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飛行時間型機器におけるM/Z標的減衰

阅读:122发布:2020-05-23

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質量分析の方法であって、 第1と第2の物理化学特性に従ってイオンを分離する工程と、 イオン検出器を備える飛行時間型質量分析器を準備する工程と、 そうでなければ前記飛行時間型質量分析器に輸送されたであろう、1つ以上の第1の範囲内の第1の物理化学特性と、1つ以上の第2の範囲内の第2の物理化学特性と、を備える第1のイオンであって、前記イオン検出器を飽和させるような比較的高い強度を有すると判定された又は比較的高い強度を有すると予測される第1のイオンを減衰させることによって、前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する工程と、 を備える方法。請求項1に記載の方法であって、 2次元分離又は多次元分離を行い、 前記2次元分離又は多次元分離において、 前記第1及び前記第2の物理化学特性に従ってイオンが同時に分離され、 減衰される第1のイオンは、前記1つ以上の第1の範囲内における第1の物理化学特性と、前記1つ以上の第2の範囲内における第2の物理化学特性と、の両方を備える、方法。請求項1に記載の方法であって、 複数回の1次元分離又は単一次元分離を順次又は連続して行い、 前記複数回の1次元分離又は単一次元分離において、 イオンは最初に前記第1の物理化学特性に従って分離され、 減衰される第1のイオンは前記1つ以上の第1の範囲内における第1の物理化学特性を備え、 前記イオンは次に前記第2の物理化学特性に従って分離され、 減衰される第1のイオンは前記1つ以上の第2の範囲内における第2の物理化学特性を備える、方法。請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法であって、 前記第1と第2の物理化学特性に従ってイオンを分離する工程は、イオン移動度に従ってイオンを分離する工程を含む、方法。請求項4に記載の方法であって、 減衰する前記第1のイオンは、1つ以上の第1イオン移動度範囲内のイオン移動度を有する、方法。請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、 前記第1と第2の物理化学特性に従ってイオンを分離する工程は、質量又は質量電荷比に従ってイオンを分離する工程を含む、方法。請求項6に記載の方法であって、 減衰する前記第1のイオンは、1つ以上の第1質量範囲内の質量、又は、1つ以上の第1質量電荷比範囲内の質量電荷比を有する、方法。請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、 前記第1のイオンを減衰させる前記工程は、前記1つ以上の第1の範囲内における前記第1の物理化学特性を備える第1のイオンの0%、10%未満、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%又は90%より大きい割合を輸送する工程を備える、方法。請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、 前記第1のイオンを減衰させる前記工程は、前記1つ以上の第1の範囲外における前記第1の物理化学特性を備える他のイオンの10%未満、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%又は90〜100%を輸送する工程を備える、方法。請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法であって、 前記1つ以上の第1の範囲内における第1の物理化学特性を備える前記第1のイオンを、前記1つ以上の第1の範囲外における第1の物理化学特性を有する他のイオンよりも相対的に大きな割合で減衰させる、方法。請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法であって、 前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する前記工程は、前記飛行時間型質量分析器の飛行時間範囲内にイオンを直交加速させるように、直交加速電極に直交加速パルスを印加するタイミングを制御する工程を備える、方法。請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法であって、 前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する前記工程は、前記飛行時間型質量分析器の上流側に配置される1つ以上の光学レンズを制御する工程を備える、方法。請求項12に記載の方法であって、 前記1つ以上の光学レンズは、イオンビームのフォーカシング又はデフォーカスを制御して、動作モードにおいて、強度が低下したイオンが輸送されるように構成及び適合される、方法。請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法であって、 前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する前記工程は、イオン減衰装置を繰り返しスイッチオンおよびオフする工程を備え、前記イオン減衰装置のデューティサイクルを変えることによって、前記イオンの減衰の割合を制御する、方法。請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法であって、さらに、 質量スペクトルデータ及び/又は質量スペクトルを後処理する工程であって、所定の質量データ若しくは質量電荷比データの強度及び/又は1つ以上の質量ピーク若しくは質量電荷比ピークの強度を増大させて、前記第1のイオンの減衰効果を補正する又は補償する工程を備える、方法。質量分析計であって、 第1と第2の物理化学特性に従ってイオンを分離するように構成及び適合される装置と、 イオン検出器を備える飛行時間型質量分析器と、 そうでなければ前記飛行時間型質量分析器に輸送されたであろう、1つ以上の第1の範囲内の第1の物理化学特性と、1つ以上の第2の範囲内の第2の物理化学特性と、を備える第1のイオンであって、前記イオン検出器を飽和させるような比較的高い強度を有すると判定された又は比較的高い強度を有すると予測される第1のイオンを減衰させることによって、前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御するように構成及び適合される制御システムと、を備える質量分析計。

