照明組成物、当該照明組成物を含む照明弾および関連する方法

申请号 JP2015054336 申请日 2015-03-18 公开(公告)号 JP2015178450A 公开(公告)日 2015-10-08
申请人 オーバイタル・エイティーケイ・インコーポレイテッド; 发明人 ダニエル・ビー・ニールソン; ロイス・シー・デューク; カーティス・ダブリュー・フィールディング;
摘要 【課題】従来の近赤外線(NIR)放射照明組成物を用いる場合に遭遇する望ましくない性質(例えば、低いNIRの発生、過剰な可視光の発生、低い燃焼速度、不均一な燃焼など)のうちの少なくとも一つを軽減し、その際に、そのような照明組成物の他の望ましくない性質のうちの少なくとも一つのものを著しく低下させることのない照明組成物の提供。 【解決手段】少なくとも一つの 酸化 剤、 燃料 と結合剤のうちの少なくとも一つ、及び少なくとも一つの燃焼速度調節剤を含む照明組成物。少なくとも一つの酸化剤はカリウム含有酸化剤とルビジウム含有酸化剤から選択され、少なくとも一つの酸化剤は照明組成物の中に約50〜約70wt%までの量で存在し、そしてそれぞれが独立して約25〜約325μmまでの範囲内の大きさを有する粒子を含む。追加の照明組成物、照明弾、及び標的を照らす方法。 【選択図】なし
权利要求

照明組成物であって、 当該照明組成物の中に約50重量パーセントから約70重量パーセントまでの量で存在し、そしてそれぞれが独立して約25μmから約325μmまでの範囲内の大きさを有する粒子を含む、カリウム含有酸化剤とルビジウム含有酸化剤からなる群から選択される少なくとも一つの酸化剤; 燃料と結合剤のうちの少なくとも一つ;および 少なくとも一つの燃焼速度調節剤; を含む前記照明組成物。少なくとも一つの酸化剤は: それぞれが独立して約275μmから約325μmまでの範囲内の粒径を有する大きい方の粒子;および それぞれが独立して約25μmから約35μmまでの範囲内の粒径を有する小さい方の粒子 を含み、 大きい方の粒子は約35wt%から約55wt%までの量で照明組成物の中に存在し、 小さい方の粒子は約15wt%から約30wt%までの量で照明組成物の中に存在する、請求項1に記載の照明組成物。大きい方の粒子と小さい方の粒子は互いに異なる酸化剤を含む、請求項2に記載の照明組成物。少なくとも一つの酸化剤の粒子は実質的に互いに同じ大きさのものである、請求項1に記載の照明組成物。少なくとも一つの酸化剤はKNO3である、請求項1に記載の照明組成物。少なくとも一つのセシウム含有酸化剤をさらに含む、請求項1に記載の照明組成物。セシウム含有酸化剤は約5wt%以下の量で照明組成物の中に存在する、請求項6に記載の照明組成物。セシウム含有酸化剤は、それぞれが独立して約40μmから約65μmまでの範囲内の大きさを有するCsNO3の粒子を含む、請求項7に記載の照明組成物。燃料と結合剤のうちの少なくとも一つは照明組成物の中に約4wt%から約20wt%までの量で存在する元素状ケイ素の粒子を含み、この元素状ケイ素の粒子はそれぞれが独立して約5μmから約15μmまでの範囲内の大きさを有する、請求項1に記載の照明組成物。燃料と結合剤のうちの少なくとも一つは燃料と結合剤を含み、燃料は照明組成物の中に約4wt%から約20wt%までの量で存在し、そして結合剤は照明組成物の中に約1wt%から約50wt%までの量で存在する、請求項1に記載の照明組成物。少なくとも一つの燃焼速度調節剤は非晶質のホウ素及び大きな表面積の金属酸化物からなる群から選択される、請求項1に記載の照明組成物。少なくとも一つの燃焼速度調節剤は大きな表面積の酸化鉄及び大きな表面積の酸化アルミニウムのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の照明組成物。少なくとも一つの燃焼速度調節剤は非晶質のホウ素と大きな表面積の酸化鉄とを含み、非晶質のホウ素は照明組成物の中に約2wt%から約5wt%までの量で存在し、そして大きな表面積の酸化鉄は照明組成物の中に約0.5wt%から約1wt%までの量で存在する、請求項1に記載の照明組成物。照明組成物であって、 カリウム含有酸化剤、ルビジウム含有酸化剤およびセシウム含有酸化剤からなる群から選択される少なくとも一つの酸化剤; 燃料と結合剤のうちの少なくとも一つ;および 約90m2/g以上の比表面積を示す少なくとも一つの金属酸化物; を含む前記照明組成物。少なくとも一つの酸化剤はCsNO3、CsClO3、CsClO4、Cs2O2、KNO3、KClO3、KClO4、K2O2、RbNO3、RbClO3、RbClO4およびRb2O2のうちの少なくとも一つを含む、請求項14に記載の照明組成物。少なくとも一つの酸化剤はKNO3とCsNO3を含み、KNO3は照明組成物の中に約50wt%から約70wt%までの量で存在し、そしてCsNO3は照明組成物の中に約5wt%以下の量で存在する、請求項14に記載の照明組成物。少なくとも一つの金属酸化物は酸化鉄と酸化アルミニウムのうちの少なくとも一つを含む、請求項14に記載の照明組成物。少なくとも一つの金属酸化物は約93m2/g以上の比表面積を示す酸化鉄を含む、請求項14に記載の照明組成物。少なくとも一つの金属酸化物は照明組成物の中に約0.25wt%以下の量で存在する酸化鉄を含む、請求項14に記載の照明組成物。約85wt%の非晶質ホウ素から約100wt%までの非晶質ホウ素を含むホウ素物質をさらに含み、その非晶質ホウ素は照明組成物の中に約0.5wt%から約10wt%までの量で存在する、請求項14に記載の照明組成物。ケーシングとこのケーシングの中に含まれる照明組成物を含む照明弾であって、 当該照明組成物は、 それぞれが独立して約25μmから約325μmまでの範囲内の大きさを有する粒子を含む、カリウム含有酸化剤、ルビジウム含有酸化剤およびセシウム含有酸化剤からなる群から選択される少なくとも一つの酸化剤; 燃料と結合剤のうちの少なくとも一つ;および ホウ素と大きな表面積の金属酸化物からなる群から選択される少なくとも一つの燃焼速度調節剤; を含む、前記照明弾。少なくとも一つの酸化剤はカリウム含有酸化剤を含み、このカリウム含有酸化剤は照明組成物の中に約45wt%から約65wt%までの量で存在する、請求項21に記載の照明弾。少なくとも一つの酸化剤はセシウム含有酸化剤をさらに含み、このセシウム含有酸化剤は照明組成物の中に約1wt%から約5wt%までの量で存在する、請求項22に記載の照明弾。少なくとも一つの燃焼速度調節剤は大きな表面積の金属酸化物を含み、この大きな表面積の金属酸化物は照明組成物の中に約0.25wt%から約2.0wt%までの量で存在する、請求項21に記載の照明弾。燃料と結合剤のうちの少なくとも一つは元素状ケイ素を含み、少なくとも一つの酸化剤に対する元素状ケイ素の比率は約1.4から約2.0までの範囲内である、請求項21に記載の照明弾。標的を照らす方法であって、 ケーシングとこのケーシングの中に含まれる照明組成物を含む照明弾を配備する工程、および 照明組成物を燃焼させて近赤外放射線を生成する工程を含み: 当該照明組成物は、 それぞれが独立して約25μmから約325μmまでの範囲内の大きさを有する粒子を含む、カリウム含有酸化剤、ルビジウム含有酸化剤およびセシウム含有酸化剤からなる群から選択される少なくとも一つの酸化剤; 燃料と結合剤のうちの少なくとも一つ;および ホウ素と大きな表面積の金属酸化物からなる群から選択される少なくとも一つの燃焼速度調節剤 を含む前記方法。

