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セキュリティ書類の認証、および当該認証を実行する携帯デバイス

阅读:36发布:2024-02-15

专利汇可以提供セキュリティ書類の認証、および当該認証を実行する携帯デバイス专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且凹版印刷によって作製された特徴の分析に基づいて、セキュリティ書類を認証する方法、および当該方法を実行するようプログラムされた携帯デバイス、特にスマートフォンに関し、この分析はウェーブレットに基づいて認証すべき対象書類のサンプル画像の分解を伴い、各サンプル画像は、分類特徴のセットを得るためにサンプル画像のウェーブレット変換を実行することによってデジタル処理される。この方法は、以下のステップ:ウェーブレット変換を実行する前に、セキュリティ書類に見られる様々な凹刻線構造に関する局所的情報を含む分類マップを規定するステップと;分類マップに基づいて、ウェーブレットタイプのプールの中からウェーブレットの選択を実行するステップと;選択したウェーブレットに基づいてサンプル画像のウェーブレット変換を実行するステップと、を含む適応法に基づいている。【選択図】図7(c),下面是セキュリティ書類の認証、および当該認証を実行する携帯デバイス专利的具体信息内容。

凹版印刷によって製造されたセキュリティ書類における固有の特徴の分析に基づいて、セキュリティ書類、特に紙幣を認証する方法であって、前記分析はウェーブレットに基づいて認証すべき対象書類の少なくとも一部の1以上のサンプル画像を分解することを含み、各サンプル画像は、多次元の特徴空間(f)内で前記対象書類の分類を可能にする分類特徴のセット(σ2,E,C,・・・)を得るために、前記サンプル画像のウェーブレット変換を行うことでデジタル処理され、 当該方法が適応ウェーブレット法に基づくものであり、前記適応ウェーブレット法が: 前記ウェーブレット変換を実行する前に、前記セキュリティ書類に見られる様々な凹刻線構造に関する局所的情報を含む分類マップ(Cマップ)を規定するステップと; 前記分類マップ(Cマップ)に基づいて、ウェーブレットタイプのプールの中からウェーブレットの選択を実行するステップと; 前記選択されたウェーブレットに基づいて、前記サンプル画像のウェーブレット変換を実行するステップと; を含むことを特徴とする方法。請求項1に記載の方法において、前記分類マップ(Cマップ)を規定するステップが、所与の凹刻線構造それぞれの統計モデルを規定するステップを含むことを特徴とする方法。請求項2に記載の方法において、前記統計モデルが、所与の凹刻線構造それぞれを表す少なくとも1つのヒストグラムを特徴付ける少なくとも1つのパラメータ(k;kH,w、kH,d、kV,w、kV,d)からなることを特徴とする方法。請求項3に記載の方法において、前記少なくとも1つのパラメータが、対応する前記ヒストグラムの形状を表す形状パラメータ(k;kH,w、kH,d、kV,w、kV,d)であることを特徴とする方法。請求項3または4に記載の方法において、前記少なくとも1つのパラメータ(k;kH,w、kH,d、kV,w、kV,d)が最尤推定(MLE)法に基づいて特定されることを特徴とする方法。請求項3乃至5の何れか一項に記載の方法において、前記統計モデルが、所与の凹刻線構造それぞれの範囲内の線幅(w)および線距離(d)の測定値から構築されることを特徴とする方法。請求項6に記載の方法において、前記統計モデルが、所与の凹刻線構造それぞれを表す4つのヒストグラムを特徴付ける4組のパラメータ(kH,w、kH,d、kV,w、kV,d)を含んでおり、前記4つのヒストグラムはそれぞれ、平方向(H)における線幅(w)の統計的分布のヒストグラム、前記水平方向(H)における線距離(d)の統計的分布のヒストグラム、垂直方向(V)における線幅(w)の統計的分布のヒストグラム、および前記垂直方向(V)における線距離(d)の統計的分布のヒストグラムを表していることを特徴とする方法。請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法において、前記ウェーブレットタイプのプールが、ウェーブレットを選択するための基準として使用されるベースラインのウェーブレットを含むことを特徴とする方法。請求項8に記載の方法において、前記ベースラインのウェーブレットが、db2−ウェーブレットであることを特徴とする方法。請求項8または9に記載の方法において、所与の凹刻線構造について、前記特徴空間(f)における他のウェーブレットタイプの分離機能(Στ)が前記ベースラインのウェーブレットよりも優れている場合には、前記ベースラインのウェーブレットが他のウェーブレットタイプに置換されることを特徴とする方法。請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法において、前記分類特徴のセットが、前記ウェーブレット変換から得られるウェーブレット係数の統計的分布またはヒストグラムを表す統計モーメントを含むことを特徴とする方法。請求項11に記載の方法において、前記分類特徴のセットが、分散度(σ2)、歪度(E)、および超過度(C)を含むことを特徴とする方法。携帯デバイスの環境、特にスマートフォンに適用される、請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法。請求項1乃至13の何れか一項に記載の方法を実行するようにプログラムされた画像処理ユニットを具える、携帯デバイス、特にスマートフォン。

