材料の加工

申请号 JP2018033050 申请日 2018-02-27 公开(公告)号 JP2018118247A 公开(公告)日 2018-08-02
申请人 ザイレコ,インコーポレイテッド; 发明人 メドフ,マーシャル; マスターマン,トーマス,クレイグ; パラディス,ロバート;
摘要 【課題】バイオマスなどの材料を加工するための装置の提供。 【解決手段】電子ビームを用いて、木材、パーティクルボード、おがくず、農業廃棄物、下 水 汚物、サイレージ、牧草、籾殻、バガス、綿、ジュート、麻、亜麻、竹、サイザル、マニラ麻、麦わら、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの葉茎、スイッチグラス、アルファルファ、干し草、ココナッツの毛、海藻、藻類、およびこれらの混合物からなる群から選択されるバイオマス材料に照射するための、第一の電子ビーム装置を備える第一の処理セルと、第一の処理セルからバイオマス材料を冷却および運搬するためのスクリューコンベヤと、を備える装置。 【選択図】なし
权利要求

バイオマス材料を処理するための装置であって、前記装置は、 電子ビームを用いてバイオマス材料に照射するための第一の電子ビーム装置を備える第一の処理セルと、 前記第一の処理セルから前記バイオマス材料を冷却および運搬するためのスクリューコンベヤと、 を備える、装置。前記バイオマス材料をさらに照射するための第二の電子ビームを備える第二の処理セルをさらに備える、請求項1に記載の装置。前記スクリューコンベヤが冷却される内部を備える、請求項1に記載の装置。前記内部が冷却液を用いて冷却される、請求項3に記載の装置。前記内部が中空のシャフトおよび中空のフライトを備える、請求項3に記載の装置。前記冷却液用の地熱グランドループをさらに備える、請求項5に記載の装置。冷却により、バイオマス材料を約1℃〜110℃の温度に冷却させる、請求項1に記載の装置。冷却により、バイオマス材料を約10℃〜75℃の温度に冷却させる、請求項1に記載の装置。冷却により、バイオマス材料を約10℃〜50℃の温度に冷却させる、請求項1に記載の装置。送達される総線量が約1〜200Mradである、請求項1に記載の装置。送達される総線量が約10〜50Mradである、請求項1に記載の装置。送達される総線量が約20〜40Mradである、請求項1に記載の装置。照射中の前記バイオマス材料の温度が約160℃を越えない、請求項1に記載の装置。照射中の前記バイオマス材料の温度が約75℃〜150℃上昇する、請求項1に記載の装置。前記バイオマス材料には、リグノセルロース材料が含まれる、請求項1に記載の装置。前記バイオマス材料が、木材、パーティクルボード、おがくず、農業廃棄物、下汚物、サイレージ、牧草、籾殻、バガス、綿、ジュート、麻、亜麻、竹、サイザル、マニラ麻、麦わら、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの葉茎、スイッチグラス、アルファルファ、干し草、ココナッツの毛、海藻、藻類、およびこれらの混合物からなる群から選択する、請求項1に記載の装置。前記スクリューコンベヤは、2つ以上のスクリューを備える、請求項1に記載の装置。前記第一の電子ビームを用いた照射によって、前記バイオマス材料に対して少なくとも1秒あたり1Mradの線量を送達する、請求項1に記載の装置。前記第二の電子ビームを用いた照射によって、前記バイオマス材料に対して少なくとも1秒あたり1Mradの線量を送達する、請求項2に記載の装置。前記スクリューコンベヤが、材料入口および材料吐出口を備え、前記材料入口および材料吐出口における前記バイオマス材料の温度には、少なくとも約110℃の差があることを特徴とする、請求項1に記載の装置。前記バイオマス材料が輸送される間に、粉砕されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。前記内部は、地熱グランドループによって冷却された水またはグリコール水混合物を用いて冷却される、請求項3に記載の装置。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、以下の仮特許出願の優先権を主張するものである:2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,684号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,773号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,731号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,735号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,740号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,744号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,746号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,750号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,752号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,754号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,775号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,780号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,761号;2013年3月8日出願の米国特許出願第61/774,723号;および2013年3月15日出願の米国特許出願第61/793,336号。これらの仮特許出願それぞれの開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。

背景 今日では、例を挙げると農業残渣、木質バイオマス、自治体廃棄物、油料種子粕類および海藻など、多くの潜在的リグノセルロース系原料が、入手可能である。現在、これらの材料の多くは、十分に活用されておらず、例えば動物飼料、バイオコンポスト材料として用いられるか、コジェネレーション施設で焼却されるか、または埋め立てられることさえある。

リグノセルロース系バイオマスは、ヘミセルロースマトリックスに包埋され、リグニンに包囲された結晶セルロース原繊維を含む。これが、酵素、ならびに他の化学的、生化学的および/または生物学的工程による接近が困難な緻密なマトリックスを生成する。セルロース系バイオマス材料(例えば、リグニンが除去されたバイオマス材料)は、酵素および他の変換工程により利用し易いが、それでも天然由来のセルロース材料は多くの場合、加分解酵素と接触させると、低い収率となる(理論収率と比較)。リグノセルロース系バイオマスは、酵素の攻撃に対してより難分解性である。さらにリグノセルロース系バイオマスの各タイプは、それぞれに特有のセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの組成を有する。

概要 概して本発明は、バイオマスなどの材料を加工するための方法、設備およびシステムに関する。例えば、バイオマス材料を低分子量の糖に変換することによりバイオマス材料、例えばセルロース系、リグノセルロース系および/またはデンプン系原料を糖化または液化するための、例えば酵素、1種以上のセルラーゼおよび/またはアミラーゼを用いて該原料を糖化するための工程が、本明細書に開示される。本発明は、例えば発酵などのバイオプロセシングにより、原料を製品に変換することにも関する。例えば難分解性を低下させるために、処理されたバイオマス材料などの材料を運搬および/または冷却するための新規なシステム、方法および設備が、本明細書に記載される。本明細書に記載された任意の処理または工程の後に材料を冷却すること(運搬の間に起こり得る)で、加工速度を上昇させることができ、遅延させることなく更なる処理または工程のための材料を準備することができる。例えば、十分に冷却せずに処理されると分解温度を超えるであろう総線量で、バイオマス材料を処理することが望ましい場合、暴露の間に冷却を入れながら総線量を2回以上の暴露に分けることが有利となる。

一態様において、本発明は、難分解性を低下させたバイオマスをスクリューコンベヤの内部に沿って運搬することを含む、バイオマスなどの材料を取扱う方法に関する。該方法は、バイオマスを供給入口に送達すること、および場合によりバイオマスをスクリューコンベヤの出口から吐出すること、も含むことができる。場合により該方法は、バイオマスを加速電子で処理して難分解性を低下させることを含み、例えば該電子は、約0.3MeV〜約5MeV、例えば約0.5MeV〜約3.5MeV、または約0.8MeV〜約2MeVのエネルギーを有する。場合により運搬(例えば、スクリューコンベヤによる)の前に、バイオマスは、約0.5Mrad〜約50Mrad、例えば約1Mrad〜20Mrad、約1Mrad〜約15Mrad、または約5Mrad〜約15Mradの線量を受ける。

幾つかの実行において、バイオマスが運搬される内部、例えばスクリューシャフト、フライティングおよび/またはハウジングが、冷却される。例えば内部は、冷却液(chilled liquid)、例えば水またはグリコール水混合物を用いて冷却される。場合により冷却水は、冷却塔および/または地熱冷却(geothermal cooling)を利用して冷却される。

幾つかの他の実行において、コンベヤは、バイオマス入口およびバイオマス吐出口を有し、入口と吐出口のバイオマスの温度差は、約110℃未満(例えば、約75℃未満、約50℃未満、約25℃未満)である。

別の実行において、該方法は、バイオマス材料を運搬しながら、例えば細断および/または剪断により、バイオマス材料を破砕することをさらに含む。場合により、処理されるバイオマス材料を運搬する前、運搬する間、または運搬した後に、添加剤がバイオマス材料と混和されるが、例えば添加剤としては、水、酸、例えば硫酸または塩酸またはリン酸、塩基、金属、樹脂、無機材料、およびこれらの混合物を挙げることができる。

別の態様において、本発明は、材料を第一の電子ビームデバイスを備えた第一の処理セルに提供すること、および第一の電子ビームデバイスを用いて該材料に照射すること、を含む、材料、例えばバイオマス材料を加工する方法に関する。該方法は、材料をスクリューコンベヤで第一の処理セルから冷却および運搬することも含む。場合により該方法は、材料をスクリューコンベヤで第一の処理セルから、第二の電子ビームジェネレータを備えた第二の処理セルまで運搬すること(例えば、冷却しながら)、および第二の電子ビームデバイスを用いて材料に電子ビームを照射すること、をさらに含む。スクリューコンベヤは、冷却される、例えば水またはグリコール水混合物などの冷却液を用いて冷却される内部、例えばスクリューシャフト、フライティングおよび/またはハウジングを含むことができる。場合により冷却は、材料の温度を約1℃〜約110℃(例えば、約10℃〜約75℃、約10℃〜約50℃)低下させる。場合により照射により送達される総線量は、約1〜約200Mrad(例えば、約10〜約200Mrad、約10〜約50Mrad、約20〜約40Mrad、約25〜約35Mrad)である。幾つかの例において、照射の間の温度(例えば、バイオマスの温度)は、約200℃を超えない(例えば、約180℃を超えない、約160℃を超えない、約150℃を超えない、約140℃を超えない、約130℃を超えない、約120℃を超えない、約110℃を超えない)。場合により、照射の間の材料の温度は、約10℃〜約250℃(例えば、約10℃〜約150℃、約50℃〜約150℃、約75℃〜約150℃)上昇する。

場合により、本明細書の方法およびシステムに記載されたスクリューコンベヤは、2つ以上のスクリューを含むことができる。

本明細書に記載された本発明の幾つかの実行において、該方法は、セルロースおよび/またはリグノセルロース材料などのバイオマス材料を含む。例えばバイオマスは、木材、パーティクルボード、おがくず、農業廃棄物、下水汚物、サイレージ、牧草、籾殻、バガス、綿、ジュート、麻、亜麻、竹、サイザル、マニラ麻、麦わら、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの葉茎、スイッチグラス、アルファルファ、干し草、ココナッツの毛、海藻、藻類、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。

本発明の実行は、場合により以下に要約された特色の1つ以上を含むことができる。幾つかの実行において、選択された特色は、いずれの順序で適用または活用することができ、他の実行においては、特別な選択された順番が適用または活用される。個々の特色を、いずれかの順番で連続的に1回を超えて適用または活用することができる。加えて、適用または活用される特色の全体的な順番、または順番の一部を、一回、繰り返し、または連続していずれかの順序で適用または活用することができる。幾つかの選択的実行において、特色は、当業者に決定される、異なる、または適宜同一の、設定された、または変動する、定量的または定性的パラメータを提供または利用することができる。例えばサイズ、個々の寸法(例えば、長さ、幅、高さ)、使用場所、使用の程度(例えば、難分解性などの程度)、使用期間、使用頻度、密度、濃度、強度および速度は、適宜、当業者に決定される通り、変動しても、または設定されていてもよい。

例えば特色は、材料を取り扱う方法および/または処理する方法;難分解性を低下させた材料をスクリューコンベヤの内部に沿って運搬すること;材料をスクリューコンベヤの供給入口に送達すること;材料をスクリューコンベヤの出口から吐出すること;材料を加速電子で処理して難分解性を低下させること;材料を約0.3MeV〜約5MeVのエネルギーを有する加速電子で処理すること;材料を約0.5MeV〜約3.5MeVのエネルギーを有する加速電子で処理すること;材料を約0.8MeV〜約2MeVのエネルギーを有する加速電子で処理すること;材料に約0.5Mrad〜約20Mradの線量を照射し、その後材料を運搬すること;材料に約1Mrad〜約15Mradの線量を照射し、その後材料を運搬すること;材料に約5Mrad〜約15Mradの線量を照射し、その後材料を運搬すること;材料をスクリューコンベヤで運搬し、材料が運搬されるスクリューコンベヤの内部が冷却されること;材料をスクリューコンベヤで運搬し、スクリューコンベヤのスクリューシャフトが冷却されること;材料をスクリューコンベヤで運搬し、スクリューコンベヤのフライティングが冷却されること;材料をスクリューコンベヤで運搬し、スクリューコンベヤのハウジングが冷却されること;材料をスクリューコンベヤで運搬し、スクリューの内部が冷却液を用いて冷却されること;材料をスクリューコンベヤで運搬し、スクリューコンベヤの内部が水で冷却されること;材料をスクリューコンベヤで運搬し、スクリューコンベヤの内部がグリコール水混合物で冷却されること;冷却塔および/または地熱冷却を利用してスクリューコンベヤで運搬する材料を冷却するために用いられる冷却水を冷却すること;材料入口および材料吐出口を有し、入口と吐出口の材料の温度差が約110℃未満である、コンベヤ;材料入口および材料吐出口を有し、入口と吐出口の材料の温度差が約75℃未満である、コンベヤ;材料入口および材料吐出口を有し、入口と吐出口の材料の温度差が約50℃未満である、コンベヤ;材料入口および材料吐出口を有し、入口と吐出口の材料の温度差が約25℃未満である、コンベヤ;材料を運搬しながら材料を破砕すること;材料を運搬しながら材料を細断すること; 材料を運搬しながら材料を剪断すること;材料を運搬する前に水が材料と混和される;材料を運搬した後に水が材料と混和される;材料を運搬する間に水が材料と混和される;材料を運搬する前に酸が材料と混和される;材料を運搬した後に酸が材料と混和される;材料を運搬しながら酸が材料と混和される;材料を運搬する前に塩基が材料と混和される;材料を運搬した後に塩基が材料と混和される;材料を運搬する間に塩基が材料と混和される;材料を運搬する前に金属が材料と混和される;材料を運搬した後に金属が材料と混和される;材料を運搬する間に金属が材料と混和される;材料を運搬する前に樹脂が材料と混和される;材料を運搬した後に樹脂が材料と混和される;材料を運搬しながら樹脂が材料と混和される;材料を運搬する前に無機材料が材料と混和される;材料を運搬した後に無機材料が材料と混和される;材料を運搬する間に無機材料が材料と混和される;材料を運搬する前に硫酸が材料と混和される;材料を運搬した後に硫酸が材料と混和される;材料を運搬する間に硫酸が材料と混和される;材料を運搬する前に塩酸が材料と混和される;材料を運搬した後に塩酸が材料と混和される;材料を運搬しながら塩酸が材料と混和される;材料を運搬する前にリン酸が材料と混和される;材料を運搬した後にリン酸が材料と混和される;材料を運搬しながらリン酸が材料と混和される;材料を第一の電子ビームデバイスを備えた第一の処理セルに提供すること;第一の電子ビームデバイスを用いて第一の処理セル内の材料に電子ビームを照射すること;材料をスクリューコンベヤで第一の処理セルから運搬すること;材料を、第二の電子ビームデバイスを備えた第二の処理セルまで運搬して、材料に第二の電子ビームを照射すること;スクリューコンベヤを用いて材料を約1℃〜約110℃冷却すること;スクリューコンベヤを用いて材料を約10℃〜約75℃冷却すること;スクリューコンベヤを用いて材料を約10℃〜約50℃冷却すること;照射の総線量約1〜200Mradを材料に送達すること;照射の総線量約10Mrad〜約50Mradを材料に送達すること;照射の総線量約20Mrad〜約40Mradを材料に送達すること;照射の間の材料の温度が約200℃を超えないように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約180℃を超えないように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約160℃を超えないように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約150℃を超えないように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約140℃を超えないように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約130℃を超えないように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約120℃を超えないように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約110℃を超えないように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約10℃〜約250℃上昇するように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約10℃〜約150℃上昇するように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約50℃〜約150℃上昇するように材料を照射すること;照射の間の材料の温度が約75℃〜約150℃上昇するように材料を照射すること;バイオマス材料を加工すること;リグノセルロース材料を加工すること;木材を加工すること;パーティクルボードを加工すること;おがくずを加工すること;農業廃棄物を加工すること;下水汚物を加工すること;サイレージを加工すること;牧草を加工すること;籾殻を加工すること;バガスを加工すること;綿を加工すること;ジュートを加工すること;麻を加工すること;亜麻を加工すること;竹を加工すること;サイザルを加工すること;マニラ麻を加工すること;麦わらを加工すること;トウモロコシの穂軸を加工すること;トウモロコシの葉茎を加工すること;スイッチグラスを加工すること;アルファルファを加工すること;干し草を加工すること;ココナッツの毛を加工すること;海藻を加工すること;藻類を加工すること;2つ以上のスクリューコンベヤを用いて材料を運搬すること、を含む。

本明細書に挙げられた、または添付された全ての発行物、特許出願、特許、および他の参考資料は、それらに含まれる全てに関してその全体が参照により本明細書に組み入れられる。

一実施形態による冷却システムの例を示す図面である。

冷却システムの一部の詳細図である。

図1に示された冷却システムの一部の拡大断面図である。

冷却システムの一部の別の可能な実施形態の拡大断面図である。

詳細な説明 本明細書に記載された方法を用いれば、バイオマスなどの多くの材料(例えば、植物バイオマス、動物バイオマス、紙、および自治体廃棄物バイオマス)を加工して、糖、糖アルコール、有機酸、有機酸塩、酸無水物、有機酸エステル、および燃料、例えば内燃機関用の燃料または燃料電池の原料などの有用な中間体および製品を生成することができる。バイオマスを糖化して糖を生成し、幾つかの例では得られた糖を発酵して他の製品および/または中間体を形成させることを含む多くの方法が、本明細書に含まれる。本明細書に記載された方法および材料は、処理ステップの間および/または後に温度を制御して、処理された材料の破壊(例えば、分解)が減少または排除されることを含む。

処理された、例えば難分解性を低下させるために処理されたバイオマス材料を冷却することが、本明細書に記載される。例えば材料は、本明細書に記載された通り照射することができ、バイオマスの温度を上昇させる、例えばバイオマスの温度を約10℃〜約250℃(例えば、約10℃〜200℃、約10℃〜150℃、約10℃〜100℃、約20℃〜約100℃、約20℃〜75℃、約50℃〜約200℃、約50℃〜150℃、約75℃〜約150℃)上昇させることができる。

本明細書に記載された任意のそのような処理または工程の後に材料を冷却することで、加工速度を上昇させることができ、損失、例えば熱分解による損失を減少させ、遅延させることなく、処理または加工された材料を更なる処理または工程のために準備することができる。図1Aに参照される通り、冷却水を地熱グランドループ12の入口10に送出して、さらに冷却水塔から得られた熱を超える熱をさらに除去することができる。地熱グランドループ12は、基礎構造30に埋入されている蛇行したパイプ14(例えば、銅またはプラスチック)を含む。幾つかの例において、パイプ14は、基礎構造が入れられた時に設置され、基礎構造は、厚い基礎パッドを必要とするプラントのエリア、例えば以下に議論される照射設備を含むエリアで用いられる。幾つかの別の実施形態において、地熱グランドループは、例えば任意の建築物、設備および/または基礎構造から離れた、別のエリアに配置されるため、容易に接近する(例えば、掘り出す)ことができる。例えば地熱グランドループは、池の下など、他の構造物に提供されていないエリアに存在してもよい。幾つかの別の実施形態において、開放型地熱ループまたは閉鎖型地熱ループを用いることができる。開放型および閉鎖型地熱ループの選択は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、ウェブサイトhttp://wwwapp.epa.ohio.gov/ddagw/SCCGW/Documents/GHCS.pdf, March 3, 2013でアクセスされる、“Recommendations for Geothermal Heating and Cooling Systems”, Ohio Water Resources Council, State Coordinating Committee on Ground Water, Feb. 2012において議論されている。バイオマスの照射のための保管庫を支持する基礎構造30が、図1Aに示されているが、地面は、基礎構造および埋入された配管の観察を遮らないよう、示されていない。幾つかの実施形態において、地熱ループは、基礎構造内に完全に埋入させることができる。水が、約55°Fの温度で地熱グランドループ12の出口20を離れ、入口17からコンベヤ16のケーシング、例えばアッシュクーラに入るが、この構造は図2AおよびBを参照にして以下に議論される。16のシャフトを駆動するモーターは、格納庫60に格納させることができる。アッシュクーラ16に入る水の温度は、約75〜150°Fの温度に加熱されて入口18からアッシュクーラに入るバイオマスを水が冷却することができるよう、十分に低い。約73°Fの温度の冷却されたバイオマスは、アッシュクーラ16をバイオマス出口19から出て、この時点で高温に戻っている冷却水は、水出口管22から出る。クーラの入口と出口の温度差は、約110℃未満(例えば、約75℃未満、約50℃未満、約25℃未満)であってもよい。材料は、例えば約1℃〜約110℃(例えば、約10℃〜約75℃、約10℃〜約50℃)冷却することができる。

