乾燥石膏組成物及び石膏系塗材 |
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申请号 | JP2012547788 | 申请日 | 2011-11-28 | 公开(公告)号 | JPWO2012077523A1 | 公开(公告)日 | 2014-05-19 |
申请人 | 吉野石膏株式会社; | 发明人 | 琢治 山下; 琢治 山下; 雅人 山口; 雅人 山口; 嘉一 田中; 嘉一 田中; | ||||
摘要 | 本発明は、半 水 石膏 と、少なくとも1種の顔料と、媒晶剤とを含有してなり、該媒晶剤が、 硫酸 塩、カルボン酸塩、炭酸塩及び無機塩化物からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であり、且つ、その添加量が、上記半水石膏100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲であることで、半水石膏が水和した際の二水石膏が、アスペクト比1〜9の板状結晶となるようにコントロールされていることを特徴とする乾燥石膏組成物、これを用いた石膏系塗材である。 | ||||||
权利要求 | 半水石膏と、少なくとも1種の顔料と、媒晶剤とを含有してなり、該媒晶剤が、硫酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩及び無機塩化物からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であり、且つ、その添加量が、上記半水石膏100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲であることで、半水石膏が水和した際の二水石膏が、アスペクト比1〜9の板状結晶となるようにコントロールされていることを特徴とする乾燥石膏組成物。 色ムラの発生が抑制できる石膏系塗材であって、水と、半水石膏と、少なくとも1種の顔料と、媒晶剤とを含有してなり、該媒晶剤が、硫酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩及び無機塩化物からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であり、且つ、その添加量が、上記半水石膏100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲であることで、半水石膏が水和した際の二水石膏が、アスペクト比1〜9の板状結晶となるようにコントロールされていることを特徴とする石膏系塗材。 前記媒晶剤が、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マレイン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種の化合物である請求項2に記載の石膏系塗材。 その可使時間が、60分以上且つ120分以下である請求項2又は3に記載の石膏系塗材。 さらに、ロジンを含む請求項2〜4のいずれか1項に記載の石膏系塗材。 さらに、ヒドラジド化合物を含む請求項2〜5のいずれか1項に記載の石膏系塗材。 |
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说明书全文 | 本発明は、当該材料で形成した壁面等における色ムラの発生を抑制することができる乾燥石膏組成物及び石膏系塗材に関する。 より詳しくは、顔料を含有してなる彩色した壁面等の形成に使用される、水を加える前の乾燥石膏組成物及び、水を加えて混練した石膏系塗材に関する。 従来から内装壁の仕上げ材として、水を加えて混練される湿式塗材が用いられている。 湿式塗材の主材料は各種あるが、形成した内装壁の、耐火性及び快適性の観点から、石膏系塗材が広く使用されている。 石膏系塗材は、一般的に、焼石膏(中でも半水石膏)を主成分とし、意匠性或いは吸放湿性等の機能性を付与した壁面を形成するために、適宜に添加される様々な添加剤とからなる乾燥石膏組成物として製品化されている。 そして、施工現場にて、該乾燥石膏組成物に水を加えて混練し、塗布可能な状態にした石膏系塗材(以下、「石膏系湿式塗材」或いは「湿式塗材」とも呼ぶ)を、鏝等の道具を使って石膏ボード等の下地の上に塗布し、硬化・乾燥の後、壁面を完成させている。 