Steam drain device

申请号 JP1495994 申请日 1994-01-14 公开(公告)号 JP2601990B2 公开(公告)日 1997-04-23
申请人 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション; 发明人 アール ジンガー アーサー; チャンーチェン イエ ジェイムス; アラン ブラウン チャールズ; ラッセル ウェンド ハーマン; ナイルス エルドリッジ ベンジャミン; ベス ロットマン ローラ; ジェフェリー ベイスマン ロバート;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 蒸気に敏感な製品を保持する匡体と、該匡体内の源から発生する汚染蒸気を除去するために該匡体内に置かれた蒸気除去素子手段とを備え、該蒸気除去素子の蒸気コンダクタンスが該汚染蒸気源の蒸気コンダクタンスを上回るようにした蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項2】 上記蒸気除去素子手段が実質的に上記製品と同様に配置された、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項3】 上記匡体が、複数の上記製品と実質的に同様に配置された複数の上記蒸気除去素子手段を持つ、
    請求項2に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項4】 上記匡体が複数の壁を持つ蓋を備え、上記蒸気除去素子手段が該壁の少なくともひとつに置かれた、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項5】 上記蒸気除去素子手段の周辺に蒸気を循環させる手段を含む、請求項4に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項6】 上記匡体が実質的に平行に複数の上記製品を保持し、上記蒸気除去素子手段が該複数の製品と交互に置かれた複数の蒸気除去素子を含む、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項7】 上記匡体が実質的に平行に複数の上記製品を保持し、上記蒸気除去素子手段が該製品の対の間に置かれた複数の蒸気除去素子を含む、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項8】 上記蒸気除去素子手段が上記製品の表面に置かれた、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項9】 上記蒸気除去素子手段の近くへ蒸気を循環させる手段を含む、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項10】 上記匡体が複数の壁を備え、上記蒸気除去素子手段が該壁のひとつにある開口を横切って置かれた呼吸式蒸気除去素子を備える、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項11】 上記匡体が複数の壁を備え、上記蒸気除去素子手段が該壁のひとつの壁の開口を横切る第1の呼吸式蒸気除去素子と、該壁の他の壁の開口を横切る第2の呼吸式蒸気除去素子を、上記匡体内の空気を浄化するために備える、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項12】 上記匡体が初期の製品を保持する、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項13】 上記蒸気除去素子が取り外し可能で上記蒸気の分析を容易にするための吸収材を含む、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項14】 上記吸収材が再使用可能である請求項13に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項15】 上記匡体が複数の壁を持ち、上記蒸気除去素子が該複数の壁のうちのひとつに配置された、請求項13に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項16】 上記蒸気除去素子が、上記匡体の内側と外側を結ぶひとつの開口と、該開口を横切って置かれた蒸気透過耐微粒子バリヤを備える、請求項1に記載の蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項17】 匡体と、 上記匡体内で蒸気の熱浮力対流を起こすために、上記匡体内の空気を一様でなく加熱および冷却する手段と、 上記循環空気から蒸気を除去するために上記匡体内に置かれた蒸気除去素子手段と、 を備える熱浮力蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項18】 上記加熱および冷却手段が上記匡体内に加熱源を備える、請求項17に記載の熱浮力蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項19】 上記加熱および冷却手段が、上記匡体外部の加熱源と上記匡体内の空気に一様でなく熱を伝達する手段を備える、請求項17に記載の熱浮力蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項20】 上記加熱および冷却手段が上記匡体の壁に置かれた少なくともひとつの熱ひれを備える、請求項17に記載の熱浮力蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項21】 上記加熱および冷却手段が上記匡体の壁を通り抜ける少なくともひとつの熱導線を備える、請求項17に記載の熱浮力蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項22】 上記加熱および冷却手段が流動性冷却熱板を備える、請求項17に記載の熱浮力蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項23】 上記匡体が初期の製品を保持することができる、請求項17に記載の熱浮力蒸気ドレーン装置。
  • 【請求項24】 上記匡体が複数の壁を備え、上記蒸気除去素子手段が該壁の少なくともひとつに配置された、
    請求項17に記載の熱浮力蒸気ドレーン装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、構成要素の製造、保管または運送間の粒子汚染を減少させるための移動可能匡体、特に、匡体内から化学物質蒸気および構成要素を取り除くために、蒸気ドレーン(吸収、除去、排出)装置を使用する標準的な機械インタフェース(SMIF)システムに関連する。

    【0002】

    【従来の技術】化学蒸気汚染物質は、超小形回路のような敏感な装置を製作する際使用される処理を変化させることが知られている。 そのような化学蒸気汚染物質は、
    歴史的に不適当に扱われてきた。 これらの蒸気汚染物質は、微粒子汚染から構成要素を保護するために使用される匡体を含む、様々な源から発生する。 プラスチックのガス抜き、接着剤および密封材料は、匡体自身を化学汚染物質の源にすることがある。 また、外部生成蒸気が開いた匡体を汚染することがある。 さらに、匡体が半導体ウエハのような敏感な構成要素を収容する時、これらの蒸気は再発生し、ウエハを汚染することがある。

    【0003】ディスク・ファイルおよび超小形回路のような非常に耐性の小さい構成要素は、製造時に微粒子汚染を受けることが、よく知られている。 「クリーンルーム」の使用や粒子検出および除去技術の改善によって示されるように、処理は製作システム環境において、微粒子量を減少させるために慎重に制御される。

    【0004】化学物質汚染は、製作過程における重大な因子として認識され始めている。 このような汚染は、半導体装置製造におけるガスの不純物および溶媒残留物のような、処理化学物質において最初に認識された。

    【0005】環境中の浮遊蒸気によって起こる処理汚染もまた、次第に問題となりつつある。 このような蒸気は、低濃度環境では至る所にある。 蒸気の起源は多様で、工場の他の場所からの可塑剤蒸気、処理材料、清掃および空気調整システムに使用される化学製品、化粧品、近隣の工場および農業で使用される接着剤および化学製品を含む。 これらの汚染物質は、リトグラフ、エッチング、そして他の処理の感度に影響を及ぼし、表面間の接着を妨げ、表面の湿潤性を変え、クリーニング処理の有効性を減少させ、化学反応を妨げ、そして金属の腐食を誘発することによって、製造を劣化させる。

    【0006】いくつかの化学化合物は、蒸気として移動し、単分子層をウエハに付着させることがある。 このことは、次のウエハ製造工程および製品品質を劣化させる。 有機化合物の重要な種類は、およそ150から60
    0AMU(原子質量単位)の分子質量および非特異化学反応性を持つ。 これらの化合物は、多量の蒸気を発生し単分子層として固着し、製品劣化の原因となる。 このような化合物のひとつには、ジーアルキルーフタラートがあり、これは可塑剤として広く使用されている。 対照的に、より大きい分子質量を持つ有機化合物は、多量の蒸気を発生せず、より小さい分子質量を持つ有機化合物は表面に十分に固着しないので、これらの型の構成要素は通常問題を起こさない。

    【0007】他の比較的軽い化合物の種類は、特定の化学反応性を持つ。 例えば、多くの金属は、ハロゲン化溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはトリクロロエタン)
    および、有機酸(例えば、アクリルまたは安息香酸)によって侵される。

    【0008】蒸気自己汚染は、特に重要である。 密封された匡体でさえ、蒸気を閉じこめ蓄積する。 蒸気は、匡体材料(例えばプラスチック、接着剤、密封材、そしてそれらの微量の構成要素)、匡体の表面に吸収され匡体が開いている時シールに吸収される外部蒸気および、初期製品が発生した蒸気、から発生する。

    【0009】処理化学物質および匡体材料は、これらの問題を最小限にするように、化学的に選択されなければならない。 実際的な防止を考慮すると、単に材料を選択することによって微量の蒸気および単分子層からの汚染を防ぐことは、非常に難しい。 さらに蒸気放出は、防腐剤のような初期処理材料が備えなければならない規準のひとつに過ぎない。