说明书全文

優先権の主張 本出願は「照明組成物、当該照明組成物を含む照明弾および関連する方法」と題する米国特許出願14/218547号(2014年3月18日提出)の出願日の利益について権利主張する。

本開示は、概して言えば、照明弾において用いるのに適した組成物およびこの組成物を用いる方法に関する。特に本開示は、組成物が燃焼する際に近赤外線(NIR)放射線を発生させるために配合される照明組成物、関連する照明弾および標的を照らす方法に関する。

照明弾は、爆発することなく、あるいは爆発を生起させることなく電磁放射スペクトルの可視領域(すなわち、光)、赤外線(IR)領域(すなわち、熱)またはこれら両者の波長において強烈な電磁放射線を放射するように設計されて構成された花火装置である。一般に、照明弾は民間の用途および軍事用途において信号、照明および防御的対抗手段のために用いられてきた。そのような用途において、照明弾は典型的に、敵の兵員および/または車両が存在すると予想される陸の領域またはの領域の上へ発射される。照明弾によってもたらされる照明は敵の兵員および/または車両の視覚的な発見を容易にし、砲のねらいをつけるべき標的の位置のより正確な確認を与える。照明弾によって得られる照明効果は一般に、照明弾の降下速度を遅くすることによって飛行時間を長くするものであるパラシュートを照明弾に備え付けることによって高められる。パラシュートを配備することによって、照明弾のケーシングの中に収容される点火器を作動させるためのを与えることもできる。

照明弾の一つの一般的なタイプはNIR照明弾である。本明細書において、「NIR照明弾」という用語は、標的(例えば、戦場)を照らすことを容易にする一次NIR(すなわち、0.700マイクロメートルから0.900マイクロメートルまでの波長における放射)の出力を有する照明弾であって、そのような出力を有することによってNIRスペクトルにおける放射を見るために構成されて操作される装置(例えば、NIR高感度暗視ゴーグルのようなNIR可視装置)を用いて標的を視認することを可能にする照明弾を意味し、またそのような照明弾を含む。NIR照明弾はかなりの量のNIR放射線を発生させ、その一方で可視光放射線の発生を制限し、それにより標的の比較的隠された照明を容易にする。しかし、そのようなNIR照明弾において用いるための適切なNIR放射性の照明組成物の開発においては、多くの問題に遭遇してきた。例えば、従来の照明組成物は、燃焼する間の一つ以上の不十分なNIR放射線の発生、燃焼する間の過剰な可視光放射線の発生(例えば、発生する可視光放射線に対して発生するNIR放射線の比率が非常に低いこと)、不十分な(例えば、低い)燃焼速度、不均一な燃焼、NIR照明弾を使用する間の照明組成物の望ましくない分裂(これは「チャンキング」としても知られている)、燃焼する間の過剰な灰(例えば、すす)の形成、有害な環境への影響、非常に低い耐老化性、および過大な製造コストを発現する。これらの性質のうちの一つを改善すると、他の性質のうちの少なくとも一つのものの低下をしばしば招く。

従来のNIR放射照明組成物を用いる場合に遭遇する望ましくない性質(例えば、低いNIR放射線の発生、過剰な可視光放射線の発生、低い燃焼速度、不均一な燃焼、望ましくない分裂、過剰な灰の形成、有害な環境への影響、非常に低い耐老化性、過大な製造コストなど)のうちの少なくとも一つを軽減し、その際に、そのような照明組成物の他の望ましくない性質のうちの少なくとも一つのものを著しく低下させることのない照明組成物を製造することが望まれている。