図1Bに、閉鎖型ループエアコンベヤおよびアッシュクーラ16と流体連通するバッグフィルタの詳細な正面図を示す。バイオマスは、ガス内で(例えば、空気式運搬により空気内で)空気式パイプ46を通ってバッグフィルタに運搬される。バッグフィルタは、微細なバイオマス粒子を捕捉し、より大きなバイオマス粒子を、矢印に示される通り、アッシュクーラ16の入口18から落下させることができる。50に位置し、モーター52により駆動される回転式バルブは、バイオマスおよびガスの流れを制御することができる。ガスが戻されて、パイプ48による閉鎖型エアループコンベヤの回路が終了する。ガスは、フローチャンバー40にも引き出される。場合によりフローチャンバー40は、オゾン、揮発性有機炭素化合物および/または有害空気汚染物の除去のために、ガス低減システム(汚染制御技術など)、例えば炭素フィルターを含むことができる。ファン42(例えば、軸流ファン)は、チャンバー40内に描かれた矢印が示す方向に、空気をフローチャンバーから引き込み、出口44から大気へ引き出す。場合により出口の空気は、チャンバー40を約300フィート3/分(例えば、約20〜1000フィート3/分、約50〜500フィート3/分、約100〜400フィート3/分)の速度で流れる。閉鎖型ループエアコンベヤ内の気流は、出口44を出る気流とほぼ同じであるか、あるいは閉鎖式ループコンベヤ内の気流よりも速い。出口を出る気流は、閉鎖型エアループコンベヤ内の気流の約1〜10倍(例えば、1〜6倍、1〜3倍、1〜2倍)速くすることができる。

冷却コンベヤの側断面図である図2Aを参照すると、冷却水がケージング23を流れ、ケージング23は内殻25および外殻27を含み、それらが流体の流れのために間に存在する空間を画定している。高温のバイオマス(例えば、温度T1)が、回転しているスクリュー24を含むスクリューコンベヤにより16(例えば、アッシュクーラ)の内部全体に運搬される。スクリュー24のシャフト26およびフライト28は、中空であり、地熱グランドループ12から水を再循環することによっても冷却される。ドライブモーター(図示しない)が、シャフトに機械的に連結されていて、シャフトおよびスクリューの回転に必要となるトルクを提供している。

16において、バイオマス粒子は、スクリュー25のらせんにより連続運転に供され、一定して位置を変動させている。これにより、バイオマス粒子は、コンベヤの内部全体に移動すると、冷却水と熱連通しているため冷却されているコンベヤの内表面、例えばスクリュー24の外表面および内殻25と頻繁に、かつ繰り返し接触するようになる。回転、運搬、織込み、および分散の作用により、スクリューおよびケーシング内のバイオマスと冷却流体との熱交換が増進される。それゆえ、スクリュークーラを出るバイオマスの温度(T2)は、スクリュークーラに入るバイオマスの温度よりも低い(例えば、T1>T2)。

幾つかの実施形態において、アッシュクーラは、1つを超えるスクリューを含む。例えば図2Bは、2つのスクリューを備えた冷却スクリューコンベヤの上面断面図である。スクリューコンベヤは、示された通り噛み合わせることができる。二軸スクリューコンベヤは、単軸スクリューコンベヤと同様の構成部分を有するが、2つのスクリューを含む、より大きな内部容積を有する。高温のバイオマスが、コンベヤ最上部の入口218からクーラに入り(例えば、クーラ内に落下し)、スクリュー224のねじり/回転/運搬作用により、例えば矢印に示される通り、クーラの内部全体に移動する。冷却されたバイオマスは、コンベヤの下側に配設された出口220からスクリューコンベヤを出る(例えば、スクリューの外に落下する)。冷却水はケーシング223を流れるが、ケーシング223は、内殻225および外殻227を含み、それらが流体の流れのために間に存在する空間を画定している。スクリュー224のシャフト226およびフライト228は、中空であり、地熱グランドループ12から水を再循環することによって冷却される。別の実施形態において、3つ、4つ、5つ、6つ、さらにはそれを超えるスクリューを、冷却コンベヤ内で用いることができる。単軸スクリューの実施形態と同様に、スクリュークーラに入るバイオマスの温度(T1)は、スクリュークーラを出るバイオマスの温度(T2)よりも高い。

コンベヤ(例えば、スクリュークーラのフライト、シャフト、内殻)は、耐腐食性材料で作製させること、またはそれをコーティングさせることができる。例えばコンベヤは、ステンレス鋼(例えば、304、316ステンレス鋼、HASTELLOY(登録商標)合金およびINCONEL(登録商標)合金)を含む構造材料を使用することができる。例えばHynes(米国インディアナ州コーコモー所在)のHASTELLOY(登録商標)耐腐食性合金、例えばHASTELLOY(登録商標)B−3(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)HYBRID−BC1(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−4合金、HASTELLOY(登録商標)C−22(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−22HS(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−276合金、HASTELLOY(登録商標)C−2000(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)G−30(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)G−35(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)N合金およびHASTELLOY(登録商標)ULTIMET(登録商標)合金。例えば、用いられ得る幾つかのコーティングおよび対応する微小硬度を、ここに列挙する:窒化チタン(TiN:2300HV0.05)、窒化アルミニウムクロム(AlCrN:3200HV0.05)、炭窒化チタン(TiCN:3000HV0.05)、タングステンカーバイド/炭素(WC/C:1500HV0.05/1000HV0.05)、窒化クロム(CrN:1750HV0.05)、ダイヤモンド状炭素(DCL:>2000HV0.05)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN:3300HV0.05およびTiAlNx:3400HV0.05)、窒化チタンクロム(TiCrN:2100HV0.05)。幾つかの実施形態において、理想的には過酷な用途(sever applications)にこの上なく向いている工程である、TDXとして公知のコーティング工程が用いられる。TDXコーティングは、溶融塩バス内で塗布され、非常に均一で滑らかなカーバイド層を得る。TDXカーバイドは、冶金的にツーリングに結合されて、極めて高い接着強度および耐剥離性をもたらす。TDXコーティングの硬度は、約4200ビッカースである。例えば幾つかの任意のコーティングは、TDX Supreme I、TDX Supreme IIおよびTDX Supreme IIIなど、Tool Dynamics Inc(インディアナ州コロンバス所在)により提供することができる。

コーティングは、物理蒸着(PVD)、溶射、HVOF(高速低温のコーティング工程)、プラズマ溶射、アーク溶射および電気メッキなどの方法により塗布することができる。コーティングは、様々な種類の摩耗、例えば衝撃摩耗、研磨、侵食、圧迫、キャビテーション、摩損、腐食および酸化からの保護を提供することができる。

本明細書に記載された方法に用いられ得るコンベヤ(例えば、冷却コンベヤ、アッシュクーラ、熱交換コンベヤ)は、購入され得るコンベヤを包含する。例えばAFM Bruns(ドイツ)、Zhengzhou Yufeng Heavy Machinery Co., Ltd.(中国)、Therma−Flite Inc.(米国)、Qingdao Shongdian Energy Equipment Co., Ltd.(中国)、Magalidi Industrie S.R.L(イタリア)、Quigdao Zhongdian Energy equipment Co. Ltd.(中国)、Jiangsu Hongbang Environment Engineering Co. Ltd.(中国)、Xinxian Shengxiang Material Trading Co. LtdおよびThomas Conveyor(米国)。コンベヤを購入して、改良すること(例えば、コーティングを施すなど)もできる

冷却水は、他の冷却流体、例えばオイルおよび/またはアルコール(例えば、エタノール、ブタノールおよび/またはグリコール)に置き換えることができる。水とアルコールとの混合物、例えば水とエタノール、水とグリコールを用いることもできる。例えば、グリコールが約5%〜約80%(例えば、5%〜20%、約10%〜50%、約10%〜30%、約40%〜60%)である水グリコール混合物を用いることができる。他の添加剤、例えば殺菌剤、制菌剤および/または抗腐食剤を用いることができる。

幾つかの実行において、添加剤は、処理された材料を運搬する前、運搬する間、または運搬した後、処理されたバイオマス材料と混和される。例えば添加剤は、水、酸、塩基、金属、樹脂、無機材料およびこれらの混合物からなる群から選択される添加剤であってもよい。

幾つかの実行において、バイオマスおよび/または他の材料は、アッシュクーラ内で/アッシュクーラにより、破砕されてもよい(例えば、材料を細断しても、引き裂いても、および/または断裂してもよい)。例えばフライトに切れ込みが入っていてもよく、またはスクリューコンベヤのフライトと内殻25の間の空隙が、それらの間の材料を粉砕するのに十分大きい。1つを超えるスクリューが用いられた構成において、スクリューは、例えばスクリューと噛み合わせること、ならびに/またはフライトの表面を接近させる、もしくはさらに互いに接近させることにより、剪断および引き裂きを増加および/または低減するように配置させることができる。あるいはスクリューコンベヤは、メッシュ(例えば、ワイヤメッシュ)または穴のあるプレートを通して材料を押出すことができる。

アッシュクーラは、アッシュクーラ内を運搬されるバイオマスまたは任意の材料を加熱するために活用することもできる。例えば、スクリューコンベヤの中空のスクリュー、シャフトおよびケーシング内に加熱流体(例えば、オイルまたは水)を流すことによる。例えばここで、バイオマスの温度は、少なくとも20℃(例えば、少なくとも30℃、少なくとも50℃、少なくとも100℃)上昇される。冷却後、バイオマス材料は、更なる処理、例えば照射のために難分解処理エリアに戻されてもよく、または糖化などの別の加工ステップに移送されてもよい。

幾つかの実施形態において、スクリュークーラからの冷却流体は、糖化工程などの他の工程にエネルギーを伝達するヘッドエクスチェンジャ(head exchanger)に連絡されている。そのような実施形態において、バイオマスの加工による加熱は、例えばバイオマス、水およびセルラーゼ混合物を約40〜60℃に加熱する、糖化ステップに移送される。

例えば既に先に議論された実施形態、または他の実施形態により、用いられ得る原料を処理するための工程の幾つかの更なる詳細および反復を、以下の開示に記載する。特に本明細書に議論された冷却システムは、例えば以下の区分に記載される原料処理ステップおよび加工ステップを含む工程において、活用することができる。

原料を処理するシステム 先に議論された運搬方法が用いられ得る原料を砂糖および他の製品に変換する工程は、例えばこの処理の前および/または後にサイズを減少させるために、原料を場合により物理的に前処理すること、難分解性を低下させるために原料を場合により処理すること(例えば、照射による)、および原料を糖化して糖溶液を形成すること、を含むことができる。糖化は、以下に詳細に議論される通り、液体媒体、例えば水の中の原料の分散体を酵素と混合することにより実施することができる。糖化の間または糖化の後、混合物(糖化が配送途中で部分的または完全に実施される場合)また溶液を、例えばパイプライン、鉄道車両、トラックまたはバージにより、製造プラントに運搬することができる。プラントでは、溶液をバイオプロセシング、例えば発酵することができ、所望の生成物または中間体を生成し、その後、例えば蒸留によりさらに加工することができる。個々の加工ステップ、用いられた材料、ならびに形成され得る製品および中間体の例を、以下に詳細に記載する。

照射処理 原料は、照射により処理されて、難分解性を低下させるように構造を改良することができる。そのような処理は、例えば原料の平均分子量を低下させ、原料の結晶構造を変化させ、そして/または原料の表面積および/もしくは多孔性を増加させることができる。照射は、例えば電子ビーム、イオンビーム、100nm〜28nmの紫外(UV)線、γ線またはX線照射であってもよい。照射処理および処理用システムは、米国特許第8,142,620号および米国特許出願第12/417,731号で議論されており、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。

照射の各形態は、照射エネルギーにより決定される特定の相互作用を介してバイオマスをイオン化する。重荷電粒子は、主にクーロン散乱を介して物体をイオン化し、さらにこれらの相互作用が、物体をさらにイオン化し得るエネルギー電子を生成する。α粒子は、ヘリウム原子の核と同一であり、様々な放射性核種、例えばビスマス、ポロニウム、アスタチン、ラドン、フランシウム、ラジウム、複数のアクチニド系列、例えばアクチニウム、トリウム、ウラン、ネプツニウム、キュリウム、カリホルニウム、アメリシウム、およびプルトニウムの同位体のα崩壊により生じる。電子は、電子の速度変化により生じたクーロン散乱および制動放射を介して相互作用する。

粒子が用いられる場合、それらは、中性(非電荷)、正電荷または負電荷であってもよい。電荷を帯びている場合、荷電粒子は、単一の正もしくは負電荷、または多重電荷、例えば1、2、3、もしくは4つ以上の電荷を帯びることができる。炭水化物含有材料の分子構造を変化させるために分子鎖切断が望ましい場合には、酸性であることを一部の理由として、正の電荷を帯びた粒子が望ましい場合がある。粒子が用いられる場合、粒子は、静止電子の質量、またはそれを超える、例えば静止電子の質量の500、1000、1500、または2000倍またはそれを超える質量を有することができる。例えば該粒子は、約1原子単位〜約150原子単位、例えば約1原子単位〜約50原子単位、または約1原子単位〜約25原子単位、例えば1、2、3、4、5、10、12、または15原子単位の質量を有することができる。

γ線は、試料中の様々な材料への顕著な浸透深さという利点を有する。

照射が電磁放射線で実施される実施形態において、電磁放射線は、例えば102eVを超える、例えば103evを超える、104、105、106、または107eVを超える光子あたりのエネルギー(電子ボルトで)を有することができる。幾つかの実施形態において、電磁放射線は、104〜107、例えば105〜106eVの光子あたりのエネルギーを有することができる。電磁放射線は、例えば1016Hzを超える、1017Hzを超える、1018Hz、1019Hz、1020Hz、または1021Hzを超える周波数を有することができる。幾つかの実施形態において、電磁放射線は、1018〜1022Hz、例えば1019〜1021Hzの周波数を有する。

電子衝撃は、10MeV未満、例えば7MeV未満、5MeV未満、または2MeV未満、例えば約0.5〜1.5MeV、約0.8〜1.8MeV、または約0.7〜1MeVの公称エネルギーを有する電子ビームデバイスを用いて実施されてもよい。幾つかの実行において、公称エネルギーは、約500〜800keVである。

電子ビームは、比較的高い総ビーム出(全ての加速ヘッドのビーム出力を合せたもの、または複数の加速器が用いられる場合には、全ての加速器および全てのヘッドのビーム出力を合せたもの)、例えば少なくとも25kW、例えば少なくとも30、40、50、60、65、70、80、100、125、または150kWを有していてもよい。幾つかの例において、該出力は、500kW、750kW、または1000kW以上にも上る。幾つかの例において、電子ビームは、1200kW以上、例えば1400、1600、1800、または3000kWのビーム出力を有する。

この高い総ビーム出力は、通常、複数の加速ヘッドを用いることにより実現される。例えば電子ビームデバイスは、2、4、またはそれを超える加速ヘッドを含んでいてもよい。それぞれが比較的低いビーム出力を有するヘッドを複数使用することで、材料の過剰な温度上昇が予防され、それにより材料の燃焼が予防され、材料の層の厚さを通る線量の均一性も上昇する。

バイオマス材料のベッドが比較的均一な厚さを有することが、一般には好ましい。幾つかの実施形態において、厚さは、約1インチ未満(例えば、約0.75インチ未満、約0.5インチ未満、約0.25インチ未満、約0.1インチ未満、約0.1〜1インチ、0.2約〜0.3インチ)である。

可能な限り急速に材料を処理することが、望ましい。一般には、処理が0.25Mrad/秒を超える線量率、例えば約0.5、0.75、1、1.5、2、5、7、10、12、15、または約20Mrad/秒を超える、例えば約0.25〜2Mrad/秒の線量率で実施されることが好ましい。より高い線量率により、目的の(所望の)線量を得るためのより高い処理能力が可能になる。より高い線量率は、一般に、材料の熱分解を回避するためにより高いライン速度を必要とする。1つの実行において、加速器は、3MeV、50mAビーム電流に設定され、ライン速度は、約20mmの試料厚さ(例えば、嵩密度0.5g/cm3の破砕されたトウモロコシの穂軸材料)の場合24フィート/分である。

幾つかの実施形態において、電子衝撃は、材料が少なくとも0.1Mrad、0.25Mrad、1Mrad、5Mrad、例えば少なくとも10、20、30または少なくとも40Mradの総線量を受けるまでに、実施される。幾つかの実施形態において、処理は、材料が約10Mrad〜約50Mrad、例えば約20Mrad〜約40Mrad、または約25Mrad〜約30Mradの線量を受けるまでに実施される。幾つかの実行において、25〜35Mradの総線量が好ましく、それが理想的には数回のパスであてられ、例えば5Mrad/パスで、各パスが約1秒であてられる。冷却スクリューコンベヤおよび/または冷却された振動コンベヤを利用することにより、冷却の方法、システムおよび設備を、照射前、照射間、照射後および照射と照射の間に利用することができる。

先に議論された複数のヘッドを用いることにより、材料を複数のパスで、例えば10〜20Mrad/パス、例えば12〜18Mrad/パスを、数秒間冷却することで間を開けて2パス、または7〜12Mrad/パス、例えば5〜20Mrad/パス、10〜40Mrad/パス、9〜11Mrad/パスで3パス処理することができる。本明細書に議論された通り、1回の高線量よりもむしろ複数回の比較的低い線量で材料を処理することで、材料の過熱を防ぐ傾向があり、材料の厚さを通る線量均一性が上昇する。幾つかの実行において、材料は、各パスの間または後に撹拌されるか、さもなければ混合され、その後、次のパスの前に再度、均一層に平滑化されることで、処理の均一性が高まる。

幾つかの実施形態において、電子は、例えば光速の75%よりも大きな速度、例えば光速の85、90、95、または99%を超える速度で加速される。

幾つかの実施形態において、本明細書に記載された任意の加工は、例えば熱および/または減圧を利用して、得られた乾燥を維持した、または乾燥されたリグノセルロース材料で行われる。例えば幾つかの実施形態において、セルロース材料および/またはリグノセルロース材料は、25℃および50%の相対湿度で測定して約25重量%未満(例えば、約20重量%未満、約15重量%未満、約14重量%未満、約13重量%未満、約12重量%未満、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、約7重量%未満、約6重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、または約0.5重量%未満)の保留水を有する。

