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Heating cycle device, controller therefor, and control method therefor

阅读:50发布:2024-02-19

专利汇可以提供Heating cycle device, controller therefor, and control method therefor专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a heating cycle device allowing switching to a defrosting operation instantaneously, when defrosting is required during a heating operation, and a controller therefor and a control method therefor.
SOLUTION: In this heating cycle device, the controller 130 is provided to execute the first mode for controlling a valve opening at a prescribed valve opening, and for radiating heat from a refrigerant to hot water by a water-refrigerant heat exchanger 112, the second operation mode for controlling the valve opening to make a temperature of the refrigerant delivered from a compressor 111 substantially equal to a temperature of the hot water in the water-refrigerant heat exchanger 112, and for radiating heat from the refrigerant to outside air by an indoor heat exchanger 114, or the third operation mode for making the temperature of the refrigerant get lower than the temperature of the hot water by increasing more the valve opening in the second operation mode to reduce pressure of the refrigerant delivered from the compressor 111, for sinking thereby heat from the hot water to the refrigerant by the water-refrigerant heat exchanger 112, and for radiating heat from the refrigerant to the outside air by the indoor heat exchanger 114.
COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT,下面是Heating cycle device, controller therefor, and control method therefor专利的具体信息内容。

  • 冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する圧縮機(111)と、
    前記圧縮機(111)から吐出された冷媒と発熱機器(10)の温調用であり暖房器(122)の加熱源として使用される温水との間で熱交換する水冷媒熱交換器(112)と、
    自身の弁開度を可変可能として、前記水冷媒熱交換器(112)から流出される冷媒を減圧する減圧弁(113)と、
    前記減圧弁(113)から流出される冷媒と外気との間で熱交換し、前記冷媒を前記圧縮機(111)側に戻す室外熱交換器(114)と、
    前記弁開度を所定弁開度に制御して、前記水冷媒熱交換器(112)によって前記冷媒から前記温水に放熱する第1運転モード、
    あるいは、前記圧縮機(111)から吐出される前記冷媒の温度が前記水冷媒熱交換器(112)における前記温水の温度とほぼ等しくなるように前記弁開度を制御し、前記室外熱交換器(114)によって前記冷媒から前記外気に放熱する第2運転モード、
    あるいは、前記第2運転モードにおける前記弁開度をより大きくして前記圧縮機(111)から吐出される前記冷媒の圧力を下げることで、前記冷媒の温度を前記温水の温度より低くなるようにして、前記水冷媒熱交換器(112)によって前記温水から前記冷媒に吸熱させると共に、前記室外熱交換器(114)によって前記冷媒から前記外気に放熱する第3運転モードを実行する制御装置(130)とを有することを特徴とする暖房サイクル装置。
  • 前記制御装置(130)は、前記第3運転モードの実行において、前記弁開度を全開とすることを特徴とする請求項1に記載の暖房サイクル装置。
  • 前記制御装置(130)は、前記第3運転モードの実行において、前記圧縮機(111)の吐出量を最大とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の暖房サイクル装置。
  • 前記制御装置(130)は、前記第1運転モードから前記第2運転モードまたは前記第3運転モードへの切替えを、あるいは前記第2運転モードから前記第3運転モードへの切替えを、前記圧縮機(111)を運転状態のまま前記弁開度を開方向に可変することで行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記制御装置(130)は、前記室外熱交換器(114)に流入する前記外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第1所定値を超える場合に、あるいは前記車両が走行状態にある場合に、前記第2運転モードを実行することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記制御装置(130)は、前記室外熱交換器(114)に流入する前記外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第2所定値以下の場合に、あるいは前記車両が停止状態にある場合に、前記第3運転モードを実行することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 前記第1所定値は、前記第2所定値以上の値に設定されたことを特徴とする請求項6に記載の暖房サイクル装置。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記制御装置(130)は、前記車両の走行速度が所定速度以上の場合に、前記圧縮機(111)の運転を停止させることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 前記制御装置(130)は、前記温水の温度が第1所定温度以上の場合に、前記第3運転モードを実行することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 前記制御装置(130)は、前記温水の温度が前記第1所定温度より低い場合に、前記第3運転モードを停止することを特徴とする請求項9に記載の暖房サイクル装置。
  • 前記制御装置(130)は、前記温水の温度が前記第1所定温度より大きく設定された第2所定温度以上の場合に、前記圧縮機(111)の運転を停止させることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の暖房サイクル装置。
  • 前記暖房器(122)には、自身の開度を大きくすることで前記暖房器(122)に供給される暖房用空気量を増加させる空気量切替えドア(123a)が設けられており、
    前記制御装置(130)は、前記開度が所定開度以下の場合に前記第3運転モードを実行し、前記所定開度を超える場合に前記第3運転モードを停止することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 前記制御装置(130)は、前記第1運転モードの運転時間に基づいて、あるいは、
    前記外気の温度と、前記冷媒の配管部を含む前記室外熱交換器(114)における前記冷媒温度、またはその表面温度、または前記室外熱交換器(114)通過後の前記外気の温度のうちいずれか1つとの温度差に基づいて前記第2運転モードあるいは前記第3運転モードの実行可否判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 前記制御装置(130)は、前記冷媒の配管部を含む前記室外熱交換器(114)における前記冷媒温度、またはその表面温度が第3所定温度以上の場合に、前記第2運転モードあるいは前記第3運転モードの実行を停止することを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 前記冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置。
  • 冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する圧縮機(111)と、前記圧縮機(111)から吐出された冷媒と発熱機器(10)の温調用であり暖房器(122)の加熱源として使用される温水との間で熱交換する水冷媒熱交換器(112)と、自身の弁開度を可変可能として、前記水冷媒熱交換器(112)から流出される冷媒を減圧する減圧弁(113)と、前記減圧弁(113)から流出される冷媒と外気との間で熱交換し、前記冷媒を前記圧縮機(111)側に戻す室外熱交換器(114)とを有する暖房サイクル装置の制御装置であって、
    前記弁開度を所定弁開度に制御して、前記水冷媒熱交換器(112)によって前記冷媒から前記温水に放熱する第1運転モード、
    あるいは、前記圧縮機(111)から吐出される前記冷媒の温度が前記水冷媒熱交換器(112)における前記温水の温度とほぼ等しくなるように前記弁開度を制御し、前記室外熱交換器(114)によって前記冷媒から前記外気に放熱する第2運転モード、
