首页 / 专利库 / 温室和苗圃 / 温室 / 暖房 / 制御装置および農業用ハウス

制御装置および農業用ハウス

阅读:780发布:2020-05-08

专利汇可以提供制御装置および農業用ハウス专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且,下面是制御装置および農業用ハウス专利的具体信息内容。

作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、暖房装置(35,36)を制御してハウスの室内を暖房空調する制御装置(2)であって、 前記暖房装置を起動してから前記起動による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である起動遅れ時間を外気温度を用いて求め、起動時から前記起動遅れ時間後の起動用の将来室内温度を、室内温度の温度変化率を用いて予測し、または前記暖房装置を停止してから前記停止による温度低下効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である停止遅れ時間を外気温度を用いて求め、停止時から前記停止遅れ時間後の停止用の将来室内温度を、室内温度の温度変化率を用いて予測する演算処理部(21)と、 前記起動遅れ時間を基に予測した前記将来室内温度に応じて決定した起動タイミングに前記暖房装置の起動を制御し、または前記停止遅れ時間を基に予測した前記将来室内温度に応じて決定した停止タイミングに前記暖房装置の停止を制御する制御出部(20)と、 を備え、 前記制御出力部は、予測した前記起動用の将来室内温度が、前記室内の設定温度から所定温度低く設定された起動用判定温度を下回ると判定したときに、前記暖房装置を起動するように制御し、または予測した前記停止用の将来室内温度が、前記室内の設定温度から所定温度高く設定された停止用判定温度を上回ると判定したときに、前記暖房装置を停止するように制御する制御装置。作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、複数の暖房装置(35,36)を制御してハウスの室内を暖房空調する制御装置(2)であって、 前記複数の暖房装置のうち、回路を循環する冷媒の放熱作用によって空気を加熱するヒートポンプ装置(35)を起動してから前記起動による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である起動遅れ時間を外気温度を用いて求め、起動時から前記起動遅れ時間後の起動用の将来室内温度を、室内温度の温度変化率を用いて予測し、または前記ヒートポンプ装置(35)を停止してから前記停止による温度低下効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である停止遅れ時間を外気温度を用いて求め、停止時から前記停止遅れ時間後の停止用の将来室内温度を、室内温度の温度変化率を用いて予測する演算処理部(21)と、 前記起動遅れ時間を基に予測した前記将来室内温度に応じて決定した起動タイミングに前記ヒートポンプ装置の起動を制御し、または前記停止遅れ時間を基に予測した前記将来室内温度に応じて決定した停止タイミングに前記ヒートポンプ装置の停止を制御する制御出力部(20)と、 を備え、 前記制御出力部は、予測した前記起動用の将来室内温度が、前記室内の設定温度から所定温度低く設定された起動用判定温度を下回ると判定したときに、前記ヒートポンプ装置を起動するように制御し、または予測した前記停止用の将来室内温度が、前記室内の設定温度から所定温度高く設定された停止用判定温度を上回ると判定したときに、前記ヒートポンプ装置を停止するように制御し、 前記制御出力部は、 前記ヒートポンプ装置の暖房運転中に、前記室内の温度の所定時間にわたる平均値が、前記起動用判定温度を下回る場合には前記室内の温度を前記設定温度に近づけるように、前記複数の暖房装置のうち、燃料を用いて空気を加熱する暖房機(36)の暖房運転をさらに開始して制御し、 前記ヒートポンプ装置および前記暖房機の暖房運転中に、前記平均値が、前記停止用判定温度を上回る場合には前記暖房機の暖房運転を停止する制御装置。前記演算処理部は、前記室内の設定温度と外気温度との差と前記起動遅れ時間との関係を表した制御マップを用いて前記起動遅れ時間を求め、または前記室内の設定温度と外気温度との差と前記停止遅れ時間との関係を表した制御マップを用いて前記停止遅れ時間を求める請求項1または請求項2に記載の制御装置。作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、複数の暖房装置(35,36)を制御してハウスの室内を暖房空調する制御装置(2)であって、 暖房空調を行っていないときに前記室内を暖房空調する必要があるか否かを判定し、前記室内の設定温度に対して暖房空調中には暖房能力が不足しているか否かを判定する判定部(21)と、 暖房空調を必要とする場合に前記複数の暖房装置のうち、回路を循環する冷媒の放熱作用によって空気を加熱するヒートポンプ装置(35)を優先して前記室内の温度を前記設定温度に近づけるように暖房運転する制御出力部(20)と、 を備え、 前記制御出力部は、 前記ヒートポンプ装置の暖房運転中に前記室内の温度が前記設定温度よりも起動用所定温度低い下限値を所定時間下回り続ける場合には前記室内の温度を前記設定温度に近づけるように、燃料を用いて空気を加熱する暖房機(36)の暖房運転をさらに開始して制御し、 前記ヒートポンプ装置および前記暖房機の暖房運転中に前記室内の温度が前記設定温度よりも停止用所定温度高い上限値を所定時間上回り続ける場合には前記暖房機の暖房運転を停止する制御装置。作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、複数の暖房装置(35,36)を制御してハウスの室内を暖房空調する制御装置(2)であって、 暖房空調を行っていないときに前記室内を暖房空調する必要があるか否かを判定し、前記室内の設定温度に対して暖房空調中には暖房能力が不足しているか否かを判定する判定部(21)と、 暖房空調を必要とする場合に前記複数の暖房装置のうち、回路を循環する冷媒の放熱作用によって空気を加熱するヒートポンプ装置(35)を優先して前記室内の温度を前記設定温度に近づけるように暖房運転する制御出力部(20)と、 を備え、 前記制御出力部は、 前記ヒートポンプ装置の暖房運転中に、前記室内の温度の所定時間にわたる平均値が、前記設定温度よりも起動用所定温度低い下限値を下回る場合には前記室内の温度を前記設定温度に近づけるように、燃料を用いて空気を加熱する暖房機(36)の暖房運転をさらに開始して制御し、 前記ヒートポンプ装置および前記暖房機の暖房運転中に、前記平均値が、前記設定温度よりも停止用所定温度高い上限値を上回る場合には前記暖房機の暖房運転を停止する制御装置。作物(4)を生育するためにハウスの内部の室内環境を制御する農業用ハウス(1)であって、 ハウスの室内を暖房空調する暖房装置(35,36)と、 室内温度を検出する室内用の温度センサ(56)と、 外気温度を検出する屋外用の温度センサ(54)と、 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の制御装置(2)と、 を備える農業用ハウス。

说明书全文

この明細書における開示は、作物を栽培するハウス内の環境を制御する制御装置および農業用ハウスに関する。

特許文献1には、ヒートポンプ式空調装置と油焚き温風機とを用いて農業ハウス内の空調を行う空調システムが開示されている。油焚き温風機は、ハウス内の室内温度が第1の設定温度未満になると運転を開始し、第1の設定温度以上になると停止する。ヒートポンプ式空調装置は、室内温度が第1の設定温度よりも2℃〜3℃高い第2の設定温度未満になると運転を開始し、第2の設定温度以上になると停止する。

特開2012−16315号公報

特許文献1のように、それぞれに設定された運転温度範囲に基づいて稼働するヒートポンプ式空調装置と油焚き温風機とを組み合わせて室内の暖房を行う場合、それぞれの暖房装置が効率的に運転できるように制御することが難しい。以下のような具体的課題がある。

一つは、室内温度が外気温度の影響を受けて高温側や低温側にオーバーシュートしてしまうという課題である。暖房装置によって室内暖房を行う農業用ハウスでは、室内温度が設定温度に近づくように、個々の暖房装置が暖房起動温度で運転開始し暖房停止温度で運転停止して、ON/OFF暖房制御によって室内温度をフィードバックする制御を行っている。

しかしながら、外気温度や季節によって各暖房装置の温度応答遅れが異なるため、ON/OFF暖房制御では、室内温度がオーバーシュートすることがある。例えば、外気温度が低温である冬季には、室内温度が暖房起動温度まで低下したときに暖房運転を開始すると、さらに室内温度は低下し続け上昇に転じるまでに中間期よりも時間を要する。このように冬季では、暖房運転を開始してから、室内温度が暖房起動温度よりも下側に大きくオーバーシュートした後に温度上昇に転じることになる。春、秋等の中間期では、冬季に比べて外気温度が高いため、室内温度の応答遅れ時間が小さくなる。また、冬季における応答遅れ時間を考慮して暖房起動温度や暖房停止温度をチューニングした暖房装置を中間期に運転すると、室内温度の変化は高温側にずれて冬季よりも高温側にオーバーシュートすることになる。

