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車両用の被覆されたステアリングホイールを製造する方法ならびに該方法により製造可能なステアリングホイール

申请号 JP2018515672 申请日 2016-09-12 公开(公告)号 JP2018532636A 公开(公告)日 2018-11-08
申请人 フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフト; VOLKSWAGEN AKTIENGESELLSCHAFT; 发明人 ブラニスラフ ズラトコフ; マークス ダンシャハー; ベアント ゾルテンディーク; ヘンリク エルプケ; トアステン リヒター;
摘要 本発明は、車両用の被覆されたステアリングホイール(100)を製造する方法に関する。該方法には: −周囲にマトリックス材料(18)が射出成形されたステアリングホイールフレーム(10,13)を準備するステップ、 −被覆材料(14)の不可視側(16)に、活性化可能な材料(17)をコーティングするステップ、 −前記被覆材料(14)の前記不可視側(16)が、周囲に射出成形が施された前記ステアリングホイールフレーム(10,13)に向けられているように、周囲に射出成形が施された前記ステアリングホイールフレーム(10,13)に、コーティングされた前記被覆材料(14)を被着するステップ、 −前記被覆材料(14)の各長手方向縁部(22)同士を互いに結合するステップ、および −前記被覆材料(14)と前記マトリックス材料(18)との間に材料接続的な結合を生ぜしめるように、前記活性化可能な材料(17)を活性化させるステップ が含まれる。
权利要求

車両用の被覆されたステアリングホイール(100)を製造する方法であって、 −周囲にマトリックス材料(18)が射出成形されたステアリングホイールフレーム(10,13)を準備するステップ、 −被覆材料(14)の不可視側(16)に、活性化可能な材料(17)をコーティングするステップ、 −前記被覆材料(14)の前記不可視側(16)が、周囲に射出成形が施された前記ステアリングホイールフレーム(10,13)に向けられているように、周囲に射出成形が施された前記ステアリングホイールフレーム(10,13)に、コーティングされた前記被覆材料(14)を被着するステップ、 −前記被覆材料(14)の長手方向縁部(22)同士を互いに結合するステップ、および −前記被覆材料(14)と前記マトリックス材料(18)との間に材料接続的な結合を生ぜしめるように、前記活性化可能な材料(17)を活性化させるステップ を有する、車両用の被覆されたステアリングホイール(100)を製造する方法。前記活性化可能な材料(17)は、活性化可能な接着剤であり、前記材料接続的な結合は、接着結合である、請求項1記載の方法。前記活性化可能な材料(17)は、活性化に際して発泡する、発泡可能な材料である、請求項1または2記載の方法。前記活性化は、熱的な処理および/または照射により行われる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。前記被覆材料(14)の長手方向縁部(22)同士の結合には、縫合が含まれる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。前記被覆材料(14)の長手方向縁部(22)同士の結合には、前記被覆材料(14)の被着前に該被覆材料(14)の前記長手方向縁部(22)に取り付けられるファスナ半部(20)同士の閉鎖が含まれる、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。前記被覆材料(14)の長手方向縁部(22)同士の結合には、前記ファスナ半部同士の閉鎖と、後の方法ステップにおける、ファスナを覆うような前記各長手方向縁部(22)同士の縫合とが含まれる、請求項6に関係する請求項5記載の方法。コイルファスナ、特にプラスチックコイルファスナが使用される、請求項6または7記載の方法。周囲にマトリックス材料(18)が射出成形された前記ステアリングホイールフレーム(10,13)の前記準備には、前記ステアリングホイールフレーム(10,13)の周囲での、前記マトリックス材料(18)の金型内発泡も含まれる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。前記ステアリングホイールフレーム(10,13)を包囲している前記マトリックス材料(18)は、前記被覆材料(14)の互いに結合された前記長手方向縁部(22)の領域に、切欠き(19)を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。前記被覆材料(14)は、前記コーティングの前または後であって、前記ステアリングホイールフレーム(10,13)への被着前に裁断される、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。コーティングされた前記被覆材料(14)を、周囲にマトリックス材料(18)が射出成形された前記ステアリングホイールフレーム(10,13)に被着する前に、前記マトリックス材料(18)も少なくとも部分的に、活性化可能な材料によりコーティングする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。前記被覆材料を活性化可能な材料によりコーティングする代わりに、前記マトリックス材料を、前記ステアリングホイールフレームの外面に少なくとも部分的に射出成形してから、活性化可能な材料によりコーティングし、前記マトリックス材料が周囲に射出成形されかつコーティングされた前記ステアリングホイールフレームに前記被覆材料を、前記マトリックス材料のコーティングされた外面が前記被覆材料に向けられているようにして被着する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。請求項1から13までのいずれか1項記載の方法により製造可能な、被覆されたステアリングホイール(100)。