    【0010】超小形回路の製作に関係する複雑な処理において、最近は、密封された匡体に構成要素を含み、匡体は普通は閉じられていて、製作中に短時間断続的に開かれるだけという傾向にある。 微粒子のないシステム環境を維持するために、この製造法が開発された。 残念なことにこれらの匡体は、集中蒸気汚染を持つこととなった。 この影響は、従来技術の中で不適当に理解された。

    【0011】このような密封匡体は、標準的な機械インタフェース(SMIF)システムと呼ばれることがある。 SM
    IFシステムは、アシスト・テクノロジー社の米国特許4,739,882号、ヒューレット・パッカード社の米国特許4,532,970号、米国特許4,534,
    389号に開示され、参照によってここに編入される。

    【0012】本発明は、ここで蒸気除去素子と呼ぶ蒸気を除去する装置を、各匡体またはSMIFシステムに装備することによって、従来の匡体が持つ障害を克服する。 本発明は主にSMIFシステムと関連して使用されることを意図しているが、化学蒸気に敏感な構成要素の製造、保管、運送に使用される密封匡体にも同様に適用することができる。

    【0013】半導体、機械、電気、電子製品および処理に加えて、本発明は、調剤、臨床診断および治療製品、
    化学製品および遺伝子的に設計された製品のような、電位がある製品または浮遊蒸気汚染への既知の感度を持つ製品に適用される。

    【0014】

    【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な目的は、匡体中の構成要素の化学物質蒸気汚染を最小にするための蒸気ドレーンすなわち除去または排出(以下、排出という)装置を含む匡体を提供することである。

    【0015】本発明の他の目的は、匡体内から蒸気を除去するための蒸気ドレーン装置を含む匡体を提供することである。

    【0016】本発明のさらなる目的は、匡体内の蒸気源からの匡体内の蒸気濃度を低下させるための、蒸気ドレーン装置を含む匡体を提供することである。

    【0017】さらに、本発明の目的は、既存の匡体、関連ツールおよび処理方法と互換性を持つ蒸気ドレーン装置を含む匡体を提供することである。

    【0018】匡体が蒸気ドレーン装置を持たず、常に蒸気を発する源を含む時、蒸気は空気中に蓄積して高濃度蒸気となり、匡体中のウエハに付着し、以降のウエハ処理の劣化を引き起こす。

    【0019】

    【課題を解決するための手段】本発明は、特に匡体内で蒸気を発する源からの蒸気汚染を防止するための蒸気ドレーン装置の使用を開示する。 したがって、源からの蒸気放出は、蒸気ドレーン装置による蒸気除去によって中和される。 適当な蒸気ドレーン装置を使用することによって、匡体内環境に、低いまたは許容可能な蒸気濃度の定常状態が得られる。

    【0020】ウエハ上の蒸気濃度を低くするために、蒸気ドレーン装置内の大きい蒸気コンダクタンスと同様に、ウエハから蒸気ドレーン装置への大きい蒸気コンダクタンスも必要である。 いくつかの実施例において後者は、ウエハと密接に置かれた蒸気排出間の蒸気拡散、または、ウエハとより離れて配置された蒸気排出間の空気の動きおよび蒸気対流によって提供されることが好ましい。

    【0021】蒸気ドレーン装置は、グローバル/空気学的構造および、蒸気を集める蒸気除去素子、の2つの構造を含む。 蒸気除去素子の内部構造が、周囲のシステム環境から蒸気を取り除く。

    【0022】典型的蒸気除去素子または内部構造は、蒸気を吸収するための吸収層(例えば活性炭布)、吸収材を微粒子に敏感な領域から切り離すためのバリヤ層(例えばHEPA(高効率特殊空気)、フィルタまたは透過性有機膜)、機械的支持および保護のために空気およびスチフネスを導くための溝を持った保護板、を持つ。 典型的に、これらの構造は薄く、ウエハと調和する。

    【0023】他の実施例は、基板上の蒸気吸収被覆を備える内部構造を含む。 被覆は、チタン、沈積炭素または酸化/活性化防止剤または他の有機重合体であることが好ましい。

    【0024】グローバル/空気力学的構造に対する好ましい実施例の選択は、匡体構成、蒸気源(強度および位置を含む)、蒸気化学およびウエハ表面に依存する。 選択は同様に、匡体使用、すなわち、費用および機械、手順、匡体へのウエハのローディング/アンローディング方法および匡体クリーニング、に依存する。

    【0025】特に単純なグローバル/空気力学的実施例は、ウエハの蒸気に敏感な表面を、匡体底の薄い蒸気除去素子に隣接して置くことによって、ひとつのウエハ匡体を保護する。

    【0026】並列したウエハの積み重ねを収容するためのより典型的な多重ウエハ匡体においては、より好ましい実施例がいくつかある。 グローバル蒸気ドレーン装置は、匡体の蓋の内側に大きい薄い蒸気除去素子を含む。
    この実施例は、実現が簡単で、既存の装置および処理手順と互換性があり、適度な蒸気源を防止することができる。 これに対して、各ウエハが個々の蒸気除去素子に隣接して密接に配置される、密接隣接蒸気ドレーン装置配置が使用される。 匡体をロード/アンロードする時、各ウエハおよびその関連する蒸気除去素子は、単一体として扱われる。 この実施例は、非常に激しい蒸気源を防止するが、ロード/アンロード手順を複雑にする。 交互配置蒸気ドレーン装置実施例では、蒸気除去素子およびウエハは積み重ねの中で交互に配置される。 この実施例は、中間蒸気源を防止し、ロード/アンロード手順を複雑にし、匡体容量を50パーセント減少させる。 この配置の変形として、両面蒸気除去素子をウエハの対の間に置いた、両面蒸気ドレーン装置配置が使用される。 この実施例は、中間蒸気除去を提供し、ロード/アンロード手順を複雑にするが、匡体容量を3分の1だけ減少させる。 さらなる変更として、隣接するウエハの表面から蒸気を除去するために、各ウエハの背面を吸収層で覆った、一体的シート蒸気ドレーン装置配置が使用される。
    この実施例は、匡体容量を最大にし、既存のロード/アンロード手順を容易にするが、各ウエハに特殊な被覆を加えることを必要とする。

    【0027】熱浮力蒸気ドレーン装置のようなさらに好ましい実施例において、蒸気除去素子は匡体の蓋の内側に置かれる。 匡体内の空気は、底近くで熱っせられ、匡体の最上部近くで冷やされる。 空気中の一定でない温度差は、一定でない空気密度、浮力および空気循環を起こす。 その結果、蒸気は蒸気除去素子近くに運ばれ、蒸気除去が推進される。 この実施例は、匡体のウエハ容量を減じないでさらに強い蒸気源を防止することができるが、より複雑な匡体設計を必要とする。 流れ去り式蒸気除去素子配置では、蒸気除去素子は蓋の中、通常側壁に置かれる。 匡体の内側には、送風機および選択的微粒子フィルタがある。 送風機は、蒸気除去を改善するために、蒸気除去素子を通り過ぎた蒸気を伝導する空気循環を起こす。 この設計は、激しい汚染を防止し、従来のロード/アンロード手順を容易にし、匡体容量を最大にするが、匡体をかなり複雑にする。 変更実施例において、
    送風機および空気路が提供される。 多孔性の蒸気除去素子および微粒子フィルタは、送風機が空気路に強制する蒸気を防ぐために空気路口を横切って配置される。 この実施例は、積極的蒸気除去を提供し、既存のロード/アンロード手順および最大匡体容量を可能にするが、匡体を非常に複雑にする。

