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Pattern forming method, manufacture of semiconductor device using thereof

阅读:982发布:2020-09-11

专利汇可以提供Pattern forming method, manufacture of semiconductor device using thereof专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To increase focal depth so as to form an excellent resist pattern in a stable manner by a method wherein the quantity of light emitted from the center part of an effective light source is lowered by a prescribed amount against the quantity of light emitted from the circumferential part of the effective light source. CONSTITUTION: An aligner is composed of a laser device and a stepper device. The exposing light, emitted from an excimer laser 30, is passed through various optical systems, it is made incident to a fly's eye lens 37, and the fly's eye lens 37 is used as the secondary light source (effective light source). The above- mentioned exposing light is passed through the reticle 39 where a master pattern is formed, brought to the surface of the wafer 41, and the pattern of the reticle 39 is trnasferred to wafer surface. At this point, when the maximum intensity of light present on the circumferential part of the fly's eye lens in set as 1, the intensity of the center part is set at about 0.9 or smaller in intensity distribution.,下面是Pattern forming method, manufacture of semiconductor device using thereof专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 有効光源からの光をマスクに照射し、このマスクのパターンを基板上に転写し、基板上にパターンを形成する方法において、 前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して、所定量低めることを特徴とするパターン形成方法。
  • 【請求項2】 前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して、2〜90%低めることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項3】 前記マスクが位相シフトマスクである請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項4】 前記有効光源が、複数のレンズの集合体であるハエの目レンズである請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項5】 光量が低下する前記有効光源の中央部の領域が、有効光源の外径の20〜40%の領域である請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項6】 前記有効光源の周辺部での光量のピークが、有効光源の周辺部の回転対称位置の数点に現われる請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項7】 光学素子を用いることにより、前記有効光源の中央部へ入射する光の光量を、有効光源の周辺部へ入射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項8】 前記光学素子が、ビームスプリッタおよび/またはプリズムレンズである請求項7に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項9】 中央部に対して周辺部で透過性が高いフィルターを用いることにより、前記有効光源の中央部からの光の光量を、有効光源の周辺部からの光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項10】 前記ハエの目レンズの個々のレンズに対応する開口部を有し、中央部に対して周辺部で当該開口部の径が大きいメカニカルフィルターを用いることにより、前記ハエの目レンズの中央部から出射する光の光量を、ハエの目レンズの周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項11】 光学素子と、この光学素子に対して光路軸方向に接近・離反移動可能に配置された光学部品とを用いることにより、前記有効光源の中央部に入射する光の光量を、有効光源の周辺部に入射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項12】 前記光学素子がプリズムである請求項11に記載のパターーン形成方法。
  • 【請求項13】 前記有効光源へ入射するビームを二以上に分割し、分割さた二以上の光束を可動ミラーを用いて、前記有効光源上に照射し、前記可動ミラーの表面形状に依存する有効光源の表面の各点におけるスキャン速度差を利用して、前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項14】 前記ハエの目レンズの個々のレンズの径が、周辺部よりも中央部で大きい請求項4に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項15】 前記ハエの目レンズにおいて、中央部の個々のレンズの径が、周辺部での個々のレンズの径の1.1〜3倍である請求項14に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項16】 一回の露光時間をTとした場合に、
    0.05×T〜0.95×Tの時間、中央部に対して周辺部で透過性が高い第1フィルターに光を通し、残りの露光時間では、その他の第2フィルターに光を通し、またはフィルターを用いないことにより、 結果的に、一回の露光時間では、前記有効光源の中央部からの光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  • 【請求項17】 有効光源からの光をマスクに照射し、
    このマスクのパターンを基板上に転写し、基板上にパターンを形成する装置において、 前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して、所定量低める光量分布補正手段を有するパターン形成装置。
  • 【請求項18】 前記光量分布補正手段が、前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して、2〜90%
    低める手段である請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項19】 前記マスクが位相シフトマスクである請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項20】 前記有効光源が、複数のレンズの集合体であるハエの目レンズである請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項21】 前記光量分布補正手段により光量が低下する前記有効光源の中央部の領域が、有効光源の外径の20〜40%の領域である請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項22】 前記有効光源の周辺部での光量のピークが、有効光源の周辺部の回転対称位置の数点に現われる請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項23】 前記光量分布補正手段が、前記有効光源の中央部へ入射する光の光量を、有効光源の周辺部へ入射する光の光量のピーク値に対して低める光学素子を有する請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項24】 前記光学素子が、ビームスプリッタおよび/またはプリズムレンズである請求項23に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項25】 前記光量分布補正手段が、中央部に対して周辺部で透過性が高いフィルターを有する請求項1
    7に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項26】 前記光量分布補正手段が、メカニカルフィルターを有し、このメカニカルフィルターが、前記ハエの目レンズの個々のレンズに対応する開口部を有し、中央部に対して周辺部で当該開口部の径が大きい請求項20に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項27】 前記光量分布補正手段が、光学素子と、この光学素子に対して光路軸方向に接近・離反移動可能に配置された光学部品とを有する請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項28】 前記光学素子がプリズムである請求項27に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項29】 前記光量補正手段が、前記有効光源へ入射するビームを二以上に分割する手段と、分割された二以上の光束を前記有効光源上に照射する可動ミラーと、前記可動ミラーの表面形状に依存する有効光源の表面の各点におけるスキャン速度差を利用して、前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めるスキャン手段とを有する請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項30】 前記ハエの目レンズの個々のレンズの径が、周辺部よりも中央部で大きい請求項20に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項31】 前記ハエの目レンズにおいて、中央部の個々のレンズの径が、周辺部での個々のレンズの径の1.1〜3倍である請求項30に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項32】 前記光量分布補正手段が、 中央部に対して周辺部で透過性が高い第1フィルターと、 一回の露光時間内に、前記第1フィルターに光を通す状態と、この第1フィルターを通さずに露光を行う状態とに切り換える切り替え手段とを有する請求項17に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項33】 前記第1フィルターと異なる透過率分布の第2フィルターをさらに有し、前記第1フィルターを通さずに露光を行う状態では、第2フィルターに光を通すように切り替え手段が制御される請求項32に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項34】 前記切り替え手段が、少なくとも前記第1フィルターが装着してある回転式ディスクと、この回転式ディスクを回転駆動する駆動手段とを有する請求項32に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項35】 前記切り替え手段が、少なくとも前記第1フィルターがスライド式に移動可能なスライド機構を有する請求項32に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項36】 前記切り替え手段が、電圧印加により光の透過率が変化する光シャッタ式光学材料を有する請求項32に記載のパターン形成装置。
  • 【請求項37】 有効光源からの光をマスクに照射し、
    このマスクのパターンを基板上に転写し、基板上にパターンを形成する工程を有する半導体デバイスの製造方法において、 前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して、所定量低めることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項38】 前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して、2〜90%低めることを特徴とする請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項39】 前記マスクが位相シフトマスクである請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項40】 前記有効光源が、複数のレンズの集合体であるハエの目レンズである請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項41】 光量が低下する前記有効光源の中央部の領域が、有効光源の外径の20〜40%の領域である請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項42】 前記有効光源の周辺部での光量のピークが、有効光源の周辺部の回転対称位置の数点に現われる請求項36に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項43】 光学素子を用いることにより、前記有効光源の中央部へ入射する光の光量を、有効光源の周辺部へ入射する光の光量のピークに対して低めることを特徴とする請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項44】 前記光学素子が、ビームスプリッタおよび/またはプリズムレンズである請求項43に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項45】 中央部に対して周辺部で透過性が高いフィルターを用いることにより、前記有効光源の中央部からの光の光量を、有効光源の周辺部からの光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項46】 前記ハエの目レンズの個々のレンズに対応する開口部を有し、中央部に対して周辺部で当該開口部の径が大きいメカニカルフィルターを用いることにより、前記ハエの目レンズの中央部から出射する光の光量を、ハエの目レンズの周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項40に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項47】 光学素子と、この光学素子に対して光路軸方向に接近・離反移動可能に配置された光学部品とを用いることにより、前記有効光源の中央部に入射する光の光量を、有効光源の周辺部に入射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項48】 前記光学素子がプリズムである請求項47に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項49】 前記有効光源へ入射するビームを二以上に分割し、分割された二以上の光束を可動ミラーを用いて、前記有効光源上に照射し、前記可動ミラーの表面形状に依存する有効光源の表面の各点におけるスキャン速度差を利用して、前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項50】 前記ハエの目レンズの個々のレンズの径が、周辺部よりも中央部で大きい請求項40に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項51】 前記ハエの目レンズにおいて、中央部の個々のレンズの径が、周辺部での個々のレンズの径の1.1〜3倍である請求項50に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 【請求項52】 一回の露光時間をTとした場合に、
    0.05×T〜0.95×Tの時間、中央部に対して周辺部で透過性が高い第1フィルターに光を通し、残りの露光時間では、その他の第2フィルターに光を通し、またはフィルターを用いないことにより、 結果的に、一回の露光時間では、前記有効光源の中央部からの光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることを特徴とする請求項37に記載の半導体デバイスの製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、パターン形成方法および該方法を用いた半導体デバイス製造方法と装置に係り、さらに詳しくは、位相シフトマスクを用いても二次ピークの問題がなく、良好なパターンを形成することができる露光方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】現在、半導体集積回路の研究開発において、サブハーフミクロン領域のデザインルールのデバイスが研究開発されている。 これらデバイス開発においては、フォトリソグラフィー技術が必須である。 このフォトリソグラフィー技術に使用されている露光装置、いわゆる縮小投影露光装置の解像性能が、半導体デバイスの研究開発の成否、および量産の可否を左右しているといっても過言ではない。