もう一つは、例えば異なる運転温度範囲が個々に設定された複数の暖房装置を制御するハイブリッド暖房制御においては、特定の暖房装置が頻繁に停止してしまうという課題である。

特許文献1によると、油焚き温風機は第1の設定温度を境界にして起動と停止とが切り換わり、ヒートポンプ式空調装置は第1の設定温度よりも高い第2の設定温度を境界にして起動と停止とが切り換わる。室内温度が第1の設定温度未満であって暖房空調が必要な場合には、油焚き温風機とヒートポンプ式空調装置の両方によって暖房運転を行うことになる。そして室内温度が上昇し、第1の設定温度を超えると、油焚き温風機が停止し、ヒートポンプ式空調装置のみの暖房運転が行われる。さらに室内温度が上昇して第2の設定温度以上になると、ヒートポンプ式空調装置が停止し、暖房運転は終了する。暖房運転が終了すると、室内温度が低下し、第2の設定温度未満になると再びヒートポンプ式空調装置が起動する。このように特許文献1によれば、複数の暖房装置のうち、暖房能が小さい方のヒートポンプ式空調装置が頻繁に停止することになる。また、例えば、頻繁に停止する暖房装置が次の起動に時間を要する装置である場合はハイブリット暖房制御に支障を与えてしまう。

この明細書における開示の第1の目的は、外気温度の影響による室内温度のオーバーシュートを抑制可能な暖房制御を行う制御装置および農業用ハウスを提供することである。

この明細書における開示の第2の目的は、運転温度範囲が異なる複数の暖房装置を制御するハイブリッド暖房制御において、特定の暖房装置の頻繁な運転停止を抑制できる制御装置および農業用ハウスを提供することである。

この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。

前述の一つの目的を達成する制御装置のひとつは、作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、暖房装置(35,36)を制御してハウスの室内を暖房空調する制御装置(2)であって、 暖房装置を起動してから起動による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である起動遅れ時間を外気温度を用いて求め、起動時から起動遅れ時間後の起動用の将来室内温度を、室内温度の温度変化率を用いて予測し、または暖房装置を停止してから停止による温度低下効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である停止遅れ時間を外気温度を用いて求め、停止時から停止遅れ時間後の停止用の将来室内温度を、室内温度の温度変化率を用いて予測する演算処理部(21)と、 起動遅れ時間を基に予測した将来室内温度に応じて決定した起動タイミングに暖房装置の起動を制御し、または停止遅れ時間を基に予測した将来室内温度に応じて決定した停止タイミングに暖房装置の停止を制御する制御出力部(20)と、を備え 制御出力部は、予測した起動用の将来室内温度が、室内の設定温度から所定温度低く設定された起動用判定温度を下回ると判定したときに、暖房装置を起動するように制御し、または予測した停止用の将来室内温度が、室内の設定温度から所定温度高く設定された停止用判定温度を上回ると判定したときに、暖房装置を停止するように制御する。

この制御装置によれば、外気温度を用いて起動遅れ時間または停止遅れ時間を求めることにより、外気温度や季節によって異なる起動用の将来室内温度または停止用の将来室内温度を適正に予測することができる。起動用の将来室内温度に応じて決定した起動タイミングで暖房装置を起動するので、室内温度が低温側にオーバーシュートすることを様々な外気温度において抑えることができる。あるいは、停止用の将来室内温度に応じて決定した停止タイミングで暖房装置を停止するので、室内温度が高温側にオーバーシュートすることを様々な外気温度において抑えることができる。したがって、外気温度の影響による室内温度のオーバーシュートを抑制可能な暖房制御を実施する制御装置を提供できる。 前述の一つの目的を達成する制御装置のひとつは、作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、暖房装置(35,36)を制御してハウスの室内を暖房空調する制御装置(2)であって、 複数の暖房装置のうち、回路を循環する冷媒の放熱作用によって空気を加熱するヒートポンプ装置(35)を起動してから起動による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である起動遅れ時間を外気温度を用いて求め、起動時から起動遅れ時間後の起動用の将来室内温度を、室内温度の温度変化率を用いて予測し、またはヒートポンプ装置(35)を停止してから停止による温度低下効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である停止遅れ時間を外気温度を用いて求め、停止時から停止遅れ時間後の停止用の将来室内温度を、室内温度の温度変化率を用いて予測する演算処理部(21)と、 起動遅れ時間を基に予測した将来室内温度に応じて決定した起動タイミングにヒートポンプ装置の起動を制御し、または停止遅れ時間を基に予測した将来室内温度に応じて決定した停止タイミングにヒートポンプ装置の停止を制御する制御出力部(20)と、を備え 制御出力部は、予測した起動用の将来室内温度が、室内の設定温度から所定温度低く設定された起動用判定温度を下回ると判定したときに、ヒートポンプ装置を起動するように制御し、または予測した停止用の将来室内温度が、室内の設定温度から所定温度高く設定された停止用判定温度を上回ると判定したときに、ヒートポンプ装置を停止するように制御し、 制御出力部は、ヒートポンプ装置の暖房運転中に、室内の温度の所定時間にわたる平均値が、起動用判定温度を下回る場合には室内の温度を設定温度に近づけるように、複数の暖房装置のうち、燃料を用いて空気を加熱する暖房機(36)の暖房運転をさらに開始して制御し、ヒートポンプ装置および暖房機の暖房運転中に、平均値が、停止用判定温度を上回る場合には暖房機の暖房運転を停止する。 前述の一つの目的を達成する制御装置のひとつは、作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、複数の暖房装置(35,36)を制御してハウスの室内を暖房空調する制御装置(2)であって、 暖房空調を行っていないときに室内を暖房空調する必要があるか否かを判定し、室内の設定温度に対して暖房空調中には暖房能力が不足しているか否かを判定する判定部(21)と、 暖房空調を必要とする場合に複数の暖房装置のうち、回路を循環する冷媒の放熱作用によって空気を加熱するヒートポンプ装置(35)を優先して室内の温度を設定温度に近づけるように暖房運転する制御出力部(20)と、を備え 制御出力部は、ヒートポンプ装置の暖房運転中に室内の温度が設定温度よりも起動用所定温度低い下限値を所定時間下回り続ける場合には室内の温度を設定温度に近づけるように、燃料を用いて空気を加熱する暖房機(36)の暖房運転をさらに開始して制御し、ヒートポンプ装置および暖房機の暖房運転中に室内の温度が設定温度よりも停止用所定温度高い上限値を所定時間上回り続ける場合には暖房機の暖房運転を停止する。

前述のもう一つの目的を達成する制御装置のひとつは、作物(4)を生育するための農業用ハウス(1)において、複数の暖房装置(35,36)を制御してハウスの室内を暖房空調する制御装置(2)であって、 暖房空調を行っていないときに室内を暖房空調する必要があるか否かを判定し、室内の設定温度に対して暖房空調中には暖房能力が不足しているか否かを判定する判定部(21)と、 暖房空調を必要とする場合に複数の暖房装置のうち、回路を循環する冷媒の放熱作用によって空気を加熱するヒートポンプ装置(35)を優先して室内の温度を設定温度に近づけるように暖房運転する制御出力部(20)と、 を備え、 制御出力部は、ヒートポンプ装置の暖房運転中に室内の温度の所定時間にわたる平均値が、設定温度よりも起動用所定温度低い下限値を下回る場合には室内の温度を設定温度に近づけるように、燃料を用いて空気を加熱する暖房機(36)の暖房運転をさらに開始して制御し、ヒートポンプ装置および暖房機の暖房運転中に、平均値が、設定温度よりも停止用所定温度高い上限値を上回る場合には暖房機の暖房運転を停止する。

この制御装置によれば、暖房が必要な場合に、第1暖房装置を優先して暖房運転するので、暖房開始時にはまず第1暖房装置を運転するようになる。第1暖房装置の暖房運転中に暖房能力が不足する場合には、第1暖房装置の暖房運転に加えて、第2暖房装置の暖房運転を開始する。第1暖房装置および第2暖房装置の暖房運転中に暖房能力が過剰である場合には、第2暖房装置の暖房運転を停止する。この制御により、第1暖房装置と第2暖房装置とを組み合わせた暖房運転によって室内温度が上昇してきたときに第1暖房装置が停止し、再び室内温度が低下してきたときに第1暖房装置を再運転するといった事態を頻繁な運転変化を防止できる。したがって、運転温度範囲が異なる複数の暖房装置を制御するハイブリッド暖房制御において、特定の暖房装置の頻繁な運転停止を抑制可能な制御装置を提供できる。