    【0028】他の実施例において、呼吸式蒸気ドレーン装置は、匡体の蓋の開口を横切って置かれる。 気圧および熱循環間に、匡体は蒸気除去素子を通して呼吸し、内側と外側の空気を交換する。 呼吸式蒸気排出は、外部の蒸気が匡体に入ることを防ぎ、また、適度な内部蒸気源を防止する。 浄化蒸気ドレーン装置実施例では、多孔性蒸気除去素子は、匡体蓋の向かい合う側壁上の2つの開口を横切って置かれる。 空気は、ひとつの蒸気除去素子を通して匡体に強制的に入れられ、他の蒸気除去素子を通して匡体から出される。 この実施例は、外部の蒸気、
    適度な内部蒸気源を防止するが、外部空気接続を必要とする。 他の実施例は、蒸気除去素子が蒸気の標本を分析のために集める標本抽出蒸気ドレーン装置である。 これは、表裏で蒸気を吸収する蒸気除去素子によって容易となる。 さらに他の実施例は、貯蔵器蒸気ドレーン装置である。 これは、防腐剤または反静電気剤のような望ましい蒸気を発する化学物質を含む貯蔵器を含む。

    【0029】一般に、上述のいずれの実施例も、広く受け入れられるためには、結果として生ずる匡体が、機能、ツールおよび技術の観点からみて既存の匡体と互換性を持たなければならない。 したがって、蒸気ドレーン装置は、微粒子を持たず、微粒子を妨げる密封匡体と互換性があり、匡体内のロード/アンロードされたウエハと互換性があり、ウエハ処理および匡体クリーニング方法が使用できなければならない。 また、本発明の多様な実施例は、ひとつのウエハまたは複数ウエハを収容する匡体、よどんだ空気または動いている空気を持つ匡体、
    蒸気除去素子をウエハのように取り付けることが可能あるいは不可能な匡体、特に様々なSMIF匡体、のような多様な匡体への互換性を提供する。

    【0030】上述の実施例は、以下に詳細に記述される。

    【0031】蒸気除去素子は、例えば、塵拡散を防ぐために微少多孔性膜の内側に置かれた活性炭のような、化学物質吸収材であることもある。 吸収材は、蒸気放出を中和する環境から蒸気を除去する。 適当な蒸気工学は、
    定常状態および非常に低い蒸気濃度をもたらす。

    【0032】ここでは用語「吸収」は、吸着、吸収、物理吸着、化学吸着、基板化学反応および、蒸気の受取り側への膜を通しての透過、による蒸気除去を含むと理解される。 用語「空気」は、普通の空気だけでなく、乾性窒素のような他のガスを含むと理解される。

    【0033】用語「ウエハ」は、半導体ウエハだけでなく、高密度プリント回路、表示パネル、また、情報記憶のためのディスクまたはプレート(磁気、光学、磁気光学記憶装置、および走査型トンネリング電子顕微鏡処理を含む)または、他の構成要素を含むと理解される。 それに加えて、用語「ウエハ」は、多様な生物学的、薬物的、そして生物工学的な製品を含むと理解される。 用語「初期のウエハ」は、特にそれが化学物質蒸気に弱いときの、製作途中のウエハを意味すると理解される。 用語「匡体」は、SMIFポッド、SMIF匡体およびウエハ・ボックスを含むだけでなく、複数ウエハのためのいわゆる「オレンジ・ボックス」、「単一ウエハ・ボックス」および多様なカセットを含むと理解される。 より一般に「匡体」は、製造、製作、処理、保管、運送あるいは出荷時に、初期のウエハを外部環境から切り離すための本質的に閉じられたいかなる構造をも含むと理解される。

    【0034】従来技術は、匡体内、特に閉じられた匡体内の化学物質蒸気汚染を、不適当に扱ってきた。 本発明に至る最近の実験は、いくつかの源、しばしば匡体の内側に置かれた源が、蒸気を発生し、したがって初期のウエハを劣化させることを示している。

    【0035】ひとつの汚染源は、匡体材料自身である。
    例えば、ガスケットはしばしばシリコン油を発生するシリコンゴムを使用し、以降のウエハ製作間の接着を劣化させる。 また、他の匡体材料(例えば、プラスチック、
    接着剤、密封材およびそれらの微量の構成要素)は、しばしば蒸気を発生する。

    【0036】汚染の他の源は、匡体の間接的汚染である。 匡体が開いている時、外部の蒸気が、匡体表面およびシールを汚染することがある。 さらに、匡体が初期のウエハを含む時、これらの蒸気は再発生し、匡体内のウエハを汚染することがある。

    【0037】初期のウエハ自身も、処理化学物質を持ちそれを発生する、汚染の他の源である。 これらの化学物質は、匡体表面を汚染することがある。 さらに、これらの表面が蒸気として化学物質を発生し、後の処理段階でウエハを汚染する。 そうして同じ化学物質が、損害を引き起こす。

    【0038】ウエハ上に残る前の処理からの「自己汚染」または残留物はまた、汚染の他の源である。 これらの残留物は、以降のウエハ処理を劣化させる蒸気を発生する。

    【0039】ウエハがかなり換気された開いたクリーンルームの中で保存されるとき、これらの蒸気源は、問題ではない。 同じウエハが蒸気ドレーン装置なしで匡体に含まれるとき、蒸気は非常に薄い層として沈積し、ウエハの一定の領域上の後処理を劣化させる。 特に、防腐剤を塗布された初期のウエハは、有機蒸気を発生する。 これらの蒸気は、防腐剤が既に除去されたエリアを劣化させ、したがって完成したウエハを劣化させる。

    【0040】適当な蒸気ドレーン装置を含む匡体を使用することによって、閉じられた匡体の中であっても、化学物質蒸気汚染を防ぐことができる。 しかし、よく換気された開いたクリーンルームで汚染を防ぐより、閉じられた匡体の中で微粒子汚染を防ぐことのほうが、信頼性が高い。 さらにこの匡体は、クリーンルームに非常に高価な改良を加えることなく、既存のクリーンルーム中での高密度ウエハの製作を可能にする。

    【0041】本発明の開示に従って、蒸気ドレーン装置は、匡体の内側に発生した蒸気を除去し、匡体の外部からの蒸気の侵入を防ぐ。 ウエハから蒸気排出への蒸気コンダクタンスまたは標準蒸気除去率は、蒸気拡散、蒸気浮力対流あるいは蒸気強制対流、を使用している匡体および蒸気ドレーン装置の構成および空気力学によって決定される。

    【0042】

    【実施例】本発明は典型的にSMIFポッドと共に使用されるので、その構成を説明することが必要である。 図に参照すると、フルロウェア社は、図1に示されるような、
    ひとつのウエハを持つ匡体を開発した。 本発明の目的にとって、この匡体は、初期のウエハのための特に単純な匡体と考えられる。 匡体10は、ウエハ12よりわずかに大きい平らな円筒形の箱である。 匡体は、浅い底2
    4、蓋20、密封機構(示されない)および柔らかいばね22を含む。 ばね22は蓋20から、凹形底24に隣接するウエハ12の周辺領域16に、穏やかに圧力をかける。 ばねは、ウエハ12の位置を維持し、敏感な表面14との接触を防ぐ。 底24、蓋20、ばね22は、微粒子のない材料、典型的に高密度ポリエチレンからなる。

    【0043】図2は、製作間に多くのウエハ12を持つように設計された、より典型的な匡体40を示す。 このような設計は、米国特許4,739,882号に開示され、アシスト社によって製作される匡体はこの型である。 匡体は、外部空気および微粒子を防ぐために、堅い底42、箱のような蓋44およびガスケット46を含む。 匡体の内側には、ブラケット52を持つ枠48がある。 各ウエハ12は、それぞれの場所50でブラケット52にわたり、ウエハ12の積み重ね18を形成する。
    各ウエハ12は、敏感な表面14を持つ。 代表的なSMIF
    ポッドは、直径200mmのウエハを25個収容することができ、外部概寸は幅40cm、奥行40cm、高さ50cm
    である。 ウエハ12の積み重ね18は、およそ8mmの刻みを持つ。

    【0044】本発明の開示による好ましい蒸気ドレーン装置は、蒸気除去素子およびグローバル/空気力学的構造を含む。 図3は、蒸気除去素子30の好ましい実施例を示す。 図をわかりやすくするために、厚さおよび間隔をかなり誇張した分解断面図を示す。