说明书全文

本発明は、タンデム飛行時間型(Time of Flight:TOF)質量分析計のスペクトル内ダイナミックレンジを増大させるための装置及び方法に関する。

本出願は、2011年3月15日に出願された米国仮特許出願No. 61/452,772及び2011年3月15日に出願された英国特許出願No.1104292.6に基づく優先権を主張するものであり、前記出願の内容は、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。

飛行時間型分析の前にイオンを分離する手法が、数多く知られている。

第1の例では、(形状及び電荷に依存する)気相移動度に従ってイオンを分離して、構造情報の解明及び/又は干渉の除去を可能にする。

第2の例では、フラグメンテーション(断片化)の前に、質量電荷比(m/z)又は移動度に従ってイオンを分離して、干渉を抑制するとともに、前駆イオンに対するフラグメント(断片)イオンの割り当て信頼性を向上させる。

第3の例では、進行波装置により生成される同じエネルギーを持つイオンのパケットが直交加速飛行時間型機器の押し出し(pusher)領域内に移動する際に、自身の質量電荷比に従って構成イオンが分離される。所定の質量電荷比において最適化されるデューティサイクルを向上させるように、飛行時間押し出し(pusher)のタイミングを調整する。

第4の例では、第3の例で説明したイオンのパケットをイオン移動度に従って分離する際に、パケット毎に独立して押し出し(pusher)同期を調整することが可能である。移動度と質量電荷比とは相関しているため、質量電荷比の全範囲にわたって、デューティサイクルを向上させることができる。

第4の例は、直交加速飛行時間型機器の高デューティサイクル(HDC:High Ducy Cycle)動作モードの一例である。本願の目的のために、HDC動作は、質量電荷比に相関する物理化学特性に従う少なくとも1段階の分離及びパケット化と、各パケットに関して特定の質量電荷比値の透過を最適化するような直交加速飛行時間型押し出し(pusher)の同期と、を伴う。

多くの適用例において、感度の損失を避けるために、分離の前にイオンが蓄積される。特定の種(species)に関して、イオン蓄積、イオン分離及びデューティサイクルの向上による効果を組み合わせることによって、イオン検出器で観測される最大イオン電流を実質的に増大させることが可能になる。低含量の成分の場合には、これにより、検出限界、定量及び質量測定を向上させることができる。一方、高含量の成分の場合には、得られるイオン電流がイオン検出器のダイナミックレンジを超えて、質量測定及び定量に悪影響を及ぼす可能性がある。

周知のイオン信号を減衰させる方法では、通常、ある割合で、全てのイオンの輸送を低下させてしまう。

質量分析計及び質量分析の方法の向上が求められている。

本発明の一つの態様は、質量分析の方法であって、 1つ以上の物理化学特性に従ってイオンを分離する工程と、 飛行時間型質量分析器を準備する工程と、 そうでなければ前記飛行時間型質量分析器に輸送されたであろう、1つ以上の第1の範囲内における第1の物理化学特性を備える第1のイオンであって、比較的高い強度を有すると判定された又は比較的高い強度を有すると予測される第1のイオンを減衰させることによって、前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する工程と、を備える。

好適な実施形態において、第1のイオンがイオン検出器の飽和又はイオン検出器に対するその他の悪影響を引き起こすと判定又は予測される場合に、第1のイオンを減衰させる。

前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する工程は、さらに、1つ以上の第2の範囲内における第2の物理化学特性を備える第1のイオンを減衰させる工程を備えることが望ましい。

一実施形態において、2次元分離又は多次元分離を行なうものであって、2種類の異なる物理化学特性(たとえば、イオン移動度及び質量電荷比)に従ってイオンが同時に分離され、減衰される第1のイオンは、1つ以上の第1(たとえば、イオン移動度)の範囲内における第1の物理化学特性(たとえば、イオン移動度)と、1つ以上の第2(たとえば、質量電荷比)の範囲内における第2の物理化学特性(たとえば、質量電荷比)と、の両方を備える。

別の実施形態において、複数回の1次元分離又は単一次元分離を順次又は連続して行なうものであって、イオンは最初に第1の物理化学特性(たとえば、イオン移動度又は質量電荷比)に従って分離され、減衰される第1のイオンは1つ以上の第1(たとえば、イオン移動度又は質量電荷比)の範囲内における第1の物理化学特性(たとえば、イオン移動度又は質量電荷比)を備え、前記イオンは次に第2の物理化学特性(たとえば、イオン移動度又は質量電荷比)に従って分離され、減衰される第1のイオンは1つ以上の第2の範囲内における第2の物理化学特性(たとえば、イオン移動度又は質量電荷比)を備える。

前記1つ以上の物理化学特性に従ってイオンを分離する工程は、イオンを自身のイオン移動度に従って分離する工程を備えることが望ましい。

減衰される第1のイオンは、1つ以上の第1のイオン移動度範囲内におけるイオン移動度を備えることが望ましい。

前記1つ以上の物理化学特性に従ってイオンを分離する工程は、イオンを自身の質量又は質量電荷比に従って分離する工程を備えるものでもよい。この実施形態において、減衰される第1のイオンは、1つ以上の質量範囲内又は質量電荷比範囲内における質量又は質量電荷比を備えることが望ましい。

