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Method and device for measuring soil moisture

阅读:406发布:2020-07-08

专利汇可以提供Method and device for measuring soil moisture专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To enable the measurement of soil moisture in a low temp. environment physically impossible heretofore by using a propylene glycol soln. in place of water charged in a tensiometer.
CONSTITUTION: In a tensiometer 10, the pressure-sensitive sensor of a sensor cap 14 detects the pressure of the medium such as degassed water charged in a medium tank 13 and that of a medium being in an equilibrium state with respect to the tension of the soil moisture in a porous cup 12 embedded in soil to measure soil moisture. A propylene glycol soln. is used in the tensiometer 10 as an antifreezing soln. high in practicality in place of degassed water from its physical properties. This, propylene glycol is mixed with water in an arbitrary ratio and a soln. thereof has a low m.p. of -70°C or lower. Further, the specific gravity difference from water is small and the effect thereof on measured value is not almost generated. A measurable range becomes narrow from the difference in viscosity and surface tension but, within this range, a pressure head measured value shows real pressure head even in the measurement of soil moisture in winter regardless of the kind of soil.
COPYRIGHT: (C)1995,JPO,下面是Method and device for measuring soil moisture专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 テンシオメーターを用いて土壌水分を測定する方法において、テンシオメーター内に充填する水に代えて、プロピレングリコール溶液を使用することを特徴とする方法。
  • 【請求項2】 前記プロピレングリコール溶液のプロピレングリコール濃度は、測定すべき土壌水分状態に応じて変えられる請求項1記載の方法。
  • 【請求項3】 土壌中に埋設される多孔質のポーラスカップを先端に有した導管と、該導管に連通した媒体タンクと、該媒体タンクに充填されるプロピレングリコール溶液と、土壌水分張力と平衡状態にある前記ポーラスカップ内の前記プロピレングリコール溶液の圧力を検出する圧力検出手段とを備えたことを特徴とする土壌水分測定装置。
  • 【請求項4】 前記プロピレングリコール溶液のプロピレングリコール濃度は、測定すべき土壌水分状態に応じて変えられる請求項3記載の土壌水分測定装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、土壌分測定方法および装置に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】近年、農薬、肥料などによる地下水汚染機構の解明、土壌層(不飽和帯)を考慮した水収支の評価、建設工事に係る植生などへの影響評価、盛土などを含めた斜面崩壊のメカニズムの研究、洪水発生予測などにおいて、不飽和土壌中の水分量や水分挙動の取扱いが重要となってきている。 これらの問題について把握するためには、年間を通した土壌水分の挙動を知る必要がある。

    【0003】土壌水分の測定方法としては、炉乾燥法、
    テンシオメーター法、電気抵抗法、誘電法、熱伝導法、
    電磁波法、放射線法(中性子法、γ線法)など数多くの手法がある。 しかし、その多くはまだ研究段階にあり、
    キャリブレーションや連続観測の困難さ、測定精度などの点で問題点を残しているのが現状である。

    【0004】これらの測定方法の中で、テンシオメーター法が農業や斜面水分の分野を中心に実績を挙げており、野外での連続観測にも多く用いられている。 このテンシオメーター法は、土壌中に多孔質のポーラスカップを埋設し、周辺の土壌の吸引圧(水分張)と平衡状態にあるポーラスカップ内の水圧を測定する方法である。
    このときの水圧を水柱高に換算することにより、土壌の水分張力が得られる。 ポーラスカップ内の水圧は、テンシオメーター内に充填された水(脱気水)を媒体として圧力センサーや水銀マノメーターで測定される。 土壌水分張力から土壌水分量への換算は、ポーラスカップ埋設時などに採取された土壌試料でpF試験を行って得られたpF〜水分特性曲線を用いて行なう。

    【0005】ここで、pFとは、土壌水分の表示法の一つで、土壌粒子に吸引保持されている水分の強さをその吸引圧に相当する水柱の高さ(単位cm)の対数で表したものである。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】野外での連続土壌水分観測には、テンシオメーター法が適しているのであるが、従来は、テンシオメーター法による氷点下での水分測定の物理的な困難さから、冬期間の土壌水分観測はあまり行われていなかった。 これは、テンシオメーター内に充填された脱気水が凍結してしまうからであった。

