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車両用空調装置

阅读:894发布:2020-05-08

专利汇可以提供車両用空調装置专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】空調装置の単純化を図る。 【解決手段】車両用空調装置(空調装置10)は、車室103内に設けられた複数のシート104に対し、対応するシート毎に冷房又は 暖房 を選択的に行う複数のシート空調ユニット30と、複数の前記シート空調ユニットで使用された空気の一部(外気)を車室103外に排出するための複数の排気ダクト62FR,62FL,62RR,62RLと、を備えている。複数の排気ダクトの少なくとも一部は、集合化されている。 【選択図】図2,下面是車両用空調装置专利的具体信息内容。

車室内に設けられた複数のシートに対し、対応するシート毎に冷房又は暖房を選択的に行う複数のシート空調ユニットと、 複数の前記シート空調ユニットで使用された空気の一部を車室外に排出するための複数の排気ダクトと、を備え、 複数の前記排気ダクトの少なくとも一部は、集合化されている ことを特徴とする車両用空調装置。請求項1に記載の車両用空調装置において、 複数の前記シート空調ユニットに外気を給気するための複数の給気ダクトを備え、 複数の前記給気ダクトの少なくとも一部は、集合化されている ことを特徴とする車両用空調装置。請求項1又は請求項2に記載の車両用空調装置において、 複数の前記シート空調ユニットのそれぞれは、 冷媒を凝縮させる凝縮器と、 冷媒を蒸発させる蒸発器と、 外気及び内気を流すための流路と、 冷房運転時に、前記凝縮器の方向に外気を導くとともに、暖房運転時に、前記蒸発器の方向に外気を導くように、前記流路を切り替える流路切替手段と、を有する ことを特徴とする車両用空調装置。請求項3に記載の車両用空調装置において、 複数の前記シート空調ユニットのそれぞれは、 前記凝縮器へ外気を流すための第1外気用流路と、 前記蒸発器へ外気を流すための第2外気用流路と、 前記凝縮器へ内気を流すための第1内気用流路と、 前記蒸発器へ内気を流すための第2内気用流路と、を有し、 前記第1外気用流路の給気口と前記第2外気用流路の給気口とが集合化され、 前記第1外気用流路の排気口と前記第2外気用流路の排気口とが集合化され、 前記第1内気用流路の給気口と前記第2内気用流路の給気口とが集合化されている ことを特徴とする車両用空調装置。請求項4に記載の車両用空調装置において、 前記凝縮器の周囲で前記第1外気用流路と前記第1内気用流路とが共通の空間を有し、 前記蒸発器の周囲で前記第2外気用流路と前記第2内気用流路とが共通の空間を有し、 前記流路切替手段は、冷房運転時に、外気が前記第1外気用流路を通過するとともに、内気が前記第2外気用流路を通過し、暖房運転時に、外気が前記第2外気用流路を通過するとともに、内気が前記第1外気用流路を通過するように、前記流路を切り替える ことを特徴とする車両用空調装置。

说明书全文

本発明は、車両用空調装置に関する。

従来、車両に搭載された車両用空調装置として、冷却や加熱等の空調処理が施された空気を、シートに着座している乗員の周囲に供給する装置が提供されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。このような車両用空調装置は、乗員の周囲を局所的に集中して冷房又は暖房することができるため、冷房や暖房等の運転開始直後であっても、快適な空間を乗員に提供することができる。

特開2006−35952号公報

特開2016−145015号公報

特許文献1に記載された車両用空調装置のシート内の熱交換器は、ペルティエ素子を想定した熱源/冷源切り替えにより単純な車外への排熱構造となっている。この特許文献1に記載された車両用空調装置は、ペルティエ素子を供給空気の冷却や加熱処理に利用した場合、効率面で劣り能/電力不足が発生し易い、という課題があった。 一方、特許文献2に記載されたシート空調装置は、蒸気圧縮による熱交換機がシート内に設置されている。この特許文献2に記載されたシート空調装置は、冷房時の温風及び暖房時の冷風を車外に排熱できない、という課題があった。また、特許文献2に記載されたシート空調装置は、熱交換器毎に送風ファンが必要となり、空調装置サイズが拡大し構造が複雑かつコストが高くなり易い、という課題があった。

本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、シート内部構造が単純化されかつ蒸気圧縮式熱交換器の車外への排熱を可能とした高効率な車両用空調装置を提供することを主な目的とする。

前記目的を達成するため、本発明は、車両用空調装置であって、車室内に設けられた複数のシートに対し、対応するシート毎に冷房又は暖房を選択的に行う複数のシート空調ユニットと、複数の前記シート空調ユニットで使用された空気の一部を車室外に排出するための複数の排気ダクトと、を備え、複数の前記排気ダクトの少なくとも一部は、集合化されている構成とする。 その他の手段は、後記する。

本発明によれば、送風用ファンを削減し空調装置の単純化を図ることができる。

実施形態に係る車両用空調装置の側面側から見た模式構成図である。

実施形態に係る車両用空調装置のシート空調ユニットの側面側から見た模式構成図である。

実施形態に係る車両用空調装置の上面側から見た模式構成図である。

冷房運転時の車両用空調装置の動作説明図である。

暖房運転時の車両用空調装置の動作説明図である。

上面側から見たフロント空調ユニットの模式構成図である。

上面側から見たシート空調ユニットの模式構成図である。

上面側から見たリア送風ユニットの模式構成図である。

冷房運転時のフロント空調ユニットの動作説明図である。

暖房運転における室内フロント部昇温時のフロント空調ユニットの動作説明図である。

暖房運転における高外気温(0℃程度)時のフロント空調ユニットの動作説明図である。

暖房運転における低外気温時(各シート空調ユニット能力不足時)のフロント空調ユニットの動作説明図である。

冷房運転時のシート空調ユニットの動作説明図である。

暖房運転時のシート空調ユニットの動作説明図である。

比較例に係る空調装置のシート空調ユニットの側面側から見た模式構成図である。

冷房運転時の比較例に係るシート空調ユニットの動作説明図である。

暖房運転時の比較例に係るシート空調ユニットの動作説明図である。

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。

[実施形態] 本実施形態は、送風用ファンの削減が図られた空調装置10を提供するものである。また、本実施形態は、後記する比較例に係る空調装置のシート空調ユニット(図10乃至図12参照)が有する課題を解決することを考慮された空調装置10を提供するものである。

<空調装置の全体構成> 以下、図1A乃至図4を参照して、本実施形態に係る空調装置10の全体構成について説明する。空調装置10は、車両に設けられた車両用空調装置である。図1Aは、空調装置10の側面側から見た模式構成図である。図1Bは、空調装置10のシート空調ユニット30の側面側から見た模式構成図である。図2は、空調装置10の上面側から見た模式構成図である。図3は、冷房運転時の空調装置10の動作説明図である。図4は、暖房運転時の空調装置10の動作説明図である。