    【0003】従来、縮小投影露光装置の解像性能は、以下のレイレーの式

    【0004】

    【数1】

    【0005】に基づき、縮小投影レンズのNAを大きくする、もしくは露光波長を短くすることにより向上されてきていた。 しかしながら、半導体デバイス作製においては、半導体デバイスのトポグラフィー、ウエハーフラットネス等に起因した段差が存在しているため、解像性能と同時に焦点深度の確保も重要なパラメーターである。 半導体デバイス作製時のフォトリソグラフィー工程におけるレジストパターンの寸法精度は、一般に±5%
    である。 実デバイスにおいては、図1に示すように、半導体基板Sの面には必ず凹凸が存在する。 例えば、ポリSi等の凸部Inが存在する。 その結果、同一焦点面でレジストPRのパターンが形成されることはない。 そのため、レジストPRのパターンの寸法が、段差の上部と下部とで異なってしまう。 当然、このことは、同一波長、同一開口数のステッパーを用いた場合、パターンが細かければ細かいほど顕著化する。 この傾向は、どの種のレジストについても、共通に見られる傾向である。

    【0006】焦点深度は、露光波長に一次に比例して、
    NAの二乗に反比例して小さくなる。 量産段階において焦点深度は、1.5μm程度が必要である。 そのため、
    必要とされる解像性能および焦点深度の双方を満足するには、限界がある。 図2(A),(B)に、最先端の露光方法であるKrFエキシマレーザーリソグラフィーにおける焦点深度(D.O.F)の解像性能をパラメーターとした際のNA依存性を示した。 図からも理解されるように、必要とされる焦点深度1.5μmを満たした上で、得られる最高の解像は、約0.35μm程度である。 したがって、0.35μm以下の線幅を1.5μm
    以上の焦点深度を有して解像することは、極めて困難である。 焦点深度の拡大を図る何らかの技術が必要である。

    【0007】このような要求に答えるべく、近年ハーフトーン型位相シフト法が提案されている。 同露光法は、
    コンタクトホールのような孤立パターンの解像度、焦点深度を向上させるのに極めて有力な方法である。 ハーフトーン型位相シフト法は、図3に示すように、露光用光に対する透過率が数%〜20%程度以下の、つまりわずかに露光用光を透過させるような半透明なCr xy
    Si xy ,SiO xy ,Mo x Si y膜等を暗部1
    に相当するハーフトーン膜2として用い、明部3では該膜2および透明基盤の双方(凹部5が形成される)もしくは該膜2のみをエッチングしてマスクとして機能させている。 その際、明部3と半透明膜により形成される暗部1との位相差を、180°に設定することにより、図4(B)に示すように、孤立パターン(たとえば0.6
    λ/NAのホールパターン)における光強度分布の勾配を急にすることができる。 なお、図4(A)は、従来のクロムマスクを用いた孤立パターンにおける光強度分布である。

    【0008】この位相シフトマスクの設計において、ハーフトーン膜2の透過率が重要な要素である。 即ち、孤立パターンにおける光強度分布の勾配をより急にするためには、該ハーフトーン膜2の透過率を上げれば良い。
    しかしながら、透過率を上げることによりハーフトーン膜2による遮光効果が薄れ、レジストが全面的に露光されてしまう。

    【0009】また通常、パターン形成時には、光強度分布に於いて所望するパターン位置の両側に遮光位置にもかかわらず、図5(A)に示すように、近接効果によりサイドロブと呼ばれる2次ピークが発生している。 該2
    次ピークは、ハーフトーン透過率を上げることにより強調され、図5(B)に示すように、例えばホールパターン6の設計寸法をWとして、隣り合うパターン間距離が3W以上離れている所謂完全孤立のコンタクトホールにおいても、周辺部が“えぐれた”形状(符号8部分)となる。 図5(B)に示す形状では、エッチング工程においてコンタクト径が拡大してしまうことが懸念される。

    【0010】さらに、ハーフトーン位相シフトマスク法を、パターン密度が高い、所謂繰り返しパターン部に応用しようとすると、2次ピークは、パターン密度が高い、所謂繰り返しパターン部において、隣り合うパターン間同志の干渉即ち相互近接効果により強調され、より顕著となる。

    【0011】したがって、ハーフトーン位相シフトマスク法を用いてデバイスパターンを形成しようとすると、
    パターン間距離を十分に配慮して設計およびCAD工程を行わなければならず、設計およびCAD工程に多大な負荷をかけることとなり、実用化を妨げている。

    【0012】

    【発明が解決しようとする課題】上述した問題点を解決するべく、現在各方面で、近接効果を顕著化させず、またマスクの設計に負荷をかけないで焦点深度を拡大するための検討が精力的に行われている。 しかしながら、上記問題点を有せずに焦点深度を拡大するための効果的な露光方法は、いまだ見い出されていない。 したがって、
    近接効果を顕著化させず、またマスクの設計に負荷をかけないで焦点深度を拡大するための露光技術を早急に確立することが必要不可欠である。

    【0013】現在、デバイス作成に当たり、実用的な焦点深度が得られない場合、多層レジスト法、もしくは電子ビーム露光法等を用いてパターン形成を行っている。
    しかしながら、十分満足する効果が得られていない。 よって、近接効果を顕著化させず、またマスクの設計に負荷をかけず、そして上記に述べた以外の方法で、収差などの結像特性に影響を与えないで焦点深度を拡大するための露光技術を早急に確立することが必要不可欠である。

    【0014】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、半導体デバイスなどを作製する際に、そのマスクパターンが微細なものであっても、良好に、安定したレジストパターンが形成できるように、焦点深度を拡大する方法を決定し、これにより良好なレジストパターニングを可能としたパターンの作成方法および半導体デバイス作製方法を提供することを目的とする。

    【0015】

    【課題を解決するための手段】本発明は、半導体デバイスを作製する際に、そのマスクパターンが微細なものであっても、任意のパターン密度を有する通常のマスク、
    特にハーフトーン位相シフトマスクを用いて、収差などの結像特性に影響を与えないで焦点深度を拡大する方法であって、これにより上記目的を達成するものである。
    これは、露光装置の光学系を解析することにより理解される。 即ち、本発明は、本発明者による、次の知見により得られたものである。

    【0016】任意のパターン密度を有するハーフトーン位相シフトマスクを用いて、収差などの結像特性に影響を与えないで、焦点深度の拡大を、以下の手段を用いて行った。 (1)設計およびCAD工程に多大な負荷をかけることなく任意のパターン密度を有する設計パターンに対して、ハーフトーン位相シフトマスク法を用いることを可能にするためには、パターン密度が高い、所謂繰り返しパターン部に応用できれば良い。 パターン密度が高い、
    所謂繰り返しパターン部は、隣り合うパターン間同志の干渉によりパターンは形成されている故、相互近接効果による光強度分布における2次ピークを低減できればよい。