農業用ハウスのひとつは、ハウスの室内を暖房空調する暖房装置(35,36)と、室内温度を検出する室内用の温度センサ(56)と、外気温度を検出する屋外用の温度センサ(54)と、前述の制御装置(2)と、を備える。

これにより、外気温度の影響による室内温度のオーバーシュートを抑制可能な暖房制御を行える農業用ハウスや運転温度範囲が異なる複数の暖房装置を制御するハイブリッド暖房制御において特定の暖房装置の頻繁な運転停止を抑制可能な農業用ハウスを提供できる。

第1実施形態に係る農業用ハウスとその制御構成について示した概要図である。

第1実施形態の暖房制御を示したメインフローチャートである。

ヒートポンプ装置の単独暖房制御のアルゴリズムを示したフローチャートである。

暖房機の単独暖房制御のアルゴリズムを示したフローチャートである。

ハイブリッド暖房制御のアルゴリズムを示したフローチャートである。

ヒートポンプ装置の単独暖房制御に関して室温変化と運転状態との関係を示したタイムチャートである。

ヒートポンプ装置の単独暖房制御において、起動遅れ時間を算出するための制御マップである。

ヒートポンプ装置の単独暖房制御において、停止遅れ時間を算出するための制御マップである。

暖房機の単独暖房制御に関して室温変化と運転状態との関係を示したタイムチャートである。

暖房機の単独暖房制御において、起動遅れ時間を算出するための制御マップである。

暖房機の単独暖房制御において、停止遅れ時間を算出するための制御マップである。

ハイブリッド暖房制御に関してヒートポンプ装置起動の要否判定処理を説明するためのタイムチャートである。

ハイブリッド暖房制御に関して暖房機起動の要否判定処理を説明するためのタイムチャートである。

ハイブリッド暖房制御に関して室温変化と運転状態との関係を示したタイムチャートである。

(第1実施形態) 第1実施形態に一形態としての農業用ハウス1を開示する。農業用ハウス1は、ハウス内で所定の作物4を生長させることを目的として、制御装置2によって、ハウス内を生長に適正な環境に制御する。制御する環境因子は、例えば、ハウス内における室温、湿度、二酸化炭素濃度、日射量等である。制御装置2は、これらの環境因子を適正に制御するために、各種の温度調整機器、湿度調整機器、風量調整機器、炭酸濃度調整機器、給調整機器、日射量調整機器等の作動を制御することができる環境制御コントローラである。

第1実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。農業用ハウス1は、風向き、風速、日照、降水の有無、ハウス内の室内温度、湿度、二酸化炭素濃度等を計測する各種センサと、ハウスの天窓やカーテンの開閉、空調装置の制御、ミストの発生、二酸化炭素の発生等を行う各種調整機器と、制御装置2とを備える。制御装置2は、ハウス本体3の内部における室内環境に関する複数箇所の測定値から求めた制御指標に応じた制御信号を各種調整機器に出力して、作物4の生育環境が最適となるように自動的に制御する。複数箇所に設けられた室内環境に関する測定値は、温度センサおよび湿度センサの検出値である。したがって、温度センサおよび湿度センサは、ハウス内において互いに離れた箇所でそれぞれの測定値を検出する。

ハウス本体3は、例えば、構造材としての金属製部材を組み合わせて構成されたフレームと、フレームにより支持された被覆材とを備える。被覆材は、透光性を有する合成樹脂フィルムやガラスが用いられる。図1に図示するハウス本体3は、切妻状の屋根部と、屋根部を支持し各組互いに対向する二組の側壁部と、を一体に備えるが、この形態は一例であって、ハウス本体3の構成を限定する趣旨ではない。また、ハウス本体3に他の材料を用いることや他の形状に形成することを妨げるものではない。

作物4は、ハウス本体3内に設けられたベッド38等の所定の容器内の用土において栽培されている。給水機37によって、水と肥料とを含んだ養液がパイプを通じて用土に供給されることにより、作物4は用土から栄養分を吸収して生育する。ベッド38は、例えば、ハウス内において所定の個数、均等の間隔をあけて列をなすように設置されている。

給水機37は、制御装置2によって制御される給水ポンプである。制御装置2は、1日のうち所定の時間帯に給水機37を運転して目標量の養液を用土に供給する。制御装置2は、日射センサ52によって検出された日射量に応じて、目標量に対して養液の供給量を加減するように給水機37を制御する。

循環扇33は、ハウス本体3内の上部において、作物4、温度センサ56、湿度センサ57、二酸化炭素センサ58、側窓31等よりも高い位置に設置された送風装置である。循環扇33は、制御装置2によって制御され、ハウス本体3内の気体を循環させて全体に行き渡らせる。このように循環扇33は、ハウス本体3内や作物4の周囲に気流を形成する気流形成装置を構成し、ハウス内における湿度、温度、二酸化炭素濃度等の調整を促し、また、作物4の生育を促すことにも寄与する。また、循環扇33は、ハウス内において気流を形成する場所を選択可能な形態で設置されることが好ましく、例えば、ハウス内において横または縦に延びるレール等に固定されることによって可動式であることが好ましい。

制御装置2は、それぞれ複数個設けられる、温度センサ56、湿度センサ57、二酸化炭素センサ58の各測定値を用いて制御指標を求める。制御装置2は、ハウス本体3内における複数箇所の測定値から求めた制御指標に応じて循環扇33を運転することで、ハウス内の室温を上昇または低下させたり、二酸化炭素濃度や湿度をハウス内において均一化させたりする制御を行う。制御装置2は、例えば、複数の測定値についての最大値、最小値、差、平均値等を求める演算によって制御指標を決定する。

複数個の温度センサ56、複数個の湿度センサ57は、平面視されたハウス内の四隅、側壁近傍など、気流が形成されにくく空気の流れがよどみやすい場所と、中央などの比較的気流が形成されやすい場所との両方に設置される。このため、温度センサ56および湿度センサ57は、ハウス内を多観点的で大局的に環境制御することに寄与する。制御装置2は、これらのセンサの各測定値を用いて、前述した演算によって制御指標を決定する。

ミスト発生器34は、ハウス内の上部において、作物4、湿度センサ57、側窓31よりも高い位置に設置されたミストチューブを備える。ミストチューブは、通水されるチューブの管壁に取り付けられた複数個のノズルを備え、ポンプ等によってチューブに通水される圧力を調節することによりノズルから水が噴霧されるように構成されている。したがって、ミストチューブは水を霧状に噴出させるため、霧はハウス内の上部から比較的時間をかけて落下し、ハウス内の湿度を徐々に上昇させることができる。さらにミスト発生器34による霧の噴出とともに循環扇33を運転することにより、ハウス内に霧を早く行き渡らせることができ、湿度の上昇を早めることもできる。

ミスト発生器34は、制御装置2によって制御される。制御装置2は、例えば1日のうち所定の時間帯にミスト発生器34を運転して目標量の霧を噴出し、ハウス内の湿度環境を目標範囲にするように制御する。制御装置2は、ハウス内の複数箇所における湿度の測定値から求めた制御指標に応じてミスト発生器34による霧の噴出量を調整して、ハウス内の湿度環境を目標範囲に制御する。

制御装置2は、日射センサ52によって検出された日射量に応じて、目標量に対して霧の供給量を加減するようにミスト発生器34を制御する。制御装置2は、湿度センサ57によって測定されたハウス内の相対湿度が低い場合に、ミスト発生器34を運転してハウス内に霧を供給し、相対湿度を上昇させる制御を行う。ミスト発生器34は、主に加湿を行う場合に運転されるが、ハウス内にミストを供給することにより気化熱作用を促して室温を低下させる温度低下装置として運転することもできる。

ハウス本体3には、屋根部から入射する外光を遮光させる閉状態と、屋根部から入射する外光を遮光しないで作物4に照射させる開状態との間で開閉可能なカーテン32が設けられている。カーテン32は、ハウス内に流入する日射量を調整する機能を有する遮光部材であり、冷房装置や暖房装置と併用されて、ハウス内を保冷したり保温したりする際に、活用される。さらにハウス本体3の屋根部には、開閉可能な天窓30が設けられ、天窓30の開量が調節されることにより、ハウス内に外気を取り込む際の空気の通気抵抗や換気量を調節できる。ハウス本体3の側壁部には、開閉可能な側窓31が設けられ、側窓31の開量が調節されることにより、ハウス内に外気を取り込む際の空気の通気抵抗や換気量を調節できる。つまり、天窓30や側窓31は、ハウスの内外を行き来する通気量を制御可能な窓である。