幾つかの実施形態において、2つ以上のイオン源、例えば2つ以上の電子源を用いることができる。例えば試料は、任意の順序で電子ビームで、続いてγ線および約100nm〜約280nmの波長を有するUV光で処理することができる。幾つかの実施形態において、試料は、3つの電離放射線源、例えば電子ビーム、γ線、およびエネルギー性の紫外光で処理される。バイオマスは、処理ゾーンを通って運搬され、そのゾーンで電子衝撃され得る。

処理を繰り返して、バイオマスの難分解性をより徹底して低下させることおよび/またはバイオマスをさらに改良することが、有利となり得る。特に工程のパラメータを、材料の難分解性に応じて、最初の(例えば、2番目、3番目、4番目またはそれより後の)パスの後に調整することができる。幾つかの実施形態において、バイオマスが先に記載された様々な工程を通して複数回運搬される循環システムを含むコンベヤを、用いることができる。幾つかの他の実施形態において、多重処理デバイス(例えば、電子ビーム発生機)を用いて、バイオマスを複数回(例えば2、3、4回またはそれを超える回数)処理する。さらに別の実施形態において、1つの電子ビーム発生機が、バイオマスの処理に用いられ得る多重ビーム(例えば、2、3、4またはそれを超えるビーム)の供給源であってもよい。

分子/超分子構造を変化させること、および/または炭水化物含有バイオマスの難分解性を低下させることにおける有効性は、用いられる電子エネルギーおよびあてられる線量に依存するが、暴露時間は、出力および線量に依存する。幾つかの実施形態において、線量率および総線量は、バイオマス材料を破壊しない(例えば、焦がさないまたは燃やさない)ように調整される。例えば炭水化物は、例えば単量体の糖として、バイオマスから無傷で放出され得るように、加工の際に損傷させてはならない。

幾つかの実施形態において、処理(任意の電子源または電子源の組み合わせでの)は、材料が少なくとも約 0.05Mrad、例えば少なくとも約0.1、0.25、0.5、0.75、1.0、2.5、5.0、7.5、10.0、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175または200Mradの線量を受けるまで実施される。幾つかの実施形態において、処理は、材料が0.1〜100Mrad、1〜200、5〜200、10〜200、5〜150、50〜150Mrad、5〜100、5〜50、5〜40、10〜50、10〜75、15〜50、20〜35Mradの線量を受けるまで実施される。

幾つかの実施形態において、比較的低い線量の放射線が、例えばセルロースまたはリグノセルロース材料の分子量を増加させるために、用いられる(本明細書に記載された任意の放射線源または線源の組み合わせによる)。例えば、少なくとも約0.05Mrad、例えば少なくとも約0.1Mradまたは少なくとも約0.25、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0または少なくとも約5.0Mradの線量。幾つかの実施形態において、照射は、材料が0.1Mrad〜2.0Mrad、例えば0.5rad〜4.0Mradまたは1.0Mrad〜3.0Mradの線量受けるまで、実施される。

材料への放射線の所望の透過度を実現するために、複数の方向から同時に、または連続して照射されることも望ましくなり得る。例えば木材などの材料の密度および水分量、ならびに用いられる放射線源のタイプ(例えば、γ線または電子ビーム)に応じて、材料への放射線の最大透過は、わずか約0.75インチであってもよい。そのような場合、最初に一方の側から材料を照射し、その後材料を回して他の側から照射することにより、より厚い区分(最大1.5インチ)を照射することができる。複数の方向からの照射は、γ線よりも急速に照射するが大きな浸透深さに達しない電子ビーム線では、特に有用となり得る。

放射線不透過性材料 これまで議論された通り、本発明は、放射線不透過性材料を用いて構築される保管庫および/または燃料庫内で材料を加工することを含むことができる。幾つかの実行において、放射線不透過性材料は、多くの材料を透過し得る高エネルギーのX線の成分を遮蔽し得るように選択される。放射線遮蔽格納庫を設計する際の1つの重要な因子は、用いられる材料の減衰長であり、それは特定の材料、材料のブレンド、または層構造に必要となる厚さを決定する。減衰長は、放射線を入射放射線のおよそ1/e(e=オイラー数)倍に減少させる透過距離である。事実上全ての材料が放射線不透過であるが、十分に厚ければ、高いZ値(原子数)を有する元素の高組成率(例えば、密度)を含む材料は、より短い放射線減衰長を有し、つまりそのような材料がより薄く用いられれば、より軽い遮蔽が提供され得る。放射線遮蔽において用いられる高Z値の材料の例が、タンタルおよび鉛である。放射線遮蔽における別の重要なパラメータが、半量距離であり、それは、γ線強度を50%低下させる特定材料の厚さである。0.1MeVのエネルギーのX線照射の例として、半量厚さはコンクリートでは約15.1mmであり、鉛では約2.7mmであるが、1MeVのX線エネルギーでは、コンクリートの半量厚さは、約44.45mmであり、鉛では約7.9mmである。放射線不透過性材料は、別の側に通過する放射線を減少させ得る限りは、厚い材料または薄い材料であってもよい。つまり、特定の格納庫が、例えば軽量にするため、またはサイズの制約のため、薄い壁厚を有することが望ましい場合、半量長さが格納庫の所望の壁厚以下になるように、選択された材料が、十分なZ値および/または減衰長を有さなければならない。

幾つかの例において、放射線不透過性材料は、良好な遮蔽を提供するために、例えばより高Z値の材料の層を有する層状材料、および他の特性(例えば、構造完全性、衝突抵抗性など)を提供するためにより低Z値の材料の層を有する層状材料であってもよい。幾つかの例において、層材料は、高い原子番号の元素から連続的に低い原子番号の元素に続く勾配を作る積層体を含む、「原子番号の傾斜のある」積層体であってもよい。幾つかの例において、放射線不透過性材料は、インターロックしたブロックであってもよく、例えば鉛および/またはコンクリートのブロックは、NELCO Worldwide(マサチューセッツ州バーリントン所在)により供給することができ、再構成可能な保管庫を用いることができる。

放射線不透過性材料は、入射放射線に比較して、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%)の材料で形成された構造(例えば、壁、ドア、天井、格納庫、これらの連続またはこれらの組み合わせ)を通過する放射線を減少させることができる。それゆえ放射線不透過性材料で作製された格納庫は、同じ量の設備/システム/構成部分の暴露を減少させることができる。放射線不透過性材料としては、ステンレス鋼、原子番号が約25の金属(例えば、鉛、鉄)、コンクリート、泥土、砂およびそれらの組合せを挙げることができる。放射線不透過性材料は、少なくとも約1mm(例えば、5mm、10mm、5cm、10cm、100cm、1m、10m)の入射放射線の方向にバリアを含むことができる。

放射線源 放射線のタイプが、用いられる放射線源の種類に加え、放射線デバイスおよび関連の設備を決定する。例えば材料を放射線で処理するための、本明細書に記載された方法、システムおよび設備は、本明細書に記載された線源に加え、任意の他の有用な線源を用いることができる。

γ線源としては、コバルト、カルシウム、テクネチウム、クロム、ガリウム、インジウム、ヨウ素、鉄、クリプトン、サマリウム、セレン、ナトリウム、タリウム、およびキセノンの同位体などの放射線核種が挙げられる。

X線源としては、タングステンまたはモリブデンまたは合金などの金属ターゲットを有する得電子ビーム衝突、Lyceanから営利目的で製造されるものなどのコンパクトな光源が挙げられる。

α粒子は、ヘリウム原子の核と同一であり、様々な放射性核種、例えばビスマス、ポロニウム、アスタチン、ラドン、フランシウム、ラジウム、複数のアクチニド系列、例えばアクチニウム、トリウム、ウラン、ネプツニウム、クリウム、カリホルニウム、アメリシウム、およびプルトニウムなどのα崩壊により生成される。

紫外線の供給源としては、ジューテリウムまたはカドミウムランプが挙げられる。

赤外線の供給源としては、サファイア、亜鉛、またはセレン化物の窓を含むセラミックランプが挙げられる。

マイクロ波の供給源としては、クリストロン、Slevin型RF源、または水素、酸素、もしくは窒素ガスを用いた原子ビーム供給源が挙げられる。

粒子(例えば、電子またはイオン)を加速するのに用いられる加速器は、DC(例えば、静電式DC(electrostatic DC)または電気力学的DC(electrodynamic DC))、RFリニア、磁気誘導リニアまたは連続波であってもよい。例えば、フィールドイオン化源、静電気イオン分離器、フィールドイオン化発生装置、熱電子放出源、マイクロ波放電式イオン源、再循環または静電加速器、電気力学的直線型加速器、ファンデグラフ加速器、コッククロフトワトソン加速器(例えば、PELLETRON(登録商標)加速器)、LINACS、Dynamitrons(例えば、PELLETRON(登録商標)加速器)、(例えば、DYNAMITRON(登録商標)加速器)、サイクロトロン、シンクロトロン、ベータトロン、変圧器型加速器、マイクロトロン、プラズマ発生装置、カスケード加速器および折り返しタンデム型加速器をはじめとする様々な照射デバイスを、本明細書に開示された方法で用いることができる。例えばサイクロトロン型加速器は、RHODOTRON(商標)システムなど、ベルギーのIBAから入手でき、DC型加速器は、DYNAMITRON(登録商標)など、RDI、現在のIBA Industrialから入手できる。他の適切な可塑性システムとしては、例えば日本の日新ハイボルテージから入手できる絶縁鉄心変圧器(ICT)型システム;L3−PSD(USA)、Linac Systems(フランス)、Mevex(カナダ)および三菱重工業(日本)から入手できるS−バンドLINAC;Iotron Industries(カナダ)から入手できるL−バンドLINAC;ならびにBudker Laboratories(ロシア)から入手できるILU型加速器が挙げられる。イオンおよびイオン加速器は、Introductory Nuclear Physics, Kenneth S. Krane, John Wiley & Sons, Inc. (1988)、Krsto Prelec, FIZIKA B 6 (1997) 4, 177−206、Chu, William T., “Overview of Light−Ion Beam Therapy”, Columbus−Ohio, ICRU−IAEA Meeting, 18−20 March 2006、Iwata, Y. et al., “Alternating−Phase−Focused IH−DTL fwor Heavy−Ion Medical Accelerators”, Proceedings of EPAC 2006, Edinburgh, Scotland、およびLeitner, C.M. et al., “Status of the Superconducting ECR Ion Source Venus”, Proceedings of EPAC 2000, Vienna, Austriaに議論されている。幾つかの粒子加速器およびその使用は、例えばMedoffへの米国特許第7,931,784号に開示されており、その開示全てが、参照により本明細書に組み入れられる。

電子は、β崩壊を受ける放射性核種、例えばヨウ素、セリウム、テクネチウムおよびイリジウムにより生成されてもよい。あるいは電子銃を、熱イオン放出を介して電子源として用い、加速電位を通して加速することができる。電子銃は電子を発生し、その電子をその後、大きな電位(例えば、約500000ボルトを超える、約1000000ボルトを超える、約2000000ボルトを超える、約5000000ボルトを超える、約6000000ボルトを超える、約7000000ボルトを超える、約8000000ボルトを超える、約9000000ボルトを超える、または約10000000ボルトを超える)を通して加速し、その後、X−Y平面内で磁気的に走査し、そこで最初、電子をZ方向に加速管の下へ加速し、窓箔を通して抽出する。電子ビームを走査することは、操作ビームを通して運搬される材料、例えばバイオマスを照射する際に、照射表面を増加させるのに有用である。電子ビームを走査することは、熱負荷も窓上で均一に分布させ、電子ビームによる部分的加熱により窓箔の破裂の低減を支援する。窓箔の破裂は、その後必要となる電子銃を修復および再始動するためのかなりの中断時間の原因となる。

フィールドイオン化源、静電気イオン分離器、フィールドイオン化発生装置、熱電子放出源、マイクロ波放電式イオン源、再循環または静電加速器、力学的直線型加速器、ファンデグラフ加速器および折り返しタンデム型加速器をはじめとする様々な他の照射デバイスを、本明細書に開示された方法で用いてもよい。そのようなデバイスは、例えばMedoffの米国特許第7,931,784号に開示されており、その開示全てが、参照により本明細書に組み入れられる。

電子ビームを、放射線源として用いることができる。電子ビームは、高線量率(例えば、1、5、または10Mrad/秒)、高処理能力、少ない閉じ込め、および少ない封じ込め設備の利点を有する。電子ビームは、高い電気効率(例えば、80%)も有することができ、他の放射線方法に比較して低いエネルギー使用が可能で、言い換えれば用いられる少量のエネルギーに対応して低い運転コストおよび低い温室ガス放出に変えることができる。電子ビームは、例えば静電発電機、カスケードジェネレータ、トランスジェネレータ、走査システムを有する低エネルギー加速器、リニアカソードを有する低エネルギー加速器、リニア型加速器、およびパルス加速器により発生させることができる。

電子は、例えば分子鎖切断機構により、炭水化物含有材料の分子構造に変化を起こす際により効率的になり得る。加えて、0.5〜10MeVのエネルギーを有する電子は、本明細書に記載されたバイオマス材料などの低密度材料、例えば嵩密度0.5g/cm3未満および深さ0.3〜10cmを有する材料を透過することができる。電離放射源としての電子は、例えば材料の比較的薄い、例えば約0.5インチ未満、例えば約0.4インチ未満、0.3インチ、0.25インチ、または約0.1インチ未満の堆積、層またはベッドの場合に有用となり得る。幾つかの実施形態において、電子ビームの各電子のエネルギーは、約0.3MeV〜約2.0MeV(100万電子ボルト)、例えば約0.5MeV〜約1.5MeV、または約0.7MeV〜約1.25MeVである。材料を照射する方法は、2011年10月18日出願の米国特許出願公開第2012/0100577 A1号に開示されており、その開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる。

電子ビーム照射デバイスは、商業的に入手してもよく、または構築されてもよい。例えばインダクター、キャパシター、ケーシング、電源、ケーブル、配線、電圧制御システム、電流制御要素、絶縁材料、マイクコントローラー、および冷却設備などの要素または構成部分を購入して、デバイスに組み立てることができる。場合により市販のデバイスを、改良および/または適合させてもよい。例えばデバイスおよび構成部分は、Ion Beam Applications (Louvain−la−Neuve、ベルギー所在)、Wasik Associates Inc. (マサチューセッツ州ドレーカット)、NHVコーポレーション(日本)、the Titan Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ所在)、Vivirad High Voltage Corp(マサチューセッツ州ビレリカ所在)、および/またはBudker Laboratories(ロシア)をはじめとする本明細書に記載された市販の供給業者のいずれかから購入することができる。典型的な電子エネルギーは、0.5MeV、1MeV、2MeV、4.5MeV、7.5MeV、または10MeVであってもよい。典型的な電子ビーム照射デバイスの電力は、1kW、5kW、10kW、20kW、50kW、60kW、70kW、80kW、90kW、100kW、125kW、150kW、175kW、200kW、250kW、300kW、350kW、400kW、450kW、500kW、600kW、700kW、800kW、900kWまたは1000kWであってもよい。用いられ得る加速器としては、NHV照射装置の中エネルギーシリーズEPS−500(例えば、500kV加速電圧および65、100または150mAビーム電流)、EPS−800(例えば、800kV加速電圧および65または100mAビーム電流)、またはEPS−1000(例えば、1000kV加速電圧および65または100mAビーム電流)が挙げられる。同じくNHVの高エネルギーシリーズの加速器、例えばEPS−1500(例えば、1500kV加速電圧および65mAビーム電流)、EPS−2000(例えば、2000kV加速電圧および50mAビーム電流)、EPS−3000(例えば、3000kV加速電圧および50mAビーム電流)およびEPS−5000(例えば、5000kV加速電圧および30mAビーム電流)を用いることができる。

電子ビーム照射デバイスの電力仕様を考慮する上でのトレードオフとしては、運転コスト、資本コスト、減価償却、およびデバイスの設置面積が挙げられる。電子ビーム照射の暴露線量レベルを考慮する上でのトレードオフは、エネルギーコスト、ならびに環境、安全、および健康(ESH)の問題であろう。典型的には発生機は、特にこの工程で発生されるX線からの生成では、例えば鉛またはコンクリートの、保管庫に収容されている。電子エネルギーを考慮する上でのトレードオフとしては、エネルギーコストを包含する。

電子ビーム照射デバイスは、固定ビームまたは走査ビームのいずれかを生成することができる。走査ビームは、大きな固定ビーム幅を効果的に交換するため、長い走査・掃引および高い走査速度が有利となり得る。さらに0.5m、1m、2mまたはそれを超える、入手可能な掃引幅が、利用可能である。走査ビームは、より大きな走査幅であること、ならびに部分的加熱および窓が不能になる可能性が低いことから、本明細書に記載されたほとんどの実施形態において好ましい。

電子銃 − 窓 電子加速器の抽出システムは、2つの窓箔を含むことができる。2つの窓箔抽出システムの冷却ガスは、パージガスまたは混合物、例えば空気、または純粋な気体であってもよい。一実施形態において、ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウムおよび/または二酸化炭素などの不活性ガスである。電子ビームへのエネルギー損失が最小限に抑えられることから、液体よりもむしろ気体を用いることが好ましい。窓上または窓の間の空間に衝突する前にラインで予備混合または混合されたパージガスの混合物を用いることもできる。例えば熱交換システム(例えば、冷凍装置)を使用すること、および/または凝縮ガス(例えば、液体窒素、液体ヘリウム)からのボイルオフを使用することにより、冷却ガスを冷却することができる。窓箔は、2013年10月10日出願のPCT/US2013/64332号に記載されており、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる。

放射線処理の間の加熱および処理能力 電子ビームからの電子が非弾性衝突のものと相互作用する場合、複数の工程が、バイオマス中で起こる可能性がある。例えば材料のイオン化、材料中のポリマーの分子鎖切断、材料中のポリマーの架橋、材料の酸化、X線(ブレムスシュトラールンク)の発生および分子の振動励起(例えば、フォノン発生)。特定の機構に束縛されるものではないが、難分解性の低下は、これらの非弾性衝突効果の幾つか、例えばイオン化、ポリマーの分子鎖切断、酸化およびフォノン発生によるものである。その作用の幾つか(例えば、特にX線発生)は、遮蔽およびバリアの工作、例えばコンクリート(または他の放射線不透過性材料)の保管庫に照射工程を封入することを必要とする。照射の別の作用である振動励起は、試料を温めることに等しい。以下に説明される通り、照射による試料の加熱は、難分解性低下を支援し得るが、過剰な加熱は、材料を破壊する可能性がある。

電離放射線の吸着による断熱温度上昇(ΔT)は、式:ΔT=D/Cp(式中、Dは、kGyでの平均線量であり、Cpは、J/g℃での熱容量であり;ΔTは、℃での温度変化である)により示される。典型的な乾燥バイオマス材料は、2に近い熱容量を有する。水の熱容量は、非常に高い(4.19J/g℃)ため、湿性バイオマスは、水の量に存してより高い熱容量を有する。金属は、かなり低い熱容量を有し、例えばステンレス鋼は、0.5J/g℃の熱容量を有する。放射線の様々な線量に関するバイオマスおよびステンレス鋼の一定した放射線吸着による温度変化を、表1に示す。高温では、バイオマスが分解することで、推定温度変化から極めて大きく逸脱するであろう。

高温は、バイオマス中のバイオポリマーを破壊および/または変性して、ポリマー(例えば、セルロース)が、更なる加工に適さなくなる。高温に供されたバイオマスは、暗色および粘着性を帯びるようになり、臭気を発して、分解を示す可能性がある。粘着性により材料の運搬が困難になる可能性もある。臭気は、不快に感じる場合があり、安全性の問題を生じ得る。事実、バイオマスを約200℃未満(例えば、約190℃未満、約180℃未満、約170℃未満、約160℃未満、約150℃未満、約140℃未満、約130℃未満、約120℃未満、約110℃未満、約60℃〜約180℃、約60℃〜約160℃、約60℃〜約150℃、約60℃〜約140℃、約60℃〜約130℃、約60℃〜約120℃、約80℃〜約180℃、約100℃〜約180℃、約120℃〜約180℃、約140℃〜約180℃、約160℃〜約180℃、約100℃〜約140℃、約80℃〜約120℃)に保持することが、本明細書に記載された工程において有益であることが見出されている。