说明书全文

1.導入 世界の経済の安定性を維持するために、セキュリティ書類、特に紙幣の信頼性を維持することは、中央銀行にとっての主な懸案事項となっている。紙幣の認証に特に適した手法は、凹版印刷によって作製された固有の特徴の分析に注目した、いわゆるSound−of−Intaglio(商標)法に基づいており、[1]、[2]を参照されたい(国際公開2008/146262A2号も参照)(このSound−of−Intaglio(商標)の名称はKBA−NotaSys SAの商標である)。その結果が、固有情報を検出して、新品または使い古した状態にかかわらず本物の凹刻を有する紙幣を、あるいは偽造品さえも識別する画像処理およびパターン認識に基づくユニバーサルアルゴリズムである。これは、凹版印刷が非常に精密で、高い解像度と明瞭なパターンの印刷を可能にするからである。さらに、凹刻は、流通状況下においても、この手法にロバスト性における一定の利点をもたらす最も耐久性がある印刷特徴である。したがって、凹刻は固有特徴として“そのままで”識別され、一般的に識別の確実な方法として機能しうる。警察や銀行によって回収された偽造品の大半は、市販の方法および機器で作製される。凹刻は偽造に対する防御策として最も信頼性があり、確実なプラットフォームであることが証明されてきた。凹刻特徴は一般市民には意識的に認識されていないが、特有の触感特性と組み合わせた紛れもない光学的外観(双方とも、印刷物との組み合わせで見られる)は、ユーザにとって本物の紙幣を習慣的に認識するのに重要なものである。この方法は、携帯電話等を使用して、入手可能な画像分析ツールを用いて凹刻固有の特徴を識別する。当然のことながら、この一般的手法は、中央銀行での分類や科学捜査にとっても有用となりうる。さらに、このコンセプトの利点は、中央銀行は、特別な性質、幾何学的配置などの機密情報を開示する必要がなく、特に、凹刻が特定の品質レベルに達している既存の紙幣をデザイン変更する必要がないことにある。加えて、凹刻は商用印刷との重要な差別化の1つを示しており、紙幣の印刷プロセスの重要な部分である。この研究は、現金サイクルにおいて、自動アプリケーションに凹刻を使用することの可能性に実際に着目している。このため、Sound−of−Intaglio(商標)は、流通する偽造品の品質向上に対して、前もって欠陥を保護するために、支払端末または銀行システムの製造者に将来的なフレームを提供するものである。今のところ、偽造技術は、凹刻の許容可能な偽物を提供し、あるいは犯罪目的でその技術を使用することさえも不成功となっている。

商業用のオフセット印刷機による「判明している」大量の偽造品に加えて、デジタルの卓上技術(スキャナ、カメラ、およびデジタルオフィス印刷機)の継続的な進歩が完成された新たなクラスの“デジタル”偽造品(digifeit)を確立してきた。印刷業界における厳格な拡散防止ポリシーにより、高精細の紙幣の凹版処理全体(デザイン、創作、板の製造および印刷)は、偽造用途における使用または悪用に対して保護されている。紙幣のセキュリティに関する凹版処理の独自性、間違えようのない外観、および公共に流通する目的により、凹刻の有無を識別することによって本物の紙幣を直接識別することが最も実用的である。手荒く負荷がかかった流通状況下にある3D構造の直接的な測定は困難でロバスト性に欠けることが分かっているため、一般に高品質の凹刻構造に特有の不透明部や外観を活かす全く異なる手法が模索されてきた。

以下に、スマートフォン[4]、それに類するもの[3]といった高性能の携帯デバイスに使用するSound−of−Intaglio(商標)法[1]に基づいた画像処理およびパターン認識法を記載する。このコンセプトは、紙幣上の異なる印刷パターンを分析するための適応ウェーブレットを構築する新たな方法に基づいている。さらに、様々な照明状況下でも効果的に本物の紙幣を描写する紙幣特有の特徴ベクトルが生成される。複数段階の線形判別分析(LDA)の分類器が安定かつ信頼性の高い出を生成する。

本願は以下のように纏められる。この導入部の後、第2節において関連研究および前提条件がハイライトされており、関連出版物、幾つかの携帯デバイスの技術的態様、およびウェーブレットベースの凹刻検出(WIBD)に焦点を当てている。第3節では、スマートフォンにおける紙幣認証のための適応ウェーブレット法を記載する。第4節は結果のためのものであり、第5節は本記載の結論である。

2.関連研究および前提条件 2.1 関連出版物 過去10年に、紙幣金額の検出およびそれらの認証に関する幾つもの出版物が公開されてきた。上記期間に、多くて約300の出版物がSPIE、IEEE、およびACMのデータベースにて検出された。それらの出版物の殆どが、光学走査法およびその手法における信号処理アルゴリズムについて記載している。例えば、[5]、[6]のわずかな著者のみが、光学コンセプト以外について提案している。公開された研究の大半が、例えば、[7]、[8]、および[9]のように、特徴の抽出および機械学習に関するものである。最近の幾つかの出版物はさらに、ウェーブレット法が紙幣金額の識別[10]および認識[11]を保証しそうであることを示している。特に、ウェーブレットベースの概念は、[1]の一般的手法や、基礎となるウェーブレットベースの認証理論[2]、[3]、および[12]をサポートする。

2.2 携帯デバイス技術 本章では、携帯デバイスの重要な構成要素、特に最先端のスマートフォンの重要な構成要素について記載する。画像処理デバイスとして使用した場合、カメラモジュールはスマートフォンの重要な構成要素であるため、カメラモジュールに注目している。

定義 携帯電話は、ソフトウェアのスモールアプリケーション(app)により拡張される機能を有し、より進歩した演算能力および高い接続性を提供する場合にスマートフォンと称される[13]。近年のプロセッサ性能の向上は、利用行動に大幅な転換をもたらした。最初は、スマートフォンは、主にビジネスユーザによって、より便利にe−mailまたはテキストを送信するために使用されていた。現在では、スマートフォンは、機能を圧倒的に拡張させる第三者のアプリを作動させることができる。スマートフォンは携帯電話だけでなく、ノートブック、小型カメラ、ゲーム相手、音楽プレーヤ、インターネットのサーフステーション、衛星航法ツール等でもある。最も重要な市場の企業は、基本的に2つの異なる動作システム:AppleのiOSおよびGoogleのAndroidを使用している。これらのシェアは、その分野において2012年の第3四半期で世界中に販売された全てのスマートフォンのうち86.3%であり[14]、Androidは72.4%の市場シェアを有する最大企業である[14]。

