の数と強さの程度との組み合わせ)と一緒に事前に特定された細胞当たりのパネルからの少なくとも2種のタンパク質を同時分泌する細胞として定義した。任意の所与のサイトカインについてのカットオフを、細胞を有しないウェル中のバックグラウンドレベル+3SDに基づいてコンピュータ計算した。各細胞の機能的プロファイルを知ることで、細胞の多機能性による各試料の内訳(すなわち、非分泌細胞又は単機能性細胞に対して、何パーセントの細胞が多数のサイトカインを分泌しているか)、及び機能性群による試料の内訳(すなわち、どの単機能性群及び多機能性群が、試料中で細胞により分泌されているか、及びそれらの度数)等の様々なその他の評価指標の計算が可能となる。

各試料のPSIをコンピュータ計算した(Ma, C. et al. Multifunctional T-cell analyses to study response and progression in adoptive cell transfer immunotherapy. Cancer Discov 3, 418-29 (2013))。

CD4+及びCD8+のPSIを、各ドナーの対応するCD19−K562又はNGFR−K562刺激された試料についてコンピュータ計算した。CD4+及びCD8+のPSIの平均である全PSIもコンピュータ計算した。

CD4+のPSI計算は、試料の全ての多機能性CD4+細胞の読み取り値を解析することにより実施した。各読み取り値は、シグナル強度(MFI、無作為な蛍光強度)のn次元ベクトル(n=分析されたサイトカインの数)であった。各サイトカインの平均シグナル強度を、多機能性細胞一式全体にわたって求めた。この数に多機能性細胞の割合を掛けることで、個々のサイトカインのPSI値(例えば、IL−17A CD4+のPSI)が得られた。全ての個々のサイトカインのPSI値を合計することで、試料についての全体のCD4+のPSIが得られた。同じ計算を実施することで、CD8+のPSI及び各サイトカインの個々のCD8+のPSIを求めた。CD4+及びCD8+のPSIを平均することで、各試料についての全PSIインデックスが得られた。単機能性細胞のパーセンテージにそのサイトカインの分泌強度を掛けたものとして定義される単機能性強度インデックス(monofunctional strength index)又はMSIの評価指標も計算した。

これらの患者の臨床転帰(客観的応答、CRS、及びNT)を認識して、注入前の単一細胞のCAR Tデータと臨床転帰との間の何らかの顕著な統計的に有意な関連性が決定された。より具体的には、全PSI、CD4+のPSI、CD8+のPSI、IL−17A CD4+のPSIと臨床転帰との間の関連性が決定された。マン・ホイットニーのU検定を使用して、これらの関連性のP値を決定した。さらに、これらの単一細胞の評価指標(例えば、PSI)と、本明細書全体を通じて記載されたその他の注入前及び注入後の評価指標(例えば、in vivoでのCAR T細胞増殖、0日目の患者のIL−15のレベル、共培養物及び血清のサイトカインレベル、T細胞表現型度数)との間の何らかの関連性を、これらの評価指標間でのスピアマン相関を測定することにより決定した。

CD19+細胞で刺激されたCAR産物のT細胞の多機能性プロファイルは、エフェクター分子、刺激性/増殖性サイトカイン、及びケモカインによって左右された。主成分分析(PCA)を含む詳細な評価により、産物のT細胞の複雑かつ不均質な機能的プロファイルが示され、その際、両方の多機能性のCD4+及びCD8+T細胞サブセットは、主にIFN−γ、IL−8、IL−5、グランザイムB及び/又は(マクロファージ炎症性タンパク質)MIP−1αを分泌する(図6A及び図6B)。とりわけ、CD4+であるがCD8+でないT細胞集団にも、IL−17A陽性多機能性T細胞が含まれていた。

図6A及び図6Bに示されるように、機能的サブセットを、CD4+及びCD8+の産物のT細胞サブセット内で主成分分析により決定した。表示は、多次元空間における対象の2次元表示としての個々の細胞により産生されたサイトカインを用いたクラスター化に基づく。産生されたサイトカインの類似性により画定される主要な多機能性サブセットは、クラスターとして表され、個々のドットは細胞に対応している。ドットの濃淡は、サイトカイン産生レベルを反映している。CD19+細胞で刺激されていないT細胞集団の多機能性が、コントロールとして重ね合わされている(青色、NGFR)。各々の主要な集団である、それぞれCD4T細胞及びCD8T細胞内で最も一般的に表される主要なサイトカインは、この主成分分析(x軸及びy軸上に示される)を編成するために使用され、各クラスターを画定するサイトカインが示されている。全ての免疫学的に関連する細胞のわずか約20%〜25%しか含まない多機能性細胞の度数も表されている。

