【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は一般に路線トラック用ベッド装置、とくに布製支持マットレスを有する路線トラックの運転室に適した折りたたみ式ベッド装置に関する。 【0002】 【従来の技術】大形路線トラックまたは長距離トラクタ・トレーラは大きい運転室面積を有するように構成され、その中に運転手が就寝しまたは運転停止中くつろぐことができるようにベッドを設置することができる。 運転室はしばしばそのようなベッドに適合するように設計されたが、しかしながら、トラックの運転室は長期間運転手の居室となるので、運転手の持物または他の品物を収容するため運転室内にできるだけ広い収容空間を作り出すことが重要である。 したがって、運転室内にコンパクトにかつ便利に設置することができ、収容空間を拡大するが、なお便利で快適な就寝空間を形成することができるベッド装置を備えることが望ましい。 この点に関して、折りたたみ式ベッドおよびトラック運転室内で使用するのに適したベッドがこの技術分野において周知である。 たとえば、米国特許第4,664,438号は、折りたたまれて別の貯蔵品の邪魔にならない剛性のハネカム就寝面を備えたベッドを開示している。 米国特許第4,659,137号は二本の棒に支持されたカンバスの就寝区域を有する折りたたみ式ベッドを開示している。 棒の一方はカンバス材料が水平な就寝面まで伸長される第1位置、または棒およびカンバス材料が折りたたまれて邪魔にならない第2位置に移動させることができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、容易に理解しうるように、ベッドは使用および収納に便利であるばかりでなく、快適に就寝できなければならず、すなわち、不快であるほど堅すぎてはならずまた十分な支持が得られないほど軟らかくてもいけない。 剛性の就寝面を有する従来技術のベッドは、きわめて堅くその上で就寝するのに快適でないか、または大きいクッションまたはマットレスを必要とし、そのことは収納空間を要しベッドの重量および経費を増加した。 カンバス材料を使用するベッドは一般に快適な睡眠に必要な支持が得られない。 したがって、本発明は、ベッドがフレームとフレームの上に伸長してしっかりした快適な就寝面を形成する半弾性的布から構成される、路線トラック用折りたたみ式ベッドを目指している。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明において、フレームは下降したまたは就寝位置から上昇した収納位置まで旋回し、それにより、出し入れを容易にするとともに物品収容面積を増加することができる。 ベッドが下降した位置にあるとき、半弾性的布は予備付加緊張状態に伸長され、それにより、通常のマットレスなしに就寝面に必要な堅さを生ずる。 旋回フレームは一定量の予備付加をそれが就寝位置にあるとき布に加えるとともにベッドの収納および伸長を容易にしている。 本発明の目的は、運転室内の最少限の空間内に便利に収納され、迅速かつ容易に収納位置から就寝位置にまたその反対に移動可能な、路線トラック用の快適な支持折りたたみ式ベッドを提供することにある。 本発明の別の目的は、緊張した布製マットレスはさらに折りたたみ式ベッドを収納位置に保持し、それによりベッドを収納位置に保持するため別の掛金、ひもまたはガスシリンダを必要としない、路線トラック用の快適な折りたたみ式ベッドを提供することにある。 本発明なお別の目的は、軽量かつ安価なトラック用の快適な支持折りたたみ式ベッドを提供することにある。 本発明のこれらのおよび他の利点および特徴は、 添付図面に基づく下記の記載および特許請求の範囲の記載から、この技術に通じた人々に明らかになるであろう。 【0005】 【実施例】本発明は路線トラック、リクリエーション車両、船舶および航空機のような多数の型の乗物内部に適した折りたたみ式ベッド装置を提供する。 路線トラックの運転室22に適した折りたたみ式ベッド10の実施例が図示されているが、本発明は用途においてそのように限定されるものでないことが理解されるであろう。 折りたたみ式ベッド装置は全体的に、就寝位置に降ろされまた直立収納位置に折りたたみ可能な、フレーム14上に伸長されるマットレス12を有する。 図1を参照すると、フレーム14は後方フレーム部分16および前方折りたたみフレーム部分18を有する。 後方フレーム部分16は運転室22の後方壁24に固定された長い補強材20を有する。 長い補強材20は全体的に運転室の幅全体に延び、両端にそれぞれ前方に延びる構造材26および28を有し、それらは運転室の右側壁30および左側壁32までほぼ運転室後方壁の移行部分に沿っている。 図4にもっともよく示されているように、長い補強材2 0は全体的に溝型または“帽子”型断面を有し、一対のフランジ34および36はほぼ垂直にそれぞれ上下方向に延び、補強材20を運転室22の後方壁24に例えば接合または鋲着によって固定している。 【0006】続いて図4を参照すると、長いブラケット20には運転室22の後方壁24付近の所定位置に布製マットレス12を固定するための保持部材38が固定されている。 保持部材38は全体的に断面箱型で、それぞれ水平および垂直に延びるフランジ40および42は、 ファスナまたは接合により保持部材38を補強材20のそれぞれ上面44および前面46に沿って長い補強材2 0に固定するのに適している。 