    【0017】(2)光強度分布は、露光装置の有効光源における光強度分布に依存する。 即ち、露光装置所謂ステッパーの投影光学系は、図6に示すごとく、全系の絞り10は第一群、第二群の焦点面に配置されており、両テレセントリックな結像系であり、また全系としてアフォーカルな系である。 即ち、マスク面12と瞳面(絞り10と略等しい)、瞳面とウエハ面14はフーリエ変換の関係である。 また、マスクを照明する照明光学系からの光は、全て平面波展開することにより示される。 アフォーカルな特性ゆえ、一つ一つの平面波は、二次光源(有効光源とも言う)16であるハエの目レンズの発光点一つ一つに対応している。

    【0018】(3)(2)で示した特徴により、マスク面、瞳面、ウエハ面夫々の座標系を(x,y)(ξ,
    η)(α,β)とし、一群、二群の焦点距離はf1,f
    2とする。 また、マスクの透過関数をo(x,y)とすると、瞳面上での振幅分布f(ξ,η,θ 1 ,θ 2
    は、以下の数式で表わせる。

    【0019】

    【数2】

    【0020】ウエハ面上での振幅分布をg(α,β,θ
    1 ,θ 2 )、瞳関数をp(ξ,η)とすると、以下の数式が成り立つ。

    【0021】

    【数3】

    【0022】θ 1 ,θ 2で入射した平面波のウエハ面上での強度分布I(α,β,θ 1 ,θ 2 )は、以下の数式で表わせる。

    【0023】

    【数4】

    【0024】ゆえに、全体の強度分布I(α,β)は、
    各平面波の重ね合わせとなるので、重み関数をW(θ
    1 ,θ 2 )とすると、以下の数式が成り立つ。

    【0025】

    【数5】

    【0026】ここで、“マスクはy軸に平行な等間隔の格子パターン”とすると、マスクの透過関数o(x,
    y)は、マスク周波数をωとして、次の式で表わせる。

    【0027】

    【数6】

    【0028】従って、瞳面上での振幅分布f(ξ,η,
    θ 1 ,θ 2 )は、以下の数式で表わせる。

    【0029】

    【数7】

    【0030】瞳面での波面収差をW(ξ,η)とすると、ウエハ面上での振幅分布g(α,β,θ1 ,θ2 )
    は、以下の数式で表わせる。

    【0031】

    【数8】

    【0032】ここで、前記式(7)から明らかになるように、瞳面での物体のスペクトル分布は、δ関数の和である。 従って、n番目の回析光が瞳に入るか入らないかの判定は、明確である。 そこで、式(8)にて回析光が瞳に入るか入らないかを判定するVignetting factor Pn
    を用いた。

    【0033】

    【数9】

    【0034】以上より、ウエハ面上での個々の平面波の強度分布I(α,β,θ 1 ,θ 2 )は、以下の数式で表わせる。

    【0035】

    【数10】

    【0036】収差等を無視した理想結像の場合は、次の式が成り立つ。

    【0037】

    【数11】

    【0038】ゆえに、個々の平面波の強度分布I(α,
    β,θ 1 ,θ 2 )は、以下の数式で表わせる。

    【0039】

    【数12】

    【0040】つまり、上式を、ハエの目レンズ各点の強度比に応じた重みづけをなして重ね合わせることにより、ウエハ面上での全体の光強度分布I(α,β)が求まる。 (4)上記数式(11)が、理想結像を行う際の基本式である。 以下、実際に上記数式(11)を解析してみる。 厳密解を得るには、回析光の全ての次数を重ね合わせる必要があるが、事実上0次と±1次光のみに着目しても問題となる微細な線幅においては、高次の回析光は瞳でけられてしまうので、解析結果の一般性は失われない。

    【0041】(5)0次と±1次のみの光を考えると、
    図7に示される回析光のケラレの位置関係より、式(1
    2)には以下の4つの場合しか存在しない。

    【0042】

    【数13】

    【0043】

    【数14】

    【0044】

    【数15】

    【0045】

    【数16】

    【0046】上記(I)のケース(数式(12))は0
    次、±1次光の全てが取り入れられるケースであり、3
    光束干渉により結像する。 上記(II)のケース(数式(13))は、0次と±1次光の片方が取り入れられるケースであり、2光束干渉により結像する。 上記(II
    I)のケース(上記数式(14))は、0次光のみが取り入れられるケースであり、解像限界以下の、即ち空間周波数が高いときに生じる。 上記(IV)のケース(上記数式(15))は、±1次光の片側のみが取り入れられるケースであり、光源が極めて大きい時に生じる。

    【0047】(6)上記数式(12)〜(15)の各々を、上記数式(4)に代入すれば、全体の強度分布I
    (α,β)は求まる。 しかし、上記式(12)〜(1
    5)を解析することにより、如何にすれば、任意のパターン密度を有する設計パターンに対して、ハーフトーン位相シフトマスク法を用いることを可能にするかを示唆している。 即ち、数式(12)を微分すると、cos
    項、sin項夫々が0になる解は存在する。 このことは、3光束干渉により結像した場合は、必ず2次ピークが発生することを意味している。 また、上記数式(1
    3)を微分しても、sin項が0になる解のみしか存在しない。 このことは、2光束干渉により結像した場合は、2次ピークが発生しないことを示唆している。 即ち、通常のステッパーの様に、ハエの目レンズの中心部光強度が強い光源を用いた際には、3光束干渉が支配的になり2次ピークが発生し、所謂斜入射照明のようなハエの目レンズの周辺部光強度が強い光源を用いた際には、2光束干渉となり、2次ピークが発生しないことを示唆している。

    【0048】(7)斜入射照明技術は、マスク面に照明光を斜め方向から照射し、その結果として、図8および9(B)に示すように、0次光、および±1次光のいずれかを瞳面に入射させ、他方の1次光はレンズ境筒等にて除去し、2光束干渉でパターンを形成する。 その結果、見かけ上レンズのNAを小さくでき、焦点深度の向上に多大な効果を有する。 しかし一方で、有効光源が小さくなることによる近接効果の増大、照度の低下、照度ムラの増大、露光マージンの低下、テレセン性(投影レンズ光軸とウェーハ面との垂直性)の影響を強く受ける、等の問題点を有している。

    【0049】なお、図8中、符号20はランプまたはレーザを示し、符号21はコリメータを示し、符号22はハエの目レンズを示し、符号23はコンデンサレンズを示し、符号24はレチクル(マスク)を示す。 また、図9(A)は、3光束干渉の場合を示し、図9(B)は二光束干渉の場合を示す。

    【0050】(8)上記(6)および(7)の事情を鑑みると、ハーフトーン位相シフトマスクにおける問題点である2次ピークが発生しない程度に斜入射成分を強調し、かつ斜入射露光法の有する問題点を発生させないように垂直入射成分を有する、ハエの目レンズ上の光強度分布が望ましい事が分かる。

    【0051】(9)上記概念に基づき、あらゆる方向のパターンにおいて繰り返しパターンの焦点深度、孤立パターンの焦点深度、2次ピークの発生、近接効果の度合い、照度、照度ムラ、ディストーション変化等を考慮して、ハエの目面上での光量分布として、図10(A),
    (B)に示す形態が適切であることを見い出し、本発明を完成させたものである。 図10(A)は、ハエの目レンズへ入射する光の光量分布を数字で示したものであり、*部が光量のピーク部分を示し、0〜9の数字は、
    ピーク部分を10とした場合の光量の割合を示し、中央部で低く周辺部で高い光量分布となっている。 また、図10(B)は、図10(A)に示す光量分布を立体的に示したものである。

    【0052】(10)本発明は、光リソグラフィーを用いて、半導体デバイスのマスクパターンをレジストに転写する場合などに好適に用いることができる。 具体的には、本発明に係るパターンの形成方法は、有効光源からの光をマスクに照射し、このマスクのパターンを基板上に転写し、基板上にパターンを形成する方法において、
    前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して、所定量低めることを特徴とする。

    【0053】前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して、2〜90%低めることが好ましい。 前記マスクとしては、通常のクロムマスクあるいは位相シフトマスクなどを用いることができる。 本発明では、位相シフトマスクを用いた場合に特に有効である。 位相シフトマスクとしては、特に限定されないが、リム型あるいはアウトリガー型の位相シフトマスクを例示することができる。