約10Mradを超える照射が本明細書に記載された工程に望ましいことが、見出されている(例えば、難分解性の低下)。高い処理能力もまた、照射がバイオマスを加工する上でのボトルネックにならないために望ましい。処理は、線量率の式:M=FP/D・時間(式中、Mは、照射される材料の質量(kg)であり、Fは、吸着される電力の比率(単位なし)であり、Pは、発せられる電力(kW=MeVでの電圧×mAでの電流)であり、時間は、処理時間(秒)であり、Dは、吸着された線量(kGy)である)により左右される。吸着される電力の比率が固定されている模範的工程において、発せられる電力は、一定であり、設定された放射線量が望ましく、処理能力(例えば、M、加工されるバイオマス)は、照射時間を増加させることにより増加し得る。しかし材料を冷却させずに放射時間を増加させると、先に示された計算により示される通り、材料を過度に加熱する可能性がある。バイオマスは、低い熱伝導率(約0.1W・m−1・K−1未満)を有するため、例えばエネルギーが伝達されるヒートシンクが存在する限り、エネルギーを急速に放出し得る金属(約10W・m−1・K−1を超える)とは異なり、放熱が緩やかである

電子銃 − ビームストップ 幾つかの実施形態において、該システムおよび方法は、ビームストップ(例えば、シャッター)を含む。例えばビームストップを用いて、電子ビームデバイスの出力を下げずに、材料の照射を急速に停止または減少させることができる。あるいはビームストップは、電子ビームの出力を上昇させながら用いることができ、ビームストップは、所望のレベルのビーム電流に達するまで、電子ビームを停止させることができる。ビームストップは、第一の窓箔と第二の窓箔の間に配置させることができる。例えばビームストップは、可動性であるように、即ちビームパスの内外へ移動できるように、搭載することができる。例えば照射線量を制御するために、ビームの部分的な被覆を用いることもできる。ビームストップは、床に、バイオマスのコンベヤに、壁に、放射線デバイスに(例えば、スキャンホーンの)、または任意の構造支持体に搭載することができる。好ましくは、ビームがビームストップにより効果的に制御され得るように、ビームストップがスキャンホーンに関して固定されている。ビームストップは、ヒンジ、レール、ホイール、スロット、または他の手段を組み込むことができ、ビーム内外へ移動する操作を可能にする。ビームストップは、電子の少なくとも5%、例えば電子の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または約100%を停止させる任意の材料で作製することができる。

ビームストップは、非限定的に、ステンレス鋼、鉛、鉄、モリブデン、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、またはこれらの合金、またはそのような金属で作製された(例えば、金属コートセラミック、金属コートポリマー、金属コート複合体、多層金属材料)積層体(層化材料)をはじめとする金属で作製することができる。

ビームストップは、例えば水溶液またはガスなどの冷却流動体で、冷却することができる。ビームストップは、例えば空洞を有し、部分的または完全に中空であってもよい。ビームストップの内部空間は、流体およびガスを冷却するのに用いることができる。ビームストップは、平面、曲線、円形、楕円形、正方形、長方形、面取りのある形状およびくさび形など、任意の形状であってもよい。

ビームストップは、幾つかの電子を通すような穿孔を有することができ、それにより窓の全エリアまたは窓の特定の領域を通る放射線レベルを制御(例えば、低下)することができる。ビームストップは、例えば繊維またはワイヤから形成された、メッシュであってもよい。複数のビームストップを一緒に、または独立に使用して、照射を制御することができる。ビームストップは、ビームを所定の場所の内外に移動させるために、例えばモーターへの無線信号またはハードウエアにより、遠隔制御することができる。

ビームダンプ 本明細書に開示された実施形態は、放射線処理を活用する際に、ビームダンプを含むこともできる。ビームダンプの目的は、荷電粒子のビームを安全に吸収することである。ビームダンプは、ビームストップと同様に、荷電粒子のビームを遮断するのに用いることができる。しかしビームダンプは、ビームストップよりもかなり強固で、長期間にわたりフルパワーの電子ビームを遮断することを目的とする。それらは多くの場合、加速器の出力を増加させながら、ビームを遮断するのに用いられる。

ビームダンプは、そのようなビームにより発生した熱に順応するようにも設計されており、通常、銅、アルミニウム、炭素、ベリリウム、タングステン、または水銀などの材料で作製されている。例えばビームダンプと熱接触し得る冷却流体を利用して、ビームダンプを冷却することができる。

バイオマス材料 リグノセルロース材料としては、例えば木材、パーティクルボード、林業廃棄物(例えば、おがくず、アスペン材、木材チップ)、牧草(例えば、スイッチグラス、ススキ、コードグラス、クサヨシ)、穀物残渣(例えば、籾殻、オーツ麦の殻、小麦殻、大麦殻)、農業廃棄物(例えば、サイレージ、菜種のわら、小麦わら、大麦わら、オーツ麦わら、米わら、ジュート、麻、亜麻、竹、サイザル、マニラ麻、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの葉茎、大豆の葉茎、トウモロコシ繊維、アルファルファ、干し草、ココナッツの毛)、糖加工残渣(例えば、バガス、ビートパルプ、リュウゼンツランバガス)、藻類、海藻、肥やし、下水汚物、およびこれらのいずれかの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。

幾つかの例において、リグノセルロース材料としては、トウモロコシの穂軸が挙げられる。粉砕またはハンマーミルされたトウモロコシの穂軸は、照射のために比較的均一な厚さの層に広げることができ、照射の後、更なる加工のために媒体中に分散することが容易である。収穫および回収を容易にするために、幾つかの例において、トウモロコシの茎、トウモロコシの穀粒などとうもろこしの植物全体が用いられ、そして幾つかの例において、該植物の根系さえも用いられる。

有利には更なる栄養素(窒素供給源以外、例えば尿素またはアンモニア以外)が、トウモロコシの穂軸、または顕著な量のトウモロコシの穂軸を含むセルロースもしくはリグノセルロース材料の発酵の際に必要となる。

破砕の前後のトウモロコシの穂軸は、運搬および分散も容易であり、干し草および牧草などの他のセルロースまたはリグノセルロース材料よりも空気中で爆発性混合物を形成する傾向が小さい。

セルロース材料としては、例えば紙、紙製品、紙廃棄物、紙パルプ、着色紙、積載紙(loaded paper)、塗工紙、充填紙、雑誌、印刷物(例えば、本、カタログ、使用説明書、ラベル、カレンダー、グリーティングカード、パンフレット、目論見書、新聞紙)、印刷用紙、ポリコート紙、カードストック、厚紙、ボール紙、高α−セルロース量を有する材料、例えば綿、およびこれらのいずれかの混合物が挙げられる。例えば開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願第13/396,365号(Medoffらによる2012年2月14日出願の“Magazine Feedstocks”)に記載された紙製品である。

セルロース材料は、部分的または完全に脱木質化されたリグノセルロース材料も含むことができる。

幾つかの例において、他のバイオマス材料、例えばデンプン質材料を用いることができる。デンプン質材料としては、デンプンそのもの、例えばコーンスターチ、小麦デンプン、ジャガイモデンプンもしくは米デンプン、デンプン誘導体、または食用の食品もしくは作物などのデンプンを含む材料が挙げられる。例えばデンプン質材料は、アラカチャ、蕎麦、バナナ、大麦、キャッサバ、クズ、オクラ、サゴ、モロコシ、通常の家庭用のジャガイモ、サツマイモ、タロイモ、ヤマノイモ、または1種以上の豆、例えば空豆、レンズ豆、エンドウ豆であってもよい。任意の1種以上のデンプン質材料のブレンドもまた、デンプン質材料である。デンプン質材料とセルロースまたはリグノセルロース材料との混合物を用いることもできる。例えばバイオマスは、植物全体、植物の一部または植物の異なる部分、例えば小麦の苗、綿の苗、トウモロコシの苗、米の苗または樹木であってもよい。デンプン質材料は、本明細書に記載された方法のいずれかにより処理することができる。

原料として用いられ得る微生物材料としては、非限定的に、炭水化物(例えば、セルロース)、例えば原生生物、例えば動物の原生生物(例えば、鞭毛藻類、アメーバ、繊毛虫、および胞子虫などの原虫)および植物の原生生物(例えば、アルベオラータ、クロララクニオン藻、クリプトモナド、ユーグレナ藻、灰色藻、ハプト藻、紅藻、ストラメノパイル、および緑色植物亜界)の供給源を含む、または供給源を提供することが可能な任意の天然由来または遺伝子組換え微生物体または生物体を挙げることができる。他の例としては、海藻、プランクトン(例えば、マクロプランクトン、メソプランクトン、ミクロプランクトン、ナノプランクトン、ピコプランクトン、およびフェムトプランクトン)、植物プランクトン、細菌(例えば、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および好極限性細菌)、酵母および/またはこれらの混合物が挙げられる。幾つかの例において、微生物バイオマスは、天然供給源、例えば海洋、湖、水体、例えば塩水もしくは淡水、または陸上から得ることができる。代わりまたは追加として、微生物バイオマスは、培養系、例えば大規模乾式および湿式培養、ならびに発酵系から得ることができる。

別の実施形態において、バイオマス材料、例えばセルロース、デンプン質およびリグのセルロース原料は、野生型の変種に関して修飾されたトランスジェニックの微生物および植物から得ることができる。そのような修飾は、例えば選択および育種の反復ステップにより植物中の所望の素質を得てもよい。その上、植物は、野生型の変種に関して除去、修飾、発現抑制および/または付加されていてもよい。例えば遺伝子修飾植物は、組換えDNA法により生成することができ、その場合の遺伝子修飾は、親種からの特異的遺伝子を導入もしくは修飾すること、または例えば異なる種の植物および/または細菌から植物に特異的遺伝子(複数可)が導入されるトランスジェニック育種を利用すること、を含む。遺伝子変種を作出する別の方法は、新しい対立遺伝子を内在遺伝子から人工的に作出する突然変異育種による。その人工遺伝子は、例えば化学的突然変異原(例えば、アルキル化剤、エポキシド、アルカロイド、過酸化物、ホルムアルデヒドの使用による)、照射(例えば、X線、γ線、中性子、β粒子、α粒子、陽子、重陽子、UV線)および温度ショックまたは他の外部ストレス負荷により植物または種子を処理すること、それに続く選択技術をはじめとし、様々な方法により作出することができる。修飾遺伝子を提供する他の方法は、エラープローンPCRおよびDNAシャッフルの後、所望の修飾DNAを所望の植物または種子に挿入することによる。所望の遺伝子変異を主旨または植物に導入する方法としては、例えば細菌保有者、微粒子銃、リン酸カルシウム沈殿法、電気穿孔、遺伝子スプライシング、遺伝子サイレンシング、リポフェクション、ミクロインジェクション、およびウイルス保有者の使用が挙げられる。更なる遺伝子修飾材料は、2012年2月14日出願の米国特許出願第13/396,369号に記載されており、その開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。

本明細書に記載された方法のいずれかは、本明細書に記載された任意のバイオマス材料の混合物で実践することができる

他の材料 本明細書に記載された方法、設備およびシステムを利用して、他の材料(例えば、天然または合成材料)、例えばポリマーを、処理および/または作製することができる。例えばポリエチレン(例えば、直鎖状低密度エチレンおよび高密度ポリエチレン)、ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエステル(例えば、ナイロン、DACRON(商標)、KODEL(商標))、ポリアルキレンエステル、ポリビニルエステル、ポリアミド(例えば、KEVLAR(商標))、ポリエチレンテレフタラート、酢酸セルロース、アセタール、ポリアクリロニトリル、ポリカルボナート(例えば、LEXAN(商標))、アクリル系[例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアクリロニトリル、ポリクロロプレン(例えば、ネオプレン)、ポリ(シス−1,4−イソプレン)[例えば、天然ゴム]、ポリ(トランス−1,4−イソプレン)[例えば、グッタペルカ]、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、エポキシド、ポリエステル、ポリアミン、ポリカルボン酸、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリ酸無水物、ポリフルオロカーボン(例えば、TEFLON(登録商標))、ケイ素類(例えば、シリコーンゴム)、ポリシラン、ポリエーテル(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)、ワックス、オイル、およびこれらの混合物。プラスチック、ゴム、エラストマー、繊維、ワックス、ゲル、オイル、接着剤、熱可塑性物質、熱硬化性物質、生分解性ポリマー、これらのポリマーから生成された樹脂、他のポリマー、他の材料およびこれらの組み合わせも含まれる。カチオン重合、アニオン重合、ラジカル重合、メタセシス重合、開環重合、グラフト重合、付加重合をはじめとする任意の有用な方法により生成することができる。幾つかの例において、本明細書に開示された処理は、例えばラジカルで開始されるグラフト重合および架橋に用いることができる。ポリマーと、例えばガラス、金属、バイオマス(例えば、繊維、粒子)、セラミックとの複合体を、処理および/または作製することもできる。

本明細書に開示された方法、システムおよび設備を用いることにより処理され得る他の材料は、セラミック、無機質、金属、無機化合物である。例えばケイ素とゲルマニウムの結晶、窒化ケイ素、金属酸化物、半導体、絶縁体、セメントおよび/または導体。

追加として、製造された複数部品の、または成形された材料(例えば、鋳造された、押出された、溶接された、リベットで留められた、層状の、またはいずれかの方法の組み合わせ)、例えばケーブル、パイプ、板、格納庫、集積半導体チップ、開路板、ワイヤ、タイヤ、窓、積層材料、ギア、ベルト、機械、これらの組み合わせを処理することができる。例えば本明細書に記載された方法により材料を処理して、表面を修飾し、例えば更なる官能基化、結合(例えば、溶接)および/または処理を受け易くすることで、材料を架橋することができる。

バイオマス材料の調製 − 機械的処理 バイオマスは、例えば約35%未満の水分量(例えば、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満)の、乾燥形態であってもよい。バイオマスは、湿潤状態、例えば固体が少なくとも約10重量%(例えば、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%)の湿性固体、スラリー、または懸濁物として送達することもできる。

本明細書に開示された工程は、低嵩密度の材料、例えば約0.75g/cm3未満、例えば約0.7g/cm3未満、0.65、0.60、0.50、0.35、0.25、0.20、0.15、0.10、0.05g/cm3またはそれ未満、例えば0.025g/cm3未満の嵩密度を有するように物理的に前処理されたセルロースまたはリグノセルロース原料を活用することができる。嵩密度は、ASTM D1895Bを利用して決定することができる。概要を述べると、該方法は、既知の容積のメスシリンダに試料を充填すること、および試料の重量を得ること、を含む。嵩密度は、試料のグラム重量をシリンダーの既知の容積の立方センチメートルで割ることにより計算される。所望なら、低密度材料を、例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年7月5日公開の米国特許第7,971,809号に記載された方法により、高密度化することができる。

幾つかの例において、処理前加工は、バイオマス材料のふるい分けを含む。ふるい分けは、所望の開口サイズ、例えば約6.35mm(1/4インチ、0.25インチ)未満、(例えば、約3.18mm(1/8インチ、0.125インチ)未満、約1.59mm(1/16インチ、0.0625インチ)未満、約0.79mm(1/32インチ、0.03125インチ)未満、例えば約0.51mm(1/50インチ、0.02000インチ)未満、約0.40mm(1/64インチ、0.015625インチ)未満、約0.23mm(0.009インチ)未満、約0.20mm(1/128インチ、0.0078125インチ)未満、約0.18mm(0.007インチ未満)、約0.13mm(0.005インチ)未満、または約0.10mm(1/256インチ、0.00390625インチ)未満)を有するメッシュまたは穿孔板を通して行うことができる。1つの構成において、所望のバイオマスは、その穿孔またはふるいを通り抜け、つまりその穿孔またはふるいよりも大きなバイオマスは、照射されない。これらの大きな材料は、例えば破砕により、再加工され、またはそれらは単に加工から取り除くことができる。別の構成において、穿孔よりも大きな材料は、照射され、より小さな材料は、ふるい分け工程により除去されるか、または再循環される。この種の構成において、振動コンベヤなどのコンベヤそのもの(例えば、コンベヤの一部)を、穿孔することができ、またはメッシュを含んで作製することができる。例えば1つの特定の実施形態において、バイオマス材料は、湿潤性であってもよく、穿孔またはメッシュによって照射の前に水をバイオマスから流出させてもよい。

材料のふるい分けは、手動での方法、例えば望ましくない材料を除去するオペレータまたはメカノイド(例えば、色、反射性または他のセンサーを備えたロボット)により行うことができる。ふるい分けは、磁石が運搬される材料の付近に配設されていて磁気材料が磁石により除去される、磁気ふるいによって行うこともできる。

任意の処理前加工が、材料の加熱を含むことができる。例えばバイオマスまたは他の材料を運搬するコンベヤの一部を、加熱されたゾーンに送出することができる。加熱されたゾーンは、例えばIR線、マイクロ波、燃焼(例えば、ガス、石炭、オイル、バイオマス)、抵抗加熱および/または誘導コイルにより作製することができる。熱は、少なくとも一方の側または1つ以上の側からあてること、連続的または周期的にてること、そして材料の一部だけまたは材料全てにあてることができる。例えば、コンベヤトラフの一部を、加熱ジャケットの使用により加熱することができる。加熱は、例えば材料の乾燥を目的とするものであってもよい。材料を乾燥する場合、加熱により、または加熱せずに、運搬されている時にガス(例えば、空気、酸素、窒素、He、CO2、アルゴン)をバイオマスの上部および/またはバイオマスの中に移動させることにより、乾燥を容易にすることもできる。

場合により処理前加工は、材料を冷却することを含むことができる。材料の冷却は、開示が参照により本明細書に組み入れられる、2011年3月8日公開の米国特許第7,900,857号に記載される。例えば冷却は、冷却流体、例えば水(例えば、グリセロールを含む)、または窒素(例えば、液体窒素)をコンベヤトラフの底に供給することによって行うことができる。あるいは冷却ガス、例えば凍結窒素を、バイオマスの上部、または運搬システムの下に吹き付けることができる。

別の任意の処理前加工法は、材料をバイオマスまたは他の原料に添加することを含むことができる。更なる材料は、例えばバイオマスが運搬されている時に材料をバイオマスの上に浴びせること、振りかけること、および/または注入することにより、添加することができる。添加され得る材料としては、例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2010/0105119 A1(2009年10月26日出願)および米国特許出願公開第2010/0159569 A1(2009年12月16日出願)に記載された金属、セラミックおよび/またはイオンが挙げられる。添加され得る任意の材料としては、酸および塩基が挙げられる。添加され得る他の材料は、酸化剤(例えば、過酸化物、塩素酸塩)、ポリマー、重合性モノマー(例えば、不飽和結合を含むもの)、水、触媒、酵素および/または生物体である。材料は、純粋な形態で、例えば溶媒(例えば、水または有機溶媒)中の溶液として、そして/または溶液として、添加することができる。幾つかの例において、溶媒は、揮発性であり、例えばこれまで記載された通りガスの加熱および/または吹き出しにより、蒸発するように作製することができる。添加される材料は、バイオマス上に均一なコーティングを形成することができ、または異なる成分(例えば、バイオマスおよび更なる材料)の均質混合物であってもよい。添加される材料は、照射の効率を上昇させること、照射を弱めること、または照射の作用を変化させること(例えば、電子ビームからX線または加熱へ)により、次の照射ステップを変調することができる。該方法は、照射への影響を有していなくてもよいが、さらに下流の加工に有用であってもよい。添加材料は、例えば粉塵のレベルを低下させることにより、材料の運搬を支援してもよい。