    あるいは、前記第2運転モードにおける前記弁開度をより大きくして前記圧縮機(111)から吐出される前記冷媒の圧力を下げることで、前記冷媒の温度を前記温水の温度より低くなるようにして、前記水冷媒熱交換器(112)によって前記温水から前記冷媒に吸熱させると共に、前記室外熱交換器(114)によって前記冷媒から前記外気に放熱する第3運転モードを実行することを特徴とする暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記第3運転モードの実行において、前記弁開度を全開とすることを特徴とする請求項16に記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記第3運転モードの実行において、前記圧縮機(111)の吐出量を最大とすることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記第1運転モードから前記第2運転モードまたは前記第3運転モードへの切替えを、あるいは前記第2運転モードから前記第3運転モードへの切替えを、前記圧縮機(111)を運転状態のまま前記弁開度を開方向に可変することで行うことを特徴とする請求項16〜請求項18のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記室外熱交換器(114)に流入する前記外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第1所定値を超える場合に、あるいは前記車両が走行状態にある場合に、前記第2運転モードを実行することを特徴とする請求項16〜請求項19のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記室外熱交換器(114)に流入する前記外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第2所定値以下の場合に、あるいは前記車両が停止状態にある場合に、前記第3運転モードを実行することを特徴とする請求項16〜請求項20のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記第1所定値は、前記第2所定値以上の値に設定されたことを特徴とする請求項21に記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記車両の走行速度が所定速度以上の場合に、前記圧縮機(111)の運転を停止させることを特徴とする請求項16〜請求項22のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記温水の温度が第1所定温度以上の場合に、前記第3運転モードを実行することを特徴とする請求項16〜請求項23のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記温水の温度が前記第1所定温度より低い場合に、前記第3運転モードを停止することを特徴とする請求項24に記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記温水の温度が前記第1所定温度より大きく設定された第2所定温度以上の場合に、前記圧縮機(111)の運転を停止させることを特徴とする請求項24または請求項25に記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記暖房器(122)には、自身の開度を大きくすることで前記暖房器(122)に供給される暖房用空気量を増加させる空気量切替えドア(123a)が設けられており、
    前記開度が第1所定開度以下の場合に前記第3運転モードを実行し、前記第1所定開度より小さく設定された第2所定開度に至ると前記第3運転モードを停止することを特徴とする請求項16〜請求項26のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記第1運転モードの運転時間に基づいて、あるいは、
    前記外気の温度と、前記冷媒の配管部を含む前記室外熱交換器(114)における前記冷媒温度、またはその表面温度、または前記室外熱交換器(114)通過後の前記外気の温度のうちいずれか1つとの温度差に基づいて前記第2運転モードあるいは前記第3運転モードの実行可否判定を行うことを特徴とする請求項16〜請求項27のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記冷媒の配管部を含む前記室外熱交換器(114)における前記冷媒温度、またはその表面温度が第3所定温度以上の場合に、前記第2運転モードあるいは前記第3運転モードの実行を停止することを特徴とする請求項16〜請求項28のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項16〜請求項29のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する圧縮機(111)と、前記圧縮機(111)から吐出された冷媒と発熱機器(10)の温調用であり暖房器(122)の加熱源として使用される温水との間で熱交換する水冷媒熱交換器(112)と、自身の弁開度を可変可能として、前記水冷媒熱交換器(112)から流出される冷媒を減圧する減圧弁(113)と、前記減圧弁(113)から流出される冷媒と外気との間で熱交換し、前記冷媒を前記圧縮機(111)側に戻す室外熱交換器(114)とを有する暖房サイクル装置の制御方法であって、
    前記弁開度を所定弁開度に制御して、前記水冷媒熱交換器(112)によって前記冷媒から前記温水に放熱する第1運転モード、
    あるいは、前記圧縮機(111)から吐出される前記冷媒の温度が前記水冷媒熱交換器(112)における前記温水の温度とほぼ等しくなるように前記弁開度を制御し、前記室外熱交換器(114)によって前記冷媒から前記外気に放熱する第2運転モード、
    あるいは、前記第2運転モードにおける前記弁開度をより大きくして前記圧縮機(111)から吐出される前記冷媒の圧力を下げることで、前記冷媒の温度を前記温水の温度より低くなるようにして、前記水冷媒熱交換器(112)によって前記温水から前記冷媒に吸熱させると共に、前記室外熱交換器(114)によって前記冷媒から前記外気に放熱する第3運転モードを実行することを特徴とする暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記第3運転モードの実行において、前記弁開度を全開とすることを特徴とする請求項31に記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記第3運転モードの実行において、前記圧縮機(111)の吐出量を最大とすることを特徴とする請求項31または請求項32に記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記第1運転モードから前記第2運転モードまたは前記第3運転モードへの切替えを、あるいは前記第2運転モードから前記第3運転モードへの切替えを、前記圧縮機(111)を運転状態のまま前記弁開度を開方向に可変することで行うことを特徴とする請求項31〜請求項33のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記室外熱交換器(114)に流入する前記外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第1所定値を超える場合に、あるいは前記車両が走行状態にある場合に、前記第2運転モードを実行することを特徴とする請求項31〜請求項34のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記室外熱交換器(114)に流入する前記外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第2所定値以下の場合に、あるいは前記車両が停止状態にある場合に、前記第3運転モードを実行することを特徴とする請求項31〜請求項35のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記第1所定値は、前記第2所定値以上の値に設定されたことを特徴とする請求項36に記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 車両に搭載されるものであって、
    前記車両の走行速度が所定速度以上の場合に、前記圧縮機(111)の運転を停止させることを特徴とする請求項31〜請求項37のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記温水の温度が第1所定温度以上の場合に、前記第3運転モードを実行することを特徴とする請求項31〜請求項38のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記温水の温度が前記第1所定温度より低い場合に、前記第3運転モードを停止することを特徴とする請求項39に記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記温水の温度が前記第1所定温度より大きく設定された第2所定温度以上の場合に、前記圧縮機(111)の運転を停止させることを特徴とする請求項39または請求項40に記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記暖房器(122)には、自身の開度を大きくすることで前記暖房器(122)に供給される暖房用空気量を増加させる空気量切替えドア(123a)が設けられており、
    前記開度が第1所定開度以下の場合に前記第3運転モードを実行し、前記第1所定開度より小さく設定された第2所定開度に至ると前記第3運転モードを停止することを特徴とする請求項31〜請求項41のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御装置。
  • 前記第1運転モードの運転時間に基づいて、あるいは、
    前記外気の温度と、前記冷媒の配管部を含む前記室外熱交換器(114)における前記冷媒温度、またはその表面温度、または前記室外熱交換器(114)通過後の前記外気の温度のうちいずれか1つとの温度差に基づいて前記第2運転モードあるいは前記第3運転モードの実行可否判定を行うことを特徴とする請求項31〜請求項42のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記冷媒の配管部を含む前記室外熱交換器(114)における前記冷媒温度、またはその表面温度が第3所定温度以上の場合に、前記第2運転モードあるいは前記第3運転モードの実行を停止することを特徴とする請求項31〜請求項43のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 前記冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項31〜請求項44のいずれか1つに記載の暖房サイクル装置の制御方法。
  • 说明书全文

    本発明は、ヒートポンプサイクルの温熱を例えば車両用エンジンの温調用温に伝達して暖房用加熱源に活用するものに適用して好適な暖房サイクル装置、その制御装置およびその制御方法に関するものである。

    従来、車両用の空調装置として、例えば特許文献1に示されるような車両用ヒートポンプ式空調装置が知られている。 この空調装置においては、ヒートポンプサイクル中に設けられた四方弁の切替えによって、冷媒の流れ方向を切替えて、室内熱交換器を放熱器あるいは吸熱器として使い分けることで冷暖房の対応を可能としている。

