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車両用空調装置

阅读:435发布:2020-05-11

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温熱発生部と、冷熱発生部と、前記温熱発生部と前記冷熱発生部の少なくともいずれか一方に導入する空気を車室内の内気と車室外の外気のいずれかに切り換える導入空気切り換え部と、を有し、導入空気を、前記温熱発生部と前記冷熱発生部の少なくともいずれか一方を通過させて車室内に流入させる主熱交換装置と、 コンプレッサから吐出された冷媒の熱を周囲に放熱するコンデンサと、前記コンデンサから流出した冷媒を膨張弁によって膨張させた後に周囲の熱を内部に吸熱するエバポレータと、を有し、前記コンデンサと前記エバポレータが一体の熱交換ブロックとして構成されているとともに、前記主熱交換装置と分離して、車両の換気用の排熱通路に臨む位置に配置され、運転モードに応じて、前記コンデンサと前記エバポレータのいずれかと室内空気とを選択的に熱交換して空調空気を車室内に吐出する補助熱交換装置と、 前記補助熱交換装置を制御する制御装置と、を備え、 前記補助熱交換装置は、 前記コンデンサに熱交換のための空気を流すコンデンサ側内部通路と、 前記コンデンサ側内部通路の前記コンデンサよりも上流側に配置された送風用のブロアと、 前記コンデンサ側内部通路と並列に配置されて、前記エバポレータに熱交換のための空気を流すエバポレータ側内部通路と、 前記エバポレータ側内部通路の前記エバポレータよりも上流側に配置された送風用のブロアと、 前記コンデンサを車室内の空気と熱交換する内気熱交換状態と、前記コンデンサを車室外の空気と熱交換する外気熱交換状態と、前記コンデンサを、前記排熱通路を通して車室外に排出される換気空気と熱交換する換気熱交換状態と、のいずれかに選択的に切り換えるコンデンサ側熱交換切り換え部と、 前記エバポレータを車室内の空気と熱交換する内気熱交換状態と、前記エバポレータを車室外の空気と熱交換する外気熱交換状態と、前記エバポレータを、前記排熱通路を通して車室内から車室外に排出される換気空気と熱交換する換気熱交換状態と、のいずれかに選択的に切り換えるエバポレータ側熱交換切り換え部と、を有しており、 前記制御装置は、運転モードに応じて、前記コンデンサ側熱交換切り換え部と前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御し、 前記コンデンサ側内部通路内の前記ブロアと前記エバポレータ側内部通路内の前記ブロアとは、前記熱交換ブロックの同側に並んで配置されていることを特徴とする車両用空調装置。前記制御装置は、前記主熱交換装置の前記導入空気切り換え部が内気を導入する状態で暖房運転を行う運転モードのときに、前記コンデンサが前記内気熱交換状態となるように前記コンデンサ側熱交換切り換え部を制御し、前記エバポレータが前記外気熱交換状態となるように前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。前記制御装置は、前記主熱交換装置の前記導入空気切り換え部が外気を導入する状態で暖房運転を行う運転モードのときに、前記コンデンサが前記内気熱交換状態となるように前記コンデンサ側熱交換切り換え部を制御し、前記エバポレータが前記換気熱交換状態となるように前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。前記制御装置は、前記主熱交換装置の前記導入空気切り換え部が内気を導入する状態で冷房運転を行う運転モードのときに、前記エバポレータが前記内気熱交換状態となるように前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御し、前記コンデンサが前記外気熱交換状態となるように前記コンデンサ側熱交換切り換え部を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。前記制御装置は、前記主熱交換装置の前記導入空気切り換え部が外気を導入する状態で冷房運転を行うときに、前記エバポレータが前記内気熱交換状態となるように前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御し、前記コンデンサが前記換気熱交換状態となるように前記コンデンサ側熱交換切り換え部を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。

说明书全文

本発明は、車両用空調装置に関するものである。

車両用空調装置として、車室内から車室外に排出される換気熱を回収して、主熱交換装置の暖房時の熱交換効率を高めたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。

特許文献1に記載の車両用空調装置は、ヒートポンプ回路を用いた主熱交換装置において、ヒートポンプ回路の冷媒通路のうちの膨張弁の下流側に、排熱回収のための補助熱交換部が分岐接続されている。補助熱交換部は、車室内の空気を車室外に排出する換気用の排熱通路に、その排熱通路を通過する空気と熱交換するための熱交換器が配置された構成とされている。補助熱交換部の熱交換器は、排熱通路を通過する空気から吸熱した冷媒を、主熱交換装置の冷媒通路のうちの室内熱交換器の上流部に供給する。これにより、室内熱交換器に供給される冷媒が換気空気から温熱を回収することになり、暖房効率が向上する。

また、特許文献2に記載の車両用空調装置は、主熱交換装置の導風ダクト内に、主の室内熱交換器とともに排熱回収装置の補助室内熱交換器が配置されている。排熱回収装置は、冷媒が補助室内熱交換器と換気熱交換器との間で循環するヒートポンプ回路を有している。換気熱交換器は、車室内の空気を車室外に排出する換気用の排熱通路に配置されている。排熱回収装置は、換気熱交換器で吸熱した冷媒を導風ダクト内の補助室内熱交換器に供給し、導風ダクト内を通過する空気を補助室内熱交換器によって加熱する。したがって、この車両用空調装置の場合も、補助室内熱交換器に供給される冷媒が換気空気から温熱を回収することになり、暖房効率が向上する。

特開2011−51466号公報

特許第5186422号公報

しかしながら、特許文献1に記載の車両用空調装置は、補助熱交換部の熱交換器が車両の換気用の排熱通路に配置され、その熱交換器が配管によって主熱交換装置の冷媒の主通路に接続されている。このため、特許文献1に記載の車両用空調装置の場合、補助熱交換部の熱交換器と主熱交換装置の冷媒の主通路を接続するための配管の長さが長くなり、配管での圧損失や熱損失が大きくなるため、エネルギーの利用効率を高めるためのさらなる改善が望まれている。

また、特許文献2に記載の車両用空調装置は、排熱回収装置の換気熱交換器が車両の換気用の排熱通路に配置され、その換気熱交換器が、主熱交換装置の導風ダクト内の補助室内熱交換器に配管によって接続されている。このため、特許文献2に記載の車両用空調装置の場合も、換気熱交換器と導風ダクト内の補助室内熱交換器を接続するための配管の長さが長くなり、やはり配管での圧力損失や熱損失を小さくすることが望まれている。

