Method of manufacturing a polymer-containing coating

申请号 JP2012540440 申请日 2010-11-26 公开(公告)号 JP2013512298A 公开(公告)日 2013-04-11
申请人 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se; 发明人 モンテロ パンセラ サブリナ; ヴェンゲラー ローベアト;
摘要 本発明は、炭酸カルシウムのインサイチュ沈殿による、表面のためのポリマー含有被覆の製造方法に関する。 更に本発明は、該ポリマー含有被覆自体ならびに該ポリマー含有被覆が施与された表面を対象にする。 好ましくは、該ポリマー含有被覆は抗菌作用を有する。
权利要求
  • 表面のためのポリマー含有被覆の製造方法において、少なくとも1種のポリマーおよびインサイチュ沈殿によって形成された結晶性の炭酸カルシウムが表面に施与され、その際該結晶性の炭酸カルシウムのための出発材料として少なくとも1種のカルシウムイオン源および少なくとも1種の炭酸イオン源が使用されることを特徴とする前記製造方法。
  • カルシウムイオン源および/または炭酸イオン源が、好ましくは水またはアルコール、特に好ましくは水である、少なくとも1種の溶剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記インサイチュ沈殿した、結晶性の炭酸カルシウムが10μmより小さい結晶径、特に1μmより小さい結晶径を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
  • ポリマー含有被覆が抗菌作用を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  • 前記ポリマーが、ポリグリシドール、ポリグリシドール誘導体、ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体、直鎖または変性されたポリアクリル酸、マレイン酸およびアクリル酸からなるコポリマー、ポリアルキルアミン、ポリアルケニルアミン、第四級アンモニウムポリマー、超分岐ポリエステルならびにブロックコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種のポリマーであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  • カルシウムイオン源中のカルシウムイオンの濃度が0.01〜4.0mol/Lであり、および/または炭酸イオン源中の炭酸イオンの濃度が0.01〜4.0mol/Lであることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  • 結晶性の炭酸カルシウムのインサイチュ沈殿が直接表面上で行われることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  • 表面のポリマー含有被覆の中で、カルシウムイオン対炭酸イオンの比が10:1〜1:10であり、カルシウムイオンおよび炭酸イオン対ポリマーの比が1:1〜1:100であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  • 被覆工程が以下の工程a)少なくとも1種のポリマーの噴霧、少なくとも1種のカルシウムイオン源および/または少なくとも1種の炭酸イオン源の噴霧、その際少なくとも1種のポリマーが、場合により少なくとも1種のカルシウムイオン源中および/または少なくとも1種の炭酸イオン源中に含有されている、
    b)場合により付着促進剤を表面に施与、またはc)前記ポリマー含有被覆の乾燥、
    その際場合により該工程a)〜c)は周期的に進行し、および/または該工程a)およびb)の順序は交換可能である、
    の少なくとも1つの工程を追加的に含むことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  • 金属、ガラス、テキスタイル、プラスチックおよび鉱物からなる群から選択される表面のためのポリマー含有被覆を製造するための請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  • ポリマー含有被覆が、真珠層効果および/またはロータス効果を有することを特徴とする1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  • ポリマー含有被覆に選択的に抗微生物剤が添加されることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  • 請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法によって製造可能なポリマー含有被覆。
  • 請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法によって製造可能な、ポリマー含有被覆が施与されている表面。
  • 請求項13に記載のポリマー含有被覆または請求項14に記載の表面において、該ポリマー含有被覆が抗菌作用を有することを特徴とする前記ポリマー含有被覆または前記表面。
  • 说明书全文

    本発明は、炭酸カルシウムのインサイチュ沈殿による、表面のためのポリマー含有被覆の製造方法に関する。 更に本発明は、該ポリマー含有被覆自体、ならびに該ポリマー含有被覆が施与されている表面を対象にする。 好ましくは、該ポリマー含有被覆は抗菌作用を有する。