本明細書に記載する態様は、照明組成物、照明弾、および標的を照らす方法を含む。

例えば、本明細書に記載する一つの態様によれば、照明組成物は少なくとも一つの酸化剤、燃料と結合剤のうちの少なくとも一つ、および少なくとも一つの燃焼速度調節剤を含む。少なくとも一つの酸化剤はカリウム含有酸化剤とルビジウム含有酸化剤からなる群から選択され、少なくとも一つの酸化剤は照明組成物の中に約50wt%から約70wt%までの量で存在し、そしてそれぞれが独立して約25μmから約325μmまでの範囲内の大きさを有する粒子を含む。

追加の態様において、照明組成物は少なくとも一つの酸化剤、燃料と結合剤のうちの少なくとも一つ、および少なくとも一つの金属酸化物を含む。少なくとも一つの酸化剤は、カリウム含有酸化剤、ルビジウム含有酸化剤およびセシウム含有酸化剤からなる群から選択される。少なくとも一つの金属酸化物は約90m2/g以上の比表面積を示す。

さらなる態様において、照明弾はケーシングとこのケーシングの中に含まれる照明組成物を含む。照明組成物は少なくとも一つの酸化剤、燃料と結合剤のうちの少なくとも一つ、および少なくとも一つの燃焼速度調節剤を含む。少なくとも一つの酸化剤はカリウム含有酸化剤、ルビジウム含有酸化剤およびセシウム含有酸化剤からなる群から選択され、そしてそれぞれが独立して約25μmから約325μmまでの範囲内の大きさを有する粒子を含む。少なくとも一つの燃焼速度調節剤は、ホウ素と大きな表面積の金属酸化物からなる群から選択される。

さらなる態様において、標的を照らす方法は、ケーシングとこのケーシングの中に含まれる照明組成物を含む照明弾を配備することを含む。照明組成物は少なくとも一つの酸化剤、燃料と結合剤のうちの少なくとも一つ、および少なくとも一つの燃焼速度調節剤を含む。少なくとも一つの酸化剤はカリウム含有酸化剤、ルビジウム含有酸化剤およびセシウム含有酸化剤からなる群から選択され、そしてそれぞれが独立して約25μmから約325μmまでの範囲内の大きさを有する粒子を含む。少なくとも一つの燃焼速度調節剤は、ホウ素と大きな表面積の金属酸化物からなる群から選択される。照明組成物が燃焼して近赤外放射線を生成する。

図1は本開示の態様に従う照明組成物から形成されたキャンドルを含む照明弾の断面図である。

照明組成物が開示され、また関連する照明弾および標的を照らす方法が開示される。照明組成物はNIR照明弾の閃光組成物として用いることができる。以下でさらに詳しく説明するように、本開示の照明組成物は、少なくとも一つの酸化剤、および燃料と結合剤のうちの少なくとも一つを含む。照明組成物は少なくとも一つの添加剤、例えば少なくとも一つの燃焼速度調節剤を含んでいてもよい。照明組成物の構成要素(例えば、成分)は、発火して燃焼すると、NIR放射線の生成を促進し、その一方で可視光放射線の生成を制限する。本開示の照明組成物は、従来の照明組成物を含む従来の照明弾と比較して、より少ない重量、改善された(例えば、速い)燃焼速度、より清浄な燃焼(例えば、灰またはすすの形成が少ないこと)、燃焼する間の増大したNIR放射線強度、および燃焼する間の低い可視光放射線強度のうちの少なくとも一つを示すだろう。

本明細書において用いるとき、文脈においてそうでないことが明確に示されていない限り、単数形の語句は複数形の語句も含むことが意図されている。

本明細書において用いるとき、「第一の」、「第二の」、「上方に」、「下方に」、「上に」、「下にある」、「より上に」、「より下に」などといった何らかの相関的な用語は、明瞭さのために用いられるか、また開示されていることと添付図面を理解する便宜のために用いられるのであり、文脈においてそうでないことが明確に示されている場合を除いて、何らかの特定の優先物、方向または順序を含んでいないか、あるいはそれらを拠りどころとはしていない。

本明細書において用いるとき、所定のパラメーター、性質または条件に関しての「実質的に」という用語は、それらの所定のパラメーター、性質または条件が小さな程度の相違を満足すること(例えば、許容できる製造許容差の範囲内であること)を当業者が理解する程度を意味し、またそのような程度を含む。例として、実質的に満足する特定のパラメーター、性質または条件によっては、それらのパラメーター、性質または条件は少なくとも90.0%を満足し、少なくとも95.0%を満足し、少なくとも99.0%を満足し、あるいは少なくとも99.9%を満足するだろう。

本明細書において用いるとき、「構成している」、「含む」、「によって特徴づけられる」という用語およびそれらと文法上同等なことは、包括的な用語または制限のない用語であって、追加の要素、言及していない要素または方法上の行為を排除せず、またより限定的な用語である「から成る」や「本質的に・・・から成る」およびそれらと文法上同等なことを含む。本明細書において用いるとき、材料、構造、特徴または方法上の行為に関しての「であってもよい」という用語は、それらが本開示の態様の実施において用いられると考えられることを示し、またそれらの用語は、他の適合する材料、構造、特徴およびそれらと組み合わせて用いることができる方法が排除されるべきであるという意味合いであることが避けられるように、もっと限定的な用語の「である」よりも優先して用いられる。

本開示の照明組成物は、酸化剤および燃料と結合剤のうちの少なくとも一つで形成され、そしてそれらを含みうる。場合により、照明組成物は少なくとも一つの添加剤(例えば、燃焼速度調節剤、熱を発生させる物質、硬化剤などのうちの少なくとも一つ)を含んでいてもよい。照明組成物は開示された構成要素を含むか、本質的にそれらの要素から成るか、あるいはそれらの要素から成っていてもよい。

