多官能末端変性エラストマーおよびその製造方法、ならびにタイヤ用ゴム組成物

申请号 JP2014237735 申请日 2014-11-25 公开(公告)号 JP6048479B2 公开(公告)日 2016-12-21
申请人 横浜ゴム株式会社; 发明人 上西 和也;
摘要
权利要求

共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物との共重合体である多官能末端変性エラストマーを含むタイヤ用ゴム組成物であって、 前記多官能末端変性エラストマーが、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を用いて、前記共役ジエン化合物と前記単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体を含み、 重量平均分子量が0.1万以上300万以下であり、 前記開始剤を構成する単量体中の多官能性芳香族ビニル化合物の割合が90質量%以上であり、 前記共重合体の末端に、下記一般式(1)で表される基、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ金属基、または素原子を有する、 タイヤ用ゴム組成物。 ・・・・(1) (式中、XはAl、Si、Ti、またはZnを表し、R1は、水素原子または1価の有機基を表し、R2は、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を表し、mは0以上3以下の整数を表し、nは0以上3以下の整数を表す(ここで、m+nは1以上3以下の整数である。)。)前記多官能末端変性エラストマーの分散(Mw/Mn)が1以上3以下である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。前記共重合において、前記単官能性芳香族ビニル化合物の使用量/前記共役ジエン化合物の使用量が1/9上9/1以下である、請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。前記共重合において、前記多官能性芳香族ビニル化合物が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。 ・・・・(2) (式中、R3およびR4は同一または異なり、水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアリール基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又はシリルオキシ基を表す。)前記共重合において、前記有機アルカリ金属化合物が、有機リチウム化合物である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を調製する工程と、 前記開始剤を調製する工程の後、該開始剤の存在下で、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて、共重合体を得る工程と、 前記共重合体の末端に、下記一般式(3)で表される化合物または炭素原子数1以上10以下のアルコールを反応させて、重量平均分子量が0.1万以上300万以下の共重合体である多官能末端変性エラストマーを得る工程と、 を含み、 前記開始剤を構成する単量体中の多官能性芳香族ビニル化合物の割合が90質量%以上である、 多官能末端変性エラストマーを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法。 ・・・・(3) (式中、R1、R2、およびXはそれぞれ、上記式(1)におけるR1、R2、およびXと同義であり、aは0以上4以下の整数を表し、bは0以上4以下の整数を表す(ここで、a+bは2以上4以下の整数である。)。)

说明书全文

本発明は、多官能末端変性エラストマーおよびその製造方法、ならびにタイヤ用ゴム組成物に関する。

近年、タイヤの配合剤としてシリカが用いられている。シリカが配合されたタイヤは転がり抵抗が低く、低燃費であるという特徴を有する。しかしながら、シリカはゴム中での分散性に劣るため、ゴム中でのシリカの分散性を高める様々な試みがなされている。

特開平7−48476号公報

本発明は、シリカとの親和性に優れた多官能末端変性エラストマーおよびその製造方法、ならびにタイヤ用ゴム組成物を提供する。

本発明者らは、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を所定の割合で用いて得られる開始剤を用いて、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させることにより、該開始剤を中心(コア)として該開始剤からポリマー鎖が伸長した構造を有する共重合体が得られること、ならびに、該共重合体の表面に、シリカと親和性を有する基を配置させることにより、シリカとの親和性に優れたエラストマーを得られることを見出した。

1.本発明の多官能末端変性エラストマーは、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物との共重合体である多官能末端変性エラストマーであって、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を用いて、前記共役ジエン化合物と前記単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体を含み、重量平均分子量が0.1万以上300万以下であり、前記共重合体の末端に、下記一般式(1)で表される基、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ金属基、または素原子を有する。

・・・・(1) (式中、XはAl、Si、Ti、またはZnを表し、R1は、水素原子または1価の有機基を表し、R2は、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を表し、mは0以上3以下の整数を表し、nは0以上3以下の整数を表す(ここで、m+nは1以上3以下の整数である。)。)

2.上記1に記載の多官能末端変性エラストマーにおいて、分散(Mw/Mn)が1以上3以下であることができる。

3.上記1または2に記載の多官能末端変性エラストマーにおいて、前記共重合において、前記単官能性芳香族ビニル化合物の使用量/前記共役ジエン化合物の使用量が1/9以上9/1以下であることができる。