全体的に、産物は広範囲のPSI値を表した。多機能性細胞は、サイトカインを産生する全ての産物のT細胞のわずか20%〜25%しか含んでいなかった。全般の産物のPSIは、ORと有意に関連性があった(P=0.0119、図2C)。中央値のPSIは、レスポンダーについてノンレスポンダーに対して2倍の高さであった。より高い産物のPSIはまた、グレード3+のサイトカイン放出症候群(CRS、P=0.0174、図2D)と統計学的に関連性があった。PSIの結果とは異なって、産物における単機能性T細胞に対応する同様にコンピュータ計算されたインデックスは、OR、グレード3+のNT、又はグレード3+のCRSとの関連性を有しなかった(データは示していない)。共培養物におけるフローサイトメトリーによって定義される主要な産物の表現型及びIFN−γは、臨床応答と関連性がなかった(図3A〜図3F)。

応答性である患者における産物の多機能性T細胞により産生される主要なサイトカイン及びケモカインは、CD4及びCD8のT細胞の両方にIFN−γ、MIP−1α、IL−8を含み、CD8T細胞にグランザイムBを含み、CD4T細胞にIL−17A及びIL−5を含んでいた(図4A〜図4D)。

驚くべきことに、これらの結果は、産物中の多機能性T細胞の度数及びサイトカイン産生レベルの組み合わせが、CAR T細胞による治療に対する臨床応答及び毒性に関連することを示唆している。

in vivoでのCAR T細胞レベルの測定 血液中のCAR T細胞増殖を、qPCRによって測定した。各患者について、治療前及び治療後の複数の時点で回収された末梢血単核細胞(PBMC)からDNAを抽出した。DNAを、Qiagen DNeasy blood and tissue kit(Qiagen社、ドイツ、ヒルデン)を使用して抽出した。各時点からのDNAを、CARに特異的なプライマー及びプローブのセット(Applied Biosystems社、カリフォルニア州、フォスターシティ)を用いて2連で増幅させた。リアルタイムPCRを、Roche Light Cycler 480リアルタイムPCRシステム(Roche Diagnostics Corp社、インディアナ州、インディアナポリス)を用いて実施した。DNAの連続1:5希釈を、各患者の注入されたT細胞から同じ患者の治療前のDNA中へと行い、このDNAに対してqPCRを実行することにより検量線を作成した。

マルチプレックス分析による共培養物及び血清中のサイトカインの測定 共培養実験は、CAR T細胞産物と1:1で混ざったCD19又はNGFR(ネガティブコントロール)を発現するように操作されたK562細胞を使用して実施した。細胞培養培地を、インキュベート24時間後に採取して、引き続き分析した。31個の分析物を、Meso Scale Discovery(MSD(商標)、メリーランド州、ロックビル)、MULTI−SPOT(商標)、及びEMD Millipore社(マサチューセッツ州、バーリントン)のLuminex(商標)xMAP(商標)マルチプレックスアッセイによって評価した。血清IL−15を、EMD Millipore社のLuminex(商標)xMAP(商標)マルチプレックスアッセイを用いて測定した。データ取得及び解析を、Luminex 200(商標)機器及びxPONENT(商標)3.1データ解析ソフトウェアを使用して実施した。