また、引用文献1,2に記載の車両用空調装置は、車両の暖房運転時に換気用の排熱通路の温熱エネルギーを回収し得るものであるが、車両の冷房運転時にも換気用の排熱通路の冷熱エネルギーを回収できることが望ましい。

そこで本発明は、圧力損失や熱損失を抑制しつつ、暖房運転時と冷房運転時のいずれにおいても換気用の排熱通路の熱エネルギーを回収できるようにして、エネルギーの利用効率を高めることができる車両用空調装置を提供しようとするものである。

本発明に係る車両用空調装置は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。 即ち、本発明に係る車両用空調装置は、 温熱発生部(例えば、実施形態の暖房用室内熱交換器55)と、冷熱発生部(例えば、実施形態のエバポレータ53)と、前記温熱発生部と前記冷熱発生部の少なくともいずれか一方に導入する空気を車室内の内気と車室外の外気のいずれかに切り換える導入空気切り換え部(例えば、実施形態の切り換え用ダンパ37)と、を有し、導入空気を、前記温熱発生部と前記冷熱発生部の少なくともいずれか一方を通過させて車室内に流入させる主熱交換装置(例えば、実施形態の主熱交換装置10)と、 コンプレッサ(例えば、実施形態のコンプレッサ66)から吐出された冷媒の熱を周囲に放熱するコンデンサ(例えば、実施形態のコンデンサ63)と、前記コンデンサから流出した冷媒を膨張弁(例えば、実施形態の膨張弁67)によって膨張させた後に周囲の熱を内部に吸熱するエバポレータ(例えば、実施形態のエバポレータ64)と、を有し、前記コンデンサと前記エバポレータが一体の熱交換ブロック(例えば、実施形態の熱交換ブロック62)として構成されているとともに、前記主熱交換装置と分離して、車両の換気用の排熱通路(例えば、実施形態の排熱通路65)に臨む位置に配置され、運転モードに応じて、前記コンデンサと前記エバポレータのいずれかと室内空気とを選択的に熱交換して空調空気を車室内に吐出する補助熱交換装置(例えば、実施形態の補助熱交換装置60)と、 前記補助熱交換装置を制御する制御装置(例えば、実施形態の制御装置15)と、を備え、 前記補助熱交換装置は、 前記コンデンサに熱交換のための空気を流すコンデンサ側内部通路(例えば、実施形態のコンデンサ側内部通路68C)と、 前記コンデンサ側内部通路の前記コンデンサよりも上流側に配置された送風用のブロア(例えば、実施形態のブロア69C)と、 前記コンデンサ側内部通路と並列に配置されて、前記エバポレータに熱交換のための空気を流すエバポレータ側内部通路(例えば、実施形態のエバポレータ側内部通路68E)と、 前記エバポレータ側内部通路の前記エバポレータよりも上流側に配置された送風用のブロア(例えば、実施形態のブロア69E)と、 前記コンデンサを車室内の空気と熱交換する内気熱交換状態と、前記コンデンサを車室外の空気と熱交換する外気熱交換状態と、前記コンデンサを、前記排熱通路を通して車室外に排出される換気空気と熱交換する換気熱交換状態と、のいずれかに選択的に切り換えるコンデンサ側熱交換切り換え部(例えば、実施形態の内外気切り換えダンパ72C,75C)と、 前記エバポレータを車室内の空気と熱交換する内気熱交換状態と、前記エバポレータを車室外の空気と熱交換する外気熱交換状態と、前記エバポレータを、前記排熱通路を通して車室内から車室外に排出される換気空気と熱交換する換気熱交換状態と、のいずれかに選択的に切り換えるエバポレータ側熱交換切り換え部(例えば、実施形態の内外気切り換えダンパ72E,75E)と、を有しており、 前記制御装置は、運転モードに応じて、前記コンデンサ側熱交換切り換え部と前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御し、 前記コンデンサ側内部通路内の前記ブロアと前記エバポレータ側内部通路内の前記ブロアとは、前記熱交換ブロックの同側に並んで配置されていることを特徴とする。

前記制御装置は、前記主熱交換装置の前記導入空気切り換え部が内気を導入する状態で暖房運転を行う運転モードのときに、前記コンデンサが前記内気熱交換状態となるように前記コンデンサ側熱交換切り換え部を制御し、前記エバポレータが前記外気熱交換状態となるように前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御するようにしても良い。

前記制御装置は、前記主熱交換装置の前記導入空気切り換え部が外気を導入する状態で暖房運転を行う運転モードのときに、前記コンデンサが前記内気熱交換状態となるように前記コンデンサ側熱交換切り換え部を制御し、前記エバポレータが前記換気熱交換状態となるように前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御するようにしても良い。

前記制御装置は、前記主熱交換装置の前記導入空気切り換え部が内気を導入する状態で冷房運転を行う運転モードのときに、前記エバポレータが前記内気熱交換状態となるように前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御し、前記コンデンサが前記外気熱交換状態となるように前記コンデンサ側熱交換切り換え部を制御するようにしても良い。

前記制御装置は、前記主熱交換装置の前記導入空気切り換え部が外気を導入する状態で冷房運転を行うときに、前記エバポレータが前記内気熱交換状態となるように前記エバポレータ側熱交換切り換え部を制御し、前記コンデンサが前記換気熱交換状態となるように前記コンデンサ側熱交換切り換え部を制御するようにしても良い。

本発明によれば、暖房運転時には、主熱交換装置の温熱発生部で熱交換した空気を車室内に流入させる一方で、補助熱交換装置のコンデンサを内気熱交換状態にし、かつ補助熱交換装置のエバポレータを換気熱交換状態にすることにより、主熱交換装置と分離して配置された補助熱交換装置によって排熱通路の熱を回収して車室内の空気を暖めることができる。また、冷房運転時には、主熱交換装置の冷熱発生部で熱交換した空気を車室内に流入させる一方で、補助熱交換装置のエバポレータを内気熱交換状態にし、かつ補助熱交換装置のコンデンサを換気熱交換状態にすることにより、主熱交換装置と分離して配置された補助熱交換装置によって排熱通路の冷熱を回収して車室内の空気を冷却することができる。 したがって、本発明によれば、補助熱交換装置を主熱交換装置に冷媒配管で接続する必要がないため、圧力損失や熱損失を抑制しつつ、暖房運転時と冷房運転時のいずれにおいても換気用の排熱通路の熱エネルギーを回収することができる。よって、本発明を採用することにより、エネルギーの利用効率を高めることができる。