図1Aに示すように、空調装置10は、1乃至複数のフロント空調ユニット20と、複数のシート空調ユニット30と、1乃至複数のリア送風ユニット40と、を有している。ここでは、フロント空調ユニット20の数が1つで、シート空調ユニット30の数が4つで、リア送風ユニット40の数が2つである場合を想定して説明する(図2参照)。

フロント空調ユニット20は、外気(室外空気)をシート空調ユニット30に供給するユニットである。フロント空調ユニット20は、車両100のフロント部102に設けられている。本実施形態では、フロント空調ユニット20は、外気(室外空気)や内気(室内空気)を加熱する機能を有している。なお、フロント空調ユニット20は、外気や内気を冷却する機能を有する構成にしてもよい。

シート空調ユニット30は、対応するシート104毎に冷房又は暖房を選択的に行うユニットである。シート空調ユニット30は、車室103内に配置された各シート104に設けられている(図2参照)。シート空調ユニット30の内部には、空気との間で熱交換を行うための冷媒が封入されている。

なお、シート空調ユニット30が、圧縮機、蒸発器、凝縮器、膨張弁を含んで構成されて冷媒が循環する冷凍サイクル装置の場合、冷房運転時には、蒸発器で冷房用の冷風を発生させるが、同時に凝縮器では熱が発生する。このため、この凝縮器で発生した熱を排熱として車外に放出して冷房効率を高める。また、シート空調ユニット30は、暖房運転時には、凝縮器で暖房用の温風を発生させるが、同時に蒸発器では令熱が発生する。このため、この蒸発器で発生した冷熱を排熱として車外に放出して暖房効率を高める。

この点は、冷媒を用いないペルティエ素子による冷暖房運転でも同じであり、冷房運転時は、同時に発生する熱を車外に排出させ、暖房運転時は、同時に発生する冷熱を車外に排出させる。

リア送風ユニット40は、フロント空調ユニット20及びシート空調ユニット30で使用された空気の一部(外気)とともに熱を通風孔50b(図2参照)から室外に排出するユニットである。リア送風ユニット40は、車両100の後部に設けられている。

図1Bに示すように、空調装置10のシート空調ユニット30は、冷房や暖房等の運転時に、冷却や加熱等の空調処理が施された空気を、シート104に着座している乗員の周囲に供給する構造になっている。このような空調装置10は、空調処理が施された空気を乗員の周囲に供給することができるため、冷房や暖房等の運転開始直後に快適な空間を乗員に提供することができる。

図2に示すように、本実施形態では、空調装置10は、1つのフロント空調ユニット20と、4つのシート空調ユニット30と、2つのリア送風ユニット40と、各ユニット間で空気を流すためのダクト60と、を備えている。

図2に示す例では、車両100は、フロント部102に、1つのフロント空調ユニット20を備えている。また、車両100は、前列右側、前列左側、後列右側、後列左側とに1つずつ、合計4つのシート104を備えている。そして、各シート104には、シート空調ユニット30が1つずつ設けられている。また、車両100は、後部右側と後部左側とに1つずつ、合計2つのリア送風ユニット40を備えている。

ダクト60は、フロント空調ユニット20とシート空調ユニット30とを接続する給気ダクト61と、シート空調ユニット30とリア送風ユニット40とを接続する排気ダクト62と、リア送風ユニット40と通風孔50bとを接続する通風ダクト63と、を備えている。

給気ダクト61は、シート空調ユニット30に熱排出用の外気を給気するためのダクトである。給気ダクト61は、例えば、車体フロアの下や、センタートンネルの内部、センターコンソールの内部等に配置することができる。 排気ダクト62と通風ダクト63は、シート空調ユニット30で使用された空気の一部(外気)を室外(車室103外)に排出するためのダクトである。通風ダクト63は、排気ダクト62よりも下流側に配置されている。排気ダクト62と通風ダクト63は、冷房運転時にシート空調ユニット30で発生する温熱や暖房運転時にシート空調ユニット30で発生する冷熱を外気とともに室外に排出する。

また、本実施形態では、各シート空調ユニット30は内気を循環させる第1ルート(矢印A11参照)と外気を流す第2ルート(矢印A21,A22,A23,A24参照)とを備え、第1ルートと第2ルートとが分離独立した構造になっている。

各シート空調ユニット30は、同様の構成になっている。以下、各シート空調ユニット30を区別する場合に、前列右側、前列左側、後列右側、後列左側のものから順に、各シート空調ユニット30の符号の末尾に、英文字記号「FR」、「FL」、「RR」、「RL」を付して説明する。つまり、それぞれを「シート空調ユニット30FR」、「シート空調ユニット30FL」、「シート空調ユニット30RR」、「シート空調ユニット30RL」と称して説明する。

また、各シート空調ユニット30に接続された給気ダクト61を区別する場合に、前列右側、前列左側、後列右側、後列左側のものから順に、各給気ダクト61の符号の末尾に、英文字記号「FR」、「FL」、「RR」、「RL」を付して説明する。つまり、それぞれを「給気ダクト61FR」、「給気ダクト61FL」、「給気ダクト61RR」、「給気ダクト61RL」と称して説明する。

また、各シート空調ユニット30に接続された排気ダクト62を区別する場合に、前列右側、前列左側、後列右側、後列左側のものから順に、各排気ダクト62の符号の末尾に、英文字記号「FR」、「FL」、「RR」、「RL」を付して説明する。つまり、それぞれを「排気ダクト62FR」、「排気ダクト62FL」、「排気ダクト62RR」、「排気ダクト62RL」と称して説明する。

また、右側の通風ダクト63と左側の通風ダクト63を区別する場合に、右側の通風ダクト63を「通風ダクト63R」と称し、左側の通風ダクト63を「通風ダクト63L」と称して説明する。

フロント空調ユニット20は、4つの給気ダクト61を介して4つのシート空調ユニット30と接続されている。4つの給気ダクト61は、集合化された構成になっている。例えば、図2に示す例では、4つの給気ダクト61は、略中央に配置された直線状のパイプに接続された形状になっている。換言すると、4つの給気ダクト61は、略中央に配置された直線状のパイプから4つのシート空調ユニット30に向けて4方向に分岐した形状になっている。各給気ダクト61の排気口側(終端側)は、各シート空調ユニット30の外気取り込み用の給気口に接続されている。

前列右側のシート空調ユニット30FRは、排気ダクト62FRを介して右側のリア送風ユニット40Rと接続されている。また、後列右側のシート空調ユニット30RRは、排気ダクト62RRを介して右側のリア送風ユニット40Rと接続されている。排気ダクト62FRと排気ダクト62RRは、途中で1つに集合化されて、右側のリア送風ユニット40Rと接続されている。