4.上記1ないし3のいずれかに記載の多官能末端変性エラストマーにおいて、前記共重合において、前記多官能性芳香族ビニル化合物が、下記式(2)で表される化合物であることができる。

・・・・(2) (式中、R3およびR4は同一または異なり、水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアリール基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又はシリルオキシ基を表す。)

5.上記1ないし4のいずれかに記載の多官能末端変性エラストマーにおいて、前記共重合において、前記有機アルカリ金属化合物が、有機リチウム化合物であることができる。

6.本発明の一態様に係るタイヤ用ゴム組成物は、上記1ないし5のいずれかに記載の多官能末端変性エラストマーを含む。

7.本発明の一態様に係る多官能末端変性エラストマーの製造方法は、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を調製する工程と、前記開始剤を調製する工程の後、該開始剤の存在下で、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて、共重合体を得る工程と、前記共重合体の末端に、下記一般式(3)で表される化合物または炭素原子数1以上10以下のアルコールを反応させて、重量平均分子量が0.1万以上300万以下の共重合体である多官能末端変性エラストマーを得る工程と、を含む。

・・・・(3) (式中、R1、R2、およびXはそれぞれ、上記式(1)におけるR1、R2、およびXと同義であり、aは0以上4以下の整数を表し、bは0以上4以下の整数を表す(ここで、a+bは2以上4以下の整数である。)。)

上記1ないし5に記載の多官能末端変性エラストマーは、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を用いて、前記共役ジエン化合物と前記単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体を含み、前記共重合体の末端に、上記一般式(1)で表される基、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ金属基、または水素原子を有するため、該開始剤が多官能性開始剤として機能することにより、該エラストマーは、該開始剤を中心(コア)として該開始剤からポリマー鎖が伸長した構造を有し、かつ、該エラストマーの表面に、シリカと親和性を有する上記の基が配置されている。このため、該エラストマーをタイヤ用ゴム組成物に配合することにより、シリカの分散性に優れたタイヤ用ゴム組成物を得ることができる。

上記6に記載のタイヤ用ゴム組成物は、シリカとの親和性に優れた、上記1ないし5のいずれかに記載の多官能末端変性エラストマーを含むため、シリカの分散性が良好である。したがって、該タイヤ用ゴム組成物を用いることで、転がり抵抗の軽減および湿潤路面での安定性の両立が達成されたタイヤを製造することができる。このため、該タイヤ用ゴム組成物は、例えば自動車用空気入りタイヤ用ゴム組成物として好適に使用することができる。

上記7に記載の多官能末端変性エラストマーの製造方法によれば、前記共重合体を得る工程において、前記開始剤を調製する工程によって得られた該開始剤が多官能性開始剤として機能するため、該開始剤の存在下で、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させることにより、該開始剤を中心(コア)として該開始剤からポリマー鎖が伸長した構造を有する共重合体を得ることができる。さらに、記共重合体の末端に、上記一般式(3)で表される化合物または炭素原子数1以上10以下のアルコールを反応させることにより、重量平均分子量が0.1万以上300万以下の共重合体であって、シリカとの親和性に優れた基が表面に配置された多官能末端変性エラストマーを得ることができる。

以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。

1.多官能末端変性エラストマー 本発明の一実施形態に係る多官能末端変性エラストマーは、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物との共重合体である多官能末端変性エラストマーである。

本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーは、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を用いて、前記共役ジエン化合物と前記単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体を含み、重量平均分子量が0.1万以上300万以下である。

本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーは、該エラストマーに含まれる共重合体の末端に、下記一般式(1)で表される基、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ金属基、または水素原子を有する。

下記一般式(1)で表される基または炭素原子数1以上10以下のアルコキシ金属基は、シリカとの親和性に優れている。このため、本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーにおいて、上記の基が前記共重合体の末端に含まれていることにより、本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーを、シリカを含有するタイヤ用ゴム組成物に配合した場合、ゴム中におけるシリカの分散性を高めることができる。