本発明の一実施形態の車両用空調装置を採用した車両の模式的な断面図である。

本発明の一実施形態の主熱交換装置の構成図である。

本発明の一実施形態の主熱交換装置の構成図であり、暖房運転時の冷媒と空調空気の流れを示した図である。

本発明の一実施形態の主熱交換装置の構成図であり、冷房運転時の冷媒と空調空気の流れを示した図である。

本発明の一実施形態の補助熱交換装置の模試的な断面図である。

本発明の一実施形態の補助熱交換装置の模試的な断面図であり、暖房運転時の空気の流れを示した図である。

本発明の一実施形態の補助熱交換装置の模試的な断面図であり、冷房運転時の空気の流れを示した図である。

本発明の一実施形態の補助熱交換装置の模試的な断面図であり、冷暖房を行わない換気運転時の空気の流れを示した図である。

本発明の一実施形態の車両用空調装置を採用した車両の模式的な断面図であり、暖房運転時の空気の流れを示した図である。

本発明の一実施形態の車両用空調装置を採用した車両の模式的な断面図であり、冷房運転時の空気の流れを示した図である。

本発明の一実施形態の車両用空調装置のシステム構成図である。

本発明の一実施形態の車両用空調装置を採用した車両の模式的な断面図であり、乗員搭乗前に事前空調を行うときの空気の流れを示した図である。

本発明の一実施形態の車両用空調装置の一部の制御を示すフローチャートである。

以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。 図1は、本実施形態に係る車両用空調装置を搭載した車両100を模試的に示した図である。 図1に示すように、車両100には、車両用空調装置1が搭載されている。車両用空調装置は、主熱交換装置10と、主熱交換装置10と完全に分離した補助熱交換装置60と、を備えている。主熱交換装置10は、車室90の前方(例えば、インストルメントパネルとエンジンルーム)に配置されており、補助熱交換装置60は、車室90の後方の換気用の排熱通路(室内空気の排出通路)に臨む位置に配置されている。また、車両のルーフ部91には、太陽光による発電装置であるソーラーパネル92が設置されている。

図2は、主熱交換装置10の構成図である。 主熱交換装置10は、空調ユニット11と、冷媒が循環可能な冷凍サイクル12と、制御装置13と、を主に備えている。

空調ユニット11は、空調空気が流通するダクト51と、このダクト51内に収容されたブロワ52と、エバポレータ53と、エアミックスドア54と、暖房用室内熱交換器55と、を備えている。 ダクト51は、空調空気の流通方向における上流側に位置する空気取入口57、及び下流側に位置する空気吹き出し口58を有している。そして、上述したブロワ52、エバポレータ53、エアミックスドア54、及び、暖房用室内熱交換器55は、流通方向の上流側から下流側に向けてこの順で配置されている。

ブロワ52は、例えば制御装置13の制御により印加される駆動電圧に応じて駆動し、空気取入口57を通してダクト51内に取り込まれた導入空気を、下流側に向けて送出する。空調取入口57には、車室内に連通する室内通路20と車室外に連通する室外通路36を切り換える切り換え用ダンパ37(導入空気切り換え部)が設けられている。切り換え用ダンパ37は、例えば制御装置13の制御により駆動する駆動手段(不図示)によって回動可能にされている。

エバポレータ53は、内部に流入した低圧の冷媒と車室内雰囲気(ダクト51内)との間で熱交換を行い、例えば冷媒が蒸発する際の吸熱によって、エバポレータ53を通過する空調空気を冷却する。

暖房用室内熱交換器55は、内部に流入した高温かつ高圧の冷媒によって放熱可能であって、例えば暖房用室内熱交換器55を通過する空調空気を加熱する。

エアミックスドア54は、例えば制御装置13の制御により駆動する駆動手段(不図示)によって回動可能とされている。具体的に、エアミックスドア54は、ダクト51内のうち、暖房用室内熱交換器55に向かう通風経路(加熱経路)を開放する加熱位置(図3参照)と、加熱経路を迂回する通風経路(冷却経路)を開放する冷却位置(図4参照)と、の間で回動する。

冷凍サイクル12は、例えば、上述したエバポレータ53及び暖房用室内熱交換器55と、コンプレッサ21、暖房用膨張弁22、バイパス弁23、室外熱交換器24、冷房弁26、レシーバタンク25、サブコンデンサ27、逆止弁28、冷房用膨張弁29、冷房用補助熱交換器31、暖房弁32、気液分離器33、除湿弁34、及び蒸発能力制御弁35と、を備え、これら各構成部材が冷媒流路を介して接続されている。

コンプレッサ21は、気液分離器33と暖房用室内熱交換器55との間に接続されている。コンプレッサ21は、例えば制御装置13の制御により駆動する駆動手段の駆動力によって駆動され、気液分離器33から冷媒の主に気体分を吸入するとともに、この冷媒を圧縮した後、高温かつ高圧の冷媒として上述した暖房用室内熱交換器55に吐出する。

暖房用膨張弁22は、いわゆる絞り弁であって、暖房用室内熱交換器55から吐出された冷媒を、膨張させた後、低温かつ低圧で気液2相(液相リッチ)の噴霧状の冷媒として室外熱交換器24に吐出する。 なお、コンプレッサ21の吐出部から暖房用室内熱交換器55を経由して暖房用膨張弁22に至る通路は、高圧側主通路41とされている。

バイパス弁23は、暖房用室内熱交換器55の下流部において、高圧側主通路41の暖房用膨張弁22を迂回して室外熱交換器24に接続されるバイパス通路42上に設けられ、例えば制御装置13により開閉制御される。なお、バイパス弁23は、暖房運転の実行時には閉状態とされ、冷房運転の実行時には開状態とされる。 これにより、例えば、暖房運転の実行時には、暖房用室内熱交換器55から流出した冷媒は暖房用膨張弁22を通過して低温かつ低圧の状態で室外熱交換器24に流入する。 一方、冷房運転の実行時には、暖房用室内熱交換器55から流出した冷媒はバイパス弁23を通過して高温の状態で室外熱交換器24に流入する。

室外熱交換器24は、内部に流入した冷媒と室外雰囲気との熱交換を行なう。また、室外熱交換器24の前方には、室外熱交換器24に向けて送風可能なファン24aが配設されている。なお、ファン24aは、例えば制御装置13の制御により駆動される。

室外熱交換器24は、暖房運転の実行時には、内部に流入する低温かつ低圧の冷媒によって室外雰囲気から吸熱可能であって、例えば室外雰囲気からの吸熱によって冷媒を気化させる。 一方、冷房運転の実行時には、室外熱交換器24は、内部に流入する高温の冷媒によって室外雰囲気へと放熱可能であって、例えば室外雰囲気への放熱及びファン24aの送風によって冷媒を冷却する。