    【0007】従来行われてきたテンシオメーターの凍結防止策としては、脱気水の代わりに凝固点の低い溶液を不凍液として使用した例や、温床線により機器の地上部を加熱保温した例などがある。 現状では、土壌水分観測が行われているところの大部分が山地流域など商用電源の無い地域であり、機器を長期間にわたって加熱保温することが困難である。 従って、テンシオメーターの凍結防止対策としては、不凍液を使用する方法の汎用性が高いと思われる。

    【0008】しかし、不凍液として用いる溶液としてどのような溶液を用いるのが実用的であるのかは、凝固点(融点)の低さ、脱気水による場合の測定値との換算の容易さ、測定範囲の広さ、溶液の取扱いの容易性、植生や土壌に与える影響(毒性)が小さいこと等、考慮すべきことが多く、これまで、冬期間や寒冷地でのテンシオメーター法の実用性については問題視されていた。

    【0009】本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点を解消しうるような土壌水分測定方法および装置を提供することである。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点によれば、テンシオメーターを用いて土壌水分を測定する方法において、テンシオメーター内に充填する水に代えて、プロピレングリコール溶液を使用し、プロピレングリコール溶液のプロピレングリコール濃度は、測定すべき土壌水分状態に応じて変えられる。

    【0011】本発明の第2の観点によれば、土壌中に埋設される多孔質のポーラスカップを先端に有した導管と、該導管に連通した媒体タンクと、該媒体タンクに充填されるプロピレングリコール溶液と、土壌水分張力と平衡状態にある前記ポーラスカップ内の前記プロピレングリコール溶液の圧力を検出する圧力検出手段とを備えたことを特徴とする土壌水分測定装置が提供され、そのプロピレングリコール溶液のプロピレングリコール濃度は、測定すべき土壌水分状態に応じて変えられる。

    【0012】

    【実施例】次に、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明をより詳細に説明する。

    【0013】図1は、本発明において使用するテンシオメーターの構造例を概略的に示している。 この図1に示すように、このテンシオメーター10は、土壌中に埋設される多孔質のポーラスカップ(水分センサー)12を先端に有した導管11と、この導管11に連通した媒体タンク13と、感圧センサーを収納し媒体タンク13の上部に取り付けられるセンサーキャップ14と備えている。 センサーキャップ14内の感圧センサーは、例えば、半導体圧力変換型センサーであり、媒体タンク13
    に充填される脱気水等の媒体と、土壌水分張力と平衡状態にあるポーラスカップ12内の媒体の圧力を検出するものである。 媒体タンク13には、エアー抜きバルブ1
    5が設けられ、センサーキャップ14には、補給水バルブ16が設けられており、センサーキャップ14からはセンサーコード17が引き出されている。

    【0014】本発明者は、このようなテンシオメーター内に脱気水に代わる実用性の高い不凍液としてどのような溶液が適当かを種々考察する過程において、エチレングリコール溶液等に比較して、プロピレングリコール溶液の方が、そのプロピレングリコール溶液が次のような物性を有することから、有望であるとの観点に立って種々実験をしてみた。

    【0015】プロピレングリコールは、主として食品添加物や不凍液、冷媒などに用いられている物質であり、
    水と任意の割合で完全に混和する、人体に対する毒性が極めて小さいなどの特徴をもつ。 プロピレングリコール溶液は、融点が−70°C以下と低く、比重が20°C
    で、1.036から1.038と非常に水に近い粘稠性のある液体である。 表面張力についてみると、プロピレングリコールは、25°Cで36dyne/cm であり、水の1/
    2の大きさである。

    【0016】プロピレングリコールは、吸湿性のある物質でもあり、空気中の水分の状態により平衡となる濃度が変化する。 テンシオメーターで測定可能な土壌水分状態(圧力水頭で0〜−1000cmH 2 O)にあるときの土壌中の相対湿度は、99.9%以上である。 このことから土壌中でのプロピレングリコール濃度の平衡値は、4
    0%よりも小さな値であると推測される。