右側のリア送風ユニット40Rは、通風ダクト63Rを介して通風孔50bRと接続されている。通風孔50bRは、室外に開放されている。

前列左側のシート空調ユニット30FLは、排気ダクト62FLを介して左側のリア送風ユニット40Lと接続されている。また、後列左側のシート空調ユニット30RLは、排気ダクト62RLを介して左側のリア送風ユニット40Lと接続されている。排気ダクト62FLと排気ダクト62RLは、途中で1つに集合化されて、左側のリア送風ユニット40Lと接続されている。

左側のリア送風ユニット40Lは、通風ダクト63Lを介して通風孔50bLと接続されている。通風孔50bLは、室外に開放されている。

外気は、導入口50aからフロント空調ユニット20の内部に取り込まれ、各給気ダクト61を介してフロント空調ユニット20から各シート空調ユニット30に供給される(矢印A21,A22参照)。各シート空調ユニット30に供給された外気は、排気ダクト62を介してシート空調ユニット30からリア送風ユニット40に送られる(矢印A23参照)。その際に、外気は、運転状態が冷房運転である場合に、シート空調ユニット30で加熱され(すなわち、排温熱を吸収し)、一方、運転状態が暖房運転である場合に、シート空調ユニット30で冷却される(すなわち、排冷熱を吸収する)。リア送風ユニット40に送られた外気は、通風ダクト63を介してリア送風ユニット40から通風孔50bに送られて、通風孔50bから室外に排出される(矢印A24参照)。その際に、外気は、リア送風ユニット40で加圧されて下流側に送り出される。

このような外気に対し、内気は、室内から各シート空調ユニット30に取り込まれ、運転状態に応じて所望の熱交換が行われた後、室内に放出される(矢印A11参照)。

<冷房運転時の空調装置の動作> 以下、図3を参照して、冷房運転時の空調装置10の動作について説明する。図3は、冷房運転時の空調装置10の動作説明図である。なお、フロント空調ユニット20は、内気又は外気を選択的に加熱するヒータ27を内蔵している。また、各シート空調ユニット30は、凝縮器37aと蒸発器37bとからなる2つの熱交換器37を有している。

図3に示すように、冷房運転時において、フロント空調ユニット20のヒータ27は、OFF状態になっている。また、フロント空調ユニット20は、内気の循環を停止した状態(つまり、室内からの内気の取り込みと室内への内気の放出とを停止した状態)になっている。また、各シート空調ユニット30の熱交換器37では、凝縮器37aと蒸発器37bとがON状態になっている。

フロント空調ユニット20は、導入口50aから内部に外気を取り込み、給気ダクト61を介して各シート空調ユニット30に外気を供給する。各シート空調ユニット30は、室内から内気を取り込む(矢印A11参照)とともに、熱交換器37で冷媒と内気との間及び冷媒と外気との間で熱交換を行う。このとき、各シート空調ユニット30は、凝縮器37aで外気を加熱する(すなわち、排温熱を外気に与える)とともに、蒸発器37bで内気を冷却する。

各シート空調ユニット30は、排気ダクト62を介してリア送風ユニット40に凝縮器37aで加熱された外気を送り出す。リア送風ユニット40は、通風ダクト63を介して通風孔50bに外気を送り、通風孔50bから室外に外気を排出する。これにより、空調装置10は、外気とともに熱を室外に排出する。すなわち、空調装置10は、各シート空調ユニット30の凝縮器37aで発生した温熱を排熱として室外に捨てる。また、空調装置10は、蒸発器37bで冷却された内気を室内に放出する。これにより、空調装置10は、車室103に対して冷房を行う。

<暖房運転時の空調装置の動作> 以下、図4を参照して、暖房運転時の空調装置10の動作について説明する。図4は、暖房運転時の空調装置10の動作説明図である。

図4に示すように、暖房運転時において、フロント空調ユニット20のヒータ27は、ON状態になっている。また、フロント空調ユニット20は、内気の循環を実行している状態(つまり、室内からの内気の取り込みと室内への内気の放出とを実行している状態)になっている。また、各シート空調ユニット30の熱交換器37では、凝縮器37aと蒸発器37bとがON状態になっている。なお、各シート空調ユニット30が十分な温熱を発生できるようになったら、フロント空調ユニット20はヒータ27をOFF状態にしてもよい。

フロント空調ユニット20は、室内から内気を取り込むとともに、ヒータ27で内気を加熱して、加熱した内気を室内に放出する(矢印A10参照)。また、フロント空調ユニット20は、導入口50aから内部に外気を取り込み、給気ダクト61を介して各シート空調ユニット30に外気を供給する。各シート空調ユニット30は、室内から内気を取り込む(矢印A11参照)とともに、熱交換器37で冷媒と内気との間及び冷媒と外気との間で熱交換を行う。このとき、各シート空調ユニット30は、蒸発器37bで外気を冷却する(すなわち、排冷熱を外気に与える)とともに、凝縮器37aで内気を加熱する。

各シート空調ユニット30は、排気ダクト62を介してリア送風ユニット40に蒸発器37bで冷却された外気を送り出す。リア送風ユニット40は、通風ダクト63を介して通風孔50bに外気を送り、通風孔50bから室外に外気を排出する。これにより、空調装置10は、外気を室外に排出する。すなわち、空調装置10は、各シート空調ユニット30の蒸発器37bで発生した冷熱を排熱として室外に捨てる。また、空調装置10は、凝縮器37aで加熱された内気を室内に放出する。これにより、空調装置10は、車室103に対して暖房を行う。

<フロント空調ユニットの構成> 以下、図5Aを参照して、フロント空調ユニット20の構成について説明する。図5Aは、上面側から見たフロント空調ユニット20の模式構成図である。

図5Aに示すように、フロント空調ユニット20は、内気と外気の流れを切り替えるための内外気切替ダンパ21と、内気に含まれる微細な塵埃を除去するためのフィルタ25と、内気を流動させるためのファン26と、内気と外気を選択的に加熱するヒータ27と、を有している。内外気切替ダンパ21は、内気を流すための2つの流路(第1内気用流路21a1及び第2内気用流路21a2)と、外気を流すための1つの流路(外気用流路21b)と、を有している。フロント空調ユニット20は、内気用のファン26aと外気用のファン26bとの2つのファン26を有している。ヒータ27は、空調空気を加熱するヒータコア27aと、冷媒の蒸発と凝縮によって高温部から低温部に熱を移動させるヒートパイプ27bと、を有している。

第1内気用流路21a1と第2内気用流路21a2と外気用流路21bは、前後方向に延在するように配置されている。第1内気用流路21a1と第2内気用流路21a2は、給気口と排気口が室内に設けられている。また、外気用流路21bは、給気口が室外に設けられているとともに、排気口側が給気ダクト61に接続されている。

第1内気用流路21a1と第2内気用流路21a2は、隣接して配置されているとともに、途中部分に共通の空間を備えている。その共通の空間に、フィルタ25と、ファン26aと、ヒータコア27aと、が配置されている。ファン26aは、フィルタ25よりも下流側の位置に配置され、ヒータコア27aは、ファン26aよりも下流側の位置に配置されている。

