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Device for controlling opening degree of edger

阅读:1011发布:2021-05-22

专利汇可以提供Device for controlling opening degree of edger专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To make the width of products constant by optimizing edger pattern by PI operation whenever the products are manufactured by hot-rolling a material to be rolled and to improve yield by decreasing the amount of crops in this way. SOLUTION: When the products are manufactured by hot-rolling the material 2 to be rolled, by measuring the width of the product manufactured by rolling treatment with a width gage 6 and also on-line analyzing the data of width outputted from the width gage 6 with an edger opening degree controller 9, the relationship between the edger opening-degree pattern which is supplied to edger rollers 4 and the width pattern of the products is learned and, based on this learning result, the learning term of the edger opening-degree pattern is corrected so that the difference between the width pattern of each product and the target value becomes zero.,下面是Device for controlling opening degree of edger专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 搬入された被圧延材をエッジャロールにより幅方向に圧延するとともに水平ロールにより厚み方向に圧延して、指定された形状の製品を製造する熱間圧延プラントにおいて、 前記各製品の各部に対するエッジャ開度を示す複数のエッジャ開度データによって構成されたエッジャ開度パターンが登録されたパターンテーブルを有し、前記被圧延材を圧延する際に、指定された製品形状や材種に対応するエッジャ開度パターンを前記パターンテーブルから読み出して前記エッジャロールのエッジャ開度を調整する設定計算機能部と、 前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、所定の演算を行ってエッジャ開度補正データを算出し、算出されたエッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを修正する幅学習機能部と、 を備えたことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 【請求項2】 請求項1に記載のエッジャ開度制御装置において、 前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、PI演算を行って前記製品の各部に対する複数のエッジャ開度補正データを算出し、各エッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する、 ことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、 前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、幅圧下効率を調整しながら、PI演算を行って前記製品の各部に対する複数のエッジャ開度補正データを算出し、各エッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する、 ことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 【請求項4】 請求項1に記載のエッジャ開度制御装置において、 前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、前記製品の各部に対する補正直線を算出し、この補正直線に基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャパターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する、 ことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 【請求項5】 請求項1または4のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、 前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、近似演算によって前記製品の各部に対する補正多次式を算出し、この補正多次式に基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する、 ことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 【請求項6】 請求項1、4、5のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、 前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データのうち、エッジャ開度を狭める特異な幅データを除去して、残った幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、近似演算によって前記製品の各部に対する補正直線または補正曲線を算出し、この補正直線または補正曲線に基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する、 ことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 【請求項7】 請求項1に記載のエッジャ開度制御装置において、 前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、ベジェ曲線を作成するとともに、このベジェ曲線に基づき、前記製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する、 ことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 【請求項8】 請求項1、7のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、 前記幅学習機能部は、被圧延材の長さ方向に等間隔になり、かつ幅方向に任意の値となる各点を各評価点として選択するととも、幅方向値を切り替えながら、複数のベジェ曲線と、各ベジェ曲線の遺伝子とを作成し、 前記各ベジェ曲線と前記製品の幅データとの差の積分値を示す評価関数を作成し、各評価関数のうち、最も小さな値となる評価関数に対応する遺伝子、ベジェ曲線をG
    A法を用いて選択するとともに、このベジェ曲線に基づき、前記製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する、 ことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 【請求項9】 請求項1、7のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、 前記幅学習機能部は、被圧延材の長さ方向に対し、任意の位置になり、かつ幅方向に任意の値となる各点を各評価点として選択するととも、各評価点の位置、幅方向値を切り替えながら、複数のベジェ曲線と、各ベジェ曲線の遺伝子とを作成し、 前記各ベジェ曲線と前記製品の幅データとの差の積分値を示す評価関数を作成し、各評価関数のうち、最も小さな値となる評価関数に対応する遺伝子、ベジェ曲線をG
    A法を用いて選択するとともに、このベジェ曲線に基づき、前記製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する、 ことを特徴とするエッジャ開度制御装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延プラントなどで使用されるエッジャ開度制御装置に係わり、特に圧延処理で得られた製品の幅変化に基づいた学習を行ってエッジャ開度を制御し、製品の幅を一定にするエッジャ開度制御装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】熱間圧延プラントでは、熱間圧延プロセスで得られた製品の幅、特に先端、尾端の幅形状を一定幅にして、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることが重要な要素となっている。

    【0003】この際、製品の先端部分、尾端部分では、
    幅の変化が一定のパターンになることから、エッジャ開度の設定を行う際、被圧延材の種類、化学成分、圧下量などに応じて、パターンテーブルの登録されている各エッジャ開度パターンのうち、最適なエッジャ開度パターンを読み出し、これを設定エッジャ開度パターンとし、
    被圧延材の圧延を行うとき、設定エッジャ開度パターンに基づき、エッジャ開度を一定のパターンで変化させて、搬入された被圧延材の幅を調整させ、製品の先端部分、定常部分、尾端部分の幅を目標値と一致させている。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】ところで、このような熱間圧延プラントでは、設定エッジャ開度パターンの精度を良くするために、図16に示すように、熱間圧延プロセスで得られた製品の幅(幅データ)を検出し、各幅データと、幅目標値との偏差(幅偏差)ΔB iを収集してオフラインで、解析者に各幅偏差ΔB iを解析させ、
    各幅偏差ΔB iがゼロになるように、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンを補正している。

    【0005】このため、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に、製品の幅データを採取して解析者による解析を行わなければならず、手間が大変であると同時に、解析を行った時点から、解析結果が製品の熱間圧延プロセスに反映されるまで、かなりの時間がかかってしまうという問題があった。

    【0006】本発明は上記の事情に鑑み、請求項1では、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化して製品の幅を一定にすることができ、これによってクロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0007】請求項2では、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、P
    I演算によって設定エッジャ開度パターンを最適化し、
    これによって演算処理を分かり易くし、調整を容易にしながら、製品の幅を一定にすることができるとともに、
    クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0008】請求項3では、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、幅圧下効率を調整しながら、PI演算によって設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって収束速度を早めながら、製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0009】請求項4では、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして必要なメモリ容量を低減させながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、
    設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0010】請求項5では、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして必要なメモリ容量を低減させるとともに、演算量を少なくしながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0011】請求項6では、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして必要なメモリ容量を低減させるとともに、演算量を少なくし、
    さらに特異な幅データを除去しながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0012】請求項7では、ベジェ曲線を使用することにより、特異な幅データに影響されることなく、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0013】請求項8では、所定条件を満たす評価点を用いて複数のベジェ曲線を作成するとともに、GA法を使用して最適なベジェ曲線を選択して特異な幅データに影響されることなく、最適な近似曲線と、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データとに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0014】請求項9では、任意の評価点を用いて複数のベジェ曲線を作成するとともに、GA法を使用してさらに最適なベジェ曲線を選択して特異な幅データに影響されることなく、さらに最適な近似曲線と、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データとに基づき、設定エッジャパターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、
    クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができるエッジャ開度制御装置を提供することを目的としている。