    【0017】プロピレングリコール溶液の物性は、プロピレングリコール濃度により異なってくる。 プロピレングリコール溶液の主な濃度(25、50、100%)における比重、融点、粘度、表面張力を、水(プロピレングリコール濃度0%)の物性とともに図3に整理して示している。 以下に、プロピレングリコール溶液の濃度と比重、融点、粘度、表面張力の各項目の関係について説明しておく。

    【0018】先ず、プロピレングリコール溶液の比重は、各温度ともに75〜80%の濃度で最も大きく、7
    5%以下では濃度が低いほど大きい。 しかし、プロピレングリコール溶液の比重は、いずれの温度においても水の比重の1〜1.05倍であり、プロピレングリコール溶液と水との比重の差は、極めて小さい。 従って、テンシオメーターにプロピレングリコール溶液を使用した土壌水分測定において、プロピレングリコール溶液と水との比重の差に起因する測定値への影響はほとんどないと考えられる。

    【0019】次に、プロピレングリコール溶液の融点は、濃度が高いほど小さくなる。 例えば、プロピレングリコール25%溶液の融点は、約−10°Cであり、プロピレングリコール50%溶液の融点は、約−32°C
    である。 テンシオメーターにプロピレングリコール溶液を使用して土壌水分測定を行なう場合、融点が測定地点の最低気温や最低地温よりも低い温度になる範囲でプロピレングリコール溶液の濃度を決定する必要がある。

    【0020】また、プロピレングリコール溶液の粘度は、濃度が高いほど大きくなる。 また、水の場合と同様に、プロピレングリコール溶液の粘度は、温度が低いほど大きくなる。 例えば、プロピレングリコール25%溶液の粘度は、同じ温度の水の粘度の約2倍であり、プロピレングリコール50%溶液の粘度は、同じ温度の水の粘度の約5〜6倍である。 テンシオメーターでは、テンシオメーター内に充填されている溶液がポーラスカップの間隙を通して外部に引っ張られるときの張力(土壌水分張力)を測定しているため、プロピレングリコール溶液を使用した場合には、その粘度の高さが張力の抵抗となり、土壌水分測定値に影響を及ぼす可能性があると考えられる。

    【0021】さらにまた、プロピレングリコール溶液の表面張力は、濃度が高いほど小さくなる。 例えば、プロピレングリコール25%溶液の表面張力は、水の表面張力の約0.7倍であり、プロピレングリコール50%溶液の表面張力は、水の表面張力の約0.6倍である。 通常、
    テンシオメーターに脱気水を使用した場合には、pF約
    2.8〜2.9まで土壌が乾燥した段階でポーラスカップが空気を吸込み測定限界となる。 プロピレングリコール溶液の表面張力は、水よりも低いため、プロピレングリコール溶液をテンシオメーターに使用した場合には、水の場合よりも低いpF値でポーラスカップが空気を吸い込む可能性がある。 すなわち、表面張力からみると、プロピレングリコール溶液のテンシオメーターへの使用により、土壌水分の測定範囲が狭くなる可能性がある。

    【0022】以上のことから、プロピレングリコール溶液と水との粘度、表面張力の違いが、プロピレングリコールをテンシオメーターに使用した場合の土壌水分測定値や測定範囲への影響の原因になると考えられる。 また、プロピレングリコール濃度の平衡値が空気中水分によって変化するという性質も、プロピレングリコール溶液をテンシオメーターに使用した場合の土壌水分測定値への影響の原因となる可能性があると考えられる。

    【0023】本発明者は、以上のようなプロピレングリコール溶液の物性と水の物性との関係を踏まえて、テンシオメーター内に充填する媒体として脱気水の代わりにプロピレングリコール溶液を使用する場合の実用性を確認するために、次のような実験を行った。

    【0024】図2は、その実験に使用した実験装置の概略構成を示している。 図2に示すように、この実験装置は、内径38.2cm、厚さ12mmの塩化ビニールパイプを加工して作られた高さ152cmの鉛直一次元土壌カラム4の2本(カラムA、B)を備えている。 2本のカラム4内に同じ高さの地下水面ができるようにカラム4の下端を給排水用の配管で接続している。 また、給排水用の配管には、地下水面を制御する水位調整用タンク6および水位読取用のマノメーター5が接続されており、水位調整用タンクの上下移動によってカラム内の地下水面の高さを容易に設定、変更できるようにしている。 カラム4の上部は、断熱材(発泡スチロール)8で囲まれた冷却室3とされており、冷凍庫からファンによって送り込まれる冷気により恒温環境が維持されるようになっている。 また、土壌カラム4内の地温が外気温の変化の影響を受けないように、カラム4の周囲を断熱材(ベニヤ板)9で囲み、外気と遮断している。