前記第1のイオンを減衰させる工程は、1つ以上の第1の範囲内における物理化学特性を備える第1のイオンの0%、10%未満、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%又は90%より大きい割合を輸送する工程を備えることが望ましい。

前記第1のイオンを減衰させる工程は、1つ以上の第1の範囲外における物理化学特性を備える他のイオンの10%未満、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%又は90〜100%を輸送する工程を備えることが望ましい。好適な実施形態において、1つ以上の第1の範囲外における物理化学特性を備えるイオンを、実質的に減衰させないことが望ましく、又は、より小さな割合で減衰させるものでもよい。

1つ以上の第1の範囲内における物理化学特性を備える第1のイオンを、1つ以上の第1の範囲外における物理化学特性を有する他のイオンよりも相対的に大きな割合で減衰させることが望ましい。

前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する工程は、飛行時間型質量分析器の飛行時間範囲内にイオンを直交加速させるように、直交加速電極に直交加速パルスを印加するタイミングを制御する工程を備えることが望ましい。第1のイオンが直交加速されることなく、その結果システムから失われるように、直交加速電極を励起するタイミングを調整することが望ましい。

前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する工程は、飛行時間型質量分析器の上流側に配置される1つ以上の光学レンズを制御する工程を備えるものでもよい。

1つ以上の光学レンズは、イオンビームのフォーカシング又はデフォーカスを制御して、動作モードにおいて、強度が低下したイオンが輸送されるように構成及び適合されることが望ましい。

前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御する工程は、イオン減衰装置を繰り返しスイッチオンおよびオフする工程を備え、イオン減衰装置のデューティサイクルを変えることによって、イオンの減衰の割合を制御するものでもよい。

質量分析の方法は、さらに、質量スペクトルデータ及び/又は質量スペクトルを後処理する工程であって、所定の質量データ若しくは質量電荷比データの強度及び/又は1つ以上の質量ピーク若しくは質量電荷比ピークの強度を増大させて、第1のイオンの減衰効果を補正する又は補償する工程を備えるものでもよい。

本発明の別の態様は、質量分析計であって、 1つ以上の物理化学特性に従ってイオンを分離するように構成及び適合される装置と、 飛行時間型質量分析器と、 そうでなければ前記飛行時間型質量分析器に輸送されたであろう、1つ以上の第1の範囲内における第1の物理化学特性を備える第1のイオンであって、比較的高い強度を有すると判定された又は比較的高い強度を有すると予測される第1のイオンを減衰させることによって、前記飛行時間型質量分析器に輸送されるイオンを制御するように構成及び適合される制御システムと、を備える。

好適な実施形態において、第1のイオンがイオン検出器の飽和又はイオン検出器に対するその他の悪影響を引き起こすと判定又は予測される場合に、第1のイオンを減衰させる。

本発明の一つの態様は、質量分析計であって、 1つ以上の自身の物理化学特性に従ってイオンを分離可能な1つ以上の分離装置と、 前記1つ以上の分離装置による分離時間の範囲よりも短いタイムスケールで動作する1つ以上の信号減衰装置と、 飛行時間型質量分析計と、 利用可能な分離空間の1つ以上の所定の領域が減衰の標的になるように、各信号減衰装置を制御する手段又は装置と、を備える。

本発明の一つの態様は、質量分析の方法であって、 1つ以上の自身の物理化学特性に従ってイオンを分離する工程と、 1つ以上の分離装置による分離時間の範囲よりも短いタイムスケールで動作する1つ以上の信号減衰装置を準備する工程と、 飛行時間型質量分析計を準備する工程と、 利用可能な分離空間の1つ以上の所定の領域が減衰の標的になるように、各信号減衰装置を制御する工程と、を備える。

本発明は、従来の方法による減衰が特異的でないという問題に対処するものである。

飛行時間型質量分析器に注入されるべきイオンに対して、飛行時間型分析に関係するタイムスケールよりも長いタイムスケールで、さまざまな物理特性C、C’、C’’等の中の任意の1つ(又は組み合わせ)による予備分離が行なわれる場合に、好適な実施例を適用できる。また、標的範囲外の成分に関して検出される信号を抑制させることなく、1組以上の標的値Ci、C’i、C’’i等近傍のC、C’、C’’等を有する被分析物に関する信号を選択的に抑制するように、最も速い分離よりも短いタイムスケールで動作する様々な信号減衰方法を採用することができる。あるいは、ネスト化多次元分離が利用できない場合には、各次元における分離及び減衰を連続して実行するようにしてもよい。このために、2つ以上の減衰装置を使用する必要がある場合がある。たとえば、以下の工程を実行するようにしてもよい。(i)所定の物理化学特性Cに従って分離、(ii)1つ以上の標的値Ciの近傍を減衰、(iii)所定の物理化学特性C’に従って分離、(iv)1つ以上の標的値C’iの近傍を減衰、等。これにより、各次元において標的範囲の外側で減衰が行なわれるが、各次元の範囲が重なる領域で最も減衰が進行する。