    【0015】

    【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、搬入された被圧延材をエッジャロールにより幅方向に圧延するとともに平ロールにより厚み方向に圧延して、指定された形状の製品を製造する熱間圧延プラントにおいて、前記各製品の各部に対するエッジャ開度を示す複数のエッジャ開度データによって構成されたエッジャ開度パターンが登録されたパターンテーブルを有し、前記被圧延材を圧延する際に、指定された製品形状や材種に対応するエッジャ開度パターンを前記パターンテーブルから読み出して前記エッジャロールのエッジャ開度を調整する設定計算機能部と、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、所定の演算を行ってエッジャ開度補正データを算出し、算出されたエッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを修正する幅学習機能部とを備えたことを特徴としている。

    【0016】請求項2では、請求項1に記載のエッジャ開度制御装置において、前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、P
    I演算を行って前記製品の各部に対する複数のエッジャ開度補正データを算出し、各エッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正することを特徴としている。

    【0017】請求項3では、請求項1または2のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、幅圧下効率を調整しながら、PI演算を行って前記製品の各部に対する複数のエッジャ開度補正データを算出し、各エッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正することを特徴としている。

    【0018】請求項4では、請求項1に記載のエッジャ開度制御装置において、前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、前記製品の各部に対する補正直線を算出し、この補正直線に基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャパターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正することを特徴としている。

    【0019】請求項5では、請求項1または4のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、近似演算によって前記製品の各部に対する補正多次式を算出し、この補正多次式に基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正することを特徴としている。

    【0020】請求項6では、請求項1、4、5のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データのうち、エッジャ開度を狭める特異な幅データを除去して、残った幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、近似演算によって前記製品の各部に対する補正直線または補正曲線を算出し、この補正直線または補正曲線に基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正することを特徴としている。

    【0021】請求項7では、請求項1に記載のエッジャ開度制御装置において、前記幅学習機能部は、前記製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、ベジェ曲線を作成するとともに、このベジェ曲線に基づき、前記製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正することを特徴としている。

    【0022】請求項8では、請求項1、7のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、前記幅学習機能部は、被圧延材の長さ方向に等間隔になり、かつ幅方向に任意の値となる各点を各評価点として選択するととも、幅方向値を切り替えながら、複数のベジェ曲線と、
    各ベジェ曲線の遺伝子とを作成し、前記各ベジェ曲線と前記製品の幅データとの差の積分値を示す評価関数を作成し、各評価関数のうち、最も小さな値となる評価関数に対応する遺伝子、ベジェ曲線をGA法を用いて選択するとともに、このベジェ曲線に基づき、前記製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正することを特徴としている。

    【0023】請求項9では、請求項1、7のいずれかに記載のエッジャ開度制御装置において、前記幅学習機能部は、被圧延材の長さ方向に対し、任意の位置になり、
    かつ幅方向に任意の値となる各点を各評価点として選択するととも、各評価点の位置、幅方向値を切り替えながら、複数のベジェ曲線と、各ベジェ曲線の遺伝子とを作成し、前記各ベジェ曲線と前記製品の幅データとの差の積分値を示す評価関数を作成し、各評価関数のうち、最も小さな値となる評価関数に対応する遺伝子、ベジェ曲線をGA法を用いて選択するとともに、このベジェ曲線に基づき、前記製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、
    前記パターンテーブルに登録されている前記各エッジャ開度パターンのうち、前記製品に対応するエッジャ開度パターンを補正することを特徴としている。

    【0024】上記の構成により、請求項1では、被圧延材を圧延するとき、設定計算機能部のパターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、指定された製品形状や材種に対応するエッジャ開度パターンを読み出して、エッジャロールのエッジャ開度を調整するとともに、製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、幅学習機能部によって、所定の演算を行ってエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを修正する。 これにより、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に、設定エッジャ開度パターンを最適化して、製品の幅を一定にし、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0025】請求項2では、製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、幅学習機能部によって、
    PI演算を行って製品の各部に対する複数のエッジャ開度補正データを算出し、各エッジャ開度補正データに基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する。 これにより、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に、PI演算によって、設定エッジャ開度パターンを最適化し、演算処理を分かり易くし、調整を容易にしながら、製品の幅を一定にするとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0026】請求項3では、製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、幅学習機能部によって、
    幅圧下効率を調整しながら、PI演算を行って製品の各部に対する複数のエッジャ開度補正データを算出し、各エッジャ開度補正データに基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する。 これにより、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に、幅圧下効率を調整しながら、PI演算によって、設定エッジャ開度パターンを最適化し、収束速度を早めながら、製品の幅を一定にするとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0027】請求項4では、幅学習機能部によって、製品の板幅を実際に測定して得られた幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、近似演算を行い、製品の各部に対する補正直線を算出し、この補正直線に基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する。 これにより、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして、必要なメモリ容量を低減させながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に、設定エッジャ開度パターンを最適化し、製品の幅を一定にするとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0028】請求項5では、幅学習機能部によって、製品の板幅を実際に測定して得られた幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、近似演算を行い、製品の各部に対する補正多次式を算出し、この補正多次式に基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する。 これにより、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして、必要なメモリ容量を低減させるとともに、演算量を少なくしながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に、設定エッジャ開度パターンを最適化し、製品の幅を一定にするとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0029】請求項6では、幅学習機能部によって、製品の板幅を実際に測定して得られた幅データのうち、エッジャ開度を狭める特異な幅データを除去して、残った幅データと、予め設定されている幅目標値との偏差に基づき、近似演算を行い、製品の各部に対する補正直線または補正曲線を算出し、この補正直線または補正曲線に基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する。 これにより、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして、必要なメモリ容量を低減させるとともに、演算量を少なくし、さらに特異な幅データを除去しながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に、設定エッジャ開度パターンを最適化し、製品の幅を一定にするとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0030】請求項7では、製品の板幅を実際に測定して得られた幅データに基づき、幅学習機能部によって、
    ベジェ曲線を作成するとともに、このベジェ曲線に基づき、製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する。
    これにより、特異な幅データに影響されることなく、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に、設定エッジャ開度パターンを最適化し、製品の幅を一定にするとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0031】請求項8では、幅学習機能部によって、被圧延材の長さ方向に等間隔になり、かつ幅方向に任意の値となる各点を各評価点として選択するととも、幅方向値を切り替えながら、複数のベジェ曲線と、各ベジェ曲線の遺伝子とを作成した後、各ベジェ曲線と製品の幅データとの差の積分値を示す評価関数を作成し、各評価関数のうち、最も小さな値となる評価関数に対応する遺伝子、ベジェ曲線をGA法を用いて選択するとともに、このベジェ曲線に基づき、製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、このエッジャ開度補正データに基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する。 これにより、GA法を使用して最適なベジェ曲線を作成し、これによって特異な幅データに影響されることなく、最適な近似曲線と、被圧延材を熱間圧延して得られた製品の各幅データとに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、製品の幅を一定にするとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0032】請求項9では、幅学習機能部によって、被圧延材の長さ方向に対し、任意の位置になり、かつ幅方向に任意の値となる各点を各評価点として選択するととも、各評価点の位置、幅方向値を切り替えながら、複数のベジェ曲線と、各ベジェ曲線の遺伝子とを作成した後、各ベジェ曲線と製品の幅データとの差の積分値を示す評価関数を作成し、各評価関数のうち、最も小さな値となる評価関数に対応する遺伝子、ベジェ曲線をGA法を用いて選択するとともに、このベジェ曲線に基づき、
    製品の各部に対するエッジャ開度補正データを算出し、
    このエッジャ開度補正データに基づき、パターンテーブルに登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンを補正する。 これにより、GA法を使用して、さらに最適なベジェ曲線を作成し、これによって特異な幅データに影響されることなく、さらに最適な近似曲線と、被圧延材を熱間圧延して得られた製品の各幅データとに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、製品の幅を一定にするとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させる。