カーテン32、天窓30、側窓31のそれぞれは、モータ等の動力源により駆動され、制御装置2によって制御される。カーテン32が開閉されると、外部からハウス内に流入する日射量を調節することになり、ハウス内の室温について温度上昇の速度を調節することができる。したがって、制御装置2は、ハウス内の温度を低下させる場合には、カーテン32を閉じる方向に駆動し、ハウス内の温度を上昇させる場合には、カーテン32を開く方向に駆動するように制御する。ただし、暖房装置と併用する場合や外気温度が室温よりも低い場合は、制御装置2はカーテン32を閉じるように制御して保温を行う。

天窓30や側窓31は、例えば、昼間にはハウス内の室温を目標温度に近づけるように開閉され、夜間や冬季には閉じられる。制御装置2は、ハウス本体3内の複数箇所における温度の測定値から求めた制御指標に応じて天窓30、側窓31、カーテン32等の開閉量を調整して、ハウス内の温度環境を目標範囲に制御する。

天窓30や側窓31の開度を調節することにより、ハウス本体3の中に外気を取り入れる速度を調節することができる。また、天窓30や側窓31は、ハウス本体3の内部空間に外気を取り込むことにより、ハウス本体3の内外の温度差を利用して温度を調節することができる。

循環扇33と天窓30や側窓31とは、農業用ハウス1における気流形成装置を構成する。また、天窓30や側窓31は、循環扇33が運転していない状態でも単独で気流形成装置を構成することもできる。つまり、循環扇33が運転され、天窓30や側窓31が開いている場合には、ハウス本体3の内部に外気を強制的に取り込むことができ、ハウス内に外気流入を含む気流を形成できる。天窓30や側窓31が開いている場合には、外部の風向によってはハウス本体3の内部に一定以上の流速をもつ外気を取り込むことができ、ハウス内に外気流入を含む気流を形成できる。循環扇33は、このように気流形成装置として使用されて、室温の調整や湿度の調節だけでなく、ハウス内の二酸化炭素を拡散させることにも使用できる。

農業用ハウス1は、暖気や冷気をハウス内に供給可能な空調装置として機能するヒートポンプ装置35を備える。ヒートポンプ装置35は、室内を暖房する暖房運転や室内を冷房する冷房運転を実施できる。したがって、ヒートポンプ装置35は、農業用ハウス1に設けられた複数の暖房装置のうちの一つである。ヒートポンプ装置35は、その本体がハウスの屋外に設置され、本体から延びるダクトを介して、作物4の周囲などの任意の所定位置に空調風を吹き出すことができる。ヒートポンプ装置35の空調風により、作物4の周囲の温度を制御することができる。

ヒートポンプ装置35は、複数個の熱交換器、圧縮機、および減圧装置等を環状に配管で接続した回路において冷媒が循環するサイクルを構成する。ヒートポンプ装置35は、回路を循環する冷媒の放熱作用によって空気を加熱する第1暖房装置である。ヒートポンプ装置35は、冷媒の放熱作用により放熱用熱交換器で加熱された外気を暖気として送風する場合は、温度上昇装置として機能し、冷媒の吸熱作用により冷却用熱交換器で冷却された外気を冷気として送風する場合は、温度低下装置として機能する。ヒートポンプ装置35は、室内空気から水分を吸収して、ハウス内を除湿する除湿装置としても機能することができる。

ヒートポンプ装置35が暖房運転を行うと、室内温度が上昇するため、ハウス内の相対湿度は低下する。したがって、ヒートポンプ装置35は、除湿運転や暖房運転によって、ハウス内の相対湿度を調整可能な湿度調整機器として機能する。制御装置2は、ハウス本体3内の複数箇所における測定値から求めた制御指標に応じてヒートポンプ装置35の運転を制御して、ハウス内の温度環境や湿度環境を目標範囲に制御する。

農業用ハウス1は、暖気をハウス内に供給可能な暖房機36を備える。暖房機36は、作物4の周囲などの所定の位置に暖気を吹き出すことができる空調装置である。暖房機36は、暖房風により、作物4の周囲の温度を上昇させることができる温度上昇装置として機能する。したがって、暖房機36は、農業用ハウス1に設けられた複数の暖房装置のうちの一つである。

暖房機36は、例えば、電気ヒータ、温水式ヒータ、燃焼式ヒータ等により暖めた空気をハウス内に供給する。暖房機36、電気、温水、または燃料を用いて空気を加熱する第2暖房装置である。暖房機36が暖房運転を行うと、室内温度が上昇するため、ハウス内の相対湿度は低下する。したがって、暖房機36は、ハウス内の相対湿度を調整可能な湿度調整機器として機能する。制御装置2は、作物4の周囲における室温を生育に適した目標温度に保つように暖房機36を制御する。制御装置2は、ハウス本体3内の複数箇所における測定値から求めた制御指標に応じて暖房機36等の運転を制御して、ハウス内の温度環境や湿度環境を目標範囲に制御する。

農業用ハウス1は、ハウス内に二酸化炭素を供給する炭酸ガス発生機39を備える。制御装置2は、光合成を促進するために、ハウス内、特に作物4の周囲における炭酸ガス濃度を適切に保つように炭酸ガス発生機39を制御する。制御装置2は、例えば、1日のうち所定の時間帯に炭酸ガス発生機39を運転してハウス内の二酸化炭素濃度を目標値となるように調整する。炭酸ガス発生機39は、光合成促進装置である。制御装置2は、ハウス本体3内の複数箇所における二酸化炭素濃度の測定値から求めた制御指標に応じて炭酸ガス発生機39の運転を制御して、ハウス内の二酸化炭素濃度環境を目標範囲に制御する。また、炭酸ガス発生機39は、炭酸ガスを発生することにより室内温度を上昇させることが可能である。炭酸ガス発生機39は、農業用ハウス1に設けられた複数の暖房装置のうちの一つである。

農業用ハウス1は、作物4の生育に関わる環境情報を測定する複数個の各種センサを備える。各種センサは、例えば、風向センサ50、風速センサ51、日射センサ52、雨滴センサ53、屋外の温度センサ54、屋外の湿度センサ55、室内の温度センサ56、室内の湿度センサ57、二酸化炭素センサ58等を含む農業用ハウス1における環境センサである。

風向センサ50は、ハウス本体3の屋外における風向を検出する。風向センサ50により検出された風向情報は、制御装置2に入力されて、天窓30や側窓31に対する風向としてこれらの窓の開度制御に用いられる。風速センサ51は、ハウス本体3の屋外における風速を検出する。風速センサ51により検出された風速情報は、制御装置2に入力されて、天窓30や側窓31に対する風速としてこれらの窓の開度制御に用いられる。

日射センサ52は、ハウス本体3に降り注ぐ日射量を検出する。日射センサ52により検出された日射量情報は、制御装置2に入力されてハウス内に流入する熱量の見積もりに用いられ、カーテン32の開閉制御、室温制御に用いられる。また、検出された日射量は、雨天や夜間と、晴天の日中とを判断することにも用いることができる。

雨滴センサ53は、ハウス本体3の屋外に設けられた降雨の有無を検出可能な雨検出用のセンサである。雨滴センサ53によって雨が検知された場合には、作物に直接雨滴がかかることを防止するために、天窓30、側窓31を閉じるように制御する。これにより、作物が病気になることを防止する。雨滴センサ53は、例えば、パネル上に付着した雨を水分として検出するセンサであり、所定の電極間の電気抵抗を検出する。電気抵抗の検出値は制御装置2に入力され、制御装置2は、検出値がある抵抗値以下の場合は雨が現在降っていると判定する。また、雨滴センサ53は、パネル上に付着した雨を水圧として検出するセンサであってもよい。この場合、雨滴センサ53が検出する圧力は制御装置2に入力され、制御装置2は、検出値がある圧力値以上の場合は雨が現在降っていると判定する。

温度センサ54は、ハウス本体3の屋外における外気の温度を検出し、制御装置2に送る。湿度センサ55は、ハウス本体3の屋外における外気の湿度を検出し、制御装置2に送る。複数個の温度センサ56は、ハウス本体3の室内における温度、例えば作物4の周囲の温度を検出してこの温度環境値を制御装置2に送る。複数個の湿度センサ57は、ハウス本体3の室内における湿度、例えば作物4の周囲の湿度を検出する湿度検出手段であり、この湿度環境値を制御装置2に送る。複数個の二酸化炭素センサ58は、ハウス本体3の室内における二酸化炭素濃度、例えば作物4の周囲の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素濃度検出手段であり、二酸化炭素環境値を制御装置2に送る。