    【0054】有効光源としては、特に限定されないが、
    たとえば複数のレンズの集合体であるハエの目レンズを好適に用いることができる。 あるいは有効光源として、
    複数の光ファイバーを用いることも可能である。 光量が低下する前記有効光源の中央部の領域は、たとえば有効光源の外径の10〜40%の領域である。

    【0055】前記有効光源の周辺部での光量のピークは、たとえば有効光源の周辺部の回転対称位置の数点に現われる。 ビームスプリッタと四錐もしくは円錐状のプリズムレンズとを用いることにより、前記有効光源の中央部へ入射する光の光量を、有効光源の周辺部へ入射する光の光量のピーク値に対して低めることができる。
    また、ビームスプリッタ単独、四角錐もしくは円錐状プリズム単独、または複数の四角錐もしくは円錐状プリズムを用いることにより、前記有効光源の中央部へ入射する光の光量を、有効光源の周辺部へ入射する光の光量のピーク値に対して低めることもできる。

    【0056】中央部に対して周辺部で透過性が高いフィルターを用いることにより、前記有効光源の中央部に入射する光の光量を、有効光源の周辺部に入射する光の光量のピーク値に対して低めることもできる。 ハエの目レンズの個々のレンズに対応する開口部を有し、中央部に対して周辺部で当該開口部の径が大きいメカニカルフィルターを用いることにより、前記ハエの目レンズの中央部から出射する光の光量を、ハエの目レンズの周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることもできる。

    【0057】プリズムと、このプリズムに対して光路軸方向に接近・離反移動可能に配置された光学部品とを用いることにより、前記有効光源の中央部に入射する光の光量を、有効光源の周辺部に入射する光の光量のピーク値に対して低めることもできる。

    【0058】前記有効光源へ入射するビームを二以上に分割し、分割された二以上の光束を可動ミラーを用いて、前記有効光源上に照射し、前記可動ミラーの表面形状に依存する有効光源の表面の各点におけるスキャン速度差を利用して、前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることもできる。

    【0059】前記ハエの目レンズの個々のレンズの径は、均一であっても良いが、周辺部よりも中央部で大きく構成しても良い。 たとえば、ハエの目レンズにおいて、中央部の個々のレンズの径を、周辺部での個々のレンズの径の1.1〜3倍としても良い。 このように構成することで、照度むらを防止することができる。

    【0060】また、本発明では、一回の露光時間をTとした場合に、0.05×T〜0.95×Tの時間、中央部に対して周辺部で透過性が高い第1フィルターに光を通し、残りの露光時間では、その他の第2フィルターに光を通し、またはフィルターを用いないようにしても良い。 これにより、結果的に、一回の露光時間では、前記有効光源の中央部からの光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めることができる。

    【0061】本発明に係るパターン形成装置は、有効光源からの光をマスクに照射し、このマスクのパターンを基板上に転写し、基板上にパターンを形成する装置において、前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、
    有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して、所定量低める光量分布補正手段を有する。

    【0062】光量分布補正手段は、有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して、2〜90%低める手段であることが好ましい。 マスクが位相シフトマスクであることが好ましい。

    【0063】有効光源は、複数のレンズの集合体であるハエの目レンズであることが好ましい。 ハエの目レンズの個々のレンズの径は、周辺部よりも中央部で大きいことが好ましい。 光量分布補正手段により光量が低下する前記有効光源の中央部の領域が、有効光源の外径の10
    〜40%の領域であることが好ましい。

    【0064】有効光源の周辺部での光量のピークが、有効光源の周辺部の回転対称位置の数点に現われることが好ましい。 光量分布補正手段は、有効光源の中央部へ入射する光の光量を、有効光源の周辺部へ入射する光の光量のピーク値に対して低める光学素子を有することが好ましい。 ハエの目レンズにおいて、中央部の個々のレンズの径が、周辺部での個々のレンズの径の1.1〜3倍であることが好ましい。

    【0065】前記光学素子は、ビームスプリッタおよび/またはプリズムレンズであることが好ましい。 前記光量分布補正手段は、中央部に対して周辺部で透過性が高いフィルターを有することが好ましい。

    【0066】光量分布補正手段は、メカニカルフィルターを有し、このメカニカルフィルターが、ハエの目レンズの個々のレンズに対応する開口部を有し、中央部に対して周辺部で当該開口部の径が大きいことが好ましい。
    光量分布補正手段は、光学素子と、この光学素子に対して光路軸方向に接近・離反移動可能に配置された光学部品とを有することが好ましい。 この場合、光学素子としては、プリズムなどを用いることができる。

    【0067】光量補正手段は、有効光源へ入射するビームを二以上に分割する手段と、分割された二以上の光束を前記有効光源上に照射する可動ミラーと、前記可動ミラーの表面形状に依存する有効光源の表面の各点におけるスキャン速度差を利用して、前記有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量のピーク値に対して低めるスキャン手段とをさらに有する。

    【0068】光量分布補正手段は、たとえば中央部に対して周辺部で透過性が高い第1フィルターと、一回の露光時間内に、前記第1フィルターに光を通す状態と、この第1フィルターを通さずに露光を行う状態とに切り換える切り替え手段とを有しても良い。 この場合において、本発明に係る装置は、第1フィルターと異なる透過率分布の第2フィルターをさらに有し、前記第1フィルターを通さずに露光を行う状態では、第2フィルターに光を通すように切り替え手段が制御されることが好ましい。

    【0069】切り替え手段は、少なくとも前記第1フィルターが装着してある回転式ディスクと、この回転式ディスクを回転駆動する駆動手段とを有することが好ましい。 また、切り替え手段は、少なくとも前記第1フィルターがスライド式に移動可能なスライド機構を有するものでも良い。 さらに、切り替え手段として、電圧印加により光の透過率が変化する光シャッタ式光学材料を用いても良い。

    【0070】本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、上述したパターン形成方法を用いて、半導体基板の上に半導体デバイスを作り込む際に、特に好適に用いることができる。

    【0071】

    【実施の形態】以下本発明の実施例について、具体的に説明する。 ただし、当然のことではあるが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。 実施例1この実施例は、ハーフトーン位相シフトマスクを用いて半導体デバイスパターンを安定して転写するため、図1
    1に示す露光装置のハエの目レンズ37の入射面上で、
    図10(A),(B)に示す光量分布を形成して焦点深度を向上させた例である。 ただし、図10(A),
    (B)は、わずかながら4重極を形成した形状になっているが、輪帯形状および他の形状でも差し支えない。 本実施例に示した結果は、KrFエキシマレーザーステッパーを用いて得た結果だが、本結果は一般性があり、用いる波長によっては得られないものではなく、従来用いられたg線、i線にもそのまま適用できる結果である。
    また、将来的なArFエキシマレーザーやその他の波長に対しても好適に用いることができる。

    【0072】まず、露光装置の全体構成について説明する。 図11に示すように、この露光装置は、レーザ装置と、ステッパー装置とから成る。 レーザ装置は、エキシマレーザ30と、ドーズ量制御ユニット31と、シフティングユニット33と、発射光学系34とで構成される。

    【0073】ステッパー装置は、ビームスプリッタ35
    と、プリズムユニット36と、ハエの目レンズ37と、
    マスキングブレード38と、レチクル39と、プロジェクションレンズ40とで構成される。 エキシマレーザ3
    0から発射された露光用光は、前記種々の光学系を通して、ハエの目レンズ37へ入射し、ハエの目レンズ37
    が二次光源(有効光源)となる。 その露光用光は、マスクパターンが形成されたレチクル39を通し、ウェーハ41面上に至り、レチクル39のパターンがウェーハ面上に転写される。

    【0074】ハエの目レンズ37は、複数(たとえば1
    00個)のレンズの集合体であり、全体としての外径は、通常5cm〜20cmである。 次に、前記ハエの目レンズ37への入射面において図10に示す光量分布を選定した手順について説明する。 次の(1)〜(3)の手順を行った。

    【0075】(1)従来のステッパーのハエの目面での光量分布は、図12(C)に示すように、中心部が高く周辺部が低いガウス光量分布となっている。 これは、図12(A)に示すように、ビームスプリッタ35で分けられた光を、同図(B)に示すように、プリズムにより合成するためである。

    【0076】図12(C)に示す光量分布となることから、荒いパターンに有効な照明光が強く、同時にウエハ41面上にて2次ピークを発生させ、微細なパターンに有効な照明光が弱いといった問題点があった。 (2)この点を解決するために、ハエの目レンズの中心部光強度を徐々に遮光していき、ハーフトーン位相シフトマスクにおける問題点である2次ピークが発生しない程度に斜入射成分を強調した。