    【0033】

    【発明の実施の形態】《第1の実施形態》図1は本発明によるエッジャ開度制御装置のうち、請求項1、2に対応する第1の実施形態を使用した熱間圧延システムの一例を示すブロック図である。

    【0034】この図に示す熱間圧延システム1は、被圧延材2を搬送する搬送路3と、この搬送路3の前段側に配置され、入されたエッジャ開度データに応じてエッジャ開度を調整し、搬送路3上を通過する被圧延材2の板幅を調整する1対のエッジャローラ4と、搬送路3の中段部分に配置され、ロール間隔を調整して搬送路3上を通過する被圧延材2の厚みを調整する1対の水平ローラ5と、搬送路3の後段側に配置され、水平ローラ5によって圧延された製品の板幅を測定して幅データを生成する幅計6と、この幅計6から出力される幅データを取り込んで記録紙7上に記録するチャートコーダ8と、幅計6から出力される幅データを取り込んで記憶するとともに、記憶している各幅データに基づき、学習を行って、被圧延材2の種類、化学成分、圧下量などに応じて分類された各エッジャ開度パターンの学習項を補正し、
    エッジャロール4に供給するエッジャ開度データを随時、補正するエッジャ開度制御装置9と、パソコンまたはEWS(エンジニリアリングワークステーション)などによって構成され、エッジャ開度制御装置9によって収集された各幅データを取り込むとともに、予め登録されている解析プログラムなどを使用して解析データをトレンド表示する解析装置10とを備えている。

    【0035】そして、この熱間圧延システム1では、被圧延材2を熱間圧延して製品を製造するとき、エッジャ開度制御装置9に登録されている各エッジャ開度パターンのうち、被圧延材2の種類、化学成分、圧下量などに応じたエッジャ開度パターンを選択させるとともに、このエッジャ開度パターンに応じたエッジャ開度データをエッジャローラ4に供給して、エッジャ開度を一定のパターンで変化させながら、搬入された被圧延材2を圧延させ、製品の先端部分、定常部分、尾端部分の幅を目標値と一致させる。 さらに、エッジャ開度制御装置9によって、幅計6から出力される幅データをオンラインで解析して、エッジャ開度パターンと、製品の幅パターンとの関係を学習させ、この学習結果に基づき、各製品の幅パターンと、目標値との偏差がゼロになるように、エッジャ開度パターンの学習項を補正する。

    【0036】この場合、エッジャ開度制御装置9は、幅計6から出力される幅データを収集して記憶するとともに、記憶している各幅データを解析装置10に供給する実績値収集機能部11と、この実績値収集機能部11に記憶されている各幅データを取り込んでPI操作を施して各製品の幅パターンと幅目標値との偏差をゼロにするのに必要な学習項を求める幅学習機能部12と、この幅学習機能部12で得られた学習項を使用してパターンテーブル13に登録されている各エッジャ開度パターンを修正し、エッジャローラ4に供給しているエッジャ開度データを調整する設定計算機能部14とを備えている。

    【0037】そして、このエッジャ開度制御装置9では、被圧延材2の種類、化学成分、圧下量などに応じたエッジャ開度パターンを選択させ、このエッジャ開度パターンに応じたエッジャ開度データをエッジャローラ4
    に供給して、エッジャ開度を一定のパターンで変化させるとともに、幅計6から出力される幅データを取り込んで、解析装置10に供給させるとともに、取り込んだ各幅データに基づき、オンラインで製品の形状を解析して、各製品の幅パターンと、幅目標値との偏差をゼロにするのに必要な学習項を計算し、各製品の幅パターンと、幅目標値との偏差がゼロになるように、エッジャローラ4のエッジャ開度を調整する。

    【0038】次に、図2に示すフローチャートを参照しつつ第1の実施形態の動作について系統的に説明する。

    【0039】まず、被圧延材2を熱間圧延して製品を製造するとき、エッジャ開度制御装置9の設定計算機能部14によって、予め登録されている各エッジャ開度パターンのうち、被圧延材2の種類、化学成分、圧下量などに応じたエッジャ開度パターンが選択されるとともに、
    このエッジャ開度パターンに応じたエッジャ開度データが生成され、これがエッジャローラ4に供給される。

    【0040】これにより、搬送路3を介して被圧延材2
    が搬入される毎に、エッジャローラ4によって、被圧延材2の先頭からの距離に応じて、エッジャ開度が一定のパターンで変更され、被圧延材2の幅が調整される。 また、水平ローラ5によってエッジャ処理済みの被圧延材2が厚み方向に圧延される。 このようにして先端部分、
    定常部分、および尾端部分の幅、および厚みが目標値と一致した製品が製造され、搬出される。

    【0041】以上の圧延動作と並行して、製品が製造される毎に幅計6によって製品の幅が測定されて幅データが生成され、各幅データに基づき、チャートコーダ8の記録紙7上に、各製品の幅が時系列的に記録される。 また、エッジャ開度制御装置9の実績収集機能部11によって幅データが収集、記憶され、さらに解析装置10によって実績収集機能部11に記憶されている各幅データが解析されて各製品の幅などのトレンド情報が表示される(ステップST1)。

    【0042】さらに、実績収集機能部11に記憶されている各幅データに基づき、エッジャ開度制御装置9の幅学習機能部12によって、図3に示すように、製品の先頭を起点にして予め設定された長さ毎、例えば製品の先頭を起点として、0mm、200mm、400mm、6
    00mm、800mmなど、各制御点毎の幅データと、
    予め設定されている製品の幅目標値との幅偏差が計算され(ステップST2)、これによって得られた各制御点毎の幅偏差データΔB i (但し、i=1、2、…、5)
    に基づき、次式に示す演算が行われ、i番目の制御点に対するエッジャ開度補正データΔE iが計算される(ステップST3)。

    【0043】

    【数1】

    但し、ΔE

    i :i番目の制御点におけるエッジャ開度補正データ ΔB

    i :i番目の制御点における幅偏差データ ∂B/∂E|

    i :i番目の制御点における幅圧下効率(先尾端幅モデル式などの数式モデルにて算出された可変値または実績値に基づいて得られた固定値)

    【0044】次いで、幅学習機能部12によって、
    (1)式で得られたエッジャ開度補正データΔE iに基づき、次式に示す演算が行われ、各制御点におけるエッジャ開度の学習項Z SSiが計算された後(ステップST
    4)、 Z SSi =α I・ΔE i +Z SSi +α P・ΔE i …(2) 但し、α I :積分ゲイン α P :比例ゲイン Z SSi :制御点iでのエッジャ開度の学習項 ΔE i :i番目の制御点におけるエッジャ開度補正データ

    【0045】次式に示す演算が行われ、エッジャ開度パターンを構成するエッジャ開度データE iが計算される。

    【0046】 E i =E ORGi +Z SSi …(3) 但し、E i :i番目のエッジャ開度データE iSSi :制御点iでのエッジャ開度学習項 E ORGi :パターンテーブルに登録されているエッジャ開度パターンを構成する各エッジャ開度データのうち、i
    番目の制御点におけるエッジャ開度データ