T17細胞及びTreg細胞のパーセンテージのエピジェネティック分析による評価 エピジェネティック分析は、以前に特徴付けられた方法(Baron, U. et al. DNA demethylation in the human FOXP3 locus discriminates regulatory T cells from activated FOXP3(+) conventional T cells. Eur J Immunol 37, 2378-2389 (2007))に基づいて実施した。ゲノムDNAを、培養された動物細胞のためのプロトコルに従ってDNeasy tissue kit(Qiagen社)を使用して単離した。ゲノムDNAのバイサルファイト処理を実施した。PCRは、1×PCRバッファー、1UのTaq DNAポリメラーゼ(Qiagen社)、200μmol/LのdNTP、それぞれ12.5pmolのフォワードプライマー及びリバースプライマー、並びに7ngのバイサルファイト処理されたゲノムDNAを含有する25μLの最終容量中で、95℃で15分間と、95℃で1分間、55℃で45秒間、及び72℃で1分間の40サイクルと、72℃で10分間の最終伸長工程とで実施した。PCR産物を、ExoSAP−IT(USB Corp.社、オハイオ州、クリーブランド)を使用して精製し、PCRプライマー及びABI Big Dye Terminator v1.1−chemistry(Applied Biosystems社)を適用することによってシーケンシングを行い、それに続いてABI 3100ジェネティックアナライザにおいてキャピラリー電気泳動を行った。ESMEを使用して、AB1ファイルを解釈した。

フローサイトメトリーによる産物のT細胞の表現型の決定 CD4、CD8、及びセントラルメモリーについて、表現型をフローサイトメトリーによって決定した(Kochenderfer, et al. B-cell depletion and remissions of malignancy along with cytokine-associated toxicity in a clinical trial of anti-CD19 chimeric-antigen-receptor-transduced T cells. Blood 119, 2709-20 (2012))。CAR陽性CD3+の事象をゲーティングし、メモリーマーカーCCR7及びCD45RAを発現する細胞のパーセンテージを決定した。適切なアイソタイプコントロール抗体を、全ての実験において使用した。使用されたメモリー抗体は、抗CD45RA(eBioscience社、カリフォルニア州、サンディエゴ、クローンHI100)及び抗CCR7(R&D Systems社、クローン150503)であった。

遺伝子発現分析 Vi−CELL自動セルカウンター(Beckman Coulter社、カリフォルニア州、ブレア)を使用して、凍結保存してから解凍した細胞を数えた。生細胞懸濁液を、ヒト免疫応答をプロファイリングする770プレックスの遺伝子及び30プレックスのタンパク質発現パネルであるNanoString社のVantage 3D RNA:Protein Immune Cell Profiling Panel(ワシントン州、シアトル)へのインプットとして使用した。CD19−K562又はNGFR−K562試料の場合に、RNAのために50000個の細胞を使用し、タンパク質のために100000個の細胞を使用した。K562+CAR T細胞の共培養物の場合に、RNAのために150000個の細胞を使用し、タンパク質のために200000個の細胞を使用した。CAR T細胞の場合に、RNAのために300000個の細胞を使用し、タンパク質のために200000個の細胞を使用した。抗CD19 CARに特異的なプローブを含む191種の追加の免疫及び代謝関連マーカーのカスタム遺伝子発現パネルも、RNA:タンパク質アッセイのために作られた細胞溶解物に対して実行した。生データをMAXデジタルアナライザーからnSolverソフトウェアv3.0へとインポートした。イメージング、結合密度、ポジティブコントロールの線形性、及び検出限界を評価する標準的な品質管理チェックを実施した。パネルにおける内部ポジティブコントロールを利用することによって、遺伝子及びタンパク質発現の生データをまず正規化した。次いで、mRNAデータをさらに、安定的に発現される一連の参照遺伝子の幾何平均によって正規化し、タンパク質データを、安定的に発現される一連のタンパク質の幾何平均によって正規化した。バックグラウンドを下回って発現されたmRNA及びタンパク質は、ネガティブコントロールの平均値+標準偏差(SD)の2倍(mRNAの場合)、及び免疫グロブリンG−ネガティブコントロールの幾何平均の3倍(タンパク質の場合)のカットオフを使用して分析から除外した。

実施例2:産物のPSIと、CAR T細胞増殖又はCAR T細胞注入前のIL−15のレベルとのインデックスの組み合わせは、臨床応答及び毒性と強く相関した 注入後に、CAR T細胞は急速に増殖し、最初の7日〜14日以内にピークレベルが存在する。注入後1ヶ月間にピーク及び累積レベルとして測定されるCAR T細胞の増殖は、OR及びグレード3+のNTと関連性があるが、グレード3+のCRSとは関連性がない。