・・・・(1) (式中、XはAl、Si、Ti、またはZnを表し、R1は、水素原子または1価の有機基を表し、R2は、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を表し、mは0以上3以下の整数を表し、nは0以上3以下の整数を表す(ここで、m+nは1以上3以下の整数である。)。)

本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーは、後述する製造方法によって得ることができる。

1.1.重量平均分子量(Mw) 本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーは、タイヤ用ゴム組成物に配合した場合により高い強度を発揮できる点で、重量平均分子量が10万以上300万以下であることが好ましく、重量平均分子量が20万以上200万以下であることがより好ましい。なお、本発明において、重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。

また、本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーにおいて、重合開始点を複数有する開始剤を用いたアニオン重合法である点で、分散(Mw/Mn)が1以上3以下であることができ、1以上2以下であることが好ましい。

1.2.末端変性基 上記一般式(1)中において、R1およびR2として表される1価の有機基としては、例えば、直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基を構成する炭素原子の一部が窒素、硫黄、酸素等で置換されていてもよい。該アルキル基としては、炭素原子数1以上10以下のアルキル基が好ましい。炭素原子数1以上10以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状アルキル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。このうち、R1およびR2は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましい。また、上記一般式(1)中においてR2として表されるハロゲン原子は例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、またはヨウ素原子であり、このうち、塩素原子または臭素原子であることが好ましい。

また、共重合体の末端に含まれる炭素原子数1以上10以下のアルコキシ金属基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の直鎖または分岐状アルキル基を有するアルコキシ基、シクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基を有するシクロアルコキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素原子数6〜8のアリールオキシ基)等のアルコキシ基と、金属(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Si、Ti、またはZn等)とが結合した基(−X−OR(ここで、Xは金属を表し、Rは1価の有機基を表す。)等が挙げられる。このうち、前記アルコキシ金属基としては、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ金属基と、SiまたはTiとが結合した基であることが好ましく、また、前記アルコキシ金属基の炭素原子数は1以上4以下であることが好ましい。

2.多官能末端変性エラストマーの製造方法 本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーの製造方法(以下、単に「製造方法」ともいう。)は、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を調製する工程と、前記開始剤を調製する工程の後、該開始剤の存在下で、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて、共重合体を得る工程と、前記共重合体の末端に、下記一般式(3)で表される化合物または炭素原子数1以上10以下のアルコールを反応させて、重量平均分子量が0.1万以上300万以下の共重合体である多官能末端変性エラストマーを得る工程と、を含む。

本実施形態に係る製造方法では、前記開始剤を用いて、アニオン重合法によって、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させることにより、共重合体を得ることができる。

・・・・(3) (式中、R1、R2、およびXはそれぞれ、上記式(1)におけるR1、R2、およびXと同義であり、aは0以上4以下の整数を表し、bは0以上4以下の整数を表す(ここで、a+bは2以上4以下の整数である。)。)

2.1.開始剤を調製する工程 本実施形態に係る製造方法において、開始剤を調製する工程では、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を調製することにより、多官能性芳香族ビニル化合物に含まれる複数のビニル基に有機アルカリ金属化合物を作用させることができる。

開始剤を調製する工程において、多官能性芳香族ビニル化合物に含まれる複数のビニル基に有機アルカリ金属化合物をより確実に作用させることができる点で、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.8以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましい。

なお、スター状の共重合体を得ることができる点で、開始剤を調製する際に使用する単量体中の多官能性芳香族ビニル化合物の割合は20質量%以上であることが好ましく90質量%以上であることがより好ましい(通常100質量%以下)。

2.1.1.多官能性芳香族ビニル化合物 多官能性芳香族ビニル化合物は例えば、下記式(2)で表される化合物であることができる。

・・・・(2) (式中、R3およびR4は同一または異なり、水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアリール基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又はシリルオキシ基を表す。)

R3およびR4として表されるアルキル基としては、例えば、上記一般式(1)においてR1およびR2として例示した基が挙げられ、R3およびR4として表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基が挙げられ、R3およびR4として表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基を有するシクロアルコキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基)等が挙げられ、R3およびR4としては、例えば、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基が挙げられる。