    【0047】その後、幅学習機能部12によって、エッジャローラ4の油圧応答特性と、各制御点でのエッジャ開度データE iとが比較されて、各エッジャ開度データE iが実現可能な数値であるかどうかがチェックされ、
    実際のエッジャローラ4が応答できるように、各制御点でのエッジャ開度データE iの学習項Z SSiにリミットがかけられる(ステップST5)。

    【0048】例えば、エッジャロール4の油圧応答特性が図4の点線15に示すようにしか調整できなければ、
    (3)式によって実線16に示すように、各制御点におけるエッジャ開度データE iが得られても、3番目の制御点以降、エッジャローラ4がエッジャ開度データE i
    に追随しなくなり、製品の幅が幅目標値より狭くなり、
    これを製品として販売できなくなることから、一点鎖線17に示すように、各制御点におけるエッジャ開度データE iの学習項Z SSiが補正される。

    【0049】次いで、幅学習機能部12によって得られたリミット補正済みの各エッジャ開度データE iの学習項Z SSiに基づき、設定計算機能部14のパターンテーブル13に登録される各エッジャ開度パターンのうち、
    被圧延材2の種類、化学成分、圧下量などに応じたエッジャ開度パターン、すなわち各エッジャ開度データE i
    を得るときに使用したエッジャ開度パターンの学習項Z
    SSiが更新される(ステップST6)。

    【0050】これにより、次の被圧延材2を熱間圧延して製品を製造するとき、設定計算機能部14によって、
    更新されたエッジャ開度パターンを構成する各エッジャ開度データE iが選択され、これがエッジャローラ4に供給されて製品の先端部分、定常部分、尾端部分の幅が幅目標値と一致するようにエッジャローラ4のエッジャ開度が調整される。

    【0051】このように、第1の実施形態においては、
    被圧延材2を熱間圧延して製品を製造するとき、幅計6
    によって圧延処理で製造された製品の幅を測定するとともに、エッジャ開度制御装置9によって、幅計6から出力される幅データをオンラインで解析し、エッジャローラ4に供給しているエッジャ開度パターンと、製品の幅パターンとの関係を学習させ、この学習結果に基づき、
    各製品の幅パターンと、目標値との偏差がゼロになるように、エッジャ開度パターンの学習項Z SSiを補正するようにした。 このため、被圧延材2を熱間圧延して製品を製造する毎に、PI演算によりエッジャ開度パターンを最適化して製品の幅を一定にすることができ、これによりクロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる(請求項1、2の効果)。 また調整も容易である。

    【0052】《第2の実施形態》次に本発明によるエッジャ開度制御装置のうち、請求項1、3に対応する第2
    の実施形態を説明する。 なお、基本的な構成は図1に示した第1の実施形態における熱間圧延システム1と同一であるため図示は省略する。

    【0053】第2の実施形態の特徴は、前述した(1)
    式に示す演算を行う前に、幅学習機能部12によって次式に示す演算を行い、各被圧延材2に対する各制御点の幅圧下効率を最適化させ、これによってPI演算で使用されるゲインを大きくして、できるだけ早く収束させるようにしたことである。

    【0054】

    【数2】

    但し、α:平滑係数 i:制御点を示すインデックス j:被圧延材2を示すインデックス E

    i、j :今回の被圧延材2を圧延したときに得られた各制御点でのエッジャ開度データ B

    i、j :前回の被圧延材2を圧延したときに得られた各制御点での幅実績値 E

    i、j-1 :前回の被圧延材2を圧延したときに得られた各制御点でのエッジャ開度データ B

    i、j-1 :前回の被圧延材2を圧延したときに得られた各制御点での幅実績値 ∂B/∂E|

    i、j :i番目の制御点における幅圧下効率 このように、この第2の実施形態では、(1)式に示す演算を行う前に、幅学習機能部12により上式に示す演算を行って、各被圧延材2に対する各制御点の幅圧下効率を最適化させて、PI演算で使用されるゲインを大きくするようにした。 このため、被圧延材2を熱間圧延して製品を製造する毎に、PI演算を早期に収束させて設定エッジャ開度パターンを最適化させ、製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる(請求項1、3の効果)。

    【0055】《第3の実施形態》次に本発明によるエッジャ開度制御装置のうち、請求項1、4に対応する第3
    の実施形態を説明する。 なお、基本的な構成は図1に示した第1の実施形態における熱間圧延システム1と同一であるため図示は省略する。

    【0056】第3の実施形態の特徴は、図5に示すように、被圧延材2の端部を圧延するときに使用するエッジャ開度データを2つの直線18及び19で近似し、これに対応して、被圧延材2の端部を圧延するときに使用するエッジャ開度補正データも2つの直線で近似し、さらに各直線の不連続点Cを処理して、各エッジャ開度データを最適化することにより、エッジャ開度パターンの要素を簡素化し、制御効率、メモリ効率を向上させるようにしたことである。

    【0057】この場合、被圧延材2の端部長さを100
    0mmとすると、次式に示すように、被圧延材2の端部を圧延するときに使用するエッジャ開度データEを2本の直線18、19で近似できることから、 E=a 1 X+b 1 [0≦X<C] …(5) E=a 2 X+b 2 [C≦X<1000] …(6) 比例定数a 1 、a 2 、定数b 1 、b 2 、Cによって、被圧延材2を圧延するときに使用するエッジャ開度パターンを表現することができ、これら比例定数a 1 、a 2 、定数b
    1 、b 2 、制御点を示すインデックスCをパターンテーブル13に登録するだけで、エッジャロール4のエッジャ開度を最適化することができる。

    【0058】この際、これら(5)式、(6)式で使用される比例定数a 1 、a 2がエッジャロール4が持つ油圧応答特性による制限を受けることから、これら比例定数a 1 、a 2のみについて、リミット処理を行えば良い。

    【0059】そして、エッジャ開度パターンを(5)
    式、(6)式で表わしていることから、これら(5)
    式、(6)式で示される各エッジャ開度データEに対するエッジャ開度補正データΔEも、次式に示すように、
    2本の直線で近似した形式で表わすことができる。

    【0060】 ΔE=a 3 X+b 3 [0≦X<C] …(7) ΔE=a 4 X+b 4 [C≦X<1000] …(8) 但し、X:被圧延材2の先端からの距離 ΔE:エッジャ開度データEに対するエッジャ開度補正データ 次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、このような2本の直線で近似されるエッジャ開度補正データΔEの算出手順について詳細に説明する。

    【0061】まず、エッジャロール4、水平ロール5によって被圧延材2を圧延して製品を製造する毎に、幅計6によって製品の幅が測定され、これによって得られた幅データがエッジャ開度制御装置9の実績収集機能部1
    1によって収集され、被圧延材2の種類(化学成分)、
    圧延方法(幅圧下量、厚み圧下量)、幅の区分毎に分類されて記憶される(ステップST11)。

    【0062】そして、幅計6によって幅が測定された製品の本数が(7)式、(8)式で表わされるエッジャ開度補正データΔEを求めるのに十分な本数、例えば50
    本に達したとき、幅学習機能部12によって、実績収集機能部11に記憶されている各幅データが制御点Cより前の幅データと、制御点Cより後の幅データとに振り分けられるとともに(ステップST12)、各幅データに基づき、第1の実施形態における幅学習機能部12と同様な手順で、図7に示すように、エッジャ開度補正データΔEが求められる(ステップST13)。