一般的ハードウェア 通常、スマートフォンは大画面を具えている。2007年のAppleのiPhoneの出現以来、大高解像度のマルチタッチ画面が事実上の標準となった。最大解像度(1インチ当たり326ピクセルの画面)はAppleによって提供されている[15]。現在市場にある大型スマートフォンの1つであるSamsungのGalaxy Note N7000は、5.3インチのサイズの画面を具えている[16]。さらに、スマートフォンは、例えば、ジャイロスコープ、加速度計、GPS、近接センサまたは光センサといった、センサの幅広いコレクションを有している。最初のスマートフォンは、600MHzのクロックレートを有するシングルコア処理ユニットを使用していた。現在では、マルチコアプロセッサ(4乃至5のコア)および約1.5GHzのクロックレートが高機能モデルに内蔵されている[17]、[18]。スマートフォンは通常、次の段落に記載する2つのカメラを有する。

カメラユニット 一般的なスマートフォンは、1つがビデオ電話通話用の画面側、もう1つが背面側の異なる2種類のカメラを使用する。通常、最初の1つは約1メガピクセルの解像度を有し、他方のカメラは通常、高センサ解像度を提供し、静止画カメラまたはビデオカメラの代替となるように設計されている。これは画像処理の用途のためのカメラであるため、これ以降、カメラとの用語は高解像度カメラであり、他の種類のカメラは無視することとする。一般のスマートフォンのカメラは5乃至12メガピクセルの解像度を有しており、大容量ピクセルの傾向がある。低品質光学部品を有する他の小型カメラと同様に、これは結果が向上することを意味するものではない。スマートフォンのカメラモジュールは、ズームレンズを欠く(この点について、Nokia Pureview808のような特定モデルは無視する)。これらのカメラは通常4乃至7mmの対幅のセンサを有しており、ノイズが出やすくなる。内蔵型の照明、多くの場合、LEDまたはXenonベースのフラッシュでは単に、レンズに近い被写体、例えば、肖像写真または近接撮影を照明することができる。

高解像度は大きなメモリ要求をもたらす。現在では、その理由により、画像処理において重要な未加工の画像データを取得することが不可能である。この画像キャプチャプロセスにより、常にjpg圧縮された写真となる。しかしながら、一般に、最先端のスマートフォン技術に基づいて、圧縮因子は減少しているということができる。

2.3 携帯デバイス用の紙幣アプリケーション 紙幣を認証するために携帯デバイスを使用することの考え方自体は新しくはない。例えば、[3]、[4]、および[19]のように、様々な出版物がこの種のアプリケーションについて記載している。その基本的な概念は、内蔵型カメラ、照明ユニット、および処理ユニットを使用して様々な明白な及び隠れた紙幣特徴を分析し、紙幣を分類することである。光学近赤外線点光源および低出力センサチップを具備するポケットスキャナに基づく他の手法が、最近になって公開された。このシステムは、いかなる携帯電話にも接続することができる[20]。この技術は、ATM製造者の基本的概念の一部を模倣している。これらのアプリケーションに加えて、例えば[21]、[22]のように、紙幣を提示する用途として使用することができるものも更に存在する。

2.4 ウェーブレットベースの凹刻検出(WIBD) 本章には、例えば[1]に教示されているような、ウェーブレットベースの凹刻検出(WBID)の一般的概念が記載されており、この概念は、ウェーブレットに基づいてデジタル信号処理技術を実施することにより、認証すべき書類の1以上のサンプル画像を分解することを含んでいる。この概念の更に詳細および関連するバリエーションについては、参照によりその全てが本書に援用されている対応文献、特に[1]、[2]、[3]、[4]、および[12]、さらには国際公開第2008/146262A2号、および国際公開第2011/018764A2号を参照することができる。

ウェーブレット ウェーブレットは、所与の関数または信号を異なるスケール成分に分割するために使用される数学関数である。ウェーブレット変換は、ウェーブレットによりその関数または信号を表す。ウェーブレット変換は、不連続性および鮮明なピークを有する関数および信号を表す従来のフーリエ変換に優る利点を有している。この手法によると、以下に述べるように、特にいわゆる離散ウェーブレット変換(DWT)の性質を利用する。ウェーブレット理論自体は既知であって、その問題について幾つもの参考書で広く議論され記載されているため、この理論について本書では深く議論しない。興味がある読者は、例えば、ウェーブレット理論に関する引用図書および出版物[23]、[24]、[25]、および[26]を参照されたい。

局所的な特徴を認識するために、信号変換はシフト不変であることが重要である。これは、Δサンプルによる信号のシフトがスケーリングまたは詳細係数のシフトをもたらしてもよいが、その値の変更を招くものではないことを意味する。この性質は、スケール図がスケールのゼロ点の選択に依存しないことを保証する。高速ウェーブレット変換(FWT)を使用すると、FWT固有のサブサンプリングにより、シフト不変性は失われる。その結果、FWTから得られるウェーブレット係数は、信号シフトに対して高い依存度を示す。サブサンプリングによって次の変換スケールに進める場合、エッジに関する重要な情報を失う危険性もある。したがって、シフト不変である信号変換を適用することが重要である。シフト不変の変換を実現するために、信号s[n]のサブサンプリングを用いない変換を特定する。この状態は、シフト不変のウェーブレット変換(SWT)によって満たされる[27]、[28]。シフトされるが、それ以外は同一の信号のために、SWTは、シフトされるが同一のウェーブレット係数を提供する。サブサンプリングは使用されないため、冗長信号表現が得られる[27]、[28]。2次元の紙幣画像をスペクトル記述に変換するために、2つの一次元変換が適用される[28]。画像は分離可能な信号として解読することができるため、これは効果的である[25]。2次元の信号xを変換するために、一次元変換アルゴリズムが画像の行nと画像の列mへと交互に用いられる。これにより、(2n×2m)の次元を有する正方行列xが生じる。