第2内気用流路21a2と外気用流路21bは、隣接して配置されている。外気用流路21bの内部には、ファン26bが配置されている。本実施形態では、ファン26aとファン26bは、左右方向の略同じ位置に配置されている。また、外気用流路21bと第2内気用流路21a2の内部には、ヒートパイプ27bが配置されている。ヒートパイプ27bは、ヒータコア27aよりも下流側の位置に配置されている。

第1内気用流路21a1と第2内気用流路21a2との間には、切替ドア24a,24bが設けられている。切替ドア24aは、フィルタ25よりも上流側の位置に配置されている。また、切替ドア24bは、ヒータコア27aよりも下流側でかつヒートパイプ27bよりも上流側の位置に配置されている。また、外気用流路21bの内部には、切替ドア24cが設けられている。切替ドア24cは、ファン26bよりも上流側の位置に配置されている。切替ドア24a,24b,24cは、流路を切り替える流路切替手段である。

フロント空調ユニット20は、室内から取り込まれた内気をファン26aで加圧しながら、第1内気用流路21a1と第2内気用流路21a2のいずれか一方又は双方を介して下流側に流す。その際に、フロント空調ユニット20は、運転状態によっては、ヒータコア27aで内気を加熱したり、ヒートパイプ27bを介して内気と外気との間で熱交換を行ったりする。この後、フロント空調ユニット20は、内気を室内に放出する。

また、フロント空調ユニット20は、室外から取り込まれた外気をファン26bで加圧しながら、外気用流路21bを介して下流側に流す。その際に、フロント空調ユニット20は、運転状態によっては、ヒートパイプ27bを介して内気と外気との間で熱交換を行う。この後、フロント空調ユニット20は、給気ダクト61を介して外気を各シート空調ユニット30に供給する。

<シート空調ユニットの構成> 以下、図5Bを参照して、シート空調ユニット30の構成について説明する。図5Bは、上面側から見たシート空調ユニット30の模式構成図である。

図5Bに示すように、シート空調ユニット30は、内気と外気の流れを切り替えるための内外気切替ダンパ31と、内気を流動させるためのファン36と、冷媒と内気との間及び冷媒と外気との間で熱交換を行うための熱交換器37と、を有している。内外気切替ダンパ31は、内気を流すための2つの流路(第1内気用流路31a1及び第2内気用流路31a2)と、外気を流すための2つの流路(第1外気用流路31b1及び第2外気用流路31b2)と、を有している。また、シート空調ユニット30は、熱交換器37として、冷媒を凝縮させる凝縮器37aと、冷媒を蒸発させる蒸発器37bと、を有している。ここでは、シート空調ユニット30の凝縮器37aと蒸発器37bは、図示せぬ圧縮機及び図示せぬ膨張弁とともに、冷媒が循環する冷凍サイクル装置を構成しているものとして説明する。

第1内気用流路31a1と第2内気用流路31a2と第1外気用流路31b1と第2外気用流路31b2は、前後方向に延在するように配置されている。第1内気用流路31a1と第2内気用流路31a2は、給気口32aと排気口が室内に設けられている。また、第1外気用流路31b1と第2外気用流路31b2は、給気口32bが室外に設けられているとともに、排気口側が排気ダクト62に接続されている。

第1内気用流路31a1と第2内気用流路31a2は、給気口32aから2つに分岐して形成されている。第1内気用流路31a1は、第1外気用流路31b1の右外側に隣接して配置されている。第2内気用流路31a2は、第2外気用流路31b2の左外側に隣接して配置されている。第1外気用流路31b1と第2外気用流路31b2は、給気口32bからシート空調ユニット30の左右方向の略中央を通るように、隣接して配置されている。

第1内気用流路31a1と第1外気用流路31b1は、途中部分に共通の空間を備えている。その共通の空間に、凝縮器37aが配置されている。また、第2内気用流路31a2と第2外気用流路31b2は、途中部分に共通の空間を備えている。その共通の空間に、蒸発器37bが配置されている。本実施形態では、凝縮器37aと蒸発器37bは、左右方向の略同じ位置に配置されている。

第1内気用流路31a1と第1外気用流路31b1との間には、切替ドア34a,34bが設けられている。切替ドア34aは、凝縮器37aよりも上流側の位置に配置されている。また、切替ドア34bは、凝縮器37aよりも下流側の位置に配置されている。

また、第2内気用流路31a2と第2外気用流路31b2との間には、切替ドア34c,34dが設けられている。切替ドア34cは、蒸発器37bよりも上流側の位置に配置されている。また、切替ドア34dは、蒸発器37bよりも下流側の位置に配置されている。切替ドア34a,34b,34c,34dは、流路を切り替える流路切替手段である。

シート空調ユニット30は、室内から取り込まれた内気をファン36で加圧しながら、第1内気用流路31a1と第2内気用流路31a2のいずれか一方を介して下流側に流す。その際に、シート空調ユニット30は、熱交換器37で冷媒と内気との間及び冷媒と外気との間で熱交換を行う。この後、シート空調ユニット30は、内気を室内に放出する。

また、シート空調ユニット30は、室外から取り込まれた外気を第1外気用流路31b1と第2外気用流路31b2のいずれか一方を介して下流側に流す。その際に、シート空調ユニット30は、熱交換器37で冷媒と内気との間及び冷媒と外気との間で熱交換を行う。この後、シート空調ユニット30は、排気ダクト62を介して外気をリア送風ユニット40に送り出す。

なお、シート空調ユニット30は、室内との間で内気を循環させるために、内気用の給気口32a側にファン36を有している。しかしながら、シート空調ユニット30は、外気用の給気口32b側にはファン(送風用ファン)を有していない。

これは、空調装置10が、以下のような構成を有しており、外気用の給気口32b側からファン(送風用ファン)を削除することを可能にしているからである。 (a)空調装置10は、フロント空調ユニット20のファン26b(図5A参照)で外気を加圧してフロント空調ユニット20からシート空調ユニット30に送り出す構成になっている。 (b)空調装置10は、リア送風ユニット40のファン46(図5C参照)でシート空調ユニット30からリア送風ユニット40に外気を吸引する構成になっている。

このような空調装置10は、外気用の給気口32b側から削除されたファン(送風用ファン)の分だけ部品点数の低減を図ることができる。例えば、空調装置10が4つのシート空調ユニット30を有する場合に、4つの外気用のファン(送風用ファン)を削除することができる。また、空調装置10は、シート空調ユニット30のサイズの小型化を図ることができる。

<リア送風ユニットの構成> 以下、図5Cを参照して、リア送風ユニット40の構成について説明する。図5Cは、上面側から見たリア送風ユニット40の模式構成図である。

図5Cに示すように、リア送風ユニット40は、外気を流すための外気用流路41bと、外気を流動させるためのファン46と、を有している。外気用流路41bは、給気口側(始端側)が排気ダクト62に接続され、排気口側(終端側)が通風ダクト63に接続されている。外気用流路41bの内部には、ファン46が配置されている。