減衰の特異性は、予備分離の質及び減衰機構の速度によって決まることが望ましい。減衰方法が定量的なものである場合、表示及び/又はデータ解析用に、影響を受ける範囲内のデータの縮尺を適宜変更するようにしてもよい。被分析物の組成が時間と共に変化するようなフィードバック動作モードでは、これまでに収集されたデータを用いて、標的となる範囲を自動的に求めるようにしてもよい。

本発明の好適な実施形態において、質量分析の方法は、一連の蓄積装置、分離装置及び減衰装置並びに飛行時間型分析器の上流側にイオン源を備える。少なくとも1つの分離装置及び1つの減衰装置が必要である。

以下に、好適な動作モードを記述する。

まず第一に、イオンが、イオン源から蓄積装置内に入る。

次に、蓄積期間後に、分離装置内にイオンパケットが放出される。所定の確率分布Pr(TSEP GIVEN C)(Cを与えるTSEP)に従って、分離装置から特定の種(species)が放出される。ここで、TSEPは、分離装置を通過するのに要する時間を示し、Cはイオンの所定の物理化学特性(又は、物理化学特性の組み合わせ)を示す。

第三に、実測された分離時間の範囲よりも短いタイムスケールで制御可能な透過率を有する装置内をイオンが通過する。これにより、イオンの透過率を分離時間と相関させることができる。T*SEP(Ci)近傍の時間で透過率が低下する。ここで、Ciは、減衰の標的となる1つ以上の種(species)の特性を示す。

第四に、オプションのフィードバックモードにおいて、機器内に入るサンプルの組成の変化に伴って、減衰用に選択される値Ciを時間とともに調整する。

第五に、すなわち、最後に、透過されたイオンが、飛行時間型分析器内に入り、質量測定が行なわれる。

利用可能な物理化学特性Cの例としては、以下に限定されるものではないが、質量電荷比、質量、電荷及び気相イオン移動度が挙げられる。

分離装置の例としては、イオン移動度セル、イオントラップ及びスキャンウェイブ(scanwave)が挙げられ、イオントラップ内のDCポテンシャル障壁及び/又は疑ポテンシャル障壁の高さを漸次変化させることにより、質量電荷比の順に、又は、質量電荷比の逆順で、イオンをイオントラップから放出させる。

好適な実施形態において、物理化学特性Cと透過比との間の有効な相関関係を維持するのに十分小さい又は短いタイムスケールTATTで、減衰装置が制御される。一実施形態において、分布Pr(TSEP GIVEN C)(Cを与えるTSEP)は、特性時間T'SEP(C)の近傍に、ピーク幅ΔT(C)を持つピークを有するものでもよい。TATT<ΔT(C)の場合には、減衰の特異性は、分離装置の幅ΔT(C)により制限される。この場合には、ΔT(C)を低下させることにより、減衰の特異性を改善することができる。

本発明の一つの態様は、質量分析計であって、 自身の物理化学特性に従ってイオンを分離可能な1つ以上の分離装置と、 前記1つ以上の分離装置による分離時間の範囲よりも短いタイムスケールで動作する1つ以上の信号減衰装置と、 飛行時間型質量分析計と、 利用可能な分離空間の1つ以上の所定の領域が減衰の標的になるように、各減衰装置を制御する手段又は装置と、を備える。

飛行時間型質量分析計は、直交加速飛行時間型質量分析計を含むことが望ましい。

一実施形態において、以前に検出された所定の分子種が減衰されるように、1つ以上の標的領域が選択される。

1つ以上の分離装置より前に蓄積装置を備えるようにしてもよい。

1つ以上の分離装置は、質量電荷比により分離を行なうものでもよい。

1つ以上の分離装置は、イオン移動度により分離を行なうものでもよい。

分離装置の1つは、進行波イオン移動度セルを備えるものでもよく、イオン移動度セルの電極に1つ以上の過渡DC電圧又は電位を印加して、自身のイオン移動度に従ってイオンを分離させるようにしてもよい。

1つ以上の分離装置は、2つのイオン経路を持つイオンガイドを有するステップ波装置を備えるものでもよく、イオン経路を第1のイオン経路から、これと異なる第2のイオン経路に切り替えるようにしてもよい。イオンガイドは、たとえば、孔を有する複数の電極を備えるものでもよく、これらの電極の少なくとも一部が接合電極を含むものでもよい。