    そして、暖房中における室外熱交換器の除霜を行う際に、車両の走行速度が所定速度以下の場合、あるいは車両が停止した場合、あるいは室外熱交換器の入口風速が所定風速以下の場合であると、デフロスト運転(冷媒の流し方を逆にして室外熱交換器を放熱器、室内熱交換器を吸熱器として作動させる運転)を行うようにしている。 これにより、効果的な除霜が可能になるとしている。

    特許第3105707号公報

    しかしながら、上記従来技術においては除霜を行う(暖房運転からデフロスト運転に切替える)ためには、四方弁の切替えを行い、冷媒の流れ方向を切替える必要があるため、切替えに時間を要し、走行速度、停車状態、入口風速等の条件が満たされる時間が短いと充分な除霜ができないという問題がある。 具体的には、例えば車両停車時(通常走行における信号待ち停車時)に除霜を行うものとして、ヒートポンプサイクルを暖房運転からデフロスト運転に切替えても、サイクルが安定化する間に停車状態が終了してしまう場合が多分にあり得るため、充分な除霜ができないということである。

    本発明の目的は、上記問題に鑑み、暖房運転中に除霜が必要な時に、瞬時に除霜運転に切替え可能な暖房サイクル装置、その制御装置およびその制御方法を提供することにある。

    本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。

    請求項1に記載の発明では、暖房サイクル装置において、冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する圧縮機(111)と、圧縮機(111)から吐出された冷媒と発熱機器(10)の温調用であり暖房器(122)の加熱源として使用される温水との間で熱交換する水冷媒熱交換器(112)と、自身の弁開度を可変可能として、水冷媒熱交換器(112)から流出される冷媒を減圧する減圧弁(113)と、減圧弁(113)から流出される冷媒と外気との間で熱交換し、冷媒を圧縮機(111)側に戻す室外熱交換器(114)と、弁開度を所定弁開度に制御して、水冷媒熱交換器(112)によって冷媒から温水に放熱する第1運転モード、あるいは、圧縮機(111)から吐出される冷媒の温度が水冷媒熱交換器(112)における温水の温度とほぼ等しくなるように弁開度を制御し、室外熱交換器(114)によって冷媒から外気に放熱する第2運転モード、あるいは、第2運転モードにおける弁開度をより大きくして圧縮機(111)から吐出される冷媒の圧を下げることで、冷媒の温度を温水の温度より低くなるようにして、水冷媒熱交換器(112)によって温水から冷媒に吸熱させると共に、室外熱交換器(114)によって冷媒から外気に放熱する第3運転モードを実行する制御装置(130)とを有することを特徴としている。

    これにより、第1運転モードの実行により温水を加熱して暖房器(122)での暖房を可能にする、あるいは暖房能力を高めることができる。 この暖房運転においては低温の外気によって室外熱交換器(114)に着霜が生じ得る。 よって、第1運転モードの実行に対して第2運転モードの実行により温水への温度影響を与えずに圧縮機(111)での圧縮仕事分の熱を室外熱交換器(114)で外気に放出することができるので、外気側への加熱が可能となる。 つまり、早い段階から室外熱交換器(114)での着霜に対する防止が可能となる。 更に、第3運転モードの実行により圧縮機(111)での圧縮仕事分の熱と温水からの吸熱分とを室外熱交換器(114)で外気に放出することができるので、放熱量を高めて室外熱交換器(114)に対する除霜が可能となる。 尚、上記第2運転モードと第3運転モードへの切替えにあたっては、冷媒の流れ方向を変えること無く、減圧弁(113)の弁開度を大きくなる側に可変させるだけで対応が可能であり、瞬時の除霜が可能である。

    請求項2に記載の発明では、制御装置(130)は、第3運転モードの実行において、弁開度を全開とすることを特徴としている。

    これにより、圧縮機(111)での吐出側となる高圧側圧力を最大限下げて、温水からの吸熱量を増加させることができるので、室外熱交換器(114)での放熱量を増加させて除霜効果を高めることができる。

    請求項3に記載の発明では、制御装置(130)は、第3運転モードの実行において、圧縮機(111)の吐出量を最大とすることを特徴としている。

    これにより、室外熱交換器(114)における放熱量を増加させることができるので、更に除霜効果を高めることができる。

    請求項4に記載の発明では、制御装置(130)は、第1運転モードから第2運転モードまたは第3運転モードへの切替えを、あるいは第2運転モードから第3運転モードへの切替えを、圧縮機(111)を運転状態のまま弁開度を開方向に可変することで行うことを特徴としている。

    これにより、第2運転モードあるいは第3運転モードへの切替えにあたって、圧縮機(111)の停止、再起動に必要とされる時間とサイクル内圧力が安定するまでの時間を不要として、更に短時間(瞬時)での除霜が可能となる。

    請求項5に記載の発明では、車両に搭載されるものであって、制御装置(130)は、室外熱交換器(114)に流入する外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第1所定値を超える場合に、あるいは車両が走行状態にある場合に、第2運転モードを実行することを特徴としている。

    これにより、室外熱交換器(114)に流入する外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第1所定値を超える場合では、外気による室外熱交換器(114)の冷却がより起こりやすい条件となるので、この場合は、温水への温度影響を与えない第2運転モードを実行して好適となる。

    請求項6に記載の発明では、車両に搭載されるものであって、制御装置(130)は、室外熱交換器(114)に流入する外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第2所定値以下の場合に、あるいは車両が停止状態にある場合に、第3運転モードを実行することを特徴としている。

    これにより、室外熱交換器(114)に流入する外気の風速、あるいはこの風速に相関する物理量が第2所定値以下の場合であれば、外気による室外熱交換器(114)の冷却が起こりにくい条件となるので、第3運転モードによる除霜を行うのが好適となる。

    尚、請求項7に記載の発明のように、第1所定値は第2所定値以上の値に設定するのが良く、制御の矛盾を招くことが無い。

    請求項8に記載の発明では、車両に搭載されるものであって、制御装置(130)は、車両の走行速度が所定速度以上の場合に、圧縮機(111)の運転を停止させることを特徴としている。

    これにより、走行速度が高い場合にはエンジン(10)自身の発熱により温水の温度が高められ、暖房器(122)での加熱能力が確保されることから、第1運転モードの実行を不要として、圧縮機(111)運転のためのエネルギーを節約することができる。 また、第2運転モードにおいても、一旦圧縮機(111)を停止させることで圧縮機(111)運転のためのエネルギーを節約することができる。

    請求項9に記載の発明では、制御装置(130)は、温水の温度が第1所定温度以上の場合に、第3運転モードを実行することを特徴としている。

    これにより、温水からの吸熱が可能となるので、第3運転モードの実行による除霜効果を確実に得ることができる。

    請求項10に記載の発明では、制御装置(130)は、温水の温度が第1所定温度より低い場合に、第3運転モードを停止することを特徴としている。

    これにより、温水からの吸熱が充分にできないので、第3運転モードを停止して好適となる。

    請求項11に記載の発明では、制御装置(130)は、温水の温度が第1所定温度より大きく設定された第2所定温度以上の場合に、圧縮機(111)の運転を停止させることを特徴としている。