冷房弁26は、冷媒流路のうち、室外熱交換器24の下流部に接続された冷房用主通路43上に設置され、例えば制御装置13により開閉制御される。冷房弁26は、冷房運転の実行時には開状態とされ、暖房運転の実行時には閉状態とされる。

レシーバタンク25は、冷房用主通路43のうち、冷房弁26の下流側に設置されている。レシーバタンク25は、室外熱交換器24を通過して冷房用主通路43内に流入した冷媒のうち、気相の冷媒(冷媒の気体分)を回収する。すなわち、レシーバタンク25は、冷房用主通路43内に流入した冷媒のうち、液相の冷媒(冷媒の液体分)のみを冷房用主通路43の下流側へ流通させるようになっている。

サブコンデンサ27は、冷房用主通路43のうち、レシーバタンク25よりも下流側に設置され、内部に流入した冷媒と室外雰囲気との間で熱交換を行う。

逆止弁28は、冷房用主通路43のうち、サブコンデンサ27よりも下流側に設置されている。逆止弁28は、冷房運転の実行時において、サブコンデンサ27を通過した冷媒を下流側に向けて流通させ、除湿運転の実行時において、冷房用主通路43のうち、逆止弁28よりも上流側(サブコンデンサ27側)への冷媒の逆流を防止する。

冷房用膨張弁29は、いわゆる絞り弁であって、冷房用主通路43のうちの、逆止弁28とエバポレータ53の流入口との間に接続されている。冷房用膨張弁29は、例えば制御装置13によって制御される弁開度に応じて逆止弁28を通過した冷媒を、膨張させた後、低温かつ低圧で気液2相の噴霧状の冷媒としてエバポレータ53に吐出する。

冷房用補助熱交換器31は、冷房用主通路43のうち、冷房用膨張弁29よりも上流側に位置する上流部分と、エバポレータ53よりも下流側に位置する下流部分と、の間を跨るように配置されている。冷房用補助熱交換器31は、冷房運転の実行時において、上述した上流部分及び下流部分の間で熱交換を行い、上流部分の冷媒をエバポレータ53内に流入する前に冷却する。 なお、本実施形態における冷房用主通路43は、室外熱交換器24の下流部から冷房弁26、レシーバタンク25、サブコンデンサ27、逆止弁28、冷房用補助熱交換器31、冷房用膨張弁29、エバポレータ53、蒸発能力制御弁35を経由して気液分離器33に接続される通路である。

暖房弁32は、冷房用主通路43を迂回して室外熱交換器24の下流部と気液分離器33を接続する暖房用バイパス通路44上に設置されている。暖房弁32は、例えば制御装置13により開閉制御される。暖房弁32は、暖房運転の実行時には開状態とされ、冷房運転の実行時には閉状態とされる。

気液分離器33は、冷房用主通路43の下流端と暖房用バイパス通路44の下流端を接続する合流部46と、上述したコンプレッサ21と、の間に接続されている。気液分離器33は、合流部46から流出した冷媒の気液を分離し、主に気相の冷媒をコンプレッサ21に吸入させる。

除湿弁34は、冷房用主通路43における逆止弁28よりも下流側に位置する部分と、高圧側主通路41における暖房用室内熱交換器55よりも下流側に位置する部分と、を接続する除湿流路48上に設置され、例えば制御装置13により開閉制御される。除湿弁34は、除湿運転の実行時に開状態とされ、それ以外の運転(冷房運転及び暖房運転)の実行時には閉状態とされる。

蒸発能力制御弁35は、冷房用主通路43のうち、エバポレータ53と冷房用補助熱交換器31との間に設置され、例えば制御装置13により開閉制御される。蒸発能力制御弁35は、除湿運転の実行時において、冷房運転の実行時に比べて開度が小さくなるように制御される。

ここで、本実施形態においては、暖房運転時に冷媒が内部を循環する暖房用冷媒回路と、冷房運転時に冷媒が内部を循環する冷房用冷媒回路と、を備え、両冷媒回路が、コンプレッサ21と室外熱交換器24と気液分離器33を共用している。 暖房用冷媒回路は、暖房用室内熱交換器55と暖房用膨張弁22を経由して、コンプレッサ21の吐出部と室外熱交換器24の上流部を接続する高圧側主通路41と、冷房用主通路43を迂回して室外熱交換器24の下流部と気液分離器33を接続する暖房用バイパス通路44と、を有している。また、冷房用冷媒回路は、冷房用膨張弁29やエバポレータ53を経由して室外熱交換器24の下流部と気液分離器33を接続する冷房用主通路43と、暖房用室内熱交換器55を経由する高圧側主通路41の一部とバイパス通路42とから成り暖房用膨張弁22を迂回してコンプレッサ21の吐出部と室外熱交換器24の上流部を接続する通路と、を有している。

また、制御装置13は、例えば車室内に配設された図示しないスイッチ等を介して操作者により入力された指令信号等に基づいて、主熱交換装置10の運転を制御する。さらに、制御装置13は、主熱交換装置10の運転を暖房運転や冷房運転、除湿運転等に切り替え制御する。

次に、上述した主熱交換装置10の動作について説明する。図3は、暖房運転時における主熱交換装置10の動作を示す説明図であり、図4は、冷房運転時における主熱交換装置10の動作を示す説明図である。なお、図中において、鎖線は冷媒の高圧状態、実線は冷媒の低圧状態を示し、破線は冷媒の流通しない部分を示している。

(暖房運転) 暖房運転時には、図3に示すように、エアミックスドア54は加熱経路を開放する加熱位置とされ、暖房弁32は開状態とされる。なお、暖房運転時において、バイパス弁23、冷房弁26、除湿弁34、及び蒸発能力制御弁35は閉状態とされる。

この場合、コンプレッサ21から吐出された高温かつ高圧の冷媒は、暖房用室内熱交換器55における放熱によってダクト51内の空調空気を加熱する。 そして、暖房用室内熱交換器55を通過した冷媒は、暖房用膨張弁22によって膨張させられて液相リッチの気液2相の噴霧状とされ、その後、室外熱交換器24において室外雰囲気から吸熱して気相リッチの気液2相の噴霧状となる。室外熱交換器24を通過した冷媒は、暖房用バイパス通路44と合流部46を通って気液分離器33に流入する。気液分離器33に流入した冷媒は、その内部において気液分離され、主に気相の冷媒(冷媒の液体分)がコンプレッサ21に吸入される。