    【0063】その後、幅学習機能部12によって、0番目の制御点に対応するエッジャ開度補正データΔE〜C
    番目の制御点に対応するエッジャ開度補正データΔEまでの各エッジャ開度補正データΔEに対し、最小2乗法が適用され、(7)式を構成する比例定数a 3と、定数b 3とが下記の(9)式で表わされる油圧応答特性を満たすように同定されるとともに、C番目の制御点に対応するエッジャ開度補正データΔE〜最終番目の制御点に対応するエッジャ開度補正データΔEまでの各エッジャ開度補正データΔEに対し、最小2乗法が適用されて、
    (8)式を構成する比例定数a 4と、定数b 4とが下記の(10)式で表わされる油圧応答特性を満たすように同定される(ステップST14)。

    【0064】L E ≦a 1 +a 3 ≦U E …(9) L E ≦a 2 +a 4 ≦U E …(10) 但し、L E :エッジャロール4のエッジャ開度を調整する際の油圧応答下限値 U E :エッジャロール4のエッジャ開度を調整する際の油圧応答上限値

    【0065】次いで、幅学習機能部12によって、これら(9)式、(10)式を満たすように同定された比例定数a 3 、a 4に基づき、(7)式、(8)式に示すエッジャ開度補正データΔEが決定された後、各エッジャ開度補正データΔEを表わす2本の直線がC番目の制御点で連続しているかどうかがチェックされ、C番目の制御点で、これらの直線が不連続になっていれば、C番目の制御点でのエッジャ開度補正データΔEとして、エッジャロール4の開度が開く方向の直線上のエッジャ開度補正データΔEが使用される(ステップST15)。

    【0066】これにより、C番目の制御点より前のエッジャ開度補正データΔEと、C番目の制御点から後のエッジャ開度補正データΔEとが図8(a)に示すような直線20、21であれば、C番目の制御点より前のエッジャ開度補正データΔEを表わす直線20上のエッジャ開度補正データΔEが選択されて、これがC番目の制御点でのエッジャ開度補正データΔEとして使用され、またC番目の制御点より前のエッジャ開度補正データΔE
    と、C番目の制御点から後のエッジャ開度補正データΔ
    Eとが図8(b)に示すような直線22、23であれば、C番目の制御点より後のエッジャ開度補正データΔ
    Eを表わす直線23上のエッジャ開度補正データΔEが選択されて、これがC番目の制御点でのエッジャ開度補正データΔEとして使用される。

    【0067】その後、幅学習機能部12によって、各エッジャ開度補正データΔEに基づき、パターンテーブル13に登録されている各エッジャ開度パターンの構成要素(比例定数a 1 、a 2 、定数b 1 、b 2 、C)のうち、幅データを得るときに使用したエッジャ開度パターンの比例定数a 2 、定数b 2 (学習項)が補正されて、エッジャロール4のエッジャ開度が調整される(ステップST1
    6)。

    【0068】このように、この第3の実施形態では、被圧延材2の端部を圧延するときに使用するエッジャ開度データを2つの直線18及び19で近似し、これに対応して、被圧延材2の端部を圧延するときに使用するエッジャ開度補正データも直線で近似し、さらに各直線の不連続点Cを処理して、各エッジャ開度データを最適化するようにした。 このため、パターンテーブル13に登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして、必要なメモリ容量を低減させながら、被圧延材2を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化することができ、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる(請求項1、4の効果)。

    【0069】《第4の実施形態》次に本発明によるエッジャ開度制御装置のうち、請求項1、5に対応する第4
    の実施形態を説明する。 なお、基本的な構成は図1に示した第1の実施形態における熱間圧延システム1と同一であるため図示は省略する。

    【0070】第4の実施形態の特徴は、被圧延材2の端部を圧延するときに使用するエッジャ開度補正データΔ
    Eを1つの多次式で近似し、第3の実施形態における熱間圧延システムで生じる問題、すなわちエッジャ開度補正データΔEを示す各直線の不連続が発生しないようにしたことである。

    【0071】この場合、被圧延材2の端部を圧延するときのエッジャ開度補正データΔEを近似する1つの多次式として、例えば次式に示す4次式を使用する。 ΔE=d 44 +d 33 +d 22 +d 1 X+d 0 …(11) 但し、X:被圧延材2の先端からの距離 d 4 :曲線の特性を示す4次定数 d 3 :曲線の特性を示す3次定数 d 2 :曲線の特性を示す2次定数 d 1 :曲線の特性を示す1次定数 d 0 :定数

    【0072】このように、この第4の実施形態では、被圧延材2の端部を圧延するときに使用するエッジャ開度補正データΔEを1つの多次式で近似するようにした。
    このため、エッジャ開度補正データΔEを示す各直線の不連続が発生しないようにし、これによって不連続点の処理などを不要にして演算量を低減させながら、パターンテーブル13に登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくし、さらに設定エッジャ開度パターンを最適化して、製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる(請求項1、5の効果)。

    【0073】《第5の実施形態》次に本発明によるエッジャ開度制御装置のうち、請求項1、6に対応する第5
    の実施形態を説明する。 なお、基本的な構成は図1に示した第1の実施形態における熱間圧延システム1と同一であるため図示は省略する。

    【0074】第5の実施形態の特徴は、実績収集機能部11によって収集された1つの製品に関する幅データのうち、同種の製品に関する幅データの特徴と明確に異なる特性を持ち、この幅データが製品の幅を極端に狭める方向の幅データであるとき、この幅データを無効にし、
    これによって被圧延材2の幅圧下により、多少、幅が広めに出ても、製品の幅が目標値より下回らないようにして、引き当て通りの製品出荷を行うことができるようにしたことである。

    【0075】この際、次に述べる手順で、各幅データの特徴を判定して、同種の製品と異なる幅データを無効にする。

    【0076】まず、エッジャ開度制御装置9の幅学習機能部12によって、パターンテーブル13に登録されている前回までの学習項に基づき、前回までの製品に関する各制御点でのエッジャ開度補正データΔE APiを計算し、各エッジャ開度補正データΔE APiと、今回の製品に対する幅データから求めた各制御点でのエッジャ開度補正データΔE iとの差が下記の(12)式を満たしているとき、またはこれらの差を積分した値(積分値)が下記の(13)式を満たしているとき、今回、得られた各制御点でのエッジャ開度補正データΔE iを無効にする。

    【0077】

    【数3】

    但し、i:制御点を示すインデックス β

    1 :個々の制御点での差に対する上限値 β

    2 :個々の制御点での差を積分した値に対する上限値 ΔE

    i :幅実績値から求めたi番目の制御点でのエッジャ開度補正値 ΔE

    APi :計算によって得られた近似直線(または近似曲線)にXを代入して得られたi番目の制御点でのエッジャ開度補正データ

    【0078】その後、幅学習機能部12によって、これら(12)式、(13)式によって削除されずに残った各エッジャ開度補正データΔE iに基づき、第3の実施形態における幅学習機能部12と同様な手順で、各制御点でのエッジャ開度補正データΔEを求めて、幅データを得るときに使用したエッジャ開度パターンの学習項を補正する。