ここで、ウェーブレット変換された信号は4つのサブ画像、すなわち、Ayに属するスケーリング係数A(ローパスフィルタ処理した、φ)および垂直詳細係数cV(バンドパスフィルタ処理した、ψ)、および、Dyに含まれる平詳細係数ならびに対角詳細係数(cHおよびcD、バンドパスフィルタ処理した、ψ)に分割される。詳細マトリックスcV、cH、およびcDは、画像のウェーブレット変換された信号の同一構造を表す。第2のステップで、詳細係数が一般詳細マトリックスcGに組み込まれる。 αはスケール因子であり、必要であれば、スケーリング係数および詳細係数について同一のダイナミックレンジを保証する。cGを用いると、全ての認識された構造の変化が1つのマトリックスに一体化される。一体化された詳細係数cGから信号を再生させることはできない点に留意されたい。そうではあるが、紙幣を認識する場合、この状況は重要ではない。式(2)に関する上記計算は各スケールについて実施される。詳細については、[12]および国際公開第2011/018764A2号を参照されたい。ウェーブレット変換を処理するために、ウェーブレットを用途に適合させることが必要である。一般に、2つのバニシングモーメント(db2−ウェーブレット)を有するドベシィ(Daubechies)ウェーブレット[23]を用いると、よい結果が得られる。これらのウェーブレットは概して、そのコンパクトな台と周波数応答により、微細な凹刻構造のスペクトル分析によく適している[12]。

分類 ウェーブレット係数のモーメントベースの統計的特徴を使用することは有利である。[3]、[12]、および[29]を参照されたい。図1には、db2−SWT係数Hn(p)の異なるグレイスケールの周波数ヒストグラムが、図7(a)に図示するような、出願人によって制作された「ジュール・ヴェルヌ」の紙幣見本の典型的な凹刻線構造に基づいて示されている(この紙幣見本の一部は図2にも図示されている)。紙幣見本は本物の紙、インク、アプリケーション等を用いた紙幣の代表例であるが、価値はない。本願において参照されている紙幣見本「ジュール・ヴェルヌ」および「フラワーパワー」は、本出願人によってデザインされ、制作されたものである。

完成した紙幣見本を図7(a)に示す。本物の紙幣のグレイスケールの周波数分布は偽造紙幣とは著しく異なることが直感的に分かる。

標準化されたヒストグラムHn(p)上で記述的尺度を算出することにより、画像構造の全体的な結果を検討することができる。以下の統計的特徴、すなわち、分散度σ2、歪度E、および超過度(または尖度)Cが、ウェーブレット係数の更なる分析に関して考慮される。分散度σ2は、ヒストグラム中央の周囲のウェーブレット係数の振幅分布を表している。歪度Eは、中央の周囲の分布の対称性を示している。超過度/尖度Cは、ガウス分布に対する偏差を表している。[29]を参照されたい。図3は、特徴空間における一セットの分類特徴(または座標)として上述した統計的特徴を用いて、分類すべき対象の分類を含む特徴空間を示している。

一般に、上述した特徴は、複雑な特徴空間を一義的に識別するためには十分ではない。新しいものだけでなく、使い古した本物の紙幣および偽造された紙幣もまた正確に識別されなければいけないことを覚えておかねばならない。より正確な線形分類を実現する手法の1つは、追加的な特徴を検討することである。追加的な特徴は、2つの重要な性質を満たしていなければならない。第1に、それは凹版印刷を認識するのに適していなければならず、第2に、既存の3つの統計的特徴と相補的でなければならない。3つの典型的な統計モーメント(分散度σ2、歪度E、および尖度C)を適用する。他の3つ、いわゆるLACH特徴 および [4]は、特徴 を生成する局所的適応累積ヒストグラム(LACH)統計値として解釈すべきであり、分散度σ2によって制御される。これらは、σ2を用いて複数の要素に分解された、ヒストグラムの重要な部分の領域を表す(左側部分についてL、中間部分についてM、右側部分についてR)。特徴の殆どはガウス分布であるため[4]、後の認証のための分類境界を算出するために、線形判別分析(LDA)法を適用する[4]。

3.手法 この手法は、画像処理ユニットとして使用した場合に、スマートフォン用の信号処理アルゴリズムがロバスト性および適応性に関する基準を満たさねばならないという事実に基づいている。本節は、凹刻検出に関してロバスト性および適応性のある特徴の生成についての調査結果について記載している。

凹版印刷によって製造されるセキュリティ書類に固有の特徴の分析に基づくセキュリティ書類(特に、紙幣)を認証する方法であって、その分析がウェーブレットに基づいて認証すべき対象書類の少なくとも一部の1以上のサンプル画像の分解を伴う方法は、本書の第1節および第2節にてハイライトしたように、既に知られている。このような既知の方法によると、一セットの分類特徴(例えば、分散度σ2、歪度E、および超過度/尖度Cを含む)を得て、(例えば、図3に示すように)多次元の特徴空間内での対象書類の分類を可能にし、それにより、本物と偽物のセキュリティ書類の間を適切に識別できるようにするために、サンプル画像のウェーブレット変換を実行することによって、各サンプル画像がデジタル処理される。

本発明の概略的な目的は、向上したセキュリティ書類を認証する方法を提供することである。より正確には、本発明の目的は、スマートフォンなどの携帯式または移動式デバイスといった携帯デバイスに実装するのにより適するような方法を提供することである。

従って、上述した種類のセキュリティ書類、特に紙幣を認証する方法が提供されており、この方法は適応ウェーブレット法に基づくことを特徴とし、当該適応ウェーブレット法は: ウェーブレット変換を実行する前に、セキュリティ書類に見られる様々な凹刻線構造に関する局所的情報を含む分類マップを規定するステップと; 分類マップに基づいて、ウェーブレットタイプのプールの中からウェーブレットの選択を実行するステップと; 選択されたウェーブレットに基づいて、サンプル画像のウェーブレット変換を実行するステップと、を含む。

提案する適応ウェーブレット法の利点は、一義的な方法で認証すべき対象書類のサンプルを分類するのに優れた機能にある。実際、セキュリティ書類に一般的に見られる様々な凹刻線構造に適したウェーブレットタイプを割り当てる提案する適応ウェーブレット法のおかげで、ウェーブレット変換を実行する前に、サンプル画像中の特定の凹刻線構造の特徴に最も適した適切なウェーブレットが分類マップに基づいて最初に選択され、その結果、認証される書類の様々なクラスの特徴空間における識別を最適化する。

