建材、建材の積層体、及び建材の施工方法

申请号 JP2017012640 申请日 2017-01-27 公开(公告)号 JP2018119353A 公开(公告)日 2018-08-02
申请人 ニチハ株式会社; 发明人 嶋谷 康彦;
摘要 【課題】意匠面の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる建材、建材の積層体、及び建材の施工方法を提供する。 【解決手段】建材は、第1面2Fを有し、第1面2F内に意匠面3が形成された略矩形板状の建材本体2と、建材本体2に剥離可能に貼着された保護シートS1と、を備える。意匠面3は、保護シートS1で覆われることにより保護された被覆領域C1と、意匠面3の1つの端部である第1意匠端部3Dに沿って延びて形成され、保護シートS1で覆われていない露出領域B1と、を有している。 【選択図】図3
权利要求

第1面を有し、前記第1面内に意匠面が形成された略矩形板状の建材本体と、前記建材本体に剥離可能に貼着された保護シートと、を備えた建材であって、 前記意匠面は、前記保護シートで覆われることにより保護された被覆領域と、 前記意匠面の1つの端部である第1意匠端部に沿って延びて形成され、前記保護シートで覆われていない露出領域と、を有していることを特徴とする建材。前記意匠面は、前記第1意匠端部から内方に離れて形成された第1意匠面と、 前記第1意匠端部と前記第1意匠面とを接続し、かつ前記第1意匠面に対して傾斜する第2意匠面と、を有し、 前記露出領域は、前記第2意匠面の一部を含んでいる請求項1記載の建材。前記第2意匠面には、前記露出領域と前記被覆領域とが形成されており、 前記被覆領域は、前記第1意匠面から前記第2意匠面の途中まで形成されている請求項2記載の建材。前記保護シートは、前記第1意匠面から前記第2意匠面に非接触状態で外方に延出しており、 前記保護シートのシート端は、前記第1意匠端部と前記第1意匠面との間に位置している請求項3記載の建材。前記露出領域は、前記第1意匠端部、及び前記第1意匠端部と対向する第2意匠端部に沿って延びて一対に形成されている請求項1記載の建材。前記露出領域は、前記第1意匠端部、及び前記第1意匠端部と交差する第3意匠端部に沿って延びて形成されている請求項1記載の建材。前記露出領域は、前記意匠面の四方の端部に沿って延びて形成されている請求項1記載の建材。前記建材本体は、前記第1面とは反対側を向く第2面と、 前記第1意匠端部と対向する第2意匠端部から前記第2面に向かって凹み、前記第2面側で外方に突出する第1裏面側接合部と、 前記建材本体における前記第1裏面側接合部と対向する箇所に形成され、隣接する別の前記建材本体の前記第1裏面側接合部と接合可能な第1表面側接合部と、を有し、 前記第1裏面側接合部における前記第1面側の表面は、前記保護シートで覆われておらず、 前記露出領域は、前記第1表面側接合部における前記第1面側の表面に形成されている請求項1記載の建材。前記建材本体は、前記第1意匠端部と交差する第3意匠端部から前記第2面に向かって凹み、前記第2面側で外方に突出する第2裏面側接合部と、 前記建材本体における前記第2裏面側接合部と対向する箇所に形成され、隣接する別の前記建材本体の前記第2裏面側接合部と接合可能な第2表面側接合部と、を有し、 前記第2裏面側接合部における前記第1面側の表面は、前記保護シートで覆われておらず、 前記露出領域は、前記第2表面側接合部における前記第1面側の表面に形成されている請求項8記載の建材。請求項1乃至9のいずれか1項記載の前記建材を重ね合わせた積層体であって、 各前記建材は、互いの前記第1面が対向する状態で重なり合う2枚で組を構成し、 前記組を構成する一方の前記建材の前記露出領域は、前記組を構成する他方の前記建材の前記被覆領域を覆う前記保護シートにより保護されていることを特徴とする建材の積層体。請求項1乃至9のいずれか1項記載の前記建材を建物の構造体に取り付ける第1工程と、 前記第1工程の後に、前記保護シートを前記意匠面から剥がす第2工程と、を備えていることを特徴とする建材の施工方法。

说明书全文

本発明は、建材、建材の積層体、及び建材の施工方法に関する。

特許文献1〜3に従来の建材の例が開示されている。これらの建材は、略矩形板状の建材本体と、建材本体の表面を覆う保護シートと、を備えている。

より詳しくは、特許文献1には、塗装や凹凸模様等である意匠面を向かい合わせにした2枚の建材本体の間に、合紙である保護シートを配して結束することや、保護シートを配して結束した2枚の建材本体をパレットに積載することが記載されている。特許文献2及び特許文献3には、建材本体の化粧層又は仕上げ層である意匠面に、保護シートを剥離可能に貼着することが記載されている。特許文献2、3のような保護シートを用いた場合、施工時にも意匠面の損傷を抑制することができる。

このように、特許文献1〜3に開示されているような建材について、意匠面の損傷を抑制するため、保護シートにより建材本体の表面端部まで覆うことが一般に行われている。特許文献1では、建材本体の表面全体のサイズよりも若干大きい保護シートを用いることが記載されている。特許文献2でも、建材本体の表面端部にまで保護シートを貼った形態が図示されている。

特開2010−58846号公報

特開平11−50591号公報

特表2005−532932号公報

ところで、上記のような建材本体と保護シートとを備えた従来の建材では、意匠面の損傷を抑制するために保護シートで建材本体の表面を覆ったまま施工する場合、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端が挟まれないように注意しながら作業する必要がある。また、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端が挟まれてしまうと、その挟まれた部分を千切れないように注意して引き抜く等の余分な施工手間が必要となる。さらに、施工終了時に、保護シートを剥がす際のきっかけとなるシート端も、隣接する建材本体同士で重なり合い易いため、保護シートを剥がす作業が難しくなるおそれがある。その結果、従来の建材では、意匠面の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現することが難しい。

本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、意匠面の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる建材、建材の積層体、及び建材の施工方法を提供することを解決すべき課題としている。

本発明の第1の態様の建材は、第1面を有し、前記第1面内に意匠面が形成された略矩形板状の建材本体と、前記建材本体に剥離可能に貼着された保護シートと、を備えた建材であって、 前記意匠面は、前記保護シートで覆われることにより保護された被覆領域と、 前記意匠面の1つの端部である第1意匠端部に沿って延びて形成され、前記保護シートで覆われていない露出領域と、を有していることを特徴とする。

第1の態様の建材では、建材本体の第1面内に形成された意匠面の被覆領域は、剥離可能な保護シートで覆われることにより保護されている。このため、施工において、意匠面は、被覆領域の保護シートによって損傷が抑制される。

一方、意匠面の露出領域は、第1意匠端部に沿って延びて形成され、保護シートで覆われていない。このため、施工時、隣接する建材本体同士において、意匠面の第1意匠端部が露出する。つまり、その第1意匠端部から保護シートのシート端が離間するので、その第1意匠端部の周辺において、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端が挟まれる不具合を抑制できる。このため、その第1意匠端部の周辺において、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端が挟まれないように注意しながら作業しなくてもよくなる。また、保護シートの挟まれた部分を千切れないように注意して引き抜く等の余分な施工手間を無くすことができる。さらに、施工終了時に、保護シートを剥がす際のきっかけとなるシート端も、その第1意匠端部の周辺において、隣接する建材本体同士で互いに離間するため、保護シートを剥がす作業が容易になる。

したがって、本発明の第1の態様の建材によれば、意匠面の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

本発明の第2の態様として、意匠面は、第1意匠端部から内方に離れて形成された第1意匠面と、第1意匠端部と第1意匠面とを接続し、かつ第1意匠面に対して傾斜する第2意匠面と、を有していることが望ましい。そして、露出領域は、第2意匠面の一部を含んでいることが望ましい。