    一般に被覆とは、表面の形状に適合する物質の(一般に)強固に付着する層と解釈される。 被覆は、例えば医学において、材料分野においてまたは船舶等の種々の使用に重要である。

    比較的最近の被覆の種類の一つとして挙げられるものは、いわゆるナノコーティングであり、これはナノメートル範囲にある粒子を表面に施与することを表し、例えばスプレー塗装もしくは噴霧塗装と呼ばれる。 一般に噴霧とは、液体が気体(一般に空気)中でエアロゾル(霧)として極めて微細な液滴に分散することであると解釈される。 このエアロゾルは、すべて同一の径を有する液滴からなるか(単分散スプレー)、または種々の大きさの液滴を含み、この場合は多分散スプレーと呼ばれる。 噴霧器によって生じた平均粒径は、ナノコーティングの製造に決定的である。 あらゆる種類の表面、例えば金属、ガラス、テキスタイル、プラスチックおよび鉱物が、原則的に被覆可能である。 ナノコーティングは、例えば衛生分野において、インプラントにおいて、画面の防指紋コーティングとして、自浄性の家屋ファサードとしてまたは自動車用の塗装保護として使用可能である。

    被覆はたいていの場合、バクテリア、真菌類または藻類による腐食もしくは攻撃から表面を保護し、ひいては表面の分解を防止すべきであるという課題も満足する必要があるため、殺カビ性、抗菌性、殺藻性または抗生物性の作用を有する被覆の需要は増加する。

    Podsiadloら(Langmuir 2005、21(25)、11915〜11921)は、抗微生物特性を有する真珠層のようなナノ構造物質のレイヤー・バイ・レイヤー構造の製造を記載している。 この被覆は、助剤としてポリジアリル−塩化ジメチルアンモニウム、ポリアクリル酸、変性されたナトリウムモンモリロナイトおよびナトリウムクロイサイト等のポリマー成分を含む。 この被覆は、浸漬法を繰り返すことによって製造される。 この被覆の抗菌作用は、銀ナノ粒子の添加によってもたらされる。

    US2007/0254141には、ナノ構造を有する薄層が記載されている。 この合成は、一体化された蒸発拡散−ゾルゲル法で実施され、該法は自発的に室温で行われ、純度の高いチタン酸バリウム等の秩序正しい半導体材料を有機、生物または生化学のテンプレートを使用せずに生じさせる。 得られる材料は、半導体材料、光伝導体材料、光電気材料、電気光学材料または電池材料である。 この合成戦略は、分子状前駆体の加分解触媒作用を半導体材料の成長と密接に結びつけて実施する、生物学的に着想を得た低温法を基礎としている。 温度変化によって、種々のナノ粒子径およびナノ粒子構造が得られる。

    US2008/0273206には、リン酸カルシウムの生物模倣鉱化の方法が記載されている。 該法においては、合成鉱化錯体の形成が説明されており、つまりインサイチュでリン酸カルシウム沈着物が生成し、該錯体の成長および動学についての研究が記載されている。 得られた知識は、変形性関節炎および/またはアテローム性動脈硬化症に対する医薬品の開発のための支援として用いられるものである。

    EP−A1835053には、組織化された結晶構造を持つ、真珠層等の、環境を損なわない生体鉱物の製造法が記載されている。 膜浸漬法を用いる製造法では、結晶形状にある生物由来の炭酸カルシウムが試験管内で特殊な結晶膜を用いて有機マトリックス上に生成される。

    従来の方法の欠点は、被覆法が一般に浸漬法として実施されるため、広範囲な被覆に適用できないことである。 更に従来の方法は、高価な装置または温度低下もしくは温度上昇のためのさらなるエネルギー、ならびに相当な時間の消費を必要とする。 そのほかに先行技術によって製造される抗菌効果のある被覆は、たいていの場合環境に負荷をかける、またはそれどころか毒性のある銀または別の重金属をさらに含んでいる。