    これにより、温水の温度が充分に高められていることから、第1運転モードによる温水加熱をやめても差し支えは無く、圧縮機(111)の運転を停止させて好適となる。

    請求項12に記載の発明では、暖房器(122)には、自身の開度を大きくすることで暖房器(122)に供給される暖房用空気量を増加させる空気量切替えドア(123a)が設けられており、制御装置(130)は、開度が所定開度以下の場合に第3運転モードを実行し、所定開度を超える場合に第3運転モードを停止することを特徴としている。

    これにより、空気量切替えドア(123)の開度が所定開度以下では暖房器(122)で加熱される空調空気温度がさほど高く要求されていないことから、第3運転モードを実行して好適であり、また、所定開度を超える場合は暖房器(122)による空調空気温度が高く要求されているため、第3運転モードを停止することで、温水から吸熱されることがなくなり、暖房温度を確保することができる。

    請求項13に記載の発明では、制御装置(130)は、第1運転モードの運転時間に基づいて、あるいは、外気の温度と、冷媒の配管部を含む室外熱交換器(114)における冷媒温度、またはその表面温度、または室外熱交換器(114)通過後の外気の温度のうちいずれか1つとの温度差に基づいて第2運転モードあるいは第3運転モードの実行可否判定を行うことを特徴としている。

    これにより、第2運転モードあるいは第3運転モードの実行による除霜の必要性が明確となり、効果的な除霜が可能となる。

    請求項14に記載の発明では、制御装置(130)は、冷媒の配管部を含む室外熱交換器(114)における冷媒温度、またはその表面温度が第3所定温度以上の場合に、第2運転モードあるいは第3運転モードの実行を停止することを特徴としている。

    これにより、室外熱交換器(114)における着霜状態の解除状態を明確にでき、必要最小限の第2運転モードあるいは第3運転モードの実行が可能となる。

    請求項15に記載の発明では、冷媒は、二酸化炭素であることを特徴としている。

    これにより、冷媒を二酸化炭素とした場合は、通常のフロン等の冷媒に比べて流量重量を大きくして循環させることができるので、二酸化炭素冷媒による効果的な熱移動が可能となり、特に第2、第3運転モードの実行によって除霜を行う際には、短時間での対応が可能となる。

    請求項16〜請求項30に記載の発明は、暖房サイクル装置に対する制御装置に関するものであり、それぞれの技術的意義は上記請求項1〜請求項15に記載の暖房サイクル装置と本質的に同じである。

    また、請求項31〜請求項45に記載の発明は、暖房サイクル装置に対する制御方法に関するものであり、それぞれの技術的意義は上記請求項16〜請求項30に記載の制御装置と本質的に同じである。

    尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

    (第1実施形態)
    以下、本発明の第1実施形態における暖房サイクル装置100について、図1〜図5を用いて説明する。 尚、図1は暖房サイクル装置100の全体構成を示す模式図、図2は暖房運転(温水加熱モード)時の作動状態を示す説明図、図3、図4は制御装置130が実行する制御フローチャート、図5は除霜運転(除霜モード2)時の作動状態を示す説明図である。

    図1に示すように、暖房サイクル装置100は、エンジン10を走行用駆動源とする車両に搭載されて、本来の暖房運転に加えて冷房運転も可能としたものであり、主にヒートポンプサイクル110、ヒータコア122を含む室内ユニット120、制御装置130等から構成されている。 ここでは、ヒートポンプサイクル110内を循環する冷媒としては二酸化炭素(CO )を用いており、高圧側圧力が臨界圧力よりも高い状態で使用される場合を有している。

    エンジン(本発明における発熱機器に対応)10には、冷却回路11が設けられおり、この冷却回路11にはラジエータ11aが配設されている。 図示しない水ポンプによって冷却回路11内をエンジン冷却用の冷却水(温水)が循環するようになっており、ラジエータ11aによって冷却水の温度が所定温度範囲(例えば90〜110℃)に調節(制御)されるようになっている。 また、エンジン10には、温水回路12が設けられており、図示しない水ポンプによって、この内部を上記冷却水(温水)が循環するようになっている。 温水回路12(ここではエンジン10の出口部)には内部を流通する温水の温度を検出する水温センサ12aが設けられており、水温センサ12aによって検出された温度信号は、後述する制御装置130に入力されるようになっている。

    ヒートポンプサイクル110は、圧縮機111、水冷媒熱交換器112、暖房用膨張弁(本発明における減圧弁に対応)113、室外器(本発明における室外熱交換器に対応)114、流路切替え弁115、膨張弁116、室内器117、アキュムレータ118が環状に順次接続されると共に、流路切替え弁115から分岐してアキュムレータ118の流入側に接続される分岐流路115aが設けられて形成されている。

    そして、流路切替え弁115および膨張弁116の間を流れる高圧側冷媒(高温冷媒)と、アキュムレータ118および圧縮機111の間を流れる低圧側冷媒(低温冷媒)との間で熱交換する内部熱交換器119が配設されている。

    上記ヒートポンプサイクル110を構成する各機器111〜119のうち、膨張弁116、室内器117は後述する室内ユニット120の構成部品として車室内(インストルメントパネル内)に配設され、他の機器(111〜115、118、119)は車両のエンジンルーム内に配設されている。

    圧縮機111は、図示しない電動モータによって駆動されて、冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する流体機械であり、作動回転数によって冷媒の吐出量を可変可能としている。 圧縮機111は、後述する制御装置130によってその作動および冷媒吐出量が制御されるようになっている。 そして、圧縮機111の吐出側(圧縮機111と水冷媒熱交換器112との間)には吐出された冷媒の温度を検出する温度センサ111a、冷媒の圧力を検出する圧力センサ111bが設けられ、各センサ111a、111bによって検出された温度信号および圧力信号は、後述する制御装置130に入力されるようになっている。 尚、圧縮機111は、上記の電動式のものに代えて、可変容量機構を有してクラッチ機構の接続によりエンジン10によって駆動されるエンジン駆動式のもの等としても良い。

    水冷媒熱交換器112は、内部に冷媒流路と温水流路とが対向するように形成された熱交換器であり、冷媒流路に圧縮機111から吐出された冷媒が流れ、温水流路に温水回路12の温水が流れるように配設されている。 この水冷媒熱交換器112は、冷媒と温水との間で熱交換する。

    暖房用膨張弁113は、水冷媒熱交換器112から流出される冷媒を減圧する(低温低圧にする)減圧手段であり、後述する制御装置130によってその弁開度が可変され、減圧量が調節されるようになっている。 尚、弁開度が小さい側から大きい側に可変されるに伴って、冷媒の減圧量は小さくなっていき、最大弁開度では減圧器能を伴わない設定を可能としている。

    室外器114は、車両のエンジンルームの前方(例えばグリルの後方)に配置され、暖房用膨張弁113から流出された冷媒とエンジンルーム内に流入する外気との間で熱交換する熱交換器である。 そして、室外器114の冷媒流出側(室外器114と流路切替え弁115との間)には室外器114から流出される冷媒の温度を検出する温度センサ114aが設けられており、この温度センサ114aによって検出された温度信号は、後述する制御装置130に入力されるようになっている。