本発明の好適な実施形態によると、分類マップを規定するステップは、所与の凹刻線構造それぞれの統計モデルを規定するステップを含む。この統計モデルは、所与の凹刻線構造それぞれを表す少なくとも1つのヒストグラムを特徴付ける少なくとも1つのパラメータからなることが好ましい(このパラメータは有利に、対応するヒストグラムの形状を表す形状パラメータである)。このパラメータは、最尤推定(MLE)法に基づいて適切に特定することができる。

これに関連して、所与の凹刻線構造それぞれの範囲内の線幅および線距離の測定から統計モデルを構築するのが適切であると分かっている。より好適には、統計モデルは所与の凹刻線構造それぞれを表す4つのヒストグラムを特徴付ける4組のパラメータを含みうる。この4つのヒストグラムはそれぞれ、水平方向の線幅の統計的分布のヒストグラム、水平方向の線距離の統計的分布のヒストグラム、垂直方向の線幅の統計的分布のヒストグラム、および垂直方向の線距離の統計的分布のヒストグラムを表している。

本発明の他の好適な実施形態によると、ウェーブレットタイプのプールは、ウェーブレットの選択基準として用いられるベースラインのウェーブレットを含む。このベースラインのウェーブレットは、db2−ウェーブレットであることが好ましい。所与の凹刻線構造について、特徴空間において他のウェーブレットタイプの分離機能がベースラインのウェーブレットの機能より優れている場合には、ベースラインのウェーブレットは有利に、他のウェーブレットタイプに取って代わられる。特徴空間における優れた分離機能は、本書中では、特徴空間におけるクラスタ距離が大きいという意味で理解される。

分類特徴のセットは好適には、ウェーブレット変換から得られるウェーブレット係数の統計的分布(またはヒストグラム)を表す統計モーメントを含み、この統計モーメントは有利に、分散度σ2、歪度E、および超過度Cである。いわゆるLACH特徴を含む更なる分類特徴を、これらの統計モーメントに加えて使用してもよい。

さらに、携帯デバイス環境(特に、スマートフォン)に適用されるこのような方法、ならびに、このような方法を実行するようにプログラムされた画像処理ユニットを具える携帯デバイスがクレームされている。

3.1 ロバスト性 認証アルゴリズムをスマートフォンに移すことにより、可能な用途範囲が拡大し、訓練されていない人材によって紙幣の検査を実施することができる。スマートフォンに認証アルゴリズムを実装することは、幾つかのアルゴリズムの特定の部分について新たな概念を要求することとなる。この場合に影響するスマートフォンの制約は、 −カメラモジュールの品質の変動、 −未加工の画像データへの限定された、あるいは妨げられたアクセスといった、ソフトウェアの制約、 −環境状態、特に、照明状態の変化、および、 −スマートフォンの光学構成部に対する紙幣の位置、である。

スマートフォンのカメラモジュールは、産業用の画像処理用途のために設計されていない。コストを削減するために、このようなモジュールは専用のハードウェアを介して既に最適化された画像を生成する。電話の動作システムはいかなる偏差を調整するものではない。したがって、カメラモジュールの製造者によって生じる製造誤差は、色かぶり、すなわち、色チャネルが適切に調整されない、ノイズ、不適切な焦点調整等に表れうる、画像表示の変化を招く。このような変動は、アルゴリズムを適切に選択することで考慮されねばならない。幾つかの対応策が上記影響を補償するようにする、すなわち、陰影補正およびホワイトバランス調整が後の処理ステップで適用される。陰影補正は非均質な照明を補正する。ホワイトバランス調整は、色チャネルを所定の基準値に調整することによって、色かぶりを補正する。

紙幣をリアルタイム認証するためにスマートフォンを使用するには、特別な機械学習処置を要求する。不安定な画像キャプチャ状態にかかわらず、被写体の分類はできる限りロバストであるべきである。さらに、練習用に利用できる偽造品の数は限られるが、このアプリケーションは信頼性が高くなければならない。偽陽性分類(すなわち、本物として検出される偽造品)は避けねばならない。したがって、製造プロセスにおいて想定されるバリエーションを考慮した練習用セットをデザインしなければならない。適切な分類法を選択するときに、手元の偽造品の数が限られることを考慮すべきである。想定される印刷法の数も限定される。偽陽性分類はアプリケーション全体を疑問視するものとなり、公共において否定的なフィードバックを招くため、分類子の信頼性が最も重要である。このため、認証プロセスに使用される機械学習法はよく考慮すべきである。

3.2 適応ウェーブレット法 上述したように、紙幣の分類は、ウェーブレット係数のヒストグラムから得られる、さらには、例えば、600dpiの一般的解像度を有する所与の信号のdb2−ウェーブレット変換に基づく統計モーメントに作用する。この分類は多くの場合でうまく作用するが、幾つかの場合では作用せず、すなわち誤分類が起こる。凹版印刷法はウェーブレット変換に密接に関連しているため[12]、適応ウェーブレット法はこのような誤分類の発生を解消しなければならない。この手法は、様々な凹刻線構造をマッピングするウェーブレットに基づいている。基準はdb2−ウェーブレットであり、このdb2−ウェーブレットは紙幣の局所的な特定の凹刻線構造に応じて他のウェーブレットタイプと置換される。同一のウェーブレットファミリーによるウェーブレット(例えば、Daubechies[23])、あるいは他の特徴を有するウェーブレットファミリーによるウェーブレット、例えば、双直交ウェーブレット、コイフレット(Coiflet)ウェーブレット、またはシムレット(Symlet)ウェーブレットが使用される([23]、[24]、および[25])。