    したがって、本発明はできる限り少ない時間および費用で、大規模工業的ならびに広範囲なスケールで表面の持続的な被覆を可能にする方法を提供することを課題とし、その際製造されたポリマー含有被覆は、好ましくは抗菌効果を有しているべきである。

    前記課題は、少なくとも1種のポリマーおよびインサイチュ沈殿によって形成された結晶性の炭酸カルシウムが表面上に施与され、その際結晶性の炭酸カルシウムのための出発材料として少なくとも1種のカルシウムイオン源および少なくとも1種の炭酸イオン源が使用されることを特徴とする、表面のためのポリマー含有被覆の製造方法を提供することによって解決される。

    好ましくは本発明による方法によって、抗菌効果のあるポリマー含有被覆が製造される。 これは特に、殺菌作用を有する、抗菌効果のあるポリマー含有被覆である。 抗菌効果のある剤(被覆)とは、細菌を少なくとも部分的にまたは完全に死滅させる、または除去する、もしくは細菌の成長および増殖を阻止する剤と当業者に解釈される。 殺菌作用を有する剤とは、細菌を死滅させる剤と当業者に解釈される。

    結晶性の炭酸カルシウムのための出発材料として、本発明によって少なくとも1種のカルシウムイオン源および少なくとも1種の炭酸イオン源が使用される。 好ましくは1種のカルシウムイオン源および1種の炭酸イオン源が使用される。 カルシウムイオン源に含有されるカルシウムイオンと炭酸イオン源に含有される炭酸イオンとの反応によって、炭酸カルシウムが生成される。 結晶性の炭酸カルシウムのインサイチュ沈殿を可能にするため、カルシウムイオン源および炭酸イオン源は、本発明によってまず空間的に互いに分離して提供される。 カルシウムイオン源および炭酸イオン源は、当業者に公知の方法によって合されて、結晶性の炭酸カルシウムがインサイチュ沈殿する。 このインサイチュ沈殿は、好ましくは直接(被覆されるべき)表面上で、または表面のすぐ近く、例えば最大1メートルの距離で行われる。

    特に好ましくは、インサイチュ沈殿は表面まで20cmより近い距離で行われる。 好ましくは、このためにはカルシウムイオン源および炭酸イオン源は空間的に互いに分離され、しかし同時にスプレー法、特に噴霧法に供される。 したがって、例えばスプレー法において生成された出発材料の液滴の衝突および凝集によって、結晶性の炭酸カルシウムがインサイチュ沈殿によって形成されうる。 この衝突は、被覆されるべき表面に直接行われても、しかしまた表面と噴霧器との間の空間でも行われてよく、その際インサイチュ形成された(沈殿した)結晶性の炭酸カルシウムは表面上に堆積する。 特に好ましくは、結晶性の炭酸カルシウムのインサイチュ沈殿は直接表面で行われる。

    しかし、インサイチュ沈殿とは、本発明による方法の範囲において浸漬法または膜処理法を含む沈殿工程であるとは解釈されない。

    カルシウムイオン源としてカルシウム塩、例えば塩化カルシウム、フッ化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウム、硫化カルシウム、水酸化カルシウム等を使用することができ、特に好ましくは塩化カルシウムである。 場合により当業者に公知の別のカルシウムイオン源も使用することができる。

    炭酸イオン源としてアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウムおよび炭酸セシウム等を使用することができ、その際特に炭酸ナトリウムの使用が好ましい。 場合により当業者に公知の別の炭酸イオン源も使用することができる。

    それぞれのカルシウムイオン源中のカルシウムイオンの濃度は、0.01〜4.0mol/Lであってよい。 好ましくは、それぞれのカルシウムイオン源中のカルシウムイオンの濃度は0.1〜1.0mol/Lである。

    それぞれの炭酸イオン源中の炭酸イオンの濃度は、0.01〜4.0mol/Lであってよい。 好ましくは、それぞれの炭酸イオン源中の炭酸イオンの濃度は0.1〜1.0mol/Lである。