<冷房運転時のフロント空調ユニットの動作> 以下、図6を参照して、冷房運転時のフロント空調ユニット20の動作について説明する。図6は、冷房運転時のフロント空調ユニット20の動作説明図である。

図6に示すように、冷房運転時において、フロント空調ユニット20では、切替ドア24aと切替ドア24bは、第1内気用流路21a1を開放するとともに、第2内気用流路21a2を閉鎖した状態になっている。また、切替ドア24cは、外気用流路21bを開放した状態になっている。また、ヒータコア27aとヒートパイプ27bは、OFF状態になっている。

このような状態において、フロント空調ユニット20は、ファン26aを作動させずに、内気の循環を停止した状態になっている。また、フロント空調ユニット20は、ファン26bを作動させることで外気用流路21b内で外気を下流側に流しながら、ヒートパイプ27bを通過させる。このとき、外気と内気との間では、熱交換が行われない。

<暖房運転時のフロント空調ユニットの動作> 以下、図7A乃至図7Cを参照して、暖房運転における室内フロント部昇温時のフロント空調ユニット20の動作について説明する。図7Aは、暖房運転における室内フロント部昇温時のフロント空調ユニット20の動作説明図である。図7Bは、暖房運転における高外気温(0℃程度)時のフロント空調ユニット20の動作説明図である。図7Cは、暖房運転における低外気温時(各シート空調ユニット30の能力不足時)のフロント空調ユニット20の動作説明図である。

(室内フロント部昇温時のフロント空調ユニットの動作) 室内フロント部昇温時では、フロント空調ユニット20は、ヒータコア27aを作動させて、フロント空調ユニット20の周囲の室内温度を上昇させる。このような室内フロント部昇温時において、フロント空調ユニット20では、図7Aに示すように、切替ドア24aと切替ドア24bは、第1内気用流路21a1を開放するとともに、第2内気用流路21a2を閉鎖した状態になっている。また、切替ドア24cは、外気用流路21bを開放した状態になっている。また、ヒータコア27aは、ON状態で、ヒートパイプ27bは、OFF状態になっている。

このような状態において、フロント空調ユニット20は、ファン26aを作動させることで第1内気用流路21a1内で内気を下流側に流しながら、フィルタ25で微細な塵埃を除去し、さらに、ヒータコア27aを通過させることで内気を加熱する。また、フロント空調ユニット20は、ファン26bを作動させることで外気用流路21b内で外気を下流側に流しながら、ヒートパイプ27bを通過させる。このとき、外気と内気との間では、熱交換が行われない。この後、フロント空調ユニット20は、給気ダクト61を介して外気を各シート空調ユニット30の蒸発器37bに送り出す。

(高外気温時のフロント空調ユニットの動作) 高外気温(0℃程度)時では、フロント空調ユニット20は、シート空調ユニット30への送風のみを行う。このような高外気温時において、フロント空調ユニット20では、図7Bに示すように、切替ドア24aと切替ドア24bは、第1内気用流路21a1を開放するとともに、第2内気用流路21a2を閉鎖した状態になっている。また、切替ドア24cは、外気用流路21bを開放した状態になっている。また、ヒータコア27aとヒートパイプ27bは、OFF状態になっている。

このような状態において、フロント空調ユニット20は、ファン26aを作動させずに、内気の循環を停止した状態になっている。また、フロント空調ユニット20は、ファン26bを作動させることで外気用流路21b内で外気を下流側に流しながら、ヒートパイプ27bを通過させる。このとき、外気と内気との間では、熱交換が行われない。この後、フロント空調ユニット20は、給気ダクト61を介して外気を各シート空調ユニット30の蒸発器37bに送り出す。

(低外気温時のフロント空調ユニットの動作) 低外気温時では、フロント空調ユニット20は、ヒータコア27aとヒートパイプ27bを作動させて、室内温度と内気の送風温度を上昇させるとともに、シート空調ユニット30に送る外気の送風温度を上昇させる。このような低外気温時において、フロント空調ユニット20では、図7Cに示すように、切替ドア24aと切替ドア24bは、第1内気用流路21a1と第2内気用流路21a2を開放した状態になっている。また、切替ドア24cは、外気用流路21bを開放した状態になっている。また、ヒータコア27aとヒートパイプ27bは、ON状態になっている。なお、各シート空調ユニット30が十分な温熱を発生できるようになったら、フロント空調ユニット20はヒータ27をOFF状態にしてもよい。

このような状態において、フロント空調ユニット20は、ファン26aを作動させることで内気を第1内気用流路21a1内と第2内気用流路21a2内とで流しながら、フィルタ25で微細な塵埃を除去し、さらに、ヒータコア27aを通過させることで内気を加熱する。また、フロント空調ユニット20は、ファン26bを作動させることで外気用流路21b内で外気を下流側に流しながら、ヒートパイプ27bを通過させる。このとき、ヒートパイプ27bを介して外気と内気との間で熱交換が行われる。この後、フロント空調ユニット20は、給気ダクト61を介して外気を各シート空調ユニット30の凝縮器37aに送り出す。

なお、図7Cに示す動作は、以下に説明するように、各シート空調ユニット30の暖房能力が不足し易い低外気温時において、各シート空調ユニット30が即座に温風を乗員に向けて送風することを可能にすることを意図したものである。

すなわち、例えば、各シート空調ユニット30の暖房能力が不足し易い低外気温時では、エンジンを備えない電気自動車では、暖房にエンジンで発生する熱を利用することができない。また、冷凍サイクル装置は、特性上、冷風を発生させるよりも温風を発生させる方が時間を要する。そのため、低外気温時では、シート空調ユニット30が充分な温風を発生させるためには、時間を要する。したがって、低外気温時では、図7Cに示すように、空調装置10は、フロント空調ユニット20のヒータ27をON状態にして、シート空調ユニット30の暖房能力の不足分を補い、シート空調ユニット30が即座に温風を乗員に向けて送風することができるようにしている。

<冷房運転時のシート空調ユニットの動作> 以下、図8を参照して、冷房運転時のシート空調ユニット30の動作について説明する。図8は、冷房運転時のシート空調ユニット30の動作説明図である。

図8に示すように、冷房運転時において、シート空調ユニット30では、切替ドア34aと切替ドア34bは、第1内気用流路31a1を閉鎖するとともに、第1外気用流路31b1を開放した状態になっている。また、切替ドア34cと切替ドア34dは、第2外気用流路31b2を閉鎖するとともに、第2内気用流路31a2を開放した状態になっている。また、凝縮器37aと蒸発器37bは、ON状態になっている。