    【0025】実験用の土壌には、豊浦標準砂を用いた。
    土壌カラム4への豊浦標準砂の充填を水締め方式により行なうことにより、豊浦標準砂7が2本のカラム4内に均一に充填され、しかも封入空気が残存しないようにしている。

    【0026】圧力水頭の測定には、図1に関して前述したような構造を有するテンシオメーターを使用することにし、直径18mm、長さ6cmのセラミックス多孔質(孔径0.1〜1μm)からなるポーラスカップと半導体圧力変換型センサーを組み合わせたテンシオメーター(サンケイ理化社製、SK−5500型)を2本使用した。 テンシオメーター1および2の測定範囲は、0〜±100
    0cmH 2 Oであり、測定精度は、F. S. 0.5%(5cm
    2 O)である。 ポーラスカップは、各カラム4内の土壌表面下25cmに埋設し、テンシオメーター1をS1とし、テンシオメーター2をS2とした。 圧力水頭は、1
    0分毎に自動測定し、測定データは、データロガー(ユニパルス社製、U−LOGGER L810B型)にてICカード内に収録した。

    【0027】温度の測定には、銅−コンスタンタン熱電対(ネッシン社製、NT−350TUS3.2−100−
    10mED型)を用いた。 温度計T1からT6の測定範囲は、0〜350°Cで、測定精度は、±1°Cである。 測定は、土壌表面下25cmの地温2カ所(T1、T
    2)と、土壌表面直上(T3、T4)、土壌表面上約1
    4cm(テンシオメーターの圧力センサーの高さ;T5)
    および土壌カラム4周辺部の気温(T6)の4カ所について行った。 地温および気温は、10分毎に自動測定し、測定データは、データロガー(ユニパルス社製、U
    −LOGGER L822型)にてICカード内に収録した。

    【0028】テンシオメーター2内に充填するプロピレングリコール溶液の濃度測定には、偏光式ブライン濃度計(アタゴ社製、BR−1型)を用いた。 濃度計の測定範囲は、0〜70%で、測定精度は、±1%である。 プロピレングリコール濃度の測定は、実験開始前にテンシオメーター2に充填するときのプロピレングリコール溶液と実験終了時にテンシオメーター2内から採取したプロピレングリコール溶液について行った。

    【0029】実験は、脱気水とプロピレングリコール2
    5%溶液を使用した比較実験(Exp.1)と、脱気水とプロピレングリコール50%溶液を使用した比較実験(Ex
    p.2)とからなる。 S1のテンシオメーター1には、Ex
    p.1、Exp.2ともに脱気水を充填しており、S2のテンシオメーター2には、Exp.1では、プロピレングリコール25%溶液を、Exp.2では、プロピレングリコール5
    0%溶液を充填している。 各実験では、地下水面の高さをpF0〜1.8の任意の水分状態(pF0、0.5、1.
    0、1.3、1.5、1.6、1.7、1.8)になるように変化させていき、その間の圧力水頭の変化および地温、気温の変化を測定した。 なお、前述の各pF値の状態では、
    それぞれ圧力水頭が平衡に達するまでの地下水面を固定している。 地下水面の移動は、pF0(地下水面上昇がG.L.−25.0cm)の状態からスタートし、地下水面低下過程(排水過程)、地下水面上昇過程(吸水過程)
    の順に行っている。 冷却室内の温度環境については、気温の変化による圧力水頭測定値への影響をなくすため、
    15°C付近で一定に保たれている状態を設定した。

    【0030】テンシオメーター2内のプロピレングリコール溶液の濃度変化については、実験中にテンシオメーターからプロピレングリコール溶液を採取することが不可能なため、テンシオメーター内に充填するときの濃度と各実験の終了時の濃度を測定した。