    好ましくは、カルシウムイオン源および/または炭酸イオン源は、互いに独立して少なくとも1種の溶剤を含む。 この溶剤は、好ましくは水またはアルコールであり、特に好ましくは水である。

    本発明によって少なくとも1種のポリマーが、被覆されるべき表面に施与され、好ましくは1種のポリマーが使用される。 ポリマーの施与は当業者に公知の方法で行われ、例えばスプレー法、特に噴霧法によって行われる。 ポリマーは、空間的および/または時間的に分離して、またはインサイチュ沈殿によって形成された炭酸カルシウムと一緒に表面に施与されてよい。 好ましくは、ポリマーおよびインサイチュ沈殿した炭酸カルシウムの施与は一緒に実施される。 例えば、ポリマーは施与前に部分的または完全にカルシウムイオン源および/または炭酸イオン源と合され、例えば混合されてよい。 しかしまた、場合によりポリマーは、カルシウムイオン源および/または炭酸イオン源から部分的または完全に空間的に分離して提供されてよい。

    ポリマーとしては、原則的に当業者に公知のあらゆるポリマーを使用することができる。 好ましくは、ポリグリシドール、ポリグリシドール誘導体、ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体、直鎖または変性されたポリアクリル酸、マレイン酸およびアクリル酸からなるコポリマー、ポリアルキルアミン、ポリアルケニルアミン、第四級アンモニウムポリマー、超分岐ポリエステルならびにブロックコポリマーからなる群から選択されるポリマーが使用される。

    ブロックコポリマーとして、例えばPEO−b−PMAA(ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリ(メタクリル酸))等の炭酸カルシウム形成を制御するブロックコポリマーが使用される。 さらに炭酸カルシウム形成を制御するプロテイン、例えばルストリン、パールシン、オボクレイジンまたはアンソカルシン等のプロテインも使用することができる。

    本発明による方法によってインサイチュ沈殿した炭酸カルシウムは、好ましくは10μmより小さい結晶径を有し、特に1μmより小さい結晶径を有する。 特に、この溶液がカルシウムイオン源および/または炭酸イオン源と一緒にスプレー法によって表面に噴霧される場合、1μmより小さい結晶径を得ることができる。 したがって、ナノコーティングの製造も可能である。

    本発明による方法において、カルシウムイオン対炭酸イオンの比は、10:1〜1:10であってよく、カルシウムイオンおよび炭酸イオン対ポリマーの比は、1:1〜100:1であってよい。 本発明の特に好ましい実施態様において、カルシウムイオン対炭酸イオン対ポリマーの比は、10:10:1である。 ポリマーおよびインサイチュ沈殿した炭酸カルシウムの比によって、表面上の本発明によるポリマー含有被覆の特性を制御することができる。 ここでは好ましくは、あられ石構造を有するインサイチュ沈殿した炭酸カルシウムを含有するポリマー含有被覆が形成される。

    本発明による方法では、異なるポリマーの使用によって、ポリマーおよびインサイチュ沈殿によって形成された炭酸カルシウムの比の選択によって、結果として生じる結晶性の炭酸カルシウムの結晶形態は、好ましくは抗菌効果のあるポリマー含有被覆の中で有利には直接制御することができる。 したがって、結晶成長は空間的に制限された範囲内で導くことができる。 ポリマーは、ここでは結晶成長に影響を及ぼす、もしくは結晶成長を制限する。 ポリマー含有被覆の結晶形態の選択しだいで、ポリマー含有被覆を種々の表面および種々の使用目的に適合させることができる。 したがって、例えば医学においてまたは材料分野において、屋外または屋内分野、しかしまたナノコーティングのねらい通りの製造等の種々の適用分野に最適に適応させることが可能である。 本発明による、好ましくは抗菌効果のあるポリマー含有被覆は、特に船体部の被覆に使用できる。