バイオマスは、ベルトコンベヤ、空気式コンベヤ、スクリューコンベヤ、ホッパー、パイプ、手動で、またはこれらの組み合わせによりコンベヤ(例えば、本明細書に記載された保管庫内で用いられる振動コンベヤ)に送達することができる。バイオマスは、例えばこれらの方法のいずれかによりコンベヤ上に滴下、注入および/または配置させることができる。幾つかの実施形態において、材料は、封入された材料の分配システムを用いてコンベヤに送達されて、低酸素大気の維持ならびに/または粉塵および微粉の制御を支援する。舞い上がる、または空気に浮遊させたバイオマスの微粉および粉塵は、爆発災害を形成する、または電子銃の窓箔を損傷する可能性があるため(そのようなデバイスが、材料を処理するのに用いられる場合)、望ましくない。

材料をならして、約0.0312〜5インチ(例えば、約0.0625〜2.000インチ、約0.125〜1インチ、約0.125〜0.5インチ、約0.3〜0.9インチ、約0.2〜0.5インチ、約0.25〜1.0インチ、約0.25〜0.5インチ、0.100+/−0.025インチ、0.150+/−0.025インチ、0.200+/−0.025インチ、0.250+/−0.025インチ、0.300+/−0.025インチ、0.350+/−0.025インチ、 0.400+/−0.025インチ、0.450+/−0.025インチ、0.500+/−0.025インチ、0.550+/−0.025インチ、0.600+/−0.025インチ、 0.700+/−0.025インチ、0.750+/−0.025インチ、0.800+/−0.025インチ、0.850+/−0.025インチ、0.900+/−0.025インチ、0.900+/−0.025インチの均一な厚さを形成することができる。

一般に、電子ビームを通して可能な限り急速に材料を運搬して、処理能力を最大にすることが好ましい。例えば材料は、少なくとも1フィート/分、例えば少なくとも2フィート/分、少なくとも3フィート/分、少なくとも4フィート/分、少なくとも5フィート/分、少なくとも10フィート/分、少なくとも15フィート/分、20、25、30、35、40、45、50フィート/分の速度で運搬することができる。運搬速度は、例えばバイオマスの厚さ1/4インチでのビーム電流に関し、100mAでのコンベヤは、約20フィート/分で移動して有用な照射線量を提供することができ、50mAでのコンベヤは、約10フィート/分で移動して、ほぼ同じ照射線量を提供することができる。

バイオマス材料が、放射線ゾーンを通って運搬された後、任意の処理後加工を実施することができる。任意の処理後加工は、例えば照射前加工に関して記載された工程であってもよい。例えばバイオマスを、ふるい分けても、加熱しても、冷却しても、そして/または添加剤と混和してもよい。照射後に特有なこととして、ラジカルのクエンチング、例えば流体もしくは気体(例えば、酸素、亜酸化窒素、アンモニア、液体)の添加、圧力、熱の利用、および/またはラジカルスカベンジャーの添加によるラジカルのクエンチングを行うことができる。例えばバイオマスを、囲い込まれたコンベヤの外部で運搬して、ガス(例えば、酸素)に暴露し、そこでクエンチしてカルボキシル化された基を形成することができる。一実施形態において、バイオマスは、反応性ガスまたは流体への照射の間に暴露される。照射されたバイオマスのクエンチングは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年12月27日公開の米国特許第8,083,906号に記載される。

所望なら、照射に加えて1つ以上の機械的処理を利用して、炭水化物含有材料の難分解性をさらに低下させることができる。これらの工程は、照射の前、照射の間および/または照射後に適用することができる。

幾つかの例において、機械的処理としては、受け取り時の原料の初期調製、例えば破砕、例えば切断、粉砕、せん断、微粉砕または打ち切りなどによる材料のサイズ減少を挙げることができる。例えば幾つかの例において、まとまりのない原料(例えば、リサイクル紙、デンプン質材料、またはスイッチグラス)は、せん断または細断により調製される。機械的処理は、炭水化物含有材料の嵩密度を低下させ、炭水化物含有材料の表面積を増加させ、そして/または炭水化物含有材料の1つ以上の寸法を減少させることができる。

代わりまたは追加として、原料を、別の処理、例えば酸(HCl、H2SO4、H3PO4)、塩基(例えば、KOHおよびNaOH)、化学的酸化剤(例えば、過酸化物、塩素酸塩、オゾン)、照射、水蒸気爆発、熱分解、音波処理、酸化、化学的処理などの化学的処理で処理することができる。処理は、どのような順序でも、どのような連続でも、そしてそれらを組み合わせていてもよい。例えば原料は最初、1つ以上の処理方法、例えば酸加水分解(例えば、HCl、H2SO4、H3PO4の使用)を含みそれらと組み合わせた化学的処理、放射線、音波処理、酸化、熱分解または水蒸気爆発により物理的に処理し、その後、機械的に処理することができる。この連続は、他の処理、例えば照射または熱分解の1つ以上により処理される材料がより脆性の傾向があり、それゆえ機械的処理により材料の構造をさらに変化させることが容易となり得るため、有利となろう。別の例として、原料は、本明細書に記載されたコンベヤを用いて電離放射線を通って運搬され、その後、機械的に処理することができる。化学的処理は、リグニンの一部または全てを除去することができ(例えば、化学パルプ化)、材料を部分的または完全に加水分解することができる。該方法は、予め加水分解された材料で使用することもできる。該方法は、予め加水分解されていない材料で用いることもできる。該方法は、加水分解材料と、非加水分解材料、例えば約50%以上の非加水分解材料、約60%以上の非加水分解材料、約70%以上の非加水分解材料、約80%以上の非加水分解材料、または約90%以上の非加水分解材料との混合物で用いることができる。

加工の最初および/または後に実行され得るサイズ減少に加えて、機械的処理は、炭水化物含有材料を「切り開く」、「応力を加える」、破壊する、または破断して、物理的処理の間に材料のセルロースに分子鎖切断および/または結晶構造の崩壊を受け易くさせるのにも有利となり得る。

炭水化物含有材料を機械的に処理する方法としては、例えば、ミリングまたは粉砕が挙げられる。ミリングは、例えばハンマーミル、ボールミル、コロイドミル、コニカルもしくはコーンミル、ディスクミル、エッジミル、ウィリーミル、グリストミルまたは他のミルが挙げられる。粉砕は、例えば切断/衝撃型グラインダーを用いて実施されてもよい。幾つかの模範的グラインダーとしては、石材用グラインダー、ピングラインダー、コーヒーグラインダーおよびバーグラインダーが挙げられる。粉砕またはミリングは、例えば、ピンミルの場合のように、往復運動ピンまたは他の要素により、提供されてもよい。他の機械的処理方法としては、機械的切り裂きまたは引き裂き、繊維に圧力を加える他の方法、および空気摩耗ミリングが挙げられる。適切な機械的処理は、これまで加工処理ステップにより開始された材料の内部構造の崩壊を継続する任意の他の技法をさらに含む。

機械的供給調製系は、例えば、特定最大サイズ、特定の長さ対幅、または特定の表面積比などの特定の性質を有する流れを生じるよう構成することができる。物理的調製は、反応速度を上昇させ、コンベヤ上の材料の動きを改善し、材料の照射プロファイルを改善し、材料の放射線均一性を改善し、または材料を切開して、それらを工程および/もしくは試薬、例えば溶液中の試薬に接近し易くすることによって必要とされる加工時間を減少させることができる。

原料の嵩密度は、制御(例えば、増大)することができる。幾つかの状況では、例えば材料を高密度化し(例えば高密度化は、別の場所に運搬するのを容易にかつ低コストにし得る)、その後、材料をより低い嵩密度状態に戻す(例えば、運搬後)ことにより、低嵩密度材料を調製することが望ましい。該材料は、例えば、約0.2g/cc未満から約0.9g/ccを超えるまで(例えば、約0.3未満〜約0.5を超えるまで、約0.3未満〜約0.9g/ccを超えるまで、約0.5未満〜約0.9を超えるまで、約0.3未満〜約0.8g/ccを超えるまで、約0.2未満〜約0.5g/ccを超えるまで)に高密度化することができる。例えば材料は、開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第7,932,065号(Medoff)および国際公開WO 2008/073186号(2007年10月26日出願;英語で公開;米国を指定)に開示された方法および設備により高密度化され得る。高密度化材料は、本明細書に記載された方法のいずれかにより加工することができ、または本明細書に記載された方法のいずれかにより加工された任意の材料は、次に、高密度化することができる。

幾つかの実施形態において、加工される材料は、繊維源をせん断することにより提供される繊維を含む繊維性材料の形態である。例えば、剪断は、回転式ナイフカッターで実施することができる。

例えば、難分解性であるか、または難分解性レベルが低減された繊維源は、例えば回転式ナイフカッターで剪断されて、最初の繊維性材料を提供し得る。最初の繊維性材料は、例えば1.59mm以下(1/16インチ、0.0625インチ)の平均開口サイズを有する、第一のふるいに通されて、第二の繊維性材料を提供する。所望なら、繊維源は、例えばシュレッダーで、剪断前に切断することができる。例えば、紙が繊維源として用いられる場合、紙は最初、シュレッダー、例えばMunson(ニューヨーク州ユーティカ所在)製造のものなどの卓上回転式スクリューシュレッダーを用いて、例えば、1/4〜1/2インチ幅の細片に切断することができる。細断に代わるものとして、ギロチンカッターを用いて、所の望サイズに切断することにより、紙はサイズを減少することができる。例えば、ギロチンカッターは、紙を、例えば幅10インチ、長さ12インチの、シートに切断するために用いることができる。

幾つかの実施形態において、繊維源の剪断、およびその結果生じる第一の繊維性材料の第一のふるいへの通過は、同時に実施される。剪断および通過は、バッチ式工程でも実施することができる。

例えば、回転式ナイフカッターを用いて、同時に、繊維源を剪断して第一の繊維性材料をふるい分けすることができる。回転式ナイフカッターは、繊維源を細断することにより調製される細断繊維源を積載され得るホッパーを含む。

幾つかの実行において、原料は、糖化および/または発酵の前に物理的に処理される。物理的処理工程は、本明細書中に記載された工程、例えば機械的処理、化学的処理、照射、音波処理、酸化、熱分解または水蒸気爆発のいずれかのうちの1つ以上を含むことができる。処理方法は、これらの技法のうちの2、3、4、または全ての組み合わせ(任意の順序)で用いることができる。1つより多い処理方法が用いられる場合、該方法は、同時に、または異なる時点で適用することができる。バイオマス原料の分子構造を変化させる他の工程も、単独で、または本明細書に開示された工程と組み合わせて用いることができる。

用いられ得る機械的処理、ならびに機械的処理される炭水化物含有材料の性質は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年10月18日出願の米国特許出願公開第2012/0100577 A1号にさらに詳細に記載される。

音波処理、熱分解、酸化、水蒸気爆発 所望により、炭水化物含有材料の難分解性を低下させる、またはさらに低下させるために、照射の代わりまたは追加として、1つ以上の音波処理、熱分解、酸化または水蒸気爆発工程を用いることができる。例えばこれらの工程は、照射の前、照射の間および/または照射後に適用することができる。これらの工程は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、Medoffの米国特許第7,932,065号に詳細に記載される。

中間体および生成物 本明細書中に記載される工程を用いて、バイオマス材料を、1種以上の製品、例えばエネルギー、燃料、食物および材料に変換することができる。例えば、有機酸、有機酸の塩、酸無水物、有機酸のエステルおよび燃料、例えば内燃機関のための燃料または燃料電池のための原料などの中間体および生成物を、製造することができる。即座に入手可能であるが、多くの場合、加工するのが困難になり得るセルロースおよび/またはリグノセルロース材料、例えば自治体廃棄物流れおよび廃棄紙流れ、例えば新聞、クラフト紙、段ボール紙またはこれらの混合物を含む流れを原料として用い得るシステムおよび工程が、本明細書に記載される。

生成物の具体的例としては、水素、糖(例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、二糖、オリゴ糖および多糖)、アルコール(例えば、一価アルコールまたは二価アルコール、例えばエタノール、n−プロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールまたはn−ブタノール)、水和または水性アルコール(例えば、10%を超える、20%、30%、または40を超える水を含有)、バイオディーゼル、有機酸、炭化水素(例えば、メタン、エタン、プロパン、イソブテン、ペンタン、n−ヘキサン、バイオディーゼル、バイオガソリンおよびそれらの混合物)、共生成物(例えば、セルロース分解タンパク質(酵素)または単細胞タンパク質などのタンパク質)、ならびに任意の組み合わせまたは相対濃度での、ならびに場合により任意の添加剤(例えば、燃料添加剤)と組み合わせたこれらのいずれかの混合物が挙げられるが、これらに限らない。他の例としては、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸とカルボン酸塩とカルボン酸エステルとの混合物(例えば、メチル、エチルおよびn−プロピルエステル)、ケトン(例えば、アセトン)、アルデヒド(例えば、アセトアルデヒド)、αおよびβ不飽和酸(例えば、アクリル酸)およびオレフィン(例えば、エチレン)が挙げられる。その他のアルコールおよびアルコール誘導体としては、プロパノール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、糖アルコール(例えば、エリトリトール、グリコール、グリセロール、ソルビトール、トレイトール、アラビトール、リビトール、マンニトール、ダルシトール、フシトール、イジトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、キシリトールおよびポリオール)、ならびにこれらのアルコールのいずれかのメチルまたはエチルエステルが挙げられる。その他の生成物としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、D−乳酸、L−乳酸、ピルビン酸、ポリ乳酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、吉草酸、カプロン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、オレイン酸、リノール酸、グリコール酸、γ−ヒドロキシ酪酸、およびそれらの混合物、これらの酸のいずれかの塩、これらの酸およびその各塩のいずれかの混合物が挙げられる。

上記生成物と互いとの任意の組み合わせ、および/または上記生成物と本明細書中に記載される工程もしくは他の方法で製造され得る他の生成物との任意の組み合わせは、一緒に包装され、製品として販売され得る。該生成物は、混和され、例えば混合、ブレンド、もしくは共溶解されてもよく、または単に一緒に包装もしくは販売され得る。

本明細書中に記載された生成物または生成物の組合せのいずれかは、製品販売の前に、例えば精製もしくは単離後、または包装後でも、生成物(複数可)中に存在し得る1つ以上の潜在的に望ましくない混入物を中和するために、衛生化または滅菌され得る。そのような衛生化は、電子衝撃で、例えば約20Mrad未満、例えば約0.1〜15Mrad、約0.5〜7Mrad、または約1〜3Mradの線量で実行することができる。

本明細書中に記載された工程は、プラントの他の部分で用いられる、または公開市場で販売される水蒸気と電気を生成する(コジェネレーション)に有用となる様々な副産物流れを生成することができる。例えば、燃焼副産物流れから生成された水蒸気は、蒸留工程に用いることができる。別の例として、燃焼副産物流れから生成された電気は、前処理に用いられる電子ビーム発生機を作動するために用いることができる。

水蒸気および電気を生成するために用いられる副産物は、工程全体を通して複数の供給源から得られる。例えば廃水の嫌気性消化は、メタンが高濃度のバイオガスと、少量の廃棄物バイオマス(スラッジ)を生じ得る。別の例として、糖化後および/または蒸留後固体(例えば、前処理および一次工程後に残存する未変換のリグニン、セルロースおよびヘミセルロース)が用いること、例えば燃料として燃焼することができる。

食品および医薬品をはじめとする他の中間体および生成物は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2010年5月20日公開のMedoffへの米国特許出願公開第2010/0124583 A1号に記載される。

リグニン由来生成物 記載された方法によるリグノセルロース加工からの使用済みバイオマス(例えば、使用済みリグノセルロース材料)は、高いリグニン量を有することが期待され、コジェネレーションプラントでの燃焼を通したエネルギー生成に有用であることに加え、他の貴重な生成物としての用途を有し得る。例えばリグニンは、プラスチックとして入手されたまま使用することができ、または合成により他のプラスチックに格上げすることもできる。幾つかの例において、それは結合剤、分散剤、乳化剤もしくは金属イオン封鎖剤として用いられ得るリグのスルホナートに変換することができる。

結合剤として用いられる場合、リグニンまたはリグノスルホナートは、例えば練炭中で、セラミック中で、カーボンブラックを結合させるために、肥料と除草剤を結合させるため、粉塵抑制剤として、合板およびパーティクルボードを作製する際、動物飼料を結合させるため、ファイバーガラスの結合剤として、リノリウムペースト中の結合剤として、そして土壌安定化剤として、用いることができる。

分散剤として用いられる場合、リグニンまたはリグのスルホナートは、例えばコンクリートミックス、粘土およびセラミック、染料および顔料、革のなめしおよび石膏ボードで用いることができる。

乳化剤として用いられる場合、リグニンまたはリグノスルホナートは、例えばアスファルト、顔料および染料、殺虫剤、ならびにワックスエマルジョン中で用いることができる。

金属イオン封鎖剤として用いられる場合、リグニンまたはリグノスルホナートは、例えば微量栄養素系、洗浄化合物および水処理システム中で、例えばボイラおよび冷却システムに用いることができる。

エネルギー生成の場合、リグニンは一般に、ホモセルロース(セルロールおよびヘミセルロース)よりも多くの炭素を含むため、ホロセルロースよりも高いエネルギー量を有する。例えば乾性リグニンは、ホロセルロースの7,000、8,000BTU/ポンドに比較して、約11,000〜12,500BTU/ポンドのエネルギー量を有することができる。そのためリグニンは、高密度化して燃焼用のブリケットおよびペレットに変換することができる。例えばリグニンは、本明細書に記載された任意の方法によりペレットに変換することができる。より緩やかに燃焼するペレットまたはブリケットの場合、約0.5Mrad〜5Mradの放射線量をあてるなどで、リグニンを架橋させることができる。架橋は、緩やかな燃焼のフォームファクターを作ることができる。ペレットまたはブリケットなどのフォームファクターは、例えば400〜950℃で、空気の存在下で熱分解することにより「合成の炭」または木炭に変換することができる。熱分解の前に、リグニンを架橋して、構造完全性を維持することが望ましくなり得る。

糖化 原料を即座に加工され得る形態に変換するために、原料中のグルカン−またはキシラン−含有セルロースを、糖化剤、例えば酵素または酸により、低分子量炭水化物、例えば糖に加水分解することができる(糖化と称される工程)。その後、低分子量炭水化物を、例えば既存の製造プラントにおいて、例えば単細胞タンパク質プラント、酵素製造プラント、または燃料プラント、例えばエタノール製造施設において、用いることができる。

原料は、酵素を用いて、例えば溶媒中で、例えば水溶液中で、材料および酵素を混和することにより、加水分解することができる。

あるいは、バイオマス、例えばバイオマスのセルロースおよび/またはリグニン部分を分解し、様々なセルロース分解酵素(セルラーゼ)、リグニナーゼまたは様々な小分子バイオマス分解代謝産物を含有または製造する生物体により供給することができる。これらの酵素は、結晶セルロースまたはバイオマスのリグニン部分を分解するために相乗的に作用する酵素の複合体であり得る。セルロース分解酵素の例としては、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼおよびセロビアーゼ(β−グルコシダーゼ)が挙げられる。