    【0077】(3)この結果、ハエの目レンズ上において周辺部に存在する最大光強度を1としたとき、中心部強度が0.9以下、好ましくは0.8以下の強度分布において、2次ピークが発生しないことを見い出した。 図13(A)は、通常のクロムマスクから成るレチクルを用い、しかもハエの目レンズ上での光量分布がガウス分布である場合の高密度パターンにおける光強度分布を示す。 図13(B)は、通常のクロムマスクから成るレチクルを用い、しかもハエの目レンズ上での光量分布が図10(A),(B)に示す分布である場合の高密度パターンにおける光強度分布を示す。

    【0078】図14(A)は、位相シフトハーフトーンマスクから成るレチクルを用い、しかもハエの目レンズ上での光量分布がガウス分布である場合の高密度パターンにおける光強度分布を示す。 図14(B)は、位相シフトハーフトーンマスクから成るレチクルを用い、しかもハエの目レンズ上での光量分布が図10(A),
    (B)に示す分布である場合の高密度パターンにおける光強度分布を示す。

    【0079】図13,14において、露光用光の波長λ
    は248nmであり、開口数NAは0.45であり、σ
    は0.7であり、線幅対間隔の比が1:1であり、0.
    35μm の解像度の条件であり、フォーカスFを0.
    0、0.4、0.6、0.8、1.0μm と変化させた。

    【0080】図13(B)および図14(B)に示すように、本発明の方法を用いれば、二次ピークが低減される。 図10(A),(B)に示す結果は、わずかながら4重極を形成した形状になっているが、輪帯形状および他の形状でも差し支えない。 あくまで、ハエの目レンズ上において周辺部に存在する最大光強度を1としたとき、中心部強度が0.9以下、好ましくは0.8以下であればよい。

    【0081】(4)以上、本実施例を用いることにより、2次ピークの影響を受けずにハーフトーン位相シフトマスクを用いて、またマスクの設計に負荷をかけないで焦点深度を拡大するための露光技術を確立した。 実施例2本実施例は、本発明をハーフトーン位相シフトマスクを用いたKrFエキシマリソグラフィーを用いて半導体デバイスパターンを安定して転写するに際して、本発明における所望のハエの目レンズ上の光強度分布を形成した例である。 以下の(1)〜(3)の手順を行った。

    【0082】(1)図11に示したKrFエキシマレーザーステッパーの照明光学系内において、レーザービームはビームスプリッターを通して、4つに光束が分割されている。 そこで、これら分割されたビームを再度重ね合わせる際においてビームの開き角、ビーム間隔を調整することにより、所望の光量分布をハエの目面上にて再現した。

    【0083】(2)即ち、図11に示すビームスプリッタ35により、図15(A)に示すように、ビーム42
    を分割し、これらビームを図11に示すプリズムユニット36を用いて重ね合わせる(図15(B)参照)ことにより、本実施例における所望の光量分布をハエの目レンズ面上に再現した。

    【0084】図15(A)において、重ね合わせ前の各ビーム42を内側にどれほどシフトさせるか、あるいは各ビームの短手方向の寸法をどれほどにするかで、重ね合わせ後の光源形状が決定する。 図15(B)において、四隅部43は、光の重ね合わせ部であり、光量のピーク部分となる部分であり、中央部44では、各ビームのシミだしにより光は存在するが、光量は低い。

    【0085】本方法を用いてビームを重ね合わせた時に得られるハエの目レンズ面上での光量分布は、図10
    (A),(B)に示す結果と同様である。 (3)以上により、本発明の実施例では、2次ピークが発生しない程度に斜入射成分を強調した光源形状を確立した。

    【0086】 実施例3上記実施例2において、2次ピークが発生しない程度に斜入射成分を強調した光源形状を形成する際、ハエの目レンズ上における中心部光強度をあまりに小さく設定すると、2次ピークは発生しないものの既述した斜入射露光法固有の問題点が顕著化される。 本実施例は、ハエの目レンズ上における中心部光強度の下限(2%)を、以下の最適化に基づき求めた例である。

    【0087】(1)ハエの目レンズ上における中心部光強度を変化させたときの解像性能に及ぼす影響を表1に示す。

    【0088】

    【表1】

    【0089】表1は、0.35μm線幅での焦点深度、
    線幅均一性、照度、照度ムラ、デストーション変化を示している。 表中“全体”と示されている部分が、これらすべてのグループにおける共通の焦点深度である。 即ち、“全体”と示されている焦点深度の値が、様々なパターン形状、パターンの疏密性、方向性が含まれている実際の半導体デバイスを作製する際に重要な焦点深度である。

    【0090】また、比較例1がハエの目レンズ面でガウス分布の光強度分布を有する従来露光法を示し、比較例2が斜入射照明のうち4点照明を示し、比較例3が輪帯照明を示している。 そして、実施例A,B,C,Dが、
    ハエの目レンズ上における中心部光強度において、斜入射成分を徐々に強調し、かつ斜入射露光法の有する問題点を発生させないように垂直入射成分を有する光強度分布を用いた際の焦点深度である。 これら実施例A,B,
    C,Dでは、ハエの目レンズの入射面上での中心部の光量を、周辺部のピーク値に対して、それぞれ90%、5
    0%、30%、2%とした以外は同一条件である。

    【0091】全体の焦点深度は、従来露光法(比較例1)においては0.42μmであり、斜入射照明(比較例2)においては1.02μm、輪帯照明(比較例3)
    においては1.2μmの焦点深度である。 即ち、斜入射照明や輪帯照明を用いた場合においては、5本バーチャートの中心部における焦点深度の向上効果は著しいものがあるが、すでに述べた問題点、即ち、近接効果等が原因となっているすべてのパターンを含んだ焦点深度はそれほどではない。

    【0092】一方、ハエの目レンズ上における中心部光強度において、斜入射成分を徐々に強調し、かつ斜入射露光法の有する問題点を発生させないように垂直入射成分を有する光強度分布を用いた(実施例A〜D)際においては、5本バーチャートの中心線における焦点深度の向上効果においても、輪帯照明(比較例3)と同等の焦点深度向上効果が得られ、従来法(比較例1)と比較して2.5倍以上、焦点深度が向上する。

    【0093】前記実施例A,B,Cについて、ウェーハ面上での光強度分布を測定した結果を図17〜19に示し、従来法(比較例1)のそれを図16に示す。 図17
    〜19に示すように、図16に示す従来法に比較し、本実施例A,B,Cでは、二次ピークpを低減することができた。

    【0094】実際に、上記比較例1および実施例Cにおいて、半導体ウェーハの表面にパターンを形成した場合の解像性能の差を図20(A),(B)に示す。 図20
    (A)は、比較例1の通常照明状態でハーフトーン位相シフトマスクを用い、0.30μm線幅の線パターンを実際に形成した場合のウェーハの断面図である。 用いた露光装置は、NA0.45のKrFエキシマレーザーステッパーである。 レジストは、化学増幅型ポジレジストを用いた。 ライン:スペース=1:1.5の疏密比を有するパターンに着目した。

    【0095】図20(B)は、実施例Cの光量分布でハエの目レンズ上に照明し、それを二次光源として、ハーフトーン位相シフトマスクを用い、0.30μm線幅の線パターンを実際に形成した場合のウェーハの断面図である。 その他の条件は、図20(A)の場合と同様である。

    【0096】従来法(比較例1)においては、所望するパターン部50以外に、2次ピークによるパターン52
    が解像してしまっている。 一方、本実施例Cによる露光方法では、2次ピークによる影響なく好適にパターン5
    0が形成されている。 また、±0.6μm にフォーカスがずれても、良好なパターン50が形成されている。

    【0097】図21(A)は、上記比較例1の通常照明状態でハーフトーン位相シフトマスクを用い、0.3μ
    m のコンタクトホールを実際に形成した場合の半導体ウェーハの平面図である。 用いた露光装置は、NA0.4
    5のKrFエキシマレーザーステッパーである。 レジストは、化学増幅型ポジレジストを用いた。 疏密比1:1
    のパターンに着目した。