ハウス本体3の中で作物4が生長する環境は、各種の温度調整機器、湿度調整機器、風量調整機器、炭酸濃度調整機器、給水調整機器、日射量調整機器等を制御することによって変化する。前述のように、温度調整機器は、ハウス内の室温を調整するように制御可能な天窓30、側窓31、カーテン32、循環扇33、ミスト発生器34、ヒートポンプ装置35、暖房機36等により構成することができる。湿度調整機器は、ハウス内の相対湿度を調整するように制御可能なミスト発生器34、ヒートポンプ装置35、暖房機36、除湿機40等により構成することができる。風量調整機器は、ハウス内の気流を形成するように制御可能な天窓30、側窓31、循環扇33等により構成することができる。

また、炭酸濃度調整機器は、ハウス内の二酸化炭素濃度を調整するために制御される炭酸ガス発生機39等により構成することができる。また、給水調整機器は、作物4への給水を調整するために制御される給水機37等により構成することができる。また、日射量調整機器は、ハウス内に流入する日射量を調整するように制御可能なカーテン32等により構成することができる。

制御装置2は、給水機37の送水圧の調節、カーテン32の開閉、天窓30および側窓31の開量の調節、循環扇33、ミスト発生器34、炭酸ガス発生機39、暖房機36、およびヒートポンプ装置35のそれぞれの運転と停止などを制御する。各調整機器への通電開始および通電停止には、各装置への給電を入切する電磁リレーが用いられる。制御装置2は、ハウス本体3内またはハウス本体3の外部に設置された筐体に収納される。

制御装置2は、プログラムに従って動作するマイコンのようなデバイスを主なハードウェア要素として備える。制御装置2は、前述した各調整機器と各種センサとが接続されるインターフェース部20(以下、I/F部20ともいう)と、演算処理部21と、各種データを記憶する記憶部22と、を備える。演算処理部21は、I/F部20を通して各種センサから取得した環境情報と、記憶部22に格納した各種データとを用いて所定のプログラムにしたがった判定処理や演算処理を行う。演算処理部21は、制御装置2における判定部、演算処理部である。演算処理部21は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。I/F部20は、演算処理部21による判定結果、演算結果に基づいて前述の各調整機器を操作する。したがって、I/F部20は、制御装置2における入力部および制御出力部である。

また、I/F部20には、ユーザインターフェースとなる端末装置、例えば、パーソナルコンピュータ23、コントロールパネル、携帯用端末機等が接続される。使用者は、制御装置2の操作盤、パーソナルコンピュータ23の操作部、コントロールパネル、端末装置等を使用してハウス内における室温等の環境設定、時刻合わせ等を行うことができ、端末装置の表示画面を通じて現在の運転状態を確認することができる。

また、制御装置2が提供する手段段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置2がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。

次に、制御装置2が実行する暖房制御の一例について図2〜図5のフローチャート、図6〜図13を参照して説明する。この暖房制御は、作物4の生育促進のために常時実施するハウス内の環境制御の一つである。

図2は、暖房機36の単独暖房運転、ヒートポンプ装置35の単独暖房運転、ヒートポンプ装置35と暖房機36とを組み合わせたハイブリッド暖房運転のそれぞれに切り換え可能とする暖房制御のフローチャートである。この暖房制御は、農業用ハウス1が作物4を生育している状態であれば常時実行される。図2に示す処理は、制御装置2によって実行され、所定時間間隔で繰り返し行われる。

判定部である演算処理部21は、ステップ10で暖房機36が設置されている状態、換言すれば使用可能状態か否かを判定する。暖房機36が設置されていないと判定した場合には、ステップ15でヒートポンプ装置35が設置されている状態であるか否かを判定する。ヒートポンプ装置35が設置されていないと判定すると、再びステップ10に戻り、図2のフローチャートを繰り返し実行する。ヒートポンプ装置35が設置されていると判定すると、ステップ30でヒートポンプ装置の単独暖房制御ルーチンを実行する。ステップ30の制御を実行すると、再びステップ10に戻り、図2のフローチャートを繰り返し実行する。

ステップ10で設置されていると判定した場合には、ステップ20でヒートポンプ装置35が設置されている状態であるか否かを判定する。ヒートポンプ装置35が設置されていないと判定すると、ステップ40で暖房機の単独暖房制御ルーチンを実行する。ステップ40の制御を実行すると、再びステップ10に戻り、図2のフローチャートを繰り返し実行する。ステップ20でヒートポンプ装置35が設置されていると判定すると、ステップ50でハイブリッド暖房制御ルーチンを実行する。ステップ50の制御を実行すると、再びステップ10に戻り、図2のフローチャートを繰り返し実行する。また、ステップ10,15,20における設置状態であるか否かの判定は、各暖房装置について起動許可フラグが出ているか否かの判定に置き換えてもよい。

制御装置2は、暖房が必要な場合に、まずはヒートポンプ装置35を優先して運転し、ヒートポンプ装置35だけでは暖房能力が足りない状況になったときに暖房機36を運転してヒートポンプ装置35と組み合わせたハイブリッド暖房制御を実行する。制御装置2は、各暖房装置の単独制御、ハイブリッド暖房制御等を実行することにより、前述したように季節や外気温度の違いによって制御温度範囲がバラつく事態を解消して、年間を通じて安定的な暖房制御を実現する。

図3は、ヒートポンプ装置35の単独暖房制御に係るフローチャートである。図2のステップ30を実行する際に制御装置2は図3のフローチャートにしたがったアルゴリズムを実行する。

ステップ300で演算処理部21は、現在の室内温度と過去2分前の室内温度から温度微分値THD2mを算出する。温度微分値THD2mは、現在の室内温度が過去2分前の室内温度よりも下降している場合は正の数になり、上昇している場合は負の数になる値である。このときの室内温度は、複数の温度センサ56によって検出する室内空気の温度を用いる。室内温度には、複数の測定値の平均値や、複数の測定値のうちの高い方または低い方の値を用いられる。また、温度微分値THD2mを算出するための過去2分前の室内温度は、一例であり、2分前に限定されず過去の所定時間前の室内温度を採用してもよい。

ステップ310でヒートポンプ装置35が停止しているか否かを判定する。ヒートポンプ装置35が停止状態であると判定した場合は、ステップ320に進み、THD2mが0以上か否かを判定する。THD2mが負の数である場合は本フローチャートを終了する。THD2mが0以上である場合は、室内温度が下降している状態であるのでヒートポンプ装置35を起動する適切なタイミングを算出するために、ステップ321で起動遅れ時間HPonLを算出する。

起動遅れ時間HPonLは、ヒートポンプ装置35を起動後、下降中の室内温度が上昇に転じるまでの時間である。起動遅れ時間HPonLは、起動による暖房の効果が室内温度に現れる時が、起動時に対して遅れる時間でもある。起動遅れ時間HPonLは、ヒートポンプ装置35を起動してから室内温度が上昇するまでの起動無駄時間ともいえる。このような起動遅れ時間HPonLは、ヒートポンプ装置35の起動による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である。

ステップ321で求めた起動遅れ時間HPonLを用いて後述する所定の演算処理を行うことにより、起動遅れ時間HPonLが経過した際の将来室内温度THfHP1を予測する。制御装置2は、室内温度の温度変化率を用いて、常時、起動用の将来室内温度THfHP1を予測している。制御装置2は、将来室内温度THfHP1が制御したい制御温度範囲に含まれる温度になるように、ヒートポンプ装置35の適切な起動タイミングを決定する。

演算処理部21は、図7に図示する制御マップを用いて起動遅れ時間HPonLを算出する。図7のような制御マップは、予め記憶部22に記憶されている。この制御マップは、暖房制御時に設定された設定温度TSと温度センサ54が検出する外気温度TAMとの差と、起動遅れ時間HPonLとの相互関係を表した制御特性線である。HPonL(s)は、TS−TAM(℃)が増加するにつれて長くなる関係にある。したがって、演算処理部21は、TS−TAM(℃)と記憶部22に記憶済みの制御特性線とを用いた演算により、起動遅れ時間HPonL(s)を求めることができる。なお、TS−TAMの値が負の数である場合は、TS−TAMは0として演算を行う。

演算処理部21は、ステップ322において、現在の室内温度とステップ300で求めた温度微分値THD2mとを用いて、現在から起動遅れ時間HPonL後の室内温度、すなわち将来室内温度THfHP1を演算する。温度微分値を用いた演算により、温度低下率から所定時間後の温度を推定できるからである。