    【0045】蒸気除去素子30は、いくつかの積み重なった層を含む。 蒸気除去素子30の中央には、吸収層3
    2がある。 好ましい吸収材料は、ニッポン・キノル社のキノル(Kynol)ACC(商品名)のような活性炭繊維である。 吸収層32を囲んでいるのは、蒸気は透過させるが微粒子は阻止するバリヤ層34である。 好ましいバリヤ層は、拡張透過性PTFE(ポリテトラフッ化エチレン)の微少多孔性膜である。 他の好ましいバリヤ層は、典型的なHEPAろ過剤に使用されるような、積層化ミクロ繊維フィルタである。 さらに、他のバリヤ層は、ドナルドソン社のエレクトリート(ElecTreet、商品名)のような、
    静電気ウエブである。 このバリヤ層は典型的に、溶解性ポリエチレン(polyethene)織物に接着したポリエステル布を持つ。 バリヤ層34の下部および上部は、完全に吸収層32を囲んでいる。 バリヤ層34の上下には、比較的堅く、各々空気が通るための溝38を持つ選択的保護板36がある。 蒸気除去素子の両側には、内部スペーサ26またはハウジングおよび、選択的外部スペーサ2
    8がある。 ある場合には、これらのスペーサは互いに、
    または隣接のハードウェアに接合される。

    【0046】蒸気除去素子30近くの蒸気は、拡散、透過または気流によって短距離を速く移動し、保護板36
    の溝38およびバリヤ層34を通って、吸収層32にぶつかり、そこで蒸気は空気から除去される。

    【0047】堅い保護板36は、吸収層32を機械的に保護する。 また、スペーサ26および28は、保護板3
    6、バリヤ層34および吸収層32上の機械的圧力を最小限にする。 保護板は、吸収層32が崩れたりそこに微粒子が化成することを最小にする。 さらに、吸収層32
    で形成された微粒子は、バリヤ層34の内側で防がれる。 したがって、蒸気除去素子システム30の吸収層3
    2は、ほこりを発生しない。

    【0048】吸収層32の好ましい材料は、蒸気化学に依存する。 活性炭織物は、フタル酸ジオクチル(Diocty
    lphthalyate)またはシリコン油のような、中間分子量をもつ有機蒸気には好ましい。 腐食性蒸気に適した吸収材料は、塩基処理された活性炭である。 炭酸ナトリウム基による安息香酸蒸気の中和および除去がその一例である。 他の好ましい材料は、IBM社の「単一フィルタ媒体」と題する、米国特許5,124,856号に開示されている。 他の吸収層としては、ゼオライトおよびエーロゲルのような、極微少多孔性材料がある。 他の吸収材の実施例では、穴をもつ堅い板が、ノボラックのような適当な樹脂被覆を含んでいる。 被覆は、プラスチックに重合され、次に、そのまま活性炭に変換される。

    【0049】図3に示される蒸気除去素子は、以下に記述されるように、多様なグローバル/空気力学的実施例において使用される。 ある実施例においては、蒸気は蒸気除去素子の蓋の上下両方の表面から吸収される。 他の実施例において、蒸気除去素子の蓋の片面だけが蒸気を吸収するために使用され、他の面は、簡易化されるか、
    排除されるか、あるいは一体化される。 また他の実施例においては、蒸気排出を通り、一方から入り他方から出る、はっきりした空気流が存在する。

    【0050】いくつかの設計は、特に大きいはっきりした空気流を持つという特徴がある。 保護板36の空気溝38は、バリヤ層34および吸収層32を横切って一様に空気を拡散するために設計される。 この一様性は、局部的飽和および局部的故障を最小にする。 ある応用においては、吸収層32およびバリヤ層34はひだをつけられる。 ひだは流れ領域を増やし、このことは蒸気排出に適当な容積内で、より小さい圧力での空気流を可能にする。 また、ひだは適当な容積内で蒸気容量(吸収層が維持することができる蒸気の最大質量)を増大する。

    【0051】図4は、シート蒸気除去素子54と呼ばれる内部構造のための、好ましい実施例を示す。 シート蒸気除去素子54は、いくつかの層を含む。 それらは、基板層56、選択的接合層58、被覆として適用されるのが好ましい吸収層60および、ほこりを阻止するための選択的バリヤ層62である。

    【0052】これらの層は、別個あるいは一体化された構造であってよい。 シート蒸気除去素子の好ましい実施例は、暗にいくつかの層を一体化するチタンの薄いシートを含む。 しかし、紫外線やマイクロ波放射線によるクリーニング、オゾンへの露光、あるいはさらにチタンをスパッタすることによって、表面を再活性化する必要がある。 吸収層60は、スパッタされたチタンのような被覆である。

    【0053】ある付着またはスパッタされた被覆は非常にほこりが少く、丈夫なので、この場合バリヤ層62は必要ではない。

    【0054】代替的な吸収層60は、活性炭の被覆である。 他の応用においては、防腐剤または他の有機物被覆を基板56に塗布し、次にその防腐剤または被覆をそこで酸化および活性化またはその一方を行うことが可能である。

    【0055】この部分的に一体化された方法においては、被覆/吸収層60と基板56間の自己接着があり、
    接合層58が別個の材料の層である必要はない。

    【0056】他の好ましい実施例において、基板56
    は、有機フィルムおよび接合層58で覆われている。 有機フィルムは、活性炭の吸収層60を形成するために、
    そこで酸化および活性化またはその一方で処理される。

    【0057】基板56は、ステンレス鋼、ガラス、シリコンまたはその類のシートである。

    【0058】基板56は、図2の蓋44の内側のような、多様な構造に一体化することができる。 シート蒸気除去素子54が蓋44の内側の被覆によって形成される時、蓋は必要なだけ頻繁に再被覆することができる。

    【0059】シート蒸気除去素子の他の実施例において、蒸気除去素子は物理的に独立した層を持つ。 例えば、基板56はシリコン・シートであり、接合層58は独立したフィルム層であり、吸収層60は薄い固体活性炭のシートであり、そしてバリヤ層62は、極微少多孔性膜である。

    【0060】図5は、本発明の開示に従って蒸気除去素子およびウエハ間の関係を示す。 敏感な表面14を持つひとつのウエハ12が、匡体66内に含まれる。 図3に関連して説明された、薄い平らな蒸気除去素子68が、
    ウエハ12の敏感な表面14と向かい合って配置される。 蒸気除去素子68は、底70の大部分の領域を覆う。 底70は、蒸気除去素子68およびウエハ12を収容するのに十分な大きさである。 ばね22、スペーサ7
    2、74および保護板36は、ウエハ12を適した場所に維持する。 浅い匡体66がウエハ12を含む時、蒸気除去素子68は、ウエハ12の敏感な表面14に隣接して密接に配置される。 その結果、敏感な表面14の近くの蒸気が、蒸気除去素子68に高速に拡散する。

    【0061】匡体66がクリーニングのために開けられる時、保護板が持ち上げられるので、蒸気除去素子68
    を取り除き、取り替えることができる。 これに対して、
    匡体66および蒸気除去素子58は、ひとつの処理単位として考えられ扱われる。

    【0062】本発明では、化学物質蒸気を気象における「絶対湿度」および「相対湿度」で表わす。 空気中の化学物質蒸気を、その「蒸気濃度」で測定することが可能である。 蒸気濃度は、空気の単位容積ごとの化学物質蒸気質量(空気質量を除外する)である。 特定の化学物質蒸気および特定の温度において、空気は一定の最大絶対蒸気濃度を含む。 それは「飽和蒸気濃度」と呼ばれる。
    多くの蒸気について、この飽和蒸気濃度は急速に増大し、温度上昇とともにほぼ指数関数的に増大する。

    【0063】任意の温度における空気中の蒸気のために、絶対蒸気濃度をその温度での飽和蒸気濃度で割った「相対蒸気濃度」(RVC)が定義される。 したがって、R
    VCは0%から100%まで変化する。 特定の化学的相互影響のない蒸気およびウエハについて、RVC10%未満では、典型的にウエハ上には気相付着はほとんどない。
    典型的にRVC約25%で、単分子層がウエハ上に形成される。 相対蒸気濃度が100%に向けて増加するにつれて、多分子層が付着する。