このような状態において、シート空調ユニット30は、ファン36を作動させることで第2内気用流路31a2内で内気を下流側に流しながら、蒸発器37bを通過させる。このとき、蒸発器37bを流れる冷媒と内気との間で熱交換が行われる。これによって、内気が冷却される。この後、シート空調ユニット30は、内気を室内に放出する。また、シート空調ユニット30は、フロント空調ユニット20から送られてくる外気を第1外気用流路31b1内で流しながら、凝縮器37aを通過させる。このとき、凝縮器37aを流れる冷媒と外気との間で熱交換が行われる。これによって、外気が加熱される。この後、シート空調ユニット30は、排気ダクト62を介して外気をリア送風ユニット40に送り出す。

<暖房運転時のシート空調ユニットの動作> 以下、図9を参照して、暖房運転時のシート空調ユニット30の動作について説明する。図9は、暖房運転時のシート空調ユニット30の動作説明図である。

図9に示すように、暖房運転時において、シート空調ユニット30では、切替ドア34aと切替ドア34bは、第1内気用流路31a1を開放するとともに、第1外気用流路31b1を閉鎖した状態になっている。また、切替ドア34cと切替ドア34dは、第2外気用流路31b2を開放するとともに、第2内気用流路31a2を閉鎖した状態になっている。また、凝縮器37aと蒸発器37bは、ON状態になっている。

このような状態において、シート空調ユニット30は、ファン36を作動させることで第1内気用流路31a1内で内気を下流側に流しながら、凝縮器37aを通過させる。このとき、凝縮器37aを流れる冷媒と内気との間で熱交換が行われる。これによって、内気が加熱される。この後、シート空調ユニット30は、内気を室内に放出する。また、シート空調ユニット30は、フロント空調ユニット20から送られてくる外気を第2外気用流路31b2内で流しながら、蒸発器37bを通過させる。このとき、蒸発器37bを流れる冷媒と外気との間で熱交換が行われる。これによって、外気が冷却される。この後、シート空調ユニット30は、排気ダクト62を介して外気をリア送風ユニット40に送り出す。

<比較例の構成及び動作> ところで、本実施形態に係る空調装置10は、以下のような比較例に係る空調装置110が有する課題を解決することも思想にしている。比較例に係る空調装置110は、ダクトの単純化を図ることを考慮して構成されたものである。以下、図10乃至図12を参照して、比較例に係る空調装置110の構成と課題について説明する。図10は、比較例に係る空調装置110のシート空調ユニット130の側面側から見た模式構成図である。図11は、冷房運転時の比較例に係るシート空調ユニット130の動作説明図である。図12は、暖房運転時の比較例に係るシート空調ユニット130の動作説明図である。

図10に示すように、比較例に係る空調装置110は、本実施形態に係る空調装置10と比較すると、シート空調ユニット30の(図5B参照)の代わりに、シート空調ユニット130を有する点で相違している。

比較例に係るシート空調ユニット130は、シート104の下方に配置されている。比較例に係るシート空調ユニット130は、内気と外気を流動させるための2つのファン136(136a,136b)と、冷媒と内気との間及び冷媒と外気との間で熱交換を行うための熱交換器137と、を有している。また、比較例に係るシート空調ユニット130は、熱交換器137として、冷媒を凝縮させる凝縮器137aと、冷媒を蒸発させる蒸発器137bと、を有している。

また、比較例に係るシート空調ユニット130は、内気を流すための2つの流路(第1内気用流路131a1及び第2内気用流路131a2)と、外気を流すための2つの流路(第1外気用流路131b1及び第2外気用流路131b2)と、を有している。第1外気用流路131b1と第2外気用流路131b2は、前後方向に隣接して配置されている。第1内気用流路131a1は、第1外気用流路131b1の前方に隣接して配置されている。第2内気用流路131a2は、第2外気用流路131b2の後方に隣接して配置されている。

第1内気用流路131a1は、下から上に延びて、シート104の下で上端側が前方に突出するように、逆L字の形状を呈している。第1内気用流路131a1は、下端部と上端側の前端部に開口部が形成されている。下端部の開口部は給気口として機能し、上端側の前端部の開口部は排気口として機能する。第1内気用流路131a1は、下端部の開口部(給気口)から内気を内部に取り込み、上端側の前端部の開口部(排気口)から内気を室内に放出する構造になっている。

第2内気用流路131a2は、下から上に延びるとともに、その途中部分が後方に曲がり、さらに、その上端側が前方に突出してシート104の背もたれ部分に接続されるように、クランクした形状を呈している。第2内気用流路131a2は、下端部と上端側の前端部に開口部が形成されている。下端部の開口部は給気口として機能し、上端側の前端部の開口部は排気口として機能する。第2内気用流路131a2は、下端部の開口部(給気口)から内気を内部に取り込み、上端側の前端部の開口部(排気口)からシート104を介して内気を室内に放出する構造になっている。

第1外気用流路131b1と第2外気用流路131b2は、下から上に延びるとともに、その途中部分が後方に曲がり、その先端部が下方に曲がるように、逆U字の形状を呈している。第1外気用流路131b1と第2外気用流路131b2は、2つの下端部に開口部が形成されている。第1内気用流路131a1と第2内気用流路131a2とで挟まれた部分の下端部(以下、「一方の下端部」と称する)の開口部は給気口として機能し、他方の下端部の開口部は排気口として機能する。一方の下端部の開口部(給気口)には、導入管160aが取り付けられている。また、他方の下端部の開口部(排気口)には、導出管160bが取り付けられている。第1外気用流路131b1と第2外気用流路131b2は、一方の下端部の開口部(給気口)から外気を内部に取り込み、他方の下端部の開口部(排気口)から外気を室外に放出する構造になっている。

第1内気用流路131a1と第1外気用流路131b1は、途中部分に共通の空間を備えている。その共通の空間に、下から順番に凝縮器137aとファン136aとが配置されている。また、第2内気用流路31a2と第2外気用流路31b2は、途中部分に共通の空間を備えている。その共通の空間に、下から順番に蒸発器137bとファン136bとが配置されている。比較例では、凝縮器137aと蒸発器137bは、略同じ高さの位置に配置されている。また、ファン136aとファン136bは、略同じ高さの位置に配置されている。

第1内気用流路131a1と第1外気用流路131b1との間には、切替ドア134a,134bが設けられている。切替ドア134aは、凝縮器137aとファン136aよりも下方の位置に配置されている。また、切替ドア134bは、凝縮器137aとファン136aよりも上方の位置に配置されている。

また、第2内気用流路131a2と第2外気用流路131b2との間には、切替ドア134c,134dが設けられている。切替ドア134cは、蒸発器137bとファン136bよりも下方の位置に配置されている。また、切替ドア134dは、凝縮器137aとファン136aよりも上方の位置に配置されている。

図11に示すように、冷房運転時において、比較例に係るシート空調ユニット130では、切替ドア134aと切替ドア134bは、第1内気用流路131a1を閉鎖するとともに、第1外気用流路131b1を開放した状態になっている。また、切替ドア134cと切替ドア134dは、第2外気用流路131b2を閉鎖するとともに、第2内気用流路131a2を開放した状態になっている。また、凝縮器137aと蒸発器137bは、ON状態になっている。