酸化剤は照明組成物の少なくとも一つの他の成分(例えば、燃料、結合剤、燃焼速度調節剤など)の発火と燃焼に寄与し、また燃焼する間のNIR放射線の生成にも寄与する酸素含有物質であってよい。酸化剤はNIRスペクトルにおける放射線の生成を促進し、その一方で可視光スペクトルにおける放射線の生成を制限するだろう。例えば、酸化剤は酸素を含むカリウム(K)、ルビジウム(Rb)および/またはセシウム(Cs)の塩を少なくとも一つ含んでいてもよい。非限定的な例として、酸化剤は硝酸カリウム(KNO3)、塩素酸カリウム(KClO3)、過塩素酸カリウム(KClO4)、過酸化カリウム(K2O2)、硝酸ルビジウム(RbNO3)、塩素酸ルビジウム(RbClO3)、過塩素酸ルビジウム(RbClO4)、過酸化ルビジウム(Rb2O2)、硝酸セシウム(CsNO3)、塩素酸セシウム(CsClO3)、過塩素酸セシウム(CsClO4)、および過酸化セシウム(Cs2O2)のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。照明組成物の中に存在する酸化剤の量は、照明組成物の他の成分、所望の放射性能、および照明組成物を望ましい形態(例えば、形状、密度など)に成形する所望の方法(例えば、注入成形、圧縮など)に基づいて選択してもよい。非限定的な例として、酸化剤は照明組成物の中に重量で約40%(wt%)から約85wt%までの量、例えば約50wt%から約70wt%までの量で存在していてもよい。幾つかの態様において、KNO3は照明組成物の中に約55wt%から約70wt%までの量で存在する。

低温伝導(例えば、冷たい風の条件下)における高い性能を求めて照明組成物が配合される態様のように、照明組成物の中にCs含有酸化剤が存在する場合、照明組成物は約10wt%以下のCs含有酸化剤(例えば、CsNO3、CsClO3、CsClO4、Cs2O2など)を含んでいてもよく、例えば、約5wt%以下のCs含有酸化剤、約2wt%以下のCs含有酸化剤、約1wt%以下のCs含有酸化剤、または約0wt%のCs含有酸化剤を含んでいてもよい。幾つかの態様において、照明組成物は約1wt%から約5wt%までのCs含有酸化剤を含む。K含有酸化剤(例えば、KNO3、KClO3、KClO4、K2O2など)とRb含有酸化剤(例えば、RbNO3、RbClO3、RbClO4、Rb2O2など)のうちの少なくとも一つが約30wt%から約85wt%までの量で照明組成物の中に存在していてもよく、例えば、約40wt%から約70wt%まで、または約50wt%から約70wt%までの量で存在していてもよい。非限定的な例として、照明組成物は約5wt%以下のCsNO3および約45wt%から約65wt%までのKNO3を含んでいてもよい。幾つかの態様において、照明組成物は約59wt%から約64wt%までのKNO3と約0wt%から約5wt%までのCsNO3を含む。照明組成物の中でK含有酸化剤を用いると、多量のCs含有酸化剤を有する従来の照明組成物を含む従来の照明弾よりも、照明弾の重量、コストおよび灰の形成(例えば、すすの形成)が減少させることができる。さらなる態様において、照明組成物の他の成分(例えば、燃料、結合剤、燃焼速度調節剤など)および照明組成物の所望の特性(例えば、重量、燃焼速度、NIR放射線強度など)に応じて、本開示の照明組成物は約10wt%よりも多くのCs含有酸化剤を含んでいてもよい。

酸化剤は照明組成物の中に多数の粒子として存在していてもよい。酸化剤は単峰性の粒径分布を有していてもよく、あるいは多峰性(例えば、バイモード(二峰性)、トリモード(三峰性)など)の粒径分布を有していてもよい。例えば、酸化剤は大きな粒子と小さな粒子を含む多峰性の粒径分布を有していてもよい。酸化剤の大きい方の粒子は、それぞれが独立して約275マイクロメートル(μm)から約325μmまでの範囲内の粒径を有し、そして約35wt%から約55wt%までの量で照明組成物の中に存在していてもよい。大きい方の粒子は単分散系をなしていてもよく、この場合、大きな粒子の全てが実質的に同じ大きさになっている。あるいは大きい方の粒子は多分散系をなしていてもよく、この場合、大きな粒子はある範囲の大きさを有し、そして平均化されている。酸化剤の小さい方の粒子は、それぞれが独立して約25μmから約65μmまで(例えば、約25μmから約35μmまで、および/または、約40μmから約65μmまで)の範囲内の粒径を有し、そして約15wt%から約30wt%までの量で照明組成物の中に存在していてもよい。小さい方の粒子は単分散系をなしていてもよく、この場合、小さな粒子の全てが実質的に同じ大きさになっている。あるいは小さい方の粒子は多分散系をなしていてもよく、この場合、小さな粒子はある範囲の大きさを有し、そして平均化される。幾つかの態様において、照明組成物は約44wt%の大きな粒子の酸化剤と約20wt%の小さな粒子の酸化剤を含む。例えば、照明組成物は、それぞれが独立して約275μmから約325μmまでの範囲内の大きさを有する約44wt%のKNO3の粒子とそれぞれが独立して約25μmから約35μmまでの範囲内の大きさを有する約20wt%のKNO3の粒子を含んでいてもよい。大きな粒子と小さな粒子は互いに同じ物質で形成されているか、あるいは同じ物質を含んでいてもよく(例えば、大きな粒子と小さな粒子は両方ともK含有酸化剤、Rb含有酸化剤およびCs含有酸化剤のうちの少なくとも一つで形成されているか、あるいは少なくとも一つを含んでいてもよい)、あるいは大きな粒子と小さな粒子は互いに異なる物質で形成されているか、あるいは異なる物質を含んでいてもよい(例えば、大きな粒子はK含有酸化剤、Rb含有酸化剤およびCs含有酸化剤のうちの少なくとも一つで形成されているか、あるいは少なくとも一つを含み、そして小さな粒子はK含有酸化剤、Rb含有酸化剤およびCs含有酸化剤のうちの少なくとも一つの別の酸化剤で形成されているか、あるいは少なくとも一つの別の酸化剤を含んでいてもよい)。非限定的な例として、少なくとも低温伝導における高い性能を求めて照明組成物が配合される態様においては、その照明組成物は、大きな粒子のK含有酸化剤と小さな粒子のK含有酸化剤のうちの少なくとも一つに加えて、大きな粒子のCs含有酸化剤と小さな粒子のCs含有酸化剤のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。例えば、照明組成物は、それぞれが独立して約275μmから約325μmまでの範囲内の大きさを有する約40wt%から約45wt%までのKNO3の粒子とそれぞれが独立して約25μmから約35μmまでの範囲内の大きさを有する約15wt%から約20wt%までのKNO3の粒子、およびそれぞれが独立して約40μmから約65μmまでの範囲内の大きさを有する約1wt%から約5wt%までのCsNO3の粒子を含んでいてもよい。さらなる態様において、酸化剤は、それぞれが約25μmから約325μmまでの範囲にある実質的に同じ粒径を有する粒子を含む単峰性の粒径分布を有していてもよい。