    【0064】匡体内の蒸気と蒸気除去素子間の相互作用を理解するために、蒸気源、匡体中の蒸気移動、ウエハおよび蒸気除去素子を含む、蒸気移動を伴う匡体を考えてみる。 また、蒸気の安定状態が存在すると仮定する。
    さらに、局部的蒸気濃度を測定するツールがあると仮定する。 蒸気濃度を測定する匡体内のいくつかの位置を選択する。 その位置は、蒸気源の近く、ウエハの近くおよび蒸気除去素子の近くの位置を含む。

    【0065】空気がよく混ざっていて、測定値が位置によって変化しない場合がある。 (蒸気源、ウエハまたは蒸気除去素子のような)表面に沿って、薄い蒸気境界層が存在することもある。 そのような場合には、境界層のすぐ外側の位置が選ばれる。 さらに、厚い蒸気傾きが存在することがあり、このような場合には表面の推定が可能な位置が選ばれる。 以下の記述において、「すぐ近くの空気」は、「対応する位置で」を表す。

    【0066】上述の取り決めによって、「蒸気コンダクタンス」は、かなり一般に定義される。 2つの位置で2
    つの蒸気区域を考えてみる。 2つの区域間の「蒸気コンダクタンス」は、絶対蒸気濃度の差で割った、単位時間ごとの移動蒸気のネット量として定義される。 こうして、蒸気源から蒸気除去素子に移動する蒸気コンダクタンスを測定することができる。

    【0067】すぐ近くの空気から蒸気を除去する蒸気除去素子のために、単位時間ごとの除去された蒸気量を測定し、すぐ近くの空気の絶対蒸気濃度を測定するとする。 この比率は、「蒸気排出コンダクタンス」と定義される。

    【0068】複数の蒸気除去素子があるならば、「全体蒸気排出コンダクタンス」は、絶対蒸気濃度で割られた単位時間ごとの除去蒸気の全体量である。 多くの場合、
    全体蒸気排出コンダクタンスは、各蒸気除去素子の蒸気コンダクタンスの和である。

    【0069】すぐ近くの空気に蒸気を発生する源のために、「蒸気源コンダクタンス」は対応する方法で定義される。 すぐ近くの空気の絶対蒸気濃度および温度、単位時間ごとの発生した蒸気量を測定する。 「蒸気源コンダクタンス」は、単位時間ごとの発生蒸気量を、すぐ近くの同じ温度における飽和濃度から絶対蒸気濃度を引いたもので割って、定義される。 複数の蒸気源がある場合、
    「全体蒸気源コンダクタンス」は、単位時間ごとの全発生蒸気量を、飽和蒸気濃度引く絶対蒸気濃度で割って、
    定義される。

    【0070】したがって、蒸気コンダクタンスは、量/
    時間という単位を持ち、蒸気移動、発生または除去の容積速度(レート、rate)として理解される。 これらの定義で、蒸気拡散、蒸気対流および空気力学の効率を測定することができる。

    【0071】蒸気コンダクタンスは一般に、匡体内の蒸気濃度から独立している。 ほとんどの場合、蒸気濃度の変化は、蒸気流の均整のとれた変化によって取り消される。 特に、蒸気コンダクタンスは、飽和蒸気濃度の大きい変化を起こすゆっくりした均一の温度変化には、影響されない。

    【0072】蒸気源および蒸気ドレーン装置をもつ匡体は、蒸気転送理論によって分析することができる。 定常状態にあると仮定すると、ウエハにおける相対蒸気濃度(RVC)は、以下の要因に依存する。 G.Source:蒸気源の蒸気コンダクタンス。 G.Travel:源から蒸気除去素子への蒸気コンダクタンス。 G.Drain :蒸気除去素子の蒸気コンダクタンス。 1と0間の小数Wは、蒸気源および蒸気除去素子間のウエハの位置を示す。

    【0073】これらは、3直列抵抗器をもつ電子分圧器に類似する、単純な代数公式によって記述できる。 2つの実数A、Bの「調和和」(harmonic sum)を以下のように定義する。

    【0074】

    【数1】

    これは、この発明の重要な設計規則を導く。 ウエハ汚染の防止を信頼できるものにするために、蒸気除去素子の蒸気コンダクタンスの「調和和」および蒸気移動の蒸気コンダクタンスは、蒸気源の蒸気コンダクタンスをかなり越えなければならない。 ここで、1:1の比率は不十分、10:1は十分、100:1は優れている。

    【0075】以下に代数の詳細を示す。 これはより明確な記述を可能にする。

    【0076】

    【数2】

    次の定義も有用である。

    【0077】

    【数3】

    最も難しい場合、源はウエハ上に置かれ、したがって、


    Wは1であり、RVC式は以下のようになる。

    【0078】

    【数4】

    【0079】

    【数5】

    したがってRVCは、次に述べる通り、G.TD/G.Sourceに対応する

    【0080】

    【表1】

    化学的に非特異な蒸気およびウエハ表面では、実質的表面被覆はRVCが10%の時起き、単分子層被覆はRVCが2


    5%の時起こる。 RVC100%に向けて蒸気濃度が上昇するにつれ、蒸着はかなり増大する。

    【0081】ある場合、ウエハ劣化の閾値は、単分子層の蒸着あたりである。 そのような蒸着を妨げるために、
    RVCは10%以下、G.TD/G.Sourceは9以上でなければならない。

    【0082】もちろん、表面被覆、単分子層被覆、または実質的被覆が起こる明確な相対蒸気濃度は、含まれる特定の化学材料および表面に依存する。 したがって、上述のRVC閾値は代表的なものであり、正しいRVC閾値は含まれる特定の化学材料および表面に依存する。

    【0083】さらに、いくらかの設計「余裕」が必要とされる。 飽和蒸気濃度は、温度とともに指数関数的に変化する。 したがって、2、3度の温度差は、濃度の10
    単位の変化を意味する。 また、他の化学システム(蒸気および表面)は、いくぶん異なる数値を持つ。 それにもかかわらず、この分野の技術者には、本発明の開示に従って、この化学システムのいくつかの実施例および設計があることが明らかである。

    【0084】図6は、ひとつ以上の蒸気除去素子30が匡体40内の異なる位置に配置された実施例を示す。 匡体は、図2に関連して記述されたように、SMIFポッドであることが好ましい。 蒸気除去素子は、側壁に沿って、
    または蓋44の上部に、あるいは匡体40の底42に沿って配置される。 用語「匡体壁」は、側壁、蓋上部または底を含む。 フレーム48内の最上部のブラケット52
    に蒸気除去素子を置くことも可能である。 蒸気は、匡体内から生じたものでもウエハ12自身から生じたものでも、各蒸気除去素子の位置で吸収される。

    【0085】図7は、本発明の隣接蒸気ドレーン装置の実施例として参照された図6の配置の変更を示す。 蒸気除去素子82は各ウエハ12に隣接して配置され、ウエハ12と大体一致する。 ウエハおよび蒸気除去素子の間に、狭い間隔84がスペーサ86によって規定される。

    【0086】典型的なSMIFポッド40の中で、ウエハの積み重ねおよび蒸気除去素子は、典型的に高さ8mmおよび直径200mmの、狭い縦横比を持つ。 その結果、空気流がない時、2つの連続したウエハ間の空気中の蒸気分子拡散は典型的に、その空間から出る前に多くのウエハと接触する。 表面化学現象に基づいて、分子は、積み重ねから拡散するよりむしろウエハに接着する。 この蒸気接着は、図6、図7に示されるような、隣接蒸気除去素子の使用によって防ぐことができる。 例えば、ウエハ1
    2とその関連する蒸気除去素子82の間には、2mmのオーダの間隔84がある。 その結果、蒸気除去素子82
    は、分子が2mmのオーダの二乗平均の平方根の距離を横に拡散する時、蒸気を除去する。