次のステップ323では、将来室内温度THfHP1が、設定温度TSから起動用所定温度HPonDFを差し引いた値よりも小さいか否かを判定する。起動用所定温度HPonDFは、制御したい制御温度範囲の下限値を設定するために、予め定めた温度である。TS−HPonDFの値は、制御温度範囲の下限値よりも少し高い温度に設定することが好ましい。TS−HPonDFの値は、制御温度範囲の下限値に設定してもよい。

ステップ323でTHfHP1が起動用判定温度であるTS−HPonDFの値よりも大きい場合にはヒートポンプ装置35を起動することなく、本フローチャートを終了する。THfHP1がTS−HPonDFの値を下回ると、ステップ324でヒートポンプ装置35を起動する処理を実行し、本フローチャートを終了する。すなわち、図6に図示するように、将来室内温度THfHP1が設定温度TSよりも低く設定された温度に一致する時、あるいは下回った時のタイミングでヒートポンプ装置35の運転を開始するのである。制御装置2は、この判定処理により、季節によって異なる外気温度に応じたタイミングであって、図6に図示するように、設定温度TSに対して低温側に所定の温度幅に含まれるように室内温度を制御することができる。

ステップ310でヒートポンプ装置35が停止状態ではないと判定した場合は、ステップ330に進み、THD2mが0未満か否かを判定する。THD2mが0または正の数である場合は本フローチャートを終了する。THD2mが負の数である場合は、室内温度が上昇している状態であるのでヒートポンプ装置35を停止する適切なタイミングを算出するために、ステップ331で停止遅れ時間HPoffLを算出する。

停止遅れ時間HPoffLは、ヒートポンプ装置35を停止後、上昇中の室内温度が下降に転じるまでの時間である。停止遅れ時間HPoffLは、停止による効果が室内温度に現れる時が停止時に対して遅れる時間でもある。停止遅れ時間HPoffLは、ヒートポンプ装置35を停止してから室内温度が下降するまでの停止無駄時間ともいえる。このような停止遅れ時間HPoffLは、ヒートポンプ装置35の停止による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である。

ステップ331で求めた停止遅れ時間HPoffLを用いて後述する所定の演算処理を行うことにより、停止遅れ時間HPoffLが経過した際の将来室内温度THfHP2を予測する。制御装置2は、室内温度の温度変化率を用いて、常時、停止用の将来室内温度THfHP2を予測している。制御装置2は、将来室内温度THfHP2が制御したい制御温度範囲に含まれる温度になるように、ヒートポンプ装置35の適切な停止タイミングを決定する。

演算処理部21は、図8に図示する制御マップを用いて停止遅れ時間HPoffLを算出する。図8のような制御マップは、予め記憶部22に記憶されている。この制御マップは、暖房制御時に設定された設定温度TSと温度センサ54が検出する外気温度TAMとの差と、停止遅れ時間HPoffLとの相互関係を表した制御特性線である。HPoffL(s)は、TS−TAM(℃)が増加するにつれて短くなる関係にある。したがって、演算処理部21は、TS−TAM(℃)と記憶部22に記憶済みの制御特性線とを用いた演算により、停止遅れ時間HPoffL(s)を求めることができる。

演算処理部21は、ステップ332において、現在の室内温度とステップ300で求めた温度微分値THD2mとを用いて、現在から停止遅れ時間HPoffL後の室内温度、すなわち将来室内温度THfHP2を演算する。次のステップ333では、将来室内温度THfHP2が、設定温度TSに停止用所定温度HPoffDFを加えた値以上であるか否かを判定する。停止用所定温度HPoffDFは、制御したい制御温度範囲の上限値を設定するために、予め定めた温度である。TS+HPoffDFの値は、制御温度範囲の上限値よりも少し低い温度に設定することが好ましい。また、TS+HPoffDFの値は、制御温度範囲の上限値に設定してもよい。

ステップ333でTHfHP2が停止用判定温度であるTS+HPoffDFの値よりも小さい場合には運転状態であるヒートポンプ装置35を停止することなく、本フローチャートを終了する。THfHP2がTS+HPoffDFの値以上になると、ステップ334でヒートポンプ装置35を停止する処理を実行し、本フローチャートを終了する。すなわち、図6に図示するように、将来室内温度THfHP2が設定温度TSよりも高く設定された温度に一致する時、あるいは上回った時のタイミングでヒートポンプ装置35の運転を停止するのである。

制御装置2は、この判定処理により、季節によって異なる外気温度に応じたタイミングであって、図6に図示するように設定温度TSに対して高温側に所定の温度幅に含まれるように室内温度を制御することができる。制御装置2は、以上のヒートポンプ装置35の単独暖房制御を実行することにより、図6に図示するように、設定温度TSに対して上下の両方に所定の温度幅をもって設定された上限温度と下限温度との範囲内に、室内温度を制御することができる。

図4は、暖房機36の単独暖房制御に係るフローチャートである。図2のステップ40を実行する際に制御装置2は図4のフローチャートにしたがったアルゴリズムを実行する。

ステップ400で演算処理部21は、現在の室内温度と過去2分前の室内温度から温度微分値THD2mを算出する。温度微分値THD2mは、ステップ300で算出する温度微分値と同じ演算値である。

ステップ410で暖房機36が停止しているか否かを判定する。暖房機36が停止状態であると判定した場合は、ステップ420に進み、THD2mが0以上か否かを判定する。ステップ420でTHD2mが負の数である場合は本フローチャートを終了する。THD2mが0以上である場合は、室内温度が下降している状態であるので暖房機36を起動する適切なタイミングを算出するために、ステップ421で起動遅れ時間HTonLを算出する。

起動遅れ時間HTonLは、暖房機36を起動後、下降中の室内温度が上昇に転じるまでの遅れ時間である。起動遅れ時間HTonLは、暖房機36を起動してから室内温度が上昇するまでの起動無駄時間ともいえる。このような起動遅れ時間HTonLは、暖房機36の起動による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である。

ステップ421で求めた起動遅れ時間HTonLを用いて後述する所定の演算処理を行うことにより、起動遅れ時間HTonLが経過した際の将来室内温度THfHT1を予測する。制御装置2は、室内温度の温度変化率を用いて、常時、起動用の将来室内温度THfHT1を予測している。制御装置2は、将来室内温度THfHT1が制御したい制御温度範囲に含まれる温度になるように、暖房機36の適切な起動タイミングを決定する。

演算処理部21は、図10に図示する制御マップを用いて起動遅れ時間HTonLを算出する。図10のような制御マップは、予め記憶部22に記憶されている。この制御マップは、暖房制御時に設定された設定温度TSと温度センサ54が検出する外気温度TAMとの差と、起動遅れ時間HTonLとの相互関係を表した制御特性線である。HTonL(s)は、TS−TAM(℃)が増加するにつれて長くなる関係にある。したがって、演算処理部21は、TS−TAM(℃)と記憶部22に記憶済みの制御特性線とを用いた演算により、起動遅れ時間HTonL(s)を求めることができる。

演算処理部21は、ステップ422において、現在の室内温度とステップ400で求めた温度微分値THD2mとを用いて、現在から起動遅れ時間HTonL後の室内温度、すなわち将来室内温度THfHT1を演算する。

次のステップ423では、将来室内温度THfHT1が、設定温度TSから起動用所定温度HTonDFを差し引いた値よりも小さいか否かを判定する。起動用所定温度HTonDFは、制御したい制御温度範囲の下限値を設定するために、予め定めた温度である。TS−HTonDFの値は、制御温度範囲の下限値よりも少し高い温度に設定することが好ましい。TS−HTonDFの値は、制御温度範囲の下限値に設定してもよい。

ステップ423でTHfHT1が起動用判定温度であるTS−HTonDFの値よりも大きい場合には暖房機36を起動することなく、本フローチャートを終了する。THfHT1がTS−HTonDFの値を下回ると、ステップ424で暖房機36を起動する処理を実行し、本フローチャートを終了する。すなわち、図9に図示するように、将来室内温度THfHT1が設定温度TSよりも低く設定された温度に一致する時、あるいは下回った時のタイミングで暖房機36の運転を開始するのである。制御装置2は、この判定処理により、季節によって異なる外気温度に応じたタイミングであって、図9に図示するように設定温度TSに対して低温側に所定の温度幅に含まれるように室内温度を制御することができる。

ステップ410で暖房機36が停止状態ではないと判定した場合は、ステップ430に進み、THD2mが0未満か否かを判定する。THD2mが0または正の数である場合は本フローチャートを終了する。THD2mが負の数である場合は、室内温度が上昇している状態であるので暖房機36を停止する適切なタイミングを算出するために、ステップ431で停止遅れ時間HToffLを算出する。