このとき、空調ユニット11のダクト51内を流れる空調空気は、エバポレータ53を通過した後、加熱経路内で暖房用室内熱交換器55を通過する。そして、空調空気は、暖房用室内熱交換器55を通過する際に加熱された後、吹き出し口58を通って車室内に暖房として供給される。

(冷房運転) 冷房運転時には、図4に示すように、エアミックスドア54はエバポレータ53を通過した空調空気が冷却経路を通過する冷却位置とされるとともに、バイパス弁23、冷房弁26、及び蒸発能力制御弁35は開状態とされる。なお、暖房用膨張弁22、暖房弁32及び除湿弁34は閉状態とされる。

この場合、コンプレッサ21から吐出された高温かつ高圧の冷媒は、暖房用室内熱交換器55とバイパス弁23とを通過して、室外熱交換器24において室外雰囲気へと放熱された後、冷房用主通路43内に流入する。そして、冷媒は、レシーバタンク25で気相の冷媒が回収された後、サブコンデンサ27において室外雰囲気へと再び放熱される。その後、冷媒は冷房用膨張弁29によって膨張させられて液相リッチの気液2相の噴霧状とされ、次に、エバポレータ53における吸熱によってダクト51内の空調空気を冷却する。 そして、エバポレータ53を通過した気相リッチの気液2相の冷媒は、冷房用補助熱交換器31において熱交換された後、気液分離器33内に流入する。気液分離器33に流入した気相リッチの冷媒は、その内部において気液分離され、主に気相の冷媒(冷媒の気体分)がコンプレッサ21に吸入される。

このとき、空調ユニット11のダクト51内を流れる空調空気は、エバポレータ53を通過する際に冷却された後、暖房用室内熱交換器55を迂回して吹き出し口58から車室内に冷房として供給される。

なお、本実施形態の主熱交換装置10では、冷凍サイクルによって加熱される暖房用室内熱交換器55が温熱発生部を構成し、エバポレータ53が冷熱発生部を構成している。ただし、主熱交換装置10の温熱発生部は、冷凍サイクルによって加熱される暖房用室内熱交換器55に限るものではなく、エンジンの冷却の熱を利用して導入空気を加熱するものや、加熱素子等を用いる電気ヒータ等によって導入空気を加熱するものであっても良い。

図5は、補助熱交換装置60の模試的な断面を示す図である。 補助熱交換装置60は、図5に示すように、ケーシング61と、ケーシング61の内部に配置されて冷媒が内部を循環可能な熱交換ブロック62と、を備えている。 熱交換ブロック62は、内部を流通する冷媒の熱を周囲に放熱するコンデンサ63と、内部を流通する冷媒によって周囲の熱を吸熱するエバポレータ64とが相互に接続されて、全体が略直方体状のブロックとされている。熱交換ブロック62はヒートポンプ回路を構成している。

コンデンサ63の冷媒流入部63iは、コンプレッサ66の吐出部に接続され、エバポレータ64の冷媒流出部64oはコンプレッサ66の吸入部に接続されている。コンデンサ63の冷媒流出部63oとエバポレータ64の冷媒流入部64iは膨張弁67を介して相互に接続されている。膨張弁67は、コンデンサ63からエバポレータ64に流入する冷媒を急激に膨張させることによって冷媒温度を低下させる。熱交換ブロック62においては、コンプレッサ66が作動することによってコンデンサ63とエバポレータ64を含むヒートポンプ回路の冷媒通路内を冷媒が循環する。

補助熱交換装置60のケーシング61の内部は、コンデンサ63に熱交換のため空気を流すコンデンサ側内部通路68Cと、エバポレータ64に熱交換のため空気を流すエバポレータ側内部通路68Eと、が形成されている。コンデンサ側内部通路68Cのコンデンサ63よりも上流側には、送風用のブロア69Cが配置されており、ブロア69Cの設置部のさらに上流側には、外気導入通路70Cと内気導入通路71Cが接続されている。外気導入通路70Cと内気導入通路71Cは、内外気切り換えダンパ72Cによって開口状態が切り換えられるようになっている。 同様にエバポレータ側内部通路68Eのエバポレータ64よりも上流側には、送風用のブロア69Eが配置されており、ブロア69Eの設置部のさらに上流側には、外気導入通路70Eと内気導入通路71Eが接続されている。外気導入通路70Eと内気導入通路71Eは、内外気切り換えダンパ72Eによって開口状態が切り換えられるようになっている。

一方、コンデンサ側内部通路68Cのコンデンサ63よりも下流側には、車外排出通路73Cと車内戻し通路74Cが接続されている。車外排出通路73Cと車内戻し通路74Cは、排出切り換えダンパ75Cによって開口状態が切り換えられるようになっている。室内戻し通路74Cは、例えば、後席の足元側に空調空気を吹き出すFOOT用の吹き出し口に接続されている。また、室内戻し通路74C内の内外気切り換えダンパ72Cの近傍部には、電気式のヒータ装置76が設置されている。 エバポレータ側内部通路68Eのエバポレータ64よりも下流側には、車外排出通路73Eと車内戻し通路74Eが接続されている。車外排出通路73Eと車内戻し通路74Eは、排出切り換えダンパ75Eによって開口状態が切り換えられるようになっている。車内戻し通路74Eは、例えば、後席の上方側に空調空気を吹き出すVENT用の吹き出し口に接続されている。

補助熱交換装置60の内外気切り換えダンパ72C,72E、排出切り換えダンパ75C,75E、送風用のブロア69C,69E、電気式のヒータ装置76の各作動は、主熱交換器10の制御装置13とは別の専用の制御装置15(図11参照)によって制御されるようになっている。 また、本実施形態では、補助熱交換装置60の内気導入通路71C,71Eと車外側排出通路73C,73Eは、車両の換気用の排熱通路65(室内空気の排出通路)の一部を構成している。

図6(A)は、内気循環状態で補助熱交換装置60が暖房運転を行う運転モードのときの補助熱交換装置60の内部の様子を示し、図6(B)は、換気状態で補助熱交換装置60が暖房運転を行う運転モードのときの補助熱交換装置60の内部の様子を示している。図7(A)は、内気循環状態で補助熱交換装置60が冷房運転を行う運転モードのときの補助熱交換装置60の内部の様子を示し、図7(B)は、換気状態で補助熱交換装置60が冷房運転を行う運転モードのときの補助熱交換装置60の内部の様子を示している。なお、図6,図7には、補助熱交換装置60の内部を流通する空気の流れが矢印で示されている。