1つ以上の分離装置は、イオントラップを備えることが望ましい。

一実施形態において、減衰装置の1つは、ダイナミックレンジ増大(DRE:Dynamic Range Enhancement)レンズを備えるものでもよい。

減衰装置の1つは、イオン光学系を備えることが望ましく、イオン光学系を用いて、直交加速飛行時間型質量分析計の押し出し(pusher)領域内にイオンを移動させる。

1つの分離装置は、直交加速飛行時間型質量分析計の押し出し(pusher)領域を備えるものでもよい。

減衰装置の1つは、直交加速飛行時間型質量分析計の押し出し(pusher)領域を備えるものでもよい。

質量分析計は、高デューティサイクル(HDC:High Duty Cycle)動作モードで操作されることが望ましい。

イオン移動度及び質量電荷比空間において1つ以上の標的領域が減衰されるように、高デューティサイクル(HDC:High Duty Cycle)キャリブレーションを変更することが望ましい。

質量分析計に入射される、以前に検出された種(species)の組成を反映するように、高デューティサイクル(HDC:High Duty Cycle)キャリブレーションを適応的に変更することが望ましい。

高デューティサイクル(HDC:High Duty Cycle)キャリブレーションは、2つ以上の経路を切り替えることが望ましい。

減衰しない場合に観測されるであろう信号の近似的再構成が可能になるような形態で、減衰の度合いを記録することが望ましい。

一つの実施形態において、質量分析計は、さらに、 (a)(i)エレクトロスプレーイオン化(Electrospray ionization: ESI)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(Atmospheric Pressure Photo Ionization: APPI)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(Atmospheric Pressure Chemical Ionization: APCI)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization: MALDI)イオン源、(v)レーザー脱離イオン化(Laser Desorption Ionization: LDI)イオン源、(vi)大気圧イオン化(Atmospheric Pressure Ionization: API)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(Desorption Ionization on Silicon: DIOS)イオン源、(viii)電子衝撃(Electron Impact: EI)イオン源、(ix)化学イオン化(Chemical Ionization: CI)イオン源、(x)電界イオン化(Field Ionization: FI)イオン源、(xi)電界脱離(Field Desorption: FD)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma: ICP)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(Fast Atom Bombardment: FAB)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(Liquid Secondary Ion Mass Spectrometry: LSIMS)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(Desorption Electrospray Ionization: DESI)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化(Atmospheric Pressure Matrix Assisted Laser Desorption Ionization)イオン源、(xviii)サーモスプレーイオン源、(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(Atmospheric Sampling Glow Discharge Ionization: ASGDI)イオン源及び(xx)グロー放電(Glow Discharge: GD)イオン源からなる群から選択される1つ以上のイオン源、及び/又は、 (b)1つ以上の連続又はパルスイオン源、及び/又は、 (c)1つ以上のイオンガイド、及び/又は、 (d)1つ以上のイオン移動度分離装置及び/又は1つ以上の電界非対称イオン移動度分光計(Field Asymmetric Ion Mobility Spectrometer)、及び/又は、 (e)1つ以上のイオントラップ又は1つ以上のイオン捕捉領域、及び/又は、 (f)(i)衝突誘起解離(Collisional Induced Dissociation: CID)フラグメンテーション装置、(ii)表面誘起解離(Surface Induced Dissociation: SID)フラグメンテーション装置、(iii)電子移動解離(Electron Transfer Dissociation: ETD)フラグメンテーション装置、(iv)電子捕獲解離(Electron Capture Dissociation: ECD)フラグメンテーション装置、(v)電子衝突(Electron Collision)又は電子衝撃解離(Electron Impact Dissociation)フラグメンテーション装置、(vi)光誘起解離(Photo Induced Dissociation: PID)フラグメンテーション装置、(vii)レーザー誘起解離(Laser Induced Dissociation)フラグメンテーション装置、(viii)赤外線誘起解離装置、(ix)紫外線誘起解離装置、(x)ノズル・スキマー・インターフェース・フラグメンテーション装置、(xi)インソースフラグメンテーション装置、(xii)インソース衝突誘起解離(Collision Induced Dissociation)フラグメンテーション装置、(xiii)熱源又は温度源フラグメンテーション装置、(xiv)電場誘起フラグメンテーション装置、(xv)磁場誘起フラグメンテーション装置、(xvi)酵素消化又は酵素分解フラグメンテーション装置、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーション装置、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーション装置、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーション装置、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーション装置、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーション装置、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーション装置、(xxiii)イオンの反応により付加イオン又はプロダクトイオン(生成イオン)を形成するイオン−イオン反応装置、(xxiv)イオンの反応により付加イオン又はプロダクトイオンを形成するイオン−分子反応装置、(xxv)イオンの反応により付加イオン又はプロダクトイオンを形成するイオン−原子反応装置、(xxvi)イオンの反応により付加イオン又はプロダクトイオンを形成するイオン−準安定イオン反応装置、(xxvii)イオンの反応により付加イオン又はプロダクトイオンを形成するイオン−準安定分子反応装置、(xxviii)イオンの反応により付加イオン又はプロダクトイオンを形成するイオン−準安定原子反応装置、及び(xxix)電子イオン化解離(Electron Ionization Dissociation: EID)フラグメンテーション装置、からなる群から選択される衝突、フラグメンテーション又は反応セル、及び/又は、 (g)1つ以上のエネルギー分析器又は静電エネルギー分析器、及び/又は、 (h)1つ以上のイオン検出器、及び/又は、 (i)(i)四重極マスフィルタ、(ii)2次元又はリニア四重極イオントラップ、(iii)ポール(Paul)又は3次元四重極イオントラップ、(iv)ペニング(Penning)イオントラップ、(v)イオントラップ、(vi)磁気セクタ型マスフィルタ、(vii)飛行時間型(Time of Flight: TOF)マスフィルタ、及び(viii)ウィーン(Wien)フィルタ、からなる群から選択される1つ以上のマスフィルタ、及び/又は、 (j)イオンをパルス状にする装置又はイオンゲート、及び/又は、 (k)、実質的に連続的なイオンビームをパルスイオンビームに変換する装置、を備えるものでもよい。