PSIと、血液中のピークCAR T細胞レベル又は0日目のIL−15血清レベルのいずれかとのインデックスの組み合わせは、いずれかのパラメーター単独に対して、臨床転帰と有意な関連性を有していた。コンディショニング化学療法により高められた0日目のIL−15血清レベルを、CAR T細胞注入の直前に測定した。ORは、CD4+PSI及び0日目のIL−15、並びにIL−17AのPSI及び0日目のIL−15の両方と関連性があった。上記インデックスの組み合わせは、2つの評価指標を同等の分散を有するようにまず正規化した後に、それらを互いに足し合わせることによってコンピュータ計算した。この正規化は、その評価指標をそれぞれの標準偏差で割って共通の規模/尺度にすることによって達成された。

PSIとCAR T細胞の増殖とを組み合わせたこのコンポジットインデックスは、それぞれの各共変量単独と比較して、ORとの関連性を改善した(P=0.0046、多重性のための調節なし)(図5A〜図5E)。さらに、ORはそれぞれ、CD4+のPSI及びCARのピークレベルと関連したが(P=0.0023)、CD8+のPSI及びCARのピークレベルとわずかしか関連しなかった(P=0.0507、図7A及び図7B)。図7A及び図7Bに示されるように、血液中のCAR T細胞レベル又は0日目のIL−15血清レベルと併せたPSIと客観的応答との間に関連性がある。血液中のCAR T細胞レベルを、qPCRによって測定した。PSI及びin vivoでのCAR T細胞増殖を統合するコンポジットインデックスを作成し、応答結果と関連付けた(R=応答あり、N=応答なし)。全産物のPSI、CD4+のPSI、及びIL−17AのPSIのインデックスを、全てCARのピークレベルと併せて評価した。2つの評価指標を、1つの共同の評価指標へと組み合わせて、それらの患者の転帰との関連性を試験した。単位分散を有するように評価指標のそれぞれをまず正規化した後にそれらを互いに足し合わせた。この正規化は、その評価指標をそれぞれの標準偏差で割って共通の規模/尺度にすることによって達成された。PSI及び0日目のIL−15レベルの共同の評価指標を、同様に計算した。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した。P値は、多重性のために調節しなかった。

図8に示されるように、CARのピークレベルとPSIとの間の明らかな関連性はなかった(図8)。PSIは、血液中のCAR T細胞レベルと関連していない。血液中のCAR T細胞レベルをqPCRにより測定し、PSI又は臨床転帰(OR、グレード3+のNE又はCRS)と相関があった。全産物のPSI、CD4+のPSI、及びIL−17AのPSIが表示されている。統計分析を、スピアマンの相関及びマン・ホイットニーのU検定を使用して実施した。

PSIは、CCR7及びCD45RAの発現に基づいて一般的に評価される産物の表現型と有意に関連していなかった(図3A〜図3F)。CAR遺伝子の発現レベルを、全体の産物においてT細胞ハウスキーピング分子と一緒にnanostringによって測定した。全般のPSIは、CAR mRNAコピーとT細胞特異的マーカーとの間の比率に関連性があることが分かった(表2)。この知見は、産物中のCAR発現のレベルが、産物のT細胞の多機能性と関連していることを示唆している。

表2は、PSIとCAR遺伝子発現/T細胞関連分子の比率との間の関連性を示しており、これらは全てnanostringによって定量的に測定された。CAR遺伝子発現は、CD28 CD3ζ接合部及びscFvのそれぞれのためのプローブを用いて測定した。T細胞関連mRNAを、CD3D、CD3E、CD3G、及びCD6のためのプローブを用いて測定した。CD3Eも、nanostringによって抗CD3モノクローナル抗体OKT3を使用してタンパク質レベルで測定した。またPSIを、T細胞分子単独に対しても分析した。分析は、線形回帰によって行った。*P<0.05、**P<0.005。

PSI単独とは異なって、産物のPSI又はCD4+のPSIをそれぞれCARのピークレベルと組み合わせると、グレード3+のNTと有意に関連性があった(図9A〜図9F)。CD4+及びCD8+のPSIを、2つの産物のT細胞サブセットに別々に同じ事前に指定された式を適用することにより、各産物について計算した。図9A〜図9Fは、血液中のCAR T細胞レベルと併せたPSIと、グレード3+の神経毒性(NT、図9A〜図9F)との間の関連性を示している。図10A〜図10Fは、血液中のCAR T細胞レベルと併せたPSIと、サイトカイン放出症候群(CRS、図10A〜図10F)との間の関連性を示している。血液中のCAR T細胞レベルを、qPCRにより測定し、グレード3+の有害事象と相関があった。PSI及びin vivoでのCAR T細胞増殖を統合するコンポジットインデックスを作成し、神経学的事象(NE)又はCRSとそれぞれ関連付けた。全産物のPSI、CD4+のPSI、及びIL−17AのPSIのインデックスを、全てCARのピークレベルと併せて評価した。2つの評価指標を、1つの共同の評価指標へと組み合わせて、それらの患者の転帰との関連性を試験した。単位分散を有するように評価指標のそれぞれをまず正規化した後にそれらを互いに足し合わせた。この正規化は、その評価指標をそれぞれの標準偏差で割って共通の規模/尺度にすることによって達成された。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した。P値は、多重性のために調節しなかった。