说明书全文

本発明は、車両用、特に自動車用の被覆されたステアリングホイールを製造する方法に関する。

周知のステアリングホイールは、しばしば金属製または硬質プラスチック製のステアリングホイールフレームを有しており、ステアリングホイールフレームは、空間充填マトリックス、大抵はプラスチック発泡体によってくるまれている。一般にマトリックス材料は、ステアリングホイールの機能的な幾何学形状を画定する。最終的な可視層として、例えば皮革または人造皮革または繊維から成る被覆材が、大抵はマトリックスを包囲している。

製造に関しては一般に、被覆材料を相応の最終寸法に裁断し、機械で縫い合わせて輪を作り、このとき長手方向の裁ち目は、まだ開いたままにしておく。次いで、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールまたは被覆材料の不可視側に手で接着剤を被着し、ステアリングホイールを被覆材料で覆い、長手方向シームを手で縫合して閉じる。

西独国実用新案公開第6943597号明細書(DE 6943597 U)および西独国実用新案公開第1922356号明細書(DE 1922356 U)には、取外し可能なステアリングホイールカバーの長手方向シームを、1つまたは複数のファスナにより閉じることが記載されている。

独国特許出願公開第102010029188号明細書(DE 10 2010 029 188 A1)には、自動車用のステアリングホイールを製造する方法が記載されており、この場合、ステアリングホイールフレームは被覆材料により包囲され、次いで被覆材料とステアリングホイールフレームとの間の空間において、空間充填カバー材料が発泡させられる。

車両用の被覆されたステアリングホイールを製造する別の方法は、独国特許出願公開第102007031014号明細書(DE 10 2007 031 014 A1)、独国特許出願公開第102010027157号明細書(DE 10 2010 027 157 A1)、独国特許出願公開第102010063440号明細書(DE 10 2010 063 440 A1)および欧州特許出願公開第1964751号明細書(EP 1 964 751 A2)の各刊行物から公知である。

本発明の課題は、再現可能な結果をもたらすと共に、迅速かつ廉価に、好適には最低限の手作業ステップで実施可能な、車両用の被覆されたステアリングホイールを製造する方法を提供することにある。

この課題は全体的または部分的に、各独立請求項に記載の特徴を備えた方法ならびにステアリングホイールにより解決される。

車両用、特に自動車用の被覆されたステアリングホイールを製造する本発明による方法には、 −周囲にマトリックス材料が射出成形されたステアリングホイールフレームを準備するステップ、 −被覆材料の不可視側に、活性化可能な材料をコーティングする(貼り合わせる)ステップ、 −被覆材料の不可視側が、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームに向けられているように、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームに、コーティングされた被覆材料を被着するステップ、 −被覆材料の長手方向縁部同士を互いに結合するステップ、および −被覆材料とマトリックス材料との間に材料接続的な結合を生ぜしめるように、活性化可能な材料を活性化させるステップ が含まれる。

被覆材料と、ステアリングホイールフレームを包囲しているマトリックス材料との間に材料接続的な結合を生ぜしめることにより、場合により被覆材料の長手方向シームの別個の閉鎖を不要にすることさえできる、確実な付着が達成される。材料接続的な結合が、被覆材料をコーティングしている活性化可能な材料を介して行われることにより、強度および層厚さに関して特に再現可能な結合部が得られる。

本発明の枠内で「活性化可能な材料」とは、適切な後続の処理ステップ(活性化ステップ)において、例えば熱的な作用に基づき、マトリックス材料との材料接続的な結合を生ぜしめることができる、あらゆる材料を意味する。換言すると、活性化可能な材料は、そのコーティング時点と、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームに対するコーティングされた被覆材料の被着時点とにおいては、付着特性、例えば接着特性をまだ全くまたは極僅かにしか有していない。付着特性は、後続の活性化ステップにおいて初めて全面的に現れる。このことは、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームに対するコーティングされた被覆材料の被着ひいては付着結合部の形成を容易にし、かつ促進する。