その目的は、サンプルを明確に分類するのに優れた機能である。したがって、ウェーブレット変換の前に、紙幣内にある顕著なサンプル構造を特徴付け、紙幣全体について分類マップ(Cマップ)を規定しなければならない(図7(b)−7(f)参照)。Cマップは、特定のウェーブレットにマッピングされる凹刻構造についての局所的な情報を含んでいる。この分類に基づいて、準光学の空間周波数係数を生成するウェーブレット変換を適用することが可能であり、ひいては、準光学検出特徴が明確な分類をもたらす。

この手法について、不可欠なステップを3つに分けることができる。 i)様々な所与の凹刻線構造について適切に作用する統計モデルを規定し、実行しなければならない。 ii)所与のサンプル構造を測定し、識別せねばならない。 iii)限定的なウェーブレットプールの制約の下で最も適合するウェーブレットを選択しなければならない。

統計モデル 手元にある信号は、2セットの1D信号、すなわち一方が水平、もう一方が垂直であるとみなすことができる2Dラスター画像である。各次元について、第1に、エッジ(スロープ)の中心が特定される。第2に、2種類の距離、すなわち、立下りエッジの中心と立上りエッジの中心間の距離である線幅w、および、立上りエッジの中心と立下りエッジの中心間の距離である線距離dが算出される。この工程は、薄くて白みがかった綿ベースの紙の上の暗めの印刷構造を検査するという、根本となる仮定に基づいている。スロープの中心は基準点として使用されるため、サンプルの印刷技術の影響を受けない。

1つの線または線距離には関心が無く、観察された構造全体のwおよびdに関する離散型の統計密度(ヒストグラム)に関心がある。したがって、wおよびdに関する測定値のヒストグラムが算出される。得られる密度はガンマ確率密度p(x;k,θ)の様相を有しているため[30]、この分布のパラメータ推定が実行される。ガンマ確率密度は、以下のように規定される。

所与の変数 x(ここでは、wとd)について、パラメータ推定は2つのパラメータ、すなわち、形状kとスケールθをもたらす。この場合では、これら2つは相互に強力に関連付けられ、すなわち、θ=f(k)であることが分かる。したがって、ヒストグラムは、パラメータのうちのたった1つ、例えば、形状kによって特徴付けることができる。関数Γ(k)はガンマ関数を表す[31]。

形状パラメータとしても広く知られているパラメータkが、本例では選択されている。所与の凹刻線構造について、結果は特徴的な4組(kH,w、kH,d、kV,w、kV,d)を形成し、ここで、HおよびVは測定の水平方向および垂直方向を表し、wおよびdは線幅および線距離の測定をそれぞれ表している。ここで用いられる推定手法は、統計データの分布または密度の推定パラメータの一般的方法である最尤推定(MLE)に基づいている[32]。図4は、この手順を概略的に示している。

上記手順に基づいて、プロトタイプ構造について異なる4組が生成されている。このプロトタイプ構造は、一般的な紙幣のデザインに基づいている(複雑な構造に統合された水平線、垂直線、破線、点線等、図4参照)。これらのプロトタイプは当然のことながら、2つの理由:i)紙幣は、創作者特有の技術を用いて彫刻家によって個々にデザインされ、ii)デザインされた領域が重なっていることにより、ある紙幣について固有のものではない。これら2つの観察により4組の不明確さが発生する。したがって、ある領域に固有の特徴というのは必ずしも可能ではない。以下の場合にのみ、最適な場合での状況が生じる。

インデックスセットiのパラメータkiは、下縁βlと上縁βuの間に配置される。この場合、少なくとも1つのkiが、特定のウェーブレットタイプについて想定されるマッピングのセットSiに属する。全ての他のケースで、固有の分離は不可能である。その結果、一般的な手法に関心があるため、測定および最適化の段階が後に続く。

測定 標準的なスマートフォンのカメラユニット(8乃至12メガピクセルの解像度)は、約600dpiの解像度で十分である。紙幣またはその一部がカメラユニット(ここでは、携帯デバイスに組み込まれたカメラ)によって画像化され、各方向で画像区域と重なった96×96乃至128×128ピクセルの範囲のサイズの最大360(30×12)のサブ画像に分割される(図7(a)−7(f)参照)。線幅と線距離の性質に関してサブ画像が分析され、各サブ画像について4組の が特定される。kjに応じて、特定のウェーブレットタイプが予め先験的に選択される。

ウェーブレットの選択工程 この選択は、一般的な[1]、[12]、および[29]における紙幣認証用の特徴ジェネレータとしてdb2−ウェーブレットが作用しうることを見出したことに基づいている。しかしながら、幾つかの特徴的な領域は、db2−ウェーブレットで処理することができない。したがって、検出率を最適とするようにウェーブレットタイプのプールが選択される。最初に、様々な実験において約60のウェーブレットのタイプが考えられ、以下の6つ の選択されたウェーブレットのグループが得られる。詳細について、すなわち、分解フィルタ係数および様々な分解フィルタのインパルス応答の概略については、ヴァシレフスキのウェーブレットの性質のブラウザ[33]を参照されたい。6つのウェーブレットは、彫られた凹刻線の形状と幅の原則に基づいて選択される。ウェーブレットのフィルタ長N=card(ψ)は、小さい順に並べられる(表1参照)。したがって、周波数ドメインのウェーブレットに基づく帯域幅は適宜減少する。上記ウェーブレットのタイプ(形状およびサイズ)は、検討される特徴空間の様々なスケールにおける最適な分離特性について分析される。したがって、ウェーブレットタイプのプールがCマップに割り当てられる。この工程は、以下のように実行される。本物の紙幣と偽造紙幣のセット(約20−50ピース)を使用して、ウェーブレットタイプに基づいて6つのr次元の特徴空間fτそれぞれと、j個のサブ画像それぞれについて、2つのクラスタ(分類:本物(G)および偽物(F))を作り出す。紙幣認証における分類のために既に使用されているLDAを介して[4]、ウェーブレットタイプそれぞれについて、レイリー係数Dτ[34]として知られているスカラー判別法が決定される。負でない実のレイリー係数 は、特徴空間における2つのクラスタ間の距離に関する情報を提供する。Dτが高いほど、2つのクラスタ間の距離は大きくなる。参考として基準D0が適用される(db2)。 の場合、特定のウェーブレットタイプ の分離機能Στは、特徴空間のクラスタ距離が大きいという意味で優れていると想定される。全ての他のケース で、db2−ウェーブレットが適用されるべきである。分離機能は利用される特徴に依存するということを指摘せねばならない。それぞれのサブ画像およびウェーブレットのタイプに対するレイリー係数の特定は以下のように識別される。すなわち、それぞれの局所的領域の空間周波数ヒストグラムおよびウェーブレットスケールから算出された、特徴として3つ(次元:r=3)の統計モーメント(分散度、歪度、超過度/尖度)からなる特徴空間fでは、分類の平均周囲の分散度を可能な限り小さくしながら、(見出された方向に突出している場合に)分類の平均を最適に分離する特徴の線形結合を表す方向v=(ν12,・・・,ν1)Tを求める。n個の対象を有するクラス本物Gと、m個の対象を有するクラス偽物Fの一次元の特徴空間fに対する経験的な分類の平均は、 および である。