    本発明による被覆法において、表面上に少なくとも1種のポリマーおよび結晶性の炭酸カルシウムを含む被覆が提供される。

    本発明による好ましくは抗菌効果のあるポリマー含有被覆の厚みは、適用分野に応じて0.1〜100μmであってよい。

    本発明による方法の特に好ましい実施態様においては、結晶性の炭酸カルシウムのための出発材料として少なくとも1種のカルシウムイオン源および少なくとも1種の炭酸イオン源が使用されていて、該出発材料および/またはポリマーが吹き付けられることによって、少なくとも1種のポリマーおよびインサイチュ沈殿によって形成された結晶性の炭酸カルシウムが表面に施与される。

    ポリマー含有被覆を出発材料の吹き付けによって表面に施与する場合には、それによって時間の消費および支出が更に削減できるため、本発明による被覆法の適用は大規模工業的ならびに広範囲なスケールにおいて特に有利である。

    好ましくは抗菌効果のあるポリマー含有被覆の本発明による製造方法においては、さらに付着促進剤も使用することができる。 付着促進剤の例は、当業者に公知である。

    本発明による被覆法は、1つの実施態様においてさらに以下の少なくとも1つの工程を追加的に含んでよい:
    a)少なくとも1種のポリマーの噴霧、少なくともカルシウムイオン源および/または少なくとも1種の炭酸イオン源の噴霧、その際少なくとも1種のポリマーが、場合により少なくとも1種のカルシウムイオン源中におよび/または少なくとも1種の炭酸イオン源中に含有されている。
    b)場合により付着促進剤を表面に施与、またはc)ポリマー含有被覆の乾燥、
    その際場合により該工程a)〜c)は周期的に進行する、および/または該工程a)およびb)の順序は交換可能である。

    カルシウムイオン源および/または炭酸イオン源の施与は、好ましくは溶液から噴霧によって同時にまたは連続して行われてよい。

    例えば、好ましくは抗菌効果のあるポリマー含有被覆の製造は、噴霧器を使用して実施してよい。 噴霧器として、例えば1流体噴霧器、2流体噴霧器(その際、この場合噴霧は空気または窒素等の圧力下にあるガスによって行われる)、または特殊な超音波噴霧器または静電噴霧器を使用してよい。

    噴霧は、2つまたは複数の別々の噴霧器によって、または2種の液体の噴霧を単独の噴霧器(例えば、圧縮空気を用いる3流体ノズル)で可能にする設計によっても行うことができる。 好ましくは、圧力噴霧器または3流体ノズルが使用される。

    噴霧温度は、20℃〜200℃であってよい。 好ましくは、20℃ないし使用された溶剤の沸点の間の温度である。

    場合により前記法を完了するポリマー含有被覆の乾燥工程は、好ましくは20℃〜200℃の温度で実施される。 特に好ましくは、低い温度で実施することができる乾燥法である。

    本発明による方法によって、真珠層効果および/またはロータス効果を有するポリマー含有被覆を生成できる。 この特性は、様々に色を変えて輝く、平坦なポリマー含有被覆および/または撥水および防汚ポリマー含有被覆が得られるという効果を有しうる。

    本発明によるポリマー含有被覆は、高い耐引っかき性によっても同様に際立っている。 前記被覆法がスプレー法で行われる場合、ポリマー含有被覆の特に高い耐引っかき性が得られる。

    本発明による方法によって、1つの実施態様では、繰り返す組織化された構造を有する、多層の、少なくとも2層のポリマー含有被覆が得られ、その際該被覆の構造および/または形態はその厚みにわたって変化せず、個々の層の中では同じままであるか、または少なくとも(非常に)似たように見える。 こうして1回だけの周期的な方法によって、非常に耐久性のある、寿命の長い、かつ安定したポリマー含有被覆が製造できる。 これは、「半永久的な被覆」または「自己再生可能な被覆」でもある。 好ましくは、前記実施態様はスプレー法として実施される。