本発明の好適な構成では、活性化可能な材料は、活性化可能な接着剤であり、材料接続的な結合は、接着結合である。活性化可能な接着剤としては、例えば熱的に活性化可能なホットメルト接着剤が考慮される。活性化可能な接着剤の利点は、活性化可能な接着剤については多数の適当な製品が入手可能であり、その処理には自動化可能な技術を使用することができる、という点にある。

活性化可能な材料は、発泡不能な材料または発泡可能な材料であってよい。当該方法の好適な態様では、活性化可能な材料は、発泡可能な材料であり、その活性化に際して発泡する、つまり発泡材を形成する。発泡可能な材料の利点は、発泡中に膨張しひいては中間空間を満たして基底部の製造誤差を補償する、という点にある。さらに、ステアリングホイールの触覚特性が改良される。例えば発泡可能で活性化可能な接着剤が使用されることにより、発泡可能な材料も材料接続的な結合を生ぜしめる、ということは自明である。適当な発泡可能な材料には、例えば硬化可能なポリウレタン組成(PU組成)が含まれる。

活性化可能な材料は、様々な形態で、例えば粉末、フィルム、不織布(特にスパンボンド不織布)、ネット、ペーストおよび/または液体として、被覆材料に被着されてよい。それゆえ、複数の異なるコーティング技術、特に貼合わせ技術および/またはラミネート技術が考慮される。被覆材料に対する活性化可能な材料の被着は、好適には機械的に、特に機械的に自動化されて行われ、これにより、被着コストを低下させかつ品質を保証することができる。

活性化可能な材料の活性化は、概ね使用される活性化可能な材料に応じて決まる任意の形式で行うことができる。例えば活性化には、熱的な処理、化学的な処理、照射および/または圧作用が含まれてよい。好適には、活性化は熱的な処理および/または照射、特に赤外線照射により行われる。それというのも、これらのプロセスは簡単かつ迅速に実行することができると共に、自動化された方法に良好に組み込むことができるからである。

被覆材料は、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームに対する被着の時点で、所要の最終寸法に裁断されて(仕立てられて)いることが望ましい。この場合、裁断は、活性化可能な材料によるコーティングの前または後に行われてよい。好適には、裁断は活性化可能な材料によるコーティングの後に行われる。それというのも、このようにしてコーティングプロセスを、例えばローラプロセス等の枠内で、より簡単に自動化することができるからである。

いくつかのケースでは、被覆材料が複数の長手方向セグメントから構成されていることが有意である。これらのケースでは、個々のセグメントが、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームへの被着前に結合されて、特に互いに縫合されて(縫い合わされて)1つの閉じた輪を形成するが、この輪の長手方向結合部は、まだ閉じられていない。

ステアリングホイールフレームの周囲には、コーティングされた被覆材料の被着前に、少なくとも部分的にマトリックス材料が射出成形されかつ/または金型内発泡させられる。特にこのステップでは、形状を付与するマトリックスの形成が行われ、このマトリックスにステアリングホイールフレームが少なくとも部分的に埋め込まれ、マトリックスはステアリングホイールの所望の幾何学形状を、特にその機能性と人間工学的な特性とに関しても画定する。この場合、ステアリングホイールフレームの周囲への射出成形は、大抵のケースでは局所的に異なるマトリックス材料厚さでもって行われ、かつ/または全体的には行われない。例えば一般にはステアリングホイールハブと、いくつかのケースではステアリングホイールスポークの周囲にも、極薄くしか、または全く射出成形が施されず、ステアリングホイールリムの周囲だけに、マトリックス材料がより厚い材料層で射出成形されるに過ぎない。本発明の好適な構成では、周囲にマトリックス材料が射出成形されたステアリングホイールフレームの準備には、ステアリングホイールフレームの周囲でのマトリックス材料の金型内発泡も含まれる。金型内発泡は、周囲を包囲する射出成形の特殊形態である。発泡可能なマトリックス材料に関しても、例えばPU発泡体または物理的に発泡可能な材料が考慮される。