この構成によれば、施工時だけでなく、保管時及び運搬時にも、意匠面の第1意匠端部を面取りする面取り部である第2意匠面によって、意匠面の損傷を抑制できる。そして、露出領域が第2意匠面の一部を含むことで、施工時、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端を一層挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

本発明の第3の態様として、第2の態様において、第2意匠面には、露出領域と被覆領域とが形成されていることが望ましい。そして、被覆領域は、第1意匠面から第2意匠面の途中まで形成されていることが望ましい。

この構成によれば、第2意匠面が傾斜していることから、施工終了時に、第1意匠面から第2意匠面の途中までに形成される被覆領域を覆う保護シートのシート端を剥がし易い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

本発明の第4の態様として、第3の態様において、保護シートは、第1意匠面から第2意匠面に非接触状態で外方に延出していることが望ましい。そして、保護シートのシート端は、第1意匠端部と第1意匠面との間に位置していることが望ましい。

この構成によれば、保護シートのシート端が第1意匠端部よりも内方において第2意匠面から浮き上がっている。このため、施工終了時に、保護シートのシート端を剥がし易い。また、保護シートのシート端が第1意匠端部よりも外方に延出していないので、施工時、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端を挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

本発明の第5の態様として、露出領域は、第1意匠端部、及び第1意匠端部と対向する第2意匠端部に沿って延びて一対に形成されていることが望ましい。

この構成によれば、露出領域が意匠面の対向する両端部に形成されていることから、施工時、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端を一層挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

本発明の第6の態様として、露出領域は、第1意匠端部、及び第1意匠端部と交差する第3意匠端部に沿って延びて形成されていることが望ましい。

この構成によれば、露出領域が意匠面の交差する2つの端部に形成されていることから、施工時、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端を一層挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

本発明の第7の態様として、露出領域は、意匠面の四方の端部に沿って延びて形成されていることが望ましい。

この構成によれば、露出領域が意匠面の四方の端部に形成されていることから、施工時、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端を一層挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

本発明の第8の態様として、建材本体は、第1面とは反対側を向く第2面と、第1意匠端部と対向する第2意匠端部から第2面に向かって凹み、第2面側で外方に突出する第1裏面側接合部と、建材本体における第1裏面側接合部と対向する箇所に形成され、隣接する別の建材本体の第1裏面側接合部と接合可能な第1表面側接合部と、を有していることが望ましい。そして、第1裏面側接合部における第1面側の表面は、保護シートで覆われていないことが望ましい。また、露出領域は、第1表面側接合部における第1面側の表面に形成されていることが望ましい。

この構成によれば、第1裏面側接合部における第1面側の表面は、保護シートで覆われていない状態で、施工時に第1表面側接合部と接合されて隠れる。また、第1面における第1表面側接合部側に第1意匠端部が延びており、露出領域が第1意匠端部に沿って延びて形成されている。このため、施工時、隣接する建材本体同士における第1表面側接合部と第1裏面側接合部との接合箇所に、保護シートのシート端を一層挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

本発明の第9の態様として、第8の態様において、建材本体は、第1意匠端部と交差する第3意匠端部から第2面に向かって凹み、第2面側で外方に突出する第2裏面側接合部と、建材本体における第2裏面側接合部と対向する箇所に形成され、隣接する別の建材本体の第2裏面側接合部と接合可能な第2表面側接合部と、を有していることが望ましい。第2裏面側接合部における第1面側の表面は、保護シートで覆われていないことが望ましい。そして、露出領域は、第2表面側接合部における第1面側の表面に形成されていることが望ましい。

この構成によれば、第1面における第1表面側接合部側に第1意匠端部が延びており、露出領域が第1意匠端部に沿って延びて形成されている。また、第1面における第2表面側接合部側に露出領域が形成されている。このため、施工時、隣接する建材本体同士における第1表面側接合部と第1裏面側接合部との接合箇所、及び第2表面側接合部と第2裏面側接合部との接合箇所に、保護シートのシート端を一層挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

本発明の第10の態様の建材の積層体は、前述したいずれかの建材を重ね合わせた積層体であって、 各建材は、互いの第1面が対向する状態で重なり合う2枚で組を構成し、 組を構成する一方の建材の露出領域は、組を構成する他方の建材の被覆領域を覆う保護シートにより保護されていることを特徴とする。

第10の態様の建材の積層体では、一方の建材の露出領域が対向する他方の建材の保護シートで保護されるので、保管時及び運搬時に、意匠面の損傷を抑制することができる。

本発明の第11の態様の建材の施工方法は、前述したいずれかの建材を建物の構造体に取り付ける第1工程と、 第1工程の後に、保護シートを意匠面から剥がす第2工程と、を備えていることを特徴とする。

第11の態様の建材の施工方法において、建材本体の第1面内に形成された意匠面の被覆領域は、剥離可能な保護シートで覆われることにより保護されている。このため、施工時の第1工程において、意匠面は、被覆領域の保護シートによって損傷が抑制される。

一方、意匠面の露出領域は、第1意匠端部に沿って延びて形成され、保護シートで覆われていない。このため、施工時の第1工程を行う際、隣接する建材本体同士において、意匠面の第1意匠端部が露出する。つまり、その第1意匠端部から保護シートのシート端が離間するので、その第1意匠端部の周辺において、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端が挟まれる不具合を抑制できる。このため、その第1意匠端部の周辺において、隣接する建材本体同士の間に保護シートのシート端が挟まれないように注意しながら作業しなくてもよくなり、余分な施工手間を無くすことができる。保護シートを剥がす作業が容易になることは前述の通りである。

したがって、本発明の第11の態様の建材の施工方法によれば、意匠面の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

本発明の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法によれば、意匠面の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

図1は、実施の形態1の外壁板を用いた建物の外装構造の斜視図である。

図2は、実施の形態1の外壁板の斜視図である。

図3は、実施の形態1に係り、保護シートが貼着された外壁板を示す正面図である。

図4は、実施の形態1に係り、図3の矢視Z1方向から見た側面図である。

図5は、実施の形態1に係り、図3の矢視Y1方向から見た側面図である。

図6は、実施の形態1に係り、施工状態を示す部分断面図である。

図7は、実施の形態1に係り、建材の積層体の側面図である。

図8は、実施の形態1に係り、建材の積層体の別の側面図である。

図9は、実施の形態2に係り、保護シートが貼着された外壁板を示す正面図である。

図10は、実施の形態2に係り、図9の矢視Z2方向から見た側面図である。

図11は、実施の形態3に係り、保護シートが貼着された外壁板を示す正面図である。

図12は、実施の形態3に係り、図11の矢視Z3方向から見た側面図である。

図13は、実施の形態4に係り、保護シートが貼着された外壁板を示す正面図である。

図14は、実施の形態4に係り、図7と同様の方向から見た建材の積層体の側面図である。

図15は、実施の形態5に係り、保護シートが貼着された外壁板を示す正面図である。

図16は、実施の形態6に係り、保護シートが貼着された外壁板を示す正面図である。

図17は、実施の形態7の外壁板の斜視図である。

図18は、実施の形態7に係り、保護シートが貼着された外壁板を示す正面図である。

図19は、実施の形態7に係り、図7と同様の方向から見た建材の積層体の側面図である。

図20は、実施の形態8に係り、保護シートが貼着された外壁板を示す正面図である。

図21は、実施の形態8に係り、図7と同様の方向から見た建材の積層体の側面図である。

以下、本発明を具体化した実施の形態1〜8を図面を参照しつつ説明する。なお、図1において、垂直上方向を上と表示し、垂直下方向を下と表示する。また、図1の屋外から屋内に向う方向において平左方向を左と表示し、水平右方向を右と表示する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、図1に対応させて表示する。

(実施の形態1) 図1は、複数の外壁板2を建物の構造体8に取り付けた状態を示している。図1に示すように、建物は、住宅、施設、倉庫等である。

図2は、外壁板2の具体的形状を示している。図3〜図8に示す実施の形態1の建材は、外壁板2と保護シートS1とを備えている。外壁板2は、それ自体が高い強度や剛性を有して建物の外壁を構成する板材である。外壁板2は、「建材本体」の一例である。なお、建材本体は外壁板に限定されず、例えば、建物を外装する化粧板、屋内用構造パネル、内装板等であってもよい。