停止遅れ時間HToffLは、暖房機36を停止後、上昇中の室内温度が下降に転じるまでの遅れ時間である。停止遅れ時間HToffLは、暖房機36を停止してから室内温度が下降するまでの停止無駄時間ともいえる。このような停止遅れ時間HToffLは、暖房機36の停止による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である。

ステップ431で求めた停止遅れ時間HToffLを用いて後述する所定の演算処理を行うことにより、停止遅れ時間HToffLが経過した際の将来室内温度THfHT2を予測する。制御装置2は、室内温度の温度変化率を用いて、常時、停止用の将来室内温度THfHT2を予測している。制御装置2は、将来室内温度THfHT2が制御したい制御温度範囲に含まれる温度になるように、暖房機36の適切な停止タイミングを決定する。

演算処理部21は、図11に図示する制御マップを用いて停止遅れ時間HToffLを算出する。図11のような制御マップは、予め記憶部22に記憶されている。この制御マップは、暖房制御時に設定された設定温度TSと温度センサ54が検出する外気温度TAMとの差と停止遅れ時間HToffLとの相互関係を表した制御特性線である。HToffL(s)は、TS−TAM(℃)が増加するにつれて短くなる関係にある。したがって、演算処理部21は、TS−TAM(℃)と記憶部22に記憶済みの制御特性線とを用いた演算により、停止遅れ時間HToffL(s)を求めることができる。

演算処理部21は、ステップ432において、現在の室内温度とステップ400で求めた温度微分値THD2mとを用いて、現在から停止遅れ時間HToffL後の室内温度、すなわち将来室内温度THfHT2を演算する。次のステップ433では、将来室内温度THfHT2が、設定温度TSに停止用所定温度HToffDFを加えた値以上であるか否かを判定する。停止用所定温度HToffDFは、制御したい制御温度範囲の上限値を設定するために、予め定めた温度である。TS+HToffDFの値は、制御温度範囲の上限値よりも少し低い温度に設定することが好ましい。また、TS+HTonDFの値は、制御温度範囲の上限値に設定してもよい。

ステップ433でTHfHT2が停止用判定温度であるTS+HToffDFの値よりも小さい場合には運転状態である暖房機36を停止することなく、本フローチャートを終了する。THfHT2がTS+HToffDFの値以上になると、ステップ434で暖房機36を停止する処理を実行し、本フローチャートを終了する。すなわち、図9に図示するように、将来室内温度THfHT2が設定温度TSよりも高く設定された温度に一致する時、あるいは上回った時のタイミングで暖房機36の運転を停止するのである。

制御装置2は、この判定処理により、季節によって異なる外気温度に応じたタイミングであって、図9に図示するように設定温度TSに対して高温側に所定の温度幅に含まれるように室内温度を制御することができる。制御装置2は、以上の暖房機36の単独暖房制御を実行することにより、図9に図示するように、設定温度TSに対して上下の両方に所定の温度幅をもって設定された上限温度と下限温度との範囲内に、室内温度を制御することができる。制御装置2は、ヒートポンプ装置35および暖房機36の制御において個々の装置の起動時や停止時の温度応答遅れ等の特性に基づいて室内温度の変化を予測し、予測値に基づいて決定した起動温度や停止温度によって制御することで前述の課題を解決する。

図5は、ハイブリッド暖房制御に係るフローチャートである。このハイブリッド暖房制御は、図14に示すタイムチャートのように作動する。図2のステップ50を実行する際に制御装置2は図5のフローチャートにしたがったアルゴリズムを実行する。

ステップ510で演算処理部21は、暖房機36の起動許可フラグが出ているか否かを判定する。図5のステップ510で記載するXHTon=0は、暖房機36の起動不可を示している。ステップ510でNOと判定すると、暖房機起動の許可と判断して、ステップ515でまずヒートポンプ装置35を起動して優先的にヒートポンプ装置35を運転し、さらにステップ550に進み暖房機36の単独暖房制御を実行する。ステップ550では、前述したように、図4、図9、図10および図11を参照して説明した暖房機36の単独暖房制御のアルゴリズムを実行してハイブリッド暖房を行う。

ステップ510でYESと判定すると、ステップ520に進み、まずはヒートポンプ装置35の単独暖房制御を実行する。これにより、ヒートポンプ装置35のみでの暖房運転が行われることになる。ステップ520では、前述したように、図3、図6、図7および図8を参照して説明したヒートポンプ装置35の単独暖房制御のアルゴリズムを実行する。そして以降のステップ530、ステップ540の判定処理によって、ヒートポンプ装置35と暖房機26とによる暖房制御を許可するか否かを判定する。

次のステップ530では、ヒートポンプ装置35の連続運転時間HPonTが所定の判定時間T1以上経過しているか否かを判定する。ステップ530でHPonTがT1未満であると判定すると、ステップ580に進み、XHTon=0に設定する処理を実行し、本フローチャートを終了する。

ステップ530でHPonTがT1以上であると判定すると、ステップ540で、ヒートポンプ装置35を起動後、4分間の室内温度の平均値TH4mavが、設定温度TSから起動用所定温度HPonDFを差し引いた値未満であるか否かを判定する。TS−HPonDFの値は、制御温度範囲の下限値によりも少し高い温度に設定することができる。また、TS−HPonDFの値は、制御温度範囲の下限値に設定してもよい。また、室内温度の平均値TH4mavを演算するための所定時間は、4分に限定するものではない。

ステップ540でTH4mavがTS−HPonDFの値以上である場合には室内温度が制御温度範囲であるので、暖房能力が不足していないと判断してハイブリッド暖房制御を許可しない。そして、ステップ580に進み、XHTon=0に設定する処理を実行し、本フローチャートを終了する。

ステップ540でTH4mavがTS−HPonDFの値より低い場合には、図12に図示するように、室内温度が制御温度範囲を下回っているので、暖房能力が不足していると判断してステップ550に進み、暖房機36の単独暖房制御を実行する。これにより、ハイブリッド暖房制御を許可して、ヒートポンプ装置35と暖房機26とによる暖房運転が行われる。

ヒートポンプ装置35と暖房機26とによる暖房運転が行われている状態で、制御装置2は、以降のステップ560、ステップ570の判定処理によって、暖房能力が過剰であるか否かを判定する。

次のステップ560では、暖房機36の連続運転時間HTonTが所定の判定時間T2以上経過しているか否かを判定する。ステップ560でHTonTがT2未満であると判定すると、ステップ575に進み、XHTon=1に設定する処理を実行し、本フローチャートを終了する。

ステップ560でHTonTがT2以上であると判定すると、ステップ570で、暖房機36を起動後、4分間の室内温度の平均値TH4mavが、設定温度TSから停止用所定温度HToffDFを加えた値以上であるか否かを判定する。TS+HToffDFの値は、制御温度範囲の上限値に設定することが好ましい。ステップ540と同様に、室内温度の平均値TH4mavを演算するための所定時間は、4分に限定するものではない。

ステップ570でTH4mavがTS+HToffDFの値未満である場合には室内温度が制御温度範囲であるので、暖房能力が過剰ではないと判断し、ステップ575でXHTon=1に設定する処理を実行し、本フローチャートを終了する。ステップ570でTH4mavがTS+HToffDFの値以上である場合には、暖房能力が過剰であると判断し、ステップ575でXHTon=0に設定する処理を実行し、本フローチャートを終了する。したがって、ステップ580で暖房機36の運転を禁止し、ヒートポンプ装置35のみの暖房運転に切り換わる。この処理により、暖房能力が低下するので室内温度が時間とともに低下していき、制御温度範囲の上限値を下回るようになる。

以上のように、制御装置2は、複数の暖房装置のうち、暖房能力が小さい第1の暖房装置を優先的に運転した上で、暖房能力が不足する場合に暖房能力が大きい第2の暖房装置を運転して能力不足を補う。さらに暖房能力が過剰である場合には第2の暖房装置の運転を停止して室内温度を制御温度範囲に調整する。したがって、制御装置2は、第1の暖房装置と第2の暖房装置とを、それぞれ所定の運転温度範囲に基づいて制御するのではなく、一方の暖房装置を優先的に運転し、暖房能力が不足する場合や過剰な場合に他方の暖房装置の起動、停止を行う。