    流路切替え弁115は、室外器114から流出された冷媒の流れを分岐流路115a(つまり、アキュムレータ118)側、あるいは内部熱交換器119(つまり、膨張弁116)側のいずれかに切替える三方弁であり、後述する制御装置130によって流路切替えが制御されるようになっている。

    膨張弁116は、流路切替え弁115が内部熱交換器119側に切替えられた場合に室外器114から流出される冷媒を減圧する(低温低圧にする)減圧手段である。 この膨張弁116には感温部116aおよびキャピラリ116bが接続されており、室外器114から流出される冷媒の温度に応じて膨張弁116の弁開度が調節される機械式膨張弁としている。 具体的には、感温部116aでの冷媒温度が高いと弁開度が小さい側に可変されて室外器114における冷媒圧力が高い側に維持され、逆に感温部116aでの冷媒温度が低くなると弁開度が大きい側に可変されて室外器114における冷媒圧力が低い側に維持される。

    室内器117は、室内ユニット120の空調ケース121内で流路全体をよぎるように配設されて、膨張弁116で減圧された冷媒と空調ケース121内を流通する空調空気との間で熱交換して、空調空気を冷却する熱交換器である。 室内器117の空調空気流れ下流側には、冷却された空気温度を検出する温度センサ117aが設けられており、この温度センサ117aによって検出された温度信号は後述する制御装置130に入力されるようになっている。

    アキュムレータ118は、室内器117から流出された冷媒を受け入れ、冷媒の気液を分離して液冷媒を溜め、ガス冷媒および底部付近の少量の液冷媒(オイルが溶け込んでいる)を内部熱交換器119を介して圧縮機111側へ吸入させるレシーバである。

    尚、内部熱交換器119は、主に、冷房運転時において室外器114から流出される冷媒を過冷却し、また室内器117(アキュムレータ118)から流出される冷媒を過熱して、室内器117におけるエンタルピを増大させて冷房能力を高める熱交換器である。

    室内ユニット120の空調ケース121内には、上記室内器117に加えて、暖房器としてのヒータコア122が配設されている。 ヒータコア122は室内器117に対して空調空気流れ下流側に配置されている。 ヒータコア122は、温水回路12に接続されて内部に温水が流通するようになっており、温水を加熱源として自身を流通する空調空気を加熱する熱交換器である。 尚、ヒータコア122と空調ケース121との間にはヒータコア122をバイパスして空調空気が流通するバイパス流路124が形成されている。

    ヒータコア122、およびバイパス流路124にはそれぞれを通過する空調空気量を調節するエアミックスドア(本発明における空気量切替えドアに対応)123a、123bが設けられている。 エアミックスドア123aはヒータコア122の空調空気流通部を開閉する回動式のドアであり、また、エアミックスドア123bはバイパス流路124を開閉する回動式のドアである。 各ドア123a、123bの開度に応じて、ヒータコア122を流通する加熱空気とバイパス流路124を流通する冷却空気との流量割合が調節されて、ヒータコア122下流側の空調空気温度が調節されるようになっている。 例えば、エアミックスドア123aが全開でエアミックスドア123bが全閉となるとヒータコア122による最大加熱(Maxhot)モードとなり、逆にエアミックスドア123aが全閉でエアミックスドア123bが全開となると室内器117による最大冷却(Maxcool)モードとなる。 両ドア123a、123bの開度は後述する制御装置130によって制御されるようになっている。 尚、両ドア123a、123bについては上記回動式もものに限らず、ロータリ式やスライド式等のものとしても良い。

    室内ユニット120においてヒータコア122の下流側は車室内の複数の吹出し口へ接続されており、上記エアミックスドア123a、123bによって温度調節された空調空気は、選択された吹出し口から車室内に吹出されるようになっている。

    制御手段としての制御装置(以下、ECU)130は、マイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、予め設定されたプログラムに従って水温センサ12a、温度センサ111a、圧力センサ111b、温度センサ114a、温度センサ117a、図示しない車速センサ、図示しない外気温センサからの各種信号および図示しない操作パネルで乗員が設定する設定温度信号に対する演算処理を行うと共に、圧縮機111の作動および吐出量制御、暖房用膨張弁113の弁開度制御、流路切替え弁115の流路切替え、エアミックスドア123a、123bの開度制御を行うことで、以下説明する冷房運転、暖房運転、暖房運転時の除霜運転を行う。

    尚、ヒートポンプサイクル110中には、冷媒チャージ用あるいは冷媒ディスチャージ用のバルブが2つ設けられている。 即ち、高圧用バルブ119aが、高圧側となる水冷媒熱交換器112と暖房用膨張弁113との間に配設され、また、低圧用バルブ119bが、低圧側となる室内器117とアキュムレータ118との間に配設されている。 特に、高圧用バルブ119aの設定位置については、バルブ用のシール部材(ゴム材)等の信頼性を確保することを考慮して、圧縮機111からの冷媒が水冷媒熱交換器112によって温度低下されて温度条件の緩和される上記位置を選定している。

    次に、上記構成に基づく作動について説明する。

    1. 冷房運転 ECU130は、暖房用膨張弁113を全開状態とし、流路切替え弁115を内部熱交換器119側に開き、圧縮機111を作動させる。 すると圧縮機111から吐出された冷媒は、水冷媒熱交換器112→暖房用膨張弁113→室外器114→流路切替え弁115→内部熱交換器119→膨張弁116→室内器117→アキュムレータ118→内部熱交換器119→圧縮機111の順に循環する。

    ここでは暖房用膨張弁113を全開状態としているので、この暖房用膨張弁113による減圧機能は発揮されず、圧縮機111から吐出された高温高圧の冷媒は水冷媒熱交換器112で温水回路12の温水に放熱し、更に室外器114で外気に放熱し、内部熱交換器119で低圧側冷媒に放熱し冷却される。 更に、冷却された冷媒は、感温部116a、キャピラリ116bによって弁開度が調節される膨張弁116で減圧されて、室内器117に流入し、空調用空気によって蒸発され、その時の蒸発潜熱によって空調空気を冷却する。 ECU130は、温度センサ117aによって検出される空調空気温度が乗員の設定する設定温度となるように、圧縮機111の吐出量、エアミックスドア123a、123bの開度(主にドア123aが全閉側、ドア123bが全開側)を制御する。

    2. 暖房運転 ECU130は、流路切替え弁115を分岐流路115a側に開き、圧縮機111を作動させ、暖房用膨張弁113の弁開度を所定開度(弁開度小)に制御する。 すると圧縮機111から吐出された冷媒は水冷媒熱交換器112→暖房用膨張弁113→室外器114→流路切替え弁115→分岐流路115a→アキュムレータ118→内部熱交換器119→圧縮機111の順に循環する。

    ここでは圧縮機111から吐出された高温高圧の冷媒は水冷媒熱交換器112で温水回路12の温水に放熱し、温水を加熱する。 更に加熱された温水はヒータコア122で空調空気に放熱して、空調空気を加熱する。 ECU130は、圧縮機111の吐出量、エアミックスドア123a、123bの開度(主にドア123aが全開側、ドア123bが全閉側)を制御し、空調空気温度を調節する。