質量分析計は、さらに、使用時にイオンを透過させる開口部を各々有する複数の電極を備える積層リング型イオンガイドを備え、前記電極間の間隔がイオン通路の長さ方向に沿って増大し、前記イオンガイドの上流部分に配置される電極の開口部が第1の直径を有する一方で、前記イオンガイドの下流部分に配置される電極の開口部が前記第1の直径よりも小径の第2の直径を有し、使用時に、連続する電極に、逆相のAC又はRF電圧を印加する、のいずれかを備えるものでもよい。

好適な実施形態に従うイオン移動度分光計は、使用時にイオンを透過させる開口部を各々有する複数の電極を備えるものでもよい。1つ以上の過渡DC電圧若しくは電位又は1つ以上のDC電圧又は電位波形を、イオン移動度分光計が備える電極に印加して、イオン移動度分光計の長さ方向に沿ってイオンを移動させるようにしてもよい。

好適な実施形態において、1つ以上の過渡DC電圧若しくは電位又は1つ以上のDC電圧又は電位波形は、(i)ポテンシャルの山又は障壁、(ii)ポテンシャル井戸、(iii)複数のポテンシャルの山又は障壁、(iv)複数のポテンシャル井戸、(v)ポテンシャルの山又は障壁とポテンシャル井戸との組み合わせ、又は、(vi)複数のポテンシャルの山又は障壁と複数のポテンシャル井戸との組み合わせを形成する。

1つ以上の過渡DC電圧又は電位波形は、反復波形又は方形波を備えることが望ましい。

RF電圧は、イオン移動度分光計の電極に印加されることが望ましく、(i)50V未満のピークトゥピーク、(ii)50〜100Vのピークトゥピーク、(iii)100〜150Vのピークトゥピーク、(iv)150〜200Vのピークトゥピーク、(v)200〜250Vのピークトゥピーク、(vi)250〜300Vのピークトゥピーク、(vii)300〜350Vのピークトゥピーク、(viii)350〜400Vのピークトゥピーク、(ix)400〜450Vのピークトゥピーク、(x)450〜500Vのピークトゥピーク、(xi)500〜550Vのピークトゥピーク、(xxii)550〜600Vのピークトゥピーク、(xxiii)600〜650Vのピークトゥピーク、(xxiv)650〜700Vのピークトゥピーク、(xxv)700〜750Vのピークトゥピーク、(xxvi)750〜800Vのピークトゥピーク、(xxvii)800〜850Vのピークトゥピーク、(xxviii)850〜900Vのピークトゥピーク、(xxix)900〜950Vのピークトゥピーク、(xxx)950〜1000Vのピークトゥピーク、及び(xxxi)1000Vより大きなピークトゥピークからなる群から選択される振幅を有することが望ましい。

RF電圧は、(i)100kHz未満、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、及び(xxv)10.0MHzより大きな値からなる群から選択される周波数を有することが望ましい。

イオン移動度分光計は、(i)0.001mbarより大きな値、(ii)0.01mbarより大きな値、(iii)0.1mbarより大きな値、(iv)1mbarより大きな値、(v)10mbarより大きな値、(vi)100mbarより大きな値、(vii)0.001〜0.01mbar、(viii)0.01〜0.1mbar、(ix)0.1〜1mbar、(x)1〜10mbar、及び(xi)10〜100mbarからなる群から選択される圧に保持されることが望ましい。