糖化の間に、セルロース基質は最初、任意の位置でエンドグルカナーゼにより加水分解されて、オリゴマー中間体を生成し得る。これらの中間体は、その場合、セルロースポリマーの末端からセロビオースを生成するためのセロビオヒドロラーゼのような外分割グルカナーゼのための基質である。セロビオースは、グルコースの水溶性1,4−結合二量体である。最後に、セロビアーゼは、セロビオースを切断して、グルコースを生成する。この工程の効率(例えば、加水分解するための時間および/または加水分解の完全性)は、セルロース材料の難分解性に依存する。

それゆえ処理されたバイオマス材料は、該材料およびセルラーゼ酵素を流動媒体、例えば水溶液中で混和することにより、糖化することができる。幾つかの例において、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2012年4月26日公開のMedoffおよびMastermanへの米国特許出願公開第2012/0100577 A1号に記載される通り、材料は、糖化の前に高温水中で沸騰、浸漬、または蒸解される。

糖化工程は、製造プラントにおいてタンク(例えば、少なくとも4000、40,000または500,000Lの容積を有するタンク)中で部分的もしくは完全に実施することができ、そして/または輸送中に、例えば鉄道車輛、タンカートラック、スーパータンカーもしくは船の船倉において、部分的もしくは完全に実施することができる。完全糖化に要する時間は、工程条件、ならびに用いられる炭水化物含有材料および酵素に依存する。糖化が、制御された条件下で製造プラントにおいて実施される場合、セルロースは、約12〜96時間で、実質的に完全に、糖、例えばグルコースに変換され得る。糖化が、輸送中に部分的または完全に実施される場合、糖化は、より長い時間を要し得る。

例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、WO 2010/135380号として英語で公開され米国を指定した、2010年5月18日出願の国際出願PCT/US2010/035331号に記載されたようなジェットミキシングを用いて、糖化中にタンク内容物が混合されるのが、一般的に好ましい。

界面活性剤の添加により、糖化の速度を増強することができる。界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤、例えばTween(登録商標)20またはTween(登録商標)80ポリエチレングリコール界面活性剤、イオン性界面活性剤、または両性イオン性界面活性剤が挙げられる。

糖化により生じる糖溶液の濃度が相対的に高いこと、例えば40重量%を超える、または50重量%を超える、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%または95重量%を超えることが、一般的に好ましい。水は、例えば蒸発により除去されて、糖溶液の濃度を増大し得る。これは、出荷される容量を減少させ、溶液中での微生物増殖も阻害する。

あるいは低濃度の糖溶液が用いられてもよく、この場合、抗菌性添加剤、例えば広域抗生物質を、低濃度で、例えば50〜150ppmで添加することが望ましくなり得る。他の適切な抗生物質としては、アンフォテリシンB、アンピシリン、クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、ゲンタマイシン、ヒグロマイシンB、カナマイシン、ネオマイシン、ペニシリン、プロマイシン、ストレプトマイシンが挙げられる。抗生物質は、運搬および貯蔵中の微生物の増殖を阻害し、適切な濃度で、例えば15〜1000重量ppm、例えば25〜500ppm、または50〜150ppmで用いることができる。糖濃度が相対的に高い場合でも、所望なら、抗生物質を含ませることができる。あるいは、防腐特性を有する抗菌性の他の添加物が、用いられてもよい。好ましくは、抗菌性添加剤(複数可)は、食品等級である。

酵素を有する炭水化物含有材料に添加される水の量を限定することにより、相対的に高濃度の溶液が得られる。例えば糖化が起こる程度を制御することにより、濃度を制御することができる。例えば、濃度は、溶液により多くの炭水化物含有材料を添加することにより、増大され得る。溶液中で生成されている糖を保持するために、界面活性剤、例えば先に議論された界面活性剤の1種を添加することができる。溶液の温度を上昇させることにより、溶解度も増大することができる。例えば、溶液は、40〜50℃、60〜80℃、またはそれを超える温度を保持することができる。

糖化剤 適切なセルロース分解酵素としては、バシラス属、ヒトヨタケ属、ミセリオフィトラ属、セファロスポリウム属、シタリジウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、シュードモナス属、フミコラ属、フザリウム属、チエラビア属、アクレモニウム属、クリソスポリウム属およびトリコデルマ属の菌株由来のセルラーゼが挙げられ、特にアスペルギルス種(例えば、欧州特許公開第0458162号参照)、フミコラ・インソレンス(シタリジウム・テルモフィルムとして再分類;例えば、米国特許第4,435,307号参照)、コプリヌス・シエレウス、フザリウム・オキシスポルム、ミセリオフィトラ・テルモフィラ、メリピルス・ギガンテウス、チエラビア・テレストリス、アクレモニウム種(例えば非限定的に、A.ペルシシヌム、A.アクレモニウム、A.ブラキペニウム、A.ジクロモスポルム、A.オブクラバツム、A.ピンケルトニエ、A.ロゼオグリセウム、A.インコロラツムおよびA.フラツムなど)の種から選択される菌株により産生されるものが挙げられる。好ましい菌株としては、フミコラ・インソレンス DSM1800、フザリウム・オキシスポルム DSM2672、ミセリオフィトラ・テルモフィラ CBS117.65、セファロスポリウム種 RYM−202、アクレモニウム種 CBS478.94、アクレモニウム種 CBS265.95、アクレモニウム・ペルシシヌム CBS169.65、アクレモニウム・アクレモニウム AHU9519、セファロスポリウム種 CBS535.71、アクレモニウム・ブラキペニウム CBS866.73、アクレモニウム・ジクロモスポルム CBS683.73、アクレモニウム・オブクラバツム CBS311.74、アクレモニウム・ピンケルトニエ CBS157.70、アクレモニウム・ロゼオグリセウム CBS134.56、アクレモニウム・インコロラツム CBS146.62、およびアクレモニウム・フラツム CBS299.70Hが挙げられる。セルロース分解酵素は、クリソスポリウム属、好ましくはクリソスポリウム・ルクノウエンスの菌株から得ることもできる。用いられ得る更なる菌株としては、トリコデルマ属(特に、T.ビリデ、T.リーセイおよびT.コニンギー)、好アルカリ性バシラス属(例えば米国特許第3,844,890号および欧州特許公開第0458162号参照)、およびストレプトミセス属(例えば、欧州特許公開第0458162号参照)が挙げられるが、これらに限らない。

酵素に加えて、またはそれと併せて、酸、塩基および他の化学物質(例えば、酸化剤)を、リグノセルロース材料およびセルロース材料を糖化するのに用いることができる。これらは、任意の組み合わせまたは順番(例えば、酵素の添加前、添加後および/または添加中)で用いることができる。例えば強い鉱酸(例えば、HCl、H2SO4、H3PO4)および強塩基(例えば、NaOH、KOH)を用いることができる。

糖 本明細書に記載された工程において、例えば糖化後に、糖(例えば、グルコースおよびキシロース)を単離および/または精製することができる。例えば糖は、沈降、結晶化、クロマトグラフィー(例えば、擬似移動床クロマトグラフィー、高圧クロマトグラフィー)、電気透析、遠心分離、抽出、当該技術分野で公知の任意の他の単離方法、およびそれらの組み合わせにより単離および/または精製することができる。

水素添加および他の化学転換 本明細書に記載された工程は、水素添加を含み得る。例えば、グルコースおよびキシロースは、それぞれソルビトールおよびキシリトールに水素添加され得る。水素添加は、高圧(例えば、10〜12000psi)下で、H2と併用で触媒(例えば、Pt/γ−Al2O3、Ru/C、ラネーニッケル、または当該技術分野で公知の他の触媒)の使用により遂行され得る。本明細書に記載された工程から得られた生成物の化学転換の他のタイプ、例えば有機糖由来生成物(例えば、フルフラルおよびフルフラル由来生成物)の生成を、利用することができる。糖由来生成物の化学転換は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2012年7月3日出願の米国特許出願第13/934,704号に記載される。

発酵 例えば酵母およびザイモモナス菌は、糖(複数可)からアルコール(複数可)への発酵または変換に用いることができる。他の微生物は、以下に議論される。発酵の至適pHは、約pH4〜7である。例えば、酵母の至適pHは、約pH4〜5であるが、ザイモモナス属の至適pHは、約5〜6である。典型的な発酵時間は、約24〜168時間(例えば24〜96時間)で、温度は20℃〜40℃(例えば、26℃〜40℃)の範囲内であるが、好熱性微生物では、より高温が好ましい。

幾つかの実施形態において、例えば嫌気性生物が、用いられる場合、発酵の少なくとも一部は、酸素の非存在下、例えばN2、Ar、He、CO2またはそれらの混合物などの不活性ガスで覆われて、実行される。加えて混合物は、発酵の一部または全ての間、タンクを通して流れる不活性ガスの一定したパージを有し得る。幾つかの例において、嫌気性条件が、発酵中の二酸化炭素生成により達成または保持され、更なる不活性ガスは必要とならない。

幾つかの実施形態において、発酵工程の全てまたは一部を、低分子量の糖が完全に生成物(例えば、エタノール)に変換される前に、遮断することができる。中間発酵生成物としては、高濃度の糖および炭水化物が挙げられる。糖および炭水化物は、当該技術分野で公知の任意手段により単離され得る。これらの中間発酵生成物は、ヒトまたは動物消費のための食物の調製に用いることができる。追加または代わりとして、中間発酵生成物は、ステンレス鋼の実験用ミルで微粒子径に粉砕されて、小麦粉様物質を生成することができる。ジェットミキシングを、発酵中に用いることができ、幾つかの例において、糖化および発酵は、同一タンク中で実施される。

微生物のための栄養素は、糖化および/または発酵中に添加され、例えば食物ベースの栄養素パッケージは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年7月15日出願の米国特許出願公開第2012/0052536号に記載される。

「発酵」は、内容が全体として参照により本明細書に組み入れられる、2013年6月27日公開のPCT/US2012/71093号、2012年6月27日公開のPCT/US2012/71907号、および2012年6月27日公開のPCT/US2012/71083号に開示される。

内容が全体として参照により本明細書に組み入れられる、国際出願PCT/US2007/074028号(2007年7月20日出願;WO2008/011598として英語で公開され、米国を指定)に記載されているように、可動性発酵槽を利用することができる。同様に、糖化設備は、可動性であってもよい。さらに、糖化および/または発酵は、輸送中に、一部または完全に実施されてもよい。

発酵剤 発酵に用いられる微生物(複数可)は、天然由来微生物および/または遺伝子操作された微生物であってもよい。例えば微生物は、細菌(例えば非限定的に、セルロース分解性細菌など)、真菌(例えば非限定的に、酵母など)、植物、原生生物、例えば原生動物または真菌様原生生物(例えば非限定的に、粘菌など)、または藻類であってもよい。生物体が適合性である場合、生物体の混合物を利用することができる。

適切な発酵微生物は、炭水化物、例えばグルコース、フルクトース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、オリゴ糖または多糖を発酵生成物に変換する能力を有する。発酵微生物としては、サッカロミセス種(例えば非限定的に、S.セレビシエ(パン酵母)、S.ディスタチクス、S.ウバルムなど)、クルイベロミセス属(例えば非限定的に、K.マルキシアヌス、K.フラギリスなど)、カンジダ属(例えば非限定的に、C. シュードトロピカリスおよびC.ブラッシケ)、ピキア・スチピチス(カンジダ・シェハテの共通系統)、クラビスポラ属(例えば非限定的に、C.ルシタニエおよびC.オプンチエなど)、パチソレン属(例えば非限定的に、P.タンノフィルスなど)、ブレタンノミセス属(例えば非限定的に、B.クラウセニイ(Philippidis, G. P., 1996, Cellulose bioconversion technology, in Handbook on Bioethanol: Production and Utilization, Wyman, C.E., ed., Taylor & Francis, Washington, DC, 179−212)など)の菌株が挙げられる。その他の適切な微生物としては、例えば、ザイモモナス・モビリス、クロストリジウム種(例えば非限定的に、C.テルモセルム(Philippidis, 1996,上記)、C.サッカロブチラセトニクム、C.チロブチリクム、C.サッカロブチリクム、C.プニセウム、C.ベイジェルンキイおよびC.アセトブチリクム)、モニリエラ種(例えば非限定的に、M.ポリニス、M.トメントサ、M.マディダ、M.ニグレッセンス、M.エドセファリ(M.oedocephali)、M.メガチリエンシス)、ヤロウィア・リポリチカ、アウレオバシジウム種、トリコスポロノイデス種、トリゴノプシス・バリアビリス、トリコスポロン種、モニリエラアセトアブタンス種、チフラ・バリアビリス、カンジダ・マグノリエ、ウスチラギノミセテス種、シュードザイマ・ツクバエンシス、ジゴサッカロミセス属の酵母種、デバリオマイセス属、ハンセヌラ属およびピチカ属、ならびにトルラ属の黒色真菌(例えば、T.コラリナ)などが挙げられる。

更なる微生物としては、ラクトバチルスの群が挙げられる。例としては、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・デルブルエキイ、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・コリニフォルミス、例えばラクトバチルス・コリニフォルミス亜種トルケンス、ラクトバチルス・ペントサス、ラクトバチルス・ブレビスが挙げられる。他の微生物としては、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococus penosaceus)、リゾプス・オリゼが挙げられる。

複数の生物体、例えば細菌、酵母および真菌を用いて、糖およびアルコールなどのバイオマス由来生成物をコハク酸および類似の生成物に発酵することができる。例えば生物体は、アクチノバシルス・スクシノゲネス、アナエロビオスピリルム・スクシニシプロデュセンス、マンヘイミア・スクシニシプロデュセンス、ルミノコッカス・フラベファシエンス、ルミノコッカス・アルブス、フィブロバクター・スクシノゲネス、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・ルミニコラ、バクテロイデス・アミロフィルス、バクテリオデス・スクシノゲネス、マンヘイミア・スクシニシプロデュセンス、コリネバクテリウム・グルタミカム、アスペルギルス・ニゲル、アスペルギルス・フミガーツス、ビソクラミス・ニベア、レンチヌス・デジェネ、ペシロマイセス・バリオチ、ペニシリウム・ビニフェラム、サッカロマイセス・セレビシエ、エンテロコッカス・フェカリ、プレボテラ・ルミニコラ、デバリオマイセス・ハンセニイ、カンジダ・カテヌラタVKM Y−5、C.ミコデルマVKM Y−240、C.ルゴサVKM Y−67、C.パルジゲナ(paludigena)VKM Y−2443、C.ウティリスVKM Y−74、C.ウティリス766、C.ゼイラノイデスVKM Y−6、C.ゼイラノデスVKM Y−14、C.ゼイラノデスVKM Y−2324、C.ゼイラノデスVKM Y−1543、C.ゼイラノデスVKM Y−2595、C.バリダVKM Y−934、クルイベロマイセス・ウィッカーハミイVKM Y−589、ピキア・アノマラVKM Y−118、P.ベッセイイVKM Y−2084、P.メディアVKM Y−1381、P.ギリエルモンディH−P−4、P.ギリエルモンディ916、P.イノシトボラVKM Y−2494、サッカロマイセス・セレビシエVKM Y−381、トルロプシス・カンジダ127、T.カンジダ420、ヤロウイア・リポリティカ12a、Y.リポリティカVKM Y−47、Y.リポリティカ69、Y.リポリティカVKM Y−57、Y.リポリティカ212、Y.リポリティカ374/4、Y.リポリティカ585、Y.リポリティカ695、Y.リポリティカ704、およびこれらの生物体の混合物から選択することができる。

多くのそのような微生物菌株は、商業的に、または寄託機関、幾つか挙げるとATCC(American Type Culture Collection、米国バージニア州マナサス所在)、NRRL(Agricultural Research Service Culture Collection, Peoria、米国イリノイ州ピオリア所在)またはDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH、ドイツ ブラウンシュバイク所在)などを通して、公的に入手可能である。

市販の酵母としては、例えばRed Star(登録商標)/Lesaffre Ethanol Red(米国のRed Star/LesaffreAから入手可能)、FALI(登録商標)(米国のBurns Philip Food Inc.,のFleischmann’s Yeast, a divisionから入手可能)、SUPERSTART(登録商標)(Alltech、現在のLalemandから入手可能)、GERT STRAND(登録商標)(スウェーデンのGert Strand ABから入手可能)およびFERMOL(登録商標)(DSM Specialtiesから入手可能)が挙げられる。

蒸留 発酵後、得られた流体は、例えば「ビールカラム」を用いて蒸留されて、大部分の水および残留固体からエタノールおよび他のアルコールを分離し得る。ビールカラムを出る蒸気は、例えば35重量%エタノールであり、精留塔に供給することができる。精留塔からのほぼ共沸混合性(92.5%)のエタノールおよび水の混合物は、蒸気相分子ふるいを用いて、純(99.5%)エタノールに精製することができる。ビールカラム底は、三重効用蒸発器の第一効用に送出することができる。精留塔還流冷却器は、この第一効用のために熱を提供することができる。第一効用後、固体は、遠心分離器を用いて分離して、回転式乾燥機で乾燥することができる。遠心分離流出液の一部(25%)は、発酵に再循環され、残りは第二および第三蒸発器効用に送出することができる。蒸発器凝縮物のほとんどが、かなり透明な凝縮物として該工程に戻され、小部分が、廃水処理に分けられて、低沸点化合物の蓄積を防止することができる。

炭化水素含有材料 本明細書に記載された方法およびシステムを使用する他の実施形態において、炭化水素含有材料を加工することができる。本明細書に記載された任意の工程は、本明細書に記載された任意の炭化水素含有材料を処理するのに用いることができる。本明細書で用いられる「炭化水素含有材料」は、油砂、油頁岩、タールサンド、粉炭、石炭スラリー、ビチューメン、様々なタイプの石炭、ならびに炭化水素成分および固形分の両方を含む他の天然由来および合成材料を含むことを意味する。固形分としては、岩、砂、粘土、石、沈泥、掘削スラリー、または他の固体有機物および/もしくは無機物を挙げることができる。その用語は、掘削廃棄物および副産物などの廃棄生成物、精錬された廃棄物および副産物、または炭化水素成分を含む他の廃棄生成物、例えばアスファルトシングルおよび被覆、アスファルト舗装なども包含し得る。

本明細書に記載された方法およびシステムを用いるさらに別の実施形態において、木材および木材含有生成物を、加工することができる。例えば用材、例えば厚板、薄板、積層材、材、パーティクルボード、複合材、粗切りした木材、軟材および硬材を加工することができる。加えて、間材、灌木、木材チップ、おがくず、根、バーク、切株、腐敗した木材、およびバイオマス材料を含む他の木材を、加工することができる。

運搬システム 様々な運搬システムを用いて、バイオマス材料を、例えば議論された通り保管庫へ、そして保管庫内の電子ビームの下に運搬することができる。模範的コンベヤは、ベルトコンベヤ、空気式コンベヤ、スクリューコンベヤ、カート、列車、線路上の列車またはカート、エレベータ、フロントローダ、バックホー、クレーン、様々なスクレーパおよびショベル、トラック、ならびに投入デバイスを用いることができる。例えば振動コンベヤは、本明細書に記載された様々な工程で用いることができる。振動コンベヤは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2013年10月10日出願のPCT/US2013/64289号に記載される。