近年、社会問題となっている、いわゆるシックハウス症候群等を抑制することを目的として、建材を改質するための様々な材料(添加剤)が検討されている。 石膏系の塗材においても、その添加剤を工夫することで、例えば、その一因とされているホルムアルデヒドの吸着機能を備えたものなどがある。 また、ロジンや硫酸アルミニウム等を添加することで、1回の塗工により、平滑で精度の高い塗り壁面の形成を可能とする石膏系湿式塗材についての提案がある(特許文献1参照)。 さらに、内装壁の仕上げ材として利用される石膏系塗材では、その意匠性付与を目的として、各種の色の顔料を添加して使用する乾燥石膏組成物が製品として提供されている。 これらの材料によって形成した壁面は、多種多様な色彩を持つ仕上がりのものになる。 この場合に必要となる顔料の添加は、通常、施工現場で適宜に、顔料を添加する方法によって行われている。 しかし、この方法は、施工作業が煩雑であり、顔料を均一に混合することも難しい。 特に、基本的に白色である石膏系塗材にあっては、顔料の混合状態が、内装壁などの仕上がりに影響を及ぼす傾向が高い。 このため、各色の顔料の添加を工場で行った乾燥石膏組成物を石膏系塗材用の製品として提供することも行われている。 該製品によれば、顔料を現場で混合する煩雑さを避けることができ、さらに、顔料の混合が安定して均一にされた製品となっているため、当該製品を用いることで、ムラのない均一に彩色された内装壁の形成の実現が可能になる。 しかしながら、顔料が予め添加されている製品としての乾燥石膏組成物に水を加えて石膏系塗材とした場合であっても、塗布及び乾燥仕上げ後に色ムラが発生することがあり、本発明者らは、このことによって内装壁に求められる高い意匠性が実現できないという問題を認識するに至った。 これに対し、従来、クレー、珪石粉、珪藻土などの粒径が0.1mmを超えた無機質粉体と、石膏とを含む土壁の形成に用いる仕上げ材において、仕上げの色ムラを防ぐために、顔料そのものの発色性を改善する提案がなされている(特許文献2参照)。 また、アルミナセメント、石膏および高炉スラグを含む水硬性着色仕上材組成物において、凝結調整剤を添加することで、速硬性、作業特性および硬化特性に優れるだけでなく、着色性にも優れ、床下地の調整と着色仕上げを同時に行い得るとした提案がある(特許文献3参照)。 しかしながら、これらの材料はいずれも、石膏を充填剤として含有しているものの、その主成分は、無機質粉体やアルミナセメント等であり、本発明が問題としている、石膏を基材とする内装壁の仕上げ材に利用される乾燥石膏組成物を用いて形成した塗面における色ムラについて検討したものではない。 また、石膏を基材とする湿式塗材は、基本的には純白に近い白であり、その色ムラの問題は、上記したような材料を主成分とした従来の着色仕上げ材の色ムラと同一視できるものではなく、新たな技術的検討が必要となる。 すなわち、石膏を基材とする湿式塗材は、上記した従来技術の材料とは、その基材の色が全く異なり、また、その硬化特性等(可使時間等)も異なっており、色ムラの意味するところが異なるのは勿論、当然に、石膏特有の作業特性や硬化特性等を満足した上で、この色ムラの発生の問題を改善する必要がある。 なお、上記の可使時間とは、反応形の石膏系塗材において、乾燥した石膏組成物に水を加えて混練し、壁に塗布できるように調整したものを、良好な状態で、鏝等によって塗布作業ができる時間をいう。 したがって、本発明の目的は、石膏を基材とする乾燥石膏組成物に水を加えた石膏系塗材において、その作業特性や硬化特性等の機能を満足したものを提供すると同時に、壁面等を形成した場合に、色ムラの発生が抑制され、均一に彩色が施された意匠性に優れるものにできる、内装壁等の仕上げ材として有用な乾燥石膏組成物及び石膏系塗材を提供することである。 上記の目的は、下記の本発明によって達成される。 すなわち、本発明では、半水石膏と、少なくとも1種の顔料と、媒晶剤とを含有してなり、該媒晶剤が、硫酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩及び無機塩化物からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であり、且つ、その添加量が、上記半水石膏100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲であることで、半水石膏が水和した際の二水石膏が、アスペクト比1〜9の板状結晶となるようにコントロールされていることを特徴とする乾燥石膏組成物を提供する。 