本実施の形態では、構造体8は、例えば、木造軸組構法によって建築されるものである。構造体8は、複数の構造部材によって構成される。構造部材には、左右方向に所定の間隔を有して並ぶ複数の柱材や柱材間に配置される間柱等の部材9も含まれる。

なお、構造体8は、本実施の形態の構成に限定されず、木造枠組壁構法等によって建築されてもよい。また、建材本体が取り付けられる構造体は、例えば、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、レンガ造等の躯体であってもよいし、屋内の区画壁であってもよい。

図2に示すように、外壁板2は、四辺形状、より具体的には、左右方向に長い略矩形状の板材である。本実施の形態では、外壁板2は、セメントを含む窯業系材料からなる。より具体的には、外壁板2は、木質セメント板である。なお、外壁板2の材質や形状は上記には限定されない。例えば、外壁板2の材質は、金属系材、木質系材、樹脂系材等を適宜選択できる。また、外壁板2の形状は、四辺形状で上下に長い略矩形形状の板材等を適宜選択できる。

図1に示すように、複数の外壁板2は、取付具90等の周知の取付具により、上下方向及び左右方向に隣接する状態で、構造体8に取り付けられて、構造体8の外面を覆う。図2に示すように、外壁板2は、第1面2Fと第2面2Bとを有している。第1面2Fは、外壁板2における屋外方向を向く面である。第2面2Bは、外壁板2における屋内方向を向く面である。

本実施の形態では、第1面2Fは、外壁板2を構成する木質セメント板の上に塗膜が積層され、その塗膜の表面は鏡面のような光沢を有する。つまり、第1面2Fに、平滑な意匠面3が形成されている。意匠面3の大きさは特に限定されないが、一例を挙げると、左右方向の長さが約3mであり、上下方向の長さが約0.5mである。

第1意匠端部3Dは、意匠面3の下方の端部である。第2意匠端部3Uは、意匠面3の上方の端部であり、第1意匠端部3Dと対向している。第1意匠端部3Dと第2意匠端部3Uとは、互いに平行に左右方向に延びている。

第3意匠端部3Rは、意匠面3の右方の端部であり、第1意匠端部3Dと直交している。第4意匠端部3Lは、意匠面3の左方の端部であり、第1意匠端部3Dと直交し、かつ第3意匠端部3Rと対向している。第3意匠端部3Rと第4意匠端部3Lとは、互いに平行に上下方向に延びている。

第1意匠面31は、第1意匠端部3D、第2意匠端部3U、第3意匠端部3R及び第4意匠端部3Lのそれぞれから内方に離れて形成された長方形状の平坦面である。

第2意匠面32D、32U、32R、32Lは、意匠面3の四方の端部を面取りする面取り部であり、四方の意匠端部と第1意匠面31とを接続し、かつ第1意匠面31に対して45°程度の度で傾斜している。第2意匠面32D、32U、32R、32Lの幅は特に限定されないが、一例として約2.0〜3.0mmがあげられる。

外壁板2の上端部には、第1裏面側接合部21が形成されている。外壁板2の下端部、すなわち、外壁板2における第1裏面側接合部21と対向する箇所には、第1表面側接合部22が形成されている。外壁板2の右端部には、第2裏面側接合部23が形成されている。外壁板2の左端部、すなわち、外壁板2における第2裏面側接合部23と対向する箇所には、第2表面側接合部24が形成されている。第1裏面側接合部21、第1表面側接合部22、第2裏面側接合部23及び第2表面側接合部24は、「実部」とも呼ばれる。

なお、図2〜図8では、外壁板2の大きさに対して、第2意匠面32D、32U、32R、32L、第1裏面側接合部21、第1表面側接合部22、第2裏面側接合部23及び第2表面側接合部24の大きさが誇張して図示されている。

図2に示すように、第1裏面側接合部21は、外壁板2の第1面2Fから第2面2Bに向かって段状に凹み、第2面2B側で上方に突出している。また、第1裏面側接合部21は、第2意匠端部3Uに沿って左右方向に延びて形成されている。第1裏面側接合部21における第1面2F側の表面21Fは、第2意匠端部3U側から垂直に延びた後、第2面2Bに接近するように傾斜している。つまり、第1裏面側接合部21の断面形状は、上向きに先細っている。

第1裏面側接合部21の表面21Fには、コーキング21Sが設けられている。コーキング21Sは、第1裏面側接合部21に沿って直線状に配設されている。なお、コーキングは必須ではなく、本実施の形態のコーキング21Sを省略することもできる。また、図2以降の図においては、コーキング21Sの図示を省略している。

第1表面側接合部22は、外壁板2の第2面2Bから第1面2Fに向かって段状に凹み、第1面2F側で下方に突出している。また、第1表面側接合部22は、第1意匠端部3Dに沿って左右方向に延びて形成されている。第1表面側接合部22における第1面2F側の表面22Fには、第1意匠面31の下端部と、第2意匠面32Dとが形成されている。第1表面側接合部22における第2面2B側の上端部は、上向きに先細るように凹んでいる。

第2裏面側接合部23は、外壁板2の第1面2Fから第2面2Bに向かって段状に凹み、第2面2B側で右方に突出している。また、第2裏面側接合部23は、第3意匠端部3Rに沿って上下方向に延びて形成されている。

第2裏面側接合部23における第1面2F側の表面には、コーキング23Sが設けられている。コーキング23Sは、第2裏面側接合部23に沿って直線状に配設されている。なお、コーキングは必須ではなく、本実施の形態のコーキング23Sを省略することもできる。また、図2以降の図においては、コーキング23Sの図示を省略している。

第2表面側接合部24は、外壁板2の第2面2Bから第1面2Fに向かって段状に凹み、第1面2F側で左方に突出している。また、第2表面側接合部24は、第4意匠端部3Lに沿って上下方向に延びて形成されている。

図6に示すように、第1裏面側接合部21と第1表面側接合部22とは、2枚の外壁板2が上下で隣接することにより、接合可能となっている。より詳しくは、下方の外壁板2の第1裏面側接合部21と、上方の外壁板2の第1表面側接合部22とが屋内外方向で重なり合うことによって、上下で隣接する外壁板2同士の間に、上下合決り部が形成されるようになっている。

また、図示は省略するが、第2裏面側接合部23と第2表面側接合部24とは、2枚の外壁板2が左右で隣接することにより、接合可能となっている。より詳しくは、左方の外壁板2の第2裏面側接合部23と、右方の外壁板2の第2表面側接合部24とが屋内外方向で重なり合うことによって、左右で隣接する外壁板2同士の間に、左右合決り部が形成されるようになっている。

すなわち、外壁板2は、第1裏面側接合部21、第1表面側接合部22、第2裏面側接合部23及び第2表面側接合部24を備える、いわゆる「四方合い決り構造」の板材である。

図3〜図8に示す保護シートS1は、物品の表面に剥離可能に貼着されて、物品の保管時、運搬時、施工時等において、物品の表面の損傷を抑制する周知の保護シートが使用される。より具体的には、保護シートS1は、シートである基層と、基層の一方の面に積層された粘着層とを有している。基層の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、不織布、紙等を例示できる。粘着層は、保護シートS1を外壁板2の第1面2Fに確実に貼着できるとともに、保護シートS1を外壁板2の第1面2Fから剥離する際に、第1面2F上に残りにくい粘着を有している。粘着層の材質としては、合成ゴム系、アクリル系等を例示できる。粘着層の形成方法としては、シートである基層に粘着物を塗布して形成する方法、基層と粘着物とをシート状に共押出して形成する方法等を例示できる。