被覆材料に対して付加的に、マトリックス材料もその外面が、活性化可能な材料により、被覆材料の被着前にコーティングされてよい。被覆材料に被着された活性化可能な材料と同一の活性化可能な材料であってよい。しかしまた材料の組合せに応じて、マトリックス材料のコーティング用には、被覆材料の活性化可能な材料とは異なるが、この活性化可能な材料と化学的に適合していて、例えば被覆材料の活性化可能な材料の接着作用を支援する、活性化可能な材料を使用することが有意な場合もある。マトリックス材料の活性化可能な材料は、マトリックス材料に全面的に被着されていてよいが、活性化可能な材料をマトリックス材料に部分的にのみ被着することが十分または有利な場合もある。例えば、被覆材料の活性化可能な材料の接着作用が、幾何学形状的に不利な箇所では−例えばステアリングホイールスポークの、ステアリングホイールリムへの移行部では−場合により不十分なことがある。接着作用を支援するために、このような箇所では付加的に、化学的に敏感で活性化可能な材料が、マトリックス材料の外面にも被着されてよい。

基本的には、活性化可能な材料を専らマトリックス材料だけに被着して、周囲にマトリックス材料が射出成形されたステアリングホイールフレームを包囲する前の被覆材料に活性化可能な材料を被着することは省くことも可能である。この場合は被覆材料の代わりにマトリックス材料が、ステアリングホイールフレームの外面に少なくとも部分的に射出成形されてから、活性化可能な材料によりコーティングされ、被覆材料は、マトリックス材料が周囲に射出成形されかつコーティングされたステアリングホイールフレームに被着され、これにより、マトリックス材料のコーティングされた外面が被覆材料に向けられた状態になる。本発明による方法のその他の方法ステップは不変のままである。ただし方法技術的には、ステアリングホイールフレームの周囲に少なくとも部分的に射出成形された後の、三次元に成形されたマトリックス材料を、活性化可能な材料によりコーティングすることよりも、実質的に二次元に成形された面状の被覆材料を、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームへの被着前に、活性化可能な材料によりコーティングすることの方が簡単である。

被着された被覆材料の長手方向縁部同士を結合するプロセスステップには、例えば長手方向縁部相互の縫合、接着、溶接および/または類似手段が含まれていてよい。

当該方法の1つの好適な態様では、被着前の被覆材料の各長手方向縁部に、それぞれファスナ半部(ファスナ歯列)が共に取り付けられ、これらのファスナ半部は、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームにコーティングされた被覆材料が被着された後に閉じられる。ファスナの使用は、被覆材料の各長手方向縁部の結合部が極めて簡単かつ迅速に形成される、という利点を有している。さらにファスナにより、有利な視覚的な様式効果を得ることもできる。

ファスナ半部は、一体的に形成されていてよいか、または複数のセグメントを有していてよい。特に良好に適しているのは、コイルファスナ、特にプラスチックから成るコイルファスナである、ということが判った。各長手方向縁部に対するファスナ半部の取付けは、縫付け、接着および/または溶接により行われてよい。この場合、ファスナ半部は、ファスナが閉じられた状態で見えたままになるように、または好適には、被覆材料により覆い隠されるように、すなわち被覆材料の各長手方向縁部が、ファスナの閉鎖後には突き合わされて、またはオーバラップして位置するように取り付けられてよい。

ファスナは、ステアリングホイールリムの内周面に取り付けられてよい。この場合、ファスナは視覚的にあまり目立たないように配置されており、ファスナの位置は実質的に、従来式に製造されて縫合されたファスナのシーム位置に相当する。ただしこの場合には、ステアリングホイールリムとステアリングホイールスポークとの間の、一般にはやはりステアリングホイールリムの内周面に位置する移行部が、ステアリングホイールリムの円弧全体を通走する1つのファスナの使用を邪魔することになる。これに対してファスナがステアリングホイールリムの外周面または−車両運転者の視点から見て−車両運転者とは反対の側の、ステアリングホイールリムの裏側に取り付けられた場合には一般に、ステアリングホイールリムの円弧全体を通走する1つのファスナの使用が可能である。これらの場合でも、ファスナは視覚的にあまり目立たないように、ステアリングホイールに配置されている。

当該方法の1つの有利な改良では、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレームにコーティングされた被覆材料を被着した後で各ファスナ半部を閉じることにより、被覆材料の各長手方向縁部が互いに結合される。次いで、またはより後の方法ステップにおいて、ファスナにより既に互いに結合された各長手方向縁部が、付加的に縫合により互いに結合され、このときファスナを覆うように縫合される。この縫合の時点では、各長手方向縁部は既にファスナにより互いに結合されているため、長手方向縁部同士の縫合部は従来よりも大幅に簡単かつ迅速に形成される。つまり、ファスナを覆うような各長手方向縁部の縫合に際して、各長手方向縁部の位置を保持する必要は最早ない。それというのも、各長手方向縁部は既にファスナにより正しい位置で互いに結合されているからである。使用されたファスナを覆うように一貫して縫合することが可能である。しかしまたステアリングホイールにおける幾何学形状的な状態に応じて、使用されたファスナを覆うように複数の別個のシームでもって縫合すること、および/または使用されたファスナを覆うように部分的にのみ縫合することが、より有利な場合もある。