IL−17A等のサイトカインを産生する多機能性T細胞のサブセットがグレード3+のNTと関連性があるかどうかを決定するために、所与のサイトカインを分泌する多機能性T細胞のパーセンテージに、そのサイトカインの平均シグナル強度を掛けることによって、サイトカイン特異的PSIをコンピュータ計算した。これらのサイトカインのPSI値を、転帰に関して分析した。事後的に定義されたIL−17AのPSI及びCARのピーク細胞レベルは、グレード3+のNTと有意な関連性を有していた(P=0.0007、図9A〜図9F)。個別にCARのピーク細胞レベル及びIL−17AのPSIは、グレード3+のNTと関連性があった(それぞれP=0.0015及びP=0.0574)。IL−17AのPSIは、エピジェネティックマーキング及び産物の共培養物中でのIL−17A産生によって測定されたTh17細胞のパーセンテージと強く相関し(両方の比較についてP<0.0001)、CD4/CD8比、Tヘルパー(Th)細胞のパーセンテージ、及び産物の共培養物中のIL−6レベルと関連性があった(表3)。グレード3+のCRSは、全般の産物のPSI及びCARのピークレベルと関連性があった(図10A〜図10F)。

主要な産物の特性とIL−17AのPSIとの間の関連付けは、線形回帰によって行った。CD4:CD8比は、フローサイトメトリー測定に基づいて計算し、ヘルパーT細胞の%及びTh17細胞の%は、エピジェネティック分析に基づいて測定し、産物及び標的細胞の共培養物中のIL−17A及びIL−6は、ELISAによって測定し、IL−17AのPSIは、本明細書に記載されるようにコンピュータ計算した。*P<0.05、**P<0.005、***P<0.0005。

in vivoでのCAR T細胞増殖又はCAR T細胞注入前のコンディショニング駆動性IL−15と併せたPSIは、客観的応答(OR)と相関している(図5A〜図5D)。産物のPSIと0日目のIL−15レベルとの組み合わせは、ORと統計的に有意な関連性を有していた(P=0.0033)(図5E)。客観的応答も、PSI(P=0.0119)(図5A)及びIL−15(P=0.0153)(図5D)と関連性があった。しかしながら、PSI及び0日目のIL−15は、互いに統計的に有意な関連性を有しなかった。さらに、CD4+のPSI又はIL−17AのPSIと併せた0日目のIL−15はまた、ORと強い関連性があった(P<0.0004、図7A及び図7B)。IL−15の0日目のレベル+IL−17AのPSIは、グレード3+のNT(図11A〜図11F)及びCRS(図12A〜図12F)とも関連性があった。産物のPSIと一緒のCAR T細胞増殖又はCAR T細胞注入前のIL−15レベルは、共同でCAR T細胞療法後の臨床転帰に寄与する。これらの知見は、CAR T細胞療法に関連する、臨床転帰、特にNTにおけるIL−17A多機能性T細胞の顕著な役割も指摘している。

血液中の治療前のIL−15レベルと併せたPSIと、グレード3+のNE(図11A〜図11F)又はCRS(図12A〜図12F)との間に関連性がある。血液中のIL−15レベルは、ELISAにより測定され、グレード3+のAEと相関があった。PSI及びIL−15レベルを統合するコンポジットインデックスは、それぞれグレード3+のNE又はCRSと関連していた。全産物のPSI、CD4+のPSI、及びIL−17AのPSIを、全てIL−15レベルと併せて評価した。統計値を、マン・ホイットニーのU検定を使用してコンピュータ計算した。P値は、多重性のために調節しなかった。

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