振動コンベヤは、材料を広げて、コンベヤトラフの表面で均一な層を生成するのに、特に有用である。例えば最初の原料は、少なくとも4フィートの高さ(例えば、少なくとも約3フィート、少なくとも約2フィート、少なくとも約1フィート、少なくとも約6インチ、少なくとも約5インチ、少なくとも約4インチ、少なくとも約3インチ、少なくとも約2インチ、少なくとも約1インチ、少なくとも約1/2インチ)およびコンベヤの幅よりも小さい全長(例えば、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満、約95%未満、約99%未満)になり得る材料の堆積を形成することができる。振動コンベヤは、材料を、好ましくは先に議論された通り、コンベヤトラフの幅全体にかけ、均一な厚さを有するように、広げることができる。幾つかの例において、更なる展延方法が、有用になり得る。例えば散布スプレッダ、滴下スプレッダ(例えば、CHRISTY SPREADER(商標))またはそれらの組み合わせなどのスプレッダを用いて、広い面積に原料を滴下すること(例えば、配置すること、注入すること、ばらまくこと、および/または振りかけること)ができる。場合によりスプレッダは、振動コンベヤ上に広いシャワーまたはカーテンとしてバイオマスを送達することができる。さらに、第一のコンベヤ(例えば、第一のコンベヤは原料の照射において用いられる)から上流の第二のコンベヤが、第一のコンベヤ上にバイオマスを滴下することができ、そこで第二のコンベヤが、第一のコンベヤよりも小さい、運搬方向に対して横方向の幅を有し得る。特に第二のコンベヤが、振動コンベヤである場合、原料は、第二のコンベヤおよび第一のコンベヤの活動により広げられる。幾つかの選択的実施形態において、第二のコンベヤは、斜め方向に切断された端部から吐出されるようになっており(例えば、4:1比で斜めに切断)、材料が広いカーテンとして(例えば、第二のコンベヤの幅よりも広い)第一のコンベヤに滴下することができる。スプレッダ(例えば、散布スプレッダ、滴下スプレッダ、コンベヤ、またはクロスカット振動コンベヤ)によるバイオマスの最初の滴下エリアは、第一の振動コンベヤの幅全体に広がり得るか、またはこの幅の一部に広がり得る。材料は、コンベヤに滴下されると、コンベヤの振動により、さらに均一に広げられて、好ましくはコンベヤの幅全体が、バイオマスの均一層で覆われるようになる。幾つかの実施形態において、スプレッダの組み合わせを使用することができる。原料を広げる幾つかの方法は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2002年7月23日に出願され2006年12月26日に公開された米国特許第7,153,533号に記載される。

一般に、電子ビームを通って可能な限り急速に材料を運搬し、処理能力を最大にすることが好ましい。例えば材料は、少なくとも1フィート/分、例えば少なくとも2フィート/分、少なくとも3フィート/分、少なくとも4フィート/分、少なくとも5フィート/分、少なくとも10フィート/分、少なくとも15フィート/分、少なくとも20フィート/分、少なくとも25フィート/分、少なくとも30フィート/分、少なくとも40フィート/分、少なくとも50フィート/分、少なくとも60フィート/分、少なくとも70フィート/分、少なくとも80フィート/分、少なくとも90フィート/分の速度で運搬することができる。運搬の速度は、ビーム電流および目的となる照射線量に関係し、例えば、5.5フィート幅のコンベヤに1/4インチ厚のバイオマスを100mAで広げる場合、コンベヤは、約20フィート/分で移動して、有用な照射線量を提供することができ(例えば、1パスで約10Mrad)、50mAでは、コンベヤは、約10フィート/分で移動して、ほぼ同じ照射線量を提供することができる。

材料を運搬し得る速度は、運搬される材料の形状および重量、ならびに所望の量に依存する。材料、例えば粒子材料を流す場合、振動コンベヤでの運搬には特に実行し易い。運搬速度は、例えば少なくとも100ポンド/時間(例えば、少なくとも500ポンド/時間、少なくとも1000ポンド/時間、少なくとも2000ポンド/時間、少なくとも3000ポンド/時間、少なくとも4000ポンド/時間、少なくとも5000ポンド/時間、少なくとも10000ポンド/時間、少なくとも15000ポンド/時間、またはさらには少なくとも25000ポンド/時間)になり得る。幾つかの典型的な運搬速度は、約1000〜10,000ポンド/時間(例えば、約1000〜8,000ポンド/時間、約2000〜7,000ポンド/時間、約2000〜6,000ポンド/時間、約2000〜5,000ポンド/時間、約2000〜4,500ポンド/時間、約1500〜5,000ポンド/時間、約3000〜7,000ポンド/時間、約3000〜6,000ポンド/時間、約4000〜6,000ポンド/時間および約4000〜5,000ポンド/時間)になり得る。典型的な運搬速度は、材料の密度に依存する。例えば密度約35ポンド/フィート3および運搬速度約5000ポンド/時間のバイオマスの場合、材料は、約143フィート3/時間の速度で運搬され、材料が1/4インチ厚で、5.5フィート幅のトラフに入れられる場合、材料は約1250フィート/時間(約21フィート/分)の速度で運搬される。それゆえ材料を運搬する速度は、大きく変動し得る。好ましくは例えば1/4インチ厚のバイオマスは、約5〜100フィート/分(例えば、約5〜100フィート/分、約6〜100フィート/分、約7〜100フィート/分、約8〜100フィート/分、約9〜100フィート/分、約10〜100フィート/分、約11〜100フィート/分、約12〜100フィート/分、約13〜100フィート/分、約14〜100フィート/分、約15〜100フィート/分、約20〜100フィート/分、約30〜100フィート/分、約40〜100フィート/分、約2〜60フィート/分、約3〜60フィート/分、約5〜60フィート/分、約6〜60フィート/分、約7〜60フィート/分、約8〜60フィート/分、約9〜60フィート/分、約10〜60フィート/分、約15〜60フィート/分、約20〜60フィート/分、約30〜60フィート/分、約40〜60フィート/分、約2〜50フィート/分、約3〜50フィート/分、約5〜50フィート/分、約6〜50フィート/分、約7〜50フィート/分、約8〜50フィート/分、約9〜50フィート/分、約10〜50フィート/分、約15〜50フィート/分、約20〜50フィート/分、約30〜50フィート/分、約40〜50フィート/分)の速度で運搬される。例えば電子ビーム(例えば、シャワー、照射野)の下を通過する時に材料の一定した照射の維持を支援するために、材料が一定速度で運搬されることが好ましい。

記載された振動コンベヤは、材料をふるい分けて選別するためのふるいを含むことができる。トラフの側面または底部の開口部を、例えばサイズまたは形状により、特定材料を選別、選択または除去するために用いることができる。幾つかのコンベヤは、支持構造への動的力を低減するために、釣合い重りを有する。幾つかの振動コンベヤは、螺旋エレベータとして構成され、表面のあたりで湾曲するように設計され、そして/または1つのコンベヤから他方のコンベヤに材料を滴下するように(例えば、段階的、カスケードまたは一連の段もしくは階段として)設計されている。材料を運搬することに加えて、コンベヤは、ふるい分け、分離、選別、分類、分配、サイズわけ、検閲、抜き取り、金属除去、凍結、ブレンド、混合、配列、加熱、蒸解、乾燥、脱水、浄化、洗浄、濾過、クエンチング、コーティング、除塵、および/または供給のために単独で、または他の設備もしくはシステムと連結させて、使用することができる。コンベヤは、カバー(例えば、防塵カバー)、側部吐出ゲート、底部吐出ゲート、特別なライナー(例えば、抗粘着性、ステンレス鋼、ゴム、特注のスチール、および/または溝付き)、分離したトラフ、クエンチプール、ふるい、穿孔プレート、検出器(例えば、金属検出器)、高温設計、食品等級の設計、ヒータ、乾燥機および/または冷却器を含むこともできる。加えてトラフは、様々な形状、例えば平坦な底部、V字形の底部、最上部のフランジ、湾曲した底部、いずれかの方向に隆起のある平板、管状、半円型、覆い付き、またはこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。特に該コンベヤは、照射システムおよび/または設備と連結することができる。

コンベヤ(例えば、振動コンベヤ)は、耐腐食性材料で作製することができる。コンベヤは、ステンレス鋼(例えば、304、316ステンレス鋼、HASTELLOY(登録商標)合金およびINCONEL(登録商標)合金)を含む構造材料を使用することができる。例えばHynes(米国インディアナ州コーコモー所在)のHASTELLOY(登録商標)耐腐食性合金、例えばHASTELLOY(登録商標)B−3(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)HYBRID−BC1(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−4合金、HASTELLOY(登録商標)C−22(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−22HS(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−276合金、HASTELLOY(登録商標)C−2000(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)G−30(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)G−35(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)N合金およびHASTELLOY(登録商標)ULTIMET(登録商標)合金。

振動コンベヤは、非粘着性の剥離コーティング、例えばTUFFLON(商標)(Dupont、米国デラウエア所在)を含むことができる。振動コンベヤは、耐腐食性コーティングを含むこともできる。例えば、Metal Coatings Corp(米国テキサス州ヒューストン所在)から供給され得るコーティングなど、例えばフルオロポリマーXYLAN(登録商標)、二硫化モリブデン、エポキシフェノール、リン酸第一鉄金属コーティング、エポキシ用のポリウレタン高光沢トップコート 、無機亜鉛、ポリテトラフルオロエチレン、PPS/RYTON(登録商標)、フッ素化エチレンプロピレン、PVDF/DYKOR(登録商標)、ECTFE/HALAR(登録商標)およびセラミックエポキシコーティング。コーティングは、プロセスガス(例えば、オゾン)、化学腐食、点食、焼き付き腐食および酸化への耐性を改善することができる。

場合により、本明細書に記載された運搬システムに加えて、1つ以上の他の運搬システムが取り囲まれていてもよい。囲みを利用する場合、取り囲まれた運搬システムは、酸素レベルの低い大気中に保持されるように、不活性ガスでパージさせることもできる。酸素レベルを低く保つことで、幾つかの例において反応性および毒性により望ましくない、オゾンの形成が回避される。例えば酸素は、約20%未満(例えば、約10%未満、約1%未満、約0.1%未満、約0.01%未満または約0.001%未満の酸素)になり得る。パージは、非限定的に窒素、アルゴン、ヘリウムまたは二酸化炭素などの不活性ガスを用いて実施することができる。これは、液体供給源(例えば、液体窒素またはヘリウム)の蒸発により供給すること、そのものの位置で空気から発生もしくは分離すること、またはタンクから供給することができる。不活性ガスは、再循環することができ、任意の残留酸素を、銅触媒床などの触媒を用いて除去することができる。あるいはパージと、再循環と、酸素除去の組み合わせを、酸素レベルを低く保つために実施することができる。

取り囲まれたコンベヤは、バイオマスと反応し得る反応性ガスでパージすることもできる。これは、照射工程の前、照射工程中または照射工程後に実施することができる。反応性ガスは、亜酸化窒素、アンモニア、酸素、オゾン、炭化水素、芳香族化合物、アミド、過酸化物、アジド、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、リン化物、ホスフィン、アルシン、スルフィド、チオール、ボラン、および/または水素化物であってもよいが、これらに限らない。反応性ガスは、例えば照射(例えば、電子ビーム、UV照射、マイクロ波照射、加熱、IR線)により、囲みの中で活性化させて、反応性ガスをバイオマスと反応させることができる。バイオマスそのものは、例えば照射により、活性化することができる。好ましくはバイオマスは、電子ビームにより活性化されてラジカルを生成し、その後、例えばラジカルカップリングまたはクエンチングにより、活性化または不活性化反応性ガスと反応させる。

取り囲まれたコンベヤに供給されたパージガスは、例えば約25℃未満、約0℃未満、約−40℃未満、約−80℃未満、約−120℃未満に冷却することもできる。例えばガスは、液体窒素などの圧縮ガスから蒸発させること、または固体二酸化炭素から昇華させることができる。別の例として、ガスは冷凍機により冷却することができ、またはコンベヤの一部もしくは全体を冷却することができる。

他の実施形態 本明細書で議論された任意の材料、加工または加工された材料を用いて、複合体、充填剤、結合剤、可塑性添加剤、吸着剤および制御放出剤などの生成物および/または中間体を作製することができる。該方法は、例えば圧力および熱を材料に加えることによる、高密度化を含むことができる。例えば複合体は、繊維性材料を樹脂またはポリマーと混和することにより作製することができる。例えば放射線架橋性樹脂、例えば熱可塑性樹脂を繊維性材料と混和して、繊維性材料/架橋性樹脂の混和物を提供することができる。そのような材料は、例えば建築材料、保護シート、コンテナおよび他の構造材料(例えば、鋳造および/または押出生成物)として有用になり得る。吸収剤は、例えばペレット、チップ、繊維および/またはシートの形態であってもよい。吸着剤を、例えばペット用寝床材、梱包材として、または汚染制御システムにおいて用いることができる。制御放出性マトリックスは、例えばペレット、チップ、繊維および/またはシートの形態であってもよい。制御放出性マトリックスは、例えば薬物、殺生物剤、芳香剤を放出するために用いることができる。例えば複合体、吸収剤および制御放出剤、ならびにそれらの使用は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2006年3月23日出願の国際特許出願PCT/US2006/010648号および2011年11月22日出願の米国特許第8,074,910号に記載される。

幾つかの例において、バイオマス材料は、例えば加速された電子を用いて、第一のレベルで処理されて難分解性を低下させ、1種以上の糖(例えば、キシロース)を選択的に放出する。バイオマスは、その後、第二のレベルに処理されて、1種以上の他の糖(例えば、グルコース)を放出することができる。場合によりバイオマスは、処理間で乾燥させることができる。処理は、化学処理および生化学処理を施して、糖を放出することができる。例えばバイオマス材料は、約20Mrad未満(例えば、約15Mrad未満、約10Mrad未満、約5Mrad未満、約2Mrad未満)のレベルに処理され、その後、10%未満(例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.75%未満、約0.50%未満、約0.25%未満)の硫酸を含む硫酸溶液で処理されて、キシロースを放出することができる。例えば溶液に放出されるキシロースを固体から分離し、場合により固体を溶媒/溶液(例えば、水および/または酸性化水)で洗浄することができる。場合により固体を、例えば空気中、および/または真空下で場合により加熱しながら(例えば、約150℃未満、約120℃未満)で水分量約25重量%未満に(約20重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満に、さらには約5重量%未満に)乾燥させることができる。その後、固体を約30Mrad未満(例えば、約25Mrad未満、約20Mrad未満、約15Mrad未満、約10Mrad未満、約5Mrad未満、約1Mrad未満または全くない)のレベルで処理し、その後、酵素(例えば、セルラーゼ)で処理して、グルコースを放出することができる。グルコース(例えば、溶液中グルコース)を、残留固体から分離することができる。その後、固体をさらに加工して、例えばエネルギーまたは他の生成物(例えば、リグニン由来生成物)を生成するのに用いることができる。

香味剤、芳香剤および着色剤 例えば本明細書に記載された工程、システムおよび/または設備により生成される、本明細書に記載された生成物および/または中間体のいずれかを、香味剤、芳香剤、着色剤および/またはこれらの混合物と混和することができる。例えば、糖、有機酸、燃料、ポリオール、例えば糖アルコール、バイオマス、繊維および複合体(場合により香味剤、芳香剤および/または着色剤と共に)の任意の1種以上を、混和(例えば、製剤、混合または反応)することができ、または他の生成物を作製するのに用いることができる。例えば1種以上のそのような生成物を用いて、石鹸、洗剤、キャンディー、飲料(例えば、コーラ、ワイン、ビール、リキュール、例えばジンまたはウォッカ、スポーツ飲料、コーヒー、紅茶)、シロップ医薬品、接着剤、シート(例えば、織物、不織布、フィルター、ティッシュ)および/または複合体(例えば、板)を作製することができる。例えば1種以上のそのような生成物を、ハーブ、花、花びら、スパイス、ビタミン、ポプリ、または蝋燭と混和することができる。例えば製剤、混合または反応させた混和物は、グレープフルーツ、オレンジ、アップル、ラズベリー、バナナ、レタス、セロリ、シナモン、チョコレート、バニラ、ペパーミント、ミント、玉ねぎ、にんにく、胡椒、サフラン、生姜、ミルク、ワイン、ビール、紅茶、赤身の肉、魚、二枚貝、オリーブオイル、ココナッツ脂肪、豚脂、バター脂肪、ビーフブイヨン、マメ科植物、ジャガイモ、マーマレード、ハム、コーヒーおよびチーズの香味剤/芳香剤を有することができる。

香味剤、芳香剤および着色剤は、任意の量、例えば約0.001重量%〜約30重量%、例えば約0.01重量%〜約20重量%、約0.05重量%〜約10重量%、または約0.1重量%〜約5重量%添加することができる。これらは、任意の手段および任意の順序または連続で(例えば、撹拌、混合、乳化、ゲル化、注入、加熱、音波処理、および/または懸濁)製剤、混合および/または反応させることができる(例えば、本明細書に記載される任意の1種以上の生成物または中間体と)。充填剤、結合剤、乳化剤、抗酸化剤、例えばタンパク質のゲル、デンプンおよびシリカを、用いることもできる。

一実施形態において、照射により生成された反応部位が香味剤、芳香剤および着色剤の反応適合性部位と反応し得るようにバイオマスを照射した直後に、香味剤、芳香剤および着色剤をバイオマスに添加することができる。

香味剤、芳香剤および着色剤は、天然および/または合成材料であってもよい。これらの材料は、化合物、組成物またはこれらの混合物のうちの1つ以上であってもよい(例えば、複数の化合物の製剤または天然組成物)。場合により香味剤、芳香剤、抗酸化剤および着色剤は、例えば発酵工程(例えば、本明細書に記載された糖化材料の発酵)から、生物学的に誘導することができる。代わりまたは追加として、これらの香味剤、芳香剤および着色剤は、生物体の全体(例えば、植物、真菌、動物、細菌または酵母)または生物体の一部から採取することができる。生物体は、回収および/または抽出されて、本明細書に記載された方法、システムおよび設備を用いること、高温抽出、超臨界流体抽出、化学的抽出(例えば、酸および塩基を含む溶媒または反応性抽出)、機械的抽出(例えば、圧迫、破砕、濾過)、酵素の使用、出発原料を破壊するような細菌の使用、ならびにこれらの方法の組み合わせなど任意の手段により、色、香味剤、芳香剤および/または抗酸化剤を提供することができる。該化合物は、化学反応、例えば糖(例えば、本明細書に記載された通り生成される)とアミノ酸との混和(メイラード反応)により誘導することができる。香味剤、芳香剤、酸化剤および/または着色剤は、本明細書に記載された方法、設備またはシステムにより生成される中間体および/または生成物、例えばエステルおよびリグニン由来生成物であってもよい。

香味剤、芳香剤または着色剤の幾つかの例が、ポリフェノールである。ポリフェノールは、多くの果物、野菜、穀粒および花の赤色、紫色および青色着色剤を担う顔料である。ポリフェノールは、抗酸化性も有することができ、多くの場合、苦味を有する。抗酸化性は、これらを重要な防腐剤にする。ポリフェノールの分類に、フラボノイド、例えばアントシアニジン、フラバノノール、フラバン−3−オール、フラバノンおよびフラバノノールである。用いられ得る他のフェノール性化合物としては、フェノール酸およびそのエステル、例えばクロロゲン酸および高分子タンニンが挙げられる。

着色剤のうち、無機化合物、無機質または有機化合物、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、カドミウムイエロー(例えば、CdS)、カドミウムオレンジ(例えば、若干のSeを含むCdS)、アリザリンクリムゾン(例えば、合成または非合成ローズマダー)、ウルトラマリン(例えば、合成ウルトラマリン、天然ウルトラマリン、合成ウルトラマリンバイオレット)、コバルトブルー、コバルトイエロー、コバルトグリーン、ビリジアン(例えば、酸化クロム(III)水和物)、黄銅鉱、コニカルコ石、コルヌビア石、コーンウォール石およびリロコナイトを用いることができる。カーボンブラックおよび自己分散型ブラックなどの黒色顔料を用いてもよい。