より具体的には、多官能性芳香族ビニル化合物としては、例えば、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,2−ジイソブテニルベンゼン、1,3−ジイソブテニルベンゼン、1,4−ジイソブテニルベンゼン、1,3−フェニレンビス(1−ビニルベンゼン)、1,4−フェニレンビス(1−ビニルベンゼン)、1,1’−メチレンビス(2−ビニルベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−ビニルベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−ビニルベンゼン)等を挙げることができ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、多官能性芳香族ビニル化合物としては、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン等のジビニルベンゼンの二置換体、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−フェニレンビス(1−ビニルベンゼン)、またはこれらのうち2種以上を含む混合物が好ましく、ジビニルベンゼンの二置換体混合物であることがより好ましい。

2.1.2.有機アルカリ金属化合物 有機アルカリ金属化合物は例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属を含有する有機アルカリ金属化合物が挙げられる。なかでも、有機リチウム化合物が好ましい。

有機リチウム化合物の具体例としては、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム、1,4−ジリチオ−ブテン−2等を挙げることができ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。このうち、多官能性芳香族ビニル化合物との反応性により優れている点で、有機アルカリ金属化合物はn−BuLi、sec−BuLi、またはtert−BuLiであることがより好ましく、n−BuLiであることがさらに好ましい。

2.1.3.温度 開始剤を調製する際の温度は、生産性の観点から0℃以上が好ましく、より好ましくは20℃以上100℃以下の範囲であり、さらに好ましくは30℃以上85℃以下である。

2.2.共重合体を得る工程 本実施形態に係る製造方法は、前記開始剤を調製する工程の後、該開始剤の存在下で、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて、共重合体を得る工程を含む。なお、この共重合体を得る工程は、前記開始剤を調製する工程と連続して同一系内で行うことができる。

2.2.1.共役ジエン化合物 共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。このうち、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、およびイソプレンから選ばれる少なくとも1種またはこれらの組み合わせが好ましい。

2.2.2.単官能性芳香族ビニル化合物 単官能性芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。このうち、スチレンおよび/またはα−メチルスチレンが好ましい。

本実施形態に係る多官能末端変性エラストマーをタイヤ用組成物に配合した際に好適な物性を発揮できる点で、前記共重合において、前記単官能性芳香族ビニル化合物の使用量/前記共役ジエン化合物の使用量が1/9以上9/1以下であることができる。

2.2.3.溶媒 本実施形態に係る製造方法において使用する溶媒としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒が挙げられる。

2.2.4.温度 共重合を行う際の温度は、生産性の観点から0℃以上が好ましく、より好ましくは20℃以上100℃以下の範囲であり、さらに好ましくは30℃以上85℃以下である。

2.3.多官能末端変性エラストマーを得る工程 本実施形態に係る製造方法は、前記共重合体を得る工程にて得られた前記共重合体の末端に、上記一般式(3)で表される化合物または炭素原子数1以上10以下のアルコールを反応させて、重量平均分子量が0.1万以上300万以下の共重合体である多官能末端変性エラストマーを得る工程と、を含む。上記一般式(3)で表される化合物または炭素原子数1以上10以下のアルコールは重合停止剤としても機能することができる。

上記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、金属塩化物(塩化亜鉛、テトラクロロチタン、テトラクロロシラン、塩化アルミニウム(III)、塩化スズ(IV)など)、金属アルコキシド(テトラメトキシチタン、テトラメトキシシラン、トリメトキシアルミニウム、クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、環状シラン化合物(N−tert−ブチル−2,2−ジメトキシアザシラシクロペンタン、N−トリメトキシシリル−2,2−ジメトキシアザシラシクロペンタン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシクロシロキサン)などが挙げられる。

また、炭素原子数1以上10以下のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール等が挙げられ、このうち、該共重合体との反応性がより良好である点で、炭素原子数1以上4以下のアルコールが好ましい。

3.タイヤ用ゴム組成物 本発明の一実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、上記実施形態に係る多官能末端変性エラストマーを含む。本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物中における、上記実施形態に係る多官能末端変性エラストマーの含有量は通常、5質量%以上90質量%以下である。

本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。

中でも、本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、シリカを含有することができる。本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物中におけるシリカの含有量は通常、5質量%以上150質量%以下である。さらに、本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、シランカップリング剤を含有していてもよい。