    本発明の更なる実施態様においては、抗微生物剤等の更なる作用物質を添加することも可能である。 その例は、銀またはスズ化合物であってもよいが、しかしまた殺カビ剤、殺藻剤、除草剤、殺菌剤またはウィルス静止剤のクラスからなる有効な抗微生物剤であってもよい。

    本発明による方法において、追加的に更なる添加物または有効物質も使用してよい。 これらの例は、染料または顔料、蛍光物質、コロイド状物質、可塑剤、安定剤または紫外線防止剤から選択される物質であってよい。

    本発明の更なる対象は、本発明による方法によって製造可能なポリマー含有被覆である。

    本発明の更なる対象は、本発明による方法によって製造可能なポリマー含有被覆が施与されうる表面である。

    本発明の更なる対象は、本発明による方法によって製造可能なポリマー含有被覆および/または本発明による方法によって製造可能なポリマー含有被覆で被覆されていて、抗菌作用を有しうる表面を含む。

    本発明によれば原則的には、あらゆる表面、例えば金属、ガラス、テキスタイル、プラスチックおよび鉱物等に、本発明による、炭酸カルシウムベースの、好ましくは抗菌効果のあるポリマー含有被覆が提供されうる。

    本発明によって製造された、好ましくは抗菌効果のあるポリマー含有被覆は、例えば、船体部の被覆、水中計測器、水中プローブおよび潜水カプセル、浮標、油井掘削プラットフォームの被覆、風力タービン、送信塔、屋外用家具の被覆、家屋ファサード用の塗装として、衛生分野における物品、インプラントまたは医療用測定装置および保管用物品の被覆として適用される。

    実施例 例1:
    チューブ2本用のポンプヘッドを有するチューブポンプ(Ismatec)1個を通して、Schlick社の3流体ノズルに2種の異なる溶液を送り込む。 該ノズルを垂直に配置されたスライド(ガラス)まで10cmの距離に取り付ける。

    被覆の一般的な製造は、3つの方法工程を含む:
    1. スプレー被覆:スライド(顕微鏡用スライドガラス)の表面上で直接反応してCaCO 3になる2種の出発材料溶液をスライドに噴霧する。
    2. 存在するナトリウムおよび塩化物イオンならびに吸着されていない化学物質を除去するために、二回蒸留した水の中で洗浄する。
    3. 乾燥(室温で空気により)または熱処理(120〜300℃で):空気は圧縮空気供給網からスライドに流れる;熱処理はドライキャビネット内で行われる。
    被覆の製造には、前記工程1〜2または1〜3を複数回繰り返す。 被覆時間(工程1)は、5秒〜60分の範囲で変更し、その際時間の焦点は5秒〜60秒である。

    ハイブリッド薄層の製造には、カルシウムおよび炭酸イオンが互いに分離して装入される。 以下の出発溶液が使用される:
    溶液1:ポリアクリル酸を含む水性Na 2 CO 3溶液(Sokalan PA 30、Mw=8000g/mol)、
    溶液2:ポリエチレンイミン(PEI)を含む水性CaCl 2溶液(Lupasol WF;Mw=25000g/mol)。
    Ca 2+およびCO 3 2-の濃度は、0.01〜1mol/Lの範囲で変化し、その際摩耗安定性は、0.1mol/Lの濃度で達成される。 イオンCa 2+ :CO 3 2- :COO -の比は、10:10:1および10:10:10で選択される。 ポリエチレンイミン(PEI)のためには、20g/Lの濃度が選択される。

    爪引っかき試験表面被覆の摩耗強度が試験され、水と塩の中でも安定性を保っている。

    例2:
    例1に相応して実施する。
    1. スプレー被覆:スプレー時間5秒。 溶液1:0.1mol/LのNa 2 CO 3 +0.1mol/LのCOO - 、溶液2:0.1mol/LのCaCl 2 +20g/LのPEI。
    2. 洗浄:水中で30秒1. および2. を2回繰り返す。 300秒間のブロー乾燥。 1. および2. を繰り返す。 300秒間のブロー乾燥。