外壁板2への保護シートS1の貼り付けについて説明する。まず、第1面2Fを上向きとした外壁板2に、粘着層が内側となるよう巻物状態にされた保護シートS1を配置する。次に、保護シートS1の一端を、粘着層が外壁板2の第1面2Fに接するように配し、外壁板2又は保護シートS1を移動させることにより、外壁板2の第1面2Fに保護シートS1を貼着する。そして、保護シートS1を所定の長さで切断する。

図3〜図5に示すように、保護シートS1は、外壁板2の第1面2Fに貼着された状態で、長方形状となっている。保護シートS1は、四方の端部であるシート端S1D、S1U、S1R、S1Lを有している。

シート端S1Dは、保護シートS1の下方の端部である。シート端S1Uは、保護シートS1の上方の端部であり、シート端S1Dと対向している。シート端S1Dとシート端S1Uとは、互いに平行に左右方向に延びている。

シート端S1Rは、保護シートS1の右方の端部であり、シート端S1Dと直交している。シート端S1Lは、保護シートS1の左方の端部であり、シート端S1Dと直交し、かつシート端S1Rと対向している。シート端S1Rとシート端S1Lとは、互いに平行に上下方向に延びている。

保護シートS1は、第1意匠端部3D及び第2意匠端部3Uと略平行に左右方向に延び、かつ、第3意匠端部3R及び第4意匠端部3Lと略平行に上下方向に延びて、第1意匠面31の全面を接触状態で覆っている。図3及び図4に示すように、保護シートS1の上下方向の長さは、第1意匠面31の上下方向の長さLV31と等しく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Dは、第1意匠面31よりも下方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Dは、保護シートS1で覆われていない。また、保護シートS1のシート端S1Uは、第1意匠面31よりも上方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Uと、第1裏面側接合部21における第1面2F側の表面21Fとは、保護シートS1で覆われていない。

図3及び図5に示すように、保護シートS1の左右方向の長さは、意匠面3の左右方向の長さLH3よりも大きく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Rは、第3意匠端部3Rよりも右方に位置し、保護シートS1は、第1意匠面31から、第2意匠面32Rに非接触状態で、右方に延出している。また、保護シートS1のシート端S1Lは、第4意匠端部3Lよりも左方に位置し、保護シートS1は、第1意匠面31から、第2意匠面32Lに非接触状態で、左方に延出している。保護シートS1のシート端S1R、S1Lが意匠面3から右方又は左方にはみ出す長さは特に限定されないが、一例として約5mmがあげられる。

つまり、意匠面3は、保護シートS1で覆われることにより保護された被覆領域C1(C1C、C1R、C1L)と、保護シートS1で覆われていない露出領域B1(B1D、B1U)とを有している。

被覆領域C1Cは、第1意匠面31の全面に形成されている。被覆領域C1Rは、第2意匠面32Rに形成されている。被覆領域C1Lは、第2意匠面32Lに形成されている。

露出領域B1Dは、第2意匠面32Dに形成されており、第1意匠端部3Dに沿って延びて形成されている。露出領域B1Dは、第1表面側接合部22における第1面2F側の表面22Fに形成されている。露出領域B1Uは、第2意匠面32Uに形成されており、第2意匠端部3Uに沿って延びて形成されている。

図3〜図5に示す建材の施工方法は、第1工程と、第2工程と、を備えている。より詳しくは、図6に示すように、施工時の第1工程において、保護シートS1が貼着された外壁板2を建物の構造体8に取り付ける。この際、保護シートS1によって、意匠面3の被覆領域C1が保護される。そして、第1工程の後、第2工程において、保護シートS1を意匠面3から剥がす。その結果、図1に示すように、外壁板2の意匠面3が意匠性を発揮する。

また、この建材は、図7及び図8に示すように、保護シートS1が貼着された外壁板2を重ね合わせてなる積層体として、保管や運搬が行われる。

積層体を構成する各建材は、2枚で組P1を構成する。より具体的には、一方の建材を第1面2Fが下方向を向くように180°回転させて上方に配し、その下に、第1面2Fが上方向を向いた別の建材を対向させる。その結果、図7及び図8に示すように、組P1を構成する2枚の建材は、互いの第1面2Fが対向する状態で重なり合う。

そして、複数の組P1をそれぞれ結束材J1によって結束した状態で重ね合わせて、建材の積層体が完成する。なお、建材の積層体は、1つの組P1毎に構成されてもよい。また、結束材J1は、複数の組P1をまとめて結束してもよい。

図8に示すように、建材の積層体において、組P1を構成する一方の建材の第2裏面側接合部23は、組P1を構成する他方の建材の第2裏面側接合部23と同じ側に位置している。また、組P1を構成する一方の建材の第2表面側接合部24は、組P1を構成する他方の建材の第2表面側接合部24と同じ側に位置している。

その一方、図7に示すように、建材の積層体において、組P1を構成する一方の建材の第1裏面側接合部21は、組P1を構成する他方の建材の第1裏面側接合部21とは反対側に位置している。また、組P1を構成する一方の建材の第1表面側接合部22は、組P1を構成する他方の建材の第1表面側接合部22とは反対側に位置している。

組P1を構成する一方の建材の露出領域B1Uは、組P1を構成する他方の建材の被覆領域C1を覆う保護シートS1により、非接触状態で保護されている。

<作用効果> 実施の形態1の建材、及び建材の施工方法では、図3〜図5に示すように、外壁板2の第1面2F内に形成された意匠面3の被覆領域C1は、剥離可能な保護シートS1で覆われることにより保護されている。このため、図6に示すように、施工時の第1工程を行う際、意匠面3の被覆領域C1は損傷が抑制される。

一方、図3〜図5に示すように、意匠面3の露出領域B1Dは、第1意匠端部3Dに沿って延びて形成されている。また、意匠面3の露出領域B1Uは、第2意匠端部3Uに沿って延びて形成されている。そして、露出領域B1D、B1Uは、保護シートS1で覆われていない。このため、図6に示すように、施工時の第1工程を行う際、上下で隣接する外壁板2同士において、意匠面3の第1意匠端部3D及び第2意匠端部3Uが露出する。つまり、第1意匠端部3Dから保護シートS1のシート端S1Dが上方に離間し、また、第2意匠端部3Uから保護シートS1のシート端S1Uが下方に離間するので、第1意匠端部3D及び第2意匠端部3Uの周辺において、隣接する外壁板2同士の間に保護シートS1のシート端S1D、S1Uが挟まれる不具合を抑制できる。

また、その第1意匠端部3D及び第2意匠端部3Uの周辺において、隣接する外壁板2同士の間に保護シートS1のシート端S1D、S1Uが挟まれないように注意しながら作業する必要がない。

さらに、保護シートS1の挟まれた部分を千切れないように注意して引き抜く等の余分な施工手間を無くすことができる。

さらに、施工時の第2工程を行う際、保護シートS1を剥がす際のきっかけとなるシート端S1D、S1Uも、第1意匠端部3D及び第2意匠端部3Uの周辺において、隣接する外壁板2同士で互いに離間するため、保護シートS1を剥がす作業が容易になる。

したがって、実施の形態1の建材、及び建材の施工方法によれば、意匠面3の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

また、この建材によれば、図3〜図5に示すように、第2意匠面32D、32U、32R、32Lは、意匠面3の四方の端部を面取りする面取り部である。これにより、施工時だけでなく、図7及び図8に示すように、保管時及び運搬時にも、意匠面3の損傷を抑制できる。そして、図6に示すように、露出領域B1D、B1Uが面取り部である第2意匠面32D、32Uを含むことで、施工時の第1工程を行う際、上下で隣接する外壁板2同士の間に保護シートS1のシート端S1D、S1Uを一層挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