当該方法の1つの別の態様では、ステアリングホイールフレームを包囲しているマトリックス材料は、被覆材料の互いに結合された各長手方向縁部の領域に、結合シームに沿って延在する切欠きを有している。このようにして、結合に基づき生じる被覆の厚さ増大部が切欠きにより受容され、結合箇所に望ましくない膨出部が生じないようになっている。このことは特に、各長手方向縁部の結合に1つのファスナを使用した場合に有利である。

本発明の別の好適な態様は、各下位請求項または説明に記載したその他の特徴から明らかである。

本発明の別の態様は、本発明に基づく方法により製造可能な、被覆されたステアリングホイールに関する。

本願において挙げられた本発明の様々な実施形態は、個々のケースにおいて別の説明がない限り、互いに有利に組み合わせることができる。

以下に、本発明を付属の図面につき複数の実施例において説明する。

本発明の第1の態様による、ステアリングホイールを製造する方法のプロセスの流れを示す図であって、(A)は、ステアリングホイールフレームの斜視図および断面図であり、(B)は、被覆材料の裁断片を上から見た図およびコーティング前後の断面図であり、(C)は、マトリックスが周囲に射出成形されたまたは金型内発泡させられたステアリングホイールフレームを示す(横断面)図であり、(D)は、被覆材料の被着および結合後のステアリングホイールを示す図であり、(E)は、活性化可能な材料の活性化後の、完成したステアリングホイールの第1の実施形態を示す図であり、(F)は、活性化可能な材料の活性化後の、完成したステアリングホイールの第2の実施形態を示す図である。

本発明の第2の態様による、ステアリングホイールを製造する方法のプロセスの流れを示す図であって、(A)は、ステアリングホイールフレームの断面図であり、(B)は、マトリックスが周囲に射出成形されたまたは金型内発泡させられたステアリングホイールフレームを示す図であり、(C)は、コーティングされた被覆材料をファスナと共に上から見た図であり、(D)は、被覆材料の被着を示す図であり、(E)は、ステアリングホイールを部分的に閉じられたファスナと共に示す図であり、(F)は、ファスナ閉鎖後のステアリングホイールの第1の実施形態を示す断面図であり、(G)は、ファスナ閉鎖後のステアリングホイールの第2の実施形態を示す断面図である。

次に図1を参照して、ステアリングホイールを製造する、本発明による方法の第1の態様のプロセスの流れを、様々なプロセスステップにおける中間製品に基づき説明する。

最初に当該方法の第1のステップでは、図1Aにおいて全体的に符合10で表したステアリングホイールフレームを準備する。ステアリングホイールフレーム10は、ステアリングホイールハブ11を有しており、ステアリングホイールハブ11からは任意の数(ここでは2つ)のステアリングホイールスポーク12が放射状に出ていて、環状のステアリングホイールリム13に移行している。図1Aの右側には、ステアリングホイールリム13が断面図で示されている。この例では、ステアリングホイールリム13は実質的にU字形の成形部材として形成されていることが認められる。一般にステアリングホイールフレームは金属材料、例えばマグネシウムまたはマグネシウム合金から製造されていて、例えばダイカスト法で得ることができる。次いでステアリングホイールフレーム10、特にステアリングホイールリム13は、周囲にマトリックス材料を射出成形され、かつ被覆材料により包囲されることが望ましい。

別のステップにおいて、活性化可能な材料を備えた被覆材料の裁断およびコーティング(貼合わせ)が行われる。図1Bの左側には、展開された被覆材料14の裁断片を上から見た図が示されている。被覆材料としては、例えば皮革、人造皮革、繊維材料または任意の形式のプラスチック材料を用いることができる。図1Bの右側には、被覆材料14のコーティング前後の断面図がそれぞれ示されている。被覆材料は、可視側15と不可視側16とを有している。不可視側16に、活性化可能な材料17を被着する。Xは、コーティングの高さ(コーティングの厚さ)を表す高さである。コーティングは任意の厚さ、例えば20〜2000μmであってよく、様々な要求や使用される材料等に左右される。