    【0079】これにより、図9(a)に示すように、パターンテーブル13に登録されている前回までの学習項によって得られる各エッジャ開度補正データΔE APiの各折れ線24に対し、今回の各エッジャ開度補正データΔE iを示す折れ線25の一部が極端に下回るとき、すなわち今回の各エッジャ開度補正データΔE iを使用して近似(同定)を行うと、近似によって得られたエッジャ開度データEの折れ線がエッジャローラ4の開度を極端に狭め、製品の一部分の幅が極端に狭くなってしまう恐れがあるとき、(12)式によって今回の各エッジャ開度補正データΔE iを無効にして、製品の幅が目標値より狭くならないようにする。

    【0080】同様に、図9(b)に示すように、パターンテーブル13に登録されている前回までの学習項によって得られる各エッジャ開度補正データΔE APiの各折れ線26に対し、今回の各エッジャ開度補正データΔE
    iを示す折れ線27が全体的に下回るとき、すなわち今回の各エッジャ開度補正データΔE iを使用して近似(同定)を行うと、近似によって得られたエッジャ開度データEの折れ線がエッジャローラ4の開度を極端に狭め、製品の先端部分、後端部分の幅が極端に狭くなってしまう恐れがあるとき、(13)式によって今回の各エッジャ開度補正データΔE iを無効にして、製品の幅が目標値より狭くならないようにする。

    【0081】このように、この第5の実施形態では、実績収集機能部11によって収集された1つの製品に関する幅データのうち、同種の製品に関する幅データの特徴と明確に異なる特性を持ち、この幅データが製品の幅を極端に狭める方向の幅データであるとき、この幅データを無効にするようにした。 このため、パターンテーブル13に登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして、必要なメモリ容量を低減させながら、特異な幅データよる影響を無くして、設定エッジャ開度パターンを最適化することができ、これによって被圧延材2の幅圧下により、多少、幅が広めに出ても、製品の幅が目標値より下回らないようにして、引き当て通りの製品出荷を行うようにしながら、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる(請求項1、6の効果)。

    【0082】《第6の実施形態》次に本発明によるエッジャ開度制御装置のうち、請求項1、7に対応する第6
    の実施形態を説明する。 なお、基本的な構成は図1に示した第1の実施形態における熱間圧延システム1と同一であるため図示は省略する。

    【0083】第6の実施形態の特徴は、実績収集機能部11によって収集されて記憶された各製品毎の各幅データに基づき、幅学習機能部12によって、ベジェ曲線を計算して、設定計算機能部14のパターンテーブル13
    に登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンの学習項を補正し、これによってノイズなどに起因して突発的に幅データが変化しても、これらの幅データにリミットをかけることなく、ノイズによる影響を小さくしながら、エッジャローラ4のエッジャ開度を最適化するようにしたことである。

    【0084】この場合、この実施形態では、図10のフローチャートに示す手順で、エッジャローラ4のエッジャ開度を最適化する。

    【0085】まず、エッジャロール4、水平ロール5によって被圧延材2を圧延して製品を製造する毎に、幅計6によって、製品の幅を測定し、これによって得られた幅データがエッジャ開度制御装置9の実績収集機能部1
    1によって収集されて、被圧延材2の種類(化学成分)、圧延方法(幅圧下量、厚み圧下量)、幅の区分毎に分類されて、記憶される(ステップST21)。

    【0086】そして、幅計6によって幅が測定された製品の本数がエッジャ開度補正データを求めるのに十分な本数に達したとき、幅学習機能部12によって、実績収集機能部11に記憶されている各制御点毎の各幅データと、予め設定されている幅目標値とが比較され、これらの偏差(幅偏差データ)が求められるとともに(ステップST22)、各幅偏差データに基づき、第1の実施形態における幅学習機能部12と同様な手順で、図11に示すように、各制御点のエッジャ開度補正データΔE
    (サンプル値となるデータ)が求められる(ステップS
    T23)。

    【0087】次いで、幅学習機能部12によって、各制御点毎に各サンプル値が平均化されて、各制御点における各サンプル値の平均位置を示す位置ベクトルP i (評価点を示すベクトル)が求められた後(ステップST2
    4)、次式に示す演算が行われて、各制御点の位置ベクトルP iに対応するベジェ曲線28を構成する位置ベクトルZが求められる(ステップST25)。

    【0088】

    【数4】

    但し、i:評価点となる制御点を示すインデックス N:評価点の個数 t:0≦t≦1となる媒介変数 Z:ベジェ曲線を構成する位置ベクトル P

    i :各制御点の位置ベクトル その後、幅学習機能部12によって、(14)式で得られたベジェ曲線28上にある各点の値に基づき、各制御点におけるエッジャ開度補正データΔEが求められるとともに、各エッジャ開度補正データΔEに基づき、設定計算機能部14のパターンテーブル13に登録される各エッジャ開度パターンのうち、被圧延材2の種類、化学成分、圧下量などに応じたエッジャ開度パターン、すなわち各エッジャ開度補正データΔEを得るときに使用したエッジャ開度パターンの学習項が更新される。

    【0089】これにより、次の被圧延材2を熱間圧延して、製品を製造するとき、設定計算機能部14によって、更新されたエッジャ開度パターンを構成する各エッジャ開度データEが選択されて、これがエッジャローラ4に供給され、製品の先端部分、定常部分、尾端部分の幅が目標値と一致するように、エッジャローラ4のエッジャ開度が調整される(ステップST26)。

    【0090】このように、この第6の実施形態では、実績収集機能部11によって収集されて記憶された各製品毎の各幅データに基づき、幅学習機能部12によって、
    ベジェ曲線を計算して、設定計算機能部14のパターンテーブル13に登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンの学習項を補正するようにした。 このため、ノイズなどに起因して突発的に幅データが変化しても、これらの幅データにリミットをかけることなく、ノイズによる影響を小さくしながら、被圧延材2を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる(請求項1、7の効果)。

    【0091】《第7の実施形態》次に本発明によるエッジャ開度制御装置のうち、請求項1、8に対応する第7
    の実施形態を説明する。 なお、基本的な構成は図1に示した第1の実施形態における熱間圧延システム1と同一であるため図示は省略する。

    【0092】第7の実施形態の特徴は、幅学習機能部1
    2によって、所定の条件を満たすベジェ曲線を複数個、
    作成するとともに、GA法を用いて最も良好なベジェ曲線を選択し、このベジェ曲線に基づき、設定計算機能部14のパターンテーブル13に登録されている各エッジャパターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンの学習項を補正し、これによってノイズなどに起因して突発的に幅データが変化しても、これらの幅データにリミットをかけることなく、ノイズによる影響を小さくしながら、エッジャローラのエッジャ開度を最適化するようにしたことである。

    【0093】この場合、次に述べる手順で各評価点P i
    を決めて、複数のベジェ曲線を作成し、GA法を用いて最も良好なベジェ曲線を求める。

    【0094】まず、幅学習機能部12によって、図12
    に示すように、被圧延材2の先端から距離を示すX軸上に、被圧延材2の先端(0mm)を起点として、a(m
    m)までを求める評価点の個数に応じて等間隔に距離をとり制御点x iとし、制御点x iに対する各幅データと幅目標値との偏差(幅偏差)を示すY座標値y iが任意の値となる各点が評価点P i (但し、i=0、1、…、
    N)として選択されて、次式で示されるX座標値X、Y
    座標値Yを持つベジェ曲線29が求められる。