本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、例えば、空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部、及びカーカス層、ベルト層、ベルトカバー層などのコード用被覆ゴム、ランフラットタイヤにおける断面三日月型のサイド補強ゴム層、リムクッション部等の部材に使用することができ、特に、自動車用空気入りタイヤ用ゴム組成物として好適に使用することができる。

本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、シリカとの親和性に優れた、上記実施形態に係る多官能末端変性エラストマーを含むため、該ゴム組成物がシリカを含有する場合、該組成物中のシリカの分散性が良好である。したがって、該タイヤ用ゴム組成物を用いることにより、転がり抵抗の軽減および湿潤路面での安定性の両立が達成されたタイヤを製造することができる。

以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。

3.合成例 3.1.合成例1ないし6 (合成例1) H末端ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(1)の合成 10Lのオートクレーブ中にシクロヘキサン(関東化学製:4.37kg)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、Aldrich製:0.858g,0.00738mol)、スチレン(関東化学製:300g,2.88mol)およびブタジエン(高千穂化学製:721g,13.3mol)を加えて50℃に加熱した。

一方、重合に用いる開始剤は次のように合成した。シクロヘキサン(13mL)、ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼンの二置換体混合物、和光純薬製:0.674g,0.00518mol)、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(TCI製:0.484g,0.00263mol)およびn−BuLiのヘキサン溶液(関東化学製:1.64mol/L,11mL,0.0180mol)を室温で加え、1時間攪拌した。

次に、この開始剤溶液(15mL)を、モノマーが導入された前記オートクレーブに投入し、50℃で3時間攪拌した。その後、メタノール(関東化学製:10mL)を投入し、重合を停止した。得られたポリマー溶液を取り出し、減圧下で濃縮した。その濃縮溶液をメタノール(6.5kg)に流し込み、メタノール不溶成分を分離した。その結果、末端に水素原子を有する、H末端ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(1)939g,Mn=282000,PDI(多分散性指数:polydispersity index)=1.6)を92%の収率で得た。

共重合体(1)の1H−NMR(CDCl3,20℃),d=7.5−7.0(br),7.0−6.3(br),6.2−6.1(br),5.9−5.8(br),5.8−4.8(br),4.8−4.5(br),3.8−3.6(br),2.7−0.7(br).

(合成例2) 末端Zn含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(2)の合成 10Lのオートクレーブ中にシクロヘキサン(関東化学製:4.39kg)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、Aldrich製:0.858g,0.00738mol)、スチレン(関東化学製:300g,2.88mol)およびブタジエン(高千穂化学製:721g,13.3mol)を加えて50℃に加熱した。

一方、重合に用いる開始剤は以下のとおり合成した。シクロヘキサン(13mL)、ジビニルベンゼン(和光純薬製:0.665g,0.00516mol)、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(TCI製:0.558g,0.00303mol)およびn−BuLiのヘキサン溶液(関東化学製:1.64mol/L,11mL,0.0180mol)を室温で加え、1時間攪拌した。

次に、この開始剤溶液(15mL)を、モノマーが導入された前記オートクレーブに投入し、50℃で3時間攪拌した。その後、塩化亜鉛(関東化学製:3.38g,0.0248mol)のTHF(30mL)溶液を投入し、重合を停止した。得られたポリマー溶液を取り出し、減圧下で濃縮した。その濃縮溶液をメタノール(関東化学製:6.5kg)に流し込み、メタノール不溶成分を分離した。その結果、末端Zn含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(2)960g,Mn=448,000,PDI=1.4)を94%の収率で得た。

共重合体(2)の1H−NMR(CDCl3,20℃),d=7.5−7.0(br),7.0−6.3(br),6.2−6.1(br),5.9−5.8(br),5.8−4.8(br),4.8−4.5(br),3.8−3.6(br),2.7−0.7(br).