また、本発明は、色ムラの発生が抑制できる石膏系塗材であって、水と、半水石膏と、少なくとも1種の顔料と、媒晶剤とを含有してなり、該媒晶剤が、硫酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩及び無機塩化物からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であり、且つ、その添加量が、上記半水石膏100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲であることで、半水石膏が水和した際の二水石膏が、アスペクト比1〜9の板状結晶となるようにコントロールされていることを特徴とする石膏系塗材を提供する。 上記した本発明の乾燥石膏組成物或いは石膏系塗材の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。 媒晶剤が、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マレイン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種の化合物であること。 さらに、その可使時間が、60分以上且つ120分以下であること。 さらに、ロジンを含むこと。 さらに、ヒドラジド化合物を含むことである。 本発明によれば、石膏を基材とする乾燥石膏組成物を水と混練して湿式塗材とした場合に、その作業特性や硬化特性等の機能を満足したものであると同時に、壁面等を形成した場合に、色ムラの発生が抑制された均一な彩色が施された意匠性に優れるものにできる、内装壁等の仕上げ材として効果的に利用できる乾燥石膏組成物及び石膏系塗材が提供される。 以下、本発明の好ましい形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。 上記した反応硬化型及び乾燥硬化型のいずれのタイプの壁用仕上げ材ともに、下地の吸水ムラなど外的な要因によって、顔料を有する仕上げ材表面が色ムラになることがある。 特に、本発明が対象としている石膏を基材とする石膏系のような反応硬化型の仕上げ材の場合は、未反応部分(下地に上塗り用塗材の水分が吸収されるために生じるドライアウト部分)と、反応完了部分とで色ムラが生じることが稀に起こる。 この色ムラ発生の一因になると考えられるドライアウトを防止する一般的な技術として、下記に挙げる方法が知られている。 一つは、石膏系塗材を塗布する前に、プライマーや養生剤等の下地調整材を下地に塗布することで、その上に塗布した石膏系塗材の吸水を調整し、ドライアウトを防止する方法である。 しかしながら、この方法は、下地調整材等を塗布する工程が増えるため、施工期間の長期化を招くという実用上の問題がある。 別の方法として、メチルセルロース等の保水剤を添加して、石膏系塗材の保水性を上げ、ドライアウトの発生を防止する方法がある。 保水剤の添加は、可使時間を長く確保する点からも有効な方法である。 しかし、保水剤を多量に添加すると、水を加えて混練した場合に粘度が高くなって、塗工する際の作業性が損なわれるといった別の問題を生じる。 上記したように従来の方法にはそれぞれ課題があり、色ムラ発生の一因と考えられるドライアウトを有効に防止するためには、煩雑な工程を必要とせず、その作業性にも優れる良好な方法について、さらなる検討が必要である。 本発明者らは、石膏を基材とし、顔料を含有してなる彩色した壁面の形成材料である石膏系塗材について、均一で、色ムラのない彩色を施した意匠性に優れた内装壁を形成することができ、しかも適宜な可使時間を有する、作業性にも優れる石膏系塗材を開発すべく鋭意検討した結果、下記のことを見出して本発明に至った。 すなわち、石膏系塗材用の製品として提供される乾燥石膏組成物中に、媒晶剤として機能する化合物を特定量含有させることで、水を加えて混練して塗材とした場合に、石膏が水和反応する際の結晶形状を、特定のアスペクト比となるようにコントロールすることができ、この結果、塗工の際の作業特性や硬化特性等を損なうことなく、色ムラの発生が抑制された均一な色彩の壁面等の形成が可能になることを見出した。 