次に、第1実施形態の制御装置2がもたらす作用効果について説明する。演算処理部21は、暖房装置を起動してから起動による温度上昇効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である起動遅れ時間HPonL,HTonLを外気温度TAMを用いて求める。演算処理部21は、起動時から起動遅れ時間後の起動用の将来室内温度THfHP1,THfHT1を予測する。または演算処理部21は、暖房装置を停止してから停止による温度低下効果が室内温度の変化に現れるまでの時間である停止遅れ時間HPoffL,HToffLを外気温度TAMを用いて求める。演算処理部21は、停止時から停止遅れ時間後の停止用の将来室内温度THfHP2,THfHT2を予測する。I/F部20は、起動遅れ時間を基に予測した将来室内温度に応じて決定した起動タイミングに暖房装置の起動を制御し、または停止遅れ時間を基に予測した将来室内温度に応じて決定した停止タイミングに暖房装置の停止を制御する。

この制御によれば、外気温度を用いて起動遅れ時間または停止遅れ時間を求めるため、外気温度や季節によって異なる起動用の将来室内温度または停止用の将来室内温度を適正に予測することができる。これにより、例えば、冬季と中間期とで制御温度にばらつきやずれが生じることを抑制することができる。さらに起動用の将来室内温度に応じて決定した起動タイミングで暖房装置を起動するため、室内温度が低温側に大きくオーバーシュートしてしまうことを外気温度にかかわらず抑えることができる。また、停止用の将来室内温度に応じて決定した停止タイミングで暖房装置を停止するため、室内温度が高温側に大きくオーバーシュートすることを外気温度にかかわらず抑えることができる。したがって、外気温度の影響による室内温度のオーバーシュートを抑制可能な暖房制御を実現できる。

また、演算処理部21は、起動時から起動遅れ時間後の起動用の将来室内温度THfHP1,THfHT1を予測し、かつ停止遅れ時間HPoffL,HToffLを外気温度TAMを用いて求める。そして演算処理部21は、停止時から停止遅れ時間後の停止用の将来室内温度THfHP2,THfHT2を予測する。I/F部20は、起動遅れ時間を基に予測した将来室内温度に応じて決定した起動タイミングに暖房装置の起動を制御し、かつ停止遅れ時間を基に予測した将来室内温度に応じて決定した停止タイミングに暖房装置の停止を制御する。

この制御によれば、外気温度を用いて起動遅れ時間および停止遅れ時間を求めるため、外気温度や季節によって異なる起動用の将来室内温度および停止用の将来室内温度を適正に予測することができる。これにより、例えば、冬季と中間期とで制御温度にばらつきやずれが生じることを室内の制御温度範囲の上限側と下限側の両方で抑制することができる。したがって、外気温度の影響による室内温度のオーバーシュートを上限側と下限側の両方において抑制可能な暖房制御を実現できる。

また、演算処理部21は、現時点で予測した起動用の将来室内温度THfHP1,THfHT1が、室内の設定温度から所定温度低く設定された起動用判定温度を下回ると判定したときに、暖房装置を起動する。演算処理部21は、現時点で予測した停止用の将来室内温度THfHP2,THfHT2が、室内の設定温度から所定温度高く設定された停止用判定温度を上回ると判定したときに、暖房装置を停止する。これによれば、室内温度を制御したい設定温度範囲内に収めるように制御することができる。

また、起動用判定温度は、使用者の設定行為により、室内の設定温度範囲の下限値に設定される。停止用判定温度は、使用者の設定行為により、室内の設定温度範囲の上限値に設定される。これによれば、設定温度範囲の下限値で起動し、設定温度範囲の上限値で停止するように温度制御することができる。

また、演算処理部21は、室内の設定温度と外気温度との差と起動遅れ時間との関係を表した制御マップを用いて起動遅れ時間を求め、室内の設定温度と外気温度との差と停止遅れ時間との関係を表した制御マップを用いて停止遅れ時間を求める。これによれば、実験値や経験値に基づいて予め記憶した制御マップによって、再現性の高い暖房制御を実施できる。

制御装置2は、暖房空調を行っていないときに室内を暖房空調する必要があるか否かを判定し、室内の設定温度に対して暖房空調中には暖房能力が不足しているか否かを判定する演算処理部21を備える。制御装置2は、暖房空調を必要とする場合に複数の暖房装置のうちヒートポンプ装置35を優先して室内の温度を設定温度に近づけるように暖房運転するI/F部20を備える。

I/F部20は、ヒートポンプ装置35の暖房運転中に室内の設定温度に対して暖房能力が不足する場合には暖房機36の暖房運転をさらに開始し室内の温度を設定温度に近づけるように制御する。ヒートポンプ装置35および暖房機36の暖房運転中に室内の設定温度に対して暖房能力が過剰である場合には暖房機36の暖房運転を停止する。

この制御装置によれば、暖房が必要な場合に、暖房能力の小さい方のヒートポンプ装置35を優先して暖房運転するので、暖房開始時にはまずヒートポンプ装置35を運転する。ヒートポンプ装置35の暖房運転中に暖房能力が不足する場合には、ヒートポンプ装置35の暖房運転に加えて、暖房能力が大きい方の暖房機36の暖房運転を開始する。ヒートポンプ装置35および暖房機36の暖房運転中に暖房能力が過剰である場合には、暖房機36の暖房運転を停止する。この制御により、両方の暖房装置を組み合わせた暖房運転によって室内温度が上昇してきたときに暖房能力が小さい方のヒートポンプ装置35が停止し、再び室内温度が低下してきたときにヒートポンプ装置35を再運転するといった頻繁な運転変化を防止できる。ヒートポンプ装置35は再起動するのに時間を要する機器であるため有用である。

農業用ハウス1は、ハウスの室内を暖房空調する暖房装置と、室内温度を検出する室内用の温度センサ56と、外気温度を検出する屋外用の温度センサ54と、制御装置2と、を備える。これによれば、外気温度の影響による室内温度のオーバーシュートを抑制可能な暖房制御を行える農業用ハウスや運転温度範囲が異なる複数の暖房装置を制御するハイブリッド暖房制御において特定の暖房装置の頻繁な運転停止を抑制できる農業用ハウスを提供する。

(他の実施形態) この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。

前述の実施形態において、起動用所定温度HPonDFと停止用所定温度HPoffDFは、同じ値でもよいし、異なる値でもよい。また、起動用所定温度HTonDFと停止用所定温度HToffDFは、同じ値でもよいし、異なる値でもよい。

前述の実施形態において、制御装置2は、暖房空調を必要とする場合に複数の暖房装置のうち暖房機36を優先して暖房運転するI/F部20を備えてもよい。そしてI/F部20は、暖房機36の暖房運転中に暖房能力が不足する場合にはヒートポンプ装置35の暖房運転をさらに開始する。ヒートポンプ装置35および暖房機36の暖房運転中に暖房能力が過剰である場合にはヒートポンプ装置35の暖房運転を停止する。

前述の実施形態の暖房制御において常時監視する室内温度は、温度センサ56による検出値を採用してもよいし、各暖房装置が備える温度検出装置によって検出してもよい。 ステップ20やステップ20Aでは、窓やカーテンのいずれかを制御することを説明したが、窓、カーテン、除湿装置のうち複数を制御するようにしてもよい。この場合には、結露が発生しにくい状況を迅速に実現することができる。

前述の実施形態では、温度センサ56および湿度センサ57が室内の所定の2箇所において室内環境を検出することを説明しているが、これらのセンサの設置箇所は1個でもよいし、2個以上であってもよい。

前述の実施形態において、制御装置2は、パーソナルコンピュータが備えるインターフェース部あるいはパーソナルコンピュータに追加されるインターフェース部を通して、各種センサの出力を受け取り、また各調整機器への指示を与えるように構成してもよい。すなわち、パーソナルコンピュータでプログラムを実行することによって、パーソナルコンピュータを制御装置2として機能させることができる。

前述の実施形態において、制御装置2のI/F部20に、天気予報の情報を外部から取得する通信インターフェース部を備えるようにしてもよい。この場合、制御装置2は、I/F部20を通して取得した天気予報の情報から、作物4の周囲湿度を予測し、予測結果に基づいて、給水機37によるベッド38への給水量を調整することができる。

前述の実施形態において、作物4の一例としてトマトであることを記載しているが、作物4は、トマトに限定されるものではなく、その他の野菜や果物であってもよい。

1…農業用ハウス、 2…制御装置、 4…作物 20…インターフェース部(制御出力部)、 21…演算処理部(判定部) 35…ヒートポンプ装置(暖房装置、第1暖房装置) 36…暖房機(暖房装置、第2暖房装置)

高效检索全球专利

专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

申请试用

分析报告

专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

申请试用

QQ群二维码
意见反馈