    そして、水冷媒熱交換器112から流出された冷媒は、暖房用膨張弁113によって減圧されて、室外器114に流入する。 ここで、図2(a)に示すように、エンジン10の始動初期のように温水温度が低い段階であると(例えば−20℃)、水冷媒熱交換器112での放熱量が大きく得られ、気液二相域に減圧されて、室外器114では冷媒は外気から吸熱して圧縮機111に戻る。 更に、図2(b)に示すように、時間経過と共に温水温度が上昇するにつれて(例えば35℃)、水冷媒熱交換器112での放熱量、室外器114での吸熱量が小さくなっていき、図2(c)に示すように、温水温度が充分得られるようになると(例えば70℃)、水冷媒熱交換器112で放熱した後の冷媒は過熱ガス域に減圧されて、室外器114では冷媒から外気への放熱がなされるようになる。 尚、上記図2(a)〜(c)の運転モードが本発明における第1運転モードに対応し、特に温水温度が昇温した後の図2(c)の運転モードを以下、温水加熱モードと呼ぶ。

    3. 除霜運転 上記暖房運転時の初期段階(図2(a)、(b))においては、室外器114で冷媒が外気から吸熱することにより室外器114の表面に着霜が生ずるため、除霜運転が必要になる。 ECU130は、図3、図4に示す制御フローチャートに基づき、暖房運転(ステップS190)を行う中で各種条件に応じて除霜運転(ステップS160、ステップS180)を行うようにしている。

    ECU130は、まず、ステップS50でヒートポンプサイクル110の運転時間(暖房運転時間)を計時するためのタイマーのカウントを開始する。 そして、ステップS100で外気温センサから外気温度TAMを、温度センサ114aから室外器114流出側の冷媒温度(以下、室外器冷媒温度)Tgcoutを、車速センサから車速を、水温センサ12aから温水温度TWを、温度センサ111aから圧縮機111吐出側の冷媒温度(以下、吐出冷媒温度)TDを読込む。

    ステップS110で室外器114への着霜があるか否かを第1の着霜判定としてタイマーによって判定する。 即ち、ヒートポンプサイクル110の運転時間が予め定めた所定時間(例えば2時間)以上経過していない場合は着霜なしと判定してステップS120に進み、所定時間以上経過している場合は着霜ありと判定してステップS130に進む。

    続いてステップS120で第2の着霜判定を行う。 ここでは外気温度TAM−室外器冷媒温度Tgcoutで算出される温度差が所定値以上あるか否かで判定をする。 即ち、着霜は室外器冷媒温度Tgcoutが外気温度TAMより低い場合に生ずるものであって、着霜が進行すると室外器冷媒温度Tgcoutが徐々に低下していくことから、外気温度TAMとの温度差が所定値以上に大きくなると着霜ありと判定する。 着霜ありと判定するとステップS130に進む。 着霜なしと判定すればステップS170に進む。

    そして、ステップS130で除霜運転に移行するか否かを判定する(除霜運転可否判定)。 ここでは温水温度TWが第1所定温度(例えば60℃)以上に昇温している場合に、即ち後述するように水冷媒熱交換器112で温水から冷媒へ吸熱させて、更にその熱を室外器114で外気に放熱させることが可能となる場合に、除霜運転可能と判定してステップS150に進む。

    尚、温水温度TWが第1所定温度まで昇温していない場合は、温水からの吸熱ができない、あるいは温水から吸熱してしまうと暖房運転での能力(ヒータコア122での加熱能力)不足に繋がることから、本暖房サイクル装置100では除霜ができないため、ステップS140で一旦、圧縮機111を停止してヒートポンプサイクル110自体を停止して、室外器114での冷媒による吸熱作用をなくすことで着霜を回避する。 そして、その後にステップS100へ戻り制御をやり直す。

    上記ステップS130で除霜運転に移行と判定した後に、更にステップS150で後述する2つの除霜モードのいずれかで対応するかを車速から判定する(除霜モード判定)。 即ち車速が所定速度(本発明における第1所定値=第2所定値とした場合の所定値に対応)以下か否かを判定し、車速が所定速度以下であるとステップS160の除霜モード2の制御へ進み、車速が所定速度を超えているとステップS180の除霜モード1の制御に進む。

    ここで、上記判定に用いた車速は室外器114に流入する外気の風速に相関する物理量と捉えたものである。 車速が高く外気の風速が高いと室外器114における着霜は増長され、また、車速が低く外気の風速が低いと室外器114における除霜が容易となることから、車速、つまり外気の風速を加味して除霜モードの選択を行うようにしている訳である。

    ステップS160の除霜モード2(本発明における第3運転モードに対応)では、上記暖房運転時と同様に流路切替え弁115を分岐流路115a側に開いたまま、また、圧縮機111を作動状態のまま暖房用膨張弁113の弁開度を全開側に大きくする、あるいは全開となるように制御する(弁開度大)。

    すると、ステップS160中の図あるいは図5に示すように、圧縮機111の吐出側圧力が低下され、それに伴い吐出冷媒温度TDが温水温度TWより低く抑えられ、水冷媒熱交換器112において、冷媒は温水から吸熱する。 温水から吸熱した冷媒は、暖房用膨張弁113によって減圧されるが、弁開度が大きいため減圧量も小さく、冷媒は比較的高い温度で除霜すべき室外器114へ流入する。 また、弁開度が大きいために低圧側圧力も高くなり、圧縮機111に吸入される冷媒密度が高くなり、循環冷媒流量も大きくなる。 よって、大流量の高温の冷媒を室外器114に流入可能となり、上記暖房運転時の温水加熱モードよりも放熱量を多く稼いだ形として外気に放熱することで一気に除霜を行う。

    ステップS180の除霜モード1(本発明における第2運転モードに対応)では、上記暖房運転時と同様に流路切替え弁115を分岐流路115a側に開いたまま、また、圧縮機111を作動状態のまま暖房用膨張弁113の弁開度を調節し(弁開度中)、圧縮機111からの吐出冷媒圧力(圧力センサ111bの値)を制御することで、吐出冷媒温度TDを温水温度TWとほぼ同じ温度に保つように制御する。 これによって、水冷媒熱交換器112での温水と冷媒との熱交換量を小さく抑えることで、温水温度TWを維持させ、この温水温度TWでヒータコア122における加熱能力を確保して車室内の快適性を維持する。 また、圧縮機111の圧縮仕事は、必要最小限に抑えられる。

    更に、暖房用膨張弁113によって減圧された冷媒は、外気温度TAMより高い状態で室外器114に流入することになり、暖房用膨張弁113自体と暖房用膨張弁113から室外器114までを繋ぐ冷媒配管、更に室外器114の冷媒入口近傍の部品温度を暖かく保ち、室外器114の冷媒入口近傍に付着した霜を予め解かす除霜モード1を行う。

    よって、暖房用膨張弁113から室外器114の冷媒入口までの温度を予め暖かくしておくことで、上記ステップS160での大能力で除霜をする際に、上記部位を暖める必要が無く、且つ、すでに室外器114の冷媒入口近傍の霜がすでに解かされていることになるので、短時間で除霜できるようになる。