    【0087】その結果、非常に大きい蒸気コンダクタンスが、ウエハ12から密接隣接蒸気除去素子84間に存在する。 自己汚染ウエハのような激しい汚染であっても、本実施例は、かなり蒸気汚染を減少させる。 シリコンゴム・ガスケット46によって発生したシリコン油蒸気のような緩やかな汚染であれば、本実施例は蒸気汚染を非常に減少させる。

    【0088】蒸気除去素子82の内部構造および機能は、図3に示される蒸気除去素子に関連して記述された。 また、ウエハ12をその関連する蒸気除去素子82
    に取り付けるために、クリップまたは他の固定手段がとられる。 ロード/アンロードのために、ウエハおよび関連する蒸気排出は、単一体として、または、互いに固定されていなければ個別に、扱われる。

    【0089】図6および図7に示される密接隣接蒸気ドレーン装置配置は、ウエハ12およびその関連する蒸気除去素子82間の非常に大きい蒸気コンダクタンスを提供する。 さらに、この実施例は、匡体に含まれるウエハの数を減らさない。 しかし、この設備にはいくつかの制限がある。 例えば、非標準的な機械および手順が、ウエハのロード/アンロード、特にウエハおよびその関連する蒸気除去素子をアセンブル/切り離すのに必要である。 それに加えて、この実施例は、多数の薄い蒸気除去素子82を必要とする。

    【0090】図8は、本発明の他の実施例、交互配置蒸気ドレーン装置の断面図である。 SMIFポッド40およびその部品は一般に、図2に示されたものと同じである。
    それに加えて、積み重ね中のウエハ12の間にはさまれた蒸気除去素子82がある。 各ウエハ12の敏感な表面14とそれに最も近い蒸気除去素子82間の間隔84は6mmのオーダであり、したがって蒸気分子は、6mmのオーダの二乗平均の平方根の距離を横に移動するとき吸収される。 大体ウエハ12と一致する蒸気除去素子82を使用するによって、この実施例は、既存のポッドおよび既存のロード/アンロード・ツールと互換性を持つ。 しかしこの実施例は、匡体に含まれるウエハの数を半分に減らす。

    【0091】図3に示された型の蒸気除去素子の内部構造は、蒸気除去素子の両面で蒸気を吸収することができる。 蒸気除去素子のこの特性が、図9に示される実施例に使用される。 図9は、本発明の両面蒸気ドレーン装置実施例のためのグローバル/空気力学的構造を示す。 SM
    IFポッド40は、図2に関連して先に述べられた。 基礎単位は、下面に敏感な表面14′をもつ第1のウエハ、
    両面蒸気除去素子82、および敏感な表面14″をもつ第2のウエハ12″からなる「トリオ」である。 各蒸気除去素子82は通常ウエハを置くためのブラケット88
    に置かれるが、匡体ごとのウエハ数は3分の1だけ減る。 すべてのウエハ12′、12″が蒸気除去素子82
    の近くにあるので、蒸気コンダクタンスは非常に大きい。 両面蒸気ドレーン装置の制限は、ウエハをロード/
    アンロードするのに非標準的な機械および手順が必要なことである。

    【0092】ある応用では、特にウエハが自己汚染する場合、汚染はとても激しいので、蒸気分子がウエハを横切って拡散する前に除去することが重要である。 これらの難しい応用は、それぞれの実施例の制限にもかかわらず、図6、図7に示される密接隣接蒸気ドレーン装置、
    図8に示される交互配置蒸気ドレーン装置、あるいは図9に示される両面蒸気ドレーン装置を使用することによって、費用および不利益を調整する。

    【0093】図10は、本発明の、一体的シート蒸気ドレーン装置のグローバル/空気力学的な実施例を示す。
    この実施例において、シート蒸気除去素子54(図4)
    は、関連するウエハ12に一体化される。 各ウエハ12
    の片面は敏感な表面14であり、もう片面はシート蒸気除去素子51のための基板である。 この実施例は、図8
    に示される交互配置蒸気ドレーン装置とよく似た方法で、蒸気を除去する。 一体的シート蒸気除去素子をもつウエハを扱っている時、さらにほこりの生成を避けるために、シート蒸気除去素子は、ウエハが扱われる位置の決まった型を持つ。

    【0094】蒸気除去素子54とウエハ12間の継ぎ目のない単一化は、匡体容量が減らされず、蒸気排出をロード/アンロードするのに余分な努力または機械の必要がないという、利点を持つ。 また一体的シート蒸気除去素子は、ウエハを処理するのに既に開発された装置および技術を使用して、適用し、新しくし、除去することができる。 それに加えて、一体的シート蒸気除去素子は、
    ウエハ処理間に永久的、一時的、または再生可能となる。 さらに、複数一体的シート蒸気除去素子は、ウエハ処理間に順次適用することができる。

    【0095】図11は、本発明の他の実施例である垂直ウエハをもつ熱浮力蒸気ドレーン装置(TBVD)の、空気力学的/グローバル構造を示す。 蒸気コンダクタンスを改善するために、内部空気は一様ではなく熱っせられ冷やされる。 このことは匡体40内の密度差、浮力、空気循環、蒸気対流を起こし、蒸気コンダクタンスを改良する。

    【0096】匡体40は、底42、蓋44および密封ガスケット46を含む。 ウエハ12は、積み重ね中の本質的に平行な垂直面に置かれる。 保持具90は、ウエハ1
    2を垂直面に保持する。 保持具90は、ウエハのロード/アンロードおよび保持を容易にするため、移動可能であるか、またはばねでロードされている。 匡体40内には少なくともひとつの蒸気除去素子30があり、それらは典型的に蓋44の内壁に置かれる。

    【0097】加熱器102は、匡体の底近くの、ポッド40内の空気を暖める。 例えば、電気抵抗加熱器104
    は熱伝導性翼106に付着し、翼106は底42の断熱器108に固定される。 それに加えて、匡体の最上部近くに置かれた冷却手段110が、匡体内の空気を冷やす。 冷却手段の一例は、匡体内のより暖かい空気から、
    蓋44を通してより涼しい外部空気112に、熱転送することである。 加熱および冷却は、矢印88′および8
    8″によって表わされる。

    【0098】ポッド内の温度差は空気密度差を起こし、
    それは浮力を起こし、浮力は矢印92′および92″によって示される空気循環を起こす。匡体は、循環を導く手段を含む。翼104は、空気加熱を容易にし、ウエハの中央に循環を方向づける。また、保持具90は、浮力循環の不必要なモードを妨げる。

    【0099】ウエハ12近くの蒸気は、循環92′によって、蒸気除去素子30の近くへ導かれ、そこで蒸気は吸収される。 蒸気転送は、矢印94′および94″によって表わされる。蒸気を除去された空気がウエハ12へ戻る。1回の空気循環は蒸気の一部分を除去するだけであるが、繰り返される空気循環は繰り返し蒸気を除去し、低蒸気濃度の定常状態を導く。したがって、ウエハ12から蒸気除去素子30に繰り返される蒸気対流は、
    蒸気コンダクタンスを改良し、この実施例を特に自己汚染ウエハに適したものにする。

    【0100】変更および修正が可能なことは、この分野の技術者には明らかである。 例えば、匡体内の空気を熱するには多様な装置を使用することができる。 空気を熱する力は、すべての外部電力源から、内部蓄電池から、
    または熱貯蔵器から供給することができる。 加熱器は、
    底に取り付けられるか、あるいは、底の外側にあるか内側にあるか、蓋に取り付けられているか蓋の外側にあるかである。 さらに、放射エネルギーの外部源を使用する加熱器に対する他の実施例がある。 放射線は、放射線通過窓を通り抜けて蓋にはいり、熱を生成する内部構成要素によって吸収される。 例えば、図11に示される装置および図12に示される変更実施例において、翼106
    を熱するために、電気抵抗器が使用される。 加熱器は、
    熱ひれまたは回転する翼を含む。 各実施例は、対応する熱の導線および絶縁体の内包を暗示する。 外部加熱器は、エネルギーを蓋を通してポッドに放出するために使用される。 冷却には、(金属ハンドル110のような)
    匡体外部の熱ひれ、(ふたを通しての金属リベットのような)匡体に深く入いりこんでいる熱導線、あるいは匡体内の熱ひれ、のような多様な方法がある。 冷却は、涼しい外部空気によって、または流動性の冷やされた金属板によって達成される。