(合成例3) 末端Ti含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(3)の合成 10Lのオートクレーブ中にシクロヘキサン(関東化学製:4.37kg)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、Aldrich製:0.858g,0.00738mol)、スチレン(関東化学製:300g,2.88mol)およびブタジエン(高千穂化学製:721g,13.3mol)に加えて50℃に加熱した。

一方、重合に用いる開始剤は次のように合成した。シクロヘキサン(13mL)、ジビニルベンゼン(和光純薬製:0.652g,0.00501mol)、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(TCI製:0.554g,0.00306mol)およびn−BuLiのヘキサン溶液(関東化学製:1.64mol/L,11mL,0.0180mol)を室温で加え、1時間攪拌した。

次に、この開始剤溶液(15mL)を、モノマーが導入された前記オートクレーブに投入し、50℃で3時間攪拌した。その後、テトラメトキシチタン(Aldrich製:3.08g,0.0178mol)のTHF(40mL)溶液を投入し、重合を停止した。得られたポリマー溶液を取り出し、減圧下で濃縮した。その濃縮溶液をメタノール(6.5kg)に流し込み、メタノール不溶成分を分離した。その結果、末端Ti含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(3)950g,Mn=314,000,PDI=1.6)を93%の収率で得た。

共重合体(3)の1H−NMR(CDCl3,20℃),d=7.5−7.0(br),7.0−6.3(br),6.2−6.1(br),5.9−5.8(br),5.8−4.8(br),4.8−4.5(br),3.8−3.6(br),2.7−0.7(br).

(合成例4) 末端Al含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(4)の合成 10Lのオートクレーブ中にシクロヘキサン(関東化学製:4.25kg)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、Aldrich製:0.858g,0.00738mol)、スチレン(関東化学製:300g,2.88mol)およびブタジエン(高千穂化学製:721g,13.3mol)を加えて50℃に加熱した。

一方、重合に用いる開始剤は以下のとおり合成した。シクロヘキサン(13mL)、ジビニルベンゼン(和光純薬製:0.670g,0.00514mol)、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(TCI製:0.567g,0.00308mol)およびn−BuLiのヘキサン溶液(関東化学製:1.64mol/L,11mL,0.0180mol)を室温で加え、1時間攪拌した。

次に、この開始剤溶液(15mL)を、モノマーが導入された前記オートクレーブに投入し、50℃で3時間攪拌した。その後、テトラエトキシアルミ(Aldrich製:3.54g,0.0218mol)のTHF(10mL)混濁液を投入し、重合を停止した。得られたポリマー溶液を取り出し、減圧下で濃縮した。その濃縮溶液をメタノール(6.5kg)に流し込み、メタノール不溶成分を分離した。その結果、末端Al含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(4)952g,Mn=311,000,PDI=1.6)を93%の収率で得た。

共重合体(4)の1H−NMR(CDCl3,20℃),d=7.5−7.0(br),7.0−6.3(br),6.2−6.1(br),5.9−5.8(br),5.8−4.8(br),4.8−4.5(br),3.8−3.6(br),2.7−0.7(br).

(合成例5) 末端Si含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(5)の合成 10Lのオートクレーブ中にシクロヘキサン(関東化学製:4.21kg)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、Aldrich製:0.858g,0.00738mol)、スチレン(関東化学製:300g,2.88mol)およびブタジエン(高千穂化学製:721g,13.3mol)を加えて50℃に加熱した。一方、重合に用いる開始剤は次のように合成した。シクロヘキサン(13mL)、ジビニルベンゼン(0.624g,0.00479mol)、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(0.623g,0.00338mol)およびn−BuLiのヘキサン溶液(関東化学製:1.64mol/L,11mL,0.0180mol)を室温で加え、1時間攪拌した。

次に、この開始剤溶液(15mL)を、モノマーが導入されたオートクレーブに投入し、50℃で3時間攪拌した。その後、クロロプロピルトリメトキシシラン(アクロス製:3.41g,0.0172mol)のTHF(30mL)溶液を投入し、重合を停止した。得られたポリマー溶液を取り出し、減圧下で濃縮した。その濃縮溶液をメタノール(6.5kg)に流し込み、メタノール不溶成分を分離した。その結果、末端Si含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(5)954g,Mn=389,000,PDI=1.4)を93%の収率で得た。

共重合体(5)の1H−NMR(CDCl3,20℃),d=7.5−7.0(br),7.0−6.3(br),6.2−6.1(br),5.9−5.8(br),5.8−4.8(br),4.8−4.5(br),3.8−3.6(br),2.7−0.7(br).