    【0098】図21(B)は、実施例Cの光量分布でハエの目レンズ上に照明し、それを二次光源として、ハーフトーン位相シフトマスクを用い、0.30μmのコンタクトホールを実際に形成した場合のウェーハの平面図である。 その他の条件は、図20(A)の場合と同様である。

    【0099】従来法(比較例1)においては、所望するパターン部50a以外に、2次ピークによるパターン5
    2aが解像してしまっている。 一方、本実施例Cによる露光方法では、2次ピークによる影響なく好適にパターン50aが形成されている。 また、±0.6μm にフォーカスがずれても、良好なパターン50aが形成されている。

    【0100】図22(A),(B)は、0.30μm線幅での焦点深度向上効果を示している。 用いた露光装置は、NA0.45のKrFエキシマレーザーステッパーである。 レジストは、化学増幅型ポジレジストを用いた。 ライン:スペース=1:1、3:1の疏密比を有するパターンに着目した。 ハーフトーン位相シフトマスクを用いずに、また従来(比較例1)のハエの目レンズ上の光強度分布を用いた際には、わずか0.9μm程度の焦点深度しか得られていない。 一方、本実施例Cによる露光方法においては、2倍以上の1.86μmの焦点深度が得られている。 なお、既述したが、従来のハエの目レンズ上の光強度分布とハーフトーン位相シフトマスクを組み合わせると、2次ピークによるパターンが解像してしまい、許容できる結像がなされない。

    【0101】本実施例Cによれば、2次ピークの影響を受けずにハーフトーン位相シフトマスクを用いてマスクの設計に負荷をかけないで焦点深度を拡大できることが確認された。 (2)表1に示すように、照度(照明出力)は、斜入射照明(比較例2)法や輪帯照明(比較例3)法を用いると、従来法(比較例1)と比較して実に3割程度に低下する。 一方、本実施例A〜Dでは、照度(照明出力)
    は、約1割程度の低下ですむ。 また、照度ムラ(照明均一性)に関しても、斜入射法(比較例2)や輪帯照明法(比較例3)を用いると5%程度以上に劣化し、レジストの感度を考慮すると、照度ムラに起因する線幅バラツキが生じる。 一方、本発明の実施例を用いた際においては、照度ムラは、従来法と比較して同程度であり、本発明による悪影響はない。

    【0102】(3)ハエの目レンズ上周辺部の強度を1
    00としたとき、中心部強度が2%、好ましくは20%
    以上の強度分布においては、斜入射露光法の有する問題点、即ち有効光源が小さくなることによる近接効果の増大、照度の低下、照度ムラの増大、露光マージンの低下、テレセン性の影響を強く受ける、等の問題点を有しないことを見い出した。

    【0103】即ち、斜入射露光法の有する問題点を発生させないように、2%、好ましくは20%程度以上の垂直入射成分を有する、ハエの目レンズ上の光強度分布が望ましいことが分かる。 (4)以上、実施例1および本実施例より、ハエの目レンズ上の光強度分布における最大光強度を100とした時、中心部の光強度を、2〜90%、好ましくは20〜
    80%に設定することにより、ウエハ面上での光強度分布において2次ピークが発生せず、かつ斜入射露光法固有の問題点を有しないことを見い出した。

    【0104】本実施例に示した結果は、KrFエキシマレーザーステッパーを用いて得た結果だが、本結果は一般性があり、従来用いられていたg線、i線にもそのまま適用できる結果である。 また、将来的なArFエキシマレーザーやその他の波長に対しても好適に用いることができる。

    【0105】 実施例4本実施例は、ハーフトーン位相シフトマスクを用いて半導体デバイスパターンを安定して転写するに際して、本発明における所望のハエの目レンズ上の光強度分布を、
    ハエの目レンズ上に装着する吸収型もしくは反射型フィルターを用いて形成した例である。

    【0106】ステッパーの照明光学系内において、図2
    3に示すハエの目レンズ37に入射直前の光強度分布をI 0 (x,y)とすると、透過率T(x,y)を有する吸収もしくは反射型フィルターをハエの目レンズ入射直前もしくは直後の位置に装着して所望の光強度分布を得た。 即ち、各位置毎に透過率の異なるフィルターを、合成石英等の硝材表面に半透明膜を蒸着することにより得た。 但し、ハエの目レンズ面における座標系を(x,
    y)とする。

    【0107】以上により、2次ピークは発生しない程度に斜め入射成分を強調し、かつ斜入射露光法固有の問題点を有しない光源状態を確立した。 実施例5本実施例は、ハーフトーン位相シフトマスクを用いて半導体デバイスパターンを安定して転写するに際して、図24に示すようなメカニカルなフィルター60を用いて所望の光量分布をハエの目レンズ面上にて形成した例である。

    【0108】ハエの目レンズに入射直前の光強度分布において、中央部が強い光強度を有する所謂“ガウス分布”照明の場合は、ハエの目レンズ透過直後の光強度分布が所望する光強度分布になるように、斜入射成分を強調したい周辺領域に対しては、個々のハエの目レンズと同程度の大きさの開口部を設け、中央領域に向かって徐々に個々のハエの目レンズよりも小さな開口を有する金属版を、ハエの目レンズの直前に挿入する。

    【0109】なお、ハエの目レンズに入射直前の光強度分布が平坦な所謂“フラット”照明の場合は、ハエの目レンズ透過直後の光強度分布が所望する光強度分布になるように、斜入射成分を強調したい領域に対しては、個々のハエの目レンズと同程度の大きさの開口部を設け、
    光強度を落としたい中央部においては、個々のハエの目レンズよりも小さな開口を有する金属版を、ハエの目レンズ直前に挿入する。

    【0110】以上により、2次ピークは発生しない程度に斜入射成分を強調し、かつ斜入射露光法固有の問題点を有しない光源形状を確立した。 実施例6本実施例は、ハーフトーン位相シフトマスクを用いて半導体デバイスパターンを安定して転写するに際して、本発明における所望のハエの目レンズ上の光強度分布を、
    光路分割されていない照明系内に、4角錐プリズムもしくは円錐プリズムを装着して得た。 これらのプリズムは、単体で用いてもよく、また、図25に示すように、
    プリズム70と対の形状を有する光学パーツ72と一体化して用いてもよい。 一体化して用いた際には、本発明による露光方法を用いる際には、プリズム70と対の形状を有する光学パーツ72との間の距離を光軸方向に可変にして使用することにより、所望するハエの目レンズ上の光強度分布は得られる。

    【0111】また、通常照明を用いてパターンを形成する際においても、プリズム70と対の形状を有する光学パーツ72を密着して用いればよい。 即ち、プリズム7
    0もしくはプリズムと対の形状を有する光学パーツ72
    のいずれかで、ズーム機能を持たせ、ズーム機能の制御をコンソール側から入力して行った。

    【0112】以上により、2次ピークは発生しない程度に斜入射成分を強調し、かつ斜入射露光法固有の問題点を有しない光源形状を確立した。 実施例7本実施例は、ハーフトーン位相シフトマスクを用いて半導体デバイスパターンを安定して転写するに際して、光路を2つ以上に分割し、個々の光路内に凹状の表面形状を有する振動ミラーもしくは回転するポリゴン状ミラーを用いて照明光をハエの目レンズ上に照射し、ミラー表面形状に依存するハエの目の各点の表面におけるスキャン速度差を用いて、露光時間全体を通して、斜入射成分および垂直入射成分を制御し、マスクにおける回析光の配分を制御する。 但し、分割された2つ以上の光束を用いたスキャン方向は直交するものとする。 なお、スキャン速度は、レジスト露光時間と同期させることにより行った。

    【0113】以上により、2次ピークは発生しない程度に斜入射成分を強調し、かつ斜入射露光法固有の問題点を有しない光源形状を確立した。 実施例8本実施例では、ハーフトーン位相シフトマスクを用いてメモリセルパターンを転写するに際して、上記実施例3
    中の実施例Cのように、ハエの目レンズ上における中心部光強度を、周辺部に対して30%とした。 光強度の分布は、図10(A),(B)に示す分布と同様である。
    露光装置としては、図11に示す装置を用いた。 より具体的には、NAが0.45のKrFエキシマレーザーステッパーを用いた。 また、レジストとしては、化学増幅型ポジレジスト(WKR−PT2)を用いた。