保持部材38の後方上面48付近には長い溝52が形成されかつ保持部材38の全長に亘って延びる構造材50が設けられている。 溝5 2は、面48に形成された溝55によってその全長に沿い構造材50の上面48に連結された円弧状円筒面54 を有する。 円筒面54は布製マットレス12に縫製されたループ56および円形断面54を通って挿入される保持だぼ58をうけ入れるような大きさにされている。 円形面54、ループ56およびだぼ58の直径は溝55の幅より大きい。 理解しうるように、布製マットレス12 は溝56を通って延び、円筒面54を備えたループ56 およびだぼ58の係合によって溝に保持されている。 【0007】図1を参照すると、前方折たたみフレーム18は全体的に“C”型部材で、それぞれサイドフレーム部材60および62をまた前方フレーム部材64を備えている。 サイド部材60および62は断面箱形で、図6からもっともよく分かるように、それぞれ外方、上方および内方部材66、68および70を有する。 外方および上方部材66および68はそれぞれ取付けフランジ72および74を有する。 取付けフランジ72および7 4はサイド部材60および62から上に延び、それぞれ孔76および78を形成されている。 折りたたみフレーム部材14は上方に延びるヒンジブラケット80に旋回可能に取付けられ、そのヒンジブラケット80はそれに形成された孔76および78および孔84を通って延びるショルダボルト82によって、前方に延びる構造材7 6および78に固定されている。 ショルダボルト82はナット86によってヒンジブラケット80に適当に固定されている。 この構造から分かるように、折りたたみフレーム18が水平位置まで下げられるとき、折りたたみフレームはショルダボルト82の中心軸線“Y”によって画定された旋回軸線に対して“オーバーセンタ”関係になる。 前記のように、布製マットレス12の予備負荷張力および旋回軸線に対する折りたたみフレーム18のオーバーセンタ状態は、折りたたみフレーム18を下降した位置に保持する。 折りたたみフレームをさらに下降位置に保持しかつ折りたたみフレーム18が水平を過ぎてさらに回転することを防止するため、ストライカ88 はサイド部材60に固定され、運転室22の側壁30に固定されたストッパ90に係合する。 さらに運転室側壁30および32には構造材91に固定された下降停止ゴムストップバンパ89が取付けられ、それはまた折りたたみフレーム部材18を下降した位置に保持する。 【0008】前方フレーム部材64は再度部材60および62の間にファスナまたは接合によって固定されている。 図5にもっともよく示されているように、前方フレーム部材64はまた布製マットレスの前方保持器として作用する。 前方フレーム部材64は全体的に断面箱形で、補強リブ92がその上面94とその下面96との間に延びている。 補強リブ92は保持部材38の上面に沿って形成された構造材50と同様の構造材97において下面96と交差している。 すなわち、前方フレーム部材64の長手方向に沿う円筒面100を有する、長い溝9 8が設けられている。 円筒面100は、同様に前方フレーム部材64に形成された溝104によって前方フレーム部材64の外面102に連結されている。 布製マットレス12が保持部材38に保持されているのと同様に、 マットレス12に縫製された布のループ105は溝98 に挿入され、だぼ106により円筒面に保持されている。 図4および5に示された下降就寝位置にあるとき、 折りたたみフレーム18の底側には、前方フレーム部材64に固定されたトリム辺108およびトリム保持器1 10および112ならびに一つが符号114で示された複数のファスナが設置される。 トリム辺108は折りたたみベッド10が直立または収納位置に設置されるとき美的で楽しい表面を備えている。 布12が前方フレーム部材64および保持部材38に付着するのを防止するため、前方フレーム部材64および保持部材38の、それぞれ、後方および前方上面115および116は円くされている。 また図6に示されているように、布製マットレス12をその一つが符号113によって示されたファスナを押込むことによってサイドフレーム部材60および62に固定することができる。 【0009】図7を参照すると、折りたたみフレームに布製マットレス12′を取付ける別の装置を備えた、前方フレーム部材の別の実施例が示されている。 ダッシュ付き参照符号は第1実施例と同じ要素を区別するため使用される。 図7において、前方フレーム部材120はその上面122に長溝124を形成されている。 長溝は溝128によって外面122に連結された全体的に“D” 型の底部126を備えている。 溝128が“D”型底部と交差するところには、段130が設けられている。 布の折曲げ部132は溝128に挿入され、保持ロック1 34によって溝128の一つの面に押付けられている。 保持ロック134はその下端部に“D”型底部126の段130に係合するかぎ部分136を備えている。 保持ロック134は保持部材138によって折りたたみ部1 32に押付けられ、その保持部材138は溝128の反対側の面および保持ロック134に接触、係合し、それにより折曲げ部132は溝128の面に押付けられ、前方フレーム部材120に対して保持される。 