    一方、ステップS120で否と判定した場合に、ステップS170では暖房運転の要否を温水温度TWから判定して、温水加熱モードの実行あるいは停止の選択を行う。 即ち、温水温度TWが第2所定温度(第1所定温度より高い側に設定された温度であり、例えば80℃)以上に昇温している場合はステップS140で圧縮機111を停止してヒートポンプサイクル110自体を停止する。 また、温水温度TWが第2所定温度に満たない場合はステップS190の温水加熱モード(上記暖房運転のところで説明済み)の制御に進む。

    つまり、温水温度TWが充分上昇して、第2所定温度以上となっていれば、ヒータコア122での空調空気の加熱はエンジン10によって加熱された熱量分で賄える訳であり、温水加熱モードによる温水の加熱は不要のため、ステップS140に進み圧縮機111を停止させる。 逆に温水温度TWが充分上昇しておらず、第2所定温度に満たない時は、温水加熱モードによる温水の加熱を促進させてヒータコア122での空調空気の加熱能力を確保するように、ステップS190の温水加熱モードの制御に進む。 尚、ステップS190の制御の後はステップS50に戻る。

    そして、上記ステップS160、ステップS180の後にステップS200で除霜が完了したか否かを判定する。 ここでは室外器冷媒温度Tgcoutが所定温度(本発明における第3所定温度に対応)以上となっている場合に除霜完了と判定しており、除霜完了と判定すればステップS210でヒートポンプサイクル110の運転時間(タイマー)をリセットしてステップS50に戻る。 尚、ステップS200で否と判定すればステップS100へ進み、上記制御を繰返す。

    以上のように、本実施形態においては、流路切替え弁115による冷媒流れの切替えにより、暖房運転に加えて冷房運転を可能としている。 圧縮機111、水冷媒熱交換器112、室外器114、膨張弁116、室内器117による冷房運転においては、エンジン10の始動初期に、温水が水冷媒熱交換器112によって積極的に加熱されることになり、エンジン10の暖機を早め燃費の向上効果が得られる。 また、冷媒が室外器114へ流入する前に水冷媒熱交換器112で温水に放熱することで、室外器114と合わせた放熱作用が得られることになり、室外器114出口の冷媒温度を下げることが可能となるので、結果として冷房性能を向上させることができる。

    また、圧縮機111、水冷媒熱交換器112、暖房用膨張弁113、室外器114、ヒータコア122による暖房運転(温水加熱モード)においても、特にエンジン10の起動初期に温水を加熱することで暖機を早め燃費の向上効果が得られる。 そして、温水温度の早期立ち上げはヒータコア122での放熱性能をも向上させ、暖房性能を向上させることが可能となる。

    そして、本実施形態では、上記暖房運転(温水加熱モード)において、圧縮機111、水冷媒熱交換器112、暖房用膨張弁113、室外器114による室外器114の除霜のための除霜運転(除霜モード1、除霜モード2)を可能としている。

    温水加熱モードの実行に対して除霜モード1の実行により、温水への温度影響を与えずに圧縮機111での圧縮仕事分の熱を室外器114で外気に放出することができるので、外気側への加熱が可能となる。 つまり、早い段階から室外器114での着霜に対する防止が可能となる。 更に、除霜モード2の実行により圧縮機111での圧縮仕事分の熱と温水からの吸熱分とを室外器114で外気に放出することができるので、放熱量を高めて室外器114に対する除霜が可能となる。 尚、上記除霜モード1と除霜モード2への切替えにあたっては、冷媒の流れ方向を変えること無く、暖房用膨張弁113の弁開度を大きくなる側に可変させるだけで対応が可能であり、瞬時の除霜が可能となる。

    また、除霜モード2の実行において、暖房用膨張弁113の弁開度を全開となるようにすることで、圧縮機111での吐出側となる高圧側圧力を最大限下げて、温水からの吸熱量を増加させることができるので、室外器114での放熱量を増加させて除霜効果を高めることができる。

    また、温水加熱モードから除霜モード1または除霜モード2への切替えを、あるいは除霜モード1から除霜モード2への切替えを、圧縮機111を運転状態のまま暖房用膨張弁113の弁開度を開方向に可変するのみで対応するようにしているので、除霜モード1あるいは除霜モード2への切替えにあたって、圧縮機111の停止、再起動に必要とされる時間とヒートポンプサイクル110内の圧力が安定するまでの時間を不要として、更に短時間(瞬時)での除霜が可能となる。

    また、車両の車速(つまり室外器114に流入する外気の風速に相関する値)が所定速度値を超える場合に、除霜モード1を実行するようにしている。 これにより、室外器114に流入する外気の風速が所定値を超える場合では、外気による室外器114の冷却がより起こりやすい条件となるので、この場合は、温水への温度影響を与えない除霜モード1を実行して好適となる。

    また、上記に対して車両の車速が所定速度以下の場合に、除霜モード2を実行するようにしている。 これにより、室外器114に流入する外気の風速が所定値以下の場合であれば、外気による室外器114の冷却が起こりにくい条件となるので、除霜モード2による除霜を行うのが好適となる。

    また、温水温度TWが第1所定温度(例えば60℃)以上の場合に、除霜モード2を実行するようにしているので、温水からの吸熱が可能であり、吸熱分を室外器114で放熱することができ、除霜効果を確実に得ることができる。

    逆に、温水温度TWが第1所定温度より低い場合では、温水からの吸熱が充分にできないので、除霜モード2を停止(ステップS140での圧縮機111停止)して好適となる。

    また、温水温度TWが第1所定温度より大きく設定された第2所定温度以上の場合では、温水温度TWが充分に高められていることから、温水加熱モードによる温水加熱をやめても差し支えは無く、圧縮機111を停止させて好適となる。

    また、除霜判定として、温水加熱モード(ヒートポンプサイクル110)の運転時間に基づいて、あるいは、外気温度TAMと室外器冷媒温度Tgcoutとの温度差に基づいて除霜モード1あるいは除霜モード2の実行可否判定を行うようにしているので、除霜モード1、除霜モード2の実行による除霜の必要性が明確となり、効果的な除霜が可能となる。

    また、室外器冷媒温度Tgcoutが所定温度(第3所定温度)以上の場合に、除霜モード1あるいは除霜モード2の実行を停止するようにしているので、室外器114における着霜状態の解除状態を明確にでき、必要最小限の除霜モード1あるいは除霜モード2の実行が可能となる。

    また、ヒートポンプサイクル110内の冷媒として二酸化炭素を用いているおり、冷媒を二酸化炭素とした場合は、通常のフロン等の冷媒に比べて流量重量を大きくして循環させることができるので、二酸化炭素冷媒による効果的な熱移動が可能となり、特に除霜モード1、除霜モード2の実行によって除霜を行う際には、短時間での対応が可能となる。

    (第2実施形態)
    本発明の第2実施形態を図6に示す。 第2実施形態は上記第1実施形態に対して、ステップS130の除霜運転可否判定の前に、第1の除霜運転可否判定としてステップS130Aを追加し(ステップS130を第2の除霜運転可否判定とする)、また、ステップS150を第1の除霜モード判定として、その次に第2の除霜判定モードとしてのステップS150Aを設けている。