    【0114】露光により得られたメモリセルパターンの概略を図26に示す。 一対のゲート電極801a,80
    bが1セルである。 ウェーハの位置によらず、メモリセルの密集しているところで考えて、端より順にセル番号を付し、1セル内のたとえば左側のゲート電極80aのパターンについて、臨界寸法を測定した。 本実施例8において、臨界寸法のばらつきを、図27(A)に示す。

    【0115】また、比較例4として、ハエの目レンズ上に照射する光強度分布を図12(C)に示すガウス分布とした以外は、実施例8と同様にして、メモリセルパターンを形成した。 実施例8と同様にして測定した結果を、図27(B)に示す。 さらに、比較例5として、ハエの目レンズ上に照射する光強度分布を輪帯照明の分布(中心部の光強度を0)とした以外は、実施例8と同様にして、メモリセルパターンを形成した。 実施例8と同様にして測定した結果を、図27(C)に示す。

    【0116】本実施例8では、輪帯照明の比較例5に比較し、臨界寸法のばらつきが大幅に少ないことが確認された。 また、比較例4では、臨界寸法のばらつきは少ないが、従来のガウス分布有効光源であるため、二次ピークが発生するおそれがあると共に、DOFが小さい。

    【0117】 実施例9本実施例では、ハーフトーン位相シフトマスクを用いて内径0.30μm のコンタクトホールパターンを転写するに際して、上記実施例3中の実施例Cのように、ハエの目レンズ上における中心部光強度を、周辺部に対して30%とした。 光強度の分布は、図10(A),(B)
    に示す分布と同様である。 露光装置としては、図11に示す装置を用いた。 より具体的には、NAが0.45のKrFエキシマレーザーステッパーを用いた。 また、レジストとしては、化学増幅型ポジレジスト(WKR−P
    T2)を用いた。

    【0118】コンタクトホールの内径と、それらの間隔との比(デューテイ比)を1:3,1:1.5,1:1
    と変化させたパターンについて、それぞれジャストフォーカスと、−1.0μm デフォーカスと、+1.0μm
    デフォーカスとの条件で、パターンを形成した。 すなわち、9通りの条件でパターンを形成した。 9通りの露光条件で得られたコンタクトホールパターンのSEM写真を図28(A)にまとめて示す。 図示するように、デューティ比が相違しても、またデフォーカスとなっても、
    良好なパターンでコンタクトホールパターンが形成できることが確認された。

    【0119】また、比較例6として、ハエの目レンズ上に照射する光強度分布を図12(C)に示すガウス分布とした以外は、実施例9と同様にして、9通りの条件でコンタクトホールパターンを形成した。 実施例9と同様にしてSEM写真で観察した結果を、図28(B)に示す。 ホールが密集するパターンになると、二次ピークによる孔が形成されてしまった。

    【0120】さらに、比較例7として、ハエの目レンズ上に照射する光強度分布を輪帯照明の分布(中心部の光強度を0)とした以外は、実施例9と同様にして、9通りの条件でコンタクトホールパターンを形成した。 実施例9と同様にしてSEM写真で観察した結果を、図28
    (C)に示す。 ベストフォーカス時には問題がないが、
    デフォーカス時に、良好に孔が形成できなかった。

    【0121】 実施例10本実施例10では、有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して所定量低めるために、一回の露光時間をTとした場合に、0.05×T〜0.95×Tの時間、中央部に対して周辺部で透過性が高い第1フィルターに光を通し、残りの露光時間では、フィルターを通さない通常照明を行う。

    【0122】本実施例においては、図11に示す基本的構成の露光装置を用いる。 本実施例では、フィルターを通さない状態では、有効光源としてのハエの目レンズ3
    7へ入射する光の強度分布は、図29に示すようなフラットな光強度分布であるとする。

    【0123】本実施例では、たとえば図32(A)に示す回転ディスク式のフィルター切り換え装置90が、図11に示すハエの目レンズ37の光入射側または光出射側に配置してある。 このフィルター切り換え装置90
    は、回転ディスク92と、これを駆動する回転駆動軸9
    4とを有する。 回転ディスク92には、周方向に沿って光透過用開口部95と、フィルター96と、その他のフィルターが形成してある。 フィルター96は、たとえば図30(A)に示すように、外径を1.0とした場合に、その中央部の0.5の範囲が遮光するようになっている。

    【0124】一回のトータルな露光時間を1秒とした場合に、最初の0.2秒では、図32(A)に示す開口部95に露光用光を通し、その後、瞬時に回転ディスク9
    2を回転し、残りの0.8秒では、露光用光をフィルター96に通して露光を行う。 その結果、図31に示すように、一回の露光時間当りの有効光源からの光強度分布は、図29に示す光強度分布と時間との積と、図30
    (A)に示すフィルターを通した光強度分布と時間との積との和の光強度分布に均等となる。

    【0125】したがって、本実施例においても、光源の光強度分布は、2光束成分を強調しつつも光源中心部にある程度の光強度を持たせることができ、孤立パターンに影響を与えずに密集パターンのDOFを拡大することができる。 本実施例では、マスクとしては、ハーフトーンマスクを用いるが、通常のクロムマスクを用いても良い。 また、トータルの露光時間としては、1秒に限らず、その他の条件などにより、それよりも短くても長くても良い。

    【0126】 実施例11本実施例11では、有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して所定量低めるために、一回の露光時間をTとした場合に、0.05×T〜0.95×Tの時間、中央部に対して周辺部で透過性が高い第1フィルターに光を通し、残りの露光時間では、フィルターを通さない通常照明露光と、その他のフィルターを通した露光とを行う。

    【0127】本実施例においては、図11に示す基本的構成の露光装置を用いる。 本実施例では、フィルターを通さない状態では、有効光源としてのハエの目レンズ3
    7へ入射する光の強度分布は、図29に示すようなフラットな光強度分布であるとする。

    【0128】本実施例では、たとえば図32(B)に示すスライド式のフィルター切り換え装置97が、図11
    に示すハエの目レンズ37の光入射側または光出射側に配置してある。 このフィルター切り換え装置97は、複数種類のフィルター96a〜96dを収容し、これらを高速でスライド移動させることが可能なフィルター保持体98を有する。 フィルター96aは、たとえば図30
    (A)に示すように、外径を1.0とした場合に、その中央部の0.5の範囲が遮光するようになっている。 また、フィルター96bは、図30(B)に示すように、
    外径を1.0とした場合に、幅0.35の十字状の範囲が遮光するようになっている。

    【0129】一回のトータルな露光時間を1秒とした場合に、最初の0.2秒では、図32(B)に示す保持体98内に全てのフィルター96a〜96dを後退移動した状態とし、露光用光をフィルターに通さない。 その後、瞬時にフィルター96aをスライド移動させ、0.
    3秒では、露光用光をフィルター96aに通して露光を行う。 次に、図32(B)に示すフィルター96aを保持体98内に瞬時にスライドさせて後退移動させ、同時に、フィルター96bをスライドさせて前進移動させ、
    残りの0.5秒では、露光用光をフィルター96bに通して露光を行う。 その結果、図33に示すように、一回の露光時間当りの有効光源からの光強度分布は、図29
    に示す光強度分布と時間との積と、図30(A)に示すフィルターを通した光強度分布と時間との積と、図30
    (B)に示すフィルターを通した光強度分布と時間との積との和の光強度分布に均等となる。

    【0130】したがって、本実施例においても、光源の光強度分布は、2光束成分を強調しつつも光源中心部にある程度の光強度を持たせることができ、孤立パターンに影響を与えずに密集パターンのDOFを拡大することができる。 本実施例では、マスクとしては、ハーフトーンマスクを用いるが、通常のクロムマスクを用いても良い。 また、トータルの露光時間としては、1秒に限らず、その他の条件などにより、それよりも短くても長くても良い。

    【0131】 実施例12本実施例12では、有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して所定量低めるために、透過率可変型フィルターに光を通し、一回の露光時間の途中で、フィルターの光透過率分布を変えて露光を行う。

    【0132】本実施例においては、図11に示す基本的構成の露光装置を用いる。 本実施例では、フィルターを通さない状態では、有効光源としてのハエの目レンズ3
    7へ入射する光の強度分布は、図29に示すようなフラットな光強度分布であるとする。