    【0031】なお、Exp.1、Exp.2の開始に先立ち、S
    1、S2の両方に脱気水を充填した場合の比較実験などを行った結果、S1とS2の測定値の変化特性が同じであること、すなわち、カラムAとカラムBには、同じ土壌水分が設定されることを確認している。

    【0032】テンシオメーターの内外はポーラスカップの孔隙により連続しているため、プロピレングリコール溶液の土壌中への流出や、浸透圧によるプロピレングリコールの流出が考えられる。 プロピレングリコールが土壌中に流出した場合には、プロピレングリコールと水の物性の違いに起因して、土壌の水理特性が変化してしまう可能性がある。 そこで、土壌中の水分がプロピレングリコール溶液であるときの土壌物理特性を把握するため、水の代わりに濃度が25%と50%の2種類のプロピレングリコール溶液を試験用水に用いて透水試験、p
    F試験を行った。 なお、土壌水分中にプロピレングリコール溶液が含まれている状態を考えて物性試験を行っているため、ここでは、透水係数、pF〜水分特性曲線という用語をそのまま用いている。

    【0033】濃度が25%と50%の2種類のプロピレングリコール溶液を試験用水として、変水位法による透水試験を行った。 試験では、プロピレングリコール溶液で飽和させた土壌試料を使用している。 この透水試験結果によれば、プロピレングリコール溶液の濃度の増加とともに、透水係数は小さくなっていることがわかった。
    これは、主として、プロピレングリコール溶液の粘度が濃度の増加とともに大きくなることにより、浸透の抵抗となるためであると考えられる。

    【0034】濃度が25%と50%の2種類のプロピレングリコール溶液を試験用水として砂柱法、加圧板法によるpF試験を行い、プロピレングリコール溶液に対するpF〜水分特性曲線を求めた。 図4に各濃度のプロピレングリコール溶液に対するpF〜水分特性曲線を示す。 pF試験では、プロピレングリコール25%溶液、
    プロピレングリコール50%溶液ともに、pF2.0以上で試料からメスシリンダーへの排水が行われにくくなった。 そのため、排水の終了が確認しきれておらず、各p
    F値のときの体積含水率が幾らか多めに出ている可能性もある。

    【0035】図4で同じ同じ体積含水率に対する各溶液のpF値を見ると、プロピレングリコール25%溶液、
    プロピレングリコール50%溶液ともにpF1.7以下では脱気水(プロピレングリコール濃度0%)の場合よりも低いpF値(高い圧力水頭)をとっており、pF2.0
    以上では脱気水の場合よりも高いpF値(低い圧力水頭)をとっている。 各pF値のときの体積含水率の違いという観点で図4を見た場合には、プロピレングリコール25%溶液、プロピレングリコール50%溶液ともに、pF1.7以下では同じpF値の脱気水の場合よりも少ない体積含水率の状態であり、pF2.0以上では同じpF値の脱気水の場合よりも多い体積含水率の状態である。

    【0036】以上の試験結果から、プロピレングリコールが土壌中に漏出した場合には、透水性が低くなり、p
    F〜水分特性曲線が変化することがわかる。 しかし、漏出したプロピレングリコールが土壌水分中に占める割合は小さく、希釈されることや土壌中の水分が移動することなどから、実際の野外土壌中ではポーラスカップから漏出したプロピレングリコールによる影響は、濃度25
    %、50%のプロピレングリコール溶液による物性試験結果ほどは大きくないと考えられる。

    【0037】Exp.1では、S1、S2のテンシオメーターにそれぞれ脱気水、プロピレングリコール25%溶液を充填し、比較実験を行った。 排水過程ではpF値の増加、すなわち、圧力水頭が低下するに従ってS1とS2
    の圧力水頭測定値の差が大きくなった。 また、pF1.8
    の水分状態(圧力水頭ψ=−63.1cmH 2 O)では、S
    2の圧力水頭が平衡に達しなかった。 吸水過程では、p
    F1.8の状態から吸水を開始しているが、pF1.8からpF1.6まではS2の圧力水頭が平衡に達しなかった。
    平衡に達しない場合のS2の圧力水頭は、S1の圧力水頭よりも40cmH 2 O以上低い値で変化していた。