(合成例6) 末端Si−N含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(6)の合成 10Lのオートクレーブ中にシクロヘキサン(関東化学製:4.32kg)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、Aldrich製:0.858g,0.00738mol)、スチレン(関東化学製:300g,2.88mol)およびブタジエン(高千穂化学製:721g,13.3mol)を加えて50℃に加熱した。

一方、重合に用いる開始剤は次のように合成した。シクロヘキサン(13mL)、ジビニルベンゼン(0.659g,0.00506mol)、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(0.554g,0.00301mol)およびn−BuLiのヘキサン溶液(関東化学製:1.64mol/L,11mL,0.0180mol)を室温で加え、1時間攪拌した。

次に、この開始剤溶液(15mL)を、モノマーが導入された前記オートクレーブに投入し、50℃で3時間攪拌した。その後、N−t−ブチル−2,2−ジメトキシアザシラシクロペンタン(ゲレスト製:2.52g,0.0124mol)を投入し、重合を停止した。得られたポリマー溶液を取り出し、減圧下で濃縮した。その濃縮溶液をメタノール(6.5kg)に流し込み、メタノール不溶成分を分離した。その結果、末端Si−N含有基変性ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(6)948g,Mn=379,000,PDI=1.5)を93%の収率で得た。

共重合体(6)の1H−NMR(CDCl3,20℃),d=7.4−7.0(br),7.0−6.4(br),6.2−6.1(br),5.9−5.8(br),5.8−5.0(br),5.0−4.5(br),3.8−3.6(br),2.7−0.7(br).

3.2.測定方法 合成例1ないし6の共重合体についてそれぞれ、以下の方法により各物性を測定した。なお、測定は特に記載しない限り、室温(25℃)にて測定されたものである。

3.2.1.分子量 本実施例において、各ポリマーの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびMw/Mnは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用い、溶媒(テトラヒドロフラン)中40℃で測定を行うことによって見積もられた。ポリマーの各分子量はポリスチレン換算値として計算された。

3.2.2.引張強度 サンプル作製は、JIS K 6250に準拠し、引張強度の測定は、JIS K 6272に準拠して、各ポリマーの引張強度を測定した。なお、表1において、合成例2ないし6で得られた共重合体(2)ないし(6)の引張強度は、合成例1で得られたH末端ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(1)の引張り強度を100とする指数で表す。

3.2.3.引張伸び サンプル作製は、JIS K 6250に準拠し、引張伸びの測定は、JIS K 6272に準拠し、各ポリマーの引張伸びを測定した。なお、表1において、合成例2ないし6で得られた共重合体(2)ないし(6)の引張伸びは、合成例1で得られたH末端ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(1)の引張伸びを100とする指数で表す。

3.2.4.反発弾性 サンプル作製は、JIS K 6250に準拠し、引張伸びの測定は、JIS K 6255に準拠し、各ポリマーの反発弾性を測定した。なお、表1において、合成例2ないし6で得られた共重合体(2)ないし(6)の反発弾性は、合成例1で得られたH末端ポリ(スチレン−ブタジエン)共重合体(1)の反発弾性を100とする指数で表す。

また、表1において、A/Bは、合成例1ないし6で使用された多官能性芳香族ビニル化合物/有機アルカリ金属化合物(モル比)を示す。

表1に示すように、合成例1ないし6のポリマー(多官能末端変性エラストマー)は、共役ジエン化合物と単官能性芳香族ビニル化合物との共重合体である多官能末端変性エラストマーであって、多官能性芳香族ビニル化合物及び有機アルカリ金属化合物を、該多官能性芳香族ビニル化合物/該有機アルカリ金属化合物(モル比)が0.2以上0.9以下で用いて得られる開始剤を用いて、前記共役ジエン化合物と前記単官能性芳香族ビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体を含み、重量平均分子量が0.1万以上300万以下であり、前記共重合体の末端に、下記一般式(1)で表される基、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ金属基、または水素原子を有することにより、シリカとの親和性に優れ、かつ、十分な引張強度および引張伸びを有することが理解できる。

本発明の多官能末端変性エラストマーは、シリカとの親和性に優れているため、タイヤ用ゴム組成物に配合することにより、転がり抵抗の軽減および湿潤路面での安定性の両立が達成されたタイヤを製造することができる。

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