コンデンサ側内部通路68Cに臨む内外気切り換えダンパ72Cと排出切り換えダンパ75Cとは、これらによる通路の開閉の組み合わせによってコンデンサ63を以下の3種の熱交換状態に切り換えることができる。 (1C)内気熱交換状態 内外気切り換えダンパ72Cが内気導入通路71Cを開き、かつ排出切り換えダンパ75Cが室内戻し通路74Cを開くことにより、コンデンサ63が車室内の空気と熱交換する(図6(A),図6(B)参照)。 (2C)外気熱交換状態 内外気切り換えダンパ72Cが外気導入通路70Cを開き、かつ排出切り換えダンパ75Cが車外排出通路73Cを開くことにより、コンデンサ63が車室外の空気と熱交換する(図7(A)参照)。 (3C)換気熱交換状態 内外気切り換えダンパ72Cが内気導入通路71Cを開き、かつ排出切り換えダンパ75Cが車外排出通路73Cを開くことにより、コンデンサ63が排熱通路65を通過して車外に排出される換気空気と熱交換する(図7(B)参照)。 本実施形態においては、内外気切り換えダンパ72Cと排出切り換えダンパ75Cが、コンデンサ63の熱交換状態を、上記の(1C),(2C),(3C)のいずれかの熱交換状態に切り換えるコンデンサ側熱交換切り換え部を構成している。

また、エバポレータ側内部通路68Eに臨む内外気切り換えダンパ72Eと排出切り換えダンパ75Eとは、これらによる通路の開閉の組み合わせによってエバポレータ64を以下の3種の熱交換状態に切り換えることができる。 (1E)内気熱交換状態 内外気切り換えダンパ72Eが内気導入通路71Eを開き、かつ排出切り換えダンパ75Eが室内戻し通路74Eを開くことにより、内気循環状態において、エバポレータ64が車室内の空気と熱交換する(図7(A),図7(B)参照)。 (2E)外気熱交換状態 内外気切り換えダンパ72Eが外気導入通路70Eを開き、かつ排出切り換えダンパ75Eが車外排出通路73Eを開くことにより、エバポレータ64が車室外の空気と熱交換する(図6(A)参照)。 (3E)換気熱交換状態 内外気切り換えダンパ72Eが内気導入通路71Eを開き、かつ排出切り換えダンパ75Eが車外排出通路73Eを開くことにより、エバポレータ64が排熱通路65を通過して車外に排出される換気空気と熱交換する(図6(B)参照)。 本実施形態においては、内外気切り換えダンパ72Eと排出切り換えダンパ75Eが、エバポレータ64の熱交換状態を、上記の(1E),(2E),(3E)のいずれかの熱交換状態に切り換えるエバポレータ側熱交換切り換え部を構成している。

なお、図8は、冷暖房を行わずに車室内を換気する運転モードのときの補助熱交換装置60の内部の様子を示している。この運転モードのときには、内外気切り換えダンパ72Eが内気導入通路71Eを開き、かつ排出切り換えダンパ75Eが車外排出通路73Eを開くことにより、車室内の換気空気がエバポレータ64を通過して車外排出通路73Eに排出される。

ところで、補助熱交換装置60の内外気切り換えダンパ72C,72Eと排出切り換えダンパ75C,75Eとは、車両用空調装置1の運転モードに応じて制御装置15によって適宜切り換えられるようになっている。 図9(A)は、内気循環暖房モード(外気吸熱モード)時の主熱交換装置10と補助熱交換装置60による空気の流れを示す図であり、図9(B)は、換気暖房モード(換気熱回収モード)時の主熱交換装置10と補助熱交換装置60による空気の流れを示す図である。また、図10(A)は、内気循環冷房モード(外気排熱モード)時の主熱交換装置10と補助熱交換装置60による空気の流れを示す図であり、図10(B)は、換気冷房モード(換気熱回収モード)時の主熱交換装置10と補助熱交換装置60による空気の流れを示す図である。 以下、各運転モードにおける主熱交換装置10と補助熱交換装置60の状態と空気の流れについて説明する。

<内気循環暖房モード> 内気循環暖房モードでは、主熱交換装置10が内気循環状態、つまり、空調ユニット11の切り換え用ダンパ37(図2参照)が導入空気の通路を室内通路20側に切り換えた状態において、暖房運転を行う。 このとき、補助熱交換装置60は、制御装置15による制御により、図6(A)に示すようにコンデンサ63が内気熱交換状態となるように、コンデンサ63側の内外気切り換えダンパ72Cが内気導入通路71Cを開くとともに、排出切り換えダンパ75Cが車内戻し通路を74Cを開き、エバポレータ64側の内外気切り換えダンパ72Eが外気導入通路70Eを開くとともに、排出切り換えダンパ75Eが車外排出通路73Eを開く。 これにより、補助熱交換装置60では、エバポレータ64が外気から吸熱を行い、コンデンサ63が車室内の空気を加熱するようになる。このときの空気の流れは図9(A)に示すようになる。

<換気暖房モード> 換気暖房モードでは、主熱交換装置10が外気導入状態、つまり、空調ユニット11の切り換え用ダンパ37(図2参照)が導入空気の通路を室外通路36側に切り換えた状態において、暖房運転を行う。 このとき、補助熱交換装置60は、制御装置15による制御により、図6(B)に示すようにコンデンサ63が内気熱交換状態となるように、コンデンサ63側の内外気切り換えダンパ72Cが内気導入通路71Cを開くとともに、排出切り換えダンパ75Cが車内戻し通路を74Cを開き、エバポレータ64側の内外気切り換えダンパ72Eが内気導入通路71Eを開くとともに、排出切り換えダンパ75Eが車外排出通路73Eを開く。 これにより、補助熱交換装置60では、エバポレータ64が、排熱通路65を通過して車室内から排出される比較的高温の換気空気から吸熱を行い、コンデンサ63が車室内の空気を加熱するようになる。このときの空気の流れは図9(B)に示すようになる。 外気の温度が低いときには、車室内から排出される換気空気の温度が外気よりも相対的に高くなるため、エバポレータ64において効率良く吸熱を行うことができる。したがって、補助熱交換装置60による暖房効率が高まる。