布製マットレス12′を後方保持部材に保持するため同様の装置を使用しうることが分かるであろう。 【0010】図2を参照すると折りたたみ式ベッド10 が直立または収納状態で示されている。 この位置において、布製マットレス12は前方フレーム部材64から緩くまたは弛んで自由に係止されている。 その収納位置からその就寝位置に折りたたみ式ベッド10を下降させるとき、布製マットレス12の弛みは折りたたみ式ベッド10が図3に示された位置に達するまで徐々に解消され、折りたたみ式ベッド10は半開位置になり、布製マットレス12はそのとき緊張される。 折りたたみ式ベッド10のそれ以上の下降は、布製マットレス12を折りたたみベッド10がその完全に下降したまたは水平位置に達するまで弾性的に伸長させる。 前記のように、折りたたみフレーム部材18はフレーム部材16に、その完全に下降したまたは水平位置においてオーバーセンター状態になるように、旋回可能に取付けられている。 しかして、布製マットレス12の緊張は、ストライカ88がストッパ90に接触して折りたたみ式ベッド10をその最低位置に保持するように作用する。 布製マットレス1 2における予備負荷張力は、就寝面を強固にするが、布製マットレス12はさらに伸長可能であるため、就寝面は堅くなくまた不快でもない。 好ましい実施例において、布製マットレス12はダイメトロール(Dymet rol)材料から作られ、非伸長状態から約5%伸長される。 折りたたみベッド10が収納位置にあるとき、緩まないようにするため布製マットレス12に少し緊張させることは有利である。 布製マットレス12の緊張は折りたたみフレーム部材18を直立位置に持上げるのを助け、またさらに掛金、ひもまたはガスシリンダを使用しないで折りたたみフレーム部材18を直立位置に保持するように作用する。 【0011】図8を参照すると、本発明の別の実施例が示されている。 図8に示された折りたたみ式ベッド1 0″の構造は前記実施例に示されたものと大部分同じであり、二重ダッシュ付き参照符号は、第1実施例と同じ要素を示すために使用されている。図8に示された実施例では、後方フレーム部材140および前記のように後方フレーム部材140に旋回可能に取付けられた折りたたみフレーム部材18″が設けられている。 後方フレーム部材は保持部材38と同様の横方向部材142を有し、その中に布製マットレス12″を前記のように固定することができる。横方向部材142は両端にヒンジブラケット144を固定され、ヒンジブラケット144は後方フレーム部材140に折りたたみフレーム部材1 8″を旋回可能に取付けるため設けられている。後方フレーム部材はファスナまたは接合によってトラック運転室22″の側壁30″および32″に適当に取付けられる。 折りたたみベッド10″は前記実施例について記載したのと同じように作用する。記載された本発明の好ましい実施例は上記利点および特徴を有することがよく理解されるけれども、本発明は、特許請求の範囲の適切な範囲および正当な意味から離れることなく、変更および変形の余地があることが認められるであろう。 【0012】 【発明の効果】本発明は、半弾性布製でマットレス、および前記布製マットレスを第1の伸長しない位置から第2のほぼ水平に伸長した位置まで伸長する装置を有するため、フレームは下降したまたは就寝位置から上昇した収納位置まで旋回し、それにより、出し入れを容易にするとともに運転室内の物品収容面積を増加することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】下降したまたは就寝位置における、本発明の折りたたみ式ベッドの平面図。 【図2】ベッドが上昇したまたは収納位置にある、本発明の折りたたみ式ベッドの側面図。 【図3】布マットレスを詳細に示す、ベッドが部分的に下降した位置にある図2と同様の図。 【図4】運転室後部への布製マトリックスの取付けを示す、図1の4−4線に沿う断面図。 【図5】折りたたみフレーム前方への布製マトリックスの取付けを示す、図1の線5−5に沿う断面図。 【図6】折りたたみフレームへの旋回装置を示す、図4 の6−6線に沿う断面図。 【図7】折りたたみフレームへの布製マトリックスの取付けの別の実施例を示す、図5と同様の図。 【図8】折りたたみ式ベッドの別の実施例を示す、図1 と同様の図。 【符号の説明】 10 折りたたみ式ベッド 12 マットレス 14 フレーム 16 後方フレーム部分 18 前方折りたたみ式フレーム部分 20 補強材 22 運転室 24 後方壁 26 構造材 28 構造材 38 保持部材 52 溝 56 ループ 58 だぼ 60 サイド(フレーム)部材 62 サイド(フレーム)部材 64 前方フレーム部材 66 外方部材 68 上方部材 70 内方部材 72 取付けフランジ 80 ヒンジブラケット 82 ショルダボルト 88 ストライカ 89 ストップバンパ 90 ストッパ 91 構造材 98 溝 105 ループ 106 だぼ 108 トリム片 110 トリム保持器 112 トリム保持器 113 ファスナ 120 前方フレーム部材 124 溝 130 段 132 折曲げ部 134 保持ロック 136 かぎ部分 138 保持部材 140 後方フレーム部材 142 横方向部材 144 ヒンジブラケット |