活性化可能な材料17として使用される材料は、適切な活性化(下記参照)の後に、被覆材料14と、マトリックス材料が周囲に射出成形されたステアリングホイールリム13との間に材料接続的な結合を生ぜしめることができる。好適には、活性化可能な材料は接着特性を発揮する、すなわち活性化可能な材料17としては、活性化可能な接着剤、例えばホットメルト接着剤が用いられる。適切なホットメルト接着剤には、例えばエチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレン酢酸ビニルコポリマーが変化したポリオレフィン、ポリエステル等が含まれる。別の適切な接着剤には、ポリウレタン、アクリレートまたはアクリル酸モノマーを基礎とするポリマー、ポリビニルアルコール、シリコーン、合成エラストマまたは天然ゴム組成が含まれる。特に好適には、特に粉末として使用可能な熱可塑性のポリウレタン組成(ポリオールとイソシアネートから成る混合物)が用いられる。

コーティング技術は、原則として任意の形式で構成されていてよく、活性化可能な材料17の種類、特に活性化可能な材料17が粉末、溶融物、溶液または分散体の形態で用いられるのか、既に形成された層としてフィルムまたはネット、不織布、例えばスパンボンド不織布の形態で用いられるのか、に左右される。これに相応して、湿式コーティングおよび乾式コーティング、溶剤を用いたまたは用いないコーティング、熱的なコーティングおよびその他のコーティングが用いられる。活性化可能な材料17が粉末、溶液、分散体または溶融物である場合には、ドクタブレード技術またはスプレー技術を使用することができる。活性化可能な材料17が既に層として、フィルムまたはネット等の形態で形成されている場合には、ラミネート技術または貼合わせ技術が使用され、この場合、活性化可能な材料17が尚早に接着することを防ぐために、材料17はキャリアフィルム上に設けられていてもよい。このキャリアフィルムは、コーティングの前または後に除去される。

好適には、活性化可能な材料17による被覆材料14の不可視側16のコーティングが行われてから、被覆材料は図1Bに例示した形状に裁断される、すなわち、最初にコーティングしてから、コーティングされた被覆材料14を裁断する(仕立てる)。裁断は、切断または打抜きにより行われてよい。

結果を図1Cに示す別の方法ステップでは、ステアリングホイールフレーム10またはステアリングホイールフレーム10の部分、特にステアリングホイールリム13の周囲に、マトリックス材料18が射出成形される、好適には金型内発泡させられる。このプロセスステップには、周知の射出成形法が射出成形工具を使用して用いられる。よってこのプロセスステップの製品は、ステアリングホイールフレームが埋め込まれたマトリックス18である。マトリックス18は、ステアリングホイールの所望の形状を画定すると同時に、特に人間工学的な要求、安全要件および視覚的な構成観点を考慮したものである。金型内発泡を施されたステアリングホイールフレームは、専門用語ではステアリングホイール発泡体とも言われる。マトリックス材料18としては、例えば活性化可能な材料に関して述べた複数の材料のうちの1つが用いられてよい。特に熱可塑性ポリマー、例えばポリウレタンが用いられる。ポリマー材料が、例えば超臨界CO2で満たされ、この超臨界CO2が、衝撃的な圧力降下および/または衝撃的な温度上昇において解放されることにより、前記各材料は全て、物理的な発泡法で発泡させることができる。前記各材料のうちのいくつかは、ポリマー組成が例えば加熱下でガス状成分を解放することにより、化学的に発泡させることもできる。化学的および物理的な発泡法もしくは金型内発泡法は、当業者には周知である。

続く方法ステップでは、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレーム10(ステアリングホイール発泡体)、特にステアリングホイールリム13に対する、コーティングされた材料14の被着が行われる。このとき被覆材料14は、その不可視側、つまりコーティングされた側が、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレーム10,13に向けられているように配置されている。好適には、周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレーム10に対するコーティングされた被覆材料14の被着前に、コーティング材料14の裁断片の複数の短い端部が互いに結合される、例えば縫合、接着または溶接される。この過程は機械的に行われてよい。周囲に射出成形が施されたステアリングホイールフレーム10に対するコーティングされた被覆材料14の被着後に、被覆材料14の各長手方向縁部22が互いに結合され、これにより、結合箇所もしくはシーム23が生ぜしめられる。ここでも結合は、(好適には)縫合、接着または溶接により行われてよい。周囲に射出成形が施されたステアリングホイールリム13に対する被覆材料14の被着の結果は、図1Dに示されている。ここでは符合17で、まだ活性化されていない活性化可能な材料が示されており、符合23で被覆材料14の各長辺22のシーム23が示されている。