本発明者らの検討によれば、本発明で規定する特定の媒晶剤を特定量含有してなる本発明の乾燥石膏組成物は、水と混練されて主成分である半水石膏が水和反応すると二水石膏に相変化して、その結晶形状のアスペクト比が1〜9となる。 本発明において、より好ましいものは、上記のアスペクト比が3〜8となるようにコントロールされたものが挙げられる。 従来、水と混練した、顔料と半水石膏とを含む石膏系塗材の硬化時間を調整する手段としては、添加剤としてリターダー(遅延剤)だけを使用していた。 しかし、この方法では、十分な可使時間を確保するためには終結時間も遅くならざるを得ず、終結時間をコントロールすることができなかった。 したがって、結果として、このような塗材製品によって内装壁を形成すると、むしろ、ドライアウトによる色ムラが発生しやすい傾向があった。 そして、本発明者らの検討によれば、このような従来の塗材用製品に水を入れると、本発明の塗材と異なり、石膏が水和反応する際の結晶形状が、アスペクト比の大きい針状結晶となっていることがわかった。 本発明者らは、上記目的を達成するための検討の過程で、水と混練した、顔料と半水石膏とを含む石膏系塗材に、硫酸アルミニウムのような硫酸塩を、本発明で規定する範囲内で所定量添加することで、色ムラの問題が解消されることを見出した。 さらに、カルボン酸塩、炭酸塩及び無機塩化物の添加によっても同様の効果が得られることがわかった。 硫酸アルミニウムは、従来、石膏の終結時間を短縮させ、水和性を向上させる目的で使用されている。 この硫酸アルミニウムの添加量を制御し、半水石膏100質量部に対して0.1〜5質量部の割合で含有させると、その可使時間が短縮されることなく、石膏の終結時間だけを短縮でき、ドライアウトが抑制されることがわかった。 そして、さらなる詳細な検討の結果、上記した特定量で硫酸アルミニウムを添加した乾燥石膏組成物を水と混練し、湿式塗材とすると、石膏が水和する際の結晶形状のコントロールができることがわかった。 より具体的には、従来の製品では、塗布に先立って乾燥石膏組成物に水を加えて水和させた場合、アスペクト比が大きい針状結晶となっていたのに対し、例えば、硫酸アルミニウムを本発明で規定する範囲内の量で添加すると、該化合物が媒晶剤として機能し、アスペクト比の小さい板状結晶となる。 本発明者らは、上記構成によって、形成した壁面等の色ムラの発生が抑制された理由について以下のように考えている。 すなわち、従来の仕上げ用塗材では、図2に模式的に示したように、水和によって形成される結晶の凹部に顔料が留まったまま半水石膏が水和しているが、特定の媒晶剤が特定量の範囲内で添加されている本発明の乾燥石膏組成物を用いた場合は、水と混練されて石膏が水和する際の結晶形状がコントロールされ、凹部がない滑らかなものになる。 本発明者らは、上記したことが色ムラの発生を抑制できた理由であると考えている。 より具体的には、まず、硫酸塩やカルボン酸や炭酸塩などの媒晶剤を存在させた状態で半水石膏と水とを水和させると、これらの媒晶剤が第3物質として関与した状態で結晶成長が起こるため、単に半水石膏と水とを水和した場合と比較して明らかに結晶形状が変わることを確認した。 そして、本発明者らは、結晶形状が異なってくると、アスペクト比や比表面積が変わってくるが、本発明の目的を達成するためには、本発明で規定する範囲内の量で、上記に挙げたような媒晶剤を用いることが有効であることを見出して本発明を達成した。 すなわち、上記に挙げたような媒晶剤(第3物質)が添加された状態で水和反応した場合、この第3物質が固相(半水石膏)表面に吸着、被覆することにより結晶成長が阻害されるが、本発明者らの検討によれば、この第3物質が存在すると特に成長速度が大きいC軸方向の成長を抑制することになる。 さらに、その際に、添加量を本発明で規定する少ない量の範囲内とすると、アスペクト比の小さい、具体的にはアスペクト比が1〜9である板状の結晶を作り出すことができ、比表面積の小さい結晶が得られ、この結果として、本発明の顕著な効果を得ることができものと考えている。 