<内気循環冷房モード> 内気循環冷房モードでは、主熱交換装置10が内気循環状態、つまり、空調ユニット11の切り換え用ダンパ37(図2参照)が導入空気の通路を室内通路20側に切り換えた状態において、冷房運転を行う。 このとき、補助熱交換装置60は、制御装置15による制御により、図7(A)に示すようにエバポレータ64が内気熱交換状態となるように、エバポレータ64側の内外気切り換えダンパ72Eが内気導入通路71Eを開くとともに、排出切り換えダンパ75Eが車内戻し通路を74Eを開き、コンデンサ63側の内外気切り換えダンパ72Cが外気導入通路70Cを開くとともに、排出切り換えダンパ75Cが車外排出通路73Cを開く。 これにより、補助熱交換装置60では、コンデンサ63が外気に対して放熱を行い、エバポレータ64が車室内の空気を冷却するようになる。このときの空気の流れは図10(A)に示すようになる。

<換気冷房モード> 換気冷房モードでは、主熱交換装置10が外気導入状態、つまり、空調ユニット11の切り換え用ダンパ37(図2参照)が導入空気の通路を室外通路36側に切り換えた状態において、冷房運転を行う。 このとき、補助熱交換装置60は、制御装置15による制御により、図7(B)に示すようにエバポレータ64が内気熱交換状態となるように、エバポレータ64側の内外気切り換えダンパ72Eが内気導入通路71Eを開くとともに、排出切り換えダンパ75Eが車内戻し通路を74Eを開き、コンデンサ63側の内外気切り換えダンパ72Cが内気導入通路71Cを開くとともに、排出切り換えダンパ75Cが車外排出通路73Cを開く。 これにより、補助熱交換装置60では、コンデンサ63が、排熱通路65を通過して車室内から排出される比較的低温の換気空気に対して放熱を行い、エバポレータ64が車室内の空気を冷却するようになる。このときの空気の流れは図10(B)に示すようになる。 外気の温度が高いときには、車室内から排出される換気空気の温度が外気よりも相対的に低くなるため、コンデンサ63において効率良く放熱を行うことができる。したがって、補助熱交換装置60による冷房効率が高まる。

ところで、図11は、本実施形態の車両用空調装置1の概略的なシステム構成を示す図である。 車両用空調装置1は、主熱交換装置10の制御装置13と、補助熱交換装置60の制御装置15と、低圧バッテリ93の充放電を制御する充放電コントロールユニット94とが、車載ネットワークNによって相互に通信されるようになっている。

主熱交換装置10の制御装置13は、乗員による操作指令や、車両の前部に設置された室内センサ4や室外センサ5等のセンサ類から入力信号を受け、導入空気の切り換え用ダンパ37やコンプレッサその他の機器類を制御する。なお、図11中の符号3は、車両用空調装置1のメインスイッチである。

補助熱交換装置60の制御装置15は、車両の後部に設置された室内センサ6等のセンサ類から入力信号を受け、コンプレッサ66や送風用のブロア69C,69E、内外気切り換えダンパ72C,72E、排出切り換えダンパ75C,75E等を制御する。

充放電コントロールユニット94は、低圧バッテリ93から充電状態信号を受けて、ソーラーパネル92から低圧バッテリ93への充電や放電を制御するとともに、低圧バッテリ93の充電状態信号と図示しない日射量センサからの検出信号を受けて補助熱交換装置60やその他の低電圧機器での電力使用を制御する。

さらに、本実施形態に係る車両用空調装置1は、乗員が車両に乗り込む前(イングニッションスイッチをONにする前)に車室内の事前の換気や冷暖房を行う機能を備えている。 図12(A)は、車両用空調装置1によって事前の換気を行うときの主熱交換装置10と補助熱交換装置60の作動状態を示す図である。また、図12(B)は、車両用空調装置1によって事前の冷房を行うときの主熱交換装置10と補助熱交換装置60の作動状態を示す図であり、図12(C)は、車両用空調装置1によって事前の暖房を行うときの主熱交換装置10と補助熱交換装置60の作動状態を示す図である。 以下、図13に示すフローチャートに参照して、車両用空調装置1による事前の換気や事前の冷暖房の一例について説明する。

ステップS101においては、イグニッションスイッチがONにされているか否かが判断され、イグニッションスイッチがONの場合にはステップS102に進み、車両用空調装置1のメインスイッチ3がONの場合には、ステップS103に進んで通常の冷暖房モードに移行する。

ステップS101において、イグニッションスイッチがOFFの場合には、ステップS104に進み、事前の冷暖房の許可信号があるか否かを判断する。事前の冷暖房の許可信号は、例えば、低圧バッテリ93の残容量信号や日射量センサの検出信号が用いられる。即ち、これらの信号を用いることにより、現在、事前の冷暖房を継続し得る低圧バッテリ93の電力が残っている否かや、充分な太陽光発電量を得られるか否かを判断することができる。

ステップS104において、事前の冷暖房の許可信号があるものと判断されたときには、ステップS105に進み、事前の冷暖房の許可信号がないものと判断されたときには、ステップS111に進む。ステップS105では、外気温度が設定温度T1℃よりも高いか否かを判定し、外気温が設定温度T1℃よりも高い場合には、ステップS106に進み、高くない場合には、ステップS107に進む。

ステップS106では、室内温度と外気温度の差が設定温度差ΔT℃よりも大きいか否かを判断する。ステップS106において、室内温度と外気温度の差が設定温度差ΔT℃よりも大きくないものと判断された場合には、車両後部の補助熱交換装置60による冷房を実行する(図12(B)参照)。 補助熱交換装置60は、コンデンサ63とエバポレータ64が一体ブロック化され、内部の冷媒通路も簡素で短い構造であるため、少ない消費電力によって冷房や暖房を行うことができる。 一方、ステップS106において、室内温度と外気温度の差が設定温度差ΔT℃よりも大きいものと判断された場合には、ステップS108に進んで、車両前部の主熱交換装置10から外気を導入し、車両後部の補助熱交換装置60を換気モードにする(図12(A)参照)。これにより、車室内が換気される。したがって、室内温度と外気温度の差が設定温度差ΔT℃よりも大きい場合には、事前の換気運転を実行して車室内の温度を低下させた後に冷房運転に移行する。

また、外気温度が設定温度T1℃以下であって、ステップS107に進んだ場合には、ステップS107で室内温度が設定温度T2℃よりも低いか否かを判断する。室内温度が設定温度T2℃よりも低い場合には、ステップS110に進んで車両後部の補助熱交換装置60による暖房を実行する(図12(C)参照)。 また、室内温度が設定温度T2℃以上の場合には、ステップS108に進んで、車両前部の主熱交換装置10から外気を導入し、車両後部の補助熱交換装置60を換気モードにする(図12(A)参照)。これにより、車室内が換気される。