    【0038】温度測定結果によれば、温度計T1とT2
    に差がないこと、温度計T3とT4に差がなかったことから、カラムAとカラムBの温度環境(地温、気温)が同じであったことがわかった。

    【0039】テンシオメーター内のプロピレングリコール溶液の濃度は、実験開始時25%、実験終了時が16
    %であり、濃度の低下が見られた。 また、実験中のテンシオメーター内の脱気水、プロピレングリコール溶液の体積の減少は見られなかった。

    【0040】Exp.2では、S1、S2のテンシオメーターにそれぞれ脱気水、プロピレングリコール50%溶液を充填し、比較実験を行った。 排水過程では、pF値の増加、すなわち圧力水頭が低下するに従ってS1とS2
    の圧力水頭測定値の差が大きくなっている。 また、pF
    1.7〜1.8の水分状態(圧力水頭ψ=−50.1〜−63.
    1cmH 2 O)では、S2の圧力水頭が平衡に達しなかった。 吸水過程では、pF1.8の状態から吸水を開始しているが、pF1.8からpF1.5まではS2の圧力水頭が平衡に達しなかった。 平衡に達しない場合のS2の圧力水頭は、−40〜−60cmH 2 Oの間で変化しており、
    pF1.8の状態ではS1よりも高い値を示した。

    【0041】温度測定結果によると、温度計T1とT2
    に差がないこと、温度計T3とT4に差がないことから、カラムAとカラムBの温度環境(地温、気温)が同じであったことがわかった。

    【0042】テンシオメーター内のプロピレングリコール溶液の濃度は、実験開始時が46%、実験終了時が3
    2%であり、濃度の低下が見られた。 また、実験中のテンシオメーター内の脱気水、プロピレングリコール溶液の体積の減少は見られなかった。

    【0043】本発明者は、このようなExp.1およびExp.
    2の実験結果をもとに、テンシオメーターにプロピレングリコール溶液を使用した場合の測定値への影響特性について検討してみた。 図5は、Exp.1における平衡状態でのS1(脱気水を使用)とS2(プロピレングリコール25%溶液を使用)の圧力水頭測定値の関係を示している。 図6は、Exp.2における平衡状態でのS1(脱気水を使用)とS2(プロピレングリコール50%溶液を使用)の圧力水頭測定値の関係を示している。 また、各水分状態で平衡となったときのS1とS2の測定値の差は、図9の表に示すとおりである。 図5および6に於ける孤立点および図9の表における( ) 内の数値は、S2
    が平衡に達しなかった場合の圧力水頭測定値を示している。

    【0044】Exp.1の排水過程でS2の圧力水頭測定値が平衡に達したのは、図9の表に示されるようにpF0
    〜1.7の範囲である。 測定値が平衡に達しなかった状態でのS2の圧力水頭測定値は、図5に示されるように、
    −130〜100cmH 2 Oの値を示しており、S1の測定値の変化に対応した動きは見られない。 このことから、圧力水頭測定値が非平衡であるときは、プロピレングリコール溶液に膜切れが生じている状態であると考えられる。

    【0045】Exp.1では、pF1.8の状態まで排水した上で吸水過程の実験を開始しているため吸水過程のpF
    1.6〜1.8の範囲で非平衡な状態となっているが、排水過程をpF1.7以下までで終了して吸水過程を開始した場合には、吸水過程のpF1.6〜1.7の範囲でも平衡に達するであろうと推測される。 従って、プロピレングリコール25%溶液をテンシオメーターに使用する場合の測定範囲は、豊浦標準砂においてはpF0〜1.7(圧力水頭で0〜−50.1cmH 2 O)の範囲であると考えられる。

    【0046】Exp.2の排水過程でS2の圧力水頭測定値が平衡に達したのは、図9の表に示されるように、pF
    0〜1.6の範囲である。 測定値が平衡に達しなかった状態でのS2の圧力水頭測定値は、−60〜−40cmH 2
    Oの値を示し、S1の測定値の変化に対応した動きは見られない。 Exp.2においても、Exp.1と同様に、pF1.
    8の状態まで排水した上で吸水過程の実験を開始しているため吸水過程のpF1.5〜1.8の範囲でS2の圧力水頭測定値は非平衡な状態となっているが、排水過程をp
    F1.6以下までで終了して吸水過程を開始した場合には吸水過程のpF1.5〜1.6(圧力水頭で−31.6〜−3
    9.8cmH 2 O)の範囲においても平衡に達すると考えられる。