さらに、この建材では、図3及び図5に示すように、保護シートS1は、第1意匠面31の全面を接触状態で覆っている。その一方、保護シートS1は、第1意匠面31から、第2意匠面32Rに非接触状態で、右方に延出している。また、保護シートS1は、第1意匠面31から、第2意匠面32Lに非接触状態で、左方に延出している。つまり、保護シートS1のシート端S1R、S1Lが第2意匠面32R、32Lから離れている。このため、この建材では、施工時の第2工程を行う際、保護シートS1のシート端S1R、S1Lを剥がし易い。

また、この建材では、図6に示すように、第1裏面側接合部21における第1面2F側の表面21Fは、保護シートS1で覆われていない状態で、施工時に第1表面側接合部22と接合されて隠れる。また、第1面2Fにおける第1表面側接合部22側に第1意匠端部3Dが延びており、第1表面側接合部22における第1面2F側の表面22Fに形成された露出領域B1Dが第1意匠端部3Dに沿って延びている。このため、施工時の第1工程を行う際、上下で隣接する外壁板2同士における第1表面側接合部22と第1裏面側接合部21との接合箇所に、保護シートS1のシート端S1D、S1Uを一層挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

さらに、実施の形態1の建材の積層体では、図7に示すように、組P1を構成する一方の建材の露出領域B1Uは、組P1を構成する他方の建材の被覆領域C1を覆う保護シートS1により、非接触状態で保護されている。これにより、この建材の積層体では、例えば、梱包時や開梱時に、一方の建材に対して他方の建材が傾斜し、一方の建材の露出領域B1Uに他方の建材の意匠面3が接触しそうになっても、他方の建材の保護シートS1により露出領域B1Uの損傷を抑制することができる。

(実施の形態2) 実施の形態2の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法では、実施の形態1の建材に係る意匠面3の被覆領域C1(C1C、C1R、C1L)及び露出領域B1(B1D、B1U)を変更し、図9及び図10に示すように、意匠面3が被覆領域C2(C2C、C2D、C2U、C2R、C2L)及び露出領域B2(B2D、B2U、B2R、B2L)を有している。実施の形態2のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。

保護シートS1の上下方向の長さは、第1意匠面31の上下方向の長さLV31よりも大きく、かつ、意匠面3の上下方向の長さLV3よりも小さく設定されている。また、保護シートS1の左右方向の長さは、第1意匠面31の左右方向の長さLH31よりも大きく、かつ、意匠面3の左右方向の長さLH3よりも小さく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Dは、第1意匠面31よりも下方にはみ出す一方、第1意匠端部3Dよりも上方に位置している。保護シートS1のシート端S1Uは、第1意匠面31よりも上方にはみ出す一方、第2意匠端部3Uよりも下方に位置している。保護シートS1のシート端S1Rは、第1意匠面31よりも右方にはみ出す一方、第3意匠端部3Rよりも左方に位置している。保護シートS1のシート端S1Lは、第1意匠面31よりも左方にはみ出す一方、第4意匠端部3Lよりも右方に位置している。

保護シートS1は、第1意匠面31の全面を接触状態で覆っている。また、保護シートS1は、第1意匠面31と第2意匠面32D、32U、32R、32Lとの稜線において屈曲し、第1意匠面31から第2意匠面32D、32U、32R、32Lの途中までを接触状態で覆っている。

被覆領域C2Cは、第1意匠面31の全面に形成されている。被覆領域C2Dは、第1意匠面31の下端部から第2意匠面32Dの途中までに形成されている。被覆領域C2Uは、第1意匠面31の上端部から第2意匠面32Uの途中までに形成されている。被覆領域C2Rは、第1意匠面31の右端部から第2意匠面32Rの途中までに形成されている。被覆領域C2Lは、第1意匠面31の左端部から第2意匠面32Lの途中までに形成されている。

露出領域B2Dは、第2意匠面32Dにおける被覆領域C2Dを除く部分に形成されている。また、露出領域B2Dは、第1意匠端部3Dに沿って延びて形成されている。露出領域B2Dは、第1表面側接合部22における第1面2F側の表面22Fに形成されている。

露出領域B2Uは、第2意匠面32Uにおける被覆領域C2Uを除く部分に形成されている。また、露出領域B2Uは、第2意匠端部3Uに沿って延びて形成されている。

露出領域B2Rは、第2意匠面32Rにおける被覆領域C2Rを除く部分に形成されている。また、露出領域B2Rは、第3意匠端部3Rに沿って延びて形成されている。

露出領域B2Lは、第2意匠面32Lにおける被覆領域C2Lを除く部分に形成されている。また、露出領域B2Lは、第4意匠端部3Lに沿って延びて形成されている。

つまり、露出領域B2D、B2U、B2R、B2Lは、意匠面3の四方の端部に沿って延びて形成されている。

実施の形態2の建材では、施工時の第1工程において、保護シートS1が貼着された外壁板2を建物の構造体8に取り付ける。この際、保護シートS1によって、意匠面3の被覆領域C2が保護される。そして、第1工程の後、第2工程において、保護シートS1を意匠面3から剥がす。

また、この建材は、積層体として、保管や運搬が行われる。積層体は、意匠面3が被覆領域C2及び露出領域B2を有している点のみが図7及び図8に示す積層体から変更されている。

図示は省略するが、組P1を構成する一方の建材の露出領域B2Uは、組P1を構成する他方の建材の被覆領域C2を覆う保護シートS1により、非接触状態で保護されている。

<作用効果> 実施の形態1の建材、及び建材の施工方法では、図9及び図10に示すように、外壁板2の第1面2F内に形成された意匠面3の被覆領域C2は、剥離可能な保護シートS1で覆われることにより保護されている。このため、施工時の第1工程を行う際、意匠面3の被覆領域C2は損傷が抑制される。

一方、施工時の第1工程を行う際、上下で隣接する外壁板2同士において、意匠面3の第1意匠端部3D及び第2意匠端部3Uが露出する。つまり、第1意匠端部3Dから保護シートS1のシート端S1Dが上方に離間し、また、第2意匠端部3Uから保護シートS1のシート端S1Uが下方に離間するので、第1意匠端部3D及び第2意匠端部3Uの周辺において、隣接する外壁板2同士の間に保護シートS1のシート端S1D、S1Uが挟まれる不具合を抑制できる。

また、左右で隣接する外壁板2同士において、意匠面3の第3意匠端部3R及び第4意匠端部3Lが露出する。つまり、第3意匠端部3Rから保護シートS1のシート端S1Rが左方に離間し、また、第4意匠端部3Lから保護シートS1のシート端S1Lが右方に離間するので、第3意匠端部3R及び第4意匠端部3Lの周辺において、隣接する外壁板2同士の間に保護シートS1のシート端S1R、S1Lが挟まれる不具合を抑制できる。このため、その第1意匠端部3D、第2意匠端部3U、第3意匠端部3R及び第4意匠端部3Lの周辺において、隣接する外壁板2同士の間に保護シートS1のシート端S1D、S1U、S1R、S1Lが挟まれないように注意しながら作業しなくてもよくなる。

また、保護シートS1の挟まれた部分を千切れないように注意して引き抜く等の余分な施工手間を無くすことができる。

さらに、施工時の第2工程を行う際、保護シートS1を剥がす際のきっかけとなるシート端S1D、S1U、S1R、S1Lも、第1意匠端部3D、第2意匠端部3U、第3意匠端部3R及び第4意匠端部3Lの周辺において、隣接する外壁板2同士で互いに離間するため、保護シートS1を剥がす作業が容易になる。

したがって、実施の形態2の建材、及び建材の施工方法によっても、意匠面3の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

また、この建材では、第2意匠面32D、32U、32R、32Lが傾斜していることから、施工時の第2工程において、第1意匠面31から第2意匠面32D、32U、32R、32Lの途中までに形成される被覆領域C2を覆う保護シートS1のシート端S1D、S1U、S1R、S1Lを剥がし易い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