以下、例示を目的として、本発明のさまざまな実施形態を添付の図面を参照して詳述する。

2種類の異なる種に関する確率分布を示す図。

物理化学特性に基づいて、ネスト化2次元分離を実行する実施形態を示す図。

減衰領域を有する標的を示す図。

標的減衰モードを示す図。

本発明の一実施形態において、検出器を飽和させないように、減衰されることが望ましい非常に強いイオン種を示す図。

2つの被分析物に関してシミュレーションしたTDCスペクトルを示す図。

2つの被分析物に関してシミュレーションしたTDCスペクトルであって、両方の被分析物の信号を×10倍だけ低減させた状態を示す図。

本発明の一実施形態において、一方の被分析物が減衰する一方で、他方の被分析物は減衰しない状態を示す図。

図7AはIMS飛行時間型質量分析計の高デューティサイクル取得動作モードにおける減衰を示す図であって、イオン移動度分離の準備としてトラップされた混合イオン集団を示す図、図7Bは自身のイオン移動度に従ってイオンが分離される様子を示す図、図7Cは第1のイオンパケットがイオン移動度装置を励起させる様子を示す図、図7Dは第2のイオンパケットがイオン移動度装置から放出される様子を示す図、図7Eは第3のイオンパケットが押し出し(pusher)領域内に放出される様子を示す図。

以下、本発明の好適な実施形態を説明する。

図1に、異なる特性時間と分離幅とを示す2種類の異なるイオン種の確率分布TSEPを示す。単位面積を有するように、両方の分布を正規化する。期間T*SEP(C1)±1/2ΔT(C1)の間に信号減衰装置を用いて、イオン種#2と比較してイオン種#1を抑制するようにしてもよい。この場合には、2つの分布が重なることにより、イオン種#2に対する信号のある程度の低減が観測される。分離の向上に伴って(すなわち、ピーク幅ΔTが小さくなるにつれて)、この影響は消失する。

1つの分離装置の代わりに、より短いタイムスケールで動作し、ネスト化多次元分離を可能にする一連の分離装置を用いるようにしてもよい。最も速い(かつ最終的な)分離のタイムスケールで減衰装置が作動する限り、これにより特異性が追加される。

図2に、物理化学特性C及びC’に基づいて、ネスト化2次元分離を実行する本発明の一実施形態を示す。第2段階の分離後、イオンは、C及びC’の両方で標識可能なパケットとなり、特定のC及びC’の減衰値を有するパケットを標的とすることができる。これを、さらに、図3に示す。図3に、標的を黒い点で示す。好適な実施形態において、灰色ベタ領域、すなわち楕円で規定される領域内で減衰が実行される。種Aのように灰色ベタ楕円に重なる分離プロファイルを有する種がある程度減衰するのに対して、種Bのような他の種は影響を受けない。

さまざまな実施形態において、異なる減衰装置を用いるようにしてもよい。たとえば、ダイナミックレンジ増大(DRE:Dynamic Range Enhancement)レンズを用いるようにしてもよい。あるいは、飛行時間型質量分析器の押し出し(pusher)領域内にイオンが移動する際にイオンを操作するためにイオン光学系を用いるようにしてもよいし、押し出し(pusher)領域自身を用いるようにしてもよい。ここで、個々の押し出しのタイミングは、十分な精度で制御可能である。

複数の分離装置の間で減衰を実行するようにしてもよい。この場合には、対応する分離タイムスケールをネスト化する必要はない。

単一の物理装置を、上述の目的で2回以上用いるようにしてもよい。たとえば、進行波イオン移動度分離装置を用いて、次の段階の分離に適した形態にイオンをパケット化するようにしてもよい。同様に、飛行時間型押し出し(pusher)を、質量電荷比分離及び減衰装置として同時に作用させてもよい。

好適な実施形態の1つの動作モードにおいて、ハイブリッド型イオン移動度分光分析(IMS:Ion Mobility Spectrometry)飛行時間型(TOF:Time of Flight)機器を高デューティサイクル(HDC:High Duty Cycle)モードで動作させるようにしてもよい。このモードでは、所定のイオン移動度を有するパケットに関して、特定の質量電荷比で透過が最大になるように、押し出し(pusher)電極を励起させるタイミングが調節される。通常動作では、たとえば、所定の電荷状態に対して透過を最適化可能な移動度及び質量電荷比空間における経路に沿うように、質量電荷比が選択される。このような経路は、高デューティサイクル(HDC:High Duty Cycle)キャリブレーションとして知られている。この状況を図4に示す。図4では、所定の移動度を有するイオンのパケットに対して選択可能な質量電荷比を黒い線で規定する。図の高デューティサイクル(HDC:High Duty Cycle)キャリブレーションを選択することにより、点線の内部領域に大部分が存在する1価の(1+)種の透過が最適化される。

標的減衰モードを図5に示す。図5では、2種類の異なるキャリブレーションにより、大きな黒点で規定する質量及び移動度を有する種の近傍で、1価の信号が減衰される。2つのキャリブレーションは、黒点近傍を除いて、一致する。黒点近傍では、対象となる種を各々反対方向に移動させるように、2つのキャリブレーションが分岐する。他にも多くのキャリブレーションが可能であり、場合によっては、複数の異なるキャリブレーションを切り替えることが効果的である。う回路の大きさを決めるのに用いられる因子としては、要求される分離の質及び減衰の度合いが挙げられる。