    【0095】

    【数5】

    但し、i:評価点を示すインデックス N:評価点の個数 t:0≦t≦1となる媒介変数 Y:ベジェ曲線29のY座標値 X:ベジェ曲線29のX座標値 y

    i :各評価点のY座標値 その後、幅学習機能部12によって、各評価点P

    iのY


    座標値y

    iが2進数に変換され、2進数で表現される各評価点P

    iのY座標値y

    iが横に並べられて、遺伝的アルゴリズムで使用される遺伝子(ベジェ曲線29に対応する遺伝子)が求められる。

    【0096】これにより、各評価点P iのY座標値y iが10進数で、“110”であれば、2進数のY座標値y
    iとして“01101110”が得られる、また評価点P iのY座標値y iが10進数で、“179”であれば、
    2進数のY座標値y iとして“10110011”が得られ、下記に示す遺伝子が求められる。

    【0097】

    【数6】

    次いで、幅学習機能部12によって、実績収集機能部1


    1に記憶されている各幅データが読み出され、各幅データを得た位置(被圧延材2の先端からの位置)がX座標にされ、各幅データの値と、幅目標値との幅偏差がY座標値にされたサンプル点P

    jが求められ、図13に示すように、各サンプル点P

    jと、ベジェ曲線29との距離L

    iが求められるとともに、次式に示すように、各距離L

    iが全て加算されて、ベジェ曲線29の元になる遺伝子を評価するのに必要な評価関数Sが求められる。

    【数7】

    【0098】以下、X軸上における各評価点P iの距離a、Y軸上における各評価点P iのY座標値が順次、他の値に切り替えて、遺伝子が変更されながら、上述した手順と同じ方法で、新たな遺伝子に対するベジェ曲線2
    9、このベジェ曲線29の遺伝子を評価する評価関数S
    が求められる。

    【0099】その後、各ベジェ曲線29に対する各評価関数Sの値が相互に比較されて、最小となる評価関数S
    がGA法により選択され、この評価関数Sに対応する遺伝子が最適な遺伝子と判定されて、図14に示すように、最適な遺伝子を持つベジェ曲線29が最適なベジェ曲線30として選択される。

    【0100】そして、幅学習機能部12によって、最適なベジェ曲線30上にある各点の値に基づき、各制御点におけるエッジャ開度補正データが求められるとともに、各エッジャ開度補正データに基づき、設定計算機能部14のパターンテーブル13に登録される各エッジャ開度パターンのうち、被圧延材2の種類、化学成分、圧下量などに応じたエッジャ開度パターン、すなわち各エッジャ開度データΔEを得るときに使用したエッジャ開度パターンの学習項が更新される。

    【0101】これにより、次の被圧延材2を熱間圧延して、製品を製造するとき、設定計算機能部14によって、更新されたエッジャ開度パターンを構成する各エッジャ開度データEが選択されて、これがエッジャローラ4に供給され、製品の先端部分、定常部分、尾端部分の幅が目標値と一致するように、エッジャローラ4のエッジャ開度が調整される。

    【0102】このように、この第7の実施形態では、幅学習機能部12によって、所定の条件を満たすベジェ曲線を複数個、作成するとともに、GA法を用いて最も良好なベジェ曲線を選択し、このベジェ曲線に基づき、設定計算機能部14のパターンテーブル13に登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンの学習項を補正するようにした。 このため、ノイズなどに起因して突発的に幅データが変化しても、これらの幅データにリミットをかけることなく、ノイズによる影響を小さくしながら、最適な近似曲線と、被圧延材2を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データとに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして、歩留まりを向上させることができる(請求項1、8の効果)。

    【0103】また、この第7の実施形態では、ベジェ曲線30上の各制御点におけるエッジャ開度補正データを求めて、エッジャ開度パターンの学習項を補正するようにしているが、エッジャローラ4をエッジャ開度をコントロールするコントローラ装置の開度調整ピッチが各制御点のピッチよりも短い場合には、(15)式、(1
    6)式で表わされる媒介変数tを消去して得られた次式で示されるベジェ曲線30のY座標値Yをコントローラ装置に直接、送るようにしても良い。

    【0104】

    【数8】

    但し、i:評価点を示すインデックス N:評価点の個数 Y:ベジェ曲線30のY座標値(エッジャ開度補正関数) X:ベジェ曲線30のX座標値 y

    i :各評価点のY座標値 これにより、コントローラ装置の開度調整ピッチが各制御点のピッチよりも短いときでも、最適なベジェ曲線3


    0と、エッジャローラ4のエッジャ開度曲線とを一致させることができる。

    【0105】《第8の実施形態》次に本発明によるエッジャ開度制御装置のうち、請求項1、9に対応する第8
    の実施形態を説明する。 なお、基本的な構成は図1に示した第1の実施形態における熱間圧延システム1と同一であるため図示は省略する。

    【0106】第8の実施の形態の特徴は、幅学習機能部12によって、被圧延材2の先端または後端以外の点を起点として、実績収集機能部11に記憶されている各幅データのいくつかを選択させるとともに、GA法で最も良好なベジェ曲線を選択させ、このベジェ曲線に基づき、設定計算機能部14のパターンテーブル13に登録されている各エッジャパターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンの学習項を補正し、これによってノイズなどに起因して突発的に幅データが変化しても、
    これらの幅データにリミットをかけることなく、ノイズによる影響を小さくしながら、エッジャローラ4のエッジャ開度を最適化するようにしたことである。

    【0107】この場合、幅学習機能部12によって、図15に示すように、被圧延材2の先端からの距離が“e”となってる点を起点とするとともに、先端からの距離が“f”となっている点を終点として、次式に示す制約条件を満たすX座標値x iを持ち、かつ任意のY座標値y iを持つ各点が選択されて、各点が評価点P i (但し、i=0、1、…、N)に決められる。

    【0108】 e<x 1 <x 2 <x 3 <…<x i <…<x N <f …(20) 但し、i:各評価点を示すインデックス N:各評価点の数 次いで、幅学習機能部12によって、各評価点P iに基づき、次式で示されるX座標値X、Y座標値Yを持つベジェ曲線31が求められる。

    【0109】

    【数9】

    但し、i:評価点を示すインデックス N:評価点の個数 t:0≦t≦1となる媒介変数 Y:ベジェ曲線31のY座標値 X:ベジェ曲線31のX座標値 y

    i :各評価点のY座標値 x

    i :各評価点のX座標値 その後、幅学習機能部12によって、各評価点P

    iのY


    座標値y

    i 、X座標値x

    iが2進数に変換され、2進数で表現される各評価点P

    iのY座標値y

    i 、X座標値x

    iが横に並べられて、遺伝的アルゴリズムで使用される遺伝子(ベジェ曲線31に対応する遺伝子)が求められる。

    【0110】これにより、各評価点P iのY座標値y i
    X座標値x iが2進数で、下記に示す値であれれば、

    【数10】

    下記に示す遺伝子が得られる。

    【0111】

    【数11】

    次いで、幅学習機能部12によって、実績収集機能部1


    1に記憶されている各幅データが読み出され、各幅データを得た位置(被圧延材2の先端からの位置)がX座標にされるとともに、各幅データの値と、幅目標値との幅偏差がY座標値にされたサンプル点P

    jが求められた後、各サンプル点P

    jと、ベジェ曲線との距離L

    iが求められるとともに、次式に示すように、各距離L

    iが全て加算されて、ベジェ曲線31に対する遺伝子を評価するのに必要な評価関数Sが求められる。

    【数12】

    以下、X軸上における各評価点P

    iのX座標値x

    i 、Y座標値y

    iが順次、他の値に切り替えられて、遺伝子の値が変更されながら、上述した手順と同じ手順で、新たな各評価点P

    iに対するベジェ曲線31と、このベジェ曲線31に対する遺伝子を評価する評価関数Sとが求められる。

    【0112】その後、各ベジェ曲線31に対する各評価関数Sの値が相互に比較されて、最小となる評価関数S
    がGA法により選択されるとともに、この評価関数Sに対応する遺伝子が最適な遺伝子と判定され、この最適な遺伝子を持つベジェ曲線31が最適なベジェ曲線として選択される。