さらに、実施の形態2の建材の積層体では、組P1を構成する一方の建材の露出領域B2Uは、組P1を構成する他方の建材の被覆領域C2を覆う保護シートS1により、非接触状態で保護されている。これにより、この建材の積層体では、例えば、梱包時や開梱時に、一方の建材に対して他方の建材が傾斜し、一方の建材の第2意匠面32Uに他方の建材の第1意匠面31が接触しそうになっても、他方の建材の保護シートS1により第2意匠面32Uの損傷を抑制することができる。

(実施の形態3) 実施の形態3の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法では、図11及び図12に示すように、保護シートS1は、第1意匠面31と第2意匠面32D、32U、32R、32Lとの稜線において屈曲することなく、第2意匠面32D、32U、32R、32Lに非接触状態で、外方に延出するように変更されている点が実施の形態2と異なる。

被覆領域C3Dは、第1意匠面31の下端部から第2意匠面32Dの途中までにおいて、保護シートS1に非接触状態で覆われるように変更されている。被覆領域C3Uは、第1意匠面31の上端部から第2意匠面32Uの途中までにおいて、保護シートS1に非接触状態で覆われるように変更されている。被覆領域C3Rは、第1意匠面31の右端部から第2意匠面32Rの途中までにおいて、保護シートS1に非接触状態で覆われるように変更されている。被覆領域C3Lは、第1意匠面31の左端部から第2意匠面32Lの途中までにおいて、保護シートS1に非接触状態で覆われるように変更されている。

実施の形態3のその他の構成は、実施の形態2と同様である。例えば、露出領域B3D、B3U、B3R、B3Lは、第2意匠面32D、32U、32R、32Lにおける被覆領域C3D、C3U、C3R、C3Lを除く部分に形成されている。このため、実施の形態1、2と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。

実施の形態3の建材では、施工時の第1工程において、保護シートS1が貼着された外壁板2を建物の構造体8に取り付ける。この際、保護シートS1によって、意匠面3の被覆領域C3が保護される。そして、第1工程の後、第2工程において、保護シートS1を意匠面3から剥がす。

また、この建材は、積層体として、保管や運搬が行われる。積層体は、被覆領域C3D、C3U、C3R、C3Lが保護シートS1に非接触状態で覆われている点のみが実施の形態2の積層体から変更されている。

このような構成である実施の形態3の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法によっても、実施の形態1、2の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法と同様に、意匠面3の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

また、この建材では、保護シートS1のシート端S1Dが第1意匠端部3Dよりも上方において第2意匠面32Dから浮き上がっている。保護シートS1のシート端S1Uが第2意匠端部3Uよりも下方において第2意匠面32Uから浮き上がっている。保護シートS1のシート端S1Rが第3意匠端部3Rよりも左方において第2意匠面32Rから浮き上がっている。保護シートS1のシート端S1Lが第4意匠端部3Lよりも右方において第2意匠面32Lから浮き上がっている。このため、施工時の第2工程において、保護シートS1のシート端S1D、S1U、S1R、S1Lを剥がし易い。

さらに、この建材では、保護シートS1のシート端S1Dが第1意匠端部3Dよりも下方に延出していない。保護シートS1のシート端S1Uが第2意匠端部3Uよりも上方に延出していない。保護シートS1のシート端S1Rが第3意匠端部3Rよりも右方に延出していない。保護シートS1のシート端S1Lが第4意匠端部3Lよりも左方に延出していない。このため、施工時の第1工程において、隣接する外壁板2同士の間に保護シートS1のシート端S1D、S1U、S1R、S1Lを挟み難い。その結果、この建材では、施工性の一層の向上を実現できる。

(実施の形態4) 実施の形態4の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法では、実施の形態1の建材に係る意匠面3の被覆領域C1(C1C、C1R、C1L)及び露出領域B1(B1D、B1U)を変更し、図13及び図14に示すように、意匠面3が被覆領域C4及び露出領域B4(B4CD、B4CU、B4D、B4U、B4R、B4L)を有している。実施の形態4のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。

図13に示すように、保護シートS1の上下方向の長さは、第1意匠面31の上下方向の長さLV31よりも小さく設定されている。保護シートS1のシート端S1D、S1Uは、第1意匠面31の上下の端部から内方に離間している。保護シートS1のシート端S1D、S1Uが第1意匠面31の上下の端部から内方に離間する長さは特に限定されないが、一例として約2.5mmがあげられる。

保護シートS1の左右方向の長さは、第1意匠面31の左右方向の長さLH31と等しく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Rは、第1意匠面31よりも右方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Rは、保護シートS1で覆われていない。また、保護シートS1のシート端S1Lは、第1意匠面31よりも左方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Lは、保護シートS1で覆われていない。

被覆領域C4は、第1意匠面31におけるシート端S1D、S1U、S1R、S1Lに囲まれた部分に形成されている。

露出領域B4CD、B4CUは、第1意匠面31における被覆領域C4を除く部分に形成されている。露出領域B4CDは、第1意匠端部3Dに沿って延びて形成されている。露出領域B4CDは、第1表面側接合部22における第1面2F側の表面22Fに形成されている。露出領域B4CUは、第2意匠端部3Uに沿って延びて形成されている。

露出領域B4Dは、第2意匠面32Dに形成されており、第1意匠端部3Dに沿って延びて形成されている。露出領域B4Uは、第2意匠面32Uに形成されており、第2意匠端部3Uに沿って延びて形成されている。露出領域B4Rは、第2意匠面32Rに形成されており、第3意匠端部3Rに沿って延びて形成されている。露出領域B4Lは、第2意匠面32Lに形成されており、第4意匠端部3Lに沿って延びて形成されている。

つまり、露出領域B4CD、B4CU、B4D、B4U、B4R、B4Lは、意匠面3の四方の端部に沿って延びて形成されている。

図示は省略するが、実施の形態4の建材では、施工時の第1工程において、保護シートS1が貼着された外壁板2を建物の構造体8に取り付ける。この際、保護シートS1によって、意匠面3の被覆領域C4が保護される。そして、第1工程の後、第2工程において、保護シートS1を意匠面3から剥がす。

また、この建材は、図14に示す積層体として、保管や運搬が行われる。この積層体は、意匠面3が被覆領域C4及び露出領域B4を有している点のみが実施の形態1の積層体から変更されている。

図14に示すように、組P1を構成する一方の建材の露出領域B4CUは、組P1を構成する他方の建材の被覆領域C4を覆う保護シートS1により保護されている。より具体的には、露出領域B4CUと、他方の建材の保護シートS1とは、一方の建材の保護シートS1の厚みによって形成される小さな隙間を有しつつ互いに対向している。これにより、例えば、梱包時、保管時、運搬時、開梱時等に、一方の建材の露出領域B4CUに他方の建材の意匠面3が接触しそうになっても、他方の建材の保護シートS1により、露出領域B4CUが保護される。

このような構成である実施の形態4の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法によっても、実施の形態1〜3の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法と同様に、意匠面3の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

(実施の形態5) 実施の形態5の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法では、実施の形態1の建材に係る意匠面3の被覆領域C1(C1C、C1R、C1L)及び露出領域B1(B1D、B1U)を変更し、図15に示すように、意匠面3が被覆領域C5(C5C、C5R)及び露出領域B5(B5D、B5U、B5L)を有している。実施の形態5のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。

保護シートS1の上下方向の長さは、第1意匠面31の上下方向の長さLV31と等しく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Dは、第1意匠面31よりも下方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Dは、保護シートS1で覆われていない。また、保護シートS1のシート端S1Uは、第1意匠面31よりも上方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Uは、保護シートS1で覆われていない。

保護シートS1の左右方向の長さは、第1意匠面31の左右方向の長さLH31よりも大きく設定されている。保護シートS1のシート端S1Lは、第1意匠面31の左端部と一致するように配置され、第1意匠面31よりも左方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Lは、保護シートS1で覆われていない。保護シートS1のシート端S1Rは、第3意匠端部3Rよりも右方に位置し、第2意匠面32Rから浮いている。つまり、保護シートS1は、第1意匠面31から、第2意匠面32Rに非接触状態で、右方に延出している。保護シートS1のシート端S1Rが意匠面3から右方にはみ出す長さは特に限定されないが、一例として約5mmがあげられる。