オプションのフィードバック動作モードにおいて、機器に現在入れられている試料の組成に適応するように、時間とともに、選択される経路を変更するようにしてもよい。一実施形態において、複数種を避けるように、キャリブレーション経路を迂回させるようにしてもよい。多くの減衰装置は、減衰の度合いが少なくともおおよそ分かっているという意味において、少なくとも部分的に定量的である。このような装置を用いる場合、基礎となる(減衰されない)信号を少なくとも近似的に再構成できるように、利用される減衰の度合いを記録することが効果的である。

図6A〜図6Cに、2つの被分析物に関してシミュレーションした3つのTDCスペクトルを示す。第1の被分析物Aの質量電荷比は550で、第2の被分析物Bの質量電荷比は748である。2つの被分析物A及びBのエレクトロスプレー型質量分析の応答は、103倍異なる。

図6Aでは、減衰が行なわれず、被分析物Aの同位体分布は、検出器の不感時間により、大幅に変形される。

図6Bでは、減衰装置を用いて、両方の被分析物A及びBの信号を×10倍だけ低減させる。これにより、種Aに関する同位体分布が改善される一方で、種Bは非常に弱くなり、最後の同位体はほとんど見えなくなる。

図6Cでは、本発明の実施形態において、種Aが×10倍の減衰の標的となる一方で、種Bは影響を受けない、又は、減衰されない。既存のIMS−TOF機器において、このような特異性度を達成可能である。両方の種の全同位体分布が忠実に記録される。

図7A〜図7Eに、HDC取得モードでIMS−TOF質量分析計を動作させる場合の本発明の実施形態に従う減衰を示す。

図7Aに、イオン移動度分離の準備としてトラップされた混合イオン集団を示す。3種類の異なる種が存在する。(中間の質量電荷比及びイオン移動度を有する)黒色の種は、比較的多く存在し、イオン検出器の飽和を防止するように、この種を減衰させることが望ましい。

図7Bに、イオン移動度に従ってイオンがパケットに分離される様子を示す。一番右のパケットは、最も移動度の高い最も小さなイオンを主に含有する。中央のパケットは、小さなイオンと中間の移動度のイオンの混合物を含有する。最後のパケットは、中間の移動度のイオンと低い移動度のイオンを含有する。

イオン移動度装置からイオンが放出後、各パケットは、フィールドフリー領域、すなわち、短飛行時間領域内に入り、構成イオンの質量電荷比による分離が開始される。各パケットにおいて、特定の質量電荷比領域内のイオンが飛行時間型質量分析器の主飛行時間領域内に押し出されるように、押し出し(pusher)電極に印加される押し出し(pusher)パルスのタイミングを調整することが望ましい。移動度分離時間に対する押し出し(pusher)タイミングの変化をHDCキャリブレーションと称する。

図7Cに示すように、第1のイオンパケットがイオン移動度装置を励起させる。小さなイオンは、中間の大きさのイオンよりも質量電荷比が低く、最初に押し出し(pusher)領域に入る。押し出し(pusher)パルスのタイミングを選ぶことにより、主飛行時間領域内に下向きに小さな(かつ、質量電荷比が低い)イオンが押し出される一方で、(大きさ及び移動度が)中間のイオンは、押し出し(pusher)領域をそのまま通過した後、廃棄される。

図7Dでは、第2のパケットが、イオン移動度装置から放出され、小さな(質量電荷比が低い)イオンと、ごくわずかな割合の中間のイオンと、が主飛行時間領域内に押し出されるように、押し出し(pusher)タイミングが調整される。

図7Eでは、第3のパケットが、押し出し(pusher)領域内に放出される。この場合には、大きなイオンを透過させると共に、中間の大きさと質量電荷比を有するイオンを廃棄するように、押し出し(pusher)タイミングが選ばれる。

一実施形態において、減衰の標的となる種又は領域を、同じ実験で既に収集したデータを用いて、同定するようにしてもよい。たとえば、クロマトグラフピーク溶出の間に2つ以上のスペクトルが取得されるLC−MS(高速液体クロマトグラフ質量分析)実験の際に、高い強度を有する種又は強度が増大している種を(リアルタイムで)同定し、同定した種を減衰の標的とすることが可能である。あるいは、減衰領域を決定する目的でデータを特異的に取得するようにしてもよい。たとえば、短い「プレスキャン」取得を導入して、減衰の標的となる多量に存在する種を同定するようにしてもよい。このプレスキャンデータは、診断目的で保持するようにしてもよいし、単純に廃棄するようにしてもよい。

以上、本発明をその好適な実施形態を参照して詳述したが、当業者には自明のことであるが、特許請求の範囲に記載される本発明の要旨を逸脱しない範囲において、形態や詳細において、種々の変形や変更が可能である。

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