同様に、高次元の特徴空間において幾つかの方向vに突出したデータの平均は、以下によって算出することができる。 および

突出したデータの分散度σ2(G)およびσ2(F)は、以下のように表すことができる。 および

LDAの解は、最適化問題を最大化する方向v*である。

特徴の線形結合を表す、記載された方向v=(ν12,・・・,ν1)T内では、 である。式(13)は、級間および級内の共分散で書き換えられる。 および とすると である。

この適合プロセスは、以下のように実行される。すなわち、k組のkjそれぞれについて、kiそれぞれがβl

i<β

u範囲内であるという制約の下、距離測定Σ

τに基づいてウェーブレットタイプτが割り当てられ、初期のウェーブレット評価が得られる。当然のことながら、このマッピングは、全てのケースで完全かつ固有であるとは限らない。しかしながら、多くの紙幣のデザインが分析されるほど、マップはより一層完全になる。最終的に、Cマップは、特定の紙幣のデザインや種類から独立した近最適マッピングmaxΣ

τ:k

j→τからなる。

3.3 輝度に適合した分類 ウェーブレット変換ベースの特徴を用いて産業用デバイス内でパターン認識を実行できることは、[1]、[4]、[12]に示されている。携帯デバイスの適用によって生じる異なる環境やハードウェアの状態、およびそれぞれの異なる特徴分布にかかわらず、[4]において、同じ特徴が携帯使用にも適していることを証明することは可能であった。残念ながら、特別な制約下でのみ、[4]に記載のパターン認識プロセスは現実世界の利用に対して実現可能である。制約の1つは、認証時のカメラの固定位置であり、もう1つは、認証結果の環境依存性である。特に、認証プロセスでは照明が重要な役割を担っている。固定位置と照明の依存性に関する制約は、[4]で使用された練習データセットが原因である。この練習データセットでは、認証時に起こりうる紙幣のずれが考慮されていなかった。さらに、練習データは日光および標準的なオフィス照明の下で収集されたため、他の環境状況では認証に問題を引き起こし得た。これら2つの都合が悪い主題は、上述したアプリケーションでテストを実施するよう依頼された人々によって報告されていた。このような状況を考慮して、より十分な練習データセットおよび正確な分類境界をどのように構築するかを以下に記載する。

[4]に記載のパターン認識プロセスの簡単なリキャップは、この段階では適切である。この認識は、固定した紙幣の領域の認証に基づいている。認証をするために、この領域はウェーブレットドメインに変換される。次いで、ウェーブレット係数のヒストグラムを用いて6つの特徴が算出される。そのうちの3つは、従来の統計モーメント(分散度σ2、歪度E、および尖度C)である。さらに3つは、LACH特徴と称される および、 である(2.4節参照)。殆どの特徴がガウス分布であるため[4]、LDAが後の認証のための分類境界の算出に再度使用される。さらに、LDA法を適用することにより、この練習が素早く、より柔軟性が高くなり、サポートベクターマシン(SVM)を使用するよりもさらにロバストなものとなる。[29]を参照されたい。

[4]における固定位置の問題を解消するため、以下の方法によって、より十分な練習データセットを構築する。すなわち、メインの領域の境界に近接して位置する追加の領域によって、練習データセットを拡張する。図5は更なる領域を図示している。

照明の問題を解消するためには、輝度の変化に敏感な特徴を識別する必要がある。この理由のため、複数の異なる照明状況下で幾つかのデータを収集する。特徴分布の検証は、分散σ2は特定の輝度変化に対して影響を受けやすい、すなわち、σ2の分布は様々な輝度の変動に対して同一ではないということを示している(σ2における照明の影響は、図8(a)−(c)での分類結果に示されている)。他の5つの特徴は様々な輝度の変化に対してあまり影響を受けず、同様の分布を有する。これらの結果から、輝度の変化に対してあまり影響を受けない5つの特徴を組み合わせることにより分類境界を構築することが適当である。分散度σ2はアプリケーションにとって重要な特徴であるため、大きな検出マージンを伴うスタンドアローンの特徴として分類で使用される。

4.実験結果 本節では、研究成果に基づく実際の結果を示す。実験計画では、本物の紙幣(ユーロ紙幣)、本物の紙幣として出願人によって大量に製造された紙幣見本「ジュール・ヴェルヌ」と「フラワーパワー」、および異なる種類の偽造紙幣を使用している。明白な理由により、偽造プロセスは本書には記載していない。