    【0113】そして、幅学習機能部12によって、(2
    1)式、(22)式で示されるベジェ曲線31のうち、
    最適なベジェ曲線に対し、媒介変数tの値が順次、切り替えられながら、Newton−Raphson法が使用されて、被圧延材2の先端から等間隔となる制御点、
    例えば先端からの距離が0mmとなる制御点、100m
    mとなる制御点、200mmとなる制御点などにおける各Y座標値が導き出されて、これらY座標値が各制御点におけるエッジャ開度補正データにされるとともに、各エッジャ開度補正データに基づき、設定計算機能部14
    のパターンテーブル13に登録される各エッジャ開度パターンのうち、被圧延材2の種類、化学成分、圧下量などに応じたエッジャ開度パターン、すなわち各エッジャ開度データEを得るときに使用したエッジャ開度パターンの学習項が更新される。

    【0114】これにより、次の被圧延材2を熱間圧延して、製品を製造するとき、設定計算機能部14によって、更新されたエッジャ開度パターンを構成する各エッジャ開度データEが選択されて、これがエッジャローラ4に供給され、製品の先端部分、定常部分、尾端部分の幅が目標値と一致するように、エッジャローラ4のエッジャ開度が調整される。

    【0115】このように、この第8の実施形態では、幅学習機能部12によって、被圧延材2の先端または後端以外の点を起点として、実績収集機能部11に記憶されている各幅データのいくつかを選択させるとともに、G
    A法で最も良好なベジェ曲線を選択させ、このベジェ曲線に基づき、設定計算機能部14のパターンテーブル1
    3に登録されている各エッジャ開度パターンのうち、製品に対応するエッジャ開度パターンの学習項を補正するようにした。 このため、ノイズなどに起因して突発的に幅データが変化しても、これらの幅データにリミットをかけることなく、ノイズによる影響を小さくしながら、
    さらに最適な近似曲線と、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データとに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして、歩留まりを向上させることができる(請求項1、9の効果)。

    【0116】

    【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、請求項1のエッジャ開度制御装置では、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化して、製品の幅を一定にすることができ、これによってクロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる。

    【0117】請求項2のエッジャ開度制御装置では、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、PI演算によって、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって演算処理を分かり易くし、調整を容易にしながら、製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる。

    【0118】請求項3のエッジャ開度制御装置では、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、幅圧下効率を調整しながら、PI
    演算によって、設定エッジャ開度パターンを最適化し、
    これによって収束速度を早めながら、製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる。

    【0119】請求項4のエッジャ開度制御装置では、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして、必要なメモリ容量を低減させながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる。

    【0120】請求項5のエッジャ開度制御装置では、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして、必要なメモリ容量を低減させるとともに、演算量を少なくしながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる。

    【0121】請求項6のエッジャ開度制御装置では、パターンテーブルに登録する各エッジャ開度パターンの要素数を少なくして、必要なメモリ容量を低減させるとともに、演算量を少なくし、さらに特異な幅データを除去しながら、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる。

    【0122】請求項7のエッジャ開度制御装置では、ベジェ曲線を使用することにより、特異な幅データに影響されることなく、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして、
    歩留まりを向上させることができる。

    【0123】請求項8のエッジャ開度制御装置では、所定条件を満たす評価点を用いたGA法を使用して複数のベジェ曲線を作成するとともに、最適なベジェ曲線を選択して、特異な幅データに影響されることなく、最適な近似曲線と、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データとに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる。

    【0124】請求項9のエッジャ開度制御装置では、任意の評価点を用いたGA法を使用して複数のベジェ曲線を作成するとともに、さらに最適なベジェ曲線を選択して、特異な幅データに影響されることなく、さらに最適な近似曲線と、被圧延材を熱間圧延して製品を製造する毎に得られた製品の幅データとに基づき、設定エッジャ開度パターンを最適化し、これによって製品の幅を一定にすることができるとともに、クロップ量を減らして歩留まりを向上させることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明によるエッジャ開度制御装置の実施の形態である熱間圧延システムの一例を示すブロック図である。

    【図2】第1の実施形態のおける熱間圧延システムの動作を示すフローチャートである。

    【図3】第1の実施形態における幅学習機能部の幅偏差算出動作を示す説明図である。

    【図4】第1の実施形態における幅学習機能部のリミット動作を示す説明図である。

    【図5】第3の実施形態における熱間圧延システムで使用される近似直線の一例を示す説明図である。

    【図6】第3の実施形態における熱間圧延システムの動作を示すフローチャートである。

    【図7】第3の実施形態における幅学習機能部の幅偏差算出動作を示す説明図である。

    【図8】第3の実施形態における幅学習機能部の不連続点処理動作を示す説明図である。

    【図9】第5の実施形態における幅学習機能部の不要幅データ削除動作を示す説明図である。

    【図10】第6の実施形態における熱間圧延システムの動作を示すフローチャートである。

    【図11】第6の実施形態における幅学習機能部のベジェ曲線算出動作を示す説明図である。

    【図12】第7の実施形態における幅学習機能部のベジェ曲線算出動作を示す説明図である。

    【図13】第7の実施形態における幅学習機能部の評価関数算出動作を示す説明図である。

    【図14】第7の実施形態における幅学習機能部のエッジャ開度補正データ算出動作を示す説明図である。

    【図15】第8の実施形態における幅学習機能部のベジェ曲線算出動作を示す説明図である。

    【図16】従来から知られている熱間圧延システムの動作を示す説明図である。

    【符号の説明】

    1:熱間圧延システム 2:被圧延材 3:搬送路 4:エッジャローラ 5:水平ローラ 6:幅計 7:記録紙 8:チャートコーダ 9:エッジャ開度制御装置 10:解析装置 11:実績値収集機能部 12:幅学習機能部 13:パターンテーブル 14:設定計算機能部 15:点線 16:実線 17:一点鎖線 18、19、20、21、22、23:直線 24、25、26、27:折れ線 28、29、30、31:ベジェ曲線

    フロントページの続き (72)発明者 川越 好博 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 4E024 AA08 AA18 GG10 5H004 GA34 GA35 GA40 GB03 HA06 HA07 HA16 HB06 HB07 JA05 JA13 JA17 JA22 JA30 KA54 KB02 KB04 KC10 KC12 KD63 KD67 LA15 LA18 MA04 MA40 MA50

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