このような状態において、比較例に係るシート空調ユニット130は、ファン136aとファン136bを作動させる。これにより、比較例に係るシート空調ユニット130は、第2内気用流路131a2内で内気を下流側(図11における上方向)に流しながら、蒸発器137bを通過させる。このとき、蒸発器137bを流れる冷媒と内気との間で熱交換が行われる。これによって、内気が冷却される。この後、比較例に係るシート空調ユニット130は、内気を室内に放出する。また、比較例に係るシート空調ユニット130は、第1外気用流路131b1内で外気を下流側(図11における上方向)に流しながら、凝縮器137aを通過させる。このとき、凝縮器137aを流れる冷媒と外気との間で熱交換が行われる。これによって、外気が加熱される。この後、比較例に係るシート空調ユニット130は、外気を室外に送り出す。

図12に示すように、暖房運転時において、比較例に係るシート空調ユニット130では、切替ドア134aと切替ドア134bは、第1内気用流路131a1を開放するとともに、第1外気用流路131b1を閉鎖した状態になっている。また、切替ドア134cと切替ドア134dは、第2外気用流路131b2を開放するとともに、第2内気用流路131a2を閉鎖した状態になっている。また、凝縮器137aと蒸発器137bは、ON状態になっている。

このような状態において、比較例に係るシート空調ユニット130は、ファン136aとファン136bを作動させる。これにより、比較例に係るシート空調ユニット130は、第1内気用流路131a1内で内気を下流側(図11における上方向)に流しながら、凝縮器137aを通過させる。このとき、凝縮器137aを流れる冷媒と内気との間で熱交換が行われる。これによって、内気が加熱される。この後、比較例に係るシート空調ユニット130は、内気を室内に放出する。また、比較例に係るシート空調ユニット130は、第2外気用流路131b2内で外気を下流側(図11における上方向)に流しながら、蒸発器137bを通過させる。このとき、蒸発器137bを流れる冷媒と外気との間で熱交換が行われる。これによって、外気が冷却される。この後、比較例に係るシート空調ユニット130は、外気を室外に送り出す。

係る構成において、比較例に係る空調装置110は、以下のような課題を有する。 (1)図10に示すように、比較例に係る空調装置110は、シート空調ユニット130に入出する空気の流れが複雑になるため、設計の自由度が低い。

(2)図10に示すように、比較例に係る空調装置110は、シート空調ユニット130が上下方向に延在するように構成されているため、ファン136や、切替ドア134a,134b,134c,134dのスペースの確保が困難である。このような比較例に係る空調装置110は、車体フロア101aから比較的値の大きな高さT130を必要とするため、設計の自由度が低い。

(3)図10に示すように、比較例に係る空調装置110は、熱交換器用のファン136として、1つのシート空調ユニット130につき、2つのファン136aとファン136bとが必要になる。このような比較例に係る空調装置110は、部品点数が多いため、シート空調ユニット130のサイズ及びコストが増大する。

(4)図10に示すように、比較例に係る空調装置110は、熱交換器137への空気流路を確保するために、車体側(車体フロア101a等)に複数の通風孔Ho1,Ho2を設ける必要がある。通風孔Ho1は、入口用の通風孔であり、通風孔Ho2は、出口用の通風孔である。比較例に係る空調装置110は、1つのシート空調ユニット130に対して、入口用と出口用の2つの通風孔Ho1,Ho2を設ける必要がある。そのため、例えば、シート空調ユニット130の数が4つである場合に、比較例に係る空調装置110は、8つの通風孔Ho1,Ho2を設ける必要がある。このような比較例に係る空調装置110は、車体側に複数の通風孔Ho1,Ho2を設けることにより、雨や走行音等が室内に侵入する可能性がある。

(5)比較例に係る空調装置110は、外気温が低い場合に、シート空調ユニット130の蒸発器137bに霜が付着して、熱交換器137が効果的に機能しない可能性がある。

このような比較例に係る空調装置110に対して、本実施形態に係る空調装置10は、以下のような利点を有する。 (1)図5Bに示すように、本実施形態に係る空調装置10は、シート空調ユニット30に入出する空気の流れが単純化されるため、設計の自由度を向上させることができる。

(2)図5Bに示すように、本実施形態に係る空調装置10は、シート空調ユニット30が前後方向に延在するように構成されているため、ファン36や、切替ドア34a,34b,34c,34dのスペースの確保が容易である。このような本実施形態に係る空調装置10は、比較例に係る空調装置110と異なり、車体フロア101aからの高さを低く抑えることができるため、設計の自由度を向上させることができる。

(3)図5Bに示すように、本実施形態に係る空調装置10は、1つのシート空調ユニット30につき、内気の熱交換器用の1つのファン36を設けるだけでよく、外気の熱交換器用のファン(送風用ファン)を削除することができる。このような本実施形態に係る空調装置10は、外気の熱交換器用のファン(送風用ファン)の分だけ部品点数を削減することができるため、シート空調ユニット30のサイズ及びコストを改善することができる。

(4)図5Bに示すように、本実施形態に係る空調装置10は、比較例に係る空調装置110と異なり、熱交換器37への空気流路を確保するために、車体側(車体フロア等)に複数の通風孔を設けなくてもよい。このような本実施形態に係る空調装置10は、比較例に係る空調装置110と異なり、雨水や走行音等が室内に侵入することを防止することができる。

(5)本実施形態に係る空調装置10は、比較例に係る空調装置110と同様に、外気温が低い場合に、シート空調ユニット30の蒸発器37bに霜が付着する可能性がある。しかしながら、図7Cに示すように、本実施形態に係る空調装置10は、外気温が低い場合に、フロント空調ユニット20の第1内気用流路21a1と第2内気用流路21a2を開放して内気をヒータ27に通過させる。これにより、本実施形態に係る空調装置10は、室内への加熱された内気の供給量を増大させることができる。このような本実施形態に係る空調装置10は、外気温が低い場合に、フロント空調ユニット20のヒータ27でシート空調ユニット30の蒸発器37bの除霜を行うことができる。そのため、本実施形態に係る空調装置10は、比較例に係る空調装置110と異なり、外気温が低い場合であっても、シート空調ユニット30の蒸発器37bに霜が付着して、熱交換器37が効果的に機能しなくなることを防止することができる。

<本実施形態に係る空調装置の主な特徴> (1)図2に示すように、本実施形態に係る空調装置10(車両用空調装置)は、車室103内に設けられた複数のシート104に対し、対応するシート104毎に冷房又は暖房を選択的に行う複数のシート空調ユニット30を備えている。また、空調装置10は、複数のシート空調ユニット30で使用された空気の一部を車室103外に排出するための複数の排気ダクト62FR,62FL,62RR,62RLを備えている。複数の排気ダクト62FR,62FL,62RR,62RLの少なくとも一部は、集合化されている。