図6では、ジュール・ヴェルヌの肖像画(図7(a)参照)の額におけるサブ画像(j=47)の最尤推定(MLE)が例示されている。黒い曲線は、この領域の垂直の線幅に対して最も考えられるガンマ確率密度を表しており、パラメータはkv,w=5.97とθV,w=0.9である。額の凹刻構造の複数部分が、それらのパラメータに関して同じ範囲内でサブ画像の密度を生成する。この分析(図7(c)参照)は4つの組を生じさせ、単に2つのパラメータが特定のウェーブレット:ドベシィ(Daubechies)−4−ウェーブレットに関して額領域を制御する。 および が決定されると、下縁パラメータβlがβl;H,w=7.2とβl;V,w=5.8に設定される。上縁パラメータβuはβu;H,w=10とβu;V,w=8に設定され、これは最大周波数h(d)とh(w)の半分を規定する。したがって、7.2

H,w<10および5.8

v,w<8である。この構造は8つの係数ウェーブレットでモデル化され、特徴空間における最大距離測定は、argmax

τΣ

τ=2である。この場合、最適なウェーブレットを2つのパラメータで選択することができる。図7(c)は、問題となるサブ画像の結果を示している。例えば、db4−ウェーブレットは、サブ画像47のdb2−ウェーブレットと比較して、本物と偽造の紙幣をよりよく(最大61%)識別することが可能となる。図7(b)、7(d)、7(e)、および7(f)に示すように、異なるウェーブレットタイプが異なる凹版領域を識別することが可能である(例えば、j=257では、sym5−ウェーブレットでは44%)。

照明が変化する場合(AおよびB(輝度がおよそ30%低下))、[4]に表される分類手法を変化させる必要はない。しかしながら、固定位置に対して練習データセットを修正することにより、分類ルールもまた修正しなければならない。拡張された練習データセットがもはやガウス分布ではないため、分類の精度は疑わしくなりうる。特に問題となる領域は、分類境界に近接して位置するエリアである。この問題は、分類境界の周囲の対象に行われる多段階LDAによって解決される。結果の比較が、図8(a)−(c)([4]によるオリジナルの分類)および図9(a)−(c)(改善した手法)に図示されている。

5.結論 Sound−of−Intaglio(登録商標)法は、紙幣の製造認証、すなわち品質検査と、異なるレベルでの分類認証における様々な用途に適している。一般的な認証法は、問題となる特徴ジェネレータの適合、すなわち、様々な凹版構造について最適化されたウェーブレットのプールの使用によって最適化できることが示されている。さらに、各々の分析領域周囲の境界および使用される特徴の適合[4]を考慮することにより、輝度の変動を安定させることができる。したがって、本物の紙幣と偽造紙幣の間で、よりロバストな分類を実現する。

図1(a)−1(c)は、db2−SWT後のウェーブレット係数のヒストグラムであり、本物(図1(a))、高品質の偽物(図1(b))、および低品質の偽物(図1(c))である。本物の紙幣のグレースケール周波数分布は、偽物の紙幣とは著しく異なっている([4]の図3も参照)。

図2(a)−2(c)は凹刻線構造であり、本物(図2(a))、高品質の偽物(図2(b))、および低品質の偽物である(図2(c))([4]の図4も参照)。

図3は、分散度σ

2(特徴1)、歪度E(特徴2)、および超過度(または尖度)C(特徴3)にわたる特徴空間である。練習セットは1489の対象からなる[29]。

図4は、所与の凹刻構造による水平および垂直の線幅および線距離に対する最尤推定(MLE)である。ウィンドウのサイズは、紙幣の構造、すなわち線幅や線距離に応じて、通常96×96乃至128×128ピクセルに設定される。

図5は、認証用に使用される1つのメイン領域(実線)と、練習データセットに加えられた更に4つの領域(破線)を詳細に示している(出願人によって製造された「フラワーパワー」紙幣見本)。

図6は、所与の凹刻構造によるピクセルの水平および垂直の線幅に対する最尤推定(MLE)である(紙幣見本「ジュール・ヴェルヌ」の額の領域j=47。図7(a)参照)。サブ画像jのカウントは配列方向の左上エッジから始まる。図7(c)参照。

図7(a)は、出願人によって製造された紙幣見本「ジュール・ヴェルヌ」を示している。図7(b)−7(f)の画像は、基準として使用されたdb2−ウェーブレットと比較した様々なウェーブレットの特徴ジェネレータの結果を示している。全ての数値は%で表示される。灰色がかったサブ画像は凹版印刷に関して分析されている。パーセントの数値がないものは、db2−ウェーブレット法の分離機能を表している(0%の改善)。パーセントの数値は、特定のウェーブレットのタイプに関するサブ画像毎の改善を示している。図7(b)はrbio3.1、図7(c)はdb4、図7(d)はrbio5.5、図7(e)はsym5、図7(f)はcoif2である。サブ画像jのカウントは配列方向の左上エッジから始まる。

図8(a)は、紙幣に対してカメラの位置を固定して収集されたデータセットに対する、[4]によるオリジナルのLDA練習を示している。図8(b)には、追加の領域(図5参照)かつ練習データセットと同一の照明に基づくテストデータセットが示されている。ここで、幾つかの本物の対象は分類境界と非常に近接して移動しており、これは本用途について都合が悪い。図8(c)には、2つの異なる照明(タイプAとタイプB(輝度が約30%低下))状態での同一のテストデータセットが図示されている。照明AおよびBに対する分布は一致していない。さらに、幾つかの偽物の対象が分類境界と非常に近接して移動しており、これは本用途において重大である。仮に1つの偽物の対象が本物の対象として分類されると、全てのアプリケーションについてネガティブなフィードバックをもたらしうる。

図9(a)は、改善された手法による分類境界を示している。図9(b)および図9(c)には、図8(a)−8(c)と同一のデータセットが図示されている。この手法では、テストの対象が分類境界に近接するように移動していない。さらに、照明AおよびBについて分布が一致している。したがって、カメラ位置の移動や様々な照明に対して高い安定性が得られる。

表1:紙幣認証に対して選択された1Dウェーブレットのタイプ[33](DLP:分解ローパス(スケーリング関数φ)、DBP:分解バンドパスψ(ウェーブレット)):

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