上記の結果、本発明の乾燥石膏組成物を用い、水と混練して本発明の石膏系塗材とすると、半水石膏が水和する際に、図1に模式的に示したように、石膏結晶1の外周部に沿って顔料2が付着し、従来のもののように顔料が石膏の結晶表面の凹部に留まることがないので、色ムラのない壁面の形成が可能になったものと推測される。 以下、本発明の乾燥石膏組成物或いは石膏系塗材を構成する各成分について説明する。 本発明を特徴づける媒晶剤としては、硫酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩及び無機塩化物からなる群から選択した化合物が使用できる。 硫酸塩としては、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。 また、カルボン酸塩としては、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マレイン酸カルシウム等が挙げられる。 炭酸塩としては、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。 また、無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。 これらの中でも、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムのような硫酸塩が好ましい。 これらの媒晶剤は、半水石膏100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲で外添させる必要がある。 添加量の最適な範囲は、媒晶剤の種類によっても異なるが、終結時間と可使時間との兼ね合いで決定すればよい。 例えば、硫酸アルミニウムや硫酸カリウム等の硫酸塩であれば、0.1〜5質量部、さらには、1〜5質量部の範囲で外添させるとよい。 この場合に、媒晶剤の添加量が少な過ぎると、色ムラの発生の抑制効果が十分に得られないことに加えて、終結時間が長くなり、作業効率の低下を生じる。 一方、媒晶剤の添加量が多過ぎると、石膏系塗材の水和が急速に進み、可使時間を確保できないという別の問題を生じる。 本発明に使用できる顔料としては、種々の色彩を有する下記のような無機顔料或いは有機顔料が挙げられる。 無機顔料としては、酸化亜鉛、酸化鉄、二酸化チタン、酸化クロム等の酸化物、アルミナ、酸化鉄黄等の水酸化物、黄鉛、ジンククロネート等のクロム酸塩、タルク、群青等のケイ酸塩、炭酸カルシウム、鉛白等の炭酸塩、カーボンブラック、リン酸塩類等を、適宜に使用することができる。 また、有機顔料としては、アゾ系顔料、ニトロ系顔料、ニトロソ系顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等が所定量で使用できる。 レーキ顔料も使用することができる。 但し、本発明は、これらに限定されない。 本発明において「可使時間」とは、「良好な作業性を保った状態で塗布作業できる時間」をいうが、本発明の石膏系塗材は、その実用上の観点から、この可使時間が60分以上120分以下であることが好ましい。 可使時間が60分未満であると、作業を急がないと場合によっては、塗布作業を終える前に石膏系塗材が硬化してしまう事態が生じる恐れがあるので好ましくない。 一方、可使時間が120分を超えると、硬化に時間がかかり過ぎて、次の作業にかかれない恐れがあるので好ましくない。 本発明の乾燥石膏組成物は半水石膏を主成分とするが、先に述べたように、特に、その構成材料中にβ型半水石膏が主材(β型半水石膏の含有率が50質量%以上)となるように構成することが好ましい。 また、必要に応じて、β型半水石膏に、α型半水石膏を、強度アップ材等を目的として混合した半水石膏を用いることも好ましい形態である。 α型半水石膏をβ型半水石膏に混合した半水石膏材料としては、β型半水石膏:α型半水石膏が、30:1〜2:1の比率で混合したものを用いることができる。 より好ましくは、質量基準で、β型半水石膏:α型半水石膏=30:1〜15:1の比率で、β型半水石膏が過多になるように混合された半水石膏材料を用いるとよい。 本発明の乾燥石膏組成物の好ましい形態としては、主成分である半水石膏材料に、さらに、骨材、珪藻土およびその他の添加剤を加えて構成することが挙げられる。 このような実施形態とした場合における乾燥石膏組成物中の、半水石膏、骨材及び/又は珪藻土の配合量は、下記のようであることが好ましい。 