燃料は、NIR放射線の発生を促進し、その一方で可視光放射線の発生を制限する何らかの可燃物質を含んでいてもよい。例えば、燃料は、燃焼したときに比較的少ない量のすす(例えば、灰)を生成し、また発生する可視光放射線の量を低減する物質であってもよい。燃料は照明組成物の他の成分(例えば、酸化剤、結合剤など)に基づいて選択してもよい。適当な燃料の非限定的な例としては、元素状ケイ素(Si)、ホウ素(B)、窒素含有物質(例えば、3〜6員の複素環とその環の中に1個の窒素または酸素原子ないしは4個の窒素または酸素原子を含む窒素含有化合物(例えば、テトラゾール、トリアゾール、トリアジン、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、ピロリン、ピロリニデン、ピリジンおよび/またはピリミジン);このような窒素含有化合物のアルカリ金属塩(例えば、このような窒素含有化合物のK塩、Rb塩および/またはCs塩);架橋多環式アミン(例えば、ジシアニジアミド、シアノニトリアミド、ヒドロジェンシアニドおよび/またはジシアナミド);ニトラミン;ニトロセルロース;ニトログアニジン;またはこれらの組み合わせ)、尿素、グアニジン、アゾジカルボナミド、1個の炭素原子ないしは8個の炭素原子を含む短鎖アルキル、またはこれらの組み合わせがある。幾つかの態様において、燃料は元素状Siである。さらなる態様において、燃料は燃料と結合剤の両方として機能してもよい。照明組成物の中に存在する燃料の量は、照明組成物の他の成分、所望の放射性能、および照明組成物を望ましい形態(例えば、形状、密度など)に成形する所望の方法に基づいて選択してもよい。非限定的な例として、燃料は照明組成物の中に約0wt%から約20wt%までの量、例えば約4wt%から約20wt%までの量、または約8wt%から約10wt%までの量で存在していてもよい。幾つかの態様において、元素状Siは照明組成物の中に約8wt%から約13wt%までの量で存在する。

燃料は照明組成物の中に多数の粒子として存在していてもよい。燃料は単峰性の粒径分布を有していてもよく、あるいは多峰性(例えば、バイモード(二峰性)、トリモード(三峰性)など)の粒径分布を有していてもよい。非限定的な例として、燃料の粒子は、それぞれ独立して約0.5μmから約15μmまでの範囲内の粒径を有していてもよい。幾つかの態様において、燃料の粒子は、それぞれ独立して約0.5μmから約2μmまで(例えば、約1μmから約2μmまで)の範囲内の粒径を有する。さらなる態様において、燃料の粒子は、それぞれ独立して約5μmから約15μmまで(例えば、約7μmから約11μmまで)の範囲内の粒径を有する。燃料の粒子は単分散系をなしていてもよく、この場合、粒子の全てが実質的に同じ大きさになっている。あるいは粒子は多分散系をなしていてもよく、この場合、粒子はある範囲の大きさを有し、そして平均化される。

照明組成物は燃料と酸化剤を約2.5以下の燃料:酸化剤の比率で含んでいてもよく、例えば、約1.4から約2.0までの範囲の比率、または約1.6から約1.8までの範囲の比率で含む。燃料:酸化剤の比率は、照明組成物の所望の放射性能に基づいて選択してもよい。

結合剤は、NIR放射線の発生を促進し、その一方で可視光放射線の発生を制限する任意のエネルギー結合剤または非エネルギー結合剤であってよい。例えば、結合剤は、燃焼したときに比較的少ない量のすす(例えば、灰)を生成し、また発生する可視光放射線の量を低減する物質を含んでいてもよい。結合剤は照明組成物の他の成分(例えば、酸化剤、燃料など)に基づいて選択してもよい。適当なエネルギー結合剤の非限定的な例としては、ポリ(3-アジドメチル-3-メチルオキセタン)(ポリ-AMMO)、ポリ(ビス(3,3-アジドメチル)オキセタン)(ポリ-BAMO)、ポリ(3-ニトラトメチル-3-メチルオキセタン)(ポリ-NIMMO)、ポリ-(BAMO) とポリ-AMMOのランダムコポリマー、グリシジルアジドポリマー(GAP)、ポリグリシジルニトレート(PGN)、ポリ(ニトラミノメチル)-メチルオキセタン(ポリ-NAMMO)、コポリ- BAMMO/NAMMO、コポリ- BAMMO/AMMO、ニトロセルロース、ニトログリセリン、その他のニトレートエステル、またはこれらの組み合わせがある。適当な非高エネルギー結合剤の非限定的な例としては、シリコーン、コハク酸トリエチレングリコール、アラビアガム、トラガカントガム、キサンタンガム、ガムテレピン油、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、スチレン-ブタジエン、エポキシ樹脂、イソブチレンゴム、またはこれらの組み合わせがある。幾つかの態様において、結合剤はカルボキシを末端とするコハク酸トリエチレングリコールであり、例えば、Chemtura Corp.(ケムチュラ社(コネチカット州、ミドルベリー))から市販されているWitco 1780である。さらなる態様において、結合剤は結合剤と燃料の両方として機能してもよい。照明組成物の中に存在する結合剤の量は、照明組成物の他の成分、所望の放射性能、および照明組成物を望ましい形態(例えば、形状、密度など)に成形する所望の方法に基づいて選択してもよい。例えば、結合剤は照明組成物の中に約0wt%から約50wt%までの量、例えば約1wt%から約50wt%までの量で存在していてもよい。例えば、照明組成物を所望の形状に加圧することが望ましい場合、結合剤は照明組成物の中に約1wt%から約10wt%までの量で存在していてもよい。別の例として、照明組成物を所望の形状に注入成形することが望ましい場合、結合剤は照明組成物の中に約10wt%から約50wt%までの量で存在していてもよい。幾つかの態様において、結合剤は照明組成物の中に約15wt%から約25wt%までの量で存在する。後述するように、結合剤は硬化剤とともに用いてもよい。