続くプロセスステップでは、被覆材料14と、ステアリングホイールフレーム10を包囲しているマトリックス材料18との間に材料接続的な結合を生ぜしめるために、活性化可能な材料17の活性化が行われる。活性化の形式は、活性化可能な材料の種類に則っており、熱供給、照射、特に赤外線照射、圧力供給、プレス、化学的な活性化等が含まれていてよい。例えば活性化可能な材料17がホットメルト接着剤である場合には、接着結合部の活性化は、例えば炉内での外部熱供給により行われるか、または赤外線照射により行われる。1つの特別な構成ではステアリングホイールに、ステアリングホイールヒータが装備されている。この場合には、活性化可能な材料17の熱的な活性化を、ステアリングホイールヒータを用いて行うことができる。適用される活性化温度は、被覆材料の耐久温度に適合されていることが望ましい。

活性化ステップの結果は、図1Eに示されている。ここでは符合17’で活性化された、本例では発泡させられた材料が示されており、この材料は、図示の例では活性化により僅かに膨張しているだけに過ぎない。1つの択一的な例を示す図1Fでは、活性化された材料17’は、より大幅に大きく膨張(発泡)させられている。発泡および膨張の程度は、とりわけ被覆材料14にコーティングされた活性化可能な材料17の層厚さx(図1B参照)により調整され得る。製品においてそれぞれ異なる複数の膨張度を得るためには、被覆材料14のコーティングされるべき面にわたってそれぞれ異なる複数の層厚さxを設けることも可能である。このようにして、例えばステアリングホイールリム13の全周に沿って、それぞれ異なる触覚特性を生ぜしめることができる。

活性化後のステアリングホイール100は最終製品として、場合により別の増設部品を備えて、特に自動車に取り付けられてよい。

ステアリングホイール100を製造する、本発明による方法の第2の態様を、それぞれ異なるプロセスステップと中間製品とに基づき図2に示す。この場合、一致する部材には図1と同じ符合を付してあり、再度詳細には説明しない。以下では相違点についてのみ説明する。図2に示す方法は、被覆材料の長手方向縁部同士を結合するためにファスナが使用される点において、図1に示した方法と相違している。

図2Aには再び、ステアリングホイールフレーム10のステアリングホイールリム13の断面図が示されている。図1で説明したように、ステアリングホイールフレーム10の周囲にはマトリックス18が射出成形されるか、または金型内発泡させられる(図2B参照)。この任意の態様では、マトリックス18は、特にステアリングホイールリム13の後ろ側に沿って延在する切欠きまたは溝19を備えて形成されている。切欠き19の役割は、ファスナを受容することと、ファスナによる隆起を回避することにある。

ここに図示した本発明の態様では、被覆材料14の、活性化可能な材料17で既にコーティングされた不可視側16に、ファスナ半部20が被着される(図2C)。例えばファスナ半部20は、被覆材料14の各長手方向縁部22に沿って配置され、かつ被覆材料14に結合、例えば縫合される。このときファスナ半部20は、ファスナの歯21が被覆材料14の開いた各長手方向縁部22の方向に、つまり外側に向くように配置されている。ファスナの歯21は、(好適には)被覆材料14の各長手方向縁部22により覆い隠されていてよいか、または露出していてよい。図2Cに示した場合とは異なり、活性化可能な材料17による被覆材料14のコーティングは、ファスナ半部20の被着後に行われてもよい。ただしこのことは、より高いプロセスコストと結び付いている。

図2Dには、周囲にマトリックス材料18が射出成形されたステアリングホイールフレーム10に、コーティングされかつファスナ半部20が設けられた被覆材料14を被着するプロセスステップが示されている。この被着は、各ファスナ半部20がマトリックス材料18の切欠き19を覆って配置されるように行われる。次いでファスナスライダ(図示せず)がファスナ半部20の歯列にわたって案内されることにより、各ファスナ半部20が閉じられ、これにより、各歯21が互いに周知の形式で交互に噛み合うことになる。図2Eには、ファスナが部分的に閉じられた状態が示されている。図2Fには、被覆材料14が被着されかつ既に閉じられたファスナ20を備えるステアリングホイールリム13の断面図が示されている。各ファスナ半部20は、製品に設けられたファスナが外側に向かって膨出しないように、マトリックス18の切欠き19内に受容されていることが認められる。さらに、被覆材料14の各長手方向縁部22は突合わせ縁部として互いに接触し合っていると共に、各ファスナ半部20を覆い隠していることも認められる。つまり完成したステアリングホールでは、ファスナ20は見ることも触ることもできなくなっている。