このような本実施形態に係る空調装置10は、ダクト60(特に、排気ダクト62)の単純化を図ることができる。また、空調装置10は、複数のシート空調ユニット30で使用された空気の一部(外気)とともに熱を、排気ダクト62で室外にまとめて排出すること(つまり、各シート空調ユニット30の排熱をまとめて行うこと)ができる。また、空調装置10は、シート空調ユニット30のサイズの小型化を図ることができる。そのため、空調装置10は、設計の自由度を向上させることができる。

(2)図2に示すように、本実施形態に係る空調装置10(車両用空調装置)は、複数のシート空調ユニット30に外気を給気するための複数の給気ダクト61FR,61FL,61RR,61RLを備えている。複数の給気ダクト61FR,61FL,61RR,61RLの少なくとも一部は、集合化されているとよい。

このような本実施形態に係る空調装置10は、ダクト60(特に、給気ダクト61)の単純化を図ることができる。また、空調装置10は、給気ダクト61で、熱排出用の外気を各シート空調ユニット30に供給すること(つまり、各シート空調ユニット30への給気をまとめて行うこと)ができる。このような空調装置10は、フロント空調ユニット20とシート空調ユニット30とリア送風ユニット40とで外気の熱交換器用のファンを統合することができる。その結果、空調装置10は、シート空調ユニット30の外気の熱交換器用のファン(送風用ファン)を削除することができる(図5B参照)。例えば、空調装置10が4つのシート空調ユニット30を有する場合に、4つの外気の熱交換器用のファン(送風用ファン)を削除することができる。そのため、空調装置10は、各シート空調ユニット30のサイズ及びコストの改善を図ることができる。また、空調装置10は、室外と熱交換器との通風孔を統合して、車両の通風孔の数を削減することができる。そのため、空調装置10は、浸水や騒音のリスクを低減することができる。また、空調装置10は、周辺部材の単純化を図ることができる。

(3)図5Bに示すように、本実施形態に係る空調装置10(車両用空調装置)では、複数のシート空調ユニット30のそれぞれは、以下のような構成であるとよい。すなわち、空調装置10は、冷媒を凝縮させる凝縮器37aと、冷媒を蒸発させる蒸発器37bと、を有している。また、空調装置10は、外気及び内気を流すための流路(第1内気用流路31a1、第2内気用流路31a2、第1外気用流路31b1、及び第2外気用流路31b2)を有している。また、空調装置10は、冷房運転時に、凝縮器37aの方向に外気を導くとともに、暖房運転時に、蒸発器37bの方向に外気を導くように、流路を切り替える流路切替手段(切替ドア34a,34b,34c,34d)を有している。

このような本実施形態に係る空調装置10は、シート空調ユニット30の能力が不足する可能性がある低外気温時であっても、シート空調ユニット30の蒸発器37bの除霜を行って、シート空調ユニット30の熱交換器37の吸熱効率を向上させることができる。

(4)図5Bに示すように、本実施形態に係る空調装置10(車両用空調装置)では、複数のシート空調ユニット30のそれぞれは、以下のような構成であるとよい。すなわち、空調装置10は、凝縮器37aへ外気を流すための第1外気用流路31b1と、蒸発器37bへ外気を流すための第2外気用流路31b2と、を有している。また、空調装置10は、凝縮器37aへ内気を流すための第1内気用流路31a1と、蒸発器37bへ内気を流すための第2内気用流路31a2と、を有している。また、空調装置10は、第1外気用流路31b1の給気口と第2外気用流路31b2の給気口とが集合化されている。また、空調装置10は、第1外気用流路31b1の排気口と第2外気用流路31b2の排気口とが集合化されている。また、空調装置10は、第1内気用流路31a1の給気口と第2内気用流路31a2の給気口とが集合化されている。

このような本実施形態に係る空調装置10は、外気用の給気口と外気用の排気口と内気用の給気口とがそれぞれ集合化されているため、シート空調ユニット30のサイズの小型化を図ることができる。そのため、空調装置10は、設計の自由度を向上させることができる。

(5)図8及び図9に示すように、本実施形態に係る空調装置10(車両用空調装置)は、以下のような構成であるとよい。すなわち、空調装置10は、凝縮器37aの周囲で第1外気用流路31b1と第1内気用流路31a1とが共通の空間を有している。また、空調装置10は、蒸発器37bの周囲で第2外気用流路31b2と第2内気用流路31a2とが共通の空間を有している。図8に示すように、流路切替手段(切替ドア34a,34b,34c,34d)は、冷房運転時に、外気が第1外気用流路31b1を通過するとともに、内気が第2外気用流路31b2を通過するように、流路を切り替える。また、図9に示すように、流路切替手段(切替ドア34a,34b,34c,34d)は、暖房運転時に、外気が第2外気用流路31b2を通過するとともに、内気が第1外気用流路31b1を通過するように、流路を切り替える。

このような本実施形態に係る空調装置10のシート空調ユニット30は、単純な構造で外気の熱交換及び内気の熱交換を実現することができる。そのため、空調装置10は、設計の自由度を向上させることができる。

以上の通り、本実施形態に係る空調装置10によれば、送風用ファンの削減(図5B参照)を図ることができる。

本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。

例えば、シート空調ユニット30の数は、4つに限らず、複数(2つ以上)であればよい。 また、例えば、前記した実施形態では、シート104が前列と後列の2列設けられている場合を例にして説明した。しかしながら、シート104は、3列以上設けられていてもよい。この場合に、給気ダクト61は、略中央に配置された直線状のパイプから3列目以降の各シート104に設けられたシート空調ユニット30の分だけ多く分岐して、それらのシート空調ユニット30に接続される。また、3列目以降の各シート104に設けられたシート空調ユニット30は、1列目又は2列目のシート空調ユニット30と同様の給気ダクト61と排気ダクト62で、フロント空調ユニット20とリア送風ユニット40とに接続される。

10 空調装置(車両用空調装置) 20 フロント空調ユニット 21 内外気切替ダンパ 21a1 第1内気用流路 21a2 第2内気用流路 21b 外気用流路 24a,24b,24c 切替ドア 25 フィルタ 26(26a,26b) ファン 27 ヒータ 27a ヒータコア 27b ヒートパイプ 30(30FR,30FL,30RR,30RL) シート空調ユニット 31 内外気切替ダンパ 31a1 第1内気用流路(流路) 31a2 第2内気用流路(流路) 31b1 第1外気用流路(流路) 31b2 第2外気用流路(流路) 32a,32b 給気口 34a,34b,34c,34d 切替ドア(流路切替手段) 36 ファン 37 熱交換器 37a 凝縮器 37b 蒸発器 40(40R,40L) リア送風ユニット 41b 外気用流路 46 ファン 50a 導入口 50b 通風孔 60 ダクト 61(61FR,61FL,61RR,61RL) 給気ダクト 62(62FR,62FL,62RR,62RL) 排気ダクト 63(63R,63L) 通風ダクト 100 車両 102 フロント部 103 車室 104 シート

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