    【0101】図12および図13は、本発明のひとつの実施例の2つの断面図である。 図12にで示されるように、SMIFポッド40は、底42、蓋44および平ウエハ12の垂直積み重ね18を持つ。 加熱器102は、先に述べたようにポッドの底近くに置かれ、ポッド内の空気を熱する。 それに加えて、空気デフレクタ114がある。 図13に示されるように、SMIFポッドの上部近くの冷却手段110が、SMIFポッド内の空気を冷やす。 例えば熱は、ポッド内のより暖かい空気から、蓋44を通ってより涼しい外部空気112へ移される。 加熱および冷却は、図12および図13において、矢印88′および88″によって表わされる。

    【0102】温度差は空気密度差を生じ、それは浮力を生じる。 浮力は、矢印92″′および92″″によって示される空気循環を起こす。空気デフレクタ114は、
    水平ウエハ12上に循環を導く。 それに加えて、デフレクタ114は、匡体を通る浮力循環の不必要なモードを妨げる。

    【0103】図13によく示されているように、少くとも1つの蒸気除去素子30が蓋44の内壁に置かれる。
    ウエハ12の近くの蒸気は、循環92″′および9
    2″″によって蒸気除去素子30の近くに導かれ、そこで蒸気は吸収される。 蒸気を除去された空気がウエハ1
    2へ戻る。 他の蒸気除去素子30を、蓋44の他の内部壁に置くこともできる。

    【0104】先に述べたように、加熱器および冷却器が蓋44の向かい合う壁に置かれる、匡体およびグローバル蒸気除去素子を使用することもできる。 保管の際、匡体は横にずらされ、それにより、垂直ウエハの積み重ねが形成され、加熱手段は下部に、冷却手段は上部となる。 その結果、熱浮力循環および、ウエハから蒸気除去素子への蒸気対流が生ずる。 ウエハをロード/アンロードする必要がある時、匡体は上に傾けられる。 ウエハは水平になり、標準ロード/アンロード機械および手順を使用することができる。

    【0105】熱浮力蒸気ドレーン装置配置は、ウエハの積み重ねから離れた蒸気排出への蒸気コンダクタンスを改良し、ウエハのロード/アンロードを容易にする。 また、全匡体容量を使用することができる。 さらに、扇風機、送風機または外部空気接続を使用する必要がなくなる。 これらの機能を考慮すると、大きい蒸気源がウエハ上に置かれ、その源が重要な強さを持つならば、熱浮力蒸気排出は好ましい実施例である。 低消費電力熱源および涼しい空気源が必要とされるが、それらは簡単に提供される。

    【0106】ある一定の状況下では、より積極的蒸気吸収やより積極的微粒子ろ過を可能にするよう、ポッド内の空気循環を強めるために、扇風機または送風機を含むことが有益である。 特別な場合、付加費用および複雑さは正当化される。 第1に、非常に積極的な微粒子ろ過が得られるのであれば、扇風機または送風機の使用は正当化される。 第2に、非常に激しい蒸気源は、単純な実施例が提供することができない、非常に大きいコンダクタンスを要求する。

    【0107】図14は、本発明の流れ去り式蒸気ドレーン装置実施例を示す。 SMIFポッド40は一般に、上述のものに似ている。 ポッド内にはさらに、矢印120によって示される強制空気循環がある。 扇風機または送風機のような空気原動機122が、存在する。 配置は、ひとつ以上の微粒子フィルタ126、積み重ねの中のウエハ12間の空気流を導くために、空気路124または、拡散器あるいは翼のような空気ガイド128を含む。 少くともひとつの蒸気除去素子30が、蓋44の内壁に置かれる。 蒸気除去素子30を図示されたように置くと、急速な空気流が生じ、場所50にウエハを置くことができる。 しかし、蒸気除去素子を匡体の他の位置に配置することもできる。

    【0108】図示される実施例において、空気原動機1
    22が動いているとき、空気は循環して流れる。 空気は、空気原動機122を通り、空気路124を通り、微粒子フィルタ126を通り、空気ガイド128を過ぎ、
    ウエハ12の間を通り、蒸気除去素子30を通り過ぎ、
    そして空気原動機122に戻る。

    【0109】空気循環は、いくつかの点で蒸気吸収および微粒子ろ過を容易にする。 第1に、小さい容量は、蒸気除去素子30および微粒子フィルタ126に非常に適している。 統合空気流が非常に大きくても、きれいにする空気の全体量は、非常に小さい。 第2に、循環流は、
    蒸気除去素子30および微粒子フィルタ126の一回の空気循環における除去効率が非常に低くても、また、ウエハ12があらゆる場所50にあっても、蒸気や微粒子のない空気を達成することができる。 例えば、源が、蒸気排出がない時、1時間に相対蒸気濃度(RVC)を0%
    から50%まで上げる蒸気を発生すると仮定する。 蒸気ドレーン装置が各空気流間に蒸気の20分の1だけを除去し、1分につき10の空気流があるとすると、源と蒸気排出で、0.3%の相対蒸気濃度をもつ安定した状態をもたらす。 第4に、微粒子フィルタに対する低い効率が、低空気圧の広い流れを可能にする。 第5に、空気力学理論の境界層の構想に基づくと、空気は蒸気排出を速く流れ過ぎるので、隣接する境界層は薄くなり蒸気排出コンダクタンスを高める。

    【0110】図15は、本発明の「流れ通り」式蒸気ドレーン装置実施例を図示する。 この実施例は概して、図14に図示される実施例に似ている。 しかし、図15においては、蒸気除去素子130は多孔性で、空気路12
    4を横切って置かれる。 そこで空気は、矢印132の方向に蒸気除去素子130を通って流れる。 圧力降下を最小にするために、蒸気除去素子130の一空気循環ごとの蒸気吸収率は、非常に低い。 例として、特に低密度で高多孔性の、活性炭の吸収材をもつ蒸気除去素子がある。 また圧力降下を最小にするために、微粒子フィルタ126′および126″の、一空気循環ごとの微粒子ろ過率は、非常に低い。例として、特に低密度で高多孔性のHEPA材料からなる、微粒子フィルタがある。さらに、
    流れに対する圧力を最小にするために、蒸気除去素子1
    30および微粒子フィルタ126′、126″は、限られた容積内で流れ領域を増やすために、ひだをつけられる。この実施例において、蒸気除去素子130および微粒子フィルタ126′および126″を部分的または完全に一体化すると便利である。 微粒子フィルタ12
    6′、126″は、蒸気除去素子130を囲み、図3に示された吸収層32に対するのと同じように、バリヤ層を提供する。より一体化するために、ろ過剤および吸収材料は、一緒にひだ加工される。しかし図15では、見やすくするためにこれらの素子は別々に示される。

    【0111】こうして、蒸気ドレーン装置実施例を通る流れは、流れが蒸気除去素子および微粒子フィルタを通ることを可能にするために、かなりの空気圧力を使用する。 空気圧力は、非常に積極的吸収および微粒子ろ過を可能にするが、費用がかさみ複雑さを増す。

    【0112】あるまれな場合、外部空気は、密封された匡体内の空気より化学的にきれいである。 このような場合に適切な実施例は、「漏出」蒸気ドレーン装置である。 この実施例は、ポッドの壁に開口を持ち、開口は、
    蒸気を透過し微粒子は通さないバリヤによって覆われる。 ここで使用される材料は、図3のバリヤ層34に関して記述されたものである。 したがって、蒸気除去素子はバリヤおよび開口によって形成され、内部空気から外部空気への蒸気拡散によって操作する。 グローバル/空気力学的構造は、反ほこりバリヤによって覆われた開口である。 この実施例は、非常に単純で安価で、緩やかな内部蒸気源を防止する。 この実施例は、外部の空気が蒸気を含まない場合にだけ実施できる。 しかし、この実施例は、外部の蒸気源を防止しない。 したがって、外部空気の予想外の蒸気濃度変化に弱い。 以下に呼吸式蒸気ドレーン装置実施例に関して記述する蒸気吸収材を加えることによって、脆弱さを補強することができる。