    被覆にSEM撮影および原子間力顕微鏡の試験を行い、評価する。 これにより、粗さ(3つの異なる試料a)〜c)を間欠接触モードで測定、8μm×8μm、二乗平均平方根粗さRqおよびうねりWqの算定)
    a)Rq=13nm±1nm Wq=83nm±13nm
    b)Rq=9nm±1nm Wq=64nm±10nm
    c)Rq=16nm±1nm Wq=61nm±4nm
    および結晶径(詳細スキャン 1μm×1μm):
    d_平均 試料1=190nm±10nm
    d_平均 試料2=150nm±12nm
    という結果が生じた。
    いくつかのエッジ領域では、自己組織化を有する、非常に幅狭く分布する粒径を有する非常に多くの微細な結晶が見られる(例えば、d_p=67nm±3nm)。 フィルム厚みは、h=3.43±0.09μmであると測定される。

    例3:
    例1に相応して実施する。
    1. スプレー被覆:スプレー時間5秒。 溶液1:0.1mol/LのNa 2 CO 3 +0.1mol/LのCOO - 、溶液2:0.1mol/LのCaCl 2 +20g/LのPEI。
    2. 洗浄:水中で30秒3. 気流中において周囲温度で乾燥(300秒)。
    1. 〜3. を5回繰り返す。

    被覆にSEM撮影および走査型顕微鏡の試験を行い、評価する。 これにより、粗さ(3つの異なる試料a)〜c)を間欠接触モードで測定、8μm×8μm、二乗平均平方根粗さRqおよびうねりWqの算定)
    a)Rq=26nm±2nm Wq=111nm±17nm
    b)Rq=17nm±3nm Wq=107nm±20nm
    c)Rq=11nm±1nm Wq=75nm±13nm
    および結晶径(詳細スキャン 1μm×1μm):
    d_平均 試料1=185μm±11nm
    d_平均 試料2=152nm±9nm
    という結果が生じた。
    いくつかのエッジ領域では、自己組織化を有する、非常に幅狭く分布する粒径を有する、非常に多くの微細な結晶が見られる(例えば、d_p=48nm±1nm)。 フィルム厚みは、h=4.98±0.17μmであると測定される。

    例4:
    例1に相応して実施する。
    1. スプレー被覆:スプレー時間5秒。 溶液1:0.1mol/LのNa 2 CO 3 +0.1mol/LのCOO - 、溶液2:0.1mol/LのCaCl 2 +20g/LのPEI。
    2. 洗浄:水中で30秒3. 気流中において周囲温度で乾燥(300秒)。
    1. 〜3. を1回繰り返す。

    被覆にSEM撮影および走査型顕微鏡の試験を行い、評価する。 これにより、粗さ(3つの異なる試料a)〜c)を間欠接触モードで測定、8μm×8μm、二乗平均平方根粗さRqおよびうねりWqの算定)の測定a)Rq=18nm±1nm Wq=62nm±10nm
    b)Rq=22nm±1nm Wq=68nm±7nm
    c)Rq=23nm±4nm Wq=108nm±17nm
    および結晶径(詳細スキャン 1μm×1μm):
    d_平均 試料1=153μm±9nm
    という結果が生じた。
    いくつかのエッジ領域では、非常に幅狭く分布する粒径を有する、非常に多くの微細な結晶が見られる(例えば、d_p=58nm±3nm)。 フィルム厚みは、h=1.55±0.15μmであると測定される。

    前記実施例は、本発明によるスプレー法によって、耐引っかき性のある平坦な被覆が可能であることを示す。 前記分析は、前記方法によってナノスケールのCa 2 CO 3結晶が得られ、これらがポリマーマトリックスに埋め込まれていることを示す。

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