図2Gには、図2Fに示した構成に対する1つの変化態様が示されている。ここでは、マトリックス18の切欠き19が、より大きな深さを備えて形成されている。このことは、ファスナがその閉鎖後に切欠き19内に折り込まれひいては切欠き19により完全に受容されることを可能にする。この変化態様では、ファスナ半部20は最初に被覆材料14の長手方向縁部22により覆い隠されはしない。むしろファスナ半部20は、これらのファスナ半部20が閉じられた後に切欠き19内へ折り込まれて初めて、被覆材料14の各長手方向縁部22により覆い隠される。マトリックス18における、より深い切欠き19の使用は、コイルファスナに比べて厚い成形ファスナタイプの使用をも可能にする。この構成でも、ファスナ20は完成したステアリングホイールでは、見ることも触ることもできなくなっている。

ただし図2Eまたは図2Fに示した構成の場合とは異なり、ファスナは露出していてひいては見えるようになっていてもよい。このことは、例えば対照色または蛍光のファスナを使用することにより、カラーデザインに関して特別な様式効果が生じることを可能にする。

最後に、図2に示した当該方法の態様においても、被覆材料14とマトリックス18との間に材料接続的な結合、特に接着結合を生ぜしめて完成したステアリングホイール100を得るために、活性化可能な材料17の活性化が行われる。ファスナの使用により、被覆材料を被着した後の長手方向縁部22同士の結合は、例えば手で縫合する過程に比べ大幅に簡単になる。さらにファスナによる閉鎖は、比較的小さな製造誤差でもってより良好に再現可能であると共に、均一な閉鎖力を保証する。

完成したステアリングホイール100は、次の層列、すなわち、ステアリングホイールフレーム10/マトリックス18/活性化された材料17’(材料接続的な結合)/被覆材料14を有している。被覆材料14と活性化可能なもしくは活性化された材料17との間にはさらに、例えば活性化可能な材料17が被覆材料14の可視側15を貫通して破損または漏出することを防ぐ下塗りが任意に設けられていてもよい。次に本発明を具体的な実施例で説明する。

例1 皮革(被覆材料)の裏面に、熱可塑性のポリウレタン粉末を活性化可能な材料としてローラにより被着し、または振りかけ、貼合わせ手段として赤外線を用いて皮革と固く結合した。次いで、このようにコーティングした皮革を打抜きにより裁断した。皮革の各長手方向縁部に、それぞれファスナ半部を縫合した。このように形成された皮革裁断片を、金型内でポリウレタンマトリックスが周囲に発泡させられたステアリングホイールフレームのステアリングホイールリムに被着して、ファスナ半部同士を閉じ合わせた。ポリウレタン粉末の活性化は、赤外線照射により100〜120℃で5分間行われた。冷却後には、皮革とポリウレタンマトリックスとの間の均一な接着と同時に、高強度の接着が得られた。

例2 ポリイミドコポリマー粉末をローラによりキャリアネット上に被着して130℃で溶融させた。次いでこのようにして得られた積層体を、軽い圧力と熱とを加えながら皮革の不可視側に被着した。次いで皮革を仕立て、皮革裁断片の各長手方向縁部にそれぞれファスナ半部を縫合した。1つの変化態様では、ファスナ半部を使用しなかった。PUマトリックスを金型内発泡させたステアリングに皮革を被着した後にファスナを閉じた、もしくはこの変化態様ではファスナ無しで長手方向縁部同士を縫合した。ポリイミドコポリマー粉末を活性化させるために、構造体を115℃の炉内で10分間加熱した。冷却後には、皮革とポリウレタンマトリックスとの均一で安定的な結合が得られた。

100 ステアリングホイール 10 ステアリングホイールフレーム 11 ステアリングホイールハブ 12 ステアリングホイールスポーク 13 ステアリングホイールリム 14 被覆材料 15 可視側 16 不可視側 17 活性化可能な材料 17’ 活性化された材料(活性化後の活性化可能な材料) 18 マトリックス/マトリックス材料 19 切欠き、溝 20 ファスナ半部 21 ファスナの歯 22 長手方向縁部 23 結合箇所/シーム

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