用いられ得る幾つかの香味剤および芳香剤としては、アカレアTBHQ、アセットC−6、アリルアミルグリコラート、α−テルピネオール、アンブレットリド、アンブリノール95、アンドラン、アフェルメート、アップルライド(APPLELIDE)、BACDANOL(登録商標)、ベルガマル、β−イオノンエポキシド、β−ナフチルイソブチルエーテル、ビシクロノナラクトン、BORNAFIX(登録商標)、カントキサール、CASHMERAN(登録商標)、CASHMERAN(登録商標)VELVET、CASSIFFIX(登録商標)、セドラフィックス、CEDRAMBER(登録商標)、セドリルアセタート、セレストリド、シンナマルバ、シトラルジメチルアセタート、CITROLATE(商標)、シトロネロール700、シトロネロール950、シトロネロールクール、シトロネリルアセタート、シトロネリルアセタートピュア、シトロネリルアセタートピュア、シトロネリルホルマート、クラリセット、クロナール、コニフェラン、コニフェランピュア、コルテクスアルデヒド50%ペオモサ、シクラブテ、CYCLACET(登録商標)、CYCLAPROP(登録商標)、CYCLEMAX(商標)、シクロヘキシルエチルアセタート、ダマスコル、δダマスコン、ジヒドロシクラセット、ジヒドロミルセノール、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピニルアセタート、ジメチルシクロルモール、ジメチルオクタノールPQ、ジミルセトール、ジオラ、ジペンテン、DULCINYL(登録商標)RECRYSTALLIZED、エチル−3−フェニルグリシダート、フレーラモン、フレーラニル、フローラルスーパー、フロラロゾン、フロリフォール、フレイストン(FRAISTONE)、フルクトン、GALAXOLIDE(登録商標)50、GALAXOLIDE(登録商標)50 BB、GALAXOLIDE(登録商標)50 IPM、GALAXOLIDE(登録商標)UNDILUTED、GALBASCONE、ゲラルデヒド、ゲラニオール5020、ゲラニオール600タイプ、ゲラニオノール950、ゲラニオール980(ピュア)、ゲラニオールCFTクール、ゲラニオールクール、ゲラニルアセタートクール、ゲラニルアセタートピュア、ゲラニルホルマート、グリサルバ、グアイルアセタート、HELIONAL(商標)、ヘルバック、HERBALIME(商標)、ヘキサデカノリド、ヘキサロン、ヘキセニルサリチラートシス−3,ヒヤシンスボディ、ヒヤシンスボディNo.3、ハイドラトロピックアルデヒドDMA、ヒドロキシオール、ハイポーレム、インドラローム、イントレレベンアルデヒド、イントレレベンアルデヒドスペシャル、イオノンアルファ、イオノンベータ、イソシクロシトラル、イソシクロゲラニオール、ISO E SUPER(登録商標)、イソブチルキノリン、ジャスマル、JESSEMAL(登録商標)、KHARISMAL(登録商標)、KHARISMAL(登録商標)SUPER、クフシニル、KOAVONE(登録商標)、KOHINOOL(登録商標)、LIFFAROME(商標)、リモキサール、LINDENOL(商標)、LYRAL(登録商標)、リレイムスーパー、マンダリンアルド10%トリエチル、CITR、マリティマ、MCKチャイニーズ、MEIJIFF(商標)、メラフレール、メロゾン、メチルアントラニラート、メチルイオノンアルファエキストラ、メチルイオノンガンマA、メチルイオノンガンマクール、メチルイオノンガンマピュア、メチルラベンダーケトン、MONTAVERDI(登録商標)、ミュゲシア、ミュゲアルデヒド50、ムスクZ4、ミラックアルデヒド、ミルセニルアセタート、NECTARATE(商標)、ネロール900、ネリルアセタート、オシメン、オクタセタール、オレンジフラワーエーテル、オリボン、ORRINIFF25%、オキサスピラン、オゾフレール、PAMPLEFLEUR(登録商標)、ペオモサ、PHENOXANOL(登録商標)、ピコニア、プレシクレモンB、プレニルアセタート、プリスマントール、レセダボディ、ロザルバ、ロザムスク、サンジノール、SANTALIFF(商標)、シベルタール、テルピネオール、テルピノレン20、テルピノレン90PQ、テルピノレンレクト(TERPYNOLENE RECT.)、テルピニルアセタート、テルピニルアセタートJAX、TETRAHYDRO MUGUOL(登録商標)、テトラヒドロミルセノール、テトラメラン、TIMBERSILK(商標)、トバカロール、TRIMOFIX(登録商標)O TT、TRIPLAL(登録商標)、TRISAMBER(登録商標)、バノリス、VERDOX(商標)、VERDOX(商標)HC、VERTENEX(登録商標)、VERTENEX(登録商標)HC、VERTOFIX(登録商標)COEUR、ベルトリフ、ベルトリフイソ、ビオリフ、ビバルディエ、ゼノリド、ABS インディア 75 PCT ミグリオール、ABS モロッコ 50 PCT DPG、ABS モロッコ 50 PCT TEC、アブソルートフレンチ、アブソルートインディア、アブソルートMD 50 PCT BB、アブソルートモロッコ、コンセントレート PG、ティンクチャー20 PCT、アンバーグリス、アンブレットアブソルート、アンブレットシードオイル、アルモワーズオイル70 PCT ツヨン、バジルアブソルートグランベール、バジルグランベールABS MD、バジルオイルグランベール、バジルオイルバーベナ、バジルオイルベトナム、ベイオイルテルペンレス、ビーズワックスABS N G、ビーズワックスアブソルート、ベンゾインレジノイドシアム、ベンゾインレジノイドシアム50 PCT DPG、ベンゾインレジノイドシアム 50 PCT PG,ベンゾインレジノイドシアム 70.5 PCT TEC、ブラックカラントブッド ABS 65 PCT PG、ブラックカラントブッド ABS MD 37 PCT TEC、ブラックカラントブッド ABS ミグリオール、ブラックカラントブッドアブソルートバーガンディ、ボアドローズオイル、ブランアブソルート、ブランレジノイド、ブルームアブソルートイタリー、カルダモングアテマラCO2エキストラクト、カルダモンオイルグアテマラ、カルダモノイルインディア、キャロットハート、キャシーアブソルートエジプト、キャシーアブソルート MD 50 PCT IPM、キャストレウム ABS 90 PCT TEC、キャストレウム ABS C 50 PCT ミグリオール、キャストレウム アブソルート、キャストレウムレジノイド、キャストレウムレジノイド 50 PCT DPG、セドロールセドレン、セドラスアトランティカオイルレジスト、カモミールオイルロマン、カモミールオイルワイルド、カモミールオイルワイルドロウリモネン(CHAMOMILE OIL WILD LOW LIMONENE)、シナモンバークオイルセイロン、シストアブソルート、シストアブソルートカラーレス、シトロネラオイルアジアアイロンフリー、シベット ABS 75 PCT PG、シベットアブソルート、シベットティンクチュア 10 PCT、クラリセージ ABS フレンチ デコル(DECOL)、クラリセージアブソルートフレンチ、クラリセージ シーレス(C’LESS) 50 PCT PG、クラリセージオイルフレンチ、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コリアンダーシードオイル、シプレスオイル、シプレスオイルオーガニック、ダバナオイル、ガルバノール、ガルバナムアブソルートカラーレス、ガルバナムオイル、ガルバナムレジノイド、ガルバナムレジノイド 50 PCT DPG、ガルバナムレジノイドヘルコリンBHT、ガルバナムレジノイドTEC BHT、ゲンチアン(GENETIANE)アブソルート MD 20 PCT BB、ゲンチアンコンクリート、ゲラニウム ABS エジプト MD、ゲラニウムアブソルートエジプト、ゲラニウムオイルチャイナ、ゲラニウムオイルエジプト、ジンジャーオイル624、ジンジャーオイル 精留可溶性(RECTIFIED SOLUBLE)、グアヤクウッドハート、ヘイ ABS MD 50 PCT BB、ヘイアブソルート、ヘイアブソルート MD 50 PCT TEC、ヒーリングウッド、ヒソップオイルオーガニック、イモーテル ABS ユーゴ MD 50 PCT TEC、イモーテルアブソルートスペイン、イモーテルアブソルートユーゴ、ジャスミンABSインディアMD、ジャスミンアブソルートエジプト、ジャスミンアブソルートインディア、ジャスミン(ASMIN)アブソルートモロッコ、ジャスミンアブソルートサンバック、ジョンキルABS MD 20 PCT BB、ジョンキルアブソルートフランス、ジュニパーベリーオイルFLG、ジュニパーベリーオイル 精留可溶性、ラブダニウムレジノイド 50 PCT TEC、ラブダニウムレジノイド BB、ラブダニウムレジノイド MD、ラブダニウムレジノイド MD 50 PCT BB、ラバンジンアブソルート H、ラバンジンアブソルート MD、ラバンジンオイル、アブリアルオーガニック、ラバンジンオイルグロッソオーガニック、ラバンジンオイルスーパー、ラベンダーアブソルート H、ラベンダーアブソルート MD、ラベンダーオイルクマリンフリー、ラベンダーオイルクマリンフリーオーガニック、ラベンダーオイルメイレットオーガニック、ラベンダーオイルMT、メイスアブソルート BB、モクレン花オイルローメチルオイゲノール、モクレン花オイル、モクレン花オイル MD、モクレン葉オイル、マンダリンオイル MD、マンダリンオイル BHT、マテアブソルート BB、モスツリー(MOSS TREE)アブソルート MD TEX IFRA 43、モスオーク ABS MD TEC IFRA 43、モスオークアブソルート IFRA 43、モスオークアブソルート MD IPM IFRA 43、ミルラレジノイド BB、ミルラレジノイド MD、ミルラレジノイドTEC、マートルオイルアイロンフリー、マートルオイルチュニジア精留、ナルシスABS MD 20 PCT BB、ナルシスアブソルートフレンチ、ネロリオイルチュニジア、ナツメグオイルテルペンレス、カーネーションアブソルート、オリバナムアブソルート、オリバナムレジノイド、オリバナムレジノイド BB、オリバナムレジノイド DPG、オリバナムレジノイドエキストラ 50 PCT DPG、オリバナムレジノイド MD、オリバナムレジノイド MD 50 PCT DPG、オリバナムレジノイドTEC、オポポナックスレジノイド TEC、オレンジビガラーデオイル MD BHT、オレンジビガラーデオイル MD SCFC、オレンジフラワーアブソルートチュニジア、オレンジフラワーウォーターアブソルートチュニジア、オレンジリーフアブソルート、オレンジリーフウォーターアブソルートチュニジア、オリスアブソルートイタリー、オリスコンクリート 15 PCT イロン(IRONE)、オリスコンクリート 8 PCT イロン、オリスナチュラル 15 PCT イロン 4095C、オリスナチュラル 8 PCT イロン 2942C、オリスレジノイド、オスマンサスアブソルート、オスマンサスアブソルート MD 50 PCT BB、パチョリハートNo3、パチョリオイルインドネシア、パチョリオイルインドネシアアイロンフリー、パチョリオイルインドネシア MD、パチョリオイルレジスト、ペニーロイヤルハート、ペパーミントアブソルート MD、プチグレインビガラードオイルチュニジア、プチグレインシトロニエオイル、プチグレインオイルパラグアイテルペンレス、プチグレインオイルテルペンレスSTAB、ピメントベリーオイル、ピメントリーフオイル、ロジノールEXゲラニウムチャイナ、ローズABSブルガリアンローメチルオイゲノール、ローズABSモロッコローメチルオイゲノール、ローズABSターキッシュローメチルオイゲノール、ローズアブソルート、ローズアブソルートブルガリアン、ローズアブソルートダマスケナ、ロ ーズアブソルートMD、ローズアブソルートモロッコ、ローズアブソルートターキッシュ、ローズオイルブルガリアン、ローズオイルダマスケナ低メチルオイゲノール、ローズオイルターキッシュ、ローズマリーオイルカンファーオーガニック、ローズマリーオイルチュニジア、ビャクダンオイルインディア、ビャクダンオイルインディア精留、サンタロール、シヌスモーレオイル、STジョンブレッドティンクチュア 10 PCT、スチラックスレジノイド、タジェットオイル、ティーツリーハート、トンカ豆 ABS 50 PCT ソルベント、トンカ豆アブソルート、チュベローズアブソルートインディア、ベチバーハートエキストラ、ベチバーオイルハイチ、ベチバーオイルハイチ MD、ベチバーイルジャワ、ベチバーオイルジャワMD、バイオレットリーフアブソルートエジプト、バイオレットリーフアブソルートエジプトデコル、バイオレットリーフアブソルートフレンチ、バイオレットリーフアブソルート MD 50 PCT BB、ニガヨモギオイルテルペンレス、イランエキストラオイル、イランIIIオイルおよびこれらの組み合わせが挙げられる。

着色剤は、英国染料染色学会によるカラーインデックスに列挙されたものであってもよい。着色剤は、染料および顔料を含み、織物、ペイント、インクおよびインクジェット用インクを着色するために一般に用いられるものを含む。用いられ得る幾つかの着色剤としては、カロテノイド、アリーリドイエロー、ジアリーリドイエロー、β−ナフトール、ナフトール、ベンゾイミダゾロン、ジスアゾ濃縮顔料、ピラゾロン、ニッケルアゾイエロー、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレンおよびペリノン、イソインドリノンおよびイソインドリン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴイドが挙げられる。カロテノイドとしては、例えば、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、リコペン、ルテインおよびアスタキサンチンアナットーエキス、脱水ビート(ビート粉末)、カンタキサンチン、カラメル、β−アポ−8’−カロテナール、コチニールエキス、カーミン、銅クロロフィリンナトリウム、焼成し部分的に脱脂し蒸解した綿実粉(toasted partially defatted cooked cottonseed flour)、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、ニンジンオイル、パプリカ、パプリカオレオレジン、雲母系パールエッセンス顔料、リボフラビン、サフラン、二酸化チタン、トマトリコペンエキス、トマトリコペン濃縮物、ターメリック、ターメリックオレオレジン、FD&C青色1号、FD&C青色2号、FD&C緑色3号、オレンジB、シトラスレッド2号、FD&C赤色3号、FD&C赤色40号、FD&C黄色5号、FD&C黄色6号、アルミナ(乾燥水酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、銅クロロフィリンカリウムナトリウム(クロロフィリン−銅錯体)、ジヒドロキシアセトン、オキシ塩化ビスマス、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、グアニン、パイロフィライト、タルク、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、銅粉末、酸化亜鉛、D&C青色4号、D&C緑色5号、D&C緑色6号、D&C緑色8号、D&C橙色4号、D&C橙色5号、D&C橙色10号、D&C橙色11号、FD&C赤色4号、D&C赤色6号、D&C赤色7号、D&C赤色17号、D&C赤色21号、D&C赤色22号、D&C赤色27号、D&C赤色28号、D&C赤色30号、D&C赤色31号、D&C赤色33号、D&C赤色34号、D&C赤色36号、D&C赤色39号、D&C紫色2号、D&C黄色7号、D&C黄色7号エキス、D&C黄色8号、D&C黄色10号、D&C黄色11号、D&C黒色2号、D&C黒色3(3)号、D&C茶色1号、D&Cクロム−コバルト−酸化アルミニウムエキス、クエン酸鉄アンモニウム、ピロガロール、ログウッドエキス、1,4−ビス[(2−ヒドロキシ−エチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンビス(2−プロパノイック)エステルコポリマー、1,4−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン、1,4−ビス[4−(2−メタクリルオキシエチル)フェニルアミノ]アントラキノンコポリマー、カルバゾールバイオレット、クロロフィリン−銅錯体、クロム−コバルト−酸化アルミニウム、C.I. バットオレンジ 1、2−[[2,5−ジエトキシ−4−[(4−メチルフェニル)チオール]フェニル]アゾ]−1,3,5−ベンゼントリオール、16,23−ジヒドロジナフト[2,3−a:2’,3’−i]ナフト[2’,3’:6,7]インドロ[2,3−c]カルバゾール−5,10,15,17,22,24−ヘキソン、N,N’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,5−アントラセンジイル)ビスベンズアミド、7,16−ジヒドロ−6,15−ジヒドロ−5,9,14,18−アントラジンテトロン、16,17−ジメトキシジナフト(1,2,3−cd:3’,2’,1’−lm) ペリレン−5,10−ジオン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリラート)−ダイコポリマー(3)、リアクティブブラック5、リアクティブブルー21、リアクティブオレンジ78、リアクティブイエロー15、リアクティブブルー19、リアクティブブルー4、C.I.リアクティブレッド11、C.I.リアクティブイエロー86、C.I.リアクティブブルー163、C.I.リアクティブレッド180、4−[(2,4−ジメチルフェニル)アゾ]−2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル− 3H−ピラゾル−3−オン(ソルベントイエロー18)、6−エトキシ−2−(6−エトキシ−3−オキソベンゾ[b]チエン−2(3H)− イリデン)ベンゾ[b]チオフェン−3(2H)−オン、フタロシアニングリーン、ビニルアルコール/メタクリル酸メチル−ダイ反応生成物、C.I.リアクティブレッド180、C.I.リアクティブブラック5、C.I.リアクティブオレンジ78、C.I.リアクティブイエロー15、C.I.リアクティブブルー21、1−アミノ−4−[[4−[(2−ブロモ−1−オキソアリル)アミノ]−2−スルホナトフェニル]アミノ]−9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソアントラセン−2−スルホン酸二ナトリウム(リアクティブブルー69)、D&C青色9号、[フタロシアニナト(2−)]銅およびこれらの混合物が挙げられる。

本明細書の実施例以外で、または他に明記されなければ、本明細書の以下の部分および添付の特許請求の範囲における材料、元素、量、反応時間および温度、量の比などの数値範囲、量、値およびパーセント値の全ては、用語「約」が値、量、または範囲と共に明確に表れ得ないとしても、言語「約」によって始まると読み取ることができる。したがって反することが示されない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に示された数値パラメータは、本発明により得ようとする所望の特性に応じて変動し得る近似値である。最低限でも、そして特許請求の範囲と同様の原則の適用を限定する試みではなく、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数を考慮して、通常の端数処理法を利用することにより、解釈されなければならない。

本発明の広範囲に示された数値範囲およびパラメータは近似であるが、具体的実施例に示された数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしな がら、いずれの数値も、基礎をなす各検査測定に見出された標準偏差から必然的に生じた誤差を本質的に含有する。さらに数値範囲が、本明細書に示されている場合、これらの範囲は、引用された範囲の終了点を含む(即ち、終了点が用いられてもよい)。重量パーセントが、本明細書に用いられている場合、報告された数値は、全重量に対するものである。

同じく、本明細書に引用された任意の数値範囲はそこに包含される部分範囲の全てを含むことが理解されなければならない。例えば「1〜10」の範囲は、引用された最小値1と引用された最大値10の間の(そしてそれらを含み)部分範囲全てを含み、即ち1と等しいまたは1よりも大きな最小値と、10と等しいまたは10よりも小さい最大値を有するものとする。本明細書で用いられる用語「one」、「a」、または「an」は、他に断りがなければ、「少なくとも1」、または「1以上」を含むものとする。

本明細書で参照により組み入れられると述べられた任意の特許、特許公開、または他の開示材料の全体または一部は、組み入れられた材料が既存の定義、表明、また本開示に示された他の開示材料と矛盾しない程度にのみ、本明細書に組み入れられる。そのため必要な程度にまで、本明細書に明白に示された開示は、参照により本明細書に組み入れられた任意の矛盾材料にとって代わる。参照により本明細書に組み入れられると述べられていながら、本明細書に示された既存の定義、表面、または他の開示材料と矛盾する任意の材料またはその一部は、組み入れられた材料と既存の開示材料の間で矛盾が生じない程度のみ組み入れられる。

本発明は、好ましい実施形態を参照して具体的に図示および記載されたが、添付の特許請求の範囲に包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を施し得ることは、当業者に理解されよう。

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