ステップS104において、事前の冷暖房の許可信号がなくステップS111に進んだ場合には、ステップS111において、事前の換気の許可信号があるか否か(例えば、低圧バッテリ93の電力がある程度以上残っているか否かや、日射量がある程度以上あるか否か)を判定する。ステップS111において、事前の換気の許可信号がある場合にはステップS112に進み、許可信号がない場合には、ステップS113に進んで補助熱交換装置60の換気モードを停止にする(何も行わない)。

ステップS111において事前の冷暖房の許可信号があり、ステップS112に進んだ場合には、ステップS112において、室内温度が設定温度T2℃よりも高いか否かを判断する。ステップS112において、室内温度が設定温度T2℃よりも高いものと判断された場合には、ステップS108に進んで、車両前部の主熱交換装置10から外気を導入し、車両後部の補助熱交換装置60を換気モードにする(図12(A)参照)。これにより、車室内が換気される。 また、ステップS112において、室内温度が設定温度T2℃以下であるものと判断された場合には、ステップS113に進んで補助熱交換装置60の換気モードを停止にする(何も行わない)。

なお、ユーザーから事前の冷暖房の要求(事前の冷暖房の指示)があった場合には、補助熱交換装置60とともに主熱交換装置10を連動作動させるようにしても良い。この場合、低圧バッテリ93の残容量が一定以上で、かつ車室内の温度が安定してきたことを条件に、主熱交換装置10の出力を優先して下げる(補助熱交換装置60を優先して稼働させる)ことが望ましい。これにより、車両の小電力化を図ることができる。

以上のように、本実施形態に係る車両用空調装置1においては、換気暖房モードでの運転時には、外気を導入して主熱交換装置10の暖房用室内熱交換器55で昇温した空気を車室内に流入させ、その一方で、補助熱交換装置60のコンデンサ63を内気熱交換状態にし、かつ補助熱交換装置60のエバポレータ64を換気熱交換状態にすることにより、車室内の温熱空気の一部を排熱通路65から車外に排出しつつ、補助熱交換装置60によって排熱通路65の熱を回収して車室内の空気を効率良く暖めることができる。

また、本実施形態に係る車両用空調装置1においては、換気冷房モードでの運転時には、外気を導入して主熱交換装置10のエバポレータ53で冷却した空気を車室内に流入させ、その一方で、補助熱交換装置60のエバポレータ64を内気熱交換状態にし、かつ補助熱交換装置60のコンデンサ63を換気熱交換状態にすることにより、車室内の冷熱空気の一部を排熱通路65から車外に排出しつつ、補助熱交換装置60によって排熱通路65の冷熱を回収して車室内の空気を効率良く冷却することができる。

本実施形態に係る車両用空調装置1は、補助熱交換装置60が主熱交換装置10と完全に分離されて冷媒配管で接続されていないため、冷媒配管での圧力損失や熱損失を抑制しつつ、暖房運転時と冷房運転時のいずれにおいても、換気暖房モードや換気冷房モードにすることによって排熱通路65の熱エネルギーを回収することができる。したがって、本実施形態に係る車両用空調装置1を採用することにより、エネルギーの利用効率を高めることができる。

また、本実施形態に係る車両用空調装置1では、主熱交換装置10が内気を導入する内気循環暖房モードのときには、補助熱交換装置60のコンデンサ63を内気熱交換状態にし、かつエバポレータ64を外気熱交換状態にして運転することができ、さらに、主熱交換装置10が内気を導入する内気循環冷房モードのときには、補助熱交換装置60のエバポレータ64を内気熱交換状態にし、かつコンデンサ63を外気熱交換状態にして運転することができる。したがって、本実施形態に係る車両用空調装置1を採用した場合には、換気暖房と内気循環暖房、換気冷房と内気循環冷房を運転状況に応じて適切に使い分けることができる。

さらに、本実施形態に係る車両用空調装置1においては、補助熱交換装置60のエバポレータ64を外気熱交換状態と換気熱交換状態に自由に切り換えることができるため、例えば、冷寒時に内気循環暖房モードで運転しているときに、車外の冷気によってエバポレータ64に着霜した場合には、エバポレータ64を換気熱交換状態に切り換えることによって車室内の温熱で除霜することができる。

また、本実施形態に係る車両用空調装置1の場合、補助熱交換装置60のコンデンサ63側の室内戻し通路74Cの内部にヒータ装置76が設置されている。このため、暖房運転時には、必要に応じてヒータ装置76を作動させることにより、補助熱交換装置60での暖房効果を高めることができる。

さらに、本実施形態の場合、ヒータ装置76がコンデンサ63側の室内戻し通路74C内に設置されているため、冷房運転時にコンデンサ63を通過した空気がヒータ装置76に当たるのを防止し、ヒータ装置76による流通抵抗の増大を抑制することができる。したがって、この構成を採用することにより、送風用のブロア69Cの消費電力を低減することができる。

また、本実施形態に係る車両用空調装置1においては、主熱交換装置10と完全に独立したヒートポンプ回路を持つ補助熱交換装置60を備えているため、例えば、除霜暖房運転時に、主熱交換装置10で除霜暖房運転を行い、それと併せて補助熱交換装置60でも暖房運転を行うようにすれば、除湿に伴う主熱交換装置10での送風熱量の低下を補助熱交換装置60によって補い、車室内の温度をより快適に保つことができる。

なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。 例えば、上記の実施形態においては、ヒートポンプ回路によって主熱交換装置の温熱発生部を構成しているが、主熱交換装置の温熱発生部は、水加熱ヒータや高電圧PTCヒータ等を用いることも可能である。この場合も、上記の実施形態と同様の補助熱交換装置と組み合わせた運転を行うことにより、エネルギーの利用効率を高めて消費電力の低減を図ることができる。

1…車両用空調装置 10…主熱交換装置 15…制御装置 37…切り換え用ダンパ(導入空気切り換え部) 53…エバポレータ(冷熱発生部) 55…暖房用室内熱交換器(温熱発生部) 60…補助熱交換装置 63…コンデンサ 64…エバポレータ 65…排熱通路 66…コンプレッサ 67…膨張弁 68C…コンデンサ側内部通路 68E…エバポレータ側内部通路 69C,69E…ブロア 72C…内外気切り換えダンパ(コンデンサ側熱交換切り換え部) 72E…内外気切り換えダンパ(エバポレータ側熱交換切り換え部) 75C…排出切り換えダンパ(コンデンサ側熱交換切り換え部) 75E…排出切り換えダンパ(エバポレータ側熱交換切り換え部)

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