被覆領域C5Cは、第1意匠面31の全面に形成されている。被覆領域C5Rは、第2意匠面32Rに形成されている。

露出領域B5Dは、第2意匠面32Dに形成されている。また、露出領域B5Dは、第1意匠端部3Dに沿って延びて形成されている。露出領域B5Dは、第1表面側接合部22における第1面2F側の表面22Fに形成されている。露出領域B5Uは、第2意匠面32Uに形成されている。また、露出領域B5Uは、第2意匠端部3Uに沿って延びて形成されている。露出領域B5Lは、第2意匠面32Lに形成されている。また、露出領域B5Lは、第4意匠端部3Lに沿って延びて形成されている。

図示は省略するが、実施の形態5の建材では、施工時の第1工程において、保護シートS1が貼着された外壁板2を建物の構造体8に取り付ける。この際、保護シートS1によって、意匠面3の被覆領域C5C、C5Rが保護される。そして、第1工程の後、第2工程において、保護シートS1を意匠面3から剥がす。

また、図示は省略するが、この建材は、積層体として、保管や運搬が行われる。積層体は、意匠面3が被覆領域C5及び露出領域B5を有している点のみが実施の形態1の積層体から変更されている。

組P1を構成する一方の建材の露出領域B5Uは、組P1を構成する他方の建材の被覆領域C5を覆う保護シートS1により、非接触状態で保護されている。これにより、例えば、梱包時や開梱時に、一方の建材に対して他方の建材が傾斜し、一方の建材の露出領域B5Uに他方の建材の意匠面3が接触しそうになっても、他方の建材の保護シートS1により、露出領域B5Uが保護される。

このような構成である実施の形態5の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法によっても、実施の形態1〜4の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法と同様に、意匠面3の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

(実施の形態6) 実施の形態6の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法では、実施の形態1の建材に係る意匠面3の被覆領域C1(C1C、C1R、C1L)及び露出領域B1(B1D、B1U)を変更し、図16に示すように、意匠面3が被覆領域C6及び露出領域B6(B6D、B6U、B6R、B6L)を有している。実施の形態6のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。

保護シートS1の上下方向の長さは、第1意匠面31の上下方向の長さLV31と等しく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Dは、第1意匠面31よりも下方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Dは、保護シートS1で覆われていない。また、保護シートS1のシート端S1Uは、第1意匠面31よりも上方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Uは、保護シートS1で覆われていない。

保護シートS1の左右方向の長さは、第1意匠面31の左右方向の長さLH31と等しく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Rは、第1意匠面31よりも右方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Rは、保護シートS1で覆われていない。また、保護シートS1のシート端S1Lは、第1意匠面31よりも左方にはみ出さない。つまり、第2意匠面32Lは、保護シートS1で覆われていない。

被覆領域C6は、第1意匠面31の全面に形成されている。

露出領域B6Dは、第2意匠面32Dに形成されている。また、露出領域B6Dは、第1意匠端部3Dに沿って延びて形成されている。換言すると、露出領域B6Dは、第1表面側接合部22における第1面2F側の表面22Fに形成されている。露出領域B6Uは、第2意匠面32Uに形成されている。また、露出領域B6Uは、第2意匠端部3Uに沿って延びて形成されている。露出領域B6Rは、第2意匠面32Rに形成されている。また、露出領域B6Rは、第3意匠端部3Rに沿って延びて形成されている。露出領域B6Lは、第2意匠面32Lに形成されている。また、露出領域B6Lは、第4意匠端部3Lに沿って延びて形成されている。

図示は省略するが、実施の形態6の建材では、施工時の第1工程において、保護シートS1が貼着された外壁板2を建物の構造体8に取り付ける。この際、保護シートS1によって、意匠面3の被覆領域C6が保護される。そして、第1工程の後、第2工程において、保護シートS1を意匠面3から剥がす。

また、この建材は、積層体として、保管や運搬が行われる。積層体は、意匠面3が被覆領域C6及び露出領域B6を有している点のみが実施の形態1の積層体から変更されている。

図示は省略するが、組P1を構成する一方の建材の露出領域B6Uは、組P1を構成する他方の建材の被覆領域C6を覆う保護シートS1により、非接触状態で保護されている。これにより、例えば、梱包時や開梱時に、一方の建材に対して他方の建材が傾斜し、一方の建材の露出領域B6Uに他方の建材の意匠面3が接触しそうになっても、他方の建材の保護シートS1により、露出領域B6Uが保護される。

このような構成である実施の形態6の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法によっても、実施の形態1〜5の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法と同様に、意匠面3の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

(実施の形態7) 実施の形態7の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法では、実施の形態1の建材に係る外壁板2の代わりに、図17に示す外壁板702を採用している。

外壁板702は、「建材本体」の一例である。そして、図18に示すように、外壁板702の意匠面703が被覆領域C7及び露出領域B7(B7D、B7U)を有している。実施の形態7のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。

図17に示すように、本実施の形態では、外壁板702は、パルプ混合セメント板である。外壁板702は、第1面702Fと第2面702Bとを有している。第1面702Fは、外壁板702における屋外方向を向く面である。第2面702Bは、外壁板702における屋内方向を向く面である。

第1面702Fは、外壁板702を構成するパルプ混合セメント板の表面に凹凸を有するレンガ模様が形成され、そのレンガ模様が塗装されてなる。つまり、第1面702Fに、凹凸面である意匠面703が形成されている。意匠面703の大きさは特に限定されないが、一例を挙げると、左右方向の長さが約3mであり、上下方向の長さが約0.5mである。

第1意匠端部703Dは、意匠面703の下方の端部である。第2意匠端部703Uは、意匠面703の上方の端部であり、第1意匠端部703Dと対向している。第1意匠端部703Dと第2意匠端部703Uとは、互いに平行に左右方向に延びている。

第3意匠端部703Rは、意匠面703の右方の端部であり、第1意匠端部703Dと直交している。第4意匠端部703Lは、意匠面703の左方の端部であり、第1意匠端部703Dと直交し、かつ第3意匠端部703Rと対向している。第3意匠端部703Rと第4意匠端部703Lとは、互いに平行に上下方向に延びている。

第1意匠面731は、第1意匠端部703D及び第2意匠端部703Uのそれぞれから内方に離れて形成された長方形状である。第1意匠面731の右端部は、第3意匠端部703Rと一致している。第1意匠面731の左端部は、第4意匠端部703Lと一致している。

第2意匠面732D、732Uは、意匠面703の上下の端部を面取りする面取り部であり、上下の意匠端部と第1意匠面731を接続し、かつ第1意匠面731に対して45°程度の角度で傾斜している。第2意匠面732D、732Uの幅は特に限定されないが、一例として約2.5mmがあげられる。

外壁板702の上端部には、第1裏面側接合部721が形成されている。第1裏面側接合部721の構成は、実施の形態1に係る第1裏面側接合部21と同様であるので説明は省略する。外壁板702の下端部、すなわち、外壁板702における第1裏面側接合部721と対向する箇所には、第1表面側接合部722が形成されている。第1表面側接合部722の構成は、実施の形態1に係る第1表面側接合部22と同様であるので説明は省略する。外壁板702の左右の端部には、平坦面が形成されている。

なお、図17〜図19では、外壁板702の大きさに対して、第2意匠面732D、732U、第1裏面側接合部721及び第1表面側接合部722の大きさが誇張して図示されている。

実施の形態1に係る第1裏面側接合部21及び第1表面側接合部22について図6に示して説明したのと同様に、第1裏面側接合部721と第1表面側接合部722とは、2枚の外壁板702が上下で隣接することにより、接合可能となっている。下方の外壁板702の第1裏面側接合部721と、上方の外壁板702の第1表面側接合部722とが屋内外方向で重なり合うことによって、上下で隣接する外壁板702同士の間に、上下合決り部が形成されるようになっている。