    【0133】本実施例では、たとえば図32(C)に示す光シャッタ式光学材料100が、図11に示すハエの目レンズ37の光入射側または光出射側に配置してある。 この光シャッタ式光学材料は、たとえばPLZT
    (La添加のチタン酸ジルコン酸鉛)で構成され、基板の少なくとも片面に複数の細電極を設け、電圧を印加することにより、光の透過率が変化する材料である。 光学材料100の表面に設ける電極の形を工夫することで、
    中心領域102と周辺領域104とを別々に制御可能とし、電圧を印加することにより一瞬にして中央部102
    のみを遮光状態にすることが可能である。

    【0134】一回のトータルな露光時間を1秒とした場合に、最初の0.2秒では、図32(C)に示す中央部102と周辺部104とを光透過状態とし、これらの領域に露光用光を通す。 その後、瞬時に中央部102の電極にのみ電圧を印加し、中央部102を遮光状態とし、
    その状態で露光用光を通す。 その結果、前記実施例10
    と同様な結果を得ることができる。

    【0135】なお、光学材料100の表面に形成する電極の形状、配置間隔および電圧印加条件などを工夫することで、結果的に種々の光強度分布形状を得ることができる。 したがって、本実施例においても、光源の光強度分布は、2光束成分を強調しつつも光源中心部にある程度の光強度を持たせることができ、孤立パターンに影響を与えずに密集パターンのDOFを拡大することができる。

    【0136】本実施例では、マスクとしては、ハーフトーンマスクを用いるが、通常のクロムマスクを用いても良い。 また、トータルの露光時間としては、1秒に限らず、その他の条件などにより、それよりも短くても長くても良い。 実施例13本実施例では、実施例10〜12に示すいずれかの多重露光を用い、図34(B)に示す光強度分布の有効光源が得られたとする。

    【0137】この中心部で光強度が低い有効光源とハーフトーン位相シフトマスクを用いて、NAが0.45のKrFエキシマレーザーステッパーにより、内径0.3
    0μm のコンタクトホールパターンを基板上に形成した。 レジストとしては、化学増幅型ポジレジスト(WK
    R−PT2)を用いた。 コンタクトホールの内径と、それらの間隔との比(デューテイ比)を1:3,1:1.
    5,1:1と変化させたパターンについて、それぞれコンタクトホールパターンを形成した。 SEM写真の結果を図34(B)に示す。

    【0138】図示するように、デューティ比が相違しても、良好なパターンでコンタクトホールパターンが形成できることが確認された。 また、比較例8として、ハエの目レンズ上に照射する光強度分布を図34(A)に示すガウス分布とした以外は、実施例13と同様にして、
    3通りの条件でコンタクトホールパターンを形成した。
    実施例13と同様にしてSEM写真で観察した結果を、
    図34(B)に示す。 ホールが密集するパターンになると、二次ピークによる孔が形成されてしまった。

    【0139】さらに、比較例9として、ハエの目レンズ上に照射する光強度分布を輪帯照明の分布(中心部の光強度を0)とした以外は、実施例13と同様にして、3
    通りの条件でコンタクトホールパターンを形成した。 実施例9と同様にしてSEM写真で観察した結果を、図3
    4(C)に示す。

    【0140】また、実施例13および比較例8,9に関して、孤立パターンのDOFを測定した結果を図35に示す。 実施例13では、比較例8の通常照明と同等なD
    OFが確保されることが確認された。

    【0141】

    【発明の効果】本発明によれば、半導体デバイス作製時に於いて、マスクパターンが微細であっても、必要十分な焦点深度を持って、良好にデバイスパターンが形成できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】実デバイスにおける基板面に必ず凹凸が存在する事を示した図である。

    【図2】(A)はKrFエキシマレーザーリソグラフィーにおける焦点深度の解像性能をパラメーターとした際のNA依存性を示すグラフ、(B)はその表である。

    【図3】ハーフトーン型位相シフト法に用いる位相シフトマスクの断面図である。

    【図4】(A)はクロムマスク法によるウェーハ表面での光強度分布を示すグラフ、(B)はハーフトーン位相シフト法によるウェーハ表面での光強度分布を示すグラフである。

    【図5】(A)はハーフトーン型位相シフト法による二次ピークの存在を示すグラフ、(B)は孤立コンタクトホールにおいても、2次ピークにより周辺部が“えぐれた”形状となることを示す断面図である。

    【図6】ステッパーの投影光学系の概念図である。

    【図7】回析光のケラレの位置関係を示す図である。

    【図8】斜入射照明技術の概念を示す図である。

    【図9】(A)は3光束干渉の場合を示し、(B)は二光束干渉の場合を示す概念図である。

    【図10】(A)はハエの目レンズ面上での光量分布を数値で示す図、(B)はハエの目レンズ面上での光量分布を立体的に示す図である。

    【図11】KrFエキシマレーザーステッパーの照明光学系の例を示す図である。

    【図12】(A)はプリズム上でのビーム状態を示す図、(B)はハエの目レンズ上でのビームの重なりを示す図、(C)は光量のガウス分布を示す図である。

    【図13】(A)は、通常のクロムマスクから成るレチクルを用い、しかもハエの目レンズ上での光量分布がガウス分布である場合の高密度パターンにおける光強度分布を示す図、(B)は、通常のクロムマスクから成るレチクルを用い、しかもハエの目レンズ上での光量分布が図10(A),(B)に示す分布である場合の高密度パターンにおける光強度分布を示す図である。

    【図14】(A)は、位相シフトハーフトーンマスクから成るレチクルを用い、しかもハエの目レンズ上での光量分布がガウス分布である場合の高密度パターンにおける光強度分布を示す図、(B)は、位相シフトハーフトーンマスクから成るレチクルを用い、しかもハエの目レンズ上での光量分布が図10(A),(B)に示す分布である場合の高密度パターンにおける光強度分布を示す図である。

    【図15】(A),(B)はビームの重ね合わせ方を示す図であり、(A)は重ね合わせる前の状態を示し、
    (B)は重ね合わせ後の状態を示す図である。

    【図16】比較例1についてのウェーハ面上での光強度分布を測定した結果を示すグラフである。

    【図17】実施例Aについてのウェーハ面上での光強度分布を測定した結果を示すグラフである。

    【図18】実施例Bについてのウェーハ面上での光強度分布を測定した結果を示すグラフである。

    【図19】実施例Cについてのウェーハ面上での光強度分布を測定した結果を示すグラフである。

    【図20】(A)は比較例1の通常照明状態でハーフトーン位相シフトマスクを用いた場合に形成されるパターンの断面図、(B)は実施例Cによる露光方法を用いた場合に形成されるパターンの断面図である。

    【図21】(A)は比較例1の通常照明状態でハーフトーン位相シフトマスクを用いた場合に形成されるコンタクトホールパターンの平面図、(B)は実施例Cによる露光方法を用いた場合に形成されるコンタクトホールパターンの平面図である。

    【図22】(A),(B)は、0.30μm線幅での焦点深度向上効果を示し、(A)は、ハーフトーン位相シフトマスクを用いずに、また従来(比較例1)のハエの目レンズ上の光強度分布を用いた際の焦点深度を示すグラフ、(B)は実施例Cによる露光方法を用いた際の焦点深度を示すグラフである。

    【図23】ハエの目レンズの平面図である。

    【図24】メカニカルフィルターの概念を示す図である。

    【図25】4角錐プリズムもしくは円錐プリズムを用いた際の、光線状態を示す図である。

    【図26】実施例8の説明を示すパターンの概略図である。

    【図27】(A)〜(C)は、臨界寸法のばらつきを示すグラフである。

    【図28】(A)〜(C)は実施例および比較例のホールパターンのSEM写真である。

    【図29】実施例10で用いる光強度分布を示す図である。

    【図30】(A),(B)は実施例で用いるフィルターの例を示す図である。

    【図31】光強度分布の足し算を示す概念図である。

    【図32】(A)〜(C)はフィルターの切り換え装置の例を示す図である。

    【図33】光強度分布の足し算を示す概念図である。

    【図34】(A)〜(C)は実施例および比較例のホールパターンのSEM写真である。

    【図35】実施例および比較例のDOFを示す図である。

    【符号の説明】

    35… ビームスプリッタ 36… プリズムユニット 37… ハエの目レンズ 39… レチクル 41… ウェーハ 60… フィルター 70… プリズム 72… 光学パーツ

    ─────────────────────────────────────────────────────

    【手続補正書】

    【提出日】平成7年11月27日

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図27

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図27】

    フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 527 528

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