添加剤には燃焼速度調節剤(例えば、触媒)と硬化剤のうちの少なくとも一つが含まれていてもよい。添加剤のタイプと量は、照明組成物の所望の特性(例えば、燃焼速度、硬化速度、発火感受性など)に依存してもよい。これについては、後にさらに詳しく説明する。

燃焼速度調節剤は、これが存在する場合は、照明組成物の燃焼速度を向上させ(例えば、増大させ)、そしてNIR放射線の発生を促進し、その一方で可視光放射線の発生を制限する物質を含んでいてもよい。燃焼速度調節剤は、燃焼したときに比較的少ない量のすす(例えば、灰)を生成し、これにより、発生する可視光放射線の量を低減することができる。燃焼速度調節剤は、照明組成物の他の成分(例えば、酸化剤、燃料、結合剤など)に基づいて選択してもよい。適当な燃焼速度調節剤の非限定的な例としては、ホウ素(B)(例えば、非晶質のB)、金属酸化物(例えば、大きな表面積の金属酸化物(例えば、大きな表面積の酸化鉄、大きな表面積の酸化アルミニウムなど))、またはこれらの組み合わせがある。幾つかの態様において、燃焼速度調節剤は、非晶質のBを約85wt%から約100wt%までの量で含むB物質を含んでいる。B物質は照明組成物の中に約0.5wt%から約20wt%までの量、例えば約0.5wt%から約10wt%までの量、または約2wt%から約5wt%までの量で存在していてもよい。さらなる態様において、燃焼速度調節剤は大きな表面積の金属酸化物を含む。この大きな表面積の金属酸化物は、照明組成物の中に従来含まれる金属酸化物(例えば、酸化鉄)の比表面積よりも大きな比表面積を示すだろう。この大きな表面積の金属酸化物は、例えば、ブルナウアー-エメット-テラー(BET)法によって測定して約8m2/gよりも大きな比表面積を示してもよく、例えば、約10m2/g以上、約20m2/g以上、約30m2/g以上、約40m2/g以上、約50m2/g以上、約60m2/g以上、約70m2/g以上、約80m2/g以上、または約90m2/g以上の比表面積を示す。幾つかの態様において、大きな表面積の金属酸化物は、BET法によって測定して約80m2/g以上の比表面積を示す。さらなる態様において、大きな表面積の金属酸化物は、BET法によって測定して約90m2/g以上(例えば、BET法によって測定して約93m2/g)の比表面積を示す。非限定的な例として、大きな表面積の金属酸化物は、大きな表面積の酸化鉄、例えばSICOTRANS(シコトランス、登録商標)という商品名で販売されているもの(例えば、SICOTRANSレッドL 2816、SICOTRANSレッドL 2817、SICOTRANSレッドL 2818、SICOTRANSレッドL 2819、SICOTRANSイエローL 1915、SICOTRANSイエローL 1916、SICOTRANSイエローL 1918)を含んでいてもよく、これはBASF社(ニュージャージー州、フォーハムパーク)から市販されている。大きな表面積の金属酸化物は照明組成物の中に約0.25wt%以上の量で存在していてもよく、例えば、約0.25wt%から約40.0wt%までの量、約0.25wt%から約20.0wt%までの量、約0.25wt%から約10.0wt%までの量、約0.25wt%から約5.0wt%までの量、約0.25wt%から約2.0wt%までの量、約0.5wt%から約1.5wt%までの量、または約1.0wt%の量で存在する。照明組成物の中に約2.0wt%を超えて存在する大きな表面積の金属酸化物(例えば、大きな表面積の酸化鉄)の量は、照明組成物のための充填材として機能し得る。幾つかの態様において、燃焼速度調節剤は約0.5wt%から約1.0wt%までの大きな表面積の酸化鉄と約2wt%から約5wt%までの非晶質のBを含んでいる。照明組成物の一つ以上の所望の特性を得るために、燃焼速度調節剤の量を調節してもよい(例えば、増大させるか、または減少させる)。