    即ち、ECU130は、ステップS110の後に、ステップS130Aで第1の除霜運転可否判定として、ヒータコア122側のエアミックスドア123aの開度が第1所定開度以下か否かを判定し、第1所定開度以下であるとステップS130に進み、温水温度TWに基づく第2の除霜運転可否判定を行う。 ここで、エアミックスドア123aの開度が第1所定開度以下であるということは、ヒータコア122で加熱される空調空気温度がさほど高く要求されていない場合を示す。 尚、ステップS130Aで否と判定すれば、ステップS140に進み、圧縮機111を停止させる。

    更に、ステップS150の第1の除霜モード判定で肯定判定すると、ステップS150Aで第2の除霜モード判定として、ヒータコア122側のエアミックスドア123aの開度が第2所定開度以上か否かを判定し、否と判定するとステップS160に進み、除霜モード2を実行する。 上記ステップS150Aで肯定判定すれば、ステップS180に進み、除霜モード1を実行する。 ここでも上記と同様に、エアミックスドア123aの開度が第2所定開度に満たないということは、ヒータコア122で加熱される空調空気温度がさほど高く要求されていない場合を示す(但し、第1所定開度≦第2所定開度)。

    これにより、暖房時に要求される空調空気温度がさほど高くない場合に、除霜モード2が実行されるようになるので、温水の熱を活用した効果的な除霜が可能となる。 逆に、暖房時に要求される空調空気温度が高い場合には、圧縮機111が停止され(ステップS140)、あるいは除霜モード1の実行が選択されるので、温水から吸熱されることがなくなり、暖房温度を確保することができる。

    (第3実施形態)
    本発明の第3実施形態を図7に示す。 第3実施形態は上記第1実施形態に対して、ステップS130の次に除霜開始時の温水温度TWsを読込むステップS145を追加している。 そして、ステップS150を第1の除霜モード判定として、その次に第2の除霜判定モードとしてのステップS150Bを設けている。

    ECU130は、ステップS150Bで第2の除霜モード判定として、ΔTWが所定値以上か否かを判定する。 ここで、ΔTWは、ステップS145で読込んだ除霜開始時の温水温度TWsから現時点での温水温度TWnを引いた値であり、ΔTWが大きいほど温水温度TWの低下が大きいことを表している。 よって、ΔTWが所定値を超えていないと、温水温度TWの低下は小さく、ステップS160に進み除霜モード2を実行する。 また、ΔTWが所定値以上であると、温水温度TWの低下が大きく、温水からの吸熱を避けるため、ステップS180に進み、除霜モード1を実行する。

    これにより、除霜モード2の実行に伴い温水温度TWが大きく低下してしまうのを確実に防止できるので、暖房性能に悪影響を与えないようにすることができる。

    (第4実施形態)
    本発明の第2実施形態を図8に示す。 第4実施形態は、上記第1実施形態でのヒートポンプサイクル110の構成を変更して、ヒートポンプサイクル110Aとしている。 即ち、水冷媒熱交換器112をヒータコア122の下流側に配設し、また、流路切替え弁115を内部熱交換器119と膨張弁116Aとの間に配設している。 尚、膨張弁116Aは感温部116a、キャピラリ116bを不要とする固定絞り弁としている。 また、低圧用バルブ119bは、アキュムレータ118と内部熱交換器119との間に配設している。

    これにより、ヒートポンプサイクル110Aとしては上記第1実施形態と同様の作用および作用効果を果たす。

    尚、内部熱交換器119は冷房運転時における室外器117の冷房能力に応じて廃止するようにしても良い。 また、流路切替え弁115は三方弁に代えて電磁弁としても良い。

    (その他の実施形態)
    上記第1実施形態におけるステップS160の除霜モード2の実行においては、圧縮機111の吐出量を最大にすると良く、これにより、室外器114における放熱量を増加させることができるので、更に除霜効果を高めることができる。

    また、ステップS150での判定において車速を用いて行うようにしたが、車速に代えて、エンジン10の回転数、車両のタイヤ回転数、直接的な室外器114に流入する外気の風速、車両停止信号(あるいは車両走行信号)等を用いて行うようにしても良い。

    また、ステップS150において、車速の大小判定として、第1所定速度(本発明における第1所定値に対応)と、第1所定速度より小さい第2所定速度(本発明における第2所定値に対応)を設けて、車速が第1所定速度を超える場合に否定判定をし、第2所定速度以下となる場合に肯定判定をするようにしても良い。

    また、ステップS150での車速判定において、判定された車速が所定速度以上であれば、圧縮機111を停止するようにしても良い。 これにより、車速が高い場合にはエンジン10自身の発熱により温水温度TWが高められ、ヒータコア122での加熱能力が確保されることから、温水加熱モードの実行を不要として、圧縮機111運転のためのエネルギーを節約することができる。 また、除霜モード1においても、一旦圧縮機111を停止させることで圧縮機111運転のためのエネルギーを節約することができる。

    尚、上記の車速判定による圧縮機111の停止制御に対して、エンジン10の回転数およびその作動時間を基に判定したものとしても良い。 即ち、エンジン10の作動回転数が、所定時間の間、所定回転数以上で作動している場合に、圧縮機111の運転を停止する制御としても良い。

    また、ステップS120における第2の着霜判定については、外気温度TAM−室外器冷媒温度Tgcoutで算出される温度差を用いて判定したが、室外器冷媒温度Tgcoutに代えて、配管部を含む室外器114の表面温度、あるいは室外器114通過後の外気温度としても良い。

    また、ステップS200における除霜完了判定については、室外器冷媒温度Tgcoutの値を用いて判定したが、これに代えて、配管部を含む室外器114の表面温度としても良い。

    また、ヒートポンプサイクル110に用いる冷媒はCO に限らず、通常のフロン系の冷媒を用いるものとしても良い。

    更に、ヒータコア122は、エンジン10から循環する温水を熱源とするものとして説明したが、これに限らず、発熱機器として燃料電池車における燃料電池からの温水を熱源とするもの等としても良い。 また、本暖房サイクル装置100は車両用に限らず、家庭用のものに適用しても良い。

    第1実施形態における暖房サイクル装置の全体構成を示す模式図である。

    暖房運転(温水加熱モード)時の作動状態を示す説明図である。

    第1実施形態における制御装置が実行する制御フローチャートである(前半)。

    第1実施形態における制御装置が実行する制御フローチャートである(後半)。

    除霜運転(除霜モード2)時の作動状態を示す説明図である。

    第2実施形態における制御装置が実行する制御フローチャートである(前半)。

    第3実施形態における制御装置が実行する制御フローチャートである(前半)。

    第4実施形態における暖房サイクル装置の全体構成を示す模式図である。

    符号の説明

    10 エンジン(発熱機器)
    100 暖房サイクル装置 111 圧縮機 112 水冷媒熱交換器 113 暖房用膨張機(減圧弁)
    114 室外器(室外熱交換器)
    122 ヒータコア(暖房器)
    123a エアミックスドア(空気量切替えドア)
    123b エアミックスドア(空気量切替えドア)
    130 制御装置

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