    【0113】気圧および熱循環のために、完全に密封するガスケット、全く堅い蓋、そして一定の温度および圧力で、匡体を完全に密封し維持することは難しい。 もし努力の結果完全な密封が達成されたなら、圧力差のために、匡体を開けることが複雑になる。 その代わりに、匡体は「呼吸する」傾向がある。 すなわち、気圧および熱循環の間に、匡体の内側と外側の空気を交換する。 空気交換は、蒸気を匡体の外側から内側に運んで、匡体を汚染することがある。 これは、「呼吸式」蒸気ドレーン装置の使用によって防ぐことができる。 「呼吸式」蒸気ドレーン装置は、典型的に、呼吸式グローバル/空気力学的構造および呼吸式蒸気除去素子を含む。 呼吸式グローバル/空気力学的構造は、図16に示されるように、内部および外部空気を交換することができる開口を横切って置かれた蒸気除去素子を提供する。 呼吸式蒸気除去素子は、図16に示されるように、空気が素子を通して入ることができるように少なくとも2つのポートを持ち、
    侵入した空気から蒸気を除去する。

    【0114】図16における呼吸によって起こる蒸気汚染を排除するために、本発明の呼吸式蒸気ドレーン装置実施例が示される。 SMIFポッド40は、開口136を持つ蓋44を持つ。 呼吸式蒸気除去素子138は、開口1
    36を横切って置かれる。 内部空気および外部空気は交換されるが、蒸気は呼吸式蒸気除去素子によって吸収される。

    【0115】蒸気除去素子138の内部構造が、図17
    に示される。 図をわかりやすくするために、図16、1
    7、18において層の厚さはかなり誇張されている。 蒸気除去素子138の中央には、バリヤ層142、14
    2′に囲まれた吸収層140があり、バリヤ層は保護板144に囲まれている。 保護板は空気溝148および1
    50を含む。 バリヤ層は典型的に、HEPA微粒子ろ過材料である。 蒸気除去素子138は、蓋44の開口136を横切って置かれる。 蒸気除去素子の構成、機能および構造は、図3に示された蒸気除去素子に類似している。 しかし、吸収層140およびバリヤ層142、142′
    は、蒸気および微粒子の統合した流動のために十分な容量を持つように設計されている。 また、空気溝148および150は、蒸気除去素子を通る空気流による蒸気転送のために最適化される。 対照的に、図3に示される実施例は、極微の空気流が蒸気除去素子を浸透するのではなく、拡散による蒸気移動に最適である。

    【0116】図18は、浄化蒸気ドレーン装置として参照される本発明の実施例のための、グローバル/空気力学的構造を示す。 ポッド40は、上述のSMIFポッドである。 しかし蓋44は、2つ以上の開口136、136′
    を持ち、各開口は、それぞれの蒸気除去素子138および138′で覆われる。 空気線や送風機のような手段(示されていない)が、外部空気をひとつの蒸気除去素子136′を通してポッド40内に入れるために、存在する。 蒸気除去素子136′は、入ってくる外部蒸気を吸収する。 ポッド40内で空気はおきかえられ、第2の蒸気除去素子136から流れ出る。 通常の空気流が妨害される時、外部の蒸気が匡体に入らないように、図18
    の浄化蒸気排出配置は、図16に示された呼吸式蒸気ドレーン装置のように作用する。 各蒸気除去素子136、
    136′の内部の構造は、図17に関連して先に述べた構造と同じである。 しかし、吸収層140およびバリヤ層142、142′は、蒸気および微粒子のより大きい統合流動および空気のより大きい流れを持つために、さらに拡大される。 ある場合には、吸収層およびバリヤ層は、小さい容積の中で大きい蒸気除去量を提供するために、ひだをつけられる。

    【0117】さらに、本発明の他の実施例も可能である。 たとえば、蒸気除去素子は、化学物質標本抽出装置であることができる。 長い使用の結果、吸収材は蒸気を蓄積するが、それを除去し化学的に分析することができる。 この実施例では、化学物質抽出および防止された汚染の分析を容易にする吸収材料を使用することが好ましい。 ひとつの例は、テナックス(Tenax、商標)の重合体吸収材である。 これは環境の空気標本抽出およびガス・クロマトグラフィにしばしば使用される。 蒸気除去素子は、匡体から除去され、汚染を脱離するために熱っせられる。 汚染はクロマトグラフィによって分析される。
    汚染が蒸気除去素子から除去されるので、素子は「再生され」、蒸気除去素子を匡体の中で再利用することができる。 したがって、蒸気排出標本抽出システムは、蒸気を識別し量的に測定するために使用され、その源の低減を導くことができる。

    【0118】ある製造匡体において、特定の化学蒸気物質の蒸気濃度を維持することが望ましい。 例として、反静電気物質または防腐剤がある。 その結果、要求された化学物質を充分に供給する材料が匡体に加えられ、匡体は蒸気貯蔵器の役目を果たす。 蒸気貯蔵器が蒸気排出と組み合わせて使用されると、定常状態の蒸気濃度が保たれる。 ディスクドライブと関連して使用されるこのようなシステムは、例えば、IBM社の1990年5月24
    日提出、米国特許出願No.535,269に開示されている。

    【0119】本発明はいくつかの好ましい実施例をあげて記述されたが、この分野の技術者には、本発明の有効範囲からはずれないで、修正および変更が可能なことは明らかである。

    【0120】

    【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されているので、匡体中の構成要素の化学蒸気汚染を最小にするための蒸気ドレーン装置を含む匡体を、提供することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】ひとつのウエハを持つ、従来技術匡体の側面断面図である。

    【図2】典型的なSMIFポッドの側面断面図である。

    【図3】蒸気除去素子の拡大断面図である。

    【図4】シート蒸気除去素子の拡大断面図である。

    【図5】本発明の開示に従って蒸気除去素子を含みひとつのウエハを持つ匡体の側面断面図である。

    【図6】本発明の開示に従って匡体内のいくつかの位置に蒸気除去素子を含む匡体の側面断面図である。

    【図7】本発明の隣接蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図8】本発明の交互配置蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図9】本発明の両面蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図10】本発明の一体的シート蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図11】本発明の熱浮力蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図12】本発明の他の熱浮力蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図13】図12に示された熱浮力蒸気ドレーン装置実施例の正面図である。

    【図14】本発明の流れ去り式蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図15】本発明の流れ通り式蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図16】本発明の呼吸式蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【図17】図16に示された蒸気除去素子の拡大断面図である。

    【図18】本発明の浄化蒸気ドレーン装置実施例の側面断面図である。

    【符号の説明】

    10 匡体 12 ウエハ 14 敏感な表面 30、54、68、82、130、138 蒸気除去素子 40 匡体 42 底 44 蓋 102 加熱器 110 冷却手段 126 フィルタ 136 開口 140 吸収層 142 バリヤ層

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャールズ アラン ブラウン アメリカ合衆国 95030 カリフォルニ ア州 ロス ガトス ニューウェル コ ート 131 (72)発明者 ベンジャミン ナイルス エルドリッジ アメリカ合衆国 12533 ニューヨーク 州 ホープウェル ジャンクション ハ イ リッジ ロード 11 (72)発明者 ローラ ベス ロットマン アメリカ合衆国 06785 コネティカッ ト州 サウス ケント ギア マウンテ ン ロード 104 (72)発明者 ハーマン ラッセル ウェンド アメリカ合衆国 95123 カリフォルニ ア州 サン ホセ サンタ メサ ドラ イブ 440 (72)発明者 ジェイムス チャンーチェン イエ アメリカ合衆国 10536 ニューヨーク 州 カトナ ベロニカ プレイス ロー ド 2 (72)発明者 アーサー アール ジンガー アメリカ合衆国 10693 ニューヨーク 州 ホワイト プレインズ ノース ブ ロードウェイ 107 アパートメント 211

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