照明組成物が大きな表面積の金属酸化物を(例えば、それ単独で、またはBのような他の燃焼速度調節剤と組み合わせて)含む態様において、大きな表面積の金属酸化物は照明組成物の一つ以上の所望の特性を向上させ得る。例えば、大きな表面積の金属酸化物は、発火したときに燃焼する照明組成物の表面積を増大させ、燃焼速度とNIR放射線の強度を増大させ、その一方で可視光放射線の生成を制限し得る。加えて、大きな表面積の金属酸化物は、照明組成物が燃焼したときに水に不溶性で水と非反応性のすすが形成すること(すなわち、水に可溶性のすす、および/または、水と反応性のすすが形成することとは反対のこと)を容易にし、または促進し得る。例えば、少なくとも、照明組成物の酸化剤が主にK含有酸化剤(例えば、KNO3のようなKの塩)である態様においては、照明組成物の中に大きな表面積の金属酸化物(例えば、SICOTRANS(登録商標)レッドL 2816、SICOTRANSレッドL 2817、SICOTRANSレッドL 2818、SICOTRANSレッドL 2819、SICOTRANSイエローL 1915、SICOTRANSイエローL 1916および/またはSICOTRANSイエローL 1918などの大きな表面積の酸化鉄)が存在することによって、照明組成物が燃焼したときに少なくとも部分的に(例えば、実質的に)水に不溶性で水と非反応性のすすが形成することが促進され得る。さらに、大きな表面積の金属酸化物は、多くの従来の照明組成物と比較して、照明組成物のpHおよび照明組成物が燃焼する間に形成される灰のpHを低下させ得る。非限定的な例として、照明組成物が燃焼する間に形成される灰は約14以下のpHを示してもよく、例えば、約13以下、約12以下、または約11以下のpHを示してもよい。従って、本開示の態様に係る照明組成物は、多くの従来の照明組成物と比較して、照明弾においてこの組成物を用いることと関連する環境上の影響を低下させ得る。

硬化剤は、これが存在する場合は、照明組成物の硬化速度を向上させ(例えば、増大させ)、そしてNIR放射線の発生を促進し、その一方で可視光放射線の発生を制限する物質を含んでいてもよい。硬化剤は、照明組成物の他の成分(例えば、酸化剤、燃料、結合剤など)に基づいて選択してもよい。非限定的な例として、硬化剤は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を主成分とする脂胞族ポリイソシアネート樹脂(例えば、Bayer Material Science(ペンシルバニア州、ピッツバーグ)によってDESMODUR(登録商標)N 100という商品名で販売されているもの)を含んでいてもよく、あるいはカルボキシを末端とするコハク酸トリエチレングリコールのカルボキシ官能基と反応する三官能価のエポキシ樹脂硬化剤(ERL)を含んでいてもよい。幾つかの態様において、硬化剤はビス-フェニルA-三官能価エポキシ樹脂硬化剤(例えば、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン(ERL 510))である。硬化剤は照明組成物の中に約0.1wt%から約20wt%までの量、例えば約0.1wt%から約5wt%までの量で存在していてもよい。幾つかの態様において、硬化剤は照明組成物の中に約2.5wt%から約3.5wt%までの量で存在する。

照明組成物は、照明組成物の所望の特性に応じて、着色剤、加工助剤、接着剤、安定剤または弾道エンハンサーなどの他の添加剤を少量含んでいてもよい。

照明組成物は、照明組成物の個々の成分を通常の方法により組み合わせることによって製造することができる。照明組成物は、従来の照明組成物よりも小さな密度を示してもよい。例えば、照明組成物は、多くの従来の照明組成物よりも約25パーセントまで小さな密度を示し得る。照明組成物で形成されたキャンドル(例えば、粗粒のもの、照明弾組成物、爆発弾頭)および照明組成物を含むキャンドルは、照明組成物を注入成形、圧縮、鋳型および/または押出し成形することによって製造することができる。それらのプロセスは当分野で知られていて、従って、ここではそれらについて詳細には説明しない。幾つかの態様において、照明組成物は、照明組成物の個々の成分を混合した注入成形プロセスにより組み合わせることによって製造される。非限定的な例として、個々の成分を組み合わせてスラリーを形成し、そのスラリーを例えばケーシング又は鋳型に注入して適度の高温で硬化させてキャンドルを形成することによって物品を製作することができる。硬化したならば、キャンドルをケーシング又は鋳型から取り出すことができる。キャンドルは、約65よりも大きな(例えば、約80よりも大きな)ショアーA硬度のような、比較的高い硬度を有していてもよい。

本開示の照明組成物の態様は、例えば38ミリメートル(mm)の直径を有する照明弾、または60mmの直径、81mmの直径、105mmの直径、120mmの直径、155mmの直径、2.75インチ(in)の直径、または5.0インチの直径を有する照明弾といった、通常の照明弾のキャンドル(例えば、粗粒のもの、照明弾組成物、爆発弾頭)に対する嵌め込み型の代替物として用いてもよい。非限定的な例としては、M278、LUU-19および手持ち型信号照明弾がある。従って、照明弾は、従来の照明弾のキャンドルが本開示の態様に係る照明組成物で形成された(また、この照明組成物を含む)キャンドルで置き換えられたものである、「改造された」M278、LUU-19または手持ち型信号照明弾であってもよい。

図1は照明弾100の態様を示し、これは例えば、本開示の態様に係る照明組成物で形成された(また、この照明組成物を含む)キャンドル102を含む。照明組成物の一つ以上の成分(例えば、大きな表面積の金属酸化物のような燃焼速度調節剤)によって達成される照明組成物の増大した燃焼速度は、多くの従来の照明弾キャンドルと比較して、キャンドル102について追加の容積を得ること、および/または、少ない重量となることを容易にし得る。加えて、照明組成物の酸化剤の少なくとも過半量(例えば、50wt%超(例えば、約60wt%以上、約70wt%以上、約80wt%以上、約90wt%以上、または約95wt%以上))が非Cs含有酸化剤(例えば、K含有酸化剤(例えば、KNO3)および/またはRb含有酸化剤(例えば、RbNO3))で構成されている態様においては、照明組成物の低減した重量(すなわち、Cs含有酸化剤が酸化剤の少なくとも過半量を構成しているような従来の照明組成物と比較して低減した重量)もまた、キャンドル102について追加の容積を得ること、および/または、少ない重量とすることを容易にし得る。その追加の容積は弾道性能を調和させるために不活性物質で満たすことができ、また、より大きなNIR放射線強度または燃焼時間を得るために少なくとも一つの有効成分(例えば、酸化剤、燃料、結合剤など)で満たすことができ、そして/または、キャンドル102の重量の低減は、照明弾100の弾道性能と取り扱いのうちの少なくとも一つを改善するために利用することができる。