    【0047】以上の結果から、テンシオメーターへのプロピレングリコール溶液の使用による影響として、脱気水を使用した場合よりも土壌水分測定可能範囲が狭くなることが挙げられる。

    【0048】プロピレングリコール溶液をテンシオメーターに使用して豊浦標準砂の土壌水分測定を行ったとき、プロピレングリコール溶液を使用して得られた測定値をもとに脱気水を使用した場合の測定値(真の土壌水分)を得る必要がある。 そこで、Exp.1、Exp.2の実験結果をもとに、プロピレングリコール溶液の使用によるテンシオメーターの測定値への影響について検討した。
    なお、プロピレングリコール溶液に膜切れが生じている状態でのS2の圧力水頭測定値からS1の圧力水頭測定値を推定することが不可能であるため、ここではS2が平衡に達した水分状態についてのみ検討を行った。

    【0049】Exp.1、Exp.2の各水分状態で測定値が平衡状態にあるときのS1、S2の圧力水頭測定値は、図9に示すとおりであり、そのときのS2の圧力水頭測定値とS1の圧力水頭測定値の関係は、図7、図8のとおりである。 図7、図8における破線は、それぞれ回帰直線を示しており、次式で示される。 図7の回帰直線 S1=0.90×S2 (1) (但し、pF0≦S1≦1.7) [r=0.999 r:相関係数] 図8の回帰直線 S1=0.97×S2+0.52 (2) (但し、pF0≦S1≦1.6) [r=0.999] なお、実際に野外観測された土壌水分の解析において排水過程と吸水過程を区別することがまれであり、しかも、図7、図8では、排水過程と吸水過程との特性に違いが見られないことから、回帰直線は、排水過程と吸水過程の全データを対象に求めている。

    【0050】圧力水頭が正の値、すなわち飽和状態においては、S1とS2の差がExp.1では0.6cmH 2 O以内、Exp.2では1.2cmH 2 O以内であることから、プロピレングリコール溶液の使用による測定値への影響、すなわち浸透圧による影響はないと考えられる。

    【0051】圧力水頭が負の値、すなわち不飽和状態においては、図7、図8の回帰直線を見てわかるように、
    圧力水頭の低下に比例してS1とS2との圧力水頭の差が増加する傾向がある。 プロピレングリコール25%溶液を使用するときの測定可能範囲に上記(1)式を適用した場合、S1とS2との差は最大で5.6cmH 2 Oであり、pF1.65〜1.7(圧力水頭が−45〜−50.1cm
    2 O)の範囲でテンシオメーターの測定精度である5
    cmH 2 Oを越える。 しかし、一般に、土壌水分挙動解析では圧力水頭のcmH 2 O未満の単位を四捨五入して用いることが多いことから、測定可能範囲内のほとんどの土壌水分状態でS1とS2の差が測定精度以下の誤差の範囲にあるということができる。 一方、プロピレングリコール50%溶液を使用するときの測定可能範囲に上記(2)式を適用した場合には、S1とS2との差の最大値が0.7cmH 2 Oであり、テンシオメーターの測定精度である5cmH 2 Oよりかなり小さい。

    【0052】以上のことから、テンシオメーターにプロピレングリコール溶液を使用して豊浦標準砂の土壌水分を測定する場合、その測定可能範囲内での圧力水頭測定値は、真の圧力水頭(脱気水を使用したときの圧力水頭)に等しいと考えられる。

    【0053】前述した豊浦標準砂の結果をもとに、粒度などが異なる土壌でのテンシオメーターによる土壌水分測定にプロピレングリコール溶液を使用した場合の測定範囲および測定値への影響についても検討してみたが、
    測定可能範囲内の土壌水分状態においては、土壌の種類にかかわらず、プロピレングリコール溶液を使用したときの圧力水頭測定値は真の圧力水頭を示すことが確認できた。