図18に示す保護シートS1は、外壁板702の第1面702Fに貼着された状態で、第1意匠端部703D及び第2意匠端部703Uと略平行に左右方向に延び、かつ、第3意匠端部703R及び第4意匠端部703Lと略平行に上下方向に延びて、第1意匠面731の全面を接触状態で覆っている。保護シートS1の上下方向の長さは、第1意匠面731の上下方向の長さLV731と等しく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Dは、第1意匠面731よりも下方にはみ出さない。つまり、第2意匠面732Dは、保護シートS1で覆われていない。また、保護シートS1のシート端S1Uは、第1意匠面731よりも上方にはみ出さない。つまり、第2意匠面732Uと、第1裏面側接合部721における第1面702F側の表面721Fとは、保護シートS1で覆われていない。

保護シートS1の左右方向の長さは、意匠面703の左右方向の長さLH703よりも大きく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Rは、第3意匠端部703Rよりも右方にはみ出している。また、保護シートS1のシート端S1Lは、第4意匠端部703Lよりも左方にはみ出している。保護シートS1のシート端S1R、S1Lが意匠面703から右方又は左方にはみ出す長さは特に限定されないが、一例として約5mmがあげられる。

被覆領域C7は、第1意匠面731の全面に形成されている。

露出領域B7Dは、第2意匠面32Dに形成されている。また、露出領域B7Dは、第1意匠端部703Dに沿って延びて形成されている。露出領域B7Dは、第1表面側接合部722における第1面702F側の表面722Fに形成されている。露出領域B7Uは、第2意匠面732Uに形成されている。また、露出領域B7Uは、第2意匠端部703Uに沿って延びて形成されている。

図示は省略するが、実施の形態7の建材では、施工時の第1工程において、保護シートS1が貼着された外壁板702を建物の構造体8に取り付ける。この際、保護シートS1によって、意匠面703の被覆領域C7が保護される。そして、第1工程の後、第2工程において、保護シートS1を意匠面703から剥がす。

また、この建材は、図19に示すように、保護シートS1が貼着された外壁板702を重ね合わせてなる積層体として、保管や運搬が行われる。

積層体を構成する各建材は、実施の形態1と同様の手順によって、2枚で組P7を構成する。建材の積層体において、組P7を構成する一方の建材の第1裏面側接合部721は、組P7を構成する他方の建材の第1裏面側接合部721とは反対側に位置している。また、組P7を構成する一方の建材の第1表面側接合部722は、組P7を構成する他方の建材の第1表面側接合部722とは反対側に位置している。

組P7を構成する一方の建材の露出領域B7Uは、組P7を構成する他方の建材の被覆領域C7を覆う保護シートS1により、非接触状態で保護されている。これにより、例えば、梱包時や開梱時に、一方の建材に対して他方の建材が傾斜し、一方の建材の露出領域B7Uに他方の建材の意匠面703が接触しそうになっても、他方の建材の保護シートS1により、露出領域B7Uが保護される。

このような構成である実施の形態7の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法によっても、実施の形態1〜6の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法と同様に、意匠面703の損傷を抑制しつつ、施工性の向上を実現できる。

(実施の形態8) 実施の形態8の建材、建材の積層体、及び建材の施工方法では、実施の形態7の建材に係る外壁板702について、図17等に示す意匠面703を図20及び図21に示す意匠面803に変更している。そして、図20に示すように、意匠面803が被覆領域C8及び露出領域B8(B8D、B8U)を有している。実施の形態8のその他の構成は、実施の形態7と同様である。このため、実施の形態7と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。

図21に示すように、意匠面803は、図17等に示す意匠面703から、上下の端部に形成された面取り部を無くす変更を行っている。

第1意匠端部803Dは、意匠面803の下方の端部である。第2意匠端部803Uは、意匠面803の上方の端部であり、第1意匠端部803Dと対向している。第1意匠端部803Dと第2意匠端部803Uとは、互いに平行に左右方向に延びている。

第3意匠端部803Rは、意匠面803の右方の端部であり、第1意匠端部803Dと直交している。第4意匠端部803Lは、意匠面803の左方の端部であり、第1意匠端部803Dと直交し、かつ第3意匠端部803Rと対向している。第3意匠端部803Rと第4意匠端部803Lとは、互いに平行に上下方向に延びている。

保護シートS1の上下方向の長さは、意匠面803の上下方向の長さLV803よりも小さく設定されている。保護シートS1のシート端S1D、S1Uは、意匠面803の上下の端部から内方に離間している。保護シートS1のシート端S1D、S1Uが意匠面803の上下の端部から内方に離間する長さは特に限定されないが、一例として約2.0〜3.0mmがあげられる。

保護シートS1の左右方向の長さは、意匠面803の左右方向の長さLH803よりも大きく設定されている。このため、保護シートS1のシート端S1Rは、第3意匠端部803Rよりも右方にはみ出している。また、保護シートS1のシート端S1Lは、第4意匠端部803Lよりも左方にはみ出している。保護シートS1のシート端S1R、S1Lが意匠面803から右方又は左方にはみ出す長さは特に限定されないが、一例として約5mmがあげられる。

被覆領域C8は、意匠面803におけるシート端S1D、S1Uと第3意匠端部803Rと第4意匠端部803Lとに囲まれた部分に形成されている。

露出領域B8D、B8Uは、意匠面803における被覆領域C8を除く部分に形成されている。露出領域B8Dは、第1意匠端部803Dに沿って延びて形成されている。露出領域B8Dは、第1表面側接合部722における第1面702F側の表面722Fに形成されている。露出領域B8Uは、第2意匠端部803Uに沿って延びて形成されている。

図示は省略するが、実施の形態8の建材では、施工時の第1工程において、保護シートS1が貼着された外壁板702を建物の構造体8に取り付ける。この際、保護シートS1によって、意匠面803の被覆領域C8が保護される。そして、第1工程の後、第2工程において、保護シートS1を意匠面803から剥がす。

また、この建材は、図21に示す積層体として、保管や運搬が行われる。この積層体は、面取り部を有しない意匠面803が被覆領域C8及び露出領域B8を有している点のみが図19に示す積層体から変更されている。

図21に示すように、組P7を構成する一方の建材の露出領域B8Uは、組P7を構成する他方の建材の被覆領域C8を覆う保護シートS1により保護されている。より具体的には、露出領域B8Uと、他方の建材の保護シートS1とは、一方の建材の保護シートS1の厚みによって形成される小さな隙間を有しつつ互いに対向している。これにより、例えば、梱包時、保管時、運搬時、開梱時等に、一方の建材の露出領域B8Uに他方の建材の意匠面803が接触しそうになっても、他方の建材の保護シートS1により、露出領域B8Uが保護される。

以上において、本発明の形態を実施の形態1〜8に即して説明したが、本発明の形態は上記実施の形態1〜8に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。

例えば、意匠面は、第1面の全体に形成されていなくてもよい。屋外方向を向く表面が第1面であってもよい。屋内方向を向く裏面が第1面であってもよい。表面及び裏面の両方が第1面であってもよい。意匠面は、凹凸面であってよいし、平坦面であってもよい。

2、702…建材本体(外壁板) S1…保護シート S1D、S1U、S1R、S1L…シート端 2F、702F…第1面 2B、702B…第2面 3、703、803…意匠面 3D、703D、803D…第1意匠端部 3U、703U、803U…第2意匠端部 3R、703R、803R…第3意匠端部 3L、703L、803L…第4意匠端部 C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8…被覆領域 B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8…露出領域 31、731…第1意匠面 32D、32U、32R、32L、732D、732U…第2意匠面 21、721…第1裏面側接合部 22、722…第1表面側接合部 21F、721F…第1裏面側接合部における第1面側の表面 22F、722F…第1表面側接合部における第1面側の表面 23…第2裏面側接合部 24…第2表面側接合部 P1、P7…建材(外壁板)の組 8…構造体

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