図1に示すように、キャンドル102は照明弾100のケーシング104の中に収容されていてもよい。ケーシング104は第一の端部106(ここからキャンドル102の第一の端部108が発火する)および第二の反対側の端部110を有し、ケーシング104の中に収納されたパラシュート112が、照明弾100の配備に続いて第二の端部から放出される。パラシュート112の放出を制御するために、ケーシング104の中に含まれるタイマーまたは放出機構114を用いることができる。図1に示すように、ケーシング104の第一の端部106には、キャンドル102を発火させるように構成されて配置される点火器116も含まれる。パラシュート112を放出することによって点火器116が(例えば、点火器の引き綱によって)発火を開始し、次いで、キャンドル102の第一の端部108が発火するように、照明弾100を構成することができる。

使用と操作においては、一つ以上の照明弾100を標的の領域へ発射し、そしてキャンドル102を発火させ、そして燃焼させることができる。燃焼しているキャンドル102は高強度のNIR放射線で標的の領域を照らすだろう。従って、NIRによって照らされた標的の領域は、NIR感応装置(例えば、NIR高感度暗視ゴーグル)によって、従来の照明組成物を含む従来の照明弾によって照らされる標的の領域よりも良好に見ることができる。加えて、燃焼しているキャンドル102の比較的低い可視光放射線の出力は、肉眼では照明弾100を事実上見えないようにするだろう(例えば、隠密的な作戦に対する照明弾100の使用を容易にする)。

本開示の態様に係る照明組成物は、従来の照明組成物と比較して、NIR放射線の強度、可視光放射線の強度、可視光放射線に対するNIR放射線の比率、燃焼速度、燃焼時間、燃焼の均一性、チャンキングの緩和、および環境への優しさ(例えば、水への可溶性の低さ、低いpH)を向上または維持し得る。これらの特性の組み合わせは、従来の照明組成物を上回るかなりの改善をもたらしている。

以下の実施例は、本開示の態様をさらに詳しく説明するために提示される。これらの実施例は、本開示の範囲について網羅的もしくは排他的なものであると解釈されるべきではない。

実施例1 照明組成物 本開示の態様に係る様々な照明組成物を調製した。組成物A、B、C、DおよびEを調製した。組成物A、B、C、DおよびEの配合を、それぞれ下の表1〜5に要約する。組成物CおよびDはそれぞれ、組成物AおよびBの修正形であり、低温条件(例えば、冷たい風の条件)での高い性能を求めて少量のCsNO3を添加したものである。組成物A、B、C、DおよびEの各々の成分は市販されていて、(これらに限定はされないが)Sigma-Aldrich Corp.、Chemtura Corp.、BASF Corp.、Bayer Material ScienceおよびDow Chemical Companyを含めた供給元から購入することができる。組成物A、B、C、DおよびEの各々は、花火の組成物を加工するための通常の技術に従ってそれらの成分を合体させることによって配合された。

実施例2 照明組成物の性能のデータ 組成物A(実施例1を参照)を含む2.75インチの直径の照明弾の性能および組成物B(実施例1を参照)を含む5インチの直径の照明弾の性能をそれぞれ、基礎の組成物Aを含む2.75インチの直径の照明弾の性能および基礎の組成物Bを含む5インチの直径の照明弾の性能に対して比較した。性能のデータを下の表6と表7に要約する。基礎の組成物Aは、58.75wt%のKNO3、5wt%のポリマー(Witco 1780)、9.79wt%のCsNO3、6.85wt%のSi、1wt%のエポキシ樹脂(ERL 0510)、0.98wt%の酸化鉄(大きくない表面積)、1.96wt%のホウ素、および15.76wt%のヘキサミンを含んでいた。基礎の組成物Bは、33.5wt%のCsNO3、33.5wt%のKNO3、12.5wt%のSi、0.5wt%の酸化鉄(大きくない表面積)、29.88wt%のポリマー(Witco 1780)、および0.12wt%のMgCO3を含んでいた。2.75インチの直径および5インチの直径の照明弾の性能を、通常の方法(これについては、ここでは詳しくは説明しない)を用いてT-2風洞及び飛行条件下で試験した。

組成物AおよびBを含む照明弾はそれぞれ、基礎の組成物AおよびBを含む照明弾の結果に近いか、またはそれよりも良好な性能試験の結果を示したが、このことは、標的をNIR放射線で十分に照らすために組成物AおよびBを照明弾において使用することを有効にするものである。

実施例3 照明組成物の灰化の特性 組成物AおよびE(実施例1を参照)を含む照明弾の灰化の特性を、基礎の組成物A(実施例2を参照)を含む照明弾の灰化の特性に対して比較した。灰化の特性のデータを下の表8に要約する。照明組成物の灰化の特性については通常の方法を用いて分析したが、その方法については、ここでは詳しくは説明しない

灰化の特性の結果は、組成物AおよびEにおける大きな表面積の酸化鉄の存在が水に不溶性で水と非反応性の灰の生成をもたらしたことと、灰のpHを基礎の組成物Aよりも低下させたことを示している。灰化の特性の結果はさらに、(例えば、組成物Aにおけるように)照明組成物においてCsNO3の量が比較的少ないと灰の生成量が比較的少なくなり得る、ということを示している。

本開示については様々な修正と代替の形態が可能であるかもしれないが、図面における実施例によって特定の態様が示されて、そしてここで詳細に説明が行われた。しかし、本発明を開示された特定の形態に限定することは意図されていない、ということを理解すべきである。それよりはむしろ、本発明は、添付する特許請求の範囲とその法律上の同等物の範囲に入る全ての修正形、同等物および代替物に及ぶ。

100:照明弾 102:キャンドル 104:ケーシング 106:ケーシングの第一の端部 108:キャンドルの第一の端部 110:第二の端部 112:パラシュート 114:パラシュート放出機構 116:点火器

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