    【0054】Exp.1、Exp.2において、実験に伴うテンシオメーター内のプロピレングリコール溶液の濃度低下が測定されている。 Exp.1、Exp.2ともに実験開始から実験終了までに約240時間を要しているが、その間に
    Exp.1では濃度が46%から32%まで低下し、Exp.2
    では濃度が25%から16%まで低下した。 テンシオメーター内のプロピレングリコール溶液の濃度低下は、プロピレングリコールの浸透圧によりポーラスカップから土壌中の水分へプロピレングリコールが漏出したために起きていると考えられる。 テンシオメーター内のプロピレングリコール溶液の濃度が低下する速度は、テンシオメーターの埋設管の長さや土壌水分の状態によって違ってくるはずである。

    【0055】テンシオメーター内のプロピレングリコール溶液の濃度が低下した場合、プロピレングリコール溶液の融点が上昇するため、不凍剤としての能力が低下することになる。 従って、プロピレングリコール溶液を使用してテンシオメーターによる土壌水分長期連続測定を行なう場合には、テンシオメーター内のプロピレングリコール溶液の濃度変化に注意することが必要である。

    【0056】以上説明したような豊浦標準砂を実験土壌に用いた土壌カラム実験、土壌物性試験の結果、確認できたことをまとめると以下のようである。

    【0057】(1)プロピレングリコール溶液をテンシオメーターに使用して豊浦標準砂の土壌水分を測定する場合、脱気水を使用した場合よりも土壌水分の測定が可能な範囲が狭くなり、濃度が25%の溶液の場合の測定範囲は、pF0〜1.7(圧力水頭で0〜−50.1cmH 2
    O)、濃度が50%の溶液の場合の測定範囲は、pF0
    〜1.6(圧力水頭で0〜−39.8cmH 2 O)である。

    【0058】(2)土壌が飽和した状態においては、プロピレングリコール溶液の使用によるテンシオメーターの測定値への影響、すなわち浸透圧による影響はないと考えられる。

    【0059】(3)上記(1)の測定範囲内においては、プロピレングリコール溶液の使用によるテンシオメーターの測定値への影響は測定精度以下の誤差の範囲にあるため、無視できる。

    【0060】(4)プロピレングリコール溶液をテンシオメーターに使用して各種土壌の土壌水分を測定する場合、最低でも、各種土壌のpF〜水分特性曲線における飽和〜空気侵入値の範囲の圧力水頭は測定できると考えられる。

    【0061】これらの結果から、プロピレングリコール溶液を使用したテンシオメーターによる冬期土壌水分測定について、脱気水を使用する場合よりも測定可能な土壌水分状態の範囲は狭くなるものの、圧力水頭測定値をそのまま真の圧力水頭として取り扱うことができる。

    【0062】

    【発明の効果】今まで物理的に不可能であった、低温環境下におけるテンシオメーターによる土壌水分測定が可能である。 これによって通年の土壌水分測定が可能である。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明において使用するテンシオメーターの構造例を示す概略図である。

    【図2】本発明の開発において使用した実験装置の概略構造を示す図である。

    【図3】本発明において使用するプロピレングリコール溶液の濃度と物性を示す表を示す図である。

    【図4】本発明において使用するプロピレングリコール溶液の濃度と水分特性曲線を示す図である。

    【図5】図2の実験装置での実験1によるカラムAおよびBの圧力水頭測定値の関係を示す図である。

    【図6】図2の実験装置での実験2によるカラムAおよびBの圧力水頭測定値の関係を示す図である。

    【図7】図2の実験装置での実験1によるカラムAおよびBの圧力水頭測定値の関係と回帰直線とを示す図である。

    【図8】図2の実験装置での実験2によるカラムAおよびBの圧力水頭測定値の関係と回帰直線とを示す図である。

    【図9】pF値における脱気水とプロピレングリコール溶液の圧力水頭測定値の差等を示す表を示す図である。

    【符号の説明】

    1 テンシオメーター 2 テンシオメーター 3 冷却室 4 土壌カラム 5 マノメーター 6 水位調整用タンク 7 豊浦標準砂 8 断熱材 9 断熱材 10 テンシオメーター 11 導管 12 ポーラスカップ 13 媒体タンク 14 センサーキャップ 15 エアー抜きバルブ 16 補給水バルブ 17 センサーコード

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