すなわち、乾燥石膏組成物全体を100質量部とした場合に、半水石膏を80質量部以上とし、骨材と珪藻土との総量が20質量部以下となるようにすることが好ましい。 また、上記の実施形態の場合は、勿論、半水石膏に加えて骨材のみを含有させてもよいし、珪藻土のみを含有させてもよい。 本発明で使用する骨材としては、例えば、炭酸カルシウム等が使用できる。 本発明の乾燥石膏組成物に用いるその他の添加剤としては、アクセラレータ、リターダー等、従来公知の湿式塗材用の添加剤を用いることができる。 本発明の乾燥石膏組成物或いは石膏系塗材は、ホルムアルデヒド吸着・分解性能を有する形態とすることも好ましい。 具体的には、上記機能を付与するために、ヒドラジド化合物が添加されていてもよい。 当該ヒドラジド化合物の添加量は、半水石膏100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部であることが好ましい。 本発明の乾燥石膏組成物に水を加えて、本発明の石膏系塗材とする場合の混水率は、質量基準で、例えば、50%〜100%、好ましくは、60〜70%とするとよい。 本発明の乾燥石膏組成物或いは石膏系塗材は、ロジンをさらに含んでいてもよい。 ロジンの添加量は、半水石膏100質量部に対して0.3〜3質量部であることが好ましい。 ロジンを含むことで、形成した内装壁等は、適度な撥水性が付与されたものとなる。 以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。 部又は%とあるのは、特に断らない限り質量基準である。 <実施例1〜13、比較例1〜3> (乾燥石膏組成物の調製) (評価) 上記で得た硬化体の表面の色度を、色差計(商品名:Color Meter ZE−2000、日本電飾工業株式会社製)にて測定し、色ムラの発生を、下記の方法で評価し、結果を表1に「色ムラ判定」として示した。 上記で得た2枚の硬化体を目視で観察して、明らかに色ムラの発生がない一方の硬化体を選択し、選択した硬化体について上記色度計で彩色された表面の色度を測定した。 そして、基準色の色度範囲を定め、この基準値を用いて各評価用試料を評価した。 具体的には、下記のようにして行った。 まず、石膏系塗材の水分が下地に過度に吸収されず、明らかに均一に反応終結したと判断できる硬化体についての色度から、L値:65.2±3、a値:2.35±0.3、b値:18.9±0.5を、基準色の色度範囲と定めた。 一方、同様の装置で、先に得た、各組成及び硬化体の作製条件が異なる評価用試料(硬化体)について、その表面の色度を色度計で測定した。 そして、得られた各測定値と、上記で決定した基準値とを比べて、測定した色度が、基準色の範囲内であった場合を○とし、基準色の範囲外であった場合を×として評価した。 得られた評価結果を「色ムラ判定」として表1に示した。 (2)可使時間の判定 上記で得た実施例或いは比較例の各石膏系塗材について、下記のようにして、それぞれ可使時間を測定し、下記の基準で評価した。 まず、各乾燥石膏組成物に水を加えて混練し、壁に塗布できるように調整した。 そして、各石膏系塗材について、鏝等によって良好な状態で塗布作業ができる時間を測定し、これを可使時間とした。 評価基準は、可使時間が60分以上の石膏系塗材を○とし、60分未満の石膏系塗材を×とした。 得られた評価結果を、「可使時間の判定」として表1に示した。 (3)アスペクト比 上記(1)の「色ムラの判定」で作製した各硬化体のアスペクト比を測定した。 具体的には、各硬化体をSEM撮影し、一つの硬化体につき、結晶アスペクト比の測定個所を任意で10箇所選択し、それぞれ測定した。 得られたアスペクト比の平均値を各硬化体のアスペクト比とした。 結果を表中「アスペクト比」の欄に示した。 表1に、測定結果をそれぞれ示した。 (4)比表面積測定方法 測定機器として、MICROTRAC HRA(日機装株式会社製)を用いて比表面積を求めた。 測定原理は、粒子をすべて球形と仮定した場合の比表面積(m 2 /ml)である。 (5)総合判定 「総合判定」は、下記の基準で評価した。 すなわち、上記した「可使時間の判定」と「色ムラ判定」の両方で「○」であったものを「○」とし、いずれかの判定で「×」とされた場合を「×」として評価した。 1:石膏結晶2:顔料 【0011】 |